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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】ロボット用操作装置およびロボット
(51)【国際特許分類】
   B25J 9/22 20060101AFI20240501BHJP
   G05B 19/42 20060101ALI20240501BHJP
   B25J 13/02 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
B25J9/22 A
G05B19/42 H
B25J13/02
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2022571472
(86)(22)【出願日】2021-12-21
(86)【国際出願番号】 JP2021047153
(87)【国際公開番号】W WO2022138596
(87)【国際公開日】2022-06-30
【審査請求日】2023-07-11
(31)【優先権主張番号】P 2020216089
(32)【優先日】2020-12-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2021028278
(32)【優先日】2021-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】井上 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】本門 智之
(72)【発明者】
【氏名】大脇 盛生
【審査官】神山 貴行
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-234185(JP,A)
【文献】特開平09-076183(JP,A)
【文献】特開昭63-278777(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111300433(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00-21/02
G05B 19/18-19/416
G05B 19/42-19/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットに装着されるロボット用操作装置であって、
前記ロボットが、作業者により加えられる力を検出し、検出された力に応じて位置および姿勢を変更するリードスルー制御により動作可能であり、
前記ロボットの先端のフランジに固定され、該フランジの回転軸線に対して偏心した位置に、該回転軸線を含む平面に沿う形態で長尺のツールを取り付けるブラケットと、
該ブラケットに対して固定され、前記作業者の両手によってそれぞれ把持される2つのハンドルとを備え、
一方の前記ハンドルが、前記平面上に、前記ツールの長手軸に沿う方向に延びる形態で配置され、
他方の前記ハンドルが、前記ツールの近傍において、前記平面に交差する方向に延びる形態で配置されるロボット用操作装置。
【請求項2】
一方の前記ハンドルに、一方の前記ハンドルを把持した状態の前記作業者の手によって操作され、前記リードスルー制御を有効または無効に切り替えるリードスルースイッチが設けられている請求項1に記載のロボット用操作装置。
【請求項3】
一方の前記ハンドルを把持した状態の前記作業者の、他方の前記ハンドルを把持する手の届く範囲に、位置教示スイッチおよび動作モード変更スイッチの少なくとも1つの操作スイッチが配置されている請求項2に記載のロボット用操作装置。
【請求項4】
前記操作スイッチの少なくとも1つが、他方の前記ハンドルを把持した状態の前記作業者の手によって操作可能な位置に配置されている請求項3に記載のロボット用操作装置。
【請求項5】
他方の前記ハンドルが、前記ブラケットに対して取り外し可能に固定されている請求項1から請求項4のいずれかに記載のロボット用操作装置。
【請求項6】
前記ブラケットの前記平面を挟んだ両側に、他方の前記ハンドルを択一的に取付可能な取付部が設けられている請求項5に記載のロボット用操作装置。
【請求項7】
一方の前記ハンドルが、前記ブラケットに対して取り外し可能に固定されている請求項1から請求項6のいずれかに記載のロボット用操作装置。
【請求項8】
ロボットに装着されるロボット用操作装置であって、
前記ロボットが、作業者により加えられる力を検出し、検出された力に応じて位置および姿勢を変更するリードスルー制御により動作可能であり、
前記ロボットの先端のフランジに固定され、該フランジの回転軸線に対して偏心した位置に、該回転軸線を含む平面に沿う形態で長尺のツールを取り付けるブラケットを備え、
該ブラケットの前記フランジへの固定位置近傍に、前記作業者の一方の手によって前記回転軸線を包み込む形態で把持可能な第1ハンドル部が設けられ、前記ツールの前記ブラケットへの取付位置近傍に、前記作業者の他方の手によって前記ツールの長手軸を包み込む形態で把持可能な第2ハンドル部が設けられ
該第2ハンドル部に、該第2ハンドル部を把持した状態の前記他方の手によって操作される、位置教示スイッチおよび動作モード変更スイッチの少なくとも1つの操作スイッチが設けられているロボット用操作装置。
