IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝ライフスタイル株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-冷蔵庫、冷蔵庫設定システム 図1
  • 特許-冷蔵庫、冷蔵庫設定システム 図2
  • 特許-冷蔵庫、冷蔵庫設定システム 図3
  • 特許-冷蔵庫、冷蔵庫設定システム 図4
  • 特許-冷蔵庫、冷蔵庫設定システム 図5
  • 特許-冷蔵庫、冷蔵庫設定システム 図6
  • 特許-冷蔵庫、冷蔵庫設定システム 図7
  • 特許-冷蔵庫、冷蔵庫設定システム 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】冷蔵庫、冷蔵庫設定システム
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/00 20060101AFI20240502BHJP
   F25D 11/00 20060101ALI20240502BHJP
   F25D 29/00 20060101ALI20240502BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20240502BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20240502BHJP
【FI】
F25D23/00 301G
F25D11/00 101B
F25D29/00 Z
H04M11/00 301
H04Q9/00 301D
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018157290
(22)【出願日】2018-08-24
(65)【公開番号】P2020030018
(43)【公開日】2020-02-27
【審査請求日】2021-03-04
【審判番号】
【審判請求日】2023-03-07
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】金子 尚太
【合議体】
【審判長】水野 治彦
【審判官】岩▲崎▼ 則昌
【審判官】間中 耕治
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-156519(JP,A)
【文献】特開2016-25449(JP,A)
【文献】特開2015-111026(JP,A)
【文献】特開2014-40947(JP,A)
【文献】特開2014-88987(JP,A)
【文献】特開2013-238345(JP,A)
【文献】特開2007-139270(JP,A)
【文献】特開2001-235270(JP,A)
【文献】特開2015-7488(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 1/00-31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1特別制御および前記第1特別制御とは異なる第2特別制御を実行する特別制御手段と、
使用者の操作に応じて外部の通信端末が送信する第1信号を受信する信号受信手段と、
前記信号受信手段が前記第1信号を受信すると、前記第1特別制御の実行を設定する第1特別制御設定手段と、
使用者の操作に応じて前記第2特別制御の実行を設定する第2特別制御設定手段と、
を備える冷蔵庫であって
前記特別制御手段は、外出先から前記通信端末で前記第1特別制御の実行が設定された場合と、在宅時に前記冷蔵庫で前記第1特別制御の実行が設定された場合とで、前記第1特別制御を開始するタイミングを異ならせるものであって、外出先から前記通信端末で設定された前記第1特別制御の実行開始タイミングを、在宅時に前記冷蔵庫で設定された前記第1特別制御の実行開始タイミングよりも早いタイミングにする冷蔵庫。
【請求項2】
前記特別制御手段は、在宅時に前記第1特別制御の実行が設定された場合には、さらに所定条件が満たされると、前記第1特別制御を開始する請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記第1特別制御および前記第2特別制御とは異なる通常制御を実行可能であり、前記通常制御から前記第1特別制御に移行した場合も、前記第2特別制御から前記第1特別制御に移行した場合も、前記第1特別制御の実行の設定が解除されると前記通常制御に移行する請求項1または2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記特別制御手段は、前記第2特別制御の実行が設定されている状態において外部の通信端末からの受信に基づき使用者が外出先から前記第1特別制御の実行を設定したと判断すると、前記第1特別制御を開始する請求項1から3の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記信号受信手段は、前記通信端末が送信する第2信号を受信可能であり、
前記第2特別制御設定手段は、前記信号受信手段が前記第2信号を受信すると、前記第2特別制御の実行を設定する請求項1から4の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記第1特別制御および前記第2特別制御は、通常制御を実行している場合よりも消費電力を抑制する節電制御であり、
前記第1特別制御の実行時における節電項目は、前記第2特別制御の実行時における節電項目よりも多い請求項1から5の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記特別制御手段は、前記第1特別制御および前記第2特別制御とは異なる第3特別制御をさらに実行可能であり、
前記信号受信手段は、前記通信端末が送信する第3信号をさらに受信可能であり、
