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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】光学デバイス
(51)【国際特許分類】
   G02B 26/08 20060101AFI20240502BHJP
   B81B 3/00 20060101ALI20240502BHJP
【FI】
G02B26/08 E
B81B3/00
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019178842
(22)【出願日】2019-09-30
(65)【公開番号】P2021056368
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000236436
【氏名又は名称】浜松ホトニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140442
【弁理士】
【氏名又は名称】柴山 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100206966
【弁理士】
【氏名又は名称】崎山 翔一
(72)【発明者】
【氏名】岩科 進也
(72)【発明者】
【氏名】中村 重幸
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 直人
(72)【発明者】
【氏名】森永 勇樹
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 大幾
【審査官】小濱 健太
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/107312(WO,A1)
【文献】特開2004-069731(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 26/00-26/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミラー面が設けられた可動部と、前記可動部に接続された弾性連結部と、前記弾性連結部を介して前記可動部を支持する支持部と、前記可動部に動力を発生させる動力発生部と、を有するミラー駆動部と、
前記動力発生部を動作させる駆動信号を出力する駆動制御部と、
前記弾性連結部を加熱する加熱部と、
前記加熱部を制御する加熱制御部と、を備え、
前記可動部は、前記弾性連結部が加熱される前の状態において、前記駆動制御部が出力する前記駆動信号の周波数よりも高い共振周波数を有し、前記動力発生部の動力に応じた前記弾性連結部の弾性変形によって揺動し、
前記加熱制御部は、前記可動部の揺動状態を示す信号を取得し、当該信号の位相に基づいて前記加熱部による前記弾性連結部の加熱をフィードバック制御する、光学デバイス。
【請求項2】
前記可動部は、前記ミラー面が設けられた第1可動部と、前記第1可動部を囲む第2可動部とを含み、
前記弾性連結部は、前記第1可動部と前記第2可動部とを弾性的に連結する第1連結部と、前記第2可動部と前記支持部とを弾性的に連結する第2連結部と、を含む、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項3】
前記加熱部は、第1連結部を加熱する、請求項2に記載の光学デバイス。
【請求項4】
前記加熱制御部は、前記加熱部によって、第一の仕事率で前記弾性連結部を加熱した後に、第一の仕事率よりも小さい第二の仕事率で前記弾性連結部を加熱する、請求項1~3のいずれか一項に記載の光学デバイス。
【請求項5】
前記加熱部は、第一の熱量を前記弾性連結部に与える第1加熱部と、前記第一の熱量よりも小さい第二の熱量を前記弾性連結部に与える第2加熱部とを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の光学デバイス。
【請求項6】
前記第1加熱部は、前記支持部に設けられ、
前記第2加熱部は、前記弾性連結部及び前記可動部の少なくとも1つに設けられている、請求項5に記載の光学デバイス。
【請求項7】
前記加熱部は、前記弾性連結部を加熱するレーザ照射部を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の光学デバイス。
【請求項8】
前記加熱部は、前記弾性連結部を加熱する電熱線を含み、
前記電熱線は、前記ミラー面の重心を対称点として点対称となるように、前記弾性連結部、及び前記可動部の少なくとも1つに設けられている、請求項1~7のいずれか一項に記載の光学デバイス。
【請求項9】
前記電熱線は、前記ミラー面を囲むように前記可動部に設けられている、請求項8に記載の光学デバイス。
【請求項10】
前記加熱制御部は、前記駆動制御部から出力された前記駆動信号の位相と前記可動部の揺動状態を示す信号の位相との位相差が小さくなるように、前記加熱部による前記弾性連結部の加熱を制御する、請求項1~9のいずれか一項に記載の光学デバイス。
【請求項11】
各々が前記ミラー駆動部と前記加熱部とを含む複数のミラーユニットを備え、
前記加熱制御部は、前記複数のミラーユニットの各々における前記弾性連結部の加熱を制御する、請求項1~10のいずれか一項に記載の光学デバイス。
【請求項12】
当該光学デバイスが備える全ての前記ミラーユニットの各々における前記可動部は、当該可動部に接続された前記弾性連結部を加熱する前の状態において、前記駆動制御部が出力する前記駆動信号の周波数よりも高い共振周波数を有し、
前記加熱制御部は、前記全てのミラーユニットにおける前記弾性連結部を前記加熱部によって加熱する、請求項11に記載の光学デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
ミラー面が設けられた可動部を備えると共に、当該可動部を揺動させる光学デバイスが知られている(たとえば、特許文献1)。特許文献1には、可動部が共振周波数で揺動するように、駆動信号によって可動部の揺動を制御することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-36782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
製造ばらつきによる個体差及び環境温度などによって、可動部の共振周波数が意図していたものと異なる場合がある。可動部を駆動する駆動信号の周波数が共振周波数に合っていない場合には、可動部において所望の振れ角が得られないこと、及び、上記可動部の動作が不安定となることが懸念される。共振周波数に合うように駆動信号の周波数を制御すれば、ミラーにおいて良好な振幅が得られる。しかし、この構成では、所望の周波数でミラーを動かすことは困難である。
【0005】
