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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】電気ケトル及び給電ユニット
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/21 20060101AFI20240502BHJP
【FI】
A47J27/21 101Z
A47J27/21 101H
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020174758
(22)【出願日】2020-10-16
(65)【公開番号】P2022065933
(43)【公開日】2022-04-28
【審査請求日】2023-07-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003052
【氏名又は名称】弁理士法人勇智国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀 篤
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】実開昭55-119018(JP,U)
【文献】特開2012-080990(JP,A)
【文献】国際公開第2018/074355(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/21
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気ケトルであって、
外部電源から電力を受け取るための受電接続部と、前記受電接続部が受け取る電力によって内部に収容された液体を加熱するための加熱部とを有するケトル本体と、
前記ケトル本体が載置され、かつ、前記ケトル本体に給電するための給電ユニットであって、
板部と、
前記板部を構成する面のうち一方の面側の領域に配置されて前記ケトル本体が上方に載置される給電台部であって、前記受電接続部と取り外し可能に電気的に接続する給電接続部を備える、給電台部と、
前記板部を構成する面のうち他方の面側の領域に配置され、前記給電接続部及び前記受電接続部を介して前記加熱部へ電力を供給する前記外部電源としてのバッテリパックを取り付けるための取付ユニットと、を有する給電ユニットと、を備え
前記板部は、前記給電台部に接続され前記給電台部から前記上方に延びて形成されており、
前記取付ユニットは、前記板部の前記他方の面に設けられている、電気ケトル。
【請求項2】
請求項に記載の電気ケトルであって、
前記取付ユニットは、前記バッテリパックがスライドすることによって取り付られる上下方向に延びたレール部を備える、電気ケトル。
【請求項3】
請求項又は請求項に記載の電気ケトルであって、
前記板部は、前記取付ユニットよりも前記上方に、使用者に把持されるための把持部を備える、電気ケトル。
【請求項4】
請求項から請求項までのいずれか一項に記載の電気ケトルであって、さらに、
前記給電ユニットは、前記板部の一方の面と向かい合う位置に設けられ、前記給電台部から前記上方に突出したリブ部を備える、電気ケトル。
【請求項5】
請求項から請求項までのいずれか一項に記載の電気ケトルであって、
前記給電台部には、前記給電台部を上下方向に貫通する貫通孔が形成されている、電気ケトル。
【請求項6】
請求項に記載の電気ケトルであって、
前記給電接続部は前記給電台部の上面の中心部に配置されており、
前記上面は前記中心部から前記給電台部の外側に向けて下方に傾斜する傾斜面を備え、
前記貫通孔は、前記中心部よりも前記給電台部の前記外側に近い位置に配置されている、電気ケトル。
【請求項7】
請求項から請求項までのいずれか一項に記載の電気ケトルであって、
前記板部は、前記一方の面に、前記板部の前記一方の面側から前記他方の面側に向けて窪んだ窪み部であって、前記給電台部に載置された前記ケトル本体の側周面に沿うように形成された窪み部を備える、電気ケトル。
【請求項8】
請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の電気ケトルであって、
前記ケトル本体に収容される液体の量と前記液体を予め定められた温度まで上昇させるために必要な電力と、の予め定められた関係と、前記取付ユニットを介して取得した前記バッテリパックの電力の残容量と、を用いて、前記予め定められた温度まで上昇させることのできる前記液体の量を算出する、制御部と、
前記給電ユニットに設けられ、前記制御部により算出された前記液体の量を表示する表示部と、を備える、電気ケトル。
【請求項9】
請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の電気ケトルであって、
前記ケトル本体の前記受電接続部と前記給電台部の前記給電接続部とは、前記ケトル本体が前記給電台部に載置された場合に互いに篏合し、かつ、前記ケトル本体の前記給電台部上での回転が規制されるように形成されている、電気ケトル。
【請求項10】
電気ケトルであって、
外部電源から電力を受け取るための受電接続部と、前記受電接続部が受け取る電力によって内部に収容された液体を加熱するための加熱部とを有するケトル本体と、
前記ケトル本体が載置され、かつ、前記ケトル本体に給電するための給電ユニットであって、
前記ケトル本体が上方に載置される給電台部であって、前記受電接続部と取り外し可能に電気的に接続する給電接続部を備える、給電台部と、
前記給電接続部及び前記受電接続部を介して前記加熱部へ電力を供給する前記外部電源としてのバッテリパックを取り付けるための取付ユニットと、
前記給電台部から前記上方に延び、使用者に把持されるための把持部と、を有する給電ユニットと、を備え、
前記取付ユニットは、前記給電台部に載置された前記ケトル本体と、前記把持部を挟んで対向する位置に設けられている、電気ケトル。
【請求項11】
外部電源から電力を受け取るための受電接続部と前記受電接続部が受け取る電力によって内部に収容された液体を加熱するための加熱部とを有するケトル本体に給電するための給電ユニットであって、
板部と、
前記板部を構成する面のうち一方の面側の領域に配置されて前記ケトル本体が上方に載置される給電台部であって、前記受電接続部と取り外し可能に電気的に接続する給電接続部を備える、給電台部と、
前記板部を構成する面のうち他方の面側の領域に配置され、前記給電接続部及び前記受電接続部を介して前記加熱部へ電力を供給する前記外部電源としてのバッテリパックを取り付けるための取付ユニットと、を備え
前記板部は、前記給電台部に接続され前記給電台部から前記上方に延びて形成されており、
前記取付ユニットは、前記板部の前記他方の面に設けられている、給電ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ケトル本体及び給電ユニットを備える電気ケトルと、給電ユニットとに関する。
【背景技術】
【0002】
容器に備えられた加熱機器により容器内の水を沸騰させる電気ケトルが知られている。特許文献1には、加熱機器に電力を供給するためのバッテリが容器の後部に取り付けられた、電気ケトルが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5657332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載の電気ケトルでは、容器内の水の量とバッテリの重さとによっては、電気ケトルの総重量が大きくなり、電気ケトルの取り扱いが容易でない場合がある。そのため、取り扱いのより容易な電気ケトルが求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
【0006】
(1)本開示の一形態によれば、電気ケトルが提供される。この電気ケトルは、
外部電源から電力を受け取るための受電接続部と、前記受電接続部が受け取る電力によって内部に収容された液体を加熱するための加熱部とを有するケトル本体と、
前記ケトル本体が載置され、かつ、前記ケトル本体に給電するための給電ユニットであって、
板部と、
前記板部を構成する面のうち一方の面側の領域に配置されて前記ケトル本体が上方に載置される給電台部であって、前記受電接続部と取り外し可能に電気的に接続する給電接続部を備える、給電台部と、
