IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ マーク レムチェンの特許一覧 ▶ ジム ライトの特許一覧 ▶ マイケル ライトの特許一覧 ▶ トッド ブランケンベックラーの特許一覧 ▶ イージーアールエックス エルエルシーの特許一覧

特許7481803カスタマイズされた歯科矯正器具および製品の注文および製造のためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】カスタマイズされた歯科矯正器具および製品の注文および製造のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61C 7/02 20060101AFI20240502BHJP
【FI】
A61C7/02
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018549211
(86)(22)【出願日】2017-03-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-04-04
(86)【国際出願番号】 US2017020671
(87)【国際公開番号】W WO2017160510
(87)【国際公開日】2017-09-21
【審査請求日】2020-02-17
【審判番号】
【審判請求日】2022-05-25
(31)【優先権主張番号】15/072,198
(32)【優先日】2016-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518325482
【氏名又は名称】マーク レムチェン
【氏名又は名称原語表記】Marc Lemchen
(73)【特許権者】
【識別番号】518325493
【氏名又は名称】ジム ライト
【氏名又は名称原語表記】Jim Wright
(73)【特許権者】
【識別番号】518325507
【氏名又は名称】マイケル ライト
【氏名又は名称原語表記】Michael Wright
(73)【特許権者】
【識別番号】518325518
【氏名又は名称】トッド ブランケンベックラー
【氏名又は名称原語表記】Todd Blankenbecler
(73)【特許権者】
【識別番号】518325529
【氏名又は名称】イージーアールエックス エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】EASYRX, LLC.
(74)【代理人】
【識別番号】100136227
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷 玲子
(72)【発明者】
【氏名】マーク レムチェン
(72)【発明者】
【氏名】ジム ライト
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ライト
(72)【発明者】
【氏名】トッド ブランケンベックラー
【合議体】
【審判長】佐々木 正章
【審判官】倉橋 紀夫
【審判官】村上 哲
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-91047(JP,A)
【文献】特開平5-168654(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0332018(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0065985(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 7/00 - 7/36
G06Q 30/04
G16H 20/00 - 20/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カスタマイズされた歯科矯正器具および製品注文および製造する方法であって、
処方箋作成ユーザによりコンピュータにおいて患者の歯のデジタルグラフィック表現を生成する工程と、
前記処方箋作成ユーザのコンピュータにおいて患者の歯の前記グラフィック表現に複数の歯科矯正要素を適用することにより、カスタマイズされた歯科矯正または歯科器具のためのデジタル処方箋を生成し、同時に、前記処方箋作成ユーザのコンピュータを用いて自動的な請求を作成する工程と、
前記処方箋作成ユーザのコンピュータから、歯科矯正所もしくは歯科製作所のコンピュータに、ネットワークを介して、デジタル処方箋および者の歯の前記デジタルグラフィック表現を提出する工程と、
前記処方箋作成ユーザのコンピュータを介しておよび前記歯科矯正所もしくは歯科製作所のコンピュータを介しての両方によりアクセス可能なクラウドベースのデータベースに前記デジタル処方箋および前記自動的な請求を保存する工程と、
前記歯科矯正所もしくは歯科製作所のコンピュータにより前記保存されたデジタル処方箋にアクセスして、前記カスタマイズされた歯科矯正または歯科器具を設計する工程と、
所定の部品ライブラリから前記歯科矯正所もしくは歯科製作所において設計された前記カスタマイズされた歯科矯正または歯科器具を製作する工程と、
を含み、
前記デジタル処方箋が生成されるのと同時に前記請求を作成する工程が、前記患者の歯の前記デジタルグラフィック表現にそれぞれの歯科矯正要素が適用される際にリアルタイムで前記処方箋作成ユーザのコンピュータにより自動的に、前記適用された複数の歯科矯正要素のューおよびそれぞれの価格を生成する工程を含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
記処方箋の生成、前記処方箋の提出、前記処方箋の保存、前記カスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の設計、および設計された前記カスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の製作に応答したデジタルトラッキング記録を生成し、前記クラウドベースのデータベースに前記デジタルトラッキング記録を保存することにより、前記カスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の製作をトラッキングする工程を、さらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記処方箋の生成、前記処方箋の提出、前記処方箋の保存、前記カスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の設計、および設計された前記カスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の製作に応答した文書記録を生成する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記処方箋の生成、前記処方箋の提出、前記処方箋の保存、前記カスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の設計、および設計された前記カスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の製作に応答した文書記録を生成する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
存された前記処方箋を、レビューする工程をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
設計された前記カスタマイズされた歯科矯正または歯科器具を製作する工程は、前記カスタマイズされた歯科矯正または歯科器具内に前記適用された複数の歯科矯正要素を含める工程を含み、かつ、該選択された要素を含める工程と共に、記選択された要素を含めたことをトラッキングおよび記録することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記歯科矯正所もしくは歯科製作所により前記処方箋にアクセスして、前記カスタマイズされた歯科矯正または歯科器具を設計する工程が、前記カスタマイズされた歯科矯正または歯科器具のテンプレートを生成する工程と、前記カスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の修正のために後でアクセスできるように、前記テンプレートを保存する工程と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記処方箋作成ユーザにより患者の歯のグラフィック表現に複数の歯科矯正要素を適用することによりカスタマイズされた歯科矯正または歯科器具のために処方箋を生成する工程が、複数のカスタマイズされた歯科矯正または歯科器具をそれぞれ含む複数の処方箋を生成し、同時に、前記複数の処方箋の各々に対応する複数の請求を作成する工程を含み、
