(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】多層体の製造方法及び多層体
(51)【国際特許分類】
B29C 51/12 20060101AFI20240502BHJP
B29C 51/10 20060101ALI20240502BHJP
B29C 65/70 20060101ALI20240502BHJP
【FI】
B29C51/12
B29C51/10
B29C65/70
(21)【出願番号】P 2021546047
(86)(22)【出願日】2019-09-30
(86)【国際出願番号】 EP2019076456
(87)【国際公開番号】W WO2020074305
(87)【国際公開日】2020-04-16
【審査請求日】2022-09-26
(31)【優先権主張番号】102018124853.9
(32)【優先日】2018-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】507370644
【氏名又は名称】レオンハード クルツ シュティフトゥング ウント コー. カーゲー
(73)【特許権者】
【識別番号】521153032
【氏名又は名称】ブルク デザイン ゲーエムベーハー
(73)【特許権者】
【識別番号】309011206
【氏名又は名称】ポリイイーツェー ゲーエムベーハー ウント コー.カーゲー
【氏名又は名称原語表記】PoryIC Gmbh & Co.KG
【住所又は居所原語表記】Tucherstrasse 2 90763 Furth Germany
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハインリッヒ マティーアス
(72)【発明者】
【氏名】フェンツル クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ウルマン アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ハイドル シュテファーニエ
(72)【発明者】
【氏名】ザルツマン カーリン
【審査官】関口 貴夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-253857(JP,A)
【文献】特表2008-520099(JP,A)
【文献】特表2006-507695(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 51/00-51/46
B29C 65/00-65/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層体(1)を製造する方法であって、
第1の面(2a)及び第2の面(2b)を有する単層又は多層の基材(2)を提供するステップと、
少なくとも1つのセンサ領域(30)を含み、第1の面(3a)と、当該第1の面(3a)の反対側に位置する第2の面(3b)と、を有する一つ又は複数のセンサフィルム(3)を提供するステップと、
前記センサフィルムの前記第1の面(3a)が少なくとも所定の領域において、前記基材(2)の前記第2の面(2b)に位置するように、前記一つ又は複数のセンサフィルム(3)を前記基材(2)の前記第2の面(2b)に適用するステップと、
前記基材(2)及び前記基材(2)の前記第2の面(2b)に適用された前記一つ又は複数のセンサフィルム(3)を含む一連の層(4)を熱成形するステップであって、前記熱成形の間に、前記基材(2)の前記第1の面(2a)に、前記一つ又は複数のセンサフィルム(3)のうち一つ又は複数のセンサフィルムの形状部(6)により画定される表面レリーフ(5)が形成されるように前記一連の層(4)を熱成形するステップと、
を含み、
前記一つ又は複数のセンサフィルム(3)は、前記少なくとも1つのセンサ領域(30)において、一つ又は複数のセンサエレメント(35)である、静電容量センサエレメント及び抵抗性センサエレメントの少なくとも一方を有し、
前記一つ又は複数のセンサフィルム(3)は、前記一つ又は複数のセンサエレメント(35)に接触するための接触領域(37)及び/又は少なくとも1つの接続領域を有し、
前記基材(2)は、熱成形後に、125μm~3500μmの層厚を有する基材として設けられ、
前記基材(2)の前記第1の面(2a)に形成された前記表面レリーフ(5)は、前記表面レリーフ(5)の局所的最小値又は前記表面レリーフ(5)の全体的な最小値と、前記表面レリーフ(5)の局所的最大値又は前記表面レリーフ(5)の全体的な最大値との間に、5000μm未満の最大高さ差及び/又は平均高さ差を有する、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記一つ又は複数のセンサフィルム(3)のうち少なくとも1つのセンサフィルム(3)が設けられるときに、前記少なくとも1つのセンサフィルム(3)の前記形状部(6)が修正される、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記一つ又は複数のセンサフィルム(3)の一つ又は複数のセンサフィルムは、転写フィルム、ラミネートフィルム、インモールドフィルム、ラベル、インモールドラベル及び/又はセンサラベルとして設けられる、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つのセンサフィルム(3)の前記形状部(6)は、少なくとも1つの表面レリーフ(7)の成形により修正され、
