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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】遅延解放のフットブレーキアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B60T 1/14 20060101AFI20240502BHJP
   B62H 3/04 20060101ALI20240502BHJP
   B62L 3/04 20060101ALI20240502BHJP
   E04H 6/04 20060101ALI20240502BHJP
【FI】
B60T1/14
B62H3/04
B62L3/04 D
E04H6/04 H
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023056054
(22)【出願日】2023-03-30
【審査請求日】2023-05-12
(31)【優先権主張番号】202310068128.0
(32)【優先日】2023-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519402063
【氏名又は名称】▲楊▼ ▲ミン▼新
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ ▲ミン▼新
【審査官】大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-197077(JP,A)
【文献】特開2018-108780(JP,A)
【文献】実開昭62-31571(JP,U)
【文献】欧州特許出願公開第1093989(EP,A1)
【文献】中国特許出願公開第108189900(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60T 1/14
B62H 3/04
B62L 3/04
E04H 6/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遅延解放のフットブレーキアセンブリであって、フットブレーキと、連動機構と、第1遅延復位素子とを含み、フットブレーキは、昇降可能な方式によってフレームに取り付けられ、フットブレーキは、第2遅延復位素子、及び第2遅延復位素子に取り付けられたブレーキブロックで構成され、第2遅延復位素子は、常に、ブレーキブロックを下向きに押し、第2遅延復位素子の復位速度は、第1遅延復位素子の復位速度よりも速く、第1遅延復位素子は、フレームに取り付けられ、連動機構は、フットブレーキと第1遅延復位素子との間に取り付けられ、連動機構の一端は、フットブレーキに接続され、連動機構の他端は、第1遅延復位素子の可動端に接続され、フットブレーキを踏むと、第2遅延復位素子は、ブレーキブロックを下向きにしっかりと押し付け、フレームを位置決めし、同時に、フットブレーキは、連動機構を介して第1遅延復位素子がエネルギーを貯蔵するように動かし、フットブレーキを解放すると、第1遅延復位素子によって貯蔵されたエネルギーは遅延して放出され、連動機構を介してフットブレーキを解放するように遅延して動かすことを特徴とする、遅延解放のフットブレーキアセンブリ。
【請求項2】
前記第1遅延復位素子は、空気ばね、空気式引きばね、又はダンパであることを特徴とする、請求項1に記載の遅延解放出のフットブレーキアセンブリ。
【請求項3】
前記連動機構は、レバー、若しくは折り畳みロッドであり、又は、連動機構は、ガイドプーリと引きひもとの組み合わせであることを特徴とする、請求項1に記載の遅延解放のフットブレーキアセンブリ。
【請求項4】
前記第2遅延復位素子は、空気ばね、空気式引きばねであり、ブレーキブロックは、空気ばねの押しロッドの外端に取り付けられ、又は、ブレーキブロックは、空気式引きばねの引きロッドの外端に取り付けられることを特徴とする、請求項1に記載の遅延解放のフットブレーキアセンブリ。
【請求項5】
