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特許7482134包装材の巻取紙を印刷するための方法及びその装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】包装材の巻取紙を印刷するための方法及びその装置
(51)【国際特許分類】
   B41M 3/06 20060101AFI20240502BHJP
   B65B 61/02 20060101ALI20240502BHJP
   B65H 7/20 20060101ALI20240502BHJP
【FI】
B41M3/06 Z
B65B61/02
B65H7/20
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021536054
(86)(22)【出願日】2019-12-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-14
(86)【国際出願番号】 EP2019085307
(87)【国際公開番号】W WO2020127018
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2022-12-07
(31)【優先権主張番号】18215171.2
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【弁理士】
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】キーヴァン・シューヴァルチ
(72)【発明者】
【氏名】アンナ・ハーダー
(72)【発明者】
【氏名】パオロ・スカラベッリ
【審査官】小野 郁磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-090766(JP,A)
【文献】特開昭57-093134(JP,A)
【文献】特開平01-283147(JP,A)
【文献】特表2010-506806(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0079197(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41M 3/06
B41F 31/00-35/06
B41J 2/01- 2/215
B65B 61/02
B65H 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状食品を保持するパッケージ(112)のための包装材の巻取紙(102)を印刷するための方法(500)であって、前記巻取紙(102)は、互いの後に配置されるいくつかのブランクを含み、各ブランクは、1つのパッケージに対応し、前記ブランクのそれぞれは、プレ印刷される第1の領域(302、402)と、印刷される第2の領域(304、404)とを含み、前記方法は、
前記包装材の巻取紙(102)を受け取ること(502)と、
第1のセンサ(204)を使用して第1のレジスタマーク(306、406)を識別すること(504)と、
前記第1のレジスタマーク(306、406)に基づいて第1のレジスタマーク位置を特定すること(506)と、
前記第1のレジスタマーク位置に基づいて第2のレジスタマーク位置領域を特定すること(508)と、
第2のセンサ(208)を使用して、前記第2のレジスタマーク位置領域内の第2のレジスタマーク(308、408)を識別し(510)、且つ前記第2のレジスタマークのための第2のレジスタマーク位置を特定することと、
前記第2のレジスタマーク位置に基づいて前記第2の領域(304、404)の第2の領域位置を特定すること(512)と、
前記第2の領域位置に従ってプリンタ(210)に対して前記巻取紙を調整すること(514)と、
前記プリンタ(210)を使用することによって前記第2の領域(304、404)を印刷すること(516)と
を含む、方法(500)。
【請求項2】
前記第1のセンサ(204)は、第1の画素数を含み、前記第2のセンサ(208)は、第2の画素数を含み、前記第2の画素数は、前記第1の画素数よりも多い、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2のレジスタマーク(308、408)は、昼光条件において人間の目に対して見えない、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記包装材の巻取紙を受け取ること(502)は、
前記包装材の巻取紙を保持するリール(214)を受け取ることと、
前記リール(214)に取り付けられる情報タグからリール情報(218)を読み取ること(520)と、
前記リール情報(218)をサーバ(222)に転送すること(522)と、
前記サーバ(222)から第1のレジスタマーク位置設定点及び/又は第2のレジスタマーク位置設定点を受信すること(524)と