前記少なくとも1つの表面レリーフ(7)は、前記センサフィルム(3)の一つ又は複数の層に成形される、ことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのセンサフィルム(3)の前記形状部は、一つ又は複数のエレメントを前記センサフィルム(3)のベースフィルム(31)に適用することにより修正され、
一つ又は複数のプラスチックラベル(32)及び/又は一つ又は複数の機能エレメント(33)は、一つ又は複数のエレメントとして、前記センサフィルム(3)のベースフィルム(31)の第1の面(31a)に適用され、
前記ベースフィルム(31)の前記第1の面(31a)は、前記センサフィルム(3)の前記第1の面(3a)に面し、かつ/又は前記センサフィルム(3)の前記第1の面(3a)を部分的に形成し、かつ/又は、
一つ又は複数のプラスチックラベル(32)及び/又は一つ又は複数の機能エレメント(33)は、前記センサフィルム(3)の前記ベースフィルム(31)の前記第1の面(31a)に適用された一つ又は複数のプラスチックラベル(32)及び/又は機能エレメント(33)に適用され、かつ/又は、
前記一つ又は複数のプラスチックラベル(32)及び/又は前記機能エレメント(33)は、前記センサフィルム(3)の前記センサ領域(30)において前記ベースフィルム(31)に適用され、かつ前記センサ領域(30)に完全に又は部分的に重なる、ことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
第1の融解温度を有する基材(2)が基材(2)として設けられ、かつ第2の融解温度を有するセンサフィルム(3)がセンサフィルム(3)として設けられ、
前記第1の融解温度は、前記第2の融解温度より低い、ことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
第1の軟化温度を有する基材(2)が基材(2)として設けられ、かつ第2の軟化温度を有するセンサフィルム(3)がセンサフィルム(3)として設けられ、
前記第1の軟化温度は、前記第2の軟化温度より低い、ことを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
熱成形により、センサがラミネートされた前記基材の高さの変化は、適用されたセンサフィルムの層厚と関数関係を有し、
前記関数関係は、パラメータa=0.0035、b=0.4832、c=38.19及び変数x=適用されたセンサラベルの層厚、y=熱成形後のセンサラベルを含まない残りの基材の面領域と比較したセンサラベルの位置における形状部の高さを含む、2次多項式y=a・x
2+b・x+cである、ことを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
ベースフィルム(31)及び一つ又は複数の導電層(42)を有し、前記ベースフィルム(31)に適用されかつ/又は導入されたセンサフィルム(3)がセンサフィルム(3)として設けられる、ことを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記センサ領域(30)における前記一つ又は複数の導電層(42)は、一つ又は複数のセンサエレメント(35)の形成のため、一つ又は複数のセンサ電極(36)を形成し、かつ/あるいは、
前記一つ又は複数の導電層(42)は、接続領域及び/又は接触領域(37)における前記一つ又は複数のセンサ電極(36)の接触のための一つ又は複数の接触電極(36’)を有する、ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
第1の面(2a)及び第2の面(2b)を有する単層又は多層の基材(2)と、少なくとも1つのセンサ領域(30)を含み、第1の面(3a)と当該第1の面(3a)の反対側に位置する第2の面(3b)とを有する一つ又は複数のセンサフィルム(3)と、を有する多層体(1)であって、
前記一つ又は複数のセンサフィルム(3)は、前記基材(2)の前記第2の面(2b)に配設され、
前記センサフィルム(3)の前記第1の面(3a)は、少なくとも所定の領域において、前記基材(2)の前記第2の面(2b)に配置されており、
前記基材(2)の前記第1の面(2a)において、前記一つ又は複数のセンサフィルム(3)うち一つ又は複数のセンサフィルムの形状部(6)、により画定される表面レリーフ(5)が形成され、
前記一つ又は複数のセンサフィルム(3)は、前記少なくとも1つのセンサ領域(30)において、一つ又は複数のセンサエレメント(35)である、静電容量センサエレメント及び抵抗性センサエレメントの少なくとも一方を有し、
前記一つ又は複数のセンサフィルム(3)は、前記一つ又は複数のセンサエレメント(35)に接触するための接触領域(37)及び/又は少なくとも1つの接続領域を有し、
