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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】フィルター清掃装置及びショーケース
(51)【国際特許分類】
   B01D 46/48 20060101AFI20240502BHJP
   B01D 46/681 20220101ALI20240502BHJP
   F24F 13/28 20060101ALI20240502BHJP
   F24F 7/003 20210101ALI20240502BHJP
   F24F 13/08 20060101ALI20240502BHJP
   F25D 19/00 20060101ALI20240502BHJP
   F25D 11/00 20060101ALI20240502BHJP
   A47F 3/04 20060101ALI20240502BHJP
【FI】
B01D46/48
B01D46/681
F24F13/28
F24F7/003
F24F13/08 A
F25D19/00 560C
F25D19/00 550C
F25D11/00 101C
F25D19/00 560B
F25D19/00 530D
A47F3/04 C
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020060477
(22)【出願日】2020-03-30
(65)【公開番号】P2021154263
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】391044797
【氏名又は名称】株式会社コーワ
(72)【発明者】
【氏名】町田 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】黒川 和将
(72)【発明者】
【氏名】中川 和紀
【審査官】瀧 恭子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-039573(JP,A)
【文献】特開2020-028637(JP,A)
【文献】特開2001-170430(JP,A)
【文献】実開平06-032926(JP,U)
【文献】特開2004-156794(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 46/00-46/90
F24F 13/08-13/32
F24F 7/00、7/04-7/06、8/00-8/99
F25D 11/00-16/00;27/00-31/00
F25D 19/00-19/04
A47F 1/00-3/14;11/00-11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を吸引するファンと、
前記ファンの上流側に設けられて、塵埃を捕捉するフィルター体と、
前記フィルター体の表面側に沿って移動し、該フィルター体に付着した塵埃を除去する清掃体と、
前記清掃体により除去された塵埃が移送される集塵部と、
前記フィルター体の一方の端部近傍に配置されると共に、複数の空気通路が形成された整流部材と、を有し、
前記清掃体は、前記整流部材の空気通路を少なくとも一部越えた位置まで移動すると共に、該整流部材に一部当接した状態で、前記ファンにより発生する吸引流は、前記整流部材の前記集塵部側に迂回すると共に、該整流部材の空気通路を、前記集塵部側から前記フィルター体の表面側に向けて通過することを特徴とするフィルター清掃装置。
【請求項2】
整流部材は、複数の溝部を有する櫛歯形状であって、前記溝部は、清掃体に付着した塵埃を掻き取ると共に、空気通路を兼ねていることを特徴とする請求項1に記載のフィルター清掃装置。
【請求項3】
集塵部は、ダストボックスが形成されており、整流部材が前記ダストボックスの一部を形成していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフィルター清掃装置。
【請求項4】
架台と、
前記架台の前面側に設けられた通気孔を備えたカバーパネルと、
前記カバーパネルの下流側に設けられた凝縮器と、
請求項1~3のいずれか1項に記載のフィルター清掃装置と、を有し、
前記凝縮器の上流側に前記フィルター清掃装置のフィルター体が配置され、
前記凝縮器の下流側に前記フィルター清掃装置のファンが配置されていることを特徴とするショーケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルターを清掃する清掃体を備えたフィルター清掃装置と、このフィルター清掃装置を備えたショーケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ショーケース等の内部に設置され、フィルターに付着している塵埃等を除去するフィルター清掃装置が知られている(特許文献1及び2)。
