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  • 特許-建物管理システムメタデータの遠隔発見 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】建物管理システムメタデータの遠隔発見
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20240501BHJP
   G06Q 50/16 20240101ALI20240501BHJP
【FI】
H04Q9/00 311J
G06Q50/16
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022570245
(86)(22)【出願日】2021-05-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-30
(86)【国際出願番号】 US2021031999
(87)【国際公開番号】W WO2021242523
(87)【国際公開日】2021-12-02
【審査請求日】2022-12-12
(31)【優先権主張番号】16/888,626
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】鳥居 健一
(72)【発明者】
【氏名】シヴァムルティ、ヴィディア
(72)【発明者】
【氏名】ヴイ、ナヴィアータ
(72)【発明者】
【氏名】カマート、ハヌマ ラジェンドラ
(72)【発明者】
【氏名】ドゥソウザ、アーロン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィナヤガン、サクティ
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0356502(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0235455(US,A1)
【文献】特開2018-092288(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0328719(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
G06Q 50/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物サイトにおける建物管理システムからメタデータを遠隔的に取得する方法であって、前記建物管理システムは、前記建物サイトに配設されたインテリジェントゲートウェイに動作可能に結合された複数の個別構成要素を含み、インテリジェントゲートウェイは、それ自体がネットワークを介して遠隔サーバに動作可能に結合されており、前記方法は、
前記インテリジェントゲートウェイにおいて、前記遠隔サーバから、前記インテリジェントゲートウェイがメタデータを前記建物管理システムから取得するための要求を受信することと、
前記要求を受信することに応答して、前記インテリジェントゲートウェイによって、メタデータ要求を前記複数の個別構成要素のうちの1つの個別構成要素へ送信することと、
前記メタデータ要求を前記建物管理システムの個別構成要素へ送信することに応答して、前記インテリジェントゲートウェイにおいて、前記建物管理システムの前記個別構成要素からメタデータを受信することであって、前記メタデータは、前記インテリジェントゲートウェイおよび前記遠隔サーバが前記建物管理システムの前記個別構成要素を識別するのを助ける情報である、受信すること
記受信したメタデータを、前記遠隔サーバによる使用のために所定のフォーマットに変換することであって、前記変換は、タグ辞書を用いて、前記受信したメタデータを少なくともデータタイプおよび測定単位でタグ付けすることをさらに含む、変換することと、
前記インテリジェントゲートウェイが、前記変換されたメタデータを遠隔サーバに通信することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記インテリジェントゲートウェイは、メタデータの前記要求を受信すると、前記建物管理システムの個別構成要素に問い合わせて、前記要求されたメタデータを取得するように構成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記遠隔サーバは、前記遠隔サーバが、前記個別構成要素を後の使用のために構成する構成設定を用いて、前記建物管理システムの前記個別構成要素のうちの少なくともいくつかを構成することおよび、前記インテリジェントゲートウェイを介して前記建物管理システムの前記個別構成要素のうちの少なくともいくつかに前記構成設定をダウンロードすることを可能にする、遠隔構成モジュールを提供する、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、建物管理システムに関する。より詳細には、本開示は、クラウドベースの建物管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
