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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】制御方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/00 20190101AFI20240502BHJP
   G07D 11/50 20190101ALI20240502BHJP
【FI】
G07D11/00
G07D11/50
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020151205
(22)【出願日】2020-09-09
(65)【公開番号】P2022045550
(43)【公開日】2022-03-22
【審査請求日】2023-06-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】大和田 秀樹
【審査官】山本 裕太
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-025322(JP,A)
【文献】特開2019-155594(JP,A)
【文献】特開2017-007111(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 11/00
G07D 11/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサによって実行される制御方法であって、
紙葉類を供給し、
前記紙葉類を検査し、
複数の前記紙葉類を帯で結束し、
複数の前記紙葉類の少なくとも1つが異常である場合、複数の前記紙葉類の少なくとも1つが異常であることを示す異常判定情報を前記帯に印刷
前記異常判定情報は、異常であると判定された前記紙葉類を特定する特定情報を含む、制御方法。
【請求項2】
前記特定情報は、異常であると判定された前記紙葉類の枚数目である、
請求項に記載の制御方法。
【請求項3】
前記特定情報を示すコードを前記帯に印刷する、
請求項又はに記載の制御方法。
【請求項4】
前記コードは、結束された複数の前記紙葉類の枚数を示す、
請求項に記載の制御方法。
【請求項5】
前記異常判定情報が印刷されたラベルを前記帯に貼付する、
請求項1乃至の何れか1項に記載の制御方法。
【請求項6】
前記紙葉類は、紙幣であり、
複数の前記紙葉類に異常がない場合、前記紙葉類が正常であることを示す正常判定情報を前記帯に印刷する、
請求項1乃至の何れか1項に記載の制御方法。
【請求項7】
紙葉類を供給する供給部と、
前記紙葉類を検査するためのセンサと、
複数の前記紙葉類を帯で結束する結束部と、
複数の前記紙葉類の少なくとも1つが異常である場合、複数の前記紙葉類の少なくとも1つが異常であることを示す異常判定情報を前記帯に印刷する印刷部と、
を備え
前記異常判定情報は、異常であると判定された前記紙葉類を特定する特定情報を含む、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、制御方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
紙幣などの紙葉類を検査して所定の枚数ごとに結束する検査システムが提供されている。そのような検査システムは、異常と判定された紙葉類を専用の集積部に搬送し運転を停止する。オペレータは、異常と判定された紙葉類を代替紙に差し替えて、検査システムの運転を再開する。
【0003】
従来、検査システムは、運転の停止により稼働率が低下するという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-176209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の課題を解決するため、稼働率を改善することができる制御方法及びシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、プロセッサによって実行される制御方法は、紙葉類を供給し、前記紙葉類を検査し、複数の前記紙葉類を帯で結束し、複数の前記紙葉類の少なくとも1つが異常である場合、複数の前記紙葉類の少なくとも1つが異常であることを示す異常判定情報を前記帯に印刷する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係る検査システムの構成例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る制御装置の構成例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係る検査システムが印刷するラベルの例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る検査システムが印刷するラベルの例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る検査システムの動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。
