(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】紫外線照射ユニット及び空気調和装置
(51)【国際特許分類】
F24F 11/63 20180101AFI20240502BHJP
F24F 8/22 20210101ALI20240502BHJP
F24F 1/0076 20190101ALI20240502BHJP
【FI】
F24F11/63
F24F8/22
F24F1/0076
(21)【出願番号】P 2022031524
(22)【出願日】2022-03-02
【審査請求日】2023-02-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福嶋 渉
(72)【発明者】
【氏名】仲山 聡通
【審査官】石田 佳久
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-207675(JP,A)
【文献】特開2022-032007(JP,A)
【文献】特開2006-038355(JP,A)
【文献】特開2004-138377(JP,A)
【文献】韓国登録実用新案第20-0406806(KR,Y1)
【文献】特開2003-207164(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/00-11/89
F24F 8/22
F24F 1/0076
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内ファン(22)を有する室内ユニット(20)と、前記室内ユニット(20)の動作を制御する空調制御部(15)と、を備えた空気調和装置(10)に取り付け可能な紫外線照射ユニット(50)であって、
前記室内ユニット(20)に対し紫外線(UV)を照射する光源(51)と、
前記空調制御部(15)と通信可能であり、前記光源(51)の動作を制御する光源制御部(52)と、
を備え、
前記光源制御部(52)が、前記空調制御部(15)から発信される前記紫外線照射ユニット(50)の作動を許可する第1信号(S1)を受信した場合、前記光源(51)の電源をオンと
し、前記光源(51)の電源をオフとしてから所定期間(X2)を経過するまでの間に前記第1信号(S1)を受信した場合、前記光源(51)の電源をオンとしない、紫外線照射ユニット(50)。
【請求項2】
前記光源制御部(52)が、前記第1信号(S1)の受信後所定期間(X1)が経過した場合、前記光源(51)の電源をオフとする、請求項1に記載の紫外線照射ユニット(50)。
【請求項3】
前記光源制御部(52)が、前記空気調和装置(10)が運転を停止した場合又は前記室内ファン(22)が運転を停止した場合に前記空調制御部(15)から発信される第2信号(S2)を受信した場合、前記光源(51)の電源をオフとする、請求項1又は請求項2に記載の紫外線照射ユニット(50)。
【請求項4】
前記第1信号(S1)は、前記空気調和装置(10)の運転が開始され
、かつ、前記室内ユニット(20)に異常がない場合、又は前記室内ファン(22)の運転が開始された場合に発信される、請求項1に記載の紫外線照射ユニット(50)。
【請求項5】
前記光源制御部(52)が、前記空調制御部(15)から室内温度に関する第1情報(J1)を受け取り、前記光源制御部(52)が前記第1情報(J1)に基づいて、前記光源(51)の電源をオンとする、請求項1に記載の紫外線照射ユニット(50)。
【請求項6】
室内の空気を吸い込む吸込口(25)を有するケーシング(21)と、前記ケーシング(21)に収容される室内ファン(22)と、前記ケーシング(21)に収容される捕集部材(24)と、を有する室内ユニット(20)と、
前記室内ユニット(20)の動作を制御する空調制御部(15)と、
前記捕集部材(24)に紫外線(UV)を照射する光源(51)と、前記空調制御部(15)と通信可能であり前記光源(51)の動作を制御する光源制御部(52)と、を有する紫外線照射ユニット(50)と、
を備え、
前記光源制御部(52)が、前記空調制御部(15)から発信される前記紫外線照射ユニット(50)の作動を許可する第1信号(S1)を受信すると、前記光源(51)の電源をオンと
し、前記光源(51)の電源をオフとしてから所定期間(X2)を経過するまでの間に前記第1信号(S1)を受信した場合、前記光源(51)の電源をオンとしない、空気調和装置(10)。
【請求項7】
前記空気調和装置(10)の運転が開始され
、かつ、前記室内ユニット(20)に異常がない場合、又は前記室内ファン(22)の運転が開始された場合に、
前記空調制御部(15)が前記第1信号(S1)を発信する、請求項6に記載の空気調和装置(10)。
【請求項8】
前記光源制御部(52)が、前記第1信号(S1)を受信後、所定期間(X1)経過後に前記光源(51)の電源をオフとする、請求項6又は請求項7に記載の空気調和装置(10)。
【請求項9】
前記空気調和装置(10)が運転を停止した場合、又は前記室内ファン(22)が運転を停止した場合に前記空調制御部(15)が第2信号(S2)を発信し、
前記光源制御部(52)が、前記第2信号(S2)を受信した場合、前記光源(51)の電源をオフとする、請求項6~8の何れか一項に記載の空気調和装置(10)。
【請求項10】
報知部(60)をさらに備え、
前記光源制御部(52)が、前記光源(51)の異常を検知した場合に前記空調制御部(15)に第3信号(S3)を発信し、
前記空調制御部(15)が前記第3信号(S3)を受信した場合、前記報知部(60)に報知させる、請求項6~9の何れか一項に記載の空気調和装置(10)。
【請求項11】
前記光源制御部(52)が、前記空調制御部(15)から室内温度に関する第1情報(J1)を受け取り、
前記光源制御部(52)が前記第1情報(J1)に基づいて、前記光源(51)の電源をオンオフさせる、請求項6~10の何れか一項に記載の空気調和装置(10)。
【請求項12】
前記空調制御部(15)が室内温度に関する第1情報(J1)を前記第1信号(S1)の発信条件に組み込んで発信する、請求項6~10の何れか一項に記載の空気調和装置(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、紫外線照射ユニット及び空気調和装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紫外線を照射する紫外線照射ユニット(照射部)を備えた空気調和装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。前記空気調和装置は、当該空気調和装置の各種動作を制御する空調制御部を備えており、当該空調制御部によって前記紫外線照射ユニットの動作を制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記空気調和装置では、前記紫外線照射ユニットがオプション品の場合がある。つまり、前記空気調和装置は、紫外線照射ユニットを備えない構成で使用される場合がある。しかしながら、前記空気調和装置では、紫外線照射ユニットを備えるか否かに関わらず、紫外線照射ユニットを制御するための制御プログラムを予め前記空調制御部に記憶させておく必要があった。
