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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】バッテリ接続モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/569 20210101AFI20240501BHJP
   H01M 50/507 20210101ALI20240501BHJP
   H01M 50/519 20210101ALI20240501BHJP
【FI】
H01M50/569
H01M50/507
H01M50/519
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023018103
(22)【出願日】2023-02-09
(65)【公開番号】P2023118093
(43)【公開日】2023-08-24
【審査請求日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】202210134466.5
(32)【優先日】2022-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】591043064
【氏名又は名称】モレックス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】リー ユンジン
(72)【発明者】
【氏名】リム キアン ヘン
(72)【発明者】
【氏名】リン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ツェン シャン シウ
【審査官】梅野 太朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-109927(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2021-0006771(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M50/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバッテリを接続するために使用されるバッテリ接続モジュールであって、
トレイと、
該トレイに取り付けられ、前記複数のバッテリを接続するために使用される複数の母線と、
該複数の母線に接続された回路基板と、
温度測定アセンブリであって、
前記回路基板の上面及び下面にそれぞれ設けられた第1の熱伝導パッド及び第2の熱伝導パッドと、
前記第1の熱伝導パッド、第2の熱伝導パッド、及び回路基板を貫通する複数の第1の熱伝導スルーホールと、
前記回路基板の上面又は下面に設けられ、前記第1の熱伝導パッド又は第2の熱伝導パッドに隣接している温度センサと、
対応する母線と前記第1の熱伝導パッド又は第2の熱伝導パッドとを接続する橋架片と、を備える、温度測定アセンブリと、を備える、バッテリ接続モジュール。
【請求項2】
前記温度センサが、前記回路基板の上面に設けられ、前記第1の熱伝導パッドに隣接しており、
前記橋架片の第1の端部が、前記第1の熱伝導パッドに接続され、前記橋架片の第2の端部が、対応する母線に接続されている、請求項1に記載のバッテリ接続モジュール。
【請求項3】
前記温度測定アセンブリが、前記回路基板の上面に設けられ、前記第1の熱伝導パッド、温度センサ、及び橋架片の第1の端部を少なくとも部分的にパッケージングするために使用されるパッケージングカバーを更に備える、請求項2に記載のバッテリ接続モジュール。
【請求項4】
前記第1の熱伝導パッドには、第1の受容開口部が設けられ、
前記橋架片の第1の端部には、第2の受容開口部が設けられ、
前記第1の受容開口部が、位置において前記第2の受容開口部に対応し、
前記温度センサが、前記第1の受容開口部の範囲内及び第2の受容開口部の範囲内に少なくとも部分的に位置付けられている、請求項2又は3に記載のバッテリ接続モジュール。
【請求項5】
前記温度センサが、前記回路基板の下面に設けられ、前記第2の熱伝導パッドに隣接しており、
前記橋架片の第1の端部が、前記第1の熱伝導パッドに接続され、前記橋架片の第2の端部が、対応する母線に接続されている、請求項1に記載のバッテリ接続モジュール。
【請求項6】
前記温度測定アセンブリが、前記回路基板の下面に設けられ、前記第2の熱伝導パッド、温度センサ、及び複数の第1の熱伝導スルーホールを少なくとも部分的にパッケージングするために使用されるパッケージングカバーを更に備える、請求項5に記載のバッテリ接続モジュール。
