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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】クーラーボックス
(51)【国際特許分類】
   B65D 43/02 20060101AFI20240502BHJP
   B65D 51/24 20060101ALI20240502BHJP
   B65D 81/38 20060101ALI20240502BHJP
   A01K 97/20 20060101ALI20240502BHJP
【FI】
B65D43/02 100
B65D51/24
B65D81/38 P
A01K97/20 501
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020160927
(22)【出願日】2020-09-25
(65)【公開番号】P2022053992
(43)【公開日】2022-04-06
【審査請求日】2023-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】田中 綾一
(72)【発明者】
【氏名】西村 敦洋
【審査官】森本 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-255051(JP,A)
【文献】特開2005-208143(JP,A)
【文献】特開2005-198962(JP,A)
【文献】特開2019-080532(JP,A)
【文献】特開平07-279519(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 43/02
B65D 51/24
B65D 81/38
A01K 97/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有し収納物を内部に収納できる本体部と、前記本体部に対して回動して前記開口部を開閉する蓋部と、を備え、
前記蓋部は、蓋本体と、前記蓋本体とは別体であって前記蓋本体に接続されたカバー部とを備え、
前記カバー部は、前記本体部に対して前記蓋部を回動させるためのヒンジ機構の一部を有し、
前記蓋本体と前記カバー部との間には、前記蓋本体とも前記カバー部とも別体である介在体が介在しており、
前記介在体は、前記蓋部が所定の開放位置から更に開放される外力を受けた場合、所定の介在位置から、前記蓋本体または前記カバー部の少なくとも一方に対して全体が位置ずれを生じる、クーラーボックス。
【請求項2】
前記蓋本体または前記カバー部の一方は、他方に対向する端面が係合面とされており、
前記介在体は、前記係合面に係合することで前記一方に対して位置決めされる係合部を有する、請求項1に記載のクーラーボックス。
【請求項3】
前記介在体は、前記蓋部が前記所定の開放位置から更に開放される外力を受けた状態にて、前記カバー部に対して前記蓋本体が移動する際に、前記蓋本体の一部に当たることで、前記移動の力の一部を、前記介在体が前記位置ずれに伴い回転することを抑制する力に変換する斜面を有する、請求項1または2に記載のクーラーボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クーラーボックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
魚等を収容するために用いられるクーラーボックスとして、例えば特許文献1に記載されたものがある。このクーラーボックス(特許文献1では「保冷箱」)は、箱本体と開閉のための蓋とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-80532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1でも課題として示されている通り、蓋が開放された状態で、誤って更に開放方向の力(過負荷)が蓋にかけられると、蓋自体やヒンジ部分が破損する可能性がある。この問題に対して、特許文献1に記載の発明では、蓋の開放状態を超えた回動を規制するストッパを箱本体に設けている。
【0005】
