(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】情報処理装置及び貯水システム
(51)【国際特許分類】
G01W 1/10 20060101AFI20240502BHJP
F04D 15/00 20060101ALI20240502BHJP
E03F 1/00 20060101ALI20240502BHJP
【FI】
G01W1/10 E
F04D15/00 F
F04D15/00 D
G01W1/10 P
E03F1/00 Z
(21)【出願番号】P 2020200907
(22)【出願日】2020-12-03
【審査請求日】2023-08-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】小泉 友人
【審査官】目黒 大地
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-134056(JP,A)
【文献】特開2012-002682(JP,A)
【文献】特開平01-113811(JP,A)
【文献】米国特許第07082382(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01W 1/00- 1/18
F04D 15/00-15/02
E03F 1/00-11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
落雷が生じている雷発生地域を示す気象情報を取得する第1の通信部と、
所定のエリアの少なくとも一部を撮影するカメラとデータを送受信する第2の通信部と、
前記所定のエリアから水が流入する貯水池から流出する処理量を制御する流出制御部とデータを送受信する第3の通信部と、
前記第2の通信部を通じて前記カメラが撮影した撮影画像を取得し、
前記撮影画像に落雷が写る場合、前記第1の通信部を通じて前記気象情報を取得し、
前記所定のエリアと前記雷発生地域とが少なくとも一部で重なっている場合、前記処理量を第1の処理量から前記第1の処理量より多い第2の処理量に増加させる、
プロセッサと、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記貯水池に流入する流入量が所定の閾値以下になった場合、前記処理量を前記第2の処理量から前記第1の処理量に低下させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記撮影画像に発光を検知した場合、前記第1の通信部を通じて前記気象情報を取得する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記貯水池は、前記所定のエリアからの下水を溜める、
請求項1乃至3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記貯水池は、沈砂池である、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記流出制御部は、前記貯水池から水を送るポンプから構成される、
請求項1乃至5の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
請求項1に記載の情報処理装置と、
前記カメラと、
前記流出制御部と、
を備える貯水システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置及び貯水システムに関する。
【背景技術】
【0002】
沈砂池のような貯水池から流出する水量を制御する貯水システムが提供されている。そのような貯水システムは、貯水池の水位が上昇すると、流出する水量を増加させることで貯水池から水があふれ出すことを防止する。
【0003】
従来、貯水システムは、貯水池の水位が上昇した場合、流出する水量を大幅に増加させてしまい周辺環境に悪影響を及ぼす恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の課題を解決するため、貯水池から安全に水を流出させることができる情報処理装置及び貯水システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、情報処理装置は、第1の通信部と、第2の通信部と、第3の通信部と、プロセッサと、を備える。第1の通信部は、落雷が生じている雷発生地域を示す気象情報を取得する。第2の通信部は、所定のエリアの少なくとも一部を撮影するカメラとデータを送受信する。第3の通信部は、前記所定のエリアから水が流入する貯水池から流出する処理量を制御する流出制御部とデータを送受信する。