(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】エアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/46 20200101AFI20240501BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20240501BHJP
H05B 6/64 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/20
H05B6/64 Z
(21)【出願番号】P 2022566627
(86)(22)【出願日】2021-10-20
(86)【国際出願番号】 CN2021124893
(87)【国際公開番号】W WO2023065138
(87)【国際公開日】2023-04-27
【審査請求日】2023-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】517419906
【氏名又は名称】深▲せん▼麦克韋爾科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN SMOORE TECHNOLOGY LIMITED
【住所又は居所原語表記】16#, Dongcai Industrial Park, Gushu Town, Xixiang Street, Baoan District, Shenzhen, Guangdong, China
(73)【特許権者】
【識別番号】519403945
【氏名又は名称】深▲せん▼麦時科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】杜靖
【審査官】高橋 武大
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第3747289(EP,A1)
【文献】欧州特許出願公開第3818848(EP,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2021-0123839(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第108552612(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第112044370(CN,A)
【文献】特開2020-21678(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
H05B 6/64-6/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に共振空洞が設置されており、前記共振空洞にエアロゾル発生基質を収容可能なハウジングと、
前記ハウジングに設置されて、前記共振空洞内にマイクロ波を導入するために用いられるマイクロ波モジュールと、
第1端が前記共振空洞の空洞底壁に連なっており、第2端が前記共振空洞の開口に面している共振ロッドと、
プローブと、を含み、
前記プローブの数は少なくとも2つであり、少なくとも2つの前記プローブは間隔を置いて前記共振ロッドに設置され、前記エアロゾル発生基質は少なくとも2つの前記プローブの間に位置するエアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記共振ロッドの周側壁に沿って、少なくとも2つの前記プローブが均一に前記共振ロッドの周側壁に設置される請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記プローブは、
前記共振ロッドの周側壁に連なる接続部と、
第1端が前記接続部に連なり、第2端が前記共振空洞の開口方向に延伸する延伸部と、を含む請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記接続部と前記延伸部との間の夾角の値の範囲は80°~100°である請求項3に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
少なくとも2つの前記接続部のサイズは同じであり、及び/又は、
少なくとも2つの前記延伸部のサイズは同じである請求項3に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
更に、
前記共振空洞内に設置される固定ベースであって、前記共振ロッドと対向するよう設置され、少なくとも2つの前記プローブが前記固定ベースの周側壁を取り囲むように分布する固定ベースと、
前記固定ベース内に設置されて、前記エアロゾル発生基質を収容するために用いられる霧化室と、を含む請求項1~5のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記共振ロッドの中心線と前記霧化室の中心線は重なり合う請求項6に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記固定ベースは前記ハウジングに取り外し可能に接続される請求項6に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記共振ロッドの第2端は前記固定ベースに当接する請求項6に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記共振ロッドの中心線と垂直な方向に
沿って、前記共振ロッドの断面積は前記固定ベースの断面積以下である請求項6に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記ハウジングは、
前記共振ロッドが設置される第1筐体と、
前記第1筐体に取り外し可能に接続される第2筐体と、を含む請求項1~5のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記エアロゾル発生装置は、
前記ハウジングに設置される貫通孔と、
前記ハウジングに設置される圧力センサと、を含み、
前記圧力センサの収集端は、前記貫通孔を通じて前記共振空洞と連通し、前記共振空洞内の気圧値を収集するために用いられる請求項11に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
前記マイクロ波モジュールは、
前記ハウジングの側壁に設置されるマイクロ波導入部と、
前記マイクロ波導入部に連なるマイクロ波発射源と、を含み、
前記マイクロ波発射源から出力されたマイクロ波は、前記マイクロ波導入部を経由して前記共振空洞に導入され、前記マイクロ波は、前記共振ロッドの第1端から前記共振ロッドの第2端に向かう方向に伝達される請求項1~5のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項14】