前記信号受信手段が前記第3信号を受信すると、前記第3特別制御の実行を設定する第3特別制御設定手段をさらに備える請求項1から6の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項8】
貯蔵室を開閉する貯蔵室扉と、
前記貯蔵室扉が開かれたことを検知する開扉検知手段と、
前記開扉検知手段により前記貯蔵室扉が開かれたことが検知されると、前記第1特別制御の実行の設定を解除する解除手段と、
をさらに備える請求項1から7の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項9】
冷蔵庫と、
前記冷蔵庫に通信可能に接続される通信端末と、
を備える冷蔵庫設定システムであって、
前記冷蔵庫は、
第1特別制御および前記第1特別制御とは異なる第2特別制御を実行する特別制御手段と、
使用者の操作に応じて前記通信端末が送信する第1信号を受信する信号受信手段と、
前記信号受信手段が前記第1信号を受信すると、前記第1特別制御の実行を設定する第1特別制御設定手段と、
使用者の操作に応じて前記第2特別制御の実行を設定する第2特別制御設定手段と、
を備え、
前記特別制御手段は、外出先から前記通信端末で前記第1特別制御の実行が設定された場合と、在宅時に前記冷蔵庫で前記第1特別制御の実行が設定された場合とで、前記第1特別制御を開始するタイミングを異ならせるものであって、外出先から前記通信端末で設定された前記第1特別制御の実行開始タイミングを、在宅時に前記冷蔵庫で設定された前記第1特別制御の実行開始タイミングよりも早いタイミングにする冷蔵庫設定システム。
【請求項10】
特別制御を実行する特別制御手段と、
使用者の操作に応じて外部の通信端末が送信する信号を受信する信号受信手段と、
使用者の操作に応じて前記特別制御の実行を設定する操作部と、
前記信号受信手段が前記信号を受信することに応じて、または、前記操作部の操作に応じて前記特別制御の実行を設定可能である特別制御設定手段と、
を備え、
前記特別制御手段は、前記信号受信手段が前記信号を受信することに応じて前記特別制御の実行が設定された場合と、前記操作部の操作に応じて前記特別制御の実行が設定された場合とで、前記特別制御を開始するタイミングを異ならせるものであって、前記信号受信手段が前記信号を受信することに応じて設定された前記特別制御の実行開始タイミングを、前記操作部の操作に応じて設定された前記特別制御の実行開始タイミングよりも早いタイミングにする冷蔵庫。
【請求項11】
前記特別制御手段は、
前記信号受信手段が前記信号を受信することに応じて前記特別制御の実行が設定された場合には、直ちに前記特別制御を開始し、
前記操作部の操作に応じて前記特別制御の実行が設定された場合には、所定条件が満たされたことをトリガとして前記特別制御を開始する請求項10に記載の冷蔵庫。
【請求項12】
冷蔵庫と、
前記冷蔵庫に通信可能に接続される通信端末と、
を備える冷蔵庫設定システムであって、
前記冷蔵庫は、
特別制御を実行する特別制御手段と、
使用者の操作に応じて前記通信端末が送信する信号を受信する信号受信手段と、
使用者の操作に応じて前記特別制御の実行を設定する操作部と、
前記信号受信手段が前記信号を受信することに応じて、または、前記操作部の操作に応じて前記特別制御の実行を設定可能である特別制御設定手段と、
を備え、
前記特別制御手段は、前記信号受信手段が前記信号を受信することに応じて前記特別制御の実行が設定された場合と、前記操作部の操作に応じて前記特別制御の実行が設定された場合とで、前記特別制御を開始するタイミングを異ならせるものであって、前記信号受信手段が前記信号を受信することに応じて設定された前記特別制御の実行開始タイミングを、前記操作部の操作に応じて設定された前記特別制御の実行開始タイミングよりも早いタイミングにする冷蔵庫設定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、冷蔵庫、および、冷蔵庫設定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示されているように、冷蔵庫と通信端末とを通信可能に接続し、外部の通信端末から冷蔵庫の設定を行えるようにした冷蔵庫設定システムが考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-174816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種のシステムにおいては、冷蔵庫で実行可能な制御の種類を多くするほど、使用者の要求に沿った制御を実現することができ、より利便性を高めることができる。ここで、この種のシステムによれば、通信端末への操作による冷蔵庫の制御設定に加え、冷蔵庫への操作でも冷蔵庫の制御設定を行うことができる。この場合、通信端末による操作と冷蔵庫への操作とでは、操作端末が異なる。そのため、実行する制御内容も合わせて変化させることが好ましい。しかしながら、従来のシステムでは、通信端末の操作による設定と冷蔵庫への操作による設定とで、実行する制御を区別していない。
【0005】
そこで、本実施形態は、通信端末への操作に基づく制御設定を良好に行うことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係る冷蔵庫は、特別制御手段、信号受信手段、第1特別制御設定手段、第2特別制御設定手段を備える。特別制御手段は、第1特別制御および前記第1特別制御とは異なる第2特別制御を実行する。信号受信手段は、使用者の操作に応じて外部の通信端末が送信する第1信号を受信する。第1特別制御設定手段は、前記信号受信手段が前記第1信号を受信すると、前記第1特別制御の実行を設定する。第2特別制御設定手段は、使用者の操作に応じて前記第2特別制御の実行を設定する。そして、前記特別制御手段は、外出先から前記通信端末で前記第1特別制御の実行が設定された場合と、在宅時に前記冷蔵庫で前記第1特別制御の実行が設定された場合とで、前記第1特別制御を開始するタイミングを異ならせるものであって、外出先から前記通信端末で設定された前記第1特別制御の実行開始タイミングを、在宅時に前記冷蔵庫で設定された前記第1特別制御の実行開始タイミングよりも早いタイミングにする。