【請求項9】
前記第1ハンドル部に、該第1ハンドル部を把持した状態の前記一方の手によって操作され、前記リードスルー制御を有効または無効に切り替えるリードスルースイッチが設けられている請求項8に記載のロボット用操作装置。
【請求項10】
前記ブラケットが、前記ツールを取り付けるブラケット本体と、該ブラケット本体を前記フランジに固定する柱状のアダプタとを備え、
該アダプタが前記第1ハンドル部を構成する請求項9に記載のロボット用操作装置。
【請求項11】
前記リードスルースイッチに一端が接続された第1ケーブルを備え、
該第1ケーブルと、前記ロボットを制御する制御装置に接続され、前記ツールに沿って配線された本体ケーブルとが、前記第1ケーブルの他端に取り付けられた第1コネクタにより着脱可能に接続されている請求項10に記載のロボット用操作装置。
【請求項12】
前記アダプタの外周面に、前記リードスルースイッチが取り付けられる開口が設けられ、
前記アダプタに、前記開口に連絡し前記第1ケーブルの一部を収容状態に配置する通路部が設けられ、
該通路部が、前記アダプタの外面の内、前記一方の手により把持される領域以外の位置から前記第1コネクタ側の前記第1ケーブルを前記アダプタの外方に露出させる請求項11に記載のロボット用操作装置。
【請求項13】
前記第2ハンドル部に、前記平面上に、前記ツールの前記長手軸に沿う方向に延びる形態で着脱可能に取り付けられる第1着脱ハンドルおよび、前記平面に交差する方向に延びる形態で着脱可能に取り付けられる第2着脱ハンドルを備え、
前記リードスルースイッチが、前記アダプタに着脱可能に取り付けられ、
前記第1着脱ハンドルに、前記アダプタから取り外された前記リードスルースイッチを取付可能である請求項10から請求項12のいずれかに記載のロボット用操作装置。
【請求項14】
前記操作スイッチに一端が接続された第2ケーブルを備え、
該第2ケーブルが、前記操作スイッチから前記ツールに沿って延ばされた後、前記アダプタよりも前記フランジ側を通って、前記ロボットの先端に設けられた第2コネクタに接続されている請求項10から請求項13のいずれかに記載のロボット用操作装置。
【請求項15】
前記操作スイッチの少なくとも1つが、長押し操作によってツール動作指令を教示するためのツール動作教示スイッチに機能変更可能である請求項3、請求項4および請求項14のいずれかに記載のロボット用操作装置。
【請求項16】
前記操作スイッチが、点灯または消灯によって機能変更を報知する報知機能を備える請求項15に記載のロボット用操作装置。
【請求項17】
請求項1から請求項1のいずれかに記載のロボット用操作装置を備えるロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ロボット用操作装置およびロボットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
リードスルー制御によってロボットを動作させるために、作業者がロボットに力を加えて操作するロボット用操作装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
このロボット用操作装置は、作業者が両手でそれぞれ把持する2つのハンドルを備え、両ハンドルに加える合力によってロボットを動作させる。
【0003】
ロボットの最先端に備えられたフランジには、フランジの回転軸線に沿ってハンド部等のツールが固定されており、2つのハンドルは、ハンド部の中心面(ハンド部の2本の指の中心を指の開閉方向に直交する方向に延びる平面)を挟んだ両側に延びている。これにより、ハンド部の正面に立った作業者が、両手で2つのハンドルをそれぞれ握ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-34412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ハンド部の中心面を挟んだ両側に2つのハンドルを突出させたのでは、中心面からの突出量が大きくなるので、ハンドルを把持して行う教示操作等において、周辺部材とハンドルとの干渉する可能性が高くなる。したがって、周辺部材との干渉を極力低減しつつ、ツール先端点を所望の位置に精度よく配置することができるロボット用操作装置およびロボットが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、ロボットに装着されるロボット用操作装置であって、前記ロボットが、作業者により加えられる力を検出し、検出された力に応じて位置および姿勢を変更するリードスルー制御により動作可能であり、前記ロボットの先端のフランジに固定され、該フランジの回転軸線に対して偏心した位置に、該回転軸線を含む平面に沿う形態で長尺のツールを取り付けるブラケットと、該ブラケットに対して固定され、前記作業者の両手によってそれぞれ把持される2つのハンドルとを備え、一方の前記ハンドルが、前記平面上に、前記ツールの長手軸に沿う方向に延びる形態で配置され、他方の前記ハンドルが、前記ツールの近傍において、前記平面に交差する方向に延びる形態で配置されるロボット用操作装置である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の第1の実施形態に係るロボットであって、フランジに溶接トーチを装着したロボットを示す側面図である。
