IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ザ・ボーイング・カンパニーの特許一覧

特許7481896ビードタイプの付加製造システム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】ビードタイプの付加製造システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/393 20170101AFI20240502BHJP
   B29C 64/106 20170101ALI20240502BHJP
   B29C 64/209 20170101ALI20240502BHJP
   B29C 64/218 20170101ALI20240502BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20240502BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20240502BHJP
   B33Y 50/02 20150101ALI20240502BHJP
【FI】
B29C64/393
B29C64/106
B29C64/209
B29C64/218
B33Y10/00
B33Y30/00
B33Y50/02
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020083869
(22)【出願日】2020-05-12
(65)【公開番号】P2020203478
(43)【公開日】2020-12-24
【審査請求日】2023-02-06
(31)【優先権主張番号】16/422,356
(32)【優先日】2019-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 智和
(72)【発明者】
【氏名】ゲイリー イー.ジョージソン
(72)【発明者】
【氏名】バラス ケー.コデュムル
(72)【発明者】
【氏名】ホン エイチ.タット
(72)【発明者】
【氏名】エドワード ジェイ.カン
(72)【発明者】
【氏名】ネーサン ジェイ.チャプドレーン
(72)【発明者】
【氏名】トーマス エー.メーダー
【審査官】今井 拓也
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-013288(JP,A)
【文献】特開2019-025759(JP,A)
【文献】特開2017-071757(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0236414(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00 - 64/40
B33Y 50/00 - 50/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被製造物品を付加製造する際に基材上に材料を押し出して新たなビードを形成するように構成されたノズルを有するプリントヘッドと、
各々が前記プリントヘッドと共に移動可能であるとともに前記新たなビードを形成する際に前記被製造物品における1つ以上の既存のビードから少なくともなる被製造断面輪郭を測定するように構成された2つのプロフィルメータであって、前記ノズルの上流に位置する上流側プロフィルメータと前記ノズルの下流に位置する下流側プロフィルメータとを含む2つのプロフィルメータ、又は前記ノズルと圧縮装置の間に位置する第1下流側プロフィルメータと前記圧縮装置の下流側に位置する第2下流側プロフィルメータとを含む2つのプロフィルメータ、のうちの1つからなる2つのプロフィルメータと、
前記被製造物品における複数の被製造輪郭位置での前記2つのプロフィルメータの各々によってそれぞれ取得される前記被製造断面輪郭を含む被製造輪郭データを生成するとともに参照物品における前記複数の被製造輪郭位置に対応する複数の参照輪郭位置での参照断面輪郭を含む参照輪郭データに対する前記被製造輪郭データの輪郭比較を継続的に行うように構成された制御システムと、
を含む製造システムであって、
前記制御システムは、前記輪郭比較に基づいて、1つ以上のビード形成パラメータを調整し、前記新たなビードの形成に関連する不良のサイズが、前記ビード形成パラメータを調整しなかった場合に発生する前記不良のサイズに比べて低減されるように、前記プリントヘッドに、前記ビード形成パラメータに従って前記新たなビードを形成させるように構成されている、製造システム。
【請求項2】
前記制御システムは、前記被製造断面輪郭の以下の輪郭特徴のうちの少なくとも1つ、すなわち、
前記新たなビードが形成される新たな層及び当該新たな層の直下にある下層のうちの少なくとも1つの層内の1つ以上のビードに係る、ビード横位置、ビード形状、及び、ビードサイズのうちの少なくとも1つ;及び、
ビード間の切れ目の切れ目サイズ及び切れ目形状のうちの少なくとも1つ;
のうちの少なくとも1つを前記参照断面輪郭の前記輪郭特徴のうちの対応する1つと比較することによって前記輪郭比較を行うように構成されている、請求項1に記載の製造システム。
【請求項3】
前記ビード形成パラメータは、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、
前記プリントヘッドの移動方向及び配向を規定するヘッド経路の少なくとも1つを含む経路パラメータ、
前記基材に対する前記プリントヘッドのヘッド走行速度、
前記材料が前記基材上に押し出される際の材料温度と、前記材料が前記基材上に押し出される際の材料送給率と、前記新たなビードが形成されるビード付設速度と、前記プリントヘッドの前記圧縮装置の温度と、前記圧縮装置の垂直位置と、前記圧縮装置が前記基材に押し付けるように前記材料に付与する圧縮圧力と、のうちの少なくとも1つを含むプロセスパラメータ、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1又は2に記載の製造システム。
【請求項4】
記ノズルは、前記基材上に、前記材料の平坦化前ビードを押し出すように構成されており、
前記圧縮装置は、前記平坦化前ビードを前記基材に押し付けて、平坦化ビードとして前記新たなビードを形成するように構成されている、請求項1~3のいずれかに記載の製造システム。
【請求項5】
前記ノズルの下流に位置する前記下流側プロフィルメータは、以下の位置のうちの少なくとも1つ、すなわち
記ノズルと前記圧縮装置との間、及び、
前記圧縮装置の下流側、
のうちの少なくとも1つにおいて前記プリントヘッドに取り付けられている、請求項に記載の製造システム。
【請求項6】
前記参照輪郭データは、公称物品の公称輪郭データを含み、前記公称輪郭データは、対応する複数の公称輪郭位置における複数の公称断面輪郭を含むとともに、前記公称輪郭位置のうちの1つ以上における前記公称物品内の空隙を特定する輪郭対空隙データを含み、
前記公称断面輪郭は、前記被製造物品を製造する前に、前記公称物品の物理的な見本を評価することによって生成され、
前記制御システムは、不良を、前記公称物品における前記公称輪郭位置のうちの対応する1つ以上における前記不良を超えないサイズまで低減するように、前記輪郭比較に基づいて、1つ以上のビード形成パラメータを調整するように構成されている、請求項1~5のいずれかに記載の製造システム。
【請求項7】
前記参照輪郭データは、模擬物品の模擬輪郭データを含み、前記模擬輪郭データは、対応する複数の模擬輪郭位置における複数の模擬断面輪郭を含むとともに、前記模擬輪郭位置のうちの1つ以上における前記模擬物品内の空隙を特定する輪郭対空隙データを含み、
前記模擬断面輪郭は、前記被製造物品のコンピュータモデルから生成され、
前記制御システムは、不良を、前記模擬物品における前記模擬輪郭位置のうちの対応する1つ以上における前記不良を超えないサイズまで低減するように、前記輪郭比較に基づいて、1つ以上のビード形成パラメータを調整するように構成されている、請求項1~6のいずれかに記載の製造システム。
【請求項8】
被製造物品の製造方法であって、
前記被製造物品を製造する際に付加製造システムのプリントヘッドのノズルを用いて基材上に材料を押し出して新たなビードを形成することと、
前記新たなビードを形成する際に前記プリントヘッドと共に移動可能な2つのプロフィルメータであって、前記ノズルの上流に位置する上流側プロフィルメータと前記ノズルの下流に位置する下流側プロフィルメータとを含む2つのプロフィルメータ、又は、前記ノズルと圧縮装置の間に位置する第1下流側プロフィルメータと前記圧縮装置の下流側に位置する第2下流側プロフィルメータとを含む2つのプロフィルメータ、のうちの1つからなる2つのプロフィルメータと、を用いて前記被製造物品における1つ以上の既存のビードから少なくともなる被製造断面輪郭を測定することと、
制御システムを用いて前記被製造物品における複数の被製造輪郭位置での前記2つのプロフィルメータの各々によってそれぞれ取得される前記被製造断面輪郭を含む被製造輪郭データを生成することと、
前記制御システムを用いて前記被製造輪郭データを前記複数の被製造輪郭位置に対応する複数の参照輪郭位置における参照断面輪郭を含む参照物品の参照輪郭データと比較することと、
前記被製造輪郭データを前記参照輪郭データと比較することに基づいて1つ以上のビード形成パラメータを調整して前記新たなビードの形成に関連する不良のサイズを前記ビード形成パラメータを調整しない場合に発生する前記不良のサイズに比べて低減することと、を含む方法。
【請求項9】
前記被製造輪郭データを前記参照輪郭データと比較することは、
前記2つのプロフィルメータの少なくともいずれか1つによって取得される前記被製造断面輪郭におけるビード横位置、ビード形状、ビードサイズ、切れ目サイズ、及び、切れ目形状のうちの少なくとも1つを、前記参照断面輪郭における前記ビード横位置、前記ビード形状、前記ビードサイズ、前記切れ目サイズ、及び、前記切れ目形状のうちの対応する1つと比較することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
1つ以上のビード形成パラメータを調整することは、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、
前記プリントヘッドの移動方向及び配向を規定するヘッド経路の少なくとも1つを含む経路パラメータ、
前記基材に対する前記プリントヘッドのヘッド走行速度、
前記材料が前記基材上に押し出される際の材料温度と、前記材料が前記基材上に押し出される際の材料送給率と、前記新たなビードが形成されるビード付設速度と、前記プリントヘッドの前記圧縮装置の温度と、前記圧縮装置の垂直位置と、前記圧縮装置が前記基材に押し付けるように前記材料に付与する圧縮圧力とのうちの少なくとも1つを含むプロセスパラメータ、
のうちの少なくとも1つを調整することを含む、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
1つ以上のビード形成パラメータを調整することは、以下のうちの一方又は両方、すなわち、
前記新たなビードと前記既存のビードとの間の間隙の発生を抑制又は防止するために、前記新たなビードが既存のビードのより近くに配置されるように前記プリントヘッドを横方向において配置変更すること、及び、
前記新たなビードと前記既存のビードとの間の間隙の発生を抑制又は防止するために、前記新たなビードのサイズが変化するように前記ヘッド走行速度及び前記材料送給率のうちの少なくとも1つを調整すること、
のうちの一方又は両方を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
2つのプロフィルメータを用いて前記被製造断面輪郭を測定する工程は、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、
前記ノズルの上流側の付設前位置において前記被製造断面輪郭を測定すること、
前記ノズルと前記圧縮装置との間の平坦化前位置において前記被製造断面輪郭を測定すること、及び、
前記圧縮装置の下流側の平坦化後位置において前記被製造断面輪郭を測定すること、のうちの少なくとも1つを含む、請求項8~11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
以下のこと、すなわち、
前記被製造物品の少なくとも一部を表す公称物品の物理的な見本における複数の公称輪郭位置において、公称断面輪郭を測定すること、
前記公称輪郭位置のうちの1つ以上における前記公称物品内の空隙を特定する輪郭対空隙データを生成すること、及び、
前記公称輪郭位置のうちの1つ以上における前記公称断面輪郭及び前記輪郭対空隙データを含む公称輪郭データを生成すること、
を行うことによって、前記参照輪郭データとして前記公称輪郭データを生成することをさらに含む、請求項8~12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
以下を行うこと、すなわち、
前記被製造物品のコンピュータモデルを含む模擬物品における複数の模擬輪郭位置において模擬断面輪郭を分析すること、
前記模擬輪郭位置のうちの1つ以上における前記模擬物品内の空隙を特定する輪郭対空隙データを生成すること、及び、
前記模擬輪郭位置のうちの1つ以上における前記模擬断面輪郭及び前記輪郭対空隙データを含む模擬輪郭データを生成すること、
によって、前記参照輪郭データとして前記模擬輪郭データを生成することをさらに含む、請求項8~13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
以下を行うこと、すなわち、
前記被製造物品を製造する際に、対応する複数の被製造輪郭位置における前記被製造断面輪郭を継続的に比較すること、
前記被製造断面輪郭を継続的に比較することに基づいて、機械学習によって、前記被製造物品の前記既存ビードに関連する不良の1つ以上のパターンを特定すること、及び、
前記被製造物品の少なくとも一部を表す公称物品の物理的な見本における公称断面輪郭と前記被製造輪郭位置のうちの1つ以上における不良の前記1つ以上のパターンとを含む機械学習輪郭データを生成すること、
によって、前記参照輪郭データとして前記機械学習輪郭データを生成することをさらに含む、請求項10又は11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、製造システムに関し、より具体的には、プロフィルメータ(profilometer)によるフィードバックを利用して物品を付加製造するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
付加製造は、比較的複雑な形状の物品を比較的少量製造するのに、費用効率の高い方法である。例えば、ビードタイプの付加製造によれば、複合材部品製造のための所望の輪郭を有するレイアップ・ツールを製造する比較的迅速な方法が提供される。ビードタイプの付加製造では、基材の上方で移動するプリントヘッドが、材料のビードをテーブルまたは先に配置されているビードの上に押し出す。プリントヘッドは、物品を作り上げるために一層ずつビードを配置する。
【0003】
