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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】動作検出装置
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/73 20150101AFI20240502BHJP
   B60R 19/48 20060101ALI20240502BHJP
   E05F 15/611 20150101ALI20240502BHJP
【FI】
E05F15/73
B60R19/48 L
E05F15/611
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021054615
(22)【出願日】2021-03-29
(65)【公開番号】P2022152014
(43)【公開日】2022-10-12
【審査請求日】2023-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000155067
【氏名又は名称】ミネベアアクセスソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 貴洋
(72)【発明者】
【氏名】岸本 桂吾
(72)【発明者】
【氏名】上村 具範
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-90274(JP,A)
【文献】特開2019-127804(JP,A)
【文献】特表2019-522591(JP,A)
【文献】特開2020-111233(JP,A)
【文献】特開2021-194934(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第112389172(CN,A)
【文献】国際公開第2022/054389(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 15/00-15/79
B60R 19/00-19/56
B60R 25/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延びるとともに、車両の被取付部に取り付けられるブラケットと、
前記ブラケットのうち前記第1方向の一方側に位置する部分で互いに離されて保持され、静電容量を検出する第1静電センサ及び第2静電センサと、
前記ブラケットのうち前記第1方向の他方側に位置する部分に保持され、前記第1静電センサ及び前記第2静電センサでの静電容量に基づき静電容量の変化を検出するコントローラと、
前記第1静電センサ及び前記コントローラ間を接続する第1配線と、
前記第2静電センサ及び前記コントローラ間を接続する第2配線と、を備え、
前記第1配線及び前記第2配線は、互いに離された離間領域をもって前記ブラケット上を前記第1方向に引き回され
前記ブラケットは、
前記第1配線を保持して、前記第1配線を前記第1方向に沿って案内する第1配線ガイドと、
前記第1配線ガイドに対して離れた位置に設けられ、前記第2配線を保持して、前記第2配線を前記第1方向に沿って案内する第2配線ガイドと、を備えている動作検出装置。
【請求項2】
前記第1配線ガイド及び前記第2配線ガイドは、前記第1方向に交差する第2方向において、前記ブラケットに対して一方側に配置されている請求項に記載の動作検出装置。
【請求項3】
第1方向に延びるとともに、車両の被取付部に取り付けられるブラケットと、
前記ブラケットのうち前記第1方向の一方側に位置する部分で互いに離されて保持され、静電容量を検出する第1静電センサ及び第2静電センサと、
前記ブラケットのうち前記第1方向の他方側に位置する部分に保持され、前記第1静電センサ及び前記第2静電センサでの静電容量に基づき静電容量の変化を検出するコントローラと、
前記第1静電センサ及び前記コントローラ間を接続する第1配線と、
前記第2静電センサ及び前記コントローラ間を接続する第2配線と、を備え、
前記第1配線及び前記第2配線は、互いに離された離間領域をもって前記ブラケット上を前記第1方向に引き回され、
前記離間領域において、前記第1配線及び前記第2配線間の最小距離は30mmに設定されている作検出装置。
【請求項4】