前記マイクロ波導入部は、
前記ハウジングの側壁に設置される第1導入部材と、
第1端が前記第1導入部材に連なる第2導入部材と、を含み、
前記第2導入部材は前記共振空洞内に位置し、前記第2導入部材の第2端は前記共振空洞の空洞底壁に面している請求項13に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項15】
前記マイクロ波導入部は、
前記ハウジングの側壁に設置される第3導入部材と、
第1端が前記第3導入部材に連なる第4導入部材と、を含み、
前記第4導入部材は前記共振空洞内に位置し、前記第4導入部材の第2端は前記共振ロッドに面している請求項13に記載のエアロゾル発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電子霧化の技術分野に属し、具体的には、エアロゾル発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
非燃焼・加熱(Heat Not Burning,HNB)装置は、加熱装置にエアロゾル発生基質(処理済みの植物の葉系製品)を組み合わせた複合デバイスである。外部の加熱装置は、エアロゾル発生基質がエアロゾルを発生し得るが、燃焼には至らない温度まで高温加熱することで、非燃焼を前提に、ユーザが所望するエアロゾルをエアロゾル発生基質により発生可能とする。
【0003】
現在、市販されている非燃焼・加熱器具は、主に抵抗加熱方式を採用している。即ち、中心発熱チップ又は発熱針等をエアロゾル発生基質の中心からエアロゾル発生基質の内部に挿入することで加熱する。このような器具は、使用前に予熱等が必要なため待機時間が長く、吸入と停止を自在に行うことができない。且つ、エアロゾル発生基質が不均一に炭化し、エアロゾル発生基質のベーキングが不十分となるため、利用率が低い。また、HNB器具の発熱チップは、エアロゾル発生基質の取り出し装置や発熱チップベースに汚れを生じさせやすく、クリーニングが難しい。且つ、発熱体と接触する部分のエアロゾル発生基質の温度が上昇しすぎ、部分的に分解が発生することで、人体に有害な物質が放出される。そのため、抵抗加熱方式に代わって、マイクロ波加熱技術が徐々に新たな加熱方式となっている。マイクロ波加熱技術は、効率的、迅速、選択的及び加熱に遅延がないとの特性を有し、特定の誘電特性を持つ物質についてのみ加熱効果を有する。マイクロ波加熱による霧化を採用する際の応用上の利点としては、以下が挙げられる。
【0004】
a.マイクロ波加熱は放射加熱であり、熱伝導ではないため、即時吸入、即時停止を実現可能である。
【0005】
b.発熱チップを有さないため、チップ折れや、発熱チップのクリーニングの問題が存在しない。
【0006】
c.エアロゾル発生基質の利用率が高く、吸い応えの一致性が高くなり、吸い応えが一段とタバコに近似する。
【0007】
従来技術において、通常、マイクロ波は一端から共振空洞に導入されるため、共振空洞内のエアロゾル発生基質の受熱が不均一となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本願は、従来技術又は関連技術に存在する技術的課題の一つを解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記に鑑みて、本願の実施例は、エアロゾル発生装置を提供する。当該エアロゾル発生装置は、内部に共振空洞が設置されており、共振空洞にエアロゾル発生基質を収容可能なハウジングと、ハウジングに設置されて、共振空洞内にマイクロ波を導入するために用いられるマイクロ波モジュールと、第1端が共振空洞の空洞底壁に連なっており、第2端が共振空洞の開口に面している共振ロッドと、プローブ、を含む。プローブの数は少なくとも2つである。少なくとも2つのプローブは間隔を置いて共振ロッドに設置され、エアロゾル発生基質は少なくとも2つのプローブの間に位置する。
【0010】
本願で提供するエアロゾル発生装置は、ハウジング、共振空洞、マイクロ波モジュール、共振ロッド及びプローブを含む。共振空洞はハウジング内に設置される。また、マイクロ波モジュールはハウジングに装着される。マイクロ波モジュールは、共振空洞内にマイクロ波を導入可能である。共振ロッドは共振空洞の内部に装着される。共振ロッドの直径は共振空洞の内径よりも小さく、共振ロッドの外側壁と共振空洞の内側壁の間に隙間が設置されている。マイクロ波モジュールが共振空洞内に導入したマイクロ波は、共振ロッドに沿って伝達可能である。共振ロッドの第1端は共振空洞の底壁に連なっており、共振ロッドの第2端は共振空洞の開口に面しているため、導入されたマイクロ波は、共振ロッドの第1端から第2端に向かう方向に伝達可能となる。エアロゾル発生装置の使用過程では、エアロゾル発生基質が共振空洞の開口から共振空洞内に挿入され、エアロゾル発生基質が共振空洞における開口寄りの位置に配置される。共振ロッドを経由して伝達されたマイクロ波はエアロゾル発生基質に作用可能であり、エアロゾル発生基質を受熱により霧化させる。共振ロッドからエアロゾル発生基質に伝達されたマイクロ波は、エアロゾル発生基質の一端に作用する。また、共振ロッドには複数のプローブが設置されている。複数のプローブは共振ロッドの側壁に分布しており、エアロゾル発生基質は複数のプローブの間に位置する。複数のプローブをエアロゾル発生装置の周側壁に分布させることで、プローブは、共振ロッドにより伝達されたマイクロ波を更に伝達可能となる。複数のプローブは、マイクロ波をエアロゾル発生基質の周側壁位置に伝達可能なため、エアロゾル発生装置の動作過程において、マイクロ波は、プローブを通じてエアロゾル発生基質の周側に伝達されて、エアロゾル発生基質の周側からエアロゾル発生基質を加熱し得る。これにより、エアロゾル発生基質内での熱の伝達距離が減少し、エアロゾル発生基質に対する加熱の均一性が向上する。よって、エアロゾル発生基質の受熱が不完全になるとの事態が回避され、エアロゾル発生基質の利用率が向上する。
【0011】
理解可能なように、関連技術において、エアロゾル発生基質はいずれも柱状体形状をなすよう設置される。また、マイクロ波はいずれもエアロゾル発生基質の一端に作用し、エアロゾル発生基質の一端は受熱後に熱を他端に伝達する。この場合、エアロゾル発生基質は受熱が不完全となるために、霧化が徹底されないとの課題が存在する。これに対し、本願の実施例では、プローブを設置し、マイクロ波をエアロゾル発生基質の周側に伝達することで、エアロゾル発生基質の受熱をより完全とする。
【0012】
説明すべき点として、マイクロ波は、共振ロッドとプローブを経由してエアロゾル発生基質に伝達される。これにより、マイクロ波はエアロゾル発生基質に作用可能となる。そして、エアロゾル発生基質がマイクロ波を吸収すると、エアロゾル発生基質内の極性分子が急速に振動して熱エネルギーに転換されることで、エアロゾル発生基質が受熱により霧化する。