新たなビードが押し出されると、例えば、圧縮ローラがこの新たなビードを部分的に平坦にする。平坦化されたビードは、同じ層内にある既存のビードと、例えば、隣り合って接触することが望ましい。さらに、このような平坦化ビードの端部は、同じ層内の新たな別のビード又は既存のビードと接触することが望ましい。しかしながら、場合によっては、新たなビードと1つ以上の既存ビードとの間に、切れ目や間隙などの表面むらが発生することがある。そのような切れ目や間隙は、空隙などの欠陥につながる場合があり、完成品の構造的完全性を損なうおそれがある。そのため、現在のところ、得られた物品を完成後に検査して、物品内の空隙などの不良の度合いを判定し、ビード形成パラメータを繰り返し評価及び修正することで、それ以降の物品の製造の際にそのような欠陥又は空隙が発生するのを抑制又は防止するといった手法を取らざるを得ない。残念ながら、このような評価プロセスは、時間や労力がかかるとともに費用がかさむ。
【0004】
このようなことから、完成品における不良を抑制又は防止するためにビード形成パラメータを繰り返し調整する必要のない、ビードタイプの付加製造のシステム及び方法が当技術分野で必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
ビードタイプの付加製造に関する上述の要求は、プリントヘッド、少なくとも1つのプロフィルメータ、及び、制御システムを有する製造システムを提供する本開示によって、具体的に対処及び改善される。プリントヘッドは、被製造物品を付加製造する際に、基材上に材料を押し出して、新たなビードを形成するように構成されている。プロフィルメータは、前記プリントヘッドと共に移動可能であるとともに、前記新たなビードを形成する際に、前記被製造物品における1つ以上の既存のビードから少なくともなる被製造断面輪郭を測定するように構成されている。制御システムは、前記被製造物品における複数の被製造輪郭位置での前記被製造断面輪郭を含む被製造輪郭データを生成するとともに、参照物品の参照輪郭データに対する、前記被製造輪郭データの輪郭比較を、継続的に行うように構成されている。参照輪郭データは、前記複数の被製造輪郭位置に対応する複数の参照輪郭位置での参照断面輪郭を含む。前記制御システムは、さらに、前記輪郭比較に基づいて、1つ以上のビード形成パラメータを調整し、前記新たなビードの形成に関連する不良のサイズが、前記ビード形成パラメータを調整しなかった場合に発生する前記不良のサイズに比べて低減されるように、前記プリントヘッドに、前記ビード形成パラメータに従って前記新たなビードを形成させるように構成されている。
【0006】
被製造物品の製造方法も開示される。当該方法、前記被製造物品を製造する際に、付加製造システムのプリントヘッドを用いて、基材上に材料を押し出して、新たなビードを形成することを含む。当該方法は、さらに、前記新たなビードを形成する際に、前記プリントヘッドと共に移動可能な少なくとも1つのプロフィルメータを用いて、前記被製造物品における1つ以上の既存のビードから少なくともなる被製造断面輪郭を測定することを含む。当該方法は、制御システムを用いて、前記被製造物品における複数の被製造輪郭位置での前記被製造断面輪郭を含む被製造輪郭データを生成することも含む。さらに、当該方法は、前記制御システムを用いて、前記被製造輪郭データを、参照物品の参照輪郭データと比較することを含む。参照輪郭データは、前記複数の被製造輪郭位置に対応する複数の参照輪郭位置における参照断面輪郭を含む。当該方法は、さらに、前記被製造輪郭データを前記参照輪郭データと比較することに基づいて、1つ以上のビード形成パラメータを調整して、前記新たなビードの形成に関連する不良のサイズを、前記ビード形成パラメータを調整しない場合に発生する前記不良のサイズに比べて低減することを含む。
【0007】
被製造物品の製造方法であって、前記被製造物品の少なくとも一部を表す公称物品の物理的な見本を評価することと、前記公称物品における複数の公称輪郭位置のうちの1つ以上における公称断面輪郭及び関連する空隙を含む公称輪郭データを生成することと、を含む方法も開示される。当該方法は、前記被製造物品を製造する際に、付加製造システムのプリントヘッドを用いて、基材上に高分子材料を押し出して、新たなビードを形成すること、及び、前記新たなビードを形成する際に、前記プリントヘッドと共に移動可能な少なくとも1つのプロフィルメータを用いて、前記被製造物品における、少なくとも、1つ以上の既存のビードの被製造断面輪郭を測定することをさらに含む。当該方法は、制御システムを用いて、前記被製造物品における複数の被製造輪郭位置での前記被製造断面輪郭を含む被製造輪郭データを生成することも含む。さらに、当該方法は、前記制御システムを用いて、前記被製造輪郭データを、前記公称輪郭データと比較することを含む。また、当該方法は、前記被製造輪郭データを前記公称輪郭データと比較することに基づいて、1つ以上のビード形成パラメータを調整して、前記新たなビードの形成に関連する不良のサイズを、前記ビード形成パラメータを調整しない場合に発生する前記不良のサイズに比べて低減することも含む。
【0008】
上述した特徴、機能、利点は、本願の開示の様々な実施形態によって個別に達成することができ、あるいは、さらに他の実施形態と組み合わせてもよく、そのさらなる詳細は、以下の記載及び図面を参照することによって明らかになるものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示のこれら及び他の特徴は、図面を参照することによってより明らかになるであろう。なお、図面全体にわたって、同様の参照数字は同様の部品を示している。
【0010】
図1】付加製造マシンを含む本開示の製造システムの一例の斜視図であり、付加製造マシンは、垂直方向における一層ずつの製造を行うためのテーブル上で被製造物品を付加製造するように構成されたプリントヘッドを有している。
図2】製造システムにおける制御システムの一例のブロック図である。
図3】ノズルと、ノズルによって押し出された材料を平坦化して新たなビードを形成するための圧縮装置とを有するとともに、新たなビードを形成する際に、被製造物品の1つ以上の既存ビードの被製造断面輪郭を測定するように構成されたプロフィルメータをさらに含む、プリントヘッドの一例の斜視図である。
図4】ノズルの上流側の付設前位置、ノズルと圧縮装置との間の平坦化前位置、及び、圧縮装置の下流側の平坦化後位置を含む、プリントヘッドのいくつかの位置に取り付けられたプロフィルメータを有するプリントヘッドの一例の側断面図である。
図5】1つのノズルを有するプリントヘッドの一例の正面図である。
図6】複数のノズルを有する別の例のプリントヘッドの正面図である。
図7図4の線7-7に沿うプリントヘッドの部分断面図であり、付設前位置において既存ビードの被製造断面輪郭を測定しているプロフィルメータを示す図である。
図8】付設前位置で取得された被製造断面輪郭の一例を示す図である。
図9】輪郭特徴を示す、図8の被製造断面輪郭の拡大図である。
図10図4の線10-10に沿うプリントヘッドの部分断面図であり、プロフィルメータが、平坦化前位置において、既存ビード及び平坦化前ビードの被製造断面輪郭を測定している状態を示す図である。
図11】平坦化前位置で取得された被製造断面輪郭の一例を示す図である。
図12】輪郭特徴を示す、図11の被製造断面輪郭の拡大図である。
図13図4の線13-13に沿うプリントヘッドの部分断面図であり、プロフィルメータが、平坦化後位置において、既存ビード及び新たなビードの被製造断面輪郭を測定している状態を示す図である。
図14】平坦化後位置で取得された被製造断面輪郭の一例を示す図である。
図15】輪郭特徴を示す、図14の被製造断面輪郭の拡大図である。
図16】新たなビードを形成する際に発生する不良であって、平坦化前ビードが既存ビードに対して配置ずれしている不良の断面図である。
図17】平坦化を行って新たなビードを形成した後の、図16の既存ビード及び平坦化前ビードの断面図である。
図18】平坦化前ビードは適切に配置されているが隣接ビードが小さすぎる場合である、別の例の不良の断面図である。
図19】平坦化を行って新たなビードを形成した後の、図18の既存ビード及び平坦化前ビードの断面図である。
図20】平坦化前ビードは適切に配置されているが隣接ビードが大きすぎる、さらに別の例の不良の断面図である。
図21】隣接ビードが大きすぎたために平坦化後に配置不良となった、図20の新たなビードの断面図である。
図22図16の既存ビード及び平坦化前ビードの被製造断面輪郭の一例を示す図である。
図23図22の被製造断面輪郭の拡大図であり、被製造断面輪郭の1つ以上の輪郭特徴(例えばビードサイズ、切れ目サイズなど)を示す図である。
図24】平坦化前ビードの配置を示す、図16の既存ビード及び平坦化前ビードの断面図である。
図25】平坦化前ビードを平坦化して新たなビードを形成した後の、図24のビード構成の断面図である。
図26】隣接ビードが小さすぎる場合である図18の既存ビード及び平坦化前ビードの被製造断面輪郭の一例を示す図である。
図27図26の被製造断面輪郭の拡大図であり、制御システムが参照物品における対応する輪郭特徴と比較しうる輪郭特徴のうちの1つ以上を示す図である。
図28図18の既存ビード及び平坦化前ビードの断面図であり、1つ以上のビード形成パラメータを調整したことにより、平坦化前ビードのサイズが大きくなったことを示す図である。
図29】平坦化前ビードを平坦化した後の、図28のビード構成の断面図である。
図30】隣接ビードが大きすぎる場合である、図20の既存ビード及び平坦化前ビードの被製造断面輪郭の一例を示す図である。
図31図30の被製造断面輪郭の拡大図であり、制御システムが参照物品における対応する輪郭特徴と比較しうる輪郭特徴のうちの1つ以上を示す図である。
図32】平坦化前ビードのサイズが小さくなったことを示す、図20の既存ビード及び平坦化前ビードの断面図である。
図33】平坦化前ビードを平坦化した後の、図32のビード構成の断面図である。
図34】隣接ビードが配置不良の場合の既存ビードの被製造断面輪郭の一例を示す図である。
図35図34の被製造断面輪郭の拡大図であり、制御システムが参照物品における対応する輪郭特徴と比較しうる輪郭特徴のうちの1つ以上を示す図である。
図36図34の既存ビードの断面図であり、平坦化前ビードが隣接ビードのより近くに配置された状態を示す図である。
図37図34の既存ビードの断面図であり、1つ以上のビード形成パラメータを調整したことにより、サイズが大きくなった平坦化前ビードを示す図である。
図38】平坦化前ビードを平坦化した後の、図36図37のビード構成の断面図である。
図39】既存ビードの対向する終端に近づいている図4のプリントヘッドの一部の斜視図であり、横プロフィルメータ及び縦プロフィルメータが、其々、横方向及び縦方向に沿って、被製造断面輪郭を測定している状態を示す図である。
図40図39に参照数字40で示した既存ビードの部分の拡大図である。
図41図39に参照数字41で示した既存ビードの部分の拡大図である。
図42】既存ビードと別の既存ビードとの交差位置にプリントヘッド140の一部が近づいている例を示す斜視図である。
図43図42に参照数字43で示した既存ビードの部分の拡大図であり、プリントヘッドの走行の縦方向に沿って取得された被製造断面輪郭を示す図である。
図44】被製造物品が水平方向に移動可能なツールに支持されるとともに、プリントヘッドが水平方向における一層ずつの製造を行うように配向された製造システムの一例の斜視図である。
図45図44のプリントヘッド及び既存ビードの一部の斜視図であり、プロフィルメータが、既存ビードの被製造断面輪郭を測定している状態を示す図である。
図46図45の既存ビード及びツールの一部の拡大断面図であり、被製造断面輪郭の輪郭特徴を示す図である。
図47】物品を付加製造する方法に含まれる工程のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本開示の様々な実施例について説明する。図1は、製造システム100の一例の斜視図であり、当該製造システムは、被製造物品(in-work article)460を一層ずつ製造するように構成されたプリントヘッド140を有する付加製造マシン102を含む。図1の実施例では、被製造物品460は、テーブル122に支持され、プリントヘッド140は、被製造物品460を垂直方向に一層ずつ製造するように配向されている。これに対し、後述する付加製造マシン102の他の実施例のように、被製造物品460を水平方向またはその他の方向に一層ずつ製造するように、プリントヘッド140を配向してもよい。
【0012】
図1図2において、プリントヘッド140は、被製造物品460を付加製造すべく、当該プリントヘッド140が相対移動している間に、材料を基材120上に押し出して、新たなビード324を形成するように構成されている。製造システム100は、プリントヘッド140と共に移動可能な、少なくとも1つのプロフィルメータ180をさらに含む。また当該プロフィルメータは、被製造物品460における、1つ以上(1つまたは複数)の既存のビード340から少なくともなる被製造断面輪郭(in-work cross-sectional profile)464(図3)を、新たなビード324の形成中に継続的(continuously)又は定期的(periodically)に計測するように構成されている。製造システム100は、プロセッサ204(図2)を有する制御システム200(図2)をさらに含み、当該プロセッサは、継続的又は定期的に被製造輪郭データ462(図2)を生成及び記録するように構成されている。この被製造輪郭データは、被製造物品460の複数の被製造輪郭位置466において、プロフィルメータ180によってそれぞれ測定された複数の被製造断面輪郭464を含んでいる。被製造断面輪郭464それぞれの被製造輪郭位置466は、間断なく判定されるようにしてもよいし、且つ/又は、メモリ202(図2)に自動的に記録されてもよい。被製造輪郭位置466は、例えば、プロフィルメータ180によって被製造断面輪郭464が測定された時点でのプリントヘッド140の6次元位置データに基づいて求められる。プリントヘッド140の6次元位置データは、3次元位置データ(例えば、プリントヘッド140のx、y、z方向位置)及び3次元角度配向データ(例えばx軸、y軸、z軸の各々周りのプリントヘッド140の回転位置)を含みうる。
【0013】
図2を参照すると、制御システム200は、さらに、上述した被製造輪郭データ462を参照物品(reference article)470の参照輪郭データ472と比較する輪郭比較を継続的又は定期的に行うように構成されている。参照輪郭データ472は、複数の参照輪郭位置476における参照断面輪郭474を含む。参照物品470における複数の参照輪郭位置476は、被製造物品460における複数の被製造輪郭位置466に対応している。後述する一実施例において、参照輪郭データ472は、例えば公称輪郭データ(nominal profile data)482を含む。当該公称輪郭データは、被製造物品460の設計通りの構造を表す公称物品480における、複数の公称輪郭位置486での複数の参照断面輪郭474を含むものである。公称輪郭データ482は、参照物品470における公称輪郭位置486(図2)のうちの1つ以上に存在又は関連する空隙442(例えば、図6、14、21、25、29、33)を特定する輪郭対空隙データ(profile-to-void data)488を含みうる。
