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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/00 20060101AFI20240502BHJP
   F25D 23/02 20060101ALI20240502BHJP
【FI】
F25D23/00 307
F25D23/02 D
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020017918
(22)【出願日】2020-02-05
(65)【公開番号】P2021124244
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2022-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】安部 昌則
【審査官】森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-138529(JP,A)
【文献】特開2017-058114(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 23/00
F25D 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷蔵庫本体内に設けられた貯蔵室と、
前記貯蔵室を開閉するものであって、断熱部材を収容して断熱性を有する扉と、
前記扉に設けられ外部機器が接続可能な接続部と、
前記扉の下部の前側に設けられ、前記接続部が収容される収容部と、
を備え、
前記扉には、断熱厚みが他の部分より大きく構成された厚肉部が部分的に設けられており、且つ、裏面側に閉塞時における気密性保持用のシール部材が取付けられると共に、
前記厚肉部は、前記扉の下部において背面側に突出しており、
前記接続部は、前記扉のうち、前記厚肉部の前面側且つ外側に位置して設けられており、且つ、前記シール部材の取付部分の前面側に配置されており、
前記外部機器が前記接続部に対し前面側から差込み及び抜出し可能に構成されており、
前記収容部と前記厚肉部の上部の根元部分との間の寸法は、前記収容部の前後方向長さ寸法よりも大きく、且つ、前記収容部の縦方向高さ寸法よりも大きい冷蔵庫。
【請求項2】
前記扉は、箱体内に前記断熱部材を収容しており、
前記箱体は、前面板と、その周囲に位置する枠部材とを含み、前記断熱部材は、それら前面板と枠部材との接続部分に位置して凹状となる段差部を有している請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記扉は、箱体内に発泡断熱材を充填して構成されている請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記収容部は、該箱体の内側に突出する先端の外壁部に、角を面取りした形態の傾斜面を有している請求項3記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記扉の前面には前面板が設けられ、前記前面板の端部と、前記収容部との間に、断熱部材又は発泡断熱材が配置されている請求項1から4のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンやタブレット端末の普及に伴い、例えばスマートフォン等で動画や音楽を視聴しながら、キッチンで家事を行うといった使い方がなされるようになってきている。このとき、動画や音楽を視聴する場合、バッテリー消費が比較的大きいため、ユーザは、スマートフォンのバッテリーの残量を気にしながら視聴する必要がある。そこで、例えば特許文献1では、家庭用の冷蔵庫において、携帯端末等との接続が可能な接続用コネクタを設け、携帯端末の充電を行える構成とすることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-188760号公報(請求項28)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えばスマートフォン等の外部機器が接続可能な接続部として、USBコネクタがある。家庭用の冷蔵庫において、USBコネクタを設けるようにすれば、そのUSBコネクタにスマートフォンを接続して給電を受けることで、バッテリー残量を気にせずに動画や音楽を視聴することが可能となる。そこで、接続部を、冷蔵庫の断熱扉や、冷蔵庫本体に設けることが考えらえる。
【0005】
ところが、接続部を、扉或いは冷蔵庫本体のどちらに設けた場合でも、接続部を設けた分だけ断熱材の容積特に厚みが減少し、断熱性が悪化してしまうことが予測される。このような断熱性の悪化に伴い、消費電力の増加や結露の問題が発生する。尚、断熱材としてウレタンフォームを採用したものでは、接続部を設けることによる、ウレタンフォームの流動性の悪化も懸念される。
