(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】薬剤分包装置
(51)【国際特許分類】
A61J 3/00 20060101AFI20240502BHJP
B65B 57/00 20060101ALI20240502BHJP
B65B 57/10 20060101ALI20240502BHJP
B65B 9/093 20120101ALI20240502BHJP
【FI】
A61J3/00 310E
B65B57/00 H
B65B57/10 C
B65B9/093
(21)【出願番号】P 2023090546
(22)【出願日】2023-05-31
(62)【分割の表示】P 2022063686の分割
【原出願日】2016-03-16
【審査請求日】2023-06-21
(31)【優先権主張番号】P 2015065719
(32)【優先日】2015-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】592246705
【氏名又は名称】株式会社湯山製作所
(72)【発明者】
【氏名】小池 直樹
【審査官】小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-240674(JP,A)
【文献】特開2015-66227(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 3/00
B65B 57/00
B65B 57/10
B65B 9/093
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤包装用の分包紙を供給する分包紙供給部と、
前記分包紙供給部から供給された前記分包紙の開放部分を閉塞するシール部と、
前記シール部は、前記分包紙の開放部分が完全に閉塞された分包袋と、前記開放部分のうち、供給される分包紙における進行方向下流側の短手方向が閉塞され、長手方向と進行方向上流側の短手方向が開放された半袋状の分包紙と、を形成するものであって、
前記半袋状の分包紙の内側に薬剤を導入する薬剤導入部と、
前記半袋状の分包紙の内側における薬剤の存在を検知する検知部と、を備えており、
前記検知部は、前記半袋状の分包紙の内側を撮影可能なカメラを備えており、
薬剤が分包紙の内側に存在していない場合の前記カメラにより得られた画像をマスタ画像として準備しておき、
前記半袋状の分包紙において薬剤が導入され、進行方向上流側の短手方向の閉塞を開始するタイミング以降であって、前記薬剤導入部を介して次の半袋状の分包紙に薬剤が導入されるタイミングよりも前の期間内に実際に前記カメラによって次の半袋状の分包紙の内側を撮影した画像を得て、得た画像と前記マスタ画像とを用いて当該次の半袋状の分包紙について薬剤の有無の判定を行う判定部を備えたことを特徴とする薬剤分包装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤分包装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1に開示されているような薬剤分包装置が提供されている。この薬剤分包装置によれば、処方に応じて薬剤供給部から払い出された薬剤を一服用分ずつ薬剤包装用の分包紙によって包装できる。具体的には、この薬剤分包装置においては、先ず薬剤包装部に設けられたシール装置によって形成された未封止状態の分包袋に対して薬剤供給部から供給されてきた薬剤が導入される。その後、分包袋の開放部分をシール装置によって封止することにより、薬剤が一服用分ずつ包装される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上述した従来技術の薬剤分包装置を用いて薬剤を分包する場合、分包袋の大きさに対して前記薬剤包装部から供給された薬剤が導入される際や、分包袋の開放部分をシール装置によって封止する際に一部の薬剤が溢れ出してしまう懸念がある。本来分包されるべき分包袋から薬剤が溢れ出すと、次に作成する分包袋に誤って分包される懸念や、シール装置により分包袋の開放部分にシールを施そうとする箇所に噛み込んでしまう懸念が生じる。しかしながら、従来技術の薬剤分包装置においては、薬剤が確実に分包されたかを確認可能とされておらず、分包後に薬剤師等によって行われる鑑査を強化せざるを得ないという問題があった。
【0005】
そこで本発明は、次に作成する分包袋に誤った薬剤が分包されることを検知可能な薬剤分包装置の提供を目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決すべく提供される本発明の薬剤分包装置は、薬剤包装用の分包紙を供給する分包紙供給部と、前記分包紙供給部から供給される前記分包紙から分包袋を形成するシール部と、前記シール部よりも前記分包紙の搬送方向上流側において前記分包紙内に前記薬剤を導入する薬剤導入部と、前記分包紙の内側であって、前記シール部よりも前記搬送方向上流側における前記薬剤の存在を検知する検知部と、分包状態の判定を行う判定部とを備えており、前記検知部により、前記薬剤が導入された前記分包袋の封止を開始するタイミング以降、前記薬剤導入部を介して前記次の分包袋に分包するための前記薬剤が導入されるタイミングよりも前の期間内に前記薬剤の存在を検知する封止検知を行い、前記封止検知において前記薬剤の存在が検知されないことが、前記薬剤が正常に分包されたとの判定を行うための判定条件とされるものである。
