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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】急速充電器
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20240502BHJP
   H02H 7/18 20060101ALI20240502BHJP
   H02H 7/00 20060101ALI20240502BHJP
   B60L 53/30 20190101ALI20240502BHJP
【FI】
H02J7/00 S
H02H7/18
H02H7/00 K
H02H7/00 L
B60L53/30
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020083835
(22)【出願日】2020-05-12
(65)【公開番号】P2021180549
(43)【公開日】2021-11-18
【審査請求日】2023-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】514105011
【氏名又は名称】株式会社東光高岳
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 健司
(72)【発明者】
【氏名】小槌 淳
【審査官】栗栖 正和
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-207668(JP,A)
【文献】国際公開第2014/174842(WO,A1)
【文献】特開平04-215216(JP,A)
【文献】特開平04-183221(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H02H 7/18
H02H 7/00
B60L 53/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主接点と前記第1主接点と連動して動作する第1補助接点とを有し、交流入力をオンオフさせる交流開閉器と、
前記交流開閉器からの交流を直流に変換する電力変換器部と、
前記電力変換器部の正極に接続されるとともに、第2主接点と前記第2主接点と連動して動作する第2補助接点とを有し、オンオフすることで直流を出力する正極直流開閉器と、
前記電力変換器部の負極に接続されるとともに、第3主接点と前記第3主接点と連動して動作する第3補助接点とを有し、オンオフする負極直流開閉器と、
前記電力変換器部の運転信号により前記交流開閉器と前記正極直流開閉器と前記負極直流開閉器とを一括してオンオフさせる運転信号回路と、
並列に接続された前記交流開閉器の前記第1補助接点と前記正極直流開閉器の前記第2補助接点と前記負極直流開閉器の前記第3補助接点のいずれかのオンを認識することにより前記交流開閉器と前記正極直流開閉器と前記負極直流開閉器とのオンを一括で認識し、前記交流開閉器の前記第1主接点と前記正極直流開閉器の前記第2主接点と前記負極直流開閉器の前記第3主接点のいずれかの溶着確認を示す溶着確認信号を出力する認識信号回路と、
を備えることを特徴とする急速充電器。
【請求項2】
前記運転信号回路は、前記交流開閉器の電磁コイルと前記正極直流開閉器の電磁コイルと前記負極直流開閉器の電磁コイルとを並列に接続し、全ての前記電磁コイルに前記電力変換器部の運転信号を出力することにより前記交流開閉器と前記正極直流開閉器と前記負極直流開閉器とを一括してオンオフさせることを特徴とする請求項1記載の急速充電器。
【請求項3】
前記認識信号回路は、前記運転信号がオフしているときに、いずれかの前記補助接点が短絡しているか否かを判断することを特徴とする請求項1又は2記載の急速充電器。
【請求項4】
前記運転信号を前記運転信号回路に出力し、前記認識信号回路からの前記溶着確認信号を入力するコントローラを備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の急速充電器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、急速充電器に関する。
【背景技術】
【0002】