そこで、外部機器が接続可能な接続部を設けたものにあって、断熱性の低下を抑えることができる冷蔵庫を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係る冷蔵庫は、冷蔵庫本体内に設けられた貯蔵室と、前記貯蔵室を開閉するものであって、断熱部材を収容して断熱性を有する扉と、前記扉に設けられ外部機器が接続可能な接続部と、前記扉の下部の前側に設けられ、前記接続部が収容される収容部と、を備え、前記扉には、断熱厚みが他の部分より大きく構成された厚肉部が部分的に設けられており、且つ、裏面側に閉塞時における気密性保持用のシール部材が取付けられると共に、前記厚肉部は、前記扉の下部において背面側に突出しており、前記接続部は、前記扉のうち、前記厚肉部の前面側且つ外側に位置して設けられており、且つ、前記シール部材の取付部分の前面側に配置されており、前記外部機器が前記接続部に対し前面側から差込み及び抜出し可能に構成されており、前記収容部と前記厚肉部の上部の根元部分との間の寸法は、前記収容部の前後方向長さ寸法よりも大きく、且つ、前記収容部の縦方向高さ寸法よりも大きい
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施形態を示すもので、冷蔵庫の外観を示す正面図
図2】冷蔵庫の全体構成を概略的に示す縦断右側面図
図3】冷蔵室右扉の裏面側からの斜視図
図4】冷蔵室右扉の下部部分の縦断右側面図
図5】冷蔵室右扉の要部の縦断右側面図
図6】第1の参考例を示す冷蔵室右扉の要部の縦断右側面図
図7】第2の実施形態を示すもので、冷蔵室右扉の要部の縦断右側面図
図8】第2の参考例を示す冷蔵室右扉の要部の縦断右側面図
図9】第3の実施形態を示すもので、冷蔵室右扉の要部の縦断右側面図
図10】第4の実施形態を示すもので、断熱箱体の要部の縦断右側面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、家庭用冷蔵庫に適用したいくつかの実施形態について、図面を参照しながら説明する。尚、複数の実施形態間で、同一部分には同一符号を付して、詳しい説明や新たな図示を省略しながら説明する。
【0009】
(1)第1の実施形態
図1から図6を参照して、第1の実施形態について述べる。図1図2は、本実施形態に係る冷蔵庫の本体1の全体構成を概略的に示している。この冷蔵庫本体1は、前面が開口した縦長矩形箱状の断熱箱体2内に、複数の貯蔵室を設けて構成されている。詳しく図示はしないが、断熱箱体2は、鋼板製の外箱と、プラスチック製の内箱との間に、例えば発泡断熱材の一例であるウレタンフォームや、断熱部材の一例である真空断熱パネル等の断熱材を充填して構成されている。
【0010】
本実施形態では、前記貯蔵室として、断熱箱体2内には、上段から順に、冷蔵室3、野菜室4、製氷室5、冷凍室7が設けられている。また、図1に示すように、断熱箱体2のうち前記製氷室5が設けられる部分は左右2室に仕切られており、左側に製氷室5が設けられ、右側に第2冷凍室6が設けられている。図2に示すように、前記製氷室5内には、周知の自動製氷装置17が設けられている。前記冷蔵室3及び野菜室4は、いずれも冷蔵温度帯、例えば3~5℃の貯蔵室であり、図2に示すように、それらの間は、プラスチック製の仕切壁8により上下に仕切られている。尚、図4に示すように、前記仕切壁8の先端部には、後述するガスケット31を吸着するための鉄板32や、比較的高温の冷媒が流れる防露パイプ33が配設されている。
【0011】
前記冷蔵室3の前面部には、断熱性を有する回動開閉式の扉9、10が左右に設けられている。図1に示すように、これら扉9、10は、共に上下方向に長い矩形板状をなし、中央側から左右に夫々開放するいわゆる観音開き式のものとされている。以下、左側の扉を冷蔵室左扉9、右側の扉を冷蔵室右扉10と称する。前記野菜室4の前面には引出し式の扉11が設けられている。図2に示すように、この扉11の背面部には、貯蔵容器14が連結されている。前記冷蔵室3内は、複数個の棚板12により上下に複数段に区切られると共に、その最下部即ち前記仕切壁8の上部に、チルド室13が設けられている。前記チルド室13は、例えば0~2℃の温度帯とされる。
【0012】
また、前記製氷室5及び第2冷凍室6並びに冷凍室7は、いずれも冷凍温度帯、例えば-18℃以下の貯蔵室であり、図2に示すように、前記野菜室4と、製氷室5及び第2冷凍室6との間は、断熱仕切壁15により上下に仕切られている。製氷室5の前面部には、引出し式の扉16が設けられており、その扉16の背面部に、前記自動製氷装置17により製造された氷を受ける貯氷容器17aが連結されている。図1に示すように、第2冷凍室6の前面部にも、図示しない貯蔵容器が連結された引出し式の扉18が設けられている。前記冷凍室7の前面部にも、貯蔵容器20が連結された引出し式の扉19が設けられている。
【0013】