【0014】
後述する別の実施例において、参照輪郭データ472は、被製造物品460を表す模擬物品492の模擬輪郭データ494を含みうる。例えば、模擬物品492は、被製造物品460のコンピュータモデル(例えば3次元デジタル定義220)であってもよい。模擬輪郭データ494は、例えば、複数の模擬輪郭位置498における複数の模擬断面輪郭496を含み、模擬輪郭位置498のうちの1つ以上における模擬物品492内の空隙442を特定する輪郭対空隙データ488も含みうる。模擬断面輪郭496は、模擬物品492の複数の模擬輪郭位置498における模擬断面輪郭496の輪郭特徴400に関して、模擬物品492に対して分析又はクエリを行うことによって、生成することができる。制御システム200は、例えば、輪郭比較に基づいて1つ以上のビード形成パラメータを調整する。これに対応して、被製造物品460における不良430のサイズが、模擬物品492における模擬輪郭位置498のうちの1つ以上における不良430を超えないサイズまで低減される。後述するさらに別の実施例において、参照輪郭データ472は、例えば機械学習輪郭データ490を含み、当該データは、制御システム200が被製造物品460における不良430を予測及び抑制するために使用する、プロフィルメータ180によって以前に測定された複数の被製造断面輪郭464を含みうる。
【0015】
以下に詳述するように、制御システム200(図2)は、輪郭比較に基づいて、(例えば制御装置206によって)1つ以上のビード形成パラメータ240を調整し、被製造輪郭位置466のうちの1つ以上における新たなビード324の形成に関連する不良430(例えば、図17、19、21、23、27、31など)のサイズが、ビード形成パラメータ240を調整しなかった場合に発生する不良430のサイズに比べて低減されるように、プリントヘッド140に、ビード形成パラメータ240に従って新たなビード324を形成させる構成とされている。この点に関し、1つ以上のビード形成パラメータ240の調整は、必要に応じて実行することができ、例えば、被製造断面輪郭464が、参照断面輪郭474から大きく逸脱しているために、ビード形成パラメータ240を調整しなければ所定の大きさを超える不良430が被製造物品460に発生すると制御システム200が判定した場合などに実行すればよい。以下に詳述するように、被製造物品460における不良430の例としては、新たなビード324と既存のビード340との間の間隙432(例えば図17及び19)、既存のビード340間の閾値切れ目サイズ(例えば0.10インチ)を超える切れ目420(例えば図21)、ビードの配置不良434(例えば図16)、サイズ不良ビード408(例えば図18及び20)である既存のビード340、及び/又は、閾値サイズ(例えば0.10インチ)を超える空隙442(例えば図21)がある。
【0016】
図1を参照すると、プリントヘッド140は、被製造物品460の付加製造の際に、基材120(例えばテーブル122)に対してプリントヘッド140を相対的に移動させるように構成されたヘッド移動システム104によって、移動可能に支持されている。図示の実施例では、ヘッド移動システム104は、例えば水平梁110を有するガントリー106として構成されており、水平梁は、例えば工場の床に支持された一対のベース部材108の水平トラック112又はレールに沿って移動可能である。ヘッド移動システム104は、例えば、垂直梁114を有し、当該垂直梁にプリントヘッド140が連結される。垂直梁114は、プリントヘッド140を垂直移動させるための垂直トラック116又はレールを含みうる。ガントリー106は、被製造物品460を製造するための、あらかじめプログラムされたヘッド経路に従って、3つの互いに垂直な軸に沿って、プリントヘッド140を移動させることができる。図示しない別の例において、ヘッド移動システム104は、あらかじめプログラムされたヘッド経路に沿ってプリントヘッド140を移動させるように構成されたロボットアームを有するロボット装置として、構成することもできる。
【0017】
図2に示すように、制御システム200は、被製造物品460の3次元デジタル定義220(例えばコンピュータ支援設計(CAD)モデル222)に基づいて、コンピュータ可読プログラム命令224に従って、プリントヘッド140の移動(例えば経路パラメータ242-ヘッド経路、ヘッド走行速度、ヘッド配向)を制御するために、ヘッド移動システム104を制御するように構成された制御装置206を含みうる。コンピュータ支援設計(CAD)モデル222は、模擬物品492として機能することもでき、当該模擬物品から模擬輪郭データ494を生成して、被製造物品460の製造中に、被製造輪郭データ462と比較することもできる。制御システム200は、プリントヘッド140の移動を制御することに加えて、コンピュータ可読プログラム命令224に基づいて新たなビード324を形成する際に、プリントヘッド140の動作(例えばプロセスパラメータ244)を制御する構成とすることができる。一層ずつの製造が完了した時点で、被製造物品460は、ネットシェイプ又はニアネットシェイプを有し、これに対して、トリミング、機械加工、又はその他の処理が行われて最終形状となる。
【0018】
図3図4を参照すると、同図には、プリントヘッド140が、既存ビード340からなる下層344の上の、新たな層326の隣接ビード328の隣に、材料の新たなビード324を形成している状態の一例が示されている。本実施例では、下層344は、1つ以上の既存ビード340を含むとともに、新たなビード324が上に形成される既存層342として、説明することができる。隣接ビード328は、これに沿って新たな層326に新たなビード324が形成される、既存ビード340として説明することができる。図4は、図3のプリントヘッド140の断面図であり、プリントヘッド140が、既存ビード340からなる既存層342の上に新たなビード324を形成している状態を示している。図4には、新たなビード324が上に形成されつつある既存層342の終端362も示している。
【0019】
プリントヘッド140は、例えば、材料を押し出すための少なくとも1つのノズル150を含み、押し出し後に少なくとも部分的に材料を平坦化するための圧縮装置160も含む。ノズル150は、平坦化前の材料のビード320を、基材120上に押し出すことができる。基材120は、例えば、被製造物品460が上に製造されるテーブル122である。あるいは、基材120は、プリントヘッド140によって先に形成された既存ビード340の既存層342であってもよい。一実施例において、ノズル150は、円形の断面を有しており、これにより平坦化前ビード320は円筒形となる。ただし、図示しない他の実施例において、ノズル150は、矩形断面又は正方形断面などの他の断面形状を有し、これに対応する形状の平坦化前ビード320を形成することもできる。材料を押し出して新たなビード324を形成する際は、例えば、プリントヘッド140が、固定のテーブル122に対して、移動する。また、いくつかの実施例では、新たなビード324を形成する際に、テーブル122が、テーブル移動システム(図示せず)によって、プリントヘッド140の移動と連係して移動可能であってもよい。図示しないさらなる実施例において、新たなビード324を形成する際に、テーブル122が移動可能であり、プリントヘッド140が固定であってもよい。
【0020】
図3図4において、圧縮装置160は、例えば、回転自在の圧縮ローラ162として構成される。圧縮装置160は、ノズル150の下流側に位置しており、平坦化前ビード320を基材120に押し付けて、平坦化ビード322として新たなビード324を形成することができる。さらに、平坦化前ビード320を平坦にする際に、圧縮装置160は、新たなビード324と1つ以上の既存ビード340との間に長手方向に沿って伸びる1つ以上の間隙432(図17及び図19)又は切れ目420(図9)を少なくとも部分的に埋める手段として、下層344及び/又は形成中の新たな層326内の1つ以上の既存ビード340に対して、平坦化前ビード320の材料を、ぴったりと押し付けることができる。圧縮装置160は、新たなビード324のビード上部を滑らかな表面仕上げとするための滑らかな面を有していてもよい。また、圧縮装置160は、新たな各ビード324を、別の新たなビード324を支持するための略平坦又は平面状のビード上面を有する形状とする構成であってもよい。さらに、圧縮装置160は、既存ビード340のビード高さ404と一致する(例えば10パーセント以内である)ビード高さ404(図9)を有するように、新たな各ビード324を形成する構成であってもよい。
【0021】
圧縮装置160は、例えば、プリントヘッド140の回転可能ベース144に取り付けられる。回転可能ベース144は、材料を押し出す際に、圧縮装置160を常にノズル150より後方に位置させて、基材120に押し出された材料を平坦化するための手段として、プリントヘッド140がヘッド経路に沿って方向を変えると、回転する。一例として、回転可能ベース144は、サーボ制御されて、プリントヘッド140の方向の変化に応じて圧縮装置160の向きを変化させる。なお、圧縮ローラ162として図示しているが、圧縮装置160は、平坦化前ビード320の上方で摺動して平坦化前ビード320を平坦化ビード322(すなわち新たなビード324)に圧縮するように構成された、圧縮シューなどの他の構成で実現することもできる。
【0022】
圧縮装置160は、(例えば制御システム200によって)平坦化プロセスの際に、新たなビード324の加熱又は冷却のいずれかを促進する温度に維持することができる。例えば、圧縮装置160は、平坦化プロセスの際に、既存ビード340に対する新たなビード324の融着を促進する温度に、維持することができる。これに加えて又は変えて、圧縮装置160は、新たなビード324の固化を促進して、新たなビード324が次の層を支持できるようになる温度に維持してもよい。
【0023】
プリントヘッド140は、様々な種類の材料のうちの任意の1つを押し出すように、構成することができる。一実施例において、材料のペレット(図示せず)をホッパー(図示せず)に装填し、これを溶融して溶融材料とし、ポンプ(図示せず)によってノズル150から押し出してもよい。プリントヘッド140は、基材120への材料の押し出し及び平坦化が可能となる温度に、材料を維持するよう、構成することができる。例えば、材料を高温に維持することにより、平坦化前ビード320としてのノズル150からの押し出しを容易にするとともに、基材120に対してノズル150が垂直に配向されている状態から、平坦化前ビード320が基材120上で平行な配向になるように、平坦化前ビード320を折り曲げられるようにする。プリントヘッド140が押し出すことができる材料の例には、ガラス材料、セラミック材料、金属材料、高分子材料、またはこれらの任意の組み合わせが含まれる。高分子材料には、例えば、熱硬化性材料又は熱可塑性材料が含まれる。例えば、高分子材料には、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリ乳酸、ポリフェニレンスルフィド、ナイロン(商標)、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、又は様々な他の高分子材料のうちの任意のものが含まれる。
【0024】
いくつかの実施例において、プリントヘッド140は、ガラス材料、黒鉛材料、セラミック材料、金属材料、及び/又は、高分子材料によって形成された強化繊維(図示せず)を含む材料を押し出すように、構成することができる。このような強化繊維は、ノズル150に高分子材料を送給する際に高分子材料に導入することができる、短繊維、チョップドファイバー(chopped fibers)又は連続及び/又は一方向強化繊維(図示せず)として、提供することができる。図示しないプリントヘッド140の一実施例において、溶融材料を押し出すことに代えて、金属(例えば鋼、アルミニウムなど)のワイヤ材料をプリントヘッド140から吐出してもよい。金属ワイヤ材料を、例えば、吐出の際にワイヤ材料を溶融する局所的な高温源を実現する加熱装置(図示せず)によって溶融することにより、基材120上に材料の新たなビード324を形成することができる。例えば、プリントヘッド140は、プリントヘッド140からの吐出の際にワイヤ材料を溶融するように構成された抵抗発熱素子を含んでいてもよく、これによれば、ワイヤ材料を所望の断面形状に形成することが可能である。これに代えて又は加えて、プリントヘッド140は、アーク溶接トーチ、レーザ、及び/又は電子ビームを含む構成により、ワイヤ材料がプリントヘッド140から吐出される際や、ワイヤ材料がビード付設点302に接触する際に、ワイヤ材料を溶融してもよい。
【0025】
図3図4を参照すると、上述したように、プリントヘッド140は、一層ずつの製造中に、被製造物品460の被製造断面輪郭464を測定するための、少なくとも1つプロフィルメータ180を含む。一実施例において、プロフィルメータ180のうちの1つ以上を、プリントヘッド140に、例えばプリントヘッドハウジング142の回転可能ベース144に、取り付けることにより、新たなビード324の形成中に、ヘッド経路に沿って移動するプリントヘッド140の方向の変化に応じて、プロフィルメータ180の向きを変更することができる。1つ以上のプロフィルメータ180は、新たなビード324が形成されつつある新たな層326のすぐ下に位置する既存層342内の既存ビード340の被製造断面輪郭464を、継続的に又は定期的に(例えばリアルタイムで)測定することができる。これに代えて又は加えて、被製造断面輪郭464の幾何学的測定は、新たなビード324を含む新たな層326内の1つ以上の既存ビード340の被製造断面輪郭464を含むこともでき、この場合の既存ビードには、新たなビード324が接触して形成されつつある隣接ビード328も含まれる。
【0026】
1つ以上のプロフィルメータ180は、様々な構成のうちの任意の1つで実現することができる。例えば、各プロフィルメータ180は、断面輪郭を測定するための非接触装置として構成することができる。一実施例において、プロフィルメータ180は、走査平面182内に1つ以上のレーザビームを出射するように構成されたレーザプロフィルメータであってもよい。例えば、レーザプロフィルメータは、走査平面182の走査角度内で前後に走査するように構成された単一のレーザビームを出射する構成である。あるいは、レーザプロフィルメータは、走査平面182内に複数のレーザビーム(例えば図7)を出射する構成であってもよい。レーザプロフィルメータは、走査角度に応じて、走査対象の表面輪郭線における所定位置に照射されるようにレーザビームを出射することができる。例えば、レーザプロフィルメータは、被製造断面輪郭464の測定対象である既存ビード340が形成している表面輪郭線に均一に分散された最少で20箇所に照射されるようにレーザビームを出射することができる。
【0027】
