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特許7481580キーボードアセンブリ、デバイスフレームワーク及び電子デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-30
(45)【発行日】2024-05-10
(54)【発明の名称】キーボードアセンブリ、デバイスフレームワーク及び電子デバイス
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/02 20060101AFI20240501BHJP
【FI】
G06F3/02 400
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023512284
(86)(22)【出願日】2021-06-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-06
(86)【国際出願番号】 CN2021103858
(87)【国際公開番号】W WO2022037277
(87)【国際公開日】2022-02-24
【審査請求日】2023-03-27
(31)【優先権主張番号】202010851512.4
(32)【優先日】2020-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】田村 文雄
(72)【発明者】
【氏名】ゾォウ,ヤコォ
(72)【発明者】
【氏名】大塚 亮
【審査官】▲高▼瀬 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-215611(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110047682(CN,A)
【文献】特開2014-154549(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第1452046(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105428123(CN,A)
【文献】特開2015-069645(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キーボードアセンブリであって、キーボード基板と、複数のキーキャップを含むキーキャップアレイと、前記キーキャップに1対1で対応する複数の昇降サポートを含む昇降サポートアレイとを含み、各キーキャップは、前記キーキャップに対応する昇降サポートを用いて前記キーボード基板に接続され、
前記キーボード基板は、ボトムプレート及びトッププレートに接続されるように構成され、前記トッププレートは、前記ボトムプレートに回転可能に接続され、前記ボトムプレートは、前記複数のキーキャップに1対1で対応する複数のキー収容溝を含み、各キー収容溝は、凹状斜面を含み、前記昇降サポートは、前記キー収容溝内に位置し、前記昇降サポートの一端は、前記凹状斜面に当接し、前記凹状斜面上を摺動可能であり、前記トッププレートが前記ボトムプレートに対して第1の指定位置まで回転するプロセスでは、前記トッププレートが前記キーボード基板を前記ボトムプレートに対して移動させて、各昇降サポートが前記凹状斜面上を第1の方向に摺動し、各昇降サポートが下降して、各キーキャップを下降させ、
前記トッププレートが前記ボトムプレートに対して第2の指定位置まで回転するプロセスでは、前記トッププレートが前記キーボード基板を前記ボトムプレートに対して移動させて、各昇降サポートが前記凹状斜面上を第2の方向に摺動し、各昇降サポートが上昇して、各キーキャップを上昇させ、それにより、前記キーキャップのキー移動距離を増加させ、
前記トッププレートが前記第1の指定位置まで回転する方向は、前記トッププレートが前記第2の指定位置まで回転する方向とは逆である、
キーボードアセンブリ。
【請求項2】
前記トッププレートが前記ボトムプレートに対して回転するとき、前記ボトムプレートは静止したままであり、前記トッププレートは、前記キーボード基板を前記ボトムプレートに対して移動させる、請求項1に記載のキーボードアセンブリ。
【請求項3】
前記トッププレートの一方の側には回転シャフト構造が配置され、前記トッププレートは、前記回転シャフト構造を用いて前記ボトムプレート及び前記キーボード基板のそれぞれに接続される、請求項2に記載のキーボードアセンブリ。
【請求項4】
前記キーボード基板は、複数のクランプアセンブリを更に含み、各クランプアセンブリは、2つの第1のクランプ部材と2つの第2のクランプ部材とを含み、前記昇降サポートは、第1のマウントと、前記第1のマウントに接続された第2のマウントとを含み、前記第1のマウントの一端は、前記第1のクランプ部材に接続され、前記第2のマウントの一端は、前記キーボード基板に当接し、前記キーボード基板上を摺動可能であり、前記第2のマウントの一端は、前記第2のマウントの一端が前記第2のクランプ部材に対して摺動するときに前記第2のクランプ部材に接続されることができ、前記第1のマウントの他端は、前記キーキャップに当接し、前記キーキャップ上を摺動可能であり、前記第2のマウントの他端は、前記キーキャップに接続される、請求項1から3のいずれか一項に記載のキーボードアセンブリ。
【請求項5】
2つのサイドプレートが前記第1のマウント上に配置され、各サイドプレートは、楔形であり、凸状角部を含み、前記凸状角部は、前記凹状斜面に当接して合致し、前記トッププレートが前記ボトムプレートに対して前記第1の指定位置まで回転する前記プロセスでは、前記トッププレートが前記キーボード基板を前記ボトムプレートに対して移動させて、各凸状角部が前記凹状斜面上を前記第1の方向に摺動し、前記トッププレートが前記ボトムプレートに対して前記第2の指定位置まで回転する前記プロセスでは、前記トッププレートが前記キーボード基板を前記ボトムプレートに対して移動させて、各凸状角部が前記凹状斜面上を前記第2の方向に摺動する、請求項4に記載のキーボードアセンブリ。
【請求項6】
前記ボトムプレートは、キーボード面を更に含み、前記トッププレートが前記第1の指定位置にあるとき、前記キーキャップは、前記キー収容溝に収容され、少なくとも前記ボトムプレートの前記キーボード面よりも低いか又は前記キーボード面と同一平面にある、請求項5に記載のキーボードアセンブリ。
【請求項7】