この冷蔵庫本体1内には、図2に示すように、前記冷蔵室3及び野菜室4を冷却するための冷蔵室用冷却器21と、前記製氷室5及び第2冷凍室6並びに冷凍室7を冷却するための冷凍室用冷却器22との2つの冷却器を備える冷凍サイクルが組込まれる。なお、冷凍サイクルは、周知の構成であるため、その詳細な図示を省略する。冷蔵庫本体1の下端部背面側には、機械室23が設けられている。この機械室23内に、冷凍サイクルを構成する圧縮機24及び凝縮器などが配設されていると共に、それらを冷却するための図示しない冷却ファンや除霜水蒸発皿25等が配設されている。
【0014】
冷蔵庫本体1内の前記冷凍室7の背壁部には、冷凍室用冷却器室26が設けられている。この冷凍室用冷却器室26内には、下部に位置して前記冷凍室用冷却器22や図示しない除霜用ヒータ等が配設されていると共に、上部に位置して冷凍用送風ファン27が配設されている。冷凍室用冷却器室26の前面の中間部には、冷気吹出口26aが設けられ、下端部には、戻り口26bが設けられている。これにて、冷凍用送風ファン27が駆動されると、冷凍室用冷却器22により生成された冷気が、前記冷気吹出口26aから製氷室5及び第2冷凍室6並びに冷凍室7内に供給された後、前記戻り口26bから冷凍室用冷却器室26内に戻されるといった循環を行うようになっている。
【0015】
そして、冷蔵庫本体1の背壁部には、前記冷蔵室用冷却器21を収容する冷蔵室用冷却器室28が設けられる。これと共に、前記冷蔵室用冷却器21により生成された冷気を前記冷蔵室3及び野菜室4内に供給するための吹出しダクト29や、前記冷気を循環させるための送風ファン30等が設けられる。前記吹出しダクト29は、冷蔵室用冷却器室28の上端部から冷蔵室3の背壁部を一定の幅で上方に延びるように設けられ、この吹出しダクト29には、冷蔵室3内で開口する複数個の吹出口29aが設けられている。
【0016】
前記野菜室4の後方には、前記送風ファン30が配設されていると共に、送風ダクト34及び吸込みダクト35が設けられている。そのうち送風ダクト34は、野菜室4の背面側に位置して、冷蔵室用冷却器室28の下端部前面側に連通するように、前記吹出しダクト29と同等の幅で上下方向に延びて設けられている。この送風ダクト34の下端部前面側には、左右方向中央部に位置してベルマウス34aが設けられ、このベルマウス34a内に送風羽根が位置するように、前記送風ファン30が設けられている。前記送風ダクト34の前面側に、前後に二重に重なるように、吸込みダクト35が設けられている。
【0017】
前記吸込みダクト35は、野菜室4の天井部から送風ファン30よりもやや下方まで延びて設けられている。このとき、吸込みダクト35の底部には、開口部35aが設けられている。また、吸込みダクト35の上端部は、冷蔵室3の底部この場合チルド室13の底部の背面側に横長状に形成された吸込口35bに連通している。尚、冷蔵室3と野菜室4とを区画する仕切壁8部分には、冷蔵室3からの冷気の一部を野菜室4内に導くための冷気供給ダクト8aが設けられている。
【0018】
これにて、前記送風ファン30が回転駆動されると、図2に白抜きの矢印で示すように、冷蔵室3内の空気が吸込口35bから吸込みダクト35内に吸込まれると共に、野菜室4内の空気が開口部35aを通して吸込みダクト35内に吸込まれ、送風ダクト34を通って冷蔵室用冷却器室28内に導かれる。そして、冷蔵室用冷却器21により冷気が生成され、その冷気が吹出しダクト29の各吹出口29aから冷蔵室3及びチルド室13内に供給される。冷蔵室3及びチルド室13内に供給された冷気は、貯蔵物の冷却に寄与した後、一部が吸込口35bから吸込みダクト35内に吸込まれ、残りが冷気供給ダクト8aを通って野菜室4内に供給され、野菜などの冷却に寄与した後、開口部35aから吸込みダクト35内に吸込まれるという循環を繰返す。
【0019】
また、図2に示すように、冷蔵庫本体1には、断熱箱体2の上壁部の後端部寄り部位に収納部36が設けられ、この収納部36内にコンピュータを主体して構成され冷蔵庫全体を制御する制御装置37が配設されている。更に、図1にも示すように、冷蔵室3用の冷蔵室左扉9の前面には、表示部を含む操作パネル38が設けられている。詳しい説明は省略するが、ユーザは、操作パネル38を操作することにより、各室の温度設定を行ったり、急速冷凍等の機能をオン、オフさせたり、所望の料理のレシピを表示部に表示させたりすることができる。
【0020】
前記制御装置37は、上記した各機構即ち冷凍サイクルの圧縮機24や、冷凍用送風ファン27、送風ファン30、自動製氷装置17、図示しないダンパや除霜用ヒータ等を制御して冷却運転等を実行する。また、冷蔵庫本体1の各部には、図示しない複数の温度センサが設けられている。前記制御装置37には、操作パネル38の操作信号や各温度センサの検出信号が入力されるようになっている。これにて、制御装置37は、操作パネル38の操作信号や各温度センサの検出信号に基づいて、冷却運転の制御により、冷蔵室3、野菜室4、製氷室5、第2冷凍室6、冷凍室7の各室内が夫々目標とする所定の温度帯に維持される。また、制御装置37は、次に述べるUSBコネクタ41を介する通信や給電も制御するようになっている。