複数台の電気自動車の車載電池に同時に電力を急速充電するマルチアウトレット対応の急速充電器が知られている。マルチアウトレット対応の急速充電器は、複数の電気自動車に対応して複数の電力変換器部を備えている。図6は、急速充電器の複数の開閉器の信号線の接続を示す。
【0003】
図6において、充電器内に有する電力変換器部210の直流出力間に設置された直流開閉器220、230をオンオフさせて、直流出力を調整する。車両間の絶縁を行うために出力の正極(P極)直流開閉器220と負極(N極)直流開閉器230を設置する。さらに、急速充電器の不具合時に交流入力側を遮断するため、交流入力側に交流開閉器SW1~SW3を設けている。
【0004】
図7は、従来の急速充電器の開閉器接点認識を示す構成図であり、図6に示す構成をより具体化している。電力変換器ユニットAは、交流開閉器SW1~SW3、電力変換器部210、複数の正極直流開閉器220-1~220-xと、複数のN極直流開閉器230-1~230-xを有する。コントローラ100は、ユニットAのDO信号、ユニットAのDI信号を有し、ユニットAのDO信号は、ユニットAの交流開閉器オンオフ信号、ユニットAのN極オンオフ信号、ユニットAのP極オンオフ信号を有する。ユニットAのDI信号は、ユニットAの交流開閉器オンオフ認識信号、ユニットAのN極オンオフ認識信号、ユニットAのP極オンオフ認識信号を有する。
【0005】
DO信号の交流開閉器オンオフ信号は、交流開閉器の電磁コイルRLに出力される。DI信号の交流開閉器オンオフ認識信号は、交流開閉器のスイッチSP0からに出力される。DO信号のP極オンオフ信号は複数の正極直流開閉器220-1~220-xのコイルL1-1~L1-xに出力される。DI信号のP極オンオフ認識信号は、複数のP極直流開閉器の補助接点SP1-1~SP1-xから出力される。DO信号のN極オンオフ認識信号は、複数のN極直流開閉器230-1~230-xのコイルL2-1~L2-xに出力される。DI信号のN極オンオフ認識信号は、複数のN極直流開閉器の補助接点SP2-1~SP2-xから出力される。
【0006】
次に、図8を参照して電気自動車への充電開始時の処理を説明する。まず、全ての開閉器がオフしているかを判定し(S100)、それぞれの開閉器のオンを認識したときは、それぞれの開閉器の不応動検出(交流開閉器不応動検出、P側直流開閉器不応動検出、N側直流開閉器不応動検出、出力直流開閉器不応動検出)をする(S101)。その後、異常停止する(S102)。
【0007】
一方、全ての開閉器のオフを認識したときは、スイッチやタッチパネル等の車両1用スタートボタンを押下し(S103)、全交流開閉器SW1~SW3にオン信号を送る(S104)。全交流開閉器SW1~SW3のオンを認識した場合には(S105)、P側,N側直流開閉器220-1、230-1にオン信号を出力する(S106)。P側,N側直流開閉器220-1、230-1のオンを認識し(S107)、P側,N側直流開閉器220-1、230-1以外のオフを認識する(S108)。それぞれの開閉器のオン-オフ信号とオン-オフ認識信号に差異がある場合は、不応動検出をする(S101)。その後、異常停止する(S102)。
【0008】
電気自動車と信号を送受信し(S109)、出力直流開閉器1P,1Nにオン信号を出力し(S110)、出力直流開閉器1P,1Nのオンを認識したときに(S111)、電気自動車に充電を行う(S112)。
【0009】
次に、図9を参照して電気自動車への充電停止時の処理を説明する。まず、車両1用ストップボタンを押下又は電気自動車満充電信号を認識し(S121)、出力直流開閉器1P,1Nにオフ信号を出力する(S122)。出力直流開閉器1P,1Nのオンを認識した場合には、出力直流開閉器不応動検出する(S124)。その後、異常停止する(S125)。
【0010】
一方、出力直流開閉器1P,1Nのオフを認識し、電気自動車1以外に充電中である場合には(S126)、P側,N側直流開閉器のオンをパターン変更する(S127)。P側,N側直流開閉器のオンオフパターン通りである場合には(S128)、車両の充電を停止し、車両以外の車両の充電を継続する(S129)。
【0011】
