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特許7481511ベビーカーのブレーキ機構及びそれを備えるベビーカー
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】ベビーカーのブレーキ機構及びそれを備えるベビーカー
(51)【国際特許分類】
   B62B 9/08 20060101AFI20240501BHJP
【FI】
B62B9/08
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2023001880
(22)【出願日】2023-01-10
(62)【分割の表示】P 2021113673の分割
【原出願日】2021-07-08
(65)【公開番号】P2023029544
(43)【公開日】2023-03-03
【審査請求日】2023-01-10
(31)【優先権主張番号】202010659794.8
(32)【優先日】2020-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517042092
【氏名又は名称】ワンダーランド スイツァーランド アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】郭征文
(72)【発明者】
【氏名】朱万権
【審査官】林 政道
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1355522(KR,B1)
【文献】独国特許出願公開第10130775(DE,A1)
【文献】特開平02-102868(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0031714(US,A1)
【文献】特許第6651095(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62B 7/00- 9/28
B62B 1/00- 5/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体フレーム、ブレーキ駆動ユニット、連動ユニット、ブレーキロック及び車輪を含むベビーカーのブレーキ機構であって、前記ブレーキ駆動ユニットは、前記車体フレームに設けられ、2つの連動ユニットは、それぞれ前記車体フレームの左右両側にスライド可能に設けられ、前記ブレーキ駆動ユニットの両端は、それぞれ2つの前記連動ユニットに当接し、前記連動ユニットのそれぞれには、前記ブレーキロックが連結されており、2つの前記車輪は、それぞれ前記車体フレームの左右両側に枢着され、前記ブレーキ駆動ユニットが連動ユニットを押して前記ブレーキロックと共に動作させるように駆動することにより、両側の前記ブレーキロックを前記車輪に係合させる構成であり
前記連動ユニットは、押し部を含み、前記押し部は、前記車体フレーム内に上下にスライド可能に設けられ、
前記ブレーキ駆動ユニットには、第3の斜面が設けられ、前記押し部には、第4の斜面が設けられ、前記第3の斜面は、前記第4の斜面に嵌合して接続され
前記押し部には、スライド方向に沿って位置制限溝が設けられ、前記車体フレームには、位置制限軸が設けられ、前記位置制限軸は、前記位置制限溝にスライド可能に挿入されていることを特徴とするベビーカーのブレーキ機構。
【請求項2】
前記ブレーキ駆動ユニットは、ブレーキペダル及び駆動部材を含み、前記ブレーキペダルは、前記車体フレームに上下にスライド可能に設けられ、前記ブレーキペダルの両端は、それぞれ2つの前記駆動部材に当接し、前記駆動部材は、前記車体フレームに左右にスライド可能に設けられ、前記駆動部材は、前記連動ユニットに当接し、前記ブレーキペダルをスライドさせることにより、2つの前記駆動部材を押してスライドさせ、これにより、2つの前記駆動部材は、それぞれ2つの前記連動ユニットを動作させることを特徴とする請求項1に記載のベビーカーのブレーキ機構。
【請求項3】
前記ブレーキ駆動ユニットは、弾性変形可能な位置決め部材をさらに含み、前記ブレーキペダルには、第1のトラック溝及び第2のトラック溝が設けられ、前記第1のトラック溝は、前記第2のトラック溝の下方に位置し、前記第1のトラック溝の一端は、前記第2のトラック溝の一端と連通し、前記位置決め部材の一端は、前記車体フレーム内に固定され、前記ブレーキペダルをスライドさせることにより、前記位置決め部材の他端は、前記第1のトラック溝の最下段と前記第2のトラック溝の最下段に交互に係止されることを特徴とする請求項2に記載のベビーカーのブレーキ機構。
【請求項4】
前記第1のトラック溝と前記第2のトラック溝は、いずれも下方に凹んだ構造をなし、前記第1のトラック溝の両端は、それぞれ前記第2のトラック溝の両端と連通し、
前記第1のトラック溝と前記第2のトラック溝は、いずれもV字型をなす
ことを特徴とする請求項3に記載のベビーカーのブレーキ機構。
【請求項5】
前記ブレーキ駆動ユニットは、前記ブレーキペダルを復帰させるための第1の弾性復帰部材をさらに含み、前記第1の弾性復帰部材は、前記ブレーキペダルと前記車体フレームとの間に設けられることを特徴とする請求項2に記載のベビーカーのブレーキ機構。
【請求項6】
前記連動ユニットは、プル部を含み、前記プル部は、前記車体フレーム内に上下にスライド可能に設けられ、前記プル部は、前記ブレーキロックに固定的に連結され、前記ブレーキ駆動ユニットが前記押し部を押してスライドさせることにより、前記押し部は、前記プル部を押して前記ブレーキロックと共にスライドさせることを特徴とする請求項1に記載のベビーカーのブレーキ機構。
【請求項7】
前記押し部は、押し部材及びピンを含み、前記押し部材は、車体フレーム内に上下にスライド可能に設けられ、前記ピンの一端は、前記押し部材に固定的に連結され、前記ピンの他端は、前記プル部に当接することを特徴とする請求項に記載のベビーカーのブレーキ機構。
【請求項8】
前記プル部は、第1の固定部材及び第1の牽引部材を含み、前記第1の固定部材は、前記車体フレーム内に上下にスライド可能に設けられ、前記第1の牽引部材の一端は、前記第1の固定部材に固定的に連結され、前記第1の牽引部材の他端は、前記ブレーキロックに固定的に連結され、前記第1の固定部材がスライドして前記第1の牽引部材を引くことにより、前記第1の牽引部材は、前記ブレーキロックを引いて前記ブレーキロックを前記車輪に係合させることを特徴とする請求項に記載のベビーカーのブレーキ機構。
【請求項9】