【請求項7】
前記第2の熱伝導パッドには、第3の受容開口部が設けられており、
前記温度センサが、前記第3の受容開口部の範囲内に少なくとも部分的に位置付けられている、請求項5に記載のバッテリ接続モジュール。
【請求項8】
前記回路基板には、電気接続点が設けられており、
前記温度センサが、前記電気接続点に取り付けられており、
前記温度測定アセンブリが、前記電気接続点及び回路基板を貫通する第2の熱伝導スルーホールを更に備える、請求項1に記載のバッテリ接続モジュール。
【請求項9】
前記電気接続点が、溶接パッドであり、前記温度センサが、溶接様態によって前記溶接パッドに取り付けられており、
前記温度測定アセンブリが、第3の熱伝導パッドを更に備え、該第3の熱伝導パッド及び溶接パッドのうちの一方が、前記回路基板の上面に設けられており、前記第3の熱伝導パッド及び溶接パッドのうちの他方が、前記回路基板の下面に設けられており、
前記第2の熱伝導スルーホールが、前記第3の熱伝導パッドを更に貫通している、請求項8に記載のバッテリ接続モジュール。
【請求項10】
前記トレイには開口部が設けられており、該開口部が、位置において前記第2の熱伝導パッド及び温度センサに対応する、請求項1に記載のバッテリ接続モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、バッテリ技術の分野に関し、特に、バッテリ接続モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
中国特許出願公開第111435723A号は、バッテリ接続モジュールを開示しており、それにおいて、温度収集片の第1の端部部分に開口部が形成され、温度感知部材が開口部内に位置付けられ、温度収集片の他の端部が母線上に接続されている。
【0003】
しかしながら、従来技術特許出願によって開示された母線は、バッテリの電極を接続し、バッテリによって生成された熱は、母線に直接伝達され、母線上の熱は、温度収集片を介して温度収集片の第1の端部部分における温度感知部材に伝達され、熱伝達経路は1つしかない。温度感知部材が、回路基板の上面と下のバッテリとの間に設けられ、回路基板及びトレイによってバッテリから離間されている場合、熱伝達経路がより長くなり、その結果、温度センサによって収集される温度情報の精度が低下し、温度応答時間が長くなり、その結果、温度情報収集の感度が悪くなる。
【発明の概要】
【0004】
本開示の1つの主な目的は、温度センサと回路基板の温度センサとは反対側の表面との間の熱伝達経路を短縮し、それにより上記従来技術の少なくとも1つの欠点を克服するバッテリ接続モジュールを提供することである。
【0005】
上記目的を実現するために、本開示は、以下の技術的解決策を利用する。本開示の一態様によれば、バッテリ接続モジュールが提供され、バッテリ接続モジュールは、複数のバッテリを接続するために使用され、バッテリ接続モジュールは、トレイ、複数の母線、回路基板、及び温度測定アセンブリを備え、複数の母線は、トレイ上に取り付けられ、複数のバッテリを接続するために使用され、回路基板は、複数の母線に接続され、温度測定アセンブリは、第1の熱伝導パッド及び第2の熱伝導パッドと、複数の第1の熱伝導スルーホールと、温度センサと、橋架片と、を備え、第1の熱伝導パッド及び第2の熱伝導パッドは、回路基板の上面及び下面にそれぞれ設けられ、複数の第1の熱伝導スルーホールは、第1の熱伝導パッド、第2の熱伝導パッド、及び回路基板を貫通し、温度センサは、回路基板の上面又は下面に設けられ、第1の熱伝導パッド又は第2の熱伝導パッドに隣接しており、橋架片は、対応する母線と第1の熱伝導パッド又は第2の熱伝導パッドとを接続する。
【0006】
本開示の実施形態のうちの1つによれば、温度センサは、回路基板の上面に設けられ、第1の熱伝導パッドに隣接し、橋架片の第1の端部は、第1の熱伝導パッドに接続され、橋架片の第2の端部は、対応する母線に接続されている。
【0007】
本開示の実施形態のうちの1つによれば、温度測定アセンブリは、パッケージングカバーを更に備え、パッケージングカバーは、回路基板の上面に設けられ、第1の熱伝導パッド、温度センサ、及び橋架片の第1の端部を少なくとも部分的にパッケージングするために使用される。
【0008】
本開示の実施形態のうちの1つによれば、第1の熱伝導パッドには第1の受容開口部が設けられ、橋架片の第1の端部には第2の受容開口部が設けられ、位置において第1の受容開口部は第2の受容開口部に対応し、温度センサは、第1の受容開口部の範囲内及び第2の受容開口部の範囲内に少なくとも部分的に位置付けられている。
【0009】
