(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】廃棄物処分器具およびフィルム小出しカセット
(51)【国際特許分類】
B65F 1/06 20060101AFI20240502BHJP
B65F 1/00 20060101ALI20240502BHJP
【FI】
B65F1/06 A
B65F1/00 A
(21)【出願番号】P 2021515519
(86)(22)【出願日】2019-09-20
(86)【国際出願番号】 CA2019051346
(87)【国際公開番号】W WO2020056523
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2022-07-14
(32)【優先日】2018-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515233580
【氏名又は名称】インターナショナル リフィルズ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】International Refills Company Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】モラン ミシェル
【審査官】村山 睦
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-061503(JP,A)
【文献】実開昭48-094164(JP,U)
【文献】中国実用新案第2908409(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65F 1/06
B65F 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物処分器具であって、
頂端部に開口部を備えた容器を有し、前記容器は、前記開口部を通って接近可能な内側空所を画定し、前記容器は、前記開口部のところに設けられていて、袋を該袋の閉鎖端部が前記内側空所内に延びる状態で前記容器の前記開口部のところで開かれた状態に保持するようになった袋インターフェースを有し、
前記開口部を通る出入り口を開閉するよう前記容器に回動可能に連結された1対のドアを有し、前記ドアは、該ドア相互間を通る前記袋の一部分を閉鎖するようになっており、前記ドアは、前記ドアが前記開口部を通る前記出入り口を閉じるようになった閉じ位置から前記ドアを回動させて前記内側空所から遠ざけた第1の回動位置に回動可能であり、前記ドアのうちの少なくとも一方は、前記内側空所に向かって第2の回動位置まで回動可能であり、
前記ドアのうちの前記少なくとも一方を前記閉じ位置に付勢するよう前記ドアのうちの少なくとも一方に作動的に連結された作動機構体を有する、廃棄物処分器具。
【請求項2】
前記ドアを露出させまたは隠すよう前記容器に回動可能に取り付けられた蓋をさらに有する、請求項1記載の廃棄物処分器具。
【請求項3】
前記作動機構体は、ユーザによって作動可能なペダルを有し、前記作動機構体は、前記蓋を開閉するよう前記ペダルおよび前記蓋とインターフェースするリンク組立体を含む、請求項
2記載の廃棄物処分器具。
【請求項4】
前記リンク組立体は、前記ドアのうちの少なくとも一方が前記ペダルを押したときに前記第1の回動位置まで回動するのを阻止する、請求項3記載の廃棄物処分器具。
【請求項5】
前記リンク組立体は、前記内側空所内で全体として垂直方向に並進する第1のリンクを含み、前記第1のリンクは、前記蓋を変位させて前記開口部への出入り口を開くよう前記蓋に接触する頂部押圧端部を有する、請求項3または4記載の廃棄物処分器具。
【請求項6】
前記第1のリンクは、前記ペダルに回動可能に連結されている、請求項5記載の廃棄物処分器具。
【請求項7】
第2のリンクが回転自由度および並進自由度を提供する継手によって前記第1のリンクに連結され、前記第2のリンクは、前記ドアのうちの一方に回動可能に連結されている、請求項5または6記載の廃棄物処分器具。
【請求項8】
前記継手は、少なくとも1つの組をなすフォロアと案内スロットである、請求項7記載の廃棄物処分器具。
【請求項9】
前記第1のリンクは、前記蓋に接触する二叉端部を有する、請求項
5~8のうちいずれか一に記載の廃棄物処分器具。
【請求項10】
少なくとも1つの付勢ユニットが前記リンク組立体を最も下方の位置に付勢して前記ドアを前記閉じ位置に保つ、請求項3~9のうちいずれか一に記載の廃棄物処分器具。
【請求項11】
前記容器は、上部分および底部分を有し、前記上部分は、前記容器の前記内側空所への接近が可能であるように前記底部分から隔てられている、請求項1~10のうちいずれか一に記載の廃棄物処分器具。
【請求項12】
前記底部分は、袋のロールを小出しするカセットを受け入れるようになった少なくとも1つのカセットコンパートメントを画定している、請求項11記載の廃棄物処分器具。
【請求項13】
前記カセットのうちの少なくとも1つをさらに有する、請求項12記載の廃棄物処分器具。
【請求項14】
前記底部分は、前記コンパートメント内の前記カセットのための解除可能な連結部を有する、請求項13記載の廃棄物処分器具。
【請求項15】
前記開口部の周囲は、前記ドアのうちの一方が前記第2の回動位置に動くのを阻止する当接部を有する、請求項1~14のうちいずれか一に記載の廃棄物処分器具。
【請求項16】
前記ドアのうちの一方を前記第1の回動位置から閉じ位置に向かって付勢する付勢部材をさらに有する、請求項15記載の廃棄物処分器具。
【請求項17】
前記インターフェースは、少なくとも1つのカラーである、請求項1~16のうちいずれか一に記載の廃棄物処分器具。
【請求項18】
外方に向いた状態で前記少なくとも1つのカラーに設けられた少なくとも1つのフックを有する、請求項17記載の廃棄物処分器具。
【請求項19】
前記カラーのうちの2つが前記開口部の互いに反対側に設けられている、請求項17または18記載の廃棄物処分器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、廃棄物処分器具と併用される形式のフィルム小出しカセット、特に悪臭のある廃棄物、例えばおむつやリター(litter)の処分のためのフィルム小出しカセットおよび廃棄物処分器具に関するが、これらには限定されない。
【背景技術】
【0002】
フィルム小出しカセットを備えた悪臭を抑えまたは閉じ込めるシステムを有する廃棄物処分器具が周知である。かかる廃棄物処分器具は、袋を有し、この袋は、典型的には、袋内の悪臭を閉じ込めるために所与の機構体によって封止される。米国特許第6,817,164号明細書(モフェット等(Mauffette et al.))および米国特許第7,406,814号明細書(モランド(Morand))は、かかる悪臭を閉じ込めるシステムを提案している。しかしながら、構造が簡単であり、しかもペダルによって開かれるというオプションを有することができる廃棄物処分器具を提供することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第6,817,164号明細書
【文献】米国特許第7,406,814号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本開示内容(本発明)の目的は、新規な廃棄物処分器具を提供することにある。
【0005】
したがって、本発明の目的は、廃棄物処分器具用の新規なフィルム小出しカセットを提供することにある。
【0006】
本発明の別の目的は、フィルム小出しカセットと廃棄物処分器具の新規な組立体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、本発明の実施形態によれば、廃棄物処分器具が提供され、この廃棄物処分器具は、頂端部に開口部を備えた容器を有し、容器は、開口部を通って接近可能な内側空所を画定し、容器は、開口部のところに設けられていて、袋をこの袋の閉鎖端部が内側空所内に延びる状態で容器の開口部のところで開かれた状態に保持するようになった袋インターフェースを有し、廃棄物処分器具は、開口部を通る出入り口を開閉するよう容器に回動可能に連結された1対のドアをさらに有し、ドアは、これらドア相互間を通る袋の一部分を封止するようになっており、ドアは、ドアが開口部を通る出入り口を閉じるようになった閉じ位置からドアを回動させて内側空所から遠ざけた第1の回動位置に回動可能であり、ドアのうちの少なくとも一方は、内側空所に向かって第2の回動位置まで回動可能であり、廃棄物処分器具はさらに、ドアのうちの少なくとも一方を閉じ位置に付勢するようドアのうちの少なくとも一方に作動的に連結された作動機構体を有する。
【0008】
さらに、実施形態によれば、例えば、蓋がドアを露出させまたは隠すよう容器に回動可能に取り付けられるのが良い。
【0009】
さらにまた、実施形態によれば、例えば、作動機構体は、ユーザによって作動可能なペダルを有し、作動機構体は、蓋を開閉するようペダルおよび蓋とインターフェースするリンク組立体を含む。
【0010】
さらにまた、実施形態によれば、例えば、リンク組立体は、ドアのうちの少なくとも一方がペダルを押したときに第1の回動位置まで回動するのを阻止する。
【0011】
さらにまた、実施形態によれば、例えば、リンク組立体は、内側空所内で全体として垂直方向に並進する第1のリンクを含み、第1のリンクは、蓋を変位させて開口部への出入り口を開くよう蓋に接触する頂部押圧端部を有する。
【0012】
さらにまた、実施形態によれば、例えば、第1のリンクは、ペダルに回動可能に連結されている。
【0013】
さらにまた、実施形態によれば、例えば、第2のリンクが回転自由度および並進自由度を提供する継手によって第1のリンクに連結され、第2のリンクは、ドアのうちの一方に回動可能に連結されている。