実施形態に係る検査システムは、紙幣などの紙葉類を検査した後、検査された紙葉類に結束する。たとえば、検査システムには、オペレータから所定の枚数(たとえば、1000枚)の紙葉類が投入される。検査システムは、紙葉類を検査して集積する。検査システムは、集積された紙葉類を帯などで結束して排出する。
【0009】
図1は、検査システム1の構成例を示す。図1が示すように、検査システム1は、制御装置10及び検査装置20などを備える。制御装置10と検査装置20とは、互いに接続する。
【0010】
制御装置10は、オペレータなどの操作に従って検査装置20の動作を制御する。たとえば、制御装置10は、紙葉類の搬送、検査及び結束などを制御する。制御装置10については、後に詳述する。
【0011】
検査装置20は、制御装置10からの制御に従って紙葉類を搬送、検査及び結束する。図2が示すように、検査装置20は、供給部21、センサ22、集積部23、第1の結束部25、第1の搬送部24、第2の結束部26、印刷部27及び第2の搬送部28などを備える。
【0012】
供給部21は、紙葉類を第1の搬送部24へ供給する。供給部21は、オペレータが投入した紙葉類を格納する。供給部21は、制御装置10からの制御などに基づいて紙葉類を1部ずつ第1の搬送部24へ供給する。
【0013】
たとえば、供給部21は、紙葉類を格納する収納庫及び収納庫から紙葉類を取り出すピックアップローラなどから構成される。
【0014】
センサ22は、紙葉類を検査するために用いられる。センサ22は、第1の搬送部24により搬送されている紙葉類から特徴量を検出する。センサ22は、検出された特徴量を示すセンサ信号を制御装置10に送信する。たとえば、センサ22は、第1の搬送部24により搬送されている紙葉類からの反射光を検出するイメージセンサである。なお、センサ22には、紙葉類からの反射光をイメージセンサに結像させる光学系がさらに設けられていてもよい。また、センサ22には、光源が設けられていてもよい。また、センサ22は、複数のセンサから構成されるものであってもよい。センサ22の構成は、特定の構成に限定されるものではない。
【0015】
集積部23は、第1の搬送部24により搬送された紙葉類を集積する。集積部23は、所定の枚数の紙葉類を集積する。ここでは、集積部23は、100枚の紙葉類を集積する。たとえば、集積部23は、紙葉類を1部ずつ保持する羽根を有する羽根車などから構成される。
ここでは、検査装置20は、集積部23a乃至cを備える。
【0016】
第1の搬送部24は、制御装置10の制御に従って、供給部21が供給する紙葉類を搬送する。第1の搬送部24は、センサ22の近傍に形成される搬送路上で紙葉類を搬送する。
【0017】
第1の搬送部24は、供給部21から紙葉類を集積部23に搬送する。即ち、第1の搬送部24は、制御装置10の制御に従って、供給部21から集積部23a乃至cの何れかに紙葉類を搬送する。
【0018】
第1の搬送部24は、複数のモータ、複数のローラ、複数のベルト及び複数のガイドなどから構成される。複数のモータは、制御装置10の制御に基づいて、軸を回転させることにより、軸の回転に連動するベルトを回転させる。複数のベルトは、回転することにより紙葉類を搬送する。複数のガイドは、制御装置10の制御に従って紙葉類の搬送方向を制御する。
【0019】
第1の結束部25は、集積部23に集積された紙葉類を帯により結束する。第1の結束部25は、集積部23から放出される所定の枚数の紙葉類を受領する。第1の結束部25は、受領した紙葉類の短手方向に帯をまき付ける。第1の結束部25は、巻き付けた帯の両端を重ねた状態で加熱して帯の両端を互いに固定する。その結果、第1の結束部25は、紙葉類を結束する。ここでは、第1の結束部25は、100枚の紙葉類を結束する。
【0020】
たとえば、第1の結束部25は、集積部23から放出された紙葉類が堆積する矩形状の放出台、帯を送り出す帯フィーダ、帯フィーダから帯を引き出してループ状に送り出す帯送り機構、帯を紙葉類の束に巻き付ける帯巻き機構、巻き付けられた帯を加熱するヒータ、帯をカットするカッターなどから構成される。
【0021】
検査装置20は、第1の結束部25a乃至cを備える。第1の結束部25a乃至cは、それぞれ集積部23a乃至cに集積された紙葉類を結束する。
【0022】