本開示の実施形態のうちの1つによれば、温度センサは、回路基板の下面に設けられ、第2の熱伝導パッドに隣接し、橋架片の第1の端部は、第1の熱伝導パッドに接続され、橋架片の第2の端部は、対応する母線に接続されている。
【0010】
本開示の実施形態のうちの1つによれば、温度測定アセンブリは、パッケージングカバーを更に備え、パッケージングカバーは、回路基板の下面に設けられ、第2の熱伝導パッド、温度センサ、及び複数の第1の熱伝導スルーホールを少なくとも部分的にパッケージングするために使用される。
【0011】
本開示の実施形態のうちの1つによれば、第2の熱伝導パッドには第3の受容開口部が設けられ、温度センサは、第3の受容開口部の範囲内に少なくとも部分的に位置付けられている。
【0012】
本開示の実施形態のうちの1つによれば、回路基板には電気接続点が設けられ、温度センサが電気接続点に取り付けられ、温度測定アセンブリは、第2の熱伝導スルーホールを更に備え、第2の熱伝導スルーホールは、電気接続点及び回路基板を貫通する。
【0013】
本開示の実施形態のうちの1つによれば、電気接続点は、溶接パッドであり、温度センサは、溶接様態によって溶接パッドに取り付けられており、温度測定アセンブリは、第3の熱伝導パッドを更に備え、第3の熱伝導パッド及び溶接パッドのうちの一方は、回路基板の上面に設けられており、第3の熱伝導パッド及び溶接パッドのうちの他方は、回路基板の下面に設けられており、第2の熱伝導スルーホールが、第3の熱伝導パッドを更に貫通している。
【0014】
本開示の実施形態のうちの1つによれば、トレイには開口部が設けられており、開口部は、位置において第2の熱伝導パッド及び温度センサに対応する。
【0015】
上記の技術的解決策から分かるように、本開示によって提案されるバッテリ接続モジュールの利点及びプラスの効果は、本開示によって提案されるバッテリ接続モジュールが、トレイ、複数の母線、回路基板、及び温度測定アセンブリを含むことにある。温度測定アセンブリは、第1の熱伝導パッド及び第2の熱伝導パッドと、複数の第1の熱伝導スルーホールと、温度センサと、橋架片と、を含む。第1の熱伝導パッド及び第2の熱伝導パッドは、回路基板の上面及び下面にそれぞれ設けられている。複数の第1の熱伝導スルーホールは、第1の熱伝導パッド、第2の熱伝導パッド、及び回路基板を貫通する。温度センサは、回路基板の上面又は下面に設けられ、第1の熱伝導パッド又は第2の熱伝導パッドに隣接している。上記設計により、本開示は、回路基板の温度センサとは反対側の表面の熱が、第1の熱伝導パッド、第2の熱伝導パッド、及び第1の熱伝導スルーホールを介して温度センサに伝達されることを可能にすることができ、熱伝達経路が短縮され、温度センサの温度収集の精度が向上し、温度応答時間が短縮され、温度情報収集の感度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本開示の様々な目的、特徴、及び利点は、図面と組み合わせて本開示の好ましい実施形態の詳細な説明を考慮することから明らかになるであろう。図面は、本開示の例示的な例解にすぎず、必ずしも原寸に比例していない。図面において、同じ参照番号は、常に同じ又は類似の要素を示す。
【0017】
図1】例示的な実施形態による、バッテリパックの分解概略図である。
図2図1のバッテリ接続モジュールの分解概略図である。
図3図1のバッテリパックのバッテリ接続モジュールと複数のバッテリとが組み立てられたときの部分的拡大概略図である。
図4図3の分解概略図である。
図5】点線枠Aによって示された図3の部分的拡大概略図である。
図6図5の分解概略図である。
図7図3の部分底面図である。
図8】別の例示的な実施形態におけるバッテリ接続モジュールの部分的拡大概略図である。
図9図8の分解概略図である。
図10】別の角度から見た図8の分解概略図である。
図11図8の部分断面図である。
【符号の説明】
【0018】
参照符号は、以下のように表される。
【0019】
100 バッテリ接続モジュール
110 トレイ
111 開口部
120 母線
130 回路基板
141 第1の熱伝導パッド
1411 第1の受容開口部
142 第2の熱伝導パッド
1421 第3の受容開口部
143 第1の熱伝導スルーホール
144 温度センサ
145 橋架片
145a 第1の端部
145b 第2の端部
145c 貫通孔
1451 第2の受容開口部
146 パッケージングカバー
147 第2の熱伝導スルーホール
148 溶接パッド
149 第3の熱伝導パッド
200 バッテリ
300 エンドプレート
S1 上面
S2 下面