電気自動車に充電中である場合には、P側,N側直流開閉器220-1、230-1にオフ信号を出力する(S130)。全P側,N側直流開閉器のオフを認識した場合には(S131)、全交流開閉器にオフ信号を出力する(S132)。全交流開閉器のオフを認識した場合には(S133)、電気自動車と信号を送受信し(S134)、電気自動車への充電を停止する(S135)。それぞれの開閉器のオン-オフ信号とオン-オフ認識信号に差異がある場合は不応動検出(交流開閉器不応動検出、P側直流開閉器不応動検出、N側直流開閉器不応動検出)をする。その後、異常停止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】特開2012-055028号公報
【文献】特開2012-039822号公報
【文献】特開2016-073146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、電力変換器部毎に直流開閉器を設置した場合、図6に示すように、電磁コイルL0を励磁させて交流開閉器SW1~SW3をオンオフさせる信号、電磁コイルL1を励磁させて直流開閉器220をオンオフさせる信号、電磁コイルL2を励磁させて直流開閉器230をオンオフさせる信号、交流開閉器SW1~SW3の状態を補助接点SP0のオンオフで認識する信号、直流開閉器220の状態を補助接点SP1のオンオフで認識する信号、直流開閉器230の状態を補助接点SP2のオンオフで認識する信号の多数の信号が必要であった。さらに、直流開閉器220,230、交流開閉器SW1~SW3の接点の溶着を確認する必要があった。
【0014】
また、図7に示す開閉器の場合、接続可能な電気自動車の台数をX台としたとき、1つの電力変換ユニットについて、2×2×(X+1)個のDI信号、DO信号の入出力がコントローラ100に必要である。例えば、3台の電気自動車に搭載可能で電力変換ユニットが3台ある場合、コントローラ100に入出力される信号数は、2×2×(3+1)×3=48(DI:24信号、DO:24信号)となり、信号数が多くなってしまう。
【0015】
本発明の課題は、信号数を低減できるとともに、開閉器の接点の溶着を確認できる急速充電器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、第1主接点と前記第1主接点と連動して動作する第1補助接点とを有し、交流入力をオンオフさせる交流開閉器と、前記交流開閉器からの交流を直流に変換する電力変換器部と、前記電力変換器部の正極に接続されるとともに、第2主接点と前記第2主接点と連動して動作する第2補助接点とを有し、オンオフすることで直流を出力する正極直流開閉器と、前記電力変換器部の負極に接続されるとともに、第3主接点と前記第3主接点と連動して動作する第3補助接点とを有し、オンオフする負極直流開閉器と、前記電力変換器部の運転信号により前記交流開閉器と前記正極直流開閉器と前記負極直流開閉器とを一括してオンオフさせる運転信号回路と、並列に接続された前記交流開閉器の前記第1補助接点と前記正極直流開閉器の前記第2補助接点と前記負極直流開閉器の前記第3補助接点のいずれかのオンを認識することにより前記交流開閉器と前記正極直流開閉器と前記負極直流開閉器とのオンを一括で認識し、前記交流開閉器の前記第1主接点と前記正極直流開閉器の前記第2主接点と前記負極直流開閉器の前記第3主接点のいずれかの溶着確認を示す溶着確認信号を出力する認識信号回路と、を備える。
【0017】
請求項2に係る発明では、前記運転信号回路は、前記交流開閉器の電磁コイルと前記正極直流開閉器の電磁コイルと前記負極直流開閉器の電磁コイルとを並列に接続し、全ての前記電磁コイルに前記電力変換器部の運転信号を出力することにより前記交流開閉器と前記正極直流開閉器と前記負極直流開閉器とを一括してオンオフさせることを特徴とする。
【0018】
請求項3に係る発明では、前記認識信号回路は、前記運転信号がオフしているときに、いずれかの前記補助接点が短絡しているか否かを判断することを特徴とする。
【0019】
請求項4に係る発明は、前記運転信号を前記運転信号回路に出力し、前記認識信号回路からの前記溶着確認信号を入力するコントローラを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に係る発明によれば、電力変換器部の運転信号により交流開閉器と正極直流開閉器と負極直流開閉器とを一括してオンオフできる。また、運転信号オフ時にいずれかの補助接点のオンを認識することにより交流開閉器と正極直流開閉器と負極直流開閉器とのオンを一括で認識し、いずれかの開閉器の溶着確認信号を認識できる。各電力変換器部に入出力される信号は、運転信号と溶着確認信号の2信号となるため、信号数を低減できるとともに、開閉器の接点の溶着を確認できる。
