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特許7481836情報処理装置、プログラム、情報処理方法、および、情報処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム、情報処理方法、および、情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/14 20120101AFI20240502BHJP
   G06F 40/174 20200101ALI20240502BHJP
   G06Q 50/06 20240101ALI20240502BHJP
【FI】
G06Q20/14
G06F40/174
G06Q50/06
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019223599
(22)【出願日】2019-12-11
(65)【公開番号】P2021093000
(43)【公開日】2021-06-17
【審査請求日】2022-06-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 強一
(72)【発明者】
【氏名】岸本 有之
【審査官】石川 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-005886(JP,A)
【文献】特開2009-151676(JP,A)
【文献】特開2008-077153(JP,A)
【文献】特開2019-049857(JP,A)
【文献】特開2017-062578(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06F 40/174
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と、
プロセッサとを具備し、
前記記憶部は、
第1入力欄を備える第1のデータファイルと、
第2入力欄を備える第2のデータファイルとを記憶し、
前記プロセッサは、
前記第1入力欄に付された項目名と前記第2入力欄に付された項目名とを比較して、相関のある項目名を付された前記第1入力欄と前記第2入力欄とを仮に紐づけた紐づけ情報を生成し、オペレータに確認を求めるデータ変換制御部と、
オペレータによる確認操作を受け付ける受付手段とを備え、
前記データ変換制御部は、オペレータによる確認操作を受け付けた場合に、前記第1のデータファイルのデータを前記第2のデータファイルにコピーする処理を実行する、情報処理装置。
【請求項2】
前記データ変換制御部は、前記第1入力欄に付された項目名を構成する文字と前記第2入力欄に付された項目名を構成する文字とのうち、一致する文字の割合に基づいて前記相関の有無を判定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1のデータファイルは、検針帳票データであり、
前記第2のデータファイルは、集計表データであり、
前記データ変換制御部は、前記検針帳票データの入力欄と前記集計表データの入力欄とを紐づけた集計表紐づけ情報を生成する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記データ変換制御部は、前記集計表紐づけ情報に基づいて、前記検針帳票データの入力欄に入力された情報を前記集計表データの入力欄に転記して集計表データを生成する、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1のデータファイルは、集計表データであり、
前記第2のデータファイルは、請求書ひな形データであり、
前記データ変換制御部は、前記集計表データの入力欄と前記請求書ひな形データの入力欄とを紐づけた請求書紐づけ情報を生成する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記データ変換制御部は、前記請求書紐づけ情報に基づいて、前記集計表データの入力欄に入力された情報を前記請求書ひな形データの入力欄に転記して請求書データを生成する、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
記憶部とプロセッサとを具備するコンピュータを、
第1入力欄を備える第1のデータファイルを前記記憶部に記憶させる手段と、
第2入力欄を備える第2のデータファイルを前記記憶部に記憶させる手段と、
前記第1入力欄に付された項目名と前記第2入力欄に付された項目名とを比較して、相関のある項目名を付された前記第1入力欄と前記第2入力欄とを仮に紐づけた紐づけ情報を生成し、オペレータに確認を求めるデータ変換制御部と、
オペレータによる確認操作を受け付ける受付手段として機能させ、
前記データ変換制御部は、オペレータによる確認操作を受け付けた場合に、前記第1のデータファイルのデータを前記第2のデータファイルにコピーする処理を実行する、プログラム。
【請求項8】
記憶部とプロセッサとを具備するコンピュータによる情報処理方法であって、
前記プロセッサが、第1入力欄を備える第1のデータファイルを前記記憶部に記憶させる過程と、
前記プロセッサが、第2入力欄を備える第2のデータファイルを前記記憶部に記憶させる過程と、
前記プロセッサが、前記第1入力欄に付された項目名と前記第2入力欄に付された項目名とを比較して、相関のある項目名を付された前記第1入力欄と前記第2入力欄とを仮に紐づけた紐づけ情報を生成し、オペレータに確認を求める過程と、
前記プロセッサが、オペレータによる確認操作を受け付ける過程と、
前記プロセッサが、オペレータによる確認操作を受け付けた場合に、前記第1のデータファイルのデータを前記第2のデータファイルにコピーする処理を実行する過程とを含む、情報処理方法
【請求項9】
サーバおよび情報処理装置を具備し、
前記サーバは、携帯型端末装置からアップロードされた、第1入力欄を備える第1のデータファイルを記憶する手段を備え、
前記情報処理装置は、
前記サーバから前記第1のデータファイルをダウンロードする手段と、
ダウンロードされた前記第1のデータファイルの前記第1入力欄付された項目名と、第2入力欄を備える第2のデータファイルの前記第2入力欄に付された項目名とを比較して、相関のある項目名を付された前記第1入力欄と前記第2入力欄とを仮に紐づけた紐づけ情報を生成し、オペレータに確認を求めるデータ変換制御部と、
オペレータによる確認操作を受け付ける受付手段とを備え、
前記データ変換制御部は、オペレータによる確認操作を受け付けた場合に、前記第1のデータファイルのデータを前記第2のデータファイルにコピーする処理を実行する、情報処理システム。
【請求項10】
前記データ変換制御部は、前記第1入力欄に付された項目名を構成する文字と前記第2入力欄に付された項目名を構成する文字とのうち、一致する文字の割合に基づいて前記相関の有無を判定する、請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記第1のデータファイルは、検針帳票データであり、
前記第2のデータファイルは、集計表データであり、
前記データ変換制御部は、前記検針帳票データの入力欄と前記集計表データの入力欄とを紐づけた集計表紐づけ情報を生成する、請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記データ変換制御部は、前記集計表紐づけ情報に基づいて、前記検針帳票データの入力欄に入力された情報を前記集計表データの入力欄に転記して集計表データを生成する、請求項11に記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記第1のデータファイルは、集計表データであり、
