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特許7481926情報処理装置、仕分システム、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、仕分システム、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B25J 13/08 20060101AFI20240502BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240502BHJP
   B07C 5/342 20060101ALI20240502BHJP
   B65G 47/90 20060101ALI20240502BHJP
【FI】
B25J13/08 A
G06T7/00 Z
B07C5/342
B65G47/90 B
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020112017
(22)【出願日】2020-06-29
(65)【公開番号】P2022011111
(43)【公開日】2022-01-17
【審査請求日】2023-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鳥居 杜朗
(72)【発明者】
【氏名】赤木 琢磨
(72)【発明者】
【氏名】大川 泰弘
【審査官】牧 初
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-171579(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00-21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷役装置を用いて荷役する対象となる物体が載置される領域を撮像する撮像装置と接続する接続部と、
前記接続部を介して前記領域の画像情報を取得し、前記画像情報から前記物体に付された識別情報が含まれる識別領域を検出し、前記識別領域内の前記識別情報を認識する認識制御部と、
前記認識制御部が検出した前記識別領域に関する領域情報、及び前記認識制御部が認識した前記識別情報を出力する出力部と、
前記出力部から前記領域情報を取得し、前記領域情報に基づき、前記荷役装置が前記物体を保持する保持位置を前記識別領域内に設定する保持制御部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記出力部から前記識別情報を取得し、前記識別情報に基づき、前記荷役装置が保持した前記物体を載置する仕分先を設定する載置制御部、
を更に備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記認識制御部は、前記領域における前記識別領域の位置を算出し、
前記領域情報は、前記認識制御部により算出された前記識別領域の位置を示す情報を含む、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記保持制御部は、前記保持位置を前記識別領域の略面重心又は略中心に設定する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記識別情報は、文字列を含み、
前記認識制御部は、OCR処理により前記識別情報を認識する、
請求項1~のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記識別情報は、バーコード又は二次元コードを含み、
前記認識制御部は、前記識別情報を認識する、
請求項1~のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
荷役装置と、
前記荷役装置を用いて荷役する対象となる物体が載置される領域を撮像する撮像装置と、
前記荷役装置を制御する情報処理装置と、
を備え、
前記情報処理装置は、
前記撮像装置と接続する接続部と、
前記接続部を介して前記領域の画像情報を取得し、前記画像情報から前記物体に付された識別情報が含まれる識別領域を検出し、前記識別領域内の前記識別情報を認識する認識制御部と、
前記認識制御部が検出した前記識別領域に関する領域情報、及び前記認識制御部が認識した前記識別情報を出力する出力部と、
前記出力部から前記領域情報を取得し、前記領域情報に基づき、前記荷役装置が前記物体を保持する保持位置を前記識別領域内に設定する保持制御部と、
を備える、
仕分システム。
【請求項8】
コンピュータに、
荷役装置を用いて荷役する対象となる物体が載置される領域を撮像する撮像装置から、前記撮像装置と接続する接続部を介して前記領域の画像情報を取得する処理と、
前記画像情報から前記物体に付された識別情報が含まれる識別領域を検出する処理と、
前記識別領域内の前記識別情報を認識する処理と、
検出された前記識別領域に関する領域情報、及び認識された前記識別情報を出力する処理と、