本発明の一つの態様は、所望の周波数かつ所望の振れ角で安定した可動部の揺動を実現できる光学デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの態様に係る光学デバイスは、ミラー駆動部と、駆動制御部と、加熱部と、加熱制御部と、を備える。ミラー駆動部は、可動部と、弾性連結部と、支持部と、動力発生部とを有する。可動部には、ミラー面が設けられている。弾性連結部は、可動部に接続されている。支持部は、弾性連結部を介して可動部を支持する。動力発生部は、可動部に動力を発生させる。駆動制御部は、動力発生部を動作させる駆動信号を出力する。加熱部は、弾性連結部を加熱する。加熱制御部は、加熱部を制御する。可動部は、弾性連結部が加熱される前の状態において、駆動制御部が出力する駆動信号の周波数よりも高い共振周波数を有する。可動部は、動力発生部の動力に応じた弾性連結部の弾性変形によって揺動する。加熱制御部は、可動部の揺動状態を示す信号を取得し、当該信号の位相に基づいて加熱部による弾性連結部の加熱をフィードバック制御する。
【0007】
上記一つの態様では、光学デバイスは、弾性連結部を加熱する加熱部を備える。加熱部によって弾性連結部が加熱されると、弾性連結部の弾性率は変化する。この結果、可動部の共振周波数も変化する。このため、上記光学デバイスは、可動部の共振周波数を容易に変化させることができる。この結果、当該光学デバイスは、所望の周波数かつ所望の振れ角で安定して可動部を揺動できる。このような構成では、弾性連結部において精密かつ迅速な温度調整が求められる。しかし、たとえば、温度センサによって検出された温度に基づいてフィードバック制御を行う場合には、共振周波数の変化に最も寄与する弾性連結部の温度の検出にタイムラグが生じる。支持部に温度センサが設けられた場合には弾性連結部から支持部に伝達した熱を検出するため、フィードバック制御において温度の伝達速度に応じたタイムラグが生じる。上記加熱制御部は、可動部の揺動状態を示す信号の位相に基づいて加熱部による弾性連結部の加熱をフィードバック制御する。このため、当該光学デバイスは、少なくとも、温度センサによって検出された温度に基づいてフィードバック制御する場合よりも精密かつ迅速な温度調整が実現される。したがって、可動部における共振周波数の変更の精度も向上されている。弾性連結部が加熱される前の状態において、可動部は、駆動制御部が出力する駆動信号の周波数よりも高い共振周波数を有している。この場合、光学デバイスは、加熱制御部による加熱制御のみによって、可動部の共振周波数を駆動信号の周波数に合わせることができる。上記光学デバイスは、少なくとも冷却素子を用いる場合に比べて光学デバイスのコンパクト化が図られる。
【0008】
上記一つの態様では、可動部は、第1可動部と第2可動部とを含んでもよい。第1可動部には、ミラー面が設けられていてもよい。第2可動部は、第1可動部を囲んでもよい。弾性連結部は、第1連結部と第2連結部とを含んでいてもよい。第1連結部は、第1可動部と第2可動部とを弾性的に連結してもよい。第2連結部は、第2可動部と支持部とを弾性的に連結してもよい。
【0009】
加熱部は、第1連結部を加熱してもよい。
【0010】
上記一つの態様では、弾性連結部が加熱される前の状態において、可動部は、駆動制御部が出力する駆動信号の周波数よりも高い共振周波数を有してもよい。この場合、光学デバイスは、加熱制御部による加熱制御のみによって、可動部の共振周波数を駆動信号の周波数に合わせることができる。上記光学デバイスは、少なくとも冷却素子を用いる場合に比べて光学デバイスのコンパクト化が図られている。
【0011】
上記一つの態様では、加熱制御部は、加熱部によって、第一の仕事率で弾性連結部を加熱した後に、第一の仕事率よりも小さい第二の仕事率で弾性連結部を加熱してもよい。この場合、加熱制御部は、可動部の共振周波数を大まかに調整した後に、可動部の共振周波数を細かく調整することができる。この結果、光学デバイスは、可動部の共振周波数をより精密かつ迅速に調整できる。
【0012】
上記一つの態様では、加熱部は、第1加熱部と第2加熱部とを含んでもよい。第1加熱部は、第一の熱量を弾性連結部に与えてもよい。第2加熱部は、第一の熱量よりも小さい第二の熱量を弾性連結部に与えてもよい。この場合、加熱制御部は、第1加熱部によって可動部の共振周波数を大まかに調整し、第2加熱部によって可動部の共振周波数を細かく調整することができる。このため、光学デバイスは、可動部の共振周波数をより精密かつ迅速に調整できる。
【0013】
上記一つの態様では、第1加熱部は、支持部に設けられてもよい。第2加熱部は、第1連結部、及び可動部の少なくとも1つに設けられてもよい。この場合、光学デバイスは、コンパクトな構成で、可動部の共振周波数をより精密かつ迅速に調整できる。
【0014】
上記一つの態様では、加熱部は、弾性連結部を加熱するレーザ照射部を含んでもよい。この場合、加熱部は、弾性連結部をより迅速に加熱することができる。この結果、光学デバイスは、可動部の共振周波数をより精密かつ迅速に変化させることができる。
【0015】
上記一つの態様では、加熱部は、弾性連結部を加熱する電熱線を含んでもよい。電熱線は、ミラー面の重心を対称点として点対称となるように、弾性連結部、及び可動部の少なくとも1つに設けられていてもよい。この場合、加熱部は、コンパクトな構成で精密に弾性連結部を加熱することができる。電熱線に発生するローレンツ力が打ち消し合うため、可動部の揺動の乱れが抑制される。
【0016】
上記一つの態様では、電熱線は、ミラー面を囲むように可動部に設けられていてもよい。この場合、弾性連結部がより迅速かつ精密に加熱される。電熱線に発生するローレンツ力が打ち消し合うため、可動部の揺動の乱れが抑制される。
【0017】
上記一つの態様では、加熱制御部は、駆動制御部から出力された駆動信号の位相と可動部の揺動状態を示す信号の位相との位相差が小さくなるように、加熱部による弾性連結部の加熱を制御してもよい。この場合、駆動信号の位相と可動部の揺動状態を示す信号の位相とを比較する場合、駆動信号の周波数と可動部の揺動状態を示す信号の周波数とを比較する場合よりも精密に、弾性連結部の加熱が制御され得る。したがって、光学デバイスは、所望の周波数で所望の振れ角をより正確に得ることができる。
【0018】
上記一つの態様では、複数のミラーユニットを備えてもよい。各ミラーユニットは、ミラー駆動部と加熱部とを含んでもよい。加熱制御部は、複数のミラーユニットの各々における弾性連結部の加熱を制御してもよい。この場合、光学デバイスは、各可動部の共振周波数を変化させることができる。このため、光学デバイスは、所望の周波数かつ所望の振れ角で各可動部を揺動することができる。
【0019】
上記一つの態様では、当該光学デバイスが備える全てのミラーユニットの各々における可動部は、当該可動部に接続された弾性連結部を加熱する前の状態において、駆動制御部が出力する駆動信号の周波数よりも高い共振周波数を有してもよい。加熱制御部は、全てのミラーユニットにおける弾性連結部を加熱部によって加熱してもよい。冷却素子は比較的大型であるため、冷却素子を用いる場合に比べて光学デバイスのコンパクト化が図られる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の一つの態様は、所望の周波数かつ所望の振れ角で安定した可動部の揺動を実現できる光学デバイスを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本実施形態に係る光学デバイスのブロック図である。
図2】ミラーユニットの概略平面図である。
図3】本実施形態の変形例に係るミラーユニットの概略平面図である。
図4】本実施形態の変形例に係るミラーユニットの概略平面図である。
図5】光学デバイスにおける制御方法を示すフローチャートである。
図6】可動部の位相安定処理を示すフローチャートである。