プロセッサは、前記第2の通信部を通じて前記カメラが撮影した撮影画像を取得し、前記撮影画像に落雷が写る場合、前記第1の通信部を通じて前記気象情報を取得し、前記所定のエリアと前記雷発生地域とが少なくとも一部で重なっている場合、前記処理量を第1の処理量から前記第1の処理量より多い第2の処理量に増加させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係る貯水システムの構成例を概念的に示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る貯水システムの構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るカメラの撮影範囲の例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る貯水システムの動作例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る貯水システムの動作例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る貯水システムの動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
実施形態に係る貯水システムは、貯水池に溜まる水量を管理する。貯水システムは、貯水池から流出する水量(処理量)を制御する。たとえば、貯水システムは、ポンプ又はゲートなどを制御して処理量を制御する。
【0009】
ここでは、貯水システムは、貯水池として沈砂池に溜まる水量を管理する。たとえば、貯水システムは、水再生システムにおける導入口に形成されている沈砂池に溜まる水量を管理する。
【0010】
図1は、実施形態に係る貯水システム1の構成例を示す。
図1が示すように、貯水システム1は、カメラ2、沈砂池3、流出制御部4、情報処理装置10、流入経路31、流出経路32及び気象サーバ50などから構成される。情報処理装置10は、カメラ2、流出制御部4及び気象サーバ50に通信可能に接続する。流入経路31及び流出経路32は、沈砂池3に物理的に接続する。
【0011】
なお、貯水システム1は、
図1が示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、貯水システム1から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0012】
沈砂池3は、流入経路31から流入する水を溜める貯水池である。沈砂池3は、流入経路31を通じて下水を溜める。沈砂池3は、砂などの不純物を沈殿させる処理を行う。沈砂池3は、不純物を沈殿させた後に、流出経路32を通じて上澄みを排出する。また、沈砂池3は、フィルタなどで濾過された水を排出するものであってもよい。
【0013】
流入経路31は、所定のエリア(処理対象エリア)で生じた下水を沈砂池3に流入させる経路である。流入経路31は、処理対象エリアに形成される下水道に接続する。
【0014】
流出経路32は、沈砂池3が排出した処理水を次の工程を行う設備に供給する。たとえば、流出経路32は、沈殿池又は反応タンクなどに接続する。
【0015】
流出制御部4は、流出経路32を通じて、沈砂池3から処理水を流出させる。
【0016】
また、流出制御部4は、情報処理装置10からの信号に従って、沈砂池3から流出する処理水の量(処理量)を制御する。ここでは、流出制御部4は、処理量として、単位時間当たりに流出する処理水の量を制御する。
【0017】
たとえば、流出制御部4は、沈砂池3から流出経路32に処理水を送るポンプなどから構成される。この場合、流出制御部4は、情報処理装置10からの制御信号に従って、ポンプが送る水量を制御する。また、流出制御部4は、複数のポンプから構成されるものであってもよい。この場合、流出制御部4は、情報処理装置10からの信号に従って、駆動させるポンプの個数を制御するものであってもよい。
【0018】
また、流出制御部4は、沈砂池3と流出経路32とを繋ぐゲートなどから構成されるものであってもよい。この場合、流出制御部4は、情報処理装置10からの制御信号に従って、解放されるゲートの面積を制御する。また、流出制御部4は、複数のゲートから構成されるものであってもよい。この場合、流出制御部4は、情報処理装置10からの信号に従って、解放されるゲートの個数を制御するものであってもよい。
【0019】
また、流出制御部4は、沈殿又は濾過などの処理速度を制御する機構を備えるものであってもよい。
流出制御部4の構成は、特定の構成に限定されるものではない。
【0020】
カメラ2は、処理対象エリアの少なくとも一部に生じた落雷を撮影するためのカメラである。カメラ2は、処理対象エリアの少なくとも一部に生じた落雷を撮影する。カメラ2は、撮影した画像(動画)を情報処理装置10に供給する。
【0021】
ここでは、カメラ2は、自身を中心として周囲を撮影する。たとえば、カメラ2は、360度カメラである。また、カメラ2は、互いに異なる方向を撮影する複数のカメラから構成される。