【0014】
さらにまた、実施形態によれば、例えば、継手は、少なくとも1つの組をなすフォロアと案内スロットである。
【0015】
さらにまた、実施形態によれば、例えば、第1のリンクは、蓋に接触する二叉端部を有する。
【0016】
さらにまた、実施形態によれば、例えば、少なくとも1つの付勢ユニットがリンク組立体を最も下方の位置に付勢してドアを閉じ位置に保つ。
【0017】
さらにまた、実施形態によれば、例えば、容器は、上部分および底部分を有し、上部分は、容器の内側空所への接近が可能であるように底部分から隔てられている。
【0018】
さらにまた、実施形態によれば、例えば、底部分は、袋のロールを小出しするカセットを受け入れるようになった少なくとも1つのカセットコンパートメントを画定している。
【0019】
さらにまた、実施形態によれば、例えば、カセットのうちの少なくとも1つが存在する。
【0020】
さらにまた、実施形態によれば、例えば、底部分は、コンパートメント内のカセットのための解除可能な連結部を有する。
【0021】
さらにまた、実施形態によれば、例えば、開口部の周囲は、ドアのうちの一方が第2の回動位置に動くのを阻止する当接部を有する。
【0022】
さらにまた、実施形態によれば、例えば、付勢部材がドアのうちの一方を第1の回動位置から閉じ位置に向かって付勢するのが良い。
【0023】
さらにまた、実施形態によれば、例えば、インターフェースは、少なくとも1つのカラーである。
【0024】
さらにまた、実施形態によれば、例えば、少なくとも1つのフックが外方に向いた状態で少なくとも1つのカラーに設けられている。
【0025】
さらにまた、実施形態によれば、例えば、カラーのうちの2つが開口部の互いに反対側に設けられている。
【0026】
本発明の別の実施形態によれば、フィルムを小出しするカセットであって、開口部、滑り軸受支持体および開口部と反対側に位置する変形可能な壁を備えたケーシングと、滑り軸受支持体によって回転可能に支持されたシャフトと、シャフト上に巻かれたフィルムのロールとを有するカセットが提供され、フィルムのロールの自由端部は、開口部を通って小出し可能であり、シャフト、滑り軸受支持体および変形可能な壁は、カセットに曲げ剛性をもたらすブレースを一緒になって形成し、シャフトは、フィルムのロールをシャフトから小出ししてカセットの曲げ剛性を減少させると、分離しまたは潰れる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の実施形態に係るフィルム小出しカセットと廃棄物処分器具の組立体の部分断面斜視図である。
【
図2】切り取りメンブレンを備えた
図1のフィルム小出しカセットの組立図である。
【
図3】切り取りメンブレンが省かれた状態の
図2のフィルム小出しカセットの斜視図である。
【
図4】フィルムが突き出た状態の
図2のフィルム小出しカセットの斜視図である。
【
図5】袋交換形態にある
図1の廃棄物処分器具の部分断面斜視図である。
【
図6】廃棄物処分形態にある
図1の廃棄物処分器具の部分断面斜視図である。
【
図7】別の視点から見た
図6の廃棄物処分器具の部分断面斜視図である。
【
図8A】さらに廃棄物処分ステップに沿う
図6の廃棄物処分器具の部分断面斜視図である。
【
図8B】
図8Aに示された廃棄物処分器具の拡大断面図である。
【
図9】
図1の廃棄物処分器具の作動機構体の分解組立図である。
【
図10】
図1の廃棄物処分器具中に挿入されているフィルム小出しカセットの下から見た斜視図である。
【
図11】
図1の廃棄物処分器具中に取り付けられた1対のフィルム小出しカセットの斜視図である。
【
図12】
図11の廃棄物処分器具中に取り付けられた1対のフィルム小出しカセットの断面図である。
【
図13】
図1の廃棄物処分器具の容器の頂壁の拡大斜視図である。
【
図14】
図1の廃棄物処分器具の蓋組立体を備えた容器の頂壁を示す図である。
【
図15】本発明の別の実施形態に係るフィルム小出しカセットと廃棄物処分器具の組立体の部分断面斜視図である。
【
図16】
図15のフィルム小出しカセットの縦断面斜視図である。
【
図17】ドアを備えた
図16のフィルム小出しカセットの斜視図である。
【
図18】ドアが省かれた状態の
図16のフィルム小出しカセットの斜視図である。
【
図19】フィルムが突き出た状態の
図16のフィルム小出しカセットの斜視図である。
【
図20】袋交換形態にある
図15の組立体の部分断面斜視図である。
【
図21】ドア係止形態にある
図15の組立体の部分断面斜視図である。
【
図22】廃棄物処分形態にある
図15の組立体の部分断面斜視図である。
【
図23】別の視点から見た
図22の組立体の部分断面斜視図である。
【
図24】本発明の廃棄物処分器具のペダルの斜視図である。
【
図25】前側ペダル部材が後側ペダル部材とは独立して回動した状態の
図24のペダルの斜視図である。
【
図26】
図24のペダルの斜視図であり、
図2のカセットを滑らせてこれが係合状態になっている状態を示す図である。
【
図27】
図24のペダルの斜視図であり、カセットをペダルに係合させた状態を示す図である。
【
図28】
図24のペダルの斜視図であり、前側ペダル部材がカセットを空にしたときに後側ペダル部材とは独立して回動した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図面を参照し、特に
図1を参照すると、廃棄物処分器具(以下、「器具」)が全体を符号10で示されている。器具10は、ごみ入れ、バケツ、ごみ箱、屑入れなどと呼ばれる場合がある。器具10は、任意適当な種類の廃棄物に使用でき、かかる廃棄物としては、おむつ、汚れたリター、食料などが挙げられる。器具10は、管状袋(
図2)を形成することができるフィルムを小出しするフィルム小出しカセット(以下、「カセット」)20を用いる形式のものである。任意他の適当な形式の袋ディスペンサもまた、器具10と併用することができる。さらに、カセットという表現は、アイテム20を説明するための幾つかある中の1つであり、他の表現は、カートリッジ、リフィルなどを含む。器具10は、容器30、蓋組立体40および作動機構体50を有する。
【0029】
容器30は、器具10の構造体をなし、廃棄物を収容した管状袋を受け入れるとともに隠す。容器30は、図示の形状には限定されない。任意適当な幾何学的形状もまた想定される。
【0030】
蓋組立体40は、容器30の頂開口部を開閉し、廃棄物は、この頂開口部を通って器具10によって支持されている袋中に投げ込まれる。
【0031】
作動機構体50は、蓋組立体40を開閉するとともに悪臭を袋内に閉じ込めるために袋を封止する1対のジョーと相互作用するよう手動で(例えば足で)作動される。ジョーは、蓋組立体40の蓋を閉じると袋が閉じられるようにするよう構成されているのが良い。
【0032】
図2~
図4を参照すると、カセット20が詳細に示されており、その諸部分が20番台で示されている。カセット20は、細長い形状を有するケーシング21または本体を有する。ケーシング21は、互いに連結された1つまたは2つ以上の部品から成るのが良い。図示の実施形態では、ケーシング21は、カバー22および入れ物23を有する。カバー22は、全体として、本明細書において説明するように用いられるとカセット20の上側部品であり、入れ物23は、使用時にはカセット20の底部品である。しかしながら、貯蔵の際や棚に載せる際、カセット20は、逆さまであっても良く、すなわち、カバー22は、底部に位置し、他方入れ物23は、上部分であっても良い。一実施形態では、カバー22は、1対のパネル22A,22Bで作られている。パネル22A,22Bは、扁平であるのが良いが、これはオプションである。
図3および
図12で理解されるように、パネル22Bは、内方当接体を構成するよう外部から見て凹状であるのが良い。内方当接体は、以下に詳細に説明するようにフィルムがカセット20から引き出されるときにロール25を掴むエッジを構成するのが良い。1対のパネル22A,22Bが存在する場合、フィルムがケーシング21の内部から逃げ出るようにするためにスリット22C(チャネル、細長い開口部とも呼ばれている)がパネル相互間に構成されるのが良い。開口部22Dもまた、例えば人の指がフィルム25の自由端部をつまむことができるようにするのに足るほど広くパネル22A,22B相互間に形成されている。一実施形態では、カバー22は、パネル22A,22Bを有する場合の代替手段として、一体成形された一体品でもあって良い。一実施形態では、パネル22A,22Bは、一体ヒンジがパネル22A,22Bと入れ物23との間の接合部のところに形成されるような仕方で入れ物23と一緒に成形される。これにより、例えばロールのフィルムをケーシング21の内側空所中に挿入することができる。次に、パネル22A,22Bを
図2の配置に合わせて閉じ、そして入れ物23に固定するのが良い(一体ヒンジのところでの動きを阻止するために)。超音波溶接、接着、溶接、はんだ付けがパネル22A,22Bを入れ物23に固定するためのオプションである。
図4に示されているように、フィルム25は、スリット22Cを通過するのが良いが、これはまた、これに代えて、開口部22Dだけを通過しても良い。カセット20は、スリット22Cおよび開口部22Dの一方のみを備え、両方を備えないのが良い。フィルム25を把持するために開口部22Dが設けられていない場合、その自由端部は、スリット22Cを通って開口部21から突き出るようあらかじめ配置されるのが良い。
【0033】
依然として
図2~
図4を参照すると、入れ物23は、この形状が中空であることにより、ケーシング21の内側空所を形成する。入れ物23は、カバー22と一緒になってカセット20の露出状態の周辺表面材の大部分を形成する壁23Aを有する。入れ物23は、図示していないが滑りジャーナル軸受を備えるのが良い。
