(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 29/78 20060101AFI20240502BHJP
【FI】
H01L29/78 652K
H01L29/78 653C
H01L29/78 652M
H01L29/78 657G
(21)【出願番号】P 2020102245
(22)【出願日】2020-06-12
【審査請求日】2023-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】小林 勇介
(72)【発明者】
【氏名】坂野 竜則
(72)【発明者】
【氏名】雁木 比呂
(72)【発明者】
【氏名】井口 智明
(72)【発明者】
【氏名】加藤 貴大
(72)【発明者】
【氏名】林 祐輔
(72)【発明者】
【氏名】下條 亮平
(72)【発明者】
【氏名】西脇 達也
【審査官】杉山 芳弘
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2003/0173619(US,A1)
【文献】特開2012-080062(JP,A)
【文献】特開平08-321602(JP,A)
【文献】特開2012-204529(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0167145(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/78
H01L 29/739
H01L 21/336
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電形の第1半導体領域と、前記第1導電形の第2半導体領域と、前記第1半導体領域と前記第2半導体領域との間に設けられた第2導電形の第3半導体領域と、を含む半導体部材と、
前記第1半導体領域と電気的に接続された第1電極と、
前記第2半導体領域と電気的に接続された第2電極と、
ゲート電極と、
前記ゲート電極と電気的に接続されたゲート端子と、
前記第1電極、前記第2電極及び前記ゲート電極と電気的に絶縁された第1導電部材であって、前記ゲート電極と前記第3半導体領域との間の第1距離は、前記第1導電部材と前記第3半導体領域との間の第2距離よりも短い、前記第1導電部材と、
前記第1導電部材と電気的に接続された第1端子と、
第1絶縁部材であって、前記第1絶縁部材は、前記第3半導体領域と前記ゲート電極との間の第1絶縁領域と、前記ゲート電極と前記第1導電部材との間の第2絶縁領域と、を含む、前記第1絶縁部材と、
を備え、
前記ゲート端子に入力される第1信号
の後にスイッチングする第2信号が前記第1端子に入力されることが可能であ
り、
前記第1電極から前記第2電極への方向は、第1方向に沿い、
前記第1半導体領域は、第1部分領域、第2部分領域及び第3部分領域を含み、
前記第1部分領域から前記第2部分領域への方向は、前記第1方向と交差する第2方向に沿い、
前記第3部分領域は、前記第1方向において前記第1部分領域と前記第2半導体領域との間にあり、
前記第3半導体領域は、前記第1方向において、前記第3部分領域と前記第2半導体領域との間にあり、
前記第3半導体領域から前記ゲート電極への方向は前記第2方向に沿い、
前記ゲート電極の少なくとも一部は、前記第1方向において前記第2部分領域と前記第2電極との間にあり、
前記第1導電部材は、前記第1方向において、前記ゲート電極の少なくとも一部と、前記第2電極の少なくとも一部と、の間にある、半導体装置。
【請求項2】
前記ゲート電極と前記第1電極との間の第1電気容量は、前記ゲート電極と前記第1導電部材との間の第2電気容量よりも小さい、請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1導電部材の少なくとも一部は、前記第1電極と前記第2電極との間にある、請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1信号の変化に応じて、前記第2電極と前記第1電極との間に流れる電流が変化し、
前記第2信号の変化に応じて前記電流が変化しない、または、前記第2信号の前記変化に応じた前記電流の変化は、前記第1信号の前記変化に応じた前記電流の変化よりも小さい、請求項1~
3のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項5】
第1導電形の第1半導体領域と、前記第1導電形の第2半導体領域と、前記第1半導体領域と前記第2半導体領域との間に設けられた第2導電形の第3半導体領域と、を含む半導体部材と、
前記第1半導体領域と電気的に接続された第1電極と、
前記第2半導体領域と電気的に接続された第2電極と、
ゲート電極と、
前記ゲート電極と電気的に接続されたゲート端子と、
前記第1電極、前記第2電極及び前記ゲート電極と電気的に絶縁された第1導電部材であって、前記ゲート電極と前記第3半導体領域との間の第1距離は、前記第1導電部材と前記第3半導体領域との間の第2距離よりも短い、前記第1導電部材と、
前記第1導電部材と電気的に接続された第1端子と、
第1絶縁部材であって、前記第1絶縁部材は、前記第3半導体領域と前記ゲート電極との間の第1絶縁領域と、前記ゲート電極と前記第1導電部材との間の第2絶縁領域と、を含む、前記第1絶縁部材と、
を備え、
前記ゲート端子に入力される第1信号
の後にスイッチングする第2信号が前記第1端子に入力されることが可能であ
り、
前記第1信号の変化に応じて、前記第2電極と前記第1電極との間に流れる電流が変化し、
前記第2信号の変化に応じて前記電流が変化しない、または、前記第2信号の前記変化に応じた前記電流の変化は、前記第1信号の前記変化に応じた前記電流の変化よりも小さい、半導体装置。
【請求項6】
前記第1電極から前記第2電極への方向は、第1方向に沿い、
前記第1半導体領域は、第1部分領域、第2部分領域及び第3部分領域を含み、
前記第1部分領域から前記第2部分領域への方向は、前記第1方向と交差する第2方向に沿い、
前記第3部分領域は、前記第1方向において前記第1部分領域と前記第2半導体領域との間にあり、
前記第3半導体領域は、前記第1方向において、前記第3部分領域と前記第2半導体領域との間にあり、
前記第3半導体領域から前記ゲート電極への方向は前記第2方向に沿い、
前記ゲート電極の少なくとも一部は、前記第1方向において前記第2部分領域と前記第2電極との間にある、請求項
5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記ゲート電極の前記第2方向における位置は、前記第3部分領域の前記第2方向における位置と、前記第1導電部材の前記第2方向における位置と、の間にある、請求項
6に記載の半導体装置。
【請求項8】
第2導電部材をさらに備え、
前記第3部分領域の一部から前記第2導電部材への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第2導電部材の前記第1方向における位置は、前記第2部分領域の前記第1方向における位置と、前記ゲート電極の前記第1方向における位置と、の間にあり、
前記第1絶縁部材は、第3絶縁領域及び第4絶縁領域を含み、
前記第3絶縁領域は、前記第2方向において、前記第3部分領域と前記第2導電部材との間にあり、