図7】各ミラーユニットにおける可動部の共振周波数と駆動信号の周波数との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有している要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0023】
まず、図1を参照して、本実施形態に係る光学デバイスの概要を説明する。図1は、光学デバイスのブロック図である。光学デバイス1は、ミラー面を含んでおり、当該ミラー面を揺動する。光学デバイス1は、たとえば光通信用光スイッチ、光スキャナなどに用いられる。光学デバイス1は、少なくとも1つのミラーユニット2と、駆動制御部3と、加熱制御部4とを備えている。本実施形態では、光学デバイス1は、複数のミラーユニット2を備えている。
【0024】
各ミラーユニット2は、ミラー駆動部11と、加熱部15とを有している。ミラー駆動部11は、たとえば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイスとして構成されている。ミラー駆動部11は、パターニング及びエッチングなどのMEMS技術を用いて製造される。加熱部15は、ミラー駆動部11を加熱する。駆動制御部3は、駆動信号を出力し、当該駆動信号によってミラー駆動部11の駆動を制御する。加熱制御部4は、加熱部15を制御する。
【0025】
次に、図2を参照して、ミラー駆動部11の構成について詳細に説明する。図2は、ミラーユニットの概略平面図である。
【0026】
ミラー駆動部11は、図2に示されているように、磁界発生部21と、支持部22と、可動部23と、弾性連結部24とを有する。支持部22、可動部23、及び弾性連結部24は、たとえばSOI(Silicon on Insulator)基板によって一体的に形成されている。支持部22、可動部23、及び弾性連結部24は、たとえば、シリコンによって構成されている。支持部22、可動部23、及び弾性連結部24の少なくとも1つは、金属によって構成されていてもよい。
【0027】
磁界発生部21は、たとえば、平面視においてX軸、及び、X軸に直交するY軸のそれぞれに対して45度傾斜した向きDの磁界を発生させる。磁界発生部21が発生させる磁界の向きDは、平面視においてX軸及びY軸に対して45度以外の角度で傾斜していてもよい。本実施形態では、磁界発生部21は、ハルバッハ配列によって配置された複数の永久磁石を有している。
【0028】
支持部22は、たとえば、平面視において四角形状の外形を有し、枠状に形成されている。本実施形態では、支持部22は、磁界発生部21の永久磁石から離間し、X軸及びY軸に直交する方向において当該永久磁石と並んで配置されている。
【0029】
可動部23は、磁界発生部21から離間した状態で、X軸及びY軸に直交する方向から見て、支持部22によって形成される枠内に配置されている。可動部23は、第1可動部31と、第2可動部32とを含んでいる。第1可動部31には、ミラー面31aが設けられている。ミラー駆動部11では、Y軸周りに第2可動部32が揺動され、X軸周り及びY軸周りに第1可動部31が揺動される。第2可動部32は、枠状に形成されており、第1可動部31を囲むように配置されている。第2可動部32は、支持部22に支持されている。
【0030】
図2に示されているように、第1可動部31は、本体部36と、環状部37と、一対の保持部38とを有している。本実施形態では、本体部36は、平面視において円形状を呈している。本体部36は、楕円形状、四角形状、菱形状などの任意の形状に形成されてもよい。本体部36には、X軸及びY軸に直交する方向において磁界発生部21の永久磁石と反対側に、ミラー面31aが設けられている。ミラー面31aは、たとえば、金属膜によって形成される。金属膜は、たとえばアルミニウム、アルミニウム系合金、金、又は銀である。平面視において、本体部36の重心Pは、X軸及びY軸の交点と一致している。平面視において、ミラー面31aの重心Pは、X軸及びY軸の交点と一致している。
【0031】
環状部37は、平面視において本体部36を囲むように環状に形成されている。環状部37は、平面視において八角形状の外形を有している。環状部37は、円形状、楕円形状、四角形状、菱形状などの任意の外形を有していてもよい。一対の保持部38は、Y軸に沿って本体部36の両側に配置され、本体部36と環状部37とを互いに連結している。このように、複数の保持部38を介して環状部37に接続された本体部36にミラー面31aが設けられているため、第1可動部31が共振周波数レベルでX軸周りに揺動しても、ミラー面31aに撓みなどの変形が抑制される。
【0032】
弾性連結部24は、一対の第1連結部41,42と、一対の第2連結部43,44とを含んでいる。第1連結部41,42及び第2連結部43,44は、たとえばトーションバーである。一対の第1連結部41,42は、第1可動部31と第2可動部32とを弾性的に連結する。換言すれば、第1連結部41,42は、ミラー面31aが設けられた第1可動部31に接続された弾性連結部である。一対の第2連結部43,44は、支持部22と第2可動部32とを弾性的に連結する。換言すれば、支持部22は、第1連結部41,42、第2可動部32、及び第2連結部43,44を介して、第1可動部31を支持している。
【0033】
第1連結部41,42は、X軸を通るように第1可動部31の両側に配置されている。第1可動部31は、一対の第1連結部41,42に挟まれている。一対の第1連結部41,42は、第1可動部31の環状部37と第2可動部32とを互いに連結している。このため、第1可動部31は、一対の第1連結部41,42の弾性によって、X軸周りに揺動可能である。
【0034】
各第1連結部41,42は、X軸に沿って直線状に延在している。本実施形態では、各第1連結部41,42における第1可動部31側の端部の幅は、第1可動部31に近づくほど広がっている。各第1連結部41,42における第2可動部32側の端部の幅は、第2可動部32に近づくほど広がっている。このため、第1連結部41,42に作用するねじり応力の影響が緩和され、第1連結部41,42の劣化が抑制される。
【0035】
第2連結部43,44は、Y軸を通るように第2可動部32の両側に配置されている。第2可動部32は、一対の第2連結部43,44に挟まれている。一対の第2連結部43,44は、第2可動部32と支持部22とを互いに連結している。
【0036】
各第2連結部43,44は、平面視において蛇行して延在している。各第2連結部43,44は、複数の直線状部45と、複数の折り返し部46と、を有している。直線状部45は、Y軸に平行な方向に延在し、X軸に平行な方向に並んで配置されている。折り返し部46は、隣り合う直線状部45の両端を交互に連結している。
【0037】
ミラー駆動部11は、動力発生部50を更に備える。動力発生部50は、第1可動部31及び第2可動部32に動力を発生させる。第1可動部31は、動力発生部50による動力に応じた第1連結部41,42の弾性変形によって揺動する。第2可動部32は、第1可動部31は、動力発生部50による動力に応じた第2連結部43,44の弾性変形によって揺動する。
【0038】