ところで、ユーザーに対し、蓋が所定の開放位置から更に開放される外力を受けていることを気付かせることができれば、蓋が破損する前に、前記外力を解除する行動をとらせることができる。ところが、特許文献1に記載の発明は、蓋を各部が破損するような開度で開かせないことはできるものの、ユーザーに対し、蓋に前記外力がかかっていることを気付かせる観点での考慮はなされていない。
【0006】
そこで本発明は、ユーザーに対し、蓋が所定の開放位置から更に開放される外力を受けていることを気付かせることのできるクーラーボックスを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、開口部を有し収納物を内部に収納できる本体部と、前記本体部に対して回動して前記開口部を開閉する蓋部と、を備え、前記蓋部は、蓋本体と、前記蓋本体とは別体であって前記蓋本体に接続されたカバー部とを備え、前記カバー部は、前記本体部に対して前記蓋部を回動させるためのヒンジ機構の一部を有し、前記蓋本体と前記カバー部との間には、前記蓋本体とも前記カバー部とも別体である介在体が介在しており、前記介在体は、前記蓋部が所定の開放位置から更に開放される外力を受けた場合、所定の介在位置から、前記蓋本体または前記カバー部の少なくとも一方に対して位置ずれを生じる、クーラーボックスである。
【0008】
この構成によれば、介在体が位置ずれすることにより、音が鳴ったり、蓋本体及びカバー部から外れたりするため、ユーザーに異常を報知できる。
【0009】
そして、前記蓋本体または前記カバー部の一方は、他方に対向する端面が係合面とされており、前記介在体は、前記係合面に係合することで前記一方に対して位置決めされる係合部を有するものとできる。
【0010】
この構成によれば、蓋本体とカバー部との間に介在体が介在するようにされた際、係合部が係合面に係合するため、介在体の介在状態が安定する。
【0011】
そして、前記介在体は、前記蓋部が前記所定の開放位置から更に開放される外力を受けた状態にて、前記カバー部に対して前記蓋本体が移動する際に、前記蓋本体の一部に当たることで、前記移動の力の一部を、前記介在体が前記位置ずれに伴い回転することを抑制する力に変換する斜面を有するものとできる。
【0012】
この構成によれば、介在体が蓋本体とカバー部との間で介在する位置から短時間で外れてしまうことを抑制できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、係合体がずれることにより、音が鳴ったり、蓋本体及びカバー部から外れたりすることで、ユーザーに異常を報知できる。このため、ユーザーに対し、蓋に過負荷がかかっていることを気付かせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係るクーラーボックスで、蓋部が所定の開放位置とされた状態を示す斜視図である。
図2】同クーラーボックスの、蓋本体、カバー部、ヒンジ機構の一部を示す、図1のII囲み部の要部拡大斜視図である。
図3】同クーラーボックスが備える介在体を示す斜視図である。
図4】同クーラーボックスの、蓋本体とカバー部との間に介在体が差し込まれる要領を示す要部拡大斜視図である。
図5】同クーラーボックスの、蓋本体、カバー部、介在体の関係を示す要部横断面図である。
図6】本発明の他の実施形態に係るクーラーボックスの、蓋本体とカバー部との間に介在体が差し込まれる要領を示す要部拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明につき、一実施形態を取り上げて説明を行う。本実施形態の、蓋部3が開き状態とされた状態のクーラーボックス1を図1に示す。
【0016】
本実施形態のクーラーボックス1は、従来のものと同様、上方に開口した開口部21を有していて収納物を内部に収納できる本体部2と、本体部2に対して移動して開口部21を開閉する蓋部3と、を備える。また、全ての図示はしていないが、本体部2と蓋部3とにわたって、蓋部3を閉じ状態で保持するためのロック装置が設けられている。クーラーボックス1は平面視で略長方形である。本実施形態の蓋部3は「両開き」とされており、蓋部3の本体部2に対する移動は、例えば、平面視形状における平行な二つの長辺のうち一つ(図1に示した右上の長辺、または左下の長辺)をヒンジとして機能させ、他の一つの長辺側において蓋部3が持ち上がって蓋部3が回動するような移動ともできる。この移動により、蓋部3は、閉じ状態と開き状態とにできる。
