(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】衣類処理装置
(51)【国際特許分類】
D06F 33/37 20200101AFI20240502BHJP
D06F 33/44 20200101ALI20240502BHJP
D06F 105/52 20200101ALN20240502BHJP
【FI】
D06F33/37
D06F33/44
D06F105:52
(21)【出願番号】P 2020149036
(22)【出願日】2020-09-04
【審査請求日】2023-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】小倉 隼人
(72)【発明者】
【氏名】松井 陽子
(72)【発明者】
【氏名】岡本 涼
(72)【発明者】
【氏名】杉本 哲也
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-367695(JP,A)
【文献】特開2020-000802(JP,A)
【文献】特開平03-057494(JP,A)
【文献】特開平08-141273(JP,A)
【文献】特開2008-183122(JP,A)
【文献】特開2018-011618(JP,A)
【文献】特開平04-053589(JP,A)
【文献】特開2006-25826(JP,A)
【文献】特開2005-224271(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0240066(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 33/00-33/76
D06F105/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類を収容する衣類処理槽と、
衣類を処理する衣類処理剤を前記衣類処理槽内に投入する自動投入部と、
前記自動投入部の駆動を制御する制御部と、
使用者によって操作されるものであって、前記自動投入部による前記衣類処理槽内への衣類処理剤の追加投入を指示する追加投入指示部と、
を備え、
前記制御部は、前記自動投入部を駆動して前記衣類処理槽内に衣類処理剤を投入した後に、
衣類処理剤の追加投入の設定に参考となる情報を表示し、使用者によって前記追加投入指示部が操作されると、さらに前記自動投入部を駆動して前記衣類処理槽内に衣類処理剤を追加投入する衣類処理装置。
【請求項2】
前記自動投入部は、衣類処理剤として洗剤および柔軟剤を投入可能であり、
前記制御部は、
衣類を洗う洗い行程の実行中に前記追加投入指示部が操作された場合には、前記自動投入部を駆動して前記衣類処理槽内に洗剤を追加投入し、
衣類をすすぐすすぎ行程の実行中に前記追加投入指示部が操作された場合には、前記自動投入部を駆動して前記衣類処理槽内に柔軟剤を追加投入する請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、衣類処理剤を追加投入した場合には、すすぎ行程の実行回数を変更する請求項1または2に記載の衣類処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、衣類処理剤を追加投入した場合には、運転時間を変更する請求項1から3の何れか1項に記載の衣類処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、衣類処理剤の追加投入量に応じて運転時間を変更する請求項4に記載の衣類処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、衣類処理剤を追加投入した場合には、前記衣類処理槽内に水を追加する請求項1から5の何れか1項に記載の衣類処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、衣類処理剤の追加投入の実行回数および衣類処理剤の追加投入量のうち少なくとも一方に上限を設ける請求項1から6の何れか1項に記載の衣類処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、センサにより検知した情報を表示する請求項1から7の何れか1項に記載の衣類処理装置。
【請求項9】
前記衣類処理槽内に衣類を出し入れするための開口部と、
前記開口部を開閉するドアと、
前記ドアの開閉を検知するドア開閉検知部と、
を備え、
前記制御部は、前記ドア開閉検知部によって前記ドアが開かれて、その後、閉じられたことが検知されると、使用者に前記追加投入指示部を操作することを促す処理を実行する請求項1から8の何れか1項に記載の衣類処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、衣類処理剤を追加投入した場合には、その追加投入の内容を記憶可能である請求項1から9の何れか1項に記載の衣類処理装置。
【請求項11】
前記制御部は、衣類処理剤の追加投入量が多いと判定した場合には、その旨を表示する請求項1から10の何れか1項に記載の衣類処理装
置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、衣類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