前記第4絶縁領域は、前記第1方向において、前記第2部分領域と前記第2導電部材との間にあり、
前記第2導電部材は、前記第2電極と電気的に接続された、または、前記第2電極と電気的に接続されることが可能である、請求項
7に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第1導電部材の少なくとも一部は、前記第1方向において、前記第2部分領域と前記ゲート電極との間にある、請求項
6に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第1絶縁部材は、第3絶縁領域をさらに含み、
前記第3絶縁領域は、前記第2方向において前記第3部分領域と前記第1導電部材の少なくとも一部と、の間にある、請求項
7に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記ゲート電極の少なくとも一部は、前記第3半導体領域と前記第1導電部材との間にある、請求項
5または6に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記第1電極から前記第2電極への方向は、第1方向に沿い、
前記第1半導体領域は、第1部分領域、第2部分領域及び第3部分領域を含み、
前記第1部分領域から前記第2部分領域への方向は、前記第1方向と交差する第2方向に沿い、
前記第3部分領域は、前記第1方向において前記第1部分領域と前記第1導電部材との間にあり、
前記ゲート電極は、前記第1方向において前記第3部分領域と前記第1導電部材との間にあり、
前記第3半導体領域は、前記第2方向において、前記第3部分領域と前記第2半導体領域との間にある、請求項
5に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記第1端子の電位が前記第2電極の電位と同じである場合に、前記第1信号がオンからオフになるオフ時刻の後のオフミラー開始時刻にオフミラー期間が開始し、前記オフミラー開始時刻の後のオフミラー終了時刻に前記オフミラー期間が終了し、
前記第2信号は、前記第1信号が前記オンから前記オフになる第1オフ時刻の後の第2オフ時刻に、前記オンから前記オフとなり、
前記第1オフ時刻から前記第2オフ時刻までの時間は、前記オフ時刻から前記オフミラー終了時刻までの時間よりも短い、請求項1~12のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項14】
前記第1オフ時刻から前記第2オフ時刻までの前記時間は、前記オフ時刻から前記オフミラー開始時刻までの時間の1.6倍以下である、請求項13記載の半導体装置。
【請求項15】
素子部と、
制御回路と、
を備え、
前記素子部は、
第1導電形の第1半導体領域と、前記第1導電形の第2半導体領域と、前記第1半導体領域と前記第2半導体領域との間に設けられた第2導電形の第3半導体領域と、を含む半導体部材と、
前記第1半導体領域と電気的に接続された第1電極と、
前記第2半導体領域と電気的に接続された第2電極と、
ゲート電極と、
前記ゲート電極と電気的に接続されたゲート端子と、
前記第1電極、前記第2電極及び前記ゲート電極と電気的に絶縁された第1導電部材であって、前記ゲート電極と前記第3半導体領域との間の第1距離は、前記第1導電部材と前記第3半導体領域との間の第2距離よりも短い、前記第1導電部材と、
前記第1導電部材と電気的に接続された第1端子と、
第1絶縁部材であって、前記第1絶縁部材は、前記第3半導体領域と前記ゲート電極との間の第1絶縁領域と、前記ゲート電極と前記第1導電部材との間の第2絶縁領域と、を含む、前記第1絶縁部材と、
を含む素子部と、
を含み、
前記制御回路は、前記第2電極、前記第1電極、前記ゲート端子及び前記第1端子と電気的に接続され、
前記制御回路は、
前記ゲート端子に第1信号を供給し、前記第1端子に、前記第
1信号
の後にスイッチングする第2信号を供給可能であ
り、
前記第1信号により前記ゲート端子に充電または放電される第1電荷量は、前記第2信号により前記第1端子に充電または放電される第2電荷量よりも小さい、半導体装置。
【請求項16】
前記第1端子の電位が前記第2電極の電位と同じである場合に、前記第1信号がオンからオフになるオフ時刻の後のオフミラー開始時刻にオフミラー期間が開始し、前記オフミラー開始時刻の後のオフミラー終了時刻に前記オフミラー期間が終了し、
前記第2信号は、前記第1信号が前記オンから前記オフになる第1オフ時刻の後の第2オフ時刻に、前記オンから前記オフとなり、
前記第1オフ時刻から前記第2オフ時刻までの時間は、前記オフ時刻から前記オフミラー終了時刻までの時間よりも短い、請求項15記載の半導体装置。
【請求項17】
前記第1オフ時刻から前記第2オフ時刻までの前記時間は、前記オフ時刻から前記オフミラー開始時刻までの時間の1.6倍以下である、請求項16記載の半導体装置。
【請求項18】
前記第1端子の電位が前記第2電極の電位と同じである場合に、前記第1信号が前記オフから前記オンになるオン時刻の後のオンミラー開始時刻にオンミラー期間が開始し、前記オンミラー開始時刻の後のオンミラー終了時刻に前記オンミラー期間が終了し、
前記第2信号は、前記第1信号が前記オフから前記オンになる第1オン時刻の後の第2オン時刻に、前記オフから前記オンとなり、
前記第1オン時刻から前記第2オン時刻までの時間は、前記オン時刻から前記オンミラー終了時刻までの時間よりも短い、請求項16または17に記載の半導体装置。
【請求項19】
前記第1オン時刻から前記第2オン時刻までの前記時間は、前記オン時刻から前記オンミラー開始時刻までの時間の1.4倍以下である、請求項18記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、トランジスタなどの半導体装置において、特性の向上が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、特性を向上できる半導体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態によれば、半導体装置は、半導体部材と、第1電極と、第2電極と、ゲート電極と、ゲート端子と、第1導電部材と、第1端子と、第1絶縁部材と、を含む。前記半導体部材は、第1導電形の第1半導体領域と、前記第1導電形の第2半導体領域と、前記第1半導体領域と前記第2半導体領域との間に設けられた第2導電形の第3半導体領域と、を含む。前記第1電極は、前記第1半導体領域と電気的に接続される。前記第2電極は、前記第2半導体領域と電気的に接続される。前記ゲート端子は、前記ゲート電極と電気的に接続される。前記第1導電部材は、前記第1電極、前記第2電極及び前記ゲート電極と電気的に絶縁される。前記ゲート電極と前記第3半導体領域との間の第1距離は、前記第1導電部材と前記第3半導体領域との間の第2距離よりも短い。前記第1端子は、前記第1導電部材と電気的に接続される。前記第1絶縁部材は、前記第3半導体領域と前記ゲート電極との間の第1絶縁領域と、前記ゲート電極と前記第1導電部材との間の第2絶縁領域と、を含む。前記ゲート端子に入力される第1信号とは異なるタイミングでスイッチングする第2信号が前記第1端子に入力されることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図2】
