(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】駆動装置及びバルブ装置
(51)【国際特許分類】
F16K 31/04 20060101AFI20240502BHJP
F16K 27/00 20060101ALI20240502BHJP
F16K 27/02 20060101ALI20240502BHJP
【FI】
F16K31/04 Z
F16K27/00 B
F16K27/02
(21)【出願番号】P 2019229357
(22)【出願日】2019-12-19
【審査請求日】2022-11-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095452
【氏名又は名称】石井 博樹
(72)【発明者】
【氏名】勝呂 浩成
(72)【発明者】
【氏名】大川 高徳
(72)【発明者】
【氏名】神浦 剛
【審査官】藤森 一真
(56)【参考文献】
【文献】実開平06-047786(JP,U)
【文献】特開2013-104391(JP,A)
【文献】特開2004-116588(JP,A)
【文献】特開2017-137990(JP,A)
【文献】実開昭58-149677(JP,U)
【文献】特開2021-046812(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0180195(US,A1)
【文献】特開2017-101741(JP,A)
【文献】特開平09-105475(JP,A)
【文献】特開2019-078334(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109519564(CN,A)
【文献】特表2022-538844(JP,A)
【文献】特開2001-187978(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 27/00 - 27/12
F16K 31/00 - 31/05
F16K 31/06 - 31/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動部材と、
該可動部材を駆動する駆動部と、
被取付部材への取付部と、を備える駆動装置であって、
前記取付部は、
前記被取付部材に挿入される円筒部と、
前記円筒部の外周面に設けられ、前記被取付部材に接触して該被取付部材に対する
径方向の位置決めを成す複数の突部と、を備え
、
前記円筒部の前記挿入の方向における後側に前記円筒部より径が大きいフランジを備える、
ことを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
請求項1に記載の駆動装置において、
前記突部は、3つ以上の奇数個である、
ことを特徴とする駆動装置。
【請求項3】
請求項1に記載の駆動装置において、
前記突部は、4つ以上の偶数個である、
ことを特徴とする駆動装置。
【請求項4】
請求項3に記載の駆動装置において、
前記偶数個の各突部は、対を成して前記円筒部の中心に対して対称に配置される、
ことを特徴とする駆動装置。
【請求項5】
請求項3に記載の駆動装置において、
前記突部は、4つであり、
前記突部は、前記円筒部の中心とをつなぐ線分が隣同士90度の角度で配置される、
ことを特徴とする駆動装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の駆動装置において、
前記複数の各突部は、周方向に等間隔に配置される、
ことを特徴とする駆動装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の駆動装置において、
前記複数の各突部は、前記挿入の方向を軸方向とする半円柱形状である、
ことを特徴とする駆動装置。
【請求項8】
有底筒状に形成されバルブ本体と、
前記バルブ本体の内部に取り付けられる請求項1から
請求項7のいずれか一項に記載の駆動装置、とを備えるバルブ装置であって、
前記駆動装置は、
前記被取付部材としての前記バルブ本体に前記取付部によって取り付けられ、
前記可動部材を駆動することで前記バルブ本体との間でバルブ動作を行う、
ことを特徴とするバルブ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弁体を移動させることで流体の流量を制御するバルブ装置等に用いられる駆動装置及びバルブ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
有底筒状に形成されバルブ本体の内部に駆動装置が取り付けられるバルブ装置として、その一例が特許文献1に記載されている。