衣類に所定の処理を施す衣類処理装置の一例として洗濯機が知られている。近年、この種の洗濯機においては、使用者の利便性向上の要望に応えるため、洗剤や柔軟剤などの衣類処理剤を自動投入用のタンク内に予め複数回分貯留しておき、洗濯運転中に必要量をタンクから自動的に水槽内へ投入する自動投入機能を備えた構成が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような衣類処理剤の自動投入機能を備えた衣類処理装置においては、運転開始時に衣類処理剤の自動投入が完了した後において、さらに衣類処理剤を追加投入したい場合が発生し得る。しかしながら、従来では、運転開始時における衣類処理剤の自動投入量の設定値を追加する機能は実現されているものの、運転開始時における衣類処理剤の自動投入の完了後に、さらに衣類処理剤の追加投入を可能にすることは考えられていない。
【0005】
そこで、衣類処理剤の自動投入の完了後において、さらに、衣類処理剤の追加投入をできるようにした衣類処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係る衣類処理装置は、衣類を収容する衣類処理槽と、衣類を処理する衣類処理剤を前記衣類処理槽内に投入する自動投入部と、前記自動投入部の駆動を制御する制御部と、使用者によって操作されるものであって、前記自動投入部による前記衣類処理槽内への衣類処理剤の追加投入を指示する追加投入指示部と、を備え、前記制御部は、前記自動投入部を駆動して前記衣類処理槽内に衣類処理剤を投入した後に、衣類処理剤の追加投入の設定に参考となる情報を表示し、使用者によって前記追加投入指示部が操作されると、さらに前記自動投入部を駆動して前記衣類処理槽内に衣類処理剤を追加投入する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態に係る洗濯機の構成例を概略的に示す縦断側面図
【
図2】第1実施形態に係る給水部の構成例を概略的に示す図
【
図3】第1実施形態に係る洗濯機の制御系の構成例を概略的に示すブロック図
【
図4】第1実施形態に係る進捗画面の構成例を概略的に示す図
【
図5】第1実施形態に係る追加投入設定画面の構成例を概略的に示す図
【
図6】第2実施形態に係る衣類処理剤の追加投入の動作例を概略的に示す図
【
図7】第3実施形態に係る衣類処理剤の追加投入に伴うすすぎ行程の実行回数の設定例を概略的に示す図
【
図8】第4実施形態に係る衣類処理剤の追加投入に伴うすすぎ行程の運転時間の設定例を概略的に示す図
【
図9】第5実施形態に係る衣類処理剤の追加投入に伴う水の追加量の設定例を概略的に示す図
【
図10】第6実施形態に係る洗濯機の制御系の構成例を概略的に示すブロック図
【
図11】第7実施形態に係る終了画面の構成例を概略的に示す図
【
図12】第8実施形態に係る終了画面の構成例を概略的に示す図
【
図13】本実施形態の変形例に係る追加投入設定画面の構成例を概略的に示す図
【
図14】本実施形態の変形例に係る進捗画面の構成例を概略的に示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、衣類処理装置に係る複数の実施形態について図面を参照ながら説明する。なお、複数の実施形態において実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0009】
(第1実施形態)
図1に例示する洗濯機1は、衣類に所定の処理、この場合、少なくとも、衣類を洗う洗い処理、衣類をすすぐすすぎ処理、衣類を脱水する脱水処理を施すことが可能な衣類処理装置の一例である。また、洗濯機1は、回転槽の回転中心軸が水平方向あるいは水平方向に対して傾斜する方向に延びる、いわゆるドラム式の洗濯機である。
【0010】
洗濯機1は、その外郭を構成する矩形箱状の筐体2の内部に、衣類を洗浄するための洗浄槽3を備えている。洗浄槽3は、衣類を収容する衣類処理槽の一例であり、有底円筒状の水槽の内部に、同じく有底円筒状のドラムを回転可能に備えた構成である。ドラムの周壁には多数の小孔が設けられており、また、ドラムの内周面には、衣類をかき上げるためのバッフルが設けられている。洗浄槽3の前面開口部3aは、筐体2の前面に設けられたドア5によって開閉可能となっている。使用者は、ドア5を開くことにより、洗浄槽3の前面開口部3aを通して当該洗浄槽3内に衣類を出し入れすることができる。
【0011】
また、洗濯機1は、洗浄槽3内に水を供給するための給水部4、および、洗浄槽3内の水を機外に排水するための図示しない排水部を備えている。給水部4は、例えば水道などの図示しない水源から洗浄槽3に延びる給水経路の途中に給水弁10などを備えた構成となっている。また、排水部は、洗浄槽3の底部から機外に延びる排水経路の途中に排水弁などを備えた構成となっている。
【0012】
図2に例示するように、給水部4は、図示しない水源から洗浄槽3に延びる給水経路の途中に、給水弁10、自動投入部11、注水ケース12などを備えた構成となっている。給水弁10の入口は、例えば水道などの図示しない水源に接続されている。また、給水弁10は、少なくとも2つの出口を有しており、第1出口は、自動投入用経路13aを介して注水ケース12に接続され、第2出口は、手動投入用経路13bを介して注水ケース12に接続されている。注水ケース12の出口は、給水ホース14を介して洗浄槽3に接続されている。
【0013】
自動投入部11は、洗剤タンク15および柔軟剤タンク16を備えている。洗剤タンク15および柔軟剤タンク16は、給水部4に対し着脱可能に備えられている。洗剤タンク15内には、運転複数回分の衣類処理剤、この場合、洗浄槽3内の衣類を洗浄するための洗剤を貯留可能となっている。柔軟剤タンク16内には、運転複数回分の衣類処理剤、この場合、洗浄槽3内の衣類に柔軟処理を施すための柔軟剤を貯留可能となっている。
【0014】