第1方向に延びるとともに、車両の被取付部に取り付けられるブラケットと、
前記ブラケットのうち前記第1方向の一方側に位置する部分で互いに離されて保持され、静電容量を検出する第1静電センサ及び第2静電センサと、
前記ブラケットのうち前記第1方向の他方側に位置する部分に保持され、前記第1静電センサ及び前記第2静電センサでの静電容量に基づき静電容量の変化を検出するコントローラと、
前記第1静電センサ及び前記コントローラ間を接続する第1配線と、
前記第2静電センサ及び前記コントローラ間を接続する第2配線と、を備え、
前記第1配線及び前記第2配線は、互いに離された離間領域をもって前記ブラケット上を前記第1方向に引き回され、
前記ブラケットのうち、前記第1方向の一方側と他方側との間に位置する部分には、車両の突出部が貫通する逃げ部が形成され、
前記離間領域は、前記逃げ部に対して前記第1方向の他方側に設けられている作検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動作検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の開閉体(テールゲート等)を開閉する際に、開閉体周辺でのユーザのキック動作を検出することで、開閉体を自動で開閉させる動作検出装置が知られている。この種の動作検出装置として、例えば下記特許文献1,2には、リヤバンパ等に複数の静電センサが設けられた構成が開示されている。複数のセンサ電極は、配線を介してコントロールユニットにそれぞれ接続されている。
【0003】
動作検出装置において、コントローラは、複数の静電センサで検出された静電容量に基づき、静電容量の変化がキック動作によるものか、ノイズ(例えば、動物や物体の移動、被水による影響等)であるかを判定する。コントローラは、静電容量の変化がキック動作によるものと判定した場合に、開閉体のアクチュエータに向けて動作信号を出力する。これにより、開閉体がアクチュエータによって自動的に開閉される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2010/76332号
【文献】特開2015-21238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、動作検出装置において、配線に対して直接水等が触れた場合には、配線においても静電容量が変化する可能性がある。そのため、複数の配線がまとめて被水した場合等には、複数の配線の静電容量が変化し、コントローラにおいてキック動作がされたものと誤判定してしまう可能性がある。
【0006】
本発明は、簡素な構成で、高精度な検出を行うことができる動作検出装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は以下の態様を採用した。
本発明の一態様に係る動作検出装置は、第1方向に延びるとともに、車両の被取付部に取り付けられるブラケットと、前記ブラケットのうち前記第1方向の一方側に位置する部分で互いに離されて保持され、静電容量を検出する第1静電センサ及び第2静電センサと、前記ブラケットのうち前記第1方向の他方側に位置する部分に保持され、前記第1静電センサ及び前記第2静電センサでの静電容量に基づき静電容量の変化を検出するコントローラと、前記第1静電センサ及び前記コントローラ間を接続する第1配線と、前記第2静電センサ及び前記コントローラ間を接続する第2配線と、を備え、前記第1配線及び前記第2配線は、互いに離された離間領域をもって前記ブラケット上を前記第1方向に引き回されている。
【0008】
本態様によれば、離間領域において、第1配線及び第2配線が離されて配置されることで、動作検出装置が例えば被水等した際に、第1配線及び第2配線の双方にまとめて水が接触するのを抑制できる。これにより、第1配線及び第2配線の双方について、静電容量が変化するような事象が生じるのを抑制し、コントローラによる誤判定を抑制できる。その結果、簡素な構成で、高精度な検出を行うことができる。
【0009】
上記態様の動作検出装置において、前記ブラケットは、前記第1配線を保持して、前記第1配線を前記第1方向に沿って案内する第1配線ガイドと、前記第1配線ガイドに対して離れた位置に設けられ、前記第2配線を保持して、前記第2配線を前記第1方向に沿って案内する第2配線ガイドと、を備えていることが好ましい。