【0003】
特許文献1に記載のフィルター清掃装置は、フィルターの前面にガイドレールを平行に設け、このガイドレール間に掃除具を摺動自在に取り付けて、掃除具の刷毛端をフィルター面に当接し、下方に塵埃受け皿を備える構成としている。
【0004】
また、特許文献2に記載のフィルター清掃装置は、凝縮器と外装グリルとの間に配置されるフィルターと、外装グリルとフィルターの間に左右方向スライド可能に配置され、スライド時に撓んだ状態でフィルターに当たる複数のブラシ毛を有してこれらのブラシ毛によりフィルターに付着した塵埃を除去する清掃ブラシと、フィルターの少なくとも左右方向の一端側に設けられ、スライドする清掃ブラシのブラシ毛が当たることによりこのブラシ毛に付着している塵埃を掻き落とすための掻き落とし部と、掻き落とされた塵埃を捕集する捕集装置を有する構成としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実開昭59-61824号公報
【文献】特許第6415657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載のフィルター清掃装置は、掃除具の刷毛端に付着した塵埃が塵埃受け皿に落ちることなく、フィルターに再付着するという課題を有していた。
【0007】
一方、特許文献2に記載のフィルター清掃装置は、掻き落とし部によってブラシ毛に付着した塵埃がフィルターに再付着するのを軽減させることはできるが、ショーケースではケース内の商品の品質を確保するために常にファンが稼働しているため、掻き取られた塵埃は、ダストボックスに移送される際に風の力で押し戻されてフィルターに再付着するという課題を有していた。
【0008】
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、フィルター体に付着した塵埃を清掃体で除去出来ると共に、一旦フィルター体から除去した塵埃がフィルター体に再付着することを防ぐことができるフィルター清掃装置と、このフィルター清掃装置を備えたショーケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記従来の課題を解決するために、請求項1のフィルター清掃装置の発明は、空気を吸引するファンと、前記ファンの上流側に設けられて、塵埃を捕捉するフィルター体と、前記フィルター体の表面側に沿って移動し、該フィルター体に付着した塵埃を除去する清掃体と、前記清掃体により除去された塵埃が移送される集塵部と、前記フィルター体の一方の端部近傍に配置されると共に、複数の空気通路が形成された整流部材と、を有し、前記清掃体は、前記整流部材の空気通路を少なくとも一部越えた位置まで移動すると共に、該整流部材に一部当接した状態で、前記ファンにより発生する吸引流は、前記整流部材の前記集塵部側に迂回すると共に、該整流部材の空気通路を、前記集塵部側から前記フィルター体の表面側に向けて通過することを特徴としている。
【0010】
請求項1の発明では、ファンにより発生する吸引流が整流部材の空気通路を集塵部側からフィルター体の表面側に向けて通過する構成としているので、清掃体により除去された塵埃は集塵部に移送されることとなり、フィルター体に再付着するのを防ぐことができる。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1のフィルター清掃装置の発明において、整流部材は、複数の溝部を有する櫛歯形状であって、前記溝部は、清掃体に付着した塵埃を掻き取ると共に、空気通路を兼ねていることを特徴としている。したがって、部品点数を増やすこと無く、清掃体に付着した塵埃を確実に集塵部に移送することができる。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1又は2のフィルター清掃装置の発明において、集塵部は、ダストボックスが形成されており、整流部材が前記ダストボックスの一部を形成していることを特徴としている。これにより、ダストボックスをフィルター清掃装置から取り出して塵埃を廃棄する際に整流部材に付着している塵埃を除去することができる。
【0013】
請求項4の発明は、ショーケースの発明であって、架台と、前記架台の前面側に設けられた通気孔を備えたカバーパネルと、前記カバーパネルの下流側に設けられた凝縮器と、請求項1~3のいずれかに記載のフィルター清掃装置と、を有し、前記凝縮器の上流側に前記フィルター清掃装置のフィルター体が配置され、前記凝縮器の下流側に前記フィルター清掃装置のファンが配置されていることを特徴としている。したがって、ショーケースに設置されたフィルター清掃装置において、清掃体により除去された塵埃が集塵部に移送されることによってフィルター体に再付着するのを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0014】