洗剤タンク15は、洗剤用計量ポンプ17を介して自動投入用経路13aに接続されている。洗剤用計量ポンプ17は、例えば、モータやソレノイドなどのアクチュエータによってピストンを駆動することにより液体を吸引して送出する構成となっている。洗剤用計量ポンプ17は、洗剤タンク15内から所定量、この場合、1回の運転に使用する量の洗剤を吸引し、その吸引した洗剤を自動投入用経路13a内に送出する。そして、自動投入用経路13a内に送出された洗剤は、給水弁10から供給される水とともに注水ケース12内に導入される。そして、注水ケース12内に導入された洗剤は、同じく注水ケース12内に導入された水とともに給水ホース14を介して洗浄槽3内に供給される。これにより、洗剤タンク15内から洗浄槽3内に洗剤が自動的に投入される。なお、洗剤用計量ポンプ17は、液体を吸引するものに限られず、例えば、液体を押し出すものであってもよい。
【0015】
柔軟剤タンク16は、柔軟剤用計量ポンプ18を介して自動投入用経路13aに接続されている。柔軟剤用計量ポンプ18は、例えば、モータやソレノイドなどのアクチュエータによってピストンを駆動することにより液体を吸引して送出する構成となっている。柔軟剤用計量ポンプ18は、柔軟剤タンク16内から所定量、この場合、1回の運転に使用する量の柔軟剤を吸引し、その吸引した柔軟剤を自動投入用経路13a内に送出する。そして、自動投入用経路13a内に送出された柔軟剤は、給水弁10から供給される水とともに注水ケース12内に導入される。そして、注水ケース12内に導入された柔軟剤は、同じく注水ケース12内に導入された水とともに給水ホース14を介して洗浄槽3内に供給される。これにより、柔軟剤タンク16内から洗浄槽3内に柔軟剤が自動的に投入される。なお、柔軟剤用計量ポンプ18は、液体を吸引するものに限られず、例えば、液体を押し出すものであってもよい。
【0016】
また、注水ケース12内には、図示しない手動投入用ケースが出し入れ可能に収容されている。手動投入用ケース内には、使用者の手動によって洗剤が投入される手動洗剤投入部、および、使用者の手動によって柔軟剤が投入される手動柔軟剤投入部が設けられている。手動洗剤投入部に投入されている洗剤、あるいは、手動柔軟剤投入部に投入されている柔軟剤は、給水弁10から手動投入用経路13bを介して注水ケース12内に注水される水とともに給水ホース14を介して洗浄槽3内に供給される。
【0017】
以上のように構成される洗濯機1は、
図1に例示するように、さらに制御装置40を備えている。制御装置40は、制御部の一例であり、この場合、洗濯機1の筐体2の前面の上部、より詳細には、ドア5の上部に設けられている。制御装置40は、例えば、マイクロコンピュータを主体として構成されており、制御プログラムや各種の設定情報に基づいて洗濯機1の動作全般を制御する。
【0018】
また、制御装置40は、例えば液晶ディスプレイなどで構成される表示器41を備えており、洗濯機1の運転に関する各種の情報が含まれた各種の画面を表示器41に表示可能である。また、制御装置40は、洗濯機1の運転に関する各種の操作を受け付けるための操作キー、いわゆるタッチキーが含まれた各種の画面を表示器41に表示可能である。使用者は、制御装置40が表示器41に表示する画面に含まれる各種の操作キーをタッチ操作することにより、洗濯機1の運転に関する各種の操作を行うことができる。
【0019】
なお、表示器41を構成するタッチパネルとしては、例えば、使用者の手指が触れた際に発生する静電容量の変化をセンサで感知する静電容量方式のタッチパネルを適用することができる。また、表示器41を構成するタッチパネルとしては、静電容量方式のタッチパネルに限らず、例えば、抵抗膜方式のタッチパネルなどの各種の方式のタッチパネルを適用することができる。また、表示器41は、液晶ディスプレイにより構成されるものに限らず、例えば、有機ELディスプレイなどの各種の表示機器類を適用することができる。
【0020】
図3に例示するように、制御装置40には、表示器41だけでなく、例えば、上述した給水弁10、洗剤用計量ポンプ17、柔軟剤用計量ポンプ18、図示しない排水弁、図示しないドラム回転モータなどの各種の駆動系の構成要素が接続されている。制御装置40は、特に、給水弁10、洗剤用計量ポンプ17、柔軟剤用計量ポンプ18の駆動を制御することによって、自動投入部11の駆動を制御することが可能である。また、制御装置40には、温度センサ42や濁度センサ43などといった各種のセンサ類が接続されている。温度センサ42や濁度センサ43は、運転に関連する各種の状態を検知する運転関連状態検知部の一例である。
【0021】
温度センサ42は、例えばサーミスタなどを主体として構成されており、この場合、洗浄槽3内の水の温度を検知する周知の水温センサとして構成されている。なお、温度センサ42は、水温センサ以外のセンサ、例えば、洗濯機1周辺の外気の温度を検知する外気温センサであってもよい。濁度センサ43は、例えば、電気伝導度などに応じて洗浄槽3内の水の濁度を検知する周知の濁度センサとして構成されている。
【0022】
本実施形態に係る洗濯機1は、自動投入部11による衣類処理剤の自動投入の完了後において、さらに、自動投入部11による衣類処理剤の追加投入を行うことが可能に構成されている。また、洗濯機1は、自動投入部11による衣類処理剤の追加投入を使用者の意思に応じて行うことが可能に構成されている。以下、この点について詳細に説明する。
【0023】
図4に例示する進捗画面100は、運転開始時における自動投入部11による衣類処理剤の自動投入が完了し、運転が開始された後に表示器41に表示される画面である。この場合、進捗画面100には、運転に関する各種の情報が表示されている。進捗画面100に表示される運転に関する情報は、例えば、実行中の運転コースの名称、実行中の運転行程つまり運転コースの進捗状況、現在時刻、運転の残り時間などの情報である。
