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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】タービンエンジンからの発電
(51)【国際特許分類】
   H02K 7/18 20060101AFI20240502BHJP
   F01D 15/10 20060101ALI20240502BHJP
   F02C 6/00 20060101ALI20240502BHJP
   H02K 19/26 20060101ALI20240502BHJP
   H02K 19/36 20060101ALI20240502BHJP
【FI】
H02K7/18 Z
F01D15/10 A
F02C6/00 B
H02K19/26 A
H02K19/36 Z
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020139208
(22)【出願日】2020-08-20
(65)【公開番号】P2021061734
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2023-05-17
(31)【優先権主張番号】16/560,550
(32)【優先日】2019-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 智和
(72)【発明者】
【氏名】シェンイー リュー
【審査官】中島 亮
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0277976(US,A1)
【文献】特表2013-509525(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0286516(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0328668(US,A1)
【文献】特開2010-242503(JP,A)
【文献】特表2016-532044(JP,A)
【文献】特開平07-197852(JP,A)
【文献】特開2015-114989(JP,A)
【文献】特開2017-208888(JP,A)
【文献】特開平09-013989(JP,A)
【文献】国際公開第2017/199981(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0002025(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 7/00- 7/20
F01D 15/10
F02C 6/00
H02K 19/26
H02K 19/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービンエンジンの第1スプールシャフトに設けられるとともに、第1磁場を放出する永久磁石と、
前記第1磁場内に配置されるように、前記タービンエンジンの第2スプールシャフトに接続された第1電機子巻線と、
前記第1スプールシャフトが前記第2スプールシャフトに対して回転すると、これに伴って回転する第2磁場を生成するように、前記第2スプールシャフトに設けられたメイン界磁巻線と、
前記第1スプールシャフトに設けられるとともに、前記第1スプールシャフトが前記第2スプールシャフトに対して回転すると、少なくとも所定周波数の第3磁場を生成すべく、前記第2磁場を受信して共振エミッタに電力入力を供給するように配置された第2電機子巻線と、
前記タービンエンジンの筐体に設けられるとともに、前記第3磁場を受信して、前記第3磁場を電力出力に変換するように配置された共振レシーバと、を含む、システム。
【請求項2】
前記第1スプールシャフトは高圧シャフトであり、前記第2スプールシャフトは、低圧シャフトであり、前記高圧シャフトは、前記低圧シャフトが回転する第2速度よりも速い第1速度で回転する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1スプールシャフトは低圧シャフトであり、前記第2スプールシャフトは、高圧シャフトであり、前記高圧シャフトは、前記低圧シャフトが回転する第2速度よりも速い第1速度で回転する、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第2スプールシャフトにおいて前記第1電機子巻線と前記メイン界磁巻線との間に設けられた整流回路をさらに含み、前記整流回路は、前記第1磁場によって生成された前記第1電機子巻線からの多相交流を前記メイン界磁巻線の電力入力に変換して前記第2磁場を生成する、請求項1~3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
前記第2電機子巻線と前記共振エミッタとの間に設けられた高周波変換器をさらに含み、前記高周波変換器は、前記第2電機子巻線により受信される前記第2磁場よりも高い周波数で前記電力入力を前記共振エミッタに供給し、
前記高周波変換器の周波数は、前記第1スプールシャフトと前記第2スプールシャフトとの間の回転速度の差よりも大きく、前記共振エミッタと前記共振レシーバとの間の電力伝達効率に基づいている、請求項1~4のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
前記電力出力は、前記第2電機子巻線で規定された相数に基づく複数の電気位相を含む、請求項1~5のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
前記筐体内に設けられるとともに、ビークルの配電バスに接続された電力制御ユニットをさらに含む、請求項1~6のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
上流端における空気取入口、前記空気取入口の下流における圧縮セクション、前記圧縮セクションの下流における燃焼セクション、前記燃焼セクションの下流におけるタービンセクション、及び下流端における排気口、を有する筐体と、
前記圧縮セクションの第1コンプレッサ、及び前記タービンセクションの第1タービンに接続されるとともに、第1回転速度で回転するよう構成された第1シャフトと、
前記圧縮セクションの第2コンプレッサ、及び前記タービンセクションの第2タービンに接続され、且つ前記第1シャフトと同軸に延在するとともに、第2回転速度で回転するよう構成された第2シャフトと、
前記第1シャフト及び前記第2シャフトのうちの一方に接続された第1電機子巻線と、
第1磁場を放出する永久磁石であって、前記第1磁場は、前記第1回転速度と前記第2回転速度との間の差に対応する差動回転速度で前記第1電機子巻線に対して回転するとともに、前記第1電機子巻線に第1電流を誘起するよう作用する、永久磁石と、
前記第1電機子巻線に接続されるとともに、前記第1電流により電力を供給されると第2磁場を放出するよう構成された第1電磁石と、
前記第1シャフト及び前記第2シャフトのうち前記第1電機子巻線に接続されていない方のシャフトに接続されるとともに、前記差動回転速度で前記第1電磁石に対して回転し、前記第2磁場によって第2電流を誘起するよう構成された第2電機子巻線と、
前記第2電機子巻線に接続されるとともに、前記第2電流によって電力を供給されると少なくとも所定周波数の第3磁場を生成するよう構成された共振エミッタと、
記筐体に設けられるとともに、前記第3磁場を受信して、前記第3磁場を電力出力に変換するように配置された共振レシーバと、を含む、タービンエンジン。
【請求項9】
前記圧縮セクションにおいて前記第1コンプレッサ及び前記第2コンプレッサの下流にて第3コンプレッサに接続されるとともに、前記タービンセクションにおいて前記第1タービン及び前記第2タービンの上流にて第3タービンに接続される第3シャフトをさらに含み、前記第3シャフトは、前記第2シャフトと同軸に延在するとともに、前記第1回転速度及び前記第2回転速度よりも速い第3回転速度で回転するよう構成されている、請求項8に記載のタービンエンジン。
【請求項10】
前記第3シャフト及び前記第2シャフトのうちの一方に接続された二次第1電機子巻線と、
二次第1磁場を放出する二次永久磁石であって、前記二次第1磁場は、前記第3回転速度と前記第2回転速度との間の二次的な差に対応する二次差動回転速度で前記二次第1電機子巻線に対して回転するとともに、前記二次第1電機子巻線に二次第1電流を誘起するよう作用する、二次永久磁石と、
前記二次第1電機子巻線に接続されるとともに、前記二次第1電流により電力を供給されると二次第2磁場を放出するよう構成された二次第1電磁石と、
前記第3シャフト及び前記第2シャフトのうち前記二次第1電機子巻線に接続されていない方のシャフトに接続されるとともに、前記二次差動回転速度で前記二次第1電磁石に対して回転し、前記二次第2磁場によって二次第2電流を誘起するよう構成された二次第2電機子巻線と、
前記二次第2電機子巻線に接続されるとともに、前記二次第2電流によって電力を供給されると少なくとも所定の二次周波数の二次第3磁場を生成するよう構成された二次共振エミッタと、
前記タービンエンジンの前記筐体に設けられるとともに、前記二次第3磁場を受信して、前記二次第3磁場を二次電力出力に変換するように配置された二次共振レシーバと、をさらに含む、請求項9に記載のタービンエンジン。
【請求項11】
前記圧縮セクションにおいて前記第1コンプレッサ及び前記第2コンプレッサの上流にて第3コンプレッサに接続されるとともに、前記タービンセクションにおいて前記第1タービン及び前記第2タービンの下流にて第3タービンに接続される第3シャフトをさらに含み、前記第3シャフトは、前記第2シャフトと同軸に延在するとともに、前記第1回転速度及び前記第2回転速度よりも遅い第3回転速度で回転するよう構成されている、請求項8に記載のタービンエンジン。
