(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】無線通信システムおよびレピータ
(51)【国際特許分類】
H04W 8/24 20090101AFI20240502BHJP
H04W 4/10 20090101ALI20240502BHJP
【FI】
H04W8/24
H04W4/10
(21)【出願番号】P 2020039359
(22)【出願日】2020-03-06
【審査請求日】2022-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000100746
【氏名又は名称】アイコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】岸田 博文
【審査官】石原 由晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-291027(JP,A)
【文献】国際公開第2016/027722(WO,A1)
【文献】特開2006-222876(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24-7/26
H04M1/00
1/24-3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
99/00
H04W4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レピータと、前記レピータを介して通信を行う無線通信端末とを含む無線通信システムであって、
前記無線通信端末は、
当該無線通信端末の電源をオンする操作を受け付けた場合、および、前記電源をオフする操作を受け付けた場合、当該無線通信端末を識別する端末識別情報と、前記操作を示す操作情報とを含む端末データを生成する端末データ生成部と、
前記生成した端末データを当該無線通信端末が通信する前記レピータに送信する端末データ送信部とを備え、
前記レピータは、
当該レピータと通信する前記無線通信端末から前記端末データを受信する端末データ受信部と、
前記受信した端末データに含まれる前記端末識別情報により前記無線通信端末を特定し、前記端末データに含まれる前記操作情報により前記操作を特定する特定部と
、
当該レピータを識別するレピータ識別情報と、前記端末識別情報と、前記操作情報と、前記特定部による特定がなされたときの時刻を示す情報とを含む送出データを生成する送出データ生成部と、
生成された前記送出データを記憶部に格納する格納部と、
所定条件を満たしたとき、前記記憶部に格納されている前記送出データを、前記レピータと通信接続された外部装置に送信する送出データ送信部とを備える、無線通信システム。
【請求項2】
レピータと、前記レピータを介して通信を行う無線通信端末と、前記レピータと通信接続される外部装置とを含む無線通信システムであって、
前記無線通信端末は、
当該無線通信端末の電源をオンする操作を受け付けた場合、および、前記電源をオフする操作を受け付けた場合、当該無線通信端末を識別する端末識別情報と、前記操作を示す操作情報とを含む端末データを生成する端末データ生成部と、
前記生成した端末データを当該無線通信端末が通信する前記レピータに送信する端末データ送信部とを備え、
前記レピータは、
当該レピータと通信する前記無線通信端末から前記端末データを受信する端末データ受信部と、
前記受信した端末データに含まれる前記端末識別情報により前記無線通信端末を特定し、前記端末データに含まれる前記操作情報により前記操作を特定する特定部と、
前記特定部による特定がなされたとき、当該レピータを識別するレピータ識別情報と、前記端末識別情報と、前記操作情報とを含む送出データを生成する送出データ生成部と、
生成された
前記送出データを、前
記外部装置に送信する送出データ送信部とを備え
、
前記外部装置は、前記レピータから送信された前記送出データを受信したとき、該送出データに該送出データの受信時刻を示す情報を付与する、無線通信システム。
【請求項3】
前記無線通信端末の前記端末データ生成部は、さらに、
前記無線通信端末のPTTスイッチをオンする操作を受け付けた場合、および、前記PTTスイッチをオフする操作を受け付けた場合、当該操作を示す情報を前記操作情報として前記端末データを生成する、請求項1
または2に記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記無線通信端末および前記レピータは、特定小電力無線通信機器である、請求項1から
3のいずれか1項に記載の無線通信システム。
【請求項5】
無線通信端末の通信を中継するレピータであって、
前記無線通信端末にて電源をオンする操作が受け付けられた場合、および、前記電源をオフする操作が受け付けられた場合に当該無線通信端末から送信される、当該無線通信端末を識別する端末識別情報と、前記操作を示す操作情報とを含む端末データを受信する端末データ受信部と、
前記受信した端末データに含まれる前記端末識別情報により前記無線通信端末を特定し、前記端末データに含まれる前記操作情報により前記操作を特定する特定部と
、
当該レピータを識別するレピータ識別情報と、前記端末識別情報と、前記操作情報と、前記特定部による特定がなされたときの時刻を示す情報とを含む送出データを生成する送出データ生成部と、