請求項1のフィルター清掃装置の発明及び請求項4のショーケースの発明は、清掃体により除去された塵埃が集塵部に移送されることによってフィルター体に再付着するのを防ぐことができる。また、請求項2のフィルター清掃装置の発明は、部品点数を増やすこと無く、清掃体に付着した塵埃を確実に集塵部に移送することができる。また、請求項3のフィルター清掃装置の発明は、ダストボックスをフィルター清掃装置から取り出して塵埃を廃棄する際に整流部材に付着している塵埃を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係るショーケースの斜視図
図2】本発明に係るフィルター清掃装置の斜視図
図3】本発明に係るフィルター清掃装置の内部機構を示す断面図
図4】(a)~(c)塵埃が集塵部に移送される過程の一例を示す断面図
図5】(a)~(c)塵埃が集塵部に移送される過程の他例を示す断面図
図6】(a)整流部材の一例を示す斜視図(b)整流部材の他例を示す斜視図
図7】本発明に係るフィルター清掃装置を搭載した空気調和機を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。図1は、本発明に係るショーケースを示す斜視図である。この図を用いて本発明のショーケースについて以下に説明する。
【0017】
本発明に係るショーケース1は、箱型状のショーケース本体2と、ショーケース本体2の下部に設けられ、ショーケース本体2内に供給する冷気を生成する冷媒回路などを収容した架台3とで構成されている。ショーケース本体2は、食品などを陳列する陳列棚4aを有する開口4bを備えた商品収納庫4と、開口4bを覆うように開閉可能なナイトカバー8と、冷媒回路で生成された冷気が吹き出される吹き出し口(図示せず)と、吹き出し口から吹き出された冷気が陳列棚4aを通過後に吸い込まれる吸い込み口(図示せず)と、陳列棚4aを照らすLEDランプ(図示せず)とを備えている。尚、吸い込み口から吸い込まれた冷気は冷媒回路に戻され、再び吹き出し口から吹き出される。また、ショーケース1は、冷蔵、冷凍のどちらの機能を有するものであってもよく、形状も平型、卓上型のどちらの形状であってもよいものである。
【0018】
架台3の前面には着脱可能なカバーパネル5が取り付けられており、架台3内には冷媒回路を構成する圧縮機(図示せず)、凝縮器6、蒸発器(図示せず)と、冷媒回路や蛍光灯などの制御を行う基板を収容した電装ボックス(図示せず)とが配置されている。尚、カバーパネル5の凝縮器6と対向する箇所には、凝縮器6へ外気を供給するための複数の通気孔7が形成されている。また、凝縮器6の後方には通気孔7を介して外気を凝縮器6に供給するファン23(図3参照)が配置されている。また、架台3の下部には車輪9、9・・が設置されており、ショーケース1を移動可能にしている。
【0019】
また、通気孔7が形成されたカバーパネル5と凝縮器6との間には、凝縮器6に供給される外気に含まれる塵埃を捕集するフィルター体11(図2参照)と、フィルター体に付着した塵埃を除去する清掃体12(図3参照)とを有するフィルター清掃装置10(図2参照)が設けられている。尚、フィルター清掃装置10を含む架台3は、図1に示すようにショーケース本体2の下部に取り付ける場合と、図示しないがショーケース本体2の上部に取り付ける場合とがある。また、本発明のショーケースは、フィルター体に付着した塵埃を清掃体で掻き取り、集塵部19(図3参照)に移送した後、床に落とす構造としているが、架台3の下方に、架台3に対して着脱可能なダストボックスを設けて、該ダストボックスに塵埃を収容する構成としてもよく、これも本発明に含まれる。
【0020】
図2は、本発明に係るフィルター清掃装置の斜視図であり、図3は、本発明に係るフィルター清掃装置の内部機構を示す断面図である。これらの図を用いて本発明のフィルター清掃装置について以下に説明する。
【0021】
本発明に係るフィルター清掃装置10は、塵埃を捕捉するフィルター体11と、このフィルター体11の表面に当接して塵埃を除去する清掃体12と、この清掃体12を、フィルター体11の一端から他端に向い移動させる可動機構13とを有している。
【0022】
可動機構13は、フィルター体11の一端から他端への移動の間に所定距離の往復移動動作を複数回行うものであって、清掃体12は、往復移動動作の反転時に変形する中空形状の変形部12aが形成されている。
【0023】