【0022】
たとえば、カメラ2は、貯水システム1を管理する管理施設の屋上などに設置されている。
【0023】
情報処理装置10は、流出制御部4を制御することで処理量を制御する。たとえば、情報処理装置10は、管理施設などに設置されている。情報処理装置10については、後に詳述する。
【0024】
気象サーバ50は、気象に関連する気象情報を情報処理装置10に供給する。
気象情報は、落雷が発生しているエリア(雷発生地域)を示す。たとえば、気象情報は、雷発生地域として、雷雲が発生しているエリアを示す。なお、気象情報は、雨量などの他の情報を含むものであっても良い。
【0025】
気象サーバ50は、所定のタイミングで(たとえば、所定の間隔で)気象情報を更新する。
【0026】
たとえば、気象サーバ50は、気象情報のリクエストを情報処理装置10から受信する。当該リクエストを受信すると、気象サーバ50は、気象情報を含むレスポンスを情報処理装置10に送信する。
たとえば、気象サーバ50は、気象庁が管理するサーバである。
【0027】
次に、情報処理装置10について説明する。
図2は、情報処理装置10の構成例を示す。
図2が示すように、情報処理装置10は、プロセッサ11、メモリ12、通信部13、操作部14、表示部15、カメラインターフェース16及び流出制御部インターフェース17などを備える。プロセッサ11は、データバス又は所定のインターフェースなどを通じてメモリ12、通信部13、操作部14、表示部15、カメラインターフェース16及び流出制御部インターフェース17に接続する。
【0028】
なお、情報処理装置10は、
図2が示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、情報処理装置10から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0029】
プロセッサ11は、情報処理装置10全体の動作を制御する。たとえば、プロセッサ11は、流出制御部4を制御する。
【0030】
たとえば、プロセッサ11は、CPUなどから構成される。また、プロセッサ11は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などから構成されるものであってもよい。また、プロセッサ11は、FPGA(Field Programmable Gate Array)などから構成されるものであってもよい。
【0031】
メモリ12は、種々のデータを格納する。たとえば、メモリ12は、ROM、RAM及びNVMとして機能する。
たとえば、メモリ12は、制御プログラム及び制御データなどを記憶する。制御プログラム及び制御データは、情報処理装置10の仕様に応じて予め組み込まれる。たとえば、制御プログラムは、情報処理装置10で実現する機能をサポートするプログラムなどである。
【0032】
また、メモリ12は、プロセッサ11の処理中のデータなどを一時的に格納する。また、メモリ12は、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータ及びアプリケーションプログラムの実行結果などを格納してもよい。
【0033】
通信部13(第1の通信部)は、気象サーバ50などとデータを送受信するためのインターフェースである。通信部13は、インターネットなどの通信網を介して気象サーバ50に接続する。たとえば、通信部13は、LAN(Local Area Network)接続をサポートするインターフェースである。
【0034】
操作部14は、オペレータから種々の操作の入力を受け付ける。操作部14は、入力された操作を示す信号をプロセッサ11へ送信する。操作部14は、タッチパネルから構成されてもよい。
【0035】
表示部15は、プロセッサ11からの画像データを表示する。たとえば、表示部15は、液晶モニタから構成される。操作部14がタッチパネルから構成される場合、表示部15は、操作部14と一体的に形成されてもよい。
【0036】
カメラインターフェース16(第2の通信部)は、カメラ2とデータを送受信するためのインターフェースである。たとえば、カメラインターフェース16は、プロセッサ11の制御に基づいて、カメラ2に撮影を開始させる信号を送信する。また、カメラインターフェース16は、カメラ2から撮影で得られた画像を取得する。たとえば、カメラインターフェース16は、独自のネットワークなどを通じてカメラ2に接続するものであってもよい。
【0037】
流出制御部インターフェース17(第3の通信部)は、流出制御部4とデータを送受信するためのインターフェースである。たとえば、流出制御部インターフェース17は、プロセッサ11からの制御信号を流出制御部4に供給する。たとえば、流出制御部インターフェース17は、独自のネットワークなどを通じて流出制御部4に接続するものであってもよい。
