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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】作業機
(51)【国際特許分類】
   A01D 34/90 20060101AFI20240502BHJP
   A01D 34/13 20060101ALI20240502BHJP
【FI】
A01D34/90 N
A01D34/13 C
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020195867
(22)【出願日】2020-11-26
(65)【公開番号】P2022084181
(43)【公開日】2022-06-07
【審査請求日】2023-08-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 英明
(72)【発明者】
【氏名】右田 利和
【審査官】星野 浩一
(56)【参考文献】
【文献】実開昭56-012106(JP,U)
【文献】特開2014-233215(JP,A)
【文献】特開2013-005729(JP,A)
【文献】特開2007-225054(JP,A)
【文献】実開平02-123825(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2010/0313429(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 34/90
A01D 34/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に伸縮可能なパイプと、
前記パイプの前端部に取り付けられており、作業部を有する前端ユニットと、
前記パイプの後端部に取り付けられている後端ユニットと、
前記作業部を動作させるための原動機と、を備えており、
前記パイプは、
外パイプと、
前記外パイプに挿入されている内パイプと、
前記外パイプに固定されているパイプホルダと、
前記外パイプの内部に配置されているストッパと、を備えており、
前記パイプホルダは、前記外パイプの内周面よりも半径方向の内側に向かって延びている壁部を備えており、
前記内パイプは、前記内パイプの外周面の周方向に長手方向を有する固定孔を有しており、
前記固定孔の後面は、前記前後方向に対して直交する平面に沿う形状を有しており、
前記ストッパは、
前記壁部よりも後側に配置されており、前記内パイプが前記外パイプに対して最大長まで伸長した場合に、前記壁部に後側から当接する当接部と、
前記内パイプの前記外周面の外側から半径方向の内側に向かって延びており、前記内パイプの前記固定孔に嵌合する突起部と、を備えており、
前記突起部の後面は、前記固定孔の前記後面に対して平行な平面に沿う形状を有している、作業機。
【請求項2】
前記突起部の前記内パイプの内周面における前記周方向の長さは、前記内パイプの前記内周面の全周の長さに対して、20%以上、かつ、50%以下である、請求項1に記載の作業機。
【請求項3】
前記固定孔は、前記内パイプを前記外周面から内周面まで貫通しており、
前記突起部は、前記固定孔に嵌合している状態では、前記内パイプの前記内周面よりも半径方向の内側まで延びている、請求項1または2に記載の作業機。
【請求項4】
前記ストッパは、少なくとも2つの前記突起部を備えており、
前記少なくとも2つの前記突起部のうちの2つが、前記前後方向に対して直交する平面で見たときに、前記内パイプの中心軸に対して点対称な位置に配置されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の作業機。
【請求項5】
前記ストッパは、前記内パイプの後端面を覆っている、請求項1から4のいずれか一項に記載の作業機。
【請求項6】
前記突起部の半径方向の長さは、前記突起部の前記前後方向の長さの25%以上、かつ、45%以下である、請求項1から5のいずれか一項に記載の作業機。
【請求項7】
前記原動機は、モータである、請求項1から6のいずれか一項に記載の作業機。
【請求項8】
前記後端ユニットに着脱可能なバッテリパックをさらに備えており、
前記モータは、前記バッテリパックからの電力により駆動する、請求項7に記載の作業機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、作業機が開示されている。作業機は、前後方向に伸縮可能なパイプとと、パイプの前端部に取り付けられており、作業部を有する前端ユニットと、パイプの後端部に取り付けられた後端ユニットと、作業部を動作させるための原動機と、を備えている。パイプは、外パイプと、外パイプに挿入されている内パイプと、外パイプに固定されているパイプホルダと、外パイプの内部に配置されているストッパと、を備えている。パイプホルダは、外パイプの内周面よりも半径方向の内側に向かって延びている壁部を備えている。内パイプは、内パイプの外周面から内周面に貫通する固定孔を有している。ストッパは、壁部よりも後側に配置されており、パイプが最大長まで伸長した場合に、壁部に後側から当接する当接部と、ストッパを厚み方向に貫通する貫通孔と、を備えている。