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  • 特許-検査装置 図1
  • 特許-検査装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】検査装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/84 20060101AFI20240502BHJP
【FI】
B65G47/84 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020174299
(22)【出願日】2020-10-16
(65)【公開番号】P2022065679
(43)【公開日】2022-04-28
【審査請求日】2023-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000227467
【氏名又は名称】日東精工株式会社
(72)【発明者】
【氏名】猪股 勇貴
【審査官】三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/171285(WO,A1)
【文献】特開2005-221270(JP,A)
【文献】実開平01-143722(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第110479623(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104142334(CN,A)
【文献】中国実用新案第211197600(CN,U)
【文献】実公昭56-046882(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/84
B65G 29/00
B65G 47/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィーダから供給される頭付き棒状部品を受け入れ、その頭付き棒状部品を搬送する回転テーブルと、その回転テーブルによって作り出される搬送路の途中に設けられる検査部を有する検査装置であって、
前記回転テーブルは、上下に重ね合わせられる吊下円盤および溝隠し円盤からなり、
前記吊下円盤の外周には、複数組の切欠き溝が交互に形成されており、
前記溝隠し円盤の外周には、前記切欠き溝のうち何れか一組と連通する開放凹部と、他の組の切欠き溝と重なり、当該切欠き溝を閉鎖する閉鎖凸部とが交互に形成されていることを特徴とする検査装置。
【請求項2】
前記吊下円盤および溝隠し円盤は、相対回転可能に重ね合わせられていることを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記開放凹部は、その溝幅が前記切欠き溝の溝幅よりも大きい寸法に設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の検査装置。
【請求項4】
前記検査部は、回転テーブルにより搬送途中の頭付き棒状部品を回転テーブルの径方向外側から撮影するカメラを有し、
前記溝隠し円盤は、前記吊下円盤の上方に重ね合わせられており、
前記開放凹部は、その溝幅が頭付き棒状部品の頭部直径より大きい寸法に設定されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載の検査装置。
【請求項5】
前記溝隠し円盤は、頭付き棒状部品の頭部より厚く構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れかに記載の検査装置。
【請求項6】
前記閉鎖凸部は、前記頭付き棒状部品の頭部より薄く構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れかに記載の検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸体を搬送する回転テーブルの交換回数を低減可能な検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ワークを搬送検査する検査装置として、特許文献1に示された検査装置が知られている。この検査装置は、外周に形成された切欠き溝にねじの首部を受け入れて搬送する回転テーブルを有しており、この回転テーブルによるねじの搬送経路上には、フィーダおよび検査部が設けられている。