【0007】
本発明の薬剤分包装置では、検知部を設けることにより、シール部よりも分包紙の搬送方向上流側の領域における薬剤の存在を検知可能としている。また、本発明の薬剤分包装置では、判定部を設けることにより、検知部による検知結果に基づいて薬剤が本来分包されるべき分包袋から溢れ出すことなく正常に分包されているか否かの判定を行える。
【0008】
すなわち、薬剤が導入された分包袋の封止を開始するタイミング以降、次の分包袋に分包するための薬剤が導入されるタイミングよりも前の期間内に、検知部によって薬剤の存在が検知されていない場合には、本来分包されるべき分包袋から薬剤が溢れ出すことなく正常に分包されている可能性が高い。かかる知見に基づき、本発明においては、前述した期間内に検知部によって薬剤の存在が検知されないことを判定条件として薬剤が正常に分包されたものと判定を行う行うこととしている。従って、本発明の薬剤分包装置によれば、薬剤が本来分包されるべき分包袋に確実に分包されたか否かを精度良く検知できる。
【0009】
また、同様の知見に基づいて提供される本発明の薬剤分包装置は、前記分包紙供給部から供給される前記分包紙から分包袋を形成するシール部と、前記シール部よりも前記分包紙の搬送方向上流側において前記分包紙内に前記薬剤を導入する薬剤導入部と、前記分包紙の内側であって、前記シール部よりも前記搬送方向上流側における前記薬剤の存在を検知する検知部と、分包状態の判定を行う判定部とを備えており、前記検知部により、前記薬剤が導入された前記分包袋の封止を開始するタイミング以降、前記薬剤導入部を介して前記次の分包袋に分包するための前記薬剤が導入されるタイミングよりも前の期間内に前記薬剤の存在を検知する封止検知を行い、前記封止検知において前記薬剤の存在が検知されることが、分包不良の発生が生じたとの判定を行うための判定条件とされるものである。
【0010】
本発明の薬剤分包装置では、シール部よりも分包紙の搬送方向上流側の領域における薬剤の存在を検知部で検知可能であると共に、検知部によって行われた封止検知の結果に基づき、検知部による検知結果に基づいて薬剤が本来分包されるべき分包袋から溢れ出していないかの判定を行える。すなわち、薬剤が導入された分包袋の封止を開始するタイミング以降、次の分包袋に分包するための薬剤が導入されるタイミングよりも前の期間内に、検知部によって薬剤の存在が検知された場合には、本来分包されるべき分包袋から薬剤が溢れ出した薬剤が検知された可能性が高い。かかる知見に基づき、本発明においては、前述した期間内に検知部によって薬剤の存在が検知されることを判定条件として分包不良の有無を判定することとしている。従って、本発明の薬剤分包装置によれば、分包不良の有無を精度良く検知できる。
【0011】
ここで、分包すべき薬剤が確実に分包されたか否かの判定精度をさらに向上させるためには、上述したように分包袋の封止状態についての判定可能とするだけでなく、薬剤導入部により分包紙内に薬剤が導入されたことの判定も行えるようにすることが望ましい。
【0012】
かかる知見に基づけば、上述した本発明の薬剤分包装置は、前記検知部により、前記薬剤導入部により前記分包紙内への前記薬剤の導入を検知する導入検知を行い、前記導入検知により前記薬剤の導入が検知されることが、前記薬剤が正常に分包されたとの判定を行うための判定条件とされるものであることが望ましい。
【0013】
かかる構成によれば、薬剤導入部により分包紙内に薬剤が導入されたことの判定も行えることとなり、分包すべき薬剤が確実に分包されたことの判定精度をより一層向上させ得る。
【0014】
上述した本発明の薬剤分包装置は、前記薬剤が導入された前記分包袋の封止を開始するタイミング以降、封止が完了するまでの期間内に前記シール部による前記分包紙の接合が中断され、前記分包紙の接合が中断されている期間内に、前記検知部による前記薬剤の検知が実施されるものであっても良い。
【0015】
本発明のように分包紙の接合が中断されている期間内に、検知部によって薬剤を検知すれば、より一層検知精度を向上させ得る。また、分包袋の封止の開始以降、封止完了までの期間で分包紙の接合を中断することにより、万一本来分包されるべき分包袋から薬剤が溢れ出してしまっていたとしても、分包紙の接合が完了するまでの間に分包不良に対する対応を行える。具体的には、例えばこれから形成しようとしている分包紙の接合部分に溢れ出した薬剤が噛み込まないよう、分包紙の接合を中止する対応等を行える。
【0016】