前記キーボード基板上には複数の第1の制限孔が更に形成され、前記第1の制限孔の長辺の延在方向は、前記キーボード基板の移動方向と同じであり、制限部材は、前記第1の制限孔及び前記ボトムプレートを順次通過して、前記キーボード基板と前記ボトムプレートとを摺動可能に接続し、前記制限部材は、前記トッププレートが前記第1の指定位置と前記第2の指定位置との間で回転するとき、前記キーボード基板に対して前記第1の制限孔内で摺動する、請求項1に記載のキーボードアセンブリ。
【請求項8】
前記第1の制限孔の2つの短辺のそれぞれに折曲辺が配置され、2つの前記折曲辺にパッドが配置され、前記パッドに第2の制限孔が設けられ、前記第2の制限孔の長辺の延在方向は、前記第1の制限孔の前記長辺の前記延在方向と同じであり、前記制限部材は、前記第1の制限孔、前記第2の制限孔、及び前記ボトムプレートを順次通過して、前記キーボード基板と前記ボトムプレートとを摺動可能に接続し、前記制限部材は、前記トッププレートが前記第1の指定位置と前記第2の指定位置との間で回転するとき、前記キーボード基板に対して前記第2の制限孔内を摺動する、請求項7に記載のキーボードアセンブリ。
【請求項9】
前記制限部材は、制限部と、前記制限部に垂直に固定される固定部とを含み、前記制限部の断面寸法は、前記固定部の断面寸法よりも大きく、前記制限部の前記断面寸法は、前記第2の制限孔の短辺の断面寸法よりも大きく、前記固定部の前記断面寸法は、前記第2の制限孔の前記短辺の前記断面寸法より小さい、請求項8に記載のキーボードアセンブリ。
【請求項10】
前記キーキャップは、少なくとも1つの固定ブロックと2つの第3のクランプ部材とを含み、前記第1のマウントには第1の連結シャフトが更に配置され、前記第1の連結シャフトの2つの端部は、前記第3のクランプ部材に別々に摺動可能に接続され、前記第2のマウントには2つの第3のクランプシャフトが更に配置され、前記第3のクランプシャフトは、前記固定ブロックに接続される、請求項4に記載のキーボードアセンブリ。
【請求項11】
前記第1のマウントには第1のクランプシャフトが配置され、前記第2のマウントには2つの第2のクランプシャフトが更に配置され、前記第1のクランプシャフトの2つの端部は前記2つの第1のクランプ部材に接続され、前記第2のクランプシャフトは前記第2のクランプ部材に摺動可能に接続される、請求項4に記載のキーボードアセンブリ。
【請求項12】
トッププレートと、ボトムプレートと、請求項1から11のいずれか一項に記載の1つのキーボードアセンブリとを更に含む、デバイスフレームワーク。
【請求項13】
1つの画面を含む電子デバイスであって、前記電子デバイスは、請求項12に記載のデバイスフレームワークを更に含み、前記画面は、前記トッププレート上に配置され、前記キーボードアセンブリに面し、前記画面は、ワイヤード又はワイヤレス方式で前記デバイスフレームワークに接続される、電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、端末技術の分野に関し、特に、キーボードアセンブリ、デバイスフレームワーク、及び電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ノートブックコンピュータが小型化及び薄型化されるにつれて、キーボードは、サイズがより小さく、より薄くなり、キーボードの厚さは、キー移動距離に直接影響を及ぼす。これは、キーストローク感覚を維持及び改善するためのより高い課題を提起する。従って、端末製品の小型化の傾向において、消費者にとって操作が快適なキーボードに提供するのに十分に長いキー移動距離を確保することが非常に重要である。
【0003】
従来の技術では、通常、平坦な外観及び連続したキーボード面構造を有するキーボードが使用される。このキーボードでは、鋼線に固定されたフックを用いてキーキャップの角部を押圧し、フックを回転させることでキーキャップを上昇又は下降させる。キーを使用しないときには、鋼線を回転させることでフックを駆動し、キーを押圧してキーボード面と同一平面の位置まで沈み込ませ、キーボード面全体を平面に見せることで、外観の美しさと消費者の感覚を向上させる。キーを使用するときには、フックを反転させて圧力を逃がし、キーキャップを必要な高さまで上昇させる。このような構造を使用して、薄型のコンピュータであってもキー移動距離を十分に確保することができる。しかしながら、キーボードを製造するためには、高い摩擦係数を有する材料及び機構を使用する必要があり、また、全てのキーに鋼線及びフックを溶接する必要があるため、部品の量が増加し、全体的な重量及びコストが増加する。
【発明の概要】
【0004】
これに鑑みて、本出願は、薄い形状、長いキー移動距離、簡素化された全体構造、及び低減された製造コストを有するキーボードアセンブリを提供する。
【0005】
キーボードアセンブリが適用されるデバイスフレームワークも提供される必要がある。
【0006】
デバイスフレームワークを含む電子デバイスも提供される必要がある。
【0007】
本出願の実施形態の第1の態様によれば、キーボードアセンブリであって、キーボード基板と、複数のキーキャップを含むキーキャップアレイと、キーキャップに1対1で対応する複数の昇降サポートを含む昇降サポートアレイとを含み、各キーキャップは、キーキャップに対応する昇降サポートを用いてキーボード基板に接続され、キーボード基板は、1つのボトムプレート及び1つのトッププレートに接続されるように構成され、トッププレートは、ボトムプレートに回転可能に接続され、ボトムプレートは、複数のキーキャップに1対1で対応する複数のキー収容溝を含み、各キー収容溝は、凹状斜面を含み、昇降サポートは、キー収容溝内に位置し、昇降サポートの一端は、凹状斜面に当接し、凹状斜面上を摺動可能であり、トッププレートがボトムプレートに対して第1の指定位置まで回転するプロセスでは、トッププレートがキーボード基板をボトムプレートに対して移動させて、各昇降サポートが凹状斜面上を第1の方向に摺動し、各昇降サポートが下降して、各キーキャップを下降させ、トッププレートがボトムプレートに対して第2の指定位置まで回転するプロセスでは、トッププレートがキーボード基板をボトムプレートに対して移動させて、各昇降サポートが凹状斜面上を第2の方向に摺動し、各昇降サポートが上昇して、各キーキャップを上昇させ、それにより、キーキャップのキー移動距離を増加させ、トッププレートが第1の指定位置まで回転する方向は、トッププレートが第2の指定位置まで回転する方向とは逆である、キーボードアセンブリが提供される。
【0008】