を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記包装材は、少なくとも1つのカートン層、内側プラスチック層及び外側プラスチック層を含むカートンベースの包装材であり、前記第1のレジスタマーク及び前記第2のレジスタマークは、前記少なくとも1つのカートン層に提供される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の領域(302、402)は、フレキソ印刷される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の領域(304、404)は、前記包装材の巻取紙(102)に基づいて前記パッケージ(112)を製造するために配置される充填機(100)の上流に設置される印刷モジュール(200)において、デジタル印刷を使用することによって印刷される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
液状食品を保持するパッケージ(112)のための包装材の巻取紙(102)を印刷するための印刷モジュール(200)であって、前記巻取紙(102)は、互いの後に配置されるいくつかのブランクを含み、各ブランクは、1つのパッケージ(112)に対応し、前記ブランクのそれぞれは、プレ印刷される第1の領域(402)と、印刷される第2の領域(404)とを含み、前記印刷モジュールは、
前記包装材の巻取紙(102)を受け取るように配置される包装材受取部(202)、
第1のレジスタマーク(306、406)を識別するための第1のセンサ(204)、
前記第1のレジスタマーク(306、406)に基づいて第1のレジスタマーク位置を特定し、前記第1のレジスタマーク位置に基づいて第2のレジスタマーク位置領域を特定するように構成される処理装置(206)、
前記第2のレジスタマーク位置領域内の第2のレジスタマーク(308、408)を識別するための第2のセンサ(208)
を含み、
前記処理装置(206)は、前記第2のレジスタマークのための第2のレジスタマーク位置を特定し、且つ前記第2のレジスタマーク位置に基づいて前記第2の領域(304、404)の第2の領域位置を特定するように更に構成され、前記印刷モジュールは、
前記第2の領域(304、404)を印刷するために配置されるプリンタ(210)と、
前記第2の領域位置に従って前記プリンタ(210)に対して前記巻取紙(102)を調整するように配置される調整装置(212)と
を含む、印刷モジュール(200)。
【請求項9】
前記第1のセンサ(204)は、第1の画素数を含み、前記第2のセンサ(208)は、第2の画素数を含み、前記第2の画素数は、前記第1の画素数よりも多い、請求項8に記載の印刷モジュール。
【請求項10】
前記第2のレジスタマーク(308、408)は、昼光条件において人間の目に対して見えない、請求項8又は9に記載の印刷モジュール。
【請求項11】
前記包装材受取部(202)は、
前記包装材の巻取紙(102)を保持するリール(214)を受け取るように配置されるリールホルダ(213)、
前記リール(214)に取り付けられるタグからリール情報(218)を読み取るように配置されるタグリーダ(216)、
前記リール情報(218)をサーバ(222)に転送し、且つ前記サーバ(222)から第1のレジスタマーク位置設定点及び/又は第2のレジスタマーク位置設定点を受信するように構成されるデータ通信装置(220)
を含む、請求項8~10のいずれか一項に記載の印刷モジュール。
【請求項12】
前記包装材は、少なくとも1つのカートン層、内側プラスチック層及び外側プラスチック層を含むカートンベースの包装材であり、前記第1のレジスタマーク及び前記第2のレジスタマークは、前記少なくとも1つのカートン層に提供される、請求項8~11のいずれか一項に記載の印刷モジュール。
【請求項13】
前記第1の領域(302、402)は、フレキソ印刷される、請求項8~12のいずれか一項に記載の印刷モジュール。
【請求項14】
前記第2の領域(304、404)は、デジタル印刷を使用することによって印刷され、前記印刷モジュール(200)は、前記包装材の巻取紙(102)に基づいて前記パッケージ(112)を製造するために配置される充填機(100)の上流に設置される、請求項8~13のいずれか一項に記載の印刷モジュール。
【請求項15】
コンピュータ上で実行されると、前記コンピュータに、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法を実行させる命令を含むコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、食品包装技術等の包装技術の分野に関する。より詳細には、包装材の巻取紙を印刷するための方法及び装置が提示される。
【背景技術】
【0002】
今日、例えば、牛乳等の様々な種類の食品のためにロール供給包装機を用いることが一般的に知られている。充填機とも称されるロール供給包装機は、いくつかの利点を有する。1つは、パッケージの連続生産が、ブランク供給包装システムと比較してより高速を達成することを可能にすることである。別の利点は、包装材のチューブを連続的に充填し、チューブの下端にパッケージを形成することにより、望ましくない微生物がパッケージに入るリスクを低減できることである。