前記基材(2)は、熱成形後に、125μm~3500μmの層厚を有する基材(2)として設けられ、
前記基材(2)の
前記第1の面(2a)に形成された前記表面レリーフ(5)は、前記表面レリーフ(5)の局所的最小値又は前記表面レリーフ(5)の全体的な最小値と、前記表面レリーフ(5)の局所的最大値又は前記表面レリーフ(5)の全体的な最大値との間に、5000μm未満の最大高さ差及び/又は平均高さ差を有する、ことを特徴とする多層体(1)。
【請求項12】
前記一つ又は複数のセンサフィルム(3)の一つ又は複数のセンサフィルムは、転写フィルム、ラミネートフィルム、インモールドフィルム、ラベル、インモールドラベル及び/又はセンサラベルとして形成される、ことを特徴とする請求項11に記載の多層体(1)。
【請求項13】
前記センサ領域(30)における前記一つ又は複数のセンサフィルム(3)は、ベースフィルム(31)、プラスチックラベル(32)、機能エレメント(33)、装飾層(41)、導電層(42)、接着層、接着促進層から選択された一つ又は複数のフィルム及び/又は一つ又は複数の層を有し、
一つ又は複数の前記導電層は、一つ又は複数のセンサ電極(36)及び/又は一つ又は複数の接触電極(36’)をそれぞれ有する、ことを特徴とする請求項11又は12に記載の多層体(1)。
【請求項14】
前記センサ領域(30)における前記一つ又は複数のセンサフィルム(3)は、一つ又は複数のセンサ電極(36)及び/又は一つ又は複数の接触電極(36’)を有し、
前記センサ電極(36)及び/又は前記接触電極(36’)は、互いに隣接して配置され、かつ/あるいは、互いに重ならず、かつ/あるいは、前記多層体
の平面により画定された表面法線に平行に観察したときに、前記一つ又は複数のセンサ電極(36)の一つ又は複数のセンサ電極は、前記一つ又は複数の接触電極(36’)の一つ又は複数の接触電極と重なる、ことを特徴とする請求項11~13のいずれかに記載の多層体(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層体を製造する方法及び多層体に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチックフィルムにセンサ、特にタッチセンサを設けることは公知である。このタイプのセンサフィルムは、例えば、独国特許出願公開第10 2011 111 506号に開示されている。このセンサフィルムは、透明なストリップ導体(ストリップコンダクタ)が適用されるキャリアフィルムを有する。前記ストリップ導体の対応する配置又は重ね合わせにより静電容量タッチセンサが形成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このタイプのセンサを使用する際、さらなる光学エレメント又は装飾エレメントを有する電気的機能を組み合わせることが必要又は望ましい場合がある。
【0004】
本発明の目的は、改善された多層体の製造方法及びセンサ機能を有する改善された多層体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的は、多層体を製造する方法により実現する。当該方法は、第1の面及び第2の面を有する単層又は多層の基材を提供するステップと、少なくとも1つのセンサ領域を含み、第1の面と、当該第1の面の反対側に位置する第2の面と、を有する一つ又は複数のセンサフィルムを提供するステップと、センサフィルムの第1の面が少なくとも所定の領域において、基材の第2の面に位置するように、一つ又は複数のセンサフィルムを基材の第2の面に適用するステップと、基材及び基材の第2の面に適用された一つ又は複数のセンサフィルムを含む一連の層を熱成形するステップであって、熱成形の間に、基材の第1の面に、一つ又は複数のセンサフィルムのうち一つ又は複数のセンサフィルムの形状部、特に輪郭(外形状)及び/又はレリーフにより画定される表面レリーフが形成されるように一連の層を熱成形するステップと、を含む。
【0006】
さらに前記目的は、第1の面及び第2の面を有する単層又は多層の基材と、少なくとも1つのセンサ領域を含み、第1の面と当該第1の面の反対側に位置する第2の面とを有する一つ又は複数のセンサフィルム(3)と、を有する多層体により実現する。一つ又は複数のセンサフィルムは、基材の第2の面に配設されている。センサフィルムの第1の面は、少なくとも所定の領域において基材の第2の面に配置されている。基材の第1の面において、一つ又は複数のセンサフィルムのうち一つ又は複数のセンサフィルムの形状部、特に輪郭及び/又はレリーフにより画定される表面レリーフが形成される。
【0007】