レーザプロフィルメータは、二次元方向に走査するように構成された線走査プロフィルメータとして構成することもできる。例えば、レーザプロフィルメータのうちの1つ以上は、プリントヘッド140の走行方向に対して垂直な横方向184(図3)に配向された走査平面182に沿って、あるいは、プリントヘッド140の走行方向に対して平行な縦方向188(図3)に沿って、あるいは、横方向184及び縦方向188又は任意の他の方向の組み合わせで、レーザビームを照射するように構成することができる。レーザプロフィルメータの一例としては、イリノイ州のKeyence Corporation of Itascaから入手可能な、LJ-V7000シリーズと称されている高速レーザプロフィルメータがある。一実施例において、レーザプロフィルメータは、被製造断面輪郭464の比較的高精度の測定を実現する青色レーザ(例えば450~490nmの周波数帯域)を使用しうる。ただし、プリントヘッド140は、赤色レーザなどの他の周波数で動作するレーザを用いる1つ以上のレーザプロフィルメータを含みうる。
【0028】
図4を参照すると、プリントヘッド140は、上述したように、被製造断面輪郭464を測定するように構成された1つ以上のプロフィルメータ180を含む。プロフィルメータ180は、プリントヘッド140における、ビード付設点302に対する1つ以上の相対位置に取り付けることができる。例えば、プリントヘッド140は、既存ビード340の輪郭線(contour)を表す少なくとも1つの被製造断面輪郭464を測定するように構成された1つ以上のプロフィルメータ180を、ビード付設点302の(例えば数インチ以上)上流側の付設前位置300に含む。ビード付設点302は、ノズル150から材料を押し出す際に、平坦化前ビード320の前方端が基材120と最初に接触する位置として、定義することができる。プリントヘッド140は、さらに、1つ以上のプロフィルメータ180を、例えば、ノズル150と圧縮装置160との間の平坦化前位置304にも含み、これは、平坦化前ビード320、及び、新たなビード324がその上に、及び/又は、接触して形成されつつある既存ビード340の輪郭線を表す被製造断面輪郭464を測定するためのものである。
【0029】
プリントヘッド140は、さらに、1つ以上のプロフィルメータ180を、例えば、圧縮装置160のすぐ下流(例えば数インチ以上)の平坦化後位置306にも含み、これは、新たなビード324、及び、新たなビード324の下方且つその隣接位置にある既存ビード340の輪郭線を表す被製造断面輪郭464を測定するためのものである。プリントヘッド140は、1つ以上のプロフィルメータ180を、上述したうちのいずれの位置に含んでいてもよい。プロフィルメータ180は、様々な走査平面182のうちの任意の1つに沿って、被製造断面輪郭464を測定するように、構成することができる。例えば、図4は、付設前位置300に2つのプロフィルメータ180が設けられたプリントヘッド140の例を示しており、プリントヘッド140の走行方向に対して垂直に配向された走査平面182に沿ってレーザを照射することによって、横方向184(図3)に沿う被製造断面輪郭464を測定するように構成された横プロフィルメータ186と、プリントヘッド140の走行方向に対して平行に配向された走査平面182に沿ってレーザを照射することによって、縦方向188(図3)に沿う被製造断面輪郭464を測定するように構成された縦プロフィルメータ190とを含んでいる。縦方向188に沿って被製造断面輪郭464を測定することによって、後述するように、既存ビード340の終端362どうしの間にある(図4及び40)か、あるいは、1つの既存ビード340の終端362と別の既存ビード340の側面との交差位置にある(例えば図41)切れ目420の輪郭線を測定することが可能となる。
【0030】
図5図6を参照すると、図5は、単一の新たなビード324(図13)を形成するように構成された単一のノズル150を有するプリントヘッド140の例の正面図である。図6は、複数の新たなビード324を形成するための複数のノズル150を有するプリントヘッド140の例の正面図である。図6において、複数のノズル150は、線形アレイ状に配置されており、例えば、複数の平坦化前ビード320を同時に形成するために、基材120上に材料を同時に押し出すように構成されている。プリントヘッド140は、平坦化前ビード320を同時に平坦化して、好ましくは隣り合って接触するように配置された平坦化ビード322(例えば新たなビード324)にするための、例えば圧縮ローラ162などの少なくとも1つ圧縮装置160を含みうる。
【0031】
図7は、付設前位置300にあるプロフィルメータ180の一例の断面図である。当該プロフィルメータ180は、図示の状態では、被製造物品460の既存ビード340の被製造断面輪郭464(図8)を測定するために、横方向184(図3)に対して平行な向きの走査平面182に沿ってレーザを照射している。図8は、付設前位置300においてプロフィルメータ180によって測定された被製造断面輪郭464の一例を示している。この被製造断面輪郭464は、新たなビード324(図3図4)が上に形成される下層344内の既存ビード340の表面輪郭線を表すとともに、新たなビード324が隣に配置される隣接ビード328(例えば既存ビード340)の表面輪郭線も表している。図9は、被製造断面輪郭464の輪郭特徴400を示す、図8の被製造断面輪郭464の拡大図である。輪郭特徴400は、例えば、下層344(図8)及び新たな層326(図8)内の既存ビード340(図8)のビード横位置(bead lateral location)402を含み、さらに、既存ビード340のビードサイズ及びビード形状を含みうる。ビードサイズは、ビード幅406及びビード高さ404を含みうる。さらに、輪郭特徴400は、既存ビード340の間の各切れ目420の切れ目サイズ及び切れ目形状を含みうる。切れ目サイズは、切れ目幅426及び切れ目深さ422を含みうる。
【0032】
上述したように、制御システム200(図2)は、被製造物品460を製造する際に、参照物品470の参照輪郭データ472に対する被製造輪郭データ462の輪郭比較を継続的に又は定期的に行い、1つ以上のビード形成パラメータ240(図2)の必要な調整を行うことにより、被製造物品460における不良430(例えば図17、19、21など)の発生を抑制又は防止するように構成されている。ビード形成パラメータ240は、経路パラメータ242及び/又はプロセスパラメータ244を含みうる。経路パラメータ242は、プリントヘッド140のヘッド経路を含みうる。ヘッド経路は、例えば、被製造物品460をプリントする際の、プリントヘッド140の移動方向及び配向、及び/又は、基材120の移動方向及び配向を規定する。例えば、ヘッド経路は、被製造物品460を一層ずつ製造する際に、プリントヘッド140がこれに沿って移動する、一連の方向とも称しうる複数の経路セグメント、及び、これに対応する走行距離を含みうる。ヘッド経路は、製造システム100の動作のためのコンピュータ可読プログラム命令224(図2)によって、規定することができる。経路パラメータ242は、ヘッド経路の各経路セグメントに沿った、プリントヘッド140のヘッド走行速度も含みうる。
【0033】
上述したように、ビード形成パラメータ240は、ヘッド経路に沿って移動する際のプリントヘッド140の処理動作に関するプロセスパラメータ244も含みうる。プロセスパラメータ244は、材料が基材120上に押し出される際の材料温度を含みうる。上述したように、材料は、例えば、既存ビード340に新たなビード324を融着できるとともに、新たなビード324が別の材料層を支持できる程度まで、新たなビード324の固化が促進される温度で、押し出される。プロセスパラメータ244は、材料がノズル150を通過して基材120上に押し出される際の材料送給率(例えば体積送給率)も含みうる。材料送給率を制御することにより、平坦化前ビード320のビード幅406(例えば図12)を制御することができ、従って、新たなビード324のビードサイズを調節することができる。いくつかの実施例において、プリントヘッド140は、例えば、0.12インチから3.0インチまでの範囲のビード径を有する平坦化前ビード320を押し出すように構成される。ただし、より大きい又は小さい径も可能である。例えば、平坦化前ビードは、0.25~1.0インチのビード径に押し出される。材料送給率を、ヘッド走行速度と同期させることにより、所望のサイズの平坦化前ビード320を実現することができ、ひいては、新たなビード324(すなわち、平坦化前ビード320を平坦化した後のビード)のサイズ(例えばビード幅406及びビード高さ404)を調節することができる。
【0034】
プロセスパラメータ244は、例えば、新たなビード324が基材120に形成されるビード付設速度(単位時間当たりのインチ)も含み、これは、例えば、上述したヘッド走行速度及び材料送給率の関数である。追加のプロセスパラメータ244は、例えば、プリントヘッド140の圧縮装置160(例えば圧縮ローラ162)の温度も含み、これによって、圧縮装置160によって平坦化前ビード320を平坦化する際の材料の温度を、上昇又は降下させることができる。例えば、圧縮装置160の温度を上昇させることにより、材料の粘度をわずかに低下させて、新たなビード324と既存ビード340との間の切れ目420への材料の充填を促進したり、既存ビード340に対する新たなビード324の融着を促進したりすることができる。他のプロセスパラメータ244には、新たなビード324のビード高さ404(図19)を制御するための、圧縮装置160の垂直位置が含まれる。例えば、圧縮装置160を、垂直方向に調節可能とすることにより、新たなビード324が既存の既存ビード340のビード高さ404と実質的に等しく(例えば10パーセント以内に)なるように、ビード高さ404を調整することができる。プロセスパラメータ244は、さらに、平坦化前ビード320の平坦化中に、圧縮装置160が平坦化前ビード320を基材120及び1つ以上の既存ビード340に押し付ける際に付与される圧縮圧力を含みうる。
【0035】
以下に詳述するように、制御システム200は、被製造物品460の被製造断面輪郭464における輪郭特徴400(図9)を、参照物品470(図2)の参照断面輪郭474における対応する輪郭特徴400と比較することによって、輪郭比較を行うことができる。輪郭比較に含まる輪郭特徴400には、例えば、上述したビード横位置402、ビードサイズ、ビード形状、切れ目サイズ、切れ目形状がある。図7図9において、被製造物品460は、例えば、公称の構造のものであり、被製造物品460の設計どおりのバージョンを表す。この点に関し、図7の既存ビード340は、図9における輪郭特徴400が、公称物品480(図2)の公称断面輪郭484(図2)の輪郭特徴400を表すように、設計仕様内でサイズ決め、成形、及び配置がなされている。公称物品480は、例えば、被製造物品460を製造する際に、被製造物品460が継続的に比較される対象である参照物品470である。
【0036】
上述した別の実施例では、参照輪郭データ472は、例えば模擬物品492の模擬輪郭データ494であり、これは、例えば、被製造物品460のコンピュータモデル(例えばCADモデル222)であって、被製造物品460の上述した設計どおりのバージョンを表す。模擬輪郭データ494は、複数の模擬輪郭位置498で取得された模擬断面輪郭496を含みうる。模擬輪郭データ494は、例えば、輪郭対空隙(profile-to-void)データ488をさらに含み、これは、模擬物品492の1つ以上の模擬輪郭位置498における空隙442(もしあれば)のサイズ及び位置の情報を含むものである。模擬断面輪郭496は、模擬物品492の分析によって生成することができる。例えば、模擬物品492に対してクエリを行うか、これに加えて又は代えて、模擬物品492における複数の模擬輪郭位置498での模擬断面輪郭496から、輪郭特徴(例えばビードサイズ、ビード形状、切れ目サイズ、切れ目形状)の測定値を抽出する。これらの測定値は、例えば、メモリ202に保存され、被製造物品460の製造中に制御システム200によって行われる輪郭比較の際にアクセスされて、被製造物品460における不良430を、模擬物品492における対応する模擬輪郭位置498での不良430を超えないサイズまで低減するためには、1つ以上のビード形成パラメータ240の調整が必要かどうかが評価される。
【0037】
図10は、平坦化前位置304にあるプリントヘッド140のプロフィルメータ180の一例の断面図であり、プロフィルメータ180が、横方向184(図3)に対して平行な向きの走査平面182に沿って、レーザを照射する状態を示している。図11は、平坦化前位置304においてプロフィルメータ180によって測定された被製造断面輪郭464の一例を示している。この被製造断面輪郭464は、平坦化前ビード320と、当該平坦化前ビード320が載置されている下層344内の既存ビード340との表面輪郭線を表している。さらに被製造断面輪郭464は、新たなビード324(図13参照)が隣接配置される隣接ビード328の表面輪郭線をも表している。なお新たなビード324は、平坦化前ビード320が圧縮装置(図示せず)によって平坦化されたものである。図12は、図11の被製造断面輪郭464の拡大図であり、ビード幅406(例えばビード径)及びビード横位置402を含む上述の輪郭特徴400を示している。図7図9に関して上述したように、図10図12の被製造物品460は、例えば、公称の構造のものであり、図12の輪郭特徴400は、制御システム200が輪郭比較において参照物品470として用いる公称物品480(図2)の公称断面輪郭484(図2)における輪郭特徴400を表しうる。例えば、図12において、平坦化前ビード320のビード中心線360は、平坦化前ビード320が載置されている既存ビード340のビード中心線360と整列している。
【0038】
図13は、平坦化後位置306あるプロフィルメータ180の一例の断面図であり、プロフィルメータ180が、横方向184(図3)に沿ってレーザを照射する状態を示している。図14は、平坦化後位置306においてプロフィルメータ180によって測定された被製造断面輪郭464の一例を示している。図14では、被製造断面輪郭464は、平坦化前ビード320(図10)を平坦化して得られた新たなビード324の表面輪郭線を表すとともに、下層344内の既存ビード340及び新たなビード324が隣に配置された隣接ビード328の表面輪郭線も表している。図15は、図14の被製造断面輪郭464の拡大図であり、新たなビード324及び既存ビード340のビード横位置402及びビードサイズを含む輪郭特徴400を示すとともに、新たなビード324と既存ビード340との間の切れ目420の切れ目サイズ及び切れ目形状も示している。図7図12に関して上述したように、図13図15の被製造物品460は、例えば、公称の構造のものであり、図15の輪郭特徴400は、公称物品480(図2)の公称断面輪郭484(図2)における輪郭特徴400を表す。例えば、図15において、新たなビード324のビード中心線360は、新たなビード324が上に形成されている既存ビード340のビード中心線360と整列している。さらに、新たなビード324のビード幅406及びビード高さ404は、例えば、既存ビード340のビード幅406及びビード高さ404と其々同等である。
