IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社東芝の特許一覧 ▶ 東芝電機サービス株式会社の特許一覧

特許7481948施設監視制御装置および施設監視制御プログラム
<>
  • 特許-施設監視制御装置および施設監視制御プログラム 図1
  • 特許-施設監視制御装置および施設監視制御プログラム 図2
  • 特許-施設監視制御装置および施設監視制御プログラム 図3
  • 特許-施設監視制御装置および施設監視制御プログラム 図4
  • 特許-施設監視制御装置および施設監視制御プログラム 図5
  • 特許-施設監視制御装置および施設監視制御プログラム 図6
  • 特許-施設監視制御装置および施設監視制御プログラム 図7
  • 特許-施設監視制御装置および施設監視制御プログラム 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】施設監視制御装置および施設監視制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/32 20130101AFI20240502BHJP
   G06F 21/62 20130101ALI20240502BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240502BHJP
【FI】
G06F21/32
G06F21/62
G06Q50/10
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020138045
(22)【出願日】2020-08-18
(65)【公開番号】P2022034307
(43)【公開日】2022-03-03
【審査請求日】2023-06-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】花田 裕一
(72)【発明者】
【氏名】木村 浩二
【審査官】三森 雄介
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-165353(JP,A)
【文献】特開2008-152581(JP,A)
【文献】特開2011-034295(JP,A)
【文献】特開2014-235555(JP,A)
【文献】特開2016-105261(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/30-21/46
G06F 21/60-21/88
G06Q 50/00-50/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設の監視および制御のために設けられる施設監視制御装置であって、
前記施設監視制御装置を操作可能な位置を含む領域を撮像することで得られる撮像画像の認識を実行し、当該撮像画像にユーザの顔が写りこんでいる場合に、当該ユーザを示すユーザ情報と、当該ユーザ情報で示される前記ユーザに対して予め設定された、前記施設の監視および制御のための監視制御操作の権限を示す操作レベルと、を特定する認識処理部と、
前記認識処理部により特定された前記ユーザ情報で示される前記ユーザに、前記認識処理部により特定された前記操作レベルで示される前記権限の範囲内で、前記監視制御操作の実行を許可する監視制御処理部と、
前記認識処理部により特定された前記ユーザ情報および前記操作レベルを対応付けて表示する認識結果表示画像を出力する表示処理部と、を備え
前記監視制御処理部は、前記認識処理部による前記撮像画像の認識により当該撮像画像に特定の物体が写りこんでいることが検出された場合、前記施設監視制御装置のメンテナンスのためのメンテナンス操作の実行を許可する、
施設監視制御装置。
【請求項2】
前記ユーザ情報と、前記操作レベルと、前記ユーザ情報で示される前記ユーザの前記顔に関する顔情報と、の対応関係が予め設定されたユーザ情報データベースをさらに備え、
前記認識処理部は、前記撮像画像の認識により当該撮像画像に写りこんでいる前記ユーザの前記顔に関する前記顔情報が取得された場合に、前記撮像画像から取得された前記顔情報と、前記ユーザ情報データベースに設定された前記顔情報と、の比較に基づいて、前記撮像画像から取得された前記顔情報に対応した前記ユーザ情報および前記操作レベルを特定する、
請求項1に記載の施設監視制御装置。
【請求項3】
前記監視制御処理部は、前記認識処理部が前記撮像画像からの前記顔情報の取得を失敗した場合、または、前記撮像画像から取得された前記顔情報が前記ユーザ情報データベースに設定されていない場合、前記監視制御操作の少なくとも一部を禁止する、