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示の特徴及び利点を具体化する典型的な実施形態が、以下の説明において詳細に説明される。本開示は、異なる実施形態において、本開示の範囲から逸脱しない様々な変更を有することができ、その説明及び図面は、本質的に例示を目的とするものであり、本開示を限定するものではないことを理解されたい。
【0021】
本開示の異なる例示的な実施形態の以下の説明では、本開示の一部を形成し、本開示を実装することができる態様の異なる例示的な構造、システム、及びステップが例として示される添付の図面を参照する。構成要素、構造、例示的なデバイス、システム、及びステップの他の特定の解決策が使用されてもよく、本開示の範囲から逸脱することなく、構造的及び機能的修正が行われてもよいことを理解されたい。更に、「上(above )」、「間(between )」、「内(within)」などの用語が、本開示の異なる例示的な特徴及び要素を説明するために本明細書において使用される場合があるが、これらの用語は、例えば、添付の図面に図示された例の方向に従って、便宜のためだけに本明細書で使用される。本明細書のいかなる内容も、本開示の範囲内に含まれる構造が、特定の三次元方向に位置付けられることが必要であると理解されるべきではない。
【0022】
図1を参照すると、図1は、本開示によって提案されるバッテリパックの分解概略図を代表的に図示する。例示的な実施形態において、本開示によって提案されるバッテリ接続モジュール100は、バッテリパックに適用されるバッテリ接続モジュール100を例にとることによって説明される。当業者は、本開示の関連する設計を他の種類のエネルギー貯蔵デバイスに適用するために、以下の特定の実施形態に対して様々な修正、追加、置換、削除又は他の変形を行い得るが、これらの修正、追加、置換、削除又は他の変形は、依然として、本開示によって提案されるバッテリ接続モジュール100の原理の範囲内にあることを容易に理解する。
【0023】
図1に示すように、本実施形態において、本開示によって提案されるバッテリ接続モジュール100は、バッテリパックの複数のバッテリ上に設けられ、バッテリ接続モジュール100は、複数のバッテリ200を接続するために使用される。図2図7を参照することと組み合わせて、図2は、バッテリ接続モジュール100の分解概略図を代表的に図示し、図3は、バッテリ接続モジュール100及びバッテリパックの複数のバッテリが組み立てられたときの部分的拡大概略図を代表的に図示し、図4は、図3の分解概略図を代表的に図示し、図5は、点線枠Aによって示された図3の部分的拡大概略図を代表的に図示し、図6は、図5の分解概略図を代表的に図示し、図7は、図3の部分底面図を代表的に図示する。以下、これらの図と組み合わせて、本開示によって提案されるバッテリ接続モジュール100の各主要構成部分が、構造、接続様態、及び機能関係において詳細に説明される。
【0024】
図1図7に示すように、本開示の実施形態では、本開示によって提案されるバッテリ接続モジュール100は、トレイ110と、複数の母線120と、回路基板130と、温度測定アセンブリと、を含む。具体的には、複数の母線120は、トレイ110上に取り付けられ、複数の母線120は、複数のバッテリ200を接続するために使用される。各母線120は、1つの橋架片145を介して回路基板130の電圧収集配線に接続されている。温度測定アセンブリは、第1の熱伝導パッド141及び第2の熱伝導パッド142と、複数の第1の熱伝導スルーホール143と、温度センサ144と、橋架片145と、を含む。第1の熱伝導パッド141及び第2の熱伝導パッド142は、回路基板130の上面S1及び下面S2にそれぞれ設けられている。第1の熱伝導スルーホール143は、第1の熱伝導パッド141、第2の熱伝導パッド142及び回路基板130を貫通する。温度センサ144は、回路基板130の上面S1に設けられ、第1の熱伝導パッド141に隣接している。橋架片145は、母線120と第1の熱伝導パッド141とを接続する。上記設計により、本開示は、回路基板130の温度センサ144とは反対側の表面の熱が、第2の熱伝導パッド142、第1の熱伝導スルーホール143及び第1の熱伝導パッド141を介して温度センサ144に伝達されることを可能にすることができ、熱伝達経路が短縮され、温度センサ144の温度収集の精度が向上し、温度応答時間が短縮され、温度情報収集の感度が向上する。
【0025】
図3及び図6に示すように、温度センサ144が、回路基板130の上面S1に設けられ、第1の熱伝導パッド141に隣接する設計に基づいて、本開示の実施形態では、橋架片145の第1の端部145aが第1の熱伝導パッド141に接続され、橋架片145の第2の端部145bが対応する母線120に接続されている。
【0026】