前記板部を構成する面のうち他方の面側の領域に配置され、前記給電接続部及び前記受電接続部を介して前記加熱部へ電力を供給する前記外部電源としてのバッテリパックを取り付けるための取付ユニットと、を有する給電ユニットと、
を備える。
この形態によれば、給電ユニットはバッテリパックを取り付けるための取付ユニットを備える。そのため、ケトル本体にバッテリパックが取り付けられる場合と比較して、ケトル本体を容易に取り扱うことができる。また、ケトル本体が載置される給電台部は、板部の一方の面側の領域に配置され、バッテリパックを取り付けるための取付ユニットは、板部の他方の面側の領域に配置される。そのため、電気ケトルに用いられる液体が取付ユニットに付着することを抑制できる。したがって、電気ケトルの安全性や耐久性を向上させることができる。
(2)上記形態において、
前記板部は、前記給電台部に接続され前記給電台部から前記上方に延びて形成されており、
前記取付ユニットは、前記板部の前記他方の面に設けられていてもよい。
この形態によれば、板部が給電台部から上方に延びて形成され、板部の一方の面側の領域に給電台部が配置され、板部の他方の面に取付ユニットが設けられる構成において、ケトル本体の液体が取付ユニットに付着することを抑制できる。
(3)上記形態において、
前記取付ユニットは、前記バッテリパックがスライドすることによって取り付られる、上下方向に延びたレール部を備えていてもよい。
この形態によれば、取付ユニットは、バッテリパックを取り付けるための上下方向に延びるレール部を備える。そのため、レール部にケトル本体の液体が付着した場合であっても、当該液体は下方に落下しやすい。したがって、電気ケトルの安全性や耐久性をより向上させることができる。
(4)上記形態において、
前記板部は、前記取付ユニットよりも前記上方に、使用者に把持されるための把持部を備えていてもよい。
この形態によれば、板部は使用者に把持されるための把持部を備える。そのため、使用者は、把持部を把持して給電ユニットを持ち運んだり、ケトル本体と給電ユニットととを一体に持ち運んだりすることができる。さらに、把持部は、板部における取付ユニットよりも上方の位置に配置される。そのため、板部の他方の面にバッテリパックが取り付けられ、かつ、板部の一方の面側の給電台部にケトル本体が載置された状態で、電気ケトルの姿勢が安定する。したがって、使用者が持ち運ぶ際に、電気ケトルが傾くことを抑制することができる。その結果、持ち運びやすい電気ケトルを提供することができる。
(5)上記形態において、
前記給電ユニットは、前記板部の一方の面と向かい合う位置に設けられ、前記給電台部から上方に突出したリブ部を備えていてもよい。
この形態によれば、板部の一方の面と向かい合う位置には、リブ部が設けられている。そのため、電気ケトルを持ち運ぶ際に、電気ケトルが給電台部からずれることを抑制することができる。したがって、持ち運びやすい電気ケトルを提供することができる。
(6)上記形態において、
前記給電台部には、前記給電台部を上下方向に貫通する貫通孔が形成されていてもよい。
この形態によれば、給電台部には、給電台部を上下方向に貫通する貫通孔が形成されている。そのため、給電台部に液体が付着した場合であっても、貫通孔から当該液体を排出することができる。したがって、給電台部に液体が溜まることを抑制することができる。
(7)上記形態において、
前記給電接続部は前記給電台部の上面の中心部に配置されており、
前記上面は前記中心部から前記給電台部の外側に向けて下方に傾斜する傾斜面を備え、
前記貫通孔は、前記中心部よりも前記外側に近い位置に配置されていてもよい。
この形態によれば、給電台部は、上面の中心部から給電台部の外側に向けて下方に傾斜する傾斜面を備える。そのため、給電台部に液体が付着した場合であっても、当該液体を外側に向けて流すことができる。また、貫通孔は、給電台部の中心部よりも外側に近い位置に配置される。そのため、外側に向けて流れる液体は、外側に近い位置に配置された貫通孔から排出される。したがって、給電台部に液体が溜まることをより抑制することができる。
(8)上記形態において、
前記板部は、前記一方の面に、前記板部の前記一方の面側から前記他方の面側に向けて窪んだ窪み部であって、前記給電台部に載置された前記ケトル本体の側周面に沿うように形成された窪み部を備えていてもよい。
この形態によれば、板部は、一方の面側から他方の面側に向けて窪んだ窪み部を備える。窪み部は、ケトル本体の側周面に沿うように形成される。そのため、使用者は、ケトル本体を、窪み部に沿わせながら給電台部に載置することができる。したがって、使用者はケトル本体を適切な位置に載置することができる。
(9)上記形態において、
前記ケトル本体に収容される液体の量と前記液体を予め定められた温度まで上昇させるために必要な電力と、の予め定められた関係と、前記取付ユニットを介して取得した前記バッテリパックの電力の残容量と、を用いて、前記予め定められた温度まで上昇させることのできる前記液体の量を算出する、制御部と、
前記給電ユニットに設けられ、前記制御部により算出された前記液体の量を表示する表示部と、を備えていてもよい。
この形態によれば、電気ケトルは、予め定められた温度まで上昇させることのできる液体の量を算出する制御部を備える。制御部は、当該算出のために、ケトル本体に収容される液体の量と、液体を予め定められた温度まで上昇させるために必要な電力との関係と、バッテリパックの電力の残容量とを用いる。また、給電ユニットは、算出された液体の量を表示する表示部を備える。そのため、使用者は、例えばバッテリパックの電力の残容量が少ない場合であっても、表示された量の液体をケトル本体に入れることで、予め定められた温度まで上昇した液体を得ることができる。
(10)上記形態において、
前記ケトル本体の前記受電接続部と前記給電台部の前記給電接続部とは、前記ケトル本体が前記給電台部に載置された場合に互いに篏合し、かつ、前記ケトル本体の前記給電台部上での回転が規制されるように形成されていてもよい。
この形態によれば、受電接続部と給電接続部とは、ケトル本体が給電台部に載置された場合に互いに篏合するように形成されている。受電接続部と給電接続部とは、互いに篏合した場合に、ケトル本体の給電台部での回転が規制されるように形成されている。そのため、給電ユニットからケトル本体へ、安定して電力を供給することができる。
(11)本開示の第2の形態によれば、電気ケトルが提供される。この電気ケトルは、
外部電源から電力を受け取るための受電接続部と、前記受電接続部が受け取る電力によって内部に収容された液体を加熱するための加熱部とを有するケトル本体と、
前記ケトル本体が載置され、かつ、前記ケトル本体に給電するための給電ユニットであって、
前記ケトル本体が上方に載置される給電台部であって、前記受電接続部と取り外し可能に電気的に接続する給電接続部を備える、給電台部と、
前記給電接続部及び前記受電接続部を介して前記加熱部へ電力を供給する前記外部電源としてのバッテリパックを取り付けるための取付ユニットと、
前記給電台部から前記上方に延び、使用者に把持されるための把持部と、を有する給電ユニットと、
を備える。
この形態によれば、給電ユニットはバッテリパックを取り付けるための取付ユニットを備える。そのため、ケトル本体にバッテリパックが取り付けられる場合と比較して、ケトル本体を容易に取り扱うことができる。また、給電ユニットは、給電台部に接続され給電台部から上方に延びる把持部を備える。そのため、使用者は、把持部を把持して給電ユニットを持ち運んだり、ケトル本体と給電ユニットととを一体に持ち運んだりすることができる。
(12)上記形態において、
前記取付ユニットは、前記給電台部に載置された前記ケトル本体と、前記把持部を挟んで対向する位置に設けられてもよい。
この形態によれば、バッテリパックが取り付けられる取付ユニットと、内部に液体が収容されるケトル本体とが、把持部を挟んで対向する位置に設けられる。そのため、バッテリパックが取り付けられ、かつ、給電台部にケトル本体が載置された状態で、電気ケトルの姿勢が安定する。したがって、使用者が持ち運ぶ際に、電気ケトルが傾くことを抑制することができる。その結果、持ち運びやすい電気ケトルを提供することができる。