【0013】
例えば、共振ロッドの材質は金属材質である。例えば、共振ロッドは、鉄、銅又はアルミニウム等の金属単体で製造される。或いは、共振ロッドは、鉄、銅、アルミニウム等の金属の合金で製造される。
【0014】
また、本願に基づき提供する上記技術方案におけるエアロゾル発生装置は、更に、以下の付加的な技術的特徴を有してもよい。
【0015】
可能な設計において、共振ロッドの周側壁に沿って、少なくとも2つのプローブが均一に共振ロッドの周側壁に設置される。
【0016】
当該設計において、プローブの数は複数であり、複数のプローブが共振ロッドの周側壁に設置される。複数のプローブは、取り囲むようにして収容空間を形成する。エアロゾル発生基質は共振空洞に挿入される。且つ、エアロゾル発生基質は収容空間内に位置する。複数のプローブを均一に共振ロッドの周側壁に設置するとともに、複数のプローブを共振空洞の開口方向に延伸させることで、プローブを共振空洞内に挿入されたエアロゾル発生基質の周側に分布させる。これにより、マイクロ波が複数の方向においてエアロゾル発生基質に作用可能な状況が実現されるとともに、マイクロ波の作用位置がより均一となる。よって、エアロゾル発生基質における受熱の均一性が向上し、エアロゾル発生基質の霧化が更に徹底されるため、エアロゾル発生基質の利用率が向上する。
【0017】
いくつかの実施例において、エアロゾル発生基質の周側壁は複数のプローブと接触する。複数のプローブから出力されるマイクロ波は、エアロゾル発生基質の周側壁に直接作用可能である。即ち、エアロゾル発生基質の周側が受熱したあと、熱はエアロゾル発生基質の周側からエアロゾル発生基質の内部へと徐々に拡散する。プローブはエアロゾル発生基質の周側に均一に分布しているため、エアロゾル発生基質の受熱がより均一となる。
【0018】
いくつかの実施例において、プローブの数は、選択的に、2つ、3つ、4つ、5つ又は6つとしてもよい。
【0019】
これらの実施例において、プローブの数をN個とした場合、隣り合う2つのプローブ間の夾角は360°/Nとなる。
【0020】
可能な設計において、プローブは、共振ロッドの周側壁に連なる接続部と、第1端が接続部に連なり、第2端が共振空洞の開口方向に延伸する延伸部、を含む。
【0021】
当該設計において、プローブは接続部及び延伸部を含む。プローブは、接続部を介して共振ロッドの周側壁に設置される。また、延伸部は、共振ロッドから伝達されたマイクロ波を引き続き伝達可能とする。延伸部の延伸方向は共振空洞の開口方向を向いているため、延伸部をエアロゾル発生基質の周側に位置させて、エアロゾル発生基質の周側を均一に加熱することが可能である。
【0022】
説明すべき点として、複数のプローブの延伸部はいずれも霧化室の開口方向に延伸している。複数のプローブの延伸部の長さは、エアロゾル発生基質のサイズに応じて設置すればよい。例えば、複数のプローブの長さを長めに設置し、複数のプローブの末端をエアロゾル発生基質におけるエアロゾル送出部に近接する位置に設置すれば、プローブから伝送されたマイクロ波をエアロゾル送出部に近接するエアロゾル発生基質に作用させられる。これにより、エアロゾル発生装置の使用過程におけるエアロゾルを迅速に放出するとの効果が実現されるため、エアロゾル発生基質の予熱時間が短縮される。
【0023】
可能な設計において、接続部と延伸部の間の夾角の値の範囲は80°~100°である。
【0024】
当該設計では、接続部と延伸部の間の夾角の値の範囲を80°~100°となるよう設置することで、延伸部とエアロゾル発生基質の側壁との相対的に平行な設置を保証する。これにより、エアロゾル発生基質と延伸部との距離が近くなるため、プローブを経由してエアロゾル発生基質に伝送されるマイクロ波の利用率が向上する。
【0025】
いくつかの実施例において、接続部は共振ロッドの周側壁に対し垂直に設置され、延伸部は共振ロッドの周側壁に対し平行に設置される。これにより、接続部と延伸部の間の夾角を90°となるよう設置する。
【0026】
これらの実施例において、複数のプローブにおける延伸部は共振ロッドの周側壁に対し平行に設置されるため、複数のプローブの延伸部とエアロゾル発生基質の周側壁との距離が等しくなるよう保証し得る。よって、更に、複数のプローブから伝送されるマイクロ波によるエアロゾル発生基質のマイクロ波霧化の均一性が保証される。
【0027】
可能な設計において、少なくとも2つの接続部のサイズは同じである。及び/又は、少なくとも2つの延伸部のサイズは同じである。
【0028】
当該設計では、少なくとも2つの接続部のサイズを同じとすることで、各接続部に接続される延伸部から共振ロッドまでのサイズが同じとなるよう保証し得る。また、共振ロッドとエアロゾル発生基質を同軸に設置することで、複数のプローブの延伸部とエアロゾル発生基質との距離が等しくなるよう保証される。これにより、複数のプローブから伝送されるマイクロ波によるエアロゾル発生基質のマイクロ波霧化の均一性が更に保証される。また、複数のプローブの延伸部のサイズを同じサイズとすることで、複数のプローブにおける延伸部の末端がいずれもエアロゾル発生基質の同一断面上に位置するよう保証し得るため、送出されるマイクロ波の均一性を保証可能となる。
【0029】
可能な設計において、エアロゾル発生装置は、更に、共振空洞内に設置される固定ベースであって、共振ロッドと対向するよう設置され、少なくとも2つのプローブが固定ベースの周側壁を取り囲むように分布する固定ベースと、固定ベース内に設置されて、エアロゾル発生基質を収容するために用いられる霧化室、を含む。
【0030】
当該設計において、エアロゾル発生装置は、更に、固定ベース及び霧化室を含む。固定ベースは共振空洞内に設置される。また、固定ベースの内部には霧化室が開設されている。固定ベースの一端には開口が設置されており、開口が霧化室と連通している。エアロゾル発生基質は開口を通じて固定ベース内に挿入される。固定ベースはエアロゾル発生基質を固定可能である。エアロゾル発生基質は、受熱による霧化の過程で、固形又は液状の廃棄物を発生させる。よって、エアロゾル発生基質を固定ベース内の霧化室内に設置して霧化すれば、廃棄物が共振空洞内に進入しないよう保証可能となり、共振空洞が汚れないよう保証される。また、複数のプローブは固定ベースの外側壁を取り囲むように分布するため、プローブから伝送されるマイクロ波を固定ベースの霧化室内におけるエアロゾル発生基質に直接作用させられる。
【0031】
理解可能なように、固定ベースの材質には、例えば、マイクロ波透過セラミックス、ガラス又は酸化アルミニウム等の低誘電損失材料が選択される。
【0032】