生成された前記送出データを記憶部に格納する格納部と、
所定条件を満たしたとき、前記記憶部に格納されている前記送出データを、前記レピータと通信接続された外部装置に送信する送出データ送信部とを備える、レピータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信端末の運用状況を収集可能な無線通信システム、レピータ、および無線通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ホテルなどの施設内で使用される施設内無線システムが開示されている。当該施設内無線システムは、データ収集機能を備えた親局通信装置、移動通信端末、データ収集用通信端末を含み、移動通信端末から収集した情報を親局通信装置に蓄積し、移動通信端末の表示手段によって確認できるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されている施設内無線システムにおいては、移動通信端末から収集する情報は、ユーザが入力部を介して入力した情報、カメラにより撮像した画像、センサからの信号などである。特許文献1では、ユーザが移動通信端末を無線機として通常の使用態様で使用した際の移動通信端末の運用状況を収集することについては、想定されていない。
【0005】
本発明の一態様は、レピータを介して通信を行う無線通信端末の運用状況を収集可能な無線通信システムなどを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明の一態様に係る無線通信システムは、レピータと、前記レピータを介して通信を行う無線通信端末とを含む無線通信システムであって、前記無線通信端末は、当該無線通信端末の電源をオンする操作を受け付けた場合、および、前記電源をオフする操作を受け付けた場合、当該無線通信端末を識別する端末識別情報と、前記操作を示す操作情報とを含む端末データを生成する端末データ生成部と、前記生成した端末データを当該無線通信端末が通信する前記レピータに送信する端末データ送信部とを備え、前記レピータは、当該レピータと通信する前記無線通信端末から前記端末データを受信する端末データ受信部と、前記受信した端末データに含まれる前記端末識別情報により前記無線通信端末を特定し、前記端末データに含まれる前記操作情報により前記操作を特定する特定部とを備える。
【0007】
また、本発明の一態様に係るレピータは、無線通信端末の通信を中継するレピータであって、前記無線通信端末にて電源をオンする操作が受け付けられた場合、および、前記電源をオフする操作が受け付けられた場合に当該無線通信端末から送信される、当該無線通信端末を識別する端末識別情報と、前記操作を示す操作情報とを含む端末データを受信する端末データ受信部と、前記受信した端末データに含まれる前記端末識別情報により前記無線通信端末を特定し、前記端末データに含まれる前記操作情報により前記操作を特定する特定部とを備える。
【0008】
また、本発明の一態様に係る無線通信端末は、レピータを介して他の無線通信端末と通信を行う無線通信端末であって、前記無線通信端末の電源をオンする操作を受け付けた場合、および、前記電源をオフする操作を受け付けた場合、当該無線通信端末を識別する端末識別情報と、前記操作を示す操作情報とを含む端末データを生成する端末データ生成部と、前記生成した端末データを当該無線通信端末が通信する前記レピータに送信する端末データ送信部とを備える。
【0009】
本発明の各態様に係るレピータおよび無線通信端末は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記レピータまたは前記無線通信端末が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記レピータまたは前記無線通信端末をコンピュータにて実現させるレピータまたは無線通信端末の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様に係る無線通信システムなどによれば、レピータを介して他の無線通信端末と通信を行う無線通信端末の運用状況を収集できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態1に係る無線通信システムの概略を示す模式図である。
【
図2】実施形態1に係る無線通信システムの要部の構成を示すブロック図である。
【
図3】端末データのデータフォーマットの例を示す模式図である。
【
図4】実施形態1に係る無線通信システムにおいて、無線通信端末にて電源オン操作またはPTTオン操作を受け付けた場合の処理を示すフローチャートである。
【
図5】実施形態1に係る無線通信システムにおいて、無線通信端末にて電源オフ操作を受け付けた場合の処理を示すフローチャートである。
【
図6】実施形態1に係る無線通信システムにおいて、無線通信端末にてPTTオフ操作を受け付けた場合の処理を示すフローチャートである。
【
図7】実施形態2に係る無線通信システムの要部の構成を示すブロック図である。
【
図8】実施形態2に係る無線通信システムにおいて、無線通信端末にて電源オン操作またはPTTオン操作を受け付けた場合の処理を示すフローチャートである。
【