(13)本開示の第3の形態によれば、給電ユニットが提供される。この給電ユニットはケトル本体が載置され、かつ、前記ケトル本体に給電可能に構成されている。
前記ケトル本体は、外部電源から電力を受け取るための受電続部と、前記受電接続部が受け取る電力によって内部に収容された液体を加熱するための加熱部とを有しており、
前記給電ユニットは、
板部と、
前記板部を構成する面のうち一方の面側の領域に配置されて前記ケトル本体が上方に載置される給電台部であって、前記受電接続部と取り外し可能に電気的に接続する給電接続部を備える、給電台部と、
前記板部を構成する面のうち他方の面側の領域に配置され、前記給電接続部及び前記受電接続部を介して前記加熱部へ電力を供給する前記外部電源としてのバッテリパックを取り付けるための取付ユニットと、
を備える。
この形態によれば、給電ユニットはバッテリパックを取り付けるための取付ユニットを備える。そのため、ケトル本体にバッテリパックが取り付けられる場合と比較して、ケトル本体を容易に取り扱うことができる。また、ケトル本体が載置される給電台部は、板部の一方の面側の領域に配置され、バッテリパックを取り付けるための取付ユニットは、板部の他方の面側の領域に配置される。そのため、ケトル本体に用いられる液体が取付ユニットに付着することを抑制できる。したがって、給電ユニットの安全性や耐久性を向上させることができる。
本開示の技術は、電気ケトル、給電ユニット以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、バッテリパックを備える給電ユニット、バッテリパックを備える電気ケトル、電気ケトルに適用される制御装置等の形態でも実現することができる。

【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】バッテリパック100が取り付けられた電気ケトル1の斜視図である。
図2】給電ユニット50からケトル本体10を取り外した状態の電気ケトル1の斜視図である。
図3】給電接続部72の拡大斜視図である。
図4】バッテリパック100が取り付けられた電気ケトル1の前面図である。
図5】バッテリパック100が取り付けられた電気ケトル1の右側面図である。
図6】バッテリパック100が取り付けられた電気ケトル1の左側面図である。
図7】バッテリパック100が取り付けられた電気ケトル1の上面図である。
図8】バッテリパック100が取り付けられた電気ケトル1の後面図である。
図9】電気ケトル1のIX-IX断面図である。
図10】電気ケトル1のX-X断面図である。
図11】バッテリパック100が取り付けられた給電ユニット50の上面図である。
図12】電気ケトル1の上面図である。
図13】電気ケトル1の後面図である。
図14】バッテリパック100の一例を示す図である。
図15】ケトル本体10の下面図である。
図16】電気ケトル1のシステム構成を示すブロック図である。
図17】第2実施形態の電気ケトル1aのシステム構成を示すブロック図である。
図18】第3施形態に係る電気ケトル1bの斜視図である。
図19】第4実施形態に係る電気ケトル1cの概略構成図である。
図20】第5実施形態に係る電気ケトル1dの概略構成図である。
図21】第1の連結構造に係るケトル本体10eの拡大断面図である。
図22】蓋部21eがケトル把持部23eから取り外された様子を説明するための拡大斜視図である。
図23】第2の連結構造に係るケトル本体10fの拡大断面図である。
図24】蓋部21fが開かれた様子を説明するための拡大断面図である。
図25】蓋部21fがケトル把持部23fから取り外された様子を説明するための拡大断面図である。
図26】第3の連結構造に係るケトル本体10gにおける蓋部21gの下面図である。
図27図26のXXVII-XXVII断面図である。
図28】蓋本体部24gが連結部材25gから取り外された様子を説明するための拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<第1実施形態>
<電気ケトルの構成>
図1から図16までを参照しつつ、第1実施形態に係る電気ケトル1について説明する。図1及び図2に示すように、電気ケトル1は、ケトル本体10と給電ユニット50とを含む。電気ケトル1の使用者は、水などの液体を入れたケトル本体10を、外部電源が取り付けられた給電ユニット50の給電台部70に載置し、給電ユニット50に設けられた電源スイッチS1を入れることにより、ケトル本体10内の液体を沸騰させることができる。図1及び図4から図8に示す電気ケトル1と、図11に示す給電ユニット50とには、バッテリパック100が取り付けられている。バッテリパック100は、電気ケトル1の外部電源の一例である。
【0009】
以下では、説明の便宜上、電気ケトル1のケトル本体10が給電ユニット50に載置されたときの姿勢を基準として、電気ケトル1の上下方向を規定する。つまり、給電ユニット50に対しケトル本体10の載置される側が電気ケトル1の上側であり、その反対側が電気ケトル1の下側である。また、給電ユニット50に対しバッテリパック100が取り付けられるための取付ユニット90が配置される側を後側、ケトル本体10が配置される側を前側とし、上下方向に直交する方向を前後方向と規定する。さらに、上下方向及び前後方向に直交する方向を左右方向と規定する。
【0010】
<給電ユニットの構成>
給電ユニット50は、ケトル本体10が載置されてケトル本体10に給電するための部材である。本実施形態の給電ユニット50は、主に、ベース部60と、壁部80と、取付ユニット90とを備える。給電ユニット50は、金属又は樹脂で形成することができる。壁部80は、ベース部60から上方に延びる略板状の部材である。
【0011】
図2に示すように、ベース部60は、前後方向及び左右方向に沿って広がる略板状部材である。ベース部60の下面63は、机や床、地面などの上に載置され得る。
【0012】
ベース部60のうち、壁部80の前面81側の領域には、給電台部70が設けられている。給電台部70は、ケトル本体10の底部40が載置されるための部位である。本実施形態では、給電台部70の上面71は、ベース部60の側壁62の上端よりも下方に位置する。給電台部70の面積は、ケトル本体10の底部40の面積よりもわずかに大きい。給電台部70の上面71の略中心部には、給電接続部72が設けられている。図2の斜視図、図9及び図10の電気ケトル1の断面図、図11の給電ユニット50の上面図に示すように、給電接続部72は、上面71から上方に向けて突出した部位である。給電接続部72は、ケトル本体10における、後述する受電接続部42が、嵌り合うように形成されている。図3に示すように、本実施形態では、給電接続部72は、下側に下底を有する略円錐台において、該円錐台の側面72sから中心に向けて一対の切欠き(切欠き部79)が設けられた形状を有する。一対の切欠き部79の夫々には、導電性の部材である給電接続端子73が設けられている。給電接続端子73は、取付ユニット90に取り付けられたバッテリパック100からの電力を、ケトル本体10に供給する。
【0013】
本実施形態では、給電台部70は、さらに、以下の構成を備えている。
【0014】
図3に示すように、切欠き部79は、側面72sに接続する一対の面79sと、一対の面79sを接続する面79cとを備える。一対の面79sは、夫々、上下方向に略平行である。一対の面79sは、給電接続端子73を挟んで対向している。面79sの上端は、給電台部70の上面72uよりも下方に位置している。面79sの上端と上面72uとは、傾斜面79gによって接続されている。傾斜面79gは、給電接続端子73に向けて傾斜している。詳細は後述するが、傾斜面79gは、給電接続端子73とケトル本体の受電接続端子45とが接続するように、ケトル本体10を周方向に移動させるためのガイド部として機能する。
【0015】
給電接続部72の側面72sは、後述するケトル本体10の受電接続部42の側面42s(図15参照)に沿った形状を有する。つまり、給電接続部72は、ケトル本体10の受電接続部42の側面42sを給電接続部72の側面72sに沿わせつつ、ケトル本体10を周方向に移動させることが可能に構成されている。また、給電接続部72は、ケトル本体10の受電接続部42と嵌まり合った場合に、ケトル本体10の回転を規制するように形成されている。回転を規制するとは、ケトル本体10が給電台部70に載置された状態で、周方向にほぼ移動しないことである。ほぼ移動しないとは、給電接続端子73と受電接続端子45との電気的接点を保つことが可能な範囲での移動は許容することである。給電接続部72は、ケトル本体10の受電接続部42と嵌まり合った場合に、ケトル本体10が回転不能となるように構成されているということもできる。