前記第2のデータファイルは、請求書ひな形データであり、
前記データ変換制御部は、前記集計表データの入力欄と前記請求書ひな形データの入力欄とを紐づけた請求書紐づけ情報を生成する、請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記データ変換制御部は、前記請求書紐づけ情報に基づいて、前記集計表データの入力欄に入力された情報を前記請求書ひな形データの入力欄に転記して請求書データを生成する、請求項13に記載の情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、情報処理装置、プログラム、情報処理方法、および、情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、データの集計工程と処理工程を含む情報処理において、集計工程で用いるデータファイルと処理工程で用いるデータファイルが異なる、すなわちデータファイルの様式が異なる場合がある。例えば、ビルメンテナンス等に関わる情報処理においては、計器を検針してデータを集計するデータ集計部門、データ集計部門による集計結果を管理し料金などを算出する管理部門、管理部門が算出した料金に基づいて請求書を発行する営業部門などが存在し、各部門で用いるデータファイルの様式が異なる。すなわち、各部門毎に業務内容が異なるため、それぞれの業務に適したデータファイルが用いられている。
【0003】
このように、データファイルの様式が部門間で異なる場合、データファイルが部門を移動する毎に、担当者が手作業でデータを部署に合った様式のデータファイルに入力し直す必要があり、その負荷は大きいだけでなく、ミスにつながるおそれもあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6514390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、ある様式のデータファイルに入力されたデータを、別の様式のデータファイルに正確に入力することが可能な情報処理装置、プログラム、情報処理方法、および、情報処理システムを提供することにある
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態のコンピュータプログラムは、第1表示手段と、受付手段と、第2表示手段と、コピー手段としてコンピュータを機能させる。第1表示手段は、第1のデータファイルと第2のデータファイルを表示させる。受付手段は、第1のデータファイル上に表示された第1入力欄と、第2のデータファイル上に表示された第2入力欄とを指定する操作をオペレータから受け付ける。第2表示手段は、受付手段が受け付けた操作に基づいて、第1入力欄と第2入力欄とが紐づけられていることを示す紐づけ表示を行う。コピー手段は、第1入力欄と第2入力欄とが紐づけ表示された場合に、第1入力欄にある文字列を、第2入力欄に入力する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】この発明に係わる情報処理装置を含む情報処理システムの構成例を示す図。
図2図1に示した携帯型端末装置の構成を示す回路ブロック図。
図3図1に示した情報処理装置の構成を示す回路ブロック図。
図4図1に示した情報処理装置の紐づけ設定処理を説明するためのフローチャート。
図5】紐づけ情報の一例を示す図。
図6図1に示した情報処理装置の処理の過程で表示される画像の一例を示す図。
図7図1に示した情報処理装置のデータコピー処理を説明するためのフローチャート。
図8図1に示したサーバの構成を示す回路ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、一実施形態について説明する。
図1は、一実施形態に係わる情報処理装置およびコンピュータプログラムを含む情報処理システムの構成を示すものである。なお、以下の説明では、上記情報処理装置およびコンピュータプログラムを、ビルメンテナンスにおけるメータ管理に適用した場合を例に挙げて説明する。
【0009】
この例では、メータ管理に関わる部署として、検針部門、管理部門、営業部門の3つの部署が存在する場合を例に説明する。なお、検針部門は、メータが示す数値を検針員が確認し、その数値を入力した検針帳票データを作成する作業を行う部門である。管理部門は、多数の上記検針帳票データを集計した集計データを作成する部門である。営業部門は、管理部門が集計した集計データに基づいて、請求書データを作成する部門である。
【0010】
この情報処理システムは、図1に示すように、携帯型端末装置100、無線基地局200、情報処理装置300、情報処理装置400、サーバ500、ネットワーク600を備えたクラウドコンピューティングを実現するシステムであって、管理対象となるビル内またはその近傍に設けられたメータMT1~MTnから得られる情報を処理する。
【0011】
なお、メータMT1~MTnは、例えば、電気の使用量、上水道の使用量、下水道への排水量、ガスの使用量などの数値やそれらを利用する機器の稼働状態を示す数値など、インフラに関する数値を示すものが想定されるが、これら以外の数値を示すものであってもよい。
【0012】
また各メータは、数値を表示する面において、2次元バーコードが印刷またはシールで付与されている。この2次元バーコードは、付与されているメータに固有に割り当てられた識別番号や属性(電気、ガス、水道、供給事業体、設置場所、製造日時、設置日時、性能を示す諸元など)を示す識別情報を含むものであり、所定のアルゴリズムにより上記識別情報は解読できる。なお、識別情報は、2次元バーコードではなく、識別番号そのものや属性を示す文字列を、上記表示値の近傍に印刷や刻印で直接視認できるように示すようにしてもよいし、2次元バーコードと一部または全部の情報を重複して表示するようにしてもよい。
【0013】
また各メータは、アナログ式またはデジタル式のいずれの方式で数値を示してもよい。デジタル式の場合は、例えば、0~9までの数字が表示される7セグメントディスプレイを複数使用し、前述した電気などの使用量や設備機器の稼働状態に応じて少なくとも1桁以上の数値(検針値)を示す構成が考えられる。アナログ式の場合は、例えば、0~9までの数字が記載された数字車を複数用いたメカ式であって、使用量に応じて数字車が回転することで複数桁の数値(検針値)を示す直読式の構成が考えられる。
【0014】
次に、図2を参照して、携帯型端末装置100について説明する。
携帯型端末装置100は、検針部門の検針員が使用する端末であって、スマートフォン、タブレットコンピュータまたはラップトップ型のパーソナルコンピュータ等の携帯可能な情報処理装置である。また携帯型端末装置100は、図2に示すように、バスで接続された、少なくとも通信部101、入力部102、表示部103、カメラ104、記憶部105、制御部110を備える。
【0015】
通信部101は、無線基地局200との間で無線通信リンクを確立して通信を行う無線通信インターフェースであって、無線基地局200およびネットワーク600を介して、サーバ500と通信を行う。無線通信は、無線基地局200の仕様に合わせた通信方式に対応する。この通信方式の例としては、無線LAN(IEEE802.11シリーズ)、3G、3.9G(LTE(登録商標)など)、4G、5G、Bluetooth(登録商標)等、様々な規格が考えられるが、いずれでもかまわない。