図9】実施形態2に係る無線通信システムにおいて、無線通信端末にて電源オフ操作を受け付けた場合の処理を示すフローチャートである。
【
図10】実施形態2に係る無線通信システムにおいて、無線通信端末にてPTTオフ操作を受け付けた場合の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
【0013】
〔無線通信システム100の概要〕
図1は、実施形態1に係る無線通信システム100の概略を示す模式図である。
図1に示すように、無線通信システム100は、他の無線通信端末1とPTT(Push To Talk)方式により音声通信を行う無線通信端末1、無線通信端末1間の音声通信を中継する1または複数のレピータ2、並びに、外部装置3Aおよび3Bの少なくとも一方を備える。無線通信端末1およびレピータ2は、店舗等の施設内で利用されることの多い特定小電力無線通信機器であることを想定しているが、これに限られるものではない。
【0014】
無線通信システム100は、無線通信端末1で受け付けた操作を示す情報(以下、「操作情報」と記載する。)をレピータ2で収集すること、および、該収集した操作情報をレピータ2から外部装置3Aおよび3Bの少なくとも一方に送信することを特徴とする。
【0015】
無線通信端末1で受け付け可能な操作の典型例は、(1)電源スイッチ131のオン、および(2)電源スイッチ131のオフである。これらに加えて好ましい典型例は、(3)PTTスイッチ132のオン、および(4)PTTスイッチ132のオフ、である。上記(1)~(4)の操作を、それぞれ、「電源オン操作」、「電源オフ操作」、「PTTオン操作」、「PTTオフ操作」と記載する。また、「電源オン操作」および「電源オフ操作」を区別しないときは「電源操作」と記載し、「PTTオン操作」および「PTTオフ操作」を区別しないときは「PTT操作」と記載する。
【0016】
外部装置3Aは、LAN(Local Area Network)等の有線通信網を介してレピータ2と通信接続されるコンピュータである。当該有線通信網についても、操作情報が送信されるため、閉域網等のセキュリティが確保された通信網であることが望ましい。外部装置3Aは、例えば、無線通信端末1およびレピータ2が使用される施設内に設置された現場用サーバ等である。外部装置3Bは、LTE(Long Term Evolution)方式等の無線通信網を介してレピータ2と通信接続されるコンピュータである。当該無線通信網は、操作情報が送信されるため、閉域網等のセキュリティが確保された通信網であることが望ましい。外部装置3Bは、例えば、無線通信端末1およびレピータ2が使用される施設と異なる遠隔地に設置された保守管理用サーバ等である。外部装置3Aおよび3Bを区別しないときは、単に「外部装置3」と記載する。
【0017】
上記の構成により、外部装置3または外部装置3にアクセス可能な情報処理装置のユーザ(例えば、施設の管理者や、遠隔地の保守管理業者)は、専用アプリケーション等を用いて無線通信端末1毎の操作情報を閲覧等することができ、無線通信端末1のユーザ(例えば、施設の従業員)による無線通信端末1の運用状況を一元管理することができる。具体的には、無線通信端末1毎の電源操作の実施状況、および、好ましくはさらにPTT操作の実施状況を、一元管理することができる。さらに言えば、操作情報にタイムスタンプが付与されている場合、無線通信端末1毎の電源操作の時刻、および、好ましくはさらにPTT操作の時刻(すなわち通話時間)を、一元管理することができる。
【0018】
〔無線通信端末1の要部構成〕
図2は、無線通信システム100の要部の構成を示すブロック図である。まず、
図2を参照して無線通信端末1の要部構成について説明する。
図2に示すように、無線通信端末1は、アンテナ11、制御部12、および操作部13を備える。また、無線通信端末1は、他の無線通信端末1へ送信する音声を入力するためのマイク、および、他の無線通信端末1から受信した音声を出力するためのスピーカなどの、通信端末が通常備える構成要素を有している。
【0019】
アンテナ11は、レピータ2との間で信号の送受信を行うためのアンテナである。操作部13は、無線通信端末1に対するユーザの操作を受け付ける。操作部13は、電源スイッチ131およびPTTスイッチ132を含む。電源スイッチ131は、無線通信端末1の電源のオン/オフを切り替えるためのスイッチである。PTTスイッチ132は、音声送信を行う送話状態と、音声の待ち受けを行う待機状態とを切り替えるためのスイッチである。PTTスイッチ132をオンにすると、音声送信を行う送話状態となり、PTTスイッチ132をオフにすると、音声の待ち受けを行う待機状態となる。
【0020】
制御部12は、無線通信端末1の動作を制御する。制御部12は、リンク確立部120、端末データ生成部121、および端末データ送信部122を備える。
【0021】
リンク確立部120は、無線通信端末1とレピータ2との間で通信リンクを確立するための処理を行う(以下、「リンク確立処理」と記載する)。具体的には、リンク確立部120は、(1)電源オン操作、(2)電源オフ操作、または、(3)PTTオン操作、が受け付けられた場合に、通信リンクを確立するためのリンク確立用信号を、アンテナ11を介してレピータ2に送信する。また、リンク確立部120は、リンク確立用信号に対する応答としてレピータ2から返信されるack信号を受信する。リンク確立部120がack信号を受信すると、無線通信端末1とレピータ2との間で通信リンクが確立される。