【0034】
図2を参照すると、袋またはフィルムのロール25を支持したシャフト24がケーシング21内で自由に回転することができるものとして示されている。シャフト24は、コアとも呼ばれる場合がある。シャフト24は、任意適当な断面の中空管またはロッドであるのが良い。例えば、シャフト24は、プラスチック、厚紙などで作られる。別の実施形態では、フィルム25は、それ自体丸められ、この場合、シャフト24はなんら用いられない。フィルム、袋、管などの表現は、ロール25の特徴を述べるために使用できる。一実施形態によれば、ロール25は、端と端をつないだ管状フィルムで作られている袋を有し、ロール25の自由端部は、袋の開口端部によって形成されている。以下の説明で理解されるように、カセット20は、器具10の底部に納められるのが良く、ロール25のフィルムは、ロール25の残部に連結されたままの状態で、上方に引き出されて器具10の頂部に対して開かれた状態で吊り下げられる。ロール25の他端部は、シャフト24(もし設けられている場合)に巻き付けられる。ロール25の他端部は、シャフト24に対して非連結状態であるのが良い。ロール25の他端部をシャフト24に取り付けるために保持手段、例えば接着剤、テープ、またはシャフト24に設けられたスリットまたはグリッパが設けられるのが良い。カセット20は、袋のロール25なしで設けられても良く、ユーザは、ケーシング21を開いて袋の交換ロール25を挿入する。
【0035】
図2~
図4を参照すると、カセット20は、リム26を有するのが良い。リム26は、カセット20が用いられる場合、カセット20の周囲のところ、例えば頂部周囲のところに形成される。リム26は、入れ物23を越えて延びるカバー22の一部分から成るのが良い。変形例として、リム26は、カバー22を越えて延びる入れ物23のフランジ部分から成っていても良い。
図2~
図5に示されているように、リム26は、カバー22の一部分と入れ物23の底部のところに設けられたフランジの両方の組み合わせであるのが良い。リム26は、連続しているものとして示されているが、ケーシング21の周りに連続しまたは不連続である多くのセグメントを有するのが良い。リム26はまた、肩、フランジ、リップ、ストリップなどと呼ばれる状態で知られている場合がある。
【0036】
図2を参照すると、カセット20は、開口部22Dを保護するカバーフラップ27を有するのが良い。カバーフラップ27は、カバー22および/または包装材によって構成されるのが良い。一実施形態では、カバーフラップ27の一部は、カバー22の残部から引きちぎられるのが良い。この目的のため、引き裂き線27Aがカバー22の残部(例えば、パネル22A,22Bのうちの一方)に対してフラップ27を境界付けるのが良い。引き裂き線は、フラップ27の取り外しを容易にするカバー22の壁に設けられた薄いウェブまたは一連のミシン目であるのが良い。一実施形態では、ユーザがフラップ27を掴むために窓が設けられるのが良い。別の実施形態では、ドアが設けられておらず、カバー22の壁が開口部22Dのところで単に開かれている。変形例として、開口部を一時的に閉鎖するために(例えば、ドアが設けられていない場合)別のコンポーネント、例えばラベル、プラスチックフィルム、包装材などが設けられても良い。例えば、インナーモールドラベリング(inner mold labelling:IML)材料がケーシング21を包むとともに開口部22Dの少なくとも一部分を覆うフラップ27を形成する。IML材料27には、開口部22Dと位置が合った状態で、引きちぎられるための既定の引き裂きストリップ27Aが設けられるのが良く、それによりフィルム25への接近が可能である。一実施形態では、カバー22および入れ物23は、フラップ27(設けられている場合)を含む一体成形型一体品であるのが良い。IML材料は、一体品と同時成形されても良くあるいは、それどころか、IML材料がカバー22および入れ物23と一体であるので、一体性状に寄与するものとみなされても良い。
【0037】
カセット20を説明したからには、カセット20からのフィルムの展開について説明する。カセット20がフラップ27または
図2の場合のように開口部22Dを覆う包装材または同様なメンブレン(例えば、IML材料)付きで売られている場合、フラップ27、包装材またはメンブレンを取り外してカセット20の内部、特にフィルム25を露出させる。フィルム25の自由端部をフラップ27、包装材、またはメンブレンにつなげる(例えば、テープ止めする)のが良く、その結果、フィルム25の自由端部が引っ張られるようになっている。次に、フィルム25の自由端部を
図4に示された仕方でスリット22Cおよび/または開口部22Dを経てケーシング21から出すのが良く、その結果、フィルムをケーシング21から引き出すことができる一方で、フィルム25の残部はケーシング21内に位置したままである。
図4に示されているように、フィルム25は、フィルムの折り畳みロールであっても良く、2つの折り畳み線は、一例として設けられている。フィルム25の自由端部は、開口端部である。
図12に示されているように、カセット20を内方取り付け体がフィルム25の出口方向と反対側に位置するように差し向けるのが良い。例えば、
図12では、フィルム25をより中央の場所(2つのカセット20相互間)から引き出す。したがって、ロール25を引っ張ったときに内方当接体に押し付けるのが良い。内方当接体は、フィルムをスリット22Cから出る前にロール25から押し出すデフレクタとしての役目を果たすことができる。
【0038】
図1および
図10~
図12を参照すると、容器30は、底部分31および上部分32を有するのが良く、これら部分は、容器30の内部への接近を可能にするよう分離可能であっても良くそうでなくても良い。底部分31は、器具10が用いられているときに地面または床上に載る。開口部31Aが底部分31の外面に設けられるのが良く、その結果、作動機構体50のペダルが開口部31Aから突き出ることができるようになっている。開口部31Aは、作動機構体50のペダルを作動可能に収容する空所31B中に開口している。ペダルを回動可能に支持するため、
図10で理解されるように、底部分31は、ピボット支持体31C(1つが示されているが、底部分31は、一実施形態ではこれを通る対称面を有する)を有するのが良い。それゆえ、ピボット支持体31Cが考えられる一実施形態として滑り軸受として作用するために鏡像関係にあるピボット支持体が設けられるのが良い。ピボット支持体31Cは、カセット20およびペダルを載せた状態で受け入れるマウント31Dの一部であるのが良い。底部分31Aの種々のコンポーネントは、単一部品に一体成形されても良くあるいは多くの部品で構成されても良い。
【0039】
底部分31は、カセット20を受け入れる1つまたは2つ以上のコンパートメント31D(2つが図示されている)をさらに有するのが良い。コンパートメント31Dは、カセット20を受け入れるとともに解除可能に支持するフレーム31Fを形成することができる。例えば、片持ちアーム31Eがリム26を介してカセットを保持するスナップ嵌め構造体を形成するのが良い。アーム31Eに加わる指圧がカセット20を底部分31から解除する上で十分であるといえる。かかるアーム31Eのうちの1つまたは2つ以上が設けられるのが良い。コンパートメント31Dは、底部分31(
図10)の下側を経て接近可能であるのが良く、窓31Gがフィルムを容器30(
図11)の内部中に展開することができるようにするために設けられている。カセット20は、カセット20が互いに平行な状態で(例えば、ロール25の回転軸線に対して)並置状態にあるのが良い。
【0040】
容器30はまた、単一の管状ユニットであっても良い。他の構成例、例えばファブリックの管もしくはスリーブまたは構造ビームを覆うパネル用材が想定される。開口部33が容器30の頂部のところに位置している。開口部33は、袋の廃棄物の処分のために容器30の内部への接近を可能にする。
【0041】
図5、
図13および
図14を参照すると、上側カラー34が開口部33の少なくとも一部を境界付け、かかる上側カバーは、蓋組立体40と容器30との間のインターフェースであるのが良い。カラー34が示されているが、他の構成、例えば単一のUカラーまたは環状カラーが想定される。袋フック34Aが開口部33の付近で上側カラー34の上方に向いた表面上に(すなわち、開口部33と反対側の側部上に)設けられるのが良く、かかる袋フックは、カセット20により小出しされる袋のための取り付け部としての役目を果たす。この実施形態では、袋フック34Aのうちの4つが容器30内に存在する(2つが見える)が、1つまたは2つ以上のカラー34についてこれよりも多いまたは少ない袋フックが設けられても良い。4つの袋フック34Aは、開口部33のコーナー部のところに位置するのが良く、この開口部は、角丸四角形(squircle)または楕円形の形をしている。開口部33が丸形の場合、袋フック34Aは、多くの他の実施例のうちで0°/90°/180°/270°または0°/120°/240°のところに分布して配置されるのが良い。一例として、2つの半径方向反対側の細長い袋フック34Aが設けられるのが良い。袋フックの代替手段として、容器30は、バッグの取り付けのためにそのカラー34を利用するのが良く、袋の頂部は、カラー34上に折り返されて摩擦によって保持される。フック34Aは、リップまたはフランジの形態を取るのが良い。袋のインターフェースは、カラー34および/またはフック34Aとして示されているが、袋のための他のインターフェースとしては、ピン、グリップ、プライヤ、ボア、ピンおよびボアステップ、単一のカラーなどが挙げられる。
【0042】
図5、
図13および