【0016】
図2及び図11に示すように、給電台部70には、給電台部70を上下方向に貫通する貫通孔77が形成されている。本実施形態では、貫通孔77は給電接続部72が設けられた位置よりも、給電台部70の外側に近い位置に配置されている。給電台部70の外側に近い位置とは、給電台部70の径方向外側に近い位置でもある。当該位置は、ベース部60の側壁62や、壁部80に近い位置でもある。本実施形態では、貫通孔77の数は4つである。貫通孔77は、給電接続部72に対し略対称に配置されている。
【0017】
図9及び図10に示すように、給電台部70の上面71は、給電接続部72から給電台部70の外側に向けて、下方に傾斜した傾斜面74を備える。
【0018】
図1から図6に示すように、給電台部70の前方には、給電台部70から上方に突出するリブ部75が形成されている。リブ部75は、壁部80の前面81と向かい合う位置に設けられている。リブ部75は、給電台部70の外縁及びケトル本体10の後述する外周面31に沿った形状を有する。リブ部75は、給電台部70に載置されたケトル本体10が前方へ移動することを規制する。本実施形態では、リブ部75の上下方向の上端は、給電台部70に載置されたケトル本体10の後述するケトル把持部23の下端よりも、上方に位置する。
【0019】
次に、壁部80について説明する。本実施形態では、壁部80は、上下方向及び左右方向に沿って延びた略板状の部材である。壁部80は、給電台部70から上方に延びて形成されている。壁部80の前面81側の領域には、給電台部70が設けられている。壁部80の後面82側の領域には、取付ユニット90が設けられている。本実施形態において、壁部80は、給電台部70が設けられる領域と、取付ユニット90が設けられる領域とを、区分している。
【0020】
壁部80は、取付ユニット90が設けられた位置よりも上方に、給電ユニット50を把持するための給電ユニット把持部85を備える。給電ユニット把持部85は、壁部80を前後方向に貫通させた形状を有する。給電ユニット把持部85は、取付ユニット90と給電台部70に載置されたケトル本体10との間に設けられているともいえる。給電ユニット把持部85の上端は、給電台部70に載置されたケトル本体10よりも上方まで突出している。本実施形態において、電気ケトル1は、取付ユニット90にバッテリパック100が取り付けられ、かつ、ケトル本体10が給電台部70に載置された状態において、ケトル本体10内の液体の量にかかわらず、電気ケトル1の重心が壁部80又は壁部80の近傍に位置するように構成されている。つまり、給電ユニット把持部85は、電気ケトル1における重心の上方に配置されている。
【0021】
図2及び図11に示すように、壁部80は、その前面81に、前面81から後面82に向けて窪んだ窪み部83を有する。窪み部83は、給電台部70に載置されたケトル本体10の外周面31に沿うように形成されている。
【0022】
壁部80の後面82には、表示部86が設けられている。詳細は後述するが、本実施形態では、表示部86には、バッテリパック100の電力の残容量が表示される。
【0023】
次に、図12図14を参照して、取付ユニット90に取り付けられるバッテリパック100と、取付ユニット90とについて説明する。
【0024】
バッテリパック100は、取付ユニット90に取り付けられる外部電源である。バッテリパック100は、例えば、公称電圧が18ボルトのバッテリパックであり、電気ケトル1の電源として使用可能である。
【0025】
バッテリパック100は、バッテリーパッケージや組電池と呼ばれる場合があり、所定のサイズに成形された外郭ハウジングと当該外郭ハウジング内に収容され、直列に接続された複数のリチウムイオン電池セルを有している。バッテリパック100は、再充電可能なバッテリパックであり、外部電源として使用された後に、充電器(不図示)によって再充電することができる。バッテリパック100は、いわゆるスライド式のバッテリパックであり、取付ユニット90や充電器に、取り外し自在な状態で取り付け可能である。
【0026】
図14には、バッテリパック100が取付ユニット90に取付られるときの姿勢を基準として、上下方向、前後方向、左右方向が示されている。バッテリパック100には、左右一対のレール受け部101が設けられている。一対のレール受け部101の間には、正極出力端子102と負極出力端子103とが配置されている。正極出力端子102と負極出力端子103との間には、バッテリパック100が充電器や他の機器との間で制御信号を送受信するためのコネクタ部104が配置されている。また、バッテリパック100の上方部には、ロック部材105が設けられている。バッテリパック100の筐体内部であってロック部材105の下方には、バネ部材(不図示)が配置されている。当該バネ部材は、ロック部材105を上方に押し上げるように付勢している。バッテリパック100の後面には、アンロックボタン106(例えば、図11参照)が配置されている。アンロックボタン106が下方側に押下されると、ロック部材105は下方側に移動する。
【0027】
図12及び図13に示すように、取付ユニット90は、壁部80の後面82側の領域に配置されている。本実施形態において、取付ユニット90は、壁部80の後面82の下方に設けられている。取付ユニット90には、取付部91が2つ配置されている。2つの取付部91は互いに同様の構成を備えている。2つの取付部91は電気的に直列に接続されている。取付ユニット90は、例えば、公称電圧が18ボルトである2つのバッテリパック100を直列に接続することができる。バッテリパック100が2つ取り付けられた取付ユニット90から供給される電力で、電気ケトル1は駆動することができる。
【0028】
取付部91には、一対のスライドレール92が設けられている。本実施形態では、スライドレール92は、上下方向に延びて形成されている。スライドレール92には、正極入力端子93と負極入力端子94が配置されている。また、取付部91には、バッテリパック100のロック部材105が係合するロック受入穴95が設けられている。
【0029】
取付部91に対してバッテリパック100が取り付け方向にスライドされることで、レール受け部101、102がスライドレール92に係合して、バッテリパック100は取付部91に取り付けられる。本実施形態において、取付方向は、上から下に向かう方向である。バッテリパック100が取付部91に取り付けられると、取付部91が有する正極入力端子93及び負極入力端子94が、バッテリパック100が有する正極出力端子102及び負極出力端子103に電気的に接続される。また、バッテリパック100が取付部91に取り付けられると、ロック部材105がロック受入穴95に係合し、バッテリパック100が上下方向に移動不能に固定されたロック状態となる。
【0030】
取付部91に取り付けられたバッテリパック100のアンロックボタン106が使用者によって押下されると、ロック部材105とロック受入穴95との係合が解除された状態(アンロック状態)となる。アンロック状態において、取付部91に対してバッテリパック100が取り外し方向にスライドされることによって、バッテリパック100は取付部91から取り外される。本実施形態において、取り外し方向は、下から上に向かう方向である。このように、バッテリパック100は、取付ユニット90が有する取付部91に、取り外し自在な状態で取り付け可能である。
【0031】
<ケトル本体の構成>
図1図10に示すように、ケトル本体10は、主として、本体ユニット20と蓋部21とで構成された外観を有する。本体ユニット20は、上部が開口した有底筒状に形成されている。蓋部21は、本体ユニット20の開口を開閉可能なように、本体ユニット20に接続されている。本体ユニット20は、側壁部30と、底部40と、液体収容部48と、を備える。
【0032】