【0022】
端末データ生成部121は、自端末である無線通信端末1の電源をオンする操作を受け付けた場合、および、電源をオフする操作を受け付けた場合、無線通信端末1を識別する情報(以下、「端末識別情報」と記載する。)と、電源操作を示す操作情報とを含むデータ(以下、「端末データ」と記載する。)を生成する。端末識別情報は、例えば、機種番号およびESN(Electric Serial Number)であり、無線通信端末1が備える記憶部(不図示)に記憶されている。
【0023】
なお、端末データ生成部121が端末データを生成するタイミングは、電源操作を受け付けた場合にリンク確立部120がリンク確立処理を行うことによりack信号を受信した直後である。
【0024】
端末データ送信部122は、端末データ生成部121が生成した端末データを、自端末が通信するレピータ2に送信する。これにより、無線通信端末1での電源操作を示す操作情報をレピータ2で収集することができる。
【0025】
なお、本実施形態において、端末データは、端末データ送信部122にて周波数偏移変調(FSK:Frequency Shift Keying)方式で変調したうえでレピータ2へ送信することを想定しているが、これに限られるものではない。以下では、FSK方式で変調された端末データを単に「FSK信号」とも称する。
【0026】
さらに、端末データ生成部121は、端末識別情報と、PTT操作を示す操作情報とを含む端末データを生成してもよい。この場合に端末データ生成部121が端末データを生成するタイミングは、PTTオン操作を受け付けた場合にリンク確立部120がリンク確立処理を行うことによりack信号を受信した直後、および、PTTオフ操作を受け付けた直後である。
【0027】
そして、この場合においても、端末データ送信部122は、端末データ生成部121が生成した端末データを、アンテナ11を介して、通信リンクを確立したレピータ2に送信する。これにより、無線通信端末1でのPTT操作を示す操作情報を、レピータ2で収集することができる。
【0028】
なお、電源オン操作、電源オフ操作、および、PTTオフ操作を受け付けた場合、端末データ送信部122は、FSK信号のみをレピータ2へ送信する。この場合、FSK信号はレピータ2の中継処理の対象とはならない。一方、PTTオン操作を受け付けた場合、端末データ送信部122は、FSK信号を音声データに付加した状態でレピータ2へ送信する。この場合、レピータ2はFSK信号が付加されたままの音声データを中継する。
【0029】
〔レピータ2の要部構成〕
次に、レピータ2の要部構成について説明する。
図2に示すように、レピータ2は、アンテナ21、制御部22、記憶部23、および通信部24を備える。また、レピータ2は、無線通信端末1間の通信を中継するための、レピータが通常備える構成要素を有している。
【0030】
アンテナ21は、無線通信端末1との間で信号の送受信を行うためのアンテナである。記憶部23は、レピータ2の動作に必要な情報を記憶するストレージである。通信部24は、他のレピータ2との間、および、外部装置3との間で通信を行うための通信モジュールである。
【0031】
図2に示す例では、通信部24は、LAN通信網を介して外部装置3Aと通信を行うためのLAN通信部241、およびLTEを介して外部装置3Bと通信を行うためのLTE通信部242を備える。なお、通信部24は、必ずしもLAN通信部241およびLTE通信部242の両方を備える必要はなく、通信すべき外部装置3に応じて、いずれか一方のみを備えていてもよい。
【0032】
制御部22は、リンク確立部220、端末データ受信部221、特定部222、送出データ生成部223、および送出データ送信部224を備える。
【0033】
リンク確立部220は、無線通信端末1のリンク確立部120からリンク確立用信号を受信すると、レピータ2と無線通信端末1との間の通信リンクを確立する処理を行い、その応答としてのack信号を無線通信端末1に送信する。
【0034】
端末データ受信部221は、アンテナ21を介して、無線通信端末1から、FSK方式で変調された端末データであるFSK信号を受信する。また、端末データ受信部221は、受信したFSK信号を復調する。
【0035】
特定部222は、端末データ受信部221が受信して復調した端末データに含まれる端末識別情報により、当該端末データを送信した無線通信端末1を特定する。また、特定部222は、端末データ受信部221が受信して復調した端末データに含まれる操作情報により、当該端末データを送信した無線通信端末1が受け付けた操作を特定する。このようにして、レピータ2は、無線通信端末1毎に操作情報を収集する。
【0036】
送出データ生成部223は、特定部222による特定がなされたとき、レピータ2を識別する情報(以下、「レピータ識別情報」と記載する。)と、端末識別情報と、操作情報とを含むデータ(以下、「送出データ」と記載する。)を生成する。レピータ識別情報は、例えば、レピータ2のシリアルナンバーであり、記憶部23に記憶されている。送出データ送信部224は、送出データ生成部223により生成された送出データを、レピータ2と通信接続された外部装置3に送信する。送出データを送信すべき外部装置3は予め定められているものとする。