建物管理システムは、様々な異なる建物管理システム構成要素の動作を制御するために使用されることがある。多くの場合、建物管理システムは、建物サイトで建物管理システム全体を制御するために使用される集中監視建物管理システムコントローラを含む。遠隔サイトからそのようなシステムを構成及び/又は管理することは、難題である可能性がある。望ましいものは、遠隔位置から構成及び/又は管理することがより容易なクラウドベースの建物管理システムである。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、概して、クラウドベースの建物管理システムに関する。一例では、建物サイトにおける建物管理システムからメタデータを遠隔的に取得する方法は、建物サイトに配設され、かつ建物管理システムと動作可能に結合されているインテリジェントゲートウェイを利用することを含む。インテリジェントゲートウェイがメタデータを建物管理システムから取得するための要求が、インテリジェントゲートウェイにおいて受信され、インテリジェントゲートウェイは、メタデータ要求を建物管理システムの個々の構成要素に適用する。インテリジェントゲートウェイは、要求されたメタデータを建物管理システムの個々の構成要素から受信し、受信したメタデータを遠隔サーバによって使用するために所定のフォーマットに変換する。インテリジェントゲートウェイが、変換されたメタデータを遠隔サーバに通信する。
【0004】
別の例では、建物サイトにおいて建物管理システムを遠隔で構成する方法が開示される。建物管理システムは、建物サイトに配設されたインテリジェントゲートウェイと動作可能に結合され、インテリジェントゲートウェイ自体は、ネットワークに動作可能に結合されている。インテリジェントゲートウェイは、建物管理システムの1つ以上の構成要素からメタデータを取得するために、建物管理システムの1つ以上の構成要素に問い合わせ、受信したメタデータを遠隔サーバによって使用するために所定のフォーマットに変換する。インテリジェントゲートウェイが、変換されたメタデータを遠隔サーバに通信する。場合によっては、インテリジェントゲートウェイが、遠隔サーバから建物管理システムのための構成情報を受信し、構成情報が、遠隔サーバに通信される変換されたメタデータに少なくとも部分的に基づく。
【0005】
別の例では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体が、実行可能命令を記憶している。実行可能命令がインテリジェントゲートウェイの1つ以上のプロセッサによって実行されるときに、インテリジェントゲートウェイの1つ以上のプロセッサは、インテリジェントゲートウェイが要求されたメタデータを建物管理システムから取得するための要求を遠隔サーバから受け入れることと、建物管理システムの個々の構成要素に1つ以上のメタデータ要求を送信することと、を行うようにされる。インテリジェントゲートウェイの1つ以上のプロセッサが、要求されたメタデータを建物管理システムの個々の構成要素から受信し、受信したメタデータを遠隔サーバによって使用するために所定のフォーマットに変換し、変換されたメタデータを遠隔サーバに通信する。
【0006】
上記の概要は、本開示に固有の革新的特徴のうちのいくつかの理解を容易にするために提供されており、完全な説明であることを意図するものではない。本開示の完全な理解は、明細書、特許請求の範囲、図面、及び要約書全体を全体として解釈することによって得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示は、添付の図面に関連する様々な例の以下の説明を考慮して、より完全に理解され得る。
図1】例示的なシステムの概略ブロック図である。
図2図1の例示的なシステムの特徴を示す概略ブロック図である。
図3図1の例示的なシステムを使用して実行され得る例示的な方法を示す流れ図である。
図4図1の例示的なシステムを使用して実行され得る例示的な方法を示す流れ図である。
図5図1の例示的なシステムを使用して実行され得る例示的な方法を示す流れ図である。
【0008】
本開示は、様々な修正形態及び代替形態の形式に補正可能であるが、それらの詳細は、例として図面に示されており、詳細に説明される。しかしながら、本発明が本開示を説明される特定の例に限定されないと理解されたい。それどころか、本発明は、本開示の精神及び範囲内に入る全ての修正形態、均等物、及び代替形態を包含するものである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明は、図面を参照して読まれるべきであり、異なる図面における同様の要素は同様に番号付けされている。図面が縮尺通りであることが必ずしも必要ではないが、本開示の範囲を限定することを意図しない例を示す。様々な要素について例が示されているが、当業者であれば、提供される例の多くが、利用され得る適切な代替形態を有することを認識するであろう。
【0010】
本明細書において、全ての数字は、内容がそうでない旨を明確に指示しない限り、「約」という用語によって修正されることが想定されている。端点による数値範囲の記載は、その範囲内に包含される全ての数を含む(例えば、1~5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5を含む)。