前記第2遅延復位素子は、フットブレーキシート及びばねで構成され、ブレーキブロックは、昇降可能な方式によってフットブレーキシートの下方に取り付けられ、フットブレーキシートに取り付けられたばねは、常にブレーキブロックを下向きに押し付けることを特徴とする、請求項1に記載の遅延解放のフットブレーキアセンブリ。
【請求項6】
前記フットブレーキシートは、挿入溝を有し、ブレーキブロックは、挿入ロッドを有し、挿入ロッドは、挿入溝内に挿着され、挿入ロッドと挿入溝との間に離脱制限構造が設けられ、ブレーキブロックは、フットブレーキシートの下方に取り付けられ、挿入ロッドの頂部と挿入溝の底部との間にばねが設けられ、第2遅延復位素子は、ばねを介してブレーキブロックを常に下向きに押し付けることを特徴とする、請求項5に記載の遅延解放のフットブレーキアセンブリ。
【請求項7】
前記離脱制限構造は、挿入溝の開口部がネッキング口に設計され、挿入ロッドの頂部が離脱防止ヘッドに設計され、離脱防止ヘッドが挿入溝内に位置し、離脱防止ヘッドとネッキング口との協働により、挿入ロッドが挿入溝から離脱することを制限することであることを特徴とする、請求項6に記載の遅延解放のフットブレーキアセンブリ。
【請求項8】
前記連動機構は、レバーを使用し、レバーの支点は、フレームに固定され、レバーにおいて支点に対応してスライド溝が開けられ、支点をスライド溝に挿通することにより、レバーはフレームに配置され、レバーの一端は、第1遅延復位素子の可動端に接続され、レバーの他端は、フットブレーキに接続されることを特徴とする、請求項1に記載の遅延解放のフットブレーキアセンブリ。
【請求項9】
前記連動機構は、折り畳みロッドであり、折り畳みロッドの折点がフレームに枢着されるので、折り畳みロッドは、折点を中心として回転することができ、前記第2遅延復位素子は、空気ばねであり、ブレーキブロックは、揺動アームを介して第2遅延復位素子に取り付けられ、ブレーキブロックは、揺動アームの一端に固定され、揺動アームの他端は、フレームに枢着され、第2遅延復位素子の一端は、揺動アームに枢着されるが、その他端は、折り畳みロッドの一端に枢着され、前記第1遅延復位素子は、空気ばね、空気式引きばねであり、第1遅延復位素子の固定端は、フレームに枢着され、第1遅延復位素子の可動端は、折り畳みロッドの他端に枢着されることを特徴とする、請求項1に記載の遅延解放のフットブレーキアセンブリ。
【請求項10】
第2遅延復位素子に枢着された前記連動機構の折り畳みロッドの一端にペダルが設けられることを特徴とする、請求項9に記載の遅延解放のフットブレーキアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スタンドの技術分野に関し、スタンドにおけるフットブレーキ構造に関連し、特に、遅延解放のフットブレーキアセンブリを指す。
【背景技術】
【0002】
周知のように、二輪車のスタンドは主に自転車やシンプルな電動アシスト自転車を駐車するために使用され、より多くの駐車空間を提供し、空間を最大限に活用し、駐車を便利で簡単にすることができ、これまでの自転車、バイク、電動アシスト自転車などの乱駐車現象を一変させる。従来技術では、二輪車のスタンドは、通常、水平移動式及び上下昇降式に分けられる。
【0003】
ここで、水平移動式の二輪車のスタンドは主に、軌道及びフレームで構成され、軌道は、地面又は対応するプラットフォーム上に敷設され、フレームは、車両の駐車空間を提供し、フレームは、水平方向にスライド可能な方式で軌道に配置することができる。一般に、水平移動式の二輪車のスタンドのフレームは、10°、15°、30°又は45°などの形態に応じて軌道に配置され、二輪車を駐車する場合、角度の影響を受けるため、フレームは、受動的に移動するため、使用者が二輪車を駐車するのに不便である。
車両の駐車不便を回避するために、従来の水平移動式の二輪車のスタンドは、一般に、以下の2つの解決手段を使用する。
【0004】
第一、足踏み用フットブレーキを使用し、即ち、フレームに足踏み用フットブレーキを取り付け、フットブレーキを介してフレームを位置決めし、この構造を使用する場合、駐車のために、脚でフットブレーキを踏まなければならず、脚がフットブレーキから離れる場合、フットブレーキは無効になり、実際の操作は不便である。