この場合、キーボードアセンブリでは、トッププレートが回転してキーボード基板を押したり引いたりして並進を行い、昇降サポートの一端とキー収容溝の凹状斜面とが互いに押圧して相対変位を生じさせ、その結果、昇降サポートが長手方向に伸縮してキーキャップを上昇又は下降させ、それにより、安定した動き、薄い形状、及び長いキー移動距離を有するキーボードアセンブリを得る。加えて、本出願で提供されるキーボードアセンブリでは、キーキャップの上昇又は下降を可能にするために少量の単純な構成要素を使用して、キーボードアセンブリ又はデバイスフレームワークの全体的な構造を簡素化し、キーボードアセンブリ又はデバイスフレームワークの全体的な重量及び製造コストを更に低減する。
【0009】
本出願の一実装形態では、トッププレートがボトムプレートに対して回転するとき、ボトムプレートは静止したままであり、トッププレートは、キーボード基板をボトムプレートに対して移動させる。この場合、安定した動き、薄い形状、及び長いキー移動距離を有するキーボードアセンブリを得ることができ、キーボードアセンブリ又はデバイスフレームワークの全体的な構造が簡素化され、キーボードアセンブリ又はデバイスフレームワークの全体的な重量及び製造コストが更に低減される。
【0010】
本出願の一実装形態では、トッププレートの一方の側には回転シャフト構造が配置され、トッププレートは、回転シャフト構造を用いてボトムプレート及びキーボード基板のそれぞれに接続される。この場合、トッププレートがボトムプレートに対して回転するとき、回転シャフト構造を利用して、キーボード基板とボトムプレートとの間の移動をより円滑にすることができる。
【0011】
本出願の一実装形態では、キーボード基板は、複数のクランプアセンブリを更に含み、各クランプアセンブリは、2つの第1のクランプ部材と2つの第2のクランプ部材とを含み、昇降サポートは、第1のマウントと、第1のマウントに接続された第2のマウントとを含み、第1のマウントの一端は、第1のクランプ部材に接続され、第2のマウントの一端は、キーボード基板に当接し、キーボード基板上を摺動可能であり、第2のマウントの一端は、第2のマウントの一端が第2のクランプ部材に対して摺動するときに第2のクランプ部材に接続されることができ、第1のマウントの他端は、キーキャップに当接し、キーキャップ上を摺動可能であり、第2のマウントの他端は、キーキャップに接続される。第1のクランプ部材、第2のクランプ部材、第1のマウント、及び第2のマウントは、昇降サポートとキーボード基板との間の接続がより適切になるように配置され、昇降サポートは、キーボード基板が移動するにつれて上昇又は下降し、キーキャップは、昇降サポートが上昇又は下降するにつれて上昇又は下降する。
【0012】
本出願の一実装形態では、2つのサイドプレートが第1のマウント上に配置され、各サイドプレートは、楔形であり、凸状角部を含み、凸状角部は、凹状斜面に当接して合致し、トッププレートがボトムプレートに対して第1の指定位置まで回転するプロセスでは、トッププレートがキーボード基板をボトムプレートに対して移動させて、各凸状角部が凹状斜面上を第1の方向に摺動し、トッププレートがボトムプレートに対して第2の指定位置まで回転するプロセスでは、トッププレートがキーボード基板をボトムプレートに対して移動させて、各凸状角部が凹状斜面上を第2の方向に摺動する。凸状角部は、トッププレートと凹状斜面とに合致するので、キーキャップは、昇降サポートが上昇すると、上昇する。
【0013】
本出願の一実装形態では、ボトムプレートは、キーボード面を更に含み、トッププレートが第1の指定位置にあるとき、キーキャップは、キー収容溝に収容され、少なくともボトムプレートのキーボード面よりも低いか又はキーボード面と同一平面にある。この場合、キーキャップと画面とが互いに干渉し、画面が損傷するのを回避して、平坦なキーボード外観面を有するキーボードアセンブリを得ることが可能である。
【0014】
本出願の一実装形態では、キーボード基板上には複数の第1の制限孔が更に形成され、第1の制限孔の長辺の延在方向は、キーボード基板の移動方向と同じであり、制限部材は、第1の制限孔及びボトムプレートを順次通過して、キーボード基板とボトムプレートとを摺動可能に接続し、制限部材は、トッププレートが第1の指定位置と第2の指定位置との間で回転するとき、キーボード基板に対して第1の制限孔内で摺動する。この場合、キーボード基板とボトムプレートとが摺動可能に接続され得、パッドとキーボード基板とが限定される。
【0015】
本出願の一実装形態では、第1の制限孔の2つの短辺のそれぞれに1つの折曲辺が配置され、2つの折曲辺にパッドが配置され、パッドに第2の制限孔が設けられ、第2の制限孔の長辺の延在方向は、第1の制限孔の長辺の延在方向と同じであり、制限部材は、第1の制限孔、第2の制限孔、及びボトムプレートを順次通過して、キーボード基板とボトムプレートとを摺動可能に接続し、制限部材は、トッププレートが第1の指定位置と第2の指定位置との間で回転するとき、キーボード基板に対して第2の制限孔内を摺動する。この場合、キーボード基板の移動精度を確保することができるだけでなく、キーボード基板とボトムプレートとの相対移動の円滑性も確保することができる。
【0016】
本出願の一実装形態では、制限部材は、制限部と、制限部に垂直に固定される固定部とを含み、制限部の断面寸法は、固定部の断面寸法よりも大きく、制限部の断面寸法は、第2の制限孔の短辺の断面寸法よりも大きく、固定部の断面寸法は、第2の制限孔の短辺の断面寸法より小さい。この場合、キーボード基板の移動精度を確保することができるだけでなく、キーボード基板とボトムプレートとの相対移動の円滑性も確保することができる。
【0017】
本出願の一実装形態では、キーキャップは、少なくとも1つの固定ブロックと2つの第3のクランプ部材とを含み、第1のマウントには第1の連結シャフトが更に配置され、第1の連結シャフトの2つの端部は、第3のクランプ部材に別々に摺動可能に接続され、第2のマウントには2つの第3のクランプシャフトが更に配置され、第3のクランプシャフトは、固定ブロックに接続される。この場合、昇降サポートとキーキャップとの間の接続をより適切にすることができる。
【0018】
本出願の一実装形態では、第1のマウントには第1のクランプシャフトが配置され、第2のマウントには2つの第2のクランプシャフトが更に配置され、第1のクランプシャフトの2つの端部は2つの第1のクランプ部材に接続され、第2のクランプシャフトは第2のクランプ部材に摺動可能に接続される。この場合、昇降サポートとキーボード基板との接続をより適切にすることができる。
【0019】
