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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】費用管理システム及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20240502BHJP
【FI】
G06Q10/10 310
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2023024823
(22)【出願日】2023-02-21
【審査請求日】2023-04-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521327301
【氏名又は名称】株式会社PAY ROUTE
(74)【代理人】
【識別番号】100194467
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 健文
(72)【発明者】
【氏名】清水 友大
【審査官】青柳 光代
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-064602(JP,A)
【文献】特開2019-087023(JP,A)
【文献】特開2015-197720(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イベントの実行費用を含むイベントに関する情報を記憶するイベント情報記憶部と、
前記イベントに参加可能な複数の者の識別情報と、当該識別情報に紐付けられた請求先情報を記憶する請求先情報記憶部と、
前記イベントに参加する者に紐付けられた請求先情報に基づいて前記イベントの実行費用を請求する請求出力部と、
前記イベントの費用に関わる申請を行う者によって操作される申請者端末と、
前記申請を行う者が申請したイベントの費用を承認する者によって操作される承認者端末と、
前記イベントに関する情報の承認を要求する承認要求部と、を備え、
前記承認要求部は、前記申請者端末を介してイベントに関する情報が入力され、前記申請を行う者から承認指示が出されたときに、前記承認者端末に向けて承認を要求し、
前記承認する者がイベントに関する情報を参照して承認を行うと、前記承認者端末から承認要求部に向けて認可情報が送信される、
費用管理システム。
【請求項2】
前記イベントに関する情報の承認を要求する承認要求部を備え、
前記請求出力部は、前記承認要求部による要求が認可されたことを条件として前記イベントの実行費用を請求する、
請求項1に記載の費用管理システム。
【請求項3】
前記請求出力部による請求の処理状況を管理する請求管理部を備える、
請求項1に記載の費用管理システム。
【請求項4】
前記イベントに関する情報は、請求の処理期限に関する情報を含み、
前記請求の処理期限までに請求が処理されていない場合には、前記請求管理部はその旨を出力する、
請求項3に記載の費用管理システム。
【請求項5】
前記請求先情報は、識別情報に紐付けられた連絡先情報を記憶し、
前記費用管理システムは、
前記イベントの収支に関する情報を取得する収支情報取得部と、
前記イベントに参加する者に紐付けられた連絡先情報に基づいて、前記収支情報取得部が取得した前記収支に関する情報を出力する収支情報出力部とを備える、
請求項1に記載の費用管理システム。
【請求項6】
前記請求出力部は、前記イベントに参加する者の請求先情報のみを参照する、
請求項1に記載の費用管理システム。
【請求項7】
前記イベントに関する情報は、参加者の費用負担に関する情報を含む、
請求項1に記載の費用管理システム。
【請求項8】
参加者の費用負担に関する情報は、前記申請を行う者が予め決定された負担割合に関する情報であって、参加者毎に負担金額を調整可能な情報である、
請求項7に記載の費用管理システム。
【請求項9】
前記イベントに関する情報は、イベントの内容、イベントの日時、イベントのスケジュール、イベントの実行費用総額を含む、
請求項1に記載の費用管理システム。
【請求項10】
前記請求出力部は、参加者端末に請求を承認するよう要求するメッセージを送信する、
請求項1に記載の費用管理システム。
【請求項11】
前記請求出力部は、前記イベントに参加する者のそれぞれが負担すべき金額と、前記イベントに参加する者のそれぞれに紐付けられた請求先情報とを含む情報を、決済を実行する決済管理システムに、送信する、
請求項1に記載の費用管理システム。
【請求項12】