可動機構13は、ステッピングモータ14と、ギア15a、15bと、タイミングベルト16とから構成されており、ステッピングモータ14の回動が、ステッピングモータ14の回動軸に直結しているギア15aを回動させ、ギア15aと歯合するギア15bを回動させる。そして、ギア15bはタイミングベルト16の一方の回動軸に直結しており、タイミングベルト16の回動が、タイミングベルト16に固定されている基台12bのフィルター体側に設けられた清掃体12を図面上、上下方向に可動させる構造となっている。そして、清掃体12の可動始端及び可動終端の近傍のフレームにマイクロスイッチ(図示せず)が設けられており、清掃体12の基台12bがマイクロスイッチに当接すると、可動終端では、清掃体12を上方に可動させる方向にタイミングベルト16を回転させる信号がステッピングモータ14に送られ、可動始端に到達して基台12bがマイクロスイッチに当接すると、タイミングベルト16の回転を停止させる信号がステッピングモータ14に送られる構造となっている。
【0024】
また、フィルター体11の下方には、所定の間隔を空けて複数の溝部17a、17a、・・・を有する櫛歯形状の整流部材17が設置されている。整流部材17の溝部17aは、清掃体12に付着した塵埃を掻き取ると共に、ファン23の回転により発生する吸引流が通過する空気通路を兼ねている。また、タイミングベルト16の下方側の底面には開口18が形成されている。そして、フィルター体11から除去されてこより状となった塵埃は、整流部材17によって清掃体12から分離され、集塵部19に移送された後、自重によって開口18から、ショーケース1が設置されている床面へと落下させる構成としている。
【0025】
尚、整流部材17は、櫛歯形状に限定するものでは無く、種々の形状を採用することができる。また、整流部材17はフィルター面に対して傾斜させることによって、清掃体12がブラシである場合には、ブラシ毛の内部に整流部材17を食い込ませることができるので、除塵効果を高めることができる。
【0026】
ファン23の回転により発生する吸引流は、図3の矢印に示すように、通気孔7から入り込みフィルター体11のフィルター面に対して略垂直方向から進入する吸引流Aと、開口18から上方に進入する吸引流Bとがある。
【0027】
集塵部19は、ファン23の回転により発生する吸引流の直接の影響を受けないように遮蔽部材25がフィルター体11の下部近傍から開口18側に延出している。これにより、開口18から進入する吸引流Bは、直接上方に向かって吸引流Aと合流する吸引流Cと、整流部材17の集塵部19側に迂回すると共に、整流部材17の空気通路17aを、集塵部19側からフィルター体11の表面側に向けて通過する吸引流Dとに分岐することとなる。
【0028】
図4(a)~(c)は、塵埃が集塵部に移送される過程の一例を示す断面図であり、清掃体12の変形部12aがブレードで形成されている。図4(a)は、清掃体12がフィルター体11の表面に付着していた塵埃をこそぎ取りながら、こそぎ取った塵埃を下方に移送している状態である。清掃体12がブレードの場合は、後述する図5に示す清掃体がブラシの場合と比較してフィルター体11の表面を押圧する力が強いので清掃効果を高めることができる。
【0029】
図4(b)は、清掃体12が整流部材17の先端に当接した状態であり、フィルター体11の表面側に沿って往復移動する清掃体12の往路の終端位置である。尚、この状態で清掃体12は一時停止した後、復路側に移動を開始する。この状態で下方の開口18(図3参照)から進入する吸引流は、矢印に示すように清掃体12に当たると集塵部19側に迂回し、整流部材17の溝部(空気通路)17aを通過してフィルター体11の表面側に流れることとなる。その際、清掃体12に付着していた塵埃は、吸引流によって引き剥がされて集塵部19に移送される。
【0030】
図4(c)は、清掃体12が復路側に移動した状態であり、清掃体12のブレードが整流部材17の溝部(空気通路)17aを塞いだ状態を示している。この状態では、図4(b)の矢印で示した吸引流が発生しないため、集塵部19に溜まった塵埃は開口18(図3参照)側に落下することとなる。
【0031】
図5(a)~(c)は、塵埃が集塵部に移送される過程の他例を示す断面図であり、清掃体12Aの変形部12aはブラシで形成されている。図5(a)は、清掃体12Aが整流部材17の先端に当接した状態である。この状態で下方の開口18(図3参照)から進入する吸引流は、矢印に示すように清掃体12Aに当たると集塵部19側に迂回し、整流部材17の空気通路(溝部)17aを通過してフィルター体11の表面側に流れることとなる。その際、清掃体12Aに付着していた塵埃は、吸引流によって引き剥がされて集塵部19に移送される。ここで清掃体12Aは、整流部材17の空気通路17aを少なくとも一部越えた位置まで移動すると共に、整流部材17に一部が当接した状態であれば、矢印で示した整流部材17の集塵部19側に迂回すると共に、整流部材17の空気通路17aを、集塵部19側からフィルター体11の表面側に向けて通過する吸引流を発生させることができる。また、清掃体12Aがブラシで形成されていることから、櫛歯形状の整流部材17の複数の溝部17aに清掃体12Aに付着した塵埃を掻き取らせることができると共に、空気通路の機能を兼ねさせることができ、部品点数を増やすこと無く、清掃体12Aに付着した塵埃を確実に集塵部19に移送させることができる。