【0003】
包装材は、今日、カートンベースの包装材のために、場合により印刷物加工工場とも称される包装材製造センターにおいて、いわゆるフレキソ印刷を用いて最も頻繁に印刷される。印刷され、他の方法で食品を保持するために準備された後、例えば内側プラスチック層が包装材のカートン層と食品との間に形成されるように積層された後、包装材は、リール上に装填され、包装機が設置されている場所に出荷される。
【0004】
包装材を、例えばフレキソ印刷を使用することによって印刷し、包装材製造センターにおいて準備する代わりに、包装材を印刷するためのデジタル印刷を使用することが提案されている。フレキソ印刷の代わりにデジタル印刷を使用する利点は、向上した柔軟性であり、別の利点は、より小さいバッチを費用効率の高い方法で印刷できることである。
【0005】
包装材を印刷するためにデジタル印刷を用いることが公知であるが、克服する必要がある多くの課題が存在する。これらの課題の1つは、印刷精度であり、即ち印刷する装飾がパッケージ上に正確に施されることを確実にすることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、先行技術の上で特定した制限の1つ以上を少なくとも部分的に克服することである。特に、目的は、特に包装材のデジタル印刷のための改善された印刷精度を提供する方法及び印刷モジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様によれば、液状食品を保持するパッケージのための包装材の巻取紙を印刷するための方法が提供され、巻取紙は、互いの後に配置されるいくつかのブランクを含み、各ブランクは、1つのパッケージに対応し、ブランクのそれぞれは、プレ印刷される第1の領域と、印刷される第2の領域とを含む。方法は、包装材の巻取紙を受け取ることと、第1のセンサを使用して第1のレジスタマークを識別することと、第1のレジスタマークに基づいて第1のレジスタマーク位置を特定することと、第1のレジスタマーク位置に基づいて第2のレジスタマーク位置領域を特定することと、第2のセンサを使用して、第2のレジスタマーク位置領域内の第2のレジスタマークを識別し、且つ第2のレジスタマークのための第2のレジスタマーク位置を特定することと、第2のレジスタマーク位置に基づいて第2の領域の第2の領域位置を特定することと、第2の領域位置に従ってプリンタバーに対して巻取紙を調整することと、プリンタバーを使用することによって第2の領域を印刷することとを含む。
【0008】
第1のセンサは、第1の画素数を含んでもよく、第2のセンサは、第2の画素数を含んでもよく、第2の画素数は、第1の画素数よりも多い。
【0009】
第2のレジスタマークは、昼光条件において人間の目に対して見えなくてもよい。例えば、第2のレジスタマークは、ウォーターマークであってもよい。
【0010】
包装材の巻取紙を受け取るステップは、包装材の巻取紙を保持するリールを受け取ることと、リールに取り付けられる情報タグからリール情報を読み取ることと、リール情報をサーバに転送することと、サーバから第1のレジスタマーク位置設定点及び/又は第2のレジスタマーク位置設定点を受信することとを含んでもよい。
【0011】
包装材は、少なくとも1つのカートン層、内側プラスチック層及び外側プラスチック層を含むカートンベースの包装材であってもよく、第1のレジスタマーク及び第2のレジスタマークは、少なくとも1つのカートン層に提供される。
【0012】
第1の領域は、オフサイト印刷されてもよい。
【0013】
第2の領域は、包装材の巻取紙に基づいてパッケージを製造するために配置される充填機の上流に設置される印刷モジュールにおいて、デジタル印刷を使用することによって印刷されてもよい。
【0014】
第2の態様によれば、液状食品を保持するパッケージのための包装材の巻取紙を印刷するための印刷モジュールであって、巻取紙は、互いの後に配置されるいくつかのブランクを含み、各ブランクは、1つのパッケージに対応し、ブランクのそれぞれは、プレ印刷される第1の領域と、印刷される第2の領域とを含み、印刷モジュールは、包装材の巻取紙を受け取るように配置される包装材受取部、第1のレジスタマークを識別するための第1のセンサ、第1のレジスタマークに基づいて第1のレジスタマーク位置を特定し、第1のレジスタマーク位置に基づいて第2のレジスタマーク位置領域を特定するように構成される処理装置、第2のレジスタマーク位置領域内の第2のレジスタマークを識別するための第2のセンサを含み、処理装置は、第2のレジスタマークのための第2のレジスタマーク位置を特定し、且つ第2のレジスタマーク位置に基づいて第2の領域の第2の領域位置を特定するように更に構成され、印刷モジュールは、第2の領域を印刷するために配置されるプリンタバーと、第2の領域位置に従ってプリンタバーに対して巻取紙を調整するように配置される調整装置とを含む、印刷モジュールが提供される。
【0015】
第1のセンサは、第1の画素数を含んでもよく、第2のセンサは、第2の画素数を含んでもよく、第2の画素数は、第1の画素数よりも多い。