内パイプの固定孔とストッパの貫通孔にリベットが挿入されることにより、ストッパは、内パイプに固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-5729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構成では、パイプを最大長まで伸長させてストッパの当接部がパイプホルダの壁部に当接した場合、リベットは、内パイプに対して後側に相対移動しようとして、内パイプに押し付けられる。上記の構成では、リベットは円柱形状を有しているため、リベットに加わる力は、リベットのある一点に集中する。パイプの伸縮に伴い、ストッパの当接部がパイプホルダの壁部に繰り返し当接すると、リベットが破損し、ストッパを内パイプに固定することができなくなるおそれがある。本明細書では、パイプの伸縮が繰り返されても、ストッパを内パイプに固定することができる技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書は、作業機を開示する。作業機は、前後方向に伸縮可能なパイプと、パイプの前端部に取り付けられており、作業部を有する前端ユニットと、パイプの後端部に取り付けられている後端ユニットと、作業部を動作させるための原動機と、を備えている。パイプは、外パイプと、外パイプに挿入されている内パイプと、外パイプに固定されているパイプホルダと、外パイプの内部に配置されているストッパと、を備えている。パイプホルダは、外パイプの内周面よりも半径方向の内側に向かって延びている壁部を備えている。内パイプは、内パイプの外周面の周方向に長手方向を有する固定孔を有している。固定孔の後面は、前後方向に対して直交する平面に沿う形状を有している。ストッパは、壁部よりも後側に配置されており、内パイプが外パイプに対して最大長まで伸長した場合に、壁部に後側から当接する当接部と、内パイプの外周面の外側から半径方向の内側に向かって延びており、内パイプの固定孔に嵌合する突起部と、を備えている。突起部の後面は、固定孔の後面に対して平行な平面に沿う形状を有している。
【0006】
上記の構成では、内パイプを外パイプに対して最大長まで伸長させてストッパの当接部がパイプホルダの壁部に当接した場合、突起部は内パイプに対して後側に相対移動しようとして、突起部の後面が固定孔の後面に向かって押し付けられる。突起部の後面は、固定孔の後面に対して平行な平面に沿う形状を有しているため、突起部の後面は、内パイプと面で当接する。これにより、突起部に加わる力は、突起部の後面のある一点に集中することなく、突起部の後面の全体に分散される。これにより、パイプの伸縮に伴い、当接部が壁部に繰り返し当接しても、突起部が破損することを抑制することができ、ストッパを内パイプに固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施例の作業機2の斜視図である。
図2】実施例の作業機2について、前端左側ハウジング14を外した状態で前端ユニット6近傍を左側から見た左側面図である。
図3】実施例の作業機2の後端ユニット8近傍を左側から見た側面図である。
図4】実施例の作業機2について、前後方向に直交する平面に沿って切断したときのパイプホルダ48の近傍の断面図である。
図5】実施例の作業機2のパイプホルダ48の近傍の斜視図である。
図6】実施例の作業機2について、上下方向に直交する平面に沿って切断したときのパイプホルダ48の近傍の断面図である。
図7】実施例の作業機2のストッパ52の斜視図である。
図8】実施例の作業機2の第2パイプ44の後端部近傍の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の代表的かつ非限定的な具体例について、図面を参照して以下に詳細に説明する。この詳細な説明は、本発明の好ましい例を実施するための詳細を当業者に示すことを単純に意図しており、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、開示された追加的な特徴ならびに発明は、さらに改善された作業機を提供するために、他の特徴や発明とは別に、又は共に用いることができる。
【0009】
また、以下の詳細な説明で開示される特徴や工程の組み合わせは、最も広い意味において本発明を実施する際に必須のものではなく、特に本発明の代表的な具体例を説明するためにのみ記載されるものである。さらに、以下の代表的な具体例の様々な特徴、ならびに、特許請求の範囲に記載されるものの様々な特徴は、本発明の追加的かつ有用な実施形態を提供するにあたって、ここに記載される具体例のとおりに、あるいは列挙された順番のとおりに組合せなければならないものではない。
【0010】
本明細書及び/又は特許請求の範囲に記載された全ての特徴は、実施例及び/又は特許請求の範囲に記載された特徴の構成とは別に、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、個別に、かつ互いに独立して開示されることを意図するものである。さらに、全ての数値範囲及びグループ又は集団に関する記載は、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、それらの中間の構成を開示する意図を持ってなされている。
【0011】
1つまたはそれ以上の実施形態において、突起部の内パイプの内周面における周方向の長さは、内パイプの内周面の全周の長さに対して、20%以上、かつ、50%以下であってもよい。
【0012】