前記出力された前記領域情報を取得し、前記領域情報に基づき、前記荷役装置が前記物体を保持する保持位置を前記識別領域内に設定する処理と、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置、仕分システム、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
郵便、宅配等の業務において、ロボットアームを利用して書簡、書類、小包等の荷物を宛先等毎に仕分けるシステムが利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-150904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなシステムにおいて、ロボットアームが荷物を保持する保持動作を行う際に、荷物の形状を認識する処理が行われる場合がある。このような場合、荷物の形状が不定形であったり、複数の荷物が乱雑に積載された状態であったりする場合には、荷物の形状を正確に認識することが困難となり、保持動作が適切に行われない可能性がある。
【0005】
そこで、実施形態の課題の一つは、荷物の形状にかかわらず適切な保持動作を実現可能な情報処理装置、仕分システム、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の情報処理装置は、接続部と、認識制御部と、出力部と、保持制御部とを備える。接続部は、荷役装置を用いて荷役する対象となる物体が載置される領域を撮像する撮像装置と接続する。認識制御部は、接続部を介して領域の画像情報を取得し、画像情報から物体に付された識別情報が含まれる識別領域を検出し、識別領域内の識別情報を認識する。出力部は、認識制御部が検出した識別領域に関する領域情報、及び認識制御部が認識した識別情報を出力する。保持制御部は、出力部から領域情報を取得し、領域情報に基づき、荷役装置が物体を保持する保持位置を識別領域内に設定する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態にかかる仕分システムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態にかかるボックス画像の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態にかかる制御装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、実施形態にかかる制御装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図5図5は、実施形態にかかる認識処理部の具体的な機能構成の一例を示すブロック図である。
図6図6は、実施形態にかかる載置制御部の具体的な機能構成の一例を示すブロック図である。
図7図7は、実施形態にかかる保持制御部の具体的な機能構成の一例を示すブロック図である。
図8図8は、実施形態にかかる識別領域の第1例を示す図である。
図9図9は、実施形態にかかる識別領域の第2例を示す図である。
図10図10は、実施形態にかかる保持位置の第1例を示す図である。
図11図11は、実施形態にかかる保持位置の第2例を示す図である。
図12図12は、実施形態にかかる動作情報生成部の具体的な機能構成の一例を示すブロック図である。
図13図13は、実施形態にかかる制御装置における処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図14図14は、実施形態にかかる仕分システムにおける処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示のいくつかの実施形態及び変形例を図面に基づいて説明する。以下に記載する実施形態及び変形例の構成、並びに当該構成によってもたらされる作用及び効果は、あくまで一例であって、以下の記載内容に限られるものではない。
【0009】
図1は、実施形態にかかる仕分システム1の構成の一例を示す図である。仕分システム1は、ボックス2に積載された荷物3(物体)を所定の仕分先に仕分けるシステムである。
【0010】
ボックス2は、仕分作業の対象となる荷物3を収容する容器である。なお、ボックス2は荷物3を収容する手段の一例であり、ボックス2に代わるものとして、荷台、パレット、かご車等が用いられてもよい。仕分ポケット4は、荷物3の仕分先であり、所定の基準(例えば荷物3の宛先等)に基づき区画されている。
【0011】
仕分システム1は、ロボットアーム11(荷役装置)、カメラ12(撮像装置)、及び制御装置13(情報処理装置)を備える。ロボットアーム11、カメラ12、及び制御装置13は、ネットワーク14を介して互いに通信可能に構成されている。ネットワーク14の具体的構成は特に限定されるべきものではないが、例えば、LAN(Local Area Network)、クラウドシステム等であり得る。
【0012】
まず、ロボットアーム11の構成について説明する。ロボットアーム11は、ボックス2に収容された荷物3を保持し、保持した荷物3を持ち上げ、荷物3を仕分先である仕分ポケット4に移動させる装置である。ロボットアーム11は、保持機構21、アーム機構22、接触センサ23、及び駆動制御機構24を備える。