特許文献1には、弁体7を備える駆動装置の円筒部(符号5の部分)の一部の外周面が取付部となって有底筒状の弁本体1の内側面に接触するように開口側から挿入された状態で取り付けられる構造が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載の構成のように、駆動装置の円筒部の外周面が有底筒状の弁本体の内側面に接触するように挿入されて取り付けられる構造では、弁本体に対する駆動装置の円筒部の位置出しのために、互いに接触する部分の寸法精度を両者において高めなければならない。そのため、その製造は簡単ではない。
【0005】
本発明の目的は、駆動装置の円筒部の外周面が有底筒状の弁本体の内側面に接触するように挿入されて取り付けられる構造の駆動装置の製造を容易に行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る駆動装置は、可動部材と、該可動部材を駆動する駆動部と、被取付部材への取付部と、を備える駆動装置であって、前記取付部は、前記被取付部材に挿入される円筒部と、前記円筒部の外周面に設けられ、前記被取付部材に接触して該被取付部材に対する位置決めを成す複数の突部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本態様によれば、前記取付部は、前記被取付部材に挿入される前記円筒部の外周面に、前記被取付部材に接触して該被取付部材に対する位置決めを成す複数の突部を備える。この複数の突部により前記位置決めを行うので、前記円筒部の外周面の全面に前記位置出しの加工をする必要はなく、前記突部に対してだけ行えばよくなるので、その製造を容易に行うことができる。
【0008】
また本発明は、上記駆動装置において、前記突部は、3つ以上の奇数個であることが好ましい。
【0009】
本態様によれば、前記突部は、3つ以上の奇数個であるので、各突部の相対配置を適宜設定して構成することができる。
【0010】
また本発明は、上記駆動装置において、前記突部は、4つ以上の偶数個であることが好ましい。
【0011】
本態様によれば、前記突部は、4つ以上の偶数個であるので、各突部の相対配置を適宜設定して構成することができる。
【0012】
また本発明は、上記駆動装置において、前記偶数個の各突部は、対を成して前記円筒部の中心に対して対称に配置されることが好ましい。
【0013】
本態様によれば、前記偶数個の各突部は、対を成して前記円筒部の中心に対して対称に配置されるので、前記突部を有する前記円筒部の前記位置出しの加工をバランス良く容易に行うことができる。
【0014】
また本発明は、上記駆動装置において、前記突部は、4つであり、前記突部は、前記円筒部の中心とをつなぐ線分が隣同士90度の角度で配置されることが好ましい。
【0015】
本態様によれば、4つの前記突部は、前記円筒部の中心とをつなぐ線分が隣同士90度の角度で配置されるので、言い換えると4等分割された位置に4つの突部が配置されるので、前記位置出し精度を高め易くなる。
【0016】
また本発明は、上記駆動装置において、前記複数の各突部は、周方向に等間隔に配置されることが好ましい。
【0017】
本態様によれば、前記複数の各突部は、周方向に等間隔に配置されるので、前記位置出し精度を高め易くなる。
【0018】
また本発明は、上記駆動装置において、前記複数の各突部は、前記挿入の方向を軸方向とする半円柱形状である、ことが好ましい。
ここで、「半円柱形状」とは、円柱の中心軸を通る面で切断した断面が正確に半円の柱に限定されず、円柱の中心軸を通らないで前記中心軸を通る面と平行な面で切断した断面が弦と弧で作られる形状の柱、言い換えると軸方向から見た面が弧と弦で作られる形状の柱を意味する。
【0019】
本態様によれば、前記複数の各突部は、前記挿入の方向を軸方向とする半円柱形状であるので、凸曲面形状などに比して前記被取付部材に取り付けられた状態おける安定性を高め易くなる。
【0020】
また本発明は、上記駆動装置において、前記円筒部の前記挿入の方向における後側に前記円筒部より径が大きいフランジを備えることが好ましい。
【0021】
前記円筒部が前記被取付部材に取り付けられた状態おいて、該円筒部の前記各突部間には前記被取付部材との間に隙間ができる。
本態様によれば、前記円筒部の前記挿入の方向における後側に前記円筒部より径が大きいフランジを備えるので、前記円筒部が前記被取付部材に取り付けられた状態おいて、前記フランジが前記隙間を覆うことができる。
【0022】
上記課題を解決するため、本発明に係るバルブ装置は、有底筒状に形成されバルブ本体と、前記バルブ本体の内部に取り付けられる前記各態様のいずれか一つの駆動装置、とを備えるバルブ装置であって、前記駆動装置は、前記被取付部材としての前記バルブ本体に前記取付部によって取り付けられ、前記可動部材を駆動することで前記バルブ本体との間でバルブ動作を行う、ことを特徴とする。