上述した本発明の薬剤分包装置は、前記シール部が、重ね合わせた状態の前記分包紙を長手方向にシール可能な横シール部材と、前記分包紙を短手方向にシール可能な縦シール部材とを備え、前記分包紙の前記長手方向に連続する先の分包袋と次の分包袋の間に前記縦シール部材によって前記分包紙を前記短手方向にシールした後、前記次の分包袋に分包される薬剤が導入されるまでの間に前記検知部による前記薬剤の検知が行われるものであっても良い。
【0017】
かかる構成によれば、分包用として供給された薬剤が確実に分包されたか否かを正確に確認可能な薬剤分包装置を提供できる。
【0018】
上述した本発明の薬剤分包装置は、前記先の分包袋と前記次の分包袋の間に前記縦シールを形成すべく前記縦シール部材が前記分包紙に接触するタイミングにおいて前記分包紙の接合が中断され、前記検知部による検知が行われるものであることが望ましい。
【0019】
かかる構成によれば、本来分包されるべき分包袋から薬剤が万一溢れ出してしまっていたとしても、溢れ出している薬剤が縦シール部材に挟み込まれてしまうのを防止しつつ、分包不良の発生を精度良く検知できる。
【0020】
上述した本発明の薬剤分包装置は、前記検知部が、前記シール部よりも前記分包紙の搬送方向上流側において前記分包紙の内側を撮影可能なカメラを備えたものであることが好ましい。
【0021】
かかる構成によれば、カメラにより得られた画像に基づいて薬剤の存在を精度良く検知できる。
【0022】
上述した本発明の薬剤分包装置は、前記薬剤導入部の少なくとも先端部が未封止状態の前記分包袋内に差し込まれており、前記検知部が、前記薬剤導入部の基端側から前記先端側に向けて配置されていることが望ましい。
【0023】
かかる構成によれば、薬剤が本来分包されるべき分包袋から溢れ出していないかをより一層精度良く検知できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、分包用として供給された薬剤が確実に分包されか否かを確認可能な薬剤分包装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施形態に係る薬剤分包装置の内部構造を模式的に示した概念図である。
【
図2】
図1に示す薬剤分包装置の薬剤準備部および薬剤包装部近傍の構造を示す斜視図である。
【
図4】(a)は保護カバーを取り外した状態のシール装置を示す正面図であり、(b)は縦加熱体を示す斜視図である。
【
図6】
図1に示す薬剤分包装置において行われる分包状態の検知状態を説明すべく、ホッパーとシール装置を構成する縦シール部材及び横シール部材とを簡略化して示した平面図である。
【
図7】
図1に示す薬剤分包装置におけるシール部、ホッパー、及び検知部の配置を示した模式図である。
【
図8】
図1の薬剤分包装置において制御装置を中心として構成されるブロック図である。
【
図9】(a)は薬剤が存在しない状態において検知部により取得される検知画像の一例を示す説明図であり、(b)は薬剤が存在している状態において得られる検知画像の一例を示す説明図である。
【
図10】
図1に示した薬剤分包装置における分包袋の形成方法に係るフローチャートである。
【
図11】
図10の第二縦シールの形成工程に係るサブルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一実施形態に係る薬剤分包装置10について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明においては、先ず薬剤分包装置10の構成について説明し、その後に薬剤分包装置10において行われる分包不良の判定方法について説明する。
【0027】
≪薬剤分包装置10の構成について≫
図1に示すように、薬剤分包装置10は、薬剤供給部20と、薬剤準備部30と、薬剤包装部40とを有する。これらに加え、薬剤分包装置10は、薬剤導入部80と、検知部
90と、制御装置100とを備えている。
【0028】
薬剤供給部20は、薬剤Mを貯留しておくと共に、処方に応じて薬剤Mを薬剤準備部30に払い出す機能を有する。また、薬剤準備部30は、薬剤Mを1包分ずつ溜め、薬剤包装部40に払い出す機能を有する。
【0029】
薬剤包装部40は、薬剤準備部30から1包分ずつ払い出される薬剤Mを分包するものであり、
図2に示すように薬剤準備部30の下方に設けられている。薬剤包装部40は、分包紙供給部42と、包装機構44とを有する。分包紙供給部42は、ロール軸46に巻かれた分包紙Sを繰り出して包装機構44側に送る機構である。分包紙Sは、シート状で長尺の熱融着性シートであり、短手方向に二つ折りにした状態でロール軸46に巻かれている。包装機構44は、シート支持部44aと、ガイド部材44bと、シール装置50(シール部)とを有する。包装機構44は、分包紙供給部42から送られた分包紙Sを圧着して袋状とすることにより、薬剤供給部20側から供給されてきた薬剤Mを分包できる。
【0030】
さらに具体的には、ガイド部材44bは、分包紙供給部42から送られてくる分包紙Sを案内するガイドとしての機能を有する。シール装置50は、ガイド部材44bによってガイドされつつ供給されてきた分包紙Sの長手方向一端側(下流側)の部位等を圧着して半袋状としたり、半袋状になった分包紙Sの開放部分を圧着して閉じて袋状に形成できる。さらに具体的には、シール装置50により分包紙Sを圧着することにより、