前記決済管理システムは、クレジットカードにより決済するクレジットカード会社ステム、銀行振込により決済する銀行のシステム、電子マネーや二次元バーコードにより決済する電子マネーシステムである、
請求項11に記載の費用管理システム。
【請求項13】
クラブ活動のイベントに関する情報を記憶するイベント情報記憶部と、
複数の部員の識別情報と、当該識別情報に紐付けられた請求先情報を記憶する請求先情報記憶部と、
前記複数の部員に紐付けられた請求先情報を参照して前記イベントの実行費用を請求する請求部と、
前記イベントの費用に関わる申請を行う者によって操作される申請者端末と、
前記申請を行う者が申請したイベントの費用を承認する者によって操作される承認者端末と、
前記イベントに関する情報の承認を要求する承認要求部と、を備え、
前記承認要求部は、前記申請者端末を介してイベントに関する情報が入力され、前記申請を行う者から承認指示が出されたときに、前記承認者端末に向けて承認を要求し、
前記承認する者がイベントに関する情報を参照して承認を行うと、前記承認者端末から承認要求部に向けて認可情報が送信される、
費用管理システム。
【請求項14】
費用管理システムが実行する費用管理方法であって、
イベントの実行費用を含むイベントに関する情報を記憶するイベント情報記憶ステップと、
前記イベントに参加可能な複数の者の識別情報と、当該識別情報に紐付けられた請求先情報を記憶する請求先情報記憶ステップと、
前記イベントに参加する者に紐付けられた請求先情報に基づいて前記イベントの実行費用を請求する請求出力ステップと、
前記イベントの費用に関わる申請を行う者によって操作される申請者端末と、
前記申請を行う者が申請したイベントの費用を承認する者によって操作される承認者端末と、
前記イベントに関する情報の承認を要求する承認要求ステップと、を備え、
前記承認要求ステップでは、前記申請者端末を介してイベントに関する情報が入力され、前記申請を行う者から承認指示が出されたときに、前記承認者端末に向けて承認を要求し、
前記承認する者がイベントに関する情報を参照して承認を行うと、前記承認者端末から認可情報が送信される、
費用管理方法。
【請求項15】
費用管理システムが実行する費用管理方法であって、
クラブ活動のイベントに関する情報を記憶するイベント情報記憶ステップと、
複数の部員の識別情報と、当該識別情報に紐付けられた請求先情報を記憶する請求先情報記憶ステップと、
前記複数の部員に紐付けられた請求先情報を参照して前記イベントの実行費用を請求する請求ステップと、
前記イベントの費用に関わる申請を行う者によって操作される申請者端末と、
前記申請を行う者が申請したイベントの費用を承認する者によって操作される承認者端末と、
前記イベントに関する情報の承認を要求する承認要求ステップと、を備え、
前記承認要求ステップでは、前記申請者端末を介してイベントに関する情報が入力され、前記申請を行う者から承認指示が出されたときに、前記承認者端末に向けて承認を要求し、
前記承認する者がイベントに関する情報を参照して承認を行うと、前記承認者端末から認可情報が送信される、
費用管理方法。
【請求項16】
プログラムであって、
請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の費用管理システムの各部としてコンピュータを機能させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、費用管理システム及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、イベントの参加費用を効率的に請求し、かつ支払い確認するためのシステムが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-250625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されているシステムは、不特定多数の者が参加可能なイベントの参加費用の請求等を効率化するものである。これに対して本開示は、メンバーが決められた団体等に所属する特定の者が参加可能なイベントについて、イベントの参加費用の請求等をより効率的に管理できるシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様によれば、イベントの実行費用を含むイベントに関する情報を記憶するイベント情報記憶部と、イベントに参加可能な複数の者の識別情報と、当該識別情報に紐付けられた請求先情報を記憶する請求先情報記憶部と、イベントに参加する者に紐付けられた請求先情報に基づいてイベントの実行費用を請求する請求出力部とを備える費用管理システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態による費用管理システム及びその周辺構成を示すブロック図である。