前記デジタル処方箋および患者の歯の前記デジタルグラフィック表現を提出する工程が、複数の処方箋作成ユーザから、対応する複数の歯科矯正所もしくは歯科製作所に前記複数の処方箋を提出する工程を含み、
前記処方箋および前記自動的な請求を保存する工程が、前記処方箋作成ユーザのコンピュータを介しておよび前記歯科矯正所もしくは歯科製作所のコンピュータを介しての両方によりアクセス可能なクラウドベースのデータベースに前記複数の処方箋および前記複数の処方箋の各々に対応する自動的な請求を保存する工程を含み
前記歯科矯正所もしくは歯科製作所のコンピュータにより前記保存されたデジタル処方箋にアクセスして、前記カスタマイズされた歯科矯正または歯科器具を設計する工程が、対応する複数の処方箋に応答して、対応する複数のカスタマイズされた歯科矯正または歯科器具を設計する工程を含み、
前記歯科矯正所もしくは歯科製作所において設計された前記カスタマイズされた歯科矯正または歯科器具を製作する工程が、対応する複数の設計されたカスタマイズされた歯科矯正または歯科器具を製作する工程を含み、
前記処方箋が生成されるのと同時に前記複数の請求を作成する工程が、前記複数の処方箋のそれぞれについて前記患者の歯の前記グラフィック表現にそれぞれの歯科矯正要素が適用される際に自動的に、前記適用された複数の歯科矯正要素のューおよびそれぞれの価格を生成する工程を含む、
ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カスタマイズされた歯科矯正および歯科器具の注文、製造、請求、およびプロセスの文書記録の分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
歯科矯正の製作所では、伝統的には、治療に用いられる器具の設計のグラフィック表現を伴う処方箋が、製作所に提供されてきた。典型的な紙の処方箋は、手描きの設計図が描き込まれた後、製作のための歯科印象または鋳型を有する製作所に送られる。処方箋が受理されると、患者情報がデータベースに入力され、その案件の設計レビューの予定が組まれる。設計担当者は、紙の処方箋をレビューして、その器具を製作する技術者のため、およびその処方箋に応じて提供されるサービスならびに部品について請求を行う請求部門のために、必要な修正を加える。
【0003】
器具の設計および製作が完了すると、請求部門は処方箋のコピーを取り、手作業でその器具につき請求を行う。それぞれの器具は、極めて個別性の高い設計で複数の部品から作られているため、請求書は微細に亘るものとなり、固定具の複数部品を説明するため、手作業で細目分類される。その後、紙の処方箋はファイリングされ、参考用としてしまい込まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の図解した実施形態の範囲内には、歯科矯正もしくは歯科製作所および処方箋作成ユーザと共に使用されるための、処方箋管理の方法が含まれる。その方法は:カスタマイズされた歯科矯正または歯科器具のために、処方箋作成ユーザから、歯科矯正もしくは歯科製作所に処方箋を提出する工程と;その処方箋を保存する工程と;処方箋に応答して、カスタマイズされた歯科矯正または歯科器具を設計する工程と;設計されたカスタマイズされた歯科矯正または歯科器具を製作する工程と;処方箋の提出、処方箋の保存、カスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の設計、および設計されたカスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の製作に応答して、同時並行して、請求を作成する工程と;を含む。
【0005】
以下の詳細な説明において明らかにされるように、この方法は、製作所および処方箋作成ユーザにより、共同で実行される。
【0006】
方法はさらに、処方箋の提出、処方箋の保存、カスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の設計、および設計されたカスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の製作に応答して、同時並行して、デジタルトラッキング記録を生成する工程を含む。
【0007】
方法はさらに、処方箋の提出、処方箋の保存、カスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の設計、および設計されたカスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の製作に応答して、同時並行して、文書記録を生成する工程を含む。
【0008】
方法はさらに、処方箋作成ユーザに対応する保存された処方箋を、選択的にレビューする工程を含む。
【0009】
設計されたカスタマイズされた歯科矯正または歯科器具を製作する上記の工程は、カスタマイズされた歯科矯正または歯科器具への包含および配置のために、複数カテゴリーの部品のリストから、選択された部品を含める工程を含み、かつ、その選択された部品を含める工程と同時並行して、提出された処方箋に応答して選択された部品のための請求を作成するために、選択された部品を含めたことをトラッキングおよび記録する。
【0010】
処方箋に応答して、カスタマイズされた歯科矯正または歯科器具を設計する上記の工程は、カスタマイズされた歯科矯正または歯科器具のテンプレートを生成する工程と、カスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の修正のために後でアクセスできるように、上記のテンプレートを保存する工程と、を含む。
【0011】
カスタマイズされた歯科矯正または歯科器具のために、処方箋作成ユーザから、歯科矯正もしくは歯科製作所に処方箋を提出する上記の工程は、複数の処方箋作成ユーザから、対応する複数のカスタマイズされた歯科矯正または歯科器具のために、対応する複数の歯科矯正もしくは歯科製作所に処方箋を提出する工程を含み、処方箋を保存する工程は、対応する複数の処方箋を保存する工程を含み、処方箋に応答して、カスタマイズされた歯科矯正または歯科器具を設計する工程は、対応する複数の処方箋に応答して、対応する複数のカスタマイズされた歯科矯正または歯科器具を設計する工程を含み、設計されたカスタマイズされた歯科矯正または歯科器具を製作する工程は、対応する複数の設計されたカスタマイズされた歯科矯正または歯科器具を製作する工程を含み、処方箋の提出、処方箋の保存、カスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の設計、および設計されたカスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の製作に応答して、同時並行して、請求を作成する工程は、複数の処方箋の提出、複数の処方箋の保存、複数のカスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の設計、および複数の設計されたカスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の製作に応答して、対応する複数の請求を作成する工程を含む。
【0012】