図2(a)及び
図2(b)は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する回路図である。
【
図3】
図3(a)~
図3(c)は、第1実施形態に係る半導体装置の動作を例示する模式図である。
【
図4】
図4(a)~
図4(d)は、半導体装置の特性を例示する模式図である。
【
図5】
図5(a)~
図5(d)は、半導体装置の特性を例示する模式図である。
【
図6】
図6(a)~
図6(d)は、半導体装置の特性を例示する模式図である。
【
図7】
図7(a)及び
図7(b)は、第1実施形態に係る半導体装置の特性を例示するグラフ図である。
【
図8】
図8(a)及び
図8(b)は、第1実施形態に係る半導体装置の特性を例示するグラフ図である。
【
図9】
図9(a)及び
図9(b)は、第1実施形態に係る半導体装置の特性を例示するグラフ図である。
【
図10】
図10(a)及び
図10(b)は、第1実施形態に係る半導体装置の特性を例示するグラフ図である。
【
図11】
図11(a)及び
図11(b)は、第1実施形態に係る半導体装置の特性を例示するグラフ図である。
【
図12】
図12(a)及び
図12(b)は、第1実施形態に係る半導体装置の特性を例示するグラフ図である。
【
図13】
図13は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図14】
図14は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図15】
図15は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図16】
図16は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図17】
図17は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図18】
図18は、第2実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図19】
図19は、実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図20】
図20は、実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図21】
図21は、実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図22】
図22は、実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図23】
図23は、実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図24】
図24は、実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図25】
図25は、実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図26】
図26は、実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図27】
図27は、実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図1に示すように、実施形態に係る半導体装置110は、半導体部材10と、第1電極51と、第2電極52と、ゲート電極53と、ゲート端子Tgと、第1導電部材61と、第1端子T1と、第1絶縁部材41と、を含む。
【0009】
半導体部材10は、第1導電形の第1半導体領域11と、第1導電形の第2半導体領域12と、第2導電形の第3半導体領域13と、を含む。第3半導体領域13は、第1半導体領域11と第2半導体領域12との間に設けられる。
【0010】
例えば、第1導電形はn形であり第2導電形はp形である。実施形態において、第1導電形がp形で第2導電形がn形でも良い。以下では、第1導電形がn形で第2導電形がp形とする。
【0011】
第1電極51は、第1半導体領域11と電気的に接続される。第2電極52は、第2半導体領域12と電気的に接続される。この例では、第1電極端子Td及び第2電極端子Tsが設けられている。第1電極端子Tdは、第1電極51と電気的に接続される。第2電極端子Tsは、第2電極52と電気的に接続される。
【0012】
ゲート電極53は、例えば、第3半導体領域13と対向する。例えば、ゲート電極53は、第3半導体領域13と第1半導体領域11との間の境界領域と対向しても良い。例えば、ゲート電極53は、第3半導体領域13と第2半導体領域12との間の境界領域と対向しても良い。第3半導体領域13は、例えば、チャネルを含む。
【0013】
ゲート端子Tgは、ゲート電極53と電気的に接続される。
【0014】
第1導電部材61は、第1電極51、第2電極52及びゲート電極53と電気的に絶縁される。第1端子T1は、第1電極51、第2電極52及びゲート電極53と電気的に絶縁される。
【0015】
第1絶縁部材41は、第1絶縁領域41aと、第2絶縁領域41bと、を含む。第1絶縁領域41aは、第3半導体領域13とゲート電極53との間に設けられる。第2絶縁領域41bは、ゲート電極53と第1導電部材61との間に設けられる。
【0016】
ゲート電極53と第3半導体領域13との間の第1距離d1は、第1導電部材61と第3半導体領域13との間の第2距離d2よりも短い。第1距離d1は、例えば、ゲート電極53と第3半導体領域13との間の最短距離である。第2距離d2は、第1導電部材61と第3半導体領域13との間の最短距離である。
【0017】
半導体装置110において、ゲート端子Tg及び第1端子T1は互いに独立している。ゲート端子Tg及び第1端子T1に、互いに異なる信号が入力可能である。例えば、ゲート端子Tgに第1信号が入力される。第1端子T1に第2信号が入力される。第2信号は、第1信号とは異なるタイミングでスイッチングする。
【0018】
例えば、ゲート端子Tg(ゲート電極53)に入力される第1信号により、第1電極端子Td(第1電極51)と、第2電極端子Ts(第2電極52)と、の間に流れる電流が制御できる。
【0019】
後述するように、第1端子T1に入力される信号をゲート電極53のオン/オフの後にスイッチングさせることで、ミラー期間を制御できることが分かった。例えば、ミラー期間を短縮できる。これにより、スイッチングの損失が低減できる。実施形態によれば、特性を向上できる半導体装置を提供できる。
【0020】
例えば、ゲート電極53は、例えば、電流制御用の電極である。第1導電部材61は、スイッチング特性を制御する機能を有する。例えば、ゲート端子Tgに入力される第1信号の変化に応じて、第1電極端子Tdと第2電極端子Tsとの間に流れる電流の大きさが変化する。一方、第1導電部材61に入力される第2信号の変化に応じて、第1電極端子Tdと第2電極端子Tsとの間の電流が変化しない。または、第2信号の変化に応じた電流の変化は、第1信号の変化に応じた電流の変化よりも小さい。半導体装置110の特性の例については、後述する。第1電極51は、ドレイン電極である。第2電極52は、例えば、ソース電極である。