前記第1の牽引部材の中間部は、逆U字型の構造をなし、且つ、前記車体フレームに支持されており、前記第1の固定部材が下方にスライドして前記第1の牽引部材を移動させることを特徴とする請求項に記載のベビーカーのブレーキ機構。
【請求項10】
前記プル部は、ステアリング部材をさらに含み、前記ステアリング部材は、前記車体フレーム内に固定され、且つ、前記第1の固定部材の一方側に位置し、前記第1の牽引部材の逆U字型の構造は、前記ステアリング部材に穿設され、
前記ステアリング部材には、第2のコロが枢着され、前記第1の牽引部材は、前記第2のコロに巻き付けられている
ことを特徴とする請求項に記載のベビーカーのブレーキ機構。
【請求項11】
前記プル部は、第2の固定部材をさらに含み、前記第2の固定部材は、前記車体フレーム内に上下にスライド可能に設けられ、前記第2の固定部材の一端は、前記第1の牽引部材に固定的に連結され、前記第2の固定部材の他端は、前記ブレーキロックに固定的に連結されることを特徴とする請求項に記載のベビーカーのブレーキ機構。
【請求項12】
前記プル部は、前記第2の固定部材を復帰させるための第3の弾性復帰部材をさらに含み、前記第3の弾性復帰部材は、前記第2の固定部材と前記車体フレームとの間に設けられることを特徴とする請求項11に記載のベビーカーのブレーキ機構。
【請求項13】
座席部を含むベビーカーであって、請求項1から請求項12のうちいずれか1項に記載のベビーカーのブレーキ機構をさらに含み、前記座席部は、前記車体フレームに設けられることを特徴とするベビーカー。
【請求項14】
前記車体フレームは、車体フレーム本体及び回転部を含み、2つの前記回転部は、それぞれ前記車体フレーム本体の左右両側に枢着され、前記車輪は、前記回転部に枢着されることを特徴とする請求項13に記載のベビーカー。
【請求項15】
ドリフト操作部及び回転オリエンテーションユニットをさらに含み、前記ドリフト操作部は、前記車体フレーム本体に設けられ、前記回転オリエンテーションユニットの一端は、前記ドリフト操作部に接続され、前記回転オリエンテーションユニットの他端は、前記車体フレーム本体と前記回転部との間に係合し、ドリフト操作部を操作することにより、前記回転オリエンテーションユニットは、前記回転部との係合状態から離脱することを特徴とする請求項14に記載のベビーカー。
【請求項16】
前記回転オリエンテーションユニットは、第2の牽引部材及びオリエンテーション部材を含み、前記ドリフト操作部は、前記第2の牽引部材の一端に接続されて第2の牽引部材を引くことができ、前記第2の牽引部材の他端は、前記オリエンテーション部材に接続され、前記オリエンテーション部材は、前記車体フレーム本体と前記回転部との間に係合することを特徴とする請求項15に記載のベビーカー。
【請求項17】
車体フレーム、ブレーキ駆動ユニット、連動ユニット、ブレーキロック及び車輪を含むベビーカーのブレーキ機構であって、前記ブレーキ駆動ユニットは、前記車体フレームに設けられ、2つの連動ユニットは、それぞれ前記車体フレームの左右両側にスライド可能に設けられ、前記ブレーキ駆動ユニットの両端は、それぞれ2つの前記連動ユニットに当接し、前記連動ユニットのそれぞれには、前記ブレーキロックが連結されており、2つの前記車輪は、それぞれ前記車体フレームの左右両側に枢着され、前記ブレーキ駆動ユニットが連動ユニットを押して前記ブレーキロックと共に動作させるように駆動することにより、両側の前記ブレーキロックを前記車輪に係合させる構成であり、
前記連動ユニットは、押し部を含み、前記押し部は、前記車体フレーム内に上下にスライド可能に設けられ、
前記ブレーキ駆動ユニットには、第3の斜面が設けられ、前記押し部には、第4の斜面が設けられ、前記第3の斜面は、前記第4の斜面に嵌合して接続され、
前記連動ユニットは、プル部を含み、前記プル部は、前記車体フレーム内に上下にスライド可能に設けられ、前記プル部は、前記ブレーキロックに固定的に連結され、前記ブレーキ駆動ユニットが前記押し部を押してスライドさせることにより、前記押し部は、前記プル部を押して前記ブレーキロックと共にスライドさせることを特徴とするベビーカーのブレーキ機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベビーカー分野に関し、特に、ベビーカーのブレーキ機構及びそれを備えるベビーカーに関する。
【背景技術】
【0002】
ベビーカーは、乳幼児のアウトドア活動に便利さを提供するために設計されたツールカーであり、既に広く使用されている。現在、従来のベビーカーのそれぞれの底部には、前輪及び後輪が設けられており、ここで、後輪の数は、一般的に2つであり、2つの後輪は、それぞれブレーキ機構に対応して設けられる。ベビーカーを止める必要がある場合、使用者は、それぞれ2つの後輪のブレーキ機構を足で踏む場合のみに、ベビーカーを完全に制動することができる。従来のベビーカーには、以下の問題が存在する:第1、使用者は、それぞれ2つの後輪のブレーキ機構を足で踏む場合のみに、ベビーカーを完全に制動することができるので、このブレーキ方式は、面倒で不便である。第2、使用者は、片側の後輪のブレーキ機構のみを踏む現象が発生しやすく、ベビーカーが完全に制動されていないので、ベビーカーがずり下がる可能性があり、大きな安全上の問題が存在する。
【0003】
このため、操作が簡単であり、両側の車輪を同時に止めることができるベビーカーのブレーキ機構及びそれを備えるベビーカーが強く求められている。
【発明の概要】
【0004】
本発明の第1の目的は、操作が簡単であり、両側の車輪を同時に止めることができるベビーカーのブレーキ機構を提供することである。
【0005】
本発明の第2の目的は、ベビーカーのブレーキ機構を備え、このベビーカーのブレーキ機構により両側の車輪を同時に止めることを実現し、ベビーカーに対するブレーキ操作の簡便性を向上させるベビーカーを提供することである。
【0006】
本発明は、上記の第1の目的を実現するために、車体フレーム、ブレーキ駆動ユニット、連動ユニット、ブレーキロック及び車輪を含むベビーカーのブレーキ機構を提供する。ブレーキ駆動ユニットは、車体フレームに設けられ、2つの連動ユニットは、それぞれ車体フレームの左右両側にスライド可能に設けられ、ブレーキ駆動ユニットの両端は、それぞれ2つの連動ユニットに当接し、連動ユニットのそれぞれには、ブレーキロックが固定的に連結されており、2つの車輪は、それぞれ車体フレームの左右両側に枢着され、ブレーキ駆動ユニットが連動ユニットを押してブレーキロックと共に動作させるように駆動することにより、両側のブレーキロックを車輪に係合させる。
【0007】