本出願の実施形態の第2の態様によれば、デバイスフレームワークが提供される。デバイスフレームワークは、トッププレートと、ボトムプレートと、上述のキーボードアセンブリとを含む。この場合、安定した動き、薄い形状、及び長いキー移動距離を有するキーボードアセンブリを得ることができ、キーボードアセンブリ又はデバイスフレームワークの全体的な構造が簡素化され、キーボードアセンブリ又はデバイスフレームワークの全体的な重量及び製造コストが更に低減される。
【0020】
本出願の実施形態の第3の態様によれば、画面を含む電子デバイスが提供される。電子デバイスは、上述のようなデバイスフレームワークを更に含み、画面は、トッププレート上に配置され、キーボードアセンブリに面し、画面は、ワイヤード又はワイヤレス方式でデバイスフレームワークに接続される。この場合、安定した動き、薄い形状、及び長いキー移動距離を有するキーボードアセンブリを得ることができ、キーボードアセンブリ又はデバイスフレームワークの全体的な構造が簡素化され、キーボードアセンブリ又はデバイスフレームワークの全体的な重量及び製造コストが更に低減される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本出願の好ましい実装形態によるデバイスフレームワークの分解図である。
図2図1に示すトッププレートの3次元構造の概略図と、トッププレートの部分拡大図である。
図3図1に示すキーキャップ及び昇降サポートの3次元構造の概略図である。
図4図3に示すキーキャップ及び昇降サポートの分解図である。
図5】別の視点からの、図4に示すキーの第1のマウントの概略3次元図である。
図6】別の視点からの、図4に示すキーの第2のマウントの概略3次元図である。
図7図1に示すキーボード基板の3次元構造の概略図と、キーボード基板の部分拡大図である。
図8図7に示すキーボード基板における第1のクランプ部材及び第2のクランプ部材の一部破断図である。
図9図5に示す第1のマウントと図8に示す第1のクランプ部材との間の接続の概略図である。
図10図6に示す第2のマウントと図8に示す第2のクランプ部材との間の接続の概略図である。
図11図1に示すボトムプレート(キーボード基板付き)の概略3次元図と、ボトムプレート(キーボード基板付き)の部分拡大図である。
図12図11に示す制限構造の底面図である。
図13図12に示す制限構造の破断図である。
図14】キーキャップの下降プロセスの概略図であり、キーキャップの下降プロセスにおける第2の制限孔内の制限部材の移動軌跡を示す。
図15図1に示すデバイスフレームワークを閉じた状態(トッププレートが第1の指定位置にある状態)で示す破断図及び部分拡大図であり、一部の要素は隠れている。
図16図15に示すXVI部の拡大図である。
図17図1に示すデバイスフレームワークを展開状態(トッププレートが第2の指定位置にある)で示す破断図であり、一部の要素は隠れている。
図18図17に示すXVIIIの拡大図である。
図19図1に示すキーボードアセンブリを半展開状態(トッププレートが第3の指定位置にある)で示す破断図であり、一部の要素は隠れている。
図20図19に示すXXの拡大図である。
【0022】
主な要素の記号の説明
【表1】

【0023】
以下の特定の実装形態では、本発明は、添付の図面を参照して更に説明される。
【発明を実施するための形態】
【0024】
所定の適用目的を達成するための本出願の技術的手段及び有効性を更に説明するために、以下では、図1図19及び好ましい実装形態を参照して、本出願において提供されるキーボードアセンブリ、キーボード、及び電子デバイスの特定の実装形態、構造、特徴、及び有効性を詳細に説明する。説明される実施形態は、本出願の実施形態の一部にすぎず、全てではないことは明らかである。創造的な努力なしに本出願の実施形態に基づいて当業者によって得られる全ての他の実施形態は、本出願の保護範囲内に入るものとする。
【0025】
ある要素が別の要素に「接続される」と考えられるとき、その要素は、その別の要素に直接接続されてもよいし、中間に要素が配置されていてもよいことに留意されたい。ある要素が別の要素上に「配置される」と考えられるとき、その要素は、その別の要素に直接配置されてもよいし、中間に要素が配置されていてもよい。
【0026】
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本出願の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で使用される用語は、単に特定の実施形態を説明するためのものであり、本出願を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される「及び/又は」という用語は、1つ又は複数の関連する列挙された項目のうちのいずれか及び全ての組合せを含む。
【0027】
本出願の一実施形態は、キーボードアセンブリと、トッププレートと、ボトムプレートとを含むデバイスフレームワークを提供する。キーボードアセンブリは、キーボード基板と、複数のキーキャップを含むキーキャップアレイと、キーキャップに1対1で対応する複数の昇降サポートを含む昇降サポートアレイとを含む。各キーキャップは、キーキャップに対応する昇降サポートを用いてキーボード基板に接続される。キーボード基板は、ボトムプレートに接続され、キーボード基板は、ボトムプレートに対して摺動可能である。ボトムプレートは、複数のキーキャップに1対1で対応する複数のキー収容溝を含み、各キー収容溝は、凹状斜面を含み、昇降サポートは、キー収容溝内に位置し、昇降サポートの一端は、凹状斜面に当接し、凹状斜面上を摺動可能である。キーボード基板は、トッププレートに接続され、トッププレートは、ボトムプレートに回転可能に接続される。トッププレートがボトムプレートに対して第1の指定位置まで回転するプロセスでは、トッププレートがキーボード基板をボトムプレートに対して移動させて、各昇降サポートが凹状斜面上を第1の方向に摺動し、各昇降サポートが下降して、各キーキャップを下降させる。トッププレートがボトムプレートに対して第2の指定位置まで回転するプロセスでは、トッププレートがキーボード基板をボトムプレートに対して移動させて、各昇降サポートが凹状斜面上を第2の方向に摺動し、各昇降サポートが上昇して、各キーキャップを上昇させる。トッププレートが第1の指定位置まで回転する方向は、トッププレートが第2の指定位置まで回転する方向とは逆である。
【0028】