【0007】
また、本実施形態に係る冷蔵庫は、特別制御手段、信号受信手段、操作部、特別制御設定手段を備える。特別制御手段は、特別制御を実行する。信号受信手段は、使用者の操作に応じて外部の通信端末が送信する信号を受信する。操作部は、使用者の操作に応じて前記特別制御の実行を設定する。特別制御設定手段は、前記信号受信手段が前記信号を受信することに応じて、または、前記操作部の操作に応じて前記特別制御の実行を設定可能である。そして、前記特別制御手段は、前記信号受信手段が前記信号を受信することに応じて前記特別制御の実行が設定された場合と、前記操作部の操作に応じて前記特別制御の実行が設定された場合とで、前記特別制御を開始するタイミングを異ならせるものであって、前記信号受信手段が前記信号を受信することに応じて設定された前記特別制御の実行開始タイミングを、前記操作部の操作に応じて設定された前記特別制御の実行開始タイミングよりも早いタイミングにする。
【0008】
また、本実施形態に係る冷蔵庫設定システムは、冷蔵庫と、前記冷蔵庫に通信可能に接続される通信端末と、を備える冷蔵庫設定システムであって、前記冷蔵庫は、特別制御手段、信号受信手段、第1特別制御設定手段、第2特別制御設定手段を備える。特別制御手段は、第1特別制御および前記第1特別制御とは異なる第2特別制御を実行する。信号受信手段は、使用者の操作に応じて外部の通信端末が送信する第1信号を受信する。第1特別制御設定手段は、前記信号受信手段が前記第1信号を受信すると、前記第1特別制御の実行を設定する。第2特別制御設定手段は、使用者の操作に応じて前記第2特別制御の実行を設定する。そして、前記特別制御手段は、外出先から前記通信端末で前記第1特別制御の実行が設定された場合と、在宅時に前記冷蔵庫で前記第1特別制御の実行が設定された場合とで、前記第1特別制御を開始するタイミングを異ならせるものであって、外出先から前記通信端末で設定された前記第1特別制御の実行開始タイミングを、在宅時に前記冷蔵庫で設定された前記第1特別制御の実行開始タイミングよりも早いタイミングにする。
【0009】
また、本実施形態に係る冷蔵庫設定システムは、冷蔵庫と、前記冷蔵庫に通信可能に接続される通信端末と、を備える冷蔵庫設定システムであって、前記冷蔵庫は、特別制御手段、信号受信手段、操作部、特別制御設定手段を備える。特別制御手段は、特別制御を実行する。信号受信手段は、使用者の操作に応じて外部の通信端末が送信する信号を受信する。操作部は、使用者の操作に応じて前記特別制御の実行を設定する。特別制御設定手段は、前記信号受信手段が前記信号を受信することに応じて、または、前記操作部の操作に応じて前記特別制御の実行を設定可能である。そして、前記特別制御手段は、前記信号受信手段が前記信号を受信することに応じて前記特別制御の実行が設定された場合と、前記操作部の操作に応じて前記特別制御の実行が設定された場合とで、前記特別制御を開始するタイミングを異ならせるものであって、前記信号受信手段が前記信号を受信することに応じて設定された前記特別制御の実行開始タイミングを、前記操作部の操作に応じて設定された前記特別制御の実行開始タイミングよりも早いタイミングにする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係る冷蔵庫設定システムの構成例を概略的に示す図
図2】本実施形態に係る冷蔵庫の制御系の構成例を概略的に示すブロック図
図3】本実施形態に係る冷蔵庫の操作パネルの構成例を概略的に示す図
図4】本実施形態に係る通信端末の制御系の構成例を概略的に示すブロック図
図5】本実施形態に係る冷蔵庫設定画面の一例を概略的に示す図
図6】本実施形態に係る通常制御およびおでかけ制御の一例を概略的に示す図
図7】本実施形態に係る通常制御および節電制御の一例を概略的に示す図
図8】本実施形態に係る冷蔵庫の動作例を概略的に示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、冷蔵庫および冷蔵庫設定システムに係る一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1に例示する冷蔵庫設定システム10は、冷蔵庫100、通信端末200を含んで構成されている。冷蔵庫100は、家電機器の一例であり、操作パネル101、通信モジュール102などを備えている。また、冷蔵庫100は、例えば冷蔵室、冷凍室、野菜室、製氷室などといった複数の貯蔵室103を備えている。これらの貯蔵室103は、それぞれ貯蔵室扉103aによって開閉されるようになっている。なお、貯蔵室103のうち冷蔵室を開閉する貯蔵室扉103aは、横方向に回動する一対の回動式扉、いわゆる観音扉式の扉となっている。そして、これら一対の貯蔵室扉103aの間には、図示しない縦仕切りが設けられており、この縦仕切りの内部には、結露を防止するためのヒータが設けられている。
【0012】
また、冷蔵庫100は、複数の貯蔵室扉103aに対応して、それぞれ開扉検知センサー104を備えている。開扉検知センサー104は、開扉検知手段の一例であり、対応する貯蔵室扉103aが開かれたことに応じて開扉検知信号を出力する。通信端末200は、例えばスマートフォンなどといった携帯型の通信端末で構成されており、通信モジュール202を備え、冷蔵庫100に通信可能に接続されるようになっている。
【0013】