【0005】
本開示は、同ユニット用の制御プログラムを空気調和装置の空調制御部に記憶させておく必要がない紫外線照射ユニット、及びそれを備えた空気調和装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本開示の紫外線照射ユニットは、室内ファンを有する室内ユニットと、前記室内ユニットの動作を制御する空調制御部と、を備えた空気調和装置に取り付け可能な紫外線照射ユニットであって、前記室内ユニットに対し紫外線を照射する光源と、前記空調制御部と通信可能であり、前記光源の動作を制御する光源制御部と、を備え、前記光源制御部が、前記空調制御部から発信される第1信号を受信した場合、前記光源の電源をオンとする。
【0007】
本開示の紫外線照射ユニットによれば、当該紫外線照射ユニットを取り付け可能な空気調和装置の空調制御部において、紫外線照射ユニットを制御するための制御プログラムを予め記憶させておく必要がなくなる。このため、本開示の紫外線照射ユニットを用いることによって、空調制御部の構成を簡素化することができる。
【0008】
(2)本開示の紫外線照射ユニットは、前記光源制御部が、前記第1信号の受信後所定期間が経過した場合、前記光源の電源をオフとすると好ましい。
【0009】
この場合、光源制御部によって、光源を簡易にオンオフさせることが可能となる。紫外線照射ユニットの光源制御部の構成を簡素化することができる。
【0010】
(3)本開示の紫外線照射ユニットは、前記光源制御部が、前記空気調和装置が運転を停止した場合又は前記室内ファンが運転を停止した場合に前記空調制御部から発信される第2信号を受信した場合、前記光源の電源をオフとすると好ましい。
【0011】
この場合、光源制御部によって、空気調和装置の運転状態に応じて、光源を簡易にオンオフさせることが可能となる。
【0012】
(4)本開示の空気調和装置は、室内の空気を吸い込む吸込口を有するケーシングと、前記ケーシングに収容される室内ファンと、前記ケーシングに収容される捕集部材と、を有する室内ユニットと、前記室内ユニットの動作を制御する空調制御部と、前記捕集部材に紫外線を照射する光源と、前記空調制御部と通信可能であり前記光源の動作を制御する光源制御部と、を有する紫外線照射ユニットと、を備え、前記光源制御部が、前記空調制御部から発信される第1信号を受信すると、前記光源の電源をオンとする。
【0013】
本開示の空気調和装置によれば、空調制御部において、紫外線照射ユニットを制御するための制御プログラムを予め記憶させておく必要がなくなる。このため、本開示の空気調和装置では、空調制御部の構成を簡素化することができる。
【0014】
(5)本開示の空気調和装置は、前記空気調和装置の運転が開始された場合、又は前記室内ファンの運転が開始された場合に、前記空調制御部が前記第1信号を発信すると好ましい。
【0015】
この場合、空調制御部の構成を簡素化することができる。
【0016】
(6)本開示の空気調和装置は、前記光源制御部が、前記第1信号を受信後、所定期間経過後に前記光源の電源をオフとすると好ましい。
【0017】
この場合、空気調和装置の運転状態に応じて、光源制御部によって、光源を簡易にオンオフさせることが可能となる。
【0018】
(7)本開示の空気調和装置は、前記空気調和装置が運転を停止した場合、又は前記室内ファンが運転を停止した場合に前記空調制御部が第2信号を発信し、前記光源制御部が、前記第2信号を受信した場合、前記光源の電源をオフとすると好ましい。
【0019】
この場合、光源制御部の構成を簡素化することができる。
【0020】
(8)本開示の空気調和装置は、報知部をさらに備え、前記光源制御部が、前記光源の異常を検知した場合に前記空調制御部に第3信号を発信し、前記空調制御部が前記第3信号を受信した場合、前記報知部に報知させると好ましい。
【0021】
この場合、報知部によって、光源に異常が生じたことをユーザに知らせることが可能となる。
【0022】
(9)本開示の空気調和装置は、前記光源制御部が、前記空調制御部から室内温度に関する第1情報を受け取り、前記光源制御部が前記第1情報に基づいて、前記光源の電源をオンオフさせる。
【0023】
この場合、簡易な構成の光源制御部によって、周辺温度の影響による光源の劣化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本開示の紫外線照射ユニットを備えた空気調和装置の概略的な構成図。
【
図3】本開示の空気調和装置の室内ユニットを示す斜視図。
【
図4】化粧パネルを外した状態の室内ユニットを示す断面図。
【
図5】化粧パネル及び保護部材を外した状態の室内ユニットを示す斜視図。
【
図6】空気調和装置に取り付けられた状態の紫外線照射ユニットを示す部分拡大斜視図。
【
図8】第1実施形態に係る光源制御部の制御フロー図。
【
図9】第2実施形態に係る光源制御部の制御フロー図。
【
図10】第3実施形態に係る光源制御部の制御フロー図。
【
図11】第4実施形態に係る光源制御部の制御フロー図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照しつつ、本開示の紫外線照射ユニット及びそれを備えた空気調和装置の実施形態を詳細に説明する。
【0026】
(空気調和装置の概要)
図1は、本開示の紫外線照射ユニットを備えた空気調和装置の概略的な構成図である。
図1に示す空気調和装置10は、本開示の空気調和装置の一実施形態であり、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行うことによって、建物内部に構築された対象空間の冷房及び暖房を行うことができ、対象空間の空気の温度を所定の目標温度に調整する。空気調和装置10は、室内ユニット20及び室外ユニット30を備えている。空気調和装置10は、本実施形態では、1台の室外ユニット30に1台の室内ユニット20が接続されている構成を例示している。ただし、室内ユニット20及び室外ユニット30の台数はこれに限定されない。なお、本実施形態では、冷媒回路において冷媒を循環させて冷房及び暖房を行う空気調和装置10を例示しているが、本開示の空気調和装置はこれに限定されず、熱源装置から供給される冷水及び温水を循環させて冷房及び暖房を行う空気調和装置であってもよく、室内ユニットは所謂ファンコイルユニットであってもよい。
【0027】
室内ユニット20は、ケーシング21、室内ファン22、室内熱交換器23、及び捕集部材24を備えている。
【0028】
ケーシング21は、吸込口25及び給気口26を備えている。室内ファン22は、室内の空気(還気RA)を吸込口25からケーシング21の内部に取り込み、取り込んだ空気を室内熱交換器23内の冷媒との間で熱交換させた後、当該空気(給気SA)を給気口26から室内に吹き出すように構成されている。室内ファン22は、例えばインバータ制御によって運転回転数を調整可能なモータ(図示せず)を備えている。室内熱交換器23は、後で説明する冷媒回路40の一部を構成する。室内熱交換器23は、クロスフィンチューブ式又はマイクロチャネル式の熱交換器とされ、室内の空気と熱交換するために用いられる。