本発明に係るベビーカーのブレーキ機構は、従来の技術に比べて、ブレーキ駆動ユニットが両側の連動ユニットを押してスライドさせるように駆動することにより、両側の連動ユニットは、それぞれ両側のブレーキロックを動作させ、これにより、両側のブレーキロックは、それぞれ両側の車輪に係合して両側の車輪をロックする。このため、本発明に係るベビーカーのブレーキ機構は、両側の車輪を同時に止めることができ、且つ、操作が簡便である。
【0008】
好ましくは、ブレーキ駆動ユニットは、ブレーキペダル及び駆動部材を含み、ブレーキペダルは、車体フレームに上下にスライド可能に設けられ、ブレーキペダルの両端は、それぞれ2つの駆動部材に当接し、駆動部材は、車体フレームに左右にスライド可能に設けられ、駆動部材は、連動ユニットに当接し、ブレーキペダルをスライドさせることにより、2つの駆動部材を押してスライドさせ、これにより、2つの駆動部材は、それぞれ2つの連動ユニットを動作させる。
【0009】
好ましくは、ブレーキペダルの両側には、第1の斜面がそれぞれ設けられ、駆動部材の一端には、第2の斜面が設けられ、第1の斜面は、第2の斜面に嵌合して接続される。
【0010】
好ましくは、ブレーキ駆動ユニットは、弾性変形可能な位置決め部材をさらに含み、ブレーキペダルには、第1のトラック溝及び第2のトラック溝が設けられ、第1のトラック溝は、第2のトラック溝の下方に位置し、第1のトラック溝の一端は、第2のトラック溝の一端と連通し、位置決め部材の一端は、車体フレーム内に固定され、ブレーキペダルをスライドさせることにより、位置決め部材の他端は、第1のトラック溝の最下段と第2のトラック溝の最下段に交互に係止される。
【0011】
好ましくは、第1のトラック溝と第2のトラック溝は、いずれも下方に凹んだ構造をなし、第1のトラック溝の両端は、それぞれ第2のトラック溝の両端と連通する。
【0012】
好ましくは、第1のトラック溝と第2のトラック溝は、いずれもV字型をなす。
【0013】
好ましくは、ブレーキ駆動ユニットは、ブレーキペダルを復帰させるための第1の弾性復帰部材をさらに含み、第1の弾性復帰部材は、ブレーキペダルと車体フレームとの間に設けられる。
【0014】
好ましくは、ブレーキペダルには、第1の凹溝が設けられ、第1の弾性復帰部材の一端は、第1の凹溝に挿入されて接続される。
【0015】
好ましくは、車体フレームには、第2の凹溝が設けられ、第1の弾性復帰部材の他端は、第2の凹溝に挿入されて接続される。
【0016】
好ましくは、駆動部材には、スライド方向に沿って第1の位置制限溝が設けられ、車体フレームには、第1の位置制限軸が設けられ、第1の位置制限軸は、第1の位置制限溝にスライド可能に挿入されて接続される。
【0017】
好ましくは、ブレーキ駆動ユニットは、ブレーキペダル及び駆動部材を含み、ブレーキペダルは、駆動部材に固定的に連結され、駆動部材は、車体フレームに枢着され、駆動部材の両端は、それぞれ2つの連動ユニットに当接し、ブレーキペダルを駆動部材と共に回動させることにより、駆動部材は、連動ユニットを押して動作させる。
【0018】
好ましくは、駆動部材は、駆動本体及び駆動部を含み、駆動本体は、車体フレームに枢着され、2つの駆動部は、それぞれ駆動本体の両端に凸設され、駆動部は、連動ユニットに当接する。
【0019】
好ましくは、駆動部材には、その回転方向に沿って逃げ溝が設けられる。
【0020】
好ましくは、ブレーキペダルと車体フレームの一方には、少なくとも2つの位置決め溝が設けられ、ブレーキペダルと車体フレームの他方には、バンプが設けられ、ブレーキペダルを回動させることにより、バンプをそのうちの1つの位置決め溝に係合させる。
【0021】
好ましくは、連動ユニットは、押し部及びプル部を含み、押し部は、車体フレーム内に上下にスライド可能に設けられ、プル部は、車体フレーム内に上下にスライド可能に設けられ、プル部は、ブレーキロックに固定的に連結され、ブレーキ駆動ユニットが押し部を押してスライドさせることにより、押し部は、プル部を押してブレーキロックと共にスライドさせる。
【0022】
好ましくは、ブレーキ駆動ユニットには、第3の斜面が設けられ、押し部には、第4の斜面が設けられ、第3の斜面は、第4の斜面に嵌合して接続される。
【0023】
好ましくは、押し部は、押し部材及びピンを含み、押し部材は、車体フレーム内に上下にスライド可能に設けられ、ピンの一端は、押し部材に固定的に連結され、ピンの他端は、プル部に当接する。
【0024】
好ましくは、ピンは、プル部の上方に位置する。
【0025】
好ましくは、押し部材には、そのスライド方向に沿って第2の位置制限溝が設けられ、車体フレームには、第2の位置制限軸が設けられ、第2の位置制限軸は、第2の位置制限溝にスライド可能に挿入されて接続される。
【0026】
好ましくは、押し部は、第1のコロ及びピンを含み、第1のコロは、ピンに枢着され、第1のコロは、ブレーキ駆動ユニットに当接し、ピンは、車体フレーム内に上下にスライド可能に設けられ、ピンは、プル部に当接する。
【0027】
好ましくは、連動ユニットは、押し部を復帰させるための第2の弾性復帰部材をさらに含み、第2の弾性復帰部材は、押し部と車体フレームとの間に設けられる。
【0028】
好ましくは、プル部は、第1の固定部材及び第1の牽引部材を含み、第1の固定部材は、車体フレーム内に上下にスライド可能に設けられ、第1の牽引部材の一端は、第1の固定部材に固定的に連結され、第1の牽引部材の他端は、ブレーキロックに固定的に連結され、第1の固定部材がスライドして第1の牽引部材を引くことにより、第1の牽引部材は、ブレーキロックを引いてブレーキロックを車輪に係合させる。
【0029】
好ましくは、第1の牽引部材の中間部は、逆U字型の構造をなし、且つ、車体フレームに支持されており、第1の固定部材は、下方にスライドして第1の牽引部材を引くことができる。
【0030】
好ましくは、プル部は、ステアリング部材をさらに含み、ステアリング部材は、車体フレーム内に固定され、且つ、第1の固定部材の一方側に位置し、第1の牽引部材の逆U字型の構造は、ステアリング部材に穿設される。
【0031】
好ましくは、ステアリング部材には、第2のコロが枢着され、第1の牽引部材は、第2のコロに巻き付けられている。
【0032】
好ましくは、プル部は、第2の固定部材をさらに含み、第2の固定部材は、車体フレーム内に上下にスライド可能に設けられ、第2の固定部材の一端は、第1の牽引部材に固定的に連結され、第2の固定部材の他端は、ブレーキロックに固定的に連結される。
【0033】
好ましくは、プル部は、第2の固定部材を復帰させるための第3の弾性復帰部材をさらに含み、第3の弾性復帰部材は、第2の固定部材と車体フレームとの間に設けられる。
【0034】