【0024】
また、進捗画面100には、検知情報表示部101が設けられている。この検知情報表示部101には、各種のセンサ類によって検知された情報が表示される。
図4に示す例では、検知情報表示部101には、温度センサ42によって検知された洗浄槽3内の水の温度が表示されている。また、検知情報表示部101には、濁度センサ43によって検知された洗浄槽3内の水の濁度に基づく情報が表示されている。この場合、検知情報表示部101には、検知された濁度の値そのものが表示されるのではなく、検知された濁度に基づく分析結果情報、即ち、「皮脂汚れ:多め」といった情報が表示される。
【0025】
また、検知情報表示部101には、洗浄槽3内に収容されている衣類の量に関する情報が表示される。この場合、検知情報表示部101には、洗浄槽3内に収容されている衣類の量が所定量よりも多いことを示す「衣類:多め」といった情報が表示される。なお、洗浄槽3内に収容されている衣類の量は、洗浄槽3内のドラムの回転速度を所定速度まで上昇させ、その回転速度が減衰するときの態様に基づき判定する周知の重量センシングによって検知することができる。また、洗浄槽3の重量を機械的に検知する周知の重量計を備えることによっても検知することができる。
【0026】
また、進捗画面100には、一時停止ボタン102および追加ボタン103が設けられている。一時停止ボタン102は、使用者によって操作されるタッチボタンとして設けられている。使用者は、この一時停止ボタン102を操作することによって、制御装置40に、実行中の運転コースを一時停止することを指示することができる。また、追加ボタン103は、使用者によって操作されるタッチボタンとして設けられている。
【0027】
制御装置40は、自動投入部11を駆動して洗浄槽3内に衣類処理剤を投入した後において、使用者によって追加ボタン103が操作されると、
図5に例示する追加投入設定画面200を表示器41に表示する。この追加投入設定画面200には、衣類処理剤の追加投入量を設定するための複数、この場合、4つの追加投入量設定ボタン201a,201b,201c,201dが設けられている。これら複数の追加投入量設定ボタン201a,201b,201c,201dは、使用者によって操作されるタッチボタンとして設けられている。これら複数の追加投入量設定ボタン201a,201b,201c,201dは、それぞれ異なる追加投入量を設定するものであり、この場合、洗剤用キャップで「0.1杯」、「0.3杯」、「0.7杯」、「1.0杯」の4段階の追加投入量を設定可能となっている。
【0028】
また、追加投入設定画面200には、設定内容表示部202が設けられている。この設定内容表示部202には、使用者による追加投入量設定ボタン201a,201b,201c,201dの操作に応じて設定された追加投入量を示す情報が表示される。この場合、使用者によって追加投入量設定ボタン201bが操作されており、設定内容表示部202には、追加投入量として「0.3杯」が設定されていることを示す文字情報が表示されている。
【0029】
また、追加投入設定画面200には、参考情報表示部203が設けられている。この参考情報表示部203には、衣類処理剤の追加投入量を設定する際に参考となる情報が表示される。この場合、参考情報表示部203には、参考情報として、シャツ1枚当たりに推奨される衣類処理剤の追加投入量が洗剤用キャップで「0.1杯」であることを示す文字情報が表示されている。
【0030】
また、追加投入設定画面200には、決定ボタン204が設けられている。この決定ボタン204は、追加投入指示部の一例であり、使用者によって操作されるタッチボタンとして設けられている。使用者は、この決定ボタン204を操作することによって、制御装置40に、自動投入部11による洗浄槽3内への衣類処理剤の追加投入を実行することを指示することができる。即ち、使用者によって、この決定ボタン204が操作されると、制御装置40は、追加投入量設定ボタン201a,201b,201c,201dの操作に応じて選択された追加投入量の設定を確定し、自動投入部11を駆動して洗浄槽3内に衣類処理剤を追加投入する。これにより、設定した追加投入量分の衣類処理剤が洗浄槽3内に追加投入される。
【0031】
また、追加投入設定画面200には、閉じるボタン205が設けられている。この閉じるボタン205は、使用者によって操作されるタッチボタンとして設けられている。使用者によって、この閉じるボタン205が操作されると、制御装置40は、追加投入設定画面200を閉じて、再び進捗画面100を表示器41に表示する。
【0032】
以上に例示した洗濯機1によれば、制御装置40は、自動投入部11を駆動して洗浄槽3内に衣類処理剤を投入した後であっても、使用者によって追加ボタン103が操作されると、さらに自動投入部11を駆動して洗浄槽3内に衣類処理剤を追加投入することが可能である。即ち、洗濯機1によれば、衣類処理剤の自動投入の完了後において、さらに、衣類処理剤の追加投入を行うことができ、使い勝手の良い洗濯機を提供することができる。
【0033】
また、洗濯機1によれば、使用者は、追加投入設定画面200において追加投入量設定ボタン201a,201b,201c,201dを操作することにより、追加投入される衣類処理剤の量を選択することができる。よって、使用者の意思に応じた量の衣類処理剤を追加投入することができ、使い勝手の一層の向上を図ることができる。
【0034】
(第2実施形態)
上述した洗濯機1は、自動投入部11により複数種類、この場合、洗剤および柔軟剤という2種類の衣類処理剤を自動的に投入可能に構成されている。そのため、制御装置40は、決定ボタン204が操作されたときに実行している運転行程に応じて、その運転行程に適した衣類処理剤を追加投入するように構成するとよい。即ち、