【0039】
公称輪郭データ482(図2)を参照輪郭データ472(図2)として用いることに加えて又は代えて、制御システム200(図2)は、機械学習輪郭データ490(図2)を用いることもでき、これには、例えば、被製造物品460の製造中に、対応する複数の被製造輪郭位置466で以前に生成された(例えば以前に測定及び記録された)複数の被製造断面輪郭464が含まれる。制御システム200は、被製造断面輪郭464を継続的に比較して、機械学習によって、被製造物品460の製造に関連する1つ以上の不良430のパターンを特定するように構成することもできる。例えば、制御システム200は、特定の種類の角部(すなわち、ビードが方向を変える箇所)やその他の位置などの、被製造物品460内の1種類以上の位置における、1つ以上の既存ビード340及び/又は新たなビード324のビード配置不良(bead mislocation)434のパターンを特定してもよい。これに代えて又は加えて、制御システム200は、被製造物品460内の1種類以上の位置における、サイズ不良ビード408(例えば小さすぎるビード410-図18;大きすぎるビード412-図20)のパターンを特定してもよい。さらなる実施例において、制御システム200は、被製造物品460内の特定の種類の位置に発生する間隙432のパターンを特定してもよい。
【0040】
制御システム200は、1つ以上の不良430のパターンを特定すると、当該パターンに基づいて、新たなビード324の形成に関連するビード形成パラメータ240のうちの1つ以上を調整し、当該パターンで特定された不良430の発生を抑制又は防止するように構成されうる。例えば、制御システム200は、被製造物品460内の特定の種類の位置又は幾何学的特徴部(例えば角部)におけるビードの配置不良434のパターンを特定すると、パターンで特定された位置にプリントヘッド140が近づく際に、ヘッド経路を調整する。これにより、新たなビード324のさらなる配置不良が防止されて、パターンで特定された位置での空隙442の発生が抑制又は防止される。別の例において、制御システム200は、被製造物品460内の特定の種類の幾何学的特徴部(例えば特定の角部)で小さすぎるビード410が発生しているパターンを特定すると、当該パターンで特定された位置において、新たなビード324のビードサイズを局所的に大きくする手段として、パターンで特定された位置にプリントヘッド140が近づく際に、ヘッド走行速度及び/又は材料送給率などの1つ以上のプロセスパラメータ244を調整することができる。
【0041】
図16図21は、被製造物品460を製造する際に発生しうる種々の不良430のいくつかの例を示すために、被製造物品460を示している。図16は、ビード配置不良434の一例を示す断面図であり、この例では、平坦化前ビード320が、既存ビード340に対して配置不良となっている。ここで、既存ビードは、平坦化前ビード320がその上に押し出された下層344内の既存ビード340を含み、平坦化前ビード320を含む新たな層326内の隣接ビード328も含む。平坦化前ビード320のビード中心線360は、平坦化前ビード320が上に押し出された既存層342内の既存ビード340のビード中心線360からずれている。図17は、既存ビード340、及び、平坦化前ビード320が平坦化されて形成された新たなビード324の断面図であり、平坦化前ビード320のビード配置不良434(図16)の結果として、新たなビード324と隣接ビード328(例えば既存ビード340)との間に発生した間隙432を示している。このような間隙432は、完成時に被製造物品460内で空隙(図示せず)となるおそれがある。
【0042】
図18は、平坦化前ビード320は正しいビード横位置402に配置されているものの、隣接ビード328(すなわち、平坦化前ビード320が隣に配置される既存ビード340)が小さすぎる(例えばサイズ不良ビード408である)場合の、不良430の例の断面図である。小さすぎるビード410は、例えば、当該隣接ビード328を形成する際に、ビード形成パラメータ240(図2)のうちの1つ以上にエラーがあったために発生している。例えば、ビード形成パラメータ240のエラーとしては、プリントヘッド140(図2)の過度に速いヘッド走行速度、及び/又は、プリントヘッド140のノズル150(図3)を通過(例えばポンプ送給)させる際の過度に低い材料送給率がある。図19は、既存ビード340、及び、図18の平坦化前ビード320が平坦化されて形成された新たなビード324の断面図であり、隣接ビード328が小さすぎたために、新たなビード324と隣接ビード328との間に間隙432が発生している。上述したように、間隙432は、完成時に被製造物品460内で空隙442となるおそれがある。
【0043】
図20は、平坦化前ビード320は適切に配置されているものの、隣接ビード328が大きすぎる(例えばサイズ不良ビード408である)場合の、不良430の例の断面図であり、この不良は、例えば、平坦化前ビード320の押し出しの際のプリントヘッド140のヘッド走行速度のエラー及び/又は材料送給率のエラーを含む、1つ以上のビード形成パラメータ240のエラーの結果である。図21は、図20の新たなビード324が、隣接ビード328が大きすぎたために配置不良となった例の断面図である。例えば、新たなビード324のビード中心線360は、下層344内の既存ビード340のビード中心線360からずれている。大きすぎるビード412が原因で、次に形成される新たなビード324も配置不良となりうる。
【0044】
図21には、空隙442の形態の不良430の例も示されており、このような空隙の1つ以上は、製造が完了して、被製造物品460が硬化又は固化された後も、被製造物品460に残存するおそれがある。空隙442は、被製造物品460における2つ以上の既存ビード340の表面どうしの間に発生しうる。図21には、1つの空隙442を示しているが、被製造物品460は、被製造物品460の任意の部分に沿って延びる任意の数の空隙442を含みうる。上述したように、空隙442は、図17及び図19に示した間隙432のような、新たなビード324と隣接ビード328との間の間隙432の結果としても発生しうる。また、空隙442は、後述するように、形成中の既存ビード340の表面のくぼみ436(例えば図39及び図41)の結果としても発生しうる。
【0045】
本開示では、空隙442(例えば図21)は、参照物品470の非破壊評価(例えば、X線撮像、コンピュータ断層撮影など)、及び/又は、参照物品470の物理的検査によって検出及び測定することができる。上述したように、参照物品470は、例えば、公称物品480として完成及び設計されたものであり、ビード形成パラメータ240の調整が必要かどうかを評価する手段として、製造中に被製造物品460が比較される参照基準として使用するためのものである。一例において、公称物品480は、後に被製造物品460を製造する際に使用するのと同じ種類の材料及び同じ種類のプリントヘッド140を用いて製造される。例えば、公称物品480を(試験室などで)物理的に切断し、公称物品480における複数の公称輪郭位置486で公称断面輪郭484を測定することによって、上述した公称輪郭データ482を生成することができ、この公称輪郭データを、制御システム200が、被製造物品460を製造する際に(1つ以上のプロフィルメータ180を用いて)継続的に生成される被製造輪郭データ462と比較する。
【0046】
公称断面輪郭484に関連する輪郭特徴400の測定値(例えば、ビード横位置、ビード形状、ビードサイズ、切れ目サイズ、及び/又は切れ目形状の数値)を、冷却の際のビード材料の収縮を補償するように調整してもよい。この点について、材料は、プリントヘッド140からの押し出しの際には、例えば、既存ビード340よりも高温、及び/又は、周囲温度よりも高温である。材料の新たなビード324は、例えば室温まで冷えると収縮する。(例えば材料が高温である時の)被製造輪郭データ462と、公称輪郭データ482(例えば参照輪郭データ472)との輪郭比較を正確なものとするためには、公称断面輪郭484の測定値に調整係数を適用することによって、このような収縮を補償することが必要な場合がある。例えば、調整係数を適用することによって、公称物品480の各輪郭特徴400(例えばビード幅、切れ目幅など)の値を、材料の冷却によって生じる輪郭特徴の収縮に相当する量だけ増大させる。上述したように、制御システム200は、1つ以上の被製造輪郭位置466に発生するおそれのある不良430(例えば、空隙442、間隙432、ビード配置不良434、サイズ不良ビード408)を、公称物品480における対応する公称輪郭位置486での不良430を超えないサイズまで低減するように、輪郭比較に基づいて1つ以上のビード形成パラメータ240を調整するように構成されている。
【0047】
上述したように、公称輪郭データ482(図2)(例えば参照輪郭データ472)は、公称断面輪郭484と、これに対応する、測定された各公称断面輪郭484の3次元位置(すなわち公称輪郭位置)とを含む。さらに、公称輪郭データ482は、公称断面輪郭484のうちの1つ以上に関連する不良430に関するデータも含む。上述したように、公称物品480における空隙442などの不良430は、公称物品480を評価する際に検出及び測定される。空隙442に関しては、例えば、空隙442のサイズ(例えば空隙442の幅及び/又は空隙442の断面積)が測定される。このような空隙データは、各空隙442が関連付けられる公称断面輪郭484と共に、輪郭対空隙データ488として記録することができる。一実施例において、輪郭対空隙データ488は、閾値サイズよりも大きい空隙442のデータに限定してもよい。例えば、横方向184において0.10インチよりも小さい空隙幅の空隙442は、輪郭対空隙データ488から除外してもよい。
【0048】
図22は、プリントヘッド140(図4)の上述のプロフィルメータ180(図4)のうちの1つ以上によって測定されうる、既存ビード340の被製造断面輪郭464の一例を示しており、図16の平坦化前ビード320の配置不良を示している。例えば、この被製造断面輪郭464は、図4に示すプリントヘッド140の付設前位置300に取り付けられたプロフィルメータ180によって、測定される。図23は、被製造断面輪郭464の輪郭特徴400(例えば、ビード横位置402、ビードサイズ、切れ目サイズなど)を示す、図22の被製造断面輪郭464の拡大図である。
【0049】
上述したように、制御システム200は、1つ以上の被製造輪郭位置466で測定された被製造断面輪郭464の少なくとも1つ輪郭特徴400を、対応する参照輪郭位置476における参照断面輪郭474の対応する輪郭特徴400と比較することによって輪郭比較を行い、被製造断面輪郭464の被製造輪郭位置466において被製造物品460に発生しうる不良430を抑制又は防止するためにビード形成パラメータ240の調整が必要な場合は、それがどのビード形成パラメータであるかを判定するように構成されている。
【0050】
被製造断面輪郭464の被製造輪郭位置466は、1つ以上のプロフィルメータ180によって被製造断面輪郭464を測定する時に、自動的に(例えば制御システム200によって)プリントヘッド140の3次元位置と関連付けられる。一実施例において、製造システム100は、例えば1つ以上のエンコーダ(図示せず)を含み、これが、ヘッド移動システム104(例えば、図1のガントリー106;ロボット装置‐図示せず)によって、プリントヘッド140をヘッド経路に沿って移動させる際に使用される。このようなエンコーダが、例えば、プリントヘッドの位置データを、継続的に制御システム200に送信し、これを、制御システム200が、1つ以上のプロフィルメータ180によって測定された被製造断面輪郭464と継続的に関連付ける。
【0051】
上述したように、輪郭特徴400は、新たな層326、及び、新たなビード324が形成される新たな層326のすぐ下にある下層344のうちの少なくとも1つの断面輪郭を画定する1つ以上のビードの、ビード横位置402、ビードサイズ、及び/又は、ビード形状を含みうる。ビード横位置402は、例えば、既存ビード340、平坦化前ビード320、及び/又は、新たなビード324の横位置である。ビード横位置402は、例えば、平坦化前ビード320のビード中心線360及び1つ以上の既存ビード340(例えば下層344内のビード又は隣接ビード328)のビード中心線360に対して測定したり、あるいは新たなビード324のビード中心線360と1つ以上の既存ビード340のビード中心線360との間で測定したりすることができる。輪郭特徴400は、既存ビード340、平坦化前ビード320、及び/又は、新たなビード324のビード幅406及び/又はビード高さ404などのビードサイズをさらに含みうる。さらに、輪郭特徴400は、既存ビード340、平坦化前ビード320、及び/又は、新たなビード324のビード形状(例えば、断面形状‐矩形、正方形、円形など)を含みうる。
【0052】
さらに、輪郭特徴400は、1つ以上の切れ目420の切れ目サイズ及び/又は切れ目形状、あるいは、断面輪郭を画定するビード間の表面輪郭に存在する凹み(dip)を含みうる。いくつかの実施例において、制御システム200は、閾値を超える(例えば0.10インチより大きい)切れ目サイズを有する切れ目420を記録するように構成してもよい。切れ目サイズは、例えば、切れ目深さ422(図23)を含み、切れ目深さは、切れ目頂点424(図23)と、切れ目420が間にある既存ビード340のうちの少なくとも一方の上面との間の垂直距離として定義することができる。切れ目サイズは、例えば、切れ目420の最大水平幅として定義することができる切れ目幅426(図23)も含み、これは、通常は、切れ目420を構成している既存ビード340の上面付近における幅である。切れ目サイズは、切れ目断面積で定義することもできる。また、切れ目形状は、切れ目420の対向する面のうちの一方又は両方の半径で定義することもできる。
【0053】
一実施例において、輪郭比較を行う際は、1つ以上の被製造輪郭位置466における被製造断面輪郭464を構成している1つ以上の既存ビード340のビード横位置402、ビード形状、及び/又は、ビードサイズが、対応する参照輪郭位置476における参照断面輪郭474を構成している対応する既存ビード340のビード横位置402、ビード形状、及び、ビードサイズと、其々比較される。これに代えて又は加えて、輪郭比較を行う際に、1つ以上の被製造輪郭位置466における被製造断面輪郭464を構成している既存ビード340の間の切れ目サイズ及び切れ目形状を、対応する参照輪郭位置476における参照断面輪郭474を構成している対応する既存ビード340のビード横位置402、ビード形状、及び、ビードサイズと、其々比較してもよい。制御システム200によって行われる輪郭比較は、上記の輪郭特徴400のうちの任意の1つ以上のサイズ及び/又は形状を比較することを含みうる。
【0054】
図23に戻ると、同図には、図22の被製造断面輪郭464の拡大図が示されている。この被製造断面輪郭464の輪郭特徴400は、平坦化前ビード320及び既存ビード340のビード横位置402及びビードサイズ(例えばビード幅406)を含みうる。輪郭特徴400は、既存ビード340の間の切れ目420の切れ目サイズも含みうる。図23において、平坦化前ビード320のビード中心線360は、平坦化前ビード320の下にある既存ビード340のビード中心線360からずれている。