【0029】
室内ユニット20は、ケーシング21の内部において、捕集部材24を備えている。捕集部材24は、室内空間の空気(還気RA)に含まれる塵埃を捕集するための部材であり、ケーシング21の内部であって、吸込口25の近傍に配置されている。空気調和装置10では、吸込口25からケーシング21内に取り込まれた空気の全量が、捕集部材24を通過する。
【0030】
本開示の空気調和装置10は、さらに紫外線照射ユニット50を備えている。紫外線照射ユニット50は、室内ユニット20のケーシング21の内部に配置されている。紫外線照射ユニット50は、捕集部材24に紫外線UVを照射するためのユニットであり、光源51を備えている。光源51は、通電することによって紫外線UVを発するLED素子を備えている。光源51には図示しないレンズが装着されており、当該レンズによって、光源51で発せられた紫外線UVを拡散させて、室内ユニット20の一部である捕集部材24に照射する。
【0031】
室外ユニット30は、ケーシング31、室外ファン32、室外熱交換器33、圧縮機34、四路切換弁35、電動膨張弁36、液閉鎖弁37、及びガス閉鎖弁38を備えている。圧縮機34、四路切換弁35、室外熱交換器33、電動膨張弁36、液閉鎖弁37、及びガス閉鎖弁38は、後で説明する冷媒回路40の一部を構成する。
【0032】
空気調和装置10は、連絡配管27を有している。連絡配管27は、室内ユニット20と室外ユニット30との間で冷媒を循環させる。空気調和装置10は、圧縮機34、四路切換弁35、室外熱交換器33、電動膨張弁36、液閉鎖弁37、室内熱交換器23、ガス閉鎖弁38、及びこれらを接続する冷媒配管を含む冷媒回路40を備える。冷媒回路40は、ガス冷媒配管40G及び液冷媒配管40Lを含んでいる。
【0033】
室外ファン32は、インバータ制御によって運転回転数を調整可能なモータ(図示せず)を備えている。室外ファン32は、屋外の空気をケーシング31の内部に取り込み、室外熱交換器33において取り込んだ空気と冷媒との間で熱交換を行わせた後、当該空気をケーシング31の外部に吹き出すように構成されている。
【0034】
室外熱交換器33は、例えばクロスフィンチューブ式又はマイクロチャネル式の熱交換器であり、空気を熱源として冷媒と熱交換するために用いられる。
【0035】
圧縮機34は、低圧のガス冷媒を吸引し高圧のガス冷媒を吐出する。圧縮機34は、インバータ制御によって運転回転数を調整可能なモータ(図示せず)を備えている。圧縮機34は、モータがインバータ制御されることによって容量(能力)を変更可能な可変容量型(能力可変型)である。なお、本実施形態では、室外ユニット30において1台の圧縮機34を備える空気調和装置10を例示しているが、本開示の空気調和装置の構成は、この構成に限定されない。
【0036】
四路切換弁35は、冷媒配管における冷媒の流れを反転させ、圧縮機34から吐出される冷媒を室外熱交換器33と室内熱交換器23との一方に切り換えて供給する。これにより、空気調和装置10は、冷房運転と暖房運転とを切り換えて行うことができる。電動膨張弁36は、冷媒流量の調節等を行うことが可能な電動弁により構成されている。
【0037】
液閉鎖弁37及びガス閉鎖弁38は手動の開閉弁である。液閉鎖弁37及びガス閉鎖弁38は、閉じることによってガス冷媒配管40G及び液冷媒配管40Lにおける冷媒の流れを遮蔽し、開くことによって、ガス冷媒配管40G及び液冷媒配管40Lにおける冷媒の流れを許容する。
【0038】
室内ユニット20は、還気RAの温度を検出する室内温度センサ41を備えている。室内温度センサ41は、後で説明する空調制御部15に接続されている。室外ユニット30は、図示しない冷媒温度センサ、外気温度センサ等を備えている。空気調和装置10では、これらの各センサの検出値を用いて、室内熱交換器23及び室外熱交換器33の蒸発圧力、凝縮圧力、過熱度等が求められ、これらの値を調整するように圧縮機34の回転数や電動膨張弁36の開度等が制御される。
【0039】
上記構成の空気調和装置10が冷房運転を行う場合に、四路切換弁35が
図1において実線で示す状態に保持される。圧縮機34から吐出された高温高圧のガス状冷媒は、四路切換弁35を経て室外熱交換器33に流入し、室外ファン32の作動により室外空気と熱交換して凝縮・液化する。空気調和装置10が冷房運転を行う場合、室外熱交換器33は、凝縮器として機能する。液化した冷媒は、全開状態の電動膨張弁36を通過して室内ユニット20に流入する。室内ユニット20において、冷媒は、室内熱交換器23で室内空気と熱交換して蒸発する。冷媒の蒸発によって冷却された室内空気は、室内ファン22によって室内に吹き出され、当該室内を冷房する。室内熱交換器23で蒸発した冷媒は、ガス冷媒配管40Gを通って室外ユニット30に戻り、四路切換弁35を経て圧縮機34に吸い込まれる。空気調和装置10が冷房運転を行う場合、室内熱交換器23は、蒸発器として機能する。
【0040】
空気調和装置10が暖房運転を行う場合、四路切換弁35が
図1において破線で示す状態に保持される。圧縮機34から吐出された高温高圧のガス状冷媒は、四路切換弁35を通過して室内ユニット20の室内熱交換器23に流入する。室内熱交換器23において、冷媒は室内空気と熱交換して凝縮・液化する。空気調和装置10が暖房運転を行う場合、室内熱交換器23は、凝縮器として機能する。冷媒の凝縮によって加熱された室内空気は、室内ファン22によって室内に吹き出され、当該室内を暖房する。室内熱交換器23において液化した冷媒は、液冷媒配管40Lを通って室外ユニット30に戻り、電動膨張弁36で所定の低圧に減圧され、さらに室外熱交換器33で室外空気と熱交換して蒸発する。室外熱交換器33で蒸発して気化した冷媒は、四路切換弁35を経て圧縮機34に吸い込まれる。空気調和装置10が暖房運転を行う場合、室外熱交換器33は、蒸発器として機能する。
【0041】
[制御部について]
図2は、本開示の空気調和装置の制御ブロック図である。
図2に示すように、空気調和装置10は、当該空気調和装置10の動作を制御する空調制御部15を備えている。空調制御部15は、室内ユニット20に配置された室内制御部(図示せず)と、室外ユニット30に配置された室外制御部(図示せず)と、を含んでいる。前記室内制御部及び前記室外制御部は、伝送線を介して相互に通信可能に接続されている。空調制御部15には、ユーザが室内ユニット20の運転・停止、及び設定温度の変更等を行うリモコン16が接続されている。
【0042】
空調制御部15は、室内ユニット20及び室外ユニット30の動作を制御する装置であり、例えば、CPU等のプロセッサ、RAM、ROM等のメモリを備えたマイクロコンピュータにより構成される。空調制御部15は、LSI、ASIC、FPGA等を用いてハードウェアとして実現されるものであってもよい。空調制御部15は、メモリにインストールされたプログラムをプロセッサが実行することによって、所定の機能を発揮する。室内ユニット20及び室外ユニット30に設けられた各センサの検出値は、空調制御部15に入力される。空調制御部15は、各センサの検出値等に基づいて室内ファン22、室外ファン32、圧縮機34、四路切換弁35、電動膨張弁36等の動作を制御する。