図14を参照すると、上側カラー34は、1対のU字体を備えた壁35の頂部のところに位置するのが良く、1対のU字体は互いに向かい合うとともにこれらの間に開口部33を形成している。壁35は、例えば上部分32の一部として一体成形部品であるのが良く、以下に説明する多くのコンポーネントのための機能的支持体として作用する多くの特徴を備えている。ヒンジ付きドア支持体35Aが後で説明するようにドアをヒンジ式に支持するために開口部33に隣接して壁35に設けられるのが良く、かかるヒンジ付きドア支持体は、開口部33からの容器30の内部への出入り口を閉じまたは開き、他方、袋は、悪臭を袋内に閉じ込めるために閉鎖状態に閉じる。ヒンジ式ドア支持体35Aがピボット入れ物であるとして示されているが、ピボットおよび/またはピボット穴を含むのが良い。壁35はまた、当接または停止部として作用し、ドアのうちの1つが下方に回動するのを阻止するために開口部33の周囲に設けられた肩35Bをさらに備えるのが良い。
【0043】
ヒンジ式蓋支持体35Cがこれまた開口部33からの容器30の内部への出入り口を閉じまたは開くよう蓋組立体40を回転可能に支持するために容器30の外面に隣接して上部分32に設けられるのが良い。ヒンジ式蓋支持体35Cは、一実施形態としてピボット部材を備えたポストまたはコラムの形態をしているのが良い。また、蓋組立体40の回動により、器具10の種々のコンポーネントを露出させることができる。ヒンジ式蓋支持体35Cは、図示のようにピボットおよび/またはピボット穴を有するのが良い。
【0044】
保持部材35Dが
図1の閉鎖部分内に蓋組立体40を解除可能に保持するためにヒンジ式蓋支持体35Cと反対側の上部分32の側部に設けられるのが良い。戻り止め機構体が保持フィンガ35Dと協働して蓋組立体40を閉鎖状態に保つのが良く、これについては以下において説明する。変形実施形態では、保持部材35Dは、弾性変形による付勢作用によってヒンジ式蓋支持体35Cを保持する片持ち形式のものであるのが良い。アーム35E(
図5)が容器30の上部分32、例えば壁35から容器30の内側空所中に突き出るよう設けられるのが良く、このアームは、ドアを以下に説明するように閉鎖状態に維持するのを助けることができる。
【0045】
図1および
図6~
図9を参照すると、蓋組立体40は、環状基部41を有する。環状基部41の幾何学的形状は、カラー34を含め容器30の上部分32の上端部の幾何学的形状と相補している。したがって、蓋組立体40の環状基部41は、容器30の上端部上、例えば壁35上に載せられる。環状基部41は、その下方に開いた環状空所内でカラー34を隠すとともに覆うよう
図1の場合と同様に、スカート状本体を有するのが良い。図示の実施形態では、環状基部41は、例えば
図1の閉じ配向状態から
図6の開き配向状態に回動するようヒンジ式蓋支持体35Cに連結されている。環状基部41は、相補形状のヒンジ継手コンポーネント41A、例えばピボット穴、ピボットなどを有する。
図9に示されているように、ばねを備えた戻り止め41Bが保持部材35Dに解除可能に結合するよう設けられるのが良い。他の相互連結手段、例えば圧力嵌め、連結迅速システム、螺合方式などが想定される。環状基部41は、例えば、袋をカラー34に取り付けたりこれから取り外したりするよう
図6の開き配向状態まで回動可能である。さらに、突出部41C(
図5)がフィルムを突出部41Cとフック34Aとの間に保持するためにフック34Aと向かい合ってかつこれに近接して位置決めされるのが良い。突出部41Cは、対をなす壁であるのが良い。
図7、
図8Aおよび
図8Bで理解されるように、環状基部41は、漏斗状部分41Dを有するのが良い。漏斗状部分41Dは、廃棄物が開口部33の方へ差し向けられるようにする。さらに、漏斗状部分41Dは、以下に説明するようにコンポーネントのうちの幾つかを閉じるのを助けるよう波形パターンを有するのが良い。
【0046】
蓋42がヒンジ部材43によって容器30の上部分32または環状基部41に回動可能に連結されている。一実施形態では、ヒンジ部材43もまた、ヒンジ式蓋支持体35Cに作動可能に連結されている。したがって、蓋42は、
図5~
図8に示されているような開き位置と
図1に示されているような閉じ位置との間で回動することができる。閉じ位置では、蓋42は、開口部33を閉塞する。開き位置では、開口部33は、露出されそれによりユーザは、廃棄物を器具10内の袋の中に投げ込むことができる。蓋42は、環状基部41の残部から独立して回動することができる。一実施形態では、環状基部41と蓋42の両方がヒンジ式蓋支持体35Cに回動可能に連結されているので、蓋42の回転軸線と環状基部41の回転軸線は同軸である。
【0047】
図1および
図5~
図9を参照すると、作動機構体50は、ユーザによってペダル51とインターフェースされたリンク装置(すなわち、リンクおよび継手)から成る。ペダル51は、考えられる一形態としてそのピボット形成体51Aにより容器30の底部分31に回動可能に連結されている(別個のピボットがもう1つのものである)。ペダル51の前側部分は、容器30の前側から外方に突き出ていて、地面の近くに位置し、それにより、ユーザは、ペダル51の露出部分を単に押すだけで器具10の蓋42を開くことができる。器具10は、ハンドレバーなどのような別のインターフェースを備えても良い。したがって、作動機構体50は、1つまたは2つ以上のリンクおよびこれらの間の継手を含むリンク組立体を有し、これらリンクおよび継手は、蓋42の開放を生じさせるとともに以下に説明するドアに作用する。
【0048】
一実施形態によれば、第1のリンク52が容器30の内部でペダル51の後側部分に連結されている。この連結部は、図示のようにピボット連結部であるのが良いが、並進連結部もまた使用できる。第1のリンク52は、容器30に設けられた構造コンポーネント、例えば底部分31および上部分32に設けられた開口部に連結されるのが良く、それにより並進運動(すなわち上下運動)に制限される。したがって、
図6に示されているようにペダル51の前側部分を下方に押すことによって、第1のリンク52は、上方に動く。次に、ペダル51を解除すると、第1のリンク52は、例えば重力により下方に動く。ばね52′(
図7)がオプションとして、第1のリンク52を下方に引き下げるよう設けられるのが良い。第1のリンク52を単一のセグメントまたは例えば嵌合連結方式により組み立て可能な多数のセグメント(2つが示されている)で作ることができる。
【0049】
依然として
図1および
図6~
図9を参照すると、第1のリンク52は、蓋押圧端部52Aを有する。蓋押圧端部52Aは、蓋42にその回転軸線に隣接したところで接触する。端部52Aは、端部52Aを構成するカム面を備えた二叉フォークの一部であるのが良く、ただし、単一の端部52Aもまた設けられても良い。端部52Aは、壁35に設けられた開口部から突き出るのが良く、かかる開口部は、端部52Aが並進状態で動くようにすることができる。二叉フォークは、考えられる一構成例である。他の実施形態が想定される。
【0050】
二叉フォークはそれゆえに、空所を画定している。案内スロット52Bが二叉フォークの空所中に形成されるのが良い。したがって、第1のリンク52の上方運動の結果として、蓋42に対する端部52Aの押圧作用によって蓋42が開く。同様に、第1のリンク52の下方運動により、端部52Aの引っ込み運動により閉じ位置に向かう蓋42の運動が生じる。
【0051】
ペダル51の運動を蓋42に伝達することに加えて、作動機構体50はまた、袋を閉じ状態に封止する作用効果をドア53A,53Bに加えることも可能である。ドア53A,53Bは、フラップ、トラップ、ジョーとも呼ばれる場合がある。ドア53A,53Bは、相補形状のピボット継手コンポーネント(例えば、ピボットおよび/またはピボット穴)によってヒンジ式ドア支持体35Aに回動可能に取り付けられている。付勢部材53A′、例えばばねがドア53Aを付勢するために設けられるのが良い。一実施形態では、付勢部材53A′は、ドア53Aを
図5の回動位置に付勢するのが良い。一実施形態では、付勢部材53A′は、変形例として、ドア53Aを
図1の閉じ位置に付勢しても良い。ドア53A,53Bの回転軸線は、器具10が床の上に位置しているとき、全体として水平であるのが良い(例えば、±10°、ただし、角度はより大きくても良い)。ドア53A,53Bの回転軸線は、互いに平行であるのが良い。さらに、ドア53Aは、肩35Bに当接するのが良く、それにより、ドアは、オプションとしての特徴として、肩35Bを越えて下方に回動することができない。ドア53A,53Bは、互いに接触するよう寸法決めされておりそれにより開口部を通過した袋(例えば、カラー34に取り付けられている)を閉じる。
図1は、考えられる一構成例において、ドア53Aに設けられていて、ドア53Bの縁部分を受け入れる溝を示している。
【0052】
第2のリンク54が第1のリンク52のドア53Bにインターフェースしている。第2のリンク54は、その端部のうちの一方に設けられたピボット54Aおよびその端部のうちの他方のところに設けられたフォロア54Bを有する。ピボット54Aは、ドア53Bに回動可能に連結され、それにより回動連結部が形成されている。ピボット連結部は、ドア53Bと壁35とのピボット連結部に隣接して位置するのが良い。第2のリンク54は、フォロア54Bが案内スロット52B内に受け入れられた状態で、第1のリンク52の二叉フォーク内に嵌め込まれるのが良い。したがって、フォロア54Bは、案内スロット52B内で回転するとともに/あるいは並進することができる。図示の対に代えて、単一の組をなす案内スロット52Bとフォロワ54Bもまた使用できる。
【0053】
次に、第1のリンク52とドア53Bと第2のリンク54との作動的相互作用について説明する。開始時点として、ドア53A,53Bは、互いに当接し、袋をこれらの間に閉じ、そしてこれらの一体形ピボット部分(考えられる一形態である)により壁35に回動可能に取り付けられる。
図6および