図2】イベントに関する情報のテーブルの一例を示す。
図3】クラブ活動管理システムの概略フローを示す図である。
図4】ステップにおいて各端末に表示される画面の一例を示す。
図5】ステップにおいて各端末に表示される画面の一例を示す。
図6】ステップにおいて各端末に表示される画面の一例を示す。
図7】制御プログラムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本開示の実施形態について説明する。実施形態による決済処理システムは例示に過ぎず、各構成は本開示の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。特に以下の実施形態では、費用管理システム等を実現するためのハードウェア及び機能ブロックを明示して詳細な説明を行う。しかしながら、本開示の趣旨に従えばどのハードウェアがどのような機能を実現するのかは適宜変更可能であることは明らかである。また、各機能ブロックを同一のハードウェア若しくはソフトウェア、又は異なるハードウェア若しくはソフトウェアにより実現可能であることも明らかである。また、各情報を記憶する記憶部は、揮発性又は不揮発性の記憶デバイスにより実現される。記憶部に記憶された情報は、プロセッサの組み合わせにより実現されるCPUにより特定の領域に展開され処理される。
【0008】
また、以下の説明において複数種類の「端末」を用いるが、端末とは使用者が操作可能な携帯型端末(例えばスマートフォン)や、情報処理装置(例えばパーソナルコンピュータ)を指す。以下の説明においてイベントの例を幾つか例示しながら、当該イベントの運営者や端末の役割を説明するが、本開示は例示したイベント以外にも適用可能である。
【0009】
図1は、費用管理システム及びその周辺構成を示すブロック図である。図1に示すように、費用管理システム100は、申請者端末102、承認者端末104、参加者端末106、及び決済管理システム108のそれぞれと通信可能に接続されている。費用管理システム100と各端末は、インターネット等の通信手段により双方向通信可能に接続されている。
【0010】
まず費用管理システム100の周辺環境について説明する。
【0011】
申請者端末102は、費用管理システム100で処理されるイベントの費用に関する申請を行う者(つまり申請者)によって操作される。申請者は、イベントの運用に携わる者である。一例としてイベントが会員のみが聴くことができるコンサートである場合、申請者はコンサートの運営者であって会計を担当する者である。イベントがサークル会員のみが参加可能なレジャーイベントである場合、申請者はサークルの運営者であって会計を担当する者である。イベントが学校のクラブ活動に関するものである場合、申請者はクラブ活動の顧問やマネージャーである。
【0012】
承認者端末104は、申請者が申請したイベントの費用を承認する者によって操作される。承認者端末104には、イベントの費用に関する情報を含めたイベントに関する情報が送信される。承認者は、受信した内容を参照してイベントの承認を行う。承認者は、イベントの運用に直接携わる者で無くてもよい。イベントが上述したコンサートである場合、承認者としては申請者の上長であるのがよい。イベントが上述したレジャーイベントである場合、承認者としては申請者とは別のサークル会員であるのがよい。イベントが上述したクラブ活動に関するものである場合、承認者としては学校の管理職(教頭、校長等)であるのがよい。このような者を承認者として選定することにより、イベントの実行費用の透明化を図れる。
【0013】
なお、いずれの場合も承認者は申請者と別の者であることを条件として、イベントの運営者の体制に応じて適宜選択可能である。必ずしも承認者を選定する必要はなく、イベントの規模(費用の金額)によっては、承認者を設けないという選択肢もある。
【0014】
参加者端末106は、イベントに参加可能な者に紐付けられた端末である。イベントに参加可能な者とは、イベントに参加する権利を有する者をいう。上述の例で言えばイベントに参加可能な者とは、コンサート会員、サークル会員、又は部員をいう。参加者端末は、イベントに参加可能な者が所有する端末である必要はない。例えば、イベントに参加可能な者が学生である場合、その学生の保護者の所持する端末を参加者端末106として取り扱ってもよい。