【0055】
図24は、図22図23に表した既存ビード340及び平坦化前ビード320の断面図である。制御システム200は、被製造断面輪郭464(例えば図23)を、対応する参照断面輪郭474(例えば図12)と輪郭比較したことを受けて、プリントヘッド140(図3)のヘッド経路を調整し、平坦化前ビード320が隣接ビード328のより近くに押し出されるようにプリントヘッド140を横方向において配置変更するよう、構成されている。制御システム200によるヘッド経路の調整後は、調整されたヘッド経路が新たなヘッド経路となる。図25は、新たなビード324(すなわち、平坦化前ビード320を平坦化した後のビード)が隣接ビード328と隣り合って接触している状態を示しており、ビード形成パラメータ240を調整していなければ、新たなビード324と隣接ビード328との間に発生していたかもしれない間隙432(例えば図17)が回避されたことを示している。
【0056】
図26は、図4の平坦化前位置に取り付けられた1つ以上のプロフィルメータ180によって測定されうる、図18の既存ビード340及び平坦化前ビード320の被製造断面輪郭464の一例を示している。図26は、小さすぎるビード410としての隣接ビード328(例えば既存ビード340)を示している。図27は、輪郭特徴400(例えば、ビード横位置402、ビードサイズ、切れ目サイズなど)を示す、図26の被製造断面輪郭464の拡大図であり、輪郭特徴は、制御システム200が、参照物品470の対応する輪郭特徴400と比較して、被製造物品460の不良430を抑制又は防止するために1つ以上のビード形成パラメータ240の調整が必要かどうかを判定するためのものである。
【0057】
図28は、図18の既存ビード340及び平坦化前ビード320の断面図である。制御システム200は、被製造断面輪郭464(例えば図27)を、参照断面輪郭474(例えば図12)と輪郭比較したことを受けて、プリントヘッド140のヘッド走行速度、及び/又は、材料が基材120上に押し出される際の材料送給率などの1つ以上のビード形成パラメータ240を調整するように構成されている。ビード形成パラメータ240は、新たなビード324と隣接ビード328との間に間隙432(例えば図19)が発生するのを抑制又は防止するために、平坦化前ビード320のビードサイズが大きくなるように調整することができる。図29は、平坦化前ビード320を平坦化して新たなビード324を形成した後の、図28のビード構造の断面図であり、新たなビードは、隣接ビード328と隣り合って接触しており、ビード形成パラメータ240を調整していなければ、新たなビード324と隣接ビード328との間に発生していたかもしれない間隙432が回避されたことを示している。さらに、ビード形成パラメータ240を調整することによって、例えば、新たなビード324と隣接ビード328との間の切れ目420(例えば図27)を、新たなビードの材料で、少なくとも部分的に埋めることができる。
【0058】
本明細書に開示の実施例のいずれにおいても、制御システム200は、不良(例えば小さすぎるビード410)が存在し続けている間は、1つ以上のビード形成パラメータ240の調整を維持しうる。例えば、隣接ビード328が小さすぎることが輪郭比較によって示されている間は、制御システム200は、ヘッド走行速度の減速状態、及び/又は、材料送給率の上昇状態を維持しうる。隣接ビード328が小さすぎる状態ではなくなったことが輪郭比較によって示されると、制御システム200は、例えば、ビード形成パラメータ240を以前の設定に戻す。この点に関し、本明細書に開示の実施例のいずれにおいても、制御システム200は、被製造物品460の製造中に不良430(例えば、ビード配置不良434、サイズ不良ビード408、間隙432の発生など)が存在する間、一時的に、1つ以上のビード形成パラメータ240の設定を調整することができる。これに代えて、制御システム200は、被製造物品460の製造期間の間、1つ以上のビード形成パラメータ240の調整後の設定を維持してもよい。
【0059】
図30は、図4に示した平坦化後位置306に取り付けられた1つ以上のプロフィルメータ180によって測定されうる、図20の既存ビード340及び平坦化前ビード320の被製造断面輪郭464の一例を示している。図30は、大きすぎるビード412としての隣接ビード328(例えば既存ビード340)を表している。図31は、輪郭特徴400(例えば、ビード横位置402、ビードサイズ、切れ目サイズなど)を示す、図30の被製造断面輪郭464の拡大図であり、輪郭特徴は、制御システム200が、参照物品470の対応する輪郭特徴400と比較して、1つ以上のビード形成パラメータ240の調整が必要かどうかを判定するためのものである。
【0060】
図32は、図20の既存ビード340及び平坦化前ビード320の断面図であり、平坦化前ビード320のサイズが小さくなったことを示しており、これは、制御システム200が、新たなビード324(例えば平坦化前ビード320を平坦化した後のビード)のビード配置不良(図示せず)を回避するために、1つ以上のビード形成パラメータ240の調整(例えば、プリントヘッド140のヘッド走行速度を上げること、及び/又は、材料送給率を下げること)を行った結果である。図33は、平坦化前ビード320を平坦化して新たなビード324を形成した後の、図32のビード構造の断面図であり、新たなビードは、図示のように、隣接ビード328と適切に隣り合って接触している。
【0061】
図34は、図4の付設前位置300で1つ以上のプロフィルメータ180によって測定されうる、既存ビード340の被製造断面輪郭464の一例を示している。被製造物品460の設計どおりの構成次第では、隣接ビード328(すなわち、これから新たなビード324が隣に形成されるビード)が、配置不良ビードのようになる場合がある。図35は、ビード横位置402を含む輪郭特徴400を示す、図34の被製造断面輪郭464の拡大図であり、制御システム200は、この輪郭特徴を参照物品470の対応する輪郭特徴400と比較しうる。
【0062】
図36は、図34の既存ビード340の断面図であり、制御システム200によって行われた輪郭比較を受けて、平坦化前ビードが隣接ビード328のより近くに配置変更された状態を示している。輪郭比較の結果、制御システム200は、平坦化前ビード320を隣接ビード328のより近くに押し出すために、プリントヘッド140の横方向における配置を調整させることができる。図38は、平坦化前ビード320を平坦化して新たなビード324を形成した後の、図36のビード構造の断面図であり、新たなビードは、被製造物品460内における、より良好な位置に配置されている。また、新たなビード324の材料を切れ目(図示せず)に充填することができ、その結果、新たなビード324と既存ビード340との積み重ね状態が改善し、これにより、被製造物品460内の上記位置における空隙(図示せず)の発生を防止することができる。
【0063】
図37は、図34の既存ビード340の断面図であり、制御システム200による輪郭比較及びその後のビード形成パラメータ240の調整により、平坦化前ビード320のサイズが大きくなった状態を示している。例えば、制御システム200は、図35に示した1つ以上の切れ目420を少なくとも部分的に埋めて、被製造物品460における空隙442の発生を抑制又は防止するための手段として、平坦化前ビード320のビードサイズが大きくなるように、プリントヘッド140のヘッド走行速度及び/又は材料が基材120上に押し出される際の材料送給率を調整することができる。
【0064】
図39は、既存ビード340の対向する終端362にプリントヘッド140の一部が近付いている例を示す斜視図である。プリントヘッド140は、横プロフィルメータ186及び縦プロフィルメータ190を含んでいる。横プロフィルメータ186は、図示の状態では、プリントヘッド140の走行方向に対して垂直である横方向184に沿う向きの走査平面182に沿って、レーザを照射している。横プロフィルメータ186は、図示の状態では、既存ビード340の横方向184に沿った被製造断面輪郭464を生成している。既存ビード340は、表面くぼみ436を有しており、これが、横プロフィルメータ186によって測定された被製造断面輪郭464に表れる。プリントヘッド140は、縦プロフィルメータ190も有しており、縦プロフィルメータは、図示の状態では、プリントヘッド140の走行方向に対して平行である縦方向188に沿う向きの走査平面182に沿って、レーザを照射している。縦プロフィルメータ190は、図示の状態では、既存ビード340の終端362どうしの間の切れ目420を表す被製造断面輪郭464を生成している。
【0065】
図40は、縦方向188に沿った被製造断面輪郭464を示しており、図39の既存ビード340の終端362どうしの間の切れ目420を示している。輪郭特徴400は、切れ目420の切れ目深さ422及び切れ目幅426を含みうる。輪郭比較の際に、制御システム200は、既存ビード340の終端362どうしの間の切れ目420にプリントヘッド140が近付くことを見越して、ビード形成パラメータのうちの1つ以上の調整が必要かどうかを判定することができる。制御システム200は、例えば、新たなビード324を一定のビード高さ404(図29)に維持しつつ、新たなビード324の材料で切れ目420を少なくとも部分的に埋めることができるようにする手段として、ノズル150(図4)が切れ目420の上を通過する間、平坦化前ビード320(図28)のビードサイズが一時的に大きくなるように、ヘッド走行速度及び/又は材料送給率などの1つ以上のビード形成パラメータ240を一時的に調整する。
【0066】
図41は、横方向184に沿った被製造断面輪郭464を示しており、図39の既存ビード340にある表面くぼみ436を示している。輪郭特徴400は、既存ビード340のビードサイズ及びビード形状に加えて、表面くぼみ436のくぼみ深さ440及びくぼみ幅438も含みうる。プリントヘッド140が移動する間に制御システム200によって輪郭比較が行われるが、その際に制御システム200は、例えば、平坦化前ビード320の材料の量を一時的に増やすべく、ビード形成パラメータ240を調節する必要があると判断する。これにより、表面くぼみ436が少なくとも部分的に材料で埋められ、被製造物品460内の該当箇所に空隙442が発生するのを抑制又は防止できるようになる。
【0067】
図42は、既存ビード340の終端362が別の既存ビード340の側面で終わっている位置に、プリントヘッド140の一部が近付いている例を示す斜視図である。図39に示した構成と同様に、プリントヘッド140は、其々横方向184(図39)及び縦方向188(図39)に沿って被製造断面輪郭464を測定する、横プロフィルメータ186及び縦プロフィルメータ190を有している。縦方向188に沿って取得された被製造断面輪郭464は、一方の既存ビード340の終端362と、他方の既存ビード340の側面との間に切れ目420を含んでいる。図43は、縦方向188に沿って取得された被製造断面輪郭464を示しており、切れ目の切れ目幅426及び切れ目深さ422を含む輪郭特徴400を含むとともに、互いに交差するビード及び既存ビード340を支持しているテーブル122の表面の幾何学特徴も含んでいる。輪郭比較の結果、例えば、制御システム200は、材料で切れ目420を少なくとも部分的に埋めることができるよう、ノズル150が切れ目420の上を通過する間、平坦化前ビード320のビードサイズを一時的に大きくするために、1つ以上のビード形成パラメータ240を調整する必要があると判断する。上述の実施例のいずれにおいても、制御システム200は、様々な理由のうちのいずれのために、1つ以上のビード形成パラメータ240の調整が必要であると判断してもよく、既存ビード340の間の切れ目420を少なくとも部分的に埋める目的や、ビード配置不良434を抑制又は防止する目的に限定されない。
【0068】
図44は、製造システム100の一例の斜視図であり、被製造物品460がツール124の水平面に支持されるとともに、プリントヘッド140が水平方向における一層ずつの製造を行うように配向された状態を示している。被製造物品460の基部は、テーブル122に取り付けられている。当該テーブルは、垂直方向に沿って立てられた状態であり、ツール124の水平トラック112に沿って水平方向に移動可能である。新たな層326が形成されるたびに、テーブル122は、水平トラック112に沿って段階的に移動し、被製造物品460を引っ張る。これにより被製造物品460は、ツール124の水平面に沿って摺動する。
【0069】
図45は、図44のプリントヘッド140(ヘッド移動システムは意図的に省略)、及び、既存ビード340ならびにツール124の一部の斜視図である。新たなビード324を形成する際に、プリントヘッド140の走行方向に対して垂直な横方向184に沿って、既存ビード340の被製造断面輪郭464を測定するプロフィルメータ180も示されている。図46は、図45の既存ビード340及びツール124の一部の拡大断面図であり、プロフィルメータ180によって測定された被製造断面輪郭464を示している。さらに、切れ目420の切れ目幅426及び切れ目深さ422を含む、被製造断面輪郭464の輪郭特徴400も示している。制御システム200は、輪郭特徴400を参照物品470(図示せず)の対応する輪郭特徴400と比較して、被製造物品460における不良430を抑制又は防止するためにビード形成パラメータ240の調整が必要かどうかを判断する。例えば、制御システム200は、新たなビード324の側面を、図46に示すツール124の表面と揃った状態に維持するためにヘッド経路の調整が必要かどうかを判定する。
【0070】
上述したように、いくつかの実施例において、制御システム200は、被製造輪郭データ462と比較するための参照輪郭データ472として、機械学習輪郭データ490を用いることもできる。上述したように、機械学習輪郭データ490は、被製造物品460における対応する複数の被製造輪郭位置466において以前に生成された、複数の被製造断面輪郭464を含む。ビード形成パラメータ240の調整が必要かどうかを判断するために、機械学習輪郭データ490を被製造輪郭データ462と比較することに加えて、制御システム200は、プリントヘッド140の動作特性の傾向を機械学習によって検出するために、以前に生成された被製造断面輪郭464を継続的に比較することもできる。このような動作特性は、製造システム100が、今後のどこかの時点で、仕様から外れて動作することの前兆である場合がある。製造システム100の動作特性の傾向が、製造システム100の1つ以上の部品の調整、メンテナンス、修理、及び/又は交換の必要性を、早い段階で示している場合がある。
【0071】