図2図1のロボットを示す正面図である。
図3図1のロボットに備えられた本開示の第1の実施形態に係るロボット用操作装置を示す斜視図である。
図4】第1の変形例に係るロボット用操作装置を示す斜視図である。
図5】第2の変形例に係るロボット用操作装置を示す斜視図である。
図6】第3の変形例に係るロボット用操作装置を示す斜視図である。
図7図6のロボット用操作装置を示す分解斜視図である。
図8図7のロボット用操作装置を左利き用に変更した状態を示す分解斜視図である。
図9】第4の変形例に係るロボット用操作装置を示す分解斜視図である。
図10図9のロボット用操作装置を左利き用に変更した状態を示す分解斜視図である。
図11】第5の変形例に係るロボット用操作装置を示す分解斜視図である。
図12】ツールとしてハンドを装着したロボットを示す斜視図である。
図13】本開示の第2の実施形態に係るロボットであって、フランジに溶接トーチを装着したロボットを示す側面図である。
図14図13のロボットを示す正面図である。
図15図13のロボットに備えられた本開示の第2の実施形態に係るロボット用操作装置を示す斜視図である。
図16図15のロボット用操作装置を把持する作業者の手とともに示す斜視図である。
図17図15のロボット用操作装置における第1ケーブルおよび第2ケーブルの配線ルートを示す斜視図である。
図18図15のロボット用操作装置の変形例を示す分解斜視図である。
図19図18のロボット用操作装置の第1ハンドルおよび第2ハンドルを取り付ける手順を説明する斜視図である。
図20図19のロボット用操作装置の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の第1の実施形態に係るロボット用操作装置1およびロボット100について、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係るロボット100は、作業者により加えられる力を検出するセンサを内蔵し、センサにより検出された力の大きさおよび方向に応じてロボット100の位置および姿勢を変更するリードスルー制御により動作可能なロボットである。
【0009】
ロボット100は、例えば、図1および図2に示されるように、垂直6軸多関節型ロボットであり、床面等の被設置面に設置されるベース110と、ベース110に対して第1軸線A回りに回転可能に支持された旋回胴120とを備えている。
また、ロボット100は、旋回胴120に第2軸線B回りに回転可能に支持された第1アーム130と、第1アーム130に第3軸線C回りに回転可能に支持された第2アーム140と、第2アーム140の先端に支持された3軸の手首ユニット150とを備えている。
【0010】
手首ユニット150には最先端の回転軸線(第6軸)X回りに回転可能なフランジ160が備えられている。本実施形態に係るロボット100は、フランジ160に固定されたロボット用操作装置1を備えている。
【0011】
本実施形態に係るロボット用操作装置1は、図3に示されるように、フランジ160に固定されるブラケット2と、ブラケット2に固定された2つのハンドル3,4とを備えている。
ブラケット2は、例えば、溶接トーチ170のような長尺のツールをフランジ160に固定する部材であり、フランジ160に固定されるブラケット本体5と、ブラケット本体5に溶接トーチ170を固定する固定ブロック6とを備えている。
【0012】
溶接トーチ170は、一方向に湾曲した管状のトーチ本体171と、トーチ本体171の基端に接続された略円柱状のネックホルダ172と、ネックホルダ172の基端に接続されたガイドチューブ173とを備えている。ガイドチューブ173、ネックホルダ172およびトーチ本体171は、溶接ワイヤ180を長手方向に貫通させる内孔(図示略)を備えている。溶接トーチ170は、内孔内を貫通してきた溶接ワイヤ180をトーチ本体171の先端から突出させて、ワークとの間にアークを発生させることによりワークを溶接する。
【0013】
固定ブロック6は、トーチ本体171の円筒状の胴部171aを径方向から挟んで把持する一対の半割ブロック部材7,8を備えている。各半割ブロック部材7,8は、組み合わせられることにより胴部171aを貫通可能な略円形の横断面形状の貫通孔を構成する略半円形の横断面形状の凹部7a,8aを備えている。一対の半割ブロック部材7,8の凹部7a,8a間にトーチ本体171の胴部171aを配置し、図示しないボルトによってブラケット本体5と共締めすることにより、トーチ本体171の胴部171aを一対の半割ブロック部材7,8間に挟んだ状態でブラケット本体5に固定することができる。
【0014】
溶接トーチ170は、上述したように長尺の形態を有しているので、手首ユニット150内部を貫通させることができず、フランジ160の回転軸線Xに対して偏心した位置にブラケット2によって支持される。そして、トーチ本体171は、ブラケット2に固定された位置からフランジ160の回転軸線Xを含む平面(以下、ツール平面という。)Pに沿って湾曲し、溶接ワイヤ180をフランジ160の回転軸線Xに交差させる位置に突出させる形態に配置される。フランジ160の回転軸線Xと溶接ワイヤ180との交差点が、一般にツール先端点として設定される。
