(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】情報出力装置、情報出力プログラム、情報出力方法、及び情報出力システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/00 20240101AFI20240502BHJP
G06F 40/56 20200101ALI20240502BHJP
【FI】
G06Q50/00 300
G06F40/56
(21)【出願番号】P 2023193800
(22)【出願日】2023-11-14
【審査請求日】2024-01-31
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521473181
【氏名又は名称】株式会社BRIDGEBOOKS
(74)【代理人】
【識別番号】100194467
【氏名又は名称】杉浦 健文
(72)【発明者】
【氏名】橋本 和磨
【審査官】松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-220610(JP,A)
【文献】特許第7212336(JP,B1)
【文献】中国特許出願公開第116431803(CN,A)
【文献】シャノン村野,[検証]SNS投稿につかえるChatGPTのプロンプトとは? | シャノンのブログ,[online],株式会社シャノン,2023年11月02日,[令和6年2月9日検索] 、インターネット:<URL:https://www.shanon.co.jp/blog/entry/sns_chatgpt/>
【文献】ChatGPTのプロンプト自動作成ツール「ChaChatGPT」|ソースネクスト,[online],ソースネクスト株式会社,2023年11月07日,[令和6年2月8日検索]、インターネット:<URL:https://web.archive.org/web/20231107003036/https://www.sourcenext.com/product/1000002030/>
【文献】田村 優幸,トピックに基づくテキスト生成によるマイクロブログにおけるなりすまし投稿の生成,第12回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム (第18回日本データベース学会年次大会) [online] ,2020年05月14日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06F 40/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザがSNSに投稿する内容を出力する情報出力装置であって、
前記ユーザの競合ユーザがネットワーク上に投稿した情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した情報と類似する内容の情報を
、機械学習モデルを用いてSNSに投稿する情報を生成可能な情報生成装置に生成させる情報生成指令部と、
前記情報生成指令部による指令に応じて生成された情報を出力する出力部とを備え
、
前記情報取得部は、前記競合ユーザが投稿した情報のうち、評価数が多い投稿を取得する、情報出力装置。
【請求項2】
前記評価数は、他のユーザがネットワーク上に投稿した前記情報のエンゲージメント率、好評価数、及びコメント数の少なくとも1つを含む、請求項
1に記載の情報出力装置。
【請求項3】
他のユーザがネットワーク上に投稿した前記情報は、SNSに投稿された情報であり、
前記評価数は、他のユーザがネットワーク上に投稿した前記情報のSNS情報の使用回数を含む、請求項
1に記載の情報出力装置。
【請求項4】
前記情報生成指令部による指令に応じて生成された情報に、一定回数以上使用されているSNS情報を付与する付与部を備える、請求項
3に記載の情報出力装置。
【請求項5】
前記出力部は、前記情報生成指令部による指令に応じて生成された情報を、編集可能な形式で出力する、請求項1に記載の情報出力装置。
【請求項6】
前記情報生成指令部は、テキスト情報に基づいてコンピュータ生成テキストを含む情報を出力するようにトレーニングされた機械学習モデルに、情報を生成させる、請求項1に記載の情報出力装置。
【請求項7】
前記情報生成指令部は、コンピュータ生成画像、コンピュータ生成動画、又はコンピュータ生成音の少なくともいずれかを含む情報を出力するようにトレーニングされた機械学習モデルに、情報を生成させる、請求項1に記載の情報出力装置。
【請求項8】