可能な設計において、共振ロッドの中心線と霧化室の中心線は重なり合う。
【0033】
当該設計において、共振ロッドと霧化室はいずれも規則的な形状をなしている。一例として、共振ロッドと霧化室はいずれも円柱体をなしている。また、共振ロッドの中心線と霧化室の中心線は重なり合う。つまり、共振ロッドの軸線と霧化室の軸線が重なり合う。共振ロッドと霧化室の中心が重なり合うように設置することで、共振ロッドとエアロゾル発生基質の中心が重なり合うため、共振ロッドから伝達されたマイクロ波をより多くエアロゾル発生基質に作用させられる。これにより、マイクロ波をエアロゾル発生基質に対し集中的に作用させることで、エアロゾル発生基質は短時間のうちに加熱され得るため、即時加熱を実現するのに有利である。
【0034】
可能な設計において、固定ベースはハウジングに取り外し可能に接続される。
【0035】
当該設計では、固定ベースをハウジングに取り外し可能に接続する。ユーザは、固定ベースを単独で取り外して洗浄することが可能なため、エアロゾル発生基質の霧化過程で発生した廃棄物をクリーニングする際には、エアロゾル発生基質を収容する固定ベースを洗浄するだけでよい。よって、洗浄過程でエアロゾル発生装置内の電子部品に影響を及ぼすとの事態が回避される。
【0036】
可能な設計において、共振ロッドの第2端は固定ベースに当接する。
【0037】
当該設計において、共振ロッドの第2端は固定ベース部分に当接するため、エアロゾル発生基質と共振ロッドとの間隔は、固定ベース部分の底部の厚さとなる。共振ロッドを固定ベース部分に当接させることで、共振ロッドとエアロゾル発生基質との間隔を可能な限り小さくできるため、共振ロッドがマイクロ波を伝送する際にマイクロ波の減衰量が小さくなる。エアロゾル発生基質と共振ロッドとの隙間において、マイクロ波には減衰が急速に生じやすい。そのため、共振ロッドとエアロゾル発生基質との間隔を可能な限り小さくすることで、マイクロ波の減衰量を可能な限り減少させられる。これにより、エアロゾル発生基質に作用するマイクロ波量を大きくできるため、エアロゾル発生基質に対する加熱速度が向上する。
【0038】
可能な設計において、共振ロッドの中心線と垂直な方向に共振ロッドと固定ベースを切り取った場合、共振ロッドの断面積は固定ベースの断面積以下である。
【0039】
当該設計において、共振ロッドの側部の辺縁は固定ベースの側部の辺縁から伸出しない。よって、共振空洞の底壁における共振ロッドの投影は、共振空洞の底壁における固定ベースの投影の範囲内に位置する。即ち、固定ベースは共振ロッドよりも太いため、共振ロッドを経由して伝達される大部分のマイクロ波をエアロゾル発生基質に直接作用させられる。これにより、マイクロ波は、減衰されずに、或いは減衰量が小さい状況でエアロゾル発生基質に直接作用し、エアロゾル発生基質が短時間のうちに加熱され得るため、エアロゾル発生基質に対する加熱効率が向上する。このことは、即時加熱を実現するのに有利である。
【0040】
可能な設計において、ハウジングは、共振ロッドが設置される第1筐体と、第1筐体に取り外し可能に接続される第2筐体、を含む。
【0041】
当該設計において、ハウジングは、取り外し可能な第1筐体及び第2筐体を含み、共振ロッドは第1筐体の内部空間の底壁に接続される。このことは、ユーザが、第1筐体と第2筐体をそれぞれ洗浄及びメンテナンスするのに都合がよい。且つ、第1筐体又は第2筐体が汚損された場合には、汚損された第1筐体又は第2筐体のみを交換可能なため、エアロゾル発生装置の日常的なメンテナンスコストが低下する。
【0042】
いくつかの実施例において、固定ベースは第2筐体に固定的に接続される。固定ベースを洗浄したい場合には、第2筐体を第1筐体から取り外し可能なため、第1筐体及び固定ベースの洗浄及びメンテナンスが容易になるとの作用が実現される。
【0043】
可能な設計において、エアロゾル発生装置は、ハウジングに設置される貫通孔と、ハウジングに設置される圧力センサを含む。圧力センサの収集端は、貫通孔を通じて共振空洞と連通し、共振空洞内の気圧値を収集するために用いられる。
【0044】
当該設計において、エアロゾル発生装置は、更に、ハウジングに設置される貫通孔を含み、圧力センサが貫通孔に対応して設置される。圧力センサは、貫通孔を通じて共振空洞内の気圧値を収集可能である。ユーザによる吸入過程では、共振空洞内の気圧値が変化するため、圧力センサで収集した気圧値から、エアロゾル発生装置が吸入状態か否かを検出するとともに、更に、エアロゾル発生装置の吸入状態に基づきマイクロ波モジュールの運転を制御することが可能である。ユーザが吸入を停止したあとは、マイクロ波モジュールが運転を停止するよう速やかに制御可能なため、電気エネルギー及びエアロゾル発生基質の浪費が回避される。これにより、エアロゾル発生装置が非吸入状態の場合のエアロゾル発生基質に対する予熱効果が実現されるため、吸入状態において、エアロゾル発生基質を霧化温度まで迅速に加熱可能である。よって、エネルギー消費が減少するとともに、エアロゾル発生基質の霧化効率が向上し、更には、エアロゾル発生基質の霧化度合も向上するため、ユーザエクスペリエンスが向上する。
【0045】
可能な設計において、マイクロ波モジュールは、ハウジングの側壁に設置されるマイクロ波導入部と、マイクロ波導入部に連なるマイクロ波発射源を含む。マイクロ波発射源から出力されたマイクロ波は、マイクロ波導入部を経由して共振空洞に導入され、マイクロ波は、共振ロッドの第1端から共振ロッドの第2端に向かう方向に伝達される。
【0046】
当該設計において、マイクロ波発射源はマイクロ波を発生可能であり、マイクロ波は、マイクロ波導入部を通じて共振空洞内に導入される。マイクロ波導入部を設置することで、共振空洞内におけるマイクロ波の導入位置を変化させられるため、共振空洞内の部品を回避することも、マイクロ波を安定的に共振ロッドの第1端から共振ロッドの第2端に伝達するよう保証することも可能となる。
【0047】
可能な設計において、マイクロ波導入部は、ハウジングの側壁に設置される第1導入部材と、第1端が第1導入部材に連なる第2導入部材を含む。第2導入部材は共振空洞内に位置し、第2導入部材の第2端は共振空洞の空洞底壁に面している。
【0048】
当該設計において、マイクロ波導入部は、第1導入部材及び第2導入部材という2つの部分で構成される。第1導入部材はハウジングの側壁に設置される。また、第1導入部材はマイクロ波発射源に連なっている。これにより、マイクロ波発射源が発生させたマイクロ波は、第1導入部材を通じて共振空洞内に導入される。また、第2導入部材はマイクロ波の伝達方向を変更可能である。第2導入部材は共振空洞の底壁に面しているため、マイクロ波は共振空洞の底壁に伝達される。共振空洞の底壁におけるマイクロ波は、共振ロッドを通じてエアロゾル発生基質に伝達される。第2導入部材が共振空洞の底壁に面するよう設置されているため、共振ロッドの第1端からマイクロ波の伝達を開始し得るよう確実に保証され、マイクロ波の損失が回避される。