側壁部30は、本体ユニット20の上下方向に延びる略筒状の部位である。側壁部30は、ケトル本体10の外周面31を形成する。側壁部30の上方には、液体収容部48からの液体を吐出するための注ぎ口22が設けられている。ケトル本体10を上から見た場合に、注ぎ口22と対向する位置には、ケトル本体10を把持するためのケトル把持部23が設けられている。ケトル把持部23の端部は、側壁部30の上方及び下方に接続されている。側壁部30とケトル把持部23とは、金属又は樹脂で形成することができる。
【0033】
底部40は、側壁部30の下方に接続された部位である。底部40は、金属又は樹脂で形成することができる。底部40の下面41の中心部には、受電接続部42が設けられている。図9図10の電気ケトル1の断面図、及び図15のケトル本体10の下面図に示すように、受電接続部42は、下面41から上方に向けて突出した部位である。受電接続部42は、給電ユニット50の給電接続部72と嵌り合うように形成されている。本実施形態では、受電接続部42は、下側に下底を有する略円錐台において、該円錐台の側面から中心に向けて一対の板状部材44が突出した形状を有する。一対の板状部材44の夫々には、導電性の部材である受電接続端子45が設けられている。受電接続端子45は、給電接続部72を介して外部電源から電力を受け付ける。本実施形態において、受電接続部42は、給電ユニット50の給電接続部72と協働して、受電接続部42と給電接続部72とが互いに嵌まり合った場合に、ケトル本体10の移動を規制するように形成されている。
【0034】
本実施形態では、一対の板状部材44の夫々には、略上下方向に延び、給電接続端子73を挿入可能な間隙が設けられている。受電接続端子45は、板状部材44のうち、当該間隙を構成する一対の面44sに設けられている。板状部材44が切欠き部79(図3参照)に嵌まり合うように、給電接続部72に対するケトル本体10の周方向の位置が調整(位置合わせ)されると、給電接続端子73と受電接続端子45とが接続し、かつ、ケトル本体10の移動が規制される。
【0035】
また、本実施形態では、上述したように、給電接続部72の切欠き部79は、給電接続部72の上面72uから給電接続端子73に向けて下方に傾斜する傾斜面79gを備える。そのため、ケトル本体10の板状部材44が傾斜面79g上に位置する場合には、ケトル本体10は自重によって傾斜面79gに沿って下方に移動し、板状部材44は切欠き部79に嵌まり合う。つまり、本実施形態の電気ケトル1では、周方向において、切欠き部79上あるいは傾斜面79g上に板状部材44が配置されれば、ケトル本体10の給電ユニットに対する位置合わせが完了する。なお、傾斜面79g上に板状部材44が配置されていなくとも、使用者がケトル本体10を周方向に移動させて板状部材44が傾斜面79g上に移動すれば、ケトル本体10は自重によって傾斜面79gに沿って下方に移動するので、位置合わせが完了する。
【0036】
さらに、本実施形態では、ケトル本体10の底部40の下面41は、受電接続部42から径方向外側に向けて、下方に傾斜した傾斜面46を備えている。傾斜面46は、給電台部70の傾斜面74に沿った形状を有する。そのため、ケトル本体10は、給電台部70に安定して載置され得る。
【0037】
液体収容部48は、側壁部30及び底部40の内側に配置されている。液体収容部48は、内部に水などの液体を溜めることのできる形状を有する。液体収容部48の内表面は、フッ素樹脂などの耐熱性樹脂でコーティングされていてもよい。液体収容部48の底面は、金属等の伝熱材料で形成されている。図9に示すように、液体収容部48の下方には、温度センサTcが設けられている。温度センサTcは、液体収容部48内の液体の温度を計測する。
【0038】
図10に示すように、底部40には、ヒータ49が内装されている。ヒータ49は、受電接続部42を介して受電し、底部40の上方に位置する液体収容部48内の液体を加熱する。なお、本実施形態で説明したケトル本体10の構成は、一例である。ケトル本体10の構成は、取付ユニット90を備える給電ユニット50から受電する構成を除いて、公知のケトルの構成を適用してもよい。
【0039】
<システム構成>
次に、電気ケトル1のシステム構成の一例を説明する。図16に示すように、本実施形態の給電ユニット50は、制御装置65を備えている。制御装置65は、CPUと、メモリと、インターフェースとを備えるマイクロコンピュータとして構成されている。制御装置65は、メモリに記憶されたプログラムを展開して実行することにより、制御部66として機能する。制御部66は、例えば、液体収容部48の底面に設けられた温度センサTcの計測値と、予め定められた設定温度とを取得することができる。制御部66は、取得した計測値と設定温度とを用いて、液体収容部48内の液体を、設定温度まで上昇させる。予め定められた設定温度は、例えば、給電ユニット50に設けられた温度設定部67を用いて、使用者が設定可能であってもよい。温度設定部67は、使用者が温度を設定可能な、入力インターフェースである。また、予められた温度は、制御装置65のメモリに予め記憶されていてもよい。例えば、メモリには、液体が沸騰する温度が設定温度として記憶されていてもよい。
【0040】
また、本実施形態では、制御部66は、バッテリパック100の電力の残容量を取得して、該残容量を表示部86(図13参照)に表示可能である。
【0041】
<効果>
以上で説明した第1実施形態の電気ケトル1によれば、以下の効果を奏する。
【0042】
(A1)給電ユニット50はバッテリパック100を取り付けるための取付ユニット90を備える。そのため、ケトル本体10にバッテリパック100が取り付けられる場合と比較して、ケトル本体10を容易に取り扱うことができる。
【0043】
(A2)ケトル本体10が載置される給電台部70は、壁部80の一方の面(前面81)側の領域に配置され、バッテリパック100を取り付けるための取付ユニット90は、壁部80の他方の面(後面82)側の領域に配置される。そのため、電気ケトル1に用いられる液体が取付ユニット90に付着することを抑制できる。したがって、電気ケトル1の安全性や耐久性を向上させることができる。加えて、使用者が、給電台部70にケトル本体10を載置したまま、ケトル本体10の蓋部21を開けてケトル本体10に液体を入れる場合にも、液体が取付ユニット90やバッテリパック100に付着することを抑制できる。そのため、電気ケトル1の安全性や耐久性を向上させることと、電気ケトル1の取り扱いの自由度を向上させることとを実現できる。
【0044】
(A3)本実施形態の電気ケトル1によれば、壁部80の前面81側の領域に給電台部70が配置され、壁部80の後面82に取付ユニット90が設けられる構成において、ケトル本体10の液体が取付ユニット90に付着することを抑制できる。
【0045】
(A4)取付ユニット90は、バッテリパック100が上下方向にスライドすることによって着脱することができる、上下方向に延びたスライドレール92を備える。そのため、スライドレール92にケトル本体10の液体が付着した場合であっても、当該液体は下方に落下しやすい。したがって、電気ケトル1の安全性や耐久性をより向上させることができる。
【0046】
(A5)壁部80は、使用者に把持されるための給電ユニット把持部85を備える。そのため、使用者は、給電ユニット把持部85を把持して給電ユニット50を持ち運んだり、ケトル本体10を給電ユニット50に載置して、電気ケトル1を持ち運んだりすることができる。さらに、給電ユニット把持部85は、壁部80における取付ユニット90よりも上方の位置に配置される。そのため、壁部80の後面82にバッテリパック100が取り付けられ、かつ、壁部80の前面81側の給電台部70にケトル本体10が載置された状態で、電気ケトル1の姿勢が安定する。したがって、使用者が持ち運ぶ際に、電気ケトル1が傾くことを抑制することができる。その結果、より持ち運びやすい電気ケトル1を提供することができる。
【0047】
なお、上記(A5)に関し、本実施形態では、電気ケトル1は、取付ユニット90にバッテリパック100が取り付けられ、かつ、ケトル本体10が給電ユニットに載置された状態において、ケトル本体10内の液体の量にかかわらず、電気ケトル1の重心が壁部80又は壁部80の近傍に位置するように構成されている。つまり、給電ユニット把持部85は、使用時の電気ケトル1における重心の上方に配置されている。そのため、よりいっそう持ち運びやすい電気ケトル1を提供することができる。
【0048】