第2の結束部26は、第1の結束部25が結束した紙葉類の束をさらに結束する。即ち、第2の結束部26は、複数枚の紙葉類の束を結束する。第2の結束部26は、紙葉類の束を複数枚重ね合わせる。第2の結束部26は、複数枚の束の短手方向及び長手方向に帯を巻き付ける。第2の結束部26は、巻き付けた各帯の両端を重ねた状態で加熱して各帯の両端を互いに固定する。その結果、第2の結束部26は、紙葉類の束を十文字に結束する。
【0023】
ここでは、第2の結束部26は、10枚の束を結束する。即ち、第2の結束部26は、1000枚の紙葉類を結束する。
【0024】
たとえば、第2の結束部26は、第1の結束部25が結束した紙葉類の束が堆積する矩形状の放出台、帯を送り出す帯フィーダ、帯フィーダから帯を引き出してループ状に送り出す帯送り機構、帯を紙葉類の束に巻き付ける帯巻き機構、巻き付けられた帯を加熱するヒータ、帯をカットするカッターなどから構成される。
【0025】
印刷部27は、制御装置10からの制御に従って、第2の結束部26が紙葉類を結束した帯に画像を形成する。ここでは、印刷部27は、ラベルに画像を印刷し、画像が印刷されたラベルを帯に貼付する。
【0026】
たとえば、印刷部27は、感熱紙から構成されるラベルを加熱して画像を形成する。また、印刷部27は、インクジェット方式でラベルに画像を形成するものであってもよい。
【0027】
たとえば、印刷部27は、ラベルを供給するラベル供給機構、ラベルに画像を形成する形成機構、ラベルを帯に貼付する貼付機構などから構成される。
【0028】
第2の搬送部28は、制御装置10の制御に従って、第1の結束部25が結束した紙葉類の束を第2の結束部26へ供給する。また、第2の搬送部28は、制御装置10の制御に従って、第2の結束部26が結束した紙葉類の束を印刷部27へ供給する。また、第2の搬送部28は、画像を印刷された束を外部へ排出する。
【0029】
第2の搬送部28は、紙葉類の束(100枚又は1000枚の束)を保持する保持機構及び紙葉類の束を保持している保持機構を移動させる移動機構などから構成される。たとえば、保持機構は、紙葉類の束を積載するトレイ又はベルトなどから構成される。移動機構は、回転することにより保持機構を移動させるモータ(アクチュエータ)などから構成される。
【0030】
なお、検査装置20は、図1が示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、検査装置20から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0031】
次に、制御装置10について説明する。
図2は、実施形態に係る制御装置10の構成例を示す。図2は、制御装置10の構成例を示すブロック図である。図2が示すように、制御装置10は、プロセッサ11、ROM12、RAM13、NVM14、通信部15、操作部16及び表示部17などを備える。
【0032】
プロセッサ11と、ROM12、RAM13、NVM14、通信部15、操作部16及び表示部17と、は、データバスなどを介して互いに接続する。
なお、制御装置10は、図2が示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、制御装置10から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0033】
プロセッサ11は、制御装置10全体の動作を制御する機能を有する。プロセッサ11は、内部キャッシュ及び各種のインターフェースなどを備えてもよい。プロセッサ11は、内部メモリ、ROM12又はNVM14が予め記憶するプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
【0034】
なお、プロセッサ11がプログラムを実行することにより実現する各種の機能のうちの一部は、ハードウエア回路により実現されるものであってもよい。この場合、プロセッサ11は、ハードウエア回路により実行される機能を制御する。
【0035】
ROM12は、制御プログラム及び制御データなどが予め記憶された不揮発性のメモリである。ROM12に記憶される制御プログラム及び制御データは、制御装置10の仕様に応じて予め組み込まれる。
【0036】
RAM13は、揮発性のメモリである。RAM13は、プロセッサ11の処理中のデータなどを一時的に格納する。RAM13は、プロセッサ11からの命令に基づき種々のアプリケーションプログラムを格納する。また、RAM13は、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータ及びアプリケーションプログラムの実行結果などを格納してもよい。
【0037】
NVM14は、データの書き込み及び書き換えが可能な不揮発性のメモリである。NVM14は、たとえば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)又はフラッシュメモリなどから構成される。NVM14は、制御装置10の運用用途に応じて制御プログラム、アプリケーション及び種々のデータなどを格納する。