【0005】
第二、連動フットブレーキを使用し、フレームにフットブレーキ及び前輪タイヤペダルを取り付け、前輪タイヤペダルとフットブレーキとの間に連動型ブレーキ解放機構を配置し、使用時、まず、フットブレーキを踏み、この場合、フレームの前部キャスタが地面から離れ、フレームは動かず、使用者は、二輪車をスタンドに駐車し、前輪が前輪タイヤペダルを経た後、連動型ブレーキ解放機構をトリガーし、直ちにフットブレーキ機能を解除するように連動し、該方式は、駐車時に発生するスライドの問題を確かに解決することができる。しかし、製造コストが高く、使用者が誤って、又は悪意を持って連動型フットブレーキを踏むが、二輪車を駐車しない場合、フットブレーキは常に解放されず、該フレームが動かなくなり、その結果、他のフレームも水平方向に動かなくなり、スタンド全体を使用することが困難になる。
【0006】
それに鑑み、発明者は、遅延解放のフットブレーキアセンブリを特に設計し、それは、駐車が容易になるだけでなく、後の駐車に影響を与えることを回避することができる。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、遅延解放のフットブレーキアセンブリを提供することであり、使用者はフットブレーキを踏んだ後に離れることができるが、フットブレーキの機能は遅延時間の間維持され、それは車両の駐車に便利である。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の解決手段は、以下のとおりである。
【0009】
遅延解放のフットブレーキアセンブリは、フットブレーキと、連動機構と、第1遅延復位素子とを含み、フットブレーキは、昇降の方式によってフレームに取り付けられ、フットブレーキは、第2遅延復位素子、及び第2遅延復位素子に取り付けられたブレーキブロックで構成され、第2遅延復位素子は、常に、ブレーキブロックを下向きに押し、第2遅延復位素子の復位速度は、第1遅延復位素子の復位速度よりも速く、第1遅延復位素子は、フレームに取り付けられ、連動機構は、フットブレーキと第1遅延復位素子との間に取り付けられ、連動機構の一端は、フットブレーキに接続され、連動機構の他端は、第1遅延復位素子の可動端に接続され、フットブレーキを踏むと、第2遅延復位素子は、ブレーキブロックを下向きにしっかりと押し付け、フレームを位置決めし、同時に、フットブレーキは、連動機構を介して第1遅延復位素子がエネルギーを貯蔵するように動かし、フットブレーキを解放すると、第1遅延復位素子によって貯蔵されたエネルギーは遅延して放出され、連動機構を介してフットブレーキを解放するように遅延して動かす。
【0010】
前記第1遅延復位素子は、空気ばね、空気式引きばね、又はダンパである。
【0011】
前記連動機構は、レバー、若しくは折り畳みロッドであり、又は、連動機構は、ガイドプーリと引きひもとの組み合わせである。
【0012】
前記第2遅延復位素子は、空気ばね、空気式引きばねであり、ブレーキブロックは、空気ばねの押しロッドの外端に取り付けられ、又は、ブレーキブロックは、空気式引きばねの引きロッドの外端に取り付けられる。
【0013】
前記第2遅延復位素子は、フットブレーキシート及びばねで構成され、ブレーキブロックは、昇降可能な方式によってフットブレーキシートの下方に取り付けられ、フットブレーキシートに取り付けられたばねは、常にブレーキブロックを下向きに押し付ける。
【0014】
前記フットブレーキシートは、挿入溝を有し、ブレーキブロックは、挿入ロッドを有し、挿入ロッドは、挿入溝内に挿着され、挿入ロッドと挿入溝との間に離脱制限構造が設けられ、ブレーキブロックは、フットブレーキシートの下方に取り付けられ、挿入ロッドの頂部と挿入溝の底部との間にばねが設けられ、第2遅延復位素子は、ばねを介してブレーキブロックを常に下向きに押し付ける。
【0015】
前記離脱制限構造は、挿入溝の開口部がネッキング口に設計され、挿入ロッドの頂部が離脱防止ヘッドに設計され、離脱防止ヘッドが挿入溝内に位置し、離脱防止ヘッドとネッキング口との協働により、挿入ロッドが挿入溝から離脱することを制限することである。