【請求項12】
前記第3シャフト及び前記第2シャフトのうちの一方に接続された二次第1電機子巻線と、
二次第1磁場を放出する二次永久磁石であって、前記二次第1磁場は、前記第3回転速度と前記第2回転速度との間の二次的な差に対応する二次差動回転速度で前記二次第1電機子巻線に対して回転するとともに、前記二次第1電機子巻線に二次第1電流を誘起するよう作用する、二次永久磁石と、
前記二次第1電機子巻線に接続されるとともに、前記二次第1電流により電力を供給されると二次第2磁場を放出するよう構成された二次第1電磁石と、
前記第3シャフト及び前記第2シャフトのうち前記二次第1電機子巻線に接続されていない方のシャフトに接続されるとともに、前記二次差動回転速度で前記二次第1電磁石に対して回転し、前記二次第2磁場によって二次第2電流を誘起するよう構成された二次第2電機子巻線と、
前記二次第2電機子巻線に接続されるとともに、前記二次第2電流によって電力を供給されると少なくとも所定の二次周波数の二次第3磁場を生成するよう構成された二次共振エミッタと、
前記タービンエンジンの前記筐体に設けられるとともに、前記二次第3磁場を受信して、前記二次第3磁場を二次電力出力に変換するように配置された二次共振レシーバと、をさらに含む、請求項11に記載のタービンエンジン。
【請求項13】
前記筐体が配置されたバイパス流チャンバを画定するナセルと、
前記バイパス流チャンバに配置されるとともに前記筐体から延びるビークルの配電バスに、前記共振レシーバを電気的に接続する伝達ケーブルと、をさらに含む、請求項8に記載のタービンエンジン。
【請求項14】
前記筐体の外部において前記バイパス流チャンバ内に設けられるとともに、前記共振レシーバと前記伝達ケーブルとの間に電気的に接続された電力制御ユニットをさらに含む、請求項13に記載のタービンエンジン。
【請求項15】
前記共振エミッタは、
所定数の相巻線を有するとともに、対応する相数で前記第3磁場を放出する多相電機子巻線と、
前記多相電機子巻線と前記第2電機子巻線との間に配置されるとともに、前記第2電流を少なくとも前記所定周波数にアップコンバートするよう構成された高周波変換器と、をさらに含む、請求項14に記載のタービンエンジン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の態様は、概して、タービンエンジンからの電気エネルギーの生成に関する。より具体的には、本開示は、航空機及び他のビークルで使用可能なタービンエンジンからの機械エネルギーを電気エネルギーに変換し、電磁場を介して当該電気エネルギーを関連するビークルに伝達することに関する。
【背景技術】
【0002】
様々なビークルが、様々なエンジンの組み合わせを利用して、これらのビークルにおける推進力や操縦制御を実現している。例えば、航空機は、ジェットやプロペラに動力を供給するために、タービンを組み込んだエンジンを使用する場合がある。タービンエンジンは、推進力、及び空気/ガスの圧縮を実現するために、複数の回転コンポーネントを含む。タービンエンジンの回転コンポーネントに接続された発電機は、機械的な回転エネルギーを抽出して、当該回転エネルギーを電気エネルギーに変換することができる。変換された電気エネルギーは、関連するビークルの様々な機上システムに動力を供給するために使用される。回転エンジンコンポーネントから回転エネルギーを抽出するために使用される物理コンポーネントは、タービンエンジン内の温度、回転速度、及び空気流により、個々のパーツが摩耗するため、また、他のエンジンコンポーネントの信頼性に影響を与えるのを避けるために、頻繁に交換されうる。さらに、タービンエンジンにおけるエネルギー抽出コンポーネントの位置により、修理及び交換を行うのが困難であったり時間がかかったりする場合がある。
【発明の概要】
【0003】
本開示の一態様においては、システムが提供される。このシステムは、タービンエンジンの第1スプールシャフトに設けられるとともに、第1磁場を放出する永久磁石と、前記第1磁場内に配置されるように、前記タービンエンジンの第2スプールシャフトに接続された第1電機子巻線と、前記第1スプールシャフトが前記第2スプールシャフトに対して回転すると、これに伴って回転する第2磁場を生成するように、前記第2スプールシャフトに設けられたメイン界磁巻線と、前記第1スプールシャフトに設けられるとともに、前記第1スプールシャフトが前記第2スプールシャフトに対して回転すると、少なくとも所定周波数の第3磁場を生成すべく、前記第2磁場を受信して共振エミッタに電力入力を供給するように配置された第2電機子巻線と、前記タービンエンジンの筐体に設けられるとともに、前記第3磁場を受信して、前記第3磁場を電力出力に変換するように配置された共振レシーバと、を含む。
【0004】
上記又は下記の例示的なシステムと組み合わせられる様々な態様において、前記第1スプールシャフトは高圧シャフトであり、前記第2スプールシャフトは、低圧シャフトであり、前記高圧シャフトは、前記低圧シャフトが回転する第2速度よりも速い第1速度で回転する。上記又は下記の例示的なシステムと組み合わせられる他の態様において、前記第1スプールシャフトは低圧シャフトであり、前記第2スプールシャフトは、高圧シャフトであり、前記高圧シャフトは、前記低圧シャフトが回転する第2速度よりも速い第1速度で回転する。
【0005】
上記又は下記の例示的なシステムと組み合わせられる一態様において、前記システムは、前記第2スプールシャフトにおいて前記第1電機子巻線と前記メイン界磁巻線との間に設けられた整流回路をさらに含み、前記整流回路は、前記第1磁場によって生成された前記第1電機子巻線からの多相交流を前記メイン界磁巻線の電力入力に変換して前記第2磁場を生成する。
【0006】
上記又は下記の例示的なシステムと組み合わせられる一態様において、前記システムは、前記第2電機子巻線と前記共振エミッタとの間に設けられた高周波変換器をさらに含み、前記高周波変換器は、前記第2電機子巻線により受信される前記第2磁場よりも高い周波数で前記電力入力を前記共振エミッタに供給する。このような態様のいくつかにおいて、前記高周波は、前記第1スプールシャフトと前記第2スプールシャフトとの間の回転速度の差よりも大きく、前記共振エミッタと前記共振レシーバとの間の電力伝達効率に基づいている。
【0007】
上記又は下記の例示的なシステムと組み合わせられる一態様において、前記電力出力は、前記第2電機子巻線で規定された相数に基づく複数の電気位相を含む。
【0008】
上記又は下記の例示的なシステムと組み合わせられる一態様において、前記システムは、前記筐体内に設けられるとともに、ビークルの配電バスに接続された電力制御ユニットをさらに含む。
【0009】
本開示の一態様においては、タービンエンジンが提供される。前記タービンエンジンは、上流端における空気取入口、前記空気取入口の下流における圧縮セクション、前記圧縮セクションの下流における燃焼セクション、前記燃焼セクションの下流におけるタービンセクション、及び下流端における排気口、を有する筐体と、前記圧縮セクションの第1コンプレッサ、及び前記タービンセクションの第1タービンに接続されるとともに、第1回転速度で回転するよう構成された第1シャフトと、前記圧縮セクションの第2コンプレッサ、及び前記タービンセクションの第2タービンに接続され、且つ前記第1シャフトと同軸に延在するとともに、第2回転速度で回転するよう構成された第2シャフトと、前記第1シャフト及び前記第2シャフトのうちの一方に接続された第1電機子巻線と、第1磁場を放出する永久磁石であって、前記第1磁場は、前記第1回転速度と前記第2回転速度との間の差に対応する差動回転速度で前記第1電機子巻線に対して回転するとともに、前記第1電機子巻線に第1電流を誘起するよう作用する、永久磁石と、前記第1電機子巻線に接続されるとともに、前記第1電流により電力を供給されると第2磁場を放出するよう構成された第1電磁石と、前記第1シャフト及び前記第2シャフトのうち前記第1電機子巻線に接続されていない方のシャフトに接続されるとともに、前記差動回転速度で前記第1電磁石に対して回転し、前記第2磁場によって前記第2電機子巻線に第2電流を誘起するよう構成された第2電機子巻線と、前記第2電機子巻線に接続されるとともに、前記第2電流によって電力を供給されると少なくとも所定周波数の第3磁場を生成するよう構成された共振エミッタと、前記タービンエンジンの前記筐体に設けられるとともに、前記第3磁場を受信して、前記第3磁場を電力出力に変換するように配置された共振レシーバと、を含む。
【0010】