図5に示すように薬剤Mを収容した分包袋Pを形成できる。シール装置50は、作成しようとしている分包袋Pにおいて分包紙Sの進行方向下流側の部分を分包紙Sの短手方向に閉塞する縦シール(第一縦シールS1あるいは第二縦シールS3)を形成すると共に、横シールS2を形成する。これにより、分包紙Sの進行方向上流側の部分に開放部分を有する半袋状の分包紙S(分包袋P)が形成される。この状態において半袋状の分包紙S(分包袋P)内に薬剤Mを投入した後、開放部分をシール装置50によって閉塞する。すなわち、横シールS2の一部が未封止である場合はその未封止部分をシール装置50によって閉じると共に、分包紙Sの進行方向上流側において分包紙Sの短手方向に閉塞する縦シール(第二縦シールS3)を形成して封止する。
【0031】
図3や
図4に示すように、シール装置50は、一対のローラフレーム50a,50bにより主要部が構成されている。
図3に示すように、シール装置50は、ローラフレーム50a側に保護カバー52が設けられているが、保護カバー52を取り除いた状態では
図4に示すようにローラフレーム50a,50bは、互いに突き合わせた状態においてほぼ左右対称となる。
【0032】
図4等に示すように、ローラフレーム50a,50bは、正面視がほぼ「コ」字型で金属製のフレームによって構成されている。ローラフレーム50a,50bには、上下方向に延びる支軸54が設けられており、これに対して縦シール部材56と、横シール部材58とが取り付けられている。縦シール部材56および横シール部材58は、それぞれ支軸54に対して回転可能なように取り付けられている。また、縦シール部材56および横シール部材58は、それぞれ別々の動力源(図示せず)に対し、別々の動力伝達機構(図示せず)を介して接続されており、互いに独立的に回転可能とされているため、縦シール部材56と横シール部材58の回転速度を変える事によって袋長を変更する事が可能になっている。
【0033】
縦シール部材56は、金属製であり、
図4(a)に示すように、正面視がほぼ直線型の形状とされている。縦シール部材56は、
図4(b)に示すように、円板状の下端部62と、板状の加熱部64とを有する。加熱部64は、後述する横シール部材58をなす上端部60と下端部62との間に位置しており、両者に対してほぼ垂直とされている。加熱部64の両側面には、ヒータ66と、切取線形成部68とが上端部60側から下端部62側に向けて直線状に配されている。ヒータ66,66は、分包紙Sを熱融着可能なものである。そのため、並行に配置された縦シール部材56,56を回転させ、両者の間に二つ折りにした分包紙Sを通過させることにより、分包紙Sの短手方向に延びるシール(縦シール)を形成できる。
【0034】
また、切取線形成部68は、分包紙Sにミシン目を形成可能なものである。本実施形態では、ローラフレーム50b側の切取線形成部68がミシン目を形成するためのカッターによって構成されており、ローラフレーム50a側の切取線形成部68が前記カッターに対応して設けられた受け刃によって構成されている。
【0035】
図4(a)に示すように、横シール部材58は、前述した上端部60とヒータ70とを備えている。上端部60は、縦シール部材56の加熱部64の上方側に設けられた円板状の部材である。上端部60の外周には、全周にわたってヒータ70が設けられている。そのため、並行に配置された横シール部材58,58を回転させ、上端部60,60の間に二つ折りにした分包紙Sを通過させることにより、分包紙Sの長手方向に延びるシール(横シール)を形成できる。
【0036】
図4に示すように、シール装置50は、ローラフレーム50a,50bによって囲まれたほぼ「ロ」字型の領域内に、縦シール部材56,56および横シール部材58,58を所定のクリアランスを介して略並行に配置した構成とされている。シール装置50は、縦シール部材56,56および横シール部材58,58を回転させ、これらのクリアランスに分包紙Sを通過させて横シール及び縦シールを形成することにより分包袋Pを形成できる。
【0037】
薬剤導入部80は、薬剤準備部30から1包分ずつ払い出される薬剤Mを薬剤包装部40に供給するためのものである。薬剤導入部80は、薬剤Mを分包紙S内に供給可能なものであればいかなるものであっても良いが、本実施形態ではホッパーによって構成されている。
図1や
図6、
図7に示すように、薬剤導入部80は、シール装置50によって形成された未封止状態の分包袋Pの開放部分に差し込まれ、分包袋P内に薬剤Mを導入可能とされている。具体的には、薬剤導入部80は、基端部が薬剤準備部30側に向き、シール装置50によって形成過程にある未封止状態の分包袋P内に先端部が差し込まれるように配置されている。すなわち、薬剤導入部80は、シール装置50に対して分包紙Sの搬送方向上流側の位置において二つ折りにされた分包紙Sの内側に差し込まれている。
【0038】
検知部90は、薬剤導入部80による薬剤Mの導入経路における薬剤Mの存在を検知するためのものである。