(A6)給電ユニット50は、壁部80の前面81と向かい合う位置に設けられ、給電台部70から上方に突出したリブ部75を備える。そのため、電気ケトル1を持ち運ぶ際に、電気ケトル1が給電台部70からずれることを抑制することができる。したがって、この構成によれば、より持ち運びやすい電気ケトル1を提供することができる。
【0049】
(A7)給電台部70には、給電台部70を上下方向に貫通する貫通孔77が形成されている。そのため、給電台部70に液体が付着した場合であっても、貫通孔77から当該液体を排出することができる。したがって、給電台部70に液体が溜まることを抑制することができる。その結果、電気ケトル1の安全性や耐久性をいっそう向上させることができる。
【0050】
(A8)給電台部70は、上面71の中心部から給電台部70の外側に向けて下方に傾斜する傾斜面74を備える。そのため、給電台部70に液体が付着した場合であっても、当該液体を外側に向けて流すことができる。また、貫通孔77は、給電台部70の中心部よりも外側に近い位置に配置される。そのため、外側に向けて流れる液体は、外側に近い位置に配置された貫通孔77から排出される。したがって、給電台部70に液体が溜まることをより抑制することができる。その結果、電気ケトル1の安全性や耐久性をよりいっそう向上させることができる。
【0051】
(A9)給電ユニット50の備える壁部80は、前面81に、壁部80の前面81側から後面82側に向けて窪んだ窪み部83を備える。この窪み部83は、ケトル本体10の側壁部30の外周面31に沿うように形成されている。そのため、使用者は、窪み部83に沿わせながら、ケトル本体10を給電台部70に載置することができる。したがって、ケトル本体10を適切な位置に載置することができる。
【0052】
(A10)ケトル本体10の受電接続部42と給電台部70の給電接続部72とは、ケトル本体10が給電台部70に載置された場合に互いに篏合するように形成されている。受電接続部42と給電接続部72とは、互いに篏合した場合に、給電台部70上でのケトル本体10の回転が規制されるように形成されている。そのため、給電ユニット50からケトル本体10へ、安定して電力を供給することができる。
【0053】
(A11)リブ部75の上下方向の上端は、給電台部70に載置されたケトル本体10のケトル把持部23の下端よりも、上方に位置する。そのため、使用者は、前後方向においてリブ部75と壁部80との間にケトル把持部23が位置するように、ケトル本体10を給電ユニット50に載置し得る。また、本実施形態では、受電接続部42及び給電接続部72は、ケトル把持部23が前後方向においてリブ部75と壁部80との間に位置した範囲内において、互いに嵌まり合うように形成されている。そのため、リブ部75は、壁部80と協働して、さらに、ケトル本体10を給電台部70に適切に載置するための位置決め機能を発揮する。その結果、使用者は、簡易に、ケトル本体10を適切な位置へ載置することができる。
【0054】
<第2実施形態>
<給電ユニットの構成>
図17を用いて第2実施形態に係る電気ケトル1aについて説明する。以下では、上述の実施形態と同様の構成については同じ符号を使用し、説明を省略する。第2実施形態の電気ケトル1aでは、給電ユニット50aの制御装置65aが、メモリに記憶されたプログラムを実行することで制御部66aとして機能する。制御装置65aは、ケトル本体10に収容される液体の量と液体を予め定められた温度まで上昇させるために必要な電力と、の予め定められた関係を記憶している。制御部66aは、取付ユニット90を介して取得したバッテリパック100の電力の残容量と、上記関係とを用いて、予め定められ温度まで上昇させることのできる液体の量を算出する。
【0055】
表示部86aは、制御部66aにより算出された液体の量を表示する。図17には、表示部86aの表示態様が例示されている。液体収容部48に収容可能な液体の量は、メモリで示されており、制御部66aにより算出された液体の量は、ハッチングで示されている。本実施形態の電気ケトル1aにおけるその他の構成は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0056】
<効果>
この形態によれば、電気ケトル1aは、予め定められた温度まで上昇させることのできる液体の量を算出する制御部66aを備える。制御部66aは、当該算出のために、ケトル本体10に収容される液体の量と、液体を予め定められた温度まで上昇させるために必要な電力との関係と、バッテリパック100の電力の残容量とを用いる。また、給電ユニット50aは、算出された液体の量を表示する表示部86aを備える。そのため、使用者は、例えばバッテリパック100の電力の残容量が少ない場合であっても、表示された量の液体をケトル本体10に入れることで、予め定められた温度まで上昇した液体を得ることができる。
【0057】
さらに、本実施形態の電気ケトル1aは、制御部66a及び表示部86aを除いて、第1実施形態の電気ケトル1と同様の構成を備える。そのため、本実施形態の電気ケトル1aにおいても、第1実施形態の効果(A1)~(A11)と同様の効果を奏する。
【0058】
<第3実施形態>
<給電ユニットの構成>
図18を用いて第3実施形態に係る電気ケトル1bについて説明する。電気ケトル1bでは、第1実施形態の電気ケトル1と異なり、給電ユニット50bの有する取付ユニット90bは、スライドレール92を備えていない。本実施形態の取付ユニット90bは、電気コード120bを介して、バッテリパック100bを取り付け可能に構成されている。
【0059】
具体的には、本実施形態のバッテリパック100bは、バッテリ本体部110bと、一端がバッテリ本体部110bに接続された電気コード120bとを備える。バッテリ本体部110bは、直列に接続された複数のリチウムイオン電池セルを含む。電気コード120bの他端には、取付ユニット90bへの差し込み口が設けられた、接続端部125bが設けられている。取付ユニット90bは、接続端部125bの差し込み口が差し込み可能に構成された取付部(不図示)を備えている。本実施形態の電気ケトル1cのその他の構成は、第1実施形態の電気ケトル1と同様であるため説明を省略する。
【0060】
<効果>
この形態の電気ケトル1bによれば、第1実施形態の取付ユニット90におけるスライドレール92に関する効果(A4)を除いた、第1実施形態の効果(A1)~(A3)、(A5)~(A11)と同様の効果を奏する。
【0061】
<第4実施形態>
<給電ユニットの構成>
図19を用いて第4実施形態に係る電気ケトル1cについて説明する。図19では、外観に現れない電気ケトル1cの主な構成を破線で示している。電気ケトル1cの給電ユニット50cは、主に、ベース部60cと取付ユニット90cとを備える。給電ユニット50cは、第1実施形態の電気ケトル1と異なり、壁部80及び給電ユニット把持部85を備えていない。
【0062】
ベース部60cは、給電台部70cが設けられる領域と、取付ユニット90cが設けられる領域とを区分している。ベース部60cの上面61c側の領域には、給電台部70cが設けられている。給電台部70cは、ベース部60cの上面61cが下方に窪んだ部位である。
【0063】
ベース部60cの下面63c側の領域には、取付ユニット90cが設けられている。取付ユニット90cには、取付部91cが2つ配置されている。取付部91cは、一対のスライドレール(不図示)を備える。本実施形態では、スライドレールは、前後方向に延びて形成されている。スライドレールに対してバッテリパック100が前後方向にスライドされることで、バッテリパック100は取付部91cに着脱される。電気ケトル1cでは、バッテリパック100におけるレール受け部101、102(図14参照)が設けられている面と反対側の面(図19においてバッテリパック100の下方の面)を、机や床、地面などの上に載置することができる。本実施形態の電気ケトル1cにおけるその他の構成は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0064】
<効果>
第4実施形態の電気ケトル1cにおいて、給電ユニット50cはバッテリパック100を取り付けるための取付ユニット90cを備える。そのため、ケトル本体10にバッテリパック100が取り付けられる場合と比較して、ケトル本体10を容易に取り扱うことができる。そのため、上述の第1実施形態の効果(A1)と同様の効果を奏する。