例えば、被製造断面輪郭464を継続的に比較することによって、制御システム200は、平坦化前ビード320がノズル150から押し出される際のビード径の変化の傾向を把握する。制御システム200は、例えば、ビード径が徐々に大きくなっていく傾向を把握するが、この傾向は、ノズル150が摩耗していること、及び/又は、ノズル150から材料を送給しているポンプ(図示せず)が公称以下の動作をしていることの表れでありうる。別の傾向の例として、新たなビード324のビード高さ404が徐々に大きくなるという傾向があり、これは、圧縮装置160が調整されていないことを示唆している場合がある。さらに別の傾向の例として、プリントヘッド140が基材120上に平坦化前ビード320を配置する際の精度が低下するという傾向があり、これは、ヘッド移動システム104(例えば、ガントリー106‐図1;ロボット装置‐図示せず)の性能が仕様から外れていることの表れである場合がある。なお、制御システム200は、被製造物品460の製造の際に被製造断面輪郭464を継続的に比較することによって、プリントヘッド140の種々の動作特性のうちのいずれの特性の傾向を把握してもよい。制御システム200は、1つ以上の不良430の原因となりうる傾向を把握すると、製造システム100が現在、仕様から外れて動作しているかもしれないこと、あるいは、修正処置を取らなければ、製造システム100が今後仕様から外れて動作する可能性があることを示唆する警告(例えば、視覚、聴覚、触覚による)を発するように構成してもよい。
【0072】
図47を参照すると、同図は、被製造物品460を付加製造する方法500に含まれる動作のフローチャートを示している。方法500は、被製造物品460を製造する際に、付加製造システム100のプリントヘッド140を用いて、基材120上に材料を押し出して、新たなビード324を形成する工程502を含む。本開示において、図示及び上述したように、基材120上に材料を押し出す工程502は、略円形の断面を有する平坦化前ビード320として、ノズル150から材料(例えば溶融材料)を押し出すことを含みうる。
【0073】
工程502は、プリントヘッド140に連結された圧縮装置160(例えば圧縮ローラ162)を用いて、平坦化前ビード320を基材120に押し付けて圧縮することにより、新たなビード324を平坦化ビード322として形成することも含みうる。上述したように、プリントヘッド140は、限定するものではないが、ガラス材料、セラミック材料、金属材料、高分子材料、またはこれらの任意の組み合わせを含む様々な組成物のうちの任意の1つの溶融材料を押し出すことができる。ただし、上述した代替の実施例において、プリントヘッド140は、金属ワイヤ材料(例えば連続する金属ワイヤ‐図示せず)を吐出するように構成することもでき、ワイヤ材料は、例えば、吐出される際に連続的に基材120上に融着される。ワイヤ材料は、抵抗発熱素子、アーク溶接トーチ、レーザ、及び/又は電子ビームなどの局所的な高温源(図示せず)を用いて溶融され、プリントヘッド140が基材120に沿って移動するにつれて、冷却された金属材料による新たなビード324を基材120上に形成することができる。図示していないが、プリントヘッド140は、冷却及び固化して新たなビード324となる前の溶融金属材料を所望の断面形状とするための装置を含んでいてもよい。
【0074】
方法500は、新たなビード324を形成する際に、プリントヘッド140と共に移動可能な少なくとも1つプロフィルメータ180を用いて、被製造物品460における、少なくとも、1つ以上の既存のビード340の被製造断面輪郭464を測定する工程504をさらに含む。上述したように、プリントヘッド140は、既存ビード340の表面輪郭線を非接触で測定するように構成された1つ以上のプロフィルメータ180を含みうる。プリントヘッド140に対するプロフィルメータ180の相対位置によっては、被製造断面輪郭464は、既存ビード340に対して形成されつつある平坦化前ビード320又は新たなビード324の表面輪郭線も測定したものである。この点に関し、少なくとも1つプロフィルメータ180を用いて被製造断面輪郭464を測定する工程504は、図4の実施例に示したように、例えば、ノズル150の上流側の付設前位置300で被製造断面輪郭464を測定することを含み、この場合は、図8図9に示した実施例のように、既存ビード340のみの被製造断面輪郭464となる。これに代えて又は加えて、工程504は、例えば、図4に示したように、ノズル150と圧縮装置160との間の平坦化前位置304で被製造断面輪郭464を測定することを含み、この場合は、図11図12に示した実施例のように、平坦化前ビード320及び既存ビード340の被製造断面輪郭464となる。工程504は、これに代えて又は加えて、例えば、図4に示したように、圧縮装置160の下流側の平坦化後位置306で被製造断面輪郭464を測定することを含み、この場合は、図14~15に示した実施例のように、新たなビード324及び既存ビード340の被製造断面輪郭464となる。
【0075】
いくつかの実施例において被製造断面輪郭464を測定する工程504は、新たなビード324を形成する際に、レーザプロフィルメータを用いて、例えば、プリントヘッド140の走行方向に対して垂直な横方向184(図3)に沿って、レーザビームを照射することによって行われる。これに代えて又は加えて、プリントヘッド140は、プリントヘッド140の走行方向に対して平行な縦方向188(図3)に沿ってレーザビームを照射するように構成された、1つ以上のレーザプロフィルメータを含んでいてもよい。さらなる実施例において、プリントヘッド140は、横方向184と縦方向188との組み合わせを含む様々な方向のうちの任意の1つにおいて走査するように構成された1つ以上のレーザプロフィルメータを含んでいてもよい。
【0076】
さらに図47を参照すると、方法500は、プリントヘッド140がヘッド経路に沿って移動するにつれて、1つ以上のプロフィルメータ180によって被製造物品460における複数の被製造輪郭位置466で測定された被製造断面輪郭464を含む被製造輪郭データ462を、制御システム200を用いて生成する工程506をさらに含む。上述したように、被製造物品460を製造する際には、1つ以上のプロフィルメータが、少なくとも、1つ以上の既存ビード340の表面輪郭線を、継続的(continuously)又は定期的(periodically)に走査する。制御システム200は、1つ以上のプロフィルメータによって測定された被製造断面輪郭464を、継続的又は定期的に受信及び記録することができる。被製造断面輪郭464の被製造輪郭位置466は、制御システム200によって、自動的に記録することができる。被製造輪郭位置466は、被製造断面輪郭464を測定した時点における、プリントヘッド140の6次元位置データ(例えば3次元位置データ及び3次元角度配向データ)に基づいて求められる。例えば、上述したように、プリントヘッド140の6次元位置データは、付加製造マシン102のヘッド移動システム104に備えられたエンコーダ(図示せず)などの1つ以上の位置制御装置によって生成された信号から得ることができる。
【0077】
図47を参照すると、方法500は、制御システム200を用いて、被製造輪郭データ462を、参照物品470の参照輪郭データ472と比較する工程508をさらに含む。上述したように、参照輪郭データ472は、製造中の被製造物品460における複数の被製造輪郭位置466に対応する複数の参照輪郭位置476における、参照断面輪郭474を含む。被製造輪郭データ462を参照輪郭データ472と比較する工程508は、被製造断面輪郭464の1つ以上の輪郭特徴400を、対応する参照断面輪郭474の1つ以上の対応する輪郭特徴400と比較することを含みうる。例えば、当該方法は、被製造断面輪郭464におけるビード横位置402、ビード形状、ビードサイズ、切れ目サイズ、及び/又は、切れ目形状を、参照物品470の対応する参照断面輪郭474におけるビード横位置402、ビード形状、ビードサイズ、切れ目サイズ、及び/又は切れ目形状と、其々比較することを含みうる。
【0078】
上述したように、ビード横位置402は、例えば、既存ビード340、平坦化前ビード320、及び/又は、新たなビード324のビード中心線360を基準として測定される。ビードサイズは、既存ビード340、平坦化前ビード320、及び/又は、新たなビード324のビード幅406及び/又はビード高さ404を含みうる。ビード形状は、矩形、正方形、又はその他の形状としての、既存ビード340又は新たなビード324の断面形状を表しうる。ビード形状は、(例えばビード断面形状における)ビード角部の曲率半径、またはビード断面形状におけるその他の幾何学的特徴も表しうる。既存ビード340の間の切れ目420の切れ目サイズは、切れ目頂点424における切れ目深さ422、切れ目幅426、及び/又は、切れ目断面積を含みうる。切れ目形状は、既存ビード340の間の切れ目420の両側面の曲率半径を含んでいてもよいし、これに加えて又は代えて、切れ目形状は、切れ目420のその他の幾何学的特徴を含んでいてもよい。
【0079】
いくつかの実施例において、参照輪郭データ472は、例えば、公称輪郭データ482である。上述した一実施例において、参照輪郭データ472は、参照物品470から生成することができ、参照物品は、被製造物品460を製造する際に被製造物品460が比較される参照基準として使用するために、例えば、公称物品480として完成及び設計されたものである。当該方法は、任意の工程として、被製造物品460を表す、公称物品480の物理的な見本(例えば、以前に製造された被製造物品460)を評価することを含む。当該方法は、被製造物品460の少なくとも一部を表す公称物品480における、複数の公称輪郭位置486で、公称断面輪郭484を測定することによって、参照輪郭データ472を生成することを含みうる。当該方法は、次に、参照物品470における公称輪郭位置486(図2)のうちの1つ以上に存在する又は関連する空隙442を特定する、輪郭対空隙データ488を生成することを含みうる。当該方法は、上述したように、公称輪郭位置486のうちの1つ以上における、公称断面輪郭484及び輪郭対空隙データ488を含む公称輪郭データ482を生成することをさらに含みうる。
【0080】
当該方法は、公称物品480から参照輪郭データ472を生成することに代えて又は加えて、参照輪郭データ472として模擬輪郭データ494を生成することを含みうる。模擬輪郭データ494は、模擬物品492における複数の模擬輪郭位置498での模擬断面輪郭496を分析することによって、生成することができ、模擬物品は、例えば、被製造物品460のコンピュータモデルである。例えば、上述したように、コンピュータモデルは、被製造物品460のCADモデル222であり、被製造物品460の設計どおりのバージョンを表すものである。複数の模擬輪郭位置498における模擬断面輪郭496を分析することは、模擬物品492における複数の模擬輪郭位置498の模擬断面輪郭496から、輪郭特徴400(例えばビードサイズ、ビード形状、切れ目サイズ、切れ目形状)の測定値を抽出することを含みうる。当該方法は、模擬輪郭位置498に存在しうる、模擬物品492内の空隙442を特定する輪郭対空隙データ488を生成することをさらに含みうる。当該方法は、模擬輪郭位置498のうちの1つ以上における模擬断面輪郭496及び輪郭対空隙データ488を含む模擬輪郭データ494を生成してメモリ202に保存することをさらに含みうる。
【0081】
公称物品480又は模擬物品492から、参照輪郭データ472を生成することに対する別の代替工程又は追加の工程として、当該方法は、参照輪郭データ472として使用するために、機械学習輪郭データ490を生成することを含みうる。機械学習輪郭データ490を生成するために、当該方法は、被製造物品460を製造する際に、複数の被製造輪郭位置466で測定された被製造断面輪郭464を、継続的に比較することを含みうる。当該方法は、被製造断面輪郭464を継続的に比較することに基づいて、被製造物品460の既存ビード340に関連する不良430の1つ以上のパターンを特定することを、さらに含みうる。例えば、上述したように、当該方法は、特定の種類の角部(例えば、既存ビードの方向変化位置)や被製造物品460におけるその他の位置などの、被製造物品460内の1種類以上の位置における、1つ以上の既存ビード340のビード配置不良434のパターンを特定することを含みうる。別の実施例において、当該方法は、被製造物品460における特定の種類の位置に発生する間隙432のパターンを特定することを含みうる。当該方法は、公称断面輪郭484と、公称断面輪郭484の被製造輪郭位置466のうちの1つ以上における不良430の1つ以上のパターンとを含む、機械学習輪郭データ490を生成することを含みうる。
【0082】
参照輪郭データ472のソースに関わらず、方法500は、被製造輪郭データ462を参照輪郭データ472と比較することに基づいて、1つ以上のビード形成パラメータ240を調整して、新たなビード324の形成に関連する不良430のサイズを、ビード形成パラメータ240を調整しなければ発生したかもしれない不良430のサイズに比べて低減する工程510を含む。1つ以上のビード形成パラメータ240を調整する工程510は、新たなビード324と既存ビード340のうちの1つ以上との間の間隙432のサイズが、ビード形成パラメータ240を調整しない場合に発生しうる間隙432のサイズに比べて低減されるように、新たなビード324を形成することを含みうる。これに代えて又は加えて、ビード形成パラメータ240は、既存ビード340のうちの1つ以上に対する新たなビード324のビード配置不良434の大きさを低減するように、あるいは、既存ビード340における表面のくぼみ436の結果として発生する空隙442のサイズを低減するように調整することもできる。上述の実施例のいずれにおいても、1つ以上のビード形成パラメータ240を調整することによって、完成時に被製造物品460に存在しうる空隙442のサイズを、ビード形成パラメータ240を調整しない場合に発生しうる空隙442のサイズに比べて、低減することができる。
【0083】
1つ以上のビード形成パラメータ240を調整する工程510は、プリントヘッド140の1つ以上の経路パラメータ242及び/又は1つ以上のプロセスパラメータ244を調整することを含みうる。例えば、経路パラメータ242の調整は、プリントヘッド140の移動方向及び配向を規定するヘッド経路の調整、及び/又は、プリントヘッド140のヘッド走行速度の調整を含みうる。プロセスパラメータ244の調整は、材料が基材120上に押し出される際の材料温度の調整、材料が基材120上に押し出される際の材料送給率の調整、及び/又は、新たなビード324が形成されるビード付設速度の調整を含みうる。プロセスパラメータ244の調整は、上記に加えて又は代えて、圧縮装置160による平坦化前ビード320の平坦化の際に、材料の温度を上昇又は降下させるための手段としての、圧縮装置160の温度の調整を含みうる。プロセスパラメータ244の調整は、新たなビード324のビード高さ404が既存ビード340のビード高さ404と一致するよう制御するための手段として、圧縮装置160の垂直位置を調整することを、任意で含みうる。さらに、プロセスパラメータ244の調整は、例えば、圧縮装置160が基材120に押し付けるように材料に付与する圧縮圧力を調整することを含み、これは、新たなビード324のビードサイズ及び/又はビード形状に影響を及ぼしうる。
【0084】