好ましくは、第1の牽引部材は、鋼線である。
【0035】
好ましくは、車輪には、その回動方向に沿って複数の係合溝が設けられ、ブレーキロックは、係合溝に対して係合又は離脱することができる。
【0036】
好ましくは、車輪は、車輪本体及びハブを含み、車輪本体は、車体フレームに枢着され、ハブは、車輪本体に外嵌され、係合溝は、ハブに設けられる。
【0037】
本発明は、上記の第2の目的を実現するために、座席部を含むベビーカーを提供し、前記ベビーカーは、上記のベビーカーのブレーキ機構をさらに含み、前記座席部は、車体フレームに設けられる。
【0038】
従来の技術に比べて、本発明に係るベビーカーには、ベビーカーのブレーキ機構が設けられるので、ブレーキ駆動ユニットが両側の連動ユニットを押してスライドさせるように駆動することにより、両側の連動ユニットは、それぞれ両側のブレーキロックを動作させ、これにより、両側のブレーキロックは、それぞれ両側の車輪に係合して両側の車輪をロックする。このため、本発明に係るベビーカーは、ベビーカーのブレーキ機構を操作することにより、両側の車輪を同時に止めることを実現し、且つ、操作が簡便であるという特徴を有する。
【0039】
好ましくは、車体フレームは、車体フレーム本体及び回転部を含み、2つの回転部は、それぞれ車体フレーム本体の左右両側に枢着され、車輪は、回転部に枢着される。
【0040】
好ましくは、ドリフト操作部及び回転オリエンテーションユニットをさらに含み、ドリフト操作部は、車体フレーム本体に設けられ、回転オリエンテーションユニットの一端は、ドリフト操作部に接続され、回転オリエンテーションユニットの他端は、車体フレーム本体と回転部との間に係合し、ドリフト操作部を操作することにより、回転オリエンテーションユニットは、回転部との係合状態から離脱する。
【0041】
好ましくは、回転オリエンテーションユニットは、第2の牽引部材及びオリエンテーション部材を含み、ドリフト操作部は、第2の牽引部材の一端に接続されて第2の牽引部材を引くことができ、第2の牽引部材の他端は、オリエンテーション部材に接続され、オリエンテーション部材は、車体フレーム本体と回転部との間に係合する。
【0042】
好ましくは、回転オリエンテーションユニットは、オリエンテーション部材を復帰させるための第4の弾性復帰部材をさらに含み、第4の弾性復帰部材は、オリエンテーション部材と車体フレーム本体との間に設けられる。
【0043】
好ましくは、第2の牽引部材は、鋼線である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】本発明に係るベビーカーの第1の実施例の立体構造を示す模式図である。
図2】本発明に係るベビーカーの第1の実施例を他の角度から見た立体構造を示す模式図である。
図3】本発明に係るドリフト操作部及び回転オリエンテーションユニットの構造を示す模式図である。
図4図3におけるA部分の拡大図である。
図5】本発明に係るベビーカーのブレーキ機構の第1の実施例の構造を示す模式図である。
図6】本発明に係るベビーカーのブレーキ機構の第1の実施例のブレーキペダルが踏まれる前の構造を示す模式図である。
図7】本発明に係るベビーカーのブレーキ機構の第1の実施例のブレーキペダルが踏まれた後の構造を示す模式図である。
図8】本発明に係るベビーカーのブレーキ機構の第1の実施例のブレーキペダルの内部構造を示す模式図である。
図9】本発明に係るベビーカーのブレーキ機構の第1の実施例の一方側の駆動部材と連動ユニットとの間の構造を示す模式図である。
図10】本発明に係るベビーカーのブレーキ機構の第1の実施例の他方側の駆動部材と連動ユニットとの間の構造を示す模式図である。
図11】本発明に係るベビーカーのブレーキ機構の第1の実施例の連動ユニットとブレーキロックとの間の構造を示す模式図である。
図12】本発明に係るベビーカーのブレーキ機構の第1の実施例の一方側の連動ユニットの立体構造を示す模式図である。
図13図12におけるステアリング部材が取り外された後の構造を示す模式図である。
図14】本発明に係るベビーカーのブレーキ機構の第1の実施例の他方側の連動ユニットの立体構造を示す模式図である。
図15】本発明に係るベビーカーのブレーキ機構の第1の実施例の連動ユニット、ブレーキロック及車輪の構造を示す模式図である。
図16】本発明に係るベビーカーの第2の実施例の構造を示す模式図である。
図17】本発明に係る第2の実施例のブレーキ駆動ユニットの構造を示す模式図である。
図18図17におけるB部分の拡大図である。
図19】本発明に係る第2の実施例の車体フレーム本体の一部の構造を示す模式図である。
図20】本発明に係る第2の実施例の連動ユニットの押し部の構造を示す模式図である。
図21】本発明に係る第2の実施例の連動ユニットのプル部の断面構造を示す模式図である。
図22】本発明に係る第2の実施例のブレーキ駆動ユニットが連動ユニットを押す前の構造を示す模式図である。
図23】本発明に係る第2の実施例のブレーキ駆動ユニットが連動ユニットを押した後の構造を示す模式図である。
図24】本発明に係る第2の実施例の連動ユニット、ブレーキロック及び車輪の構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、本発明の技術内容及び構造的特徴を詳細に説明するために、実施形態を併せて図面を参照しながらさらに説明する。
【0046】
図1図2及び図5を参照すると、本発明に係るベビーカー200は、座席部201及びベビーカーのブレーキ機構100を含む。
【0047】
図5図12及び図15を参照すると、ベビーカーのブレーキ機構100の第1の実施例において、ベビーカーのブレーキ機構100は、車体フレーム1、ブレーキ駆動ユニット、連動ユニット4、ブレーキロック5及び車輪6を含み、ブレーキ駆動ユニットは、車体フレーム1に設けられ、2つの連動ユニット4は、それぞれ車体フレーム1の左右両側にスライド可能に設けられ、ブレーキ駆動ユニットの両端は、それぞれ2つの連動ユニット4に当接し、連動ユニット4のそれぞれには、ブレーキロック5が固定的に連結されており、2つの車輪6は、それぞれ車体フレーム1の左右両側に枢着され、ブレーキ駆動ユニットが連動ユニット4を押してブレーキロック5と共に動作させるように駆動することにより、両側のブレーキロック5を車輪6に係合させ、これにより、両側の車輪を同時に止めることができる。座席部201は、車体フレーム1に設けられ、座席部201は、乳幼児が乗るためのものである。