ここで、「第1の指定位置」とは、キーボード基板に対するトッププレートの展開角度が0度のとき、言い換えると、トッププレートが閉じているときにトッププレートが位置する位置であり、「第2の指定位置」とは、キーボード基板に対するトッププレートの展開角度が90度のときにトッププレートが位置する位置である。
【0029】
この説明から、この実装形態において提供される昇降サポートは、キーキャップが上昇又は下降するための動力(power)を提供する機能を実現することができることが分かる。前述した機能を実現するためには、トッププレートとキーボード基板とボトムプレートとの間の合致を通して、昇降サポートを実装する必要がある。トッププレート、キーボード基板、及びボトムプレートは、異なる構造を用いて実装され得、それぞれの理解のために添付の図面及び特定の実装形態を参照して以下で詳細に説明される。
【0030】
図1を参照する。本出願の一実施形態は、デバイスフレームワーク100を提供する。デバイスフレームワーク100は、電子デバイスに適用される。電子デバイスは、従来技術におけるデスクトップコンピュータ又はノートブックコンピュータなどの一般的な端末であってもよいし、ワイヤード又はワイヤレスキーボードに外部接続されたデバイス、又はキーボードに接続された携帯電話であってもよい。この実装形態では、デバイスフレームワーク100は、ノートブックコンピュータに適用されるデバイスフレームワークである。この実装形態では、電子デバイスは、デバイスフレームワーク100と、デバイスフレームワーク100上に配置された画面とを含む。別の実装形態では、画面は、デバイスフレームワーク100上に配置されなくてもよく、画面及びデバイスフレームワーク100がワイヤード又はワイヤレス方式で接続されてもよい。
【0031】
図1を参照する。デバイスフレームワーク100は、トッププレート110と、キーボードアセンブリ1001と、ボトムプレート140とを含む。
【0032】
キーボードアセンブリ1001は、キーボード基板130と、複数のキーキャップ210を含むキーキャップアレイ120と、キーキャップ210に1対1で対応する複数の昇降サポート220を含む昇降サポートアレイ121とを含む。各キーキャップ210は、キーキャップ210に対応する昇降サポート220を用いてキーボード基板130に接続される。キーボード基板130は、ボトムプレート140に接続され、ボトムプレート140に対して摺動可能である。キーボード基板130は、トッププレート110に接続され、トッププレート110は、ボトムプレート140に回転可能に接続される。
【0033】
トッププレート110は、キーキャップアレイ120が上昇又は下降するための動力を提供するように構成される。
【0034】
この実装形態では、電子デバイスの画面は、トッププレート110上に固定され、キーキャップアレイ120に面する。
【0035】
図2を参照する。トッププレート110の一方の側には少なくとも回転シャフト構造10が配置され、トッププレート110は、回転シャフト構造10を用いてキーボード基板130に回転可能に接続される。具体的には、回転シャフト構造10は、トッププレート上に固定された1つのシャフトスリーブ11と、シャフトスリーブ11を貫通し、シャフトスリーブ11上に固定された回転シャフト12と、回転シャフト12の一端に形成された偏心突起13とを含む。トッププレート110は、偏心突起13を用いてキーボード基板130に摺動可能に接続され、トッププレート110は、回転シャフト12を用いてボトムプレート140に回転可能に接続される。偏心突起13の中心と回転シャフト12の中心とが同一直線上にないので、トッププレート110がボトムプレート140に対して回転するとき、トッププレート110は、キーボード基板130の円弧スロット311(以下の説明を参照)内で摺動可能であり、キーボード基板130を摺動させる。
【0036】
この実装形態では、2つの回転シャフト構造10があり、2つの回転シャフト構造10は、トッププレート110の同じ側且つ同一直線上に形成される。当然ながら、別の実装形態では、回転シャフト構造10の数量は、2つに限定されず、実際の状況に基づいて決定され得る。
【0037】
図3を参照する。昇降サポート220は、第1のマウント22と、第1のマウント22に接続された第2のマウント23とを含む。この実装形態では、昇降サポート220は、X字形状を有する。第1のマウント22の一端は、キーボード基板130に接続され、他端は、キーキャップ210に当接し、キーキャップ210上を摺動可能である。第2のマウント23の一端は、キーキャップ210に接続され、他端は、キーボード基板130に当接し、キーボード基板130上を摺動可能である。好ましくは、第1のマウント22及び第2のマウント23は、ヒンジ方式に接続される。当然ながら、第1のマウント22及び第2のマウント23は、ヒンジ方式に限定されない別の方式で接続されてもよい。
【0038】
図4を参照する。各キーキャップ210は、第1の表面211と、第1の表面211の反対側の第2の表面212とを含む。キーキャップ210の第2の表面212上には、2つの固定ブロック213と、2つの制限溝214と、2つの第3のクランプ部材215と、少なくとも1つの第1の収容溝216とが更に形成される。第1の収容溝216及び制限溝214は、キーキャップ210の第2の表面212の2つの対向する端部にそれぞれ位置する。固定ブロック213は、第1の収容溝216と制限溝214との間に位置し、第1の収容溝216に近接して配置される。各固定ブロック213上には第2のクランプスリット2131が形成される。2つの第3のクランプ部材215はそれぞれ、制限溝214内に位置し、固定される。
【0039】
図4を参照する。第1のマウント22は、第1の側壁221と、第2の側壁222と、第3の側壁223と、第4の側壁224とを含み、これらは、ヘッドツーテールで接続されている。第1の側壁221、第2の側壁222、第3の側壁223、及び第4の側壁224は、第1の収容チャンバ228を取り囲む。第2のマウント23は、第1の収容チャンバ228に収容される。この実装形態では、第1の側壁221は、第2の側壁222の反対側に配置され、第3の側壁223は、第4の側壁224の反対側に配置される。この実装形態では、第1の側壁221、第2の側壁222、第3の側壁223、及び第4の側壁224は、一体的に形成される。
【0040】