本態様によれば、車両走行時の振動等によって第1配線及び第2配線が接近するのを抑制でき、第1配線及び第2配線の相対位置を維持し易い。これにより、コントローラによる誤判定を長期に亘って抑制できる。
【0010】
上記態様の動作検出装置において、前記第1配線ガイド及び前記第2配線ガイドは、前記第1方向に交差する第2方向において、前記ブラケットに対して一方側に配置されていることが好ましい。
本態様によれば、第1配線及び第2配線がブラケットの同一面側に配置される。これにより、第1配線及び第2配線がブラケットの異なる面上(例えば、上面側及び下面側)に別々に配置される構成に比べ、配線の引き回しを容易に行うことができる。その結果、更なる簡素化を図ることができる。また、第1静電センサ及び第2静電センサを同一面側に配置し易くなるので、第1静電センサ及び第2静電センサによる検出精度にばらつきが生じるのも抑制できる。
【0011】
上記態様の動作検出装置において、前記離間領域において、前記第1配線及び前記第2配線間の最小距離は30mmに設定されていることが好ましい。
本態様によれば、第1配線及び第2配線の双方がまとめて被水等するのを抑制できる。その結果、動作検出装置において、より高精度な検出が可能になる。
【0012】
上記態様の動作検出装置において、前記ブラケットのうち、前記第1方向の一方側と他方側との間に位置する部分には、車両の突出部が貫通する逃げ部が形成され、前記離間領域は、前記逃げ部に対して前記第1方向の他方側に設けられていることが好ましい。
本態様によれば、静電センサから離れた部分においても、配線同士が所望の距離をもって引き回される。これにより、配線での静電容量の変化に伴う誤判定をより確実に抑制できる。
【発明の効果】
【0013】
上記態様によれば、簡素な構成で、高精度な検出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】動作検出装置を搭載した車両の背面図である。
図2】動作検出装置を搭載した車両の側面図である。
図3】動作検出装置及びヒッチメンバを前方から見た斜視図である。
図4】動作検出装置を下方から見た斜視図である。
図5図4のV-V線に対応する断面図である。
図6図4のVI-VI線に対応する断面図である。
図7図4のVII-VII線に対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の説明において、例えば「平行」や「直交」、「中心」、「同軸」等の相対的又は絶対的な配置の表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差や同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。以下の説明において、前後上下左右等の向きは、車両の向きと同一とする。この場合、図中の矢印UPは上方を示し、矢印FRは前方を示し、矢印LHは左側を示している。
【0016】
[車両1]
図1は、動作検出装置20を搭載した車両1の背面図である。図2は、動作検出装置20を搭載した車両1の側面図である。
図1図2に示す車両1は、トレーラやキャリア等の被牽引対象を連結可能な車両1である。具体的に、車両1は、後方に開口する開口部2aが形成された車体本体2と、開口部2aを開閉するテールゲート3と、を備えている。
【0017】
車体本体2において、開口部2aの下方に位置する部分には、リヤバンパ(被取付部)5が設けられている。リヤバンパ5は、車幅方向(第1方向)に沿って延びている。リヤバンパ5は、車体本体2のフレーム6を後方から覆っている。本実施形態の車体本体2では、フレーム6として、ヒッチメンバ10を備えている。
【0018】
図3は、動作検出装置20及びヒッチメンバ10を前方から見た斜視図である。
図3に示すように、ヒッチメンバ10は、リヤサイドメンバ(不図示)の後端部同士の間を架け渡すリヤバックビーム11と、リヤバックビーム11における車幅方向の中央部に設けられたヒッチステー(突出部)12と、を備えている。
ヒッチステー12は、リヤバンパ5に設けられた切欠き5a(図1参照)を通じてリヤバンパ5の後方に突出している。ヒッチステー12の後端部には、ボールジョイント13が設けられている。ヒッチメンバ10には、ボールジョイント13を介して被牽引対象が連結される。
【0019】
