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特許7481813タッチ・指紋複合センサ、及びそれを含む電子装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】タッチ・指紋複合センサ、及びそれを含む電子装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20240502BHJP
   G06F 3/0354 20130101ALI20240502BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20240502BHJP
   A61B 5/1172 20160101ALI20240502BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20240502BHJP
【FI】
G06F3/041 400
G06F3/0354 452
G06T1/00 400G
A61B5/1172
G06F3/041 422
G06F3/044 129
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2019148116
(22)【出願日】2019-08-09
(65)【公開番号】P2020027661
(43)【公開日】2020-02-20
【審査請求日】2022-07-15
(31)【優先権主張番号】10-2018-0093991
(32)【優先日】2018-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】洪 碩 佑
(72)【発明者】
【氏名】金 鎭 明
【審査官】木村 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0091508(US,A1)
【文献】特開2016-035673(JP,A)
【文献】特開2018-005291(JP,A)
【文献】国際公開第2011/070660(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/0354
G06T 1/00
A61B 5/1172
G06F 3/044
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
指紋認識領域を含むタッチパッドを利用し、ユーザのタッチ及び指紋を感知するタッチ・指紋複合センサにおいて、
基板上に、第1方向に並んで配置された複数の第1電極と、
前記基板上に、前記複数の第1電極と交差する第2方向に並んで配置された複数の第2電極と、
前記複数の第1電極と、前記複数の第2電極との絶縁層と、を含み、
前記タッチパッドの前記指紋認識領域を除いたタッチ領域において、前記第1電極と前記第2電極との交差部でのそれらの距離は、前記指紋認識領域において、前記第1電極と前記第2電極との交差部でのそれらの距離より長く、
前記タッチ・指紋複合センサは、段差調節層をさらに含み、前記段差調節層は、前記絶縁層と別個に具備されるか、あるいは前記絶縁層の一部に具備され、
前記段差調節層の形態及び寸法により、前記複数の第1電極と、前記複数の第2電極との距離が、前記タッチパッドの領域によって異なるように調節され、
前記段差調節層は、複数のビアホールが形成された層構造を有し、
前記複数のビアホールは、前記タッチ領域の前記複数の第1電極と第2電極との複数の交差部に対応する位置に具備されたことを特徴とするタッチ・指紋複合センサ。
【請求項2】
前記タッチ領域において、前記交差部において、前記第1電極と前記第2電極との高さ差は、前記タッチ領域において、前記交差部周辺の非交差部において、前記第1電極と前記第2電極との高さ差より大きいことを特徴とする請求項1に記載のタッチ・指紋複合センサ。
【請求項3】
前記タッチ領域の前記交差部周辺の非交差部において、前記第1電極と前記第2電極との高さ差は、前記指紋認識領域の前記交差部において、前記第1電極と前記第2電極との高さ差と実質的に同一であることを特徴とする請求項1に記載のタッチ・指紋複合センサ。
【請求項4】
前記タッチ領域において、前記第1電極と前記第2電極との交差部の相互静電容量は、前記指紋認識領域において、前記第1電極と前記第2電極との交差部の相互静電容量より小さいことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載のタッチ・指紋複合センサ。
【請求項5】
前記複数のビアホールそれぞれは、100μm以下の直径または幅を有することを特徴とする請求項に記載のタッチ・指紋複合センサ。
【請求項6】
前記基板上に、前記段差調節層が具備され、
前記基板及び前記段差調節層の上に、前記複数の第1電極が具備され、
前記段差調節層、及び前記複数の第1電極を覆う前記絶縁層が具備され、
前記絶縁層上に、前記複数の第2電極が具備されることを特徴とする請求項に記載のタッチ・指紋複合センサ。
【請求項7】
前記段差調節層は、所定の厚さおよび形状を有する複数のアイランドパターン層を複数含み、
前記複数のアイランドパターン層は、前記タッチ領域の前記複数の第1電極と第2電極との複数の交差部に対応する位置に具備されたことを特徴とする請求項に記載のタッチ・指紋複合センサ。
【請求項8】
前記複数の第2電極は、前記複数の第1電極と同一の高さに具備された第1パターン部と、
前記高さと異なる高さに具備された第2パターン部とをそれぞれ備え、前記第1パターン部と前記第2パターン部とは開口部を介して連結されたことを特徴とする請求項に記載のタッチ・指紋複合センサ。
【請求項9】
前記基板上に、前記複数の第1電極、及び前記複数の第2電極の一部に該当する複数の第1パターン部が具備され、
前記基板上に、前記複数の第1パターン部の一部を露出させる複数の開口部を有する前記絶縁層が具備され、
前記指紋認識領域を除いた前記タッチ領域の前記絶縁層部分上に、複数のパターン層を含む前記段差調節層が具備され、
前記絶縁層及び前記段差調節層の上に、前記複数の第2電極の他の一部に該当する複数の第2パターン部が具備され、
前記第2パターン部それぞれは、前記第2方向に延長された形態を有し、前記開口部を介して、それに対応する前記第1パターン部に連結され、前記第1パターン部を相互連結するブリッジ構造を有することを特徴とする請求項に記載のタッチ・指紋複合センサ。
【請求項10】
前記複数の第1パターン部それぞれに対応し、1つの前記開口部が設けられることを特徴とする請求項に記載のタッチ・指紋複合センサ。
【請求項11】
前記複数の第1パターン部それぞれに対応し、2個の前記開口部が設けられ、
前記第1パターン部それぞれの中央部は、前記2つの開口部の間に位置することを特徴とする請求項に記載のタッチ・指紋複合センサ。
【請求項12】
前記絶縁層は、有機物質を含むことを特徴とする請求項1~11のいずれか1つに記載のタッチ・指紋複合センサ。
【請求項13】
前記複数の第1電極、及び前記複数の第2電極は、いずれも複数の菱形パターン部、及びそれら間の連結部を含むことを特徴とする請求項1~12のいずれか1つに記載のタッチ・指紋複合センサ。
【請求項14】
前記複数の第1電極、及び前記複数の第2電極のうち一つは、複数の菱形パターン部、及びそれら間の連結部を含み、他の一つは、複数の電極ラインを含むか、あるいは
前記複数の第1電極、及び前記複数の第2電極は、いずれも複数の電極ラインを含むことを特徴とする請求項1~12のいずれか1つに記載のタッチ・指紋複合センサ。
【請求項15】
前記複数の第1電極は、複数の第1タッチ電極、及びそれらの間に配置された複数の第1サブ電極を含み、
前記複数の第2電極は、複数の第2タッチ電極、及びそれらの間に配置された複数の第2サブ電極を含み、
前記複数の第1タッチ電極、及び前記複数の第2タッチ電極は、それぞれ規則的に配列されたことを特徴とする請求項1~14のいずれか1つに記載のタッチ・指紋複合センサ。