【0016】
第2のレジスタマークは、昼光条件において人間の目に対して見えなくてもよい。
【0017】
包装材受取部は、包装材の巻取紙を保持するリールを受け取るように配置されるリールホルダ、リールに取り付けられるタグからリール情報を読み取るように配置されるタグリーダ、リール情報をサーバに転送し、且つサーバから第1のレジスタマーク位置設定点及び/又は第2のレジスタマーク位置設定点を受信するように構成されるデータ通信装置を含んでもよい。
【0018】
包装材は、少なくとも1つのカートン層、内側プラスチック層及び外側プラスチック層を含むカートンベースの包装材であってもよく、第1のレジスタマーク及び第2のレジスタマークは、少なくとも1つのカートン層に提供される。
【0019】
第1の領域は、オフサイト印刷されてもよい。
【0020】
第2の領域は、デジタル印刷を使用することによって印刷されてもよく、印刷モジュールは、包装材の巻取紙に基づいてパッケージを製造するために配置される充填機の上流に設置されてもよい。
【0021】
第3の態様によれば、コンピュータ上で実行されると、コンピュータに、第1の態様に記載の方法を実行させる命令を含むコンピュータプログラム製品が提供される。
【0022】
更に他の目的、特徴、態様及び利点は、以下の詳細な説明及び図面から明らかになるであろう。
【0023】
ここで、実施形態を、例として以下の添付の概略図を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】ロール供給式包装機の概略図である。
図2】印刷モジュールの概略図である。
図3】第1及び第2のレジスタマークを備える包装材の巻取紙の一実施例である。
図4】第1及び第2のレジスタマークを設けられた、巻取紙の一部を形成し得る包装材のブランクの一実施例である。
図5】巻取紙を印刷するための方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1を参照すると、場合により充填機とも称される包装機100が実施例として概して示されている。包装機100は、液状食品をカートンベースの包装体に包装するために用いるロール供給式の包装機である。1940年代には既にこの種類の包装機がTetra Pakによって導入されており、今日では、牛乳及び他の液状食品を安全且つ費用効率の高い方法で包装するための周知のアプローチである。一般的なアプローチは、ポテトチップス等の非液状食品にも用いることができる。
【0026】
今日、包装材は、印刷物加工工場とも称される包装材製造センターにおいて印刷され、準備されることが多く、包装機100が設置されている場所、例えば乳製品工場に出荷される。通常、包装材は、輸送される前にリールに装填される。現場に到着した後、リールは、図1に示すように包装機内に設置される。
【0027】
製造中、包装材の巻取紙102を、リールから包装機を通して巻取紙供給方向Aに供給することができる。図1には示さないが、巻取紙102が、望ましくない微生物を含まないことを確実にするために、包装材は、殺菌装置、例えば過酸化水素槽又はLVEB(低電圧電子ビーム)ステーションを通過してもよい。食品を提供する前に、長手方向のシールを形成することによって巻取紙102からチューブを形成することができる。食品は、パイプ104を介してチューブ内に供給され、バルブ106は、パイプ104を通る流れを調節するために使用されてもよい。チューブの下端108は、横方向のシールが作成される折り装置110に供給することができ、チューブは、弱化線とも称される折り線に従って折られ、パッケージ112を形成することができるように切断される。折り装置110を1つの単一の装置として図示しているが、折り装置110は、いくつかの異なる装置を含んでもよい。
【0028】
図2は、包装機100の上流に設置することができる印刷モジュール200を示す。このように設置された印刷モジュール200を有することによる利点は、包装材を部分的に又は完全に現場で印刷できること、即ち印刷及び包装を同じ現場で実行できることである。別の利点は、包装機100の修正を全く必要としないか又は僅かにのみ必要とすることである。代替として、印刷モジュール200を包装機100の上流に別個の装置として設置する代わりに、印刷モジュール200は、図示していないが、包装機100の一体部分であってもよい。
【0029】
印刷モジュール200は、包装材の巻取紙102を印刷部分203に提供するように配置される包装材受取部202を含んでもよい。印刷部分203において、第1のセンサ204は、巻取紙102上の第1のレジスタマークを識別するために使用することができ、第1のセンサ204に接続される処理装置206は、第1のレジスタマークに基づいて第1のレジスタマーク位置を特定するために使用することができる。
【0030】
第1のレジスタマークを識別することは、第2のレジスタマークを識別するための第2のセンサ208を作動させるためのトリガ信号であると見なされてもよい。例えば、包装材における第1のレジスタマークと第2のレジスタマークとの間の距離を知ることができ、また包装材の巻取紙速度を知ることができるため、第1のレジスタマークを識別することは、第2のレジスタマークが取り込まれるまでの期間を特定できることを提供することができる。