【0021】
以下、半導体装置110の構成の例について説明する。
図1に示すように、第1電極51から第2電極52への方向(第1方向)をZ軸方向とする。Z軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。Z軸方向及びX軸方向に対して垂直な方向をY軸方向とする。
【0022】
半導体部材10は、例えば、X-Y平面に沿って広がる層状である。例えば、半導体部材10の下面に第1電極51が設けられ、半導体部材10の上面に第2電極52が設けられる。
【0023】
図1に示すように、この例では、第1半導体領域11は、第1部分領域11a、第2部分領域11b及び第3部分領域11cを含む。第1部分領域11aから第2部分領域11bへの方向は、第2方向に沿う。第2方向は、第1方向(Z軸方向)と交差する。第2方向は、例えば、X軸方向である。
【0024】
この例では、第3部分領域11cは、第1方向(Z軸方向)において、第1部分領域11aと第2半導体領域12との間にある。第3半導体領域13は、第1方向において、第3部分領域11cと第2半導体領域12との間にある。
【0025】
この例では、第3半導体領域13からゲート電極53への方向は、第2方向(例えばX軸方向)に沿う。ゲート電極53の少なくとも一部は、第1方向(Z軸方向)において、第2部分領域11bと第2電極52との間にある。
【0026】
この例では、第2導電形(例えばp形)の第4半導体領域14が設けられている。第4半導体領域14は、第3半導体領域13と第2電極52との間に設けられる。この例では、第1導電形(例えばn形)の第5半導体領域15が設けられる。第5半導体領域15は、第1半導体領域11と第1電極51との間に設けられる。
【0027】
例えば、第2半導体領域12における第1導電形の不純物濃度は、第1半導体領域11における第1導電形の不純物濃度よりも高い。例えば、第5半導体領域15における第1導電形の不純物濃度は、第1半導体領域11における第1導電形の不純物濃度よりも高い。第4半導体領域14における第2導電形の不純物濃度は、第3半導体領域13における第2導電形の不純物濃度よりも高い。
【0028】
例えば、第1半導体領域11は、n領域である。例えば、第2半導体領域12は、n+領域である。例えば、第3半導体領域13は、p領域である。例えば、第4半導体領域14は、p+領域である。例えば、第5半導体領域15は、n+領域である。
【0029】
半導体部材10は、例えば、シリコンを含む。半導体部材10は、例えば、化合物半導体などを含んでも良い。
【0030】
この例では、ゲート電極53の第2方向(X軸方向)における位置は、第3部分領域11cの第2方向における位置と、第1導電部材61の第2方向における位置と、の間にある。
【0031】
この例では、半導体装置110は、第2導電部材62を含む。第3部分領域11cの一部から第2導電部材62への方向は、第2方向(例えばX軸方向)に沿う。この例では、第2導電部材62の第1方向(Z軸方向)における位置は、第2部分領域11bの第1方向における位置と、ゲート電極53の第1方向における位置と、の間にある。
【0032】
第1絶縁部材41は、第3絶縁領域41c及び第4絶縁領域41dを含む。第3絶縁領域41cは、第2方向(例えば、X軸方向)において、第3部分領域11cと第2導電部材62との間にある。第4絶縁領域41dは、第1方向(Z軸方向)において、第2部分領域11bと第2導電部材62との間にある。
【0033】
第2導電部材62は、第2電極52と電気的に接続される。または、第2導電部材62は、第2電極52と電気的に接続されることが可能である。
図1に示すように、1つの例において、配線62Lにより、第2導電部材62は、第2電極52と電気的に接続される。配線62Lは、例えば、半導体装置110に含まれても良い。
【0034】
図1に示すように、第2導電部材62と電気的に接続された第2端子T2が設けられても良い。半導体装置110に含まれない配線(例えば配線62Lでも良い)などにより、第2端子T2と第2電極端子Tsとが電気的に接続されても良い。これにより、第2導電部材62は、第2電極52と電気的に接続される。
【0035】
第2導電部材62が設けられることで、例えば、電界の集中が抑制される。第2導電部材62は、例えば、フィールドプレートとして機能することが可能である。
【0036】
実施形態に係る半導体装置において、ゲート電極53及び第1導電部材61を含む構造が、複数設けられても良い。複数の構造がX軸方向に並ぶ。
【0037】
上記のように、第1端子T1に入力される信号をゲート電極53のオン/オフの後にスイッチングさせることで、ミラー期間を制御できる。この現象は、第1導電部材61に基づく電気容量が、ゲート電極53に基づく電気容量の充放電を促進することに起因していると考えられる。
【0038】
以下、半導体装置110に関する電気回路の例について説明する。
図2(a)及び
図2(b)は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する回路図である。
図2(a)に示すように、制御回路70が設けられる。制御回路70は、半導体装置110とは別に設けられて良い。半導体装置110及び制御回路70は、実施形態に係る半導体装置210に含まれても良い。
【0039】
制御回路70は、例えば、ゲート端子Tg及び第1端子T1と電気的に接続される。制御回路70は、第1電極端子Td及び第2電極端子Tsと電気的に接続されても良い。制御回路70は、ゲート端子Tgと接続された抵抗R1を含んでも良い。制御回路70は、第1端子T1と接続された抵抗R2を含んでも良い。制御回路70からゲート端子Tgに第1信号S1が供給される。制御回路70から第1端子T1に第2信号S2が供給される。
【0040】
例えば、第1電極51と第2電極52との間に、容量Cdsが形成される。ゲート電極53と第2電極52との間に容量Cgsが形成される。ゲート電極53と第1電極51との間に容量Cgd(第1電気容量)が形成される。ゲート電極53と第1導電部材61との間に容量Cgf(第2電気容量)が形成される。第1導電部材61と第2電極52との間に容量Cfsが形成される。第1信号S1及び第2信号S2により、これらの容量の充放電が行われる。
【0041】
実施形態において、第1信号S1のスイッチングの後に、第2信号S2がスイッチングすることで、容量Cgdの充放電が、容量Cgfにより促進される。例えば、第1信号S1により容量Cgdの充電されるときに、容量Cgfに蓄積された電荷が、容量Cgdに流入でき、容量Cgdの充電が効果的に行われる。
【0042】
例えば、ゲート電極53と第1電極51との間の第1電気容量(容量Cgd)は、ゲート電極53と第1導電部材61との間の第2電気容量(容量Cgf)よりも小さい。これにより、容量Cgdの充放電が、容量Cgfにより効果的に促進される。
【0043】
図1に示すように、例えば、第1導電部材61の少なくとも一部は、第1電極51と第2電極52との間にある。ゲート電極53と第1導電部材61との間に別の容量素子を配線などにより接続する場合は、配線などの浮遊容量により、ゲート電極53と第1導電部材61との間の電気容量が不安定である。これに対して、第1導電部材61の少なくとも一部が第1電極51と第2電極52との間にあることで、ゲート電極53と第1導電部材61との間の容量Cgfが安定である。これにより、上記のような容量Cgdの充放電が、安定して実施できる。