ここで、ブレーキ駆動ユニットは、ブレーキペダル2及び駆動部材3を含み、ブレーキペダル2は、車体フレーム1の中間部に上下にスライド可能に設けられ、具体的に、ブレーキペダル2は、車体フレーム1の取付部材13に上下にスライド可能に設けられ、連動ユニット4は、車体フレーム1に上下にスライド可能に設けられ、ブレーキペダル2の両端は、それぞれ2つの駆動部材3に当接し、駆動部材3は、車体フレーム1に左右にスライド可能に設けられ、駆動部材3は、連動ユニット4に当接し、具体的に、駆動部材3の一端は、取付部材13に左右にスライド可能に設けられ、駆動部材3には、スライド方向に沿って第1の位置制限溝32が設けられ、車体フレーム1には、第1の位置制限軸112が設けられ、第1の位置制限軸112は、第1の位置制限溝32にスライド可能に挿入され、即ち、第1の位置制限軸112は、駆動部材3の第1の位置制限溝32に対してスライドすることができ、第1の位置制限軸112は、位置制限作用を果たすことができるが、これに限定されない。ブレーキペダル2をスライドさせることで、2つの駆動部材3を押してスライドさせることにより、2つの駆動部材3は、それぞれ2つの連動ユニット4を動作させ、さらに、それぞれ両側のブレーキロック5を移動させて、両側のブレーキロック5を車輪6に係合させ、これにより、両側の車輪を同時に止める。
【0048】
図5及び図8を参照すると、本実施例において、ブレーキペダル2は、2つの駆動部材3の上方に位置し、ブレーキペダル2の両側には、第1の斜面21がそれぞれ設けられ、駆動部材3の一端には、第2の斜面31が設けられ、第1の斜面21は、第2の斜面31に嵌合して接続される。第1の斜面21と第2の斜面31との嵌合作用によって、ブレーキペダル2を下方にスライドさせることにより、ブレーキペダル2は、駆動部材3を押してそれぞれ左右両側へスライドさせることができるが、これに限定されなく、例えば、ブレーキペダル2と駆動部材3との間には、従来の傾斜溝により駆動するという方式を採用することができる。具体的に、ブレーキ駆動ユニットは、ブレーキペダル2を復帰させるための第1の弾性復帰部材8をさらに含み、第1の弾性復帰部材8は、ブレーキペダル2と車体フレーム1との間に設けられる。ブレーキペダル2を下方にスライドさせる場合、ブレーキペダル2は、第1の弾性復帰部材8を圧縮し、ブレーキペダル2が制約されていない場合、ブレーキペダル2は、第1の弾性復帰部材8の作用によって上方にスライドして復帰することができる。具体的に、ブレーキペダル2には、第1の凹溝24が設けられ、第1の弾性復帰部材8の一端は、第1の凹溝24に挿入され、車体フレーム1には、第2の凹溝111が設けられ、第1の弾性復帰部材8の他端は、第2の凹溝111に挿入され、第1の凹溝24及び第2の凹溝111により第1の弾性復帰部材8を位置決めするが、これに限定されない。
【0049】
図5図7を参照すると、本実施例において、ブレーキ駆動ユニットは、弾性変形可能な位置決め部材7をさらに含み、ブレーキペダル2には、第1のトラック溝22及び第2のトラック溝23が設けられ、第1のトラック溝22は、第2のトラック溝23の下方に位置し、第1のトラック溝22の一端は、第2のトラック溝23の一端と連通し、位置決め部材7の一端は、車体フレーム1内に固定され、ブレーキペダル2をスライドさせることにより、位置決め部材7の他端は、第1のトラック溝22の最下段と第2のトラック溝23の最下段に交互に係止される。具体的に、第1のトラック溝22と第2のトラック溝23は、いずれも下方に凹んだ構造をなし、第1のトラック溝22の両端は、それぞれ第2のトラック溝23の両端と連通し、第1のトラック溝22と第2のトラック溝23は、閉じたレールを形成する。ここで、第1のトラック溝22と第2のトラック溝23は、いずれもV字型をなすが、これに限定されなく、例えば、第1のトラック溝22と第2のトラック溝23は、U字型をなすこともできる。さらに例えば、第1のトラック溝22と第2のトラック溝23は、斜め上向きの長溝であってもよい。初期時に、図6に示すように、位置決め部材7の他端は、第1のトラック溝22の最下段(即ち、第1のトラック溝22の中間部)に係止され、ブレーキペダル2を踏んで下方にスライドさせた後、位置決め部材7の他端は、第1のトラック溝22の一方側のレールから第2のトラック溝23の一方側までスライドするとともに、自体の弾性復元力によって図7に示すような第2のトラック溝23の最下段(即ち、第2のトラック溝23の中間部)までスライドし、ブレーキペダル2に対する位置決めを実現することにより、2つの駆動部材3は、それぞれ2つの連動ユニット4を2つのブレーキロック5と共に動作させた後、両側のブレーキロック5は、車輪6との係合状態を保持し、これにより、ブレーキペダル2による車輪6のロック状態を保持する。再びブレーキペダル2を踏んで下方にスライドさせた後、位置決め部材7の他端は、第2のトラック溝23の他方側のレールに沿ってスライドするとともに、位置決め部材7自体の弾性復元力及び第1の弾性復帰部材8がブレーキペダル2を押して復帰させるという協働によって、位置決め部材7は、第2のトラック溝23から図6に示すような第1のトラック溝22の最下段までスライドし、ブレーキペダル2に対する再位置決めを実現し、ブレーキペダル2は、駆動部材3をスライドさせなくなり、駆動部材3、連動ユニット4及びブレーキロック5は、復帰して車輪6との係合状態から離脱することにより、ブレーキペダル2による車輪6のロック解除状態を保持する。
【0050】
図9図14を参照すると、連動ユニット4は、押し部41及びプル部42を含み、押し部41は、車体フレーム1内に上下にスライド可能に設けられ、プル部42は、車体フレーム1内に上下にスライド可能に設けられ、プル部42は、ブレーキロック5に固定的に連結され、ブレーキ駆動ユニットの駆動部材3をスライドさせることにより、押し部41を押してスライドさせ、これにより、押し部41は、プル部42を押してブレーキロック5と共にスライドさせる。具体的に、ブレーキ駆動ユニットの駆動部材3には、第3の斜面33が設けられ、押し部41には、第4の斜面411が設けられ、駆動部材3の第3の斜面33は、押し部41の第4の斜面411の上方に位置し、第3の斜面33は、第4の斜面411に嵌合して接続され、より具体的に、押し部41は、プル部42の上方に位置し、下方にスライドするとともにプル部42を押してスライドさせることができる。それぞれ駆動部材3を左右両側へスライドさせることにより、第3の斜面33と第4の斜面411との嵌合作用によって、駆動部材3は、押し部41を押して下方にスライドさせ、押し部41は、下方にスライドして、プル部42を押してブレーキロック5と共にスライドさせ、これにより、両側のブレーキロック5は、車輪6に係合し、さらに両側の車輪6をロックするが、これに限定されなく、例えば、駆動部材3と押し部41との間には、従来の傾斜溝により駆動するという方式を採用することができる。さらに例えば、駆動部材3の第3の斜面33は、押し部41の第4の斜面411の下方に位置することができ、駆動部材3が押し部41をスライドさせることにより、押し部41は、プル部42を上方に押して上方にスライドさせ、これにより、プル部42は、ブレーキロック5を引いてブレーキロック5を車輪6に係合させる。