このため、フィーダから供給されたねじは、回転テーブルに吊り下げられた状態で搬送され、搬送路に沿って設けられた検査部を通過する際に軸部や頭部の良否検査が実施される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5466382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の検査装置は、搬送途中にねじが動いたり傾いたりすると検査精度が低下するため、前記切欠き溝が供給されるねじの軸径と合致するように設定されていた。このため、軸径が異なる複数種類のねじに対応するには、切欠き溝の大きさが異なる回転テーブルを複数枚用意し、回転テーブルを搬送するねじに合致するものへ適宜交換する必要があり、回転テーブルの費用が高額になるという問題があった。また、検査部に用いられるカメラあるいは照明装置等のユニットが回転テーブルの交換の際に障害となる位置に設置されているため、回転テーブルの交換時、前記ユニットを一旦取り外し、回転テーブルの取り付け後に再設置する必要があった。さらに、前記ユニットは、設置位置が変わると検査精度が低下するため、細かい位置調整が必要となる。これらにより、回転テーブルの交換に時間がかかり、作業効率が悪化するという問題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みて創生されたものであり、作業効率の良い検査装置の提供を目的とする。この目的を達成するために本発明は、フィーダから供給される頭付き棒状部品を受け入れ、その頭付き棒状部品を搬送する回転テーブルと、その回転テーブルによって作り出される搬送路の途中に設けられる検査部を有する検査装置であって、前記回転テーブルは、上下に重ね合わせられる吊下円盤および溝隠し円盤からなり、前記吊下円盤の外周には、複数組の切欠き溝が交互に形成されており、前記溝隠し円盤の外周には、前記切欠き溝のうち何れか一組と連通する開放凹部と、他の組の切欠き溝と重なり、当該切欠き溝を閉鎖する閉鎖凸部とが交互に形成されていることを特徴とする。これにより、前記切欠き溝は、前記開放凹部と連通する一組にのみ頭付き棒状部品を受け入れる可能となり、この開放凹部と連通する切欠き溝を変更することにより、一枚の吊下円盤で複数種類の頭付き棒状部品に対応することが可能となる。なお、前記吊下円盤および溝隠し円盤は、相対回転可能に重ね合わせられていることが好ましい。これにより、吊下円盤に対して、溝隠し円盤を相対回転させるのみで開放凹部と連通する切欠き溝を変更可能となる。また、前記開放凹部の溝幅は、前記切欠き溝の何れの溝幅よりも大きい寸法に設定されていることが好ましい。これにより、開放凹部が吊下円盤に受け入れられた頭付き棒状部品と接触することが防止される。
【0006】
また、前記検査部は、回転テーブルにより搬送途中の頭付き棒状部品を回転テーブルの径方向外側から撮影するカメラを有し、前記溝隠し円盤は、前記吊下円盤の上方に重ね合わせられており、前記開放凹部は、その溝幅が頭付き棒状部品の頭部直径より大きい寸法に設定されていることが好ましい。さらに、前記溝隠し円盤は、頭付き棒状部品の頭部より厚く構成されていることが好ましい。しかも、前記閉鎖凸部は、前記頭付き棒状部品の頭部より薄く構成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
本発明の検査装置によれば、1枚の吊下円盤で複数種類の頭付き棒状部品に対応可能であるため、回転テーブルの枚数を減らすことができ、回転テーブルを比較的安価に製作可能となる等の利点がある。また、吊下円盤に対して、溝隠し円盤を相対回転させるのみで開放凹部と連通する切欠き溝を変更でき、異なる頭付き棒状部品に対応できるため、回転テーブルを毎度取り外す必要がなくなる。このため、回転テーブルおよび回転テーブル周辺に設置されたユニットの取り外し作業および位置調整作業等の頻度が低減する。これにより、作業者の負担が低減し、作業効率が向上する等の利点がある。さらに、開放凹部の内周面が頭付き棒状部品に接触しないため、頭付き棒状部品を安定した姿勢で搬送可能となる等の利点がある。
【0008】