仮に、突起部の周方向の長さが内パイプの内周面の全周の長さの20%未満である場合、突起部の強度が不足し、当接部が壁部に繰り返し当接した場合に、突起部が破損し、ストッパを内パイプに固定できなくなるおそれがある。また、突起部の周方向の長さが内パイプの内周面の全周の長さの50%よりも大きい場合、固定孔を突起部の長さに対応した長さに設計する必要があり、内パイプの強度が不足するおそれがある。上記の構成では、突起部が破損してストッパを内パイプに固定することができなくなることを抑制することができ、かつ、内パイプの強度が不足することを抑制することができる。
【0013】
1つまたはそれ以上の実施形態において、固定孔は、内パイプを外周面から内周面まで貫通していてもよい。突起部は、固定孔に嵌合している状態では、内パイプの内周面よりも半径方向の内側まで延びていてもよい。
【0014】
上記の構成では、突起部が内パイプの内周面よりも半径方向の内側まで延びていない場合と比較して、突起部が内パイプと接触する面積を大きくすることができる。これにより、突起部に加わる力をさらに分散させることができる。当接部が壁部に繰り返し当接しても、突起部が破損することを抑制することができ、ストッパを内パイプに固定することができる。
【0015】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ストッパは、少なくとも2つの突起部を備えていてもよい。少なくとも2つの突起部のうちの2つが、前後方向に対して直交する平面で見たときに、内パイプの中心軸に対して点対称な位置に配置されていてもよい。
【0016】
上記の構成では、内パイプを外パイプに対して最大長まで伸長させて当接部が壁部に当接した場合、2つの突起部の一方に過度な力が加わることなく、2つの突起部に均一に力が加わる。これにより、当接部が壁部に繰り返し当接しても、突起部が破損することを抑制することができ、ストッパを内パイプに固定することができる。
【0017】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ストッパは、内パイプの後端面を覆っていてもよい。
【0018】
一般的に、パイプの内部には、電気ケーブル等の他部材が配置されることがある。上記の構成では、ストッパが内パイプの後端面を覆うことにより、電気ケーブル等の他部材が内パイプの後端面に接触して傷つくことを抑制することができる。
【0019】
1つまたはそれ以上の実施形態において、突起部の半径方向の長さは、突起部の前後方向の長さの25%以上、かつ、45%以下であってもよい。
【0020】
上記の構成では、突起部の強度を確保しつつ、突起部の大型化に伴いストッパが大型化することを抑制することができる。
【0021】
1つまたはそれ以上の実施形態において、原動機は、モータであってもよい。
【0022】
原動機がエンジンである場合、エンジンの振動により、パイプが振動する。内パイプが外パイプに対して最大長まで伸長して当接部が壁部に当接している状態でパイプが振動すると、突起部に大きな力が加わり続けることとなり、突起部が破損するおそれがある。上記の構成では、原動機がエンジンである場合と比較して、パイプの振動が抑制される。当接部が壁部に当接している状態でパイプが振動しても、突起部に大きな力が加わり続けることを抑制することができる。これにより、突起部が破損することを抑制することができ、ストッパと内パイプに固定することができる。
【0023】
1つまたはそれ以上の実施形態において、作業機は、後端ユニットに着脱可能なバッテリパックをさらに備えていてもよい。モータは、バッテリパックからの電力により駆動してもよい。
【0024】
作業機が外部電源から電源コードを介してモータに電力を供給する構成である場合、電源コードが作業の邪魔になることがある。上記の構成では、作業機を使用する際の作業性を向上させることができる。
【0025】
(実施例)
図1から図8を参照して、実施例の作業機2を説明する。作業機2は、園芸用の電動作業機である。図1に示すように、本実施例では、作業機2は、ポールヘッジトリマである。作業機2は、高枝の剪定などに使用される。なお、以下の説明では、作業機2の長手方向を前後方向と呼び、前後方向に直交する方向を上下方向と呼び、前後方向および上下方向に直交する方向を左右方向と呼ぶ。
【0026】
作業機2は、パイプ4と、前端ユニット6と、後端ユニット8と、を備えている。パイプ4は、前後方向に伸縮可能である。
【0027】
前端ユニット6は、前端ハウジング10と、作業部12と、を備えている。前端ハウジング10は、パイプ4の前端部に取り付けられている。前端ハウジング10は、前端ハウジング10の左半面の外形形状を規定する前端左側ハウジング14と、前端ハウジング10の右半面の外形形状を規定する前端右側ハウジング16と、を備えている。図2に示すように、前端ハウジング10の内部には、モータ18と動力変換機構20とが配置されている。モータ18は、例えば、ブラシレスモータである。モータ18は、電気ケーブル22を介して供給されるバッテリパックB(図1参照)からの電力により回転する。動力変換機構20は、モータ18の下端部に接続している。動力変換機構20は、モータ18の回転運動を作業部12の前後方向の運動に変換する。ヘッジトリマについての動力変換機構20の構成はよく知られているため、詳細な説明を省略する。
【0028】
作業部12は、一対の切断刃26を備えている。一対の切断刃26は、前後方向に延びている。一対の切断刃26は、上下方向に重なり合っている。一対の切断刃26は、動力変換機構20に接続している。一対の切断刃26は、モータ18が回転すると、動力変換機構20により変換された力を受けて、逆位相で前後方向に往復運動する。具体的には、一方の切断刃26が前側に移動すると、他方の切断刃26が後側に移動し、一方の切断刃26が後側に移動すると、他方の切断刃26が前側に移動する。一対の切断刃26は、前後方向に沿って並んでいる複数の刃先28(図1参照)を有している。