【0011】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、内容がそうでない旨を明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、「又は」という用語は、概して、内容がうでない旨を明確に指示しない限り、「及び/又は」を含む意味で使用される。
【0012】
本明細書で、「ある実施形態」、「いくつかの実施形態」、「他の実施形態」などへの言及は、説明される実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含んでもよいが、全ての実施形態が必ずしもその特定の特徴、構造、又は特性を含まなくてもよいことを示すことに留意する。更に、このような句は、必ずしも同じ実施形態を指すものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性がある実施形態に関連して説明される場合、その特徴、構造、又は特性がある実施形態に関連して説明されることが企図され、その特徴、構造、又は特性は、明確に反対のことが述べられない限り、明示的に説明されているかどうかにかかわらず、他の実施形態に適用され得ることが企図される。
【0013】
図1は、例示的な建物システム10の概略ブロック図である。最も広義には、例示的な建物システム10は、建物サイト12及びクラウドベースのサーバ14を含む。建物サイト12は、概して、任意の建物又は建物の一部分を表してもよい。場合によっては、建物サイト12は、集中ローカル監督建物管理システムを別個に有しない建物又は建物の一部分を表すものと見なされてもよい。建物サイト12は、個々に16a、16b及び16cとしてラベル付けされる多数の建物システム構成要素16を含む。全部で3つの建物システム構成要素16が示されているが、建物サイト12は任意の数の建物システム構成要素16を含んでもよいので、これは単なる例示であることが理解されるだろう。建物システム構成要素16は、例えば、暖房源、冷却源、換気源、VAVボックス、エアダンパなどの、暖房、空調及び換気(Heating, Air Conditioning and Ventilating、HVAC)システム内の個々の構成要素を表してもよい。建物システム構成要素16のいくつかは、セキュリティセンサ、制御パッドなどのセキュリティシステム内の個々の構成要素を表してもよい。建物システム構成要素16のいくつかは、個々の照明源など、照明システム内の個々の構成要素を表してもよい。
【0014】
建物サイト12は、個々に18a、18b、18cとしてラベル付けされた多数のローカルコントローラ18を含む。ローカルコントローラ18は、例えば、建物システム構成要素16の動作を制御するために使用されてもよい。全部で3つのローカルコントローラ18が示されているが、建物サイト12は任意の数のローカルコントローラ18を含むことができるので、これは単なる例示であることが理解されるだろう。個々の建物システム構成要素と対応する個々のローカルコントローラ18との間に1対1の関係を有するものとして示されているが、これは必ずしも全ての場合に当てはまるわけではない。例えば、場合によっては、単一のローカルコントローラ18が、2つ以上の異なる建物システム構成要素16の動作を制御することができる。
【0015】
HVACシステムでは、例えば、特定のローカルコントローラ18が、建物システム構成要素16のうちの1つによって表されるVAVボックスの動作を制御することができる。その特定の建物構成要素16のローカルコントローラ18は、建物サイト12の対応する部分内で所望の空気流を達成するために、又はおそらく所望の温度設定点を達成するために、VAVボックス内の相対的なダンパ位置を制御してもよい。これらは単なる例である。
【0016】
ローカルコントローラ18の各々は、ローカルネットワーク20と動作可能に結合されている。ローカルネットワーク20は、例えば有線ネットワークであってもよいし、場合によっては無線ネットワークであってもよい。インテリジェントゲートウェイ22は、ローカルネットワーク20に動作可能に結合されてもよく、したがって、ローカルネットワーク20に動作可能に自身が結合されたローカルコントローラ18の各々に動作可能に結合されている。場合によっては、特に建物サイト12が比較的小さい場合、ローカルネットワーク20が存在しなくてもよい。そのような場合、ローカルコントローラ18の各々は、代わりに、有線又は無線接続を介してインテリジェントゲートウェイ22に直接結合されてもよい。場合によっては、特に既存の建物サイト12を改装する場合、ローカルコントローラ18のうちの1つ以上は、レガシーコントローラ又はレガシーゲートウェイデバイス26に動作可能に結合されてもよい。建物システム構成要素16、ローカルコントローラ18、ローカルネットワーク20、及びレガシーゲートウェイデバイス26は、存在する場合、集合的に、建物サイト12に設置される建物管理システム28と呼ばれてもよいことが理解されるだろう。場合によっては、ローカルネットワーク20は、BACNET、MODBUS、LONTALK、ENOCEAN、ZIGBEE、X10、及び/又は任意の他の好適なネットワークプロトコルなどのネットワークプロトコルに従って動作してもよい。