図7を参照すると、ユーザは、リターを袋の中に捨てるためにペダル51を押すのが良い。その結果として、第1のリンク52は、上方に動く。蓋押圧端部52Aは、圧力を蓋42に加え、蓋42は、
図6および
図7に示された位置まで上方に回動する。その時点で、フォロア54Bは、リンク52の案内スロット52Bの底部に位置する。ばね55または同様な付勢部材(例えば、重力)は、ドア53Bが
図6の場合のように閉鎖状態のままであるようにすることができる。圧力をドア53Bに下方に加えた場合、例えば、廃棄物をドア53Bの頂面に落とした場合、ドア53Bは、例えば設けられている場合にはばね55の作用に抗して、下方に回動して廃棄物を容器30内の袋の底部に落下させることができる。一実施形態では、ドア53Aは、ドア53Bが下方に回動したときには動かない。フォロア54Bは、その結果、案内スロット52B内で上方に動くことになる。
図8Aは、案内スロット52Bの頂部とのフォロア54Bの接触状態を示しており、スロット52Bは、かかる場合には当接停止部として作用する。ペダル51への圧力が除かれた場合、第2のリンク54と第1のリンク52との間のばね55は、ドア53Bを付勢して
図1のその位置に戻し、それによりドア53A,53B相互間の袋を閉じ、その結果、悪臭が袋から出るのを阻止することができる。また、ペダル51への圧力の解除の結果として、第1のリンク52の下方運動が生じ、かくして蓋42が閉じる。作動機構体50を用いた廃棄物の処分ステップ全体を通じて、ドア53Aは、その定位置に位置したままである。
【0054】
ペダル51を押し下げると、蓋42が持ち上げられ、それにより開口部33およびドア53A,53Bが露出され、これらドア53A,53Bは、閉じ位置(ただし、閉じ配向状態という表現もまた使用できる)にある。ばね52′により、作動機構体50の付勢力をドア53A,53Bに加えることができ、それによりドア53Aとドア53Bが互いに当接する。フォロア54Aをスロット52Aの端部によって押すのが良い。ユーザは、その結果、物体を投げ捨てることができる。物体の重量は、ばね55または同様な付勢機構体の付勢作用よりも大きいのが良く、それにより、ドア53Bは、物体を通すよう一時的に開く。これを1つの回動位置(ただし、回動配向状態という表現もまた使用できる)という場合がある。物体がドア53をいったん越えて袋の中に入ると、ドア53Bは、ドア53A(
図1)に当接する閉じ位置に戻り、そしてドア相互間で袋を締め付ける。ペダル51を解除すると、第2のリンク54は、ばね55によって引っ張られるにつれて下方に動き、それにより圧力をドア53Bに及ぼしてドア53Bが
図1に示された仕方でドア53Aに押し付けられる。
【0055】
袋が一杯になって交換が必要とされる場合、ペダル51を押さないで蓋組立体40全体を
図5の場合のように遠くへ回動させる。これにより、フック34Aに取り付けられている袋の頂端部が露出する。袋の頂端部をフック34Aから取り外し、そして上方に引き上げるのが良い。漏斗状部分41Dがもはやドア53Aに圧接しないので、ドア53Aは、
図5の回動位置に動くことができる。ドア53の場合と同様、フォロア54Bは、スロット52Bの頂部のところに位置し、このフォロアは、自由に下方に動くことができる(ドア53Bが上方に回動している間)。したがって、袋に加わる上向きの引っ張り力により、ドア53A,53Bが別の回動位置(ただし、回動配向状態という表現もまた使用できる)において
図5の場合のように上方に回動する。一実施形態では、ドア53A,53Bを回動させて
図5の場合のように空所から遠ざけるため、リンク52,54相互間の協調がストッパとして作用する場合があるのでペダル51を解除しなければならない。したがって、袋を上方引っ張り力によって容器30から取り外すのが良い。袋は、ロール25または同様な取り付け状態の袋のシーケンスの一部なので、次の袋をカラー34の高さ位置まで同時に引き上げる。一杯になった状態の袋をロール25からいったん取り外すと、ロール25中の次の空の袋をカラー34に取り付けるのが良い。
【0056】
ドア53A,53Bを閉じて別の袋をいったん袋インターフェース(例えば、カラー34)に取り付けると、ドア53Aが肩35Bとのその当接により容器30の内側空所の内方に回動しない場合、ドア53Bがドア53Aの下に位置するよう一連の作用が起こることになる。ドア53Bをばね55および重力の作用によって、およびオプションとして環状基部41の接触によって下方に押圧するのが良い。これが起こっている間、ドア53Aは、ばね53A′によって上方に保たれる。次に、漏斗状部分41Dは、ドア53Aに接触し、そしてこれを閉じ位置に回動させる。一実施形態では、閉じ位置では、ドア53Aは、肩35Bと漏斗状部分41Dの縁との間にサンドイッチされ、それにより
図8Bに示されているように閉じ位置のままである。
【0057】
したがって、作動機構体50は、2つまたは3つ以上の相互連結リンクを含むのが良い。一実施形態では、ペダル51と第1のリンク52は、少なくとも1つの自由度(DOF)を提供する継手によって互いに連結されている。一実施形態では、継手は、回転DOFをもたらす。第1のリンク52は、蓋42には物理的には結び付けられておらず、これとは異なり、その代わり、蓋42のその端部52A上に浮動させることができる。第1のリンク52と第2のリンク54は、2つ以上のDOFを備えた継手によって互いに連結するのが良い。一実施形態では、2つのDOFは、回転DOFおよび並進DOFである。並進DOFは、ばね55によって付勢されるのが良い。第2のリンク54とドア53Bは、回転DOF(それよりも多くはない場合)を備えた継手によって連結されるのが良い。回転DOF継手は、ドア53Bと壁35との間のピボット連結部の外方に配置されるのが良い。ドア53A,53Bは各々、回転DOF継手によって壁35に連結されるのが良い。
【0058】
次に、
図10~
図12を参照すると、1対のカセット20が底部分31内に受け入れ可能な状態であることが示されている。器具10は、単一のカセット20と協働することができるが、2つのカセット20が設けられていると、組立体の能力が2倍になる。一実施形態では、第1のカセット20が空になると、その後に第2のカセット20が用いられる。底部分31は、カセット20が図示の仕方で、すなわち、中心に向かう内方当接体により差し向けるようにするための内方突出部を有するのが良い。
【0059】
他の実施形態としては、ドア53について異なる形状が採用されること、ドア53の両方が下方に動くことができること、単一のドア53が設けられること、管状フィルム25のためにEVOHが用いられること、カセット20が用いられず、その代わりに一体形袋とともに器具10が用いられること、カセット20の一部ではない袋ロールとともに器具10が用いられること、別の形式の器具10、例えばドアがなく、しかも作動機構体50が設けられていないバケツ内にカセットが用いられることが挙げられる。
【0060】
したがって、作動機構体50は、開いた袋25がカラー34に取り付けられるとともに容器30内に延びた状態で、
図1に示されたような平衡状態を有することができる。平衡状態では、ドア53Aとドア53Bは、袋がドア53A,53B相互間で閉じられた状態で閉じ位置において互いに当接する。ばね52′,55を含む作動機構体50の種々のばねは、ドア53Bがドア53Aに当接する閉じ位置のままであるようにするのを助けることができる。ばね53A′はまた、この平衡状態に寄与することができる。さらに、リンク52に加わる重力により引っ張り力をドア53Bに及ぼすことができる。スロット52Bの頂部をフォロア54Aに圧接させることによって、ドア53A,53Bは、これらの間で袋を締め付ける。一実施形態では、カセット20は、長期間にわたって十分な量のフィルムを提供し、それにより必要な交換用カセットを少なくすることができる。
【0061】
作動機構体50のペダル51を押すと、蓋42が上方に開き、例えば第1のリンク52および第2のリンク54を含むリンク装置組立体は、もはや、ドア53Bがばね55の作用による以外には下方に回動するのを保持することはない。しかしながら、ドア53Bに加わる廃棄物の重量および/または手の圧力は、ドア53Bを容器30の内方の回動位置に容易に回動させることができる。さらに、ドア53A,53Bの両方を
図5に示されているような開き回動位置に回動可能にすることによって内容物の入った袋を開口部33のこの無視することができない領域または断面によって容器から引き出すことができる。これにより、ユーザは、器具10を頂部から空にすることができる。
【0062】
図面を参照し、特に
図15~
図28を参照すると、本発明の別の実施形態に係る廃棄物処分器具(以下、「器具」という)が全体を符号110で示されている。器具110は、管状袋を形成することができるフィルムを小出しするフィルム小出しカセット(以下、「カセット」)120を用いる形式のものである。任意他の適当な形式の袋ディスペンサもまた、器具110と併用することができる。器具110は、容器130、蓋組立体140および作動機構体150を有する。
【0063】
容器130は、器具110の構造体をなし、廃棄物を収容した管状袋を受け入れるとともに隠す。容器130は、図示の形状には限定されない。任意適当な幾何学的形状もまた想定される。
【0064】
蓋組立体140は、容器130の頂開口部を開閉し、廃棄物は、この頂開口部を通って器具10によって支持されている袋中に投げ込まれる。
【0065】
作動機構体150は、蓋組立体140を開閉するとともに悪臭を袋内に閉じ込めるために袋を封止する1対のジョーと相互作用するよう手動で作動される。ジョーは、蓋組立体110の蓋を閉じると蓋が閉じられるようにするよう構成されているのが良い。
【0066】
図16~
図19を参照すると、カセット120が詳細に示されており、その諸部分は、120番台で示されている。カセット120の内部が