【請求項16】
前記複数の第1タッチ電極は、電気的にグルーピングされた第1単位グループの電極を含み、
前記複数の第2タッチ電極は、電気的にグルーピングされた第2単位グループの電極を含むことを特徴とする請求項15に記載のタッチ・指紋複合センサ。
【請求項17】
前記タッチパッドは、2電極構造を有することを特徴とする請求項1~16のいずれか1つに記載のタッチ・指紋複合センサ。
【請求項18】
前記基板の一面側に、前記複数の第1電極、及び前記複数の第2電極が配置されたことを特徴とする請求項1~17のいずれか1つに記載のタッチ・指紋複合センサ。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか1つに記載のタッチ・指紋複合センサを含む電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチ・指紋複合センサ、及びそれを含む電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチスクリーン(touch screen)は、ユーザが指などでスクリーンを接触したり押したりすれば、その位置や関連情報を認知し、システムに伝達する入力装置であり、単純であり、使用が便利であるという長所がある。特に、静電容量方式のタッチスクリーンは、高透過率、及び優秀な耐久性を有し、タッチ解像度にすぐれ、マルチタッチが可能であるという長所がある。タッチスクリーンパネルは、スマートフォン、タブレットPC(personal computer)のようなモバイル機器だけではなく、現金自動支払機(ATM)、自動発券機、ナビゲーションのように、非常に多様な電子機器に適用されている。
【0003】
最近では、多様なモバイル機器及び電子機器に係わる個人認証の必要性がだんだんと高くなっている。指紋、音声、顔、虹彩のような個人の固有特徴を利用した個人認証機能は、モバイル機器、出入り統制機、金融機器などで重要に使用される。既存方式によるスマートフォン、タブレットPCなどの指紋認識技術は、タッチスクリーンモジュールと別途に指紋認識モジュールを構成する構造である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、タッチと指紋とをいずれもセンシングすることができるセンサであり、センシング性能を改善することができるタッチ・指紋複合センサを提供する。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、また、大面積化及び高速駆動に有利であり、視認性特性を改善させることができるタッチ・指紋複合センサを提供する。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、また、指紋認識のセンシング深さを増大させることができるタッチ・指紋複合センサを具現することができる。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、また、前記タッチ・指紋複合センサを含む電子装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一側面(aspect)によれば、指紋認識領域を含むタッチパッドを利用し、ユーザのタッチ及び指紋を感知するタッチ・指紋複合センサにおいて、基板上に第1方向に並んで配置された複数の第1電極と、前記基板上に前記複数の第1電極と交差する第2方向に並んで配置された複数の第2電極と、前記複数の第1電極と、前記複数の第2電極との間の絶縁層と、を含み、前記タッチパッドの前記指紋認識領域を除いたタッチ領域において、前記第1電極と前記第2電極との交差部でのそれらの距離は、前記指紋認識領域において、前記第1電極と前記第2電極との交差部でのそれらの距離より長いタッチ・指紋複合センサが提供される。
【0009】
前記タッチ領域において、前記交差部において、前記第1電極と前記第2電極との高さ差は、前記タッチ領域において、前記交差部周辺の非交差部において、前記第1電極と前記第2電極との高さ差よりも大きくなる。
【0010】
前記タッチ領域の前記交差部周辺の非交差部において、前記第1電極と前記第2電極との高さ差は、前記指紋認識領域の前記交差部において、前記第1電極と前記第2電極との高さ差と実質的に同一である。
【0011】
前記タッチ領域において、前記第1電極と前記第2電極との交差部の相互静電容量(mutual capacitance)は、前記指紋認識領域において、前記第1電極と前記第2電極との交差部の相互静電容量よりも小さい。
【0012】
前記タッチ・指紋複合センサは、段差調節層をさらに含み、前記段差調節層は、前記絶縁層と別個に具備されるか、あるいは前記絶縁層の一部としても具備される。
【0013】
前記段差調節層の形態及び寸法により、前記複数の第1電極と、複数の第2電極との距離が、前記タッチパッドの領域により、異なるようにも調節される。
【0014】
前記段差調節層は、複数のビアホールが形成された層構造を有することができ、前記複数のビアホールは、前記タッチ領域の前記複数の第1電極と第2電極との複数の交差部に対応する位置にも具備される。
【0015】
前記複数のビアホールそれぞれは、約100μm以下の直径または幅を有することができる。
【0016】
前記基板上に、前記段差調節層が具備され、前記基板及び前記段差調節層の上に、前記複数の第1電極が具備され、前記段差調節層、及び前記複数の第1電極を覆う前記絶縁層が具備され、前記絶縁層上に、前記複数の第2電極が具備されてもよい。
【0017】
前記段差調節層は、複数のアイランドパターン層を含み、前記複数のアイランドパターン層は、前記タッチ領域の前記複数の第1電極と第2電極との複数の交差部に対応する位置にも具備される。
【0018】
前記複数の第1電極と、前記複数の第2電極の一部は、同一レベルにも具備され、前記複数の第2電極の他の一部は、前記レベルと異なるレベルに具備されてもよい。
【0019】
前記基板上に、前記複数の第1電極、及び前記複数の第2電極の一部に該当する複数の第1パターン部が具備され、前記基板上に、前記複数の第1パターン部の一部を露出させる複数の開口部を有する前記絶縁層が具備され、前記指紋認識領域を除いた前記タッチ領域の前記絶縁層部分上に、複数のパターン層を含む前記段差調節層が具備され、前記絶縁層及び前記段差調節層の上に、前記複数の第2電極の他の一部に該当する複数の第2パターン部が具備され、前記第2パターン部それぞれは、前記第2方向に延長された形態を有することができ、前記開口部を介して、それに対応する前記第1パターン部に連結され、前記第1パターン部を相互連結するブリッジ構造を有することができる。
【0020】
前記複数の第1パターン部それぞれに対応し、1つの前記開口部が設けられもする。
【0021】
前記複数の第1パターン部それぞれに対応し、2個の前記開口部が設けられ、前記第1パターン部それぞれの中央部は、前記2つの開口部の間に位置することができる。
【0022】
前記絶縁層は、有機物質を含んでもよい。
【0023】
前記複数の第1電極、及び前記複数の第2電極は、いずれも複数の菱形パターン部、及びそれらの間の連結部を含んでもよい。
【0024】
前記複数の第1電極、及び前記複数の第2電極のうち一つは、複数の菱形パターン部、及びそれらの間の連結部を含み、他の一つは、複数の電極ラインを含んでもよい。
【0025】
前記複数の第1電極、及び前記複数の第2電極は、いずれも複数の電極ラインを含んでもよい。
【0026】
前記複数の第1電極は、複数の第1タッチ電極、及びそれらの間に配置された複数の第1サブ電極を含み、前記複数の第2電極は、複数の第2タッチ電極、及びそれらの間に配置された複数の第2サブ電極を含み、前記複数の第1タッチ電極、及び前記複数の第2タッチ電極は、それぞれ規則的にも配列される。
【0027】
前記複数の第1タッチ電極は、電気的にグルーピングされた第1単位グループの電極を含み、前記複数の第2タッチ電極は、電気的にグルーピングされた第2単位グループの電極を含んでもよい。