ユーザがSNSに投稿する内容を出力する情報出力装置を作動させるためのプログラムであって、
前記情報出力装置に、
競合ユーザがネットワーク上に投稿した情報
のうち評価数が多い投稿を取得させ、
取得した前記情報と類似する内容の情報を生成
させる指令を、機械学習モデルを用いてSNSに投稿する情報を生成可能な情報生成装置に出力させ、
前記情報出力装置による指令に応じて生成された情報を出力させる、情報出力プログ
ラム。
【請求項9】
プロセッサを備える情報出力装置により実行され
、ユーザがSNSに投稿する内容を出力する情報出力方法であって、
競合ユーザがネットワーク上に投稿した情報
のうち評価数が多い投稿を取得するステップと、
取得した前記情報と類似する内容の情報を
生成させる指令を、機械学習モデルを用いてSNSに投稿する情報を生成可能な情報生成装置に出力するステップと、
前記情報出力装置による指令に応じて生成された情報を出力するステップとを備える
、情報出力方法。
【請求項10】
ユーザがSNSに投稿する内容を出力する情報出力システムであって、
競合ユーザがネットワーク上に投稿した情報
のうち評価数が多い投稿を取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した情報と類似する内容の情報を生成させる情報生成指令部と、
前記情報生成指令部からの指令に応じて
、機械学習モデルを用いてSNSに投稿する情報を生成する情報生成部と、
前記情報生成部で生成された情報を出力する出力部とを備える、情報出力システム。
【請求項11】
ユーザがSNSに投稿する内容を出力する情報出力装置であって、
競合ユーザがネットワーク上に投稿した情報
のうち評価数が多い投稿を取得させ、当該取得した情報と類似する内容の情報を
、機械学習モデルを用いてSNSに投稿する情報を生成可能な情報生成装置に生成させる情報生成指令部と、
前記情報生成指令部による指令に応じて生成された情報を出力する出力部とを備える、
情報出力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報出力装置、情報出力プログラム、情報出力方法、及び情報出力システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、SNS(Social Network Service)及び/又は口コミサイトを含む情報投稿サイトを管理する方法が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、例えば飲食店等のサービス業においては情報投稿サイトを用いて集客力を高める努力がなされている。特に多くのサービス提供者は、複数の情報投稿サイトを活用し様々な顧客層に向けて情報発信を行っている。
【0005】
本開示は、サービス提供者に対して、集客力を更に高められる情報投稿サイトの活用技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、他のユーザがネットワーク上に投稿した情報を取得する情報取得部と、情報取得部が取得した情報と類似する内容の情報を生成させる情報生成指令部と、情報生成指令部による指令に応じて生成された情報を出力する出力部とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態による情報出力装置が適用される情報出力システムの概要を示す。
【
図3】同情報出力システムの一連の動作を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施形態について説明する。実施形態による情報出力装置は例示に過ぎず、各構成は本開示の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。特に以下の実施形態では、情報出力装置を実現するためのハードウェア及び機能ブロックを明示して詳細な説明を行う。しかしながら、本開示の趣旨に従えばどのハードウェアがどのような機能を実現するのかは適宜変更可能であることは明らかである。また、各機能ブロックを同一のハードウェア若しくはソフトウェア、又は異なるハードウェア若しくはソフトウェアにより実現可能であることも明らかである。なお、以下の説明では、情報出力装置にインストールされた制御用のプログラムが各ハードウェアを制御するものとする。
【0009】