【0029】
図3に示すように、後端ユニット8は、後端ハウジング32と、トリガスイッチ34と、を備えている。後端ハウジング32は、パイプ4の後端部に取り付けられている。後端ハウジング32の後面には、バッテリパックBが着脱可能に取り付けられている。トリガスイッチ34は、後端ハウジング32の下面に配置されている。トリガスイッチ34は、作業者により操作される。
【0030】
図1に示すように、パイプ4にはハンドル36が取り付けられている。作業者は、作業機2を使用するときに、一方の手で後端ハウジング32を把持し、他方の手でハンドル36を把持して、作業機2を保持する。この状態から、作業者がトリガスイッチ34を押し上げることにより、モータ18が回転し、一対の切断刃26が往復運動する。作業者は、一対の切断刃26が往復運動している状態で、例えば、高枝に刃先28を近づけることにより、高枝を剪定することができる。
【0031】
パイプ4は、第1パイプ42と、第2パイプ44と、第3パイプ46と、2つのパイプホルダ48、50と、を備えている。第1パイプ42と第2パイプ44と第3パイプ46は、前後方向に延びる細長い円管状の部材である。第1パイプ42と第2パイプ44と第3パイプ46の内部を、電気ケーブル22(図2参照)が通過している。第1パイプ42の後端部は、後端ハウジング32に前側から挿入されている。図4に示すように、第1パイプ42は、下部に第1レール部58を有する。第1レール部58は、第1パイプ42の半径方向の内側に向かって凹んでいる。第1レール部58は、前後方向に延びている。
【0032】
図1に示すように、第2パイプ44は、第1パイプ42の内部に挿入されている。第2パイプ44が第1パイプ42に対して前後方向に移動することにより、パイプ4が伸縮する。図4に示すように、第2パイプ44の外周面の直径は、第1パイプ42の内周面の直径よりも小さい。第2パイプ44は、下部に第2レール部60を有する。第2レール部60は、第2パイプ44の半径方向の内側に向かって凹んでいる。第2レール部60は、前後方向に延びている。第2パイプ44が第1パイプ42に挿入された状態で、第2レール部60は、第1レール部58を受け入れる。これにより、第2パイプ44が第1パイプ42に対して相対的に回転することを抑制することができる。
【0033】
図1に示すように、第3パイプ46は、第2パイプ44の内部に挿入されている。第3パイプ46の前端部は、前端ハウジング10に挿入されている。第3パイプ46が第2パイプ44に対して前後方向に移動することにより、パイプ4が伸縮する。第3パイプ46の外周面の直径は、第2パイプ44の内周面の直径よりも小さい。第3パイプ46は、第3パイプ46の半径方向内側に向かって凹んでおり、第3パイプ46が第2パイプ44に挿入された状態で第2レール部60を受け入れる第3レール部(図示省略)を有する。これにより、第3パイプ46が第2パイプ44に対して相対的に回転することを抑制することができる。
【0034】
パイプホルダ48は、第1パイプ42の前端部に取り付けられ、パイプホルダ50は、第2パイプ44の前端部に取り付けられる。パイプホルダ48の取付位置は、パイプホルダ50の取付位置と異なっているが、パイプホルダ48、50は、同様の基本構成を有するため、以下では、パイプホルダ48の基本構成を説明する。図5に示すように、パイプホルダ48は、第1管部64と、第2管部66と、遷移部68と、壁部70(図6参照)と、固定部72と、を備えている。第1管部64と第2管部66は、円筒形状を有する。図6に示すように、第1管部64の内周面の直径は、第2パイプ44の外周面の直径よりも大きく、第1パイプ42の外周面の直径よりも小さい。このため、第1管部64には、第2パイプ44のみが挿入される。図5に示すように、第1管部64には、レバー76が取り付けられている。レバー76が倒れた状態では、第2パイプ44が第1パイプ42に対して前後方向に移動することができないため、パイプ4は伸縮することができない。一方、レバー76が立ち上がった状態では、第2パイプ44が第1パイプ42に対して前後方向に移動することができるため、パイプ4は伸縮することができる。
【0035】
図6に示すように、第2管部66の内周面の直径は、第1パイプ42と第2パイプ44のそれぞれの外周面の直径よりも大きい。このため、第2管部66には、第1パイプ42と第2パイプ44の両方が挿入される。図4に示すように、第2管部66の内周面には、位置決め部78、80が形成されている。位置決め部78は、第2管部66の内周面の上部から第2管部66の半径方向の内側(本実施例では下側)に向かって延びている。位置決め部80は、第2管部66の内周面の下部から第2管部66の半径方向の内側(本実施例では上側)に向かって延びている。パイプホルダ48が第1パイプ42に取り付けられている状態では、位置決め部78は、第1パイプ42に形成されている開口82に嵌合し、位置決め部80は、第1レール部58に受け入れられている。これにより、第1パイプ42に対するパイプホルダ48の位置を容易に決定することができる。
【0036】