1つ以上のビード形成パラメータ240を調整する例として、当該方法の工程510は、図24図25に示したように、新たなビード324と既存ビード340との間の間隙432の発生を抑制又は防止するために、新たなビード324が既存ビード340のより近くに配置されるように、プリントヘッド140の横位置を調整することを含みうる。1つ以上のビード形成パラメータを調整する別の例として、当該方法の工程510は、図28図29に示したように、新たなビード324と既存ビード340との間の間隙432の発生を抑制又は防止するために、新たなビード324のサイズが変化するよう、ヘッド走行速度及び/又は材料送給率を調整することを含みうる。
【0085】
上述したように、当該方法は、任意の工程として、機械学習を用いることを含み、機械学習では、被製造輪郭データ462の参照輪郭データ472との比較を利用して、付加製造マシン102の動作の傾向を測定し、仕様から外れた製造システム100の動作を特定または予測する。この点に関し、当該方法は、被製造物品460を製造中する際に、対応する複数の被製造輪郭位置466における被製造断面輪郭464を、継続的に比較することを含みうる。当該方法は、被製造輪郭データ462を継続的に比較することにより、機械学習によって、製造システム100の動作特性の傾向を検出することを含みうる。このような動作の傾向は、製造システム100が、現在又は今後、仕様から外れて動作することの前兆である場合がある。上述したように、制御システム200は、製造システム100の現在又は今後の仕様から外れた動作を特定すると、適切な担当者に警告を発するように、構成することもできる。
【0086】
また、本開示は、以下の付記による実施例を含む。
【0087】
付記1. 被製造物品を付加製造する際に基材上に材料を押し出して新たなビードを形成するように構成されたプリントヘッドと、前記プリントヘッドと共に移動可能であるとともに前記新たなビードを形成する際に前記被製造物品における1つ以上の既存のビードから少なくともなる被製造断面輪郭を測定するように構成された少なくとも1つのプロフィルメータと、前記被製造物品における複数の被製造輪郭位置での前記被製造断面輪郭を含む被製造輪郭データを生成するとともに参照物品における前記複数の被製造輪郭位置に対応する複数の参照輪郭位置での参照断面輪郭を含む参照輪郭データに対する前記被製造輪郭データの輪郭比較を継続的に行うように構成された制御システムと、を含む製造システムであって、前記制御システムは、前記輪郭比較に基づいて、1つ以上のビード形成パラメータを調整し、前記新たなビードの形成に関連する不良のサイズが、前記ビード形成パラメータを調整しなかった場合に発生する前記不良のサイズに比べて低減されるように、前記プリントヘッドに、前記ビード形成パラメータに従って前記新たなビードを形成させるように構成されている、製造システム。
【0088】
付記2. 付記1に記載の製造システムであって、前記制御システムは、前記被製造断面輪郭の輪郭特徴のうちの少なくとも1つを前記参照断面輪郭の輪郭特徴のうちの対応する1つと比較することによって前記輪郭比較を行うように構成されており、前記被製造断面輪郭の前記輪郭特徴は、前記新たなビードが形成される新たな層及び当該新たな層の直下にある下層のうちの少なくとも1つの層内における1つ以上のビードに係る、ビード横位置、ビード形状、及び、ビードサイズのうちの少なくとも1つ;及び、ビード間の切れ目の切れ目サイズ及び切れ目形状のうちの少なくとも1つ、である。
【0089】
付記3. 付記1に記載の製造システムであって、前記不良は、前記新たなビードと前記既存ビードのうちの1つ以上との間の間隙、前記既存ビードのうちの1つ以上に対する前記新たなビードのビード配置不良、既存ビードにおける表面のくぼみ、及び、前記被製造物品内の空隙、のうちの少なくとも1つを含む。
【0090】
付記4.付記1に記載の製造システムであって、前記ビード形成パラメータは、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、前記プリントヘッドの移動方向及び配向を規定するヘッド経路の少なくとも1つを含む経路パラメータ;前記基材に対する前記プリントヘッドのヘッド走行速度;前記材料が前記基材上に押し出される際の材料温度と、前記材料が前記基材上に押し出される際の材料送給率と、前記新たなビードが形成されるビード付設速度と、前記プリントヘッドの圧縮装置の温度と、前記圧縮装置の垂直位置と、前記圧縮装置が前記基材に押し付けるように前記材料に付与する圧縮圧力とのうちの少なくとも1つ;のうちの少なくとも1つを含む。
【0091】
付記5. 付記1に記載の製造システムであって、前記プリントヘッドは、ノズル及び圧縮装置を含み、前記ノズルは、前記基材上に、材料の平坦化前ビードを押し出すように構成されており、前記圧縮装置は、前記ノズルの下流側に位置するとともに、前記平坦化前ビードを前記基材に押し付けて、平坦化ビードとして前記新たなビードを形成するように構成されている。
【0092】
付記6. 付記5に記載の製造システムであって、前記少なくとも1つプロフィルメータは、以下の位置のうちの少なくとも1つ、すなわち、前記ノズルの上流側の付設前位置、前記ノズルと圧縮装置との間の平坦化前位置、及び、前記圧縮装置の下流側の平坦化後位置、のうちの少なくとも1つにおいて前記プリントヘッドに取り付けられている。
【0093】
付記7. 付記1に記載の製造システムであって、前記少なくとも1つプロフィルメータは、前記新たなビードを形成する際に、少なくとも、前記プリントヘッドの走行方向に対して垂直な横方向に沿って走査するように構成されたレーザプロフィルメータである。
【0094】
付記8. 付記1に記載の製造システムであって、前記参照輪郭データは、公称物品の公称輪郭データを含み、前記公称輪郭データは、対応する複数の公称輪郭位置における複数の公称断面輪郭を含むとともに、前記公称輪郭位置のうちの1つ以上における前記公称物品内の空隙を特定する輪郭対空隙データを含み、前記公称断面輪郭は、前記被製造物品を製造する前に、前記公称物品の物理的な見本を評価することによって生成され、前記制御システムは、不良を、前記公称物品における前記公称輪郭位置のうちの対応する1つ以上における前記不良を超えないサイズまで低減するように、前記輪郭比較に基づいて、1つ以上のビード形成パラメータを調整するように構成されている。
【0095】
付記9. 付記1に記載の製造システムであって、前記参照輪郭データは、模擬物品の模擬輪郭データを含み、前記模擬輪郭データは、対応する複数の模擬輪郭位置における複数の模擬断面輪郭を含むとともに、前記模擬輪郭位置のうちの1つ以上における前記模擬物品内の空隙を特定する輪郭対空隙データを含み、前記模擬断面輪郭は、前記被製造物品のコンピュータモデルから生成され、前記制御システムは、不良を、前記模擬物品における前記模擬輪郭位置のうちの対応する1つ以上における前記不良を超えないサイズまで低減するように、前記輪郭比較に基づいて、1つ以上のビード形成パラメータを調整するように構成されている。
【0096】
付記10. 被製造物品の製造方法であって、前記被製造物品を製造する際に付加製造システムのプリントヘッドを用いて基材上に材料を押し出して新たなビードを形成することと、前記新たなビードを形成する際に前記プリントヘッドと共に移動可能な少なくとも1つのプロフィルメータを用いて前記被製造物品における1つ以上の既存のビードから少なくともなる被製造断面輪郭を測定することと、制御システムを用いて前記被製造物品における複数の被製造輪郭位置での前記被製造断面輪郭を含む被製造輪郭データを生成することと、前記制御システムを用いて前記被製造輪郭データを、前記複数の被製造輪郭位置に対応する複数の参照輪郭位置における参照断面輪郭を含む参照物品の参照輪郭データと比較することと、前記被製造輪郭データを前記参照輪郭データと比較することに基づいて1つ以上のビード形成パラメータを調整して前記新たなビードの形成に関連する不良のサイズを前記ビード形成パラメータを調整しない場合に発生する前記不良のサイズに比べて低減することと、を含む。
【0097】
付記11. 付記10に記載の方法であって、前記被製造輪郭データを前記参照輪郭データと比較することは、前記被製造断面輪郭におけるビード横位置、ビード形状、ビードサイズ、切れ目サイズ、及び、切れ目形状のうちの少なくとも1つを、前記参照断面輪郭における前記ビード横位置、前記ビード形状、前記ビードサイズ、前記切れ目サイズ、及び、前記切れ目形状のうちの対応する1つと比較することを含む。
【0098】
付記12. 付記10に記載の方法であって、1つ以上のビード形成パラメータを調整することは、以下の不良、すなわち、前記新たなビードと前記既存ビードのうちの1つ以上との間の間隙、前記既存ビードのうちの1つ以上に対する前記新たなビードのビード配置不良、既存ビードにおける表面のくぼみ、及び、完成時の前記被製造物品内の空隙、のうちの少なくとも1つのサイズが低減されるように前記新たなビードを形成することを含む。
【0099】
付記13. 付記10に記載の方法であって、1つ以上のビード形成パラメータを調整することは、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、前記プリントヘッドの移動方向及び配向を規定するヘッド経路の少なくとも1つを含む経路パラメータ;前記基材に対する前記プリントヘッドのヘッド走行速度;前記材料が前記基材上に押し出される際の材料温度と、前記材料が前記基材上に押し出される際の材料送給率と、前記新たなビードが形成されるビード付設速度と、前記プリントヘッドの圧縮装置の温度と、前記圧縮装置の垂直位置と、前記圧縮装置が前記基材に押し付けるように前記材料に付与する圧縮圧力とのうちの少なくとも1つを含むプロセスパラメータ;のうちの少なくとも1つを調整することを含む。
【0100】
付記14. 付記13に記載の方法であって、1つ以上のビード形成パラメータを調整することは、前記新たなビードと前記既存のビードとの間の間隙の発生を抑制又は防止するために前記新たなビードが既存のビードのより近くに配置されるように前記プリントヘッドを横方向において配置変更することを含む。
【0101】
付記15. 付記13に記載の方法であって、1つ以上のビード形成パラメータを調整することは、前記新たなビードと前記既存のビードとの間の間隙の発生を抑制又は防止するために前記新たなビードのサイズが変化するように前記ヘッド走行速度及び前記材料送給率のうちの少なくとも1つを調整することを含む。
【0102】
付記16. 付記10に記載の方法であって、前記プリントヘッドは、前記材料の平坦化前ビードを押し出すためのノズルと、前記平坦化前ビードを圧縮するための圧縮装置とを含み、前記少なくとも1つプロフィルメータを用いて前記被製造断面輪郭を測定する工程は、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、前記ノズルの上流側の付設前位置において前記被製造断面輪郭を測定すること、前記ノズルと圧縮装置との間の平坦化前位置において前記被製造断面輪郭を測定すること、及び、前記圧縮装置の下流側の平坦化後位置において前記被製造断面輪郭を測定すること、のうちの少なくとも1つを含む。
【0103】
付記17. 付記10に記載の方法であって、前記少なくとも1つプロフィルメータを用いて前記被製造断面輪郭を測定することは、前記新たなビードを形成する際にレーザプロフィルメータを用いて少なくとも前記プリントヘッドの走行方向に対して垂直な横方向に沿って走査することを含む。
【0104】
付記18. 付記10に記載の方法であって、以下のこと、すなわち、前記被製造物品の少なくとも一部を表す公称物品の物理的な見本における複数の公称輪郭位置において公称断面輪郭を測定すること、前記公称輪郭位置のうちの1つ以上における前記公称物品内の空隙を特定する輪郭対空隙データを生成すること、及び、前記公称輪郭位置のうちの1つ以上における前記公称断面輪郭及び前記輪郭対空隙データを含む前記公称輪郭データを生成すること、を行うことによって、前記参照輪郭データとして公称輪郭データを生成することをさらに含む。
【0105】
付記19. 付記10に記載の方法であって、以下のこと、すなわち、前記被製造物品のコンピュータモデルを含む模擬物品における複数の模擬輪郭位置において模擬断面輪郭を分析すること、前記模擬輪郭位置のうちの1つ以上における前記模擬物品内の空隙を特定する輪郭対空隙データを生成すること、及び、前記模擬輪郭位置のうちの1つ以上における前記模擬断面輪郭及び前記輪郭対空隙データを含む前記模擬輪郭データを生成すること、を行うことによって、前記参照輪郭データとして模擬輪郭データを生成することをさらに含む。
【0106】
付記20. 付記10に記載の方法であって、以下のこと、すなわち、前記被製造物品を製造する際に、対応する複数の被製造輪郭位置における前記被製造断面輪郭を継続的に比較すること、前記被製造断面輪郭を継続的に比較することに基づいて機械学習によって前記被製造物品の前記既存ビードに関連する不良の1つ以上のパターンを特定すること、及び、前記公称断面輪郭と前記被製造輪郭位置のうちの1つ以上における不良の前記1つ以上のパターンとを含む前記機械学習輪郭データを生成すること、を行うことによって、前記参照輪郭データとして機械学習輪郭データを生成することをさらに含む。
【0107】
付記21. 付記10に記載の方法であって、前記被製造物品を製造する際に、対応する複数の被製造輪郭位置における前記被製造断面輪郭を継続的に比較すること、及び、機械学習によって製造システムが仕様から外れて動作することの前兆である動作特性の傾向を検出すること、をさらに含む。
【0108】
付記22. 被製造物品の製造方法であって、前記被製造物品の少なくとも一部を表す公称物品の物理的な見本を評価することと、前記公称物品における複数の公称輪郭位置のうちの1つ以上における公称断面輪郭及び関連する空隙を含む公称輪郭データを生成することと、前記被製造物品を製造する際に付加製造システムのプリントヘッドを用いて基材上に高分子材料を押し出して新たなビードを形成することと、前記新たなビードを形成する際に前記プリントヘッドと共に移動可能な少なくとも1つのプロフィルメータを用いて前記被製造物品における1つ以上の既存のビードから少なくともなる被製造断面輪郭を測定することと、制御システムを用いて前記被製造物品における複数の被製造輪郭位置での前記被製造断面輪郭を含む被製造輪郭データを生成することと、前記制御システムを用いて前記被製造輪郭データを前記公称輪郭データと比較することと、前記被製造輪郭データを前記公称輪郭データと比較することに基づいて1つ以上のビード形成パラメータを調整して前記新たなビードの形成に関連する不良のサイズを前記ビード形成パラメータを調整しない場合に発生する前記不良のサイズに比べて低減することと、を含む。
【0109】
本開示の追加的な変形例及び改変例が、当業者には明らかであろう。従って、本明細書において説明及び図示した部分の特定の組み合わせは、本開示のいくつかの実施形態を示すことを意図したものにすぎず、本開示の思想及び範囲内の代替の実施形態又は装置を制限することを意図するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47