【0049】
可能な設計において、マイクロ波導入部は、ハウジングの側壁に設置される第3導入部材と、第1端が第3導入部材に連なる第4導入部材を含む。第4導入部材は共振空洞内に位置し、第4導入部材の第2端は共振ロッドに面している。
【0050】
当該設計において、マイクロ波導入部は、第3導入部材及び第4導入部材という2つの部分で構成される。第3導入部材はハウジングの側壁に設置される。また、第3導入部材はマイクロ波発射源に連なっている。これにより、マイクロ波発射源が発生させたマイクロ波は、第3導入部材を通じて共振空洞内に導入される。また、第4導入部材は共振ロッドに面している。即ち、第4導入部材は共振空洞の底壁と平行である。これにより、第4導入部材の長さが短くなるため、マイクロ波を迅速に共振ロッドに伝達可能となり、マイクロ波の損失が回避される。
【0051】
本願の付加的局面及び利点については、以下に記載する部分で明らかとなるか、本願の実践を通じて理解される。
【0052】
本願の上記及び/又は付加的な局面及び利点については、下記の図面を組み合わせた実施例の記載から明らかとなり、且つ容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図1】
図1は、本願の実施例におけるエアロゾル発生装置の概略構造
図1を示す。
【
図2】
図2は、本願の実施例におけるエアロゾル発生装置の共振ロッド及びプローブの概略構造
図1を示す。
【
図3】
図3は、本願の実施例におけるエアロゾル発生装置の共振ロッド及びプローブの概略構造
図2を示す。
【
図4】
図4は、本願の実施例におけるエアロゾル発生装置の共振ロッド及びプローブの概略構造
図3を示す。
【
図5】
図5は、本願の実施例におけるエアロゾル発生装置の共振ロッド及びプローブの概略構造
図4を示す。
【
図6】
図6は、本願の実施例におけるエアロゾル発生装置の共振ロッド及びプローブの概略構造
図5を示す。
【
図7】
図7は、本願の実施例におけるエアロゾル発生装置の共振ロッド及びプローブの概略構造
図6を示す。
【
図8】
図8は、本願の実施例におけるエアロゾル発生装置の共振ロッド及びプローブの概略構造
図7を示す。
【
図9】
図9は、本願の実施例におけるエアロゾル発生装置の共振ロッド及びプローブの概略構造
図8を示す。
【
図10】
図10は、本願の実施例におけるエアロゾル発生装置の共振ロッド及びプローブの概略構造
図9を示す。
【
図11】
図11は、本願の実施例におけるエアロゾル発生装置の共振ロッド及びプローブの概略構造
図10を示す。
【
図12】
図12は、本願の実施例におけるエアロゾル発生装置の概略構造
図2を示す。
【発明を実施するための形態】
【0054】
本願における上記の目的、特徴及び利点がより明瞭に理解され得るよう、以下に、図面と具体的実施形態を組み合わせて本願につき更に詳細に述べる。説明すべき点として、矛盾しない場合には、本願の実施例及び実施例の特徴を互いに組み合わせてもよい。
【0055】
以下の記載では、本願が十分に理解されるよう、多くの具体的詳細事項について詳述するが、本願は、ここで記載するものとは異なるその他の方式で実施してもよい。従って、本願の保護の範囲は以下で開示する具体的実施例に制約されない。
【0056】
以下に、
図1~
図12を参照して、本願のいくつかの実施例に基づくエアロゾル発生装置100について述べる。
【0057】
図1に示すように、本願の実施例では、ハウジング110、共振空洞、マイクロ波モジュール120、共振ロッド130及びプローブ140を含むエアロゾル発生装置100を提供する。
【0058】
ハウジング110内には共振空洞が設置されている。共振空洞にはエアロゾル発生基質を収容可能である。
【0059】
マイクロ波モジュール120はハウジング110に設置される。マイクロ波モジュール120は、共振空洞内にマイクロ波を導入するために用いられる。
【0060】
共振ロッド130の第1端は共振空洞の空洞底壁に連なっており、共振ロッド130の第2端は共振空洞の開口に面している。
【0061】
プローブ140の数は少なくとも2つである。少なくとも2つのプローブ140は間隔を置いて共振ロッド130に設置されており、エアロゾル発生基質は少なくとも2つのプローブ140の間に位置する。
【0062】
本願で提供するエアロゾル発生装置100は、ハウジング110、共振空洞、マイクロ波モジュール120、共振ロッド130及びプローブ140を含む。共振空洞はハウジング110内に設置される。また、マイクロ波モジュール120はハウジング110に装着される。マイクロ波モジュール120は、共振空洞内にマイクロ波を導入可能である。共振ロッド130は共振空洞の内部に装着される。共振ロッド130の直径は共振空洞の内径よりも小さく、共振ロッドの外側壁と共振空洞の内側壁の間に隙間が設置されている。マイクロ波モジュール120が共振空洞内に導入したマイクロ波は、共振ロッド130に沿って伝達可能である。共振ロッド130の第1端は共振空洞の底壁に連なっており、共振ロッド130の第2端は共振空洞の開口に面しているため、導入されたマイクロ波は、共振ロッド130の第1端から第2端に向かう方向に伝達可能となる。エアロゾル発生装置100の使用過程では、エアロゾル発生基質が共振空洞の開口から共振空洞内に挿入され、エアロゾル発生基質が共振空洞における開口寄りの位置に配置される。共振ロッド130を経由して伝達されたマイクロ波はエアロゾル発生基質に作用可能であり、エアロゾル発生基質を受熱により霧化させる。共振ロッド130からエアロゾル発生基質に伝達されたマイクロ波は、エアロゾル発生基質の一端に作用する。また、共振ロッド130には複数のプローブ140が設置されている。複数のプローブ140は共振ロッド130の側壁に分布しており、エアロゾル発生基質は複数のプローブ140の間に位置する。複数のプローブ140をエアロゾル発生装置100の周側壁に分布させることで、プローブ140は、共振ロッド130により伝達されたマイクロ波を更に伝達可能となる。複数のプローブ140は、マイクロ波をエアロゾル発生基質の周側壁位置に伝達可能なため、エアロゾル発生装置100の動作過程において、マイクロ波は、プローブ140を通じてエアロゾル発生基質の周側に伝達されて、エアロゾル発生基質の周側からエアロゾル発生基質を加熱し得る。これにより、エアロゾル発生基質内での熱の伝達距離が減少し、エアロゾル発生基質に対する加熱の均一性が向上する。よって、エアロゾル発生基質の受熱が不完全になるとの事態が回避され、エアロゾル発生基質の利用率が向上する。
【0063】