動力発生部50は、一対の駆動用コイル51,52と、複数の配線61,62,63,64と、複数の電極パッド66,67,68,69とを有する。駆動用コイル51,52は、第1可動部31を囲むように第2可動部32に設けられている。各駆動用コイル51,52は、平面視において渦巻き状を呈している。各駆動用コイル51,52は、第1可動部31の周りに複数回巻かれている。一対の駆動用コイル51,52は、平面視において第2可動部32の幅方向に互い違いに並ぶように、配置されている。図2では、駆動用コイル51,52が配置されている領域Rがハッチングで示されている。
【0039】
各駆動用コイル51,52は、ダマシン法により形成されている。各駆動用コイル51,52は、第2可動部32に埋め込まれている。各駆動用コイル51,52は、絶縁層55に覆われている。各駆動用コイル51,52は、第2可動部32に埋め込まれている。絶縁層55は、例えば酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素などによって構成されている。当該絶縁層は、支持部22、第1可動部31、第2可動部32、第1連結部41,42、及び第2連結部43,44の表面を覆うように一体的に形成されている。
【0040】
各駆動用コイル51,52は、第2可動部32を構成する材料よりも密度が高い金属材料によって構成されている。本実施形態では、第2可動部32はシリコンによって構成されており、各駆動用コイル51,52は銅によって構成されている。各駆動用コイル51,52は、金によって構成されてもよい。
【0041】
各電極パッド66,67,68,69は、支持部22に設けられ、上記絶縁層55から外部に露出している。各電極パッド66,67,68,69は、駆動制御部3に接続されている。配線61は、駆動用コイル51の一端と電極パッド66とに電気的に接続されている。配線61は、駆動用コイル51の一端から第2連結部43を介して電極パッド66まで延在している。配線62は、駆動用コイル51の他端と電極パッド67とに電気的に接続されている。配線62は、駆動用コイル51の他端から第2連結部44を介して電極パッド67まで延在している。各配線61,62は、たとえば駆動用コイル51,52と同様に、ダマシン法により形成されている。各配線61,62は、絶縁層55に覆われている。
【0042】
配線63は、駆動用コイル52の一端と電極パッド68とに電気的に接続されている。配線63は、駆動用コイル52の一端から第2連結部43を介して電極パッド68まで延在している。配線64は、駆動用コイル52の他端と電極パッド69とに電気的に接続されている。配線64は、駆動用コイル52の他端から第2連結部44を介して電極パッド69まで延在している。各配線63,64は、たとえば駆動用コイル51,52と同様に、ダマシン法により形成されている。各配線63,64は、絶縁層55に覆われている。
【0043】
駆動制御部3は、動力発生部50を動作させる駆動信号を出力する。駆動制御部3は、以上のように構成されたミラー駆動部11の動力発生部50に駆動信号を入力する。電極パッド66,67及び配線61,62を介して、駆動制御部3から駆動用コイル51にリニア動作用の駆動信号が入力されると、磁界発生部21によって発生する磁界との相互作用によって駆動用コイル51にローレンツ力が作用する。当該ローレンツ力と第2連結部43,44の弾性力とに応じて、ミラー面31aを有する第1可動部31と共に第2可動部32がY軸周りにリニア動作する。
【0044】
電極パッド68,69及び配線63,64を介して、駆動制御部3から駆動用コイル52に共振動作用の駆動信号が入力されると、磁界発生部21によって発生する磁界との相互作用によって駆動用コイル52にローレンツ力が作用する。当該ローレンツ力に応じた第1可動部31の共振によって、X軸周りにミラー面31aを有する第1可動部31が共振動作する。具体的には、駆動制御部3からの駆動信号が駆動用コイル52に入力されると、第2可動部32がX軸周りに当該駆動信号の周波数で僅かに振動する。この振動が第1連結部41,42を介して第1可動部31に伝わり、第1可動部31がX軸周りに揺動する。X軸周りにおける第1可動部31の共振周波数と上記駆動信号の周波数が一致していれば、第1可動部31はX軸周りに当該周波数で安定して揺動する。本実施形態では、光学デバイス1が備える全てのミラーユニット2の各々における第1可動部31は、当該第1可動部31に接続された第1連結部41,42が加熱される前の状態において、駆動制御部3が出力する駆動信号の周波数よりも高い共振周波数を有する。
【0045】
次に、図2を参照して、加熱部15の構成について詳細に説明する。光学デバイス1では、複数の加熱部15が各ミラーユニット2に設けられている。加熱制御部4は、第1可動部31の揺動状態を示す信号を取得し、当該信号の位相に基づいて加熱部15による第1連結部41,42の加熱をフィードバック制御する。本実施形態では、揺動状態を示す信号とは、支持部22に対する第1可動部31の相対位置を示す信号である。換言すれば、揺動状態を示す信号とは、第1可動部31の振れ角の位相を示す信号である。加熱制御部4は、複数のミラーユニット2の各々における第1連結部41,42の加熱を制御する。本実施形態では、加熱制御部4は、全てのミラーユニット2における第1連結部41,42を加熱部15によって加熱する。
【0046】
加熱制御部4は、加熱部15によって、第1連結部41,42を急速に加熱した後に、第1連結部41,42を緩やかに加熱することで、第1連結部41,42の温度を細かく調整する。換言すれば、加熱制御部4は、加熱部によって、第一の仕事率で第1連結部41,42を加熱した後に、第一の仕事率よりも小さい第二の仕事率で第1連結部41,42を加熱する。
【0047】
本実施形態では、各加熱部15は、第1加熱部71と、第2加熱部72とを含む。第1加熱部71及び第2加熱部72は、互いに異なる熱量を第1可動部31に与える。第1加熱部71及び第2加熱部72は、たとえば、レーザの照射又は電熱線の発熱によって第1可動部31を加熱する。
【0048】
第1加熱部71は、加熱制御部4から信号に応じて、第一の熱量を第1連結部41,42に与える。第2加熱部72は、加熱制御部4からの信号に応じて、第一の熱量よりも小さい第二の熱量を第1連結部41,42に与える。加熱制御部4は、第1加熱部71によって第1連結部41,42を大きく加熱した後に、第2加熱部72によって第1連結部41,42を小さく加熱することで、第1連結部41,42の温度を調整する。
【0049】
本実施形態では、図2に示されているように、ミラーユニット2は、電熱線部73と、レーザ照射部74とを有している。これらの電熱線部73とレーザ照射部74とが、第1連結部41,42を加熱する加熱部15として機能する。換言すれば、加熱部15は、電熱線部73とレーザ照射部74とを含む。
【0050】
電熱線部73は、印加される電圧に応じた熱を発する。電熱線部73に印加される電圧は、加熱制御部4によって制御される。電熱線部73は、電熱線73aを含む。ミラー駆動部11は、配線76,77と、電極パッド78,79と、を更に備えている。電熱線73aは、第2可動部32を囲むように支持部22に設けられている。電熱線73aは、平面視において渦巻き状を呈している。
【0051】
電熱線73aは、金属又は半導体によって構成されている。たとえば、電熱線73aは、銅、又はアルミニウム合金によって構成される。電熱線73aは、拡散層によって構成されてもよい。
【0052】