図解した実施形態は、複数の歯科矯正もしくは歯科製作所および複数の処方箋作成ユーザと共に使用されるための、処方箋管理システムを提供する方法としても、特徴付けることができる。この実施形態は、複数の歯科矯正もしくは歯科製作所により、カスタマイズされた歯科矯正または歯科器具が複数の処方箋作成ユーザに提供されるようになすため、複数の処方箋作成ユーザから複数の処方箋を受理する工程と、複数の歯科矯正もしくは歯科製作所および複数の処方箋作成ユーザによって選択的にアクセス可能なデータベースに、処方箋を保存する工程と、複数の歯科矯正もしくは歯科製作所または複数の処方箋作成ユーザのそれぞれが、対応する処方箋に応答して、対応する複数のカスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の設計を作成することのできる、デジタルワークスペースを提供する工程と、複数の歯科矯正もしくは歯科製作所および複数の処方箋作成ユーザによって選択的にアクセス可能なデータベースに、カスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の、対応する複数の設計を保存する工程と、対応する複数の歯科矯正もしくは歯科製作所による、複数のカスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の製作につき、複数の歯科矯正もしくは歯科製作所および複数の処方箋作成ユーザによって選択的にアクセス可能なデータベースに、製作記録のトラッキングおよび保存を行う工程と、対応する複数の処方箋の複数の提出ならびに保存、カスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の複数の設計、および複数の設計されたカスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の製作に応答して、同時並行して、対応する複数の請求を作成する工程と、を含む。
【0013】
方法はさらに、上記の処方箋管理システムを、クラウド記憶システムと通信させる工程を含む。データベースに処方箋を保存する上記の工程、データベースにカスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の対応する複数の設計を保存する上記の工程、および、対応する複数の歯科矯正もしくは歯科製作所による、複数のカスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の製作につき、データベースに製作記録のトラッキングおよび保存を行う上記の工程は、クラウド記憶システム内のデータベースに処方箋を保存する工程、クラウド記憶システム内のデータベースにカスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の対応する複数の設計を保存する工程、および、対応する複数の歯科矯正もしくは歯科製作所による、複数のカスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の製作につき、クラウド記憶システム内のデータベースに製作記録のトラッキングおよび保存を行う工程を含むものとされる。
【0014】
複数のカスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の製作につき製作記録のトラッキングおよび保存を行う上記の工程は、カスタマイズされた歯科矯正または歯科器具への包含および配置のために、複数カテゴリーの部品のリストから選択された部品の、トラッキングおよび保存を含める工程を含み、かつ、その選択された部品のトラッキングおよび保存を含める工程と同時並行して、提出された処方箋に応答して選択された部品のための請求を作成するために、選択された部品を含めたことをトラッキングおよび記録する。
【0015】
処方箋に応答してカスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の設計を行うことができるデジタルワークスペースを提供する上記の工程は、カスタマイズされた歯科矯正または歯科器具のテンプレートを生成するデジタルワークスペースを提供する工程と、カスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の修正のために後でアクセスできるように、上記のテンプレートを保存する工程とを含む。
【0016】
図解した実施形態の範囲内には、歯科矯正もしくは歯科製作所および複数の処方箋作成ユーザと共に使用されるための、処方箋管理システムを提供する方法も含まれる。その方法は:歯科矯正もしくは歯科製作所により、カスタマイズされた歯科矯正または歯科器具が複数の処方箋作成ユーザに提供されるようになすため、複数の処方箋作成ユーザから複数の処方箋を受理する工程と;歯科矯正もしくは歯科製作所および複数の処方箋作成ユーザによって選択的にアクセス可能なデータベースに、上記の処方箋を保存する工程と;歯科矯正もしくは歯科製作所または処方箋作成ユーザが、対応する処方箋に応答して、対応する複数のカスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の設計を作成することのできる、デジタルワークスペースを提供する工程と;歯科矯正もしくは歯科製作所および複数の処方箋作成ユーザによって選択的にアクセス可能なデータベースに、カスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の、対応する複数の設計を保存する工程と;歯科矯正もしくは歯科製作所による、複数のカスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の製作につき、歯科矯正もしくは歯科製作所および複数の処方箋作成ユーザによって選択的にアクセス可能なデータベースに、製作記録のトラッキングおよび保存を行う工程と;対応する複数の処方箋の複数の提出ならびに保存、カスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の複数の設計、および複数の設計されたカスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の製作に応答して、同時並行して、対応する複数の請求を作成する工程と;を含む。
【0017】
図解した実施形態は、歯科矯正もしくは歯科製作所および複数の処方箋作成ユーザと共に使用されるための、処方箋管理システムも含む。そのシステムは:歯科矯正もしくは歯科製作所により、カスタマイズされた歯科矯正または歯科器具が複数の処方箋作成ユーザに提供されるようになすため、複数の処方箋作成ユーザから複数の処方箋を受理する手段と;歯科矯正もしくは歯科製作所および複数の処方箋作成ユーザによって選択的にアクセス可能なデータベースに、上記の処方箋を保存する手段と;歯科矯正もしくは歯科製作所または処方箋作成ユーザが、対応する処方箋に応答して、対応する複数のカスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の設計を作成することのできる、デジタルワークスペースを提供する手段と;歯科矯正もしくは歯科製作所および複数の処方箋作成ユーザによって選択的にアクセス可能なデータベースに、カスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の、対応する複数の設計を保存する手段と;歯科矯正もしくは歯科製作所による、複数のカスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の製作につき、歯科矯正もしくは歯科製作所および複数の処方箋作成ユーザによって選択的にアクセス可能なデータベースに、製作記録のトラッキングおよび保存を行う手段と;対応する複数の処方箋の複数の提出ならびに保存、カスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の複数の設計、および複数の設計されたカスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の製作に応答して、同時並行して、対応する複数の請求を作成する手段と;を備える。
【0018】