【0023】
本態様によれば、バルブ装置として、前記各態様のいずれか一つの駆動装置の効果と同様の効果を得られる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、駆動装置の円筒部の外周面が有底筒状の弁本体の内側面に接触するように挿入されて取り付けられる構造の駆動装置の製造を容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の実施形態1に係るバルブ装置の概要を表す全体斜視図である。
【
図2】同実施形態1に係る駆動装置を表す異なる方向から見た斜視図である。
【
図3】同実施形態1に係る駆動装置の正面図である。
【
図4】他の実施形態に係る駆動装置の突部の配置を説明する模式図である。
【
図5】他の実施形態に係る駆動装置の突部の配置を説明する模式図である。
【
図6】他の実施形態に係る駆動装置の突部の配置を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[実施形態1]
以下に、本発明に係るバルブ装置の一例として、実施形態1のバルブ装置1について、
図1から
図3に基づいて詳細に説明する。実施形態1のバルブ装置1は、図示を省略するガソリンエンジンのスロットルバルブのバイパス弁として用いられており、外部から流入され且つガソリンエンジンへ向かう空気量を制御する。
図1に表すように、バルブ装置1は、有底筒状に形成されバルブ本体2と、バルブ本体2を被取付部材として、該バルブ本体2の内部に取り付けられる駆動装置4と、を備える。尚、
図1は、バルブ装置1のバルブ本体2と駆動装置4とを分解した状態、言い換えるとバルブ本体2に駆動装置4を取り付ける前の状態の斜視図である。
【0027】
<バルブ本体>
バルブ本体2は、底部6及び周壁部8を有する。底部6は、円板状に形成されている。周壁部8は、円筒状に形成されており、底部6の外周縁から一方向に延びている。周壁部8の厚さは、一例として、底部6の厚さよりも厚い。周壁部8における底部6とは反対側には、開口部14が形成されている。このように、バルブ本体2は、有底筒状に形成されている。
【0028】
なお、以後の説明では、底部6の厚さ方向で且つ周壁部8の軸方向をZ軸方向と称する。また、周壁部8の開口側を+Z側と称し、周壁部8の底部6側を-Z側と称する。底部6の円の中央部分には、底部6をZ軸方向に貫通する流入口10が形成されている。流入口10の形状は、Z軸方向から見た場合に円形である。流入口10は、流体の一例としての空気が流入する流入口として機能する。
【0029】
周壁部8におけるZ軸方向の中央よりも-Z側の部位には、周壁部8を厚さ方向に貫通する流出口12が形成されている。流出口12は、流体の一例としての空気が流通する流出口として機能する。以後の説明では、周壁部8の厚さ方向で且つ流出口12の開口方向をX軸方向と称する。X軸方向は、Z軸方向と直交している。なお、X軸方向及びZ軸方向と直交する方向をY軸方向と称する。Z軸方向は、予め設定した設定方向の一例である。Y軸方向は、Z軸方向と交差する交差方向の一例である。
【0030】
流出口12の形状は、X軸方向から見た場合に円形である。また、流出口12の直径は、一例として、流入口10の円の直径よりも大きい。Z軸方向における流出口12の縁から底部6までの長さは、一例として、X軸方向における流入口12の縁から周壁部8までの長さよりも短い。バルブ本体2の内部の空気は、流出口12を通ってガソリンエンジン側へ向けて流れるようになっている。
【0031】
<駆動装置>
図2と
図3に表すように、駆動装置4は、弁体駆動部の一例であり、弁体すなわち可動部材となるプランジャ20と、プランジャ20を駆動する駆動部40と、被取付部材であるバルブ本体2へ取り付けるための取付部41を有する。
(可動部材/プランジャ)
プランジャ20は、具体的には、基部21と、縮径部22と、挿入部23とで構成されている。
基部21は、Z軸方向を軸方向とし且つ+Z側に向けて開口する有底の円筒状に形成されている。基部21の内側の中心位置には、Z軸方向に延びる図示しない雌ねじ穴が形成されている。この雌ねじ穴は縮径部22にまで至る長さに形成されている。該雌ねじ穴には、後述するリードスクリュー24が挿入される。なお、基部21の外周面は、バルブ本体2の周壁部3とは接触しない。
縮径部22は、基部21の-Z側端部に連続して-Z側へ延びており、-Z側が+Z側よりも縮径するように形成された部位である。換言すると、縮径部22は、円錐台状に形成されている。
【0032】