図3図6に示すように、本開示の実施形態では、橋架片145の第1の端部145aは、第1の熱伝導パッド141を接続し、各第1の熱伝導スルーホール143を覆う。温度測定アセンブリは、パッケージングカバー146を更に含む。パッケージングカバー146は、回路基板130の上面S1に設けられ、第1の熱伝導パッド141、温度センサ144、及び橋架片145の第1の端部145aをパッケージングするために使用され、熱伝導機能及び保護機能を提供することができる。いくつかの実施形態では、複数の第1の熱伝導スルーホール143が、全て橋架片145の第1の端部145aによって覆われない構造において、パッケージングカバー146はまた、橋架片145の第1の端部145aに露出された他の第1の熱伝導スルーホール143を覆うことができる。いくつかの実施形態では、温度センサ144が回路基板130の上面S1に設けられ、温度測定アセンブリがパッケージングカバー146を含むとき、パッケージングカバー146は、第1の熱伝導パッド141を部分的にパッケージングしてもよく、言い換えれば、本開示の設計概念に従う様々な可能な実施形態において、温度センサ144が回路基板130の上面S1に設けられ、温度測定アセンブリがパッケージングカバー146を含むとき、パッケージングカバー146は、第1の熱伝導パッド141を少なくとも部分的にパッケージングしてもよい。
【0027】
温度測定アセンブリがパッケージングカバー146を含む設計に基づいて、本開示の実施形態では、パッケージングカバー146の材料は、熱伝導接着剤、抗酸化保護接着剤、又はそれらの組み合わせ、例えば、シリカゲル、エポキシ樹脂などであってもよい。
【0028】
図6に示すように、本開示の実施形態では、第1の熱伝導パッド141には第1の受容開口部1411が設けられ、橋架片145の第1の端部145aには第2の受容開口部1451が設けられ、第1の受容開口部1411及び第2の受容開口部1451は、位置において互いに対応する。これに基づいて、温度センサ144は、第1の受容開口部1411の範囲内及び第2の受容開口部1451の範囲内に部分的に位置付けられる。いくつかの実施形態では、温度センサ144はまた、第1の受容開口部1411の範囲内及び第2の受容開口部1451の範囲内に全て位置付けられてもよい。言い換えれば、本開示の設計概念に従う様々な可能な実施形態において、温度センサ144が回路基板130の上面S1に設けられ、第1の熱伝導パッド141に第1の受容開口部1411が設けられているとき、温度センサ144は、第1の受容開口部1411の範囲内及び第2の受容開口部1451の範囲内に少なくとも部分的に位置付けられる。
【0029】
図6及び図7に示すように、第1の熱伝導パッド141に第1の受容開口部1411が設けられ、橋架片145の第1の端部145aに第2の受容開口部1451が設けられるという設計に基づいて、本開示の実施形態では、第1の受容開口部1411は、第1の熱伝導パッド141の側縁に設けられる。これに基づいて、第2の受容開口部1451は、橋架片145の第1の端部145aの側縁に設けられる。いくつかの実施形態では、第1の受容開口部1411が、第1の熱伝導パッド141の側縁に設けられるとき、第2の受容開口部1451はまた、橋架片145の中央部分に設けられてもよく、すなわち、第2の受容開口部1451は閉じた開口構造であってもよい。更に、第1の受容開口部1411はまた、第1の熱伝導パッド141の中央部分に設けられてもよく、すなわち、第1の受容開口部1411は、閉じた開口構造であってもよく、これに基づいて、第2の受容開口部1451は、橋架片145の第1の端部145aの側縁又は中央部分に設けられてもよいが、本開示はこれに限定されない。加えて、第1の受容開口部1411が、閉じた開口構造であるとき、温度センサ144は、第1の受容開口部1411の範囲内に全て位置付けられる。
【0030】
本開示の実施形態において、第1の熱伝導スルーホール143の孔壁は、金属めっきでめっきされてもよく、金属めっきの材料は、銅又は銅合金であってもよい。
【0031】
本開示の実施形態において、第1の熱伝導パッド141の材料は、回路基板130上の導電トレースの材料と同じであってもよく、例えば、限定されないが銅である。
【0032】
本開示の実施形態において、第2の熱伝導パッド142の材料は、回路基板130上の導電トレースの材料と同じであってもよく、例えば、限定されないが銅である。
【0033】
図8図11を参照すると、図8は、別の例示的な実施形態におけるバッテリ接続モジュール100の部分的拡大概略図を代表的に図示し、図9は、図8の分解概略図を代表的に図示し、図10は、別の角度から見た図8の分解概略図を代表的に図示し、図11は、図8の部分断面図を代表的に図示する。