次に、冷蔵庫100の制御系の構成例について説明する。図2に例示するように、冷蔵庫100の動作全般を制御する制御装置110には、上述した開扉検知センサー104が接続されている。これにより、制御装置110は、開扉検知センサー104が出力する開扉検知信号に基づいて、貯蔵室扉103aが開かれたことを検知可能に構成されている。また、制御装置110は、制御プログラムを実行することにより、特別制御部121、信号受信部122、おでかけ制御設定部123、節電制御設定部124、おでかけ/節電制御設定部125、設定解除部126などの各種の処理部をソフトウェアにより仮想的に実現する。なお、冷蔵庫100は、各種の処理部をハードウェアにより構成してもよいし、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせにより構成してもよい。
【0014】
特別制御部121は、特別制御手段の一例であり、この場合、特別制御の一例として、おでかけ制御と、おでかけ制御とは異なる節電制御と、おでかけ制御および節電制御とは異なるおでかけ/節電制御と、を実行可能に構成されている。おでかけ制御は、第1特別制御の一例であり、節電制御は、第2特別制御の一例であり、おでかけ/節電制御は、第3特別制御の一例である。おでかけ制御、節電制御、おでかけ/節電制御の詳細については後述する。
【0015】
信号受信部122は、信号受信手段の一例であり、外部の通信端末200が送信する各種の信号を通信モジュール102を介して受信する。外部の通信端末200が送信する信号には、おでかけ制御を設定するためのおでかけ制御設定信号T1、節電制御を設定するための節電制御設定信号T2、おでかけ/節電制御を設定するためのおでかけ/節電制御設定信号T3、特別制御の設定を解除するための設定解除信号T4などが含まれている。おでかけ制御設定信号T1は、第1信号の一例であり、節電制御設定信号T2は、第2信号の一例であり、おでかけ/節電制御設定信号T3は、第3信号の一例である。なお、通信端末200は、独立したおでかけ/節電制御設定信号T3を送信することに代えて、おでかけ/節電制御設定信号T3として、おでかけ制御設定信号T1と節電制御設定信号T2を合わせて送信する構成としてもよい。
【0016】
おでかけ制御設定部123は、第1特別制御設定手段の一例であり、信号受信部122がおでかけ制御設定信号T1を受信すると、おでかけ制御の実行を設定する。特別制御部121は、おでかけ制御設定部123がおでかけ制御の実行を設定することに応じて、おでかけ制御を実行するように構成されている。
【0017】
節電制御設定部124は、第2特別制御設定手段の一例であり、使用者による操作パネル101の操作によって節電制御の実行が入力された場合に、節電制御の実行を設定する。特別制御部121は、節電制御設定部124が節電制御の実行を設定することに応じて、節電制御を実行するように構成されている。
【0018】
ここで、冷蔵庫100における節電制御の設定方法について具体的に説明する。図3に例示するように、冷蔵庫100の操作パネル101には、各種の設定ボタン131a~131eが設けられている。また、操作パネル101には、冷蔵庫100において実行中の制御モードを示すための表示部131fが設けられている。表示部131fには、冷蔵庫100において実行可能な複数種類の制御モードなどの名称が示されている。また、表示部131fの裏側には、複数種類の制御モードの名称にそれぞれ対応付けて、例えばLEDなどの発光源が設けられている。
【0019】
そして、節電制御を設定するための設定ボタン131eが使用者により操作されると、節電制御設定部124により節電制御の実行が設定され、特別制御部121によって節電制御が実行されるようになる。また、このとき、制御装置110は、表示部131fにおいて「節電」という名称が示されている部分の裏側の発光源を発光させる。これにより、冷蔵庫100が節電制御を実行していることが視覚的に示されるようになっている。
【0020】
なお、本実施形態では、操作パネル101には、複数種類の特別制御のうち、おでかけ制御の名称とおでかけ/節電制御の名称は設けられておらず、節電制御の名称が設けられている構成となっている。また、制御装置110は、節電制御の実行中において、再度、設定ボタン131eが操作されると、節電制御の実行の設定を解除するように構成されている。
【0021】
また、特別制御部121は、節電制御の実行が設定されている状態において所定条件が満たされると、実行中の節電制御に代えて、おでかけ制御を自動的に開始するように構成されている。本実施形態では、特別制御部121は、おでかけ制御の実行が設定されているか否かに関わらず、節電制御の実行中において所定条件が満たされると、おでかけ制御を自動的に実行するように構成されている。また、この所定条件としては、「全ての貯蔵室の扉が連続して所定時間開かれていないこと」が設定されている。また、この所定時間としては、「24時間」が設定されている。なお、これらの所定条件、所定時間は、適宜変更して設定することができ、例えば、制御装置110が冷蔵庫100の使用状況に応じて適宜変更するように構成してもよいし、使用者による入力に基づいて変更するように構成してもよい。
【0022】
また、節電制御設定部124は、信号受信部122が節電制御設定信号T2を受信した場合にも、節電制御の実行を設定するように構成されている。よって、使用者は、冷蔵庫100の操作パネル101の操作、通信端末200の操作の何れによっても節電制御の設定が可能である。
【0023】
おでかけ/節電制御設定部125は、第3特別制御設定手段の一例であり、信号受信部122がおでかけ/節電信号を受信すると、おでかけ/節電制御の実行を設定する。特別制御部121は、おでかけ/節電制御設定部125がおでかけ/節電制御の実行を設定することに応じて、おでかけ/節電制御を実行するように構成されている。
【0024】