【0043】
空調制御部15は、第1信号S1及び第2信号S2を発信する。第1信号S1は、空気調和装置10に取り付けられたオプション品の作動を許可する信号であり、第2信号S2は、前記オプション品を停止させる信号である。空気調和装置10では、空調制御部15が発信する第1信号S1及び第2信号S2が、後で説明する光源制御部52に入力される。
【0044】
空調制御部15は、後で説明する光源制御部52に第1情報J1を送信すると好ましい。第1情報J1は、室内温度センサ41が検知した室内の温度に関する情報である。空気調和装置10では、空調制御部15が発信する第1情報J1が、光源制御部52に入力される。光源制御部52は第1情報J1に基づいて、光源51の周囲の温度を把握することができる。なお、本開示の空気調和装置10は、空調制御部15から光源制御部52に第1情報J1を送信しなくてもよい。
【0045】
リモコン16は、ユーザが空気調和装置10の運転・停止や設定変更等の操作を行うことができる操作部である。本開示の空気調和装置10では、リモコン16に表示部17が設けられている。表示部17は、空気調和装置10の運転状態や設定値等を表示することができる部位である。空気調和装置10では、表示部17に提示される情報に基づいて、ユーザが空気調和装置10の運転状態を把握することができる。
【0046】
空気調和装置10では、空調制御部15に紫外線照射ユニット50が接続されている。紫外線照射ユニット50は、当該紫外線照射ユニット50の動作を制御する光源制御部52を備えている。光源制御部52は、光源51の動作(光源51の電源のON-OFF)を制御する装置であり、例えば、CPU等のプロセッサ、RAM、ROM等のメモリを備えたマイクロコンピュータにより構成される。光源制御部52は、LSI、ASIC、FPGA等を用いてハードウェアとして実現されるものであってもよい。光源制御部52は、メモリにインストールされたプログラムをプロセッサが実行することによって、所定の機能を発揮する。光源制御部52は、光源51の異常を検知することが可能である。光源制御部52は、光源51の異常を検知した場合に、第3信号S3を発信する。第3信号S3は、光源51に異常が生じていることを示す信号である。空気調和装置10では、光源制御部52が発信する第3信号S3が、空調制御部15に入力される。
【0047】
(室内ユニットの構成)
図3は、本開示の空気調和装置の室内ユニットを示す斜視図である。
図4は、化粧パネルを外した状態の室内ユニットを示す断面図である。
図5は、化粧パネル及び保護部材を外した状態の室内ユニットを示す斜視図である。
図3~
図5に示すように、室内ユニット20は、所謂カセット型の形態を有しており、ケーシング21及び化粧パネル28を備えている。
【0048】
ケーシング21は底面視において略矩形の形態を有しており、上部側に配置される第1ケーシング21aと、下部側に配置される第2ケーシング21bとを含んでいる。
図4に示すように、ケーシング21の内部には、室内ファン22、室内熱交換器23、捕集部材24、紫外線照射ユニット50等を収容する空間Aが形成されている。空間Aは、ケーシング21内における空気の流路を兼ねている。
図4に示すように、ケーシング21の下端部には、矩形の中央部分に吸込口25が形成されるとともに、吸込口25を囲んで4か所の給気口26が形成されている。吸込口25及び給気口26は、空間Aの下端に形成された開口部である。吸込口25の下端部には、保護部材70が配置される。保護部材70は、吸込口25内への手指の侵入を抑止するための部材である。通常の使用状態における室内ユニット20では、第2ケーシング21bの下端部は、化粧パネル28で覆われている(
図3参照)。
【0049】
図3に示すように、化粧パネル28は底面視において略矩形の形態を有しており、矩形の中央部分には、吸込みグリル29が配置されている。化粧パネル28は、吸込みグリル29を囲んで配置された4か所の吹出口28aを備えている。吸込みグリル29には、スリット状の開口部29aが形成されている。開口部29aは、吸込口25(
図4参照)を介して空間A(
図4参照)に連通している。化粧パネル28の吹出口28aは、給気口26(
図3参照)を介して空間A(
図5参照)に連通している。室内ユニット20は、吸込口25(開口部29a)から室内の空気をケーシング21内に吸い込むとともに、ケーシング21内に吸い込んだ空気を給気口26及び吹出口28aから室内に給気する。
【0050】
図4に示すように、室内ユニット20は、ケーシング21の内部(空間A)に、室内ファン22及び室内熱交換器23を備えている。室内ファン22は、室内の空気を循環させるためのファンである。室内熱交換器23は、前記冷媒回路40の一部を構成しており、連絡配管27によって室外ユニット30との間で冷媒が循環される。室内ユニット20では、室内ファン22を駆動することで、室内の空気(還気RA)を吸込口25(開口部29a)からケーシング21内に吸い込むとともに室内熱交換器23を通過させ、冷却又は加熱した空気(給気SA)を給気口26及び吹出口28aから室内へ供給する。
【0051】
(捕集部材)
図6は、空気調和装置に取り付けられた状態の紫外線照射ユニットを示す部分拡大斜視図である。
図4~
図6に示すように、室内ユニット20は、ケーシング21の内部において、捕集部材24を備えている。捕集部材24は、室内の空気(還気RA)に含まれる塵埃を捕集するための部材である。捕集部材24は、第1の捕集部材24である第1フィルタ24aと、第2の捕集部材24である第2フィルタ24bとを含んでいる。第2フィルタ24bは、第1フィルタ24aでは捕集しきれない(より微細な)塵埃を捕集するためのフィルタであり、第1フィルタ24aに比べて目が細かく、より高い捕集効率(60~95%程度)を有している。言い換えると、第1フィルタ24aは、第2フィルタ24bに比べて目が粗い。なお、本実施形態では、捕集部材24を構成する部材が何れもフィルタである場合を例示しているが、電気集塵器であってもよい。
【0052】
図5に示すように、第1フィルタ24aは、空気の流れ方向において、第2フィルタ24bの上流側に配置される。以下の説明では、第1フィルタ24aの空気の流れ方向における上流側の面を下端面24cと称する。なお、本実施形態で示した捕集部材24は、第1フィルタ24a及び第2フィルタ24bを含んでいるが、本開示の室内ユニットにおける捕集部材は、第1フィルタ及び第2フィルタの何れか一方のみであってもよい。
【0053】
室内ユニット20では、吸込口25(開口部29a)からケーシング21内に吸い込まれた空気(還気RA)が捕集部材24を通過する。このとき、還気RAに含まれる塵埃が、第1フィルタ24a及び第2フィルタ24bによって捕集される。室内ユニット20では、第1フィルタ24aの下端面24cに、有害成分や臭気成分のもととなる塵埃が付着する。
【0054】
(紫外線照射ユニット)