【0013】
保持機構21は、荷物3を保持する機構である。本実施形態にかかる保持機構21は、荷物3に吸着する吸着パッドを備える。吸着パッドは、荷物3の表面に接した状態で内部空間が負圧になることにより、荷物3を吸着して保持する。吸着パッドは、駆動制御機構24からの制御信号により制御される。なお、保持機構21の構成はこれに限定されるものではなく、例えば、複数の指状の部材により荷物3を挟むことにより荷物3を把持するグラッパを利用した構成等であってもよい。
【0014】
アーム機構22は、保持機構21を移動させる機構である。アーム機構22は、複数のアームと、複数のアームを連結する関節機構とを備える。関節機構は、駆動制御機構24からの制御信号により制御されるアクチュエータを内蔵する。
【0015】
接触センサ23は、保持機構21に対して加えられる応力を検知するセンサである。接触センサ23は、例えば、保持機構21に対して鉛直方向から加わる応力を検知する。接触センサ23は、検知結果を駆動制御機構24に送信する。なお、接触センサ23は、アーム機構22に対して加えられる応力も検知するものであってもよい。
【0016】
駆動制御機構24は、制御装置13から出力される動作情報に基づき保持機構21及びアーム機構22の動作を制御する。駆動制御機構24は、例えば、マイクロプロセッサ、メモリ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等を利用して構成され、制御装置13から供給される動作情報に応じて保持機構21及びアーム機構22を制御するための制御信号を生成する。動作情報は、保持機構21が荷物3を保持する保持動作を実現するための情報と、保持された荷物3を仕分先へ移動させる仕分動作を実現するための情報とを含む。駆動制御機構24は、シーケンサとして構成されていてもよい。
【0017】
次に、カメラ12の構成について説明する。カメラ12は、ボックス2内に収容された荷物3の画像情報を取得する装置である。カメラ12は、ネットワーク14を介して画像情報を制御装置13に出力する。
【0018】
カメラ12は、例えば、レンズ、レンズにより結像された光を電気信号に変換する撮像素子等を利用して構成される単眼カメラである。このような構成により、カメラ12は色情報を有する座標(画素)が二次元的に配列されたラスタ画像を構成する画像情報を取得する。なお、ラスタ画像はカラー画像であってもモノクロ画像であってもよい。
【0019】
カメラ12のレンズの画角は、荷物3が収容されたボックス2を含む領域を撮像できるように調整されている。例えば、カメラ12のレンズの光軸は、ボックス2の底面に対向するように、換言すれば、鉛直方向に対して平行となるように調整される。カメラ12は、ボックス2の底面に対向する方向からボックス2を含む所定範囲を撮像し、ラスタ画像を取得する。以降、ボックス2を含む所定範囲の画像をボックス画像と称する。
【0020】
図2は、実施形態にかかるボックス画像51の一例を示す図である。図2に例示するボックス画像51は、ボックス2の内部を上方から撮像して得られた二次元画像である。ここでは、ボックス2内に複数の荷物3が乱雑に積載された状態が例示されている。また、各荷物3には、後述する識別情報10が付されている。
【0021】
次に、制御装置13の構成について説明する。制御装置13は、カメラ12により取得された画像情報(ボックス画像51)に基づき、ロボットアーム11の動作を制御するための動作情報を生成し、動作情報を駆動制御機構24に出力する。
【0022】
図3は、実施形態にかかる制御装置13のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図3に例示する制御装置13は、CPU(Central Processing Unit)31、RAM(Random Access Memory)32、ROM(Read Only Memory)33、補助記憶装置34、通信I/F(Interface)35(接続部)、ユーザI/F36、及びバス37を備える。
【0023】
CPU31は、ROM33や補助記憶装置34に記憶されたプログラムに従いRAM32をワーキングエリアとして所定の制御演算処理を行う。補助記憶装置34は、不揮発性メモリ等であり、CPU31による処理を行うために必要な各種データを蓄積する。通信I/F35は、適宜なコンピュータネットワーク(ネットワーク14等)を介して外部装置(カメラ12、駆動制御機構24等)との間で情報の送受信を可能にするデバイスである。ユーザI/F36は、制御装置13とユーザとの間で情報の入出力を可能にするデバイスであり、例えばキーボード、マウス、タッチパネル機構、マイク、ディスプレイ、スピーカ等である。CPU31、RAM32、ROM33、補助記憶装置34、通信I/F35、及びユーザI/F36は、バス37を介して通信可能に接続されている。
【0024】