【0017】
本体部2は、図2に示す固定軸22を備える。固定軸22は本体部2に固定的に設けられている。本実施形態では、図1に示すように、固定軸22が、本体部2の開口部21における二つの長辺にそれぞれ沿って設けられている。各長辺において固定軸22が、長手方向中央に対して対称の位置に2本設けられている。
【0018】
蓋部3は、蓋部3の大部分を占める蓋本体31と、蓋本体31とは別体であって蓋本体31の幅方向両端部に接続されたカバー部32とを備える。両者の接続は嵌め込み及びねじ止めによってなされている。ただし、両者の接続方法は特に限定されず、嵌め込み(単独)、ねじ止め(単独)、接着、金具止めであってもよい。蓋部3は、ユーザーが操作する図示しないレバーと、レバーの操作に連動して固定軸22に係合するロック部材33とを備える(図2参照)。ロック部材33は先端に爪部331を有していて、この爪部331が固定軸22に係合する。このロック部材33は、固定軸22と協働することで、蓋部3を閉じ状態で保持する。つまり、ロック部材33及び固定軸22は前記ロック装置の一部である。また、カバー部32は、前記ロック装置を覆うように設けられている。また、係合状態にある固定軸22とロック部材33とは、蓋部3を本体部2に対して回動させるヒンジ機構としても機能する。図1に示す、本体部2と蓋部3とがつながった部分が、ヒンジ機構として機能している部分である。ロック部材33はカバー部32に設けられている。つまり、カバー部32は、本体部に対して蓋部3を回動させるためのヒンジ機構の一部を有している。
【0019】
蓋本体31とカバー部32とは接続部分以外では一体になっていないので、蓋本体31が外力を受けた場合、蓋本体31とカバー部32とは異なる挙動を示す。具体的に、開き状態、つまり、通常では全開の、蓋部3が所定の開放位置とされた状態から更に、蓋部3を開放する方向の力(本実施形態の説明では、このような力を「過負荷」と称する)が蓋部3にかかった場合、蓋本体31とカバー部32とは別体であり、接続部分以外では一体化されていないことから、ヒンジ機構から相対的に遠い、蓋本体31の本体部2に対する回動角度が、ヒンジ機構から相対的に近い、カバー部32の回動角度よりも大きくなる。つまり、一直線上に並んでいた蓋本体31とカバー部32とが略V字状の並びに変化する。このため、蓋本体31とカバー部32との間の隙間は、過負荷がかかった場合に大きくなる。
【0020】
蓋本体31とカバー部32との間には、介在体4が介在している。介在体4は、蓋本体31ともカバー部32とも別体とされている。介在体4は、例えば図3に示す形状とされている。本実施形態のクーラーボックス1では、本体部2の各長辺において2個の介在体4が取り付けられる。この2個の介在体4は、各々が対称形状(勝手違い形状)とされている。介在体4は、樹脂製(本実施形態ではPOM樹脂製)で中実とされている(ただし中空とすることもできる)。介在体4は、主に、本体41と、係合部42と、斜面43とを有する。
【0021】
本体41は柱状の部分であって、蓋部3に配置された際に、長手方向が蓋部3の厚さ方向に沿う。係合部42は、本体41の側方に突出した変形四角錐形状の突起である。本実施形態では、図3に示す上面(蓋部3の内面側の面)が平面であって、下面が斜面とされている。この上面は、図5に示すように蓋部3に配置された際に、カバー部32における凹部3211の内面に当接する。斜面43は、本体41の側方に形成された面であって、本体41における係合部42が形成された面とは異なる面(本実施形態では隣接する面)である。図5に示すように蓋部3に配置された際に、蓋部3の平面視における内外方向(図示上下方向)に対して傾斜した面である。本実施形態では平面とされている(ただし湾曲面であってもよい)。
【0022】
介在体4は、蓋本体31とカバー部32との間の隙間が存在する位置である、所定の介在位置Aに配置される。本実施形態では、図2における左方から右方に介在体4が差し込まれる。また、図4は蓋部3の平面側(クーラーボックス1での外面側)と底面側(クーラーボックス1での内面側)とを逆に示しているが、この図4における上方から下方に(図4の矢印参照)介在体4が差し込まれる。この差し込みにより、介在体4は所定の介在位置Aに配置される(ただし、図4においてはカバー部32のうち蓋本体31に接続される本体部分を図示省略している)。なお、介在体4は、蓋本体31とカバー部32との組み立て前、または組み立てと同時に所定の介在位置Aに配置されていてもよく、介在体4の配置方法は差し込みに限定されない。