請求項2に記載の施設監視制御装置。
【請求項4】
前記認識処理部は、前記ユーザ情報として、前記ユーザに予め割り当てられた識別情報およびパスワードを特定し、
前記施設監視制御装置は、前記認識処理部により特定された前記識別情報、前記パスワード、および前記操作レベルに基づいて前記施設監視制御装置へのログインを実行するログイン処理部をさらに備え、
前記認識処理部は、前記ログインのためのログイン操作を前記ユーザが実行するごとに、前記撮像画像の認識と、前記識別情報、前記パスワード、および前記操作レベルの取得と、を実行する、
請求項1~のうちいずれか1項に記載の施設監視制御装置。
【請求項5】
前記認識処理部は、所定の時間間隔で、前記撮像画像の認識と、前記ユーザ情報および前記操作レベルの取得と、を繰り返し実行する、
請求項1~のうちいずれか1項に記載の施設監視制御装置。
【請求項6】
前記認識処理部は、前記ユーザが前記監視制御操作を実行するごとに、前記撮像画像の認識と、前記ユーザ情報および前記操作レベルの取得と、を実行する、
請求項1~のうちいずれか1項に記載の施設監視制御装置。
【請求項7】
前記ユーザ情報と、当該ユーザ情報で示される前記ユーザの前記監視制御操作の履歴を示す操作履歴と、の対応関係が予め設定された操作履歴データベースをさらに備え、
前記表示処理部は、前記操作履歴データベースに基づいて、前記認識処理部により特定された前記ユーザ情報に対応した前記操作履歴を取得し、取得された前記操作履歴に応じて、前記監視制御操作のための操作画像を出力する、
請求項1~のうちいずれか1項に記載の施設監視制御装置。
【請求項8】
施設の監視および制御のために設けられる施設監視制御装置を構成するコンピュータに、
前記施設監視制御装置を操作可能な位置を含む領域を撮像することで得られる撮像画像の認識を実行し、当該撮像画像にユーザの顔が写りこんでいる場合に、当該ユーザを示すユーザ情報と、当該ユーザ情報で示される前記ユーザに対して予め設定された、前記施設の監視および制御のための監視制御操作の権限を示す操作レベルと、を特定する認識ステップと、
前記認識ステップにより特定された前記ユーザ情報で示される前記ユーザに、前記認識ステップにより特定された前記操作レベルで示される前記権限の範囲内で、前記監視制御操作の実行を許可する監視制御ステップと、
前記認識ステップにより特定された前記ユーザ情報および前記操作レベルが表示された画像を出力する表示ステップと、を実行させ
前記監視制御ステップは、前記認識ステップによる前記撮像画像の認識により当該撮像画像に特定の物体が写りこんでいることが検出された場合、前記施設監視制御装置のメンテナンスのためのメンテナンス操作の実行を許可する、
施設監視制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、施設監視制御装置および施設監視制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
施設に設けられる各種の設備の監視および制御のために設けられる施設監視制御装置について従来から検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2009-514100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような施設監視制御装置においては、セキュリティの確保のため、施設監視制御装置を用いて実行可能な操作の権限を示す操作レベルがユーザ別に予め設定されることがある。このため、あるユーザが施設監視制御装置の操作を行う際に、当該ユーザを示すユーザ情報と、当該ユーザに対して予め設定された操作レベルと、の対応関係の確認を容易化することができれば有益である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態にかかる施設監視制御装置は、施設の監視および制御のために設けられる。施設監視制御装置は、認識処理部と、監視制御処理部と、表示処理部と、を備える。認識処理部は、施設監視制御装置を操作可能な位置を含む領域を撮像することで得られる撮像画像の認識を実行し、当該撮像画像にユーザの顔が写りこんでいる場合に、当該ユーザを示すユーザ情報と、当該ユーザ情報で示されるユーザに対して予め設定された、施設の監視および制御のための監視制御操作の権限を示す操作レベルと、を特定する。監視制御処理部は、認識処理部により特定されたユーザ情報で示されるユーザに、認識処理部により特定された操作レベルで示される権限の範囲内で、監視制御操作の実行を許可する。表示処理部は、認識処理部により特定されたユーザ情報および操作レベルを対応付けて表示する認識結果表示画像を出力する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、実施形態にかかる施設監視制御装置の機能を示した例示的かつ模式的なブロック図である。