【0028】
前記タッチパッドは、2電極構造を有することができる。
【0029】
前記基板の一面側に、前記複数の第1電極、及び前記複数の第2電極が配置されてもよい。
【0030】
他の側面によれば、前述のタッチ・指紋複合センサを含む電子装置が提供される。
【0031】
他の側面によれば、指紋認識領域を含むタッチパッドを利用し、ユーザのタッチ及び指紋を感知するタッチ・指紋複合センサにおいて、基板上に第1方向に並んで配置された複数の第1電極と、前記基板上に、前記複数の第1電極と交差する第2方向に並んで配置された複数の第2電極と、前記複数の第1電極と、前記複数の第2電極との間に配置された絶縁層と、前記絶縁層と隣接して具備された段差調節層と、を含み、前記段差調節層により、前記指紋認識領域において、前記第1電極と前記第2電極との交差部の相互静電容量と、前記指紋認識領域を除いたタッチ領域において、前記第1電極と前記第2電極との交差部の相互静電容量とが互いに異なるように制御されたタッチ・指紋複合センサが提供される。
【0032】
前記タッチ領域において、前記第1電極と前記第2電極との交差部の相互静電容量は、前記指紋認識領域において、前記第1電極と前記第2電極との交差部の相互静電容量よりも小さい。
【0033】
前記タッチ領域において、前記第1電極と前記第2電極との交差部でのそれらの距離は、前記指紋認識領域において、前記第1電極と前記第2電極との交差部でのそれらの距離よりも長くなる。
【0034】
前記タッチ領域において、前記交差部において、前記第1電極と前記第2電極との高さ差は、前記タッチ領域において、前記交差部周辺の非交差部において、前記第1電極と前記第2電極との高さ差よりも大きくなる。
【0035】
前記タッチ領域の前記交差部周辺の非交差部において、前記第1電極と前記第2電極との高さ差は、前記指紋認識領域の前記交差部において、前記第1電極と前記第2電極との高さ差と実質的に同一である。
【0036】
前記段差調節層は、複数のビアホールが形成された層構造を有することができ、前記複数のビアホールは、前記タッチ領域の前記複数の第1電極と第2電極との複数の交差部に対応する位置にも具備される。
【0037】
前記段差調節層は、複数のアイランドパターン層を含み、前記複数のアイランドパターン層は、前記タッチ領域の前記複数の第1電極と第2電極との複数の交差部に対応する位置にも具備される。
【0038】
前記複数の第1電極と、前記複数の第2電極の一部は、同一レベルにも具備され、前記複数の第2電極の他の一部は、前記レベルと異なるレベルに具備されてもよい。
【0039】
他の側面によれば、前述のタッチ・指紋複合センサを含む電子装置が提供される。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、同一スクリーン内において、タッチと指紋とをいずれもセンシングすることができるセンサであり、センシング性能を改善させることができるタッチ・指紋複合センサを具現することができる。また、大面積化及び高速駆動に有利であり、視認性特性を改善させることができるタッチ・指紋複合センサを具現することができる。また、指紋認識のセンシング深さを増大させることができ、センシング特性を改善させることができるタッチ・指紋複合センサを具現することができる。また、そのような複合センサを適用し、優秀な性能を有する多様な電子装置を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】一実施形態によるタッチ・指紋複合センサを概略的に示す平面図である。
図2A】一実施形態によるタッチ・指紋複合センサの指紋認識領域の一部を示す平面図である。
図2B図2AのI-I’線による断面図である。
図3A】一実施形態によるタッチ・指紋複合センサの指紋認識領域を除いたタッチ領域の一部を示す平面図である。
図3B図3AのII-II’線による断面図である。
図4A】一実施形態によるタッチ・指紋複合センサの製造方法について説明するための断面図である。
図4B】一実施形態によるタッチ・指紋複合センサの製造方法について説明するための断面図である。
図4C】一実施形態によるタッチ・指紋複合センサの製造方法について説明するための断面図である。
図4D】一実施形態によるタッチ・指紋複合センサの製造方法について説明するための断面図である。
図4E】一実施形態によるタッチ・指紋複合センサの製造方法について説明するための断面図である。
図5A図4Aの段階に対応する平面図の一例である。
図5B図4Bの段階に対応する平面図の一例である。
図5C図4Dの段階に対応する平面図の一例である。
図6A】他の実施形態によるタッチ・指紋複合センサの製造方法について説明するための断面図である。
図6B】他の実施形態によるタッチ・指紋複合センサの製造方法について説明するための断面図である。
図6C】他の実施形態によるタッチ・指紋複合センサの製造方法について説明するための断面図である。
図6D】他の実施形態によるタッチ・指紋複合センサの製造方法について説明するための断面図である。
図6E】他の実施形態によるタッチ・指紋複合センサの製造方法について説明するための断面図である。
図7図6EのA領域の平面構造を例示的に示す平面図である。
図8図7の変形例を示す平面図である。
図9】一実施形態によるタッチ・指紋複合センサの製造時、絶縁層形成にも適用されるスロット・ダイコーティング(slot-die coating)工程について例示的に説明するための図面である。
図10】一実施形態によるタッチ・指紋複合センサにも適用される複数の第1電極、及び複数の第2電極の構成について説明するための平面図である。
図11】他の実施形態によるタッチ・指紋複合センサにも適用される複数の第1電極、及び複数の第2電極の構成について説明するための平面図である。
図12】他の実施形態によるタッチ・指紋複合センサにも適用される複数の第1電極、及び複数の第2電極の構成について説明するための平面図である。
図13】一実施形態のタッチ・指紋複合センサについて説明するための平面図である。
図14】他の実施形態のタッチ・指紋複合センサについて説明するための平面図である。
図15】他の実施形態のタッチ・指紋複合センサについて説明するための平面図である。
図16】一実施形態によるタッチ・指紋複合センサを適用した電子装置について説明するための分解四時図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明の実施形態によるタッチ・指紋複合センサ、及びそれを含む電子装置について、添付された図面を参照して詳細に説明する。添付された図面に図示された層や領域の幅及び厚みは、明細書の明確性、及び説明の便宜性のために、若干誇張されてもいる。詳細な説明全体にわたり、同一参照番号は、同一構成要素を示す。
【0043】
図1は、一実施形態によるタッチ・指紋複合センサを概略的に示す平面図である。
【0044】
図1を参照すれば、指紋認識領域R10を含むタッチパッド(touch pad)P10が具備されてもよい。タッチパッドP10において、指紋認識領域R10ではないタッチ領域R20が存在する。指紋認識モードにおいては、指紋認識領域R10を介して、ユーザの指紋を認識し、タッチ感知モードにおいては、タッチ領域R20及び指紋認識領域R10を利用し、ユーザのタッチを感知することができる。言い換えれば、タッチ感知モードにおいては、指紋認識領域R10も、タッチ領域として使用される。
【0045】