【0037】
以上の構成により、レピータ2が収集した、無線通信端末1での電源操作およびPTT操作を示す操作情報を、レピータ2から外部装置3へ送出することができる。これにより、外部装置3または外部装置3にアクセス可能な情報処理装置において、無線通信端末1の操作情報を参照することができる。
【0038】
なお、端末データ生成部121、端末データ送信部122、端末データ受信部221、特定部222、送出データ生成部223、および送出データ送信部224による処理はいずれもリアルタイムで実行されることが好ましい。そのうえで、外部装置3では、送出データの受信時刻をタイムスタンプとして送出データに付与する。これにより、外部装置3または外部装置3にアクセス可能な情報処理装置のユーザは、無線通信端末1にて電源オン操作がなされた時刻、電源オフ操作がなされた時刻、PTTオン操作がなされた時刻(すなわち通話開始時刻)、およびPTTオフ操作がなされた時刻(すなわち終話時刻)を、リアルタイムに把握することができる。
【0039】
なお、このタイムスタンプを、レピータ2が送出データに付与してもよい。例えば、送出データ生成部223または送出データ送信部224が、処理を行うタイミングで付加してもよい。
【0040】
また、送出データに含まれるレピータ識別情報を参照すれば、送出データに含まれる端末識別情報で特定される無線通信端末1が使用された区域を把握することも可能である。当該区域は、送出データに含まれるレピータ識別情報で特定されるレピータ2がカバーしているエリアである。
【0041】
〔データフォーマット〕
図3は、端末データのデータフォーマットの例を示す模式図である。
図3において、データフォーマットの全体を符号301で示す。また、符号301で示されるフォーマットのうち、「その他のデータ」の一部のフォーマットを符号302で示す。また、符号302で示されるフォーマットのうち、「識別フラグ」のフォーマットを符号303で示す。
【0042】
符号301で示されるように、端末データは、「ビット同期」、「フレーム同期」、「機種番号+ESN」、および「その他のデータ」と称される信号列を含む。
【0043】
「ビット同期」は、無線通信端末1とレピータ2との間でビット同期をとるための信号列である。「フレーム同期」は、無線通信端末1とレピータ2との間でフレーム同期をとるための信号列である。「機種番号+ESN」は、無線通信端末1の機種番号およびESNを示す信号列である。
【0044】
「その他のデータ」は、符号302で示されるように、「識別フラグ」と称される信号列、および「ユーザー任意」と称されるデータ拡張用の信号列を含む。「その他のデータ」のうち、符号302で示されていないデータは本実施形態では使用しないため、説明を省略する。
【0045】
符号303で示されるように、「識別フラグ」の最下位ビット(f0)は、PTTスイッチ132が操作されたときに値が設定される。
図3の例では、PTTオフ操作を受け付けたときは「0」が設定され、PTTオン操作を受け付けたときは「1」が設定される。なお、PTTスイッチ132が操作されていないときは、次にPTTスイッチ132が操作されるまで、直近に設定された値が維持される。つまり、f0の値が「0」から「1」に変化したときが、PTTオン操作が受け付けられたときであり、また、f0の値が「1」から「0」に変化したときが、PTTオフ操作が受け付けられたときである。
【0046】
また、「識別フラグ」の最下位から2番目のビット(f1)は、電源スイッチ131が操作されたときに値が設定される。
図3の例では、電源オフ操作を受け付けたときは「0」が設定され、電源オン操作を受け付けたときは「1」が設定される。なお、電源スイッチ131が操作されていないときは、次に電源スイッチ131が操作されるまで、直近に設定された値が維持される。つまり、f1の値が「0」から「1」に変化したときが、電源オン操作が受け付けられたときであり、また、f1の値が「1」から「0」に変化したときが、電源オフ操作が受け付けられたときである。
【0047】
なお、「識別フラグ」の最下位から3番目のビット(f2)から最上位ビット(f7)までは「未定義」であり使用されていない。しかし、これらのビットについて、電源スイッチ131およびPTTスイッチ132に対する操作以外の操作を示すビットとして使用してもよい。
【0048】
なお、端末データのデータ長は、一例として数百ビット程度であり、未使用部分を削除すればより短くて足りる。そのため、本実施形態で想定している特定小電力無線通信方式およびこれに類する通信方式において端末データを送受信することにより音声通信に支障を来すことはない。
【0049】
〔処理フロー〕
次に、
図4~
図6を参照して無線通信端末1にて操作を受け付けた場合における処理の流れについて説明する。まず
図4は、無線通信端末1にて電源オン操作またはPTTオン操作を受け付けた場合の処理を示すフローチャートである。
【0050】
無線通信端末1にて電源オン操作またはPTTオン操作を受け付けた場合(S1)、無線通信端末1のリンク確立部120は、リンク確立用信号をレピータ2に送信する(S2)。レピータ2のリンク確立部220は、リンク確立用信号を受信すると(S3)、レピータ2と無線通信端末1との間の通信リンクを確立する処理を行い、その応答としてのack信号を無線通信端末1に送信する(S4)。