【0034】
図8図11に示すように、本開示の実施形態では、温度センサ144はまた、回路基板130の下面S2に設けられてもよく、第2の熱伝導パッド142に隣接する。これに基づいて、橋架片145の第1の端部145aは、第1の熱伝導パッド141に接続され、橋架片145の第2の端部145bは、対応する母線120に接続される。言い換えれば、本開示の設計概念に従う様々な可能な実施形態において、温度センサ144は、回路基板130の上面S1又は下面S2に設けられ得、第1の熱伝導パッド141又は第2の熱伝導パッド142に隣接する。これに基づいて、橋架片145は、対応する母線120と第1の熱伝導パッド141とを接続してもよく、又は橋架片145は、対応する母線120と第2の熱伝導パッド142とを接続してもよい。
【0035】
図10及び図11に示すように、本開示の実施形態では、温度測定アセンブリは、パッケージングカバー146を更に含む。パッケージングカバー146は、回路基板130の下面S2に設けられ、第2の熱伝導パッド142、各第1の熱伝導スルーホール143、及び温度センサ144を部分的にパッケージングするために使用され、熱伝導及び保護機能を提供することができる。いくつかの実施形態では、温度センサ144が回路基板130の下面S2に設けられ、温度測定アセンブリがパッケージングカバー146を含むとき、パッケージングカバー146はまた、第2の熱伝導パッド142及び各第1の熱伝導スルーホール143を全てパッケージングしてもよく、言い換えれば、本開示の設計概念に従う様々な可能な実施形態において、温度センサ144が回路基板130の下面S2に設けられ、温度測定アセンブリがパッケージングカバー146を含むとき、パッケージングカバー146は、第2の熱伝導パッド142及び各第1の熱伝導スルーホール143を少なくとも部分的にパッケージングしてもよい。
【0036】
図10及び図11に示すように、本開示の実施形態では、第2の熱伝導パッド142には、第3の受容開口部1421が設けられている。これに基づいて、温度センサ144は、第3の受容開口部1421の範囲内に全て位置付けられる。いくつかの実施形態では、温度センサ144はまた、第3の受容開口部1421の範囲内に部分的に位置付けられてもよい。言い換えれば、本開示の設計概念に従う様々な可能な実施形態において、温度センサ144が回路基板130の下面S2に設けられ、第2の熱伝導パッド142に第3の受容開口部1421が設けられているとき、温度センサ144は、第3の受容開口部1421の範囲内に少なくとも部分的に位置付けられる。
【0037】
図10及び図11に示すように、第2の熱伝導パッド142に第3の受容開口部1421が設けられる設計に基づいて、本開示の実施形態では、第3の受容開口部1421は第2の熱伝導パッド142の中央部分に設けられ、すなわち、第3の受容開口部1421は閉じた開口構造であり、温度センサ144は第3の受容開口部1421の範囲内に全て位置付けられる。いくつかの実施形態において、第3の受容開口部1421はまた、第2の熱伝導パッド142の側縁に設けられてもよく、すなわち、第3の受容開口部1421は、その側縁において開放された開口構造であるが、本開示はこれに限定されない。加えて、第3の受容開口部1421が開放された開口構造であるとき、温度センサ144は、第3の受容開口部1421の範囲内に少なくとも部分的に位置付けられる。
【0038】
各上記の実施形態では、橋架片145が第1の熱伝導パッド141に接続されている場合を例として説明したことに留意されたい。いくつかの実施形態において、温度センサ144が、回路基板130の上面S1又は下面S2に設けられるかどうかに関係なく、橋架片145は、第2の熱伝導パッド142と対応する母線120とを接続し得、本開示はこれに限定されない。
【0039】
図6及び図9に示すように、本開示の実施形態では、第1の熱伝導パッド141は、回路基板130上の電圧収集配線に接続することができ、橋架片145は、回路基板130と対応するバッテリ200との間の電気的接続機能を実現するほかに、橋架片145は、上記設計により、熱が伝達されることを可能にすることができ、本開示は、橋架片145が熱を伝達することを可能にすることができ、回路基板130を貫通する第1の熱伝導スルーホール143を介して伝達された熱が、より迅速に温度センサ144に伝達されることを可能にすることができる。
【0040】