【0016】
入力部102は、後述する表示部103上に載置されたタッチパネルや、携帯型端末装置の筐体上に設けられたキースイッチなどの入力デバイスを備え、検針員から種々の情報の入力や指示を受け付ける。上記タッチパネルは、尖筆(スタイラス)や指を使って入力が行えるものであり、静電容量方式や抵抗膜方式、投影型赤外線方式など種々の方式が適用可能である。
【0017】
表示部103は、検針員に対して視覚的に情報を提供するものであり、例えば、情報の入力欄やソフトウェアキー、各種画像(写真、CG(コンピュータグラフィックス)画像)を表示する。情報の入力欄やソフトウェアキーは、後述する制御部110の制御により、前述の入力部102に対する操作と対応するように表示がなされる。使用されるデバイスとしては、液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネル、電子ペーパーなど種々の表示デバイスが適用可能である。
【0018】
カメラ104は、レンズなどの光学系と、例えばCMOS(Complementary MOS)などのイメージセンサを備えた撮像部と、撮像部によって得られた撮像信号から所定の形式(例えば、JPEG(Joint Photographic Experts Group))の画像データを生成する信号処理部とを備えたデジタルカメラであって、メータMT1~MTn上に表示される数値の読み取りや、2次元バーコードの読み取りなどに用いられる。なお、制御部110は、時刻を計時しており、カメラ104によって得られた画像データには、上記時刻が撮影した日時を示す付加情報(例えば、Exif(Exchangeable image file format)データ)が付加されて記録される。
【0019】
記憶部105は、後述する制御部110のOS(Operating System)やアプリケーションソフトウェア、アプリケーションソフトウェアの運用に伴って生成されたデータ、各種パラメータ、検針員から入力されたデータ、カメラ104によって撮像された画像データ(メータMT1~MTnの検針値の表示面を撮影したものなど)、後述するサーバ500から取得(ダウンロード)したデータなどを記憶するものであり、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)、SSD(Solid State Drive)などのフラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)などの記録デバイスがデータの特性に合わせて、組み合わせて設けられる。
また記憶部105は、読み値データ105aと、検針用ひな形データ105b、検針帳票データ105cを記憶する。
【0020】
読み値データ105aは、検針値の名称を示す項目名に、メータMT1~MTnの検針によって得た検針値、メータMT1~MTnの識別番号や属性などの識別情報、検針値の取得時刻(検針の時刻)などを対応付けたデータである。
【0021】
検針用ひな形データ105bは、サーバ500からダウンロードしたデータファイルであり、検針用の帳票データのひな形(フォーム)である。このひな形は、主に検針部門が運用するものであり、メータMT1~MTn毎に、上記読み値データ105aを入力するための欄(以下、入力欄と称する)が設けてある。
【0022】
検針帳票データ105cは、検針用ひな形データ105bをひな形として用いて作成した検針帳票のデータファイルである。検針用ひな形データ105b内の各入力欄には、各入力欄の項目名が付してあり、読み値データ105a内の項目名に対応する検針値などが入力される。この検針帳票データ105cは、サーバ500にアップロードされ、部門間で共有される。
【0023】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などのプロセッサ、チップセット、RAMやROMなどを備え、携帯型端末装置100の各部を統括して制御する。ROMは、ファームウェアや設定値(各種パラメータ)を記憶する。CPUは、上記ファームウェアにしたがって、記憶部105からOSやアプリケーションソフトウェアをRAMに読み込んで、OSやアプリケーションソフトウェアを実行し、RAMをワークエリア(作業領域)として使用することで、各種制御機能を実現する。
【0024】
制御部110は、制御機能として、少なくとも以下を実現する。すなわち、制御部110は、ソフトウェアを実行することにより、通信制御部111、入力制御部112、表示制御部113、画像処理部114、帳票データ作成部115として機能し、互いに連携して機能することができる。なお、これらの各機能の一部または全部を他の機能と統合したり、あるいは上記111~115を別の複数の機能ブロックに切り分けた別の表現で説明することも可能である。
【0025】
通信制御部111は、通信部101を制御して、所定の通信プロトコルに従って無線基地局200と無線通信リンクを確立し、さらにネットワーク600を通じてサーバ500と通信を行うもので、例えば、サーバ500からのデータダウンロードおよびサーバ500へのデータアップロードを行う。
【0026】
入力制御部112は、入力部102を制御して、入力部102に対する検針員の操作から検針員の要求を解釈したり、情報(文字列など)の入力を受け付けたり、カメラ104によって撮像された画像データの取り込みなどを行う。
【0027】
表示制御部113は、表示部103を制御して、画像を含む種々の情報や、グラフィカルユーザインタフェイス(以下、GUI(Graphical User Interface))を表示させる。GUIの例としては、前述した情報の入力欄やソフトウェアキーであり、これらの表示は、入力部102を通じた入力に対応している。
【0028】
画像処理部114は、カメラ104によって得られた画像データに対して、例えば光学文字認識(OCR(Optical Character Recognition)を実施し、画像に含まれる文字を認識してテキストデータを出力(画像データのテキストデータへの変換)するとともに、画像に含まれる2次元バーコードを解読して情報(例えば、メータの識別情報など)を得て、この情報と上記テキストデータを対応付けて、記憶部105に記録する。
【0029】
より具体的には、画像処理部114は、上記画像データからメータMT1~MTnに表示されている値(表示値)を読み取って検針値として出力するとともに、上記画像データに含まれる2次元バーコードを解読してメータMT1~MTnの識別情報(検針値の名称を示す項目名、識別番号や設置場所などの属性、製造メーカー、製造番号、性能維持保証期限など)を得て、上記検針値と識別情報、検針値の取得時刻(撮影した日時)を対応付けて、記憶部105に読み値データ105aとして記録する。
【0030】
なお、メータMT1~MTnの識別番号や属性として、2次元バーコードではなく、識別番号そのものや属性を示す文字列が上記表示値の近傍に印刷や刻印で示すことも考えられる。この場合、画像処理部114は、カメラ104によって得られた画像データに対して、光学文字認識を実施して、上記識別番号や属性を示す文字列をテキストデータに変換し、上記検針値に対応付けて読み値データ105aとして記録する。
【0031】
帳票データ作成部115は、検針用ひな形データ105bをひな形として用いて、検針用ひな形データ105b内の入力欄に、対応する読み値データ105aを入力して、検針帳票データ105cを作成する。また、検針帳票データ105cには、入力した値の基となる画像データを含めるようにしてもよい。また帳票データ作成部115は、完成した検針帳票データ105cを通信制御部111を通じて、サーバ500にアップロードする。