【0015】
一方の半割ブロック部材8には、2つのハンドル3,4を固定する2つのハンドル固定部9,10が設けられている。
ハンドル3,4は、ツール平面Pに沿って配置された第1ハンドル(一方のハンドル)3およびツールである溶接トーチ170の長手軸Yに近接する位置において、ツール平面Pに対して直交する方向に延びて配置された第2ハンドル(他方のハンドル)4の2つのみである。
【0016】
第1ハンドル3は、作業者が右手で握ることができる直棒状の部材である。一方のハンドル固定部9は、ツール平面Pに沿って、フランジ160の回転軸線Xから離れる方向に片持ち梁状に延びている。第1ハンドル3は、このハンドル固定部9の先端に固定され、溶接トーチ170との間に右手の親指以外の4本の指が入る程度の隙間をあけて、溶接トーチ170の長手軸Yに平行に配置される。これにより、第1ハンドル3は、ツール平面P上に溶接トーチ170の長手軸Yに沿う方向に延びる形態で配置される。
【0017】
第1ハンドル3の先端には、第1ハンドル3を把持した状態の右手の親指によって操作可能なリードスルースイッチ11が設けられている。
リードスルースイッチ11は、親指による押圧力が付与された状態でリードスルー制御を有効にし、押圧力が解除された状態でリードスルー制御を無効にするよう機能する。
【0018】
第2ハンドル4は、第1ハンドル3を右手で握った作業者が左手で握ることができる位置に配置された直棒状の部材である。他方のハンドル固定部(取付部)10には、第2ハンドル4を順手で握った状態の左手の親指によって操作可能な位置に2つの押しボタンスイッチ(操作スイッチ)12,13が設けられている。
【0019】
一方の押しボタンスイッチ12は、押されることにより、押された時点におけるロボット100の各軸の角度を記憶する教示ボタン(操作スイッチ、位置教示スイッチ)である。また、他方の押しボタンスイッチ13は、押される都度にロボット100の動作モードを直交動作と各軸動作とで切り替えるモード切替ボタン(操作スイッチ、動作モード変更スイッチ)である。
【0020】
このように構成された本実施形態に係るロボット用操作装置1およびロボット100の作用について、以下に説明する。
本実施形態に係るロボット用操作装置1を用いて、ロボット100をリードスルー制御しながら教示を行うには、作業者は、第1ハンドル3を右手で握り、第2ハンドル4を左手で握り、第1ハンドル3に設けられたリードスルースイッチ11を押下する。
【0021】
これにより、リードスルー制御が有効となるので、作業者が第1ハンドル3および第2ハンドル4に加えた力がロボット100に内蔵されたセンサにより検出され、検出された力に応じた位置および姿勢にロボット100が動作させられる。そして、所望の位置において、作業者が第2ハンドル4の他方のハンドル固定部10に設けられた教示ボタン12を押下することにより、押下された時点におけるロボット100の各軸の角度が記憶される。この動作を繰り返すことにより、ロボット100の動作プログラムを教示することができる。
【0022】
この場合において、本実施形態に係るロボット用操作装置1およびロボット100によれば、右手で把持する第1ハンドル3が、フランジ160の回転軸線Xおよびトーチ本体171が配置されているツール平面Pに沿って配置されている。これにより、第1ハンドル3がツール平面Pから大きく突出しないので、周辺部材と第1ハンドル3が干渉する可能性を低減することができる。
【0023】
また、第1ハンドル3をトーチ本体171の胴部171aの近くに、胴部171aの長手軸Yに平行に配置することにより、第1ハンドル3を右手で把持する作業者は、トーチ本体171を直接把持して操作するのと同等の感覚でトーチ本体171を移動させることができる。これにより、作業者が、トーチ本体171の位置および姿勢を直感的にコントロールし易く、ツール先端点に配置されている溶接ワイヤ180の先端を、作業者の意図した位置に精度よく配置することができる。
【0024】
また、本実施形態においては、第1ハンドル3を右手で、第2ハンドル4を左手で握るので、利き手が右手である場合に、溶接トーチ170の位置および姿勢のコントロールをさらに容易にすることができる。
第2ハンドル4は、ツール平面Pの片側のみに突出して延びており、ツール平面Pを挟んだ両側に突出していないので、周辺部材との干渉の可能性を十分に低く抑えることができる。第2ハンドル4は、トーチ本体171の長手軸Yに近接する位置に配置されているので、作業者が第2ハンドル4に加える力を直接トーチ本体171に伝えることができ、作業者の直感的な操作が可能となる。
【0025】
第2ハンドル4を備えることにより、第1ハンドル3のみでは困難な操作、例えば、第1ハンドル3の長手軸回りに溶接トーチ170を回転させる動作等において、第2ハンドル4に加える力を補助的に利用して、容易に操作することができるという利点がある。
また、第2ハンドル4をブラケット2に取り付ける他方のハンドル固定部10に、教示ボタン12および動作モード切替ボタン13が配置されている。これにより、作業者は、第2ハンドル4を左手で握った状態のままで、左手の親指によって教示ボタン12および動作モード切替ボタン13を操作できる。
【0026】