図6に示すように、検知部90は、薬剤導入部80による薬剤Mの導入経路を撮影可能なカメラ92と照明装置94とを備えている。カメラ92は、シール装置50よりも分包紙Sの搬送方向上流側において分包紙Sの内側を撮影(検知)可能なように配置されている。本実施形態では、カメラ92は、薬剤導入部80の基端側から先端側に向けて配されている。また、上述したように薬剤導入部80がシール装置50に対して上流側に位置している。そのため、カメラ92は、シール装置50よりも分包紙Sの搬送方向上流側の領域を撮影(検知)可能なように配置されている。また、照明装置94は、発光ダイオードや電球などの光源を備えている。照明装置94は、カメラ92と同様に薬剤導入部80の基端側から先端側に向けて薬剤導入部80の内部領域を照射可能なように配置されている。
【0039】
制御装置100は、薬剤分包装置10の動作全般を制御するものであり、CPUを用いたデジタル回路などによって構成することができる。
図8に示すように、制御装置100には薬剤供給部20や薬剤準備部30、薬剤包装部40が接続されており、これらを制御装置100によって動作制御可能とされている。また、制御装置100には検知部90が接続されると共に判定部102が設けられている。制御装置100は、後に詳述するように、検知部90から入力される検知データに基づき、判定部102において薬剤Mが本来分包されるべき分包袋Pから薬剤Mが溢れ出してしまうことによる分包不良の発生を判定可能とされている。
【0040】
≪分包袋Pの形成方法、及び分包不良の判定方法について≫ 続いて、薬剤分包装置10において行われるシール装置50による分包袋Pの形成方法、及び分包袋Pの形成過程に行われる分包不良の判定方法について説明する。なお、以下の説明においては、先ず
図10に基づいて分包袋Pの形成方法について概説し、その後に
図11に基づいて第二縦シールの形成工程に係るサブルーチンについて説明する。
【0041】
[分包袋Pの形成方法について] 制御装置100は、
図10に示した制御フローに則って分包袋Pを形成する。以下、
図10に従って具体的な動作及び制御について説明する。
【0042】
(ステップ1) 分包袋Pを形成する際には、先ずステップ1において分包紙Sの進行方向先頭位置において分包袋Pの上流端を閉塞するための縦シール(以下、「第一縦シールS1」とも称す)が縦シール部材56,56によって形成される(
図5参照)。その後、制御フローがステップ2に進められる。
【0043】
(ステップ2) ステップ2においては、二つ折りの状態で供給される分包紙Sの折り目とは反対側の端部を閉じるための横シールS2(
図5参照)が形成される。具体的には、横シール部材58,58を回転させ、両者の間に分包紙Sを通過させることにより横シールを形成する。
【0044】
(ステップ3) ステップ3においては、分包紙Sを分包袋Pを封止すべき位置(封止位置)に到達するまで横シールS2が形成されたか否かが確認される。横シールS2が封止位置に到達している(ステップ3=YES)と判断された場合にはステップ4に制御フローが進められ、封止位置に未到達(ステップ3=NO)であると判断された場合にはステップ2に制御フローが戻される。
【0045】
(ステップ4) ステップ4においては、分包袋Pにおいて分包紙Sの進行方向下流側の端部を閉塞するための縦シール(以下、「第二縦シールS3」とも称す)が、後に詳述する
図11のサブルーチンに則って形成される。ここで、第二縦シールS3は、次に形成される分包袋Pの第一縦シールS1としても機能する。そのため、第二縦シールS3は、分包紙Sの長手方向に連続的に形成される分包袋Pの境界をなすシールとして機能する。第二縦シールS3が形成されると、ステップ5に制御フローが進められる。
【0046】
(ステップ5) ステップ5においては、ステップ4において第二縦シールS3で封止された分包袋Pが最終のものであるか否かが確認される。ステップ4で封止された分包袋Pが最終のものでない場合(ステップ5=NO)には制御フローがステップ2に戻され、最終のものである場合(ステップ5=YES)には一連の制御フローが完了する。
【0047】
[第二縦シールS3の形成工程について] 続いて、上述したステップ4に係る第二縦シールS3の形成工程についてのサブルーチンについて、
図11を参照しつつ詳細に説明する。
【0048】
(ステップ4-1) ステップ4-1においては、第二縦シールS3を形成すべく、加熱部64,64同士が対向する位置関係になるように縦シール部材56,56の回転を開始させる。その後、ステップ4-2に制御フローが進められる。
【0049】
(ステップ4-2) ステップ4-2においては、
図6に示すように縦シール部材56,56の加熱部64,64が分包紙Sに接触し始める時点(接触開始タイミング)に到達したか否かが確認される。ここで、接触開始タイミングに到達したか否かは、種々の方法で確認できる。具体的には、例えばステップ4-1において縦シール部材56,56の回転を開始させたタイミングから計時を開始するタイマーを設け、このタイマーにより所定時間経過したことを確認する方法や、縦シール部材56,56の回転量を検知可能な回転検知装置を設け、回転検知量が所定量に達したかを確認する方法、縦シール部材56,5