タッチパッドP10内に、第1方向、例えば、X軸方向に並んで配置された複数の第1電極100Aが具備され、複数の第1電極100Aと交差する第2方向、例えば、Y軸方向に並んで配置された複数の第2電極200Aが具備されてもよい。複数の第1電極100Aと、複数の第2電極200Aは、相互直交することができる。複数の第1電極100Aと、複数の第2電極200Aとの間には、所定絶縁層が介在される。言い換えれば、複数の第1電極100Aと、複数の第2電極200Aは、絶縁層を挟み、相互離隔されもする。複数の第1電極100A上に、複数の第2電極200Aが位置するか、あるいはその反対でもある。複数の第1電極100Aは、駆動電極であり、複数の第2電極200Aは、感知電極でもあり、その反対でもある。複数の第1電極100Aは、実質的に等間隔にも配置され、複数の第2電極200Aも、実質的に等間隔に配置されてもよい。複数の第1電極100Aと、複数の第2電極200Aとの間に、相互静電容量(mutual capacitance)が形成される。従って、タッチ・指紋複合センサは、静電容量方式のセンサでもある。
【0046】
本実施形態によれば、タッチ領域R20において、第1電極100Aと第2電極200Aとの交差部でのそれらの距離(間隔)は、指紋認識領域R10において、第1電極100Aと第2電極200Aとの交差部でのそれらの距離(間隔)と異なる。タッチ領域R20において、第1電極100Aと第2電極200Aとの交差部でのそれらの距離は、指紋認識領域R10において、第1電極100Aと第2電極200Aとの交差部でのそれらの距離よりも長くなる。それと係わり、タッチ領域R20において、第1電極100Aと第2電極200Aとの交差部の相互静電容量Cmは、指紋認識領域R10において、第1電極100Aと第2電極200Aとの交差部の相互静電容量Cmとも異なる。タッチ領域R20において、第1電極100Aと第2電極200Aとの交差部の相互静電容量Cmは、指紋認識領域R10において、第1電極100Aと第2電極200Aとの交差部の相互静電容量Cmよりも小さい。
【0047】
図2Aは、一実施形態によるタッチ・指紋複合センサの指紋認識領域の一部を示す平面図であり、図2Bは、図2AのI-I’線による断面図である。
【0048】
図3Aは、一実施形態によるタッチ・指紋複合センサの指紋認識領域を除いたタッチ領域の一部を示す平面図であり、図3Bは、図3AのII-II’線による断面図である。
【0049】
図2A及び図2Bを参照すれば、指紋認識領域R10(図1)においては、基板10上に、段差調節層50が具備され、段差調節層50上に、第1電極100が具備され、第1電極100を覆う絶縁層150が具備され、絶縁層150上に、第2電極200が具備されてもよい。第2電極200は、第1電極100と交差する方向にも延長される。絶縁層150上に、第2電極200を覆う保護層(passivation layer)250が具備されてもよい。
【0050】
図3A及び図3Bを参照すれば、指紋認識領域R10(図1)を除いたタッチ領域R20(図1)においては、基板10上に段差調節層50が具備され、段差調節層50上に、第1電極100が具備され、第1電極100を覆う絶縁層150が具備され、絶縁層150上に、第2電極200が具備されてもよい。絶縁層150の上面は、平坦であるか、あるいは概して平坦でもある。段差調節層50は、第1電極100と第2電極200との交差部に対応する位置に形成されたビアホールV10を含んでもよい。ビアホールV10により、第1電極100の一部がリセス(recess)され、結果として、第1電極100と第2電極200との交差部において、それらの間の距離(間隔)が増大する。
【0051】
図2B及び図3Bを比較すれば、タッチ領域(図3B)において、第1電極100と第2電極200との交差部でのそれらの距離は、指紋認識領域(図2B)において、第1電極100と第2電極200との交差部でのそれらの距離よりも長くなる。言い換えれば、タッチ領域(図3B)において、第1電極100と第2電極200との交差部において、絶縁層150の厚みは、指紋認識領域(図2B)において、第1電極100と第2電極200との交差部において、絶縁層150の厚みよりも厚くなる。タッチ領域(図3B)において、第1電極100と第2電極200との交差部でのそれらの距離は、指紋認識領域(図2B)において、第1電極100と第2電極200との交差部でのそれらの距離より、約1.5倍以上、または約2倍以上長くもなる。それと係わり、タッチ領域(図3B)において、第1電極100と第2電極200との交差部の相互静電容量は、指紋認識領域(図2B)において、第1電極100と第2電極200との交差部の相互静電容量より、実質的に、あるいははるかに小さくなる。
【0052】
一方、タッチ領域(図3A及び図3B)において、前記交差部での第1電極100と第2電極200との高さ差は、タッチ領域(図3A及び図3B)において、前記交差部周辺の非交差部での第1電極100と第2電極200との高さ差よりも大きくなる。また、タッチ領域(図3A及び図3B)の前記非交差部での第1電極100と第2電極200との高さ差は、指紋認識領域(図2A及び図2B)の前記交差部において、第1電極100と第2電極200との高さ差と実質的に同一である。段差調節層50を使用し、タッチ領域(図3A及び図3B)の前記交差部での第1電極100と第2電極200との間隔を選択的に調節することができる。
【0053】
図4Aないし図4Eは、一実施形態によるタッチ・指紋複合センサの製造方法について説明するための断面図である。
【0054】
図4Aを参照すれば、基板10上に、段差調節層50を形成することができる。段差調節層50は、所定絶縁物質から形成することができ、透明でもある。段差調節層50は、指紋認識領域R11と、その外のタッチ領域R21とにおいて、互いに異なるパターン形状を有することができる。例えば、段差調節層50は、指紋認識領域R11を除いたタッチ領域R21に形成された複数のビアホールV10を含んでもよい。複数のビアホールV10それぞれは、約100μm以下の直径または幅を有することができる。指紋認識領域R11においては、段差調節層50にビアホールが形成されない。段差調節層50の厚みは、例えば、約20μm以下でもあるが、それに限定されるものではない。
【0055】
段差調節層50は、有機絶縁物質を含んでもよい。段差調節層50を有機絶縁物質から形成する場合、一例として、段差調節層50は、感光性(PR)物質を利用して形成することができる。その場合、感光性(PR)物質層を形成した後、露光(exposure)工程を遂行することができ、PEB(post exposure bake)工程をさらに遂行することができる。前記PEB工程において、ビアホールV10周囲の段差調節層50領域、または段差調節層50のエッジ部(edge portion)が若干リフロー(reflow)されながら、後続工程において、step-coverage関連問題が発生しないことにもなる。しかし、ここで提示した段差調節層50の物質及び形成方法は、例示的なものであり、本実施形態は、それに限定されるものではない。場合により、段差調節層50は、無機絶縁物質を含んでもよい。または、別途の段差調節層50を使用せず、基板10自体を加工し、基板10の一部を「段差調節層」として使用することもできる。
【0056】
図4Bを参照すれば、基板10及び段差調節層50の上に、複数の第1電極100を形成することができる。複数の第1電極100は、例えば、X軸方向に延長された構造を有することができる。ビアホールV10部分において、第1電極100は、基板10側にリセスされもする。指紋認識領域R11においては、第1電極100がリセスされた部分を含まない。
【0057】
図4Cを参照すれば、段差調節層50、及び複数の第1電極100を覆う絶縁層150を形成することができる。絶縁層150は、所定有機物質を含んでもよい。絶縁層150は、例えば、スロット・ダイコーティング(slot-die coating)方式で形成することができる。スロット・ダイコーティング方式で有機絶縁膜を形成した後、前記有機絶縁膜に対するリフロー工程または平坦化(planarization)工程を遂行することができる。それを介して、上面が概して平坦な絶縁層150を形成することができる。前述の絶縁層150の形成工程及びその物質は、前述のところに限定されるものではなく、異なりもする。場合により、絶縁層150は、無機物質を含んでもよい。絶縁層150の厚みは、約15μm以下または約10μm以下でもあるが、それに限定されるものではない。