開示される様々な手段は、複数の処方箋作成ユーザおよび複数の歯科矯正もしくは歯科製作所内のコンピュータシステムと、インターネットを介して通信するコンピュータサーバによって制御される、コンピュータのネットワークを含む。コンピュータサーバおよびネットワーク接続されたコンピュータは、有形記憶媒体上に保存されたソフトウェア命令によって制御される。それらのソフトウェア命令は、サーバおよびコンピュータシステムの回路、メモリおよび表示を制御し、それらの表示は、上記手段の定義機能を実行するための入力/出力画面を伴うモジュールとして、ソフトウェアによって編成される。クラウド・ストレージを含む複数のコンピュータシステムとのサーバの相互通信は、従来のインターネット通信プロトコルおよびコンピュータアーキテクチャにおいて、良好に確立されている。
【0019】
処方箋管理システムは、当該処方箋管理システムを、クラウド記憶システムと通信させる手段をさらに備え、データベースに処方箋を保存する上記の手段、データベースにカスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の対応する複数の設計を保存する上記の手段、および、歯科矯正もしくは歯科製作所による、複数のカスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の製作につき、データベースに製作記録のトラッキングおよび保存を行う上記の手段は、クラウド記憶システム内のデータベースに処方箋を保存する手段、クラウド記憶システム内のデータベースにカスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の対応する複数の設計を保存する手段、および、歯科矯正もしくは歯科製作所による、複数のカスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の製作につき、クラウド記憶システム内のデータベースに製作記録のトラッキングおよび保存を行う手段を含む。
【0020】
複数のカスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の製作につき製作記録のトラッキングおよび保存を行う上記の手段は、カスタマイズされた歯科矯正または歯科器具への包含および配置のために、複数カテゴリーの部品のリストから選択された部品の、トラッキングおよび保存を含める手段を含み、かつ、その選択された部品のトラッキングおよび保存を含める処理と同時並行して、提出された処方箋に応答して選択された部品のための請求を作成するために、選択された部品を含めたことをトラッキングおよび記録する。
【0021】
処方箋に応答してカスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の設計を行うことができるデジタルワークスペースを提供する上記の手段は、カスタマイズされた歯科矯正または歯科器具のテンプレートを生成するデジタルワークスペースを提供する手段と、カスタマイズされた歯科矯正または歯科器具の修正のために後でアクセスできるように、上記のテンプレートを保存する手段とを含む。
【0022】
別の実施形態は、歯科矯正部品を集約して歯科矯正器具を構成するために、コンピュータ内で設計を制御する方法を含む。その方法は:複数の歯科矯正部品の各々につき、少なくとも1つの歯またはそれら複数の歯科矯正部品に含まれる他の歯科矯正部品に対して許容される、移動および挙動の規則を規定する工程と;歯科矯正部品を集約して歯科矯正器具を構成する間、設計のグラフィックイメージ内において、歯科矯正部品について規定された上記の規則に従って、歯科矯正部品を移動、配置、配向または削除する工程と;を含む。
【0023】
方法はさらに、複数の歯科矯正部品から歯科矯正器具を組み立てるために、上記の設計がコンピュータ支援された製造命令にアセンブルされる際に、上記の設計を変換する工程を含む。
【0024】
複数の歯科矯正部品の各々につき、少なくとも1つの歯または複数の歯科矯正部品に含まれる他の歯科矯正部品に対して許容される、移動および挙動の規則を規定する上記の工程は、各部品につき少なくとも1つのアンカー、ならびに該少なくとも1つのアンカーが配置され得る複数のマグネット点を規定する工程、少なくとも1つのアンカーが設計から削除されてもよいものであるか否かを規定する工程、少なくとも1つのアンカーが、別のアンカーと連動した移動をする1対のアンカー対もしくは2つのアンカー・バディの一方であるか否かを規定する工程、または各部品の配向を規定する工程を含む。
【0025】
文法上の円滑性のため、上記および以下において、装置および方法を機能的な表現を用いて説明するが、請求項は、明らかに米国特許法第112条の下で編成されている場合を除いては、「手段」または「工程」の限定事項の構成によって何ら必然的に限定されると解釈されるべきではなく、均等論の下でそれら請求項によりもたらされる定義の意味および均等物の完全なる範囲を付与されるべきであり、また、明らかに米国特許法第112条の下で編成されている場合には、米国特許法第112条の下で、完全なる法令上の均等範囲を付与されるべきであることが、明確に理解されるべきである。以下、添付の図面を参照することにより、本開示をより良好に視覚化することができる。図中において、類似の要素は、類似の参照番号によって参照されている。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1a】歯科矯正器具の処方箋のグラフィック部分を示した図であって、歯科矯正医が描いた上側固定具の手描きスケッチを示した図
図1b】歯科矯正器具の処方箋のグラフィック部分を示した図であって、歯科矯正医が描いた下側固定具の手描きスケッチを示した図
図1c】歯科矯正器具の処方箋のグラフィック部分を示した図であって、図1aに示した歯科矯正医による手描きスケッチの処方箋に応答して、設計担当者が作った対応のカスタマイズされた設計図を示した図
図1d】歯科矯正器具の処方箋のグラフィック部分を示した図であって、図1bに示した歯科矯正医による手描きスケッチの処方箋に応答して、設計担当者が作った対応のカスタマイズされた設計図を示した図
図2】図解した実施形態におけるプラクティス・ダッシュボード(Practice Dashboard)のスクリーンショットの、説明のための一例を示した図
図3】図解した実施形態における患者管理(Manage Patients)モジュールのスクリーンショットの、説明のための一例を示した図
図4】図解した実施形態における処方箋ワークスペース(Prescription Workspace)のスクリーンショットの、説明のための一例を示した図
図5】図解した実施形態における部品ライブラリ(Parts Library)のスクリーンショットの、説明のための一例を示した図であって、この例では拘止具(Clasping)部品のプルダウンリストが示された図
図6】図解した実施形態で使用される、ある特定の患者に対する処方箋のスクリーンショットの、説明のための一例を示した図
図7】図解した実施形態で使用される、キャンバスの下に提供されるアクションタブのスクリーンショットの、説明のための一例を示した図
図8】図解した実施形態で使用される、キャンバスの下に提供されるリセット(Resets)アクションタブのスクリーンショットの、説明のための一例を示した図
図9】図解した実施形態で使用される、キャンバスの下に提供されるテンプレート(Templates)アクションタブのスクリーンショットの、説明のための一例を示した図
図10】図解した実施形態で使用される、キャンバスの下に提供されるクリアライン(ClearLign)アクションタブのスクリーンショットの、説明のための一例を示した図
図11】図解した実施形態で使用される、キャンバスの下に提供されるアップロード(Uploads)アクションタブのスクリーンショットの、説明のための一例を示した図
図12】図解した実施形態で使用される確認画面(Confirmation Screen)のスクリーンショットの、説明のための一例を示した図
図13】図解した実施形態で使用される処方箋チェックイン(Prescription Check-In)のスクリーンショットの、説明のための一例を示した図
図14】図解した実施形態で使用される処方箋完了ログ(Prescription Completion Log)のスクリーンショットの、説明のための一例を示した図
図15】図解した実施形態で使用される確認画面(Confirmation Screen)のスクリーンショットの、説明のための一例を示した図
図16】図解した実施形態で使用される、部品管理(Manage Parts)モジュールに関する管理画面のスクリーンショットの、説明のための一例を示した図