【0032】
次に、無線基地局200について説明する。
無線基地局200は、携帯型端末装置100を無線通信によりネットワーク600に接続するものである。例えば、ネットワーク600が事業所内に構築されたLANの場合、通信方式として無線LAN(IEEE802.11シリーズ)を採用したアクセスポイントである。またネットワーク600が通信事業者の携帯電話網の場合、3G、3.9G(LTEなど)、4G、5G等の規格に対応した無線通信を行う基地局装置である。すなわち、携帯型端末装置100を無線通信によりネットワーク600に接続できるものであれば、いずれの通信方式であっても適用可能である。
【0033】
次に、図3を参照して、情報処理装置300について説明する。
情報処理装置300は、管理部門のオペレータが使用する端末であって、例えば、デスクトップ型あるいはラップトップ型のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置である。また情報処理装置300は、図3に示すように、バスで接続された、少なくとも通信部301、入力部302、表示部303、記憶部305、制御部310を備える。
【0034】
通信部301は、ネットワーク600を通じて通信を行うネットワークインターフェースである。なお、一般に、有線通信を想定するが、無線LAN(IEEE802.31シリーズ)、3G、3.9G(LTEなど)、4G、5G等、様々な無線通信インターフェースでも実現できる。
【0035】
入力部302は、キーボード、マウス、トラックボール、タッチペン、タッチパネルなどの入力デバイスであって、ユーザからの入力を受け付ける。
表示部303は、オペレータに対して視覚的に情報を提供するものであり、例えば、データの入力欄やソフトウェアキー、各種画像(写真、CG)を表示する。データの入力欄やソフトウェアキーは、後述する制御部310の制御により、前述の入力部302に対する操作と対応するように表示がなされる。使用されるデバイスとしては、液晶パネルや有機ELパネル、電子ペーパーなど種々の表示デバイスが適用可能である。
【0036】
記憶部305は、後述する制御部310のOSやアプリケーションソフトウェア、アプリケーションソフトウェアの運用に伴って生成されたデータ、各種パラメータ、後述するサーバ500から取得(ダウンロード)したデータなどを記憶するものであり、RAMやROM、SSDなどのフラッシュメモリ、HDDなどの記録デバイスがデータの特性に合わせて、組み合わせて設けられる。
【0037】
また記憶部305は、検針帳票データ305a、集計表ひな形データ305b、集計表紐づけ情報305c、集計表データ305d、請求書ひな形データ305e、請求書紐づけ情報305f、請求書データ305gを記憶する。
【0038】
検針帳票データ305aは、携帯型端末装置100からサーバ500にアップロードされた検針帳票データ105cをダウンロードしたものである。
集計表ひな形データ305bは、サーバ500からダウンロードしたデータファイルであり、集計用の帳票データのひな形(フォーム)である。このひな形は、主に管理部門が運用するものであり、メータMT1~MTnの検針値の集計に用いられ、例えば、電気、水道(上水道の使用量と下水道への排水量)、ガスなどのカテゴリごとにそれぞれの値を入力するための欄が設けてある。
【0039】
集計表紐づけ情報305cは、検針帳票データ305aの入力欄と、集計表ひな形データ305bの入力欄とを紐づけた紐づけデータをまとめた情報である。具体的には、少なくとも1つ以上の紐づけデータを含むものであり、各紐づけデータは、紐づけを識別する識別番号Lnと、両入力欄の各識別情報(セルの座標を指定する情報など)とを対応付けた情報である。
【0040】
集計表データ305dは、集計表紐づけ情報305cに基づいて、検針帳票データ305aの入力欄に入力された値などの情報を、集計表ひな形データ305bの入力欄に転記(コピー)することで生成したデータファイルである。この集計表データ305dは、サーバ500にアップロードされ、部門間で共有される。
【0041】
請求書ひな形データ305eは、サーバ500からダウンロードしたデータファイルであり、請求書を発行するために用いられる請求書データのひな形(フォーム)である。このひな形は、主に営業部門が運用するものであり、例えば、電気、水道(上水道の使用量と下水道への排水量)、ガスなどのカテゴリごとに使用量や、この使用量に基づく料金を入力するための欄が設けてある。
【0042】
請求書紐づけ情報305fは、集計表データ305dの入力欄と、請求書ひな形データ305eの入力欄とを紐づけた紐づけデータをまとめた情報である。具体的には、少なくとも1つ以上の紐づけデータを含むものであり、各紐づけデータは、紐づけを識別する識別番号Lnと、両入力欄の各識別情報(セルの座標を指定する情報など)とを対応付けた情報である。
【0043】
請求書データ305gは、請求書紐づけ情報305fに基づいて、集計表データ305dの入力欄に入力された値などの情報を、請求書ひな形データ305eの入力欄に転記(コピー)することで生成したデータファイルである。この請求書データ305gは、サーバ500にアップロードされ、部門間で共有される。
【0044】
制御部310は、CPUやGPUなどのプロセッサ、チップセット、RAMやROMなどを備え、情報処理装置300の各部を統括して制御する。ROMは、ファームウェアや設定値(各種パラメータ)を記憶する。CPUは、上記ファームウェアにしたがって、記憶部305からOSやアプリケーションソフトウェアをRAMに読み込んで、OSやアプリケーションソフトウェアを実行し、RAMをワークエリア(作業領域)として使用することで、各種制御機能を実現する。
【0045】
制御部310は、制御機能として、少なくとも以下を実現する。すなわち、制御部310は、ソフトウェアを実行することにより、通信制御部311、入力制御部312、表示制御部313、データ変換制御部314として機能し、互いに連携して機能することができる。なお、これらの各機能の一部または全部を他の機能と統合したり、あるいは上記311~314を別の複数の機能ブロックに切り分けた別の表現で説明することも可能である。
【0046】
通信制御部311は、通信部301を制御して、所定の通信プロトコルに従って、ネットワーク600を通じてサーバ500と通信を行うもので、例えば、サーバ500からのデータダウンロードおよびサーバ500へのデータアップロードを行う。
【0047】
入力制御部312は、入力部302を制御して、入力部302に対するオペレータの操作からオペレータの要求を解釈したり、情報(文字列など)入力の受け付けなどを行う。
表示制御部313は、表示部303を制御して、画像を含む種々の情報や、GUIを表示させる。GUIの例としては、前述した情報の入力欄やソフトウェアキーであり、これらの表示は、入力部302を通じた入力に対応している。
【0048】
データ変換制御部314は、ある部門で作成されたデータファイル内のデータを、別の部門で用いる様式のひな形データファイル内にコピーしてデータファイルを生成したり、また、その作成に用いる紐づけ情報を作成する制御を行う。
【0049】
具体的には、データ変換制御部314は、オペレータの指示に従って、検針帳票データ305aの入力欄と、集計表データ305dの入力欄とを紐づけた集計表紐づけ情報305cを生成し、その後、この集計表紐づけ情報305cに基づいて、305aの入力欄に入力された値などの情報を、集計表データ305dの入力欄に転記(コピー)することで、集計表データ305dを生成する。