【0051】
無線通信端末1のリンク確立部120がack信号を受信すると(S5)、無線通信端末1の端末データ生成部121は端末データを生成する(S6)。そして、端末データ送信部122は、端末データ生成部121が生成した端末データをFSK方式で変調したFSK信号をレピータ2へ送信する(S7)。なお、無線通信端末1にてPTTオン操作を受け付けている場合、ステップS7以降に送信するFSK信号は音声データに付加される。
【0052】
次に、レピータ2において、端末データ受信部221は、FSK信号を受信すると(S8)、当該FSK信号を復調して端末データを得る(S9)。そして、レピータ2の特定部222は、端末データに含まれる「フレーム同期」信号列によりフレーム同期が取れるか否かを判定する(S10)。フレーム同期が取れた場合(S10でYES)、特定部222は、端末データに含まれる「機種番号+ESN」信号列から無線通信端末1の端末識別情報を特定するとともに、端末データに含まれる「識別フラグ」信号列から無線通信端末1が受け付けた操作を示す操作情報を特定する(S11)。
【0053】
次に、送出データ生成部223が、特定された端末識別情報および操作情報から送出データを生成する(S12)。そして、送出データ送信部224が、生成された送出データを外部装置3へ送信する(S13)。そして、外部装置3は、送出データを受信する(S41)。
【0054】
一方、ステップS10にてフレーム同期が取れない場合(S10でNO)、レピータ2はステップS11~S13の処理を実行しない。
【0055】
なお、図示していないが、無線通信端末1が送信するFSK信号が音声データに付加される場合は、レピータ2は、ステップS13以降で中継処理を実行する。
【0056】
また、ステップS1においてPTTオン操作が受け付けられた場合において、ステップS5にてリンク確立部120がack信号を受信する前にPTTオフ操作が受け付けられたときは、無線通信端末1およびレピータ2は、ステップS6以降の処理を実行しない。
【0057】
また、無線通信端末1は、レピータ2と無線通信端末1との通信リンクが確立済みの場合において、終話するまでにPTTオン操作を受け付けたときは、無線通信端末1およびレピータ2は、ステップS2~S5の実行を省略する。
【0058】
また、レピータ2は、ステップS4において無線通信端末1へack信号を送信した後、所定の時間が経過してもステップS8を実行できない場合には、処理を終了する。
【0059】
図5は、無線通信端末1にて電源オフ操作を受け付けた場合の処理を示すフローチャートである。無線通信端末1にて電源オフ操作を受け付けた場合(S21)、無線通信端末1およびレピータ2は、上述したステップS2~S7の処理を実行する。ステップS7において端末データ送信部122がFSK信号を送信した後、無線通信端末1は、電源オフに関する処理を実行し、電源をオフにする(S22)。一方、レピータ2は上述したステップS8~S13の処理を実行する。
【0060】
図6は、無線通信端末1にてPTTオフ操作を受け付けた場合の処理を示すフローチャートである。この場合、無線通信端末1とレピータ2との間で通信リンクが確立済みである。したがって、無線通信端末1にてPTTオフ操作を受け付けた場合(S31)、無線通信端末1およびレピータ2は、上述したステップS2~S5の処理を実行せず、上述したステップS6~S13の処理を実行する。
【0061】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0062】
図7は、実施形態2に係る無線通信システム100Aの要部の構成を示すブロック図である。無線通信システム100Aは、レピータ2の代わりにレピータ2Aを備える点で無線通信システム100と相違する。レピータ2Aは、制御部22の代わりに制御部22Aを備える点、およびタイマ25を備える点でレピータ2と相違する。タイマ25は、現在時刻を出力する。タイマ25は、例えばリアルタイムクロックである。制御部22Aは、端末データ受信部221、特定部222、送出データ生成部225、格納部226、および送出データ送信部227を備える。端末データ受信部221、および特定部222は、制御部22のそれらと同一である。
【0063】
送出データ生成部225は、記憶部23に記憶されているレピータ識別情報と、特定部222により特定された端末識別情報および操作情報と、特定部222による特定がなされたときの時刻を示す情報とを含む送出データを生成する。すなわち、送出データ生成部225が生成する送出データは、当該時刻を示す情報を含む点で、送出データ生成部223が生成する送出データと相違する。当該時刻を示す情報は、タイマ25から得られる。
【0064】
格納部226は、送出データ生成部225により生成された送出データを記憶部23に格納する。
【0065】
送出データ送信部227は、所定条件を満たすか否かを判定する。そして、所定条件を満たしたとき、送出データ送信部227は、記憶部23に格納されている送出データを、レピータ2と通信接続された外部装置3に送信する。この所定条件とは、例えば、(1)外部装置3から取得要求を受けたこと、(2)記憶部23のデータ量が所定値に達したこと、(3)直近の送信から所定時間が経過したこと、などであるが、これらに限定されるものではない。
【0066】