図16に示されている。カセット120は、細長い形状を有するケーシング121または本体を有する。ケーシング121は、互いに連結された1つまたは2つ以上の部品から成るのが良い。図示の実施形態では、ケーシング121は、プレート122およびカバー123を有する。プレート122は、本明細書において説明するように使用時においては全体としてカセット120の底部分である。プレート122は、全体として扁平な部分122Aを有し、その結果、その下面は、平面状の摺動面を形成するようになっている。1対の支持体122Bが平坦部分122Aから上方に突き出ている。支持体122Bは、以下に説明するように滑りジャーナル軸受を備えるのが良い。支持体122Bのうちの一方または両方は、溝122Cを有するのが良い。一実施形態では、プレート122は、平坦部分122A、支持体122Bおよび溝122Cを含む一体成形された一体形部品であるのが良い。プレート122が相対的に薄くしかもポリマー、厚紙などで作られている場合があるので、このプレートは、変形能力を備えることができ、これは
図16のその平べったい状態から曲がることができるともいうことができる。曲げは、良好な運動範囲に関して弾性変形であるのが良い。
【0067】
依然として
図16を参照すると、カバー123は、その中空形状によって空所を形成している。カバー123は、プレート122の扁平部分122Aと一緒になってカセット120の露出周辺表面材の大部分を形成する壁123Aを有する。支持体123Bが壁123Aから内方に突き出ていてこれら支持体は、プレート122の支持体122Bと面と面を合わせるとともにこれと対をなすよう配置されている。1つの支持体122Bと1つの支持体123Bの各対は、シャフトを回転可能に支持する滑りジャーナル軸受を構成し、その結果、シャフトは、それ自体回転することができるようになっている。滑りジャーナル軸受相互間の壁123Aの一部分は、壁123Aの残部から引きちぎり可能なドア123Cであるのが良い。この目的のため、引き裂き線123Dが壁123Aの残部に対してドア123Cを境界付けるのが良い。引き裂き線123Dは、ドア123Cの取り外しを容易にする壁123Aに設けられた薄いウェブまたは一連のミシン目であるのが良い。一実施形態によれば、
図17に示されているように、ユーザがドア123Cを掴むために開口部123Eが設けられるのが良い。別の実施形態では、ドアが設けられておらず、壁123Aが引き裂き線123Dのところで単に開かれている。変形例として、開口部を一時的に封止するために(例えば、ドアが設けられていない場合)別のコンポーネント、例えばラベル、プラスチックフィルム、包装材などが設けられても良い。
図18および
図19は、ドア123C(設けられている場合)がいったん取り外された場合の開口部123Eの寸法の広がり状態を示している。開口部123Eは、プレート122までまたはこの近くに延びている。一実施形態では、壁123Aの小さなウェブが残っている。一実施形態では、カバー123は、壁123A、支持体123B、およびドア123C(設けられている場合)を含む一体成形された一体品であるのが良く、ただし、他の構成例が考慮される。
【0068】
図16を参照すると、袋またはフィルムのロール125を支持したシャフト124が滑りジャーナル軸受によって回転可能に支持された状態で示されており、シャフト124は、それ自体、回ることができるようになっている。シャフト124は、その端部のところまたはその近くに1対のフランジ124Aを有するのが良い。シャフト124は、相補形状のインターフェース部材124Bによって相互に連結された2つのシャフト部分で形成されるのが良い。一実施形態によれば、フランジ125Aおよびインターフェース部材124Bを含む2つのシャフト部分は、互いに同一であり、それにより、シャフト124は、2つの同一部品で作られている。この部品は、成形されても良く、あるいは任意他の仕方で製作されても良い。
【0069】
インターフェース部材124Bは、フック状の形をしているのが良く、フック表面124Cが互いに接触している。一実施形態によれば、フック表面124Cの角度は、インターフェース部材124B相互間の相互連結を促進するよう所与の範囲内にある。角度範囲をシャフト124の長手方向軸線Xに対しかつ長手方向軸線Xを垂線とする平面について述べることができる。平面は、
図16ではYとして概略的に示されている。
図16においてθとして示されている角度は、一実施形態では、0°~45°である。角度θはまた、45°を超えていても良い。インターフェース部材124Bのかかる形態の結果として、シャフト124の2つの部分は、厳密に長手方向軸線Xに沿って引っ張り力によっては互いに引き離されることはなく、シャフト124の幾つかの部分に加わる半径方向力の結果として、シャフト124がその2つの部分に分離することができる。
【0070】
組立状態のシャフト124上のフランジ124Aからフランジ124Aまでの長さは、シャフト124がその長手方向軸線Xに沿って動くことができずまたは動くとしても最小限であるように遊びがほとんどなくまたは全くない状態でフランジ124Aが滑りジャーナル軸受の遠位面上に位置するようなものである。さらに、フランジ124Aのうちの一方は、溝122C内に受け入れられるのが良い。したがって、4点長方形構造体またはブレースがシャフト124、支持対122B/122Cの滑りジャーナル軸受および扁平部分124によって形成されている。シャフト124の2つのシャフト部分が
図15に示された仕方で相互に連結されると、その結果として生じるブレースは、平坦部分122Aの変形を阻止する。
【0071】
フィルムのロール125が組立状態のシャフト124上に位置し、シャフト124は、コアとも呼ばれる場合がある。フィルム、袋、チューブなどという表現は、ロール125を説明するために用いられる場合がある。一実施形態によれば、ロール125は、端と端を付き合わせた状態でつなぎ合わされた管状フィルムで作られた袋を有し、ロール125の自由端部は、袋の開口端部によって構成されている。以下の説明で理解されるように、カセット120は、器具110の底部に納められるのが良く、ロール125のフィルムは、ロール125の残部に連結されたままの状態で、上方に引き出されて器具110の頂部に対して開かれた状態で吊り下げられる。ロール125の他端部は、シャフト124に巻き付けられる。ロール125の他端部は、シャフト124に対して非連結状態であるのが良い。ロール125の他端部をシャフト124に取り付けるために保持手段、例えば接着剤、テープ、またはシャフト124に設けられたスリットまたはグリッパが設けられるのが良い。シャフト124へのロール125の巻き付けにより、シャフト124の2つの部分がインターフェース部材124Bのところで互いに連結状態のままであるようになる。ロール125の巻き付けは、シャフト124の2つの部品相互間に生じ得る半径方向遊びがほとんどなくまたは全くないほどきつい。カセット120は、袋のロール125なしで設けられても良く、ユーザは、ケーシング121を開いて袋の交換ロール125を挿入する。
【0072】
図14~19を参照すると、カセット120は、リム126を有するのが良い。リム126は、カセット120の底部のところに形成されている。リム126は、カバー123を越えて延びるプレート122の一部分から成るのが良い。変形例として、リム126は、プレート122を越えて延びるカバー123のフランジ部分から成っていても良い。
図2~
図5に示されているように、リム126は、プレート122とカバー123の底部のところに設けられたフランジの両方の組み合わせであるのが良い。リム126は、ケーシング121の周りに連続しまたは不連続である多くのセグメントを有するのが良い。リム126は、互いに平行な2つの全体としてまっすぐなセグメントを有するのが良く、一方が
図17~
図19に126Aとして示されている。セグメント126Aを並進継手部材(滑り継手部材、スライダなどとも呼ばれる)として説明することができ、というのは、これらセグメントは、カセット20と器具110との並進/滑り継手の一部として使用できるからである。リム126は、肩、フランジ、リップ、ストリップなどとも呼ばれる場合がある。
【0073】
図16~
図19を参照すると、カセット120は、ケーシング121の端部のところにヘッド127を有するのが良い。ヘッド127は、プレート122および/またはカバー123によって構成されるのが良く、ただし、このヘッドは、図示の実施形態では、大部分がカバー123の一部として示されている。ヘッド127は、カバー123よりも断面寸法が大きいのが良い。図示の実施形態では、ヘッド127は、逆U字形の輪郭を有し、ただし、他の形状が考慮される。
【0074】
カセット120を説明したからには、カセット120からのフィルムの展開について説明する。カセット120がドア123Cまたは
図17の場合のように開口部123Eを覆う包装材または同様なメンブレン付きで売られている場合、ドア123C、包装材またはメンブレンを
図18に示されている仕方で引き剥がしてカセット120の内部、特にロール125を露出させる。ロール125の自由端部をドア123C、包装材、またはメンブレンにつなげる(例えば、テープ止めする)のが良く、その結果、ロール125の自由端部が引っ張られるようになっている。次に、ロール125の自由端部を