図4は、実施形態にかかる制御装置13の機能構成の一例を示すブロック図である。図4に例示する制御装置13は、認識制御部100、出力部101、載置制御部102、保持制御部103、及び動作情報生成部104を備える。これらの機能的要素100~104は、例えば、図3に示すハードウェア構成及びプログラムの協働により実現される。なお、これらの機能的要素100~104は、物理的に分割された複数のハードウェアにより構成されてもよい。
【0025】
認識制御部100は、カメラ12により取得された画像情報(ボックス画像51)を、制御装置13とカメラ12との接続部(通信I/F35等)を介して取得する。認識制御部100は、取得した画像情報から荷物3に付された識別情報10が含まれる識別領域を検出し、識別領域に関する領域情報を生成する。認識制御部100は、検出した識別領域内の識別情報10を認識する。識別情報10は、荷物3の仕分先に対応する情報である。識別情報10は、例えば、荷物3の宛先(郵便番号、住所等)や搬送先(仕分ポケット4等)を示す、文字列、バーコード、二次元コード等であり得る。
【0026】
出力部101は、認識制御部100により認識された識別情報10を載置制御部102に出力し、認識制御部100により検出された識別領域に関する領域情報を保持制御部103に出力する。
【0027】
載置制御部102は、出力部101から出力された識別情報10に基づき、ロボットアーム11が保持した荷物3を載置する仕分先を設定する。
【0028】
保持制御部103は、出力部101から出力された領域情報に基づき、ロボットアーム11の保持機構21が荷物3を保持する保持位置を識別領域内に設定する。
【0029】
動作情報生成部104は、載置制御部102により設定された仕分先を示す仕分先情報と、保持制御部103により設定された保持位置を示す保持位置情報とに基づき、ロボットアーム11の動作を制御するための動作情報を生成する。
【0030】
上記のように、本実施形態によれば、識別情報10の位置に基づき保持位置が設定される。これにより、荷物3自体の形状、三次元空間における荷物3の位置等の認識困難な情報を必要とすることなく、適切な保持動作を実現できる。
【0031】
図5は、実施形態にかかる認識制御部100の具体的な機能構成の一例を示すブロック図である。図5に例示する認識制御部100は、OCR(Optical Character Recognition)処理部111、バーコード読取部112、二次元コード読取部113、識別情報取得部114、及び領域情報取得部115を備える。
【0032】
OCR処理部111は、文字列のイメージデータをテキストデータ(文字コード)に変換する。OCR処理部111は、ボックス画像51から荷物3に記載された宛先等を示すテキストデータを取得する。OCR処理部111は、与えられたパラメータセットを用いて画像認識処理を行う。パラメータセットとは、画像認識処理に含まれる1以上の処理に用いられるパラメータの集合であり、例えば、2値化処理の閾値、文字認識の成功/不成功を決定する閾値等が含まれる。また、パラメータセットには、例えば、カラー画像から二値化画像に変換される際に、RGB(Red-Green-Blue)情報の処理に用いられる閾値が含まれてもよい。このRGB情報の処理に用いられる閾値には、画像に含まれるRGB情報である赤、緑等の枠線(住所記載欄の文字以外の背景)を認識する閾値、又は認識した枠線を処理(消去)する閾値が含まれる。また、パラメータセットには、印字、記載された文字等の濃淡の変化に応じて調整されるコントラストを決定する閾値、画像に含まれる個別文字のラベルサイズ(文字列において個別文字を認識する領域)を決定するための閾値等が含まれる。ラベルサイズを決定するための閾値とは、文字が滲んだり(ラベルサイズが大きかったり)、文字が一部消えたり(ラベルサイズが小さかったり)した場合に、文字を適切に認識するために調整される閾値である。
【0033】
バーコード読取部112は、ボックス画像51から荷物3に付されたバーコードを読み取り、当該バーコードの構成を示すバーコードデータを取得する。
【0034】
二次元コード読取部113は、ボックス画像51から荷物3に付された二次元コードを読み取り、当該二次元コードの構成を示す二次元コードデータを取得する。
【0035】
識別情報取得部114は、OCR処理部111により取得されたテキストデータ、バーコード読取部112により取得されたバーコードデータ、又は二次元コード読取部113により取得された二次元コードデータを出力部101に出力する。
【0036】
領域情報取得部115は、OCR処理部111、バーコード読取部112、又は二次元コード読取部113から、識別情報10を含む識別領域に関する領域情報を取得する。領域情報は、荷物3が載置される領域(本実施形態ではボックス2内の領域)における識別領域の位置を示す情報を含む。領域情報は、例えば、識別情報10を検出する際に読み取られたボックス画像51内の領域(読取領域)を示す座標情報等に基づき取得され得る。領域情報取得部115は、領域情報を出力部101に出力する。
【0037】
なお、上記においては、認識制御部100がOCR処理部111、バーコード読取部112、及び二次元コード読取部113を備える例を示したが、これに限定されるものではない。使用する識別情報10の種類に応じてこれらのうち少なくとも1つを備えればよい。