図1図2に示すように、テールゲート3は、車体本体2のうち開口部2aの上端開口縁に回動可能に連結されている。テールゲート3は、アクチュエータ(不図示)の駆動力によって、開口部2aを自動で開閉する。但し、テールゲート3は、開動作及び閉動作の何れかのみを自動で行う構成であってもよい。
【0020】
<動作検出装置20>
車体本体2において、リヤバンパ5の内側には、動作検出装置20が設けられている。動作検出装置20は、ユーザのキック動作(例えば、リヤバンパ5の下方空間に足を進入させる動作)を検出することで、テールゲート3のアクチュエータを駆動させる。
【0021】
図4は、動作検出装置20を下方から見た斜視図である。
図3図4に示すように、動作検出装置20は、ブラケット21と、センサモジュール22(図4参照)と、コントローラ23(図3参照)と、を備えている。
【0022】
<ブラケット21>
ブラケット21は、樹脂材料等によって一体に形成されている。ブラケット21は、ブラケット本体31と、取付片32と、を備えている。
【0023】
図5は、図4のV-V線に対応する断面図である。図6は、図4のVI-VI線に対応する断面図である。図7は、図4のVII-VII線に対応する断面図である。
図3図7に示すように、ブラケット本体31は、リヤバンパ5の内面に沿って車幅方向(第1方向)に延びている。ブラケット本体31は、下面側において、センサモジュール22を保持している。
【0024】
図3に示すように、ブラケット本体31における車幅方向の中央部には、通過孔(逃げ部)35が形成されている。通過孔35は、ブラケット本体31を上下方向に貫通するとともに、ブラケット本体31の前端縁上で開口している。本実施形態において、通過孔35は、ブラケット本体31の後端部において終端している。通過孔35内には、ヒッチステー12が通過している。したがって、ブラケット本体31は、ヒッチステー12を車幅方向に横断し、ヒッチステー12に対して車幅方向の両側に広がっている。なお、通過孔35は、ヒッチステー12が通過可能な大きさであれば、任意の位置、形状に形成してもよい。
【0025】
ブラケット本体31は、センサ取付部31aと、架け渡し部31bと、配線取付部31cと、コントローラ取付部31dと、を備えている。
センサ取付部31aは、ブラケット本体31のうち通過孔35に対して右側(車幅方向の一方側)に位置する部分である。センサ取付部31aは、車幅方向から見た側面視において、前方に向かうに従い下方に位置する階段形状に形成されている。具体的に、センサ取付部31aは、上段センサ保持部41と、下段センサ保持部42と、接続部43と、を備えている。
【0026】
図4図5に示すように、上段センサ保持部41は、上下方向を厚さ方向とし、車幅方向に延びている。上段センサ保持部41には、電極保持爪45と、スリーブ保持爪46と、が設けられている。
電極保持爪45は、前後方向に向かい合う一対の係合片45aにより構成されている。各係合片45aは、上段センサ保持部41から下方に向けて片持ちで延びている。各係合片45aは、前後方向に弾性変形可能に構成されている。図示の例において、電極保持爪45は、車幅方向に間隔をあけて複数設けられている。
【0027】
スリーブ保持爪46は、上段センサ保持部41において、最も左側に配置された電極保持爪45に対して左側に配置されている。スリーブ保持爪46は、電極保持爪45と同様に、前後方向に向かい合う一対の係合片46aにより構成されている。各係合片46aは、上段センサ保持部41から下方に向けて片持ちで延びている。
【0028】
接続部43は、上段センサ保持部41の前端から下方に延びている。図示の例において、接続部43は、前斜め下方に傾斜している。但し、接続部43の水平方向に対する傾斜角度は、適宜変更が可能である。
下段センサ保持部42は、接続部43の下端から前方に延びている。したがって、下段センサ保持部42は、接続部43によって上段センサ保持部41に前後方向で遮られた状態で、上段センサ保持部41に対して前方、かつ下方に配置されている。図示の例において、下段センサ保持部42の前後方向の寸法は、上段センサ保持部41よりも長い。
【0029】
下段センサ保持部42には、上段センサ保持部41と同様に電極保持爪45及びスリーブ保持爪46が設けられている。図4に示すように、下段センサ保持部42において、スリーブ保持爪46に対して左側に位置する部分には、第1配線保持爪101が設けられている。第1配線保持爪101は、下段センサ保持部42から下方に突出した後、車幅方向に向けてL字状に延びている。第1配線保持爪101は、センサモジュール22の後述する下段配線111bを下段センサ保持部42との間に保持して、下段配線111bを前後方向に案内する。