【0015】
決済管理システム108は、イベントの実行費用の決済を実行するためのシステムである。例えば、イベントの実行費用をクレジットカードにより決済する場合、決済管理システム108はクレジットカード会社のシステムとなる。また、イベントの実行費用を銀行振込により決済する場合、決済管理システム108は銀行のシステムとなる。また、イベントの実行費用を電子マネーやQRコード(商標登録)により決済する場合、決済管理システム108は、電子マネーシステム等の運用会社のシステムとなる。
【0016】
次に費用管理システム100の構成を説明する。費用管理システム100は、イベント管理部110と、イベント情報記憶部112と、請求先情報記憶部114と、請求出力部116と、承認要求部118と、請求管理部120と、収支情報取得部122と、収支情報出力部124とを備える。この例では、費用管理システム100は、情報処理装置及びそこにインストールされた制御プログラムにより実現される。費用管理システム100が取得する情報は、申請者端末102等の外部端末から入力されるか、キーボード等の入力装置を介して入力される。
【0017】
イベント管理部110は、各部を制御するためのプログラムを実行する。以下、費用管理システム100の各部について説明するが、各処理は、イベント管理部110で実行されるプログラムの指令に基づき各部が実行するものとする。
【0018】
イベント情報記憶部112は、イベントに関する情報を記憶する。イベントに関する情報とは、イベントに直接又は間接的に関連する情報である。
【0019】
図2は、イベントに関する情報のテーブルの一例を示す。図2に示すように、イベントに関する情報としては、イベントの内容200、イベントの日時202、イベントのスケジュール(つまり工程)204、イベントの実行費用総額206を含む。イベントに関する情報は、申請者が申請者端末102を介して費用管理システム100に入力されるのがよい。つまりイベントに関する情報は、費用管理システム100に予め記憶された情報である。またイベントに関する情報として、参加者の費用負担に関する情報208がある。参加者の費用負担に関する情報208は、申請者が予め決定された負担割合に関する情報である。参加者の費用負担に関する情報208は割合に限らず、参加者毎に負担金額を調整する(役職等に応じて負担金額を変更する等)ものであってもよい。さらに、イベントに関する情報としては、イベントに参加する者に関する識別情報210を含む。また、イベントに関する情報としては、決済期限に関する情報212を含む。
【0020】
図1に戻り、請求先情報記憶部114は、イベントに参加可能な複数の者の識別情報と、当該識別情報に紐付けられた請求先情報を記憶する。識別情報は、イベントに参加可能な複数の者(会員、部員等)の氏名に関する情報又は複数の者を個別に識別可能な情報を含む。請求先情報は、決済先に関する情報である。請求先情報は、イベントの実行費用の決済方法により異なる。決済方法がクレジットカードによる場合、請求先情報はクレジットカードの番号となる。また、決済方法が銀行口座からの引き落としである場合、請求先情報は銀行口座の番号となる。請求先情報記憶部114に記憶された識別情報と請求先情報は、申請者端末102を介して入力されても良いし、参加者端末106を介して入力されてもよい。
【0021】
請求出力部116は、イベントに関する情報を参照してイベントの実行費用を請求する。具体的には請求出力部116は、イベントの実行費用総額206、費用負担に関する情報(つまり、負担割合)208、及び参加者に関する識別情報210(図2参照)、並びに参加者の請求先情報に関する情報を参照する。請求出力部116は、これらの情報に基づいて各参加者が負担すべき金額を算出(例えば、実行費用総額206を参加人数で割る)し、各参加者に紐付けられた請求先情報に向けて請求を行う(つまり、決済管理システム108に送信する)。つまりここでいう、イベントの実行費用の請求、とは、参加者一人に対して実行費用の総額を請求するのではなく、各参加者が負担すべき金額を分割して全ての参加者に請求することをいう。各参加者の決済方法が異なる場合、請求出力部116は、複数の決済管理システムに向けてそれぞれ請求を行う。詳細は後述するが、イベントの実行費用の請求は、決済管理システム108に直接行っても良いし、参加者端末106に請求を承認するよう要求するメッセージ等を送って間接的に行っても良い。
【0022】