なお、本実施形態においては、第2ハンドル4を固定する他方のハンドル固定部10に教示ボタン12および動作モード切替ボタン13を設けた。これに加えて、教示ボタン12または動作モード切替ボタン13は、短く押す操作によって、教示ボタン12あるいは動作モード切替ボタン13として機能させ、例えば、長押し操作によってツール動作指令を教示するためのツール動作教示スイッチ等に機能変更可能であってもよい。
【0027】
これにより、ツールが溶接トーチ170である場合のアーク発生開始指令あるいは終了指令の教示、あるいはツールがハンドである場合の開閉指令も容易に教示することができるという利点がある。また、教示ボタン12あるいは動作モード切替ボタン13に複数の機能を備えることにより、作業者が操作するスイッチの数を低減し、使い易さを向上することができる。
【0028】
この場合に、教示ボタン12あるいは動作モード切替ボタン13に、点灯または消灯によって状態を知らせるLEDランプ(報知機能)が備えられていてもよい。LEDランプの点灯または消灯によって作業者が現状の教示ボタン12あるいは動作モード切替ボタン13の状態を視覚的に容易に認識することができる。
【0029】
また、本実施形態においては、第1ハンドル3を右手で握り、第2ハンドル4を左手で握る場合を説明した。これに代えて、第2ハンドル4を、図3とはツール平面Pを挟んで反対側に突出させることにより、第1ハンドル3を左手で握り、第2ハンドル4を右手で握って操作することにしてもよい。このようにすることにより、利き手が左手である場合に溶接トーチ170の位置および姿勢を容易に操作することができる。
【0030】
また、第2ハンドル4を固定する他方のハンドル固定部10に教示ボタン12および動作モード切替ボタン13を設けることに代えて、図4に示されるように、ブラケット本体5あるいは図5に示されるように手首ユニット150に設けてもよい。これらによっても、第1ハンドル3を右手で把持した状態の作業者が、第2ハンドル4から放した左手(他方のハンドル4を把持する手)によって操作可能な位置に教示ボタン12および動作モード切替ボタン13を配置することができる。
【0031】
また、本実施形態においては、第1ハンドル3および第2ハンドル4をブラケット2に着脱可能に設けてもよい。例えば、図6に示される例では、第1ハンドル3は一方の半割ブロック部材8に、ボルト14によって一方のハンドル固定部9ごと着脱可能である。また、第2ハンドル4は、ボルト15によって他方のハンドル固定部10に着脱可能である。
【0032】
リードスルー制御による教示操作の終了後に第1ハンドル3および第2ハンドル4をブラケット2から取り外すことにより、教示された動作プログラムの実行時における周辺部材との干渉を大幅に低減することができるという利点がある。
第1ハンドル3に設けられたリードスルースイッチ11に接続するケーブル16に中継コネクタ17を設けることにより、第1ハンドル3の着脱を容易にすることができる。
【0033】
また、図4および図5に示されるロボット用操作装置1において、第2ハンドル4を他方のハンドル固定部10に着脱可能に取り付ける場合に、他方のハンドル固定部10には、ツール平面Pを挟んだ両側に、第2ハンドル4を択一的に取付可能にするネジ孔(図6参照)18を設けてもよい。
【0034】
また、図7に示されるように、一方の半割ブロック部材8から一方のハンドル固定部9ごと第1ハンドル3を取り外し、図8に示されるように、反転させた一方の半割ブロック部材8に、第1ハンドル3および一方のハンドル固定部9を固定してもよい。これにより、利き手毎に部品を設けることなく、共通化することができる。
【0035】
すなわち、第1ハンドル3をツール平面P上に配置しているので、利き手が異なる作業者に応じて第1ハンドル3の位置を変更する必要がない。したがって、第2ハンドル4の位置を変更するだけで、別個の部品を用意することなく、利き手が異なる作業者用のロボット用操作装置1としても利用することができる。
この場合には、一方の半割ブロック部材8に設けられている教示ボタン12および動作モード切替ボタン13に接続するケーブル(図示略)を、手首ユニット150に設けたコネクタ(図示略)に着脱することにより、一方の半割ブロック部材8の着脱を容易にすることができる。
【0036】
また、第1ハンドル3を固定する一方の半割ブロック部材8に教示ボタン12等が配置されている場合を例示したが、これに代えて、図9に示されるように、ブラケット本体5に固定される他方の半割ブロック部材7に他方のハンドル固定部10および教示ボタン12等が配置されていてもよい。これにより、利き手が異なる場合に対応して、図10に示されるように、第2ハンドル4の位置の反転を可能にしつつ、第1ハンドル3を固定する一方の半割ブロック部材8に一方のハンドル固定部9を一体化することができ、部品点数を少なくすることができる。
また、図11に示されるように、他方のハンドル固定部10および教示ボタン12等が設けられるスイッチボックス20を半割ブロック部材7,8とは別個にブラケット本体5に固定することにしてもよい。
【0037】
また、本実施形態においては、ブラケット2によってフランジ160に固定されるツールとして、溶接トーチ170を例示したが、これに代えて、フランジ160の回転軸線Xに対してオフセットした位置に配置される長尺のツールであれば、他の任意のツールを採用してもよい。例えば、基端側にレーザ光を導く光ファイバケーブルが接続され、先端からレーザ光を射出するレーザ溶接用あるいはレーザ加工用のノズルを採用してもよい。