【0065】
ケトル本体10が載置される給電台部70cは、ベース部60cの一方の面(上面61c)側の領域に配置され、バッテリパック100を取り付けるための取付ユニット90cは、ベース部60cの他方の面(下面63c)側の領域に配置される。そのため、電気ケトル1cに用いられる液体が取付ユニット90cに付着することを抑制できる。したがって、第1実施形態の効果(A2)と同様の効果を奏する。
【0066】
<第5実施形態>
<給電ユニットの構成>
図20を用いて第5実施形態に係る電気ケトル1dについて説明する。図20では、外観に現れない電気ケトル1dの主な構成を破線で示している。電気ケトル1dに係る給電ユニット50dは、主に、ベース部60dと、取付ユニット90cと、給電ユニット把持部85dとを備える。給電ユニット50dは、第1実施形態と異なり、壁部80を備えていない。
【0067】
ベース部60dの上面61d側の領域には、給電台部70dが設けられている。給電台部70dは、ベース部60dの上面61dが下方に窪んだ部位である。ベース部60dの側面62dには、取付ユニット90dが設けられている。つまり、本実施形態の電気ケトル1dでは、ベース部60dの一方の面(上面61d)側の領域に給電台部70dが配置され、ベース部60dの側面62dに取付ユニット90dが設けられる点において、上述の各実施形態と異なる。ベース部60dの他方の面(下面63d)は、机や床、地面などの上に載置され得る。
【0068】
取付ユニット90dは、2つの取付部91dを備える。なお、取付部91dは前後方向に並んでおり、図20には1つの取付部91dのみが現れている。取付部91dは、一対のスライドレール(不図示)を備える。スライドレールに対してバッテリパック100が取付方向にスライドされることで、バッテリパック100は取付部に取り付けられる。
【0069】
給電ユニット把持部85dは、給電台部70dから上方に延びて形成されている。給電ユニット把持部85dの上端は、給電台部70dに載置されたケトル本体10よりも上方まで突出している。
【0070】
<効果>
この形態によれば、給電ユニット50dはバッテリパック100を取り付けるための取付ユニット90dを備えるので、ケトル本体10にバッテリパック100が取り付けられる場合と比較して、ケトル本体10を容易に取り扱うことができる。そのため、本実施形態においても、第1実施形態の効果(A1)と同様の効果を奏する。
【0071】
また、給電ユニット50dは給電ユニット把持部85dを備えるので、使用者は、給電ユニット把持部85dを把持して給電ユニット50dを持ち運んだり、ケトル本体10及び給電ユニット50dを一体に持ち運んだりすることができる。
【0072】
<他の実施形態>
上述の第1実施形態に示す電気ケトル1では、効果(A1)(A2)をもたらす構成以外の構成は、適宜変更されてもよい。すなわち、電気ケトル1では、給電ユニット50が取付ユニット90を備えており、壁部80の一方の面側の領域に給電台部70が配置され、他方の面側の領域に取付ユニット90が配置される限りにおいて、その他の構成は適宜変更され得る。
【0073】
例えば、給電台部70は傾斜面74を備えていなくともよい。給電接続部72と受電接続部42とは、ケトル本体10が給電台部70に載置された場合に互いに電気的に接続可能なように形成されていれば、他の形状が適用されてもよい。
【0074】
上記各実施形態において、ケトル本体10として、例えば、AC電源に接続される、商業用の給電ユニットに載置されるケトルが適用されてもよい。
【0075】
給電台部70、70b、70dに貫通孔77を設ける場合には、その位置は、給電台部70、70b、70dの外側よりも給電接続部72に近い位置であってもよい。この構成によっても、給電台部70、70b、70dにケトル本体10に用いる液体が溜まることを抑制することができる。
【0076】
制御装置65、65aは、ケトル本体10に設けられていてもよい。この場合には、ケトル本体10は、ケトル本体10に設けられた給電接続部72及び受電接続部42を介して、バッテリパック100の電力の残容量や設定温度を取得するように構成されていてもよい。制御装置65、65aと同様に、表示部86、86aは、ケトル本体10に設けられていてもよい。
【0077】
給電ユニット50は、第3実施形態の取付ユニット90bを含んで構成されていてもよい。すなわち、給電ユニット50の取付ユニット90は、バッテリパック100と、バッテリパック100bとの双方を着脱可能に構成されていてもよい。
【0078】
電気ケトル1、1a、1b、1c、1dは、充電機能を有していてもよい。例えば、電気ケトル1、1a、1b、1c、1dは、AC電源を接続するための接続部を備え、該接続部にAC電源が接続された際に、バッテリパック100、100bを充電するように構成されていてもよい。ベース部60、60c、60dに該充電のための充電回路を備える構成や、AC電源用のコードの途中に、充電回路を有するユニットが設けられた構成が採用されてもよい。
【0079】
以下では、図21から図28を参照して、ケトル本体10に適用可能な種々の連結構造について説明する。図21から図25図28は、適用可能な連結構造の例について、第1実施形態で用いた図9の破線で囲んだ部分Pに概ね対応する部分を拡大して示している。
【0080】
<第1の連結構造>
図21、22に示すケトル本体10eの蓋部21eは、本体ユニット20(例えば、図9参照)の開口を塞ぐための蓋本体部24と、蓋本体部24の側面から突出した突出部25eとを備える。突出部25eは、蓋部21eをケトル把持部23eに連結するための部位である。突出部25eは、蓋本体部24に接続された接続部251eと、接続部251eから突出する一対の係止片252eとを備える。係止片252eは、接続部251eから突出部25eの先端部に向けて傾斜する傾斜面253eと、当該先端部に設けられた略円柱状の円柱突起254eとを備える。一対の円柱突起254eは、互いに対向するように、夫々の係止片252eから突出している。一対の円柱突起254eは、蓋部21eが開閉する際の軸として機能する。
【0081】
ケトル把持部23eの上端部には、一対の係止片252eを係止するための受け部231eが設けられている。受け部231eは、ケトル把持部23eのうち、蓋本体部24(より正確には注ぎ口22、例えば図9参照)を向いて開口した部位である。図21に示すように、受け部231eは、主に、上面232eと下面233eとで規定される。上面232eのうち、ケトル把持部23eの上下方向に延びる部位(主把持部26)に接続する部位235eは、円柱突起254eに沿うように、断面視において略円弧状に形成されている。さらに、上面232eは、当該円弧状の部位235eから上方に向けて傾斜した傾斜面236eを備える。傾斜面236eは、係止片252eの傾斜面253eに沿うように傾斜している。下面233eのうち、上面232eの部位235eに対向する部位237eもまた、断面視において略円弧状に形成されている。下面233eは、さらに、部位237eの上端から下方に傾斜する傾斜面238eを備える。下面233eには、円弧状の部位237eと傾斜面238eとにより、上方に突出する凸部239eが構成される。凸部239eは、合成樹脂で形成されており、弾性変形可能である。
【0082】
ケトル本体10eでは、係止片252eの円柱突起254eが、受け部231eの部位235e、237eに嵌合することで、蓋部21eとケトル把持部23eとの連結が実現される。この連結状態において、使用者が、蓋部21eを注ぎ口22の方向であって、かつ、上方へ引っ張ると、まず、円柱突起254eが凸部239eに当接する。凸部239eは弾性変形し、円柱突起254eは凸部239eを乗り越えて部位235e、237eの位置から傾斜面236e、238eの位置へ移動する。使用者は、係止片252eの傾斜面253eを、受け部231eの傾斜面236eに沿わせて上方へ移動させることで、蓋部21eをケトル把持部23eから取り外すことができる。そのため、例えば、使用者は、蓋部21eをケトル把持部23eから取り外して洗うことができる。
【0083】
<第2の連結構造>