図1は、情報出力装置が適用される情報出力システムの概要を示す。情報出力システム100は、ユーザ端末102と、情報出力装置104と、SNSサーバー106と、情報生成装置108とを備える。ユーザ端末102、情報出力装置104、SNSサーバー106、及び情報生成装置108は、ネットワーク110を介して接続されている。なお、詳細は後述するが、情報出力装置104及びSNSサーバー106は、いわばアプリケーションサーバーとして機能する。したがって、本開示を実施するに当たってはWebサーバー及び/又はデータベースサーバー等も必要となるが、これらの公知技術については説明の便宜上省略する。
【0010】
ユーザ端末102は、ユーザのパーソナルコンピュータ、スマートフォン等の画面付き情報処理装置により構成されている。本実施形態では、ユーザ端末102にインストールされたブラウザを用いて情報出力装置104にアクセスしながら、一連の情報出力処理が実行されるものとする。つまり本実施形態では、ユーザ端末102はユーザインターフェイスとしてのみ機能し、一連の情報出力処理は情報出力装置104上で行われる。なお、ユーザ端末102に一連の情報出力処理を実行可能なアプリケーションをインストールし、ユーザ端末102が直接、情報出力装置104、SNSサーバー106、及び情報生成装置108にアクセスしてもよい。
【0011】
ユーザとは、ユーザ端末102を利用する者をいう。本実施形態においては、ユーザはSNSアカウントを保有しており、自身のSNSアカウントに新たな情報を投稿することを希望する者をいう。例えば飲食店の経営者が、自身が経営する飲食店名義のSNSアカウントに新たな情報を投稿しようとする場合、飲食店の経営者がユーザとなる。
【0012】
情報出力装置104は、情報出力プログラムを実行するアプリケーションサーバーとして機能する。情報出力装置104は、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサが情報出力プログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。情報出力プログラムが実行されると、ネットワーク110を介してユーザ端末102のブラウザ上に種々の情報が表示される。情報出力装置104及び当該情報出力装置104を作動させるための情報出力プログラムの詳細については後述する。
【0013】
SNSサーバー106は、SNSサイトの運用サーバー(つまり、アプリケーションサーバー)である。SNSサイトは広義に解されるべきであり、会員制であるか非会員性であるか、匿名性であるか記名性又は実名性であるかを問わず、様々な投稿者が情報を投稿できるサイトをいう。またサイトとは、ブラウザによって表示されるウェブサイトの他、アプリケーションプログラムによって表示されるアプリ画面の元データを含むものとする。SNSサーバー106は、SNSサイトの運営するための情報を管理する一般的なサーバーである。
【0014】
情報生成装置108は、AI(Artificial Intelligence)を利用した装置又はシステムである。情報生成装置108は、無数のSNSサイトを含む情報サイトを学習した言語モデルを用いており、入力された要求に対して回答を出力する。情報生成装置108としては、例えば、公知のChat GPT等の大規模言語モデル(LLM:Large Language Models))等の機械学習モデルを用いたツールが実装された装置又はシステムを活用することができる。本開示の実施形態では、機械学習モデルは、SNSサーバー106に投稿されているテキスト情報に基づいて、コンピュータが生成するテキストを出力するようにトレーニングされたものを採用している。なお、機械学習モデルは、大規模言語モデルに限らず、AIによる自動生成が可能なモデルであれば良く、特にこれに限定されない。
【0015】
ネットワーク110は、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、プロバイダ端末、無線通信網、無線基地局、専用回線等を含む。なお、
図1に示す各装置の全ての組み合わせが相互に通信可能である必要はなく、ネットワーク110は、一部にローカルなネットワークを含んでもよい。
【0016】
図2は、情報出力装置のブロック図を示す。情報出力装置104は、情報取得部112と、情報生成指令部114と、出力部116と、投稿部118と、SNS情報付与部120と、制御部122を備える。情報取得部112、情報生成指令部114、出力部116、投稿部118、及びSNS情報付与部120のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。本実施形態では、情報取得部112、情報生成指令部114、出力部116、投稿部118、及びSNS情報付与部120は、制御部122が情報出力プログラムに基づいて各部に指令を供給することにより作動するものとする。