【0044】
図2(b)に示すように、第1導電部材61と第1電極との間に容量Cfdが形成されても良い。この場合も、ゲート電極53と第1電極51との間に容量Cgd(第1電気容量)が形成され、ゲート電極53と第1導電部材61との間に容量Cgf(第2電気容量)が形成される。この場合も、容量Cgdの充放電が、容量Cgfにより促進される。
【0045】
図3(a)~
図3(c)は、第1実施形態に係る半導体装置の動作を例示する模式図である。
これらの図の横軸は、時間tmである。
図3(a)の縦軸は、ゲート端子Tgに入力される第1信号S1の電圧である。
図3(b)の縦軸は、第1導電部材61に電気的に接続された第1端子T1に入力される第2信号S2の電圧である。
図3(c)の縦軸は、ゲート電極53の電圧(ゲート電圧Vg)である。
【0046】
図3(a)に示すように、第1信号S1は、第1オン時刻tn1に、オフ(電圧Vf1)からオン(電圧Vn1)になる。第1信号S1は、第1オフ時刻tf1に、オン(電圧Vn1)からオフ(電圧Vf1)になる。
【0047】
図3(b)に示すように、第2信号S2は、第2オン時刻tn2に、オフ(電圧Vf2)からオン(電圧Vn2)になる。第2信号S2は、第2オフ時刻tf2に、オン(電圧Vn2)からオフ(電圧Vf2)になる。例えば、第2オン時刻tn2及び第2オフ時刻tf2の少なくともいずれかは、第1オン時刻tn1及び第1オフ時刻tf1の少なくともいずれかと同じではない。第2信号S2の第2電圧V2は、電圧Vn2と電圧Vf2との差である。
【0048】
図3(c)は、第1端子T1(第1導電部材61)に第2信号S2が入力されず、第1端子T1の電位が第2電極52の電位(例えばソース電位)と同じであるときのゲート電圧Vgを例示している。
図3(c)は、第1導電部材61が設けられない参考例におけるゲート電圧Vgに対応する。
【0049】
図3(c)に示すように、ゲート電圧Vgは、オフ電圧Vgfとオン電圧Vgnとを有する。オフ期間Pfにおいて、ゲート電圧Vgはオフ電圧Vgfである。オン期間Pnにおいて、ゲート電圧Vgは、オン電圧Vgnである。第2信号S2の電圧(
図3(b)に例示する第2電圧V
2参照)は、オン電圧Vgnとオフ電圧Vgfとの差(
図3(c)に例示する第1電圧V1)と同じでも良く、異なっても良い。後述するように、第2電圧V2が第1電圧V1よりも高いと、スイッチング損失を効率的に抑制し易い。
【0050】
オフ期間Pfからオン期間Pnへの移行期間に、オンミラー期間Pmnが存在する。オンミラー期間Pmnにおけるゲート電圧Vgの時間tmに対する変化率は、移行期間中の他の部分におけるゲート電圧Vgの時間tmに対する変化率よりも低い。例えば、オンミラー期間Pmnにおいて、ゲート電圧Vgは実質的に一定である。
【0051】
オン期間Pnからオフ期間Pfへの移行期間に、オフミラー期間Pmfが存在する。オフミラー期間Pmfにおけるゲート電圧Vgの時間tmに対する変化率は、移行期間中の他の部分におけるゲート電圧Vgの時間tmに対する変化率よりも低い。例えば、オフミラー期間Pmfにおいて、ゲート電圧Vgは実質的に一定である。
【0052】
例えば、第1端子T1の電位が第2電極52の電位(例えばソース電位)と同じである場合に、オンミラー開始時刻tnsに、オンミラー期間Pmnが開始し、オンミラー終了時刻tneに、オンミラー期間Pmnが終了する。オンミラー開始時刻tnsは、第1信号S1がオフからオンになるオン時刻(例えば第1オン時刻tn1)の後である。オンミラー終了時刻tneは、オンミラー開始時刻tnsの後である。
【0053】
例えば、第1端子T1の電位が第2電極52の電位(例えばソース電位)と同じである場合に、オフミラー開始時刻tfsに、オフミラー期間Pmfが開始し、オフミラー終了時刻tfeに、オフミラー期間Pmfが終了する。オフミラー開始時刻tfsは、第1信号S1がオンからオフになるオフ時刻(例えば第1オフ時刻tf1)の後である。オフミラー終了時刻tfeは、オフミラー開始時刻tfsの後である。
【0054】
図3(a)及び
図3(b)に示すように、実施形態において、第2信号S2は、第1信号S1がオフからオンになる第1オン時刻tn1の後の第2オン時刻tn2に、オフからオンとなることが好ましい。第2オン時刻tn2は、オンミラー終了時刻tneよりも前であることが好ましい。例えば、第1オン時刻tn1から第2オン時刻tn2までの時間(オン時間差Tdn)は、オン時刻(第1オン時刻tn1)からオンミラー終了時刻tneまでの時間Tmenよりも短い。例えば、第1オン時刻tn1から第2オン時刻tn2までの時間(オン時間差Tdn)は、オン時刻(例えば第1オン時刻tn1)からオンミラー開始時刻tnsまでの時間Tmsn以下でも良い。
【0055】
図3(a)及び
図3(b)に示すように、実施形態において、第2信号S2は、第1信号S1がオンからオフになる第1オフ時刻tf1の後の第2オフ時刻tf2に、オンからオフとなることが好ましい。第2オフ時刻tf2は、オフミラー終了時刻tfeよりも前であることが好ましい。例えば、第1オフ時刻tf1から第2オフ時刻tf2までの時間(オフ時間差Tdf)は、オフ時刻(第1オフ時刻tf1)からオフミラー終了時刻tfeまでの時間Tmefよりも短い。例えば、第1オフ時刻tf1から第2オフ時刻tf2までの時間(オフ時間差Tdf)は、オフ時刻(例えば第1オフ時刻tf1)からオフミラー開始時刻tfsまでの時間Tmsf以下でも良い。
【0056】
このような第2信号S2により、例えば、ミラー期間を短縮できる。例えば、ゲート電圧Vgを急峻に変化させることができる。これにより、スイッチングにおける損失を抑制できる。
【0057】
以下、半導体装置の特性のシミュレーション結果の例について説明する。
図4(a)~
図4(d)、
図5(a)~
図5(d)、及び、
図6(a)~
図6(d)は、半導体装置の特性を例示する模式図である。
これらの図は、オンからオフへのスイッチング特性を例示している。これらの図の横軸は、時間tmである。
図4(a)、
図5(a)及び
図6(a)の縦軸は、第1信号S1である。
図4(b)、
図5(b)及び
図6(b)の縦軸は、第2信号S2である。
図4(c)、
図5(c)及び
図6(c)の縦軸は、ゲート電圧Vgである。
図4(d)、
図5(d)及び
図6(d)の縦軸は、ドレイン電圧Vdである。
【0058】
図4(a)~
図4(d)は、第1端子T1(第1導電部材61)の電位が第2電極52の電位(例えばソース電位)と同じであるときに対応している。
図4(b)に示すように、第2信号S2は、入力されない。
図4(c)に示すように、第1信号S1の第1オフ時刻tf1の後のオフミラー開始時刻tfsから、オフミラー終了時刻tfeまでの間に、オフミラー期間Pmfが発生する。
図4(d)に示すように、ドレイン電圧Vdは、緩やかに変化する。オフミラー期間Pmf、及び、緩やかに変化するドレイン電圧Vdに起因して、スイッチングの損失が発生する。
【0059】
図5(a)~
図5(d)は、第1端子T1(第1導電部材61)に第2信号S2が入力されるときに対応している。この例では、
図5(a)及び