【0021】
さて、冷蔵庫本体1には、外部の情報機器、例えば図1に例示するスマートフォン39や、図示しない携帯電話、タブレット端末、パソコン等との接続を可能とするための接続部が設けられる。本実施形態では、接続部の一例として、コンピュータ及び周辺機器の接続規格の一つであるUSB(ユニバーサル・シリアル・バス)による接続を行うためのメス型のUSBコネクタ41が設けられる。この場合、USBの規格としては、USB3.0、USB2.0、USB1.1等いずれも採用できる。図1図4図5に示すように、前記USBコネクタ41は、上記複数の扉9、10、11、16、18のうち、冷蔵室右扉10の周囲部分の前面部の、例えば下縁部に位置して設けられる。図1に示すように、前記スマートフォン39に接続されたケーブル42の先端には外部機器の差込具であるUSBプラグ43が設けられ、このUSBプラグ43が、USBコネクタ41に対し前面側から差込み及び抜出し可能とされる。
【0022】
以下、前記冷蔵室右扉10及びコネクタ41部分の構成について、図3図5も参照して詳述する。即ち、図3は、前記冷蔵室右扉10を裏面側から見た様子を示し、図4図5は、冷蔵室右扉10の下端部の縦断面構成を示している。ここで、冷蔵室右扉10は、前後方向に薄型のやや縦長矩形箱状をなす箱体44内に、発泡断熱材の一例であるウレタンフォーム45を充填して構成される。尚、図5ではウレタンフォーム45の図示等を省略している。周知のように、前記ウレタンフォーム45は、箱体44を発泡治具で押さえた状態で、箱体44の内部に必要量のウレタン原液を注入し、発泡、固化させるいわゆる現場発泡方式により得られる。
【0023】
前記箱体44は、プラスチックを主体として構成され全体として矩形枠状をなす枠部材46、その前面に配置される例えばガラス製の前面板47、背面に配置されるプラスチック製の背面部材48から構成される。このとき、背面部材48には、外周寄り部分を矩形枠状に囲むように、背面側に突出する突出部48aが形成されており、この突出部48a内にも前記ウレタンフォーム45が充填されることにより、スロート部49が設けられている。このスロート部49は、冷蔵室右扉10の閉塞時に、冷蔵室3の前面開口部の内周壁部に沿って配置されることにより、冷気の漏れを抑制するために設けられている。本実施形態では、このスロート部49が、断熱厚みが他の部分よりも大きく構成された厚肉部として機能する。
【0024】
また、図4図5に示すように、冷蔵室右扉10の裏面側の前記背面部材48の外周部分、即ちスロート部49の外側部分つまり冷蔵室右扉10の裏面のうちスロート部49よりも冷蔵室右扉10の上下左右の縁部に近い側の部分には、ガスケット取付溝48bが形成されており、このガスケット取付溝48bにガスケット31が取付けられている。ガスケット31は、冷蔵室右扉10の閉塞時における気密性を保持するためのシール部材の一例である。周知のように、このガスケット31は、ゴム等の柔軟性を有する材料から、内部が複数区画に仕切られた中空状に構成されており、そのうち先端側部分、つまり前記仕切壁8の前面との当接面側に、マグネット31aが収容されている。更に、図3に示すように、背面部材48の背面側には、スロート部49の内側に位置して、複数のドアポケット50等が取付けられている。尚、前記シール部材としては、ゴム製、合成樹脂製、発泡樹脂製のパッキン等であっても良い、
【0025】
そして、図4及び図5に示すように、前記枠部材46のうち、冷蔵室右扉10の下縁部を構成する下枠部に、前面側右寄り部位に位置して収容部の一例であるコネクタ収容部51が設けられ、このコネクタ収容部51内に前記USBコネクタ41が配設されている。このコネクタ収容部51は、枠部材46の前壁と底壁とのなすコーナー部分に、矩形箱状部分を区画する。つまり、コネクタ収容部51は、枠部材46の下辺部右寄り部分の前半部に上壁部、後壁部、左右の側壁部を設けることにより、枠部材46の前壁及び底壁と一体的にほぼ矩形箱状に構成される。コネクタ収容部51の大きさは、USBコネクタ41を無理なく収容できるよう、当該USBコネクタ41よりもやや大きい程度とされる。コネクタ収容部51の前壁部には、USBコネクタ41の接続面を露出させる開口部51aが横長に形成されている。コネクタ収容部51は、箱体44の内側に突出する先端部分を有している。そして、コネクタ収容部51は、その先端部分の外壁部のうち上壁部と後壁部とのなす角部に、角を面取りした形態の傾斜面52を備えている。
【0026】
これにて、USBコネクタ41は、冷蔵室右扉10のうち、厚肉部である上記スロート部49の外側即ち下側に位置して設けられており、且つ、ガスケット取付溝48bの前側に位置して設けられている。コネクタ収容部51内には、ウレタンフォーム45が充填されることはない。詳しく図示はしないが、ウレタンフォーム45は、コネクタ収容部51の左右側壁部の外側まで充填されている。尚、本実施形態では、図5に示すように、コネクタ収容部51の外壁部と、前記背面部材48の突出部48aの根元部分、つまり突出部48a内へのウレタンフォーム45の進入部分との間の離間寸法Aが、前後方向長さ寸法B、縦方向高さ寸法Cの何れよりも大きくなっている。つまり、A>B、A>Cとなるように構成されている。