図17a】上側の歯に対して、アンカーの配置が可能なマグネット点を示した図
図17b】下側の歯に対して、アンカーの配置が可能なマグネット点を示した図
図18】上側の歯の組に対する、歯科矯正器具の1つの設計を示した図
図19図18について、図解した実施形態のドメイン固有言語(domain-specific language;DSL)を用いて設計が修正された様子を示した図
図20a図20bと共に、図解した実施形態のドメイン固有言語(DSL)を用いた別の設計の修正の様子を示した図
図20b図20aと共に、図解した実施形態のドメイン固有言語(DSL)を用いた別の設計の修正の様子を示した図
図21a図21bと共に、図解した実施形態のドメイン固有言語(DSL)を用いたさらに別の設計の修正の様子を示した図
図21b図21aと共に、図解した実施形態のドメイン固有言語(DSL)を用いたさらに別の設計の修正の様子を示した図
図22】図解した実施形態のドメイン固有言語(DSL)を用いて、ある設計の2つの異なる配向の間で、部品を形態変更した様子を示した図
【発明を実施するための形態】
【0027】
特許請求の範囲に規定された実施形態の図解目的の例として提示される、好ましい実施形態に関する以下の詳細な説明を読むことにより、本開示およびその様々な実施形態をよりよく理解することができる。特許請求の範囲で規定される実施形態は、以下で説明する図解した実施形態よりも広くてもよいことは、明確に理解されよう。
【0028】
図解したシステムおよび方法は、商品名Easyprescription(商標)で提供されるものであり、歯科診療所内および製作所内において歯科矯正製作所向け処方箋を作成および管理するために設計された、ウェブベースのアプリケーションである。このシステムは、歯科矯正の処方箋の処理、および多数の歯科医院ならびに診療所と多数の歯科矯正ならびに歯科製作所との間における一連の処方箋の履行を、調整し容易とする。ある意味、これは歯科矯正医にとっては、自己の処方箋を作成および管理して製作所に直接送るための、デジタルデリバリー方法であるといえるが、製作所における処理および商取引のための製作所管理システムであるともいえる。
【0029】
図解されたシステムおよび方法は、図1aから1dに示した処方箋を参照することにより、理解することができる。図1aおよび1bは、それぞれ上側固定具および下側固定具の、歯科矯正医が作成した手描きスケッチである。図1cおよび1dは、その歯科矯正医による手描きスケッチの処方箋に応答して、医師がコンピュータ上で作成した、または製作所内の設計担当者が作成した、対応のカスタマイズされた設計図である。処方箋は、システムの2つの領域内において作成することができる。すなわち、医師のデジタルまたはコンピュータアカウントから直接作成されるか、紙の処方箋が受理された場合には製作所によって手入力される。このシステムおよび方法のユーザに含まれる医師または医師の下の職員は、インターネットブラウザを介して、製作所が開設したウェブポータルへとナビゲートし、適切なアカウントにログインする。
【0030】
ユーザには、図2に示すような、そのユーザのアカウントのためのプラクティス・ダッシュボード(Practice Dashboard)が提示される。この図2は、どのような案件が、保存済状態、製作所への提出待ち状態、および既に製作所に提出された状態にあるかにつき、概要を示している。上部にあるタブ12、14および16は、それぞれ、患者(patients)マネージャ、テンプレート(template)マネージャ、および処方箋(prescription)マネージャモジュールに、ユーザがナビゲートすることを可能とする点に留意されたい。
【0031】
ある患者のための処方箋を入力するためには、ユーザはまず、患者(patient)タブ12をクリックして、1つの患者プロフィールを作成する必要がある。一旦患者プロフィールが作成されると、ユーザは、その患者に関連する任意のファイルのアップロード、または処方箋の作成を行えるようになる。処方箋は、既存の患者プロフィールからも作成できる。患者管理(Manage Patients)画面18の表示を示した図3に示されているように、患者プロフィールは、その患者のすべての処方箋から、その患者のそれら処方箋の任意のものに関連付けられたあらゆるアップロード済みファイルに至るまで、すべての情報を含んでいる。ユーザは、ボタン20をクリックすることにより処方箋の作成を希望することができ、それにより、図4に示した処方箋ワークスペース(prescription workspace)22に移動させられる。
【0032】
処方箋ワークスペース22は、処方箋に対して何らかの設計または修正を行う任意のユーザのための領域である。ユーザインターフェースは、ユーザをアプリケーション内に引き込むために、極めて視覚性およびインタラクティブ性が高いものとされている。その処方箋および患者名(patient’s name)26に固有の、処方箋ID(prescription ID)24が存在する。ワークスペース画面の左端にあるのは、部品ライブラリ(parts library)28である。ユーザは、ドロップダウン式の部品リスト30(拘止具(clasping)のためのものが図5に示されている)を開き、完全な器具の作製のために必要とされるすべての歯科器具部品を、クリックし、右側のキャンバス32にドラッグすることができる。いずれの部品も、部品のカテゴリーに基づいて分類されており、製作所が制御する管理セクションから編集することができる。キャンバス32は、部品が設計中に投入されると、それらの部品がグラフィック表示される画面部分である。図4の図解では、下側固定具がグラフィック形式で作製中であり、設計のあらゆる特徴の概要が表示されている。ユーザは、キャンバス32上において、任意の部品を、そのブルーハンドル(????)を用いて、解剖学的に正確な任意の領域へとクリック・アンド・ドラッグすることができる。特定の部品は、特定の歯に適用されると意味をなさなかったり適切でなかったりするため、各部品は、特定の領域のみに配置可能なようにカスタマイズすることができる。カスタマイズを強化するため、図6に示すようにその部品を視覚的に表すことが不可能または非効率的である状況においては、ユーザは、赤い点を有する部品を右クリックすることができ、それにより、特にその部品向けのものとされたオプションボックス48を、有効にするまたは表示することができる。図示されているシステムの実施形態は、アプリケーションの右クリック操作の余地を確保するため、ブラウザの右クリックオプションを無効化している。
【0033】
キャンバス32の下には、選択したすべての部品のキュー34があり、そのキュー34の下には、図7に示すようなより多くのアクションタブ36-46がある。コメント(comment)タブ36を介して入力されたコメントには、日付のスタンプが付与され、かつ、誰がそのコメントを投稿したのかの透明性を確保するため、コメントを残したユーザの名前が記される。
【0034】
リセット(resets)タブ38は、歯に対する臨床動作のためのユーザインターフェースである。ユーザは、図8に示すような歯の科学的な番号付けの概要である、歯科矯正クロスハッチ(orthodontic crosshatch)50として知られた表示に沿って、クリック操作を行うことができる。いずれの歯がリセットを必要としているかを特定するために、クロスハッチ50上でクリックを行うことを可能とすることにより、この表示はインタラクティブ性のあるものとされている。
【0035】
スタディ・モデル(study model)タブ42は、臨床的なスタディ・モデル処方のための、チェックボックスおよびドロップダウン(図示せず)により構成されている。これは、臨床的なスタディ・モデル処方をグラフィック的に表す効率的な方法が存在しないためである。
【0036】
テンプレート(template)タブ40は、図9により図解されるように、キャンバス32上において有用な機能である。医師は、テンプレートマネージャ52において、テンプレートを命名および作成し、設計を保存することができる。この保存された設計は、テンプレートタブ40を使用することにより、キャンバス32の下に表示される。ユーザはテンプレートを探し出し、ユーザの設計がキャンバス32上に自動的にロードされる。このことは、すべての部品をキャンバス32上にクリック・アンド・ドラッグする作業を省略させ、設計において多大な時間の節約を可能とする。