6の角度や姿勢を検知可能な検知装置を設け、縦シール部材56,56の加熱部64,64が接触し始める角度や姿勢になったか否かを確認する方法などが考えられる。これらの方法により、接触開始タイミングに到達したことが確認された場合(ステップ4-2=YES)には、制御フローがステップ4-3に進められ、確認されない場合(ステップ4-2=NO)には、制御フローがステップ4-2のまま継続される。
【0050】
(ステップ4-3) ステップ4-3においては、縦シール部材56,56の回転を一旦停止させる制御が行われる。これにより、縦シール部材56,56は、加熱部64,64が接触し始めた姿勢で一旦停止した状態になる。その後、制御フローがステップ4-4に進められる。
【0051】
(ステップ4-4) ステップ4-4においては、検知部90により薬剤導入部80の内部領域、及び分包紙Sの内側であって既にシール装置50によって形成されている縦シール(第一縦シールS1あるいは第二縦シールS3)よりも搬送方向上流側の領域における薬剤Mの有無が検知される(封止検知)。この際、照明装置94がオン状態とされ、薬剤導入部80の内部領域が照明される。検知部90による検知データは、制御装置100に入力される。検知データは薬剤Mの有無を判定するうえで有効なデータであればいかなるものであっても良いが、本実施形態ではカメラ92により撮影された画像データが検知データとして制御装置100に入力される。具体的には、薬剤Mが存在しない場合には、
図9(a)に示すように薬剤導入部80のみの画像が取得され、薬剤Mが存在している場合には、
図9(b)に示すように薬剤Mが入った画像が取得される。このような画像データが、検知データとして制御装置100に入力される。その後、制御フローがステップ4-5に進められる。
【0052】
(ステップ4-5) ステップ4-5においては、制御装置100の判定部102により、ステップ4-4において行われた封止検知によって取得された検知データ(画像データ)に基づいて薬剤Mの有無についての判定が行われる。本実施形態では、画像データが検知データとして取得されるため、画像解析等の画像データを活用した手法により薬剤Mの有無についての判定が行われる。薬剤Mの有無の判定はいかなる方法で行われても良いが、例えば薬剤Mが存在していない場合にカメラ92により得られる画像をマスタ画像として準備しておき、実際にカメラ92によって得られた画像とマスタ画像とを用いて薬剤Mの有無について判定するようにしても良い。なお、前述のようにマスタ画像を用いて判定を行う場合であって、分包紙Sがカメラ92によって得られる画像に写り込む場合には、分包紙Sの種類に応じて異なるマスタ画像を準備しておくことが望ましい。具体的には、分包紙Sは二つ折りにされて二面が重なり合った状態で供給されるが、分包紙Sには両面とも透明であるものであるものや、片面が透明であるものの他方の面に不透明な部分(例えば白色等の色彩を有する帯)を設けたもの等がある。分包紙Sが前者のようなものが用いられる場合と、後者のように不透明な部分を有するものが用いられる場合とでカメラ92によって得られた画像に差異が生じるのは明白である。従って、分包紙Sの違いに対応すべく、分包紙Sの種類に応じてマスタ画像を準備しておくことが望ましい。前述したようにして薬剤Mについての判定が行われた後、制御フローがステップ4-6に進められる。
【0053】
(ステップ4-6) ステップ4-6においては、ステップ4-5の判定の結果、薬剤Mが検知されたか否かが確認される。ここで、薬剤Mが非検出であった場合(ステップ4-6=YES)には、分包すべき薬剤Mが分包袋Pから漏れ出すことなく包装されているものと想定される。この場合には、正常に薬剤Mの分包が行われているとの判断がなされ、制御フローがステップ4-7に進められる。一方、薬剤Mが検出された場合(ステップ4-6=NO)の場合には、
図6に示すように先の分包袋P1(図中下方側の分包袋P)に分包すべき薬剤Mが分包袋Pから漏れ出し、後に形成される分包袋P2(図中上方側に形成中の分包袋P)に移動してしまった可能性が高い。この場合には、分包不良が生じているとの判断がなされ、制御フローがステップ4-9に進められる。
【0054】
(ステップ4-7) ステップ4-7においては、ステップ4-3において一旦停止されていた縦シール部材56,56の回転を再開させる制御が行われる。これにより、縦シール部材56,56は、加熱部64,64が面接触しはじめ、第二縦シールS3が形成されていく。
【0055】
(ステップ4-8) ステップ4-8においては、第二縦シールS3の形成が完了したか否かの確認が行われる。第二縦シールS3の形成が完了したと判断された場合(ステップ4-8=YES)には、一連の制御フローが完了する。一方、第二縦シールS3の形成が未完了である判断された場合(ステップ4-8=NO)には、引き続きステップ4-8の制御が継続される。
【0056】