【0038】
また、基端側に動力ケーブルが接続され、先端に配置された工具によりワークを加工するツールを採用してもよい。また、基端側に流体用チューブが接続され、先端から流体を吐出させるノズルを採用してもよい。
【0039】
また、図12に示されるように、基端側に接続された動力ケーブルあるいは流体用チューブにより供給される電力あるいは加圧流体によって、先端に配置された指を開閉するハンド200を採用してもよい。
【0040】
また、本実施形態においては、ブラケット本体5に溶接トーチ170を固定する固定ブロック6に第1ハンドル3および第2ハンドル4を固定する場合を例示した。これに代えて、固定ブロック6によってブラケット本体5に固定された溶接トーチ170に、第1ハンドル3および第2ハンドル4を固定することにより、溶接トーチ170を経由して間接的に第1ハンドル3および第2ハンドル4をブラケット2に固定してもよい。
【0041】
また、図4あるいは図5に示されるように、教示ボタン12および動作モード切替ボタン13を固定ブロック6とは異なる位置に配置する場合において、第2ハンドル4の位置を入替可能に構成してもよい。この場合には、固定ブロック6のツール平面Pを挟んだ両側に、第2ハンドル4を固定するボルト15を締結可能なネジ孔(図示略)を設けておけばよい。これにより、溶接トーチ170をブラケット2に固定したままの状態で、第2ハンドル4の位置を入れ替えるだけで、右利きおよび左利きの両方に対応可能にハンドル3,4を配置することができる。
【0042】
次に、本開示の第2の実施形態に係るロボット用操作装置300およびロボット100について図面を参照して説明する。
本実施形態の説明において、上述した第1の実施形態に係るロボット用操作装置1およびロボット100と構成を共通とする箇所には同一符号を付して説明を省略する。
【0043】
本実施形態に係るロボット100も、図13および図14に示されるように、フランジ160に固定されたロボット用操作装置300を備えている。
本実施形態に係るロボット用操作装置300は、図15に示されるように、フランジ160に固定されるブラケット310を備えている。
【0044】
ブラケット310は、例えば、溶接トーチ170のような長尺のツールをフランジ160に固定する部材である。ブラケット310は、ブラケット本体5と、ブラケット本体5をフランジ160に固定するアダプタ(第1ハンドル部)311と、ブラケット本体5に溶接トーチ170を固定する固定ブロック(第2ハンドル部)6とを備えている。
【0045】
アダプタ311は、フランジ160の回転軸線Xと同軸に配置される円柱状の部材である。アダプタ311は、図16に示されるように、作業者の一方の手(ここでは左手)によって、半周よりも広い範囲にわたる外周面を包み込む形態で把持して、フランジ160に対して種々の方向の力を加えることができる程度の外径寸法を有している。アダプタ311の外周面には、ツール平面P上のトーチ本体171側の位置に、アダプタ311を把持した状態の左手の親指によって操作可能なリードスルースイッチ11が設けられている。
【0046】
リードスルースイッチ11には、押しボタン式のスイッチであり、第1ケーブル320が接続されている。第1ケーブル320の端部にはコネクタ(第1コネクタ)321が取り付けられている。制御装置(図示略)に接続された本体ケーブル330は、図17に示されるように、制御装置からガイドチューブ173の外面に沿ってネックホルダ172の近傍まで配線され、第1ケーブル320のコネクタ321を接続可能な中継コネクタ331を備えている。
【0047】
アダプタ311には、直径方向に貫通する貫通孔(通路部)312が設けられ、貫通孔312の一端の開口近傍には雌ねじ(図示略)が形成されている。リードスルースイッチ11は、図示しない雄ねじを備え、雄ねじを貫通孔312の雌ねじに締結することにより、操作されるボタン部分を外部に露出させた状態でアダプタ311に固定されている。
また、ブラケット本体5には、ツール平面Pに沿う方向に貫通し、第1ケーブル320を通すことができる貫通孔5aが設けられている。
【0048】
リードスルースイッチ11に接続された第1ケーブル320は、アダプタ311の貫通孔312を通って、リードスルースイッチ11に対して背面に位置する開口から取り出され、溶接トーチ170の先端側に湾曲させられる。そして、第1ケーブル320は、ブラケット本体5の貫通孔5aを通して、溶接トーチ170側に引き出される。
【0049】
これにより、ブラケット本体5よりも溶接トーチ170側に引き出された第1ケーブル320のコネクタ321は、ネックホルダ172近傍において本体ケーブル330のコネクタ331に接続される。図中、符号350は、本体ケーブル330および第1ケーブル320の接続された状態のコネクタ321,331を溶接トーチ170に固定する面ファスナである。
【0050】
固定ブロック6は、第1の実施形態と同様に、トーチ本体171の胴部171aを一対の半割ブロック部材7,8に挟んだ状態でブラケット本体5に固定している。固定ブロック6は、作業者の右手によってトーチ本体171の長手軸Yを包み込む形態で把持可能であり、トーチ本体171に対して種々の方向に力を加えることができる程度の大きさを有している。固定ブロック6には、2つの押しボタンスイッチ12,13が設けられている。押しボタンスイッチ12,13は、固定ブロック6を握った状態の右手の親指によって操作可能な位置に配置されている。