理解可能なように、関連技術において、エアロゾル発生基質はいずれも柱状体形状をなすよう設置される。また、マイクロ波はいずれもエアロゾル発生基質の一端に作用し、エアロゾル発生基質の一端は受熱後に熱を他端に伝達する。この場合、エアロゾル発生基質は受熱が不完全となるために、霧化が徹底されないとの課題が存在する。これに対し、本願の実施例では、プローブ140を設置し、マイクロ波をエアロゾル発生基質の周側に伝達することで、エアロゾル発生基質の受熱をより完全とする。
【0064】
説明すべき点として、マイクロ波は、共振ロッド130とプローブ140を経由してエアロゾル発生基質に伝達される。これにより、マイクロ波はエアロゾル発生基質に作用可能となる。そして、エアロゾル発生基質がマイクロ波を吸収すると、エアロゾル発生基質内の極性分子が急速に振動して熱エネルギーに転換されることで、エアロゾル発生基質が受熱により霧化する。
【0065】
例えば、共振ロッド130の材質は金属材質である。例えば、共振ロッド130は、鉄、銅又はアルミニウム等の金属単体で製造される。或いは、共振ロッド130は、鉄、銅、アルミニウム等の金属の合金で製造される。
【0066】
また、本願に基づき提供する上記技術方案におけるエアロゾル発生装置100は、更に、以下の付加的な技術的特徴を有してもよい。
【0067】
上記いずれかの実施例では、共振ロッド130の周側壁に沿って、少なくとも2つのプローブ140が均一に共振ロッド130の周側壁に設置される。
【0068】
本実施例において、プローブ140の数は複数であり、複数のプローブ140が共振ロッド130の周側壁に設置される。複数のプローブ140は、取り囲むようにして収容空間を形成する。エアロゾル発生基質は共振空洞に挿入される。且つ、エアロゾル発生基質は収容空間内に位置する。複数のプローブ140を均一に共振ロッド130の周側壁に設置するとともに、複数のプローブ140を共振空洞の開口方向に延伸させることで、プローブ140を共振空洞内に挿入されたエアロゾル発生基質の周側に分布させる。これにより、マイクロ波が複数の方向においてエアロゾル発生基質に作用可能な状況が実現されるとともに、マイクロ波の作用位置がより均一となる。よって、エアロゾル発生基質における受熱の均一性が向上し、エアロゾル発生基質の霧化が更に徹底されるため、エアロゾル発生基質の利用率が向上する。
【0069】
いくつかの実施例において、エアロゾル発生基質の周側壁は複数のプローブ140と接触する。複数のプローブ140から出力されるマイクロ波は、エアロゾル発生基質の周側壁に直接作用可能である。即ち、エアロゾル発生基質の周側が受熱したあと、熱はエアロゾル発生基質の周側からエアロゾル発生基質の内部へと徐々に拡散する。プローブ140はエアロゾル発生基質の周側に均一に分布しているため、エアロゾル発生基質の受熱がより均一となる。
【0070】
【0071】
これらの実施例において、プローブ140の数をN個とした場合、隣り合う2つのプローブ140間の夾角は360°/Nとなる。
【0072】
上記いずれかの実施例において、プローブ140は接続部142及び延伸部144を含む。
【0073】
接続部142は共振ロッド130の周側壁に連なっている。
【0074】
延伸部144の第1端は接続部142に連なっており、延伸部144の第2端は共振空洞の開口方向に延伸している。
【0075】
本実施例において、プローブ140は接続部142及び延伸部144を含む。プローブ140は、接続部142を介して共振ロッド130の周側壁に設置される。また、延伸部144は、共振ロッド130から伝達されたマイクロ波を引き続き伝達可能とする。延伸部144の延伸方向は共振空洞の開口方向を向いているため、延伸部144をエアロゾル発生基質の周側に位置させて、エアロゾル発生基質の周側を均一に加熱することが可能である。
【0076】
説明すべき点として、複数のプローブ140の延伸部144はいずれも霧化室152の開口方向に延伸している。複数のプローブ140の延伸部144の長さは、エアロゾル発生基質のサイズに応じて設置すればよい。例えば、複数のプローブ140の長さを長めに設置し、複数のプローブ140の末端をエアロゾル発生基質におけるエアロゾル送出部に近接する位置に設置すれば、プローブ140から伝送されたマイクロ波をエアロゾル送出部に近接するエアロゾル発生基質に作用させられる。これにより、エアロゾル発生装置100の使用過程におけるエアロゾルを迅速に放出するとの効果が実現されるため、エアロゾル発生基質の予熱時間が短縮される。
【0077】
上記いずれかの実施例において、接続部142と延伸部144の間の夾角の値の範囲は80°~100°である。
【0078】
本実施例では、接続部142と延伸部144の間の夾角の値の範囲を80°~100°となるよう設置することで、延伸部144とエアロゾル発生基質の側壁との相対的に平行な設置を保証する。これにより、エアロゾル発生基質と延伸部144との距離が近くなるため、プローブ140を経由してエアロゾル発生基質に伝送されるマイクロ波の利用率が向上する。
【0079】
いくつかの実施例において、接続部142は共振ロッド130の周側壁に対し垂直に設置され、延伸部144は共振ロッド130の周側壁に対し平行に設置される。これにより、接続部142と延伸部144の間の夾角を90°となるよう設置する。
【0080】
これらの実施例において、複数のプローブ140における延伸部144は共振ロッド130の周側壁に対し平行に設置されるため、複数のプローブ140の延伸部144とエアロゾル発生基質の周側壁との距離が等しくなるよう保証し得る。よって、更に、複数のプローブ140から伝送されるマイクロ波によるエアロゾル発生基質のマイクロ波霧化の均一性が保証される。
【0081】
上記いずれかの実施例において、少なくとも2つの接続部142のサイズは同じである。及び/又は、少なくとも2つの延伸部144のサイズは同じである。
【0082】
本実施例では、少なくとも2つの接続部142のサイズを同じとすることで、各接続部142に接続される延伸部144から共振ロッド130までのサイズが同じとなるよう保証し得る。また、共振ロッド130とエアロゾル発生基質を同軸に設置することで、複数のプローブ140の延伸部144とエアロゾル発生基質との距離が等しくなるよう保証される。これにより、複数のプローブ140から伝送されるマイクロ波によるエアロゾル発生基質のマイクロ波霧化の均一性が更に保証される。また、複数のプローブ140の延伸部144のサイズを同じサイズとすることで、複数のプローブ140における延伸部144の末端がいずれもエアロゾル発生基質の同一断面上に位置するよう保証し得るため、送出されるマイクロ波の均一性を保証可能となる。
【0083】
図1及び
図12に示すように、上記いずれかの実施例において、エアロゾル発生装置は、更に、固定ベース150及び霧化室152を含む。
【0084】