図19に示されている仕方で開口部123Eに通してケーシング121から出すのが良く、その結果、フィルムをケーシング121から引き出すことができる一方で、ロール125の残部はケーシング121内に位置したままである。ロール125上のフィルムの端に達すると、シャフト124は、フィルムの巻き付けによっては一部品の状態ではもはや保持されず、それにより、シャフト124は、インターフェース部材124Bのところでその2つの部分に分かれることができる。ロール125上のフィルムの端がシャフトに取り付けられた場合(例えば、上述したような接着剤により)、フィルムに加わる引っ張り力は、2つの部分へのシャフト124の分離を助けることができ、ただし、重力がシャフト124をその2つの部分に分割させる上で十分な場合がある。別の実施形態では、シャフト124は、単一部品で作られるが、押し潰し可能な材料(例えば、厚紙シャフトまたはコア)で作られる。かかる場合、シャフト124に取り付けられたフィルムに加わる上向きの引っ張り力の結果として、シャフト124が潰れることができる。シャフト124のその2つの部分への分離の際またはシャフト124の潰れの際、シャフト124を一因とするブレースが壊され、それによりカセット120は、ある程度の構造的健全性を失うとともに曲げ剛性を失う。
【0075】
図15を参照すると、容器130は、底部分131および上部分132を有するのが良く、これら部分は、容器130の内部への接近を可能にするよう分離可能であっても良くまたはそうでなくても良い。底部分131は、器具10が用いられているときに地面または床上に着座する。底部分131は、容器130内における袋のための案内として役に立つことができる両端が開口したバスケット131Aを有するのが良い。開口部131Bがカセット120を容器130の中に挿入するために底部分131の外面に設けられるのが良い。開口部131Bの上側部分は、その結果、
図15、
図20および
図21の場合のように器具110内におけるカセット120の組立体の相補形状の連続仕上げのためにカセット120のヘッド127の形状と相補する形状を有するのが良い。作動機構体150のペダルもまた、開口部131Bから突き出るのが良い。ペダルを回動可能に支持するため、底部分131は、考えられる一実施形態として滑り軸受として作用するピボット支持体131Cを有するのが良い。ピボット支持体131Cは、頂部開口部を有するとともにカセット120およびペダルを載せた状態で受け入れるマウント131Dの一部であるのが良い。底部分131Aの種々のコンポーネントは、一体成形された単一の部品にされても良く、あるいは多数の部品で構成されても良い。
【0076】
容器130はまた、単一の管状ユニットであっても良いが、他の構成例、例えばファブリックの管もしくはスリーブまたは構造ビームを覆うパネル用材が想定される。開口部133が容器130の頂部のところに設けられている。開口部133は、袋の廃棄物の処分のために容器130の内部への接近を可能にする。
【0077】
上側環状カラー134が開口部133を境界付け、かかる上側環状カバーは、蓋組立体140と容器130との間のインターフェースであるのが良い。上側環状カラー134は、U字形断面を備えたスカート134Aの頂部のところに位置するのが良く、スカート134Aは、下方に配向された環状空所を画定している。袋フック135が開口部133の付近に設けられるのが良く、かかる袋フックは、カセット120により小出しされる袋のための取り付け部としての役目を果たす。袋フック135のうちの4つが容器130内に存在する(2つが見える)が、これよりも多いまたは少ない袋フックが設けられても良い。4つの袋フック135は、開口部133のコーナー部のところに位置するのが良く、この開口部は、角丸四角形または楕円形の形をしている。開口部133が丸形の場合、袋フック135は、多くの他の実施例のうちで0/90/180/270°または0/120/240°のところに分布して配置されるのが良い。一例として、2つの半径方向反対側の細長い袋フック135が設けられるのが良い。袋フックの代替手段として、容器130は、バッグの取り付けのためにそのカラー134を利用するのが良く、袋の頂部は、カラー134上に折り返されて摩擦によって保持される。
【0078】
ヒンジ式ドア支持体136が後述するようにドアをヒンジ式に支持するために開口部133に隣接してスカート134A内に設けられるのが良く、ドアは、開口部133からの容器130の内部への出入り口を閉じまたは開く一方で、悪臭を袋内に閉じ込めるために袋を封止する。ヒンジ式蓋支持体136は、ピボットおよび/またはピボット穴を有するのが良い。
【0079】
ヒンジ式蓋支持体137が蓋組立体140を回転可能に支持するとともに開口部133からの容器130の内部への出入り口を閉じまたは開くために容器130の外面に隣接して上部分132内に設けられるのが良い。また、蓋組立体140の回動により、器具110の種々のコンポーネントを露出させることができる。ヒンジ式蓋支持体137は、ピボットおよび/またはピボット穴を有するのが良い。
【0080】
保持フィンガ138が
図15の閉鎖部分内に蓋組立体140を解除可能に保持するためにヒンジ式蓋支持体137と反対側の上部分132の側部に設けられるのが良い。保持フィンガ138は、弾性変形による付勢作用によってヒンジ式蓋支持体137を保持する片持ち形式のものであるのが良い。
【0081】
案内アーム139が容器130の上部分132から容器130の内側空所中に突き出るよう設けられるのが良く、この案内アームは、以下に説明するように作動機構体150のコンポーネントを摺動的に支持することができる。
【0082】
図15および
図20を参照すると、蓋組立体140は、環状基部141を有する。環状基部141の幾何学的形状は、上側環状カラー134を含め容器130の上部分132の上端部の幾何学的形状と相補している。したがって、蓋組立体140の環状基部141は、容器130の上端部上に載せられる。環状基部141は、その下方に開いた環状空所内でカラー134を隠すとともに覆うよう
図15の場合と同様、スカート状本体を有するのが良い。図示の実施形態では、環状基部141は、例えば
図15の閉じ配向状態から
図20の開き配向状態に回動するようヒンジ式蓋支持体137に連結されている。環状基部141は、相補形状のヒンジ継手コンポーネント141A、例えばピボット穴、ピボットなどを有する。保持フィンガ138は、タブ141Bと協働して環状基部141を
図15の閉鎖配向状態に保つ。戻り止めが保持フィンガ138とタブ141Bの相互連結を解除するよう設けられるのが良い。変形例として、環状基部141に対する引っ張りにより、保持フィンガ138とタブ141Bとの係合を解除する変形を生じさせても良い。他の相互連結手段、例えば圧力嵌め、連結迅速システム、螺合方式などが想定される。環状基部141を例えば、袋をカラー134に取り付けまたはこれから取り外すよう
図20の開き配向状態に回動させることができる。
【0083】
蓋142がヒンジ143によって環状基部141に回動可能に連結されている。したがって、蓋142は、
図22および
図23に示されているような開き位置と
図15に示されているような閉じ位置との間で回動することができる。閉じ位置では、蓋142は、開口部133を遮蔽する。開き位置では、開口部133が露出され、それによりユーザは、廃棄物を基部110内の袋の中に投げ込むことができる。
【0084】
図15および
図20~
図23を参照すると、作動機構体150は、ユーザによってペダル151とインターフェースされたリンク装置(すなわち、リンクおよび継手)から成る。ペダル151は、容器130の底部分131に回動可能に連結されている。ペダル151の前側部分は、容器130の前側から外方に突き出ていて、地面の近くに位置し、それにより、ユーザは、ペダル151の露出部分を単に押すだけで器具110の蓋142を開くことができる。器具110は、ハンドレバーなどのような別のインターフェースを備えても良い。一実施形態によれば、ペダル151とカセット120との間には特定の相互作用が存在するのが良く、これについては
図24を参照して以下にさらに詳細に説明する。
【0085】
第1のリンク152が容器130の内側でペダル151の後側部分に連結されている。第1のリンク152は、容器130に設けられた構造コンポーネント、例えば底部分131および上部分132に設けられた開口部に連結されるのが良く、それにより並進運動(すなわち上下運動)に制限される。したがって、
図22および
図23に示されているようにペダル151の前側部分を下方に押すことによって、第1のリンク152は、上方に動く。次に、ペダル151を解除すると、第1のリンク152は、例えば重力により下方に動くことができる。
【0086】
依然として
図15および
図20~
図23を参照すると、第1のリンク152は、蓋押圧端部152Aを有する。蓋押圧端部152Aは、ヒンジ132に隣接したところで蓋142が接触する。したがって、第1のリンク152の上方運動の結果として、蓋142に対する端部152Aの押圧作用によって蓋142が開く。同様に、第1のリンク152の下方運動により、蓋142が端部152Aの引っ込み運動によって閉じ位置に向かって動く。
【0087】
ペダル151の運動を蓋142に伝達することに加えて、作動機構体150はまた、ドア153が蓋を閉じ状態に封止するよう助けることが可能である。ドア153は、相補形状のピボット継手コンポーネント(例えば、ピボットおよび/またはピボット穴)によってヒンジ式ドア支持体136に回動可能に取り付けられている。図示していないが、ドア153を
図15の通常は閉じられた位置に保持するよう付勢部材が設けられるのが良い。ドア153は、互いに接触するよう寸法決めされ、それにより、開口部を通った袋(例えば、カラー134に取り付けられている)を閉鎖する。ドア153は、各々、これらに一体的に連結されまたは剛結された1本のアーム153Aまたは複数のアーム153Aを有するのが良く、その結果、アーム153Aは、ドア153と同時に動くようになっている。アーム153Aは、スカート134Aの環状空所内に隠されるよう図の弧形状を有するのが良い。
【0088】