図6に例示するように、制御装置40は、衣類を洗う洗い行程の実行中に決定ボタン204が操作された場合には、自動投入部11の洗剤用計量ポンプ17を駆動して洗浄槽3内に洗剤を追加投入する。また、制御装置40は、衣類をすすぐすすぎ行程の実行中に決定ボタン204が操作された場合には、自動投入部11の柔軟剤用計量ポンプ18を駆動して洗浄槽3内に柔軟剤を追加投入する。この場合、制御装置40は、1回の運転において、複数回のすすぎ行程、具体的には、中間すすぎ行程および最終すすぎ行程を実行する。そして、制御装置40は、最終すすぎ行程の実行中に決定ボタン204が操作されると、柔軟剤を洗浄槽3内に追加投入するように構成されている。
【0035】
第2実施形態によれば、決定ボタン204が操作されたとき、つまり、使用者が衣類処理剤を追加投入したいという意思を入力したときに実行している運転行程に応じて、その運転行程に適した衣類処理剤を追加投入することができ、使用者の意思に応じた衣類処理剤の追加投入を行うことができる。また、洗い行程において柔軟剤が追加投入されてしまうことを回避することができ、洗い性能が低下することを抑制することができる。また、すすぎ行程において洗剤が追加投入されてしまうことを回避することができ、すすぎ性能が低下することを抑制することができる。
【0036】
(第3実施形態)
図7に例示するように、制御装置40は、衣類処理剤を追加投入した場合には、すすぎ行程の実行回数を増加するように構成されている。即ち、制御装置40は、洗い行程の運転時間が「0分-5分」である場合において、洗剤の追加投入量が「0.1杯」または「0.3杯」である場合には、すすぎ行程の実行回数を増加させず初期設定回数である「1回」のままとする。しかし、制御装置40は、洗い行程の運転時間が「0分-5分」である場合において、洗剤の追加投入量が「0.7杯」である場合には、すすぎ行程の実行回数を「2回」に増加させる。また、制御装置40は、洗い行程の運転時間が「0分-5分」である場合において、洗剤の追加投入量が「1.0杯」である場合には、すすぎ行程の実行回数を「3回」に増加させる。
【0037】
また、制御装置40は、洗い行程の運転時間が「5分-10分」である場合において、洗剤の追加投入量が「0.1杯」または「0.3杯」である場合には、すすぎ行程の実行回数を増加させず初期設定回数である「2回」のままとする。しかし、制御装置40は、洗い行程の運転時間が「5分-10分」である場合において、洗剤の追加投入量が「0.7杯」または「1.0杯」である場合には、すすぎ行程の実行回数を「3回」に増加させる。
【0038】
また、制御装置40は、洗い行程の運転時間が「10分以上」である場合において、洗剤の追加投入量が「0.1杯」である場合には、すすぎ行程の実行回数を増加させず初期設定回数である「2回」のままとする。しかし、制御装置40は、洗い行程の運転時間が「10分以上」である場合において、洗剤の追加投入量が「0.3杯」,「0.7杯」,「1.0杯」の何れかである場合には、すすぎ行程の実行回数を「3回」に増加させる。
【0039】
第3実施形態によれば、衣類処理剤を追加投入した場合、この場合、洗剤を追加投入した場合には、すすぎ行程の実行回数を増加する。この構成によれば、洗い行程において通常よりも多量の洗剤が投入されたとしても、すすぎ行程の実行回数を増加させることで、衣類に洗剤が残存してしまうことを抑制することができる。
【0040】
なお、制御装置40は、衣類処理剤を追加投入した場合には、洗い行程の運転時間を増加するように構成してもよい。この場合も、制御装置40は、衣類処理剤の追加投入量に応じて洗い行程の運転時間を変更するように構成するとよい。即ち、例えば、制御装置40は、洗い行程の運転時間が「0分-5分」である場合において、洗剤の追加投入量が「0.1杯」である場合には、洗い行程の運転時間を増加させず初期設定回数のままとする。しかし、制御装置40は、洗い行程の運転時間が「0分-5分」である場合において、洗剤の追加投入量が「0.3杯」である場合には、洗い行程の運転時間を所定時間だけ増加させる。また、制御装置40は、洗い行程の運転時間が「0分-5分」である場合において、洗剤の追加投入量が「0.7杯」である場合には、洗い行程の運転時間を所定時間だけ増加させる。また、制御装置40は、洗い行程の運転時間が「0分-5分」である場合において、洗剤の追加投入量が「1.0杯」である場合には、洗い行程の運転時間を所定時間だけ増加させる。
【0041】
また、制御装置40は、洗い行程の運転時間が「5分-10分」である場合において、洗剤の追加投入量が「0.1杯」である場合には、洗い行程の運転時間を増加させず初期設定回数のままとする。しかし、制御装置40は、洗い行程の運転時間が「5分-10分」である場合において、洗剤の追加投入量が「0.3杯」である場合には、洗い行程の運転時間を所定時間だけ増加させる。また、制御装置40は、洗い行程の運転時間が「5分-10分」である場合において、洗剤の追加投入量が「0.7杯」である場合には、洗い行程の運転時間を所定時間だけ増加させる。また、制御装置40は、洗い行程の運転時間が「5分-10分」である場合において、洗剤の追加投入量が「1.0杯」である場合には、洗い行程の運転時間を所定時間だけ増加させる。
【0042】