多層体を製造する方法及びそのような多層体は、プロセスパラメータ及び多層体の構成要素(例えば、使用するセンサフィルム及び/又は基材の構成要素)の材料が選択されることで、センサフィルムの反対側に面する基材の第1の面に表面レリーフが形成されることを特徴としている。センサフィルム及びセンサフィルムのセンサ領域は基材による環境の影響から保護される。基材はセンサフィルムと組み合わされる前に別個に製造されるため、センサ機能を提供するための繊細なストリップ導体を製造するためのセンサフィルムの製造時に使用される方法に適合しない、対応する寸法安定性及び耐薬品性を有する材料が基材に使用される。さらに、基材を製造する間に、さらなる装飾デザインを基材に導入し、かつ/又は基材に適用することができる。これは、同様にセンサフィルムの製造時における「敏感な」プロセス条件に適合する必要がない。さらに、センサフィルムと正確に見当合わせされて配置された表面レリーフ、したがってセンサ機能が、センサフィルムの反対側に面する基材の面に成形され、これにより、ユーザインターフェースとして使用されたときに、対応する保護又はセンサ機能のための対応する装飾的なデザインがもたらされる。対応する表面デザインは、センサフィルムを介して「制御され得る」。対応する付加的な見当合わせ(位置合わせ)方法等を用いたり、表面レリーフ成形用の別個のスタンピングダイを作成したりする必要はない。代わりに、付加的なプロセスに伴う労力を必要とせずに簡単な方法で、表面レリーフをセンサ機能に対して正確に見当合わせして配置することができる。
【0008】
本発明の有利な実施例は、従属項に記載されている。
【0009】
特に、一つ又は複数のセンサフィルムの少なくとも1つのセンサフィルムは、好ましくは、転写フィルム、ラミネートフィルム、インモールドフィルム(in-mold film)、インモールドラベル(in-mold label)及び/又はセンサラベルとして形成されかつ/あるいは設けられる。
【0010】
一つ又は複数のセンサフィルムの少なくとも1つのセンサフィルムが提供されると、少なくとも1つのセンサフィルムの形状部、特に輪郭及び/又はレリーフが好ましくは修正(変更)される。さらに、少なくとも1つのセンサフィルムの形状部、特に輪郭及び/又はレリーフは、少なくとも1つの表面レリーフの成形により修正(変更)される。少なくとも1つの表面レリーフは、特に、熱複写(thermal replication)、UV複写(UV replication)、レーザアブレーション、パンチング、切断、スタンピング、射出成形から選択された一つ又は複数の方法によりセンサフィルムの一つ又は複数の層に成形される。
【0011】
さらに好ましくは、少なくとも1つのセンサフィルムの形状部、特に輪郭及び/又はレリーフは、一つ又は複数のエレメントをセンサフィルムのベースフィルムに適用することにより修正(変更)され、エレメントは、一つ又は複数の以下のステップにより適用される。特に、印刷ステップ及び/又は3D印刷ステップであって、特にワニスに印刷するステップ、単層又は多層のフィルムエレメント、特にプラスチックラベルを鋳造するステップ、単層又は多層のフィルムエレメント、特にプラスチックラベルにラミネート加工又は接着するステップ、織物(不織布)、特にガラス繊維織物を適用するステップ、繊維素材、特に有機繊維素材を適用するステップ、バックインジェクション成形(背面射出成形)ステップ、転写法、特にホットスタンピング法又はコールドスタンピング法により前記一つ又は複数のエレメントを適用するステップ。
【0012】
さらに、一つ又は複数のプラスチックラベル及び/又は一つ又は複数の機能エレメントは、一つ又は複数のエレメントとして、特にセンサフィルムのベースフィルムの第1の面に適用されてもよい。ベースフィルムの第1の面は、好ましくは、センサフィルムの第1の面に面し、かつ/又はベースフィルムの第1の面は、好ましくは、センサフィルムの第1の面を部分的に形成する。
【0013】
また、一つ又は複数のプラスチックラベル及び/又は一つ又は複数の機能エレメントは、特に、センサフィルムのベースフィルムの第1の面に適用された一つ又は複数のプラスチックラベルに適用されてもよい。さらに好ましくは、一つ又は複数のプラスチックラベル及び/又は機能エレメントは、センサフィルムのセンサ領域においてベースフィルムに適用され、かつ特に少なくとも1つのセンサフィルムの第1の面に広がる平面に投影されたセンサ領域に完全に又は部分的に重なる。
【0014】
また、センサフィルムは、センサ領域に配置された一つ又は複数のセンサエレメントの接触のための接続領域及び/又は接触領域を有していてもよい。一つ又は複数のプラスチックラベル及び/又は機能エレメントは、好ましくは、センサフィルムのセンサ領域において、ベースフィルムに適用されてもよく、好ましくは、特に少なくとも1つのセンサフィルムの第1の面に広がる平面に投影されたセンサ領域に完全に又は部分的に重なるが、センサフィルムの接触領域及び/又は接続領域に重ならなくてもよい。
【0015】
さらに、少なくとも1つの接続領域は、特に電気接触のために、一つ又は複数の接触領域を有していてもよい。
【0016】
一つ又は複数のセンサフィルムの一つ又は複数のセンサフィルムは、好ましくは、一つ又は複数のセンサからなってもよい。しかし、基材の第1の面における表面レリーフのため、特に一つ又は複数のセンサフィルムの一つ又は複数のセンサフィルムが複数の層からなる場合に有利であることが分かっている。このタイプの層は、好ましくは、センサフィルムの第1の面から所望とする任意の順序で一つ又は複数のプラスチックラベル及び/又は一つ又は複数の機能エレメントを含む。一つ又は複数の機能エレメントの一つ又は複数の機能エレメントは、全空間方向に延在する機能エレメントとして又は3Dエレメントとして形成される。
【0017】