図2図2は、実施形態にかかるユーザ情報データベースの構造を示した例示的かつ模式的な図である。
図3図3は、実施形態にかかる認識結果表示画像の一例を示した例示的かつ模式的な図である。
図4図4は、実施形態にかかる認識結果表示画像の図3とは異なる一例を示した例示的かつ模式的な図である。
図5図5は、実施形態にかかる認識結果表示画像の図3および図4とは異なる一例を示した例示的かつ模式的な図である。
図6図6は、実施形態にかかる操作履歴データベースの構造を示した例示的かつ模式的な図である。
図7図7は、実施形態にかかる施設監視制御装置が実行する処理の一例を示した例示的なフローチャートである。
図8図8は、実施形態にかかる施設監視装置を構成するコンピュータのハードウェア構成を示した例示的かつ模式的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて説明する。以下に記載する実施形態構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および効果は、あくまで一例であって、以下の記載内容に限られるものではない。
【0008】
図1は、実施形態にかかる施設監視制御装置100の機能を示した例示的かつ模式的なブロック図である。
【0009】
図1に示されるように、実施形態にかかる施設監視制御装置100は、ビルなどの施設に設けられる各種の設備200の監視および制御のための装置である。各種の設備200とは、たとえば、受変電設備、照明設備、空調設備、および動力設備などである。施設監視制御装置100は、ユーザ(施設の管理者)により行われる監視制御操作に応じて、施設内に設けられるローカルネットワーク300を介して、各種の設備200の監視および制御を実行する。
【0010】
施設監視制御装置100は、認識処理部110と、入力処理部120と、ログイン処理部130と、表示処理部140と、監視制御処理部150と、ユーザ情報データベース(DB)160と、操作履歴データベース170と、を備えている。
【0011】
認識処理部110は、施設監視制御装置100を操作可能な位置を含む領域を撮像することで得られる撮像画像をカメラ101から取得する。そして、認識処理部110は、撮像画像の認識を実行し、撮像画像にユーザの顔が写りこんでいるか否かを検出する。そして、認識処理部110は、撮像画像にユーザの顔が写り込んでいる場合に、当該ユーザを示すユーザ情報と、当該ユーザ情報で示されるユーザに対して予め設定された操作レベルと、を特定する。
【0012】
ここで、ユーザ情報とは、ユーザごとに予め割り当てられた識別情報(ユーザ名)およびパスワードを含む情報である。また、操作レベルとは、ユーザごとに予め決められた、設備の監視および制御のための監視制御操作の権限を示す情報である。操作レベルは、施設監視制御装置100により実現可能な処理モードに関わるという意味で、モードとも表現しうる。認識処理部110は、次の図2に示されるような構造を有するユーザ情報データベース160に基づいて、撮像画像に写り込んでいるユーザに対応したユーザ情報および操作レベルを特定する。
【0013】
図2は、実施形態にかかるユーザ情報データベース160の構造を示した例示的かつ模式的な図である。
【0014】
図2に示されるように、ユーザ情報データベース160には、ユーザ情報と、操作レベルと、顔情報と、の対応関係が予め設定されている。ユーザ情報データベース160に設定された顔情報は、対応するユーザ情報で示されるユーザの顔に関する情報、たとえば顔の特徴を示す情報である。
【0015】
認識処理部110は、撮像画像の認識により当該撮像画像に写りこんでいるユーザの顔に関する顔情報が検出された場合に、ユーザ情報データベース160を参照する。そして、認識処理部110は、撮像画像から取得された顔情報と、ユーザ情報データベース160に設定された顔情報と、の比較に基づいて、撮像画像から取得された顔情報に対応したユーザ情報および操作レベルを特定する。
【0016】
ここで、実施形態では、撮像画像に複数のユーザが写り込んでいる場合も想定される。この場合、認識処理部110は、たとえばカメラ101に最も近い位置に存在すると推定されるユーザの顔情報に基づいて、ユーザ情報データベース160を参照してもよいし、複数のユーザに対して予め決められた優先順位が最も高いユーザの顔情報に基づいて、ユーザ情報データベース160を参照してもよい。