各電極パッド78,79は、支持部22に設けられ、上述した絶縁層55から外部に露出している。配線76は、電熱線73aの一端と電極パッド78とに電気的に接続されている。配線77は、電熱線73aの他端と電極パッド79とに電気的に接続されている。電極パッド78,79は、加熱制御部4と電気的に接続されている。電極パッド78,79に電圧が印加されると、電熱線73aが発熱し、可動部23が全体的に加熱される。これにより、第1連結部41,42が加熱される。電熱線73aは、第1加熱部71に含まれる。
【0053】
レーザ照射部74は、第1可動部31と一対の第1連結部41,42との少なくとも一方にレーザを照射する。レーザ照射部74は、加熱制御部4と電気的に接続されている。レーザ照射部74から照射されるレーザの強度は、加熱制御部4によって制御される。本実施形態では、レーザ照射部74は、第1可動部31にレーザを照射する。これによって、第1可動部31が加熱され、加熱された第1可動部31から一対の第1連結部41,42に熱が伝達されることにより、第1連結部41,42が加熱される。第1可動部31のミラー面31aにレーザが照射された場合も、上記熱の伝達によって、第1連結部41,42が加熱される。本実施形態では、レーザ照射部74は、第2加熱部72に含まれる。
【0054】
次に、図3及び図4を参照して、本実施形態の変形例に係る光学デバイスのミラーユニットについて説明する。図3は、本実施形態の変形例に係るミラーユニットの概略平面図である。本変形例は、概ね、上述した実施形態と類似又は同じである。本変形例は、加熱部15がレーザ照射部74を含まない点、及び、電熱線部73が電熱線73b,73cを含む点に関して、上述した実施形態と相違する。以下、上述した実施形態と変形例との相違点を主として説明する。なお、図3は、一対の駆動用コイル51,52、及び、複数の配線61,62,63,64を省略して図示している。
【0055】
本変形例のミラーユニット2Aでは、電熱線部73は、図3に示されているように、電熱線73aに加えて電熱線73b,73cを含む。ミラー駆動部11は、配線81,82,83,84と、電極パッド86,87,88,89とを更に備えている。電熱線73b,73cは、第2可動部32に設けられている。電熱線73b,73cは、第2加熱部72に含まれる。電熱線73b,73cは、ミラー面31aの重心を対称点として点対称となるように設けられている。
【0056】
電熱線73bは、第2連結部43と第2可動部32との接続部分から第2可動部32と第1連結部41との接続部分に向かって延在している。電熱線73bは、第2可動部32と第1連結部41との接続部分において蛇行した後に、第2連結部43と第2可動部32との接続部分に向かって延在している。電熱線73bは、第2可動部32と第1連結部41との接続部分において、複数の直線状部85aと、複数の折り返し部85bと、を有している。直線状部75bは、Y軸に平行な方向に延在し、X軸に平行な方向に並んで配置されている。折り返し部85bは、隣り合う直線状部85aの両端を交互に連結している。
【0057】
電熱線73cは、第2連結部44と第2可動部32との接続部分から第2可動部32と第1連結部42との接続部分に向かって延在している。電熱線73cは、第2可動部32と第1連結部42との接続部分において蛇行した後に、第2連結部44と第2可動部32との接続部分に向かって延在している。電熱線73cは、第2可動部32と第1連結部42との接続部分において、複数の直線状部85cと、複数の折り返し部85dと、を有している。直線状部85cは、Y軸に平行な方向に延在し、X軸に平行な方向に並んで配置されている。折り返し部85dは、隣り合う直線状部85cの両端を交互に連結している。
【0058】
本変形例では、電熱線73b,73bは、スパッタリング及びフォトリソグラフィによって形成される。電熱線73b,73cは、絶縁層55から露出していてもよい。電熱線73b,73cは、たとえば駆動用コイル51,52と同様に、ダマシン法により形成されていてもよい。この場合、電熱線73b,73cは、各駆動用コイル51,52と異なる層において、第2可動部32に埋め込まれる。この場合、電熱線73b,73cは、絶縁層55に覆われる。
【0059】
電熱線73b,73cは、金属又は半導体によって構成されている。たとえば、電熱線73b,73cは、銅、又はアルミニウム合金によって構成される。電熱線73b,73cは、拡散層によって構成されてもよい。
【0060】
配線81は、電熱線73bの一端と電極パッド86とに電気的に接続されている。配線81は、電熱線73bの一端から第2連結部43を介して電極パッド86まで延在している。配線82は、電熱線73bの他端と電極パッド87とに電気的に接続されている。配線82は、電熱線73bの他端から第2連結部43を介して電極パッド87まで延在している。各配線81,82は、たとえば駆動用コイル51,52と同様に、ダマシン法により形成されており、絶縁層55に覆われている。
【0061】
配線83は、電熱線73cの一端と電極パッド88とに電気的に接続されている。配線83は、電熱線73cの一端から第2連結部44を介して電極パッド88まで延在している。配線84は、電熱線73cの他端と電極パッド89とに電気的に接続されている。配線84は、電熱線73cの他端から第2連結部44を介して電極パッド89まで延在している。各配線83,84は、たとえば駆動用コイル51,52と同様に、ダマシン法により形成されている。各配線83,84は、絶縁層55に覆われている。
【0062】
電極パッド86,87,88,89は、加熱制御部4と電気的に接続されている。加熱制御部4によって電極パッド86,87に電圧が印加されると、電熱線73bが発熱し、第2可動部32が加熱される。特に、第2可動部32と第1連結部41との接続部分が加熱される。加熱された部分から第1連結部41に熱が伝達されることにより、第1連結部41が加熱される。加熱制御部4によって電極パッド88,89に電圧が印加されると、電熱線73cが発熱し、第2可動部32が加熱される。特に、第2可動部32と第1連結部42との接続部分が加熱される。加熱された部分から第1連結部42に熱が伝達されることにより、第1連結部42が加熱される。電熱線73b,73cは、第2加熱部72に含まれる。
【0063】
次に、図4を参照して、本実施形態の変形例に係る光学デバイスのミラーユニットについて説明する。図4は、本実施形態の変形例に係るミラーユニットの概略平面図である。本変形例は、概ね、上述した実施形態と類似又は同じである。本変形例は、加熱部15がレーザ照射部74を含まない点、及び、電熱線部73が電熱線73d,73e,73fを含む点に関して、上述した実施形態と相違する。以下、上述した実施形態と変形例との相違点を主として説明する。なお、図4では、一対の駆動用コイル51,52、及び、複数の配線61,62,63,64が省略されている。
【0064】
本変形例のミラーユニット2Bでは、電熱線部73は、図4に示されているように、電熱線73aに加えて電熱線73d,73e,73fを含む。ミラー駆動部11は、配線91,92と、電極パッド96,97とを更に備えている。電熱線73d,73e,73fは、第2可動部32に設けられている。電熱線73d,73fは、一点鎖線で示されている。電熱線73eは、破線で示されている。電熱線73d,73e,73fは、第2加熱部72に含まれる。電熱線73d,73e,73fは、ミラー面31aの重心を対称点として点対称となるように設けられている。
【0065】