【0027】
また、図4図5に示すように、前記枠部材46のうち、前面側の枠の内側縁部には、段差を介してやや奥まった位置に、前面板47の周縁部を受けるフランジ部46aが一体に設けられており、そのフランジ部46a部分が接続部となり、前面板47はこのフランジ部46a部分で例えば接着されるようになっている。この場合、接続部としてのフランジ部46a部分と、コネクタ収容部51との間は、上下方向に離間しており、その間には発泡断熱材の一例であるウレタンフォーム45が配置されている。
【0028】
尚、詳しく図示はしないが、上記のように構成された冷蔵室右扉10は、その右辺部が、図示しない回動支持部により、断熱箱体2に対して回動可能に支持されている。この場合、冷蔵室右扉10を断熱箱体2に支持する回動支持部の周辺部分には、配線が通される部分が設けられており、前記USBコネクタ41から導出される配線が、コネクタ収容部51から冷蔵室右扉10内を通り更にその回動支持部の周辺部分を通って前記収納部36の制御装置37と接続されるようになっている。
【0029】
次に、上記構成の作用、効果について、図6も参照して述べる。図6は、参考例を示しており、図5に示した本実施形態とは、次の点が異なっている。即ち、図6の参考例では、やはり冷蔵室右扉を構成する箱体44´の枠部材46´の下縁部の前面側に、収容部の一例であるコネクタ収容部51´を設けて、その内部に接続部の一例であるUSBコネクタ41´を配設している。但し、この参考例では、USBコネクタ41´及びコネクタ収容部51´を設ける位置を、枠部材46´の下端部ではなくフランジ部46a´近くまで上げた位置、つまり厚肉部としてのスロート部49´のやや内側の位置としている。また、コネクタ収容部51´の外壁部は、直角のコーナー部を残している。
【0030】
今、図1に示すように、本実施形態の冷蔵庫においては、扉のうち冷蔵室右扉10の周囲部分、この場合下辺部分前面に位置してUSBコネクタ41が設けられており、外部の情報機器例えばスマートフォン39を、USBコネクタ41に接続して給電を受けることが可能となる。ユーザは、冷蔵庫が設置されたキッチンにおいて、USBコネクタ41に接続したスマートフォン39を例えば冷蔵庫の前面部分にホルダを介して設置することにより、スマートフォン39の電池残量を気にせずに、例えば動画や音楽を楽しむことができ、動画や音楽を視聴しながら家事を行うことができる。
【0031】
ユーザがスマートフォン39を接続する場合、スマートフォン39に接続されたケーブル42の先端のUSBプラグ43を、USBコネクタ41に対し開口部51aを通して前方から差込むようにする。USBプラグ43を抜出す場合も、手前側に引っ張って抜出すことができる。USBコネクタ41が設けられている位置は、冷蔵室右扉10の下縁部前面であり、ユーザにとって、接続位置が判りやすく、また右手にUSBプラグ43を持って、容易に手が届く操作しやすい位置である。
【0032】
従って、ユーザは、USBコネクタ41に対するUSBプラグ43の差込み、抜出しの操作を容易に行うことができる。しかも、スマートフォン39がUSBコネクタ41に接続されたままで冷蔵室右扉10の開閉を行った場合でも、USBプラグ43やケーブル42が、冷蔵室右扉10や他の扉の開閉や貯蔵物の出し入れの邪魔になることもなく、扉の開閉に伴ってケーブル42が引っ張られることもない。
【0033】
ここで、冷蔵室右扉10においては、箱体44内に断熱材としてウレタンフォーム45を充填して構成され、断熱性を確保しているが、コネクタ収容部51を設けてUSBコネクタ41を埋込むように配設した部分においては、ウレタンフォーム45の厚みが減少し、断熱性が低下することが懸念される。ところが、冷蔵室右扉10には、ウレタンフォーム45の厚みが他の部分より大きく構成された厚肉部としてのスロート部49が設けられ、本実施形態では、USBコネクタ41は、そのスロート部49の外側この場合下側に位置して設けられている。
【0034】
この場合、図6の参考例の構造では、スロート部49´のやや内側にコネクタ収容部51´を設けているため、コネクタ収容部51´の外壁部と、スロート部49´の根元部分との間の離間寸法Dが小さくなり、その部分の断熱材の厚みが薄くなってしまう。これに対し、図5に示す本実施形態の構造では、コネクタ収容部51の外壁部と、背面部材48の突出部48aの根元部分との間の離間寸法Aは、離間寸法Dより十分大きい。即ち、A>Dの大小関係が成立しているので、この部分の断熱性の低下を抑制することができる。しかも、本実施形態ではスロート部49にて大きな断熱性が得られ、その外側つまり周囲側は冷蔵室3内の冷気と接する部分から外れていて全体としての断熱性にさほど影響しない部分となっている。そのため、コネクタ収容部51を設けたことによる断熱性への悪影響はごく少ないものとなる。