【0017】
また、実施形態では、撮像画像から取得された顔情報からユーザの表情を検出し、検出した表情を制御に利用することができる。この場合、たとえば、認識処理部110は、撮像画像から取得された顔情報から検出されたユーザの表情が眠そうな表情に該当する場合は、当該ユーザに与える監視制御操作の権限の範囲を狭めるように、ユーザ情報データベース160から特定された操作レベルを下げてもよい。
【0018】
なお、実施形態では、撮像画像の認識という自動の処理に応じたユーザ情報および操作レベルの特定のみならず、ユーザの手動の入力操作に応じたユーザ情報および操作レベルの特定も実行されうる。
【0019】
すなわち、図1に戻り、入力処理部120は、入力装置102を用いてユーザが手動で入力したユーザ情報を取得する。そして、入力処理部120は、ユーザが手動で入力したユーザ情報に基づいてユーザ情報データベース160を参照し、ユーザが手動で入力したユーザ情報に対応した操作レベルを特定する。
【0020】
そして、ログイン処理部130は、ユーザにより所定のログイン操作が行われ、かつ認識処理部110または入力処理部120によりユーザ情報(識別情報およびパスワード)および操作レベルが特定された場合に、特定されたユーザ情報および操作レベルに基づいて、施設監視制御装置100へのログインを実行する。
【0021】
そして、監視制御処理部150は、ログイン処理部130によるログインに応じて、認識処理部110または入力処理部120により特定されたユーザ情報で示されるユーザに、特定された操作レベルで示される権限の範囲内で、監視制御操作の実行を許可する。また、監視制御処理部150は、認識処理部110が撮像画像からの顔情報の取得を失敗した場合、または、撮像画像から取得された顔情報がユーザ情報データベース160に設定されていない場合、ユーザの不在に応じて監視制御操作の受け付けを禁止するための不在モードにより、監視制御操作の少なくとも一部を禁止する。
【0022】
ここで、実施形態において、認識処理部110による認識は、(1)ユーザによるログイン操作が実行されること、(2)ログイン後に監視制御操作が実行されること、(3)前回の認識から所定の時間間隔が経過すること、という3つの条件のうち少なくともいずれかが成立した場合に自動で実行される。
【0023】
すなわち、実施形態において、認識処理部110は、ユーザがログイン操作を実行するごとに、撮像画像の認識と、ユーザ情報および操作レベルの取得と、を実行しうる。また、認識処理部110は、所定の時間間隔で、撮像画像の認識と、ユーザ情報および操作レベルの取得と、を繰り返し実行しうる。また、認識処理部110は、ユーザが監視制御操作を実行するごとに、撮像画像の認識と、ユーザ情報および操作レベルの取得と、を実行しうる。
【0024】
また、実施形態において、表示処理部140は、認識処理部110によりユーザ情報および操作レベルが特定された場合、特定されたユーザ情報および操作レベルを対応付けて表示する認識結果表示画像を、ディスプレイ103に出力する。認識結果表示画像は、たとえば下記の図3図5に示されるような態様で出力される。
【0025】
図3は、実施形態にかかる認識結果表示画像の一例を示した例示的かつ模式的な図である。
【0026】
図3に示される画像IM300は、ログイン処理部130によるログインの際にディスプレイ103に出力されうる認識結果表示画像の一例である。画像IM300は、ユーザ情報が表示される領域R310と、操作レベルが表示される領域R320と、を含んでいる。また、領域R310は、ユーザ情報のうちの識別情報(ユーザ名)が表示される領域R311と、ユーザ情報のうちのパスワードが表示される領域R312と、を含んでいる。
【0027】
実施形態において、表示処理部140は、認識処理部110または入力処理部120によりユーザ情報および操作レベルがまだ特定されていない場合、領域R310およびR320がブランクとなっている画像IM300を出力する(図3の(A)参照)。そして、表示処理部140は、ユーザ情報および操作レベルが特定された場合、ログイン処理部130によるログインに応じて、特定されたユーザ情報および操作レベルが領域R310およびE320に表示された画像IM300を出力する(図3の(B)参照)。これにより、ユーザは、画像IM300を見ることで、認識処理部110による認識が正しく実行された否かを容易に確認することができる。そして、ユーザは、認識処理部110による認識が正しく実行されていない場合、入力装置102を用いて、ユーザ情報を適宜修正することができる。
【0028】