【0017】
情報取得部112は、ネットワーク上に投稿された情報を取得する。より具体的には情報取得部112は、SNSサーバー106に投稿された種々の情報を取得する。情報取得部112がSNSサーバー106に投稿された情報を取得するためには、公知のAPI(Application Programming Interface)技術を用いることができる。APIは、既存の様々なSNSサーバーに搭載されているため詳細な説明は省略する。情報取得部112が取得する情報としては、様々なユーザがネットワーク110上に投稿した情報がある。ネットワーク110上に投稿した情報としては、SNSサーバー106に投稿されたSNSの情報がある。なおシステム100上にSNSサーバーが複数存在してもよく、この場合情報取得部112は複数のSNSサーバーから情報を取得してもよい。情報取得部112は、他のユーザが投稿したSNSのみから情報を取得するか、取得した全てのSNSから他のユーザが投稿した情報を抽出するのがよい。また、情報取得部112は、ユーザと競合するユーザ(「競合ユーザ」に相当)が投稿した情報のみを抽出してもよい。ユーザと競合するユーザとは、ユーザのSNSと競合する可能性がある者をいう。ユーザのSNSと競合する可能性がある者としては、所定の地域内でSNSを投稿している者、及び/又はユーザのSNSと同種の業務を営んでいる者が想定される。所定の地域内とは、予め指定された行政区画内、又はユーザが登録している住所から所定距離内をいう。この点について以下詳述する。
【0018】
予め指定された地域内でSNSを投稿している者であるか否かは、ユーザが登録している住所と同一若しくは近接する行政区画で営業しているか否か、又はユーザが登録している住所から所定距離内で営業しているか否かに基づいて判断することができる。隣接する行政区画は、ネットワーク上に存在する地図データを参照することで容易に判別可能である。また、ユーザが登録している住所から下位の行政区画を除外した住所を用いて予め指定された地域内でSNSを投稿している者を検索してもよい。一例として、ユーザが登録している住所が、「東京都渋谷区渋谷1丁目1番地1号」である場合、下位の行政区画を示す「1号」、「1番地」、「渋谷」等を除外した住所を用いて検索することが想定される。同種の業務とは、近似する業種、需要者が重複する業種、又は具体的な業種を上位概念化した業種をいう。また、SNS投稿時に同様のハッシュタグや同様の用語(特に名詞)を用いた投稿を行っている者を、同種の業務を行っていると見做してもよい。上記の判断は、例えばGoogle(登録商標) Map等の既存の地図アプリに登録されている情報に基づいて行える。地図アプリに飲食店等の店舗を登録する場合、店舗の業種の登録が要求されることがある。したがって情報取得部112は、地図アプリに登録されている業種に関する情報、及び住所に関する情報を利用してユーザのSNSと競合する可能性がある者を確認することができる。つまり、情報取得部112は、ユーザと競合する可能性がある者のSNSを探索する探索部として機能するとも言える。
【0019】
別の態様として、情報取得部112がAIを活用してネットワーク上に投稿された情報を取得してもよい。この場合、情報取得部112は、外部(例えば情報生成装置108)を活用して、近隣の競合する店舗のSNSを取得するという要求を送信し、それに対する返信を受信することで、競合する可能性がある者のSNSを取得してもよい。
【0020】
情報生成指令部114は、情報取得部112が取得した情報と類似する内容の情報を生成させる。具体的には情報生成指令部114は、所定の指令を生成し当該指令(いわゆる「プロンプト」)を生成する。つまり情報生成指令部114は、プロンプト生成部として機能するとも言える。指令(プロンプト)には、コンテキストとして、類似する内容の情報を生成する旨の指示を含むのがよい。コンテキストの内容はこれに限られるものではなく、最終的に他のユーザが投稿した情報を基礎として情報を生成する旨の指示であればどのようなものであってもよい。指令には、情報取得部で取得した情報の内容、又は情報の所在を示す情報(URL:Uiform Resource Locator等)を含めることができる。指令には、生成する情報の文字数の制限、文体の指示(例文を添付することによる指示を含む)等の追加の情報を含めてもよい。文体の指示は、ユーザが過去に投稿した情報を参照する旨の指示であってもよい。例文としてユーザ自身が過去に作成した情報を利用することで、ユーザにより投稿される文の形式(口調、書き方、特殊文字の利用方法、体裁等)が、文章を投稿する度に変化するのを防げる。また、例文として人気のある記事の情報を利用することで、人気のある記事に文の形式が似ている記事を生成することができ、注目度が高まるのを期待できる。情報生成指令部114は、生成した指令を情報生成装置108に送信する。この指令に応じて情報生成装置108が生成した情報は、情報出力装置104に送信される。