(ステップ4-9) ステップ4-9においては、上述したステップ4-6において薬剤Mの漏洩が確認されたことに対処するための処理(分包不良時処理)が行われる。具体的には、分包不良が発生した旨を音声や画像表示、ランプ点灯などの方法により報知する処理などが分包不良時処理として実行される。これにより、
図11に示した一連の制御フローが完了する。
【0057】
上述したように、本実施形態の薬剤分包装置10では、薬剤Mが導入された分包袋Pの封止を開始するタイミング以降、次の分包袋Pに分包するための薬剤Mが導入されるタイミングよりも前の期間内に、検知部90によって薬剤Mの存在が検知されることを条件として分包不良が生じているものと判定することとしている。このようにすることで、本来分包されるべき分包袋Pから薬剤Mが溢れ出すことによる分包不良を精度良く検出でき、鑑査に要する手間を最小限に抑制できる。
【0058】
また、上述した薬剤分包装置10では、第二縦シールS3を形成すべく縦シール部材56が分包紙Sに接触するタイミングを薬剤Mが導入された分包袋Pの封止が開始されるタイミングとして設定し、このタイミングでシール装置50による分包紙Sの接合を中断して検知部90により薬剤Mを検知することとしている。これにより、分包袋Pの封止時に薬剤Mが漏れ出すことによる分包不良を一層検知精度良く検知できる。また、分包袋Pから漏れ出した薬剤Mが縦シール部材56,56間に噛み込んでしまう等の不具合を抑制できる。
【0059】
なお、本実施形態では、第二縦シールS3を形成すべく縦シール部材56が分包紙Sに接触するタイミングを分包袋Pの封止が開始されるタイミングとみなして薬剤Mを検知部90によって検知する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他のタイミングを分包袋Pの封止が開始されるタイミングとみなして同様の処理を行うようにしても良い。また、本実施形態では、分包袋Pの封止が開始されるタイミングに薬剤Mを検知部90によって検知する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、分包袋Pの封止が開始されるタイミング以降、封止が完了するまでの期間内の任意のタイミング(例えば封止後)に薬剤Mの存在を検知するようにしても良い。さらに、本実施形態では、薬剤Mを検知部90によって検知するタイミングにおいて縦シール部材56によるシールを一旦停止する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。具体的には、検知部90により薬剤Mの有無を検知する際に縦シール部材56によるシールを停止しないこととしたり、縦シール部材56によるシール形成速度を低減させるようにしても良い。
【0060】
なお、本実施形態では、長さの異なる分包袋Pにも対応可能とすべく、シール装置50として、ローラ状の縦シール部材56,56及び横シール部材58,58を個別に駆動制御可能とした例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、分包袋Pの袋長が一定で良い場合には、シール装置50を、縦シール部材56,56及び横シール部材58,58が一体的に駆動するようなものとしてもよい。
【0061】
本実施形態では、ローラ状の縦シール部材56,56及び横シール部材58,58によって分包紙Sを挟み込んでシールし、分包袋Pを形成する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の形態及び方法で分包紙Sをシールして分包袋Pを形成するものであっても良い。
【0062】
また、本実施形態では、分包紙Sを二つ折りにして二重になった部分にシールを施すことにより分包袋Pを形成する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。具体的には、二枚の分包紙Sを供給し、これらを重ね合わせて接合することで分包袋Pを形成するようなものであっても良い。
【0063】
本実施形態では、検知部90において薬剤Mを検出するための検出装置としてカメラ92を備えたものを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、薬剤Mの存在を検知可能なものであればいかなるものであっても良い。具体的には、検知部90として、分包紙Sの内側であって、シール装置50よりも分包紙Sの搬送方向上流側における薬剤Mの有無を検知可能な光学センサや赤外線センサ等を設けても良い。なお、検知部90として光学センサ等を用いる場合には、これらのセンサの特性を考慮して十分な検知精度がえられるよう方策を講じることが好ましい。具体的には、光学センサ等の検知距離を短く設定すると、小さい薬剤Mの存在の検知精度が低下する懸念がある。すなわち、薬剤Mの大きさが小さい場合は、薬剤Mの大きさが大きい場合よりも光学センサ等と薬剤Mの表面までの距離よりも大きくなる。そのため、光学センサ等の検知距離を短く設定すると、小さい薬剤Mの検知精度が低下する懸念がある。一方、光学センサ等の検知距離を長く設定すると、縦シール部材56などを薬剤Mとして検知してしまう懸念がある。従って、光学センサ等を検知部90に採用する場合には、取り扱う薬剤Mの大きさを考慮して検知距離を設定する等の方策を講じておくことが好ましい。