【0021】
請求項2に係る発明によれば、交流開閉器の電磁コイルと正極直流開閉器の電磁コイルと負極直流開閉器の電磁コイルとを並列に接続し、全ての電磁コイルに運転信号を出力するので、交流開閉器と正極直流開閉器と負極直流開閉器とを一括してオンオフさせることができる。
【0022】
請求項3に係る発明によれば、認識信号回路は、運転信号がオフしているときに、いずれかの補助接点が短絡しているか否かを判断することで、開閉器の接点の溶着を確認することができる。
【0023】
請求項4に係る発明によれば、コントローラは、認識信号回路からの溶着確認信号を入力することで、交流開閉器と正極直流開閉器と負極直流開閉器とのいずれかの開閉器の接点に溶着があったことを認識できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施形態に係る急速充電器の複数の開閉器の信号線の接続を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る急速充電器の充電システムを示す構成図である。
図3】本発明の実施形態に係る急速充電器の開閉器接点認識を示す構成図である。
図4】本発明の実施形態に係る急速充電器の電気自動車への充電開始時の処理をフローチャートである。
図5】本発明の実施形態に係る急速充電器の電気自動車への充電停止時の処理をフローチャートである。
図6】従来の急速充電器の複数の開閉器の信号線の接続を示す図である。
図7】従来の急速充電器の開閉器接点認識を示す構成図である。
図8】従来の急速充電器の電気自動車への充電開始時の処理をフローチャートである。
図9】従来の急速充電器の電気自動車への充電停止時の処理をフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態に係る急速充電器について、図面を参照しながら詳細に説明する。実施の形態に係る急速充電器は、複数台の電気自動車の車載電池に同時に電力を急速充電するマルチアウトレット対応の急速充電器である。マルチアウトレット対応の急速充電器は、複数の電気自動車に対応して複数の電力変換器部を備えている。
【0026】
(実施の形態)
図1は、本発明の実施形態に係る急速充電器の複数の開閉器の信号線の接続を示す図である。図1では、一つの電気自動車に対応する電力変換器部21周辺の回路を示す。
【0027】
急速充電器は、交流入力をオンオフさせる交流開閉器SW1~SW3、電力変換器部21、正極直流開閉器22、負極直流開閉器23、運転信号回路16、認識信号回路17を備える。電力変換器部21は、交流開閉器SW1~SW3からの交流を直流に変換する。
【0028】
正極直流開閉器22は、電力変換器部21の正極に接続され、オンオフすることで直流を出力する。負極直流開閉器23は、電力変換器部21の負極に接続され、オンオフする。運転信号回路16は、電力変換器部21の運転信号により交流開閉器SW1~SW3と正極直流開閉器22と負極直流開閉器23とを一括してオンオフさせる。
【0029】
運転信号回路16は、交流開閉器SW1~SW3の電磁コイルL0と正極直流開閉器22の電磁コイルL1と負極直流開閉器23の電磁コイルL2とを並列に接続し、全ての電磁コイルL0~L2に電力変換器部21の運転信号を出力することにより交流開閉器SW1~SW3と正極直流開閉器22と負極直流開閉器23とを一括してオンオフさせる。
【0030】
認識信号回路17は、交流開閉器SW1~SW3の第1補助接点SP0と正極直流開閉器22の第2補助接点SP1と負極直流開閉器23の第3補助接点SP2とを並列に接続し、いずれかの補助接点SP0~SP2のオンを認識することにより交流開閉器SW1~SW3と正極直流開閉器22と負極直流開閉器23とのオンを一括で認識し、補助接点SP0~SP2の溶着確認を示す溶着確認信号をコントローラ10に出力する。
【0031】