また、制御装置40は、洗い行程の運転時間が「10分以上」である場合において、洗剤の追加投入量が「0.1杯」である場合には、洗い行程の運転時間を増加させず初期設定回数のままとする。しかし、制御装置40は、洗い行程の運転時間が「10分以上」である場合において、洗剤の追加投入量が「0.3杯」である場合には、洗い行程の運転時間を所定時間だけ増加させる。また、制御装置40は、洗い行程の運転時間が「10分以上」である場合において、洗剤の追加投入量が「0.7杯」である場合には、洗い行程の運転時間を所定時間だけ増加させる。また、制御装置40は、洗い行程の運転時間が「10分以上」である場合において、洗剤の追加投入量が「1.0杯」である場合には、洗い行程の運転時間を所定時間だけ増加させる。
【0043】
このような動作例によれば、洗い行程において通常よりも多量の洗剤が投入されたとしても、その洗い行程の運転時間を増加させることで、衣類に洗剤が残存してしまうことを抑制することができる。なお、この動作例における「所定時間」は、それぞれ適宜変更して実施することができる。
【0044】
(第4実施形態)
図8に例示するように、制御装置40は、衣類処理剤を追加投入した場合には、運転時間を変更するように構成されている。また、制御装置40は、衣類処理剤の追加投入量に応じて運転時間を変更するように構成されている。即ち、制御装置40は、洗い行程の運転時間が「0分-5分」である場合において、洗剤の追加投入量が「0.1杯」である場合には、すすぎ行程の運転時間を増加させず初期設定回数である「1分」のままとする。しかし、制御装置40は、洗い行程の運転時間が「0分-5分」である場合において、洗剤の追加投入量が「0.3杯」である場合には、すすぎ行程の運転時間を「2分」に増加させる。また、制御装置40は、洗い行程の運転時間が「0分-5分」である場合において、洗剤の追加投入量が「0.7杯」である場合には、すすぎ行程の運転時間を「3分」に増加させる。また、制御装置40は、洗い行程の運転時間が「0分-5分」である場合において、洗剤の追加投入量が「1.0杯」である場合には、すすぎ行程の運転時間を「4分」に増加させる。
【0045】
また、制御装置40は、洗い行程の運転時間が「5分-10分」である場合において、洗剤の追加投入量が「0.1杯」である場合には、すすぎ行程の運転時間を増加させず初期設定回数である「5分」のままとする。しかし、制御装置40は、洗い行程の運転時間が「5分-10分」である場合において、洗剤の追加投入量が「0.3杯」である場合には、すすぎ行程の運転時間を「6分」に増加させる。また、制御装置40は、洗い行程の運転時間が「5分-10分」である場合において、洗剤の追加投入量が「0.7杯」である場合には、すすぎ行程の運転時間を「7分」に増加させる。また、制御装置40は、洗い行程の運転時間が「5分-10分」である場合において、洗剤の追加投入量が「1.0杯」である場合には、すすぎ行程の運転時間を「8分」に増加させる。
【0046】
また、制御装置40は、洗い行程の運転時間が「10分以上」である場合において、洗剤の追加投入量が「0.1杯」である場合には、すすぎ行程の運転時間を増加させず初期設定回数である「9分」のままとする。しかし、制御装置40は、洗い行程の運転時間が「10分以上」である場合において、洗剤の追加投入量が「0.3杯」である場合には、すすぎ行程の運転時間を「10分」に増加させる。また、制御装置40は、洗い行程の運転時間が「10分以上」である場合において、洗剤の追加投入量が「0.7杯」である場合には、すすぎ行程の運転時間を「11分」に増加させる。また、制御装置40は、洗い行程の運転時間が「10分以上」である場合において、洗剤の追加投入量が「1.0杯」である場合には、すすぎ行程の運転時間を「12分」に増加させる。
【0047】
第4実施形態によれば、衣類処理剤を追加投入した場合、この場合、洗剤を追加投入した場合には、運転時間、この場合、すすぎ行程の運転時間を変更する。この構成によれば、洗い行程において通常よりも多量の洗剤が投入されたとしても、すすぎ行程の運転時間を増加させることで、衣類に洗剤が残存してしまうことを抑制することができる。
【0048】
また、第4実施形態によれば、衣類処理剤、この場合、洗剤の追加投入量に応じて運転時間、この場合、洗い行程後のすすぎ行程の運転時間を変更する。この構成によれば、洗い行程における洗剤の追加投入量に応じた運転時間ですすぎ行程を実行することができ、追加された洗剤の量に応じた必要最小限の運転時間で衣類から洗剤を十分に取り除くことができる。なお、柔軟剤についても同様の実施形態としてもよい。即ち、柔軟剤の追加投入量に応じて運転時間、例えば、最終のすすぎ行程の運転時間を変更するようにしてもよい。この構成によれば、柔軟剤の追加投入量に応じた運転時間ですすぎ行程を実行することができ、追加された柔軟剤の量に応じた必要最小限の運転時間で衣類から柔軟剤を十分に取り除くことができる。
【0049】
(第5実施形態)
図9に例示するように、制御装置40は、衣類処理剤を追加投入した場合には、洗浄槽3内に水を追加するように構成されている。即ち、制御装置40は、すすぎ行程における柔軟剤の初期自動投入量が「0.3杯」である場合において、柔軟剤の追加投入量が「0.1杯」または「0.3杯」である場合には、洗浄槽3内への水の追加を行わない。しかし、制御装置40は、すすぎ行程における柔軟剤の初期自動投入量が「0.3杯」である場合において、柔軟剤の追加投入量が「0.7杯」である場合には、洗浄槽3内に「3リットル」の水を追加する。また、制御装置40は、すすぎ行程における柔軟剤の初期自動投入量が「0.3杯」である場合において、柔軟剤の追加投入量が「1.0杯」である場合には、洗浄槽3内に「4リットル」の水を追加する。
【0050】