【0016】
前記ばねは、圧縮ばね又は捩りばねである。
【0017】
前記連動機構は、レバーを使用し、レバーの支点は、フレームに固定され、レバーにおいて支点に対応してスライド溝が開けられ、支点をスライド溝に挿通することにより、レバーはフレームに配置され、レバーの一端は、第1遅延復位素子の可動端に接続され、レバーの他端は、フットブレーキに接続される。
【0018】
前記連動機構は、折り畳みロッドであり、折り畳みロッドの折点がフレームに枢着されるので、折り畳みロッドは、折点を中心として回転することができ、前記第2遅延復位素子は、空気ばねであり、ブレーキブロックは、揺動アームを介して第2遅延復位素子に取り付けられ、ブレーキブロックは、揺動アームの一端に固定され、揺動アームの他端は、フレームに枢着され、第2遅延復位素子の一端は、揺動アームに枢着されるが、その他端は、折り畳みロッドの一端に枢着され、前記第1遅延復位素子は、空気ばね、空気式引きばねであり、第1遅延復位素子の固定端は、フレームに枢着され、第1遅延復位素子の可動端は、折り畳みロッドの他端に枢着される。
【0019】
第2遅延復位素子に枢着された前記連動機構の折り畳みロッドの一端にペダルが設けられる。
【0020】
上記解決手段を使用した後、本発明を使用すると、使用者は脚でフットブレーキを踏んだ後に離れることができ、この場合、ブレーキブロックは、第2遅延復位素子の作用下で、常に地面(又は摩擦を発生させる可能性のある接触面)を下向きにしっかりと押し付け、直ちに離れず、ブレーキと地面(又は摩擦を発生させる可能性のある接触面)は摩擦を発生させ、フレームを位置決めし、又は、更に高度差を発生させてフレームを突き上げ(輪が地面から離れる)、フレームを位置決めし、第1遅延復位素子の遅延復位特性のため、フットブレーキは、ブレーキ機能を維持し、時間が経つにつれて、第1遅延復位素子がゆっくりと復位し、次に連動機構を介してフットブレーキを解放するように動かし、フットブレーキが対応する時間に地面(又は摩擦を発生させる可能性のある接触面)から離れるために、異なる遅延復位素子を選択し、対応する遅延時間を設定することができる。遅延解放の時間帯では、車両の駐車が容易になり、完全解放後、水平移動式フレームに自動的に戻ることができ、使用と操作はより容易になる。本発明は、全体的構造がシンプルであり、製造コストが低く、使用者の体験を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明の実施例における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下では、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。
図1】実施例1のブレーキ解放状態の概略図である。
図2図1の部分拡大図である。
図3】実施例1のブレーキ状態の概略図である。
図4図3の部分拡大図である。
図5】実施例2のブレーキ解放状態の部分拡大図である。
図6】実施例2のブレーキ状態の部分拡大図である。
図7】実施例1及び実施例3の第1遅延復位素子のブレーキ解放状態の比較図である。
図8】実施例1及び実施例3の第1遅延復位素子のブレーキ状態の比較図である。
図9】実施例4のブレーキ解放状態の概略図である。
図10図9の部分拡大図である。
図11】実施例4のブレーキ状態の概略図である。
図12図11の部分拡大図である。
図13】実施例5のブレーキ解放状態の部分拡大図である。
図14】実施例5のブレーキ状態の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施形態の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下では、本発明の実施形態における図面を参照しながら、本発明の実施形態における技術的解決手段を明確、完全に説明する。
【0023】
説明すべきものとして、「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」、「第1」、「第2」などの用語は、説明のみを目的として使用されており、特に明記されない限り、相対的な重要性を示したり暗示したりし又は示された技術的特徴を暗示すると解釈されるべきではない。