図6に示すように、遷移部68は、第1管部64と第2管部66とを接続している。遷移部68の内周面の直径は、第1管部64から第2管部66に向かうにつれて徐々に大きくなる。なお、図6では、遷移部68の内周面が一点鎖線により図示されている。壁部70は、第1管部64の内周面に相当する位置まで、遷移部68の内周面から遷移部68の半径方向の内側に向かって延びている。壁部70は、遷移部68の内周面の周方向に関して、断続的に延びている。即ち、壁部70は、遷移部68の内周面の周方向に関して、部分的に途切れている。壁部70は、第1パイプ42の内周面よりも第1パイプ42の半径方向の内側に向かって延びている。このため、第1パイプ42の前端面は、壁部70の後端面に後側から当接している。
【0037】
図5に示すように、固定部72は、第2管部66の後側下部に配置されている。固定部72は、左側固定部72aと、右側固定部72bと、を備えている。左側固定部72aと右側固定部72bとは、左右方向に離れている。左側固定部72aと右側固定部72bとが近づく方向にねじ74が締め付けられることにより、パイプホルダ48が第1パイプ42に固定される。
【0038】
図6に示すように、パイプ4は、ストッパ52をさらに備えている。ストッパ52は、第2パイプ44に固定されている。また、ストッパ52と同様の基本構成を有する他のストッパ(図示省略)が、第3パイプ46に固定されている。以下では、ストッパ52の基本構成を説明する。ストッパ52は、第1パイプ42の内部に配置されている。図7に示すように、ストッパ52は、基部86と、被覆部88と、複数(本実施例では2つ)の突起部90、92と、を備えている。図6に示すように、基部86は、第1パイプ42の内周面と第2パイプ44の外周面との間に配置されている。図7に示すように、基部86は、周方向に途切れた領域を有する略円筒形状を有する。基部86は、当接部94と、接続部96と、支持部98と、を備えている。図7では、当接部94と接続部96との境界、および接続部96と支持部98との境界が破線により図示されている。
【0039】
当接部94の断面は、略C字形状を有する。図6に示すように、当接部94の前面は、第2パイプ44が第1パイプ42に対して最大長まで伸長した場合、パイプホルダ48の壁部70の後端面に後側から当接する。これにより、第2パイプ44が第1パイプ42から抜けてしまうことを抑制することができる。
【0040】
図7に示すように、当接部94の前端部の上側には、後側に向かって凹む凹部94aが形成されている。図4に示すように、第2パイプ44が第1パイプ42に対して最大長まで伸長した場合、パイプホルダ48の位置決め部78が凹部94aに入り込む。これにより、当接部94がパイプホルダ48と干渉することを抑制することができる。
【0041】
図7に示すように、接続部96は、当接部94と支持部98とを接続する。接続部96の外周面の直径は、当接部94の外周面の直径と等しい。接続部96の外周面の周方向の長さは、当接部94の外周面の周方向の長さよりも短い。支持部98の断面は、略C字形状を有する。支持部98は、被覆部88を支持する。
【0042】
被覆部88は、支持部98の後面に配置されている。被覆部88は、略円環形状を有する。被覆部88の外周面の直径は、基部86の外周面の直径と等しい。図6に示すように、被覆部88の内周面の直径は、第2パイプ44の内周面の直径よりも小さい。即ち、被覆部88は、第2パイプ44の内周面よりも第2パイプ44の半径方向の内側まで延びている。ストッパ52が第2パイプ44に固定されている状態では、被覆部88は、第2パイプ44の後端面に後側から当接することにより、第2パイプ44の後端面を覆っている。これにより、電気ケーブル22が第2パイプ44の後端面に接触して傷つくことを抑制することができる。
【0043】
また、図7に示すように、被覆部88は、下部に第4レール部100を有する。第4レール部100は、第1レール部58を受け入れる。これにより、被覆部88が第1レール部58に干渉して、第1パイプ42に対する第2パイプ44の前後方向の移動が妨げられることを抑制することができる。
【0044】
図4に示すように、ストッパ52が第2パイプ44に固定されている状態では、突起部90、92のそれぞれは、第2パイプ44に形成されている固定孔104、106のそれぞれに嵌合している。以下では、突起部90、92の構成を説明する前に、固定孔104、106の構成を先に説明する。図8に示すように、固定孔104は、第2パイプ44の外周面の周方向に長手方向を有する長孔である。固定孔104は、第2パイプ44の後端部近傍に配置されている。固定孔104は、第2パイプ44を外周面から内周面まで貫通している。図8では図示省略されているが、固定孔106は、固定孔104と同様の構成を有する。即ち、固定孔106(図4参照)は、第2パイプ44の外周面の周方向に長手方向を有する長孔である。
【0045】
図4に示すように、固定孔104は、第2パイプ44の右側に配置されており、固定孔106は、第2パイプ44の左側に配置されている。第2パイプ44の内周面の周方向に関して、固定孔104の長さ方向の中間位置CP1は、固定孔106の長さ方向の中間位置CP2と180度の間隔を有して配置されている。即ち、固定孔104の中間位置CP1と固定孔106の中間位置CP2は、第2パイプ44の前後方向に延びる中心軸AXに対して点対称な位置に配置されている。なお、図4では、第2パイプ44の内周面が一点鎖線で図示されている。第2パイプ44の内周面の周方向に関して、固定孔104の長さL1は、固定孔106の長さL2よりも短い。長さL1と長さL2の合計の長さは、第2パイプ44の内周面の全周の長さの20%以上であり、かつ、50%以下の範囲に設計されている。なお、図4では、図面の見やすさを考慮して、長さL1、L2を示す線が中心軸AX側に僅かにずれた位置に図示されている。