さらに、特に、一つ又は複数のセンサフィルムの一つ又は複数のセンサフィルムは、一つ又は複数のさらなる(好ましくは印刷された)触感エレメントを含んでいてもよい。触感エレメントは、特に触覚的に検出可能な構造又は他の特性を有する。一つ又は複数の触感エレメントの一つ又は複数の触感エレメントは、全空間方向に延在する機能エレメントとして形成され、かつ/又は特に人間の指先及び/又は親指の指先により触覚的に検出可能である。
【0018】
工具(ツール)を適合することにより、センサフィルムの少なくとも1つの接続領域及び/又は接触領域を収容してもよい。特に、少なくとも1つの接続領域及び/又は接触領域は、少なくとも部分的にバックインジェクション成形されず、特に旗状に、多層体及び/又は単層又は多層の基材の残りの部分から突出する。接続領域及び/又は接触領域は、特に、少なくとも1つの接続領域及び/又は接触領域が接続されるカウンタ接点に案内されるように突出している。好ましくは、旗状をなすバックインジェクション成形されない接続領域及び/又は接触領域は、多層体のエッジ及び/又は単層又は多層の基材に設けられない。接続領域及び/又は接触領域、特に旗状の接続領域及び/又は接触領域は、好ましくは、多層体及び/又は単層又は多層の基材の一つ又は複数の表面及び/又は表面領域から突出する。さらに好ましくは、一つ又は複数のエッジ領域において、多層体及び/並びに単層又は多層の基材は、電気デバイスのさらなるエレメントに取り付けられるか又は挿入される。特に、少なくとも1つの接続領域及び/又は接触領域、特に少なくとも1つの電気接続領域及び/又は接触領域において接触する可能性が好ましくは存在し続ける。
【0019】
さらに、接触ピンを接触方法として使用してもよい。その結果、接続領域及び/又は接触領域のない少なくとも1つのセンサは、その後、接触ピンに接触する。
【0020】
さらに、接触領域が横方向に突出し、特に自然にインプリント(刻印)を残すように、接触領域の長さを設計してもよい。このタイプのインプリントが設計上考慮されることが好ましい。
【0021】
ラミネート加工の間に、ラミネート温度及び/又はラミネート圧を異ならせてもよい。例えば、ラミネート加工は、低温で開始され、その後、徐々に又は不均一に増加するラミネート温度で行われ、かつ/又は、例えば、ラミネート加工は、低圧で開始され、その後、徐々に又は不均一に増加するラミネート圧で行われてもよい。ラミネート時間に亘る他のラミネート圧及び/又はラミネート温度を用いてもよい。
【0022】
一つ又は複数の機能エレメントは、好ましくは、電気的及び/又は光学的機能を果たす1つのエレメントによって形成され、特に導光部(light guide)によって構成される。このタイプの導光部は、特にプラスチック、好ましくは、一つ又は複数のPMMA(PMMA=ポリメチルメタクリレート)及び/又は一つ又は複数のPC(PC=ポリカーボネート)及び/又はガラスからなる。さらに、そのような導光部又は複数のそのような導光部を一つ又は複数のセンサフィルムの一つ又は複数のセンサフィルムに及び/又は前記センサフィルム間に及び/又は前記センサフィルム上に配置しかつ/又は適用しかつ/又は形成してもよい。
【0023】
一つ又は複数の機能エレメントの一つ又は複数の機能エレメントを導光部として形成することが有利であることが分かっている。これにより、特に、基材の第1の面における表面レリーフの形成と組み合わせて、多層体において光を所望のように導くことができる。
【0024】
さらに、天然、植物性及び/又は合成の組織からなる織物(不織布)、好ましくはガラス繊維織物及びノンクリンプ織物(non-crimp fabric)、さらに好ましくは、例えば木製のベニヤなどの植物ベースのレリーフ形成シートを機能エレメントとして使用してもよい。織物又は織物の輪郭に対応する織物レリーフは、特に付加的に、表面レリーフの一部又は表面レリーフとして、基材の第1の面に形成される。
【0025】
一つ又は複数のセンサフィルムは、好ましくは、ラミネート加工により基材の第2の面に適用されてもよい。ラミネート温度は、好ましくは、80°C~300°C、特に100°C~300°C、好ましくは120°C~240°Cである。特にラミネート速度は0.125m/分~10m/分、好ましくは0.25m/分~7.5m/分、特に好ましくは0.125m/分~5m/分である。
【0026】
「ラミネート温度」は、特に、表面温度、あるいは、特にラミネート加工の間における、一つ又は複数のセンサフィルムの一つ又は複数のセンサフィルム及び/又は基材の内側の領域又は点の温度を意味する。
【0027】
一つ又は複数のセンサフィルムの少なくとも1つのセンサフィルム、特に、一つ又は複数の装飾層の少なくとも1つの装飾層を含む一つ又は複数のセンサフィルムの少なくとも1つのセンサフィルムは、好ましくはスタンピング法、ロールオン法及び/又はバックインジェクション成形法により、基材の第2の面、特に一つ又は複数の装飾層の少なくとも1つの装飾層を含む基材の第2の面に適用されてもよい。
【0028】
特に、一つ又は複数の装飾層のうち一つ又は複数の装飾層は、0.01mm~10mm、特に0.1mm~2.5mm、好ましくは0.25mm~1.25mm、及び/又は0.1mm~10mm、特に0.25mm~2.5mm、好ましくは0.25mm~1.25mmの層厚を有する。