承認要求部118は、イベントに関する情報の承認を要求する。具体的には承認要求部118は、申請者端末102を介してイベントに関する情報が入力され、申請者から承認指示が出されたときに、承認者端末104に向けて承認を要求する。承認の要求には、イベントに関する情報を掲載するのがよい。これにより承認者は、イベントに関する情報を取得できる。承認者がイベントに関する情報を参照して承認を行うと、承認者端末104から承認要求部118に向けて認可情報が送信される。
【0023】
請求管理部120は、請求出力部116が出力した請求の処理状況を管理する。請求管理部120は、イベント情報記憶部112に記憶された、イベントに関する情報を参照する。請求管理部120はイベントに関する情報の決済期限212(図2参照)を参照し、決済期限までに請求が処理されているか否かの処理状況を管理する。決済期限を過ぎても請求が決済されていない場合には、請求管理部120は、当該参加者に紐付けられた参加者端末106に対してリマインドを送信してもよい。
【0024】
収支情報取得部122は、イベントの収支に関する情報を取得する。具体的には収支情報取得部122は、申請者端末102に入力されたイベントの収支に関する情報を取得する。イベントの収支に関する情報は、イベントの終了後に、申請者が申請者端末102に入力する情報である。イベントの収支に関する情報は、該当するイベントを実行するのに要した費用(支出)と収入に関する情報である。収支情報取得部122は、申請者端末102から費用管理システム100に送信された、イベントの収支に関する情報を取得する。イベントの収支に関する情報には、例えば領収書の画像ファイルを紐付けられるようにしてもよい。
【0025】
収支情報取得部122は、イベントの収支に関する情報を承認者端末104に送信し、承認者の承認を要求してもよい。
【0026】
収支情報出力部124は、イベントの収支に関する情報を参加者端末106に送信する。具体的には収支情報出力部124は、当該イベントの参加者に関する識別情報210(図2参照)を参照し、参加者に関する識別情報210に紐付けられた参加者端末106に向けてイベントの収支に関する情報を送信する。これにより、イベントの収支の透明性を向上させられる。
【0027】
次に実施例について詳述する。実施例は、費用管理システムを学校のクラブ活動管理システムに適用したものである。
【0028】
図3は、クラブ活動管理システムの概略フローを示す図である。
【0029】
図1及び図3に示すように、まず、申請者としての顧問300が申請者端末102を用いてイベントに関する情報を作成し、作成した情報をイベント情報記憶部112に記憶させる。顧問300が作成するイベントに関する情報は、例えばサッカー部の合宿に関する情報であり、合宿に参加させる部員(この例では全部員を複数のチームに分けてそのうちの1チームのみを参加させるものとする)、合宿の日程、スケジュール、費用総額、負担割合等に関する情報を含む。
【0030】
次に、顧問300は承認を要求((1)で示す「申請」)する。具体的には顧問300は、申請者端末102を操作して承認を要求する。これにより、申請者端末102から費用管理システム100に承認の要求が送られる。承認要求部118は、申請者端末102からの要求に応じて、承認者端末104に承認の要求を送信する。この例では、3人の承認者(事務長302,教頭304,校長306)が予め設定されているものとし、承認の要求は各承認者の承認者端末104A~104Cに順次送信((2)で示す「承認」)される。
【0031】
最後の承認者である校長306が承認をすると、クラブ活動管理システムは、当該イベントに参加する部員の保護者308が保有する参加者端末106にイベントに関する情報を送信する((3)で示す「お知らせ」)。部員の端末が参加者端末106として登録されている場合には、同様のお知らせを部員310に送信してもよい。
【0032】
次に保護者308は、決済を実行する((4)で示す「決済」)。なおこの例では、保護者308が直接決済するものとしているが(つまり、(3)のお知らせが保護者に向けた合宿費用の請求に相当するものとしている)、校長306が承認した時点で決済を実行してもよい。
【0033】
合宿の終了後には、顧問300が合宿の収支に関する情報を申請者端末102に入力する。申請者端末102に入力された収支に関する情報は、収支情報取得部122により取得される。収支情報取得部122は、校長306の承認((7)で示す「承認」)を得た後、保護者の参加者端末106に向けて収支に関する情報を送信する。