また、制御装置40は、すすぎ行程における柔軟剤の初期自動投入量が「0.5杯」または「0.6杯」である場合において、柔軟剤の追加投入量が「0.1杯」である場合には、洗浄槽3内への水の追加を行わない。しかし、制御装置40は、すすぎ行程における柔軟剤の初期自動投入量が「0.5杯」または「0.6杯」である場合において、柔軟剤の追加投入量が「0.3杯」である場合には、洗浄槽3内に「3リットル」の水を追加する。また、制御装置40は、すすぎ行程における柔軟剤の初期自動投入量が「0.5杯」または「0.6杯」である場合において、柔軟剤の追加投入量が「0.7杯」である場合には、洗浄槽3内に「4リットル」の水を追加する。また、制御装置40は、すすぎ行程における柔軟剤の初期自動投入量が「0.5杯」または「0.6杯」である場合において、柔軟剤の追加投入量が「1.0杯」である場合には、洗浄槽3内に「5リットル」の水を追加する。
【0051】
また、制御装置40は、すすぎ行程における柔軟剤の初期自動投入量が「0.7杯」である場合において、柔軟剤の追加投入量が「0.1杯」または「0.3杯」である場合には、洗浄槽3内に「3リットル」の水を追加する。また、制御装置40は、すすぎ行程における柔軟剤の初期自動投入量が「0.7杯」である場合において、柔軟剤の追加投入量が「0.7杯」または「1.0杯」である場合には、洗浄槽3内に「5リットル」の水を追加する。
【0052】
第5実施形態によれば、衣類処理剤、この場合、柔軟剤を追加投入した場合には、洗浄槽3内に水を追加する。この構成によれば、通常よりも多量の柔軟剤が投入されたとしても、その柔軟剤の濃度を薄めることができるので、柔軟剤による衣類の黒化、いわゆる「黒ずみ」の発生を抑制することができる。
【0053】
(第6実施形態)
図10に例示するように、制御装置40には、さらにドア開閉センサ44が接続されている。ドア開閉センサ44は、ドア開閉検知部の一例であり、ドア5の開閉を検知する。ドア開閉センサ44は、例えばドア5をロックする図示しないロック機構の動作状態を検知するセンサ類など、洗浄槽3の前面開口部3aに対するドア5の開閉状態を検知できるものであれば種々のセンサ類を適用することができる。
【0054】
そして、制御装置40は、ドア開閉センサ44によってドア5が開かれたことが検知され、その後、ドア5が閉じられたことが検知されると、使用者に決定ボタン204を操作することを促す処理を実行する。この処理としては、例えば、衣類処理剤の追加投入を行うことを促す文字情報を進捗画面100に表示する処理、進捗画面100において追加ボタン103の表示態様を変化させる処理、表示器41に表示する画面を進捗画面100から追加投入設定画面200に自動的に遷移させる処理などが考えられる。追加ボタン103の表示態様としては、例えば、追加ボタン103を点滅させたり点灯させたりする態様、追加ボタン103を大きくしたり小さくしたりする態様、追加ボタン103の色を変化させる態様などが考えられる。
【0055】
洗濯機1においてドア5が開かれて閉じられた場合、洗浄槽3内に衣類が追加されたことが想定される。第6実施形態によれば、このような場合に、衣類処理剤の追加投入を指示することを使用者に促すことができるので、衣類処理剤が不足したまま運転が継続されてしまうことを抑制することができる。
【0056】
(第7実施形態)
図11に例示する終了画面300は、運転が終了したときに制御装置40が表示器41に表示する画面である。この終了画面300には、今回の運転内容を記憶することを指示する記憶指示部301が設けられている。記憶指示部301は、使用者によって操作されるチェックボックス形式の入力部として設けられている。
【0057】
制御装置40は、終了画面300において記憶指示部301が操作された場合には、今回の運転内容を図示しない記憶部に記憶する。よって、制御装置40は、今回の運転において衣類処理剤が追加投入されている場合には、その追加投入に関する内容も今回の運転内容の一部として記憶可能となっている。追加投入に関する内容としては、例えば、今回の運転において、衣類処理剤が追加投入された行程、追加投入された衣類処理剤の種類、衣類処理剤の追加投入量などといった情報が考えられる。なお、記憶部は、例えばメモリなどの周知の記憶媒体により構成されている。
【0058】
第7実施形態によれば、衣類処理剤の追加投入に関する情報も含め、実行された運転内容を記憶可能に構成したので、次回以降の運転において、その記憶した情報を活用して運転を行うことができる。つまり、運転の都度、追加投入に関する設定を行うことを不要とすることができ、使い勝手の良い洗濯機1を提供することができる。
【0059】
また、第7実施形態によれば、実行された運転内容を記憶するか否かを、使用者による記憶指示部301の操作の有無に基づき決定することができる。よって、使用者の意思が反映された運転内容、ひいては、衣類処理剤の追加投入態様を記憶して、次回以降の運転に活用することができる。
【0060】
なお、制御装置40は、衣類処理剤の追加投入態様を記憶している場合には、次回以降の運転において追加投入設定画面200を表示器41に表示したときに、記憶している追加投入量に対応する追加投入量設定ボタン201a,201b,201c,201dが予め選択された状態とするように構成するとよい。これにより、使用者は、追加投入量設定ボタン201a,201b,201c,201dを操作することなく決定ボタン204を操作するだけで、過去の運転において設定した追加投入量を今回の運転に反映させることができる。
【0061】
(第8実施形態)
図12に例示する終了画面400は、運転が終了したときに制御装置40が表示器41に表示する画面である。この終了画面400には、注意喚起部401が設けられている。この場合、注意喚起部401には、今回の運転において追加投入された衣類処理剤の量が多すぎることを示す文字情報が表示されている。
【0062】