なお、実施形態では、ログイン処理部130によるログインの際にディスプレイ103に出力されうる認識結果表示画像として、次の図4に示される例も考えられる。
【0029】
図4は、実施形態にかかる認識結果表示画像の図3とは異なる一例を示した例示的かつ模式的な図である。
【0030】
図4に示される画像IM400においては、認識処理部110による認識の対象となっているユーザを示す枠F400が、カメラから取得される撮像画像に重畳されている。そして、枠F400の周辺には、ユーザ情報(ユーザ名のみ)と操作レベルとが表示されている。この画像IM400によっても、上記の画像IM300(図3参照)と同様の効果を得ることができる。すなわち、ユーザは、画像IM400を見ることで、認識処理部110による認識が正しく実行された否かを容易に確認することができる。
【0031】
なお、実施形態において、認識結果表示画像が出力されるタイミングは、ログイン処理部130によるログインの際に限られるものではない。認識結果表示画像は、たとえばログイン処理部130によるログインが実行された後にも出力されうる。この場合、次の図5に示されるような認識結果表示画像が出力されうる。
【0032】
図5は、実施形態にかかる認識結果表示画像の図3および図4とは異なる一例を示した例示的かつ模式的な図である。
【0033】
図5に示される画像IM500は、ログイン処理部130によるログインが実行された後に、たとえば監視制御操作を実行するための操作画像とともにディスプレイ103に出力される。画像IM500は、ユーザ情報(ユーザ名のみ)が表示される領域R501と、操作レベルが表示される領域R502と、を含んでいる。これにより、ユーザは、画像IM500を見ることで、ログイン処理部130によるログインが正しく実行された否かを容易に確認することができる。
【0034】
なお、実施形態において、監視制御処理部150は、ログイン処理部130によるログインの完了後、ユーザにより監視制御操作が実行された場合、当該監視制御操作の履歴を示す操作履歴を、ユーザ情報とともに、次の図6に示されるような構造を有する操作履歴データベース170に記録する。
【0035】
図6は、実施形態にかかる操作履歴データベース170の構造を示した例示的かつ模式的な図である。
【0036】
図6に示されるように、操作履歴データベース170には、ユーザ情報と、操作履歴と、の対応関係が設定される。操作履歴データベース170によれば、過去に実行された監視制御操作の内容をユーザ別に把握することができる。また、操作履歴データベース170は、ログインの完了後にユーザの監視制御操作を受け付けるために提供される操作画像の内容の決定にも利用することができる。
【0037】
すなわち、実施形態において、表示処理部140は、操作履歴データベース170に基づいて、認識処理部110(または入力処理部120)により特定されたユーザ情報に対応した操作履歴を取得し、取得された操作履歴に応じて、監視制御操作のための操作画像をディスプレイ103に出力しうる。たとえば、表示処理部140は、施設監視制御装置100を操作するユーザが別のユーザに切り替わった場合、当該別のユーザの操作履歴に基づいて、当該別のユーザが直近に見ていた操作画像を出力しうる。
【0038】
ところで、上記の説明では、認識処理部110による認識の対象がユーザの顔である例が記載されている。しかしながら、実施形態において、認識処理部110による認識の対象は、ユーザの顔に限られるものではない。
【0039】
たとえば、実施形態では、施設監視制御装置100のメンテナンスの便宜のため、たとえば施設監視制御装置100のメンテナンスを請け負う事業会社の社員証のような特定の物体も、認識処理部110による認識の対象となりうる。この場合、監視制御処理部150は、認識処理部110による撮像画像の認識により当該撮像画像に特定の物体が写りこんでいることが検出された場合、施設監視制御装置100のメンテナンスのための専用のテストモードにより、メンテナンス操作の実行を許可する。
【0040】
以上の構成に基づき、実施形態にかかる施設監視制御装置100は、一例として、次の図7に示されるような流れで処理を実行する。
【0041】
図7は、実施形態にかかる施設監視制御装置100が実行する処理の一例を示した例示的なフローチャートである。
【0042】
図7に示されるように、実施形態では、まず、S701において、認識処理部110は、カメラ101から撮像画像を取得する。
【0043】
そして、S702において、認識処理部110は、S701で取得された撮像画像の認識を実行する。
【0044】
そして、S703において、認識処理部110は、S702における認識が成功したか否か、すなわちユーザの顔に関する顔情報および上述したメンテナンスの便宜のための特定の物体を示す情報のうちいずれかが撮像画像から取得されたか否かを判定する。