【0038】
図6は、実施形態にかかる載置制御部102の具体的な機能構成の一例を示すブロック図である。図6に示す載置制御部102は、取得部121、宛先DB(Data Base)122、及び外部検索部123を備える。
【0039】
取得部121は、出力部101から出力された識別情報10(テキストデータ、バーコードデータ、又は二次元コードデータ)に基づき、当該識別情報10が付された荷物3の仕分先を示す仕分先情報を取得する。取得部121は、仕分先情報を動作情報生成部104に出力する。
【0040】
宛先DB122は、識別情報10と仕分先とが対応付けられたデータ(例えば、住所と仕分ポケット4のトレイとが対応づけられたテーブル等)を保持している。取得部121は、宛先DB122を参照し、検出部101から取得した識別情報10に対応する仕分先を示す仕分先情報を取得する。
【0041】
外部検索部123は、テキストデータをキーワードとして検索を行い、所定の情報を抽出することを可能にする検索エンジンである。識別情報10がテキストデータである場合、取得部121は、出力部101から取得したテキストデータをキーワードとして外部検索部123から所定の情報を抽出し、抽出された情報を仕分先情報として扱う。
【0042】
図7は、実施形態にかかる保持制御部103の具体的な機能構成の一例を示すブロック図である。図7に例示する保持制御部103は、保持位置設定部131を備える。
【0043】
保持位置設定部131は、出力部101から取得した領域情報に基づき、識別領域内に保持位置を設定する。
【0044】
図8は、実施形態にかかる識別領域52の第1例を示す図である。図8に例示する識別領域52は、識別情報10毎に識別情報10全体を含むように設定された矩形である。本例にかかる識別領域52の各辺は、ボックス画像51の各辺に対して平行となっている。
【0045】
図9は、実施形態にかかる識別領域52の第2例を示す図である。図9に例示する識別領域52は、図8に示す第1例と同様に、識別情報10毎に識別情報10全体を含むように設定された矩形である。しかし、図9に例示する識別領域52の各辺は、識別情報10が存在する領域に沿うように傾斜している。これにより、識別領域52内に識別情報10以外の領域が含まれる割合を小さくできる。
【0046】
なお、識別領域52の設定方法は、上記例に限定されるものではない。識別領域52は、例えば、矩形以外の多角形、円形、自由曲線等から構成されてもよい。
【0047】
保持位置設定部131は、上記のような識別領域52内に保持位置(保持機構21が荷物3を保持する位置)を設定する。保持位置部131は、例えば、識別領域52の略面重心又は略中心を保持位置として設定する。保持位置設定部131は、保持位置を示す保持位置情報を動作情報生成部104に出力する。
【0048】
図10は、実施形態にかかる保持位置53の第1例を示す図である。図11は、実施形態にかかる保持位置53の第2例を示す図である。図10に例示する保持位置53は、図8に例示する識別領域52に対応するものである。図11に例示する保持位置53は、図9に例示する識別領域52に対応するものである。
【0049】
上記のように、保持位置53を識別領域52内に設定することにより、荷物3自体の形状を認識できない場合であっても、確実に荷物3を保持できる。
【0050】
図12は、実施形態にかかる動作情報生成部104の具体的な機能構成の一例を示すブロック図である。図12に例示する動作情報生成部104は、保持動作計画部141、仕分動作計画部142、及び統合部143を備える。
【0051】
保持動作計画部141は、保持制御部103から取得した保持位置情報に基づき、ロボットアーム11が荷物3を保持するまでの動作である保持動作を計画する。保持動作には、保持機構21を保持位置53まで移動させるようにアーム機構22を動かす動作、保持位置53に到達した保持機構21が荷物3を保持する(吸着パッド内を負圧にする)動作等が含まれる。
【0052】
仕分動作計画部142は、仕分先特定部102から取得した仕分先情報に基づき、ロボットアーム11が荷物3を仕分先まで移動させる動作である仕分動作を計画する。仕分動作には、荷物3を保持している保持機構21を保持位置53から仕分先(仕分ポケット4の特定のトレイ等)まで移動させるようにアーム機構22を動かす動作、仕分先に到達した保持機構21に荷物3を開放させる(吸着パッド内の負圧を解除する)動作等が含まれる。
【0053】
統合部143は、保持動作計画部141により計画された保持動作と、仕分動作計画部142により計画された仕分動作とを統合し、ロボットアーム11の全体的な動作計画を示す動作情報を生成する。統合部143は、動作情報をロボットアーム11(駆動制御機構24)に出力する。
【0054】