【0051】
一方の押しボタンスイッチ12は、押されることにより、押された時点におけるロボット100の各軸の角度を記憶する教示ボタン(操作スイッチ、位置教示スイッチ)である。また、他方の押しボタンスイッチ13は、押される都度にロボット100の動作モードを直交動作と各軸動作とで切り替えるモード切替ボタン(操作スイッチ、動作モード変更スイッチ)である。
【0052】
押しボタンスイッチ12,13には第2ケーブル340が接続されている。第2ケーブル340の端部には、コネクタ(図示略)が取り付けられている。ロボット100の手首ユニット150の外面には、ロボット100の内部を配線されてきた図示しないケーブルに接続されたコネクタが固定されている。
【0053】
押しボタンスイッチ12,13に接続された第2ケーブル340は、押しボタンスイッチ12,13から溶接トーチ170のネックホルダ172に沿って延ばされた位置において、長さ方向の途中位置が面ファスナ360によってネックホルダ172に固定されている。第2ケーブル340は、その位置から、アダプタ311よりもフランジ160側の空間を横切って、手首ユニット150のコネクタ(第2コネクタ)341に接続されている。
【0054】
第1ケーブル320および第2ケーブル340は、上記の形態で配線されることにより、作業者により把持される領域に位置するアダプタ311の外周面および固定ブロック6の外面を避けた位置に配置される。これにより、作業者がロボット100をリードスルー制御しながら教示する際に、第1ケーブル320および第2ケーブル340が、作業者による操作の邪魔になることを防止できる。
【0055】
このように構成された本実施形態に係るロボット用操作装置300およびロボット100の作用につて、以下に説明する。
本実施形態に係るロボット用操作装置300を用いて、ロボット100をリードスルー制御しながら教示を行うには、作業者は、アダプタ311を左手で握り、固定ブロック6を右手で握り、アダプタ311に設けられたリードスルースイッチ11を左手の親指で押下する。
【0056】
これにより、リードスルー制御が有効となるので、作業者がアダプタ311および固定ブロック6に加えた力がロボット100に内蔵されたセンサにより検出され、検出された力に応じた位置および姿勢にロボット100が動作させられる。そして、所望の位置において、作業者が固定ブロック6に設けられた教示ボタン12を押下することにより、押下された時点におけるロボット100の各軸の角度が記憶される。この動作を繰り返すことにより、ロボット100の動作プログラムを教示することができる。
【0057】
この場合において、フランジ160に同軸に固定され、作業者によって把持し易い円柱状のアダプタ311にリードスルースイッチ11を設けることにより、アダプタ311を第1ハンドル部として、リードスルー制御を有効にしながらロボット100に力を加えることができる。また、トーチ本体171をブラケット本体5に固定する固定ブロック6に操作スイッチ12,13を設けることにより、固定ブロック6を第2ハンドル部として、トーチ本体171に力を加えつつ、教示等を行うことができる。
【0058】
アダプタ311および固定ブロック6によって構成された第1ハンドル部および第2ハンドル部は、第1の実施形態における第1ハンドル3および第2ハンドル4よりもフランジ160の回転軸線Xおよび溶接トーチ170の長手軸Yから大きく突出しない。したがって、周辺部材との干渉を抑えて、教示を容易にすることができる。また、教示後にハンドル3,4を取り外さなくても教示された動作プログラムの実行時においても、周辺部材との干渉を大幅に低減することができるという利点がある。
【0059】
また、固定ブロック6を第2ハンドル部とすることにより、固定ブロック6を右手で把持する作業者は、トーチ本体171を直接把持して操作するのと同等の感覚でトーチ本体171を移動させることができる。これにより、作業者が、トーチ本体171の位置および姿勢を直感的にコントロールし易く、ツール先端点に配置されている溶接ワイヤ180の先端を、作業者の意図した位置に精度よく配置することができる。
【0060】
また、本実施形態においては、アダプタ311を左手で、固定ブロック6を右手で握るので、利き手が右手である場合に、溶接トーチ170の位置および姿勢のコントロールをさらに容易にすることができる。
アダプタ311に加えて固定ブロック6を把持することにより、アダプタ311のみでは困難な操作、例えば、フランジ160の回転軸線X回りに溶接トーチ170を回転させる動作等において、アダプタ311に加える力を補助的に利用して、容易に操作することができるという利点がある。
【0061】
また、固定ブロック6に、教示ボタン12および動作モード切替ボタン13を配置することにより、作業者は、固定ブロック6を右手で握った状態のままで、右手の親指によって教示ボタン12および動作モード切替ボタン13を操作できる。