これにより、外部装置3または外部装置3にアクセス可能な情報処理装置のユーザは、無線通信端末1にて電源オン操作がなされた時刻、電源オフ操作がなされた時刻、PTTオン操作がなされた時刻(すなわち通話開始時刻)、およびPTTオフ操作がなされた時刻(すなわち終話時刻)を一元管理することができる。無線通信システム100Aでは、外部装置3が送出データにタイムスタンプを付与する必要がない点で、無線通信システム100と異なる。
【0067】
なお、送出データ送信部227は、外部装置3に送信した送出データについて、記憶部から削除するか、または、送信済みであることを示すフラグを記憶部23に書き込む。
【0068】
図8は、無線通信システム100Aにおいて、無線通信端末1にて電源オン操作またはPTTオン操作を受け付けた場合の処理を示すフローチャートである。無線通信端末1にて電源オン操作またはPTTオン操作を受け付けた場合、無線通信端末1およびレピータ2Aは、上述したステップS1~S11と同様の処理を実行する。そして、レピータ2Aは、ステップS11の後、送出データ生成部225が送出データを生成し(S14)、格納部226が送出データを記憶部23に格納する(S15)。
【0069】
一方、送出データ送信部227は、ステップS15までの処理とは独立して、送出データを外部装置3に送信するための所定条件を満たしたか否かを判定する(S16)。所定条件を満たした場合(S16でYES)、送出データ送信部227は、記憶部23に記憶されている送出データを外部装置3に送信する(S17)。所定条件を満たしていない場合(S16でNO)、所定条件を満たすまで待機する。
【0070】
なお、図示していないが、無線通信端末1が送信するFSK信号が音声データに付加される場合は、レピータ2Aは、ステップS15以降で中継処理を実行する。
【0071】
図9は、無線通信システム100Aにおいて、無線通信端末1にて電源オフ操作を受け付けた場合の処理を示すフローチャートである。この処理は、
図5を用いて説明した無線通信システム100における処理と比較して、ステップS12およびS13の代わりに上述したステップS14~S17が実行される点が相違する。
【0072】
図10は、無線通信システム100Aにおいて、無線通信端末1にてPTTオフ操作を受け付けた場合の処理を示すフローチャートである。この処理は、
図6を用いて説明した無線通信システム100における処理と比較して、ステップS12およびS13の代わりに上述したステップS14~S17が実行される点が相違する。
【0073】
〔ソフトウェアによる実現例〕
無線通信端末1の制御ブロック(特に端末データ生成部121および端末データ送信部122)、レピータ2の制御ブロック(特に端末データ受信部221、特定部222、送出データ生成部223、および送出データ送信部224)およびレピータ2Aの制御ブロック(特に端末データ受信部221、特定部222、送出データ生成部225、格納部226、および送出データ送信部227)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0074】
後者の場合、無線通信端末1、レピータ2および2Aは、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0075】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る無線通信システムは、レピータと、前記レピータを介して通信を行う無線通信端末とを含む無線通信システムであって、前記無線通信端末は、当該無線通信端末の電源をオンする操作を受け付けた場合、および、前記電源をオフする操作を受け付けた場合、当該無線通信端末を識別する端末識別情報と、前記操作を示す操作情報とを含む端末データを生成する端末データ生成部と、前記生成した端末データを当該無線通信端末が通信する前記レピータに送信する端末データ送信部とを備え、前記レピータは、当該レピータと通信する前記無線通信端末から前記端末データを受信する端末データ受信部と、前記受信した端末データに含まれる前記端末識別情報により前記無線通信端末を特定し、前記端末データに含まれる前記操作情報により前記操作を特定する特定部とを備える。
【0076】
上記の構成によれば、無線通信システムに含まれる無線通信端末は、電源操作を受け付けた場合、端末識別情報と操作情報とを含む端末データを生成し、レピータに送信する。レピータは、受信した端末データに基づいて、無線通信端末および電源操作を特定する。したがって、無線通信端末毎の電源操作を示す情報を、レピータにて収集することができる。
【0077】
また、本発明の態様2に係る無線通信システムは、態様1において、前記レピータは、さらに、前記特定部による特定がなされたとき、当該レピータを識別するレピータ識別情報と、前記端末識別情報と、前記操作情報とを含む送出データを生成する送出データ生成部と、前記生成された送出データを、前記レピータと通信接続された外部装置に送信する送出データ送信部とを備えることが好ましい。
【0078】
上記の構成によれば、レピータは、レピータ識別情報と、端末識別情報と、操作情報とを含む送出データを、外部装置に送信する。したがって、無線通信端末毎の、電源操作を示す情報を外部装置に送出することができる。これにより、外部装置または外部装置にアクセス可能な情報処理装置において、無線通信端末毎の電源操作を示す情報を閲覧したり、一元管理したりすることができる。また、レピータ識別情報を参照すれば、端末識別情報で特定される無線通信端末1が使用された区域を管理することもできる。