【0058】
図4Dを参照すれば、絶縁層150上に、複数の第2電極200を形成することができる。ここでは、1つの第2電極200が図示されるものの、実際は、X軸方向に離隔された複数の第2電極200が形成されてもよい。複数の第2電極200は、複数の第1電極100と交差するように配置されてもよい。複数のビアホールV10は、指紋認識領域R11を除いたタッチ領域R21において、複数の第1電極100と第2電極200との複数の交差部に対応する位置にも具備される。
【0059】
図4Eを参照すれば、絶縁層150上に、複数の第2電極200を覆う保護層250を形成することができる。保護層250は、所定絶縁物質から形成することができ、有機物質及び/または無機物質を含んでもよい。
【0060】
段差調節層50により、指紋認識領域R11とタッチ領域R21とにおいて、第1電極100と第2電極200との間隔が互いに異なるようにも調節される。タッチ領域R21において、第1電極100と第2電極200との交差部において、それらの間隔が指紋認識領域R11において、第1電極100と第2電極200との交差部において、それらの間隔よりも広くなる。それと係わり、タッチ領域R21において、第1電極100と第2電極200との交差部において、それら間の相互静電容量は、指紋認識領域R11において、第1電極100と第2電極200との交差部において、それら間の相互静電容量よりも小さい。
【0061】
図5Aは、図4Aの段階に対応する平面図の一例である。
【0062】
図5Aを参照すれば、基板10上に、複数のビアホールV10を有する段差調節層50が形成されてもよい。複数のビアホールV10は、タッチ領域R21に規則的にも形成され、指紋認識領域R11には、形成されない。
【0063】
図5Bは、図4Bの段階に対応する平面図の一例である。
【0064】
図5Bを参照すれば、段差調節層50上に、複数の第1電極100が形成されてもよい。複数の第1電極100は、例えば、X軸方向にも延長され、Y軸方向に相互離隔されもする。
【0065】
図5Cは、図4Dの段階に対応する平面図の一例である。
【0066】
図5Cを参照すれば、複数の第1電極100に交差する方向に延長された複数の第2電極200が形成されてもよい。複数の第2電極200は、例えば、Y軸方向にも延長され、X軸方向に相互離隔されもする。複数のビアホールV10は、タッチ領域R21の複数の第1電極100と第2電極200との交差部に対応するように位置することができる。
【0067】
本実施形態によれば、同一スクリーン内において、タッチと指紋とをいずれもセンシングすることができるセンサとして、センシング性能を改善させることができるタッチ・指紋複合センサを具現することができる。大面積化及び高速駆動に有利であり、視認性及びモアレ(moire)問題を改善させることができるタッチ・指紋複合センサを具現することができる。また、指紋認識のセンシング深さを増大させることができ、センシング特性を改善させることができるタッチ・指紋複合センサを具現することができる。
【0068】
既存の静電式オンスクリーン(on-screen)タッチ・指紋センサの場合、大面積化が困難であり、駆動速度に限界があり、指紋認識時、センシング深さに限界があるという問題がある。透明電極を使用する場合、透明電極が比較的高い抵抗値Rを有するために、大面積化及び駆動速度改善に限界がある。また、視認性及びモアレ改善のために、微細電極パターンを使用する場合、タッチ領域において、ノード増加(ノード個数の増加)により、て静電容量C値が増加する。従って、タッチパッドの大面積化及び駆動速度改善が困難であるという問題がある。一方、指紋認識側面としては、センシング深さを増大させるために、高い入力値及びインピーダンス値が要求されるが、そのような要求条件を満足させる場合、タッチ感知時、RC delayが大きくなるという問題がある。
【0069】
本実施形態によるタッチ・指紋複合センサにおいては、指紋認識領域と、それを除いたタッチ領域とにおいて、第1電極と第2電極との間隔を異なるようにし、指紋認識領域においては、相対的に高いキャパシタンス値を、タッチ領域においては、相対的に低いキャパシタンス値を形成することができる。段差調節層を利用し、所望位置において、第1電極と第2電極との間隔を調節することができ、それを介して、キャパシタンス値を調節することができる。特に、タッチ領域において、第1電極と第2電極との交差部の相互静電容量Cmを、指紋認識領域において、第1電極と第2電極との交差部の相互静電容量Cmより小さくすることができる。タッチ感知時には、低いCm値を使用するので、大面積具現が可能であり、駆動速度を向上させることができる。タッチ感知側面においては、Cmが小さいほど、長い長さのタッチセンサの作製が容易になる。指紋認識時には、高いCm値を使用し、指紋認識の深さ(センシング距離)を増大させることができ、センシング特性を向上させることができる。交差部でのCmが大きいほど、指紋認識時、指紋によるΔCm値も、大きくなる。従って、指紋認証率を改善させることができ、大面積素子のアンダーガラス(under glass)指紋センサとして使用することができる。また、本実施形態によるタッチ・指紋複合センサにおいては、全体的に概して均一な微細電極パターンを使用するために、視認性の変化を最小化させることができ、モアレ形成を抑制することができる。また、本実施形態によれば、段差調節層のパターン、大きさ、位置などを調節し、第1電極と第2電極との交差部での間隔だけ選択的に制御することができるので、指紋認識領域とタッチ領域との視認性(透過度及び反射度)差を減らし、第1電極と第2電極とのフリンジキャパシタンス(fringe capacitance)を最小化させる。
【0070】
図4Aないし図4Eの実施形態においては、基板10上に、別途の段差調節層50を形成した後、後続工程を進める場合を図示して説明したが、基板10の上面部をパターニングし、基板10のパターニングされた上面部を「段差調節層」として使用することもできる。言い換えれば、基板10の上面部に、所定凹凸部を形成した後、前記凹凸部を段差調節層として使用することもできる。
【0071】
また、図4Eの実施形態においては、複数の第1電極100と、複数の第2電極200とが互いに異なるレベルに具備された場合について説明したが、他の実施形態によれば、複数の第1電極と、複数の第2電極の一部は、同一レベルに具備され、前記複数の第2電極の他の一部は、前記レベルと異なるレベルに具備されてもよい。それについては、図6Aないし図6Eの実施形態を参照して説明する。
【0072】
図6Aないし図6Eは、他の実施形態によるタッチ・指紋複合センサの製造方法について説明するための断面図である。
【0073】
図6Aを参照すれば、基板11上に、複数の第1電極101、及び複数の第2電極の一部に該当する複数の第1パターン部201aを形成することができる。複数の第1電極101は、例えば、X軸方向に並んで配置されてもよい。複数の第1パターン部201aは、複数の第1電極101の間、及びその両側に配置されてもよい。複数の第1電極101、及び複数の第1パターン部201aは、同一レベルに形成され、単一層(single layer)構造をなすことができる。
【0074】
図6Bを参照すれば、基板11上に、複数の第1電極101、及び複数の第1パターン部201aを覆う絶縁層151を形成することができる。絶縁層151は、複数の第1パターン部201aの一部を露出させる複数の開口部h10を含んでもよい。それぞれの第1パターン部201aに対応する開口部h10が形成されてもよい。絶縁層151は、有機物質を含み、所定コーティング工程及び硬化工程を介しても形成される。場合により、絶縁層151は、無機物質を含んでもよい。
【0075】