第3の側壁223の一側面には第1のクランプシャフト225が固定され、第1のクランプシャフト225は、第3の側壁223から突出している。第1のクランプシャフト225の2つの端部は、キーボード基板130の第1のクランプ部材331(以下の説明を参照)にそれぞれ接続される。好ましくは、第1のクランプシャフト225及び第1のクランプ部材331は、ヒンジ方式に接続される。当然ながら、第1のマウント22及び第1のクランプ部材331は、ヒンジ方式に限定されない別の方式で接続されてもよい。
【0041】
第4の側壁224の2つの端部には、2つのサイドプレート227と、2つのサイドプレート227の表面から延在する第1の連結シャフト226とが配置される。2つのサイドプレート227は、第4の側壁224に対してほぼ垂直に配置され、各サイドプレート227は、ほぼ楔形であり、凸状角部2271を有する。第1の連結シャフト226の2つの端部は、第4の側壁224から突出し、2つの凸状角部2271上に固定される。第1の連結シャフト226の2つの端部は、制限溝214を貫通し、キーキャップ210の第3のクランプ部材215に接続される。キーキャップ210が上昇すると、第1の連結シャフト226は、制限溝214内を第1の方向に摺動し、第3のクランプ部材215から取り外される。
【0042】
第1の側壁221及び第2の側壁222のそれぞれにピン軸孔229が形成され、2つのピン孔229は対向する位置を有する。
【0043】
図6を参照する。第3の側壁223上には突出ブロック2231が更に形成され、突出ブロック2231は、第1の収容溝216内に収容される。キーキャップ210が上昇すると、突出ブロック2231は、第1の収容溝216から取り外される。
【0044】
図4及び図6を参照する。第2のマウント23上には、2つの第2の収容溝231及び2つの第3の収容溝232が配置される。2つの第2の収容溝231及び2つの第3の収容溝232は、第2のマウント23の2つの端部にそれぞれ位置する。
【0045】
第2のマウント23上には、2つの第2のクランプシャフト233及び2つの第3のクランプシャフト234が更に配置される。2つの第2のクランプシャフト233は、2つの第2の収容溝231にそれぞれ収容されて固定され、それぞれキーボード基板130の第2のクランプ部材332(以下の説明を参照)に摺動可能に接続される。第2のマウント23の一端が第2のクランプ部材332に摺動すると、2つの第2のクランプシャフト233が第2のクランプ部材に接続される。2つの第3のクランプシャフト234は、2つの第3の収容溝232にそれぞれ収容されて固定され、第3のクランプシャフト234は、第2のクランプスリット2131に収容されて固定ブロック213に接続される。キーキャップ210が上昇すると、第2のクランプシャフト233は、第2のクランプ部材332から取り外される。
【0046】
第2のマウント23に2つのピン軸235が更に配置され、2つのピン軸235は、第2のマウント23の2つの対向する側にそれぞれ位置し、対向する位置を有する。2つのピン軸235は、2つのピン軸孔229にそれぞれ合致して、第2のマウント23と第1のマウント22とを接続する。
【0047】
図7及び図8を参照する。キーボード基板130は、本体部32と、本体部32に固定された2つの連結アーム31とを含み、昇降サポート220の一端は、本体部32に接続される。具体的には、各連結アーム31の、本体部32から離れた一端には、1つの円弧スロット311が設けられ、円弧スロット311は、連結アーム31を貫通している。この実装形態では、円弧スロット311の中心は、円弧スロット311と本体部32との間に位置する。円弧スロット311は、偏心突起13に外嵌される。トッププレート110が折り畳まれたり展開されたりするとき、偏心突起13は、円弧スロット311内で摺動可能であり、キーボード基板130を摺動させる。
【0048】
キーボード基板130は、複数のクランプアセンブリ33を更に含む。複数のクランプアセンブリ33は、本体部32に固定されている。
【0049】
本体部32に対する連結アーム31の距離は、実際の状況に基づいて調整され得る。
【0050】
具体的には、本体部32は、キーボード基板本体321と、キーボード基板本体321の縁部から延在する突出縁部322とを含む。連結アーム31は、突出縁部322上に固定される。複数のクランプアセンブリ33は、キーボード基板本体321上に形成される。
【0051】
具体的には、各クランプアセンブリ33は、2つの第1のクランプ部材331と2つの第2のクランプ部材332とを含む。2つの第1のクランプ部材331は対向する位置を有し、2つの第2のクランプ部材332は対向する位置を有し、第1のクランプ部材331及び第2のクランプ部材332は対向する位置を有する。
【0052】
この実装形態では、第1のクランプ部材331及び第2のクランプ部材332はそれぞれ、クランプフックである。第1のクランプ部材331のフックと第2のクランプ部材332のフックとは、互いに反対方向に配置される。
【0053】
各第1のクランプ部材331とキーボード基板本体321との間には第1の干渉防止切欠部(ani-interference cut)34が形成され、各第2のクランプ部材332とキーボード基板本体321との間には第2の干渉防止切欠部35が形成される。第1の干渉防止切欠部34は、第1のクランプシャフト225の2つの端部を収容するように構成される。第2の干渉防止切欠部35は、第2のクランプシャフト233を収容するように構成される。
【0054】
図9を参照する。第1のクランプシャフト225の2つの端部は、2つの第1の干渉防止切欠部34に収容され、2つの第1のクランプ部材331に接続される。好ましくは、第1のクランプシャフト225及び第1のクランプ部材331は、ヒンジ方式に接続される。当然ながら、第1のマウント22及び第1のクランプ部材331は、ヒンジ方式に限定されない別の方式で接続されてもよい。
【0055】
図10を参照する。第2のクランプ部材332は、第2の収容溝231を通過する。第2のクランプシャフト233は、第2の干渉防止切欠部35に収容され、第2のクランプ部材332に摺動可能に接続される。キーキャップ210が上昇すると、第2のクランプ部材332は、第2のクランプシャフト233から取り外され、第2の収容溝231内で摺動可能である。
【0056】