【0030】
図4図6に示すように、架け渡し部31bは、上段センサ保持部41から左側に延びている。架け渡し部31bは、通過孔35の後端縁を構成する部分である。架け渡し部31bは、センサ取付部31a及び配線取付部31cに比べて前後方向の寸法が短くなっている。架け渡し部31bには、第2配線保持爪102が設けられている。第2配線保持爪102は、架け渡し部31bから下方に突出した後、後方に向けてL字状に延びている。第2配線保持爪102は、センサモジュール22の後述する上段配線110b及び下段配線111bをまとめて保持する。
【0031】
図4図7に示すように、配線取付部31cは、ブラケット本体31のうち通過孔35に対して左側(車幅方向の他方側)に位置する部分である。配線取付部31cは、架け渡し部31bを介してセンサ取付部31aと連なっている。配線取付部31cの側面視形状は、センサ取付部31aと同様に前方に向かうに従い下方に位置する階段状に形成されている。具体的に、配線取付部31cは、上段配線保持部61と、下段配線保持部62と、接続部63と、を備えている。
【0032】
上段配線保持部61は、上段センサ保持部41と同等の高さで車幅方向に延びている。図4に示すように、上段配線保持部61には、第3配線保持爪103及び第4配線保持爪104が設けられている。
第3配線保持爪103は、上段配線保持部61の右側端部において、架け渡し部31bと前後方向で同等の位置に設けられている。第3配線保持爪103は、上段配線保持部61から下方に突出した後、後方に向けてL字状に延びている。なお、第3配線保持爪103は、架け渡し部31bに設けられていてもよい。
【0033】
第4配線保持爪104は、上段配線保持部61において第3配線保持爪103に対して左側に設けられている。第4配線保持爪104は、上段配線保持部61から下方に突出した後、後方に向けてL字状に延びている。第4配線保持爪104は、上段配線保持部61において、車幅方向に間隔をあけて複数設けられている。
【0034】
接続部63は、上段配線保持部61の前端から下方に延びている。接続部63は、センサ保持部41の接続部43と側面視で重なり合っている。
下段配線保持部62は、接続部63の下端から前方に延びている。下段配線保持部62は、下段センサ保持部42と側面視で重なり合っている。
【0035】
下段配線保持部62には、第5配線保持爪105及び第6配線保持爪106が設けられている。
第5配線保持爪105は、下段配線保持部62の右側端部において、第3配線保持爪103よりも左側に位置する部分に設けられている。第5配線保持爪105は、下段配線保持部62から下方に突出した後、右斜め前方に向けてL字状に延びている。
【0036】
第6配線保持爪106は、下段配線保持部62において第5配線ガイド66に対して左側に設けられている。第6配線保持爪106は、下段配線保持部62から下方に突出した後、後方に向けてL字状に延びている。第6配線保持爪106は、下段配線保持部62において、車幅方向に間隔をあけて複数設けられている。
【0037】
コントローラ取付部31dは、ブラケット本体31における左側端部を構成している。コントローラ取付部31dの前後方向の寸法は、センサ取付部31aや配線取付部31cと同等に設定されている。コントローラ取付部31dは、上段配線保持部61と同等の高さで車幅方向に延びている。コントローラ取付部31dには、第7配線保持爪107及び第8配線保持爪108が設けられている。
【0038】
第7配線保持爪107は、コントローラ取付部31dの後端部に設けられている。第7配線保持爪107は、コントローラ取付部31dから下方に突出した後、後方に向けてL字状に延びている。
第8配線保持爪108は、コントローラ取付部31dの前端部に設けられている。第8配線保持爪108は、コントローラ取付部31dから下方に突出した後、後方に向けてL字状に延びている。
【0039】
コントローラ取付部31dの左側端部には、配索孔109が形成されている。配索孔109は、コントローラ取付部31dを上下方向に貫通するとともに、コントローラ取付部31dの左側端縁上で開口している。
【0040】