【0079】
また、本発明の態様3に係る無線通信システムは、態様1において、前記レピータは、さらに、当該レピータを識別するレピータ識別情報と、前記端末識別情報と、前記操作情報と、前記特定部による特定がなされたときの時刻を示す情報とを含む送出データを生成する送出データ生成部と、前記生成された送出データを記憶部に格納する格納部と、所定条件を満たしたとき、前記記憶部に格納されている送出データを、外部装置に送信する送出データ送信部とを備えることが好ましい。
【0080】
上記の構成によれば、レピータは、レピータ識別情報と、端末識別情報と、操作情報と、前記時刻を示す情報とを含む送出データを、レピータが備える記憶部に一旦格納し、所定条件を満たしたときに外部装置に送信する。所定条件とは、例えば、(1)記憶部に記憶されている送出データのデータ量が所定値に達したこと、または(2)直近に送出データを外部装置に送信してから所定時間が経過時間したこと、(3)外部装置から送出データの取得要求を受けたこと、などである。これにより、外部装置または外部装置にアクセス可能な情報処理装置において、無線通信端末毎の電源操作を示す情報を閲覧したり、一元管理したりすることができる。また、レピータ識別情報を参照すれば、端末識別情報で特定される無線通信端末1が使用された区域を管理することもできる。
【0081】
また、本発明の態様4に係る無線通信システムは、態様1から3のいずれかにおいて、前記無線通信端末の前記端末データ生成部は、さらに、前記無線通信端末のPTTスイッチをオンする操作を受け付けた場合、および、前記PTTスイッチをオフする操作を受け付けた場合、当該操作を示す情報を前記操作情報として前記端末データを生成することが好ましい。
【0082】
上記の構成によれば、無線通信端末は、電源操作に加えて、さらにPTT操作を受け付けた場合にも端末データを生成する。したがって、無線通信端末毎のPTT操作を示す情報を、レピータにて収集することができる。
【0083】
また、本発明の態様5に係る無線通信システムは、態様1から4のいずれかにおいて、前記無線通信端末および前記レピータは、特定小電力無線通信機器であることが好ましい。
【0084】
上記の構成によれば、特定小電力無線通信方式でレピータを介して他の無線通信端末と通信する無線通信端末の操作情報を、レピータにて収集できる。
【0085】
また、本発明の態様6に係るレピータは、無線通信端末の通信を中継するレピータであって、前記無線通信端末にて電源をオンする操作が受け付けられた場合、および、前記電源をオフする操作が受け付けられた場合に当該無線通信端末から送信される、当該無線通信端末を識別する端末識別情報と、前記操作を示す操作情報とを含む端末データを受信する端末データ受信部と、前記受信した端末データに含まれる前記端末識別情報により前記無線通信端末を特定し、前記端末データに含まれる前記操作情報により前記操作を特定する特定部とを備える。
【0086】
上記の構成によれば、レピータは、無線通信端末にて電源操作を受け付けた場合に無線通信端末から送信された端末データに基づいて、当該端末データを送信した無線通信端末および電源操作を特定する。したがって、レピータは、無線通信端末毎の電源操作を示す情報を収集できる。
【0087】
また、本発明の態様7に係る無線通信端末は、レピータを介して他の無線通信端末と通信を行う無線通信端末であって、前記無線通信端末の電源をオンする操作を受け付けた場合、および、前記電源をオフする操作を受け付けた場合、当該無線通信端末を識別する端末識別情報と、前記操作を示す操作情報とを含む端末データを生成する端末データ生成部と、前記生成した端末データを当該無線通信端末が通信する前記レピータに送信する端末データ送信部とを備える。
【0088】
上記の構成によれば、無線通信端末は、電源操作を受け付けた場合、端末識別情報と操作情報とを含む端末データを生成し、レピータに送信する。したがって、無線通信端末毎の電源操作を示す情報を、レピータにより収集できる。
【0089】
また、本発明の態様8に係る無線通信端末は、態様7において、前記端末データ生成部は、さらに、前記無線通信端末のPTTスイッチをオンする操作を受け付けた場合、および、前記PTTスイッチをオフする操作を受け付けた場合、当該操作を示す情報を前記操作情報として前記端末データを生成することが好ましい。
【0090】
上記の構成によれば、無線通信端末は、電源操作に加えて、さらにPTT操作を受け付けた場合にも端末データを生成する。したがって、無線通信端末毎のPTT操作を示す情報を、レピータにより収集できる。
【0091】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0092】
100、100A 無線通信システム
1 無線通信端末
121 端末データ生成部
122 端末データ送信部
131 電源スイッチ
132 PTTスイッチ
2、2A レピータ
23 記憶部
221 端末データ受信部
222 特定部
223、225 送出データ生成部
224、227 送出データ送信部
226 格納部
3、3A、3B 外部装置