図11図14を参照する。キーボード基板本体321には、複数の第1の制限孔36が更に形成される。この実装形態では、第1の制限孔36は矩形孔である。第1の制限孔36の長辺の延在方向は、キーボード基板130の移動方向と同じである。第1の制限孔36の2つの短辺には、それぞれ1つの折曲辺361が配置される。2つの折曲辺361にはパッド37が配置される。パッド37には、第2の制限孔371が設けられ、第2の制限孔371の長辺の延在方向は、第1の制限孔36の長辺の延在方向と同じである。第2の制限孔371及び第1の制限孔36の位置は、ボトムプレート140の2つの隣接するキー収容溝41(以下の説明を参照)の間のボトムプレート140の中実部分に対向する。この実装形態では、第2の制限孔371は、長孔である。段状の制限部材38は、第1の制限孔36及び第2の制限孔371を順次通過し、ボトムプレート140上に固定される。
【0057】
図14を参照する。キーボード基板130とボトムプレート140との間にはパッド37が配置されているので、キーボード基板130とボトムプレート140との間には間隙372がある。キーボード基板130は、金属板131と、金属板131上に形成された薄膜回路層132と、バックライトフィルム層133とを更に含む。薄膜回路層132及びバックライトフィルム層133は、金属板131の2つの対向する表面上に形成される。第1の制限孔36は、金属板131上に形成され、折曲辺361は、金属板131の一部である。また、キーボード基板130上の、昇降サポート220に対応する位置には、第3の干渉防止切欠部134も形成される。昇降サポート220の第1のマウント22の凸状角部2271が、ボトムプレート140の凹状斜面411(以下の説明を参照)の底端部まで摺動すると、間隙372が第3の干渉防止切欠部134に合致し、第1のマウント22のサイドプレート227を第3の干渉防止切欠部134に収容する。
【0058】
この実装形態では、具体的には、制限部材38は、段付きねじである。制限部材38は、制限部381と固定部382とを含み、固定部382は、制限部381に垂直に固定される。制限部381は、ボス形状を呈している。制限部381の断面寸法は、固定部382の断面寸法よりも大きい。制限部381の断面寸法は、パッド37が脱落するのを防止し、第2の制限孔371の短辺方向に制限を課すために、パッド37の第2の制限孔371の短辺の断面寸法よりも大きい。固定部382の断面寸法は、第2の制限孔371の短辺の断面寸法よりも小さいので、キーボード基板130が引っ張られると、制限部材38は、第2の制限孔371の長辺方向に第2の制限孔371内で摺動可能である。制限部材38の制限部381は、ボトムプレート140に合致して、キーボード基板130とパッド37とを共に固定し、パッド37とキーボード基板130とを制限し、キーボード基板130の移動精度を確保する。
【0059】
この実装形態では、パッド37の材料は、キーボード基板130とボトムプレート140との間の相対移動の円滑性を確保するために、低い摩擦係数を有する材料である。この実装形態では、パッド37の材料は、ポリホルムアルデヒド(polyformaldehyde、POM)、ポリエチレン(polyethylene、PE)、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)などである。
【0060】
図11及び図14を参照する。ボトムプレート140は、複数のキーキャップ210に1対1で対応する複数のキー収容溝41を含み、各キー収容溝41の内壁は、少なくとも1つの凹状斜面411(図14を参照)を有する。凹状斜面411は、凸状角部2271に向かって傾斜している。昇降サポート220は、複数のキー収容溝41に収容され、凸状角部2271は、凹状斜面411に当接する。凸状角部2271は、凹状斜面411に当接し、凹状斜面411上で摺動可能である。
【0061】
トッププレート110がボトムプレート140に対して第1の指定位置まで回転するプロセスでは、トッププレート110がキーボード基板130をボトムプレート140に対して移動させて、各昇降サポート220の凸状角部2271が凹状斜面411上を第1の方向に摺動し、各昇降サポート220が下降して、各キーキャップ210を下降させる。トッププレート110がボトムプレート140に対して第2の指定位置まで回転するプロセスでは、トッププレート110がキーボード基板130をボトムプレート140に対して移動させて、各昇降サポート220の凸状角部2271が凹状斜面411上を第2の方向に摺動し、各昇降サポート220が上昇して、各キーキャップ210を上昇させる。トッププレート110が第1の指定位置まで回転する方向は、トッププレート110が第2の指定位置まで回転する方向とは逆である。
【0062】
トッププレート110の展開角度は0度~90度である。
【0063】
図14図16を参照する。トッププレート110が第1の指定位置にある(トッププレート110が閉じられている)とき、キーボード基板130及び昇降サポート220はロック位置にあり、トッププレート110及び凹状斜面411は、キーキャップ210に対して下向きの圧力を与えて、キーキャップ210が押圧される位置でキーキャップ210をロックする。この場合、キーキャップアレイ120は、最も低い位置まで下降し、キーキャップ210は、少なくともボトムプレートのキーボード面42(以下の説明を参照)よりも低いか又はそれと同一平面にある。
【0064】
具体的には、トッププレート110が閉じられる(トッププレート110が第1の指定位置にある)とき、トッププレート110は、昇降サポート220を凹状斜面411に接近させる。トッププレート110と凹状斜面411とが合致すると、凸状角部2271は、凹状斜面411の上端(凹状斜面411とキーボード面42とが交差する点)から凹状斜面411の底部まで摺動し、昇降サポート220が下降し、キーキャップ210が昇降サポート220と共に下降する。このプロセスでは、凹状斜面411から凸状角部2271に作用する力は徐々に大きくなる。凸状角部2271が凹状斜面411に沿って凹状斜面411の底部まで摺動すると、キーキャップアレイ120は、最も低い位置まで下降する。
【0065】
具体的には、トッププレート110の回転シャフト12の偏心突起13は、円弧スロット311の、トッププレート110から離れた端部から、トッププレート110に近い端部まで摺動して、キーボード基板130を移動させ(ボトムプレート140は静止したままである)、制限部材38は、キーボード基板130に対して第2の制限孔371及び第1の制限孔36内を逆に移動する。具体的には、キーボード基板130の第1のクランプ部材331は、第1のマウント22の第1のクランプシャフト225を第1の方向に移動させ、第1のマウント22の第1の連結シャフト226は、制限溝214内で第3のクランプ部材215に向かって移動し、トッププレート110が完全に閉じられると、第1のマウント22の第1の連結シャフト226は、第3のクランプ部材215に接続される。加えて、第1のマウント22の凸状角部2271は、ボトムプレート140のキー収容溝41の凹状斜面411に沿って凹状斜面411の底部まで摺動する。加えて、第2のマウント23の第2のクランプシャフト233は、キーボード基板130の第2のクランプ部材332から離れるように移動し、第2のクランプ部材332から取り外される。トッププレート110が完全に閉じられると、キーキャップ210は、ボトムプレート140のキーボード面42よりも低くなるか又はそれと同一平面になり、凸状角部2271は、凹状斜面411の底部に当接する。