また、アダプタ311の外周面の内の作業者が左手で把持する領域および固定ブロック6の外面の内の作業者が右手で把持する領域を避けて第1ケーブル320および第2ケーブル340が配線されているので、第1ケーブル320および第2ケーブル340が操作の邪魔にならない。
【0062】
なお、本実施形態においても、教示ボタン12または動作モード切替ボタン13は、短く押す操作によって、教示ボタン12あるいは動作モード切替ボタン13として機能させ、例えば、長押し操作によってツール動作指令を教示するためのツール動作教示スイッチ等に機能変更可能であってもよい。
【0063】
また、本実施形態においては、アダプタ311を左手で握り、固定ブロック6を右手で握る場合を説明した。これに代えて、例えば、図8と同様にして、固定ブロック6を左右逆に取り付けることにより、アダプタ311を右手で握り、固定ブロック6を左手で握って操作することにしてもよい。これにより、利き手が左手である場合に溶接トーチ170の位置および姿勢を容易に操作することができる。
【0064】
この場合に、リードスルースイッチ11をアダプタ311の外周面のツール平面上に配置しているので、リードスルースイッチ11の位置を変更することなく、利き手を入れ替えることができる。また、第1ケーブル320および第2ケーブル340の配線ルートを上記のまま維持しても、第1ケーブル320および第2ケーブル340が作業者の邪魔にならない。すなわち、利き手の異なる作業者が操作する場合の変更を容易にすることができる。
【0065】
また、図18に示されるように、第2ハンドル部である固定ブロック6に、第1の実施形態に係るロボット用操作装置1と同様の第1ハンドル(第1着脱ハンドル)3および第2ハンドル(第2着脱ハンドル)4を着脱可能なネジ孔18,361およびピン孔4aを設けてもよい。この場合に、図18に示されるように、第1ハンドル3を、内孔3aを有する中空構造とし、先端内面に、リードスルースイッチ11の雄ねじ(図示略)を締結可能な雌ねじ(図示略)を設けてもよい。図18中、符号360は第1ハンドル3を固定ブロック6に固定するためのネジである。
【0066】
図17に示されるように、アダプタ311にリードスルースイッチ11が取り付けられている状態から、図19に示されるように第1ハンドル3および第2ハンドル4を取り付ける場合について説明する。まず、図17に示される状態から、第1ケーブル320と本体ケーブル330とのコネクタ接続を切り離し、アダプタ311の貫通孔312からリードスルースイッチ11、第1ケーブル320およびコネクタ321を抜き出す。
【0067】
次いで、図18に示されるように、固定ブロック6に第1ハンドル3および第2ハンドル4を固定し、第1ハンドル3の内孔3aに、コネクタ321および第1ケーブル320を通す。そして、図19に示されるように、リードスルースイッチ11の雄ねじを雌ねじに締結し、第1ケーブル320のコネクタ321を本体ケーブル330のコネクタ331に接続する。これにより、第1ハンドル3の外面に第1ケーブル320を沿わせることなく配線することができる。
【0068】
また、本実施形態においては、ブラケット310が、相互に組み付けられる別個のアダプタ311と、ブラケット本体5と、固定ブロック6とを備えることとした。これに代えて、アダプタ311とブラケット本体5、ブラケット本体5と固定ブロック6の半割ブロック部材7あるいは、アダプタ311、ブラケット本体5および半割ブロック部材7は、一体的に構成されていてもよい。
【0069】
また、第1ケーブル320は、図20に示されるように、第1ハンドル3の内孔3aを通過した後、ネックホルダ172の外面に沿わせて本体ケーブル330のコネクタ331にコネクタ321を接続してもよい。
これにより、第1ケーブル320による外部への干渉範囲を最小限に抑えることができる。
【0070】
また、アダプタ311に、第1ケーブル320を配置する通路部として、直径方向に貫通する貫通孔312を設けたが、これに限定されるものではない。第1ケーブル320を取り出す開口は、アダプタ311の外周面ではなく、ブラケット本体5を取り付ける取付面に配置されていてもよい。これによれば、第1ケーブル320がアダプタ311の外周面を通過しないので、アダプタ311を把持する際の邪魔にならないという利点がある。
また、通路部を貫通孔312によって構成することに代えて、第1ケーブル320を収容可能な溝により構成してもよい。
【符号の説明】
【0071】
1,300 ロボット用操作装置
2,310 ブラケット
3 第1ハンドル(ハンドル、一方のハンドル、第1着脱ハンドル)
4 第2ハンドル(ハンドル、他方のハンドル、第2着脱ハンドル)
5 ブラケット本体
6 固定ブロック(第2ハンドル部)
11 リードスルースイッチ
12 教示ボタン(操作スイッチ、位置教示スイッチ)
13 モード切替ボタン(操作スイッチ、動作モード変更スイッチ)
10 他方のハンドル固定部(取付部)
100 ロボット
160 フランジ
170 溶接トーチ(ツール)
200 ハンド(ツール)
311 アダプタ(第1ハンドル部)
312 貫通孔(通路部)
320 第1ケーブル
321 コネクタ(第1コネクタ)
330 本体ケーブル
340 第2ケーブル
341 コネクタ(第2コネクタ)
P 平面(ツール平面)
X 回転軸線
Y 長手軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20