電熱線73dは、第2連結部43と第2可動部32との接続部分から第2可動部32と第1連結部41との接続部分まで延在している。電熱線73eは、第2可動部32と第1連結部41との接続部分において電熱線73dに接続されている。電熱線73eは、第1可動部31の環状部37に設けられている。電熱線73eは、第2可動部32と第1連結部41との接続部分から第1可動部31と第1連結部41との接続部分まで第1連結部41に沿って延在している。電熱線73eは、第1可動部31と第1連結部41との接続部分において2つに分かれ、第1可動部31の縁に沿ってミラー面31aを囲むように延在している。2つに分かれた電熱線73eは、第1可動部31と第1連結部42との接続部分において互いに接続されている。電熱線73eは、第1可動部31と第1連結部42との接続部分から第2可動部32と第1連結部42との接続部分まで第1連結部42に沿って延在している。電熱線73eは、第2可動部32と第1連結部42との接続部分において電熱線73fに接続されている。電熱線73fは、第2可動部32と第1連結部42との接続部分から第2連結部44と第2可動部32との接続部分まで延在している。
【0066】
本変形例では、電熱線73d,73e,73fは、たとえば駆動用コイル51,52と同様に、ダマシン法により形成されている。電熱線73d,73e,73fは、第1可動部31、第2可動部32、及び第1連結部41,42に埋め込まれている。電熱線73d,73e,73fは、絶縁層55に覆われている。電熱線73d,73e,73fは、各駆動用コイル51,52と異なる層において、第1可動部31、第2可動部32、及び第1連結部41,42に埋め込まれていてもよい。電熱線73d,73e,73fは、絶縁層55から露出していてもよい。
【0067】
電熱線73d,73e,73fは、金属又は半導体によって構成されている。たとえば、電熱線73d,73e,73fは、銅、又はアルミニウム合金によって構成される。電熱線73d,73e,73fは、拡散層によって構成されてもよい。電熱線73eは、拡散層又はポリシリコンによって構成されることが好ましい。
【0068】
配線91は、電熱線73dの一端と電極パッド96とに電気的に接続されている。配線91は、電熱線73dの一端から第2連結部43を介して電極パッド96まで延在している。配線92は、電熱線73fの一端と電極パッド97とに電気的に接続されている。配線92は、電熱線73fの一端から第2連結部44を介して電極パッド97まで延在している。各配線91,92は、たとえば駆動用コイル51,52と同様に、ダマシン法により形成されている。各配線91,92は、絶縁層55に覆われている。
【0069】
電極パッド96,97は、加熱制御部4と電気的に接続されている。加熱制御部4によって電極パッド96,97に電圧が印加されると、電熱線73d,73e,73fが発熱し、第1可動部31、第2可動部32、及び第1連結部41,42が加熱される。電熱線73d,73e,73fは、第2加熱部72に含まれる。
【0070】
以上のように、図3及び図4に示されている変形例では、第1加熱部71は、支持部22に設けられている。第2加熱部72は、第1連結部41,42、第1可動部31、第2可動部32の少なくとも1つに設けられている。
【0071】
次に、図5を参照して、光学デバイス1における制御方法の一例について説明する。図5は、光学デバイス1の制御方法を示すフローチャートである。
【0072】
光学デバイス1は、加熱制御部4によって第1可動部31の位相安定処理を行う(処理S1)。加熱制御部4は、第1可動部31の揺動状態を示す信号を取得する。本実施形態では、加熱制御部4は、第1可動部31の振れ角の位相を示す信号を取得し、当該信号に基づいて、加熱部15を制御する。加熱制御部4は、駆動制御部3から出力された駆動信号の位相と第1可動部31の揺動状態を示す信号の位相との位相差が小さくなるように、加熱部15による第1連結部41,42の加熱を制御する。本実施形態では、加熱制御部4は、第1加熱部71によって大きな熱量を第1連結部41,42に与えた後に、第2加熱部72によって第1連結部41,42に小さな熱量を与えて微調整する。
【0073】
加熱部15によって第1連結部41,42が加熱されると、第1連結部41,42の弾性率が変化する。第1連結部41,42の弾性率が変化すると、第1可動部31の振れ角の位相が変化する。加熱制御部4は、変化した第1可動部31の振れ角の位相を示す信号を取得し、当該信号に基づいて加熱部15を制御する。すなわち、加熱制御部4は、可動部23の振れ角の位相を示す信号に基づいて、加熱部15をフィードバック制御する。加熱制御部4は、当該フィードバック制御によって、第1可動部31の共振周波数と駆動信号の周波数とが一致するように加熱部15を制御する。第1可動部31の共振周波数と駆動信号の周波数とが一致すると、第1可動部31の振れ角の位相が駆動信号の位相に対して90°進んだ状態となる。
【0074】
本実施形態では、加熱制御部4は、駆動用コイル51,52における逆起電力を示す信号の位相を検出する。加熱制御部4は、逆起電力を示す信号の位相と駆動制御部3から出力される駆動信号の位相との差分に基づいて、加熱部15を制御する。第1可動部31の加熱によって、逆起電力を示す信号の位相は変化する。逆起電力を示す信号の位相は、第1可動部31の共振周波数に対応している。
【0075】
本実施形態の変形例として、光学デバイス1は、可動部23に起電力モニタ用コイルを別途、有していてもよい。この場合、加熱制御部4は、起電力モニタ用コイルにおける起電力を示す信号の位相と駆動制御部3から出力される駆動信号の位相との差分に基づいて、加熱部15を制御する。すなわち、起電力モニタ用コイルに発生する起電力を示す信号は、上述した駆動用コイル51,52における逆起電力を示す信号に対応する。逆圧電を示す信号又は第1可動部31の位置を検出する光センサから信号が、第1可動部31の揺動状態を示す信号として用いられてもよい。
【0076】
光学デバイス1は、位相安定処理が行われると、駆動制御部3によって第1可動部31の振幅制御を行う(処理S2)。駆動制御部3は、第1可動部31の揺動の振幅に基づいて、駆動用コイル51,52に流す電流を制御する。たとえば、駆動制御部3は、上述した逆起電力を示す信号のピークに基づいて駆動用コイル51,52に流す電流を制御する。駆動用コイル51,52における逆起電力を示す信号の代わりに、起電力モニタ用コイルに発生する起電力を示す信号などが用いられてもよい。
【0077】
次に、図6を参照して、第1可動部31の位相安定処理の一例について詳細に説明する。図6は、第1可動部31の位相安定処理を示すフローチャートである。
【0078】
まず、加熱制御部4は、駆動用コイル51,52における逆起電力を示す信号を取得する(処理S11)。続いて、加熱制御部4は、取得された信号に基づいて、逆起電力を示す信号の位相を算出する(処理S12)。
【0079】
次に、加熱制御部4は、逆起電力を示す信号の取得及び当該信号の位相の算出を所定回数繰り返したか否かを判断する(処理S13)。たとえば、加熱制御部4は、逆起電力を示す信号の取得及び当該信号の位相の算出が50回繰り返されたか否かを判断する(処理S13)。加熱制御部4は、50回繰り返されていないと判断した場合(処理S13のNO)には、処理を処理S11に戻す。
【0080】