図5(b)に示すように、第2信号S2の第2オフ時刻tf2は、第1信号S1の第1オフ時刻tf1と同じである。
図5(c)に示すように、オフミラー期間Pmfが実質的に観測されない。
図5(d)に示すように、ドレイン電圧Vdは、急峻に変化する。このような第2信号S2を用いることで、スイッチングの損失が抑制できる。
【0060】
図6(a)~
図6(d)もは、第1端子T1(第1導電部材61)に第2信号S2が入力されるときに対応している。この例では、
図6(a)及び
図6(b)に示すように、第2信号S2の第2オフ時刻tf2は、第1信号S1の第1オフ時刻tf1の後である。この例では、第2信号S2の第2オフ時刻tf2は、オフミラー開始時刻tfsの前である。
図6(c)に示すように、オフミラー期間Pmfが実質的に観測されない。
図6(d)に示すように、ドレイン電圧Vdは、
図5(d)の場合に比べて、さらに急峻に変化する。このような第2信号S2を用いることで、スイッチングの損失がさらに抑制できる。
【0061】
このような特性は、第1導電部材61に基づく容量Cgfにより、ゲート-ドレイン容量(容量Cgd)の充放電がアシストされるからであると考えられる。
【0062】
例えば、ゲート電極53と第1電極51との間の第1電気容量(容量Cgd)がゲート電極53と第1導電部材61との間の第2電気容量(容量Cgf)よりも小さいことで、充放電のアシストがより効果的に行われる。容量Cgfは、例えば、容量Cgdの0.5倍以上3倍以下でも良い。
【0063】
例えば、第1信号S1により、ゲート端子Tg(ゲート端子Tgと第1電極端子Tdとの間の容量Cgd)に電荷量Qgd(第1電荷量)が充電または放電される。第2信号S2により、第1端子T1(第1端子T1とゲート端子Tgとの間の容量Cgf)に電荷量Qgf(第2電荷量)が充電または放電される。実施形態において、電荷量Qgd(第1電荷量)は、電荷量Qgf(第2電荷量)よりも小さいことが好ましい。これにより、充放電の上記のアシストがより効果的に行われる。例えば、電荷量Qgfは、電荷量Qgdの0.5倍以上3倍以下でも良い。
【0064】
電荷量Qgdは、例えば、第1信号S1の電圧と、容量Cgdと、により定められる。電荷量Qgfは、例えば、第2信号S2の電圧と、容量Cgfと、により定められる。
【0065】
以下、第2信号S2のタイミングを変更したときの特性の変化に関するシミュレーション結果の例について説明する。
【0066】
図7(a)及び
図7(b)は、第1実施形態に係る半導体装置の特性を例示するグラフ図である。
図7(a)はオフ時の特性に対応し、
図7(b)は、オン時の特性に対応する。
図7(a)の横軸は、オフ時間差Tdfである。オフ時間差Tdfは、第2オフ時刻tf2(第2信号S2のオフ時刻)と、第1オフ時刻tf1(第1信号S1のオフ時刻)と、の差である。オフ時間差Tdfが負の場合、第2信号S2は、第1信号S1よりも前にオフになる。オフ時間差Tdfが正の場合、第2信号S2は、第1信号S1よりも後にオフになる。
図7(a)の縦軸は、オフ時のスイッチング損失E1である。
図7(b)の横軸は、オン時間差Tdnである。オン時間差Tdnは、第2オン時刻tn2(第2信号S2のオン時刻)と、第1オン時刻tn1(第1信号S1のオン時刻)と、の差である。オン時間差Tdnが負の場合、第2信号S2は、第1信号S1よりも前にオンになる。オン時間差Tdnが正の場合、第2信号S2は、第1信号S1よりも後にオンになる。
図7(b)の縦軸は、オン時のスイッチング損失E1である。これらの図には、第2信号S2が印加されない場合のスイッチング損失(規準値E0)も例示されている。
【0067】
図7(a)及び
図7(b)の例では、容量Cgf(第2電気容量)/容量Cgd(第1電気容量)は、1.64である。
【0068】
図7(a)に示すように、オフ時間差Tdfが負のときに、オフ時のスイッチング損失E1は規準値E0と同じである。オフ時間差Tdfが正のときに、オフ時のスイッチング損失E1が低下する。
【0069】
図7(a)に示す例では、オフ時間差Tdfが約0.15μs以上約0.32μs以下において、スイッチング損失E1が効果的に低くなる。この例では、時間Tmsf(第1オフ時刻tf1からオフミラー開始時刻tfsまでの時間)は、約0.23μsである。例えば、オフ時間差Tdfは、時間Tmsfの約0.7倍以上約1.4倍以下の範囲で、スイッチング損失E1が効果的に低くなる。
【0070】
図7(b)に示すように、オン時間差Tdnが負のときに、オン時のスイッチング損失E1は規準値E0と同じである。オン時間差Tdnが正のときに、オン時のスイッチング損失E1が低下する。
【0071】
図7(b)に示す例では、オン時間差Tdnが約0.005μs以上約0.09μs以下において、スイッチング損失E1が効果的に低くなる。この例では、時間Tmsn(第1オン時刻tn1からオンミラー開始時刻tnsまでの時間)は、約0.07μsである。例えば、オン時間差Tdnは、時間Tmsfの約0.1倍以上約1.3倍以下の範囲で、スイッチング損失E1が効果的に低くなる。
【0072】
図8(a)、
図8(b)、
図9(a)、
図9(b)、
図10(a)及び
図10(b)は、第1実施形態に係る半導体装置の特性を例示するグラフ図である。
図8(a)及び
図8(b)の例では、Cgf/Cgdは、2.93である。
図9(a)及び
図9(b)の例では、Cgf/Cgdは、0.93である。
図10(a)及び
図10(b)の例では、Cgf/Cgdは、0.46である。
図8(a)、
図9(a)及び
図10(a)の横軸は、オフ時間差Tdfであり、縦軸は、オフ時のスイッチング損失E1である。
図8(b)、
図9(b)及び
図10(b)の横軸は、オン時間差Tdnであり、縦軸は、オン時のスイッチング損失E1である。これらの図には、オフ時間差Tdf及びオン時間差Tdnが正の範囲の特性が例示されている。
【0073】
図8(a)、
図9(a)及び
図10(a)に示すように、オフ時間差Tdfが正の場合に、スイッチング損失E1は、規準値E0よりも低くなる。
図8(a)、
図9(a)及び
図10(a)に示すように、Cgf/Cgdが高いと、スイッチング損失E1が規準値E0よりも小さくなる時間範囲が、広い。
【0074】
図8(b)、
図9(b)及び
図10(b)に示すように、オン時間差Tdnが正の場合に、スイッチング損失E1は、規準値E0よりも低くなる。
図8(b)、
図9(b)及び
図10(b)に示すように、Cgf/Cgdが高いと、スイッチング損失E1が規準値E0よりも小さくなる時間範囲が広い。
【0075】
ここで、
図7(a)に示すように、オフ時において、スイッチング損失E1が規準値E0の0.9倍以下の時間の範囲を時間幅Tfwとする。時間幅Tfwは、時間幅Tfaと時間幅Tfbとの和である。時間幅Tfaは、オフミラー開始時刻tfsよりも後においてスイッチング損失E1が規準値E0の0.9倍となる時間と、時間Tmsfと、の差である。時間幅Tfbは、オフミラー開始時刻tfsよりも前においてスイッチング損失E1が規準値E0の0.9倍となる時間と、時間Tmsfと、の差である。
【0076】