上記又は下記の例示的なシステムと組み合わせられる様々な態様において、前記タービンエンジンは、前記圧縮セクションにおいて前記第1コンプレッサ及び前記第2コンプレッサの下流にて第3コンプレッサに接続されるとともに、前記タービンセクションにおいて前記第1タービン及び前記第2タービンの上流にて第3タービンに接続される第3シャフトをさらに含み、前記第3シャフトは、前記第2シャフトと同軸に延在するとともに、前記第1回転速度及び前記第2回転速度よりも速い第3回転速度で回転するよう構成されている。このような態様のいくつかにおいて、前記タービンエンジンは、前記第3シャフト及び前記第2シャフトのうちの一方に接続された二次第1電機子巻線と、二次第1磁場を放出する二次永久磁石であって、前記二次第1磁場は、前記第3回転速度と前記第2回転速度との間の二次的な差に対応する二次差動回転速度で前記二次第1電機子巻線に対して回転するとともに、前記二次第1電機子巻線に二次第1電流を誘起するよう作用する、二次永久磁石と、前記二次第1電機子巻線に接続されるとともに、前記二次第1電流により電力を供給されると二次第2磁場を放出するよう構成された二次第1電磁石と、前記第3シャフト及び前記第2シャフトのうち前記二次第1電機子巻線に接続されていない方のシャフトに接続されるとともに、前記二次差動回転速度で前記二次第1電磁石に対して回転し、前記二次第2磁場によって前記二次第2電機子巻線に二次第2電流を誘起するよう構成された二次第2電機子巻線と、前記二次第2電機子巻線に接続されるとともに、前記二次第2電流によって電力を供給されると少なくとも所定の二次周波数の二次第3磁場を生成するよう構成された二次共振エミッタと、前記タービンエンジンの前記筐体に設けられるとともに、前記二次第3磁場を受信して、前記二次第3磁場を二次電力出力に変換するように配置された二次共振レシーバと、をさらに含む。他の態様においては、上記又は下記の例示的なタービンエンジンと組み合わせて、前記タービンエンジンは、前記圧縮セクションにおいて前記第1コンプレッサ及び前記第2コンプレッサの上流にて第3コンプレッサに接続されるとともに、前記タービンセクションにおいて前記第1タービン及び前記第2タービンの下流にて第3タービンに接続される第3シャフトをさらに含み、前記第3シャフトは、前記第2シャフトと同軸に延在するとともに、前記第1回転速度及び前記第2回転速度よりも遅い第3回転速度で回転するよう構成されている。このような態様のいくつかにおいて、前記タービンエンジンは、前記第3シャフト及び前記第2シャフトのうちの一方に接続された二次第1電機子巻線と、二次第1磁場を放出する二次永久磁石であって、前記二次第1磁場は、前記第3回転速度と前記第2回転速度との間の二次的な差に対応する二次差動回転速度で前記二次第1電機子巻線に対して回転するとともに、前記二次第1電機子巻線に二次第1電流を誘起するよう作用する、二次永久磁石と、前記二次第1電機子巻線に接続されるとともに、前記二次第1電流により電力を供給されると二次第2磁場を放出するよう構成された二次第1電磁石と、前記第3シャフト及び前記第2シャフトのうち前記二次第1電機子巻線に接続されていない方のシャフトに接続されるとともに、前記二次差動回転速度で前記二次第1電磁石に対して回転し、前記二次第2磁場によって前記二次第2電機子巻線に二次第2電流を誘起するよう構成された二次第2電機子巻線と、前記二次第2電機子巻線に接続されるとともに、前記二次第2電流によって電力を供給されると少なくとも所定の二次周波数の二次第3磁場を生成するよう構成された二次共振エミッタと、前記タービンエンジンの前記筐体に設けられるとともに、前記二次第3磁場を受信して、前記二次第3磁場を二次電力出力に変換するように配置された二次共振レシーバと、をさらに含む。
【0011】
上記又は下記の例示的なタービンエンジンと組み合わせられる一態様において、前記タービンエンジンは、前記筐体が配置されたバイパス流チャンバを画定するナセルと、前記バイパス流チャンバに配置されるとともに前記筐体から延びるビークルの配電バスに、前記共振レシーバを電気的に接続する伝達ケーブルと、をさらに含む。このような態様のいくつかにおいて、前記タービンエンジンは、電力制御ユニットをさらに含み、当該電力制御ユニットは、前記筐体の外部において前記バイパス流チャンバ内に設けられるとともに、前記共振レシーバと前記伝達ケーブルとの間に電気的に接続されている。このような態様のいくつかにおいて、前記共振エミッタは、所定数の相巻線を有するとともに、対応する相数で前記第3磁場を放出する多相電機子巻線と、前記多相電機子巻線と前記第2電機子巻線との間に配置されるとともに、前記第2電流を少なくとも前記所定周波数にアップコンバートするよう構成された高周波変換器と、をさらに含む。
【0012】
本開示の一態様においては、方法が提供される。この方法は、第1磁場を放出する永久磁石であって、タービンエンジンの第1シャフトの周囲で前記タービンエンジンの第2シャフトに関連付けて、前記第1シャフトに取り付けられた永久磁石を回転させて、前記タービンエンジンの前記第2シャフトに配置された第1電機子巻線に多相交流を誘起することと、前記多相交流により、前記第2シャフトに配置された第1電磁石に電力を供給して第2磁場を生成することと、前記第2磁場により、前記第1シャフトに配置された第2電機子巻線に単相直流を誘起して、前記単相直流により共振エミッタに電力を供給して所定周波数以上の第3磁場を生成することと、前記タービンエンジンの筐体に設けられた共振レシーバにより、回転する前記第3磁場を電力出力に変換することと、を含む。
【0013】
一態様において、上記方法は、前記電力出力をビークルの電気バスに伝達することをさらに含む。
【0014】
本開示の一態様においては、方法が提供される。この方法は、タービンエンジンの第1シャフトと第2シャフトとの間のインターフェース領域において、前記第1シャフトに永久磁石を取り付けることと、前記第2シャフトに対して、第1電機子巻線及び第1電磁石を含む第1スプールシャフトアセンブリを取り付けて、前記永久磁石によって放出される第1磁場内に前記第1電機子巻線を配置することと、前記第1スプールシャフトアセンブリに関連付けて、前記第1シャフトに対して、第2電機子巻線及び共振エミッタを含む第2スプールシャフトアセンブリを取り付け、その際、前記第1電磁石に対して相対的に前記第2電機子巻線を配置して、前記第2電機子巻線が前記第1電磁石に対して回転するときに第2磁場を受信するようにすることと、前記共振エミッタが放出する第3磁場を受信するために、前記共振エミッタに関連付けて、前記タービンエンジンの筐体の内面に共振レシーバを取り付けることと、を含む。
【0015】
上記方法の一態様において、前記第2スプールシャフトアセンブリは、前記永久磁石を含み、前記第2スプールシャフトは、前記インターフェース領域において前記第1スプールシャフトから突出する低圧スプールシャフトである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
上述した本開示の特徴が詳細に理解できるように、上に簡単に要約した本開示のより具体的な説明を、例示的な態様を参照しながら行う。なお、そのうちのいくつかは添付図面に図示する。
【0017】
図1A-1B】本開示の態様による、1つ以上の発電機を含むタービンエンジンを示す断面図である。
図2A-2B】本開示の態様による、電気抽出器のコンポーネントを示す断面図である。
図3A-3B】本開示の態様による、発電機のコンポーネント、及びこの内部で生成される磁場を示す断面図である。
図4】本開示の態様による、発電機の電磁コンポーネントを示す回路図である。
図5】本開示の態様による、共振エミッタ及び共振レシーバを詳細に示す回路図である。
図6】本開示の態様による、発電機の構築方法を示すフローチャートである。
図7】本開示の態様による、タービンエンジンから電気エネルギーを抽出するための方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示においては、互いに物理的に接触していないが、誘起された一連の磁場を介して回転エネルギーを抽出して電気エネルギーに変換する電磁(EM)コンポーネントにより、タービンエンジンの回転コンポーネントから電力の抽出及び伝達を行う。エンジンの動作中に2つのシャフトが互いに回転しているときに、エンジン内の第1シャフトに取り付けられた永久磁石が、エンジン内の第2シャフトにおける第1電機子巻線に対して回転して、第1電機子に電流を誘起する。このようにして誘起された電流は、第1シャフトに取り付けられた第2電機子巻線に電流を生じさせる電磁石に電力を供給し、高周波数の第3磁場を生成する高周波共振器に電力を供給し、エンジンのケース又はシェルの固定位置に配置された受信回路に電流を生じさせ、これによって、ビークルの電気システムに電力を伝達する。
【0019】
電磁力伝達コンポーネントは、エンジンの周りで径方向対称に配置されており、単一の推力生成コンポーネント(例えば、スプールコアや筐体)に接触している。永久磁石と第1電機子巻線、第1電磁石と第2電機子巻線、及び共振エミッタと共振レシーバは、空隙(airgaps)により分離されている。電磁力伝達コンポーネントのいずれも、エンジンの1つの推力生成コンポーネントにのみ物理的に接触しており、また異なる推力生成コンポーネントに接続される他の電力伝達コンポーネントには物理的に接触していないため、このようなシステムは、摩耗が少なく、これに応じて、電力伝達コンポーネントの交換頻度も低くなる。また、電磁コンポーネントは、タービンエンジンの気流中に配置されたワイヤやシャフトを介して電力を伝達せず、外部発電機に回転エネルギーを伝えるギアボックスやシャフトよりも比較的軽量であるため、エンジンの機械効率及び燃料効率を向上させることができる。さらに、電磁力伝達コンポーネントを介した電力の抽出及び伝達の効率は、機械的な電力伝達コンポーネントの効率を上回るため、さらにエンジン効率を向上させることができる。
【0020】
本開示で提供される例は、航空機のタービンエンジンにおける電力伝達システムでの使用について主に説明したが、本開示で説明する電力伝達システムは、車、バス、列車、ボート、及び様々な他のビークルで使用されるタービンエンジンと共に使用することも可能である。
【0021】
図1A及び1Bは、1つ以上の発電機110を含むタービンエンジン100を示す断面図である。タービンエンジン100は、筐体120を含み、当該筐体は、上流端における空気取入口121と、空気取入口121の下流における圧縮セクション122と、当該圧縮セクション122の下流における燃焼セクション123と、当該燃焼セクション123の下流におけるタービンセクション124と、下流端における排気口125と、を有する。様々な態様において、筐体120は、ナセル130(ハウジングとも呼ばれる)の内部に含まれており、バイパス流チャンバ131は、筐体120の外面とナセル130の内面との間に形成されており、伝達ケーブル140により、発電機110が、タービンエンジン100を含むビークルの配電バス150又は他の電力伝達機構に接続されている。