認識信号回路17は、運転信号がオフしているときに、いずれかの補助接点SP0~SP2が短絡しているか否かを判断し、溶着確認信号として図2に示すコントローラ10に出力する。コントローラ10は、運転信号を運転信号回路16に出力し、認識信号回路17からの溶着確認信号を入力する。
【0032】
図2は、実施形態に係る急速充電器の充電システムを示す構成図である。充電システムは、マルチアウトレット急速充電器1、マルチアウトレット急速充電器1内の出力直流開閉器25a,27a~25x,27xに接続され、電気自動車40a~40xに着脱可能な給電コネクタ30a~30xを備える。
【0033】
マルチアウトレット急速充電器1は、コントローラ10、タッチパネル11、認証インターフェイス12、主回路用漏電遮断器13、制御回路用漏電遮断器14、制御電源15、電力変換ユニット20a~20n、制御部24a~24x、出力直流開閉器25a,27a~25x,27x、逆流防止ダイオード26a~26xを備える。
【0034】
電力変換ユニット20a~20nは、交流開閉器SWa~SWn、電力変換器部21a~21n、正極直流開閉器22a-1~22a-x…22n-1~22n-x、負極直流開閉器23a-1~23a-x…23n-1~23n-xを備えている。交流開閉器SWa~SWnの各々は、スイッチSW1~SW3と電磁コイルL0と補助接点SP0を有する。正極直流開閉器22a-1~22a-x…22n-1~22n-xの各々は、電磁コイルL1と補助接点SP1を有する。負極直流開閉器23a-1~23a-x…23n-1~23n-xの各々は、電磁コイルL2と補助接点SP2を有する。
【0035】
正極直流開閉器22a-1~22a-x…22n-1~22n-xは、電力変換器部21a~21nの正極に接続される。負極直流開閉器23a-1~23a-x…23n-1~23n-xは、電力変換器部21a~21nの負極に接続される。
【0036】
正極直流開閉器22a-1~22n-1は、出力直流開閉器25aの一端に接続され、出力直流開閉器25aの他端は、逆流防止ダイオード26aを介して給電コネクタ30aに接続される。負極直流開閉器23a-1~23n-1は、出力直流開閉器27aの一端に接続され、出力直流開閉器27aの他端は、給電コネクタ30aに接続される。
【0037】
同様にして、正極直流開閉器22a-x~22n-xは、出力直流開閉器25xの一端に接続され、出力直流開閉器25xの他端は、逆流防止ダイオード26xを介して給電コネクタ30xに接続される。負極直流開閉器23a-x~23n-xは、出力直流開閉器27xの一端に接続され、出力直流開閉器27xの他端は、給電コネクタ30xに接続される。制御部24a~24xは、コントローラ10からの制御信号に基づき出力直流開閉器25a~25x,27a~25xのオンオフを制御する。
【0038】
図3は、実施形態に係る急速充電器の開閉器接点認識を示す構成図で、電力変換ユニット20aのみの構成を示す。電力変換ユニット20b~20nの構成も電力変換ユニット20aの構成と同一構成である。
【0039】
コントローラ10は、電力変換部を運転するための運転信号を生成し、タッチパネル11からの指示に基づき運転信号を電力変換ユニット20a~20nの各々に設けられた電力変換器部21a~21nの交流電磁接触器の電磁コイルL0(図3に示す)、正極直流開閉器22a-1~22a-x…22n-1~22n-xの電磁コイルL1-1~L1-x、負極直流開閉器23a-1~23a-x…23n-1~23n-xの電磁コイルL2-1~L2-xに出力する。
【0040】
コントローラ10は、並列に接続された交流開閉器SWa~SWxの補助接点SP0と正極直流開閉器22a-1~22a-x…22n-1~22n-xの補助接点SP1-1~SP1-x、負極直流開閉器23a-1~23a-x…23n-1~23n-xの補助接点SP2-1~SP2-xから溶着確認信号を受け取る。
【0041】
このように構成された実施形態に係る図1に示す急速充電器によれば、交流開閉器SW1~SW3の電磁コイルL0と正極直流開閉器22の電磁コイルL1と負極直流開閉器23の電磁コイルL2とを並列に接続し、全ての電磁コイルL0~L2に運転信号を出力するので、交流開閉器SW1~SW3と正極直流開閉器22と負極直流開閉器23とを一括してオンオフさせることができる。
【0042】