【0035】
また、コネクタ収容部51は、箱体44の内方に突出するように設けられるので、ウレタンフォーム45の充填時における通路がその分狭くなって流動性が低下し、ひいては充填性が悪化することも考えらえる。ところが本実施形態では、離間寸法Aを、図6の参考例の場合の離間寸法Dと比べて十分に大きくすることができ、ウレタン充填時の通路となる部分が狭小となることを防止し、流動性を良好に確保することができる。しかも本実施形態では、コネクタ収容部51の外壁部の角部に傾斜面52を設けたことにより、角が残っている場合と比較して、通路をより広くすることができ、また、傾斜面52に沿ってウレタンフォーム45をスムーズに流すことができる。この結果、ウレタンフォーム45の充填時における十分な流動性、充填性を確保することができる。
【0036】
ところで、冷蔵庫の扉に接続部の一例としてUSBコネクタ41を設ける場合、庫内の冷気が伝わることに伴う、USBコネクタ41部分における結露の心配がある。ところが本実施形態では、USBコネクタ41は、冷蔵室右扉10のうち、ガスケット31の取付部分の前面側に配置されている。ここで、図4に示すように、ガスケット31の接触する仕切壁8内の前端部には防露パイプ33が配設されその熱で結露発生の防止を図るものであり、ガスケット31部分にもその熱が伝わる。従って、USBコネクタ41がガスケット31の近傍に位置されていることによって、防露パイプ33の熱により、USBコネクタ41部分における結露発生防止の効果が期待できる。
【0037】
更に、本実施形態では、図4図5に示すように、冷蔵室右扉10の箱体44の前面部のガラス製の前面板47の下端部と枠部材46のフランジ部46aとの接続部分と、コネクタ収容部51との間は上下方向に離間し、その間には断熱材であるウレタンフォーム45が配置されている。これにより、前記接続部分をウレタンフォーム45で覆うことができ、図6の参考例のような、接続部分のすぐ近傍にコネクタ収容部51´が存在する場合と比べて、接続部分における断熱性の低下を未然に防止することができ、ひいては、断熱性能の確保や結露防止を図ることができる。
【0038】
このように本実施形態によれば、冷蔵室右扉10の表面部にUSBコネクタ41を備えたものにあって、冷蔵室右扉10にスロート部49が設けられると共に、そのスロート部49の外側に位置してUSBコネクタ41を設けるようにした。この結果、外部機器が接続可能なUSBコネクタ41を設けたものにあって、断熱性の低下を抑えることができるという優れた効果を奏するものである。
【0039】
(2)第2の実施形態
図7は、第2の実施形態を示すものであり、以下、図8に示す第2の参考例も参照しながら説明する。図7に示すように、この第2の実施形態においても、冷蔵庫の冷蔵室右扉61の前面下縁部に、接続部の一例としてUSBコネクタ41が設けられる。この第2の実施形態が、第1の実施形態と異なる点は、冷蔵室右扉61を構成する箱体44内に、断熱部材の一例として、いわゆる真空断熱パネル62を設けたところにある。前記箱体44は、上記第1の実施形態と同様に、枠部材46、例えばガラス製の前面板47、突出部48aを有する背面部材48等から構成され、厚肉部としてのスロート部49が設けられる。そして、枠部材46に、収容部の一例としてコネクタ収容部51が設けられ、このコネクタ収容部51内にUSBコネクタ41が配設されている。コネクタ収容部51の外壁部には傾斜面52が設けられている。
【0040】
前記真空断熱パネル62は、いわゆるVIP(Vacuumed Insulation Panel)と略称される周知構成のもので、詳しく図示はしないが、次のように構成されている。即ち、真空断熱パネル62は、例えばグラスウールを矩形板状に固めて構成されたマット状の芯材を、アルミ箔と合成樹脂フィルムとをラミネートしたガスバリア性の高い袋体内に収容し、袋体の内部を真空減圧状態に保持したまま密封して構成される。図7に示すように、この真空断熱パネル62は、前記前面板47とほぼ同等の大きさで、且つ、箱体44内の空間部のなす厚みよりもやや薄く構成され、背面部材48の内面に沿って接着などにより取付けられる。図示はしないが、箱体44内のスロート部49を含む残りの空間部に関しては、例えば発泡断熱材の一例であるウレタンフォームが充填され、全体に断熱材が収容される。この場合、コネクタ収容部51と真空断熱パネル62の下端部との間は上下に離間している。コネクタ収容部51の上方や左右部にもウレタンフォームが充填されている。図示はしないが、真空断熱パネル62の左右の側壁と、箱体44の左右の内壁部との間のわずかな隙間にも、ウレタンフォームが充填されている。
【0041】