【0038】
通信部15は、検査装置20とデータを送受信するためのインターフェースである。たとえば、通信部15は、有線又は無線のLAN(Local Area Network)接続をサポートするインターフェースである。また、通信部15は、Bluetooth(登録商標)接続をサポートするものであってもよい。
【0039】
操作部16は、オペレータから種々の操作の入力を受け付ける。操作部16は、入力された操作を示す信号をプロセッサ11へ送信する。操作部16は、タッチパネルから構成されてもよい。
【0040】
表示部17は、プロセッサ11からの画像データを表示する。たとえば、表示部17は、液晶モニタから構成される。操作部16がタッチパネルから構成される場合、表示部17は、操作部16と一体的に形成されてもよい。
たとえば、制御装置10は、デスクトップPCなどである。
【0041】
次に、制御装置10が実現する機能について説明する。制御装置10が実現する機能は、制御装置10のプロセッサ11が内部メモリ、ROM12又はNVM14に格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0042】
まず、プロセッサ11は、供給部21が供給する紙葉類を検査する機能を有する。
ここでは、供給部21に所定の枚数(たとえば、1000枚)の紙葉類がセットされているものとする。
【0043】
プロセッサ11は、操作部16などに入力された操作などの従って、供給部21から紙葉類を供給する。供給部21から紙葉類を供給すると、プロセッサ11は、第1の搬送部24を用いて1部ずつ紙葉類を搬送する。第1の搬送部24は、プロセッサ11からの制御に従って紙葉類を供給部21から集積部23に搬送する。
【0044】
ここで、センサ22は、供給部21から集積部23の間において第1の搬送部24により搬送されている紙葉類から特徴量を検出する。センサ信号は、検出された特徴量を示すセンサ信号をプロセッサ11に送信する。
【0045】
プロセッサ11は、センサ22からセンサ信号を取得する。センサ信号を取得すると、プロセッサ11は、取得されたセンサ信号に基づいて紙葉類を検査する。
【0046】
たとえば、プロセッサ11は、紙葉類の真性又は品質を検査する。プロセッサ11は、センサ信号が示す特徴量が所定の条件を満たす場合、紙葉類が正常(合格)であると判定する。プロセッサ11は、センサ信号が示す特徴量が所定の条件を満たさない場合、紙葉類が異常(不合格)であると判定する。たとえば、プロセッサ11は、所定の条件として、特徴量から算出される値が所定の閾値以上、所定の閾値以下、又は、所定の範囲内であるかを判定する。
また、プロセッサ11は、ネットワークなどを用いて紙葉類を検査してもよい。
【0047】
プロセッサ11は、紙葉類が異常であると判定すると、異常と判定された紙葉類を特定する特定情報をRAM13又はNVM14などに格納する。たとえば、特定情報は、紙葉類の枚数目(先頭からの順序)である。
【0048】
また、プロセッサ11は、センサ信号などに基づいて紙葉類に印字されている番号(印字番号)を取得する。
なお、特定情報は、紙葉類に印字される印字番号であってもよい。
プロセッサ11は、供給部21から供給される各紙葉類を検査する。
【0049】
また、プロセッサ11は、検査が完了した紙葉類を結束する機能を有する。
前述の通り、プロセッサ11は、第1の搬送部24を用いて供給部21から集積部23へ紙葉類を搬送する。
【0050】
集積部23に紙葉類を搬送すると、プロセッサ11は、集積部23に紙葉類を投入する。たとえば、プロセッサ11は、集積部23aに紙葉類を投入する。集積部23aに所定の枚数(ここでは、100枚)の紙葉類を投入すると、プロセッサ11は、集積部23bに紙葉類を投入する。同様に、プロセッサ11は、集積部23bに所定の枚数の紙葉類を投入すると、プロセッサ11は、集積部23cに紙葉類を投入する。
【0051】
集積部23aは、所定の枚数の紙葉類を受領すると、第1の結束部25aに所定の枚数の紙葉類を投入する。第1の結束部25aは、プロセッサ11からの制御に従って投入された紙葉類を結束する。
【0052】
同様に、集積部23bは、所定の枚数の紙葉類を受領すると、第1の結束部25bに所定の枚数の紙葉類を投入する。第1の結束部25bは、プロセッサ11からの制御に従って投入された紙葉類を結束する。
【0053】
同様に、集積部23cは、所定の枚数の紙葉類を受領すると、第1の結束部25cに所定の枚数の紙葉類を投入する。第1の結束部25cは、プロセッサ11からの制御に従って投入された紙葉類を結束する。
【0054】
プロセッサ11は、集積部23cに所定の枚数の紙葉類を投入すると、プロセッサ11は、再度、集積部23aに紙葉類を投入する。