図6及び図9に示すように、本開示の実施形態では、温度測定アセンブリは、複数の第1の熱伝導スルーホール143を含む。上記の設計により、本開示は、複数の第1の熱伝導スルーホール143によって熱伝導量を増加させることができる。加えて、橋架片145がまた、第1の熱伝導スルーホール143によって貫通されるとき、橋架片145と第1の熱伝導パッド141又は第2の熱伝導パッド142との間の形状の違いに応じて、複数の第1の熱伝導スルーホール143の一部は、橋架片145、第1の熱伝導パッド141、第2の熱伝導パッド142及び回路基板130を貫通し得るが、複数の第1の熱伝導スルーホール143の他のものは、第1の熱伝導パッド141、第2の熱伝導パッド142及び回路基板130のみを貫通する。
【0041】
図6及び図11に示すように、本開示の実施形態では、回路基板130には電気接続点が設けられ、温度センサ144が電気接続点に取り付けられる。これに基づいて、温度測定アセンブリは、第2の熱伝導スルーホール147を更に含む。第2の熱伝導スルーホール147は、電気接続点及び回路基板130を貫通する。上記の設計によって、電気接続点は、温度測定アセンブリが取り付けられ、電気接続点が回路基板130の導電トレースと電気的に接続される機能を実現するほかに、電気接続点は、熱伝導部材として作用することができ、第2の熱伝導スルーホール147は、第2の熱伝導スルーホール147の位置における熱伝達経路を短くすることができる。
【0042】
図7及び図8に示すように、回路基板130に電気接続点が設けられる設計に基づいて、本開示の実施形態では、電気接続点は、各々が溶接パッド148である2つの電気接続点であり、温度センサ144は、溶接様態によって溶接パッド148に取り付けられ、溶接パッド148は、回路基板130上の温度収集配線に接続される。これに基づいて、温度測定アセンブリは、第3の熱伝導パッド149を更に含む。図7に示す実施形態では、溶接パッド148が回路基板130の上面S1に設けられ、第3の熱伝導パッド149が回路基板130の下面S2に設けられている。図8に示す実施形態では、第3の熱伝導パッド149が回路基板130の上面S1に設けられ、溶接パッド148が回路基板130の下面S2に設けられている。そして、第2の熱伝導スルーホール147は、溶接パッド148及び第3の熱伝導パッド149を更に貫通する。言い換えれば、本開示の設計概念に従う様々な可能な実施形態では、温度測定アセンブリが第3の熱伝導パッド149を更に含むとき、溶接パッド148及び第3の熱伝導パッド149のうちの一方は、回路基板130の上面S1に設けられ、溶接パッド148及び第3の熱伝導パッド149のうちの他方は、回路基板130の下面S2に設けられ、第2の熱伝導スルーホール147は、溶接パッド148及び第3の熱伝導パッド149を更に貫通する。
【0043】
本開示の実施形態において、第2の熱伝導スルーホール147の孔壁は、金属めっきでめっきされてもよく、金属めっきの材料は、銅又は銅合金であってもよい。
【0044】
本開示の実施形態において、第3の熱伝導パッド149の材料は、回路基板130上の導電トレースの材料と同じであってもよく、例えば、限定されないが銅である。
【0045】
図4に示すように、本開示の実施形態では、トレイ110には開口部111が設けられ、開口部111は、回路基板130の下面S2と対応するバッテリ200の上面との間に位置付けられる。したがって、温度センサ144が回路基板130の下面S2に設けられるとき、開口部111は、位置において温度センサ144に対応し、トレイ110の開口部111は、温度センサ144が対応するバッテリ200に下向きの方向で面することを可能にすることができ、その結果、温度センサ144は、対応するバッテリ200の熱を直接感知することができる。温度センサ144が回路基板130の上面S1に設けられるとき、開口部111は、位置において下面S2上の第2の熱伝導パッド142に対応し、トレイ110の開口部111は、下面S2上の第2の熱伝導パッド142、第3の熱伝導パッド149及び第1の熱伝導スルーホール143が対応するバッテリ200に下向きの方向で直接面することを可能にすることができ、その結果、第2の熱伝導パッド142、第3の熱伝導パッド149及び第1の熱伝導スルーホール143は、対応するバッテリ200の熱を反映し、温度センサ144の上面S1に熱を伝達するように、熱を直接受けることができる。
【0046】
ここで、図面に示され、本明細書に記載されるバッテリ接続モジュールは、本開示の原理を利用することができる多くの種類のバッテリ接続モジュールのうちのいくつかの例にすぎないことに留意されたい。本開示の原理は、図面に示されるか、又は本明細書に記載されるバッテリ接続モジュールの任意の詳細又は任意の構成要素に限定されることが、明確に理解されるべきである。
【0047】
実施例は次のとおりである。
【0048】