このような第2の実施形態においては、ウレタンフォームなどの他の断熱材に比べて、断熱性能のより高い真空断熱パネル62を設けたことによって、冷蔵室右扉61の高い断熱性を確保することができる。この場合、本実施形態においても、コネクタ収容部51及びUSBコネクタ41は、スロート部49の外側この場合下側という端部部分に位置しているので、コネクタ収容部51が真空断熱パネル62の配置の邪魔になることがなく、比較的大型の真空断熱パネル62を採用することができる。この場合、図8の参考例に示したように、前面板47´と枠部材46´との接続部分の近傍にコネクタ収容部51´を設ける構造では、コネクタ収容部51´との干渉を避け且つウレタンフォームの流動性を確保するためには、真空断熱パネル62´が小さくならざるを得なくなる。これに対し、本実施形態の構造では、真空断熱パネル62を十分に大形化することができるのである。
【0042】
このような第2の実施形態においても、上記第1の実施形態と同様に、外部機器が接続可能な接続部の一例としてUSBコネクタ41を設けたものにあって、冷蔵室右扉10にスロート部49が設けられると共に、そのスロート部49の外側に位置してUSBコネクタ41を設けるようにしたので、断熱性の低下を抑えることができるという優れた効果を奏する。そして、特に本実施形態では、ウレタンフォームの充填時における十分な流動性、充填性を確保することができながら、断熱性に優れた断熱部材の一例として真空断熱パネル62を、箱体44内の広い範囲に配置することによって、冷蔵室右扉61全体としての高い断熱性を確保することができ、USBコネクタ41を設けたことに起因する断熱性の低下を抑制するに極めて効果的となる。
【0043】
(3)第3の実施形態、
図9は、第3の実施形態を示すものであり、次の点で上記第2の実施形態と異なっている。即ち、本実施形態においても、やはり、冷蔵庫の冷蔵室右扉71の前面下縁部に、接続部の一例としてUSBコネクタ41が設けられ、冷蔵室右扉71を構成する箱体44内に、断熱部材の一例として真空断熱パネル72が設けられている。そして本実施形態では、真空断熱パネル72は、箱体44内の前側、即ち前面板47の裏面側に沿って設けられている。図示はしないが、真空断熱パネル72の裏面側のうち背面部材48との間の空間部には、スロート部49内も含めて発泡断熱材の一例としてウレタンフォームが充填される。
【0044】
このとき、箱体44においては、前面板47と枠部材46との接続部分つまりフランジ部47a形成部分が、箱体44の内部側に凸となる事情があるが、真空断熱パネル72には、接続部分に位置して凹状となる段差部72aが設けられ、干渉が避けられている。そして、真空断熱パネル72は、その下端部が、コネクタ収容部51のすぐ上部まで延びていると共に、コネクタ収容部51の後部にまで延びる延出部72bが一体的に設けられている。尚、真空断熱パネル72の背面と背面部材48との間には、ウレタンフォームの十分な流路が確保されている。図示はしないが、コネクタ収容部51の上方や左右部にもウレタンフォームが充填されている。真空断熱パネル72の左右の側壁と、箱体44の左右の内壁部との間のわずかな隙間にも、ウレタンフォームが充填されている。
【0045】
この第3の実施形態においては、ウレタンフォーム等の他の断熱材に比べて、断熱性能のより高い真空断熱パネル72を設けたことによって、冷蔵室右扉71の高い断熱性を確保することができる。この場合、本実施形態においても、コネクタ収容部51及びUSBコネクタ41は、スロート部49の外側という端部部分に位置しているので、コネクタ収容部51が真空断熱パネル72の配置の邪魔になることがなく、比較的大型の真空断熱パネル72を採用することができる。
【0046】
特に本実施形態では、真空断熱パネル72を箱体44内の前側に配置したことによって、突出部48aの開口を塞ぐことなくウレタンフォームをスロート部49内に充填させることができる。これにより、真空断熱パネル72を大形にしてスロート部49の前面側まで広い範囲に配置することができ、ひいては冷蔵室右扉71全体としてのより高い断熱性を確保することができ、USBコネクタ41を設けたことに起因する断熱性の低下を抑制するに効果的となる。
【0047】
また本実施形態では、真空断熱パネル72は、それら前面板47と枠部材46との接続部分に位置して凹状となる段差部72aを有している。これにより、接続部分における干渉を避けることができ、それ以外の部分で真空断熱パネル72の厚みを十分に大きく確保して高い断熱性を得ることができる。更に特に本実施形態では、真空断熱パネル72に、コネクタ収容部51の後部にまで延びる延出部72bを一体に設けたので、コネクタ収容部51の後側における断熱材の厚みの減少を、延出部72bによってカバーすることができ、断熱性の低下抑制により一層効果的となる。
【0048】
(4)第4の実施形態、その他の実施形態
図10は、第4の実施形態を示すものである。この第4の実施形態が、上記第1~第3の実施形態と異なる点は、接続部の一例であるUSBコネクタ41を、冷蔵庫本体1を構成する断熱箱体81の外面部である上面部に設けるようにした構成にある。即ち、断熱箱体81は、鋼板製の外箱82と、プラスチック製の内箱83との間に、発泡断熱材の一例であるウレタンフォーム84を充填して構成されている。