図6Cを参照すれば、指紋認識領域R12を除いたタッチ領域R22の絶縁層151部分上に、複数のパターン層5を含む段差調節層51を形成することができる。複数のパターン層5は、アイランドタイプのパターン層でもある。複数のパターン層5それぞれは、約150μm以下の幅を有することができ、上から見るとき、長方形や正方形の形態を有してもよく、円形でもある。指紋認識領域R12には、パターン層5が形成されない。段差調節層51は、絶縁層151と同一物質から形成されるか、あるいは、他の物質から形成されてもよい。
【0076】
図6Dを参照すれば、絶縁層151及び段差調節層51の上に、複数の第2電極の他の一部に該当する複数の第2パターン部201bを形成することができる。ここには、1つの第2パターン部201bが図示されているが、X軸方向に相互離隔された複数の第2パターン部201bが具備されてもよい。第2パターン部201bそれぞれは、例えば、Y軸方向に延長された形態を有することができる。第2パターン部201bそれぞれは、ラインパターンでもある。また、第2パターン部201bそれぞれは、開口部h10を介して、それに対応する第1パターン部201aに連結されて第1パターン部201aを相互連結するブリッジ構造を有することができる。複数の第1パターン部201a、及び複数の第2パターン部201bは、Y軸方向に延長された「複数の第2電極201」を構成することができる。
【0077】
図6Eを参照すれば、基板11上に、複数の第2パターン部201bを覆う保護層251を形成することができる。保護層251は、所定絶縁物質から形成することができる。
【0078】
段差調節層51の複数のパターン層5は、タッチ領域R22の複数の第1電極101と第2電極201との複数の交差部に対応する位置に選択的に具備されてもよい。タッチ領域R22に形成された複数のパターン層5、すなわち、段差調節層51により、タッチ領域R22において、第1電極101と第2電極201との交差点において、それら間の距離(間隔)が増大することができる。従って、タッチ領域R22において、第1電極101と第2電極201との交差点において、それら間の距離(間隔)は、指紋認識領域R12において、第1電極101と第2電極201との交差点において、それら間の距離(間隔)よりも長くなる。また、タッチ領域R22において、第1電極101と第2電極201との交差点において、それら間の相互静電容量は、指紋認識領域R12において、第1電極101と第2電極201との交差点において、それら間の相互静電容量よりも小さい。
【0079】
図7は、図6EのA領域の平面構造を例示的に示す平面図である。
【0080】
図7を参照すれば、基板11(図6E)上に、第1電極101及び第2電極201の第1パターン層201aが設けられもする。第1電極101及び第1パターン層201aを覆う絶縁層151(図6E)が形成されることができ、前記絶縁層に第1パターン部201aの一部を露出させる開口部h10が形成されてもよい。それぞれの第1パターン部201aに対応する1つの開口部h10が形成されてもよい。前記絶縁層上に、段差調節層51(図6E)のパターン層5が具備されてもよい。パターン層5は、アイランドタイプでもある。前記絶縁層及びパターン層5上に、第2電極201の第2パターン層201bが具備されてもよい。第2パターン層201bは、開口部h10を介して、第1パターン層201aにも電気的に連結される。開口部h10内に、導電体(プラグ)が具備されてもよい。段差調節層のパターン層5は、タッチ領域の第1電極101と第2電極201との交差部に対応する位置に選択的に具備されてもよい。
【0081】
図8は、図7の変形例を示す平面図である。図8の実施形態は、図7において、開口部h10の個数及び位置が異なった場合である。
【0082】
図8を参照すれば、複数の第1パターン部201aそれぞれに対応し、2個の開口部h11が設けられもする。このとき、第1パターン部201aそれぞれの中央部は、それに対応する2つの開口部h11の間に位置することができる。第1パターン部201aそれぞれの中央部が、開口部h11の導電体(プラグ)で隠されないために、それと係わり、センシング特性がさらに向上することができる。
【0083】
図4E及び図6Eの実施形態によるタッチ・指紋複合センサは、基板10,11の一側(上面側)に具備された2種の電極100,200または101,201を使用する2電極構造のセンサでもある。図4Eにおいては、基板10の同一面(上面)上に、複数の第1電極100、及び複数の第2電極200が配置され、図6Eにおいては、基板11の同一面(上面)上に、複数の第1電極101、及び複数の第2電極201が配置される。従って、3電極構造を使用するか、あるいは基板の背面にさらなる電極を形成する場合に比べ、本実施形態によるタッチ・指紋複合センサは、製造が容易であり、回路構成及び駆動方式において有利である。
【0084】
また、一実施形態によるタッチ・指紋複合センサは、フレキシブル(flexible)センサ及び/またはフォールダブル(foldable)センサでもある。基板10,11、段差調節層50、絶縁層150,151などを有機物質から構成することができ、その場合、タッチ・指紋複合センサは、フレキシブルであったり、フォールダブルであったりするセンサにも製造される。従って、タッチ・指紋複合センサは、フレキシブル素子及びフォールダブル素子にも適用される。タッチ・指紋複合センサは、指紋認証が必要なフレキシブル/フォールダブル、モバイル/大面積タッチディスプレイに容易に適用される。しかし、本実施形態によるタッチ・指紋複合センサは、フレキシブルでなくともよい。
【0085】
図9は、一実施形態によるタッチ・指紋複合センサの製造時、絶縁層形成にも適用されるスロット・ダイコーティング工程について例示的に説明するための図面である。
【0086】
図9を参照すれば、スロット・ダイヘッド(slot-die head)74に、有機物質を含むコーティング用溶液76を供給しながら、基底部70に固定された基板構造体72上において、スロット・ダイヘッド74を移動し、溶液76を基板構造体72上にコーティングすることができる。このとき、基板構造体72とスロット・ダイヘッド74は、所定間隔ほど垂直方向に離隔されもする。この間隔をダイ高(die height)という。
【0087】
そのようなスロット・ダイコーティング方式を利用し、基板構造体72上に、有機絶縁膜78を形成することができ、有機絶縁膜78に対するリフロー工程または平坦化工程をさらに遂行することができる。本実施形態によるタッチ・指紋複合センサの製造時、例えば、図4Cの絶縁層150を形成するのに、前述のスロット・ダイコーティング方式を適用することができる。
【0088】
図10は、一実施形態によるタッチ・指紋複合センサにも適用される複数の第1電極、及び複数の第2電極の構成について説明するための平面図である。
【0089】
図10を参照すれば、タッチ・指紋複合センサは、第1方向、例えば、X軸方向に延長された複数の第1電極100Aを含み、第2方向、例えば、Y軸方向に延長された複数の第2電極200Aを含んでもよい。第1電極100Aは、複数の菱形パターン部1、及びそれら間の連結部2を含んでもよい。それと類似し、第2電極200Aは、複数の菱形パターン部3、及びそれら間の連結部4を含んでもよい。第1電極100Aの連結部2に対応するように、第2電極200Aの連結部4が配置されてもよい。複数の第1電極100Aと、複数の第2電極200Aとの間には、絶縁層が具備されてもよい。複数の第1電極100Aと、複数の第2電極200Aとの間に、キャパシタンス、すなわち、相互静電容量が形成されてもよい。第1電極100A及び第2電極200Bは、例えば、ITO(indium tin oxide)、IZO(indium zinc oxide)、AZO(aluminum doped zinc oxide)、GZO(gallium zinc oxide)、AGZO(aluminum gallium zinc oxide)、GIZO(gallium indium zinc oxide)のような透明伝導性酸化物TCO:transparent conductive oxide)によっても形成される。ここでは、複数の第1電極100Aと、複数の第2電極200Aとが、いずれも菱形パターン部3と、それら間の連結部2,4とを有する場合を図示して説明したが、それは、例示的なものであり、電極100A,200Aの形態は多様にも変化される。複数の第1電極100Aと、複数の第2電極200Aは、菱形ではない多角形のパターン部を有することができ、電極100A,200Aのうち少なくとも一つは、ラインパターンでもある。