【0022】
図1Aに示すタービンエンジン100は、第1スプールシャフト160A(概して、スプールシャフト又はシャフト160)と、第2スプールシャフト160Bとを含む。一方で、図1Bに示すタービンエンジン100は、第1スプールシャフト160Aと、第2スプールシャフト160Bと、第3スプールシャフト160Cとを含む。上述した部材160A、160B、及び/又は160Cは、概して、シャフト160とも称する。各シャフト160は、他のシャフト160と同軸に延在し、動作中に互いに異なる速度で回転して、関連するコンプレッサ170A及びB、又は170A~C(概して、コンプレッサ170)、並びにタービン180A及びB、又は180A~C(概して、タービン180)を異なる速度で駆動する。例えば、第1スプールシャフト160Aは、第1回転速度で第1コンプレッサ170A及び第1タービン180Aを回転駆動させるために回転し、第2スプールシャフト160Bは、第2回転速度で第2コンプレッサ170B及び第2タービン180Bを回転駆動させるために回転する。同様に、図1Bにおいて、第3スプールシャフト160Cは、第3回転速度で第3コンプレッサ170C及び第3タービン180Cを回転駆動させるために回転する。このとき、第1、第2、及び第3の回転速度は、全て互いに異なる。
【0023】
コンプレッサ170は、筐体120の圧縮セクション122に設けられており、これらのコンプレッサの各々が、1つ以上の列に配置された複数のファンブレードを含みうる。タービン180は、筐体120のタービンセクション124に設けられており、これらのタービンの各々が、1つ以上の列に配置された複数のファンブレードを含みうる。図示していないが、シャフト160の回転特性を向上させるために(例えば、摩擦を低減するために)、シャフト160間に様々なベアリング又は低摩擦面を設けてもよい。
【0024】
図1Aに示すように、第1スプールシャフト160Aは、第2スプールシャフト160Bの高圧シャフトと比較して低圧のシャフトである。したがって、第1コンプレッサ170Aは、第2コンプレッサ170Bの上流に配置されており、タービンエンジン100の動作中、第2コンプレッサ170Bよりも遅い回転速度で回転する。同様に、第1タービン180Aは、第2タービン180Bの下流に配置されており、タービンエンジン100の動作中、第2タービン180Bよりも低い回転速度で回転する。
【0025】
図1Bに示すように、相対的に、第1スプールシャフト160Aは低圧シャフトであり、第2スプールシャフト160Bは中圧シャフトであり、第3スプールシャフト160Cは、高圧シャフトである。したがって、第1コンプレッサ170Aは、第2コンプレッサ170Bの上流に配置されており、当該第2コンプレッサは、第3コンプレッサ170Cの上流に配置されており、これらの各々は、タービンエンジン100の動作中、下流のコンプレッサ170よりも低い回転速度で動作する。同様に、第1タービン180Aは、第2タービン180Bの下流に配置されており、当該第2タービンは、第3タービン180Cの下流に配置されており、これらの各々は、タービンエンジン100の動作中、上流のタービン180よりも低い回転速度で動作する。
【0026】
したがって、動作中、第1スプールシャフト160Aと第2スプールシャフト160B(及び、これらに取り付けられたコンポーネント)との間に第1差動回転速度が発生し、図1Bにおいては、第2スプールシャフト160Bと第3スプールシャフト160C(及び、これらに取り付けられたコンポーネント)との間に第2差動回転速度(当該速度は、第1差動回転速度と同じであってもよいし、異なっていてもよい)が発生する。
【0027】
発電機110は、シャフト160に固定された電気抽出器111と、筐体120に固定された電気分配器112とを含む。電気抽出器111は、電気分配器112に物理的に接続されていないが、空間によって分離されるとともに、動作中に生じる磁場により電磁的に結合される。電気抽出器111は、2つのシャフト160間のインターフェースに設けられ、電気エネルギーを抽出するために、複数の異なるシャフト160によって与えられる複数の異なる回転速度を利用する。図1Aに示すように、第1スプールシャフト160Aと第2スプールシャフト160Bとの間のインターフェースには電気抽出器111が設けられている。図1Bに示すように、第1スプールシャフト160Aと第2スプールシャフト160Bとの間のインターフェースには、第1電気抽出器111Aが設けられており、第2スプールシャフト160Bと第3スプールシャフト160Cとの間のインターフェースには、第2電気抽出器111Bが設けられている。各電気抽出器111は、筐体120の対応する部分の周りで径方向に固定された対応する電気分配器112に関連付けられている(例えば、第1電気抽出器111Aは、第1電気分配器112Aに対応しており、第2電気抽出器111Bは、第2電気分配器112Bに対応している)。図示していないが、3軸設計を使用するいくつかの態様において、タービンエンジン100は、第1発電機110A又は第2発電機110Bのうちの一方を省いて、1つの発電機110のみを含んでもよい。
【0028】
図2A及び2Bは、電気抽出器111のコンポーネントを示す断面図である。図2A及び2Bは、本開示の態様による、発電機110のコンポーネント、及びこの内部で発生する磁場を断面で示す図3A及び3Bを併せて参照することによって理解することができる。電気抽出器111は、2つのシャフト160のインターフェースにおいて、これらのシャフトに関連するコンプレッサ170の間に設けられている。例えば、図示の電気抽出器111は、第1スプールシャフト160A及び第2スプールシャフト160Bにおける第1コンプレッサ170Aと第2コンプレッサ170Bとの間に設けられてもよい。他の例において、図示の電気抽出器111は、第2スプールシャフト160B及び第3スプールシャフト160Cにおける第2コンプレッサ170Bと第3コンプレッサ170Cとの間に設けられてもよい。
【0029】
様々な態様において、図2A又は2Bに示すコンポーネントは、(図1Aに示すような)単一の電気抽出器111、又は、(図1Bに示すような)一次若しくは二次の電気抽出器111のうちの一方に含まれうる。複数の電気抽出器111を含む態様において、個々のコンポーネントは、両方とも図2Aに従って設けられてもよいし、両方とも図2Bに従って設けられてもよいし、一方が図2Aに従って設けられ、他方が図2Bに従って設けられてもよい。本明細書において、複数の発電機110間でコンポーネントを区別する場合、一方の発電機110のコンポーネントを「二次」コンポーネントと呼ぶことにより区別することができる。例えば、第1電気抽出器111Aは、一次永久磁石210を含み、第2電気抽出器111Bは二次永久磁石210を含む。他の例において、第1電気抽出器111Aは、一次第1シャフト160Aと、一次第2シャフト160Bとを含み、第2電気抽出器111Bは、二次第1シャフト160A(一次第1シャフト160A又は一次第2シャフト160Bと同じシャフト160であってもよい)と、二次第2シャフト160B(一次第1シャフト160A又は一次第2シャフト160Bと同じシャフト160であってもよい)とを含む。
【0030】
図2Aは、本開示の態様による、電気抽出器111のための第1のコンポーネント配置200Aを示しており、永久磁石210が、2つのシャフト220間のインターフェースにおいて高圧シャフト220A上に配置されている。永久磁石210は、図3Aに詳細に示す複数の第1磁場310を放出するために、高圧シャフト220Aの周りで放射状に配置された複数の磁石を含みうる。
【0031】
図2Aに示すように、低圧シャフト220Bに接続された第1スプールシャフトアセンブリ270A(概して、スプールシャフトアセンブリ270、具体的には、高圧又は低圧のスプールシャフトアセンブリ270)には、第1電機子巻線230と、メイン界磁巻線240(第1電磁石とも呼ばれる)とが含まれる。第1スプールシャフトアセンブリ270Aの第1電機子巻線230は、所定の磁場強度の第1磁場310内に配置されている。第1電機子巻線230は、高圧シャフト220A及び永久磁石210の周りで放射状に配置されているが、これらと物理的に接触していない。様々な態様において、第1電機子巻線230は、多相交流としての第1電流(I1)を生成し、当該電流は、単相直流の第2電流(I2)に変換される。この第2電流により、図3Aにより詳しく示すように、メイン界磁巻線240に電力が供給されて第2磁場320が生成される。第1スプールシャフトアセンブリ270Aのメイン界磁巻線240は、所定の磁場強度の第1磁場310から外れた位置に配置されている。したがって、永久磁石210は、所定の磁場強度の第2磁場320から外れた位置に配置されている。様々な態様において、第1電機子巻線230とメイン界磁巻線240との間には整流回路が含まれている。
【0032】
図2Aに示すように、永久磁石210が接続されているのと同じ高圧シャフト220Aに接続された第2スプールシャフトアセンブリ270Bには、第2電機子巻線250と、共振エミッタ260(第2電磁石とも呼ばれる)とが含まれている。様々な態様において、共振エミッタ260は、シャフト220の軸心に沿って第2電機子巻線250の下流に配置されてもよいし、シャフト220に沿ってコンプレッサ170間に電気抽出器111を配置するための空間要件を緩和するために、第2電機子巻線250と共振レシーバ340との間に配置されてもよい。いくつかの態様において、永久磁石210は、第2スプールシャフトアセンブリ270Bにも含まれているが、他の態様において、永久磁石210は、高圧シャフト220Aに別個に取り付けられていてもよい。