【0032】
図5(b)は、清掃体12Aが整流部材17の先端から離れた状態であり、フィルター体11の表面側に沿って往復移動する清掃体12Aの往路の終端位置である。この状態でも下方の開口18(図3参照)から進入する吸引流は、矢印に示すように清掃体12Aに当たると集塵部19側に迂回し、整流部材17の溝部(空気通路)17aを通過してフィルター体11の表面側に流れることとなり、図5(a)の状態で取り残された僅かな塵埃は、吸引流によって引き剥がされて集塵部19に移送される。尚、清掃体12Aと整流部材17の隙間からフィルター体11の表面側に流れる吸引流も発生するため、矢印の吸引流の力は図5(a)の矢印で示した吸引流の力よりも弱いものとなる。
【0033】
図5(c)は、清掃体12Aの先端が整流部材17の空気通路(溝部)17aを塞いだ状態である。この状態では、図5(a)や図5(b)の矢印で示した吸引流は発生せず、集塵部19に溜まった塵埃は開口18(図3参照)側に落下することとなる。尚、集塵部19の下方に着脱自在のダストボックス(図示せず)を形成すると共に、整流部材17がダストボックスの一部を形成する構成とすることもできる。これにより、使用者がダストボックスをフィルター清掃装置から取り出して塵埃を廃棄する際に、整流部材17に付着している塵埃を除去することができる。
【0034】
図6(a)は、整流部材の一例を示す斜視図である、図6(b)は、整流部材の他例を示す斜視図である。図6(a)に示す整流部材17は、複数の溝部17a、17a・・を有する櫛歯形状であって、溝部17aは、清掃体に付着した塵埃を掻き取ると共に、空気通路を兼ねており、ファンにより発生した吸引流を集塵部側からフィルター体の表面側に向けて通過させることができる。しがたって、溝部17aを大きくすることによって空気通路が大きくなり、塵埃を集塵部側に移送するための吸引流の力を強くすることができる。しかしながら、溝部17aを大きくし過ぎると塵埃が通過してフィルター体に再付着することとなるので、適切な大きさにする必要がある。
【0035】
図6(b)に示す整流部材17Aは、複数の孔部17b、17b・・を有する直方体形状であって、孔部17bは、空気通路として機能している。したがって、ファンにより発生した吸引流を集塵部側からフィルター体の表面側に向けて通過させることができる。尚、空気通路としての複数の孔部17b、17b・・を整流部材17Aの中央付近のみに設けることもでき、その場合には、塵埃を集塵部の中央付近に寄せることができる。
【0036】
図7は、空気調和機を示す斜視図である。前述した本発明に係るフィルター清掃装置は、空気調和機に搭載して利用することができる。空気調和機20は、背面パネル21に格子状に空気吸入口21aが形成されており、この空気吸入口21aから吸入した空気を空気吹出口22に導く風路(図示せず)を有する本体20aと、この本体20a内に、メインフィルター(図示せず)と、送風ファン(図示せず)と、フィルター体(プレフィルター)に付着した塵埃を除去するフィルター清掃装置(図示せず)とを備えている。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明に係るフィルター清掃装置は、ショーケースや空気調和機に搭載されて利用される。また、本発明に係るショーケースは、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗内に設置されて利用される。
【符号の説明】
【0038】
1 ショーケース
2 ショーケース本体
3 架台
4 商品収納庫
4a 陳列棚
4b 開口
5 カバーパネル
6 凝縮器
7 通気孔
8 ナイトカバー
9 車輪
10 フィルター清掃装置
11 フィルター体
12、12A 清掃体
12a 変形部
12b 基台
13 可動機構
14 ステッピングモータ
15a、15b ギア
16 タイミングベルト
17、17A 整流部材
17a 溝部(空気通路)
17b 孔部(空気通路)
18 開口
19 集塵部
20 空気調和機
20a 本体
21 背面パネル
21a 空気吸入口
22 空気吹出口
23 ファン
25 遮蔽部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7