また、溝隠し円盤が吊下円盤の上方に配置されているため、側方からの撮影において、頭付き棒状部品の軸部に影が生じ難い等の利点がある。また、前記溝隠し円盤が頭付き棒状部品の頭部より厚く構成されているため、側方から撮影する際に頭部の背景となる開放凹部が前記頭部の輪郭より大きくなる。このため、撮像画像の背景が明るくなり頭部の輪郭を鮮明に撮影可能となる等の利点がある。さらに、閉鎖凸部が薄く構成されているため、撮影時、頭部付近に影が生じ難いという利点がある。これらにより、頭付き棒状部品をより明るく鮮明に撮影可能となり、検査精度が向上する等の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る検査装置の構造を示す平面図である。
図2】本発明に係る検査装置の要部拡大一部切欠き斜視図である。
図3】本発明に係る検査装置の他の実施形態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施例を図面に基づき説明する。図1および図2において1は、頭付き棒状部品の一例であるねじSの良否検査を行う検査装置である。この検査装置1は、基台11に取り付けられた貯留ボウル(図示せず)と、この貯留ボウルに接続された直進レール2と、この直進レール2に連設された回転テーブル3と、この回転テーブル3上のねじSを撮影するカメラ41,44を有する検査部4と、これらを制御する制御部(図示せず)を有している。
【0011】
前記貯留ボウルおよび前記直進レール2は、回転テーブル3にねじSを供給するフィーダの一例であり、貯留ボウルは、その内部に多数のねじSと貯留し、内部に備えた振動装置(図示せず)の振動により当該ねじSを前記直進レール2に順次整列搬送可能に構成されている。また、直進レール2は、ねじSの首部径より僅かに幅広の隙間を空けて配設された2枚の板材から構成されており、この直進レール2も、振動装置の振動によりねじSを回転テーブル3に向けて搬送可能に構成されている。さらに、前記直進レール2上には、図2に示すように直進レール2と平行に延びる押さえ板21が設けられている。この押さえ板21は、前記直進レール2上のねじSの頭部上面と若干の隙間を空けて配置されており、その終端部は、前記回転テーブル3によるねじSの搬送経路上に位置するよう構成されている。このため、直進レール2上は、ねじSの姿勢を崩すことなく回転テーブル3まで搬送可能となる。
【0012】
前記回転テーブル3は、基台11に取り付けられる回転駆動源(図示せず)の駆動により、矢印Y方向に定速回転する支持円盤12に連結される吊下円盤31と、この吊下円盤31上に相対回転可能に重ね合わせられる溝隠し円盤32とを有する。前記吊下円盤31は、前記直進レール2の終端部上面と連続するよう配置されており、この吊下円盤31の外周には、鉛直方向に貫通する2組の切欠き溝311,312が周方向に同じピッチかつ交互に設けられている。第1切欠き溝311は、前記ねじSと合致するようその溝幅が前記ねじSの首部径より僅かに広く設定されており、第2切欠き溝312は、第2のねじ(図示せず)と合致するようにその溝幅を設定されている。また、前記溝隠し円盤32は、前記吊下円盤31と同径に構成されており、その外周には、開放凹部321および閉鎖凸部322が交互に形成されている。前記開放凹部321は、前記第1切欠き溝311と同じピッチで形成されており、前記切欠き溝311,312や切欠き溝311,312に供給されるねじSの頭部径より十分広い面積に設定されている。この溝隠し円盤32は、開放凹部321が第1切欠き溝311に連通し、閉鎖凸部322が第2切欠き溝312と重なるよう前記吊下円盤31上に載置されている。これにより、直進レール2の終端部に第1切欠き溝311が連続した際、ねじSの前方(回転テーブル3の径方向内側)には、ねじの頭部を受け入れ可能な開放凹部321が位置する一方、第2切欠き溝312が連続した際、ねじSの前方には、ねじの頭部と当接し、前進を妨げる閉鎖凸部322が位置する。このように、第2切欠き溝312が閉鎖凸部322により、ねじSが侵入しないよう閉鎖されているため、直進レール2上のねじSは、開放凹部321と連通する第1切欠き溝311にのみ供給される。さらに、前記吊下円盤31および溝隠し円盤32には、上下方向に貫通するピン穴33が形成されており、このピン穴33に挿入される連結ピンにより一体に回転可能に連結されている。しかも、吊下円盤31には、前記第2切欠き溝312と開放凹部321とが連通した時に溝隠し円盤32のピン穴33と連続する箇所に段替え用のピン穴34が形成されている。このため、前記連結ピンが挿入されるピン穴33,34を変更することで、吊下円盤31に対する溝隠し円盤32の相対回転停止位置を変更でき、開放凹部321と連通する切欠き溝311,312を変更可能となる。