図23から図25を参照して、第2の連結構造について説明する。ケトル本体10fでは、蓋本体部24とケトル把持部23fとが、連結部材25fによって連結されている。ケトル把持部23fの上端には、上面232fと下面233fと一対の側面234fとで規定され、連結部材25fの一部を収容可能に構成された収容部231fが設けられている。なお、図23から図25の断面図では、一対の側面234fのうち、一方の側面のみが示されている。収容部231fは、注ぎ口22を向いて開口している。一対の側面234fには、棒状部材235fが連結されている。下面233fは、断面視において、棒状部材235fを円の中心とした略円弧状に形成されている。棒状部材235fは、蓋部21fが開閉する際の軸として機能する。
【0084】
連結部材25fは、蓋本体部24に接続される第1端部251fと、第1端部251fとは反対の端部であって棒状部材235fに係止される第2端部252fとを備える。第2端部252fには、連結部材25fを棒状部材235fに係止させるための凹部が形成されている。図23に示すように、蓋部21fが閉じられた状態において、凹部は下方に窪んでいる。連結部材25fは、さらに、部位253fと、部位254fと、部位255fとを備える。部位253fは、第2端部252fに接続され、凹部を中心として略径方向に延びる部位である。部位254fは、部位253fに接続され、下面233fに沿うように略円弧状に形成された部位である。部位255fは、部位254fと第1端部251fとを接続する部位であり、開口を介して収容部231fから突出している。部位254fのうち、部位253fと接続する部分には、径方向外側へ突出する凸部257fが設けられている。凸部257fは、断面視において2つ設けられている。凸部257fは、使用者が所定の力で蓋部21fを開くことにより、収容部231fから外部へと引き出されるように構成されている。凸部257fは、連結部材25fが収容部231fの開口から外部へと引き出される際の抵抗部材として機能する。
【0085】
使用者が蓋部21fを開くと、連結部材25fは棒状部材235fを中心に回動し、凸部257fは下面233fに当接しつつ下面233fに沿って上方へ移動する。使用者が所定の力で蓋部21fをさらに開くと、部位254f及び凸部257fが収容部231fから外部へと移動し、図25に示すように、連結部材25fの凹部と棒状部材235fとの係合(連結)が解除される。その結果、使用者は、連結部材25fの部位253fを、収容部231fから外部へと引き出すことができる。このようにして、使用者は、蓋部21fをケトル把持部23fから取り外すことができる。
【0086】
<第3の連結構造>
図26から図28を参照して、第3の連結構造について説明する。ケトル本体10gでは、蓋本体部24gと連結部材25gとが取り外し可能に構成されている点において、ケトル本体10fと異なる。図26に示すように、連結部材25gの第1端部251g(第1端部251gに接続される部位255g)は、蓋本体部24gに設けられた一対の係止部241gに嵌め込まれている。部位255gは、弾性変形可能に構成されており、本形態では板ばねが採用されている。使用者が蓋部21gを開いて上方へ移動させると、連結部材25gの凸部257fは、下面233fに当接しつつ下面233fに沿って上方へ移動する。上述したように、凸部257fは、使用者が所定の力で蓋部21gを上方へ移動させると、収容部231fから外部へと引き出されるように構成されている。そして、連結部材25gの部位255gは、凸部257fを収容部231fから外部へと移動させるために、使用者によって加えられる所定の力により、蓋部21gの係止部241gから外れるように構成されている。このような構成により、第3の連結構造では、棒状部材235fには、上記所定の力以上の力が加わらない。そのため、第3の連結構造では、第2の連結構造に比べて、棒状部材235fに加わる力を低減することができる。なお、連結部材25gは、第2の連結構造で説明した連結部材25fと同様に、開口を介して収容部231fから外部へと引き出すことができる。
【0087】
上記実施形態の各構成要素と本開示の技術の各構成要素の対応関係を以下に示す。
【0088】
電気ケトル1、1a、1b、1c、1dは、「電気ケトル」の一例である。ケトル本体10、10e、10f、10gは、「ケトル本体」の一例である。壁部80及びベース部60cは、「板部」の一例である。壁部80の前面81、ベース部60cの上面61cは、「板部の一方の面」の一例である。壁部80の後面82、ベース部60cの下面63cは、「板部の他方の面」の一例である。給電台部70、70c、70dは、「給電台部」の一例である。給電ユニット把持部85、85dは、「把持部」の一例である。窪み部83は、「窪み部」の一例である。給電接続部72、受電接続部42は、夫々、「給電接続部」、「受電接続部」の一例である。ヒータ49は、「加熱部」の一例である。バッテリパック100、100bは、「バッテリパック」の一例である。取付ユニット90、90b、90c、90dは、「取付ユニット」の一例である。スライドレール92は、「レール部」の一例である。リブ部75は、「リブ部」の一例である。貫通孔77は、「貫通孔」の一例である。傾斜面74は、「傾斜面」の一例である。側壁部30の外周面31は、「ケトル本体の側周面」の一例である。制御部66aは、「制御部」の一例である。表示部86aは、「表示部」の一例である。
【0089】
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行なうことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。例えば、本開示は、ケトル本体が載置される給電ユニットとしても実現可能である。
【符号の説明】
【0090】
1、1a、1b、1c、1d...電気ケトル
10、10e、10f、10g...ケトル本体
20...本体ユニット
21、21e、21f、21g...蓋部
22...注ぎ口
23、23e、23f...ケトル把持部
25e...突出部
25f、25g...連結部材
26...主把持部
30...側壁部
31...外周面
40...底部
41...下面
42...受電接続部
42s...側面
44...板状部材
44s...面
45...受電接続端子
46...傾斜面
48...液体収容部
49...ヒータ
50、50a、50b、50c、50d...給電ユニット
60、60c、60d、...ベース部
61c、61d...上面
62、62d...側壁
63、63c、63d...下面
65、65a...制御装置
66、66a...制御部
67...温度設定部
70、70c、70d...給電台部
71...上面
72...給電接続部
72s...側面
72u...上面
73...給電接続端子
74...傾斜面
75...リブ部
77...貫通孔
79...切欠き部
79c...面
79g...傾斜面
79s...面
80...壁部
81...前面
82...後面
83...窪み部
85、85d...給電ユニット把持部
86...表示部
90、90b、90c、90d...取付ユニット
91、91c、91d...取付部
92...スライドレール
93...正極入力端子
94...負極入力端子
95...ロック受入穴
100、100b...バッテリパック
101...レール受け部
102...正極出力端子
103...負極出力端子
104...コネクタ部
105...ロック部材
106...アンロックボタン
110b...バッテリ本体部
120b...電気コード
125b...接続端部
231e...受け部
231f...収容部
232e、232f...上面
233e、233f...下面
234f...側面
235e...部位
235f...棒状部材
236e、238e...傾斜面
237e...部位
239e...凸部
241g...係止部
251e...接続部
251f、251g...第1端部
252e...係止片
252f...第2端部
253e...傾斜面
253f...部位
254e...円柱突起
254f...部位
255f...部位
255g...部位
257f...凸部
S1...電源スイッチ
Tc...温度センサ
図1
図2
図3
図4
図5
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