取付片32は、ブラケット本体31の前端縁から前方に向けて延びている。取付片32は、車幅方向に間隔をあけて複数設けられている。ブラケット21は、取付片32等を介してリヤバンパ5の内面に取り付けられる。これにより、動作検出装置20がリヤバンパ5の内側に配置されている。
【0041】
<センサモジュール22>
センサモジュール22は、上段センサユニット110と、下段センサユニット111と、を備えている。センサモジュール22は、ユーザのキック動作等に応じた静電容量を検出する。
上段センサユニット110は、上段静電センサ(第1静電センサ)110aと、上段配線(第1配線)110bと、を備えている。
【0042】
上段静電センサ110aは、車幅方向に延びる棒状に形成されている。上段静電センサ110aは、例えば樹脂材料等により形成されたコアが導電材料により形成されたメッシュに包まれた状態で、外皮でまとめて覆われることで形成されている。上段静電センサ110aは、一対の係合片45aに挟み込まれることで、電極保持爪45に保持されている。すなわち、上段静電センサ110aは、上段センサ保持部41の下面側において、電極保持爪45に保持された状態で、車幅方向に沿って延びている。
【0043】
上段配線110bは、上段静電センサ110aとコントローラ23との間を接続する。上段配線110bは、上段静電センサ110aから左側に引き出されている。上段配線110bは、導電材料により形成された線材が外皮で覆われた構成である。上段配線110bの外径は、上段静電センサ110aよりも小さい。上段配線110bは、第2配線保持爪102に保持された状態で、架け渡し部31bの下面側を車幅方向に引き回されている。上段配線110bは、上段配線保持部61の下面側において、第3配線保持爪103及び第4配線保持爪104に保持された状態で、車幅方向に引き回された後、コントローラ取付部31dの下面側において、第7配線保持爪107に保持されている。
【0044】
下段センサユニット111は、下段静電センサ(第2静電センサ)111aと、下段配線(第2配線)111bと、を備えている。
下段静電センサ111aは、上段静電センサ110aと同様に、車幅方向に延びる棒状に形成されている。下段静電センサ111aは、下段センサ保持部42の下面側において、電極保持爪45に保持されている。
このように、本実施形態の上段静電センサ110aと下段静電センサ111aは、ブラケット本体31の下面とリヤバンパ5の内面との間において、前後方向及び上下方向に間隔をあけた状態で配置されている。ブラケット本体31の下面とは、ブラケット本体31における厚さ方向を向く表裏面のうち、下方に露呈する面である。本実施形態では、接続部43のうち、上段センサ保持部41の下面及び下段センサ保持部42の下面に連なる面についても、ブラケット本体31の下面を構成する。
【0045】
下段配線111bは、下段静電センサ111aとコントローラ23との間を接続する。下段配線111bは、下段静電センサ111aから左側に引き出されている。下段配線111bは、第1配線保持爪101に保持された状態で、下段センサ保持部42の下面側を後方に引き回されている。下段配線111bは、架け渡し部31bの下面側において、第2配線保持爪102に保持された後、上段配線保持部61の下面側において、第3配線保持爪103に保持されている。すなわち、下段配線111bは、第2配線保持爪102及び第3配線保持爪103において、通過孔35を避けた状態で、上段配線110bとまとめて保持されている。
【0046】
下段配線111bは、第3配線保持爪103を通過した後、上段配線110bとは離れて前方に延びている。具体的に、下段配線111bは、下段配線保持部62の下面側まで引き回された後、下段配線保持部62において第5配線保持爪105及び第6配線保持爪106に保持された状態で車幅方向に引き回されている。そして、下段配線111bは、コントローラ取付部31dの下面側において、第8配線保持爪108に保持されている。
【0047】