【0031】
第1のレジスタマークは、光源と、レンズと、光センサとを含むスキャナであり得る第1のセンサ204によって迅速に読み取ることができるバーコード又は他の種類のパターンであってもよい。第2のセンサ208によって読み取ることができる第2のレジスタマークは、第1のレジスタマークよりも複雑であり、例えば、第2のレジスタマークは、二次元マークであり、第1のレジスタマークは、一次元バーコード等の一次元マークであってもよい。第2のレジスタマークは、例えば、昼光条件において人間の目に見えないウォーターマークであってもよい。効果として、第2のレジスタマーク位置は、第1のレジスタマーク位置よりも高い位置精度によって特定され得る一方、第1のレジスタマークを識別するために必要とされる時間は、より少なくすることができる。更に、第1のレジスタマークは、例えば、白黒のバイナリ色情報を含んでもよく、第2のレジスタマークは、多色情報を含んでもよい。更に、第1のセンサ204は、第1の画素数を含んでもよく、第2のセンサ208は、第2の画素数を含んでもよく、第2の画素数は、第1の画素数よりも多い。
【0032】
第2のセンサ208及び第2のレジスタマークは、第2のレジスタマーク位置が第1のレジスタマーク位置よりも高い位置精度で特定することができるように構成されてもよいが、第1のセンサを使用する第1のレジスタマークは、第2のレジスタマーク位置よりも速く識別され得るため、2つの組合せは、巻取紙102の位置を追跡するための効率的なシステムを提供し、それにより印刷装飾がパッケージ112上に不正確に施されるリスクを低減する。例えば、第1のセンサは、一方向、例えば巻取紙送り方向Aを連続的に読み取るように配置されてもよく、第2のセンサは、第1のセンサと同じ方向並びに垂直方向、例えば巻取紙送り方向A及び巻取紙送り方向Aに垂直な方向を読み取るように配置されてもよいが、第1のセンサと同じように連続的ではない。
【0033】
より詳細には、第1のレジスタマークを識別し、第1のレジスタマーク位置を特定した後、第2のレジスタマーク位置領域を特定することができる。これは、使用される包装材にリンクされた情報を使用することによって特定されてもよい。第2のレジスタマーク位置領域は、第2のレジスタマークを探すべき場所に関する入力を第2のセンサ208に提供する。第2のレジスタマークを識別した後、第2のレジスタマーク位置を特定し得る。換言すれば、第2のレジスタマーク位置領域は、第2のレジスタマークがどこで見つけられるかのおよその情報を提供し、第2のレジスタマークが識別されると、第2のレジスタマーク位置を高い位置精度で特定することができ、即ち巻取紙配置の向上した認識を達成することができる。第2のレジスタマーク位置は、第2のセンサ208が第2のレジスタマークを見つけることができる間隔として見ることもできる。
【0034】
第1及び第2のレジスタマークは、パッケージに形成される包装材の1つの同じ片に設けられることを図示しているが、第1及び第2のレジスタマークは、包装材の異なる片に設けられることも可能である。例えば、包装材の巻取紙の片N上の第1のレジスタマークを識別することは、巻取紙の片N+5上の第2のレジスタマークを取り込む時間に関する情報を提供し得る。
【0035】
更に、第1及び第2のレジスタマークが、同じ片上に設けられた2つの異なる種類のマークであることの代わりに、代替形態は、1種類のみのレジスタマークを使用し、1片当たりに1つの単一のレジスタマークを有することである。第1の片の単一のレジスタマークは、次いで、第2の片の単一のレジスタマークである第2のレジスタマークを識別するために、第2のセンサの作動をトリガするための第1のレジスタマークであってもよい。
【0036】
第1及び第2のセンサ204、208は、画像データを解析し、第1及び/又は第2のレジスタマークのための位置データを識別及び/又は特定するための内蔵処理装置を有する、いわゆるスマートビジョンセンサであってもよい。代替として、第1及び第2のセンサ204、208は、画像データを取り込むことのみの画像取込装置と、画像データを処理するための画像処理手段とに分割することができる。
【0037】
包装材受取部202は、包装材のリール214を保持するためのリールホルダ213を含んでもよい。包装材に関するその情報が効率的且つ確実に受け取られることを提供するために、タグリーダ216を使用することができる。タグリーダ216は、リール214に設けられたRFIDタグ等のタグから、図2に文書として示される例示目的のリール情報218を読み取るために構成されている。リール情報218は、データ通信装置220を介してサーバ222にアップロードされてもよい。それに応じて、サーバ222は、例えば、使用される包装材のための第1のレジスタマーク位置と第2のレジスタマーク位置領域との間の関係に関する情報を転送してもよい。サーバ222は、追加として、包装機100の設定を調整するために使用することができる包装材に関する情報、例えば横方向封止中に使用される圧力を含んでもよい。