【0017】
図示の例では、インテリジェントゲートウェイ22は、ローカルコントローラ18とクラウドベースのサーバ14との間の仲介として機能する。例えば、インテリジェントゲートウェイ22は、ローカルネットワーク20に動作可能に結合されていることが分かっている任意のデバイスに問い合わせ、インテリジェントゲートウェイ22及び/又はクラウドベースサーバ14が建物システム構成要素16及びローカルコントローラ18を含むこれらのデバイスを識別するのを助けるメタデータなどの情報をこれらのデバイスから取得することが可能なように構成され得る。また、インテリジェントゲートウェイ22は、クラウドベースのサーバ14からローカル構成情報を受信し、ローカルコントローラ18の各々に適切なローカル構成を提供し、ローカルコントローラ18の各々が、担当する構成要素16の動作を最良に制御することができるようにする。場合によっては、インテリジェントゲートウェイ22は、ローカルコントローラ18によって最初に収集された建物システム構成要素16の動作に関する動作データを収集するように構成されてもよく、収集された動作データをクラウドベースサーバ14に提供するように構成されてもよい。インテリジェントゲートウェイ22は、ネットワーク24を介してクラウドベースのサーバ14に動作可能に結合されてもよい。ネットワーク24は、単一のネットワーク、又は2つ以上の別個のネットワークの編集物を表してもよい。ネットワーク24は、インターネットを含んでもよい。
【0018】
クラウドベースのサーバ14は、単一のコンピュータサーバ又はコンピュータサーバの集合を表してもよく、建物管理システムのための集中建物管理システムコントローラとして機能してもよい。場合によっては、クラウドベースのサーバ14によって実装される集中建物管理システムコントローラは、オンサイト集中建物管理システムコントローラの代替と見なされてもよい。そのような集中建物管理システムコントローラは、サーバ、デスクトップ、又は集中建物管理システムソフトウェアを実行する他のコンピュータハードウェアなどのオンサイト集中建物管理システムコントローラに通常関連付けられるハードウェアの全てを必要とせずに、オンサイト集中建物管理コントローラの機能の一部又は全てを提供してもよい。
【0019】
図2は、クラウドベースのサーバ14及びインテリジェントゲートウェイ22の両方によって提供された機能に関する追加の詳細を提供する。示されるように、クラウドベースのサーバ14は、管理ポータル30と、モデル同期ブロック32と、遠隔構成ブロック34とを含み、それらの各々は、サーバ36及び/又はクラウドベースのサーバ38と通信する。場合によっては、サーバ36及びクラウドベースのサーバ38は両方とも、単一のクラウドベースのサーバの一部であると見なされてもよく、個々に又は組み合わされて、図1に示すネットワーク24の全部又は一部を表してもよい。管理ポータル30は、ユーザがインテリジェントゲートウェイ22へのアクセスを得ることを可能にし、ユーザが建物管理システム28の個々の構成要素からメタデータの収集を勧誘することができるようにする。管理ポータル30から出る矢印内に数字「1」が示されていることが分かる。
【0020】
管理ポータル30を使用すると、ユーザは、インテリジェントゲートウェイ22内に示すクラウドコネクタブロック40へのアクセスを得てもよい。クラウドコネクタブロック40は、例えば、クラウドコネクタブロック40を介してデータを送信するために、有線又は無線トランシーバを含んでもよい。データ要求は、(矢印内の数字「2」によって示されるように)生データ発見サービスブロック42に流れ、これは、矢印内の数字「3」によって示されるように、データ要求をデバイスドライバブロック44に適用する。建物システム構成要素16がBACNETデバイスである場合、デバイスドライバブロック44は、例えば、それ自体がBACNETドライバであってもよい。
【0021】
要求されたメタデータは、インテリジェントゲートウェイ22まで戻されて提供され、データがモデル同期ブロック48に流れる前にデータベース46内に記憶され、メタデータは、クラウドベースサーバ14まで戻されて提供される適切な所定のフォーマットに変換される。場合によっては、BACnet、OPCUA(OPC Unified Architecture)、SNMP(Simple Network Management Protocol)などのプロトコルに従って動作するデバイスから受信されるメタデータは、Niagaraで動作する対応するドライバを含む。例えば、ポイントデータがNiagaraにフェッチされるときに、Niagaraオブジェクトモデルに変換されるだろう。例えば、BACnetの場合、オブジェクトモデル又は階層はBacnetNetwork>BacnetDevices>BacnetPointsである。タグ付けとして知られるメカニズムを使用して、関係は、階層の各レベルに対して確立される。再び我々の例を使用すると、BacknetNetwork-hasChildren>Devices-hasChildren>ポイントであり、ここで、hasChildrenはタグである。モデル同期ブロック48は、メタデータ変換中にTAG辞書52を参照してもよい。TAG辞書52は、受信されたメタデータに、受信されたメタデータに応じて、データタイプ、測定単位、メタデータの送信元及び/もしくは宛先、メタデータに関連付けられたポイント名、及び/又は任意の他の好適な情報などの有用な情報でタグ付けするための追加情報を提供してもよい。