固定ベース150は共振空洞内に設置される。また、固定ベース150は共振ロッド130と対向するよう設置され、少なくとも2つのプローブ140が固定ベース150の周側壁を取り囲むように分布する。
【0085】
霧化室152は固定ベース150内に設置される。霧化室152は、エアロゾル発生基質を収容するために用いられる。
【0086】
本実施例において、エアロゾル発生装置は、更に、固定ベース150及び霧化室152を含む。固定ベース150は共振空洞内に設置される。また、固定ベース150の内部には霧化室152が開設されている。固定ベース150の一端には開口が設置されており、開口が霧化室152と連通している。エアロゾル発生基質は開口を通じて固定ベース150内に挿入される。固定ベース150はエアロゾル発生基質を固定可能である。エアロゾル発生基質は、受熱による霧化の過程で、固形又は液状の廃棄物を発生させる。よって、エアロゾル発生基質を固定ベース150内の霧化室152内に設置して霧化すれば、廃棄物が共振空洞内に進入しないよう保証可能となり、共振空洞が汚れないよう保証される。また、複数のプローブ140は固定ベース150の外側壁を取り囲むように分布するため、プローブ140から伝送されるマイクロ波を固定ベース150の霧化室152内におけるエアロゾル発生基質に直接作用させられる。
【0087】
理解可能なように、固定ベース150の材質には、例えば、マイクロ波透過セラミックス、ガラス又は酸化アルミニウム等の低誘電損失材料が選択される。
【0088】
上記いずれかの実施例において、共振ロッド130の中心線と霧化室152の中心線は重なり合う。
【0089】
本実施例において、共振ロッド130と霧化室152はいずれも規則的な形状をなしている。一例として、共振ロッド130と霧化室152はいずれも円柱体をなしている。また、共振ロッド130の中心線と霧化室152の中心線は重なり合う。つまり、共振ロッド130の軸線と霧化室152の軸線が重なり合う。共振ロッド130と霧化室152の中心が重なり合うように設置することで、共振ロッド130とエアロゾル発生基質の中心が重なり合うため、共振ロッド130から伝達されたマイクロ波をより多くエアロゾル発生基質に作用させられる。これにより、マイクロ波をエアロゾル発生基質に対し集中的に作用させることで、エアロゾル発生基質は短時間のうちに加熱され得るため、即時加熱を実現するのに有利である。
【0090】
図1及び
図12に示すように、上記いずれかの実施例において、固定ベース150はハウジング110に取り外し可能に接続される。
【0091】
本実施例では、固定ベース150をハウジング110に取り外し可能に接続する。ユーザは、固定ベース150を単独で取り外して洗浄することが可能なため、エアロゾル発生基質の霧化過程で発生した廃棄物をクリーニングする際には、エアロゾル発生基質を収容する固定ベース150を洗浄するだけでよい。よって、洗浄過程でエアロゾル発生装置100内の電子部品に影響を及ぼすとの事態が回避される。
【0092】
上記いずれかの実施例において、共振ロッド130の第2端は固定ベース150に当接する。
【0093】
本実施例において、共振ロッド130の第2端は固定ベース150部分に当接するため、エアロゾル発生基質と共振ロッド130との間隔は、固定ベース150部分の底部の厚さとなる。共振ロッド130を固定ベース150部分に当接させることで、共振ロッド130とエアロゾル発生基質との間隔を可能な限り小さくできるため、共振ロッド130がマイクロ波を伝送する際にマイクロ波の減衰量が小さくなる。エアロゾル発生基質と共振ロッド130との隙間において、マイクロ波には減衰が急速に生じやすい。そのため、共振ロッド130とエアロゾル発生基質との間隔を可能な限り小さくすることで、マイクロ波の減衰量を可能な限り減少させられる。これにより、エアロゾル発生基質に作用するマイクロ波量を大きくできるため、エアロゾル発生基質に対する加熱速度が向上する。
【0094】
図1及び
図12に示すように、上記いずれかの実施例において、共振ロッド130の中心線と垂直な方向に共振ロッド130と固定ベース150を切り取った場合、共振ロッド130の断面積は固定ベース150の断面積以下である。
【0095】
本実施例において、共振ロッド130の側部の辺縁は固定ベース150の側部の辺縁から伸出しない。よって、共振空洞の底壁における共振ロッド130の投影は、共振空洞の底壁における固定ベース150の投影の範囲内に位置する。即ち、固定ベース150は共振ロッド130よりも太いため、共振ロッド130を経由して伝達される大部分のマイクロ波をエアロゾル発生基質に直接作用させられる。これにより、マイクロ波は、減衰されずに、或いは減衰量が小さい状況でエアロゾル発生基質に直接作用し、エアロゾル発生基質が短時間のうちに加熱され得るため、エアロゾル発生基質に対する加熱効率が向上する。このことは、即時加熱を実現するのに有利である。
【0096】
図1及び
図12に示すように、上記いずれかの実施例において、ハウジング110は第1筐体112及び第2筐体114を含む。
【0097】
共振ロッド130は第1筐体112に設置される。また、第2筐体114は第1筐体112に取り外し可能に接続される。
【0098】
本実施例において、ハウジング110は、取り外し可能な第1筐体112及び第2筐体114を含み、共振ロッド130は第1筐体112の内部空間の底壁に接続される。このことは、ユーザが、第1筐体112と第2筐体114をそれぞれ洗浄及びメンテナンスするのに都合がよい。且つ、第1筐体112又は第2筐体114が汚損された場合には、汚損された第1筐体112又は第2筐体114のみを交換可能なため、エアロゾル発生装置100の日常的なメンテナンスコストが低下する。
【0099】
いくつかの実施例において、固定ベース150は第2筐体114に固定的に接続される。固定ベース150を洗浄したい場合には、第2筐体114を第1筐体112から取り外し可能なため、第1筐体112及び固定ベース150の洗浄及びメンテナンスが容易になるとの作用が実現される。
【0100】
図1及び
図12に示すように、上記いずれかの実施例において、エアロゾル発生装置100は貫通孔160及び圧力センサ170を含む。
【0101】
貫通孔160はハウジングに設置される。
【0102】
圧力センサ170はハウジングに設置される。圧力センサ170の収集端は、貫通孔160を通じて共振空洞と連通し、共振空洞内の気圧値を収集するために用いられる。
【0103】