【0051】
続いて、図9図14を参照すると、本実施例において、押し部41は、押し部材412及びピン413を含み、押し部材412は、車体フレーム1内に上下にスライド可能に設けられ、ピン413の一端は、押し部材412に固定的に連結され、ピン413の他端は、プル部42に当接し、ピン413は、プル部42の上方に位置する。具体的に、押し部材412には、そのスライド方向に沿って第2の位置制限溝412aが設けられ、車体フレーム1には、第2の位置制限軸113が設けられ、第2の位置制限軸113は、第2の位置制限溝412aにスライド可能に挿入され、即ち、第2の位置制限軸113は、押し部材412の第2の位置制限溝412aに対してスライドすることができ、第2の位置制限軸113は、位置制限作用を果たすことができるが、これに限定されない。さらに、連動ユニット4は、押し部41を復帰させるための第2の弾性復帰部材43をさらに含み、第2の弾性復帰部材43は、押し部41と車体フレーム1との間に設けられる。より具体的に、第2の弾性復帰部材43は、ピン413に外嵌されるが、これに限定されない。ここで、第2の弾性復帰部材43は、従来の圧縮ばねなどの弾性部材を使用することができる。
【0052】
再び図9図14を参照すると、本実施例において、プル部42は、第1の固定部材421及び第1の牽引部材422を含み、第1の固定部材421は、車体フレーム1内に上下にスライド可能に設けられ、且つ、押し部41の下方に位置し、第1の牽引部材422の一端は、第1の固定部材421に固定的に連結され、第1の牽引部材422の他端は、ブレーキロック5に固定的に連結され、第1の牽引部材422の中間部は、逆U字型の構造422aをなし、且つ、車体フレーム1に支持されており、第1の固定部材421を下方にスライドさせるとともに第1の牽引部材422を引くことにより、第1の牽引部材422は、ブレーキロック5を上方に引いて、ブレーキロック5を車輪6に係合させる。押し部41のピン413が第1の固定部材421を押して下方にスライドさせることにより、第1の固定部材421は、第1の牽引部材422の一端を引いて下方にスライドさせ、第1の牽引部材422の中間部が逆U字型の構造422aをなし、且つ、車体フレーム1に支持されているので、第1の牽引部材422の他端は、上昇してブレーキロック5を引いて、ブレーキロック5を上昇させて車輪6に係合させ、これにより、車輪6をロックする。具体的に、プル部42は、ステアリング部材423をさらに含み、ステアリング部材423は、車体フレーム1内に固定され、且つ、第1の固定部材421の一方側に位置し、第1の牽引部材422の逆U字型の構造422aは、ステアリング部材423に穿設され、且つ、ステアリング部材423内に支持されている。より具体的に、プル部42は、第2の固定部材424をさらに含み、第2の固定部材424は、車体フレーム1内に上下にスライド可能に設けられ、第2の固定部材424の一端は、第1の牽引部材422に固定的に連結され、第2の固定部材424の他端は、ブレーキロック5に固定的に連結されるが、これに限定されなく、例えば、第1の牽引部材422は、ブレーキロック5に固定的に直接連結されてもよい。ここで、第1の牽引部材422は、従来の鋼線を使用するが、これに限定されない。第1の牽引部材422は、従来のロープなどを使用することもできる。さらに、プル部42は、第2の固定部材424を復帰させるための第3の弾性復帰部材425をさらに含み、第3の弾性復帰部材425は、第2の固定部材424と車体フレーム1との間に設けられる。第1の牽引部材422が第2の固定部材424を引いて上方にスライドさせる場合、第2の固定部材424は、第3の弾性復帰部材425を圧縮し、第2の固定部材424が解放される場合、第2の固定部材424は、第3の弾性復帰部材425の弾性復元力によって下方にスライドして復帰することにより、ブレーキロック5を下方にスライドさせて復帰させ、ブレーキロック5を車輪6との係合状態から離脱させる。
【0053】
図15を参照すると、車輪6には、その回動方向に沿って複数の係合溝621が設けられ、ブレーキロック5は、係合溝621に対して係合又は離脱することができる。本実施例において、車輪6は、車輪本体61及びハブ62を含み、車輪本体61は、車体フレーム1に枢着され、ハブ62は、車輪本体61に外嵌され、係合溝621は、ハブ62に設けられるが、これに限定されない。
【0054】
図5図15を組み合わせて、本発明に係るベビーカーのブレーキ機構100の第1の実施例の具体的な動作原理は、下記の通りである。
【0055】
車輪6にブレーキをかける必要がある場合、ブレーキペダル2を踏むと、位置決め部材7は、第1のトラック溝22の最下段から第2のトラック溝23の最下段までスライドするとともに、ブレーキペダル2を位置決めし、この過程において、ブレーキペダル2は、両側の駆動部材3を押すことにより、それぞれ駆動部材3を左右両側へスライドさせ、駆動部材3は、スライドして、連動ユニット4の押し部材412を押してピン413と共に下方にスライドさせ、これにより、ピン413は、第1の固定部材421を押して下方にスライドさせるとともに、第1の牽引部材422の一端を引いて下降させるが、第1の牽引部材422の他端を上昇させることにより、第1の牽引部材422は、第2の固定部材424を引いてブレーキロック5と共に上方にスライドさせ、これにより、ブレーキロック5は、車輪6の係合溝621に係合し、さらに両側の車輪6をロックし、ベビーカー200の後輪のダブルブレーキングを実現し、ベビーカー200のブレーキ操作の簡便性を向上させる。
【0056】
車輪6に対するロックを解除する必要がある場合、再びブレーキペダル2を踏むと、位置決め部材7は、第2のトラック溝23の最下段から第1のトラック溝22の最下段までスライドし、ブレーキペダル2は、第1の弾性復帰部材8の作用によって復帰して上方にスライドし、連動ユニット4全体は、第2の弾性復帰部材43及び第3の弾性復帰部材425の作用によって復帰するとともに、ブレーキロック5を復帰させることにより、ブレーキロック5を車輪6との係合状態から離脱させ、これにより、両側の車輪6に対するロックを解除する。
【0057】