【0022】
矢印内の数字「5」によって示されるように、変換されたメタデータは、クラウドコネクタブロック40を通って、クラウドベースのサーバ14内のモデル同期ブロック32まで戻るように流れる。クラウドベースのサーバ14内のモデル同期ブロック32は、遠隔又はクラウドベースのサーバ14が、例えば、建物管理システムのクラウドベースのモデルを周期的に更新することを可能にし得る。クラウドベースのモデルは、例えば、建物管理システムを制御、診断、及び/又は他の方法で動作させるために使用されてもよい。場合によっては、モデルを構築することは、イテレータを実行して、構成要素及びデバイスの全てを、それらの間の関係とともに得ることを含む。各デバイスについて、ポイントが取得される。このモデルデータは、モデル同期ブロック32にプッシュされる。場合によっては、コンテキスト発見機械学習アルゴリズムが、ポイントを分離し、異なる機器にグループ化するために使用され得る。
【0023】
図示の例では、遠隔構成ブロック34は、ユーザから構成設定を受信してもよい。場合によっては、遠隔構成ブロック34は、インテリジェントゲートウェイ22からの要求されたメタデータの少なくとも一部を使用して、建物管理システム28内のデバイスに対する適切な構成設定を決定及び/又は提案するのを助けてもよい。場合によっては、遠隔構成ブロック34は、遠隔又はクラウドベースのサーバ14が、建物管理システム28の個々の構成要素のうちの少なくともいくつかを構成し、インテリジェントゲートウェイ22を介して建物管理システム28の個々の構成要素のうちの少なくともいくつかに構成データをダウンロードすることを可能にする。これらの構成設定は、インテリジェントゲートウェイ22及びインテリジェントゲートウェイ22内の遠隔構成ブロック50に送信される。遠隔構成ブロック50は、構成設定をデバイスドライバブロック44に送信し、デバイスドライバブロック44は、構成設定を個々の建物システム構成要素16に送信する。
【0024】
図3は、(建物サイト12などの)建物サイトにおいて(建物管理システム28などの)建物管理システムからメタデータを遠隔で取得する例示的な方法60を示す流れ図を提供する。建物管理システムは、建物サイトに配設されたインテリジェントゲートウェイ(インテリジェントゲートウェイ22など)に動作可能に結合され、インテリジェントゲートウェイは、それ自体がネットワーク(ローカルネットワーク20など)に動作可能に結合されている。場合によっては、インテリジェントゲートウェイ22は、最初に、ブロック62で示されるように建物サイトに設置され、任意選択でブロック64で示されるように建物管理システムに動作可能に結合され、建物サイトの最初の作動中にブロック66で示されるようにインターネットに動作可能に結合される。これが達成されると、建物管理システムの作動及び/又は動作の残りの多く又は全てが、クラウドベースのサーバから達成されてもよい。
【0025】
セットアップされると、ブロック68に示されるように、インテリジェントゲートウェイがメタデータを建物管理システムから取得するための要求が、インテリジェントゲートウェイにおいて受信されてもよい。この要求は、例えば、遠隔サーバによって生成されてもよく、又は場合によっては、図2に示される管理ポータル30において開始されてもよい。インテリジェントゲートウェイは、ブロック70に示すように、建物管理システムの個々の構成要素にメタデータ要求を適用し、ブロック72に示すように、要求されたメタデータを建物管理システムの個々の構成要素から受信する。インテリジェントゲートウェイは、ブロック74に示すように、受信したメタデータを遠隔サーバによって使用するための所定のフォーマットに変換し、ブロック76に示すように、変換したメタデータを遠隔サーバに通信する。メタデータを変換する際に、インテリジェントゲートウェイ22は、受信したメタデータにタグ及び/又は関係を追加してもよい。遠隔又はクラウドベースのサーバ14は、変換されたメタデータを使用して、例えば、建物管理システムのクラウドベースのモデルを生成するように構成されてもよい。場合によっては、遠隔又はクラウドベースのサーバ14は、更新されたメタデータを使用して、建物管理システムのクラウドベースのモデルを経時的に更新するように構成されてもよい。
【0026】