【0045】
S703において、認識が失敗したと判定された場合、S704に処理が進む。そして、S704において、監視制御処理部150は、ユーザの不在に応じて監視制御操作の受け付けを禁止するための不在モードにより、監視制御装置の少なくとも一部を禁止する。そして、処理が終了する。
【0046】
一方、S703において、認識が成功したと判定された場合、S705に処理が進む。そして、S705において、認識処理部110は、撮像画像から顔情報が取得されたか否かを判定する。
【0047】
S705において、撮像画像から顔情報が取得されていないと判定された場合、すなわち撮像画像から上述したメンテナンスの便宜のための特定の物体を示す情報が取得されたと判定された場合、S706に処理が進む。そして、S706において、監視制御処理部150は、施設監視制御装置100のメンテナンスのための専用のテストモードにより、メンテナンス操作の実行を許可する。そして、処理が終了する。
【0048】
しかしながら、S705において、撮像画像から顔情報が取得されたと判定された場合、S707に処理が進む。そして、S707において、認識処理部110は、顔情報に基づいてユーザ情報データベース160を参照する。
【0049】
そして、S708において、認識処理部110は、撮像画像から取得された顔情報に対応する顔情報がユーザ情報データベース160に記録されているか否かを判定する。
【0050】
S708において、撮像画像から取得された顔情報に対応する顔情報がユーザ情報データベース160に記録されていないと判定された場合、上記のS704に処理が進む。一方、S708において、撮像画像から取得された顔情報に対応する顔情報がユーザ情報データベース160に記録されていると判定された場合、S709に処理が進む。
【0051】
そして、S709において、表示処理部140は、ユーザ情報データベース160に基づいて認識処理部110により特定されたユーザ情報および操作レベルを対応付けて表示する認識結果表示画像をディスプレイ103に出力する。
【0052】
そして、S710において、ログイン処理部130は、ユーザ情報データベース160に基づいて認識処理部110により特定されたユーザ情報および操作レベルに基づいて、ログインを実行する。
【0053】
そして、S711において、表示処理部140は、施設監視制御装置100を操作するユーザが別のユーザに切り替わったか否か、すなわち認識処理部110により今回特定されたユーザ情報が前回特定されたユーザ情報と違うか否かを判定する。
【0054】
S711において、今回特定されたユーザ情報が前回特定されたユーザ情報と違うと判定された場合、S712に処理が進む。そして、S712において、表示処理部140は、操作履歴データベース170を参照し、今回特定されたユーザ情報に対応した操作履歴を取得する。
【0055】
そして、S713において、表示処理部140は、操作履歴データベース170から取得された操作履歴に応じた操作画像、たとえば今回特定されたユーザ情報で示されるユーザが直近に見ていた操作画像をディスプレイ103に出力する。
【0056】
S713の処理が完了すると、S714に処理が進む。また、S711において、今回特定されたユーザ情報が前回特定されたユーザ情報と同じと判定された場合も、S714に処理が進む。
【0057】
S714において、監視制御処理部150は、ユーザにより実行された監視制御操作に応じて、当該ユーザに対して予め設定された権限の範囲内で、各設備200の監視および制御を実行する。
【0058】
そして、S705において、監視制御処理部150は、ユーザにより実行された監視制御操作の履歴を、当該ユーザを示すユーザ情報とともに操作履歴データベース170に記録する。このようにして、実施形態にかかる施設監視制御装置100により実行される一連の処理が終了する。
【0059】
最後に、実施形態にかかる施設監視制御装置100のハードウェア構成について説明する。実施形態にかかる施設監視制御装置100は、たとえば次の図14に示されるようなハードウェア構成を有するコンピュータ800として構成される。
【0060】
図8は、実施形態にかかる施設監視制御装置100を構成するコンピュータ800のハードウェア構成の例を示した例示的かつ模式的なブロック図である。
【0061】
図8に示されるように、コンピュータ800は、プロセッサ810と、メモリ820と、ストレージ830と、入出力インターフェース(I/F)840と、通信インターフェース(I/F)850と、を備えている。これらのハードウェアは、バス860に接続されている。