図16図22及び図24を参照すると、ベビーカーのブレーキ機構100の第2の実施例において、ベビーカーのブレーキ機構100は、車体フレーム1、ブレーキ駆動ユニット、連動ユニット4、ブレーキロック5及び車輪6を含み、ブレーキ駆動ユニットは、車体フレーム1に設けられ、2つの連動ユニット4は、それぞれ車体フレーム1の左右両側にスライド可能に設けられ、ブレーキ駆動ユニットの両端は、それぞれ2つの連動ユニット4に当接し、連動ユニット4のそれぞれには、ブレーキロック5が固定的に連結されており、2つの車輪6は、それぞれ車体フレーム1の左右両側に枢着され、ブレーキ駆動ユニットが連動ユニット4を押してブレーキロック5と共に動作させるように駆動することにより、両側のブレーキロック5を車輪6に係合させ、これにより、両側の車輪を同時に止めることができる。座席部201は、車体フレーム1に設けられ、座席部201は、乳幼児が乗るためのものである。ここで、ブレーキ駆動ユニットは、ブレーキペダル2及び駆動部材3を含み、ブレーキペダル2は、駆動部材3に固定的に連結され、駆動部材3は、車体フレーム1に枢着され、駆動部材3の両端は、それぞれ2つの連動ユニット4に当接し、ブレーキペダル2を駆動部材3と共に回動させることにより、駆動部材3は、連動ユニット4を押して動作させ、車輪6には、その回動方向に沿って複数の係合溝621が設けられ、ブレーキロック5は、係合溝621に対して係合又は離脱することができる。
【0058】
図16図18を参照すると、駆動部材3は、駆動本体34及び駆動部35を含み、駆動本体34は、車体フレーム1に枢着され、2つの駆動部35は、それぞれ駆動本体34の両端に凸設され、駆動部35は、連動ユニット4に当接し、連動ユニット4は、駆動部35の下方に位置する。駆動部材3を回動させることにより、駆動部35は、回動して、連動ユニット4を押して下方にスライドさせ、連動ユニット4は、下方にスライドしてブレーキロック5を移動させ、両側のブレーキロック5を車輪6に係合させる。具体的に、駆動部材3には、その回動方向に沿って逃げ溝36が設けられ、この逃げ溝36は、車体フレーム1内の突起を回避するとともに、駆動部材3の回動を位置制限する役割を果たすことができる。
【0059】
図18及び図19を参照すると、ブレーキペダル2は、2つの位置決め溝25を有するが、これに限定されなく、位置決め溝25の数は、3つや、4つなどであってもよい。車体フレーム1には、バンプ114が設けられ、ブレーキペダル2を回動させることにより、バンプ114をそのうちの1つの位置決め溝25に係合させ、これにより、ブレーキペダル2を位置決めすることができるが、これに限定されなく、例えば、位置決め溝25は、車体フレームに設けられてもよく、バンプ114は、ブレーキペダル2に設けられてもよい。
【0060】
図20図23を参照すると、連動ユニット4は、押し部41及びプル部42を含み、押し部41は、車体フレーム1内に上下にスライド可能に設けられ、プル部42は、車体フレーム1内に上下にスライド可能に設けられ、プル部42は、ブレーキロック5に固定的に連結され、ブレーキ駆動ユニットが押し部41を押してスライドさせることにより、押し部41は、プル部42を押してブレーキロック5と共にスライドさせる。具体的に、押し部41は、第1のコロ414及びピン413を含み、第1のコロ414は、ピン413に枢着され、第1のコロ414は、ブレーキ駆動ユニットに当接し、ピン413は、車体フレーム1内に上下にスライド可能に設けられ、ピン413は、プル部42に当接する。駆動部材3を回動させることにより、駆動部材3の駆動部35は、第1のコロ414を押して、第1のコロ414をピン413と共に下方にスライドさせ、ここで、第1のコロ414は、駆動部35が第1のコロ414を押す際に受ける摩擦力を低減することができる。さらに、ピン413と車体フレーム1との間には、ピン413を復帰させるための第2の弾性復帰部材43が設けられ、ここで、第2の弾性復帰部材43は、従来の圧縮ばねを使用し、第2の弾性復帰部材43は、ピン413に外嵌されるが、これに限定されない。
【0061】
続いて、図20図23を参照すると、プル部42は、第1の固定部材421及び第1の牽引部材422を含み、第1の固定部材421は、車体フレーム1内に上下にスライド可能に設けられ、且つ、押し部41の下方に位置し、第1の牽引部材422の一端は、第1の固定部材421に固定的に連結され、第1の牽引部材422の他端は、ブレーキロック5に固定的に連結され、第1の牽引部材422の中間部は、逆U字型の構造422aをなし、且つ、車体フレーム1に支持されており、第1の固定部材421が下方にスライドして第1の牽引部材422を引くことにより、第1の牽引部材422は、ブレーキロック5を下方に引いて、ブレーキロック5を車輪6に係合させる。押し部41のピン413が第1の固定部材421を押して下方にスライドさせることにより、第1の固定部材421は、第1の牽引部材422の一端を引いて下方にスライドさせ、第1の牽引部材422の他端が上昇してブレーキロック5を引くことにより、ブレーキロック5は、上昇して車輪6に係合し、これにより、車輪6をロックする。具体的に、プル部42は、ステアリング部材423をさらに含み、ステアリング部材423は、車体フレーム1内に固定され、且つ、第1の固定部材421の一方側に位置し、第1の牽引部材422の逆U字型の構造422aは、ステアリング部材423内に穿設され、且つ、ステアリング部材423内に支持されている。好ましくは、ステアリング部材423には、第2のコロ423aが枢着され、第1の牽引部材422は、第2のコロ423aに巻き付けられており、第2のコロ423aは、第1の牽引部材422が引かれる際に受ける摩擦力を低減することができる。
【0062】
図24を参照すると、プル部42は、第2の固定部材424をさらに含み、第2の固定部材424は、車体フレーム1内に上下にスライド可能に設けられ、第2の固定部材424の一端は、第1の牽引部材422に固定的に連結され、第2の固定部材424の他端は、ブレーキロック5に固定的に連結されが、これに限定されなく、例えば、第1の牽引部材422は、ブレーキロック5に固定的に直接連結されてもよい。ここで、第1の牽引部材422は、従来の鋼線を使用するが、これに限定されなく、第1の牽引部材422は、従来のロープなどを使用してもよい。さらに、プル部42は、第2の固定部材424を復帰させるための第3の弾性復帰部材425をさらに含み、第3の弾性復帰部材425は、第2の固定部材424と車体フレーム1との間に設けられる。第1の牽引部材422が第2の固定部材424を引いて上方にスライドさせる場合、第2の固定部材424は、第3の弾性復帰部材425を圧縮し、第2の固定部材424が解放される場合、第2の固定部材424は、第3の弾性復帰部材425の弾性復元力によって、下方にスライドして復帰することができ、これにより、ブレーキロック5を下方にスライドさせて復帰させ、ブレーキロック5を車輪6との係合状態から離脱させる。