【0049】
そして本実施形態では、断熱箱体81のうち、上壁部を構成する部分の例えば右寄り前側に部分に、上面に開口部を有した箱状のプラスチック製の収容部の一例としてコネクタ収容部85が設けられ、そのコネクタ収容部85内にUSBコネクタ41が配設されている。これにより、断熱箱体81の上面部から、USBコネクタ41に対しUSBプラグの差込み、抜出しが可能となる。このとき、前記コネクタ収容部85のうち断熱箱体81の内側に突出する先端部分の外壁部には、ウレタンフォーム84の流動性を確保するために、角を面取りした形態の傾斜面86が設けられている。尚、冷蔵庫本体1の断熱箱体81の側面に接続部の一例であるUSBコネクタ41を設けるようにしても良い。
【0050】
このような第4の実施形態によれば、外部機器をUSBコネクタ41を介して冷蔵庫本体1と接続し、冷蔵庫本体1側から給電を受けたり、データのやり取りを行ったりすることができる。そして、コネクタ収容部85に傾斜面86を設けたことにより、断熱箱体81の内壁との間における、ウレタン充填時の通路となる部分が狭小となることを防止し、ウレタンフォーム84の流動性を良好に確保することがでる。これと共に、傾斜面86と断熱箱体81の内壁との間の距離が大きくなるので、その部分におけるウレタンフォーム84の厚みの低下を防止し、断熱性の悪化を抑制できる。
【0051】
尚、上記第1~第3の実施形態では、スロート部49を有する扉に接続部の一例としてUSBコネクタ41を設けるようにしたが、スロート部49を有していない扉に接続部を設けることも可能である。この場合、収容部に傾斜面を設けることにより、断熱性の悪化を抑制できる。また、接続部を設ける位置としては、扉の前面下縁部に限らず、側縁部や上縁部、更には上面部や側面部等であっても良い。上記第1~第3の実施形態では、冷蔵室右扉に接続部を設ける場合を例にしたが、冷蔵室左扉や野菜室、冷凍室、製氷室の扉の周囲部分に接続部を設けても良い。また、扉の前面板の材質としてはガラス製に限らず、金属製、合成樹脂製等であっても良い。また、冷蔵室の扉は観音開き式の扉でなく、1枚扉であっても良い。
【0052】
上記第1~第3の実施形態では、スロート部49の外側に位置してUSBコネクタ41を設けるようにしたが、スロート部の前面側に位置してUSBコネクタ41を設けても良く、やはり、断熱性の低下を抑えながら接続部を設けることができる。接続部の前面部には、防水、防塵用のカバーやキャップを開閉可能或いは着脱可能に設けるようにしても良い。扉や断熱箱体に設けられる断熱材としては、例えば発泡スチロール等を含む成形品を部分的に配置する構成であっても良い。接続部としては、USBコネクタに限らず、それ以外にも例えばRS-485、DINコネクタ、IEEE1394など各種規格の接続用コネクタを採用することができる。厚肉部としては、スロート部49に限定されず、部分的に凸状に膨らんだ部分等、他の部分よりも断熱厚みが大きく構成されたものであれば良い。
【0053】
更に、接続部に接続する外部機器としては、スマートフォン39に限らず、携帯電話、タブレット端末、パソコン、他の小型電子機器、記憶装置等でも良い。上記各実施形態では、USBコネクタから給電を受ける場合を説明したが、データのやり取りを行うことも可能であることは勿論である。上記各実施形態では、冷蔵室用冷却器21と冷凍室用冷却器22との2つの冷却器を備えた冷蔵庫としたが、冷蔵庫本体1内に1個の冷却器を備え、ダンパ装置等により各室への冷気流通の制御を行うタイプの冷蔵庫にも適用することができる。その他、例えば冷蔵庫本体内の各室の構成や配置としても、最下段に野菜室を設けたもの等でも良く、また、冷却器等を設ける位置、ダクト構成等についても種々の変形が可能である。
【0054】
上記各実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。本実施形態およびその変形は、発明の範囲および要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0055】
図面中、1は冷蔵庫本体、2、81は断熱箱体、3は冷蔵室(貯蔵室)、4は野菜室(貯蔵室)、8は仕切壁、9は冷蔵室左扉、10、61、71は冷蔵室右扉、11は野菜室扉、16、18、19は扉、31はガスケット(シール部材)、33は防露パイプ、39はスマートフォン(外部機器)、41はUSBコネクタ(接続部)、42はケーブル、43はUSBプラグ、44は箱体、45、84はウレタンフォーム(発泡断熱材)、46は枠部材、47は前面板、48は背面部材、48aは突出部、48bはガスケット取付溝、49はスロート部、51、85はコネクタ収容部(収容部)、52、86は傾斜面、62、72は真空断熱パネル(断熱部材)、72aは段差部、72bは延出部、82は外箱、83は内箱を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10