【0046】
図6に示すように、固定孔104の前面104aは、前後方向に直交する平面P1に沿う形状を有している。固定孔104の後面104bは、前後方向に直交する平面P2に沿う形状を有している。固定孔104の前面104aは、固定孔104の後面104bに対して平行である。また、固定孔106の前面106aは、平面P1に沿う形状を有しており、固定孔106の後面106bは、平面P2に沿う形状を有している。固定孔106の前面106aは、固定孔106の後面106bに対して平行である。前後方向に関して、固定孔104の前面104aから後面104bまでの長さは、固定孔106の前面106aから後面106bまでの長さと等しい。
【0047】
次に、突起部90、92について説明する。突起部90、92は、当接部94の前端部に配置されている。図4に示すように、突起部90、92は、当接部94の内周面から当接部94の半径方向の内側に向かって延びている。なお、図4では、当接部94の内周面が破線で図示されている。ストッパ52が第2パイプ44に固定されている状態では、突起部90、92は、第2パイプ44の内周面よりも第2パイプ44の半径方向の内側まで延びている。即ち、半径方向に関して、突起部90の長さL5と突起部92の長さL6は、第2パイプ44の厚みT1よりも厚い。なお、本実施例では、突起部90の長さL5は、突起部92の長さL6と等しい。
【0048】
突起部90、92は、当接部94の内周面の周方向に長手方向を有する細長い突起である。当接部94の内周面の周方向に関して、突起部90の長さ方向の中間位置CP3は、突起部92の長さ方向の中間位置CP4と180度の間隔を有して配置されている。即ち、突起部90の中間位置CP3と突起部92の中間位置CP4は、当接部94の中心軸AXに対して点対称な位置に配置されている。なお、当接部94の中心軸AXは、第2パイプ44の中心軸AXと一致する。第2パイプ44の内周面の周方向に関して、突起部90の長さL3は、突起部92の長さL4よりも短い。突起部90の長さL3は、固定孔104の長さL1よりもわずかに短い。また、突起部92の長さL4は、固定孔106の長さL2よりもわずかに短く、固定孔104の長さL1よりも長い。これにより、突起部90を固定孔106に嵌合をさせた場合でも、突起部92を固定孔104に嵌合させることができず、ストッパ52が誤った姿勢で第2パイプ44に固定されることを抑制することができる。
【0049】
突起部90の長さL3と突起部92の長さL4の合計の長さは、第2パイプ44の内周面の全周の長さの20%以上であり、かつ、50%以下の範囲に設計され、本実施例では、30%である。長さL3と長さL4の合計の長さが、第2パイプ44の内周面の全周の長さの20%未満であると、突起部90、92の強度が不足し、ストッパ52の当接部94がパイプホルダ48の壁部70に繰り返し当接すると、突起部90、92が破損するおそれがある。また、長さL3と長さL4の合計の長さが、第2パイプ44の内周面の全周の長さの50%を超えると、それに伴い固定孔104、106の長さL1、L2の合計の長さを長く設計する必要があり、第2パイプ44の強度が不足するおそれがある。長さL3と長さL4の合計の長さが、第2パイプ44の内周面の全周の長さの25%以上であり、かつ、40%以下の範囲に設計されると、突起部90、92と第2パイプ44の両方の強度をさらに高めることができる。なお、図4では、図面の見やすさを考慮して、長さL3、L4を示す線が中心軸AX側に僅かにずれた位置に図示されている。
【0050】
図6に示すように、突起部90の前面90aは、前後方向に直交する平面P3に沿った形状を有している。平面P3は、平面P1と平行であり、平面P1よりもわずかに後側に位置している。このため、突起部90の前面90aは、固定孔104の前面104aと平行に面している。突起部90の後面90bは、前後方向に直交する平面P4に沿った形状を有している。平面P4は、平面P2と平行であり、平面P2よりもわずかに前側に位置している。このため、突起部90の後面90bは、固定孔104の後面104bと平行に面している。また、突起部90の後面90bは、突起部90の前面90aとも平行である。前後方向に関して、突起部90の前面90aから後面90bまでの長さL7は、固定孔104の前面104aから後面104bまでの長さよりもわずかに短い。突起部90の長さL5(図4参照)は、長さL7の25%以上、かつ45%以下の範囲に設計され、本実施例では、35%である。長さL5が長さL7の25%未満であり、または、長さL7の45%超えると、突起部90の強度を確保しつつ、突起部90の大型化に伴いストッパ52が大型化することを抑制することができない。長さL5が長さL7の30%以上、かつ40%以下の範囲に設計されると、突起部90を高強度にしつつ、ストッパ52が大型化することをさらに抑制することができる。
【0051】
突起部92の前面92aは、平面P3に沿った形状を有している。突起部92の前面92aは、固定孔106の前面106aと平行に面している。また、突起部92の後面92bは、平面P4に沿った形状を有している。突起部92の後面92bは、固定孔106の後面106bと平行に面している。前後方向に関して、突起部92の前面92aから後面92bまでの長さL8は、固定孔106の前面106aから後面106bまでの長さよりもわずかに短い。突起部92の長さL8は、突起部90の長さL7と等しく、また、図4に示す突起部92の長さL6は、突起部90の長さL5と等しいため、長さL8と長さL6との関係は、長さL7と長さL5との関係と等しい。