設定解除部126は、解除手段の一例であり、冷蔵庫100において設定されている各種の特別制御の実行の設定を解除する。具体的には、設定解除部126は、おでかけ制御の実行が設定されている状態において、開扉検知センサー104により何れかの貯蔵室扉103aが開かれたことが検知されると、おでかけ制御の実行の設定を解除するように構成されている。そして、おでかけ制御の実行の設定が解除されることに応じて、制御装置110は、通常制御を実行するように構成されている。つまり、冷蔵庫100は、貯蔵室扉103aを開くという使用者の動作に応じて、おでかけ制御の実行の設定が解除された場合には、特別制御とは異なる通常制御に移行するように構成されている。
【0025】
また、設定解除部126は、おでかけ/節電制御の実行が設定されている状態において、開扉検知センサー104により何れかの貯蔵室扉103aが開かれたことが検知されると、おでかけ/節電制御の実行の設定を解除するように構成されている。そして、おでかけ/節電制御が解除されることに応じて、制御装置110は、節電制御を実行するように構成されている。つまり、冷蔵庫100は、貯蔵室扉103aを開くという使用者の動作に応じて、おでかけ/節電制御の実行の設定が解除された場合には、特別制御の1つである節電制御に移行するように構成されている。
【0026】
また、設定解除部126は、何れかの特別制御の実行が設定されている状態において、後述する設定解除信号T4を通信端末200から受信した場合には、その特別制御の実行の設定を解除するように構成されている。そして、特別制御が解除されることに応じて、制御装置110は、通常制御を実行するように構成されている。つまり、冷蔵庫100は、通信端末200の操作により特別制御の実行の設定が解除された場合には、実行が設定されていた特別制御の種類に関わらず、通常制御に移行するように構成されている。
【0027】
なお、設定解除部126は、節電制御の実行が設定されている状態においては、開扉検知センサー104により何れかの貯蔵室扉103aが開かれたことが検知されたとしても、節電制御の設定を解除せず、そのまま継続するように構成されている。なお、設定解除部126は、節電制御の実行が設定されている状態においても、開扉検知センサー104により何れかの貯蔵室扉103aが開かれたことが検知された場合には、節電制御を解除するように構成してもよい。そして、節電制御が解除されることに応じて、制御装置110は、通常制御を実行するように構成してもよい。
【0028】
次に、通信端末200の制御系の構成例について説明する。図4に例示するように、通信端末200の動作全般を制御する制御装置210には、操作部201、通信モジュール202などが接続されている。操作部201は、通信端末200の表示画面上に設けられるタッチパネル式のボタン、表示画面の周囲に設けられる機械式のボタンなどを含む。制御装置210は、使用者による操作部201の操作に応じて、おでかけ制御設定信号T1、節電制御設定信号T2、おでかけ/節電制御設定信号T3、設定解除信号T4を含む複数種類の信号を生成可能に構成されている。そして、制御装置210は、生成した信号を、通信モジュール202を介して冷蔵庫100に送信可能に構成されている。
【0029】
図5には、通信端末200の表示画面上に表示される冷蔵庫設定画面G1を示している。この冷蔵庫設定画面G1には、おでかけ制御を設定するためのおでかけ制御設定ボタンB1、節電制御を設定するための節電制御設定ボタンB2、おでかけ/節電制御を設定するためのおでかけ/節電制御設定ボタンB3、各種特別制御の設定を解除するための設定解除ボタンB4が設けられている。制御装置210は、おでかけ制御設定ボタンB1が操作されると、おでかけ制御設定信号T1を生成して冷蔵庫100に送信する。また、制御装置210は、節電制御設定ボタンB2が操作されると、節電制御設定信号T2を生成して冷蔵庫100に送信する。また、制御装置210は、おでかけ/節電制御設定ボタンB3が操作されると、おでかけ/節電制御設定信号T3を生成して冷蔵庫100に送信する。また、制御装置210は、設定解除ボタンB4が操作されると、設定解除信号T4を生成して冷蔵庫100に送信する。
【0030】
次に、おでかけ制御、節電制御、おでかけ/節電制御の詳細について説明する。本実施形態では、特別制御の一例であるおでかけ制御、節電制御、おでかけ/節電制御は、何れも、冷蔵庫100において通常制御を実行している場合よりも消費電力を抑制するようにした特別制御となっている。
【0031】
本実施形態では、冷蔵庫100は、冷蔵室の設定温度を「強レベル」、「やや強」レベル、「中」レベル、「やや弱」レベル、「弱レベル」の5段階で設定可能に構成されている。また、冷蔵庫100は、冷凍室の設定温度を「強レベル」、「やや強」レベル、「中」レベル、「やや弱」レベル、「弱レベル」の5段階で設定可能に構成されている。また、冷蔵庫100は、製氷動作のインターバル、つまり、製氷のための給水を行わない期間を調整可能に構成されている。また、冷蔵庫100は、操作パネル101のLEDの発光状態を、点灯、点滅、消灯の3状態に切り替え可能に構成されている。また、冷蔵庫100は、冷蔵室の縦仕切りのヒータの出力を調整可能に構成されている。
【0032】
このような構成例の冷蔵庫100において、通常制御では、冷蔵室の設定温度は「中」レベル、冷凍室の設定温度は「中」レベル、製氷動作のインターバルは「通常期間」、操作パネル101の「節電」に対応するLEDの発光状態は「非点灯」状態、冷蔵室の縦仕切りのヒータの出力は「通常」レベルに設定される。なお、製氷動作のインターバルについての「通常期間」、冷蔵室の縦仕切りのヒータの出力についての「通常」レベルは、例えば冷蔵庫100の機種などに応じて、適宜変更して設定することができる。
【0033】