【0013】
また、前記溝隠し円盤32は、前記ねじSの頭部より厚く構成されており、側面視した際、ねじSの頭部の背景となる開放凹部321の底面321a(径方向内側の面321a)がねじSの頭部輪郭より大きくなるよう寸法設定されている。さらに、溝隠し円盤32の外周縁部には、前記押さえ板21を逃がせるよう所定の大きさの環状溝が形成されている。本実施形態において、この環状溝は、図2に示すようにその壁面が記開放凹部321の底面321aと連続し、なおかつ閉鎖凸部322がねじSの頭部長さより薄くなるよう寸法設定されている。しかも、回転テーブル3の外方には、その外周に沿って延びる案内部材35が設けられており、この案内部材35は、前記第1切欠き溝311に支持されたねじSが搬送途中で脱落しないよう吊下円盤31と所定の隙間を空けて配置されている。なお、吊下円盤31と案内部材35が極力薄く構成されていることが好ましい。これにより、後述のバックライト42が軸部を十分照射できるとともに案内部材35に隠れる部分が少なくなり検査精度が向上する。
【0014】
前記検査部4は、前記回転テーブル3によるねじSの搬送経路の中流付近に設けられており、ねじSの外観を検査するためのカメラ41,44を有している。一方のカメラ41は、撮像エリアに達したねじSを径方向外側から撮影するよう配置されており、このカメラ41とねじSとの間には、ねじSを径方向外側から照射する照明装置42が設けられている。また、前記回転テーブル3の下方には、カメラ41と対向し、ねじSを径方向内側から照射するバックライト43が設けられている。他方のカメラ44は、撮像エリアに達したねじSを上方から撮影するよう配置されており、このカメラ44とねじSとの間には、ねじSを上方から照射する照明装置(図示せず)が設けられている。さらに、前記カメラ41,44には、その撮影結果を解析し、これにより得られたねじSの各部寸法データと予め設定される基準寸法データとを比較して、そのねじSが良品であるか不良品であるかを判定する処理ユニット(図示せず)が接続されている。この処理ユニットには、その判定結果に基づきねじSを回転テーブル3から排出する排出ユニット5が接続されている。この排出ユニット5は、前記判定結果に基づいた所定のタイミングで吹き出した空気により、回転テーブル3からねじSを吹き落とす振り分け部51,52と、この振り分け部51,52によって吹き落とされたねじSが落下する不良品排出口53および良品排出口54とを備えている。なお、振分け部51,52のあいだには、良品内に不良品が混入しないよう確認する排出確認センサ(図示せず)が配置されている。この排出確認センサは、ねじSの通過を検知する光学センサであり、不良と判定されたねじSが振分け部51により排出されているか否かを確認している。
【0015】
次に上記のように構成された検査装置1の作用を説明する。
まず、制御部が前記貯留ボウルの振動装置を駆動させることにより、貯留ボウルから直進レール2に前記ねじSが順次供給される。直進レール2に供給されたねじSは、振動装置の駆動および貯留ボウルから供給された後段のねじSに押されることにより、直進レール2の終端部に向けて前進する。この時、ねじSは、前記押さえ板21により上方から規制され、姿勢を崩すことが防止されているとともに、前記環状溝により、この押さえ板21と回転テーブル3とが干渉することが防止されている。また、前述のように第1切欠き溝311には、開放凹部321が連通し、第2切欠き溝312には、閉鎖凸部322が重複しているため、ねじSは、第1切欠き溝311にのみ供給される。その後、ねじSは、回転テーブル3の回転に従い、吊り下げられた状態で搬送される。
【0016】