【0033】
第2スプールシャフトアセンブリ270Bの第2電機子巻線250は、所定の磁場強度の第2磁場320内に配置されている。第2電機子巻線250は、低圧シャフト220B及び第1スプールシャフトアセンブリ270Aの周りで放射状に配置されているが、これらと物理的に接触していない。様々な態様において、第2電機子巻線250は、多相交流としての第3電流(I3)を生成し、当該電流により、図3Aにより詳しく示すように、共振エミッタ260に電力が供給され、第3磁場330が生成される。第2スプールシャフトアセンブリ270Bの共振エミッタ260は、所定の磁場強度の第1磁場310及び第2磁場320から外れた位置に配置されている。したがって、永久磁石210及び第1電機子巻線230は、所定の磁場強度の第3磁場330から外れた位置に配置されている。
【0034】
図3Aに示すように、電気分配器112の共振レシーバ340は、筐体120の内面に固定されており、少なくとも所定の磁場強度の第3磁場330を受けるように共振エミッタ260に対して相対的に配置されている。共振レシーバ340は、筐体120の周りで径方向対称に配置されるとともに、ビークルのバス又は他の電気配電システムに供給可能な第4多相交流(I4)を生成するために、第3磁場330を受けるよう構成されている。
【0035】
図2Bは、本開示の態様による、電気抽出器111のための第2のコンポーネント配置200Bを示しており、永久磁石210が、2つのシャフト220間のインターフェースにおいて低圧シャフト220B上に配置されている。永久磁石210は、図3Bに詳細に示す複数の第1磁場310を放出するために、低圧シャフト220Bの周りで放射状に配置された複数の磁石を含みうる。
【0036】
図2Bに示すように、高圧シャフト220Aに接続された第1スプールシャフトアセンブリ270Aには、第1電機子巻線230と、メイン界磁巻線240(第1電磁石とも呼ばれる)とが含まれる。第1スプールシャフトアセンブリ270Aの第1電機子巻線230は、所定の磁場強度の第1磁場310内に配置されている。第1電機子巻線230は、低圧シャフト220B及び永久磁石210の周りで放射状に配置されているが、これらと物理的に接触していない。様々な態様において、第1電機子巻線230は、多相交流としての第1電流(I1)を生成し、当該電流は、単相直流の第2電流(I2)に変換される。この第2電流により、図3Bにより詳しく示すように、メイン界磁巻線240に電力が供給されて第2磁場320が生成される。第1スプールシャフトアセンブリ270Aのメイン界磁巻線240は、所定の磁場強度の第1磁場310から外れた位置に配置されている。したがって、永久磁石210は、所定の磁場強度の第2磁場320から外れた位置に配置されている。様々な態様において、第1電機子巻線230とメイン界磁巻線240との間には整流回路が含まれている。
【0037】
図2Bに示すように、永久磁石210が接続されているのと同じ低圧シャフト220Bに接続された第2スプールシャフトアセンブリ270Bには、第2電機子巻線250と、共振エミッタ260(第2電磁石とも呼ばれる)とが含まれている。様々な態様において、共振エミッタ260は、シャフト220の軸心に沿って第2電機子巻線250の上流に配置されてもよいし、シャフト220に沿ってコンプレッサ170間に電気抽出器111を配置するための空間要件を緩和するために、第2電機子巻線250と共振レシーバ340との間に配置されてもよい。いくつかの態様において、永久磁石210は、第2スプールシャフトアセンブリ270Bにも含まれているが、他の態様において、永久磁石210は、低圧シャフト220Bに別個に取り付けられていてもよい。
【0038】
第2スプールシャフトアセンブリ270Bの第2電機子巻線250は、所定の磁場強度の第2磁場320内に配置されている。第2電機子巻線250は、高圧シャフト220A及び第1スプールシャフトアセンブリ270Aの周りで放射状に配置されているが、これらと物理的に接触していない。様々な態様において、第2電機子巻線250は、多相交流としての第3電流(I3)を生成し、当該電流により、図3Bにより詳しく示すように、共振エミッタ260に電力が供給され、第3磁場330が生成される。第2スプールシャフトアセンブリ270Bの共振エミッタ260は、所定の磁場強度の第1磁場310及び第2磁場320から外れた位置に配置されている。したがって、永久磁石210及び第1電機子巻線230は、所定の磁場強度の第3磁場330から外れた位置に配置されている。
【0039】
図3Bに示すように、共振レシーバ340は、筐体120の内面に固定されており、少なくとも所定の磁場強度の第3磁場330を受けるように共振エミッタ260に対して相対的に配置されている。共振レシーバ340は、筐体120の周りで径方向対称に配置されるとともに、ビークルのバス又は他の電気配電システムに供給可能な第4多相交流(I4)を生成するために、第3磁場330を受けるよう構成されている。
【0040】
コンポーネントが配置されたタービンエンジン100の動作中、推力を生成するために燃焼によって加えられる回転力により、シャフト160、及び取り付けられたEMコンポーネントが相対的に、且つ固定された筐体120に対して、回転する。高圧シャフト160A及び低圧シャフト160Bの回転速度の違いにより、第1磁場310は、第1電機子巻線230に対して回転し、第2磁場320は、第2電機子巻線250に対して回転し、第3磁場330は、(公称上は固定された)共振レシーバ340に対して回転する。したがって、電気エネルギーは、シャフト160の回転力から抽出され、機械的な伝達コンポーネントやギアなどを介する代わりに磁場を介して様々なアセンブリ間に伝達される。
【0041】
図2A、2B、3A、及び3Bに示す電磁的に結合されたコンポーネントの相対的なサイズ及び位置は、読み手が容易に特定及び区別できるように示されている。しかしながら、様々な態様において、製造業者は、コンポーネントが取り付けられるタービンエンジン100の物理的特性(例えば、長さ、周縁、回転トルク、動作温度)や抽出された電力の所望の電力特性(例えば、電力の相数、電圧/電流レベル)などに基づいて、これらのコンポーネントの相対的なサイズ、形状、及び配向を変更してもよい。シャフト220の軸に沿ったコンポーネントの長さは、タービンエンジン100からのビークルのトルク要件及び/又は電力定格要件によって決定され、個々のコンポーネントの相対的なサイズ及び距離は、タービンエンジン100からのトルク生成、及びタービンエンジン100の物理的範囲内の発電機110における電力伝達効率を最適化するように決定される。したがって、製造業者は、図面に示すサイズ及び形状は、動作の概念を例示するためのもので、コンポーネントの電力要件、推力要件、及び材料特性によって決定される実施態様を目的としたものではないと理解するであろう。
【0042】
例えば、製造業者は、比較的低レベルの励磁電流(例えば、約1~50アンペア(A)の整流DC電流)を生成及び供給するために、永久磁石210及び第1電機子巻線230を発電機110の他の部分よりも短く設計することができる。メイン界磁巻線240は、第2磁場320を生成するため、及びシステム内でトルクを最適化するために励磁電流を伝達する。製造業者は、第2電機子巻線250と長さが等しくなるようにメイン界磁巻線240を設計可能であり、当該第2電機子巻線は、タービンエンジン100内で割り当てられた空間内で可能な限り長くなるように寸法設定される。例えば、第2電機子巻線250は、当該第2電機子巻線250が配置されるスプールシャフトアセンブリ270(支持コンポーネントを除く)の有効な長さ全体に延びていてもよい。同様に、電気抽出器111の電力伝達性能を最適化するために、共振エミッタ回路260が第2電機子巻線250に重なるように当該共振エミッタ回路のサイズ及び位置を設定して、共振エミッタ回路260が電気抽出器111の全長にわたって延在するようにしてもよく、また、受信回路340が共振エミッタ回路260に重なるように当該受信回路340の長さ及び位置を一致させてもよい。
【0043】
図4は、発電機110のEMコンポーネントの回路図400である。永久磁石210を含む磁石アセンブリ410は、第1電機子巻線230と、整流器430と、メイン界磁巻線240とを含む第1回転アセンブリ420と磁気的に接触するが、物理的には接触しないように配置される。本明細書において、磁気的な接触とは、永久磁石又は電磁石によって生成される磁場が、2つのコンポーネント間で少なくとも所定の強度である状態をいう。複数のダイオードを含みうる整流器430は、第1電機子巻線230とメイン界磁巻線240との間に設けられており、第1電機子巻線230の多相AC出力からの第1電流(I1)を、単相DC入力の第2電流(I2)に変換して、メイン界磁巻線240の電磁石に電力を供給する。図4に示す第1電機子巻線230及び整流器430は、三相構造の例として使用されているが、他の態様においては、使用する相数は3つよりも多くても少なくてもよい。
【0044】
第1回転アセンブリ420は、メイン界磁巻線240及び第2電機子巻線250を介して第2回転アセンブリ440と磁気的に接触するが、物理的には接触しないように配置される。第2電流(I2)を介してメイン界磁巻線240により生成される第2磁場320は、第2電機子巻線250に第3電流(I3)を誘起する。図4において、第2電機子巻線250は、三相で共振エミッタ260に第3電流(I3)を供給するものとして示されているが、他の態様においては、使用する相数は3つよりも多くても少なくてもよい。
【0045】