【0052】
次に、第2パイプ44を第1パイプ42に対して最大長まで伸長させたときに、ストッパ52に加わる力について説明する。第2パイプ44を第1パイプ42に対して最大長まで伸長させると、図6に示すように、ストッパ52の当接部94の前面がパイプホルダ48の壁部70の後端面に後側から当接する。これにより、ストッパ52は、第2パイプ44に対して後側に相対移動しようとする。突起部90の後面90bは、固定孔104の後面104bに向かって押し付けられ、突起部92の後面92bは、固定孔106の後面106bに向かって押し付けられる。突起部90の後面90bは、固定孔104の後面104bと平行であるため、突起部90の後面90bは、第2パイプ44に面で当接する。突起部90に加わる力は、突起部90の後面90bのある一点に集中することなく、突起部90の後面90bの全体に分散される。また、突起部92の後面92bは、固定孔106の後面106bに平行であるため、突起部92の後面92bも、第2パイプ44に面で当接する。突起部92に加わる力も、突起部92の後面92bのある一点に集中することなく、突起部92の後面92bの全体に分散される。これにより、突起部90、92が破損することを抑制することができ、また、突起部90、92が第2パイプ44の外周面に乗り上げてストッパ52が第2パイプ44から外れることを抑制することができる。さらに、突起部90、92の破損が抑制されることにより、ストッパ52の基部86の厚みを薄くすることができ、それに伴い、パイプ4を小径化することができる。
【0053】
(効果)
本実施例の作業機2は、前後方向に伸縮可能なパイプ4と、パイプ4の前端部に取り付けられており、作業部12を有する前端ユニット6と、パイプ4の後端部に取り付けられている後端ユニット8と、作業部12を動作させるためのモータ18と、を備えている。図6に示すように、パイプ4は、第1パイプ42と、第1パイプ42に挿入されている第2パイプ44と、第1パイプ42に固定されているパイプホルダ48と、第1パイプ42の内部に配置されているストッパ52と、を備えている。パイプホルダ48は、第1パイプ42の内周面よりも半径方向の内側に向かって延びている壁部70を備えている。第2パイプ44は、第2パイプ44の外周面の周方向に長手方向を有する固定孔104、106を有している。固定孔104、106の後面104b、106bは、前後方向に対して直交する平面P2に沿う形状を有している。ストッパ52は、壁部70よりも後側に配置されており、第2パイプ44が第1パイプ42に対して最大長まで伸長した場合に、壁部70に後側から当接する当接部94と、第2パイプ44の外周面の外側から半径方向の内側に向かって延びており、第2パイプ44の固定孔104、106に嵌合する突起部90、92と、を備えている。突起部90、92の後面90b、92bは、固定孔104、106の後面104b、106bに対して平行な平面P4に沿う形状を有している。
【0054】
上記の構成では、第2パイプ44を第1パイプ42に対して最大長まで伸長させてストッパ52の当接部94がパイプホルダ48の壁部70に当接した場合、突起部90、92は第2パイプ44に対して後側に相対移動しようとして、突起部90、92の後面90b、92bが固定孔104、106の後面104b、106bに向かって押し付けられる。突起部90、92の後面90b、92bは、固定孔104、106の後面104b、106bに対して平行な平面P3に沿う形状を有しているため、突起部90、92の後面90b、92bは、第2パイプ44と面で当接する。これにより、突起部90、92に加わる力は、突起部90、92の後面90b、92bのある一点に集中することなく、突起部90、92の後面90b、92bの全体に分散される。これにより、パイプ4の伸縮に伴い、当接部94が壁部70に繰り返し当接しても、突起部90、92が破損することを抑制することができ、ストッパ52を第2パイプ44に固定することができる。
【0055】
また、突起部90、92の第2パイプ44の内周面における周方向の長さL3+L4は、第2パイプ44の内周面の全周の長さに対して、20%以上、かつ、50%以下である。
【0056】
仮に、突起部90、92の周方向の長さL3+L4が第2パイプ44の内周面の全周の長さの20%未満である場合、突起部90、92の強度が不足し、当接部94が壁部70に繰り返し当接した場合に、突起部90、92が破損し、ストッパ52を第2パイプ44に固定できなくなるおそれがある。また、突起部90、92の周方向の長さL3+L4が第2パイプ44の内周面の全周の長さの50%よりも大きい場合、固定孔104、106を突起部90、92の長さに対応した長さに設計する必要があり、第2パイプ44の強度が不足するおそれがある。上記の構成では、突起部90、92が破損してストッパ52を第2パイプ44に固定することができなくなることを抑制することができ、かつ、第2パイプ44の強度が不足することを抑制することができる。
【0057】
また、図4に示すように、固定孔104、106は、第2パイプ44を外周面から内周面まで貫通している。突起部90、92は、固定孔104、106に嵌合している状態では、第2パイプ44の内周面よりも半径方向の内側まで延びている。
【0058】