【0050】
またデータ変換制御部314は、オペレータの指示に従って、集計表データ305dの入力欄と、請求書ひな形データ305eの入力欄とを紐づけた請求書紐づけ情報305fを生成し、その後、この請求書紐づけ情報305fに基づいて、集計表データ305dの入力欄に入力された値などの情報を、請求書ひな形データ305eの入力欄に転記(コピー)することで、請求書データ305gを生成する。
【0051】
その他、データ変換制御部314は、検針帳票データ305aや集計表ひな形データ305b、請求書ひな形データ305e内の入力欄に付された項目名に基づいて、集計表紐づけ情報305cや請求書紐づけ情報305fを作成する機能も備える。
【0052】
次に、情報処理装置400について説明する。
情報処理装置400は、営業部門のオペレータが使用する端末であって、例えば、デスクトップ型あるいはラップトップ型のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置である。具体的な構成は、情報処理装置300と同様のものが利用可能であることより、詳細については説明を省略する。特に、請求書データ305gの生成に関わる構成については、情報処理装置300に代わって、情報処理装置400が備えるようにしてもよい。
【0053】
次に、サーバ500について説明する。
サーバ500は、当該システムが提供するクラウドコンピューティングの中枢をなすものであって、携帯型端末装置100、情報処理装置300、情報処理装置400からアップロードされる情報を保存したり、あるいはこの保存した情報を携帯型端末装置100、情報処理装置300、情報処理装置400に提供し、システムの利用者間でデータ共有を実現のほかに、データ処理の一部または大半を各装置に代わって担うことで、各装置のコンピュータ資源の節約を可能にする。また携帯型端末装置100、情報処理装置300、情報処理装置400が使用するOSやアプリケーションソフトウェアを各装置に提供したり、最新の情報にアップデートしてサービスを実現する。これらのサービスは、サブスクリプション方式で提供することも考えられる。
【0054】
次に、上記構成の情報処理システムの動作について説明する。以下の説明では、特に、情報処理装置300における紐づけ設定処理P1とデータコピー処理P2について説明する。
まず、図4を参照して紐づけ設定処理P1について説明する。
【0055】
この紐づけ設定処理P1は、集計表紐づけ情報305cや請求表紐づけ情報305fを生成するための処理である。また、この紐づけ設定処理P1は、アプリケーションソフトウェアを実行した制御部310がデータ変換制御部314として機能することにより実現される。なお、以下の説明では、集計表紐づけ情報305cを作成する場合を例に挙げて説明する。
【0056】
アプリケーションソフトウェアが実行され、オペレータから紐づけ設定処理P1が選択されると、ステップ401においてデータ変換制御部314は、データのコピー元となる元データファイルの選択を受け付ける処理を実行する。具体的には、データ変換制御部314は、表示制御部313に対して、元データファイルの選択をオペレータに促すメッセージとファイル選択のためのウインドウをGUI表示させるとともに、入力制御部312に対して、上記GUI表示を通じてオペレータによる元データファイルを選択する操作を受け付けさせる。オペレータから元データファイルの選択を受け付けると、ステップ402に移行する。
【0057】
なお、この例では、オペレータにより検針帳票データ305aの1つが指定されたものとし、これによりデータ変換制御部314は、図4の処理が終了するまで、オペレータにより指定された検針帳票データ305aを元データファイルとして扱う。
【0058】
ステップ402においてデータ変換制御部314は、データのコピー先となるターゲットデータファイルの選択を受け付ける処理を実行する。具体的には、データ変換制御部314は、表示制御部313に対して、ターゲットデータファイルの選択をオペレータに促すメッセージとファイル選択のためのウインドウをGUI表示させるとともに、入力制御部312に対して、上記GUI表示を通じてオペレータによるターゲットデータファイルを選択する操作を受け付けさせる。オペレータからターゲットデータファイルの選択を受け付けると、ステップ403に移行する。
【0059】
なお、この例では、オペレータにより集計表ひな形データ305bが指定されたものとし、これによりデータ変換制御部314は、図4の処理が終了するまで、ターゲットデータファイルとして扱う。また、ターゲットデータファイルの選択は、1つに限らず、複数であってもよい。以下の説明では、説明を簡明にするため、1つだけ選択した場合を例に挙げて説明する。
【0060】
ステップ403においてデータ変換制御部314は、元データファイル(ここでは、検針帳票データ305aの1つ)とターゲットデータファイル(ここでは、集計表ひな形データ305b)を解析し、各データファイル中のデータの入力欄に付されている項目名を抽出し、ステップ404に移行する。
【0061】
ステップ404においてデータ変換制御部314は、ステップ403で抽出した両データファイルの項目名を比較して両データファイル間で相関のある項目名を判定し、両データファイルの間で相関のある項目名が付されたデータの入力欄を、仮に紐づける紐づけデータを生成する。つまり、データ変換制御部314は、検針帳票データ305a内のデータの入力欄に付された項目名と、集計表ひな形データ305b内のデータの入力欄に付された項目名との間に相関があるか否かを判定し、相関が有る場合に、両入力欄を紐づける紐づけデータを生成する。
【0062】
この紐づけデータは、紐づけを識別する識別番号Lnと、両入力欄の各識別情報(セルの座標を指定する情報など)とを対応付けた情報であって、入力欄の識別情報は、データ変換制御部314が各データファイルから検出する。図5において、各列が紐づけデータに相当する。
【0063】
元データファイル内の全ての項目名について、共通する項目名が有るか否かの検証が終わると、ステップ405に移行する。
ここで、相関の一例としては、一致する(共通する)場合が考えられる。すなわち、両データファイル間で項目名が完全に一致する場合(相関度100%)である。その他、相関の例としては、項目名が完全に一致する場合に限らず、類似する場合も考えられる。類似の判定は、相関の度合い、すなわち例えば、項目名を構成する文字のうち一致する文字の割合が閾値以上の場合(あるいは、n文字以上一致する場合)を相関の度合いが高いため、類似すると判定してもよい。
【0064】
あるいは、予め準備した類似項目名データに基づいて類似を判定してもよい。この類似項目名データは、ある項目名と類似するものとして扱う項目名とを対応付けてリスト化したデータである。例えば、「電力使用量」に対して「電気の使用量」、「消費電力量」などを対応付ける。
【0065】
また項目名の文字列が(a)完全に一致するものと、(b)部分的に一致するもの、(c)類似するものが存在する場合には、予め準備した優先順位情報(優先度(a)>(b)>(c))に基づいて、優先順位の高いものを紐づけるようにしてもよい。
【0066】