前記ねじSが所定の撮影エリアに達すると、前記カメラ41が起動し、ねじSの側面を撮影する。この時、ねじSは、前記照明装置42およびバックライト43に照射され、撮影結果に明るく現れる。また、前記開放凹部321の底面321aがねじSの頭部輪郭より大きく構成されていることにより、当該底面321aにも光が当たる。結果、ねじSの頭部背景が明るくなり、ねじSの頭部の輪郭線が鮮明に現れる。これらにより、ねじSを明るく鮮明に撮影することが可能となり、検査精度が向上する。さらに、溝隠し円盤32が一体形成されていることおよび環状溝が開放凹部321の底面321aに連続していることにより、ねじSの頭部の背景に解析の際邪魔となる余計な線がはいらず処理ユニットの設定が比較的容易となる。その後、ねじSは、カメラ44により、上方から頭部や頭部に形成される駆動穴等を撮影される。この時、前記閉鎖凸部322がねじSの頭部より薄く構成されているため、外部の光により生じる閉鎖凸部322の影がねじSの頭部に映ることがない。よって、前記影により良品を不良と判断すること等が防止されるため、検査精度が向上する。これらカメラ41,44による撮影結果は、処理ユニットにおいて解析されて、良品か不良品かを判定される。その後、ねじSが所定の排出位置に達すると、前記処理ユニットの判定に基づき前記振り分け部51,52が駆動して、ねじSを不良品排出口53または、良品排出口54へ排出する。
【0017】
上述のような検査終了後、溝隠し円盤32を吊下円盤31に対して所定の角度相対回転させることで、前記第2切欠き溝312と開放凹部321とが連通するため、前記ねじSより小さい第2のねじ(図示せず)の検査をねじSと同様に実施可能となる。このように複数種類の検査対象に吊下円盤31一枚で対応出来るため、必要となる回転テーブル3の枚数を減らすことができ、回転テーブル3の費用が削減される。また、溝隠し円盤32が吊下円盤31に対して相対回転することで、ねじを受け入れる切欠き溝を変更できるため、回転テーブル3およびカメラ44や振分け手段51,52等を取り外すことなく異なるねじ用に段替え可能となる。これにより、回転テーブル3の交換作業と、この回転テーブル3の交換の際に障害となる位置に設けられた検査部4や排出ユニット5等の着脱作業および検査ユニットの位置調整作業の頻度が従来の検査装置より減少する。結果、これら作業に費やす時間が削減されることで機械の稼働率が上昇するとともに、カメラ44等が毎度位置変更されるということがないため検査結果が安定する。さらに、本検査装置1は、吊下円盤31に既に形成されている切欠き溝311,312の内、溝隠し円盤32に形成された開放凹部321に連通するものを変更するのみで段替えが可能であるため、作業者の熟練度等に影響されず容易に段替え可能となる。
【0018】
なお、本発明に係る検査装置1は、前述したものに限定するものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、図3に示すように吊下円盤31′には、3組以上の切欠き溝311′,312′,313′が交互かつ同じピッチで形成されている構成であっても問題ない。この場合、溝隠し円盤32′の開放凹部321′は、何れか一組の切欠き溝311′と同じピッチで形成されており、閉鎖凸部322′は、他の切欠き溝312′,313′と重なりこれらを閉鎖するように形成されていることが好ましい。このように、開放凹部321′に連続する何れか一組の切欠き溝311′のみにねじSが供給される構造であるため吊下円盤31に何組の切欠き溝が形成されていても良い。また、ピン穴33,34およびこれに挿入される連結ピンは、吊下円盤31に対して溝隠し円盤32を固定する固定手段の一例である。そのため、溝隠し円盤32に周方向に延びる円弧状の長穴(図示せず)に形成され、この長穴には、前記吊下円盤31にねじ込まれる連結ねじ(図示せず)が挿通されており、この連結ねじを緩めることで溝隠し円盤32と吊下円盤31が長穴の長さ分相対回転可能かつ、締め付けることで固定される構成等、他の固定手段であってもよい。このように着脱自在な固定手段により吊下円盤31と溝隠し円盤32との相対回転停止位置が固定されているため、容易に段替え可能となる。さらに、搬送する頭付き棒状部品の形状や検査方法等にあわせて、吊下円盤31と溝隠し円盤32を上下逆に重ね合わせてもよい。しかも、前記開放凹部321の底面321aは、支持円盤12を中心とした円弧状に湾曲する曲面または、回転テーブル3の径方向と直交する平面で形成されていることが好ましい。これにより、前記検査時、照明装置42の発した光が底面321aで精度良く反射するため、頭部の輪郭を鮮明に撮影可能となる。
【符号の説明】
【0019】
1 … 検査装置
11 … 基板
12 … 支持円盤
2 … 直進レール
3 … 回転テーブル
31 … 吊下円盤
311… 第1切欠き溝
312… 第2切欠き溝
32 … 溝隠し円盤
321… 開放凹部
322… 閉鎖凸部
33,34… 固定手段
4 … 検査部
41,44… カメラ
S … 頭付き棒状部品
図1
図2
図3