【0038】
次に、カメラ2が撮影する撮影エリアについて説明する。
図3は、撮影エリア61及び処理対象エリア62を示す。
撮影エリア61は、カメラ2が撮影する領域である。
図3が示すように、撮影エリア61は、カメラ2を中心に円形に形成されている。
【0039】
処理対象エリア62は、沈砂池3に流入する下水が生じるエリアである。
また、撮影エリア61は、処理対象エリア62と重なる。ここでは、撮影エリア61は、処理対象エリア62を含む。即ち、カメラ2は、処理対象エリア62に生じた落雷を撮影することができる。
【0040】
次に、情報処理装置10が実現する機能について説明する。情報処理装置10の機能は、プロセッサ11が内部メモリ又はメモリ12などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0041】
まず、プロセッサ11は、カメラ2が撮影した画像(動画)を取得する機能を有する。
たとえば、プロセッサ11は、操作部14などを通じて画像の取得を開始する操作の入力を受け付ける。当該入力を受け付けると、プロセッサ11は、カメラインターフェース16を通じて、撮影を開始させる信号をカメラ2に送信する。プロセッサ11は、カメラインターフェース16を通じて、カメラ2が撮影した画像(撮影画像)を取得する。
【0042】
なお、プロセッサ11は、起動時において、カメラインターフェース16を通じて、撮影を開始させる信号をカメラ2に送信してもよい。
【0043】
また、プロセッサ11は、カメラ2が撮影した撮影画像に基づいて落雷を検知する機能を有する。
プロセッサ11は、撮影画像を取得すると、撮影画像に基づいて落雷を検知する。即ち、プロセッサ11は、撮影画像に落雷が写っているかを判定する。
【0044】
ここでは、プロセッサ11は、落雷として発光を検知する。たとえば、プロセッサ11は、撮影画像の各ドットにおいて光量を抽出する。光量を抽出すると、プロセッサ11は、最大の光量が所定の閾値を超えているかを判定する。最大の光量が所定の閾値を超えていると判定すると、発光を検知したと判定する。
【0045】
また、プロセッサ11は、所定の閾値を超えた光量を備えるドットの個数が所定の閾値を超えた場合に発光を検知したと判定してもよい。
また、プロセッサ11は、瞬間的に最大の光量が所定の閾値を超えた場合に発光を検知したと判定してもよい。
【0046】
また、プロセッサ11は、所定の画像処理アルゴリズムに従って落雷を検知するものであってもよい。
プロセッサ11が落雷を検知する方法は、特定の方法に限定されるものではない。
【0047】
また、プロセッサ11は、気象情報に基づいて処理対象エリア62と雷発生地域とが重なっているかを判定する機能を有する。
落雷を検知したと判定すると、プロセッサ11は、通信部13を通じて、気象情報のリクエストを気象サーバ50に送信する。プロセッサ11は、通信部13を通じて、気象情報を含むレスポンスを気象サーバ50から取得する。
なお、プロセッサ11は、落雷の検知に拘わらず、所定の間隔で気象情報を気象サーバ50から取得してもよい。
【0048】
気象情報を取得すると、プロセッサ11は、気象情報から雷発生地域を特定する。雷発生地域を特定すると、プロセッサ11は、処理対象エリア62と雷発生地域とが少なくとも一部で重なっているかを判定する。
【0049】
また、プロセッサ11は、気象情報に基づいて処理対象エリア62と雷発生地域とが重なっていると判定した場合、処理量を増加させる機能を有する。
【0050】
ここでは、初期状態では、流出制御部4は、第1の処理量を排出しているものとする。
【0051】
処理対象エリア62と雷発生地域とが少なくとも一部で重なっていると判定すると、プロセッサ11は、流出制御部インターフェース17を通じて流出制御部4を制御する。即ち、プロセッサ11は、流出制御部4を制御して処理量を増加させる。プロセッサ11は、流出制御部4の処理量を第1の処理量から第1の処理量よりも多い第2の処理量に制御する。
【0052】
図4は、プロセッサ11が処理量を増加させる動作例を示す。沈砂池3から流出経路32に流出される処理量は、第1の処理量から第2の処理量となる。また、この時点では、流入経路31からの流入量は、第2の処理量よりも小さい。そのため、沈砂池3に溜まっている水量は、低下する。
【0053】
次に、流入量が増加した場合の動作例について説明する。
図5は、流入量が増加した場合の動作例を示す。ここでは、流出制御部4は、第2の処理量を排出しているものとする。また、雷発生地域などにおいて生じた降雨によって流入経路31からの流入量が増加したものとする。
【0054】
この時点では、流入経路31からの流入量は、第2の処理量よりも大きい。そのため、沈砂池3に溜まっている水量は、増加する。
【0055】