場合によっては、インテリジェントゲートウェイ22は、メタデータの要求を受信すると、建物管理システム28の個々の構成要素に問い合わせて、要求されたメタデータを取得するように構成されてもよい。これらの要求は、建物管理システム28の個々の構成要素と互換性のあるフォーマットであってもよい。例えば、建物管理システム28の個々の構成要素は、BACNETネットワークなどのネットワークプロトコルを有するネットワークを介してインテリジェントゲートウェイ22に接続されてもよく、メタデータ要求は、BACNETコマンドなどのネットワークプロトコルと互換性のあるコマンドを使用して行われてもよい。インテリジェントゲートウェイ22は、メタデータを変換し、変換されたメタデータを遠隔サーバ14に通信する前に、受信したメタデータをデータベース46に記憶する。インテリジェントゲートウェイ22は、建物管理システム28の個々の構成要素のうちの少なくともいくつかと直接通信するように構成されてもよい。場合によっては、インテリジェントゲートウェイ22は、インテリジェントゲートウェイ22と建物管理システム28の個々の構成要素のうちの少なくともいくつかとの間に動作可能に結合されているレガシーゲートウェイデバイス26を介して、建物管理システム28の個々の構成要素のうちの少なくともいくつかと通信するように構成されてもよい。
【0027】
図4は、建物サイトで建物管理システムを遠隔で構成する例示的な方法80を示す流れ図である。建物管理システムは、建物サイトに配設されたインテリジェントゲートウェイと動作可能に結合されてもよく、インテリジェントゲートウェイは、それ自体がネットワークに動作可能に結合されている。インテリジェントゲートウェイは、ブロック82に示されるように、建物管理システムの1つ以上の構成要素からメタデータを取得するために、建物管理システムの1つ以上の構成要素に問い合わせる。次いで、インテリジェントゲートウェイは、ブロック84に示すように、受信したメタデータを遠隔サーバによって使用するための所定のフォーマットに変換する。インテリジェントゲートウェイは、ブロック86に示すように、変換されたメタデータを遠隔サーバに通信する。
【0028】
インテリジェントゲートウェイはまた、ブロック88に示されるように、遠隔サーバから建物管理システムのための構成情報を受信してもよく、構成情報は、遠隔サーバに通信される変換されたメタデータに少なくとも部分的に基づくか、又はそれから導出される。インテリジェントゲートウェイによって受信された構成情報は、例えば、インテリジェントゲートウェイのための動作命令、及び/又は建物管理システム10の1つ以上の構成要素の動作を制御する1つ以上のローカルコントローラのための動作命令を含んでもよい。
【0029】
図5は、メタデータを取得する例示的な方法90を示す流れ図である。インテリジェントゲートウェイは、ブロック92に示されるように、インテリジェントゲートウェイが要求されたメタデータを建物管理システムから取得するための要求を遠隔サーバから受け入れる。ブロック94に示すように、1つ以上のメタデータ要求が建物管理システムの個々の構成要素に送信される。要求されたメタデータは、ブロック96に示されるように、建物管理システムの個々の構成要素から受信され、ブロック98に示されるように、遠隔サーバによって使用するために所定のフォーマットに変換される。変換されたメタデータは、ブロック100に示されるように、遠隔サーバに通信される。場合によっては、インテリジェントゲートウェイは、建物管理システムの個々の構成要素のうちの少なくともいくつかと直接通信する。インテリジェントゲートウェイは、例えば、インテリジェントゲートウェイと建物管理システムの個々の構成要素のうちの少なくともいくつかとの間に動作可能に結合されているレガシーゲートウェイデバイスを介して、建物管理システムの個々の構成要素のうちの少なくともいくつかと通信してもよい。
【0030】
上記の開示は建物管理システムに関して説明されているが、本開示は、産業プロセス制御用途、航空宇宙用途、及び/又は任意の他の好適な用途などの他の用途に適用されてもよいことが企図される。例えば、産業プロセス制御用途では、システムは、構築システム構成要素が産業プロセス制御構成要素と置換されてもよいことを除いて、図1に示されるものと同様であってもよい。産業施設に位置し、産業プロセス制御構成要素に動作可能に接続されたインテリジェントゲートウェイは、説明した方式でクラウドベースのサーバと通信してもよい。同様に、航空宇宙用途では、システムは、建物システム構成要素が航空機制御構成要素と置換されてもよいことを除いて、図1に示されるものと同様であり得る。航空機内に配置され、航空機制御構成要素に動作可能に接続されたインテリジェントゲートウェイは、説明した方式でクラウドベースのサーバと通信してもよい。
【0031】
本開示のいくつかの例示的な実施形態をこのように説明してきたが、当業者は、更に他の実施形態が、本明細書に添付される特許請求の範囲内で行われ使用されてもよいことを容易に理解するであろう。しかしながら、本開示は、多くの点において、例示的なものにすぎないことが理解されるであろう。本開示の範囲を超えることなく、詳細に、特に形状、サイズ、部分の配置、並びにステップの除外及び順序に関して、変更が行われてもよい。本開示の範囲は、当然ながら、添付の特許請求の範囲が表現される言語で定義される。
図1
図2
図3
図4
図5