【0064】
また、検知部90は、分包紙Sの内側であって、シール装置50よりも分包紙Sの搬送方向上流側において薬剤Mの存在を検知可能な位置であればいかなる位置に配置されていても良い。具体的には、
図7において二点鎖線で示すように、検知部90と同様の検知部90xを薬剤導入部80の先端側の位置に配置したものや、薬剤導入部80よりもさらに上流側に検知部90yを配置したものであっても良い。
【0065】
また、薬剤Mが正確に分包されたことの検知精度を向上させるべく、検知部90に加え、他のセンサ等を設けても良い。具体的には、薬剤Mの落下を検知するための落下センサを薬剤導入部80等に設けても良い。落下センサにより薬剤Mが検知され、かつ検知部90による検知結果に基づき薬剤Mの漏洩が検知されないことを判定条件とすれば、分包用に払い出された薬剤Mが正確に分包されたか否かをより一層精度よく検知できる。
【0066】
本実施形態では、分包袋Pを封止する時点において薬剤Mが正確に分包されたことを検知するために検知部90を活用した例を示したが、検知部90は他の用途に活用されても良い。具体的には、分包用の薬剤Mが薬剤導入部80から分包紙S内に導入されるべき時点で薬剤Mの存在を検知部90によって検知するようにしても良い。すなわち、検知部90は、上述した封止検知だけでなく、薬剤導入部80による分包紙S内への薬剤Mの導入を検知する導入検知に利用しても良い。このようにした場合、検知部90を分包紙S内に薬剤Mが供給されたか否かの確認にも有効利用できる。従って、上述した封止検知により分包紙Sの封止(分包袋Pの形成)時に薬剤Mの漏洩がないこと、及び導入検知により薬剤Mが確実に供給されたことの双方を確認でき、双方を確認できた場合にのみ薬剤Mが正常に分包されたと判定することにより、薬剤Mが正確に分包されたことの判定精度をより一層向上させ得る。
【0067】
本実施形態では
、第二縦シールS3の形成を開始するタイミングで検知部90により薬剤Mの有無を検知する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、薬剤Mが導入された分包袋Pの封止を開始するタイミング以降、薬剤導入部80を介して次に形成される分包袋Pに分包するための薬剤Mが導入されるタイミングよりも前の期間(以下、「検知可能期間」とも称す)内であれば、いかなるタイミングで検知部90により薬剤Mを検知しても良い。具体的には、検知部90による薬剤Mの検知は、薬剤Mが導入された分包袋Pの封止完了以後(第二縦シールS3形成後)、次に形成される分包袋Pに分包するための薬剤Mが導入されるタイミングよりも前の期間内に行われても良い。また、検知部90による検知は、前述の検知期間内における所定のタイミング(時点)において検知するだけでなく、前述の検知可能期間内に含まれる所定期間に亘って検知を継続したり、前記検知可能期間内において断続的に検知したりしても良い。
【0068】
本実施形態では、シール装置50として縦シール部材56,56及び横シール部材58,58からなるローラー状の部材で分包紙Sを挟み込んで接合可能なものを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の方式により分包紙Sを接合可能なものをシール装置50の代わりに採用可能である。具体的には、T字型などの平面形状を有する板状の加熱体を一対設け、加熱体同士の間に分包紙Sを挟み込んで接合可能なものを本実施形態のシール装置50の代わりに用いても良い。
【0069】
上述した薬剤分包装置10では、検知部90による薬剤Mの有無についての検知と、この検知データに基づいて判定部102によって行われる判定とを連続的に実施する例を示したが、検知部90による検知のみを行うようにしても良い。この場合、検知部90により得られた検知データを後に纏めて判定部102で判定するようにしたり、検知データに基づいてユーザーが判定を行ったりすることができる。上記実施形態のように検知部90にカメラ92を設けた場合には、分包紙S内の撮影を各包毎に行っておき、その後カメラ92により得られた撮影画像を纏めて判定部102で処理して判定するようにしたり、撮影画像に基づいてユーザーが判定を行ったりすることができる。
【0070】
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想の範囲内で種々の設計変更が可能であり、それらは全て本発明に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、分包紙によって薬剤を包装する薬剤分包装置全般において好適に利用可能である。
【符号の説明】
【0072】
10 薬剤分包装置 42 分包紙供給部 50 シール装置 56 縦シール部材 58 横シール部材 80 薬剤導入部(ホッパー) 90 検知部 92 カメラ 102 判定部 M 薬剤 P 分包袋 S 分包紙 S3 第二縦シール