【0024】
図1図4に示すように、本発明の実施例1は、フットブレーキ1と、連動機構2と、第1遅延復位素子3とを含む、遅延解放のフットブレーキアセンブリを開示する。
【0025】
ここで、前記フットブレーキ1は、昇降可能な方式によってフレーム4に取り付けられ、フットブレーキ1が降下した後に地面(又は摩擦を発生させる可能性のある接触面)と摩擦を発生させ、ブレーキの目的を達成し、フットブレーキ1が上昇した後に地面又は元の接触面から離れ、ブレーキ解放の目的を達成する。フットブレーキ1は、第2遅延復位素子10、及び第2遅延復位素子10に取り付けられたブレーキブロック13で構成され、ブレーキブロック13は、地面と接触するために使用され、第2遅延復位素子10は、常に、ブレーキブロック13を下向きに押し付け、第2遅延復位素子10は、ブレーキブロック13をしっかりと押し付ける作用を果たし、それによってブレーキ13と地面などとの接触を維持し、摩擦を発生させる。この実施例1では、第2遅延復位素子10は、フットブレーキシート11及びばね12で構成され、ブレーキブロック13は、昇降可能な方式によってフットブレーキシート11の下方に取り付けられ、フットブレーキシート11に取り付けられたばね12は、常にブレーキブロック13を下向きに押し付ける。前記ばね12は、具体的には、圧縮ばね又は捩りばねなどを使用することができ、常にブレーキブロック13を下向きに押し付けるだけで済む。第2遅延復位素子10の復位速度(この実施例1におけるばね12の復位速度)は、第1遅延復位素子3の復位速度よりも速い。
【0026】
前記第1遅延復位素子3は、フレーム4に取り付けられる。前記第1遅延復位素子3は、具体的には、空気ばね、空気式引きばね、又はダンパであり得る。本明細書における実施例1は、空気ばねを使用し、正常状態で、ブレーキを解放する場合、空気ばねの押しロッドは常に下向き(外向き)に押し出されるが、ブレーキをかける場合、空気ばねの押しロッドは上向き(内向き)に圧縮され、エネルギーを貯蔵する。本願は、空気式引きばねを使用することもでき(実施例5を参照)、正常状態で、ブレーキを解放する場合、空気式引きばねの引きロッドは常に下向き(内向き)に引き戻されるが、ブレーキをかける場合、空気式引きばねの引きロッドは上向き(外向き)に引き出され、エネルギーを貯蔵する。本願は、ダンパを使用することもでき、その原理は前述と同じであり、ここでは説明を省略する。
【0027】
前記連動機構2は、フットブレーキ1と第1遅延復位素子3との間に取り付けられ、連動機構2の一端は、フットブレーキ1に接続され、連動機構2の他端は、第1遅延復位素子3の可動端31に接続される。前記連動機構2は、具体的には、レバー、折り畳みロッドを使用することができ、又は、ガイドプーリと引きひもとの組み合わせを使用することもでき、更に、他の形態であってもよく、本願の連動効果を達成できるだけで済む。本明細書における実施例1では、前記連動機構2は、レバーを使用し、レバーの支点21は、フレーム3に固定され、レバーにおいて支点21に対応してスライド溝22が開けられ、支点21をスライド溝22に挿通することにより、レバー3はフレームに配置され、スライド溝22の配置により、レバーが回転する場合、安定し、順調な連動作用を確保できる。レバーの一端は、第1遅延復位素子3の可動端31に接続され、レバーの他端は、フットブレーキ1に接続される。
【0028】
更に、実施例1における前記フットブレーキ1の最適化構造は、以下のとおである。フットブレーキシート11を連動機構2のレバーの他端に接続し、フットブレーキシート11は、挿入溝14を有し、ブレーキブロック13は、挿入ロッド15を有し、挿入ロッド15が挿入溝14内に挿着されるので、ブレーキブロック13は、フットブレーキシート11の下方に取り付けられ、挿入ロッド15と挿入溝14との間に離脱制限構造が更に設けられるので、挿入ロッド15は、挿入溝14から離脱せず、挿入ロッド15の頂部と挿入溝14の底部との間にばね12が設けられ、ばね12を介してブレーキブロックを常に下向きに押し付ける。前記離脱制限構造は、具体的には、図面で示され、図示した構造に限定されず、挿入溝14の開口部がネッキング口141に設計され、挿入ロッド15の頂部が離脱防止ヘッド151に設計され、離脱防止ヘッド151が挿入溝14内に位置し、離脱防止ヘッド151とネッキング口141との協働により、挿入ロッド15が挿入溝14から離脱することを制限する。