図6に示すように、室内ユニット20は、紫外線照射ユニット50を備えている。紫外線照射ユニット50は、第1フィルタ24aの下端面24cに紫外線UVを照射するための部位であり、光源51、光源制御部52(
図2参照)、及びカバー53を備えている。光源51は、通電することによって紫外線UVを発するLED素子を備えている。光源51には図示しないレンズが装着されており、当該レンズによって、光源51で発せられた紫外線UVを下端面24cの略全面に拡散させる。なお、本実施形態で示した光源51は、ケーシング21に固定されており、下端面24cに対して定位置から紫外線UVを照射するが、光源51をケーシング21に対し変位させる変位機構をさらに備え、前記変位機構によって光源51を変位させながら下端面24cに対して紫外線UVを照射する構成としてもよい。
【0055】
紫外線照射ユニット50は、吸込口25から捕集部材24に向けて流れる空気の流れから外れた位置に配置されている。換言すると、紫外線照射ユニット50は、底面視において、吸込口25及び捕集部材24と重ならない位置に配置されている。仮に紫外線照射ユニット50を吸込口25から捕集部材24に向けて流れる空気の流れ中に配置した場合、紫外線照射ユニット50が通風抵抗を増大させる要因となる。本開示の室内ユニット20では、紫外線照射ユニット50を吸込口25から捕集部材24に向けて流れる空気の流れから外れた位置に配置することによって、通風抵抗の増大を抑制している。
【0056】
紫外線照射ユニット50は、カバー53を備えている。カバー53は、ケーシング21に対して光源51を支持するための部材を兼ねており、ケーシング21に対してビス止めされている。カバー53には、本体部53a及び開口部53bを備えている。光源51から発せられた紫外線UVは、開口部53bを通ってカバー53の外部の空間Aに照射される。開口部53bを通ってカバー53の外部の空間Aに照射された紫外線UVは、捕集部材24の下端面24cに照射される。
【0057】
(報知部について)
図2に示すように、空気調和装置10は、報知部60をさらに備える。空気調和装置10では、光源制御部52が、光源51の異常を検知した場合に空調制御部15に第3信号S3を発信する。空気調和装置10では、空調制御部15が第3信号S3を受信した場合、空調制御部15が、報知部60に報知させる。このような構成の空気調和装置10では、報知部60によって、光源51に異常が生じたことをユーザに知らせることが可能となる。なお、空気調和装置10では、光源制御部52が、光源51の異常を検知した場合、例えばリモコン16の表示部17に、異常を報知するための情報を表示させても良い。
【0058】
[空調制御部が行う制御内容について]
図7は、空調制御部の制御フロー図である。空調制御部15(
図3参照)は、ユーザがリモコン16(
図3参照)を操作し、空気調和装置10の運転がONにされると、
図7に示す制御動作を開始する。
図7に示す制御動作は、空気調和装置10に取り付け可能なオプション品の動作を制御するための動作である。本開示では、空気調和装置10に取り付け可能なオプション品が紫外線照射ユニット50である場合を例示して説明する。なお、紫外線照射ユニット50以外のオプション品には、電気集塵器、脱臭ユニット、活性種を発生させる放電ユニット等がある。
【0059】
図7に示すように、紫外線照射ユニット50用の制御動作が開始されると、空調制御部15は、ステップ(S101)を実行する。ステップ(S101)において、空調制御部15は、紫外線照射ユニット50が空気調和装置10(空調制御部15)に接続されているか否かについての判定を実行する。ステップ(S101)において、空調制御部15が、紫外線照射ユニット50が空気調和装置10(空調制御部15)に接続されている(YES)と判定した場合には、次に、ステップ(S102)を実行する。一方、ステップ(S101)において、空調制御部15が、紫外線照射ユニット50が空気調和装置10(空調制御部15)に接続されていない(NO)と判定した場合には、紫外線照射ユニット50の制御動作を実行する必要がないと判断して制御を終了する。
【0060】
ステップ(S102)において、空調制御部15は、室内ユニット20に異常があるか否かについての判定を実行する。ステップ(S102)において、空調制御部15が、室内ユニット20に異常がない(YES)と判定した場合には、次に、ステップ(S103)を実行する。一方、ステップ(S102)において、空調制御部15が、室内ユニット20に異常がある(NO)と判定した場合には、紫外線照射ユニット50の制御動作を実行できないと判断して制御を終了する。
【0061】
ステップ(S103)において、空調制御部15は、室内ファン22がONであるか否かについての判定を実行する。ステップ(S103)において、空調制御部15が、室内ファン22がONである(YES)と判定した場合には、次に、ステップ(S104)を実行する。一方、ステップ(S103)において、空調制御部15が、室内ファン22がONでない(NO)と判定した場合には、室内ファン22がONになるまで、ステップ(S103)の判定を繰り返し実行する。
【0062】
ステップ(S104)において、空調制御部15は、第1信号S1を発信する。第1信号S1は、空気調和装置10に取り付けられたオプション品の作動を許可する信号であり、取り付け可能な全てのオプション品に対応する汎用の信号である。換言すると、本開示の空気調和装置10では、(1)紫外線照射ユニット50が空気調和装置10(空調制御部15)に接続されており、(2)室内ユニット20に異常がなく、(3)室内ファン22がONである、という(1)~(3)の条件が揃った場合に、空調制御部15が、第1信号S1を発信する。なお、本開示の空気調和装置10では、上記(1)~(3)の条件が揃った場合に、空調制御部15が、第1信号S1を発信する構成を例示しているが、(1)及び(2)の条件のみが揃った場合に、空調制御部15が、第1信号S1を発信する構成としてもよい。この場合、室内ファン22がOFFであっても、空調制御部15が、第1信号を発信することができる。この場合、室内ファン22がOFFの状態で、光源51による紫外線UVの照射が可能となる。
【0063】
空調制御部15は、ステップ(S104)において第1信号S1を発信した後、次にステップ(S105)を実行する。ステップ(S105)において、空調制御部15は、リモコン16がONであるか否かについての判定を実行する。ステップ(S105)において、空調制御部15が、リモコン16がONである(YES)と判定した場合には、次に、ステップ(S106)を実行する。一方、ステップ(S105)において、空調制御部15が、リモコン16がONでない(NO)と判定した場合(つまり、空気調和装置10がOFFにされた場合)には、次に、ステップ(S109)を実行する。
【0064】
ステップ(S106)において、空調制御部15は、室内ユニット20に異常があるか否かについての判定を実行する。ステップ(S106)において、空調制御部15が、室内ユニット20に異常がない(YES)と判定した場合には、次に、ステップ(S107)を実行する。一方、ステップ(S106)において、空調制御部15が、室内ユニット20に異常がある(NO)と判定した場合には、次に、ステップ(S109)を実行する。