【0037】
クリアライン(clearlign)タブ44は、図10に示すようなクリアアライナ(clear aligner)処方箋領域54である。図解した実施形態のシステムは、歯を整列させるために連続的に適用される複数のクリアトレイが作製される、Invisalign(登録商標)のアプローチと類似の結果を提供する。医師がどの歯を移動させるかをピックアップするにあたり、図解した実施形態では、クリアアライナ処方箋領域54の下において、前述したクロスハッチ50が用いられている。技術者が対応のトレイを作製するために、歯の上の緑色の点56が視覚的に存在する。医師は、いくつのトレイが使用されるべきかをピックアップするか、製作所にその決定を委ね、現在図解中のシステムは、入力に基づいて、それを適切かつ自動的に外部請求する。
【0038】
アップロード(upload)タブ46は、図11に示されている。ユーザは、「add files(ファイル追加)」ボタン58をクリックするか、1つまたは複数のファイルをドロップ領域60内に直接クリック・アンド・ドラッグすることができ、ファイルは、案件の診察を補助するためのサムネイル画像62を含むデジタル三次元モデルファイルから、処方箋内へとアップロードされる。利用可能なオプションボックスからキャンバス32内へとドラッグされた部品に関しては、キャンバス32上に存在するあらゆるものはデジタル形式であるので、いずれのものも、基本的にそれに付加させられた価格を有しており、案件の設計担当者は、設計を作る複数工程を実行すると同時に、案件の料金請求も行っていることとなる。これにより、別の職員が手作業で請求作業を別途行う必要性は、排除される。
【0039】
その案件が終了させられるか、カスタマイズされた器具が完成すると、ユーザはチェックアウト(checkout)へと進み、次のページで、その案件および出荷に係る物流に関する必要な情報を記入し、その後、図12に示す確認ページへと誘導される。医師は、処方箋を印刷し、印象または鋳型と共にその処方箋を送る。このとき、ここではデジタル形式の処方箋が作成され文書記録されていることとなる。この処方箋は、この段階において、モデルの到着および製作所における印象形成を待っている案件の、待機キュー内に入っている。
【0040】
別の実施形態では、医師は、図12中のボタン64の操作によって示されるように、自己の記録のために、処方箋のPDFを生成およびエクスポート(export)することができる。デジタルスキャンを用いることにより、医師は、デジタル形式のモデルをアップロードし、器具を設計し、かつ、印象を物理的に届けるのに代えて、モデルと処方箋とを製作のためにデジタル形式で即座に届けることができる。そうすると、その案件は、提出済み案件のキュー内において、医師のダッシュボードからアクセス可能な状態に置かれる。この案件は、その固有のID番号24または名前26によって、いつでも検索することができる。
【0041】
製作所においてその案件がスキャンされ、処理工程を進むに従って、予想出荷日等の関連する日付が、処方箋上に加えられる。図16に示されるような画面の上部にあるテンプレート(template)タブ40から、テンプレートマネージャにアクセスすることができる。このタブは、医師が代わりにテンプレートを設計して、案件を生成する際にワークスペース上に容易に取得できるように保存することのできる、ワークスペースへとユーザを導く。ユーザはまた、既存のテンプレートを編集したり削除したりすることもできる。
【0042】
図16の画面の上部にある処方箋(prescription)タブ66は、医師により作成されたすべての処方箋のキューである。
【0043】
以下、図解された実施形態により容易とされたワークフローを、要約して考えてみる。ユーザが図16のアカウント(accounts)タブ68を介して事務アカウントにログインすると、3つのキュー、すなわちそのユーザに関連する提出済案件(製作所に送信中)、チェックイン済案件およびチェックアウト済案件のキューを有するダッシュボードが、そのユーザに提示される。処方箋が製作所に到着した際、その処方箋は、上述したようにデジタル印刷形式であるかもしれないし、商品名easyprescription(商標)で提供される図解されたシステムのコンピュータ化された提出プロセスに参加していない者に関しては、伝統的な処方箋に書かれているかもしれない。デジタルワークフローのトラッキングが開始されるように、easyprescription(商標)を用いて、すべての処方箋がデジタル化される。手書きの処方箋(written prescription)の場合には、図13に示すように、新たなID番号24が生成され、手書きの処方箋でない場合に医師が入力したであろうようにデータが手入力され、処方箋チェックイン(prescription check-in)を介してデジタル形式の処方箋が入力される。一旦事務アカウントにより案件へのログインが行われ、製作所向けのデータがすべて入力されると、設計が医師により送信された場合、あるいは紙の処方箋からデジタル形式の処方箋への設計の転写が行われた場合には、その案件は、設計のレビューの準備が整った状態となる。ユーザは、設計アカウントにログインし、その設計アカウントでは、設計担当者は設計をレビューし、処方箋ワークスペースにおいて紙の処方箋で到着した案件を再設計することができる。変更は即時に行われ、その処方箋にアクセス権を有する者であれば誰でも見ることができる。設計担当者は、カスタムオーダーに基づく任意の処方箋、あるいはその案件に一定額の請求を加算する必要のある修理に対して、請求額および値引きを加えることができる。設計担当者は、ここでは請求書作成者としての役割も担う。
【0044】
設計が確定すると、その案件は生産システムに流される。技術者は、技術者アカウントにログインすることができ、その技術者アカウントにおいて、案件および自己の設計を見て、モニターおよびコンピュータを介して必要な部品を作製することができる。2つの理由のため、案件は、技術者によっても技術者アカウントにスキャンされる。1つ目の理由は、プロセス全体に亘って案件の物理的なトラッキングを行うためであり(製作所内における場合)、2つ目の理由は、システムが雇用者の生産活動を追跡記録できるようになすためである。雇用者の生産活動の追跡記録は、監視することができ、また、管理者アカウント内のレポーティング領域を介して生産指標のために利用することができる。
【0045】
案件が完了すると、その案件は、図14に示すように、チェックアウトの準備が整った状態となる。事務アカウントが、案件にバーコードを付与し、その案件をチェックアウトする。それにより、案件はQuickBooks(登録商標)または会計キューに入れられることとなり、このことは、案件のエクスポート準備が整っていることを意味する。事務担当ユーザは、案件上にマウスのカーソルを動かして、図15に示すように、ドロップダウン表示で価格付け構造の詳細を見ることができる。すべての案件がスキャンおよびチェックアウトされた後、それらの案件はQuickBooks(登録商標)内に残る。ここでのデータを用いて、出荷される製品の売上高を見積もることや、整理された出荷レポートを提供することができる。事務担当ユーザが「generate file(ファイル生成)」ボタンをクリックすると、事務担当ユーザのアカウント内に.csvファイルが保存され、その.csvファイルは、ブリッジソフトウェアを介してまたは直接、QuickBooks(登録商標)内にダウンロードまたはインポートすることが可能である。
【0046】
管理者アカウントは、システムを制御し、ユーザがeasyprescription(商標)の重要部分に変更を加えることを可能とする。ユーザは、処方箋および患者プロファイルの編集および削除を行うことができ、また、部門および技術者に対してレポートを発行することができる。ユーザは、入来する案件、提出済案件、およびチェックアウト済案件を見るのに、同一のダッシュボードを提示される。ユーザは、システム内のすべてのユーザアカウントを生成、編集および削除する能力を有する。ユーザは、システム内にある部品に対して完全な制御権限を有し、たとえば、図6に示すような部品管理(Manage Parts)モジュール70を用いて、価格を変更したり、ワークスペース内で作業する作業者に対してそれらの部品が部品ライブラリ内でどのように提示されるかを変更したりすることができる。ユーザは、システム全体に亘ってグローバルな価格変更を行うことができ、また、システム内に含まれるいずれもの医師のすべての処方箋および患者プロファイルに対し、アクセス権を有する。