【0029】
本発明の実施例1における初期状態(ブレーキ解放)の場合、第1遅延復位素子3(空気ばね)は、自然状態にあり、押しロッドは、シリンダから下向き(外向き)に押し出され、第1遅延復位素子3の可動端31は、連動機構2(レバー)が支点21を中心として回転するように動かし、この場合、連動機構2(レバー)は、フットブレーキ1が上昇して地面から離れるように動かし、フレーム4は、輪41を介して移動することができる。
【0030】
使用時、ブレーキをかける過程は、以下のとおりである。使用者は、脚でフットブレーキ1を踏んだ後に離れることができ(フットブレーキ1が降下する)、この場合、ブレーキブロック13は、ばね12の作用下で、地面との接触を維持して摩擦を発生させるので、フレーム4を位置決めし、フレーム4は、輪41を介して移動することができず、その結果、ブレーキの目的を達成する。同時に、フットブレーキ1は、連動機構2(レバー)が支点21を中心として回転するように動かし、連動機構2(レバー)は、可動端31を介して空気ばねの押しロッドをシリンダ内に上向き(内向き)に圧縮し、その結果、第1遅延復位素子3は、エネルギーを貯蔵する。また、ブレーキブロック13は、ばね12の作用下で、地面をしっかりと押し付けるが、直ちに離れず、フレーム4を位置決めすることを更に確保し、使用者が駐車するのに便利である。
【0031】
フットブレーキ1を解放する場合、第1遅延復位素子3の遅延復位特性のため、一定の時間で、連動機構2は、大きな角度で回転することができず、ばね12の作用下で、フットブレーキ1は、一時的にブレーキ機能を維持し、更に、使用者が駐車するのに便利である。ブレーキ全過程では、使用者は、フットブレーキ1を何度も踏む必要がなく、一度踏むだけで済むので、操作がより便利である。
【0032】
ブレーキ解放過程は、以下のとおりである。時間を経つにつれて、第1遅延復位素子3によって貯蔵されたエネルギーは、遅延して放出され、第1遅延復位素子3は、ゆっくりと復位し、空気ばねの押しロッドは、再び下向きに押し出され、次に、連動機構2を介してフットブレーキ1が上昇して地面から離れるように遅延して動かし、フレーム4は、改めて輪41を介して移動し、ブレーキの目的を達成する。ブレーキ解放の全過程は、ブレーキが解放されないため、フレームが動かないという状況を回避するように、第1遅延復位素子3と連動機構2との協働によって自動的に遅延して完了する。
【0033】
本発明の実施例2は、図5及び図6に示され、実施例1との違いは、第2遅延復位素子10が空気ばねを使用し、ブレーキブロック13が空気ばねの押しロッドの外端に取り付けられ、即ち、フットブレーキシート11とばね12の代わりに空気ばねを使用することである。この実施例2では、空気ばねは、ブレーキブロック13を常に下向きに押し付け、ブレーキブロック13を押し付ける作用を果たし、ブレーキブロック13は、地面などとの接触を維持し、摩擦を発生させる。この実施例2では、空気ばねの復位速度は、第1遅延復位素子3の復位速度よりも速い。当然ながら、第2遅延復位素子10は、空気式引きばねを使用することもでき、ブレーキブロック13は、空気式引きばねの引きロッドの外端に取り付けられ、本明細書では、図示せず、説明を省略する。
【0034】
本発明の実施例3と実施例1との違いは、以下のとおりである。その第1遅延復位素子3は、空気ばねを反対して取り付け、即ち、実施例1における空気ばね本体は、フレーム4に固定され、押しロッドは、可動端41であり、実施例3における押しロッドは、フレーム4に固定され、空気ばね本体は、可動端41であり、図7及び図8は、実施例1及び実施例3の比較図であり、その動作原理は変わらず、本明細書では、説明を省略する。