【0065】
ステップ(S107)において、空調制御部15は、室内ファン22がONであるか否かについての判定を実行する。ステップ(S107)において、空調制御部15が、室内ファン22がONである(YES)と判定した場合には、室内ファン22がOFFとなるまで、ステップ(S105)~(S107)を繰り返し実行する。一方、ステップ(S107)において、空調制御部15が、室内ファン22がONでない(NO)と判定した場合(つまり、空気調和装置10がサーモ発停による自動停止状態である場合)には、次に、ステップ(S108)を実行する。
【0066】
ステップ(S108)において、空調制御部15は、第2信号S2を発信する。第2信号S2は、空気調和装置10に取り付けられたオプション品を停止させるための信号であり、取り付け可能な全てのオプション品に対応する汎用の信号である。換言すると、本開示の空気調和装置10では、第1信号S1の発信後、(4)リモコン16がONであり、かつ、(5)室内ユニット20に異常はないが、(6)室内ファン22がONでなくなった場合に、空調制御部15が第2信号S2を発信する。
【0067】
空気調和装置10では、第1信号S1の発信後において、リモコン16によって空気調和装置10がOFF状態とされた場合、又は、室内ユニット20に異常が生じた場合には、ステップ(S109)において、空調制御部15が第2信号S2を発信し、紫外線照射ユニット50用の制御動作を終了させる。
【0068】
以上説明した通り、本開示の空気調和装置10では、空調制御部15が、紫外線照射ユニット50の動作を許可する第1信号S1と、紫外線照射ユニット50用の動作を停止させる第2信号S2のみを発信する。換言すると、空調制御部15は、紫外線照射ユニット50の動作(具体的には、光源51のON-OFF動作)を制御しない。
【0069】
[光源制御部が行う制御内容について]
図8は、第1実施形態に係る光源制御部の制御フロー図である。
図8に示す制御動作は、紫外線照射ユニット50の光源51の動作を制御する制御動作の第1実施形態である。紫外線照射ユニット50に電力が供給されると、光源制御部52(
図3参照)は、
図8に示す制御動作を開始する。
【0070】
図8に示すように、光源制御部52は、光源51の動作制御を開始すると、ステップ(S201)を実行する。ステップ(S201)において、光源制御部52は、第1信号S1の入力があるか否かについての判定を実行する。ステップ(S201)において、光源制御部52が、第1信号S1の入力がある(YES)と判定した場合には、次に、ステップ(S202)を実行する。一方、ステップ(S201)において、光源制御部52が、第1信号S1の入力がない(NO)と判定した場合には、第1信号S1の入力があるまで、ステップ(S201)を繰り返し実行する。
【0071】
ステップ(S202)において、光源制御部52は、光源51の電源をONとする。このとき空気調和装置10では、光源51から捕集部材24の下端面24cに向けて紫外線UVが照射される。
【0072】
光源制御部52は、ステップ(S202)において光源51の電源をONした後、次に、ステップ(S203)を実行する。ステップ(S203)において、光源制御部52は、第2信号S2の入力があるか否かについての判定を実行する。ステップ(S203)において、光源制御部52が、第2信号S2の入力がある(YES)と判定した場合には、次に、ステップ(S204)を実行する。一方、ステップ(S203)において、光源制御部52が、第2信号S2の入力がない(NO)と判定した場合には、第2信号S2の入力があるまで、ステップ(S203)を繰り返し実行する。
【0073】
ステップ(S204)において、光源制御部52は、光源51の電源をOFFとする。このとき空気調和装置10では、光源51から捕集部材24に向けた紫外線UVの照射が停止される。
【0074】
光源制御部52は、ステップ(S204)において光源51の電源をOFFとした後、ステップ(S201)に戻って、再度ステップ(S201)以降の制御動作を実行する。
【0075】
以上説明した通り、本開示の空気調和装置10では、光源制御部52が、光源51の電源のON-OFFを制御する。
【0076】
本開示の空気調和装置10では、光源制御部52が、空調制御部15から送られる第1情報J1に基づいて、光源51の電源をON-OFFさせると好ましい。光源51は、高温の雰囲気下(例えば、40度を超える雰囲気)で使用された場合に、寿命が低下することが知られている。本開示の空気調和装置10では、光源制御部52が、第1情報J1に基づいて、光源51の電源をON-OFFさせる。具体的には、光源制御部52は、第1情報J1から光源51の周囲温度が40度を超えていることを検知した場合、光源51の電源をOFFとし、光源51の周囲温度が40度未満であることを検知した場合、光源51の電源をONとする。空気調和装置10では、このような構成により、光源51の寿命の低下を抑制することができる。さらに、このような構成の空気調和装置10では、紫外線照射ユニット50に温度センサを設ける必要がないため、紫外線照射ユニット50の構成を簡素にすることができる。なお、空気調和装置10では、第1信号S1を発信する条件に第1情報J1を組み込んで、室内温度センサ41の検出値から光源51の周囲温度が40度未満であると判断した場合に、空調制御部15が第1信号S1を発信する構成としてもよい。
【0077】
図9は、第2実施形態に係る光源制御部の制御フロー図である。
図9に示す制御動作は、紫外線照射ユニット50の光源51の動作を制御する制御動作の第2実施形態である。空気調和装置10では、光源制御部52(
図3参照)が、
図9に示すフローに沿って光源51の動作を制御してもよい。第2実施形態に係る光源制御部52の制御フローは、ステップ(S200)及びステップ(S205)を有する点で、第1実施形態に係る光源制御部52の制御フロー(
図8参照)と異なっている。ここでは、
図8に示すフローと異なっている構成について説明し、共通する構成についての説明は省略する。
【0078】
図9に示すように、光源制御部52は、光源51の動作制御を開始すると、ステップ(S200)を実行する。ステップ(S200)において、光源制御部52は、光源51に異常がないか否かについての判定を実行する。ステップ(S200)において、光源制御部52が、光源51に異常がない(YES)と判定した場合には、次に、ステップ(S201)を実行する。一方、ステップ(S200)において、光源制御部52が、光源51に異常がある(NO)と判定した場合には、次に、ステップ(S205)を実行する。
【0079】
ステップ(S205)において、光源制御部52は、第3信号S3を発信する。空調制御部15は、第3信号S3の入力があった場合に、報知部60により報知させる。
【0080】
以上説明した通り、本開示の空気調和装置10では、光源制御部52が、光源51の異常を検知した場合に第3信号S3を発信し、第3信号S3を受信した空調制御部15は、報知部60を報知させる。
【0081】
図10は、第3実施形態に係る光源制御部の制御フロー図である。