ステップ405においてデータ変換制御部314は、表示制御部313に対して、元データファイルとターゲットデータファイルについて、それぞれの表示画像(イメージ)を、アプリケーションソフトウェアの作業ウインドウW1上に表示させる指示を与えるとともに、ステップ404で生成した紐づけデータに基づいて、作業ウインドウW1上で両データファイルのイメージ中の入力欄を紐づける線分を表示させ、ステップ406に移行する。
【0067】
なお、ここでいう表示画像(イメージ)とは、データファイルを対応するアプリケーションソフトウェアによって開いた場合に、表示部303に表示されるものであり、例えば、データファイルが表計算のアプリケーションソフトウェアのファイルであれば、格子状のマス目のスプレッドシートが表示される。周知のように、表計算のアプリケーションソフトウェアでは、スプレッドシート中のマス目がデータの入力欄として用いられる。
【0068】
より具体的には、図6に示すように、データ変換制御部314は、作業ウインドウW1を表示し、この作業ウインドウW1上に、元データファイル(ここでは、検針帳票データ305aの1つ)を読み込んでそのイメージを表示させるとともに、ターゲットデータファイル(ここでは、集計表ひな形データ305b)を読み込んでそのイメージを表示させ、さらに、紐づけデータに基づいて、紐づけられた入力欄を結ぶ線分L1~L4を作業ウインドウW1中のイメージ上に表示させる。これにより、オペレータは、両データファイルのどの入力欄が紐づけられているかを認識できる。線分の表記(L1~L4)は、例えば、紐づけを識別する識別番号Lnに基づいて行う。
【0069】
ステップ406においてデータ変換制御部314は、表示制御部313に対して、現在、作業ウインドウW1上に表示している線分に対応する紐づけデータを保存してよいかオペレータに確認を求める表示を行わせるとともに、入力制御部312が入力部302を通じてオペレータから受け付けた操作を判定する。ここで、オペレータから、現在表示している線分に対応する紐づけデータを保存してよいことを示す操作が行われた場合には、ステップ408に移行し、一方、それ以外の操作が行われた場合には、ステップ407に移行する。
【0070】
ステップ407においてデータ変換制御部314は、入力部302を通じて入力制御部312が受け付けたオペレータの操作に基づいて、紐づける入力欄の変更や新規追加を受け付け、これに応じて、ステップ404で生成した紐づけデータの変更や、新しい紐づけデータを生成し、ステップ405に移行する。ステップ405では、ステップ407にて変更や新規追加された紐づけデータに基づく、紐づけを示す線分の表示を行う。
【0071】
ここで、より具体的に、ステップ407におけるオペレータの操作を説明する。
紐づけデータを変更する場合には、オペレータは、入力部302を通じて、作業ウインドウW1上の表示している線分のうち、変更したい紐づけに対応する線分をクリック操作などにより指定する。すると、この指定を入力制御部312を通じてデータ変換制御部314が受け付けて、表示制御部313に対して、指定された線分を例えば破線表示させて、変更操作がアクティブとなった線分がオペレータに認識できるようにする。
【0072】
つづいてオペレータは、入力部302を通じて、作業ウインドウW1上に表示している元データファイルに含まれる入力欄と、ターゲットデータファイルに含まれる入力欄のうち、紐づけたい入力欄をクリック操作などにより指定する。すると、この指定を入力制御部312を通じてデータ変換制御部314が受け付けて、指定された入力欄の識別情報をデータファイルから検出し、アクティブとなった線分に対応付けられた入力欄を、指定された入力欄の識別情報に変更するように、紐づけデータを更新する。
【0073】
一方、新しい紐づけデータを作成する場合には、オペレータは、入力部302を通じて、新規の紐づけデータの作成を指示する。すると、この指示を入力制御部312を通じて受け付けたデータ変換制御部314は、新しい紐づけを識別する識別番号Lxを新たに発行し、オペレータから入力部302を通じて紐づけたい入力欄の指定を受け付ける。すなわち、データ変換制御部314は、作業ウインドウW1上に表示している元データファイルに含まれる入力欄と、ターゲットデータファイルに含まれる入力欄について、入力制御部312を通じてそれぞれ指定を受け付け、この受け付けた両入力欄の識別情報を各データファイルから検出し、この検出した両入力欄の識別情報を、新たに発行した識別番号Lxに対応付けて、新しい紐づけデータを作成する。
【0074】
ステップ408においてデータ変換制御部314は、ステップ404およびステップ407で生成した紐づけデータをまとめた紐づけ情報を生成して保存し、当該紐づけ設定処理を終了する。具体的には、データ変換制御部314は、ステップ404で生成した紐づけデータ、またはステップ407にて変更あるいは新規追加された紐づけデータを、図5に示すようなメタデータとして集計し、これを紐づけ情報として生成して、記憶部305に保存する。ここでは、検針帳票データ305aと集計表ひな形データ305bを紐づけるための紐づけ情報であるため、集計表紐づけ情報305cとして記憶部305に保存する。ここで記憶部305に保存された集計表紐づけ情報305cは、所定のタイミングでサーバ500にアップロードされる。
【0075】
なお、上記の例では、集計表紐づけ情報305cを生成する場合を例に挙げたため、元データファイルを検針帳票データ305aとし、ターゲットデータファイルを集計表ひな形データ305bとした。請求書紐づけ情報305fを生成する場合には、図4に示したフローチャートの説明において、元データファイルを集計表データ305dとし、ターゲットデータファイルを請求書ひな形データ305eと読み替えることで、当業者は容易に理解できる。
また、請求書紐づけ情報305fを生成する場合には、請求書の担当する営業部門の情報処理装置400で行うようにしてもよい。
【0076】
次に、図7を参照してデータコピー処理P2について説明する。
このデータコピー処理P2は、集計表データ305dや請求書データ305gを生成するための処理である。また、このデータコピー処理P2は、アプリケーションソフトウェアを実行した制御部310がデータ変換制御部314として機能することにより実現される。なお、以下の説明では、集計表データ305dを作成する場合を例に挙げて説明する。
【0077】
アプリケーションソフトウェアが実行され、オペレータからデータコピー処理P2が選択されると、ステップ701においてデータ変換制御部314は、データのコピー元となる元データファイルの選択を受け付ける処理を実行する。具体的には、データ変換制御部314は、表示制御部313に対して、元データファイルの選択をオペレータに促すメッセージとファイル選択のためのウインドウをGUI表示させるとともに、入力制御部312に対して、上記GUI表示を通じてオペレータによる元データファイルを選択する操作を受け付けさせる。元データファイルの選択を受け付けると、ステップ702に移行する。
【0078】
なお、この例では、オペレータにより検針帳票データ305aの1つが指定されたものとし、これによりデータ変換制御部314は、図7の処理が終了するまで、オペレータにより指定された検針帳票データ305aを元データファイルとして扱う。
【0079】
ステップ702においてデータ変換制御部314は、データのコピー先となるターゲットデータファイルの選択を受け付ける処理を実行する。具体的には、データ変換制御部314は、表示制御部313に対して、ターゲットデータファイルの選択をオペレータに促すメッセージとファイル選択のためのウインドウをGUI表示させるとともに、入力制御部312に対して、上記GUI表示を通じてオペレータによるターゲットデータファイルを選択する操作を受け付けさせる。ターゲットデータファイルの選択を受け付けると、ステップ703に移行する。