【0021】
情報取得部112により複数のSNSが取得された場合、情報生成指令部114は、評価数が高い(多い)SNSを抽出して抽出されたSNSの内容と類似する内容の情報を生成する旨の指示を生成してもよい。SNSの評価数は、SNS投稿に反応したユーザの割合を示すエンゲージメント率、好評価数、及びコメント数の少なくとも1つをいう。また、評価数としてSNS情報を参照してもよい。この場合、情報生成指令部114は、使用頻度が高い(使用回数が多い)SNS情報をより多く含むSNSを抽出する。ここでいうSNS情報とは、ハッシュタグやメタタグ等のSNSに投稿された内容を示すキーワード(特定の名詞等)を示す情報である。
【0022】
情報生成装置108が、画像生成AI又は音声生成AIを利用したシステムである場合、情報生成指令部114が生成する指令内に関連する画像情報又は音声情報を生成する旨の指令を含めてもよい。情報生成装置108がテキスト生成AIのみを利用したシステムである場合、情報生成装置108以外の情報生成装置であって、画像生成AI等を利用した装置を併用して画像情報又は音声情報を生成させてもよい。
【0023】
別の態様として、情報生成指令部114が情報生成装置108に、ネットワーク上に投稿された情報を取得させてもよい。つまり、情報生成装置108が情報取得部112の機能を代替する。この場合、情報出力装置104には情報取得部112を設ける必要がない。またこの場合、上述した探索部としての機能を情報生成装置108に持たせてもよい。
【0024】
出力部116は、情報生成指令部114による指令に応じて生成された情報をユーザに出力する。具体的には出力部116は、情報生成装置108により生成された情報を、ユーザ端末102に送信する。出力部116から送信された情報は、ユーザ端末102のブラウザに表示される。このとき出力部116から送信される情報は、ユーザ端末102により編集可能な形式であるのがよい。これによりユーザは、ユーザ端末102を用いて情報の内容を編集することができるようになる。
【0025】
投稿部118は、ユーザからの指示に応じて、情報生成装置108で生成された情報、又はユーザ端末102を用いて編集された情報をSNSサーバー106に投稿する。
【0026】
SNS情報付与部120は、情報生成装置108により生成された情報にSNS情報を付与する。SNS情報付与部120は、情報取得部112が取得した情報に付与されたタグを参照し、情報生成装置108により生成された情報に対して参照したタグと同じタグを付与する。SNS情報付与部120は、タグを付与する際に情報取得部112が取得した情報に付与されたタグを抽出し、SNSサーバー106上で一定回数以上使用されている(人気のある)タグのみを付与してもよい。SNS情報付与部120により付されたタグは、ユーザにより編集可能な形式で出力されるのがよい。
【0027】
制御部122は、情報出力装置104にインストールされた情報出力プログラムに従って情報取得部112、情報生成指令部114、出力部116、投稿部118、及びSNS情報付与部120の各部を作動させる。
【0028】
次に情報出力システム100の一連の動作について説明する。
図3は、情報出力システムの一連の動作を示すフロー図である。以下の例では、ユーザである甲はA地区においてカフェXを経営しているものとする。甲は、カフェXの宣伝目的で定期的にSNSに情報を投稿しているものとする。この例では情報出力システム100は、SNS自動生成システムであるとも言える。
【0029】
新たな情報をSNSに投稿するに際して甲は、ユーザ端末102のブラウザを操作する。これにより、ステップS1においてユーザ端末102は、ネットワーク110を介して情報出力装置104にアクセスする。
【0030】
ステップS2において情報出力装置104は、ユーザ端末102にSNS情報の入力画面を表示させる。
図4に入力画面の一例を示す。入力画面には、投稿表示ボックス202と、投稿指示ボタン204と、投稿自動生成指示ボタン206とが表示される。投稿表示ボックス202は、ユーザがSNSサイトに投稿する内容をタイプする入力ボックスである。投稿表示ボックス202にテキストが入力されている状態で投稿指示ボタン204がクリックされると、投稿表示ボックス202に入力された内容がSNSサーバー106に送信される。投稿自動生成指示ボタン206は、情報出力プログラムに投稿内容を生成させるための指示部である。