【0063】
図16図24を組み合わせて、本発明に係るベビーカーのブレーキ機構100の第2の実施例の具体的な動作原理は、下記の通りである。
【0064】
車輪6にブレーキをかける必要がある場合、ブレーキペダル2を踏むと、ブレーキペダル2を駆動部材3と共に回動させ、駆動部材3の駆動部35は、連動ユニット4の押し部41の第1のコロ414を押すことにより、第1のコロ414をピン413と共に下方にスライドさせ、ピン413は、下方にスライドして、プル部42の第1の固定部材421を押して下方にスライドさせるとともに、第1の牽引部材422の一端を引いて下降させるが、第1の牽引部材422の他端は、上昇して、第2の固定部材424を引いてブレーキロック5と共に上方にスライドさせることにより、ブレーキロック5を車輪6の係合溝621に係合させ、さらに、両側の車輪6をロックし、ベビーカー200の後輪のダブルブレーキングを実現し、ベビーカー200のブレーキ操作の簡便性を向上させる。
【0065】
車輪6に対するロックを解除する必要がある場合、ブレーキペダル2を逆方向に回動させ、ブレーキペダル2は、駆動部材3を回動させて復帰させ、連動ユニット4全体は、第2の弾性復帰部材43及び第3の弾性復帰部材425の作用によって復帰するとともに、ブレーキロック5を復帰させることにより、ブレーキロック5を車輪6との係合状態から離脱させ、これにより、両側の車輪6に対するロックを解除する。
【0066】
図1及び図2を参照すると、車体フレーム1は、車体フレーム本体11及び回転部12を含み、2つの回転部12は、それぞれ車体フレーム本体11の左右両側に枢着され、車輪6は、回転部12に枢着される。
【0067】
図1図4を参照すると、本発明に係るベビーカー200は、ドリフト操作部202及び回転オリエンテーションユニット203をさらに含み、ドリフト操作部202は、車体フレーム本体11に設けられ、回転オリエンテーションユニット203の一端は、ドリフト操作部202に接続され、回転オリエンテーションユニット203の他端は、車体フレーム本体11と回転部12との間に係合し、ドリフト操作部202を操作することにより、回転オリエンテーションユニット203を回転部12との係合状態から離脱させる。具体的に、回転オリエンテーションユニット203は、第2の牽引部材203a及びオリエンテーション部材203bを含み、ドリフト操作部202は、第2の牽引部材203aの一端に接続され、且つ、第2の牽引部材203aを引くことができ、第2の牽引部材203aの他端は、オリエンテーション部材203bに接続され、オリエンテーション部材203bは、車体フレーム本体11と回転部12との間に係合することにより、車体フレーム本体11及び回転部12をロックする。ドリフト操作部202を操作することで、ドリフト操作部202は、第2の牽引部材203aを引いて、第2の牽引部材203aは、オリエンテーション部材203bを引いてスライドさせて、回転部12との係合状態から離脱させることにより、車体フレーム本体11及び回転部12に対するロックを解除し、これにより、回転部12は、車輪6と共に車体フレーム本体11に対して360°回転することができる。本実施例において、この車輪6は、後輪であるが、これに限定されない。ここで、第2の牽引部材203aは、鋼線であるが、これに限定されなく、第2の牽引部材203aは、従来のロープなどを使用することができる。さらに、回転オリエンテーションユニット203は、オリエンテーション部材203bを復帰させるための第4の弾性復帰部材203cをさらに含み、第4の弾性復帰部材203cは、オリエンテーション部材203bと車体フレーム本体11との間に設けられる。ドリフト操作部202を操作して第2の牽引部材203aが位置決め部材7を引いて上方にスライドさせるように駆動する場合、位置決め部材7は、第4の弾性復帰部材203cを圧縮する。ドリフト操作部202が解放された後、位置決め部材7は、第4の弾性復帰部材203cの作用によって下方にスライドして復帰することにより、位置決め部材7は、車体フレーム本体11と回転部12との間に再係合し、これにより、車体フレーム本体11及び回転部12をロックする。なお、ドリフト操作部202を押圧して第2の牽引部材203aを引くことは従来技術であるので、ドリフト操作部202の構造については説明を省略する。
【0068】
ベビーカー200をドリフト可能にする必要がある場合、ドリフト操作部202を押圧することにより、ドリフト操作部202は、第2の牽引部材203aを引いて、第2の牽引部材203aは、オリエンテーション部材203bを引いてスライドさせて、回転部12との係合状態から離脱させ、これにより、車体フレーム本体11及び回転部12に対するロックを解除し、回転部12は、車輪6と共に車体フレーム本体11に対して360°回転することができる。ドリフト操作部202が解放される場合、ドリフト操作部202は、復帰し、オリエンテーション部材203bは、第4の弾性復帰部材203cの作用によって復帰して車体フレーム本体11と回転部12との間に再係合し、これにより、車体フレーム本体11及び回転部12をロックする。
【0069】
上記のように、本発明に係るベビーカー200には、ベビーカーのブレーキ機構100が設けられ、ブレーキ駆動ユニットが両側の連動ユニット4を押してスライドさせるように駆動することにより、両側の連動ユニット4は、それぞれ両側のブレーキロック5を動作させ、これにより、両側のブレーキロック5は、それぞれ両側の車輪6に係合し、両側の車輪6をロックする。このため、本発明に係るベビーカー200は、ベビーカーのブレーキ機構100を操作することにより、両側の車輪6を同時に止めることを実現するとともに、操作が簡単であるという特徴を有する。本発明に係るベビーカー200には、ドリフト操作部202及び回転オリエンテーションユニット203がさらに設けられるので、車輪6の全方向回転を実現したり、車輪6に対してオリエンテーションを行ったりすることができる。
【0070】
以上は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、これによって本発明の範囲を限定するためのものではない。したがって、本発明の特許請求の範囲に基づく均等な変更は、すべて本発明の範囲に属する。
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