【0038】
図3は、一般に、印刷モジュール200のサブシステム300及び包装材の巻取紙102を更に詳細に示す。上で説明したように、第1のセンサ204、第2のセンサ208及びプリンタバー210は、印刷精度を向上させ得ることを確実にするために組み合わせて使用されてもよい。調整データは、包装機の設定を調整するために使用される情報であり得、第2の領域位置によって特定することができる。調整データは、次いで、プリンタバー(210)に関連して巻取紙を調整及び制御するために使用されてもよい。
【0039】
実施例として、図3に示す巻取紙102は、パッケージ112に形成されることが意図される各片のために第1の領域302及び第2の領域304を含む。第1の領域302は、プレ印刷領域であってもよく、即ち、第1の領域302は、巻取紙102がリール214に装填される前に例えばフレキソ印刷を使用することによって印刷することができ、即ちオフサイト印刷することができる。第2の領域304は、印刷モジュール203において印刷され、即ちオンサイト印刷されてもよい。
【0040】
第1のレジスタマーク306は、図3に示す実施例において、二次元バーコードである。このバーコードは、オフサイト印刷中、即ち第1の領域302が印刷される場合にも使用されてもよい。第2のレジスタマーク308は、いわゆるウォーターマーク、即ち昼光条件において人間の目に見えないマークであってもよい。
【0041】
包装材は、少なくとも1つのカートン層、内側プラスチック層及び外側プラスチック層を含むカートンベースの包装材であってもよい。第1のレジスタマーク306及び第2のレジスタマーク308は、少なくとも1つのカートン層に提供されてもよい。それらをこの層内に有することによる利点は、それらが両方とも外側プラスチック層によって保護されることである。別の利点は、それらを両方とも同じ層に配置することにより、第1及び第2のレジスタマーク306、308が互いに対して変位するリスクを低減できることである。
【0042】
図4は、パッケージ112に形成することができる包装材の一片400の一実施例を示す。この特定の実施例において、オフサイト印刷される第1の領域402は、一片400の主要部分を覆い、一片の小部分は、印刷モジュール203において、即ちオンサイト印刷される第2の領域404である。しかし、これは、単なる一例であり、第1の領域402及び第2の領域404は、任意の大きさを有し、またいくつかのサブ領域から構成されてもよいことは言うまでもない。領域は、矩形の形態で一定の幅及び一定の長さを有することができるが、幅及び長さは、領域にわたって変化することもできる。第1のレジスタマーク406は、本明細書中では黒い四角形として図示されており、第2のレジスタマーク408は、グラフィカル要素であり、それにより二重の目的を果たしている。それは、消費者に情報を提供することと、巻取紙がどのように整列しているかに関する情報を印刷モジュール203に提供することとの両方である。
【0043】
図5は、巻取紙102を印刷するための方法を示すフロー図500である。第1のステップ502において、巻取紙102を受け取ることができる。第2のステップ504において、第1のレジスタマーク306、406を識別することができる。その後、第3のステップ506において、第1のレジスタマーク位置を特定することができる。次に、第4のステップ508において、第2のレジスタマーク位置領域を第1のレジスタマーク位置に基づいて特定することができる。第6のステップ510において、第2のレジスタマーク308、408を識別することができ、且つ第2のレジスタマーク位置を特定することができる。その後、第7のステップ512において、第2の領域304、404の第2の領域位置を特定することができる。第8のステップ514において、巻取紙102を第2の領域位置に従ってプリンタバー210に対して調整することができる。次いで、第9のステップ516において、第2の領域304、404を、プリンタバー210を使用することによって印刷することができる。
【0044】
第1のステップ502は、いくつかのサブステップを伴ってもよい。第1のサブステップ518において、リール214を受け取ることができる。次いで、第2のサブステップ520において、リール情報518を、リール214に取り付けられたタグから読み取ることができる。第3のサブステップ522において、リール情報218をサーバ222に転送することができる。次いで、第4のサブステップ524において、第1のレジスタマーク位置設定点及び/又は第2のレジスタマーク位置設定点をサーバ222から受信することができる。この情報を得て、第1及び/又は第2のセンサは、第1及び/又は第2のレジスタマークを識別し、後のステップにおいて第1及び第2のレジスタマーク位置を識別するための開始点を使用するために設定値を有する。
【0045】
本発明の様々な実施形態を説明し、示してきたが、上記の説明から、本発明は、それらに限定されず、以下の特許請求の範囲において定義される主題の範囲内にある他の方法でも具現化されてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5