本開示の実施形態において、回路基板130は、硬質プリント回路基板(printed circuit board 、PCB)であってもよい。
【0049】
本開示の実施形態において、温度センサ144は、NTCサーミスタ(負温度係数サーミスタ)であってもよい。
【0050】
本開示の実施形態において、橋架片145の材料はニッケルであってもよい。
【0051】
本開示の実施形態において、橋架片145の第1の端部145aは、表面溶接様態によって回路基板130上の第1の熱伝導パッド141を接続することができ、第1の端部145aの橋架片145の貫通孔145cは、溶接強化機能として作用し、橋架片145の第2の端部145bは、超音波溶接様態によって対応する母線120を接続することができる。
【0052】
本開示の実施形態において、母線120の材料は、アルミニウム、銅などのような金属材料であってもよく、単一種類の金属材料の構造、複数の種類の金属材料の積層構造、又はそれらの組み合わせであってもよい。
【0053】
本開示によって提案されるバッテリ接続モジュール100のいくつかの例示的な実施形態の上記の詳細な説明に基づいて、以下、本開示によって提案されるバッテリパックの例示的な実施形態が説明される。
【0054】
図1に示すように、本開示の実施形態において、本開示によって提案されるバッテリパックは、本開示によって提案され、上記の実施形態において詳細に説明されているバッテリ接続モジュール100を含む。ここで、バッテリ接続モジュール100は、バッテリパックの複数のバッテリ200上に設けられ、複数のバッテリ200の2つの端部には、エンドプレート300などのようなフレーム構造、及び他の構造が設けられる。
【0055】
ここで、図面に示され、本明細書に記載されるバッテリパックは、本開示の原理を利用することができる多くの種類のバッテリパックのうちのいくつかの例にすぎないことに留意されたい。本開示の原理は、図面に示されるか、又は本明細書に記載されるバッテリパックの任意の詳細又は任意の構成要素に限定されることが、明確に理解されるべきである。
【0056】
結論として、本開示によって提案されるバッテリ接続モジュールは、トレイと、複数の母線と、回路基板と、温度測定アセンブリと、を含む。温度測定アセンブリは、第1の熱伝導パッド及び第2の熱伝導パッドと、複数の第1の熱伝導スルーホールと、温度センサと、橋架片と、を含む。第1の熱伝導パッド及び第2の熱伝導パッドは、回路基板の上面及び下面にそれぞれ設けられている。複数の第1の熱伝導スルーホールは、第1の熱伝導パッド、第2の熱伝導パッド及び回路基板を貫通する。温度センサは、回路基板の上面又は下面に設けられ、第1の熱伝導パッド又は第2の熱伝導パッドに隣接している。上記設計により、本開示は、回路基板の温度センサとは反対側の表面の熱が、第1の熱伝導パッド、第2の熱伝導パッド、及び第1の熱伝導スルーホールを介して温度センサに伝達されることを可能にすることができ、熱伝達経路が短縮され、温度センサの温度収集の精度が向上し、温度応答時間が短縮され、温度情報収集の感度が向上する。
【0057】
本開示によって提案されるバッテリ接続モジュールの例示的な実施形態は、上で詳細に説明及び/又は図示されている。しかしながら、本開示の実施形態は、本明細書に記載された特定の実施形態に限定されない。逆に、各実施形態の構成要素及び/又はステップは、本明細書に記載の他の構成要素及び/又はステップから独立して別個に使用することができる。一実施形態の各構成要素及び/又はステップはまた、他の実施形態の他の構成要素及び/又はステップと組み合わせて使用されてもよい。本明細書で説明及び/又は図示される要素/構成要素/等を導入するとき、「1つの(one )」、「ある(a/an)」及び「上記の(the above )」という用語は、1つ以上の要素/構成要素/等の存在を示すために使用される。「含む(include/includes/including)」、「備える(comprise/comprises/comprising )」及び「有する(has/have/having )」という用語は、オープンな包含を意味するために使用され、列挙された要素/構成要素/等のほかに、他の要素/構成要素/等が存在し得ることを意味する。加えて、特許請求の範囲及び明細書における「第1」及び「第2」という用語は、マークとしてのみ使用され、それらの対象に対する数的限定としてではない。
【0058】
本開示によって提案されるバッテリ接続モジュールが、異なる特定の実施形態に従って説明されてきたが、当業者は、本開示の実装形態が、特許請求の範囲の趣旨及び範囲内で修正され得ることを認識するであろう。
図1
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