上記の構成では、突起部90、92が第2パイプ44の内周面よりも半径方向の内側まで延びていない場合と比較して、突起部90、92が第2パイプ44と接触する面積を大きくすることができる。これにより、突起部90、92に加わる力をさらに分散させることができる。当接部94が壁部70に繰り返し当接しても、突起部90、92が破損することを抑制することができ、ストッパ52を第2パイプ44に固定することができる。
【0059】
また、ストッパ52は、少なくとも2つの突起部90、92を備えている。少なくとも2つの突起部90、92のうちの2つが、前後方向に対して直交する平面で見たときに、第2パイプ44の中心軸AXに対して点対称な位置に配置されている。
【0060】
上記の構成では、第2パイプ44を第1パイプ42に対して最大長まで伸長させてストッパ52の当接部94がパイプホルダ48の壁部70に当接した場合、2つの突起部90、92の一方に過度な力が加わることなく、2つの突起部90、92に均一に力が加わる。これにより、当接部94が壁部70に繰り返し当接しても、突起部90、92が破損することを抑制することができ、ストッパ52を第2パイプ44に固定することができる。
【0061】
また、図6に示すように、ストッパ52は、第2パイプ44の後端面を覆っている。
【0062】
一般的に、パイプ4の内部には、電気ケーブル22等の他部材が配置されることがある。上記の構成では、ストッパ52が第2パイプ44の後端面を覆うことにより、電気ケーブル22等の他部材が第2パイプ44の後端面に接触して傷つくことを抑制することができる。
【0063】
また、突起部90、92の半径方向の長さL5、L6は、突起部90、92の前後方向の長さL7、L8の25%以上、かつ、45%以下である。
【0064】
上記の構成では、突起部90、92の強度を確保しつつ、突起部90、92の大型化に伴いストッパ52が大型化することを抑制することができる。
【0065】
また、モータ18は原動機として機能する。
【0066】
原動機がエンジンである場合、エンジンの振動により、パイプ4が振動する。第2パイプ44が第1パイプ42に対して最大長まで伸長して当接部94が壁部70に当接している状態でパイプ4が振動すると、突起部90、92に大きな力が加わり続けることとなり、突起部90、92が破損するおそれがある。上記の構成では、原動機がエンジンである場合と比較して、パイプ4の振動が抑制される。当接部94が壁部70に当接している状態でパイプ4が振動しても、突起部90、92に大きな力が加わり続けることを抑制することができる。これにより、突起部90、92が破損することを抑制することができ、ストッパ52と第2パイプ44に固定することができる。
【0067】
作業機2は、後端ユニット8に着脱可能なバッテリパックBをさらに備えている。モータ18は、バッテリパックBからの電力により駆動する。
【0068】
作業機2が外部電源から電源コードを介してモータ18に電力を供給する構成である場合、電源コードが作業の邪魔になることがある。上記の構成では、作業機2を使用する際の作業性を向上させることができる。
【0069】
(対応関係)
第1パイプ42は、「外パイプ」の一例である。この場合、第2パイプ44は、「内パイプ」の一例である。また、第2パイプ44は、「外パイプ」の一例でもある。この場合、第3パイプ46は、「内パイプ」の一例である。
【0070】
一実施形態に係るストッパ52は、1つの突起部を備えていてもよく、3つ以上の突起部を備えていてもよい。
【0071】
一実施形態に係る作業機2において、固定孔104の長さL1は、固定孔106の長さL2と等しくてもよい。また、突起部90の長さL3は、突起部92の長さL4と等しくてもよい。
【0072】
一実施形態に係る突起部90と突起部92は、当接部94の中心軸AXに対して点対称な位置に配置されていなくてもよい。
【0073】
一実施形態に係る突起部90、92は、第2パイプ44の内周面よりも半径方向の内側まで延びていなくてもよい。例えば、突起部90、92の長さL5、L6は、第2パイプ44の厚みT1の50%から100%の範囲に設計されていてもよい。
【0074】
一実施形態に係る作業機2は、エンジン駆動式の作業機であってもよい。
【0075】
一実施形態に係る作業機2は、ポールソー、草刈機、畝刈機、高枝切りバサミまたは回転式のモップであってもよい。
【0076】
一実施形態に係る作業機2は、バッテリパックBを備えていなくてもよい。この場合、作業機2は、外部電源から電源コードを介してモータ18に電力を供給する構成であってもよい。
【0077】
一実施形態に係る作業機2において、モータ18は、後端ハウジング32の内部に配置されていてもよい。この場合、第1パイプ42と、第2パイプ44と、第3パイプ46の内部を、ドライブシャフトが通過していてもよい。ドライブシャフトは、動力変換機構20に接続していてもよい。
【符号の説明】
【0078】
2 :作業機
4 :パイプ
6 :前端ユニット
8 :後端ユニット
12 :作業部
18 :モータ
22 :電気ケーブル
26 :切断刃
42 :第1パイプ
44 :第2パイプ
46 :第3パイプ
48、50:パイプホルダ
52 :ストッパ
64 :第1管部
66 :第2管部
68 :遷移部
70 :壁部
78、80:位置決め部
86 :基部
88 :被覆部
90、92:突起部
90a、92a、104a、106a:前面
90b、92b、104b、106b:後面
94 :当接部
96 :接続部
98 :支持部
104、106:固定孔
AX :中心軸
B :バッテリパック

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8