このように、本実施形態のセンサモジュール22は、少なくとも配線取付部31cの一部において、上段配線110b及び下段配線111bが離された状態で引き回されている。具体的に、上段配線110bにおいて第4配線保持爪104及び第7配線保持爪107に保持されている区間、及び下段配線111bにおいて第5配線保持爪105、第6配線保持爪106及び第8配線保持爪108に保持されている区間は、上段配線110bと下段配線111bとが離されて配置された離間領域Pとなっている。図7に示すように、離間領域Pでの上段配線110b及び下段配線111b同士の距離(中心間の最小距離)D1は、30mm以上であることが好ましい。図示の例において、距離D1は、50mm程度に設定されている。なお、図5に示すように、上段静電センサ110aと下段静電センサ111aとの距離(中心間の最小距離)D2は、60mm程度に設定されている。但し、上段配線110b及び下段配線111b間の距離D1は、上段静電センサ110a及び下段静電センサ111a間の距離D2より大きくてもよい。
【0048】
図3に示すように、上段配線110b及び下段配線111bは、配索孔109を通じてブラケット21の上面側に引き回されている。上段配線110b及び下段配線111bの端部は、ブラケット21の上面側において、カプラ132によってまとめられている。
【0049】
コントローラ23は、センサ取付部31aの上面側に取り付けられている。コントローラ23には、カプラ132を介してセンサモジュール22が接続されている。コントローラ23は、上段静電センサ110a及び下段静電センサ111aの検出結果に基づき、静電容量の変化を検出する。コントローラ23は、検出された静電容量の変化に基づき、キック動作がされたか否かを判定する。すなわち、コントローラ23は、静電センサ110a,111aでの静電容量の変化がキック動作によるものか、ノイズであるかを判定する。コントローラ23は、静電容量の変化がキック動作によるものと判定した場合に、テールゲート3のアクチュエータに向けて動作信号を出力する。なお、コントローラ23は、ブラケット21の下面側に取り付けられていてもよい。
【0050】
このように、本実施形態の動作検出装置20は、上段配線110b及び下段配線111bが互いに離された状態でブラケット21上を引き回された離間領域Pを備えている構成とした。
この構成によれば、離間領域Pにおいて、上段配線110b及び下段配線111bが離されて配置されることで、動作検出装置20が例えば被水等した際に、上段配線110b及び下段配線111bの双方にまとめて水が接触するのを抑制できる。これにより、上段配線110b及び下段配線111bの双方について、静電容量が変化するような事象が生じるのを抑制し、コントローラ23による誤判定を抑制できる。その結果、簡素な構成で、高精度な検出を行うことができる。
【0051】
本実施形態の動作検出装置20は、上段配線110bが第4配線保持爪104や第7配線保持爪107によって車幅方向に案内され、下段配線111bが第5配線保持爪105や第6配線保持爪106によって車幅方向に案内される構成とした。
この構成によれば、車両走行時の振動等によって上段配線110b及び下段配線111bが相対移動するのを抑制でき、上段配線110b及び下段配線111bの相対位置を維持し易い。これにより、コントローラによる誤判定を長期に亘って抑制できる。
【0052】
本実施形態では、上段配線110b及び下段配線111bがブラケット21の下面側(第2方向の一方側)に配置されている構成とした。
この構成によれば、上段配線110b及び下段配線111bがブラケット21の同一面側に配置される。これにより、上段配線110b及び下段配線111bがブラケット21の異なる面上(例えば、上面側及び下面側)に別々に配置される構成に比べ、配線の引き回しを容易に行うことができる。その結果、更なる簡素化を図ることができる。また、上段静電センサ110a及び下段静電センサ111aを同一面側に配置し易くなるので、上段静電センサ110a及び下段静電センサ111aによる検出精度にばらつきが生じるのも抑制できる。
【0053】
本実施形態では、離間領域Pにおいて、上段配線110b及び下段配線111b間の距離D1は、30mm以上に設定されている構成とした。
この構成によれば、上段配線110b及び下段配線111bの双方がまとめて被水するのを抑制できる。その結果、動作検出装置20において、より高精度な検出が可能になる。
【0054】
本実施形態では、離間領域Pが、通過孔35に対して左側に位置する部分に設けられている構成とした。
この構成によれば、静電センサ110a,111aから離れた部分においても、配線110b,111b同士が所望の距離をもって引き回される。これにより、配線110b,111bでの静電容量の変化に伴う誤判定をより確実に抑制できる。