【0029】
好ましくはスタンピング法、ロールオン法及び/又はバックインジェクション成形法により、好ましくは、基材の第2の面、特に一つ又は複数の装飾フィルムを含む基材に一つ又は複数のセンサフィルムを適用するか堆積させると有利であることが分かった。
【0030】
さらに、表面レリーフは、一連の層の熱成形の間に、特に基材の加熱及び深絞りにより形成されてもよい。基材は、好ましくは、80°C~300°C、特に90°C~250°C、好ましくは100°C~300°Cの表面温度まで加熱される。特に基材のコア温度は、120°C~160°C、好ましくは100°C~180°C、特に好ましくは80°C~200°Cであり、かつ/又は、1bar(バール)~6bar、特に2bar~5bar、好ましくは2bar~3.5barの圧力、特に正圧が適用される。この圧力は、特に2つの側の一方から基材に作用する。真空、したがって負圧(好ましくは0.1bar~0.9bar、特に0.2bar~0.8bar)は、基材の他方の側から支持的に加えられることが好ましい。例えば、正圧は基材の前側(前面)から作用し、負圧は基材の裏側(裏面)から作用してもよいし、両者の関係が逆であってもよい。つまり、これは、好ましくは、基材の前側から負圧が加えられ、基材の裏側から正圧が加えられることを意味する。
【0031】
「ラミネート温度」は、特に、一連の層の加熱又は深絞りの間における、一連の層の内側の領域又は点、特に一連の層の幾何学的中心の温度を意味する。
【0032】
特に、表面レリーフは、好ましくは、基材の第1の面に形成される。表面レリーフは、好ましくは、形状部、特に一つ又は複数のセンサフィルムのレリーフ及び/又は輪郭により形成される。
【0033】
さらに、例えば、その後に適用されるピクトグラムによる、センサ領域におけるこれまでの付加的なマーキングが、基材の第1の面に形成されるか、あるいは基材の第1の面に形成されている光学的及び/又は触覚的な表面レリーフによって置き換えられることが好ましい。そのような新規のマーキングは、特に、一つ又は複数のセンサフィルムを介した熱成形による成形時に付加的な方法ステップを必要とせず、かつ/あるいは、さらなるフィルム、層、ラベル、特にプラスチックラベル及び/又はエレメント、特に機能エレメント、好ましくは3Dエレメントが結果得られる多層体の表面のデザインに統合され得る。
【0034】
さらに、一つ又は複数のセンサフィルム及び/又はさらなるフィルム、層、ラベル、特にプラスチックラベル、並びに/あるいはエレメント、特に機能エレメント、好ましくは3Dエレメントがデザインと調和して多層体に統合され得るように、新たなデザインの自由度が生じることが好ましい。
【0035】
さらに、好ましくは、例えば、時間の経過とともに「摩耗」又はすり減る適用されたピクトグラムによるセンサ領域におけるこれまでの付加的なマーキングとは対照的に、本発明によるマーキングが長期間に亘る負荷に対してより耐性があるか又はより長い期間に亘って使用可能となる。
【0036】
さらに、これにより、特に多層体が広がる平面における及び/又は特にこの平面に垂直な「アクティブ」センサ領域の位置及び幾何学的範囲が、触覚的及び/又は光学的に検出可能となる。一つ又は複数のセンサフィルム及び/又はさらなるフィルム、層、ラベル、特にプラスチックラベル、及び/又はエレメント、特に機能エレメント、好ましくは3Dエレメントの望ましくない追跡効果は、付加的な「仮想の」装飾として、例えば、続いて適用されるピクトグラムとして続いて適用されるボタン又はスイッチなどの操作エレメントを適用しなければならない事態を回避するために使用される。
【0037】
今日まで、センサは特に深絞り部品の背部に接着されており、その結果、感覚機能が検出されないままになるため、感覚機能について消費者及び/又はユーザに具体的に通知する必要がある。消費者及び/又はユーザは、通常、ユーザに面する構成要素の側における対応する位置に配置される、続いて適用される別個のピクトグラムにより感覚機能に気づく。特に、これは、一般的にこのタイプのピクトグラムを適用又は生成するための付加的な方法ステップを必要とする。
【0038】
一連の層、特に一つ又は複数の装飾フィルムを有する一連の層は、好ましくは、一つ又は複数のPC及び/又は一つ又は複数のPMMAから形成される。
【0039】
さらに、一連の層、特に一つ又は複数の装飾フィルムを含む一連の層は、好ましくは、ガラス繊維又は合成繊維が充填されたPC及び/又はPMMAから形成されなくてもよい。
【0040】
さらに、基材、特に一つ又は複数の装飾フィルムを含む基材は、特にABS及び/又はPC及び/又は純粋なABS及び/又は純粋なポリアミド及び/又は混合物又はこれらの組み合わせから形成されなくてもよい。
【0041】
一連の層の熱成形の間、表面レリーフは、好ましくは、一連の層のラミネート加工により形成される。ラミネート温度は、好ましくは、80°C~300°C、特に100°C~260°C、好ましくは120°C~240°Cである。特にラミネート速度は0.125m/分~10m/分、好ましくは0.25m/分~10m/分、特に好ましくは0.5m/分~10m/分及び/又は好ましくは0.25m/分~7.5m/分である。