例えば以上のように設定される通常制御に対し、複数種類の特別制御においては、例えば次のように設定される。図6に例示するように、おでかけ制御では、冷蔵室の設定温度は「やや弱」レベルに設定され、冷凍室の設定温度も「やや弱」レベルに設定される。また、おでかけ制御では、冷蔵室の縦仕切りのヒータの出力は「通常」レベルよりも低出力である「低」レベルに設定される。また、おでかけ制御では、製氷動作のインターバルは「通常期間」よりも長い「長」期間に設定される。また、おでかけ制御では、操作パネル101の「節電」に対応するLEDの発光状態は「点滅」状態に設定され、さらに、所定時間、例えば10秒間操作が無い場合には「消灯」状態に切り替えられる。なお、このとき、操作パネル101の「節電」以外の表示に対応するLEDの発光状態は、例えば「消灯」状態に設定するとよい。以上の通り、おでかけ制御において調整する節電項目は、冷蔵室の設定温度、冷凍室の設定温度、冷蔵室の縦仕切りのヒータの出力、製氷動作のインターバル、操作パネル101のLEDの発光状態の5項目となっている。
【0034】
次に、図7に例示するように、節電制御では、冷蔵室の設定温度は「やや弱」レベルに設定され、冷凍室の設定温度も「やや弱」レベルに設定される。また、節電制御では、冷蔵室の縦仕切りのヒータの出力は「低」レベルに設定される。また、節電制御では、操作パネル101の「節電」に対応するLEDの発光状態は「点滅」状態に設定され、さらに、所定時間、例えば10秒間操作が無い場合に「消灯」状態に切り替えられる。なお、このとき、操作パネル101の「節電」以外の表示に対応するLEDの発光状態は、例えば「消灯」状態に設定するとよい。また、この節電制御においては、製氷動作のインターバルは調整されず、通常制御と同様に「通常期間」で維持される。以上の通り、おでかけ制御において調整する節電項目は、冷蔵室の設定温度、冷凍室の設定温度、冷蔵室の縦仕切りのヒータの出力、操作パネル101のLEDの発光状態の4項目となっている。
【0035】
おでかけ/節電制御は、基本的には、上述したおでかけ制御と同様である。但し、上述した通り、おでかけ制御は、貯蔵室扉103aが開かれたことに応じて設定が解除された場合に通常制御に移行するように構成されているのに対し、おでかけ/節電制御では、貯蔵室扉103aが開かれたことに応じて設定が解除された場合に節電制御に移行するように構成されている。このように、設定が解除された場合にどの制御に移行するのかという点で、おでかけ/節電制御は、おでかけ制御と異なっている。また、おでかけ/節電制御は、操作パネル101の「節電」に対応するLEDの発光状態が「点滅」状態のまま維持される点つまり「消灯」状態に移行しない点においても、おでかけ制御と異なっている。
【0036】
次に、上述したように構成される冷蔵庫100の動作例について説明する。図8に例示するように、冷蔵庫100の制御装置110は、通信端末200から、おでかけ制御設定信号T1を受信したか否か(S1)、節電制御設定信号T2を受信したか否か(S2)、おでかけ/節電制御設定信号T3を受信したか否か(S3)、を監視している。つまり、制御装置110は、この動作を開始すると、おでかけ制御設定信号T1、節電制御設定信号T2、おでかけ/節電制御設定信号T3を受信したか否かを並列的に監視する。そして、制御装置110は、通信端末200からおでかけ制御設定信号T1を受信した場合には(S1:YES)、おでかけ制御の実行を設定し、直ちにおでかけ制御の実行を開始する(S4)。また、制御装置110は、通信端末200から節電制御設定信号T2を受信した場合には(S2:YES)、節電制御の実行を設定し、直ちに節電制御の実行を開始する(S5)。また、制御装置110は、通信端末200からおでかけ/節電制御設定信号T3を受信した場合には(S3:YES)、おでかけ/節電制御の実行を設定し、直ちにおでかけ/節電制御の実行を開始するする(S6)。
【0037】
制御装置110は、おでかけ制御の実行中においては、何れかの貯蔵室扉103aが開かれたか否か(S7)、通信端末200から設定解除信号T4を受信したか否か(S8)、を監視する。そして、制御装置110は、貯蔵室扉103aが開かれた場合には(S7:YES)、おでかけ制御の実行の設定を解除し(S9)、通常制御に移行する(S10)。また、制御装置110は、通信端末200から設定解除信号T4を受信した場合にも(S8:YES)、おでかけ制御の実行の設定を解除し(S9)、通常制御に移行する(S10)。また、制御装置110は、通信端末200から設定解除信号T4を受信しない場合には(S8:NO)、この動作を終了する。
【0038】
また、制御装置110は、節電制御の実行中においては、全ての貯蔵室扉103aが閉鎖された状態が所定時間、この場合、24時間経過したか否かを監視する(S11)。なお、貯蔵室扉103aの閉鎖状態の経過時間の計測は、制御装置110が備える図示しないタイマによって計測することができる。制御装置110は、節電制御の実行を開始すると(S5)、貯蔵室扉103aの閉鎖状態の経過時間の計測を開始する。また、この図8に示す動作例が複数回繰り返される過程において、ステップS5の処理が繰り返し実行される場合においては、制御装置110は、ステップS5の処理ごとに貯蔵室扉103aの閉鎖状態の経過時間の計測を開始するのではなく、既に計測が開始されている場合には、そのままその計測を継続する。そして、制御装置110は、貯蔵室扉103aの閉鎖状態が所定時間経過した場合には(S11:YES)、ステップS4に移行して、おでかけ制御の実行を設定し、おでかけ制御の実行を開始する(S4)。
【0039】
制御装置110は、節電制御の実行開始から所定時間が経過していない状態では(S11:NO)、節電用の設定ボタン131eが操作されたか否か(S12)、通信端末200から設定解除信号T4を受信したか否か(S13)、を監視する。そして、制御装置110は、節電用の設定ボタン131eが操作された場合には(S12:YES)、節電制御の実行の設定を解除し(S14)、通常制御に移行する(S15)。また、制御装置110は、通信端末200から設定解除信号T4を受信した場合にも(S13:YES)、節電制御の実行の設定を解除し(S14)、通常制御に移行する(S15)。また、制御装置110は、通信端末200から設定解除信号T4を受信しない場合には(S13:NO)、この動作を終了する。