また、交流開閉器SW1~SW3の補助接点SP0と正極直流開閉器22の補助接点SP1と負極直流開閉器23の補助接点SP2のオンを認識することにより交流開閉器SW1~SW3と正極直流開閉器22と負極直流開閉器23とのオンを一括で認識し溶着確認信号を出力できる。各電力変換器部21に入出力される信号は、運転信号と溶着確認信号の2信号となるため、信号数を低減できるとともに、開閉器の接点の溶着を確認できる。
【0043】
また、認識信号回路17は、運転信号がオフしているときに、いずれかの補助接点SP0~SP2が短絡しているか否かを判断することで、補助接点SP0~SP2の溶着を確認することができる。
【0044】
また、コントローラ10は、認識信号回路17からの溶着確認信号を入力することで、SW1~SW3と正極直流開閉器22と負極直流開閉器23とのいずれかの主接点に溶着があったことを認識できる。
【0045】
また、図3に示す開閉器接点認識方法では、接続可能な電気自動車の台数をX台としたとき、1つの電力変換ユニットについて、2×X個のDI信号、DO信号の入出力がコントローラ10に必要である。例えば、3台の電気自動車に搭載可能で電力変換ユニットが3台ある場合、コントローラ10に入出力される信号数は、2×3×3=18(DI:9信号、DO:9信号)となり、従来の図7に示す構成と比較して信号数を大幅に減らすことができる。
【0046】
次に、図4を参照して電気自動車への充電開始時の処理を説明する。まず、溶着確認信号がオフかを判定し(S11)、溶着確認信号のオンを認識したときは、主接点の溶着を検出する(S12)。その後、異常停止する(S13)。
【0047】
一方、溶着確認信号のオフを認識したときは、スイッチやタッチパネル等の車両1用スタートボタンを押下し(S14)、開閉器運転オン信号を送る(S15)。
【0048】
電気自動車1と信号を送受信し(S16)、出力直流開閉器1P,1Nにオン信号を出力し(S17)、出力直流開閉器1P,1Nのオンを認識したときに(S18)、電気自動車に充電を行う(S19)。出力直流開閉器のオン-オフ信号とオン-オフ認識信号に差異がある場合は出力直流開閉器不応動検出をする(S12)。その後、異常停止する(S13)。
【0049】
次に、図5を参照して電気自動車への充電停止時の処理を説明する。まず、車両1用ストップボタンを押下又は電気自動車満充電信号を認識し(S31)、出力直流開閉器1P,1Nにオフ信号を出力する(S32)。出力直流開閉器1P,1Nのオンを認識した場合には、出力直流開閉器不応動検出する(S39)。その後、異常停止する(S40)。一方、出力直流開閉器1P,1Nのオフを認識し(S33)、電気自動車以外に充電中である場合には(S34)、開閉器運転オン信号のパターンを変更し(S35)、車両の充電を停止し、車両以外の車両の充電を継続する(S36)。
【0050】
電気自動車に充電中である場合には、開閉器運転オフ信号を出力する(S37)。溶着確認信号のオンを認識した場合(S38)には溶着を検出し(S39)、その後、異常停止する(S40)。
【0051】
溶着確認信号のオフを認識した場合(S38)、電気自動車と信号を送受信し(S41)、電気自動車への充電を停止する(S42)。
【0052】
このように実施形態に係る急速充電器によれば、電気自動車への充電開始時及び充電停止時の処理は、従来の電気自動車への充電開始時及び充電停止時の処理よりも処理が少なくなり、処理時間が短縮できる。
【符号の説明】
【0053】
1 マルチアウトレット急速充電器
10 コントローラ
11 タッチパネル
12 認証インターフェイス
13 主回路用漏電遮断器
14 制御回路用漏電遮断器
15 制御電源
16 運転信号回路
17 認識信号回路
20a~20n 電力変換ユニット
21a~21n 電力変換器部
22a-1~22a-x…22n-1~22n-x 正極直流開閉器
23a-1~23a-x…23n-1~23n-x 負極直流開閉器
24a~24x 制御部
25a~25x,27a~27x 出力直流開閉器
26a~26x 逆流防止ダイオード
30a~30x 給電コネクタ
40a~40x 電気自動車(EV)
SW1~SW3 交流開閉器
L0~L2 電磁コイル
SP0~SP2 補助接点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9