【0031】
投稿自動生成指示ボタン206がクリックされると、ステップS3以降の処理において情報出力装置104は投稿内容の生成を開始する。
【0032】
ステップS3において情報取得部112は、SNSサーバー106にアクセスして他のユーザがSNSサーバー106に投稿した情報を取得する。甲と競合する可能性がある者のみを抽出する場合、ステップS3において情報取得部は、複数のSNSの中から甲と競合する可能性がある者のSNSを抽出する。具体的には情報取得部112は、カフェXから所定距離内(例えば半径500m以内)で営業している飲食店のSNS、又はカフェXがあるA地区、及びA地区に隣接する行政区画で営業している飲食店のSNSを抽出する。
【0033】
ステップS4において情報生成指令部114は、情報生成装置108に対して、情報取得部112が取得した情報と類似する内容の情報を生成する旨の指令を送信する。ステップS3において抽出されたSNSが複数ある場合、情報生成指令部114は、複数のSNSのうち評価数が最も多いSNSを抽出し、抽出した情報と類似する内容のSNS記事を情報生成装置108に生成させてもよい。
【0034】
ステップS5において情報生成装置108は、情報生成指令部114から送信された指令に基づいてSNS記事を生成する。当然のことながら生成されるSNS記事の内容は、情報生成装置108の機械学習モデルの習熟度により刻々と変化する。したがって、ある視点から見れば、情報生成装置108が生成したSNS記事が参照したSNS記事に実際に類似していない可能性もある。しかしながら生成したSNS記事が参照元のSNS記事に類似しているか否かは本思想の問題とするところではない。つまり、本開示において重要なのは、情報生成指令部114から送信される指令のなかに「類似するSNS記事を生成する」旨の指令が含まれているか否か、という点である。次いでステップS6において情報生成装置108は、生成したSNS記事を情報出力装置104に送信する。
【0035】
ステップS7においてSNS情報付与部120は、情報生成装置108から受信したSNS記事にタグを付与する。このときSNS記事に付与されるタグは、参照したSNS記事に付与されていたタグのうち人気のあるタグである。
【0036】
ステップS8において出力部116は、タグが付与されたSNS記事の内容をユーザ端末102に表示させる。
図5にユーザ端末に表示される画面の一例を示す。
図5に示す各領域は、
図4に示した領域と同一である。
【0037】
図5に示すように、投稿表示ボックス202には、情報生成装置108が生成したSNS記事の内容が表示される。投稿表示ボックス202の内容は、ユーザ端末102を操作して編集可能な形式で表示されている。これにより、ユーザがSNS記事の内容を適宜変更することができる。同図に示すようにタグの内容も編集可能な形式で表示される。
【0038】
投稿表示ボックス202に表示されたSNS記事がユーザの趣向にそぐわない場合、ユーザはユーザ端末102を操作して、再度、投稿自動生成指示ボタン206をクリックすることができる。投稿自動生成指示ボタン206がクリックされると、情報出力システム100は、ステップS3~S8の処理を繰り返す。これにより、ユーザの趣向に合うSNS記事を自動的に生成することができる。ステップS3~S8の処理を繰り返す際、情報出力システム100は、前回参照したSNSの次に評価数が多いSNS記事を参照するのがよい。つまり、情報出力システム100は、SNSの評価数が多い順に従って参照するSNS記事を入れ替える。評価数の大小を決定するにあたり、評価数を構成するエンゲージメント率、好評価数、及びコメント数のどの要素を重要視するかは適宜選択可能である。つまり、エンゲージメント率のみに主眼を置いて評価数の大小を決定してもよいし、複数の要素にそれぞれ重み付けを行い、総合的に評価数の大小を決定してもよい。
【0039】
投稿表示ボックス202に表示されたSNS記事をSNS上に投稿したいとユーザが判断し、ユーザが投稿指示ボタン204をクリックすると、ステップS9において投稿部118は、SNS記事の情報をSNSサーバー106に送信する。これにより、生成されたSNS記事が投稿され、第三者から閲覧可能な状態に付される。
【0040】
以上のように実施形態によれば、簡易的な操作でSNS記事を生成することができる。生成されるSNS記事は、記事生成時に流行している内容が加味されて生成されているため、生成されたSNS記事の注目度も高まることが期待できる。