【0047】
システムは、数百個の部品からの、歯科矯正器具のための歯科矯正処方箋の記入、または歯科製品の作製を行う。各部品は、複雑な移動と、その部品と関連付けられたいくつかのイメージとを有する。システムは、ネイティブコンピュータ言語を用いて、各部品およびそれらの移動を定義する。ある部品の定義およびその移動を構成する要素の一部を非限定的に列挙すると、たとえば、ある部品がどのアーチおよびどの歯に移動可能であるか、任意の与えられた状況においてある部品のいずれのサブ部品が除去可能であるか、1つのサブ部品が同じ部品の別のサブ部品に対してどのような移動をするか、ある部品がたとえばばねを伴って反転するものであるか、あるいはある部品についていかなるオプションが利用可能であるか等の指定が含まれる。ネイティブコンピュータ言語は、それらの移動を定義するだけでなく、そのイメージを用いて、各部品のグラフィック表現を生成する。このネイティブコンピュータ言語と、それによる部品の定義とによって、歯科矯正部品および器具の極めて包括的な分類を集約することができる。上記で述べたソフトウェアによる部品の定義は、図解した実施形態を超える用法を有し、とりわけ、歯科矯正製作所が、製作所のワークフローにCADおよびCAMを統合しようとする際には、図解した実施形態を超える用法を有する。
【0048】
システムの図解した実施形態の有利な特徴の1つとして、ローカルのソフトウェアを何らインストールする必要なしに、ブラウザの内部から、本開示のソフトウェアシステムを用いてデジタル三次元モデルファイルを見ることができる点が挙げられる。三次元モデルファイルを見るのに、ソフトウェアをダウンロードする必要はない。イメージファイルが、口腔内スキャナからのものであるか、円錐ビームからのものであるか、または製作所由来のデジタル形式のスタディ・モデル・サービスからのものであるかに関わらず、図解したシステムは、それらのファイルを見るための迅速かつ効率的な解決策を提供する。
【0049】
EasyRxは、部品の移動および挙動を定義するために、ドメイン固有言語(domain-specific language;DSL)またはネイティブコンピュータ言語を利用する。EasyRxにおける部品は、異なる複数の形態を有する歯科矯正器具であって、患者の口腔内の複数の異なる位置に配置可能な歯科矯正器具を、表現したものである。DSLは、それらの利用可能な形態および許容可能な移動を定義する。現実世界において適用可能性を有する形態のみが、許容される。
【0050】
図1a-1dに関連して上記で説明したように、部品71は、2つの歯列アーチ、すなわち上側および下側の歯列アーチからなるキャンバス上に、描画される。我々は、これらの歯の上に、マグネット点72の群を規定する。これらのマグネット点72は、図17aおよび17bに中実点で示すように、部品71を配置し得る場所である。各マグネット点72は、キャンバス上におけるそのマグネット点72の位置(すなわち、画面上におけるそのマグネット点72のx位置ならびにy位置)、および歯と関連付けられたそのマグネット点72の位置(すなわち、そのマグネット点72が上側または下側のいずれにあるか、舌側、唇側または頬側のいずれにあるか等)を示す、コードを有する。
【0051】
図18において、各丸印74は、アンカー76と呼ばれる。アンカー76は、マグネット点72上に着座している。これらは、部品71を操るにあたり、ユーザが掴むことのできるハンドルである。部品71は、ブラケット、ワイヤ、パッド、固定具プレート、または他の任意の種類の歯科要素または歯科矯正要素であってよい。ユーザは、丸印74をマウスでクリックし、その丸印74を別の歯へとドラッグする。ユーザはまた、右クリック操作を行うこともでき、そうすると、部品71を修正するのに利用可能なオプションのリストが提示される。アンカー76は、部品71を再構成するにあたり、ユーザが掴むことのできるハンドルである。
【0052】
図19は、たとえば図18に示された形態から、部品71が再構成された状態を示している。図18中の1つのサブ部品78が除去され、別の2つのサブ部品80が移動されている。部品は、極めて詳細に決められた方法でのみ、再構成可能とされている。たとえば、この部品71については、口腔の奥側にある2つのアンカー76は、削除または移動が不可能とされている。ユーザがそれらを修正しようとした場合には、EasyRxはかかる修正を許可しない。これらの挙動はすべてDSLで定義されており、EasyRxは、DSLを用いて、ユーザによる部品操作に限度を加える。
【0053】
図17および18の構成は、非常に単純なシナリオである。EasyRxは、より複雑な移動および関係性も許容する。たとえば、1つのアンカーの移動が別のアンカー76の所与の移動を生じさせるように、アンカー76同士の間の関係性を構築してもよい、さらに、あるアンカー76が1つのマグネット点72から別のマグネット点72に移動するのに伴って、キャンバス上の描画が変化してもよい。部品自体、およびそれらの部品が歯科矯正治療においてどのように使用されるかについて、現実的な状況を規定するため、内部システム規則が定義される。
【0054】
次に、DSLの実装の概要の考察に移る。EasyRxにおける部品のDSLには、2つの側面がある。一方の側面は、部品およびそれら部品の挙動の定義を可能とする。他方の側面は、アプリケーションがそれらの部品をキャンバス上に描画し、部品の形態変更のためのユーザコマンドに応答することを可能とする。
【0055】
まず、DSLについて、およびDSLがどのように挙動を定義するかについて考察する。我々は、各部品71につき、規則の組をEasyRx内に供給する。これらの規則が供給されると、EasyRxは、その部品71の存在を認識し、ユーザがそれを用いて処方箋または規則の組を作成することを許可する。規則は、その部品の挙動を規定するものであり、DSLを用いて詳細設定される。1つの部品71に対する規則が、疑似コードで見るとどのようなものであるかの一例を、以下に示す。
【0056】
挙動(behavior)セクションに注目されたい。この挙動(behavior)セクションは、部品71がどのアンカー(anchors)76を有するか、各アンカー76がどの図と関連付けられているか、アンカー76がどのようにどこへ移動するか、およびそのアンカー76の移動が他のアンカー76にどのように影響するかを規定している。
【0057】
まず、我々は、部品71を構成するアンカー76の組を定義する。各アンカー76は、そのアンカー76が着座可能またはそのアンカー76を配置可能な、マグネット点72の範囲を有している。たとえば、我々は、(口腔の前面から後方へと数えて)1番から4番の歯の上の、すべての上側アーチのマグネット点72上に着座可能な、アンカー76を定義し得る。その後、我々は、そのアンカー76に描画を関連づける(そのアンカー76が着座可能な各位置につき1つずつ)。そのようなアンカー定義と同時に、我々は、そのアンカー76と関連付けられた描画の色を規定する。最後に、我々はまた、そのアンカー76が削除可能であるか否かも規定する。これにより、部品71のサブ部品が、キャンバスから引込められることが可能とされる。
【0058】
1つのアンカー位置が別の1つのアンカー位置に影響を与えるようになす必要がある場合には、我々は次に、強制移動(forced moves)82、アンカー・バディ(anchor buddies)84、およびアンカー対(anchor pairs)86を設定することにより、かかる関係を定義する。各々が、アンカー76同士の間の異なる関係を確立する。強制移動82は、現在のアンカー76がある特定のマグネット点72上にある際に、任意のアンカー76が特定のマグネット点72に移動させられることを可能にする。アンカー・バディ84は、2つのアンカー76の位置を、互いに一定の距離内に維持するために用いられる。アンカー対86は、アーチ88を横断して、一方が左側にあり他方が右側にある2つのアンカー76を、対となすために用いられる。左側が特定のマグネット点72に移動すると、右側もそれに伴って移動させられる。