【0040】
また、制御装置110は、おでかけ/節電制御の実行中においては、何れかの貯蔵室扉103aが開かれたか否か(S16)、通信端末200から設定解除信号T4を受信したか否か(S17)、を監視する。そして、制御装置110は、貯蔵室扉103aが開かれた場合には(S16:YES)、おでかけ/節電制御の実行の設定を解除し(S18)、節電制御に移行する(S19)。また、制御装置110は、通信端末200から設定解除信号T4を受信した場合にも(S17:YES)、おでかけ制御の実行の設定を解除し(S18)、通常制御に移行する(S19)。また、制御装置110は、通信端末200から設定解除信号T4を受信しない場合には(S17:NO)、この動作を終了する。
【0041】
制御装置110は、以上の動作例を繰り返し実行しており、それぞれの動作開始時においては、おでかけ制御設定信号T1を受信したか否か(S1)、節電制御設定信号T2を受信したか否か(S2)、おでかけ/節電制御設定信号T3を受信したか否か(S3)、を並列的に監視するようになっている。
【0042】
ここで、例えば、1回目の動作でステップS8にてNO判定により制御を終了した場合、制御装置110は、図示しないメモリに、おでかけ制御実行中であることを示すフラグ1を設定する。そして、2回目の動作開始時においては、制御装置110は、おでかけ制御の実行を継続した状態で、信号受信の監視を並列的に行う(S1,S2,S3)。そして、制御装置110は、2回目の動作開始時において、おでかけ制御設定信号T1を受信した場合には(S1:YES)、おでかけ制御実行中であることを示すフラグ1が設定されていることから、そのままおでかけ制御を継続する。一方、制御装置110は、2回目の動作開始時において、節電制御設定信号T2を受信した場合には(S2:YES)、おでかけ制御実行中であることを示すフラグ1が設定されていることから、おでかけ制御から節電制御に切り替える。また、制御装置110は、2回目の動作開始時において、おでかけ/節電制御設定信号T3を受信した場合には(S3:YES)、おでかけ制御実行中であることを示すフラグ1が設定されていることから、おでかけ制御からおでかけ/節電制御に切り替えることになる。なお、制御装置110は、おでかけ制御の実行を解除した場合(S9)、新たに節電制御設定信号T2を受信した場合(S2:YES)、新たにおでかけ/節電制御設定信号T3を受信した場合(S3:YES)、新たに設定解除信号T4を受信した場合(S8:YES)に、フラグ1の設定を解除する。
【0043】
また、例えば、1回目の動作でステップS13にてNO判定により制御を終了した場合、制御装置110は、図示しないメモリに、節電制御実行中であることを示すフラグ2を設定する。そして、2回目の動作開始時においては、制御装置110は、節電制御の実行を継続した状態で、信号受信の監視を並列的に行う(S1,S2,S3)。そして、制御装置110は、2回目の動作開始時において、節電制御設定信号T2を受信した場合には(S2:YES)、節電制御実行中であることを示すフラグ2が設定されていることから、そのまま節電制御を継続する。一方、制御装置110は、2回目の動作開始時において、おでかけ制御設定信号T1を受信した場合には(S1:YES)、節電制御実行中であることを示すフラグ2が設定されていることから、節電制御からおでかけ制御に切り替える。また、制御装置110は、2回目の動作開始時において、おでかけ/節電制御設定信号T3を受信した場合には(S3:YES)、節電制御実行中であることを示すフラグ2が設定されていることから、節電制御からおでかけ/節電制御に切り替えることになる。なお、制御装置110は、節電制御の実行を解除した場合(S14)、新たにおでかけ制御設定信号T1を受信した場合(S1:YES)、新たにおでかけ/節電制御設定信号T3を受信した場合(S3:YES)、新たに設定解除信号T4を受信した場合(S13:YES)に、フラグ2の設定を解除する。
【0044】
また、例えば、1回目の動作でステップS17にてNO判定により制御を終了した場合、制御装置110は、図示しないメモリに、おでかけ/節電制御実行中であることを示すフラグ3を設定する。そして、2回目の動作開始時においては、制御装置110は、おでかけ/節電制御の実行を継続した状態で、信号受信の監視を並列的に行う(S1,S2,S3)。そして、制御装置110は、2回目の動作開始時において、おでかけ/節電制御設定信号T3を受信した場合には(S3:YES)、おでかけ/節電制御実行中であることを示すフラグ3が設定されていることから、そのままおでかけ/節電制御を継続する。一方、制御装置110は、2回目の動作開始時において、おでかけ制御設定信号T1を受信した場合には(S1:YES)、おでかけ/節電制御実行中であることを示すフラグ3が設定されていることから、おでかけ/節電制御からおでかけ制御に切り替える。また、制御装置110は、2回目の動作開始時において、節電制御設定信号T2を受信した場合には(S2:YES)、おでかけ/節電制御実行中であることを示すフラグ3が設定されていることから、おでかけ/節電制御から節電制御に切り替えることになる。なお、制御装置110は、おでかけ/節電制御の実行を解除した場合(S18)、新たにおでかけ制御設定信号T1を受信した場合(S1:YES)、新たに節電制御設定信号T2を受信した場合(S2:YES)、新たに設定解除信号T4を受信した場合(S17:YES)に、フラグ3の設定を解除する。
【0045】
なお、上述の動作例においては、節電用の設定ボタン131eが操作されたことに応じて、おでかけ制御の設定を解除(S9)するようにしてもよいし、おでかけ/節電制御の設定を解除(S18)するようにしてもよい。また、節電用の設定ボタン131eの操作によっては、おでかけ制御の設定を解除できないようにしてもよい。
【0046】