本実施例において、エアロゾル発生装置100は、更に、ハウジングに設置される貫通孔160を含み、圧力センサ170が貫通孔160に対応して設置される。圧力センサ170は、貫通孔160を通じて共振空洞内の気圧値を収集可能である。ユーザによる吸入過程では、共振空洞内の気圧値が変化するため、圧力センサ170で収集した気圧値から、エアロゾル発生装置100が吸入状態か否かを検出するとともに、更に、エアロゾル発生装置100の吸入状態に基づきマイクロ波モジュール120の運転を制御することが可能である。ユーザが吸入を停止したあとは、マイクロ波モジュール120が運転を停止するよう速やかに制御可能なため、電気エネルギー及びエアロゾル発生基質の浪費が回避される。これにより、エアロゾル発生装置100が非吸入状態の場合のエアロゾル発生基質に対する予熱効果が実現されるため、吸入状態において、エアロゾル発生基質を霧化温度まで迅速に加熱可能である。よって、エネルギー消費が減少するとともに、エアロゾル発生基質の霧化効率が向上し、更には、エアロゾル発生基質の霧化度合も向上するため、ユーザエクスペリエンスが向上する。
【0104】
図1及び
図12に示すように、上記いずれかの実施例において、マイクロ波モジュール120は、マイクロ波導入部122及びマイクロ波発射源124を含む。
【0105】
マイクロ波導入部122はハウジング110の側壁に設置される。
【0106】
マイクロ波発射源124はマイクロ波導入部122に連なっている。マイクロ波発射源124から出力されたマイクロ波は、マイクロ波導入部122を経由して共振空洞に導入される。そして、マイクロ波は、共振ロッド130の第1端から共振ロッド130の第2端に向かう方向に伝達される。
【0107】
本実施例において、マイクロ波発射源124はマイクロ波を発生可能であり、マイクロ波は、マイクロ波導入部122を通じて共振空洞内に導入される。マイクロ波導入部122を設置することで、共振空洞内におけるマイクロ波の導入位置を変化させられるため、共振空洞内の部品を回避することも、マイクロ波を安定的に共振ロッド130の第1端から共振ロッド130の第2端に伝達するよう保証することも可能となる。
【0108】
図1に示すように、上記いずれかの実施例において、マイクロ波導入部122は、第1導入部材1222及び第2導入部材1224を含む。
【0109】
第1導入部材1222はハウジング110の側壁に設置される。
【0110】
第2導入部材1224の第1端は第1導入部材1222に連なっている。第2導入部材1224は共振空洞内に位置し、第2導入部材1224の第2端が共振空洞の空洞底壁に面している。
【0111】
本実施例において、マイクロ波導入部122は、第1導入部材1222及び第2導入部材1224という2つの部分で構成される。第1導入部材1222はハウジングの側壁に設置される。また、第1導入部材1222はマイクロ波発射源124に連なっている。これにより、マイクロ波発射源124が発生させたマイクロ波は、第1導入部材1222を通じて共振空洞内に導入される。また、第2導入部材1224はマイクロ波の伝達方向を変更可能である。第2導入部材1224は共振空洞の底壁に面しているため、マイクロ波は共振空洞の底壁に伝達される。共振空洞の底壁におけるマイクロ波は、共振ロッド130を通じてエアロゾル発生基質に伝達される。第2導入部材1224が共振空洞の底壁に面するよう設置されているため、共振ロッド130の第1端からマイクロ波の伝達を開始し得るよう確実に保証され、マイクロ波の損失が回避される。
【0112】
図12に示すように、上記いずれかの実施例において、マイクロ波導入部122は、第3導入部材1226及び第4導入部材1228を含む。
【0113】
第3導入部材1226はハウジング110の側壁に設置される。
【0114】
第4導入部材1228の第1端は第3導入部材1226に連なっている。また、第4導入部材1228は共振空洞内に位置し、第4導入部材1228の第2端が共振ロッド130に面している。
【0115】
本実施例において、マイクロ波導入部122は、第3導入部材1226及び第4導入部材1228という2つの部分で構成される。第3導入部材1226はハウジングの側壁に設置される。また、第3導入部材1226はマイクロ波発射源124に連なっている。これにより、マイクロ波発射源124が発生させたマイクロ波は、第3導入部材1226を通じて共振空洞内に導入される。また、第4導入部材1228は共振ロッド130に面している。即ち、第4導入部材1228は共振空洞の底壁と平行である。これにより、第4導入部材1228の長さが短くなるため、マイクロ波を迅速に共振ロッド130に伝達可能となり、マイクロ波の損失が回避される。
【0116】
明確にすべき点として、本願の特許請求の範囲、明細書及び図面において、「複数の」との用語は、2つ又は2つ以上を意味する。また、別途明確に限定している場合を除き、「上」、「下」等の用語が示す方向又は位置関係は、図示に基づく方向又は位置関係であって、本願をより記載しやすくし、且つ記載過程を更に簡便にするためのものにすぎず、対象となる装置又は部材が、記載した特定の方向を有し、特定の方向で構成及び操作されねばならないことを明示又は暗示するためのものではない。よって、これらの記載は、本願を制約するものと解釈すべきではない。また、「接続する」、「装着する」、「固定する」等の用語はいずれも広義に解釈すべきである。例えば、「接続する」とは、複数の対象間の固定的な接続であってもよいし、複数の対象間の取り外し可能な接続又は一体的な接続であってもよい。且つ、複数の対象間の直接的な連なりであってもよいし、複数の対象間の中間媒体を介した間接的な連なりであってもよい。当業者は、上記用語の具体的状況に基づき、本願における上記用語の具体的意味を解釈可能である。
【0117】
本願の特許請求の範囲、明細書及び図面において、「一実施例」、「いくつかの実施例」、「具体的実施例」等の用語による記載は、その実施例又は例示を組み合わせて記載する具体的な特徴、構造、材料又は特性が本願の少なくとも1つの実施例又は例示に含まれることを意味する。本願の特許請求の範囲、明細書及び図面において、上記用語についての概略的記載は、必ずしも同一の実施例又は事例を示すとは限らない。且つ、記載する具体的な特徴、構造、材料又は特性は、いずれか1つ又は複数の実施例或いは例示において適切な方式で組み合わせ可能である。
【0118】
以上は本願の好ましい実施例にすぎず、本願を制限するものではない。当業者にとって、本願には各種の変更及び変形が存在し得る。本願の精神及び原則の範囲内で実施される何らかの修正、同等の置換、改良等は、いずれも本願の保護の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0119】
100 エアロゾル発生装置
110 ハウジング
112 第1筐体
114 第2筐体
120 マイクロ波モジュール
122 マイクロ波導入部
1222 第1導入部材
1224 第2導入部材
1226 第3導入部材
1228 第4導入部材
124 マイクロ波発射源
130 共振ロッド
140 プローブ
142 接続部
144 延伸部
150 固定ベース
152 霧化室
160 貫通孔
170 圧力センサ