【0080】
なお、この例では、オペレータにより集計表ひな形データ305bが指定されたものとし、これによりデータ変換制御部314は、図7の処理が終了するまで、集計表ひな形データ305bをターゲットデータファイルとして扱う。また、ターゲットデータファイルの選択は、1つに限らず、複数であってもよい。以下の説明では、説明を簡明にするため、1つだけ選択した場合を例に挙げて説明する。
【0081】
ステップ703においてデータ変換制御部314は、元データファイルとターゲットデータファイルとを紐づけた紐づけ情報の選択を受け付ける処理を実行する。具体的には、データ変換制御部314は、表示制御部313に対して、紐づけ情報の選択をオペレータに促すメッセージと情報選択のためのウインドウをGUI表示させるとともに、入力制御部312に対して、上記GUI表示を通じてオペレータによる情報選択の操作を受け付けさせる。紐づけ情報の選択を受け付けると、ステップ704に移行する。
【0082】
なお、この例では、ステップ701にて元データファイルとして検針帳票データ305aの1つが選択され、ステップ702にてターゲットデータファイルとして集計表ひな形データ305bがされているため、オペレータは、紐づけ情報として集計表紐づけ情報305cを選択したものとして説明する。
【0083】
ステップ704においてデータ変換制御部314は、表示制御部313に対して、元データファイルとターゲットデータファイルについて、それぞれの表示画像(イメージ)を、アプリケーションソフトウェアの作業ウインドウW1上に表示させる指示を与えるとともに、ステップ703で選択した紐づけ情報に基づいて、作業ウインドウW1上で両データファイルのイメージ中の入力欄を紐づける線分を表示させ、ステップ705に移行する。
【0084】
より具体的には、図6に示すように、データ変換制御部314は、作業ウインドウW1を表示し、この作業ウインドウW1上に、元データファイル(ここでは、検針帳票データ305aの1つ)を読み込んでそのイメージを表示させるとともに、ターゲットデータファイル(ここでは、集計表ひな形データ305b)を読み込んでそのイメージを表示させ、さらに、集計表紐づけ情報305cに基づいて、紐づけられた入力欄を結ぶ線分L1~L4を作業ウインドウW1中のイメージ上に表示させる。これにより、オペレータは、両データファイルのどの入力欄が紐づけられているかを認識できる。
【0085】
ステップ705においてデータ変換制御部314は、表示制御部313に対して、現在、作業ウインドウW1上に表示している線分に基づいて、元データファイルのデータをターゲットデータファイルにコピーする処理を実行してよいかオペレータに確認を求める表示を行わせるとともに、入力制御部312が入力部302を通じてオペレータから受け付けた操作を判定する。ここで、オペレータから、現在表示している線分に基づくデータコピーを実行してよいことを示す操作が行われた場合には、ステップ708に移行し、一方、それ以外の操作が行われた場合には、ステップ706に移行する。
【0086】
ステップ706においてデータ変換制御部314は、表示制御部313に対して、現在、作業ウインドウW1上に表示している紐づけを変更するか、あるいは、ファイルの変更を行うかオペレータに問う表示を行わせるとともに、入力制御部312が入力部302を通じてオペレータから受け付けた操作を判定する。ここで、オペレータから、紐づけの変更を求める操作が行われた場合には、ステップ707に移行し、一方、ファイルの変更を求める操作が行われた場合には、ステップ701に移行する。
【0087】
ステップ707においてデータ変換制御部314は、入力部302を通じて入力制御部312が受け付けたオペレータの操作に基づいて、紐づける入力欄の変更や新規追加を受け付け、これに応じて、ステップ703で選択された紐づけ情報(集計表紐づけ情報305c)の変更や、新しい紐づけデータを生成し、ステップ704に移行する。ステップ704では、ステップ707にて変更や新規追加された紐づけデータに基づく、紐づけを示す線分の表示を行う。なお、ステップ707の詳細については、ステップ407と同様であることより省略する。
【0088】
ステップ708においてデータ変換制御部314は、現在、作業ウインドウW1上に表示している紐づけに基づいて、元データファイルのデータをターゲットデータファイルにコピーする処理を実行し、ステップ709に移行する。具体的には、データ変換制御部314は、図5に示すような紐づけ情報(あるいは、必要に応じてステップ707で変更や追加された紐づけ情報)に基づいて、元データファイルである検針帳票データ305aのデータを、ターゲットデータファイルである集計表ひな形データ305bにコピーする処理を実行して、集計表データ305dを生成する。
【0089】
ステップ709においてデータ変換制御部314は、ステップ708で生成した集計表データ305dを記憶部305に保存し、当該データコピー処理を終了する。ここで記憶部305に保存された集計表データ305dは、所定のタイミングでサーバ500にアップロードされる。
【0090】
なお、上記の例では、集計表データ305dを生成する場合を例に挙げたため、元データファイルを検針帳票データ305aとし、ターゲットデータファイルを集計表ひな形データ305bとした。請求書データ305gを生成する場合には、図7に示したフローチャートの説明において、元データファイルを集計表データ305dとし、ターゲットデータファイルを請求書ひな形データ305eと読み替えることで、当業者は容易に理解できる。
【0091】
また、請求書データ305gを生成する場合には、請求書の担当する営業部門の情報処理装置400で行うようにしてもよい。この場合、情報処理装置300にて生成された請求書紐づけ情報305fを利用してもよい。
【0092】
以上のように、上記構成の情報処理システムでは、紐づけ設定処理P1において、データのコピー元となる元データファイルと、データのコピー先となるターゲットデータファイルとを作業ウインドウW1上に表示するとともに、元データファイル上のデータ入力欄をターゲットデータファイル上の入力欄を紐づけて、この紐づけを表示して、この紐づけを紐づけ情報として保存するようにしている。
【0093】
したがって、上記構成の情報処理システムによれば、オペレータは、紐づけがどのように行われているかを認識できるので、データをコピーする箇所が複数存在しても、混乱することを避けることができる。
【0094】
また、上記構成の情報処理システムでは、データコピー処理P2において、データのコピーがどのように行われるかを紐づけ表示により視覚的に認識したのち、コピーを指示できる。
したがって、上記構成の情報処理システムによれば、オペレータは、データを正確にコピーすることができる。
【0095】
さらに、いったん紐づけ情報を作成すれば、ひな形が変わらない限り、再び紐づけ情報を用いて、同様のデータコピーを繰り返し行うことができるので、オペレータの作業負担は著しく軽減することができる。
【0096】
また上記構成の情報処理システムでは、オペレータが紐づけを行わなくても、データファイル間で、データの項目名が共通(一致)するものや、類似するものを検出して、仮の紐づけを行って、オペレータに確認を求めるようにしている。
このため、上記構成の情報処理システムによれば、紐づけ作業に関わるオペレータの負荷も軽減することができる。
【0097】