第1回転アセンブリ420は、タービンエンジン100の1つのシャフト160に接続されており、磁石アセンブリ410及び第2回転アセンブリ440は、タービンエンジン100の第2のシャフト160に接続されている。タービンエンジン100が動作しているときの各シャフト160の回転速度の違いにより、第1回転アセンブリ420は、磁石アセンブリ410及び第2回転アセンブリ440とは異なる速度で回転する。磁石アセンブリ410及び第2回転アセンブリ440は、同じシャフト160に接続しているので、磁石アセンブリ410及び第2回転アセンブリ440は、相対的には静止した状態である。
【0046】
第2回転アセンブリ440は、共振エミッタ260及び共振レシーバ340を介して固定アセンブリ450と磁気的に接触するが、物理的には接触しないように配置される。固定アセンブリ450は、タービンエンジン100の筐体120に(又は、これを介して)配置されるため、回転シャフト160及び当該回転シャフトに接続されたEMコンポーネントに対して静止した状態である。固定アセンブリ450は、共振レシーバ340と、ビークルの電気バス又は他の配電システムに固定アセンブリ450を物理的に接続する電力制御ユニット350(PCUとも呼ばれる)とを含む。図5を参照してより詳細に説明するが、共振エミッタ260及び共振レシーバ340は、それぞれ、所定の共振周波数で高周波磁場を生成及び受信して、電力制御ユニット350及びビークルに対する電力出力を生成する。
【0047】
図5は、本開示の態様による、共振エミッタ260及び共振レシーバ340の三相の例を詳細に示す回路図500である。第2電機子巻線250は、複数の受信巻線510A~C(概して、受信巻線510)を含み、これら受信巻線の各々は、受信した第2磁場320から一相の電力を生成する。三相よりも多い又は少ない相数の電力を使用する態様においては、これに対応する数の受信巻線510が使用される。受信巻線510からの電力は、当該電力の周波数を上げて所定周波数で第3磁場330を生成するために、例えば、1つ以上の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、又は他の制御型スイッチングデバイスなどの高周波変換器520に運ばれる。所定周波数は、共振エミッタ260、及び電気抽出器111の他のコンポーネントが接続されたシャフト220の回転速度間の差よりも大きく、共振エミッタ260と共振レシーバ340との間の空隙における電力伝達効率を上げるように調整される。高周波変換器520からの各出力にはエミッタコンデンサ530A~C(概して、エミッタコンデンサ530)が設けられている。これらのエミッタコンデンサは、対応する数の相巻線540A~C(概して、相巻線540)によって第3磁場330を生成するための複数相の電力用のハイパスフィルタとして機能する。
【0048】
各相巻線540は、一相の高周波電力を受けて、一相の第3磁場330を生成する。この第3磁場は、共振レシーバ340の多相電機子の対応するレシーバ巻線550A~C(概して、レシーバ巻線550)によって受信される。各レシーバ巻線550は、対応するレシーバコンデンサ560A~C(概して、レシーバコンデンサ560)を介して電力制御ユニット350に接続されている。これらのレシーバコンデンサは、関連するレシーバ巻線550と電力制御ユニット350との間でハイパスフィルタとして機能する。電力制御ユニット350は、電力をACからDC(又は、DCからAC)に変換したり、電力の相数を増減したり、バスに対する電気接続を確立又は切断したり、電力の電圧を上下させたり、電力の周波数を上下させたりして、ビークルにより消費又は蓄積される電力の状態を調節することができる。
【0049】
図5には、直列に配置されたLC(誘導性及び容量性)回路が示されているが、他の態様において、共振エミッタ260及び共振レシーバ340の回路は、RLC(抵抗性、誘導性、及び容量性)要素を含んでもよく、これらの要素は、共振エミッタ260に電力が供給されると、当該共振エミッタ260と共振レシーバ340との間の共振磁気結合を可能にするような他の配列に配置されいる。他の例としては、並列LC回路、RLC回路、能動的に調整された共振回路などがある。
【0050】
図6は、本開示の態様による、発電機110の構築方法600を示すフローチャートである。方法600は、タービンエンジン100の最初の組み立て中、タービンエンジン100の改良若しくは修理中、又はタービンエンジン100のコンポーネントの事前組み立て工程として実行することができる。
【0051】
方法600は、ブロック610で始まり、当該ブロックにおいて、製造業者は、タービンエンジン100の第1シャフト220に永久磁石210を取り付ける。様々な態様において、第1シャフト220は、低圧スプールシャフト220B又は高圧スプールシャフト220Aであってもよく、永久磁石210は、タービンエンジン100において第2シャフト220と隣接することが意図された第1シャフト220の領域に配置される。
【0052】
様々な態様においては、ブロック610を繰り返すことにより、製造業者は、(例えば、一次発電機110におけるシャフト220上の異なる位置において)二次第1シャフト220に二次永久磁石210を取り付けて、これを三軸タービンエンジン100の二次発電機110で使用することができる。
【0053】
ブロック620において、製造業者は、第1シャフト220と隣接することが意図された第2シャフト220の領域において、当該第2シャフトに第1スプールシャフトアセンブリ270Aを取り付ける。例えば、製造業者は、永久磁石210が高圧スプールシャフト220Aに取り付けられる場合、低圧スプールシャフト220Bに第1スプールシャフトアセンブリ270Aを取り付けるが、永久磁石210が低圧スプールシャフト220Bに取り付けられる場合、高圧スプールシャフト220Aに第1スプールシャフトアセンブリ270Aを取り付ける。第1シャフトと第2シャフトとの間のインターフェース領域は、一方のシャフトが他方のシャフトから延びており、対応するコンプレッサ170のファンやブレードがない領域を画定している。
【0054】
様々な態様においては、ブロック620を繰り返すことにより、製造業者は、二次第2シャフト220(例えば、第3スプールシャフト160C)に二次第1スプールシャフトアセンブリ270Aを取り付けて、これを三軸タービンエンジン100の二次発電機110で使用することができる。
【0055】
第1スプールシャフトアセンブリ270Aは、第1電機子巻線と、第1電磁石と、スペーサとを含む。スペーサは、第1磁場310に第1電機子巻線が配置されるように、また、タービンエンジン100の動作中にシャフト160が相対的に回転する際、第2磁場320から第1磁場310が分離されるように、第1電機子巻線及び第1電磁石を配置するためのものである。
【0056】
ブロック630において、製造業者は、第1シャフト220に第2スプールシャフトアセンブリ270Bを取り付ける。第2スプールシャフトアセンブリ270Bは、第2電機子巻線と、第2電磁石と、スペーサとを含む。スペーサは、第2磁場320に第2電機子巻線を配置するとともに、タービンエンジン100の動作中にシャフト220が相対的に回転する際、第1磁場310及び第2電磁場320から第3磁場330が分離されるように、第2電機子巻線及び第2電磁石を配置するためのものである。様々な態様において、永久磁石210は、第2スプールシャフトアセンブリ270Bのコンポーネントとして含まれており、ブロック610は、ブロック630と同時に実行される。
【0057】
様々な態様においては、ブロック630を繰り返すことにより、製造業者は、二次第1シャフト220(例えば、第2スプールシャフト160B)に二次第2スプールシャフトアセンブリ270Bを取り付けて、これを三軸タービンエンジン100の二次発電機110で使用することができる。
【0058】
ブロック640において、製造業者は、2つのシャフト220間のインターフェース領域に関連させて、タービンエンジン100の筐体120の内面に、具体的には、当該内面において、タービンエンジン100の動作中に第3磁場330が生成される位置に、共振レシーバ340を取り付ける。三軸設計を使用する様々な態様において、ブロック640を繰り返すことにより、製造業者は、筐体120の内面における第2位置に、具体的には、二次発電機110により使用される2つのシャフト220間のインターフェース領域に対応し、且つ、タービンエンジン100の動作中に二次第3磁場330が生成される位置に、二次共振レシーバ340を取り付けることができる。その後、方法600を終了してもよい。
【0059】
図7は、本開示の態様による、タービンエンジン100から電気エネルギーを抽出するための方法700を示すフローチャートである。なお、三軸タービンエンジン100において、方法700は、2回並行して実行して、シャフト160の複数の異なる対間のインターフェースに配置された一次発電機110及び二次発電機110の差動回転から電力を抽出する。
【0060】
方法700は、ブロック710で始まり、当該ブロックにおいて、タービンエンジン100のオペレータは、当該タービンエンジン100の第1シャフト160Aに取り付けられた永久磁石210を、当該タービンエンジン100の第2シャフト160Bに対して回転させる。オペレータは、タービンエンジン100を作動させてビークルの推力を生成する。すなわち、燃焼チャンバにおける燃料の燃焼によりシャフト160に対する回転エネルギーを誘起し、タービン領域を介して排気を排出することによって、相対回転を生じさせることができ、この結果として、タービン180が、対応するシャフト160を回転させることができる。永久磁石210は、第1磁場310を放出する。この永久磁石は、第1シャフト160Aの周りで放射状に配置された複数の永久磁石210のアレイのうちの1つであってもよい。第1磁場310は、回転時、多相交流として、第2シャフト160Bに配置された第1電機子巻線に第1電流(I1)を誘起する。