図7(b)に示すように、オン時において、スイッチング損失E1が規準値E0の0.9倍以下の時間の範囲を時間幅Tnwとする。時間幅Tnwは、時間幅Tnaと時間幅Tnbとの和である。時間幅Tnaは、オンミラー開始時刻tnsよりも後においてスイッチング損失E1が規準値E0の0.9倍となる時間と、時間Tmsnと、の差である。時間幅Tnbは、オンミラー開始時刻tnsよりも前においてスイッチング損失E1が規準値E0の0.9倍となる時間と、時間Tmsnと、の差である。
【0077】
図11(a)及び
図11(b)は、第1実施形態に係る半導体装置の特性を例示するグラフ図である。
図11(a)は、オフ時における時間幅Tfa及び時間幅Tfbと、Cgf/Cgdと、の関係を例示している。
図11(a)の縦軸は、時間幅Tfa及び時間幅Tfbの時間Tmsfに対する比を例示している。
図11(a)の横軸は、Cgf/Cgdである。
【0078】
図11(b)は、オン時における時間幅Tna及び時間幅Tnbと、Cgf/Cgdと、の関係を例示している。
図11(b)の縦軸は、時間幅Tna及び時間幅Tnbの時間Tmsnに対する比を例示している。
図11(b)の横軸は、Cgf/Cgdである。
【0079】
図11(a)に示すように、Cgf/Cgdが高くなると、時間幅Tfaが小さくなり、時間幅Tfb(負)の絶対値が大きくなる。Cgf/Cgdが高くなると、時間幅Tfw(スイッチング損失E1が規準値E0の0.9倍以下の時間の範囲)が大きくなる。Cgf/Cgdが1以上の場合に、時間幅Tfb(負)の絶対値が、特に大きくなる。
【0080】
図11(b)に示すように、Cgf/Cgdが高くなると、時間幅Tnb(負)の絶対値が大きくなる。Cgf/Cgdが変化しても、時間幅Tnaは実質的に変化しない。Cgf/Cgdが高くなると、時間幅Tfw(スイッチング損失E1が規準値E0の0.9倍以下の時間の範囲)が大きくなる。Cgf/Cgdが1以上の場合に、時間幅Tnb(負)の絶対値が、特に大きくなる。
【0081】
実施形態において、Cgf/Cgdが高いことが好ましい。Cgf/Cgdは、例えば1以上であることが好ましい。Cgf/Cgdは、例えば1よりも高いことが好ましい。Cgf/Cgdは、例えば1.1以上でも良い。
【0082】
図11(a)に例示すように、オフ時における時間幅Tfaが、約0.6以下のときに、オフ時のスイッチング損失E1が規準値E0の0.9倍以下になり、スイッチング損失E1が実質的に抑制できる。実施形態において、オフ時における時間幅Tfaは、約0.6以下であることが好ましい。すなわち、オフ時間差Tdf(第1オフ時刻tf1から第2オフ時刻tf2までの時間)は、オフ時刻(例えば第1オフ時刻tf1)からオフミラー開始時刻tfsまでの時間Tmsfの約1.6倍以下でも良い。オフ時間差Tdfは、時間Tmsfの約1.5倍以下でも良い。オフ時間差Tdfは、時間Tmsfの約1.4倍以下でも良い。
【0083】
図7(a)、
図8(a)、
図9(a)及び
図10(a)の例において、時間Tmef(オフ時刻(第1オフ時刻tf1)からオフミラー終了時刻tfeまでの時間)は、0.6μs以上0.9μs以下程度である。したがって、オフ時間差Tdfは、時間Tmefよりも短い。
【0084】
図11(b)に例示すように、オン時における時間幅Tnaが、約0.4以下のときに、オ
ン時のスイッチング損失E1が規準値E0の0.9倍以下になり、スイッチング損失E1が実質的に抑制できる。実施形態において、オン時における時間幅Tnaは、約0.4以下であることが好ましい。すなわち、オン時間差Tn
d(第1オン時刻tn1から第2オン時刻tn2までの時間)は、オン時刻(例えば第1オン時刻tn1)からオンミラー開始時刻tnsまでの時間Tmsnの約1.4倍以下でも良い。オン時間差Tdnは、時間Tmsnの約1.3倍以下でも良い。
【0085】
図7(b)、
図8(b)、
図9(b)及び
図10(b)の例において、時間Tmen(オン時刻(第1オン時刻tn1)からオンミラー終了時刻tneまでの時間)は、0.1μs以上0.5μs以下程度である。したがって、オン時間差Tdnは、時間Tmenよりも短い。
【0086】
図7(a)~
図11(b)に例示した特性においては、第2電圧V2(
図3(b)参照)は、第1電圧V1(
図3(c)参照)と同じである。以下、第2電圧V2が第1電圧V1と異なる場合の特性の例について説明する。
【0087】
図12(a)及び
図12(b)は、第1実施形態に係る半導体装置の特性を例示するグラフ図である。
図12(a)及び
図12(b)において、Cgf/Cgdは、0.93である。
図12(a)において、
図9(a)に例示した特性に、第2電圧V2が第1電圧V1の2倍のときの特性が加えられている。
図12(b)においては、
図9(b)に例示した特性に、第2電圧V2が第1電圧V1の2倍のときの特性が加えられている。
【0088】
図12(a)に示すように、第2電圧V2が第1電圧V1の2倍の場合、第2電圧V2が第1電圧V1と同じ場合と比べてと、スイッチング損失E1が規準値E0よりも小さくなるオフ時間差Tdfの下限が低下する。一方、第2電圧V2が変化しても、スイッチング損失E1が規準値E0よりも小さくなるオフ時間差Tdfの上限は、実質的に変化しない。第2電圧V2が第1電圧V1よりも大きくなると、スイッチング損失E1が規準値E0よりも小さくなるオフ時間差Tdfの範囲が拡大する。
【0089】
図12(b)に示すように、第2電圧V2が第1電圧V1の2倍の場合、第2電圧V2が第1電圧V1と同じ場合と比べてと、スイッチング損失E1が規準値E0よりも小さくなるオン時間差Tdnの下限が低下する。一方、第2電圧V2が変化しても、スイッチング損失E1が規準値E0よりも小さくなるオン時間差Tdnの上限は、実質的に変化しない。第2電圧V2が第1電圧V1よりも大きくなると、スイッチング損失E1が規準値E0よりも小さくなるオン時間差Tdnの範囲が拡大する。
【0090】
実施形態において、第2電圧V2は、第1電圧V1よりも大きくても良い。スイッチング損失E1を効果的に抑制することができる。
【0091】
以下、第1実施形態に係る半導体装置の別の例について説明する。以下において、上記の半導体装置110と同様の部分についての説明は省略される。
【0092】
図13は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図13に示すように、実施形態に係る半導体装置111においては、第2導電部材62のX軸方向に沿う長さ(幅)は、ゲート電極53のX軸方向に沿う長さ(幅)よりも長く、第1導電部材61のX軸方向に沿う長さ(幅)よりも長い。
【0093】
図14は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図14に示すように、実施形態に係る半導体装置112においては、第2導電部材62が設けられていない。第1導電部材61の下端は、ゲート電極53の下端よりも下にある。第3絶縁領域41
cは、X軸方向において、第3部分領域11cと、第1導電部材61の一部との間にある。この例では、第1導電部材61の上端は、ゲート電極53の上端よりも下にある。
【0094】
図15は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図15に示すように、実施形態に係る半導体装置113においては、第1導電部材61は、第1方向(Z軸方向)において、第2部分領域11bとゲート電極53との間にある。このように、実施形態において、第1導電部材61の少なくとも一部は、第1方向において、第2部分領域11bとゲート電極53との間にあっても良い。