本実施形態によれば、冷蔵庫100で実行可能な複数種類の制御の全てではなく一部、この場合、おでかけ制御を外部の通信端末200からは設定可能に構成した。これにより、通信端末200への操作に基づくおでかけ制御の設定を良好に行うことができる。また、冷蔵庫100においておでかけ制御を設定するための設定ボタンなどを設ける必要を無くすことができ、冷蔵庫100において複数種類の制御を実行可能に構成しつつも、冷蔵庫100の構成や制御の複雑化を抑制することができる。
【0047】
また、本実施形態によれば、冷蔵庫100は、節電制御の実行が設定されている状態において所定条件が満たされると、おでかけ制御を自動的に開始するように構成した。この構成によれば、所定条件、例えば、節電制御の実行中において貯蔵室扉103aの閉鎖状態が所定時間経過したことを条件に自動的におでかけ制御に移行することができる。よって、使用者がおでかけしている可能性が高い場合に、自動的におでかけ制御に移行して消費電力を抑制することができる。
【0048】
また、本実施形態によれば、冷蔵庫100は、通信端末200から節電制御設定信号T2を受信することによっても節電制御の実行を設定するように構成した。この構成によれば、使用者は、外出先からでも節電制御の実行を設定することができ、より利便性の高いシステムを提供することができる。
【0049】
また、本実施形態によれば、おでかけ制御の実行時における節電項目を、節電制御の実行時における節電項目よりも多くするように構成した。従って、おでかけ制御によれば、節電制御よりも消費電力を一層抑制することができる。
【0050】
また、本実施形態によれば、冷蔵庫100は、通信端末200からおでかけ/節電制御設定信号T3を受信することによって、おでかけ/節電制御の実行を設定するように構成した。このように冷蔵庫100で実行可能な特別制御の種類を多くすることにより、使用者が要求する節電レベルに応じた最適な特別制御を提供することができる。なお、冷蔵庫100は、さらに4種類以上の複数種類の特別制御を実行可能に構成してもよい。
【0051】
また、本実施形態によれば、冷蔵庫100は、おでかけ制御の実行中において、開扉検知センサー104により貯蔵室扉103aが開かれたことが検知されると、おでかけ制御の実行の設定を解除するように構成した。ここで、冷蔵庫100の貯蔵室扉103aが開かれるということは、使用者が在宅中であることを意味する。本実施形態によれば、冷蔵庫100の貯蔵室扉103aが開かれることを以って、使用者が在宅中であると見做して、おでかけ制御の設定を自動的に解除される。そのため、帰宅時におでかけ制御を解除するための操作を不要とすることができ、使用者の手間を省くことができる。
【0052】
また、本実施形態によれば、冷蔵庫100は、通信端末200からおでかけ制御設定信号T1を受信することに応じておでかけ制御の実行が設定された場合つまり使用者が外出先から特別制御の実行を設定した場合には、直ちにおでかけ制御を開始し、一方、使用者の操作パネル101の操作に応じて節電制御の実行が設定された場合つまり使用者が在宅時に特別制御の実行を設定した場合には、所定条件が満たされたことをトリガとしておでかけ制御を開始する。つまり、本実施形態に係る冷蔵庫100によれば、使用者が外出先から特別制御の実行を設定した場合と、使用者が在宅時に特別制御の実行を設定した場合とで、その設定された特別制御を開始するタイミングを異ならせるように構成した。このように、使用者が特別制御の実行を設定した状況に応じて特別制御の開始タイミングを異ならせることにより、使用者の状況に合わせた特別制御の実行を実現することができる。
【0053】
なお、冷蔵庫100は、通信端末200から特別制御の実行を設定した場合には、設定から所定時間経過してからおでかけ制御を開始するように構成してもよい。つまり、冷蔵庫100は、通信端末200から設定された特別制御の実行開始を待機する構成としてもよい。この場合、通信端末200から設定された特別制御の実行開始タイミングは、少なくとも、冷蔵庫100から設定された特別制御の実行開始タイミングよりも早いタイミングにするとよい。具体的には、通信端末200から設定された特別制御の実行開始タイミングを、冷蔵庫100から設定された特別制御の実行開始タイミングよりも所定時間、少なくとも5分以上、早いタイミングにするとよい。
【0054】
また、本実施形態が適用される特別制御は、冷蔵庫100の消費電力を抑制する節電系の制御に限られるものではなく、例えば、操作パネル101のLEDの表示に係る制御であってもよい。この場合、第1の表示制御は通信端末200から設定可能とし、第2の表示制御は冷蔵庫100の操作パネル101から設定可能に構成するとよい。また、第1の表示制御は、使用者が外出先から設定されることが想定されるから、できるだけLEDを「消灯」状態とする制御とするとよい。また、第2の表示制御は、使用者が在宅している状態で設定されることが想定されるから、できるだけLEDを「点灯」状態および「消灯」状態以外の状態、例えば、「点滅」状態とする制御とするとよい。
【0055】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。本実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0056】
図面中、10は冷蔵庫設定システム、100は冷蔵庫、103は貯蔵室、103aは貯蔵室扉、104は開扉検知センサー(開扉検知手段)、121は特別制御部(特別制御手段)、122は信号受信部(信号受信手段)、123はおでかけ制御設定部(特別制御設定手段、第1特別制御設定手段)、124は節電制御設定部(特別制御設定手段、第2特別制御設定手段)、125はおでかけ/節電制御設定部(特別制御設定手段、第3特別制御設定手段)、126は設定解除部(解除手段)、200は通信端末を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8