【0055】
また、プロセッサ11は、第2の搬送部28を用いて各第1の結束部25が結束した紙葉類の束を第2の結束部26に搬送する。
【0056】
プロセッサ11は、上記の動作を繰り返して、第1の結束部25から紙葉類の束を第2の結束部26へ順に搬送する。
【0057】
所定の枚数(ここでは、10枚)の束を第2の結束部26に搬送すると、プロセッサ11は、第2の結束部26を用いて、所定の枚数の束を結束する。即ち、プロセッサ11は、1000枚の紙葉類を結束した束を作成する。
【0058】
また、プロセッサ11は、束を構成する各紙葉類が正常である場合、各紙葉類が正常であることを示す情報(正常判定情報)を、紙葉類を結束している帯に印刷する機能を有する。
【0059】
プロセッサ11は、第2の搬送部28を用いて、1000枚の紙葉類の束を印刷部27まで搬送する。
【0060】
1000枚の紙葉類の束を印刷部27まで搬送すると、プロセッサ11は、印刷部27を用いて、正常判定情報をラベルに印刷する。ここでは、プロセッサ11は、正常判定情報として、束の最下紙(正常判定情報を印刷する面と反対側の紙葉類)の印字番号をラベルに印刷する。
【0061】
図3は、正常判定情報が印刷されたラベル30の例を示す。図3が示すように、ラベル30には、印刷領域31が形成されている。印刷領域31は、正常判定情報を印刷される。ここでは、印刷領域31は、正常判定情報として、束の最下紙の印字番号を印刷される。ここでは、印字番号は、アルファベット及び数字から構成される。
【0062】
なお、プロセッサ11は、所定のアルゴリズムに従って印字番号などをエンコードして得られたコードなどを印刷領域31に印刷してもよい。
【0063】
プロセッサ11が印刷領域31に印刷する内容は、特定の構成に限定されるものではない。
また、プロセッサ11は、印刷領域31に、さらに束の枚数(ここでは、1000)などを印刷してもよい。
【0064】
正常判定情報をラベル30に印刷すると、プロセッサ11は、印刷部27を用いて、正常判定情報が印刷されたラベル30を紙葉類の束の帯に貼付する。ラベル30を帯に貼付すると、プロセッサ11は、第2の搬送部28を用いて紙葉類の束を外部へ排出する。
【0065】
また、プロセッサ11は、束を構成する紙葉類が異常である場合、少なくとも1部の紙葉類が異常であることを示す情報(異常判定情報)を、紙葉類を結束している帯に印刷する機能を有する。
【0066】
プロセッサ11は、第2の搬送部28を用いて、1000枚の紙葉類の束を印刷部27まで搬送する。
【0067】
1000枚の紙葉類の束を印刷部27まで搬送すると、プロセッサ11は、印刷部27を用いて、異常判定情報をラベルに印刷する。
【0068】
図4は、異常判定情報が印刷されたラベル40の例を示す。図4が示すように、ラベル40には、印刷領域41が形成されている。印刷領域41は、異常判定情報を印刷される。ここでは、印刷領域41は、異常判定情報として、コード42及びメッセージ43を印刷される。
【0069】
コード42は、異常と判定された紙葉類の特定情報を示す。即ち、コード42は、異常と判定された紙葉類の特定情報を所定のアルゴリズムに従ってエンコードして得られたコードある。異常と判定された紙葉類が複数枚ある場合、コード42は、複数の特定情報を示す。
【0070】
ここでは、コード42は、バーコード(1次元コード)である。なお、コード42は、2次元コードであってもよい。
コード42が示す内容及び形態は、特定の構成に限定されるものではない。
メッセージ43は、オペレータが視認可能な文字である。メッセージ43は、束を構成する紙葉類の少なくとも1部が異常であることを示す。ここでは、メッセージ43は、「異常」である。なお、メッセージ43は、異常と判定された紙葉類の特定情報を示すものであってもよい。メッセージ43の内容は、特定の構成に限定されるものではない。
なお、コード42又はメッセージ43は、さらに、束の枚数を示すものであってもよい。
【0071】
異常判定情報をラベル40に印刷すると、プロセッサ11は、印刷部27を用いて、正常判定情報が印刷されたラベル40を紙葉類の束の帯に貼付する。ラベル40を帯に貼付すると、プロセッサ11は、第2の搬送部28を用いて紙葉類の束を外部へ排出する。
【0072】
次に、検査システム1の動作例について説明する。
図5は、検査システム1の動作例について説明するためのフローチャートである。
【0073】
ここでは、供給部21には、紙葉類がセットされているものとする。
【0074】
まず、プロセッサ11は、供給部21から紙葉類を供給する(S11)。紙葉類を供給すると、プロセッサ11は、センサ22からのセンサ信号に従って紙葉類を検査する(S12)。紙葉類を検査すると、プロセッサ11は、集積部23に紙葉類を集積する(S13)。
【0075】