しかしながら、
図4の動作によって沈砂池3の水量が低下しているため、沈砂池3には、多くの水を溜める余裕がある。そのため、貯水システム1は、処理量を過度に増加させなくとも沈砂池3から水が溢れることを防止することができる。
【0056】
また、プロセッサ11は、流入量に応じて処理量を第2の処理量から第1の処理量へ制御する機能を有する。
【0057】
たとえば、プロセッサ11は、流入経路31からの流入量が所定の閾値を超えた後に所定の閾値以下になったかを判定する。即ち、プロセッサ11は、雷雨による流入量の増加が収まったかを判定する。
【0058】
流入量が所定の閾値以下になったと判定すると、プロセッサ11は、流出制御部4を制御して処理量を第2の処理量から第1の処理量に戻す。
【0059】
次に、情報処理装置10の動作例について説明する。
図6は、情報処理装置10の動作例について説明するためのフローチャートである。
【0060】
ここでは、プロセッサ11は、カメラ2から撮影画像を随時取得しているものとする。また、流出制御部4は、第1の処理量を排出しているものとする。
【0061】
プロセッサ11は、撮影画像に基づいて発光を検知したかを判定する(S11)。発光を検知していないと判定すると(S11、NO)、プロセッサ11は、S11に戻る。
【0062】
発光を検知したと判定すると(S11、YES)、プロセッサ11は、通信部13を通じて気象情報を気象サーバ50から取得する(S12)。気象情報を取得すると、プロセッサ11は、気象情報に基づいて処理対象エリア62と雷発生地域とが重なっているかを判定する(S13)。
【0063】
処理対象エリア62と雷発生地域とが重なっていないと判定すると(S13、NO)、プロセッサ11は、S11に戻る。
【0064】
処理対象エリア62と雷発生地域とが重なっていると判定すると(S13、YES)、プロセッサ11は、流出制御部4を制御して処理量を第1の処理量から第2の処理量へ増加させる(S14)。
【0065】
処理量を第2の処理量へ増加させると、プロセッサ11は、流入量が所定の閾値を超えた後に所定の閾値以下になったかを判定する(S15)。流入量が所定の閾値以下になっていないと判定すると(S15、NO)、プロセッサ11は、S15に戻る。
【0066】
流入量が所定の閾値以下になったと判定すると(S15、YES)、プロセッサ11は、流出制御部4を制御して処理量を第2の処理量から第1の処理量へ低下させる(S16)。
処理量を第1の処理量へ低下させると、プロセッサ11は、動作を終了する。
【0067】
なお、プロセッサ11は、気象情報などに基づいて第2の処理量を調整してもよい。たとえば、プロセッサ11は、処理対象エリア62と雷発生地域とが重なる領域の面積、又は、処理対象エリア62における雨量などに基づいて、第2の処理量を調整してもよい。
【0068】
また、プロセッサ11は、処理量を第1の処理量から第2の処理量へ段階的に増加させてもよい。また、プロセッサ11は、処理量を第2の処理量から第1の処理量へ段階的に低下させてもよい。
【0069】
また、プロセッサ11は、S14において、処理量を増加させる旨を表示部15などに表示してもよい。また、プロセッサ11は、S13、YESの後に、操作部14から所定の操作を受け付けた場合、S14に進んでもよい。
【0070】
また、プロセッサ11は、S16において、処理量を低下させる旨を表示部15などに表示してもよい。また、プロセッサ11は、S15、YESの後に、操作部14から所定の操作を受け付けた場合、S16に進んでもよい。
【0071】
また、貯水システム1が水量を管理する貯水池は、ダム、調整池、又は、湖などであってもよい。貯水池の構成は、特定の構成に限定されるものではない。
【0072】
以上のように構成された貯水システムは、カメラで落雷を検知すると気象情報に基づいて処理対象エリアと雷発生地域とが重なっているかを判定する。その結果、貯水システムは、処理対象エリアにおいて落雷を検知することができる。
【0073】
また、貯水システムは、処理対象エリアにおいて落雷を検知すると、処理量を増加させて沈砂池の水量を低下させる。その結果、貯水システムは、流入量が増加する前に事前に沈砂池の水量を低下させることができる。そのため、貯水システムは、流入量が増加した場合に過度に処理量を増加させることなく沈砂池から水が溢れることを防止することができる。
【0074】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0075】
1…貯水システム、2…カメラ、3…沈砂池、4…流出制御部、10…情報処理装置、11…プロセッサ、12…メモリ、13…通信部、14…操作部、15…表示部、16…カメラインターフェース、17…流出制御部インターフェース、31…流入経路、32…流出経路、50…気象サーバ、61…撮影エリア、62…処理対象エリア。