なお、この発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また上記実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって種々の発明を形成できる。また例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除した構成も考えられる。さらに、異なる実施形態に記載した構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0098】
その一例として例えば、上記実施の形態では、データ変換制御部314が、紐づけ設定処理P1とデータコピー処理P2を別のタイミングで実施し、紐づけ設定処理P1により、紐づけ情報(集計表紐づけ情報305cや請求表紐づけ情報305f)を生成した後、データコピー処理P2により、紐づけ情報に基づいて、データのコピーを行うようにしたがこれに限定されるものではない。
【0099】
例えば、データ変換制御部314が、紐づけ設定処理P1のステップ401~407を実行し、オペレータは、ステップ401において元データファイルとして検針帳票データ305aを指定し、ステップ402においてターゲットデータファイルとして集計表ひな形データ305bを指定する。そしてデータ変換制御部314が、ステップ406でオペレータの確認操作を受け付けると、データコピー処理P2のステップ708~709を実行して、現在行っており紐づけに基づくデータコピーを行って、集計表データ305dを生成する。このようなフローの処理によっても、オペレータは、紐づけ表示を認識しながらデータコピーが行えるので、様式の異なるデータファイルに正確にデータをコピーすることができる。
【0100】
また上記実施の形態では、1つの元データファイルと、1つのターゲットデータファイルとを紐づける場合を例に挙げて説明したが、いずれか一方または両方が2つ以上のデータファイルであってもよい。
【0101】
また上記実施の形態では、データ変換制御部314が、各入力欄の項目名を参照して、同じもの、あるいは関連があるものを仮に紐づけたのち、オペレータの要求に応じて入力欄の紐づけの編集(変更や新規追加)を行うようにしたが、オペレータによる変更を省略してもよいし、あるいは、項目名に基づく仮の紐づけはせず、オペレータによる指示に基づいて紐づけを行うようにしてもよい。
【0102】
また上記実施の形態では、紐づけられた入力欄を線分で視覚的に示すようにしたが、その他の手法で視覚的に示すようにしてもよい。例えば、紐づけられた入力欄の近傍にそれぞれ同じ数値や文字、マークなどを付して表示したり、あるいは、同じ色で入力欄を表示するようにしてもよい。さらには、紐づけられた入力欄の近傍にそれぞれ同じ数値や文字、マークなどを付して表示し、それらを同じ色で表示するようにしてもよい。
【0103】
また上記実施の形態では、紐づけ設定処理P1とデータコピー処理P2を情報処理装置300の制御部310が実行するものとして説明したがこれに限定されるものではない。例えば、サーバ500によるクラウドコンピューティングによって実現することも可能である。なお、このようにサーバ500によるクラウドコンピューティングによって実現する場合であっても、オペレータによる入力やオペレータに対する表示は情報処理装置300上で行われる。
【0104】
サーバ500によるクラウドコンピューティングによって実現する場合、例えば、サーバ500は、図8に示すような構成を備える。すなわち、サーバ500は、紐づけ設定処理P1とデータコピー処理P2を実行するために、情報処理装置300と同等の機能を備える。図8に示すサーバ500の各部(5XX)の機能については、図3乃至図7を用いて説明した情報処理装置300の各部(3XX)の機能についての説明を読み替える(3XX→5XX)ことで、当業者に容易に理解されるであろう。
【0105】
また、オペレータによる入力やオペレータに対する表示については、情報処理装置300上で行うようにするために、サーバ500の制御部510と情報処理装置300の制御部310がネットワーク600を通じて連携する。
【0106】
例えば、入力については、入力制御部512による入力制御命令が、通信制御部511が通信部501を制御することによって、情報処理装置300に伝達される。一方、情報処理装置300では、上記入力制御命令を通信部301が通信制御部311の制御により受信して、上記入力制御命令に従ってデータ変換制御部314が入力制御部312を制御し、入力部302を通じてオペレータから入力を受け付ける。また受け付けた入力は、データ変換制御部314の指示に従って通信制御部311が通信部301を通じてサーバ500に伝達する。
【0107】
また例えば、表示については、表示制御部513による表示制御命令は、通信制御部511が通信部501を制御することによって、情報処理装置300に伝達される。一方、情報処理装置300では、上記表示制御命令を通信部301が通信制御部311の制御により受信して、上記表示制御命令に従ってデータ変換制御部314が表示制御部313を制御し、表示部303を通じてオペレータに情報を表示する。
【0108】
すなわち、上記実施の形態では、入力や表示の制御は、情報処理装置300内で完結するのに対して、サーバ500によるクラウドコンピューティングによって実現する場合には、サーバ500と情報処理装置300がネットワーク600を通じて連携することで実現する。その他、図4に示した紐づけ設定処理P1や図7に示したデータコピー処理P2のうち、サーバ500単体で行える処理については、サーバ500上で行う。
【0109】
上記実施の形態において情報処理装置300がアプリケーションソフトウェアを実行することによって実現した処理P1およびP2を、サーバ500によるクラウドコンピューティングによって同様の処理が実現可能であることは、当業者によって容易に理解されるであろう。
その他、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を施しても同様に実施可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0110】
100…携帯型端末装置、101…通信部、102…入力部、103…表示部、104…カメラ、105…記憶部、105a…読み値データ、105b…検針用ひな形データ、105c…検針帳票データ、110…制御部、111…通信制御部、112…入力制御部、113…表示制御部、114…画像処理部、115…帳票データ作成部、200…無線基地局、300…情報処理装置、301…通信部、302…入力部、303…表示部、305…記憶部、305a…検針帳票データ、305b…集計表ひな形データ、305c…集計表紐づけ情報、305d…集計表データ、305e…請求書ひな形データ、305f…請求書紐づけ情報、305g…請求書データ、310…制御部、311…通信制御部、312…入力制御部、313…表示制御部、314…データ変換制御部、400…情報処理装置、500…サーバ、501…通信部、505…記憶部、505a…検針帳票データ、505b…集計表ひな形データ、505c…集計表紐づけ情報、505d…集計表データ、505e…請求書ひな形データ、505f…請求書紐づけ情報、505g…請求書データ、510…制御部、511…通信制御部、512…入力制御部、513…表示制御部、514…データ変換制御部、600…ネットワーク、MT1~MTn…メータ。
図1
図2
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図8