挿入部23は、縮径部22の-Z側端部に連続して-Z側へ延びており、-Z側が+Z側よりも縮径された部位である。換言すると、挿入部23は、縮径部22よりも外径の小さい円錐台状に形成されている。また、挿入部23は、流入口10に挿入される部位である。X軸方向から見た場合に、挿入部23の外周面に相当する斜辺がZ軸方向に対して成す角度を予め設定しておくことで、挿入部23が流入口10に挿入された場合の空気の流量が制御されるようになっている。
【0033】
プランジャ20は、バルブ本体2の内部に、Z方向に沿って移動可能に設けられている。プランジャ20は、挿入部23が流入口10から退避され又は流入口10に挿入されることで、流入口10を開閉するようになっている。
【0034】
(駆動部)
駆動部40は、モータ本体42と、図示しない回路基板と、リードスクリュー24とを含んで構成されている。
モータ本体42は、Z方向を軸方向とする円柱状に形成されており、開口部14を塞いだ状態でバルブ本体2に取り付けられる。また、モータ本体42は、一例として、ステッピングモータとして構成されている。図において、符号5はケーシングを示す。ケーシング5はモータ本体42を保持する。また、図において、符号7はコネクタハウジングを示す。
【0035】
前記回路基板は、図示を省略する電源部から電力供給され、且つ回転方向が指示されることで、モータ本体42を順方向に回転動作させ、又は逆方向に回転動作させる。
リードスクリュー24は、モータ本体42からZ軸方向に沿って-Z側へ延びており、モータ本体42が動作されることで、回転駆動されるようになっている。リードスクリュー24の外周部には、図示を省略する雄ネジ部が形成されている。この雄ネジ部は、前記雌ねじ穴の雌ネジ部と螺合されている。これにより、モータ本体42がリードスクリュー24を回転させた場合に、回転運動が直線運動に変換され、プランジャ20がZ軸方向に進退移動するようになっている。このように、駆動部40は、プランジャ20をZ軸方向に移動させる。
【0036】
(取付部、突部)
取付部41は、被取付部材であるバルブ本体2の開口部14にZ軸の方向に挿入される円筒部43と、円筒部43の外周面45に設けられ、バルブ本体2の周壁部8の内面3に接触してバルブ本体2に対する位置決めを成す複数の突部47とを備える。即ち、複数の突部47は円筒部43の中心Cに対して同心円上に配置されて、前記位置決めを行えるように構成されている。バルブ本体2の開口部14は段部17を介して開口部14より小径の周壁部3の内面3につながっている。
本実施形態では、突部47の数は偶数個であり、具体的には4つ設けられている。そして、
図3に表したように、4つの突部47は、円筒部43の中心Cとをつなぐ4つの線分dが隣同士90度の角度で配置される。
尚、突部47の数は、4つに限定されず、
図4に表したように、上側の図(A)の6つ或いは下側の図(B)の8つ、更にはそれ以上の偶数個でもよい。
【0037】
本実施形態では、
図3と
図4に表れているように、複数の各突部47は、周方向に等間隔に配置されているということもできる。
図3では円周の4分の1の寸法の間隔で、
図4の上側の図(A)では円周の6分の1の寸法の間隔で、
図4の下側の図(B)では円周の8分の1の寸法の間隔で配置されている。
【0038】
本実施形態では、
図2と
図3に表れているように、突部47の形状は、前記挿入の方向であるZ軸を軸方向とする半円柱形状である。突部47の形状は、前記半円柱形状に限定されないことは勿論である。突部47がバルブ本体2の周壁部3と接触する部分が平坦面である台形形状や、半球面形状等、前記位置決めが行える形状であればよい。
【0039】
円筒部43は、その外径寸法は、バルブ本体2の周壁部8の内面3の内径より突部47の分だけ小さく形成されている。即ち、円筒部43の外周面45の隣り合う突部47間の部分は、バルブ本体2の周壁部8の内面3との間に隙間ができる。この隙間ができることで複数の突部47の部分だけが周壁部3の内面3と接触することになり、これにより前記位置決めが行い易くなっている。
本実施形態では、円筒部43の前記挿入の方向における後側(+Z方向側)に円筒部43より径が大きいフランジ48を備える。フランジ48の形状は、円筒部43と同様に円形であるが、円筒部43より大径であればよく、円形に限定されない。
【0040】
<実施形態1の動作と効果の説明>
図1に表すように、駆動装置4をバルブ本体2の開口部14から周壁部8内に挿入することで、取付部41の円筒部43の複数の突部47が周壁部8の内面3に接触する。この接触により駆動装置4のバルブ本体2に対する位置決めが行われる。具体的には、プランジャ20の挿入部23の軸とバルブ本体2の流入口10の軸とが一致するように位置決めされる。
【0041】