集積部23に紙葉類を集積すると、プロセッサ11は、所定の枚数(ここでは、100枚)の紙葉類を集積したかを判定する(S14)。所定の枚数の紙葉類を集積していないと判定すると(S14、NO)、プロセッサ11は、S11に戻る。
【0076】
所定の枚数の紙葉類を集積したと判定すると(S14、YES)、プロセッサ11は、所定の枚数の紙葉類を結束する(S15)。ここでは、プロセッサ11は、100枚の束を10枚重ねて結束する。
【0077】
紙葉類を結束すると、プロセッサ11は、少なくとも1部の紙葉類が異常であるかを判定する(S16)。各紙葉類が正常であると判定すると(S16、NO)、プロセッサ11は、印刷部27を用いて、最下紙の紙葉類の印字番号を帯に印刷する(S17)。
【0078】
少なくとも1部の紙葉類が異常であると判定すると(S16、YES)、プロセッサ11は、異常と判定された紙葉類の特定情報を示すコードを生成する(S18)。コードを生成すると、プロセッサ11は、印刷部27を用いて、生成されたコード及びメッセージを帯に印刷する(S19)。
【0079】
最下紙の紙葉類の印字番号を帯に印刷した場合(S17)、又は、生成されたコード及びメッセージを帯に印刷した場合(S19)、プロセッサ11は、紙葉類の束を外部へ排出する(S20)。
紙葉類の束を外部へ排出すると、プロセッサ11は、動作を終了する。
【0080】
なお、プロセッサ11は、複数の束をさらに結束して紙葉類の束を形成しなくともよい。プロセッサ11は、所定の枚数の紙葉類を帯で1回結束して、正常判定情報又は異常判定情報を帯に印刷してもよい。
【0081】
また、検査システム1は、コード42を読み取るリーダ及び読み取った情報を表示する表示部を備えてもよい。
【0082】
また、プロセッサ11は、メッセージ43を印刷しなくともよい。
また、印刷部27は、帯にインクを吐出して画像を形成するものであってもよい。
【0083】
また、紙葉類は、紙幣でなくともよい。紙葉類の構成は、特定の構成に限定されるものではない。
また、制御装置10と検査装置20とは、一体的に形成されるものであってもよい。
【0084】
以上のように構成された検査システムは、紙葉類が異常であると判定しても、紙葉類の結束を継続する。その結果、検査システムは、稼働率の低下を防止することができる。
【0085】
また、検査システムは、異常と判定された紙葉類も正常と判定された紙葉類も同一の集積部に集積し結束する。その結果、検査システムは、異常と判定された紙葉類を集積するための集積部を備える必要がない。
【0086】
また、検査システムは、紙葉類が異常であると、異常判定情報を帯に印刷する。その結果、検査システムは、異常な紙葉類が含まれることを提示することができる。
【0087】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
プロセッサによって実行される制御方法であって、
紙葉類を供給し、
前記紙葉類を検査し、
複数の前記紙葉類を帯で結束し、
複数の前記紙葉類の少なくとも1つが異常である場合、複数の前記紙葉類の少なくとも1つが異常であることを示す異常判定情報を前記帯に印刷する、
制御方法。
[C2]
前記異常判定情報は、異常であると判定された前記紙葉類を特定する特定情報を含む、[C1]に記載の制御方法。
[C3]
前記特定情報は、異常であると判定された前記紙葉類の枚数目である、
[C2]に記載の制御方法。
[C4]
前記特定情報を示すコードを前記帯に印刷する、
[C2]又は[C3]に記載の制御方法。
[C5]
前記コードは、結束された複数の前記紙葉類の枚数を示す、
[C4]に記載の制御方法。
[C6]
前記異常判定情報が印刷されたラベルを前記帯に貼付する、
[C1]乃至[C5]の何れか1つに記載の制御方法。
[C7]
前記紙葉類は、紙幣であり、
複数の前記紙葉類に異常がない場合、前記紙葉類が正常であることを示す正常判定情報を前記帯に印刷する、
[C1]乃至[C6]の何れか1つに記載の制御方法。
[C8]
紙葉類を供給する供給部と、
前記紙葉類を検査するためのセンサと、
複数の前記紙葉類を帯で結束する結束部と、
複数の前記紙葉類の少なくとも1つが異常である場合、複数の前記紙葉類の少なくとも1つが異常であることを示す異常判定情報を前記帯に印刷する印刷部と、
を備えるシステム。
【符号の説明】
【0088】
1…検査システム、10…制御装置、11…プロセッサ、12…ROM、13…RAM、14…NVM、15…通信部、16…操作部、17…表示部、20…検査装置、21…供給部、22…センサ、23(23a乃至23c)…集積部、24…第1の搬送部、25(25a乃至25c)…第1の結束部、26…第2の結束部、27…印刷部、28…第2の搬送部、30…ラベル、31…印刷領域、40…ラベル、41…印刷領域、42…コード、43…メッセージ。
図1
図2
図3
図4
図5