【0042】
好ましくは熱成形の前に、125μm~3500μm、特に400μm~1500μm、好ましくは600μm~1100μmの層厚、特に平均層厚を有する基材が好ましくは基材として設けられる、かつ/又は、好ましくは熱成形後に、125μm~3500μm、特に400μm~1500μm、好ましくは600μm~1100μmの層厚、特に平均層厚を有する基材が好ましくは基材として設けられることが有利であることが分かった。
【0043】
基材、特に一つ又は複数の装飾層を有する基材は、好ましくは材料、好ましくはエアポケットのない固体材料からなる。
【0044】
例えば、発泡体及び/又は発泡体のような材料の機械的な挙動が未知であるか又は多大な労力を持ってのみ判断され、発泡体及び/又は発泡体のような材料に含有されるか又はこれに含まれるポケット、特にエアポケットは、一つ又は複数のセンサフィルムの電気的特性、特に導電性に悪影響を与えるため、基材、特に一つ又は複数の装飾層を有する基材が発泡体及び/又は発泡体のような材料又は物質から形成されていない場合に有利であることが分かった。
【0045】
さらに、第1の融解温度を有する基材が好ましくは基材として設けられ、第2の融解温度を有するセンサフィルムが好ましくはセンサフィルムとして設けられてもよい。特に、第1の融解温度は第2の融解温度より低く、第2の融解温度よりも好ましくは1~3倍、さらに好ましくは1.3~2.5倍低い。基材は、好ましくは、二軸延伸PET(biaxially oriented PET)又はポリエチレンテレフタレートからなる。
【0046】
本明細書において、「融解温度」又は融点は、特に、材料及び/又は物質が溶けて、その結果、好ましくは固体状態から液体状態に変化する温度を意味する。
【0047】
また、第1の軟化温度を有する基材は、好ましくは、基材として設けられ、第2の軟化温度を有するセンサフィルム、好ましくは、センサフィルムとして設けられてもよい。特に第1の軟化温度は、第2の軟化温度より低く、好ましくは第2の軟化温度より1~3倍、さらに好ましくは1.3~2.8倍低い。
【0048】
本明細書において、「軟化温度」又は軟化点は、特に、材料及び/又は物質が、好ましくは所定の条件で、流れ始める温度を意味する。材料及び/又は物質は、特に固体状態から液体状態に変わるまで加熱される。本明細書において、軟化温度は、特に、好ましくは試験荷重B、50Nで測定されたビカット(Vicat)軟化温度(VST)、したがってVSTBを意味する。
【0049】
基材、特に一つ又は複数の装飾フィルムを含む基材の軟化又は可塑化が一つ又は複数のセンサフィルムの軟化又は可塑化よりも低い温度、特に第2の軟化温度及び/又は融解温度及び/又は圧力、特に機械的圧力で生じるように、好ましくは、例えば、熱成形プロセスの温度及び/又は圧力、特に機械的圧力などの可変の方法パラメータを予め決定することが有利であることが分かった。
【0050】
基材の融解温度、特に一つ又は複数の装飾フィルムを含む基材の融解温度は、好ましくは、一つ又は複数のセンサフィルムの融解温度より低いことが試験により分かった。したがって、例えば、基材の融解温度、特にPCからなる一つ又は複数の装飾フィルムを含む基材の融解温度は、220°C~230°Cであり、かつ/又は、例えば、PETからなる一つ又は複数のセンサフィルムの融解温度は、255°Cであり、特に250°C~260°Cである。
【0051】
さらに、試験は、センサがラミネートされた基材の高さの変化、好ましくは、熱成形により、所定の層厚を有するセンサがラミネートされた基材の高さの変化は、特に適用されたセンサフィルムの層厚と関数関係を有することを示している。この関数関係は、特に、パラメータa=0.0035;b=0.4832、c=38.19及び好ましくは変数x=適用されたセンサラベルの層厚、y=熱成形後のセンサラベルを含まない残りの基材の面領域と比較したセンサラベルの位置における形状部の高さを含む、2次多項式y=a・x2+b・x+cである。
【0052】
一つ又は複数のセンサフィルムは、熱成形の間、好ましくは深絞りの間、特に断熱材として作用することが分かった。一連の層を熱成形するとき、一連の層は、好ましくは、基材の第2の面又は一つ又は複数のセンサフィルムの第2の面の方向から加熱される。その結果、一つ又は複数のセンサフィルムが一つ又は複数のセンサフィルムの第1の面に位置する一つ又は複数の領域における、基材、特に一つ又は複数の装飾フィルムを含む基材への熱の流れは、好ましくは、一つ又は複数のセンサフィルムが一つ又は複数のセンサフィルムの第1の面に設けられていない領域におけるよりも少ない。
【0053】
熱成形前に、一連の層は、好ましくは、曲率半径が最小又は最大でありかつ/又は平均曲率半径が1.5mm以上、好ましくは1mm以上である曲率を有する。
【0054】