【0090】
図11は、他の実施形態によるタッチ・指紋複合センサにも適用される複数の第1電極、及び複数の第2電極の構成について説明するための平面図である。
【0091】
図11を参照すれば、X軸方向に延長された複数の第1電極100Bが具備され、それらと交差するように、Y軸方向に延長された複数の第2電極200Aが具備されてもよい。複数の第1電極100Bは、ラインパターンでもあり、複数の第2電極200Aは、複数の菱形パターン部3、及びそれら間の連結部4を含んでもよい。
【0092】
複数の第1電極100Bは、所定金属やその合金、または金属化合物によって形成することができる。第1電極100Bは、例えば、数μmほどの幅を有することができるために、金属で形成しても、肉眼ではほとんど透明に見える。場合により、第1電極100Bは、透明な電極物質から形成することもできる。複数の第2電極200Aは、図10の第2電極200Aと類似し、透明伝導性酸化物などによって形成することができる。
【0093】
本実施形態においては、ラインパターンの第1電極100Bにより、優秀な電気伝導性を確保することができ、菱形パターン部3を有する第2電極200Aにより、優秀な透明性を確保することができる。従って、優秀な電気伝導性、及び優秀な透明性をいずれも確保するのに有利である。
【0094】
図12は、他の実施形態によるタッチ・指紋複合センサにも適用される複数の第1電極、及び複数の第2電極の構成について説明するための平面図である。
【0095】
図12を参照すれば、X軸方向に延長された複数の第1電極100Bが具備され、それらと交差するように、Y軸方向に延長された複数の第2電極200Bが具備されてもよい。複数の第1電極100B及び第2電極200Bは、いずれもラインパターンでもある。
【0096】
図13は一実施形態のタッチ・指紋複合センサについて説明するための平面図である。
【0097】
図13を参照すれば、X軸方向に延長された複数の第1電極103が配列され、それらと交差するようにY軸方向に延長された複数の第2電極203が配列されてもよい。複数の第1電極103は、等間隔に離隔された複数の第1タッチ電極113と、それらの間及びその両側に具備された複数の第1サブ電極123と、を含んでもよい。それと類似し、複数の第2電極203は、等間隔に離隔された複数の第2タッチ電極213と、それらの間及びその両側に具備された複数の第2サブ電極223と、を含んでもよい。参照番号R13は、指紋認識領域を示す。
【0098】
複数の第1タッチ電極113は、電気的にグループ化されず、独立して配置されてもよい。言い換えれば、複数の第1タッチ電極113は、その端部が、電気的/物理的に相互直接的に連結されないのである。それと類似し、複数の第2タッチ電極213は、電気的にグループ化されず、独立して配置されてもよい。言い換えれば、複数の第2タッチ電極213は、その端部が、電気的/物理的に相互直接的に連結されないのである。
【0099】
図14は、他の実施形態のタッチ・指紋複合センサについて説明するための平面図である。
【0100】
図14を参照すれば、X軸方向に延長された複数の第1電極104が配列され、それらと交差するように、Y軸方向に延長された複数の第2電極204が配列されてもよい。複数の第1電極104は、複数の第1タッチ電極114、及び複数の第1サブ電極124を含んでもよい。それと類似し、複数の第2電極204は、複数の第2タッチ電極214、及び複数の第2サブ電極224を含んでもよい。参照番号R14は、指紋認識領域を示す。
【0101】
複数の第1タッチ電極114は、電気的にグループ化された複数の電極を含む単位グループG1が規則的に配列された構造を有することができる。各単位グループG1の第1タッチ電極は、相互隣接するように配置されてもよい。単位グループG1と、他の単位グループG1との間には、複数の第1サブ電極124が配置されてもよい。
【0102】
複数の第2タッチ電極214は、電気的にグループ化された複数の電極を含む単位グループG2が規則的に配列された構造を有することができる。各単位グループG2の第2タッチ電極は、相互隣接するように配置されてもよい。単位グループG2と、他の単位グループG2との間には、複数の第2サブ電極224が配置されてもよい。
【0103】
指紋認識領域R14の第1電極104は、独立して駆動され、指紋認識領域R14の第2電極204も、独立して駆動される。
【0104】
図15は、他の実施形態のタッチ・指紋複合センサについて説明するための平面図である。
【0105】
図15を参照すれば、複数の第1電極105は、実質的に等間隔に配置された複数の第1タッチ電極115、及び第1タッチ電極115の間及び/またはその両側に配置された複数の第1サブ電極125を含んでもよい。それと類似し、複数の第2電極205は、実質的に等間隔に配置された複数の第2タッチ電極215、及び第2タッチ電極215の間及び/またはその両側に配置された複数の第2サブ電極225を含んでもよい。
【0106】
複数の第1タッチ電極115は、電気的に相互連結された第1単位グループG10の電極を含み、第1単位グループG10の電極間に、少なくとも1つの第1サブ電極125が配置されてもよい。言い換えれば、複数の第1タッチ電極115の一部は、所定単位で電気的にグループ化され、グループ化された第1タッチ電極115間に、少なくとも1つの第1サブ電極125が配置されてもよい。
【0107】
複数の第2タッチ電極215は、電気的に相互連結された第2単位グループG20の電極を含み、第2単位グループG20の電極間に、少なくとも1つの第2サブ電極225が配置されてもよい。言い換えれば、複数の第2タッチ電極215の一部は、所定単位で電気的にグループ化され、グループ化された第2タッチ電極215間に、少なくとも1つの第2サブ電極225が配置されてもよい。
【0108】
複数の第1タッチ電極115は、全体的に均一に配置され、複数の第2タッチ電極215も、全体的に均一に配置されてもよい。指紋認識領域R15の第1電極105は、独立しても駆動され、指紋認識領域R15の第2電極205も、独立しても駆動される。
【0109】
指紋認識モードにおいて、複数の第1電極105において、指紋認識領域R15に対応する第1電極105と、複数の第2電極205において、指紋認識領域R15に対応する第2電極205とを選択的に活性化させ、残り第1電極及び残り第2電極には、固定バイアス電圧を印加することができる。指紋認識領域R15において、電極パターン(すなわち、前述の第1電極及び第2電極)は、数十μmほど、例えば、約20~120μmほどの間隔に配置されてもよい。
【0110】
タッチ感知モードにおいて、タッチパッドの全体領域において、複数の第1タッチ電極115、及び複数の第2タッチ電極215を選択的に活性化させることができ、複数の第1サブ電極125、及び複数の第2サブ電極225には、固定バイアス電圧を印加することができる。該タッチ感知モードにおいて、複数の第1サブ電極125、及び複数の第2サブ電極225は、ダミー(dummy)電極としても使用される。複数の第1タッチ電極115は、例えば、約0.5~5mmほどの間隔に配置され、複数の第2タッチ電極215も、例えば、約0.5~5mmほどの間隔に配置されてもよい。複数の第1タッチ電極115は、伝送電極(transmit electrode)(Tx電極)であり、複数の第2タッチ電極215は、受信電極(receive electrode)(Rx電極)でもあり、その反対でもある。
【0111】