【0095】
図16は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図16に示すように、実施形態に係る半導体装置114においては、ゲート電極53の少なくとも一部は、第3半導体領域13と第1導電部材61との間にある。
【0096】
図17は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図17に示すように、実施形態に係る半導体装置115においては、第1導電部材61は、第1方向(Z軸方向)において、ゲート電極53の少なくとも一部と、第2電極52の少なくとも一部と、の間にある。
【0097】
半導体装置111~115においても、スイッチングの損失が低減できる。実施形態によれば、特性を向上できる半導体装置を提供できる。
【0098】
(第2実施形態)
以下において、上記の半導体装置110と同様の部分についての説明は省略される。
【0099】
図18は、第2実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図18に示すように、実施形態に係る半導体装置116においては、第1電極51から第2電極52への方向は、第1方向(Z軸方向)に沿う。第1半導体領域11は、第1部分領域11a、第2部分領域11b及び第3部分領域11cを含む。第1部分領域11aから第2部分領域11bへの方向は、第1方向と交差する第2方向(例えばX軸方向)に沿う。第3部分領域11cは、第1方向(Z軸方向)において、第1部分領域11aと第1導電部材61との間にある。ゲート電極53は、第1方向(Z軸方向)において、第3部分領域11cと第1導電部材61との間にある。第3半導体領域13は、第2方向(X軸方向)において、第3部分領域11cと第2半導体領域12との間にある。
【0100】
半導体装置116においても、例えば、ゲート電極53と第1電極51との間の第1電気容量は、ゲート電極53と第1導電部材61との間の第2電気容量よりも小さい。半導体装置116においても、半導体装置110と同様に、上記の制御回路70が設けられても良い。半導体装置110に関して説明した制御により、半導体装置116においても、スイッチングの損失が低減できる。実施形態によれば、特性を向上できる半導体装置を提供できる。
【0101】
以下、実施形態に係る半導体装置の製造方法の例として、半導体装置111の製造方法の例について説明する。
図19~
図27は、実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図19に示すように、構造体10Aを準備する。構造体10Aは、第1半導体領域11となる領域11A、及び、第5半導体領域15を含む。構造体10Aは、例えば、シリコンを含む。
【0102】
図20に示すように、領域11Aの一部を除去して、第1半導体領域11の第1部分領域11a及び第2部分領域11b、及び、第3部分領域11cとなる領域11cAを形成する。第1絶縁部材41の一部となる絶縁膜45aを形成する。絶縁膜45aは、例えば、熱酸化により形成できる。
【0103】
図21に示すように、例えば、ポリシリコン膜を形成した後、そのポリシリコン膜の一部を除去することで、第2導電部材62を形成する。
【0104】
図22に示すように、例えば、絶縁膜45b(例えば酸化シリコン膜)を形成し、ゲート電極53となる導電膜53F(例えば、ポリシリコン膜)を形成する。
【0105】
図23に示すように、絶縁膜
53Fの一部を除去して、ゲート電極53を形成する。
【0106】
図24に示すように、絶縁膜45c(例えば酸化シリコン膜)を形成し、第1導電部材61となる導電膜61F(例えばポリシリコン膜)を形成する。
【0107】
図25に示すように、導電膜61Fの一部を除去して、第1導電部材61を形成する。
【0108】
図26に示すように、ゲート電極53及び第1導電部材61の上に絶縁膜45d(例えば、酸化シリコン膜)を形成する。例えば、領域11cAの一部に、p形不純物(例えば、ボロン)を導入し、さらに、n形不純物(例えばリン)を導入することで、第3部分領域11c、第3半導体領域13及び第2半導体領域12を形成する。この後、第2半導体領域12の一部、及び、第3半導体領域13の一部を除去してコンタクトホールを形成する。コンタクトホール部分に、p形不純物を導入する。
【0109】
これにより、
図27に示すように、第4半導体領域14が形成される。この後、第2電極52及び第1電極51を形成する。これにおり、半導体装置111が得られる。
【0110】
実施形態によれば、特性を向上できる半導体装置を提供できる。
【0111】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、半導体装置に含まれる電極、導電部材、半導体領域及び絶縁部材などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0112】
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0113】
その他、本発明の実施の形態として上述した半導体装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての半導体装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0114】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0115】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0116】
10…半導体部材、 10A…構造体、 11~15…第1~第5半導体領域、 11A…領域、 11a~11c…第1~第3部分領域、 11cA…領域、 41…第1絶縁部材、 41a~41d…第1~第4絶縁領域、 45a~45d…絶縁膜、 51…第1電極、 52…第2電極、 53…ゲート電極、 53F…導電膜、 61、62…第1、第2導電部材、 61F…導電膜、 62L…配線、 70…制御回路、 110~116、210…半導体装置、 Cds、Cfd、Cfs、Cgd、Cgf、Cgs…容量、 E0…基準値、 E1…スイッチング損失、 Pf…オフ期間、 Pmf…オフミラー期間、 Pmn…オンミラー期間、 Pn…オン期間、 R1、R2…抵抗、 S1、S2…第1、第2信号、 T1、T2…第1、第2端子、 Td…第1電極端子、 Tdf…オフ時間差、 Tdn…オン時間差、 Tfa、Tfb、Tfw…時間幅、 Tg…ゲート端子、 Tmef…時間、 Tmen…時間、 Tmsf…時間、 Tmsn…時間、 Tna、Tnb、Tnw…時間幅、 Ts…第2電極端子、 V1、V2…第1、第2電圧、 Vd…ドレイン電圧、 Vf1、Vf2…電圧、 Vg…ゲート電圧、 Vgf…オフ電圧、 Vgn…オン電圧、 Vn1、Vn2…電圧、 d1、d2…第1、第2距離、 tf1、tf2…第1、第2オフ時刻、 tfe…オフミラー終了時刻、 tfs…オフミラー開始時刻、 tm…時間、 tn1、tn2…第1、第2オン時刻、 tne…オンミラー終了時刻、 tns…オンミラー開始時刻