【0035】
本発明では、第1遅延復位素子3は、空気式引きばねである場合、空気式引きばねは、フレーム4に取り付けられ、空気式引きばねの引きロッドは、正常状態で、常にシリンダに引き戻され、外力を受ける場合、シリンダから引き出される。このように、初期状態(ブレーキ解放)で、第1遅延復位素子3(空気式引きばね)が自然状態にあり、引きロッドは、下向き(内向き)に引き戻され、第1遅延復位素子3の可動端31は、連動機構2(レバー)が支点21を中心として回転するように動かし、この場合、連動機構2(レバー)は、フットブレーキ1が地面から離れるように動かす。
【0036】
使用時、ブレーキをかける過程は、以下のとおりである。使用者は、脚でフットブレーキ1を踏んだ後に離れることができ、この場合、ブレーキブロック13が地面と接触して摩擦を発生させるので、フレーム4を位置決めし、ブレーキの目的を達成する。同時に、フットブレーキ1は、連動機構2(レバー)が回転するように動かし、連動機構2(レバー)は、可動端31を介して空気式引きばねの引きロッドを上向き(外向き)に引き出し、その結果、第1遅延復位素子3は、エネルギーを貯蔵する。一定の時間帯で、連動機構2は、大きな角度で回転することができず、ブレーキブロック13は、第2遅延復位素子10の作用下で、地面をしっかりと押し付け、直ちに地面から離れず、フットブレーキ1は、一時的にブレーキ機能を維持してフレーム4を位置決めし、使用者が駐車するのに便利である。
【0037】
ブレーキ解放過程は、以下のとおりである。時間を経つにつれて、第1遅延復位素子3によって貯蔵されたエネルギーは、遅延して放出され、第1遅延復位素子3は、ゆっくりと復位し、空気式引きばねの引きロッドは、再び下向きに引き戻され、連動機構2を介してフットブレーキ1が上昇して地面から離れるように遅延して動かし、ブレーキの目的を達成する。
【0038】
本願は、ダンパを使用する場合、その原理は前述の実施例と同じであり、ここでは説明を省略する。
【0039】
図9図14に示すように、本発明の実施例4及び実施例5では、前記連動機構2は、折り畳みロッドであり、折り畳みロッドの折り畳み角度は、実際の状況に応じて決定され、図面に限定されず、折り畳みロッドの折点23がフレーム4に枢着されるので、折り畳みロッドは、折点23を中心として回転することができる。前記第2遅延復位素子10はいずれも空気ばねであり、ブレーキブロック13は、揺動アーム16を介して第2遅延復位素子10に取り付けられ、具体的には、ブレーキブロック13を揺動アーム16の一端に固定し、揺動アーム16の他端は、フレーム4に枢着され、第2遅延復位素子10の一端は、揺動アーム16に枢着され、その他端は、折り畳みロッド(連動機構2)の一端に枢着され、このように、第2遅延復位素子10は、揺動アーム16を押し引きし、揺動アーム16を揺動させ、その結果、ブレーキブロック13を下向きにしてブレーキをかけ、又は上向きにしてブレーキを解放する。
【0040】
前記第1遅延復位素子3は、空気ばね又は空気式引きばねであり、前記第1遅延復位素子3の固定端は、フレーム4に枢着され、第1遅延復位素子3の可動端は、折り畳みロッド(連動機構2)の他端に枢着される。ここで、実施例4の前記第1遅延復位素子3及び第2遅延復位素子10はいずれも空気ばねであり、そのため、二重空気ばね構造を形成する。実施例5の前記第1遅延復位素子3は、空気式引きばねであり、第2遅延復位素子10は、空気ばねであり、そのため、空気ばねと空気式引きばねとの組み合わせ構造を形成する。ブレーキ操作を容易にするために、実施例4及び実施例5では、第2遅延復位素子10に枢着された前記連動機構2の折り畳みロッドの一端にペダル24が延在して形成される。当然ながら、前記ペダル24は、図示した延在形成に限定されず、折り畳みロッドの折り畳みによってペダルを形成することもでき、又は、折り畳みロッドにペダルを固定して取り付けることもでき、更に、他の手段によってペダルを追加することもできる。
【0041】