指紋認識及びタッチ感知の基本的な方式は、図13及び図14の実施形態においても、同様である。また、第1電極105間の間隔、及び第2電極205間の間隔は、図13及び図14の実施形態においても、類似している。便宜上、図15において、指紋認識領域R15のY軸方向での両側それぞれに、第1単位グループG10が一つずつ存在する場合を図示したが、実際は、さらに多数の第1単位グループが存在することができる。それと類似し、図15において、指紋認識領域R15のX軸方向での両側それぞれに、第2単位グループG20が一つずつ存在する場合を図示したが、実際は、さらに多数の第2単位グループが存在することができる。それは、図13及び図14についても、類似している。
【0112】
タッチ感知時、指紋認識領域を含んだタッチパネル全体において、第1タッチ電極及び第2タッチ電極をいずれも活性化させて使用することができる。このとき、指紋認識領域のタッチ電極において測定される静電容量は、指紋認識領域を除いたタッチ領域の電極で測定される静電容量よりも大きくなるが、それは、回路的に補正(補償)することができる。常時同一位置、すなわち、指紋認識領域において、出力値が大きくなることを事前に知っている場合、タッチの線形性(linearity)補正を、回路的に困難ではないように遂行することができる。すなわち、回路的に出力値を低くしたり、利得(gain)値を調節したりすることにより、指紋認識領域での出力値を、残りタッチ領域と同一に補正することができる。指紋認識領域のサイズが小さいために、前記補正のための回路(補正回路)を容易に構成することができる。
【0113】
図13ないし図15を参照して説明した電極の配置構造は、図10ないし図12を参照して説明した多様な電極構成を有するタッチ・指紋複合センサにも適用される。一実施形態によれば、タッチ領域の交差部の2つの電極間の間隔を増大させることにより、約5インチ以上または約7インチ以上の面積を有するタッチ・指紋複合センサを容易に製造することができる。図10のような透明電極構造を利用する場合、約5インチ以上のタッチ・指紋複合センサを製造することができ、図11のようなハイブリッド(hybrid)電極構造を利用する場合、約7インチ以上のタッチ・指紋複合センサを製造することができる。しかし、それは、例示的なものであり、電極間の絶縁層の厚みや、電極の配置構造により、実現可能なタッチ・指紋複合センサの面積は、異なりもする。前記透明電極構造やハイブリッド電極構造を利用する場合、メタルメッシュ(metal mesh)電極構造を利用する場合より、透過度が高いオンスクリーンタッチ・指紋センサを具現することができる。
【0114】
さらに、本実施形態によれば、段差調節層を使用することと係わり、接続(interconnection)用パッド部(pad portion)の高さを容易に調節することができる。すなわち、少なくとも1つの第1電極に連結された第1パッド部と、少なくとも1つの第2電極に連結された第2パッド部との形成において、段差調節層を使用することと係わり、前記第1パッド部と第2パッド部との高さを容易に調節することができる。従って、別途のキャッピング層(capping layer)を追加しないとしても、信頼性を確保することができるセンサの製造が可能である。
【0115】
図16は、一実施形態によるタッチ・指紋複合センサを適用した電子装置について説明するための分解斜視図である。
【0116】
図16を参照すれば、ディスプレイパネル1000が具備され、ディスプレイパネル1000上に、タッチ・指紋複合センサ2000が配置されてもよい。ディスプレイパネル1000は、例えば、LCD(liquid crystal display)パネルでもあるが、それに限定されるものではなく、多様に変化されもする。OLED(organic light emitting diode)パネルなど多様なディスプレイ素子が、パネル1000にも適用される。
【0117】
タッチ・指紋複合センサ2000は、指紋認識領域R1を含んでもよい。タッチ・指紋複合センサ2000から延長された連結部材(connector)2100が具備されてもよい。連結部材2100は、複数の配線を含んでもよい。連結部材2100は、所定回路部(図示せず)にも連結される。前記回路部は、検出回路、及び前述の補正回路などを含んでもよい。タッチ・指紋複合センサ2000は、複数の第1電極、及びそれらと交差する複数の第2電極を含んでもよい。前記複数の第1電極と、複数の第2電極との間に、相互静電容量が形成されてもよい。前記複数の第1電極と、複数の第2電極との間には、絶縁層が具備されてもよい。該絶縁層は、透明でもある。タッチ・指紋複合センサ2000は、所定サブ基板上にも形成される。
【0118】
タッチ・指紋複合センサ2000上には、それを覆う透明膜3000が具備されてもよい。透明膜3000は、ガラス膜のような透明な絶縁物質によっても形成される。
【0119】
多様な実施形態によるタッチ・指紋複合センサは、既存のタッチディスプレイを含む電子装置にいずれも適用することができる。前記タッチ・指紋複合センサは、オンスクリーン静電容量方式の素子として、指紋認識が可能なタッチスクリーン装置(fingerprint recognizable touch screen apparatus)にも適用される。例えば、前記タッチ・指紋複合センサは、スマートフォン、タブレットPC、スマートウォッチ(smart watch)などのモバイル機器、及びウェアラブル(wearable)機器にも適用される。また、多様なフレキシブル機器及びフォールダブル機器にも適用される。また、家電製品、現金自動支払機(ATM)、自動発券機、ナビゲーションなど多様な電子機器にも適用される。指紋認識を介した個人認証機能が要求されるモバイル機器、出入り統制機、金融機器などに多様な方式にも適用される。
【0120】
前述の説明により、多くの事項が具体的に記載されているが、それらは、発明の範囲を限定するとするより、具体的な実施形態の例示として解釈されなければならない。例えば、本発明が属する技術分野において当業者であるならば、図1ないし図16を参照して説明したタッチ・指紋複合センサ、タッチ・指紋複合センサを含んだ電子装置、タッチ・指紋複合センサの製造方法及び動作方法は、多様に変形されるということを理解することができるであろう。例えば、別途の段差調節層なしにも、電極間距離(間隔)や電極間キャパシタンスを選択的に調節することができ、段差調節層を使用する場合、段差調節層の形態、パターン、位置、サイズ、厚みなどは、領域によって多様に変形されるということを理解することができるであろう。また、指紋認識領域ではないタッチ領域内においても、段差調節層のパターン、サイズなどを調節し、前記タッチ領域内の互いに異なる複数の領域において、電極間距離や電極間キャパシタンスを互いに異なるように調節することができるということを理解することができるであろう。それ以外にも多様な変形が可能である。従って、本発明の範囲は、説明された実施形態によって決められるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的思想によって決められるものである。
【産業上の利用可能性】
【0121】
本発明の、タッチ・指紋複合センサ、及びそれを含む電子装置は、例えば、個人認証関連の技術分野に効果的に適用可能である。
【符号の説明】
【0122】
5 段差調節層のパターン層
10,11 基板
50,51 段差調節層
100,101,103 第1電極
150,151 絶縁層
200,201,203 第2電極
201a 第1パターン部
201b 第2パターン部
250,251 保護層
1000 ディスプレイパネル
2000 タッチ・指紋複合センサ
2100 連結部材
3000 透明膜
R10,R11,R12 指紋認識領域
R20,R21,R22 タッチ領域
P10 タッチパネル
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16