【0059】
図20aおよび20bは、アーチ88を横切ってアンカー対86をなすアンカー76を伴う、部品71の一例を示している。図20aから図20bへの比較で示すように、左側または右側のアンカー76が移動させられると常に、他方の側のアンカー76が共に移動させられる。
【0060】
図21aおよび21bは、アンカー・バディ84の一例を示している。1つの歯がトレイ90から除去されている図21aから図21bへの比較で確認できるように、トレイ90を制御するアンカー76が移動させられると常に、ワイヤ92も移動させられ、その逆もまた同様である。このようにされるのは、トレイ90が、その内部にワイヤ92を包含しているためである。
【0061】
第2の側面は、キャンバス上におけるその部品の見え方、または歯もしくは他の部品に対するその部品の配向につき、形態変更を操作する。たとえば、特定の部品はx軸を横切って反転するが、それらの反転がここで規定される。図22では、右側の部品71aは、左側の部品71bと同一であるが、オプションとしての反転により、反対側を向くように形態変更させられている。
【0062】
形態変更は、部品のアンカー76のいずれについて形態変更が適用されるかを指定し、形態変更の結果(たとえば、形態変更がアンカー76を削除するか、描画を変更するか、またはその他の結果をもたらすか)を設定することにより、規定される。
【0063】
以下、DSLによる移動について考察する。上記の疑似コードリストの最後の2行にある「place(プレース)」および「update(アップデート)」は、ユーザと部品71とのインタラクションの間において、部品の移動を制御する。機能コード「place(プレース)」および「update(アップデート)」は、挙動規則を使い、キャンバス上にイメージを描画し、ユーザ入力に応答するリスナーまたは受信ソフトウェアモジュールを形成する。ユーザがアンカー76のうちの1つを移動させる度に、アップデート機能は、我々がパフォーマンスのために実行可能とする規則の組をチェックし、何らかの変更が必要な場合(たとえば、アンカー76が移動させられ、その結果、アンカー・バディ84の移動が必要となる場合)には、アップデート機能がそれらの変更を行う。アップデート機能はまた、部品定義の挙動(behavior)セクションによればアンカーを配置できない場所に、ユーザがアンカーを置くことを防止する。
【0064】
以下、DSLの意義を考察する。この方法を用いることにより、我々は、355個以上の異なる歯科矯正部品を定義する。かかる定義の一部として、我々は、それらの部品がいかなる挙動を呈するかのカタログを有する。たとえば、我々は、ある所与の部品71が、ある特定の歯に配置可能なものであるのかについて、問い合わせることができる。あるいは、その部品71の左側を所与の歯に配置した場合に、その右側は、アーチ88を跨いでどの歯への配置が許容されるのかについて、問い合わせることができる。本質的には、これは、歯科矯正部品を、それらの挙動の規則を用いて分類するものである。この規則の組は、EasyRxを超えて有用性を有する。かかる規則の組は、歯科矯正部品を歯に配置する必要があり、どの歯がどの部品を受容できるかを知る必要がある、任意のソフトウェアによって利用することができる。また、これは、いかなる特定の表示方法にも拘束されるものではない。
【0065】
上記を踏まえ、システムおよび方法の図解した実施形態は、医師が自己のすべての処方箋を提出、保存およびレビューするためにアクセスすることを可能としつつ、歯科矯正製作所の物流を回転させるように設計された、総合的な処方箋管理システムおよび方法として理解することができる。システムは、そのシステムを使用している特定の製作所に基づいてカスタマイズを行う柔軟性を可能とする。システムの多数のユーザが、処方箋、設計および製作段階を通じて入力を供給することができ、それによって、同時並行で、案件のデジタルトラッキングならびに文書記録、および自動的な請求を生成する処理を、有効にすることができる。これはウェブベースのシステムであるので、アップデートは即座に行うことができ、製作所のデータや医師のデータはクラウドを介して保存される。
【0066】
当業者によれば、実施形態の精神および範囲から逸脱することなく、多くの変更および修正を行うことができる。したがって、図解した実施形態は、専ら例示目的で提示されたものであり、以下の実施形態およびその様々な実施形態により規定される実施形態を限定するものと捉えられるべきではない点を、理解しなくてはならない。
【0067】
したがって、図解した実施形態は、専ら例示目的で提示されたものであり、以下の特許請求の範囲により規定される実施形態を限定するものと捉えられるべきではない点を、理解しなくてはならない。たとえば、1つの請求項の複数要素が以下においてある特定の組合せで提示されている事実があったとしても、実施形態は、上記で開示される、より少ない、より多いまたは異なる要素からなる他の組合せも含むものであり、それは、そのような組合せが当初は請求項に記載されていない場合においてもいえることは、明確に理解されなくてはならない。さらに、請求項に記載された1つの組合せにおいて2つの要素が組み合わされている旨の教示は、それら2つの要素が互いに組み合わされずに1つのみでまたは他の組合せ方で組み合わされて使用され得るような組合せの請求項記載も、許容することを理解されたい。実施形態の任意の開示要素を除外することも、実施形態の範囲内であると考えられることを明記する。
【0068】
本明細書において様々な実施形態を記述するために使用される用語は、一般的に定義された意味においてのみ理解されるべきではなく、本明細書中における特別な定義によって、一般的に定義された意味の範囲を超えるような構造、材料または動作も包含するものとして理解されるべきである。したがって、ある要素が、本明細書の文脈において1つより多くの意味を含むように理解できる場合には、請求項におけるその用語の使用は、本明細書およびその用語自体によりサポートされるすべての可能な意味を包括的に含むように理解されなくてはならない。
【0069】
したがって、以下の特許請求の範囲の用語および要素の定義は、文言上提示された要素の組合せだけでなく、実質的に同じ機能を実質的に同じやり方で実質的に同じ結果を得るように実行するための、あらゆる等価な構造、材料または動作を含むものとして、本明細書では定義される。したがって、この意味において、以下の特許請求の範囲中の要素のいずれの一要素についても、2つ以上の要素の等価交換を行ってもよく、また、請求項中の2つ以上の要素に代えて、単一の要素が用いられてもよいと考えられる。各要素は、上記では特定の組合せで動作するように説明され、当初の特許請求の範囲でもそのように記載されているかもしれないが、特許請求の範囲に記載された組合せから1つ以上の要素を除外してよい場合もあり、その特許請求の範囲に記載された組合せ(コンビネーション)は、サブコンビネーションまたはサブコンビネーションのバリエーションを対象としてもよい点を、明確に理解されたい。
【0070】
請求項に記載の対象からの、当業者から見て本質的でない変更は、それが現在知られているものであるか後に考案されたものであるかに関わらず、均等のものとして請求項の技術的範囲に含まれるものであると、明らかに考えられる。したがって、当業者に現在および将来において知られる自明な置換は、定義した要素の範囲内のものとして規定される。
【0071】
すなわち、特許請求の範囲は、上記において具体的に図解され説明された形態、概念的に等価である形態、自明な置換形態、および実施形態の本質的な思想を本質的に包含した形態を、含むものであると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0072】
22 処方箋ワークスペース
28 部品ライブラリ
30 部品リスト
32 キャンバス
52 テンプレートマネージャ
70 部品管理モジュール
71 部品
72 マグネット点
76 アンカー
86 アンカー対
88 アーチ
90 トレイ
92 ワイヤ
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図18
図19
図20A
図20B
図21A
図21B
図22