加熱制御部4は、50回繰り返されたと判断した場合(処理S13のYES)には、処理を処理S14に進める。加熱制御部4は、処理S11及び処理S12の繰り返しによって取得された逆起電力の信号の位相を平均する(処理S14)。本実施形態では、加熱制御部4は、50個の信号の位相を平均する。
【0081】
次に、加熱制御部4は、第1可動部31の振れ角の位相が安定しているか否かを判断する(処理S15)。第1可動部31の共振周波数と駆動信号の周波数とが一致している場合には、第1可動部31の振れ角の位相は安定する。本実施形態では、加熱制御部4は、処理S14によって求められた振れ角の位相の平均と駆動制御部3から出力される駆動信号の位相との差分に基づいて、第1可動部31の振れ角の位相が安定しているか否かを判断する。上記差分が90°であれば、第1可動部31の共振周波数と駆動信号の周波数とが一致している。加熱制御部4は、上記差分が90°から誤差を考慮した範囲内にある場合に、第1可動部31の振れ角の位相が安定していると判断する。たとえば、加熱制御部4は、上記差分が90±0.15°であれば、第1可動部31の振れ角の位相が安定していると判断する。加熱制御部4は、第1可動部31の振れ角の最大値が所定以上の値となる場合に、第1可動部31の振れ角の位相が安定していると判断してもよい。
【0082】
加熱制御部4は、位相が安定していないと判断した場合(処理S15のNO)には、処理を処理S16に進める。加熱制御部4は、位相が安定していると判断した場合(処理S15のYES)には、位相安定処理を終了する。
【0083】
加熱制御部4は、処理S14によって求められた位相の平均に基づいて、加熱部15を制御する(処理S16)。加熱制御部4は、上記位相の平均と駆動制御部3から出力される駆動信号の位相との差分に基づいて、加熱部15を制御する。加熱制御部4は、逆起電力の位相と駆動信号の位相との差分に応じて、第1可動部31の共振周波数と駆動信号の周波数とが一致するように、加熱部15によって第1可動部31を加熱する。
【0084】
加熱制御部4は、上記差分の値に応じて、加熱部15が第1可動部31に与える熱量を決定し、当該熱量が第1連結部41,42に与えられるように加熱部15を制御する。たとえば、加熱制御部4は、上記差分の値に応じて、レーザ照射部74から照射されるレーザの強度を決定する。たとえば、加熱制御部4は、上記差分の値に応じて、電熱線部73に印加する電圧を決定する。加熱制御部4は、第1可動部31の共振周波数と駆動信号の周波数とが一致していないと判断した場合に、予め決められた熱量が第1連結部41,42に与えられるように加熱部15を制御してもよい。
【0085】
加熱制御部4は、処理S16を行った後に、所定時間待機する(処理S17)。加熱制御部4は、所定時間待機した後に、処理を処理S11に戻す。本実施形態では、加熱制御部4は、処理S16を行った後に1秒間待機する。
【0086】
次に、上述した実施形態及び変形例における光学デバイスの作用効果について説明する。
【0087】
図7は、各ミラーユニット2における第1可動部31の共振周波数と駆動信号の周波数との関係を示している。縦軸は振幅を示し、横軸は周波数を示している。太い実線で示されている波形101,102,103,104は、加熱部15によって第1連結部41,42が加熱される前の状態における第1可動部31の揺動における振幅と周波数の関係を示している。波形101,102,103,104は、それぞれ異なる第1可動部31に対応する。したがって、一点鎖線は、波形101に対応する第1可動部31の共振周波数を示している。破線は、駆動信号の周波数を示している。
【0088】
このように、光学デバイス1では、第1可動部31の共振周波数が、駆動制御部3の駆動信号の周波数よりも高い。この状態において、第1連結部41,42が加熱部15によって加熱されると、第1連結部41,42の弾性率が変化する。第1連結部41,42の弾性率が変化すれば、第1可動部31の共振周波数も変化する。
【0089】
第1連結部41,42の弾性率が低下すると、第1可動部31の共振周波数も低下する。このため、たとえば、波形101に対応する第1可動部31に接続された第1連結部41,42が加熱されると、波形101は矢印α方向にシフトする。したがって、第1連結部41,42を加熱することで、第1可動部31の共振周波数と駆動信号の周波数とを一致させることができる。このように、上記光学デバイス1は、駆動信号の周波数に合うように第1可動部31の共振周波数を容易に変化させることができる。この結果、光学デバイス1は、所望の周波数かつ所望の振れ角で安定して第1可動部31を揺動できる。
【0090】
このような構成では、第1連結部41,42において精密かつ迅速な温度調整が求められる。しかし、たとえば、温度センサによって検出された温度に基づいてフィードバック制御を行う場合には、共振周波数の変化に最も寄与する第1連結部41,42の温度の検出にタイムラグが生じる。支持部22に温度センサが設けられた場合には第1連結部41,42から支持部に伝達した熱を検出するため、フィードバック制御において温度の伝達速度に応じたタイムラグが生じる。加熱制御部4は、第1可動部31の揺動状態を示す信号の位相に基づいて加熱部15による第1連結部41,42の加熱をフィードバック制御する。このため、光学デバイス1は、少なくとも、温度センサによって検出された温度に基づいてフィードバック制御する場合よりも精密かつ迅速な温度調整が実現される。加熱制御部4は、たとえば、0.003~0.005℃刻みで第1連結部41,42の温度調節を行うことができる。この結果、第1可動部31における共振周波数の変更の精度も向上されている。
【0091】
加熱制御部4は、複数のミラーユニット2の各々における第1連結部41,42の加熱を制御する。このため、光学デバイス1は、駆動信号の周波数に合うように各第1可動部31の共振周波数を変化させることができる。この結果、光学デバイス1は、所望の周波数かつ所望の振れ角で各第1可動部31を揺動することができる。
【0092】
加熱部15によって第1連結部41,42が加熱される前の状態において、第1可動部31は、図7に示されているように、駆動制御部3が出力する駆動信号の周波数よりも高い共振周波数を有している。このため、光学デバイス1は、加熱制御部4による加熱の制御のみによって、第1可動部31の共振周波数を駆動信号の周波数に合わせることができる。冷却素子によって第1連結部41,42を冷却すれば、加熱する場合と逆方向に第1可動部31の共振周波数をシフトできる。しかし、冷却素子は比較的大型である。光学デバイス1は、冷却素子を用いる場合に比べてコンパクト化が図られている。
【0093】
図7に示したように、当該光学デバイス1が備える全てのミラーユニット2の各々における第1可動部31は、当該第1可動部31に接続された第1連結部41,42を加熱する前の状態において、駆動制御部3が出力する駆動信号の周波数よりも高い共振周波数を有する。加熱制御部4は、全てのミラーユニット2における第1連結部41,42を加熱部15によって加熱する。したがって、冷却素子を用いる場合に比べて光学デバイスのコンパクト化が図られる。
【0094】
加熱制御部4は、加熱部15によって、第一の仕事率で第1連結部41,42を加熱した後に、第一の仕事率よりも小さい第二の仕事率で第1連結部41,42を加熱する。このため、加熱制御部4は、第1可動部31の共振周波数を大まかに調整した後に、第1可動部31の共振周波数を細かく調整することができる。この結果、光学デバイス1は、第1可動部31の共振周波数をより精密かつ迅速に調整できる。