【0023】
所定の介在位置Aに配置された状態の横断面視における、蓋本体31、カバー部32、介在体4の位置関係を図5に示す。ここで、カバー部32は、蓋本体31に対向する端面が係合面321とされている。そしてこれに対応し、介在体4は、カバー部32の係合面321に係合することで蓋本体31に対して位置決めされる係合部42を有する。
【0024】
係合面321には、蓋本体31に向かい開口した凹部3211が形成されている。この凹部3211は、係合面321においてリブにより区画された部分である。介在体4の係合部42は本体41から突出した突起とされている。図5に示すように、所定の介在位置Aに配置された介在体4の係合部42は、係合面321の凹部3211に入り込む。このため、蓋本体31とカバー部32との間に介在体4が介在するようにされた際、係合部42が係合面321に係合するため、介在体4の介在状態が安定する。
【0025】
介在体4は、蓋部3が所定の開放位置から更に開放される外力を受けた場合、所定の介在位置Aから、蓋本体31または前記カバー部32の少なくとも一方に対して位置ずれを生じる。この位置ずれについて以下に説明する。
【0026】
カバー部32に対して蓋本体31が移動することで、所定の介在位置Aにて、カバー部32と蓋本体31との隙間が順次広くなっていく。これに伴って介在体4は軸回りに回転する。図5の位置での回転方向は、図示反時計回りである。この回転が継続すると、カバー部32の凹部3211から介在体4の係合部42が外れるので、介在体4が所定の介在位置Aから外れる。
【0027】
このように介在体4が位置ずれすることにより、まずは音が鳴る(聴覚的報知)。次に、介在体4が蓋本体31及びカバー部32から外れる(視覚的報知)。このようにして、ユーザーに異常(例えば、蓋部3に過負荷がかかっていること)を報知できる。特に、本実施形態では二段階の報知がされるため、ユーザーが異常を感知する機会を二倍にできる。なお、前記聴覚的報知及び視覚的報知と共に、ユーザーに介在体4の位置ずれに伴う振動等を伝えることによる触覚的報知をなしてもよい。この触覚的報知は、例えば、カバー部32に対して蓋本体31が大きく変形するまでに、ユーザーが蓋部3を押した際の荷重を介在体4が受けて位置ずれすることで、前記荷重が上昇していくことを抵抗感としてユーザーの手で感じることが挙げられる。
【0028】
本実施形態の介在体4が有する斜面43は、位置ずれの際に介在体4自体の回転抑制をなす。この斜面43は、蓋部3が所定の開放位置から更に開放される外力を受けた状態にて、カバー部32に対して蓋本体31が移動する(図5に示す矢印31Mの方向)際に、蓋本体31の一部であるリブ311に当たる。リブ311は、蓋部3の厚み方向に延びるように形成された板状の部分である。ここで、リブ311が無かった場合には、前述のようにカバー部32に対して蓋本体31が移動することで、即、介在体4が回転する。この回転により、カバー部32の凹部3211から介在体4の係合部42が抜け出し、介在体4が、蓋本体31の移動が開始してから短時間で所定の介在位置Aから外れてしまう。
【0029】
一方、リブ311がある場合は、カバー部32に対する蓋本体31の移動の力の一部を、リブ311における角部である当接点311Pが斜面43に当たることによって、当接点311Pを起点とした分力として、介在体4が前記位置ずれに伴い回転することを抑制する力に変換する。このように介在体4が斜面43を有することにより、カバー部32の凹部3211から介在体4の係合部42が外れることを遅らせ、介在体4が所定の介在位置Aにおいて一定時間保持されることで、この位置から短時間で外れてしまうことを抑制できる。
【0030】