図13は、実施形態にかかる制御装置13における処理の流れの一例を示すシーケンス図である。認識制御部100が識別領域52を検出し、出力部101が領域情報を出力すると(S101)、保持制御部103は、領域情報に基づき保持位置53を設定し(S102)、保持位置53を示す保持位置情報を動作情報生成部104に出力する(S103)。動作情報生成部104は、取得した保持位置情報に基づき保持動作を計画する(S104)。認識制御部100が識別情報10を認識し、出力部101が識別情報10を出力すると(S105)、載置制御部102は、識別情報10に対応する仕分先を特定し(S106)、仕分先を示す仕分先情報を動作情報生成部104に出力する(S107)。動作情報生成部104は、取得した仕分先情報に基づき仕分動作を計画する(S108)。そして、動作情報生成部104は、保持動作及び仕分動作を統合した総合的な動作計画を示す動作情報を生成し、動作情報をロボットアーム11の駆動制御機構24に出力する(S109)。
【0055】
図14は、実施形態にかかる仕分システム1における処理の流れの一例を示すフローチャートである。カメラ12がボックス2内を撮像する(ボックス画像51を取得する)と(S201)、駆動制御機構24は、制御装置13から動作情報を受信したか否かを判定する(S202)。駆動制御機構24が動作情報を受信していない場合(S202:No)、カメラ12による撮像を続行する(S201)、換言すれば、駆動制御機構24は動作情報の受信を待機する。駆動制御機構24は、動作情報を受信した場合(S202:Yes)、ロボットアーム11に保持動作を実行させる(S203)。その後、駆動制御機構24は、保持機構21による荷物3の保持が成功したか否かを判定する(S204)。このステップS204における判定は、例えば、接触センサ23による検知結果等に基づき行われ得る。保持が成功した場合(S204:Yes)、駆動制御機構24は、続いてロボットアーム11に仕分動作を実行させる(S205)。保持が成功しなかった場合(S204:No)、駆動制御機構24は、エラー処理を実行する(S206)。エラー処理は、荷物3の保持が失敗したことによる不具合を回避するための処理であり、その具体的な内容は特に限定されるべきものではないが、例えば、管理者に対する報知、システムの停止、保持動作の再実行等であり得る。
【0056】
上記実施形態にかかる制御装置13における各種機能を実現するためのプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disc)-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R(Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供することが可能なものである。また、当該プログラムは、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布されてもよい。
【0057】
なお、上記実施形態においては、制御装置13と駆動制御機構24とが個別に設けられる構成を例示したが、制御装置13と駆動制御機構24とが一体となった構成であってもよい。
【0058】
また、上記実施形態においては、1つの制御装置13により1つのロボットアーム11を制御する構成を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、1つの制御装置13により複数のロボットアーム11を制御してもよい。
【0059】
以上のように、本実施形態によれば、識別情報10の位置に基づき保持位置53が設定されるため、荷物3自体の形状にかかわらず適切な保持動作を実現できる。これにより、信頼性の高い仕分システム1を提供できる。
【0060】
以上、本発明の実施形態及び変形例を説明したが、上述した実施形態及び変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上述した新規な実施形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上述した実施形態及び変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0061】
1…仕分システム、2…ボックス、3…荷物(物体)、4…仕分ポケット、10…識別情報、11…ロボットアーム(荷役装置)、12…カメラ(撮像装置)、13…制御装置(情報処理装置)、14…ネットワーク、21…保持機構、22…アーム機構、23…接触センサ、24…駆動制御機構、31…CPU、32…RAM、33…ROM、34…補助記憶装置、35…通信I/F(接続部)、36…ユーザI/F、37…バス、51…ボックス画像、52…識別領域、53…保持位置、100…認識制御部、101…出力部、102…載置制御部、103…保持制御部、104…動作情報生成部、111…OCR処理部、112…バーコード読取部、113…二次元コード読取部、114…識別情報取得部、115…領域情報取得部、121…取得部、122…宛先DB、123…外部検索部、131…保持位置設定部、141…保持動作計画部、142…仕分動作計画部、143…統合部
図1
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図14