【0062】
プロセッサ810は、たとえばCPU(Central Processing Unit)として構成され、コンピュータ800の各部の動作を統括的に制御する。
【0063】
メモリ820は、たとえばROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を含み、プロセッサ810により実行されるプログラムなどの各種のデータの揮発的または不揮発的な記憶、およびプロセッサ810がプログラムを実行するための作業領域の提供などを実現する。
【0064】
ストレージ830は、たとえばHDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)を含み、各種のデータを不揮発的に記憶する。
【0065】
入出力インターフェース840は、カメラ101および入力装置102からコンピュータ800へのデータの入力と、たとえばコンピュータ800からディスプレイ103へのデータの出力と、を制御する。
【0066】
通信インターフェース850は、コンピュータ800が他の装置と通信を実行することを可能にする。
【0067】
実施形態において、施設監視制御装置100が有する図1に示される各構成は、プロセッサ810がメモリ820またはストレージ830などに記憶された施設監視制御プログラムを実行した結果として、ハードウェアとソフトウェアとの協働による機能モジュールとして実現される。ただし、実施形態では、図1に示される機能モジュール群のうち少なくとも一部が、専用のハードウェアのみによって実現されてもよい。
【0068】
なお、上述した実施形態にかかる施設監視制御プログラムは、必ずしもメモリ820またはストレージ830に予め記憶されている必要はない。たとえば、上述した実施形態にかかる施設監視制御プログラムは、フレキシブルディスク(FD)のような各種の磁気ディスク、またはDVD(Digital Versatile Disk)のような各種の光ディスクなどといった、コンピュータで読み取り可能な記録媒体にインストール可能な形式または実行可能な形式で記録されたコンピュータプログラムプロダクトとして提供されてもよい。
【0069】
また、上述した実施形態にかかる施設監視制御プログラムは、インターネットなどのネットワーク経由で提供または配布されてもよい。すなわち、上述した実施形態にかかる施設監視制御プログラムは、は、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納された状態で、ネットワーク経由でのダウンロードを受け付ける、といった形で提供されてもよい。
【0070】
以上説明したように、実施形態にかかる施設監視制御装置100は、施設に設けられる各種の設備200の監視および制御のために設けられる。施設監視制御装置100は、認識処理部110と、監視制御処理部150と、表示処理部140と、を備える。認識処理部110は、施設監視制御装置100を操作可能な位置を含む領域を撮像することで得られる撮像画像の認識を実行し、当該撮像画像にユーザの顔が写りこんでいる場合に、当該ユーザを示すユーザ情報と、当該ユーザ情報で示されるユーザに対して予め設定された、施設の監視および制御のための監視制御操作の権限を示す操作レベルと、を特定する。
【0071】
そして、監視制御処理部150は、認識処理部110により特定されたユーザ情報で示されるユーザに、認識処理部110により特定された操作レベルで示される権限の範囲内で、監視制御操作の実行を許可する。そして、表示処理部140は、認識処理部110により特定されたユーザ情報および操作レベルを対応付けて表示する認識結果表示画像をディスプレイ103に出力する。このような構成によれば、施設監視制御装置100を操作するユーザを示すユーザ情報と当該ユーザに対して予め設定された操作レベルとの対応関係の確認を容易化することができる。
【0072】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上述した新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上述した実施形態およびその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0073】
100 施設監視制御装置
110 認識処理部
130 ログイン処理部
140 表示処理部
150 監視制御処理部
160 ユーザ情報データベース
170 操作履歴データベース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8