【0095】
加熱部15は、第1加熱部71と第2加熱部72とを含んでいる。第1加熱部71は、第一の熱量を第1連結部41,42に与える。第2加熱部72は、第一の熱量よりも小さい第二の熱量を第1連結部41,42に与える。このため、加熱制御部4は、第1加熱部71によって第1可動部31の共振周波数を大まかに調整し、第2加熱部72によって第1可動部31の共振周波数を細かく調整することができる。したがって、光学デバイス1は、第1可動部31の共振周波数をより精密かつ迅速に調整できる。
【0096】
加熱制御部4は、駆動制御部3から出力された駆動信号の位相と第1可動部31の揺動状態を示す信号の位相との位相差が小さくなるように、加熱部15による第1連結部41,42の加熱を制御する。駆動信号の位相と第1可動部31の揺動状態を示す信号の位相とを比較する場合、駆動信号の周波数と第1可動部31の揺動状態を示す信号の周波数とを比較する場合よりも精密に、第1連結部41,42の加熱が制御され得る。このため、光学デバイス1は、所望の周波数で所望の振れ角をより正確に得ることができる。
【0097】
本実施形態における加熱部15は、第1連結部41,42を加熱するレーザ照射部74を含む。このため、加熱部15は、第1連結部41,42をより迅速に加熱することができる。この結果、光学デバイス1は、第1可動部31の共振周波数をより精密かつ迅速に変化させることができる。磁界発生部21における永久磁石の温度が変化しにくいため、磁界の変化による第1可動部31の振れ角の変化が抑制される。
【0098】
図3及び図4に示した変形例では、第1加熱部71は、支持部22に設けられている。第2加熱部72は、第1連結部41,42、第1可動部31、及び第2可動部32の少なくとも1つに設けられている。このため、光学デバイス1は、コンパクトな構成で、第1可動部31の共振周波数をより精密かつ迅速に調整できる。
【0099】
図3及び図4に示した変形例では、加熱部15は、第1連結部41,42を加熱する電熱線73b,73c,73d,73e,73fを含んでいる。電熱線73b,73c,73d,73e,73fは、ミラー面31aの重心を対称点として点対称となるように、第1連結部41,42、第1可動部31、及び第2可動部32の少なくとも1つに設けられている。このため、加熱部15は、コンパクトな構成で精密に第1連結部41,42を加熱することができる。電熱線73b,73c,73d,73e,73fに発生するローレンツ力が打ち消し合うため、第1可動部31の揺動の乱れが抑制される。磁界発生部21における永久磁石の温度が変化しにくいため、磁界の変化による第1可動部31の振れ角の変化が抑制される。
【0100】
図4に示した変形例では、電熱線73eは、ミラー面31aを囲むように第1可動部31に設けられている。このため、第1連結部41,42が迅速かつ精密に加熱される。電熱線73eに発生するローレンツ力が打ち消し合うため、第1可動部31の揺動の乱れが抑制される。
【0101】
以上、本発明の実施形態及び変形例について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態及び変形例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0102】
本実施形態及び変形例では、加熱部15が第1加熱部71及び第2加熱部72を有する例について説明した。しかし、加熱部15は、1つであってもよい。たとえば、加熱部15として1つの電熱線のみを用いてもよい。この場合、加熱制御部4は、たとえば、当該電熱線に印加する電圧を調整することで、電熱線の仕事率を変化させてもよい。たとえば、加熱制御部4は、第一の電圧を電熱線に印加した後に、第一の電圧よりも小さい第二の電圧を電熱線に印加してもよい。たとえば、電熱線73aのみによって第1連結部41,42が加熱されてもよい。電熱線73b,73c,73d,73e,73fのいずれか一つのみによって第1連結部41,42が加熱されてもよい。
【0103】
光学デバイス1は、加熱部15として1つのレーザ照射部74のみを用いてもよい。この場合、加熱制御部4は、たとえば、レーザ照射部74から第一の強度のレーザを第1可動部31に照射した後に、第一強度よりも小さい第二の強度のレーザを第1可動部31に照射してもよい。これらの場合も、加熱制御部4は、第1可動部31の共振周波数を大まかに調整した後に、第1可動部31の共振周波数を細かく調整することができる。
【0104】
図3及び図4に示した変形例の構成において、レーザ照射部74がさらに設けられていてもよい。複数のレーザ照射部74が、1つのミラーユニット2に設けられていてもよい。
【0105】
電熱線73aは、温度センサ用抵抗として用いられてもよい。電熱線73aを温度センサ用抵抗として用いる場合には、加熱制御部4は電熱線73aには電流を流さない。
【0106】
電熱線73aと温度センサ用抵抗との双方が、支持部22に設けられてもよい。この場合、平面視において電熱線73aの外側又は内側に温度センサ用抵抗が設けられてもよい。電熱線73aと温度センサ用抵抗とが、互いに異なる層に設けられてもよい。
【0107】
電熱線部73は、支持部22、可動部23、及び弾性連結部24に設けられていなくてもよい。たとえば、電熱線部73は、支持部22、可動部23、及び弾性連結部24との間に、間隙を設けた状態で配置されてもよい。
【0108】
本実施形態及び変形例では、第1可動部31の揺動状態を示す信号が、第1可動部31の振れ角の位相を示す信号である場合について説明した。第1可動部31の揺動状態を示す信号は、第1可動部31の速度の位相を示す信号であってもよい。この場合、加熱制御部4は、速度の位相を示す信号と駆動制御部3から出力される駆動信号の位相との差分に基づいて、第1可動部31の振れ角の位相が安定しているか否かを判断する。当該差分が0°であれば、第1可動部31の共振周波数と駆動信号の周波数とが一致している。加熱制御部4は、上記差分が0°から誤差を考慮した範囲内にある場合に、第1可動部31の振れ角の位相が安定していると判断する。たとえば、加熱制御部4は、上記差分が0±0.15°であれば、第1可動部31の振れ角の位相が安定していると判断する。
【0109】
本実施形態及び変形例では、可動部23がX軸及びY軸の2軸で駆動される例を説明した。可動部23は、1軸で駆動されてもよい。この場合、たとえば、第1可動部31と支持部22とが第1連結部41,42によって連結される。
【0110】
本実施形態及び変形例では、可動部23が電磁式で駆動される例について説明した。可動部23の駆動方式は、圧電駆動方式、又は、静電駆動方式であってもよい。
【符号の説明】
【0111】
1…光学デバイス、2,2A,2B…ミラーユニット、3…駆動制御部、4…加熱制御部、11…ミラー駆動部、15…加熱部、22…支持部、23…可動部、24…弾性連結部、31…第1可動部、31a…ミラー面、32…第2可動部、41,42…第1連結部、43,44…第2連結部、50…動力発生部、71…第1加熱部、72…第2加熱部、73a,73b,73c,73d,73e,73f…電熱線、74…レーザ照射部、P…重心。
図1
図2
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図4
図5
図6
図7