図10に示す制御動作は、紫外線照射ユニット50の光源51の動作を制御する制御動作の第3実施形態である。空気調和装置10では、光源制御部52(
図3参照)が、
図10に示すフローに沿って光源51の動作を制御してもよい。
【0082】
図10に示すように、光源制御部52は、光源51の動作制御を開始すると、ステップ(S211)を実行する。ステップ(S211)において、光源制御部52は、第1信号S1の入力があるか否かについての判定を実行する。ステップ(S211)において、光源制御部52が、第1信号S1の入力がある(YES)と判定した場合には、次に、ステップ(S212)を実行する。一方、ステップ(S211)において、光源制御部52が、第1信号S1の入力がない(NO)と判定した場合には、第1信号S1の入力があるまで、ステップ(S211)を繰り返し実行する。
【0083】
ステップ(S212)において、光源制御部52は、光源51の電源をONとする。このとき空気調和装置10では、光源51から捕集部材24の下端面24cに向けて紫外線UVが照射される。
【0084】
光源制御部52は、ステップ(S212)において光源51の電源をONした後、次に、ステップ(S213)を実行する。ステップ(S213)において、光源制御部52は、光源51の電源をONした後に第1所定期間X1が経過したか否かについての判定を実行する。ステップ(S213)において、光源制御部52が、第1所定期間X1が経過した(YES)と判定した場合には、次に、ステップ(S215)を実行する。一方、ステップ(S213)において、光源制御部52が、第1所定期間X1が経過していない(NO)と判定した場合には、次に、ステップ(S214)を実行する。
【0085】
ステップ(S214)において、光源制御部52は、第2信号S2の入力があるか否かについての判定を実行する。ステップ(S214)において、光源制御部52が、第2信号S2の入力がある(YES)と判定した場合には、次に、ステップ(S215)を実行する。一方、ステップ(S214)において、光源制御部52が、第2信号S2の入力がない(NO)と判定した場合には、第2信号S2の入力があるまで、ステップ(S213)及びステップ(S214)を繰り返し実行する。
【0086】
ステップ(S215)において、光源制御部52は、光源51の電源をOFFとする。光源制御部52は、ステップ(S215)において光源51の電源をOFFとした後、次に、ステップ(S216)を実行する。このように、空気調和装置10では、第2信号S2の入力の有無に関わらず、光源51の電源をONとした後、第1所定時間X1が経過した場合に、光源51の電源をOFFとしてもよい。
【0087】
ステップ(S216)において、光源制御部52は、光源51の電源をOFFとしてから第2所定期間X2が経過したか否かについての判定を実行する。ステップ(S216)において、光源制御部52が、第2所定期間X2が経過した(YES)と判定した場合には、ステップ(S211)に戻る。一方、ステップ(S216)において、光源制御部52が、第2所定期間X2が経過していない(NO)と判定した場合には、第2所定期間X2が経過するまで、ステップ(S216)を繰り返し実行する。
【0088】
空気調和装置10では、
図10に示す制御フローを採用した場合、例えば、光源51を3時間ONとした後、3時間OFFとし、さらにその後3時間ONとして、光源51を合計6時間ONとするような制御が可能となる。これにより、光源51の1日当たりの照射時間の上限を容易に設定することが可能となる。この場合、光源制御部52が有する機能だけで光源51の電源をON-OFF制御することが可能となる。空気調和装置10では、使用時間の増加に伴う光源51の劣化を考慮して、第1所定期間X1を、使用時間の増加に応じて長くするとより好ましい。これにより、使用時間が長くなった光源51を使用した場合であっても所定の照射強度を確保することができ、除菌性能の低下を抑制することが可能となる。
【0089】
以上説明した通り、本開示の空気調和装置10では、光源制御部52によって、光源51の電源を第1所定期間X1の間ONとした後、第2所定期間X2の間OFFとすることができる。
【0090】
図11は、第4実施形態に係る光源制御部の制御フロー図である。
図11に示す制御動作は、紫外線照射ユニット50の光源51の動作を制御する制御動作の第4実施形態である。空気調和装置10では、光源制御部52(
図3参照)が、
図11に示すフローに沿って、光源51の動作を制御してもよい。
【0091】
図11に示すように、光源制御部52は、光源51の制御動作を開始すると、まず、ステップ(S220)を実行し、光源51の積算照射時間Tを「0」にリセットし、次に、ステップ(S221)を実行する。
【0092】
ステップ(S221)において、光源制御部52は、第1信号S1の入力があるか否かについての判定を実行する。ステップ(S211)において、光源制御部52が、第1信号S1の入力がある(YES)と判定した場合には、次に、ステップ(S222)を実行する。一方、ステップ(S221)において、光源制御部52が、第1信号S1の入力がない(NO)と判定した場合には、第1信号S1の入力があるまで、ステップ(S221)を繰り返し実行する。
【0093】
ステップ(S222)において、光源制御部52が、光源51の積算照射時間Tが、所定の閾値Y未満か否かについての判定を実行する。ステップ(S222)において、光源制御部52が、光源51の積算照射時間Tが、所定の閾値Y未満である(YES)と判定した場合には、次に、ステップ(S223)を実行する。一方、ステップ(S222)において、光源制御部52が、光源51の積算照射時間Tが、所定の閾値Yを越えた(NO)と判定した場合には、次に、ステップ(S229)を実行する。
【0094】
ステップ(S223)において、光源制御部52は、光源51の電源をONとする。空気調和装置10では、このとき、光源51から捕集部材24の下端面24cに向けて紫外線UVが照射される。
【0095】
光源制御部52は、ステップ(S223)において光源51の電源をONとした後、ステップ(S224)を実行する。ステップ(S224)において、光源制御部52は、光源51による紫外線UVの照射時間の積算を開始し、次に、ステップ(S225)を実行する。
【0096】
ステップ(S225)において、光源制御部52は、光源51の積算照射時間Tが、所定の閾値Y未満か否かについての判定を実行する。ステップ(S225)において、光源制御部52が、光源51の積算照射時間Tが、所定の閾値Y未満である(YES)と判定した場合には、次に、ステップ(S226)を実行する。一方、ステップ(S225)において、光源制御部52が、光源51の積算照射時間Tが、所定の閾値Yを越えた(NO)と判定した場合には、次に、ステップ(S227)を実行する。
【0097】
ステップ(S227)において、光源制御部52は、光源51の積算照射時間Tを「0」にリセットし、次に、ステップ(S228)を実行する。
【0098】