(1)本実施形態1によれば、取付部41は、被取付部材であるバルブ本体2に挿入される円筒部43の外周面45に、バルブ本体2の周壁部8の内面3に接触してバルブ本体2に対する位置決めを成す複数の突部47を備える。この複数の突部47により前記位置決めを行うので、円筒部43の外周面45の全面に前記位置出しの加工をする必要はなく、突部47に対してだけ行えばよくなるので、その製造を容易に行うことができる。
【0042】
(2)また、突部47が4つ以上の偶数個である構造は、各突部47の相対配置を適宜設定して構成することができる。また、4つの突部47と円筒部43の中心Cとをつなぐ線分dが隣同士90度の角度で配置される構造では、4等分割された位置に4つの突部が配置されるので、前記位置出し精度を高め易くなる。
また、本実施形態1では、複数の各突部47は、周方向に等間隔に配置されるので、前記位置出し精度を高め易くなる。
【0043】
(3)また本実施形態1によれば、複数の各突部47は、前記挿入の方向(Z方向)を軸方向とする半円柱形状であるので、凸曲面形状などに比してバルブ本体2に取り付けられた状態おける安定性を高め易くなる。
【0044】
(4)また、円筒部43がバルブ本体2に取り付けられた状態おいて、円筒部43の各突部47間にはバルブ本体2の周壁部8の内面3との間に隙間ができる。
本実施形態1によれば、円筒部43の前記挿入の方向における後側(+Z方向側)に円筒部43より径が大きいフランジ48を備えるので、円筒部43がバルブ本体2に取り付けられた状態おいて、フランジ48が前記隙間を覆うことができる。
【0045】
[実施形態2]
次に、本発明に係るバルブ装置の実施形態2を、
図5に基づいて説明する。尚、実施形態1と共通する部分については、同一符号を付して、その説明を省略する。また、実施形態1と同様の作用及び効果について説明を省略する。
【0046】
図5に表すように、本実施形態2では、偶数個の各突部47は、対を成して円筒部43の中心Cに対して対称に配置されている。
図5の上側の図(A)では、4つの突部47の2対が円筒部43の中心Cに対して対称に配置されている。この配置においては、隣り合う線分d同士の作る角度は、実施形態1のように90度(
図3)ではない。2つの対角の一方は90度以下の角度であり、他方は90度以上の角度である。
図5の下側の図(B)では、6つの突部47の3対が円筒部43の中心Cに対して対称に配置されている。この図(B)では、3つの対角の内の2つが90度以下の角度であり、残りの一つは90度以上の角度である。2つの90度以下の角度の対角は異なる角度である。このような配置であってもよい。
【0047】
本実施形態2によれば、偶数個の各突部47は、対を成して円筒部43の中心Cに対して対称に配置されるので、複数の突部47を有する円筒部43の前記位置出しの加工をバランス良く容易に行うことができる。
【0048】
[実施形態3]
次に、本発明に係るバルブ装置の実施形態3を、
図6に基づいて説明する。尚、実施形態1と共通する部分については、同一符号を付して、その説明を省略する。また、実施形態1と同様の作用及び効果について説明を省略する。
【0049】
図6に表すように、本実施形態3では、複数の突部47は、3つ以上の奇数個である。ここでは、突部47が3つの構造が一例として示されている。
図6の上側の図(A)では、隣り合う線分の作る角度は120度である。即ち3つの突部47は360度を3つに等分割した位置に配置されている。
図6の下側の図(B)では、隣り合う線分の作る角度は同じではない。ここでは、一つの角度は90度以下であり、他の2つの角度は90度以上である。このような配置であってもよい。
本実施形態3によっても、突部47は3つ以上の奇数個であるので、各突部47の相対配置を適宜設定して構成することができる。
【0050】
〔他の実施形態〕
本発明の各実施形態に係る駆動装置及びバルブ装置10は、以上のべたような構成を有することを基本とするものであるが、本願発明の要旨を逸脱しない範囲内での部分的構成の変更や省略等を行うことも勿論可能である。
【0051】
バルブ装置1は、図示を省略するガソリンエンジンのスロットルバルブのバイパス弁として用いられるものを示したが、これに限定されず、外部から流入され且つ他の外部に向かう流体を制御するものに適用可能である。
流入口10と流出口12を入れ替えて、空気の流れを逆にしてもよい。
【符号の説明】
【0052】
1…バルブ装置、2…バルブ本体、3…内面、4…駆動装置、
5…ケーシング、6…底部、7…コネクタハウジング、8…周壁部、
10…流入口、12…流出口、14…開口部、17…段部、
20…プランジャ、21…基部、22…縮径部、23…挿入部、
24…リードスクリュー、40…駆動部、41…取付部、
42…モータ本体、43…円筒部、45…外周面、47…突部、48…フランジ、
C…中心、d…線分