【0034】
図4乃至図6は、各ステップにおいて各端末に表示される画面の一例を示す。
【0035】
図4及び図5は、顧問300(図3参照)がイベントに関する情報を作成する際に申請者端末102(図1参照)に表示される画面を示す。
【0036】
図4は、イベントに関する情報を作成するために必要な、イベント名、実施期間、承認時に使用する申請タイトル、申請内容、申請費用、一人当たりの費用、及び保護者への案内を入力するためのボックスが表示されている。一人当たりの費用は、申請費用(合宿の費用総額)を参加人数で割って自動的に算出されるものであってもよい。
【0037】
図5は、イベントに参加可能な者(全部員)からイベントに参加させる者(一部の部員)を選択するための画面を示す。例えば、1軍に所属する一部の部員を合宿に参加させる者として選択する場合、顧問300(図3参照)は全部員の中から1軍に所属させる部員を選択(ドラッグアンドドロップ)する。その後、顧問300は、合宿の参加者として1軍を選択し、1軍に所属する部員をイベントに関する情報に含める。
【0038】
図6は、図3の「お知らせ」として保護者308に送信されるメールの一例を示す。保護者308がメールを読み、リンクを介して承認をすると、決済管理システム108に対して決済が行われる。
【0039】
次に費用管理システム100にインストールされた制御プログラムについて詳述する。
【0040】
図7は制御プログラムのブロック図である。制御プログラム400は、イベント情報書込指示部402と、請求先情報書込指示部404と、請求指示部406とを備える。
【0041】
イベント情報書込指示部402は、イベントに関する情報をイベント情報記憶部112(図1参照)に記憶させる。具体的にはイベント管理部110は、イベント情報書込指示部402からの指示に基づいて、顧問300(図3参照)が申請者端末102を用いて作成し、費用管理システム100に送信したイベントに関する情報を、イベント情報記憶部112に記憶させる。
【0042】
請求先情報書込指示部404は、識別情報と請求先情報を紐付けて請求先情報記憶部114に記憶させる。具体的にはイベント管理部110は、請求先情報書込指示部404からの指示に基づいて、保護者308(図3参照)が参加者端末106を用いて作成し、費用管理システム100に送信した請求先情報を、識別情報と紐付けて請求先情報記憶部114に記憶させる。
【0043】
請求指示部406は、請求出力部116にイベントの実行費用を請求させる。具体的には請求出力部116は、請求指示部406からの指示に基づいて、例えば校長306が承認を行った後に、決済管理システム108に対して決済を行う。また、保護者308が「お知らせ」のメールのリンクを介して決済を行う変形例においては、請求出力部116は、請求指示部406からの指示に基づいて決済用のリンクを生成し、保護者に送信されるメールにリンクを書き込む。
【0044】
以上のように実施形態及び実施例によれば、特定の者(1軍に所属する部員)に対して効率的にイベントの実行費用の請求を行える。
【0045】
また、承認者の承認を要求するようにすることで、イベントの実行費用の透明性を確保できる。
【0046】
また、請求を出力した後にその処理状況を管理することで、支払い忘れ等を減らせる。
【0047】
また、申請者がイベントの収支を入力できるようにすることで、イベントの収支情報を関係者で共有できる。
【0048】
本開示は上述の実施形態又は実施例に限られるものではなく、各構成は本開示の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0049】
100 費用管理システム; 110 イベント管理部; 112 イベント情報記憶部; 114 請求先情報記憶部; 116 請求出力部; 118 承認要求部; 122 収支情報取得部; 124 収支情報出力部

【要約】
【課題】 特定の者が参加可能なイベントの参加費用の請求等をより効率的に管理できるシステムを提供する。
【解決手段】 費用管理システム100は、イベントの実行費用を含むイベントに関する情報を記憶するイベント情報記憶部112と、イベントに参加可能な複数の者の識別情報と、当該識別情報に紐付けられた請求先情報を記憶する請求先情報記憶部114と、イベントに参加する者に紐付けられた請求先情報に基づいてイベントの実行費用を請求する請求出力部116とを備える。
【選択図】図1

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7