第2のリンク154が例えばフォーク154Aおよびピボットによって容器130内でペダル151の前側部分に連結されている。第2のリンク154は、容器130内の構造コンポーネント、例えば第2のリンク154の頂部のところに設けられたスロット154B内に受け入れられた上部分132内の案内アーム139に作動的に連結されるのが良く、それにより並進運動(すなわち、上下)に制限されるようになっている。したがって、
図22および
図23に示されているようにペダル151の前側部分を下方に押すことによって、第2のリンク154は、下方に引き下げられる。次に、ペダル151を解除すると、蓋142が第1のリンク152に加わる反力を生じさせるので、第2のリンク154は、例えば重力により上方に動く。
【0089】
依然として、
図15および
図20~
図23を参照すると、第2のリンク154は、ドア押圧端部154Cを有する。ドア押圧端部154Cは、所与の環境においてアーム153に接触することができる。特に、
図15の場合のようにペダル151を押さない場合、ドア押圧端部154Cは、アーム153Aに接触してドア153がこれらドア相互間に袋を閉鎖状態に閉じた状態で互いに圧接され、その結果、悪臭が袋から出るのを阻止することができるようにする。ペダル151が
図22および
図23の場合のように下方に押されると、ドア押圧端部154Cが下げられてドア153の運動を阻止しないようになっている。上述したように、ペダル151を押し下げると、蓋142が持ち上げられ、それにより開口部133およびドア153が露出される。ユーザは、その結果、物体を投げ捨てることができる。物体の重量は、ばねまたは同様な付勢機構体の付勢作用よりも大きいのが良く、それにより、ドア153は、物体を通すよう一時的に開く。物体がドア153をいったん越えて袋の中に入ると、ドア153は、閉じ位置に戻り、そしてドア相互間で袋を締め付ける。したがって、ペダル151を下げると、ドア押圧端部154Cは、アーム153Aの邪魔にならずまたはドア153の動きを妨害しない。ペダル151を解除すると、第2のリンク154は、上方に動き、その結果、ドア押圧端部154Cは、圧力をドア153に及ぼしてこれらドアが
図15に示された仕方でドア153Aに押し付けられるようになる。
【0090】
図21を参照すると、例えば新品カセット120が器具110内に挿入されたときにユーザにより場合によっては採用されるドア制止構成例が示されている。かかる構成例では、ペダル151が下方に押され、その結果、蓋142がその開きまたは上昇配向状態になる。ペダル151が下方に押されると、ドア押圧端部154Cが上記において詳細に説明したように下げられる。ユーザは、ドア153を
図21の仕方で内方に押すことができる。このようにする際、アーム153Aは、ドア押圧端部154Cによってスナップ嵌合することになり、そして
図15の閉じ位置に戻るのが阻止される。ドア153が開き状態に保持されているので、ユーザは、開口部133を経て容器130の内部に到達することができ、それにより袋ロール125の自由端をカセット120から上方に引き出して、袋が開いた状態でこの自由端部をフック135に取り付けることができる。いったんそのようになると、ペダル151に加わっている圧力を除くと、その結果として、環状ベース141および蓋142が下降することになる。第2のリンク154が上方に動き、それによりドア押圧端部154Cがもはやアーム153Aを妨害しないようになる。ドア153は、袋がドア相互間に締め付けられた状態で
図15のこれらの閉じ位置に戻ることができる。
【0091】
袋が一杯になって交換が必要とされる場合、ペダル151を押さないで蓋組立体40全体を
図20の場合のように遠くへ回動させる。これにより、フック135に取り付けられている袋の頂端部が露出する。袋の頂端部をフック135から取り外し、そして上方に引き上げるのが良い。
図20に示されているように、ドア153に対する唯一の拘束は、付勢作用である。したがって、袋に加わる良好な上向きの引っ張り力により、ドア153は、
図20の場合のように上方に回動する。したがって、袋を上方引っ張り力によって容器130から取り外すことができる。袋は、ロール125の一部なので、次の袋をカラー134の高さ位置まで同時に引き上げる。一杯になった状態の袋をロール125からいったん取り外すと、ロール125中の次の空の袋をカラー134に取り付けるのが良い。
【0092】
図24~
図28を参照すると、器具110の一部であっても良くまたはそうでなくても良いペダル151の実施形態が示されている。ペダル151は、ピボット510および
図22および
図23の底部分131の支持体とは似ていない場合のある支持体に取り付けられた状態で示されている。ピボット510および支持体は、ペダル151の構造に関し、
図10~
図14に焦点を合わせるよう単純化されている。
【0093】
ペダル151は、前側ペダル部材511および後側ペダル部材512を有する。前側ペダル部材511は、足によって押されるよう容器130から突き出たペダル151の部分である。後側ペダル部材512は、容器130の内側に隠されており、この後側ペダル部材は、ペダル151の運動を上述したように蓋142に伝達するよう第1のリンク152に連結されている。前側ペダル部材511および後側ペダル部材512は、ピボット510に別個独立に連結されている。したがって、
図25に示されているように、前側ペダル部材511に加わる圧力の結果として、前側ペダル部材511だけが回転し、他方、後側ペダル部材512は、動かない。
【0094】
前側ペダル部材511および後側ペダル部材512は、一緒になって、カセット受け入れ面513を形成する。カセット受け入れ面513は、カセット120の底面の関数として形作られるのが良い。図示の実施形態では、カセット受け入れ面513は、全体として平面状であるが、レール、チャネルなどがカセット120の底面上に設けられても良く、これらは、相補形状になっている。ブラケット514は、カセット受け入れ面513から上方に突き出ており、これらブラケットは、逆L字形を有するのが良い。ブラケット514は、カセット120のための案内路を形成するよう互いに距離を置いて配置されている。特に、ブラケット514は、カセットのリム126の幾つかの部分を受け入れることができる(
図17)。一実施形態では、リム126は、ブラケット514内に受け入れ可能な1対のまっすぐで互いに平行なセグメントを有する。したがって、カセット120を摺動させてこれがペダル151に係合することができるようにする。一実施形態では、カセット120は、カセット受け入れ面513に当てて配置されるその底面を有し、リム126のまっすぐなセグメントは、先導するブラケット514A中に挿入され、かかる先導ブラケットは、後側ペダル部材512に向かってテーパした大きな入口高さを有しても良くまたはそうでなくても良い。後側ペダル部材512の先導ブラケット514Aはまた、かかる形状を有することができる。
図24~
図28では、先導ブラケット514Aは、次にテーパを有する大きな入口高さを有する。したがって、滑り継手(並進継手とも呼ばれる)がカセット120とペダル151との間に設けられている。滑り継手は、必要ではないが、一実施形態では、カセット20は、適当なコネクタ、クランプによってペダル151に剛結される。例えば、カセット120を前側ペダル部材511および後側ペダル部材512にボルト止めし、クランプし、締結するのが良く、その結果、剛性の組立体が形成されるようになっている。
図22および
図23に示されているように、カセット120とペダル151との連結部は、前側ペダル部材511と後側ペダル部材512の両方が同時に回動するようなものである。当接部515がペダル151上のカセット20の位置を定めるよう後側ペダル部材512に設けられるのが良い。当接部515は、後側ペダル部材512上に位置するとともに図示のようにばねを有するのが良く、あるいは、もし設けられている場合には前側ペダル部材511上に設けられるのが良い。カセット20のヘッド127もまた、あるいは変形例として、カセット20の内方運動を制限するのが良い。片持ち舌部516もまた、カセット120をペダル151上に係止させるよう前側ペダル部材511から上方に突き出るのが良い。片持ち舌部516は、カセット120を取り外すよう弾性変形可能である。
【0095】
かくして、カセット120が
図27に示された仕方でペダル151上に位置すると、前側ペダル部材511と後側ペダル部材512は、同時に動く。ペダル151は、前側ペダル部材511および後側ペダル部材512が一緒に動くようにするためにカセット120のブレーシングを利用する。しかしながら、シャフトがフィルム切れをしたときにシャフト124が上述したように分かれまたは潰れると、カセット120は、その構造的力を失って曲がる場合がある。これは、
図28に示されており、カセットの開口部123Eが前側ペダル部材511と後側ペダル部材512との間の分離部にオーバーラップすることが観察される。カセット120の脆弱な部分が分離部上に位置すると、カセット120は、前側ペダル部材511を回動させたときに曲がる。その結果、ユーザによるペダル作動にもかかわらず、蓋142は動かない。これにより、器具150内のカセット120がフィルム/袋切れを起こしたときにユーザがカセット120を交換すべきことが分かる。ユーザは、舌部516を押して空のカセット120を引き出すのが良い。次に、新品カセット120を上述したシーケンスに従って挿入するのが良い。
【0096】
他の実施形態としては、ドア153に関して異なる形状が採用されること、ドア153のうちの単一の1つが動くことができること、単一のドア153が設けられること、ロール125の管状フィルムについてEVOHを用いること、器具110がカセット120なしでこれに代えて一体形袋を備えて用いられること、カセット120の一部をなしていない袋ロールを備えた器具110が用いられること、別の形式の器具110、例えばドアが設けられておらず、しかも作動機構体150が設けられていないバケツ内にカセットが用いられることが挙げられる。