実施例4及び実施例5では、3つの枢着点の相対位置は移動せず(折り畳みロッドの折点23は、フレーム4における枢着点Aにあり、揺動アーム16の他端は、フレーム4における枢着点Bにあり、第1遅延復位素子3の固定端は、フレーム4における枢着点Cにある)、3つの枢着点は、フレーム4に直接配置することができ、又は、付属品(例えば、取り付け板など)を介してフレーム4に間接的に配置することもできる。取り付けを容易にするために、実施例4及び実施例5では、この3つの枢着点をフレーム4の垂直板42に配置する。
【0042】
初期状態(ブレーキ解放)で、第1遅延復位素子3(空気ばね又は空気式引きばね)が自然状態にあり、第1遅延復位素子3の可動端31は、連動機構2(折り畳みロッド)が折点23を中心として反時計回りに回転するように動かし、この場合、連動機構2(折り畳みロッド)は、フットブレーキ1が地面から離れるように動かす。
【0043】
使用時、ブレーキをかける過程は、以下のとおりである。使用者は、脚でフットブレーキ1を踏んだ後に離れることができ、この場合、第2遅延復位素子10は、揺動アーム16が時計回りに揺動するように動かし、ブレーキブロック13が地面と接触して摩擦を発生させるので、フレーム4を位置決めし、ブレーキの目的を達成する。同時に、フットブレーキ1は、連動機構2(折り畳みロッド)も時計回りに回転するように動かし、連動機構2(折り畳みロッド)は、可動端31を介して空気ばねまたは空気式引きばねに作用し、それにより、第1遅延復位素子3は、エネルギーを貯蔵する。一定の時間帯で、連動機構2は、大きな角度で回転することができず、ブレーキブロック13は、第2遅延復位素子10の作用下で、地面をしっかりと押し付け、直ちに地面から離れず、フットブレーキ1は、一時的にブレーキ機能を維持してフレーム4を位置決めし、使用者が駐車するのに便利である。
【0044】
ブレーキ解放過程は、以下のとおりである。時間を経つにつれて、第1遅延復位素子3によって貯蔵されたエネルギーは、遅延して放出され、第1遅延復位素子3は、ゆっくりと復位し、第1遅延復位素子3は連動機構2を介してフットブレーキ1が上昇して地面から離れるように遅延して動かし、ブレーキの目的を達成する。
【0045】
本発明は、どの遅延復位素子又は連動機構を選択しても、遅延解放の時間帯では、車両の駐車が容易になり、完全解放後、水平移動式フレームに自動的に戻ることができ、使用と操作はより容易になる。本発明は、全体的構造がシンプルであり、製造コストが低く、使用者の体験を向上させる。
【0046】
上記内容は本発明の実施例に過ぎず、本発明の保護範囲を限定することを意図するものではない。指摘すべきものとして、本明細書を読んだ後、当業者は、本考案の設計思想に従って同等の変更を行うことができ、それらは全て本考案の保護範囲に属すべきである。
【0047】
記号の説明
フットブレーキ1、第2遅延復位素子10、フットブレーキシート11、ばね12、ブレーキブロック13、挿入溝14、ネッキング口141、挿入ロッド15、離脱防止ヘッド151、揺動アーム16、連動機構2、支点21、スライド溝22、折点23、ペダル24、第1遅延復位素子3、可動端31、フレーム4、輪41、垂直板42、枢着点A、B、C。
【要約】      (修正有)
【課題】遅延解放のフットブレーキアセンブリを開示する。
【解決手段】フットブレーキは、昇降可能な方式によってフレームに取り付けられ、第2遅延復位素子、及び第2遅延復位素子に取り付けられたブレーキブロックで構成され、第2遅延復位素子は、常に、ブレーキブロックを下向きに押し、第2遅延復位素子の復位速度は、第1遅延復位素子の復位速度よりも速く、第1遅延復位素子は、フレームに取り付けられ、連動機構は、フットブレーキと第1遅延復位素子との間に取り付けられ、連動機構の一端は、フットブレーキに接続され、連動機構の他端は、第1遅延復位素子の可動端に接続され、フットブレーキを踏むと、フレームを位置決めし、同時に第1遅延復位素子はエネルギーを貯蔵し、フットブレーキを解放すると、第1遅延復位素子によって貯蔵されたエネルギーは遅延して放出され、連動機構を介してフットブレーキを解放するように遅延して動かす。
【選択図】図1
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図14