【0066】
キーキャップ210は、キーキャップ210が画面と干渉し、画面が損傷するのを回避するために、ボトムプレート140のキーボード面42よりも低いか又はそれと同一平面である。
【0067】
図17及び図18を参照する。トッププレート110が第2の指定位置にある(トッププレート110がキーボード基板130に対して90度展開されている)とき、キーボード基板130及び昇降サポート220は、第1の駆動位置にあり、トッププレート110、キーボード基板130、及び昇降サポート220は、キーキャップ210に上向きの支持力を提供する。この場合、キーキャップアレイ120は、最も高い位置まで上昇し、それに対応して、キーキャップ210は、最大キー移動距離を得る。
【0068】
具体的には、トッププレート110が第2の指定位置にあるとき、トッププレート110は、昇降サポート220の凸状角部2271を、凹状斜面411から離れさせ、トッププレート110と凹状斜面411とが互いに合致し、凸状角部2271が凹状斜面411の底部から凹状斜面411の上端まで摺動し、昇降サポート220が上昇し、キーキャップ210が昇降サポート220と共に上昇する。凹状斜面411から凸状角部2271に作用する力は徐々に小さくなる。凸状角部2271が凹状斜面411に沿って凹状斜面411の上端まで上昇すると、キーキャップアレイ120は、最も高い位置まで上昇する。
【0069】
具体的には、トッププレート110の回転シャフト12の偏心突起13は、円弧スロット311の、トッププレート110に近い端部から、トッププレート110から離れた端部に摺動して、キーボード基板130を移動させ、制限部材38は、キーボード基板130に対して第2の制限孔371及び第1の制限孔36内を逆に移動する。具体的には、キーボード基板130の第1のクランプ部材331が、第1のマウント22の第1のクランプシャフト225を移動させる。加えて、第1のマウント22の第1の連結シャフト226は、第3のクランプ部材215から離れる方向に制限溝214内を移動し、第3のクランプ部材215から取り外される。加えて、第1のマウント22の凸状角部2271は、凹状斜面411に沿って上方に摺動する。加えて、キーボード基板130は、第2のクランプ部材332を、第2のマウント23の第2のクランプシャフト233に向かって移動させ、第2のクランプ部材332に接続される。トッププレート110が完全に展開されると、キーキャップ210は、ボトムプレート140のキーボード面42よりも高くなり、最も高い位置まで上昇し、凸状角部2271は、凹状斜面411の上端まで上方に摺動する。
【0070】
図19及び図20を参照する。トッププレート110が第3の指定位置にある(トッププレート110がキーボード基板130に対して45度展開されている)とき、キーボード基板130及び昇降サポート220は、第2の駆動位置にあり、キーキャップ210に上向きの支持力を提供する。この場合、キーキャップアレイ120は、最も高い位置の半分の位置まで上昇する。
【0071】
ボトムプレート140は、(トッププレート110が第1の指定位置にあるときに)トッププレート110に面するキーボード面42を更に含む。キーキャップアレイ120が最も低い位置まで下降すると、キーキャップ210は、キーボード面42よりも低くなるか又はキーボード面42と同一平面になる。
【0072】
本出願において提供されるキーボードアセンブリ、デバイスフレームワーク、及びデバイスフレームワークを含む電子デバイスによれば、(1)トッププレート110が回転してキーボード基板130に並進を実行させ、昇降サポート220の凸状角部2271及びボトムプレート140のキー収容溝41の凹状斜面411が互いを押圧して相対変位を生じさせ、その結果、昇降サポート220が長手方向に伸縮して、キーキャップ210を上昇又は下降させ、それにより、構造の安定した動き、薄い形状、及び長いキー移動距離を有するキーボードアセンブリを得る;(2)全てのキーキャップ210が、単純なメカニズムのグループ(トッププレート110、キーボード基板130、凹状斜面411)のみを用いて、一斉に上昇又は下降して、キーボードアセンブリ又はデバイスフレームワーク100の全体的な構造を簡素化し、キーボードアセンブリ又はデバイスフレームワーク100の全体的な重量及び製造コストを低減することができる;(3)トッププレート110が第1の指定位置にある(トッププレート110が完全に閉じている)とき、キーキャップ210は、ボトムプレート140のキーボード面42よりも低いか又はそれと同一平面にあり、その結果、キーボードアセンブリは、平坦なキーボード外観面を有し、ユーザの感覚を向上させ、製品差を増加させる;(4)低い摩擦係数を有するパッドが段状の制限部材38に合致してキーボード基板130を制限し、その結果、ボトムプレートに対するキーボード基板130の移動精度を確保することができるだけでなく、キーボード基板130とボトムプレート140との間の相対移動の円滑性も確保することができ、ユーザ体験を向上させる;(5)制限部材38(段付きねじ)を制限構造として使用して、キーボードアセンブリの移動精度を高める。
【0073】
前述の説明は、本出願の好ましい実装形態にすぎず、本出願のいかなる形態にも限定を課すものではない。本出願の好ましい実装形態が上記で開示されているが、本出願を限定することは意図されておらず、当業者が本出願の技術的解決策の範囲から逸脱することなく上記で開示された技術的内容に対していくつかの変更、修正、又は同等の変更を行った後に得られる同等の実装形態も開示されている。本出願の技術的解決策の内容から逸脱することなく、本出願の技術的内容に基づいて前述の実装形態に対して行われる任意の単純な修正、並びに同等の変更及び修正は、依然として本出願の技術的解決策の範囲内に入るものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20