【0055】
[その他の変形例]
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれら実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
上述した実施形態では、動作検出装置20が被取付部材であるリヤバンパ5に取り付けられた構成について説明したが、この構成に限られない。動作検出装置20は、リヤバンパ5に限らずフロントバンパやサイドシル等に取り付けられていてもよい。
上述した実施形態では、動作検出装置20が、テールゲート3を開閉する際のキック動作を検出する構成について説明したが、この構成に限られない。動作検出装置20は、テールゲート3以外の開閉体を開閉する際の動作を検出してもよく、開閉体以外の車載装置を駆動させる際の非接触動作を検出する構成であってもよい。
【0056】
上述した実施形態では、第1静電センサ及び第2静電センサ同士、並びに第1配線及び第2配線同士がそれぞれ上下方向及び前後方向に離れている構成について説明したが、この構成に限られない。第1静電センサ及び第2静電センサ同士、並びに第1配線及び第2配線同士は、何れかの方向に離れていればよい。
上述した実施形態では、上段配線110b及び下段配線111bが、第1~第8配線保持爪101~108にそれぞれ保持される構成について説明したが、この構成に限られない。上段配線110b及び下段配線111bは、互いに離されて引き回された離間領域Pを備えていれば、配線ガイドに保持されていなくてもよい。また、配線ガイドは、爪状に限らず、溝や孔等であってもよい。
【0057】
上述した実施形態では、ブラケット21において、通過孔35に対して左側に位置する部分に離間領域Pを設ける構成について説明したが、この構成に限られない。離間領域Pは、ブラケット21において、通過孔35に対して車幅方向の両側に設けられていてもよい。
上述した実施形態では、ブラケット21のうち通過孔35が形成された部分において、上段配線110b及び下段配線111bを架け渡し部31b上でまとめて引き回す構成について説明したが、この構成に限られない。架け渡し部31b上においても、上段配線110b及び下段配線111bを離して引き回してもよい。この場合、例えば下段配線111bは、通過孔35を横断するように引き回してもよい。
【0058】
上述した実施形態では、ブラケット21がヒッチステー12を避ける通過孔35を備える構成について説明したが、この構成に限られない。ブラケット21は、ヒッチステー12以外の突出部を貫通させる逃げ部を備えていてもよい。また、ブラケット21は、逃げ部を備えない構成であってもよい。この場合、上段配線110b及び下段配線111bは、車幅方向の全体に亘って離されて引き回されていてもよい。
【0059】
上述した実施形態では、上段配線110b及び下段配線111bがブラケット21における同一面側(下面側)に配置された構成について説明したが、この構成に限られない。上段配線110b及び下段配線111bは、ブラケット21における異なる面上に配置されていてもよい。
上述した実施形態では、配線110b,111b同士がまとめて被水する場合を例にして説明したが、これに限らず、配線110b,111bがまとめられて引き回された状態において、配線110b,111bの双方の静電容量が変化する種々の事象に本発明を適用可能である。また、ブラケット21において、上段配線110b及び下段配線111b間に位置する部分に、水抜き孔や遮蔽壁等が設けられていてもよい。
【0060】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0061】
1:車両
5:リヤバンパ(被取付部)
20:動作検出装置
21:ブラケット
23:コントローラ
35:通過孔(逃げ部)
104:第4配線保持爪(第1配線ガイド)
107:第7配線保持爪(第1配線ガイド)
105:第5配線保持爪(第2配線ガイド)
106:第6配線保持爪(第2配線ガイド)
108:第8配線保持爪(第2配線ガイド)
110a:上段静電センサ(第1静電センサ)
110b:上段配線(第1配線)
111a:下段静電センサ(第2静電センサ)
111b:下段配線(第2配線)
D1:距離
P:離間領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7