すなわち、蓋本体31に開放方向の過負荷がかかった場合、蓋本体31はカバー部32に対して離れる方向(図5における下方)に移動する。蓋本体31が移動すると、蓋本体31の一部であるリブ311も移動する。介在体4は移動するリブ311に当接点311Pで押されるが、介在体4の係合部42が凹部3211の内面に当接することから、介在体4は、蓋本体31がある程度移動するまでは所定の介在位置Aにとどまる。介在体4がリブ311に押されることが継続すると、ついに介在体4の回転が始まり、最終的に介在体4が所定の介在位置Aから外れることになる。なお、介在体4が所定の介在位置Aにとどまる時間は、本体41に対する斜面43の角度、または、斜面43とリブ311との距離の設定により調整できる。
【0031】
ちなみに、リブ311が蓋本体31に設けられたことにより、図5に示すように、蓋本体31とカバー部32との間の隙間が介在体4によって埋められることになる。このため、別体である蓋本体31とカバー部32とを、いわば「詰め物」である介在体4で一体化させられる。
【0032】
介在体4は再利用が可能であり、蓋本体31及びカバー部32から外れてしまっても、ユーザーが所定の介在位置Aに差し込んで戻すことにより、再び機能を発揮させることができる。なお、本実施形態のクーラーボックス1において、所定の介在位置Aの空間は、介在体4を導入する前から形成されていた空間である。このため、介在体4を差し込まなかったとしても、クーラーボックス1自体を使用することは可能である。
【0033】
以上、本実施形態のクーラーボックス1によると、所定の介在位置Aで介在体4がずれることにより、聴覚的報知、視覚的報知、触覚的報知の各々または組み合わせによりユーザーに異常を報知できる。このため、ユーザーに対し、蓋に過負荷がかかっていることを気付かせることができ、対処する行動を促すことができる。従って、蓋部3に亀裂が生じる等して、蓋部3が破損することを防止できる。
【0034】
以上、本発明の一実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0035】
例えば、前記実施形態の蓋部3は「両開き」であったが、蓋部3において、平面視形状における平行な二つの長辺のうち一つにつき、本体部2から分離不能なヒンジが設けられたことによる「片開き」とすることもできる。
【0036】
また、前記実施形態のロック装置は、本体部2に設けられた固定軸22と、蓋部3に設けられたロック部材33とを有していたが、これとは逆に、本体部2がロック部材を有し、蓋部3が固定軸を有していてもよい。
【0037】
また、前記実施形態では、爪部331を有するロック部材33と固定軸22とでヒンジ機構を構成していた。しかしヒンジ機構の各部形状は前記実施形態のものに限定されず、種々に変更して実施できる。
【0038】
また、前記実施形態では、カバー部32における、蓋本体31に対向する端面が係合面321とされていた。しかし係合面321はこれに限定されず、蓋本体31またはカバー部32の一方の、他方に対向する端面が係合面321とされていればよい。
【0039】
また、前記実施形態では、カバー部32が有する係合面321に凹部3211が形成され、介在体4が有する係合部が前記凹部に係合する突起とされていた。しかし、カバー部32と介在体4とは種々の態様で係合させることができる。また、凹凸係合であった場合でも、係合面321と介在体4との凹凸関係は前記実施形態と逆で良く、また、段差が当接する係合であってもよく、また、凹凸も種々の形状とできる。
【0040】
また、図6図4に示した部分の相当部分を示したもの)に示すように、介在体4に外れ止め部44を形成することもできる。この外れ止め部44は、前記実施形態において蓋本体31に形成されていたリブ311で、前記実施形態に係る介在体4と反対側に存在する空間に回り込むように配置される、横断面形状がL字形の部分である。このように外れ止め部44を形成することで、介在体4が位置ずれしても、介在体4が所定の介在位置Aから外れてしまうことがない。このため、例えば船上や海岸で介在体4が外れることで、介在体4を紛失してしまうことがない。
【符号の説明】
【0041】
1 クーラーボックス
2 本体部
21 開口部
22 固定軸
3 蓋部
31 蓋本体
311 蓋本体の一部、リブ
32 カバー部
321 係合面
3211 凹部
33 ロック部材
4 介在体
41 本体
42 係合部
43 斜面
A 介在位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6