【0061】
様々な態様において、「第1」シャフト160Aは、二軸タービンエンジン100における高圧シャフト又は低圧シャフトのうちの一方を指し、「第2」シャフト160Bは、他方のシャフトを指す。同様に、三軸タービンエンジン100において、「第1」シャフト160Aが、高圧シャフト又は低圧シャフトを指している場合、「第2」シャフト160Bは中圧シャフトを指し、「第1」シャフト160Aが、中圧シャフトを指している場合、「第2」シャフト160Bは、高圧シャフト又は低圧シャフトのいずれかを指す。
【0062】
ブロック720において、第2電流(I2)は、第2磁場320を生成するために、第2シャフト160Bに設けられた第1電磁石(例えば、メイン界磁巻線240)に電力を供給する。
【0063】
ブロック730において、第2磁場320は、多相交流として、第1シャフト160Aに設けられた第2電機子巻線250に第3電流(I3)を誘起する。
【0064】
ブロック740において、第3電流(I3)は、所定の周波数以上で第3磁場330を生成するために、第2電磁石(例えば、共振エミッタ260)に電力を供給する。様々な態様において、所定の周波数は、タービンエンジン100の特性に合わせて調整される。この特性には、限定するものではないが、共振エミッタ260と共振レシーバ340との間の距離、発電機110における他の磁場に対する第3磁場330の相対的空間位置、二次発電機110に対する一次発電機110の相対位置、シャフトの回転速度などが含まれる。様々な態様において、所定周波数を高く(例えば、少なくとも10kHzに)設定することにより、第2電磁石を介して共振レシーバ340に電力を無線で伝達する際の損失を低減することができる。
【0065】
ブロック750において、筐体120の内面に配置された共振レシーバ340は、回転する第3磁場330を電力出力に変換する。様々な態様において、電力出力は、多相交流(AC)電力出力として供給される第4電流(I4)であるが、他の態様において、電力出力は、ビークルの電力消費特性によって、単相及び/又は直流の電流(DC)であってもよい。
【0066】
ブロック760において、共振レシーバ340は、ビークルによる使用及び/又は蓄積のために、電気バスに電力を伝達する。様々な態様において、共振レシーバ340は、電力制御ユニット350を介してバスに電力出力を伝達する。当該電力制御ユニットは、電力の調節、ACからDC(又は、DCからAC)への電力変換、電力の相数の増減、バスに対する電気接続の確立及び切断、電力の電圧の上げ下げ、電力の周波数の上げ下げなどを行うことができる。
【0067】
方法700は、オペレータが第1及び第2のシャフトを回転させ続ける限り継続することができる。
【0068】
さらに、本開示は、以下の付記による例を含む。
【0069】
付記1.タービンエンジンの第1スプールシャフトに設けられるとともに、第1磁場を放出する永久磁石と、前記第1磁場内に配置されるように、前記タービンエンジンの第2スプールシャフトに接続された第1電機子巻線と、前記第1スプールシャフトが前記第2スプールシャフトに対して回転すると、これに伴って回転する第2磁場を生成するように、前記第2スプールシャフトに設けられたメイン界磁巻線と、前記第1スプールシャフトに設けられるとともに、前記第1スプールシャフトが前記第2スプールシャフトに対して回転すると、少なくとも所定周波数の第3磁場を生成すべく、前記第2磁場を受信して共振エミッタに電力入力を供給するように配置された第2電機子巻線と、前記タービンエンジンの筐体に設けられるとともに、前記第3磁場を受信して、前記第3磁場を電力出力に変換するように配置された共振レシーバと、を含む、システム。
【0070】
付記2.前記第1スプールシャフトは高圧シャフトであり、前記第2スプールシャフトは、低圧シャフトであり、前記高圧シャフトは、前記低圧シャフトが回転する第2速度よりも速い第1速度で回転する、付記1に記載のシステム。
【0071】
付記3.前記第1スプールシャフトは低圧シャフトであり、前記第2スプールシャフトは、高圧シャフトであり、前記高圧シャフトは、前記低圧シャフトが回転する第2速度よりも速い第1速度で回転する、付記1又は2に記載のシステム。
【0072】
付記4.前記第2スプールシャフトにおいて前記第1電機子巻線と前記メイン界磁巻線との間に設けられた整流回路をさらに含み、前記整流回路は、前記第1磁場によって生成された前記第1電機子巻線からの多相交流を前記メイン界磁巻線の電力入力に変換して前記第2磁場を生成する、付記1~3のいずれかに記載のシステム。
【0073】
付記5.前記第2電機子巻線と前記共振エミッタとの間に設けられた高周波変換器をさらに含み、前記高周波変換器は、前記第2電機子巻線により受信される前記第2磁場よりも高い周波数で前記電力入力を前記共振エミッタに供給し、前記高周波は、前記第1スプールシャフトと前記第2スプールシャフトとの間の回転速度の差よりも大きく、前記共振エミッタと前記共振レシーバとの間の電力伝達効率に基づいている、付記1~4のいずれかに記載のシステム。
【0074】
付記6.前記電力出力は、前記第2電機子巻線で規定された相数に基づく複数の電気位相を含む、付記1~5のいずれかに記載のシステム。
【0075】
付記7.前記筐体内に設けられるとともに、ビークルの配電バスに接続された電力制御ユニットをさらに含む、付記1~6のいずれかに記載のシステム。
【0076】
付記8.上流端における空気取入口、前記空気取入口の下流における圧縮セクション、前記圧縮セクションの下流における燃焼セクション、前記燃焼セクションの下流におけるタービンセクション、及び下流端における排気口、を有する筐体と、前記圧縮セクションの第1コンプレッサ、及び前記タービンセクションの第1タービンに接続されるとともに、第1回転速度で回転するよう構成された第1シャフトと、前記圧縮セクションの第2コンプレッサ、及び前記タービンセクションの第2タービンに接続され、且つ前記第1シャフトと同軸に延在するとともに、第2回転速度で回転するよう構成された第2シャフトと、前記第1シャフト及び前記第2シャフトのうちの一方に接続された第1電機子巻線と、第1磁場を放出する永久磁石であって、前記第1磁場は、前記第1回転速度と前記第2回転速度との間の差に対応する差動回転速度で前記第1電機子巻線に対して回転するとともに、前記第1電機子巻線に第1電流を誘起するよう作用する、永久磁石と、前記第1電機子巻線に接続されるとともに、前記第1電流により電力を供給されると第2磁場を放出するよう構成された第1電磁石と、前記第1シャフト及び前記第2シャフトのうち前記第1電機子巻線に接続されていない方のシャフトに接続されるとともに、前記差動回転速度で前記第1電磁石に対して回転し、前記第2磁場によって前記第2電機子巻線に第2電流を誘起するよう構成された第2電機子巻線と、前記第2電機子巻線に接続されるとともに、前記第2電流によって電力を供給されると少なくとも所定周波数の第3磁場を生成するよう構成された共振エミッタと、前記タービンエンジンの前記筐体に設けられるとともに、前記第3磁場を受信して、前記第3磁場を電力出力に変換するように配置された共振レシーバと、を含む、タービンエンジン。
【0077】
付記9.前記圧縮セクションにおいて前記第1コンプレッサ及び前記第2コンプレッサの下流にて第3コンプレッサに接続されるとともに、前記タービンセクションにおいて前記第1タービン及び前記第2タービンの上流にて第3タービンに接続される第3シャフトをさらに含み、前記第3シャフトは、前記第2シャフトと同軸に延在するとともに、前記第1回転速度及び前記第2回転速度よりも速い第3回転速度で回転するよう構成されている、付記8に記載のタービンエンジン。
【0078】
付記10.前記第3シャフト及び前記第2シャフトのうちの一方に接続された二次第1電機子巻線と、二次第1磁場を放出する二次永久磁石であって、前記二次第1磁場は、前記第3回転速度と前記第2回転速度との間の二次的な差に対応する二次差動回転速度で前記二次第1電機子巻線に対して回転するとともに、前記二次第1電機子巻線に二次第1電流を誘起するよう作用する、二次永久磁石と、前記二次第1電機子巻線に接続されるとともに、前記二次第1電流により電力を供給されると二次第2磁場を放出するよう構成された二次第1電磁石と、前記第3シャフト及び前記第2シャフトのうち前記二次第1電機子巻線に接続されていない方のシャフトに接続されるとともに、前記二次差動回転速度で前記二次第1電磁石に対して回転し、前記二次第2磁場によって前記二次第2電機子巻線に二次第2電流を誘起するよう構成された二次第2電機子巻線と、前記二次第2電機子巻線に接続されるとともに、前記二次第2電流によって電力を供給されると少なくとも所定の二次周波数の二次第3磁場を生成するよう構成された二次共振エミッタと、前記タービンエンジンの前記筐体に設けられるとともに、前記二次第3磁場を受信して、前記二次第3磁場を二次電力出力に変換するように配置された二次共振レシーバと、をさらに含む、付記9に記載のタービンエンジン。
【0079】
付記11.前記圧縮セクションにおいて前記第1コンプレッサ及び前記第2コンプレッサの上流にて第3コンプレッサに接続されるとともに、前記タービンセクションにおいて前記第1タービン及び前記第2タービンの下流にて第3タービンに接続される第3シャフトをさらに含み、前記第3シャフトは、前記第2シャフトと同軸に延在するとともに、前記第1回転速度及び前記第2回転速度よりも遅い第3回転速度で回転するよう構成されている、付記8に記載のタービンエンジン。
【0080】