【0041】
本開示は上述の実施形態に限られるものではなく、実施形態の各構成は適宜変更可能である。
【0042】
以下のような変形例が想定される。
【0043】
ユーザ端末102等の適当な場所に写真等の画像情報を格納し、当該画像情報にあらかじめSNS情報を付与しておいてもよい。この場合、投稿表示ボックス202に、情報生成装置108が生成したSNS記事の内容を表示させる際に、関連するタグが付与された画像情報を読み出しSNS記事と一緒に表示させてもよい。
【0044】
以下の態様も本開示の範囲内である。
〔態様1〕
他のユーザがネットワーク上に投稿した情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した情報と類似する内容の情報を生成させる情報生成指令部と、
前記情報生成指令部による指令に応じて生成された情報を出力する出力部とを備える、
情報出力装置。
〔態様2〕
前記情報生成指令部は、前記情報取得部が取得した情報のうち評価数が一定以上の情報と類似する内容の情報を生成させる、態様1に記載の情報出力装置。
〔態様3〕
前記評価数は、他のユーザがネットワーク上に投稿した前記情報のエンゲージメント率、好評価数、及びコメント数の少なくとも1つを含む、態様2に記載の情報出力装置。
〔態様4〕
他のユーザがネットワーク上に投稿した前記情報は、SNSに投稿された情報であり、
前記評価数は、他のユーザがネットワーク上に投稿した前記情報のSNS情報の使用回数を含む、態様2に記載の情報出力装置。
〔態様5〕
前記情報生成指令部による指令に応じて生成された情報に、一定回数以上使用されているSNS情報を付与する付与部を備える、態様4に記載の情報出力装置。
〔態様6〕
前記出力部は、前記情報生成指令部による指令に応じて生成された情報を、編集可能な形式で出力する、態様1に記載の情報出力装置。
〔態様7〕
前記情報生成指令部は、テキスト情報に基づいてコンピュータ生成テキストを含む情報を出力するようにトレーニングされた機械学習モデルに、情報を生成させる、態様1に記載の情報出力装置。
〔態様8〕
前記情報生成指令部は、コンピュータ生成画像、コンピュータ生成動画、又はコンピュータ生成音の少なくともいずれかを含む情報を出力するようにトレーニングされた機械学習モデルに、情報を生成させる、態様1に記載の情報出力装置。
〔態様9〕
前記他のユーザは、予め指定された地域内にいるユーザである、態様1に記載の情報出力装置。
〔態様10〕
前記他のユーザは、当該情報出力装置のユーザと競合するユーザである、態様1に記載の情報出力装置。
〔態様11〕
情報出力装置を作動させるためのプログラムであって、
前記情報出力装置に、
他のユーザがネットワーク上に投稿した情報を取得させ、
取得した前記情報と類似する内容の情報を生成させ、
前記情報生成指令部による指令に応じて生成された情報を出力させる、情報出力プログラム。
〔態様12〕
プロセッサを備える情報出力装置により実行される情報出力方法であって、
他のユーザがネットワーク上に投稿した情報を取得するステップと、
取得した前記情報と類似する内容の情報を生成するステップと、
前記情報生成指令部による指令に応じて生成された情報を出力するステップとを備える、情報出力方法。
〔態様13〕
他のユーザがネットワーク上に投稿した情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した情報と類似する内容の情報を生成させる情報生成指令部と、
前記情報生成指令部からの指令に応じて情報を生成する情報生成部と、
前記情報生成部で生成された情報を出力する出力部とを備える、情報出力システム。
〔態様14〕
他のユーザがネットワーク上に投稿した情報を取得させ、当該取得した情報と類似する内容の情報を生成させる情報生成指令部と、
前記情報生成指令部による指令に応じて生成された情報を出力する出力部とを備える、情報出力装置。
【符号の説明】
【0045】
100 情報出力システム; 104 情報出力装置: 108 情報生成装置: 112 情報取得部: 114 情報生成指令部: 116 出力部。
【要約】
【課題】 サービス提供者に対して、集客力を更に高められる情報投稿サイトの活用技術を提供する
【解決手段】 情報出力装置104は、競合ユーザがネットワーク上に投稿した情報を取得する情報取得部112と、情報取得部112が取得した情報と類似する内容の情報を生成させる情報生成指令部114と、情報生成指令部114による指令に応じて生成された情報を出力する出力部116とを備える。
【選択図】
図2