ステップ(S226)において、光源制御部52は、第2信号S2の入力があるか否かについての判定を実行する。ステップ(S226)において、光源制御部52が、第2信号S2の入力がある(YES)と判定した場合には、次に、ステップ(S228)を実行する。一方、ステップ(S226)において、光源制御部52が、第2信号S2の入力がない(NO)と判定した場合には、第2信号S2の入力があるまで、ステップ(S225)~(S226)を繰り返し実行する。
【0099】
ステップ(S228)において、光源制御部52は、光源51の電源をOFFとする。光源制御部52は、ステップ(S228)において光源51をOFFさせた後、ステップ(S230)を実行する。ステップ(S222)からステップ(S229)に至った場合も同様に、光源制御部52は、光源51の積算照射時間Tを「0」にリセットし、次に、ステップ(S230)を実行する。
【0100】
ステップ(S230)において、光源制御部52は、光源51による紫外線UVの照射が可能なタイミングであるか否かについての判定を実行する。ステップ(S230)において、光源制御部52が、光源51による紫外線UVの照射が可能なタイミングである(YES)と判定した場合には、ステップ(S221)に戻る。一方、ステップ(S230)において、光源制御部52が、光源51による紫外線UVの照射が可能なタイミングでない(NO)と判定した場合には、光源51による紫外線UVの照射が可能なタイミングになるまで、ステップ(S230)を繰り返し実行する。
【0101】
紫外線照射ユニット50では、光源51の寿命を考慮して、1日の照射時間の上限を設定する。ある日において、光源51による紫外線UVの照射時間が上限に達していないときは、光源51による紫外線UVの照射が可能なタイミングに該当する。一方、光源51による紫外線UVの照射時間が上限に達しているときは、光源51による紫外線UVの照射が不可能なタイミングに該当する。1日の照射時間が上限の閾値Yを越えていてステップ(S227)及びステップ(S229)を経て光源OFFとなった場合、その日は光源による照射を行うことができないため、ステップ(S230)において、次の日になるまで待機する。
【0102】
以上説明した通り、本開示の空気調和装置10では、光源制御部52によって、光源51の積算照射時間Tに応じて、光源51の電源のON-OFFを制御する。
【0103】
[実施形態の作用効果]
(1)上記実施形態の紫外線照射ユニット50は、室内ファン22を有する室内ユニット20と、室内ユニット20の動作を制御する空調制御部15と、を備えた空気調和装置10に取り付け可能である。紫外線照射ユニット50は、室内ユニット20に対し紫外線UVを照射する光源51と、空調制御部15と通信可能であり、光源51の動作を制御する光源制御部52と、を備える。紫外線照射ユニット50では、光源制御部52が、空調制御部15から発信される第1信号S1を受信した場合、光源51の電源をオンとする。
【0104】
このような構成の紫外線照射ユニット50によれば、当該紫外線照射ユニット50を取り付け可能な空気調和装置10の空調制御部15において、紫外線照射ユニット50を制御するための制御プログラムを予め記憶させておく必要がなくなる。このため、空気調和装置10の空調制御部15の構成を簡素化することができる。
【0105】
(2)上記実施形態の紫外線照射ユニット50では、光源制御部52が、第1信号S1の受信後第1所定期間X1が経過した場合、光源51の電源をオフとする。
【0106】
この場合、光源制御部52によって、光源51を簡易にオンオフさせることが可能となる。紫外線照射ユニット50の光源制御部52の構成を簡素化することができる。
【0107】
(3)上記実施形態の紫外線照射ユニット50では、光源制御部52が、空気調和装置10が運転を停止した場合又は室内ファン22が運転を停止した場合に空調制御部15から発信される第2信号S2を受信した場合、光源51の電源をオフとする。
【0108】
この場合、光源制御部52によって、空気調和装置10の運転状態に応じて、光源51を簡易にオンオフさせることが可能となる。
【0109】
(4)上記実施形態の空気調和装置10は、室内の空気を吸い込む吸込口25を有するケーシング21と、ケーシング21に収容される室内ファン22と、ケーシング21に収容される捕集部材24と、を有する室内ユニット20、室内ユニット20の動作を制御する空調制御部15と、捕集部材24に紫外線を照射する光源51と、空調制御部15と通信可能であり光源51の動作を制御する光源制御部52と、を有する紫外線照射ユニット50と、を備える。空気調和装置10では、光源制御部52が、空調制御部15から発信される第1信号S1を受信すると、光源51の電源をオンとする。
【0110】
本開示の空気調和装置10によれば、空調制御部15において、紫外線照射ユニット50を制御するための制御プログラムを予め記憶させておく必要がなくなる。このため、空気調和装置10では、空調制御部15の構成を簡素化することができる。
【0111】
(5)上記実施形態の空気調和装置10では、当該空気調和装置10の運転が開始された場合、又は室内ファン22の運転が開始された場合に、空調制御部15が第1信号S1を発信する。
【0112】
この場合、空調制御部15の構成を簡素化することができる。
【0113】
(6)上記実施形態の空気調和装置10では、光源制御部52が、第1信号S1を受信後、第1所定期間X1経過後に光源51の電源をオフとする。
【0114】
この場合、空気調和装置10の運転状態に応じて、光源制御部52によって、光源51を簡易にオンオフさせることが可能となる。
【0115】
(7)上記実施形態の空気調和装置10では、当該空気調和装置10が運転を停止した場合、又は室内ファン22が運転を停止した場合に空調制御部15が第2信号S2を発信し、光源制御部52が、第2信号S2を受信した場合、光源51の電源をオフとする。
【0116】
この場合、光源制御部52の構成を簡素化することができる。
【0117】
(8)上記実施形態の空気調和装置10は、報知部60をさらに備える。空気調和装置10では、空調制御部15が、光源51の異常を検知した場合に空調制御部に第3信号S3を発信し、空調制御部15が第3信号S3を受信した場合、報知部60に報知させる。
【0118】
この場合、報知部60によって、光源51に異常が生じたことをユーザに知らせることが可能となる。
【0119】
(9)上記実施形態の空気調和装置10は、光源制御部52が、空調制御部15から室内温度に関する第1情報J1を受け取り、第1情報J1に基づいて、光源51の電源をオンオフさせる。
【0120】
この場合、簡易な構成の光源制御部52によって、周辺温度の影響による光源51の劣化を抑制することができる。
【0121】
なお、本開示は、以上の例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0122】
10 :空気調和装置
15 :空調制御部
20 :室内ユニット
21 :ケーシング
22 :室内ファン
24 :捕集部材
25 :吸込口
50 :紫外線照射ユニット
51 :光源
52 :光源制御部
60 :報知部
S1 :第1信号
S2 :第2信号
S3 :第3信号
J1 :第1情報
X1 :第1所定期間(所定期間)