付記12.前記第3シャフト及び前記第2シャフトのうちの一方に接続された二次第1電機子巻線と、二次第1磁場を放出する二次永久磁石であって、前記二次第1磁場は、前記第3回転速度と前記第2回転速度との間の二次的な差に対応する二次差動回転速度で前記二次第1電機子巻線に対して回転するとともに、前記二次第1電機子巻線に二次第1電流を誘起するよう作用する、二次永久磁石と、前記二次第1電機子巻線に接続されるとともに、前記二次第1電流により電力を供給されると二次第2磁場を放出するよう構成された二次第1電磁石と、前記第3シャフト及び前記第2シャフトのうち前記二次第1電機子巻線に接続されていない方のシャフトに接続されるとともに、前記二次差動回転速度で前記二次第1電磁石に対して回転し、前記二次第2磁場によって前記二次第2電機子巻線に二次第2電流を誘起するよう構成された二次第2電機子巻線と、前記二次第2電機子巻線に接続されるとともに、前記二次第2電流によって電力を供給されると少なくとも所定の二次周波数の二次第3磁場を生成するよう構成された二次共振エミッタと、前記タービンエンジンの前記筐体に設けられるとともに、前記二次第3磁場を受信して、前記二次第3磁場を二次電力出力に変換するように配置された二次共振レシーバと、をさらに含む、付記11に記載のタービンエンジン。
【0081】
付記13.前記筐体が配置されたバイパス流チャンバを画定するナセルと、前記バイパス流チャンバに配置されるとともに前記筐体から延びるビークルの配電バスに、前記共振レシーバを電気的に接続する伝達ケーブルと、をさらに含む、付記8に記載のタービンエンジン。
【0082】
付記14.前記筐体の外部において前記バイパス流チャンバ内に設けられるとともに、前記共振レシーバと前記伝達ケーブルとの間に電気的に接続された電力制御ユニットをさらに含む、付記13に記載のタービンエンジン。
【0083】
付記15.前記共振エミッタは、所定数の相巻線を有するとともに、対応する相数で前記第3磁場を放出する多相電機子巻線と、前記多相電機子巻線と前記第2電機子巻線との間に配置されるとともに、前記第2電流を少なくとも前記所定周波数にアップコンバートするよう構成された高周波変換器と、をさらに含む、付記14に記載のタービンエンジン。
【0084】
付記16.第1磁場を放出する永久磁石であって、タービンエンジンの第1シャフトの周囲で前記タービンエンジンの第2シャフトに関連付けて、前記第1シャフトに取り付けられた永久磁石を回転させて、前記タービンエンジンの前記第2シャフトに配置された第1電機子巻線に多相交流を誘起することと、前記多相交流により、前記第2シャフトに配置された第1電磁石に電力を供給して第2磁場を生成することと、前記第2磁場により、前記第1シャフトに配置された第2電機子巻線に単相直流を誘起することと、前記単相直流により共振エミッタに電力を供給して所定周波数以上の第3磁場を生成することと、前記タービンエンジンの筐体の内面に設けられた共振レシーバにより、回転する前記第3磁場を電力出力に変換することと、を含む、方法。
【0085】
付記17.前記電力出力をビークルの電気バスに伝達することをさらに含む、付記16に記載の方法。
【0086】
付記18.タービンエンジンの第1シャフトと第2シャフトとの間のインターフェース領域において、前記第1シャフトに永久磁石を取り付けることと、前記第2シャフトに対して、第1電機子巻線及び第1電磁石を含む第1スプールシャフトアセンブリを取り付けて、前記永久磁石によって放出される第1磁場内に前記第1電機子巻線を配置することと、前記第1スプールシャフトアセンブリに関連付けて、前記第1シャフトに対して、第2電機子巻線及び共振エミッタを含む第2スプールシャフトアセンブリを取り付け、その際、前記第1電磁石に対して相対的に前記第2電機子巻線を配置して、前記第2電機子巻線が前記第1電磁石に対して回転するときに第2磁場を受信するようにすることと、前記共振エミッタが放出する第3磁場を受信するために、前記共振エミッタに関連付けて、前記タービンエンジンの筐体の内面に共振レシーバを取り付けることと、を含む、方法。
【0087】
付記19.前記第2スプールシャフトアセンブリは、前記永久磁石を含み、前記第2シャフトは、前記インターフェース領域において前記第1シャフトから突出する低圧シャフトである、付記18に記載の方法。
【0088】
本開示は、様々な態様について言及している。しかしながら、本開示は具体的に説明した態様に限定されるものではない。むしろ、以下に示す特徴及び要素のいかなる組み合わせも、これらが異なる態様に関連するか否かに関わらず、本開示を実施することが想定されている。また、態様の要素が「A及びBのうちの少なくとも一方」の形態で説明される場合、要素Aのみを含む態様、要素Bのみを含む態様、並びに要素A及びBを含む態様の各々が想定されている。さらに、いくつかの態様は、他の可能な解決策、及び/又は従来技術に対して利点をもたらすものであるが、ある態様によって特定の効果が得られるか否かは、本開示を限定するものではない。したがって、本明細書に開示する態様、特徴、及び効果は、単に例示的なものであり、添付の特許請求の範囲に明確に記載されていない限り、当該特許請求の範囲の要素又は限定事項と考えられるべきではない。同様に、「本発明」と言うことによって、本明細書に開示の発明の要旨を概括化したものと解釈されるべきではなく、添付の特許請求の範囲に明確にその旨が記載されていない限り、特許請求の範囲の要素又は限定であると解釈されるべきではない。
【0089】
当業者であれば分かるように、本明細書で説明する態様は、システム、方法、又はコンピュータプログラム製品として実現可能である。したがって、態様は、全体がハードウェアの態様、全体がソフトウェアの態様(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等)、又はソフトウェアとハードウェアの態様とを組み合わせた態様の形態を取ることができ、これら全てを本明細書では概して「回路」、「モジュール」、又は「システム」と呼ぶ場合がある。さらに、本明細書に開示される態様は、コンピュータ可読プログラムコードを含む1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体で具現化されるコンピュータプログラム製品の形態をとりうる。
【0090】
本開示の態様を説明するにあたり、本開示の態様による方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート及び/又はブロック図を参照する。フローチャート及び/又はブロック図における各ブロック、並びにフローチャート及び/又はブロック図におけるブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実施可能である。これらのコンピュータプログラム命令は、マシンを製造するために、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに供給されてもよく、これによって、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、フローチャート及び/又はブロック図におけるブロックに記載された機能/動作を実施するための手段を形成することができる。
【0091】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、又は他の装置に特定の態様で機能するように指示することができるコンピュータ可読媒体に保存して、当該コンピュータ可読媒体に保存された命令が、フローチャート及び/又はブロック図におけるブロックに記載された機能/動作を実施する命令を含む製品を製造するようにすることもできる。
【0092】
また、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、又は他の装置にコンピュータプログラム命令をロードして、当該コンピュータ、他のプログラム可能な装置、又は他の装置において一連の動作ステップが実行されるようにすることによって、当該コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、又は他の装置で実行される命令が、コンピュータにより実現される処理を作製し、フローチャート及び/又はブロック図におけるブロックに記載された機能/動作を実施するための処理を提供するようにすることもできる。
【0093】
図面におけるフローチャート及びブロック図は、本開示の様々な態様によるシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品の可能な実施形態のアーキテクチャ、機能、及び動作を示す。これに関して、フローチャート又はブロック図における各ブロックは、特定の論理機能を実行するための1つ以上の実行可能な命令を含むモジュール、セグメント、又はコードの一部を表す場合がある。なお、いくつかの代替の実施形態において、ブロックに示した機能が、図に示す順序とは異なる順序で行われてもよい。例えば、関連する機能によっては、連続して示されている2つのブロックが、実際には実質的に同時に実行されてもよいし、これらのブロックが、逆の順序又は異なる順序で実行されてもよい。また、ブロック図及び/又はフローチャートの各ブロック、並びにブロック図及び/又はフローチャートのブロックの組み合わせは、特定の機能又は動作を実行する特定用途向けのハードウェアベースのシステム、又は特定用途向けハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせにより実行することができる。
【0094】
本開示の態様について説明してきたが、本開示の基本的な範囲を逸脱することなく他の様々な態様を想定することができ、その範囲は、以下の特許請求の範囲によって規定される。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7