追加投入された衣類処理剤が多すぎる場合、洗浄槽3内に泡が発生したり、運転終了後において衣類に衣類処理剤が残存したりすることが懸念される。第8実施形態によれば、使用者は、注意喚起部401に表示される情報に応じて、次回以降の運転における衣類処理剤の追加投入量を減らすことができる。よって、次回以降の運転において、より最適な衣類処理剤の量で運転を行うことができる。
【0063】
(その他の実施形態)
本実施形態は、上述した複数の実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更や拡張を行うことができる。例えば、上述した複数の実施形態を適宜組み合わせて実施することができる。
【0064】
また、
図13に例示するように、制御装置40は、衣類処理剤の追加投入量を、例えば「ミリリットル」単位など、洗剤用キャップ単位以外の単位で示すようにしてもよい。また、制御装置40は、設定されている現在の自動投入量を基準量として表示するようにしてもよい。
【0065】
また、
図14に例示するように、検知情報表示部101には、洗浄槽3内に収容されている衣類の「布質」に関する情報を表示してもよい。即ち、例えば、洗浄槽3内に綿系やタオル系の衣類が多く投入されている場合には、検知情報表示部101に「綿系:多め」や「タオル系:多め」などといった情報を表示し、洗浄槽3内に化学繊維系の衣類が多く投入されている場合には、「化学繊維系:多め」などといった情報を表示するようにしてもよい。
【0066】
なお、洗浄槽3内に収容されている衣類の布質は、例えば、周知の重量センシングによって検知された衣類の重量、洗浄槽3内への実際の給水水量と洗浄槽3内の実際の水位との差などの情報に基づいて推定することができる。洗浄槽3内への給水水量は、例えば、給水経路に設けられた図示しない周知の流水量センサなどによって検知することができる。また、洗浄槽3内の水位は、例えば、エアトラップなどを備えて構成される周知の水位センサなどによって検知することができる。
【0067】
また、制御装置40は、衣類処理剤の追加投入の実行回数に上限を設ける構成としてもよい。これにより、洗浄槽3内における多量の泡の発生を抑制することができる。また、衣類処理剤の追加投入に伴い洗浄槽3内に追加する水の量を抑制することができる。なお、衣類処理剤の追加投入の実行回数の上限値としては、例えば「20回」程の回数が考えられる。但し、洗浄槽3の容量などに応じて、「20回」を超える回数を設定してもよいし、「20回」を下回る回数を設定してもよい。また、実行回数の上限値を、例えば、実行される運転コースの種類、洗浄槽3内に収容されている衣類の重量、洗浄槽3内に供給される水の温度、洗濯機1の周囲の温度、衣類処理剤の種類などに応じて変動させるように構成してもよい。
【0068】
また、制御装置40は、衣類処理剤の追加投入量に上限を設ける構成としてもよい。この場合、制御装置40は、1回の追加投入動作における衣類処理剤の追加投入量に上限を設けてもよいし、1回の運転における衣類処理剤の追加投入量の合計量に上限を設けてもよい。また、追加投入量の上限値を、例えば、実行される運転コースの種類、洗浄槽3内に収容されている衣類の重量、洗浄槽3内に供給される水の温度、洗濯機1の周囲の温度、衣類処理剤の種類などに応じて変動させるように構成してもよい。なお、制御装置40は、衣類処理剤の追加投入の実行回数および衣類処理剤の追加投入量の双方に上限を設けるようにしてもよいし、衣類処理剤の追加投入の実行回数および衣類処理剤の追加投入量のうち少なくとも一方に上限を設けるようにしてもよい。
【0069】
また、制御装置40は、衣類処理剤の追加投入を実行した場合には、給水弁10を駆動して給水経路に水を流すようにするとよい。この構成によれば、追加投入された衣類処理剤を洗浄槽3内に向けて流すことができ、洗浄槽3内に実際に追加投入される衣類処理剤の量を正確な量とすることができる。また、追加投入された衣類処理剤の一部が給水経路内に残留することを抑制することができ、給水経路内において衣類処理剤が硬化することを回避することができる。
【0070】
また、タンクは、洗剤を貯留する洗剤タンク15や柔軟剤タンク16に限られるものではなく、例えば、消臭剤を貯留する消臭剤タンク、除菌剤を貯留する除菌剤タンク、漂白剤を貯留する漂白剤タンクなど、衣類に何らかの処理を施す種々の処理剤を貯留するタンクであれば種々の種類のタンクを適宜採用することができる。また、給水部4に備えられる複数のタンクは、同じ種類の処理剤を貯留するタンクであってもよいし、異なる種類の処理剤を貯留するタンクであってもよい。また、洗濯機1は、給水部4に1つのタンクを備える構成としてもよい。また、洗剤用計量ポンプ17および柔軟剤用計量ポンプ18は、液体を吸引するものに限られず、例えば、液体を押し出すものであってもよい。
【0071】
また、本実施形態は、回転槽の回転中心軸が鉛直方向に延びる、いわゆる縦軸型の洗濯機にも適用することができる。また、本実施形態は、乾燥機能を有する洗濯機にも適用することができる。また、本実施形態は、乾燥機能を有しない洗濯機にも適用することができる。また、本実施形態は、例えば、衣類の消臭、脱臭、除菌、漂白など、衣類に対して何らかの処理を施す装置であれば、種々の衣類処理装置に適用することができる。
【0072】
以上、本発明の複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0073】
図面中、1は洗濯機(衣類処理装置)、3は洗浄槽(衣類処理槽)、3aは衣類処理槽の開口部、5はドア、11は自動投入部、40は制御装置(制御部)、44はドア開閉センサ(ドア開閉検知部)、204は決定ボタン(追加投入指示部)を示す。