「曲率」とは、特に、直線からの曲線の局所的な偏差を意味する。曲線の曲率とは、特に、十分に短い曲線片又は曲線の進行に亘る長さ及び/又は延伸ごとの方向への1つの変化を意味する。直線の曲率はいかなる箇所においてもゼロに等しい。半径rの円は、どこでも同じ曲率、つまり1/rを有する。ほとんどの曲線の場合、曲率は曲線点から曲線点へと変化し、特に曲率は曲線点から曲線点へと連続的に変化し、その結果、特に曲線はねじれ及び/又は不連続点を含まない。したがって、点Pでの曲線の曲率は、点Pのすぐ周囲で曲線が直線からどの程度ずれているかを示す。曲率の量は曲率半径と呼ばれ、これは局所的な半径のベクトル量の逆値に対応する。曲率半径は、曲線の接触及び/又は接線点Pの局所的な周囲における最良の近似を表す円の半径である。
【0055】
熱成形後、一連の層が、好ましくは、曲率半径が最小又は最大でありかつ/又は平均曲率半径が1.5mm以上、好ましくは1mm以上である曲率を有するように、熱成形の間に一連の層が修正(変更)される。
【0056】
それにもかかわらず、ピクトグラムが、センサ領域に配置されるか又はセンサ領域に重なり、かつ/又はセンサ領域の外側に配置されるように、多層体に装飾層に導入又は適用されるピクトグラムの形態をなす、ユーザのための光学的なマーキングを統合することが好ましい。
【0057】
さらに、基材が、好ましくは、基材として形成され、かつ/又は、少なくとも1つのセンサフィルムが、好ましくは、一つ又は複数の装飾層を含む少なくとも1つのセンサフィルムとして設けられてもよい。特に、装飾層は、一つ又は複数の領域、好ましくはセンサ領域において、一つ又は複数のピクトグラムを有する。好ましくは、一つ又は複数のピクトグラムのうち一つ又は複数のピクトグラムは、ピクトグラム全体を形成するように、重なるか又は互いを補完する(補う)。
【0058】
特に、一つ又は複数のピクトグラムのうち一つ又は複数のピクトグラム又はピクトグラム全体は、モチーフ、グラフィカルなデザインの輪郭(外形状)、比喩的表現、イメージ(画像)、視覚的に認識可能なイメージ(画像)、記号(シンボル)、ロゴ、肖像画、パターン、英数字、テキスト等としてそれぞれ形成される。
【0059】
また、基材の第1の面に形成された表面レリーフは、光学的に検出可能でありかつ/又は特に人間の指先又は親指の先で触覚的に検出可能な一つ又は複数のピクトグラムを構成するように形成されてもよい。
【0060】
基材は特に一つ又は複数の透明領域を有してもよい。特に、一つ又は複数の透明領域における基材の第1の面と基材の第2の面との間の人間の目に見える波長域での基材の透過率は、1%を超える、好ましくは2%を超える、さらに好ましくは4%を超え、かつ/又は99%未満、好ましくは95%未満、さらに好ましくは92%未満である。
【0061】
さらに、一つ又は複数の装飾フィルムの一つ又は複数の装飾フィルムは、特に、着色かつ/又は染色かつ/又は金属化かつ/又は部分的に金属化された層を有していてもよい。少なくとも所定の領域において、特に第1の面から多層体をみたときに透過率又は光透過率及び/又は制御されたかつ/又は所定の放射率をもたらすように、部分的に透明又は透明な装飾フィルムは、好ましくは、透明なセンサフィルムと組み合わされる。
【0062】
透明領域は、好ましくは、はっきりと透明であり、すなわち、特に染色されておらず、かつ/又は基材の色を有するか染色され、充填剤で艶消しされかつ/又は着色されているか、あるいは、特に、上記特性の組み合わせ、所定の領域における異なる透明度及び/又は着色の組み合わせである。このタイプのクリアな透明領域は、特にセンサ領域の一つ又は複数の領域又はセンサ領域を含む。
【0063】
多層体は、全ての層に亘る透明領域を有していてもよく、その結果、観察者は、多層体を介して、例えば光源からの透過光を検出することができる。
【0064】
特に、一つ又は複数の装飾層又は基材又は一つ又は複数のセンサフィルムの光沢レベルは、2@60°、特に60°の測定角度で2GUと、160@60°、特に60°の測定角度で160GUとの範囲にある。ここで、「GU」は、特に「光沢単位(gloss units)」を意味する。
【0065】
さらに、特に見当合わせされた(位置合わせされた)全体的なデザインを形成するように、一つ又は複数の又は全ての装飾フィルム、ピクトグラム、プラスチックラベル、機能エレメント、透明領域及び/又はセンサフィルムを互いに対して又は一つ又は複数の全ての装飾フィルム、ピクトグラム、プラスチックラベル、機能エレメント、透明領域及び/又はセンサフィルムに対して見当合わせ(位置合わせ)して配置してもよい。
【0066】
見当又は見当合わせ(位置合わせ)あるいは見当精度又は見当合わせ(位置合わせ)精度とは、互いに対する2つ以上のエレメント及び/又は層の位置精度を意味する。見当合わせ精度は、可能な限り低い所定の許容範囲に収まるようにする必要がある。同時に、複数のエレメント、部分領域、特に一つ又は複数の第1の部分領域、フィルム及び/又は層の互いに対する見当合わせ精度は、プロセスの信頼性を高めるための重要な機能である。位置的に正確な位置合わせは、特にマーキングにより、特に感覚的に、好ましくは光学的に検出可能な見当マーク又は見当合わせ(位置合わせ)マークによりもたらされる。これらのマーキング、特に見当マーク又は見当合わせ(位置合わせ)マークは、好ましくは、別個の特定のエレメント又は領域又は層を表すか、あるいは、好ましくは、配置されるエレメント又は領域又は層の一部である。
【0067】
一つ又は複数のセンサフィルムは、好ましくは、一つ又は複数のテンプレートにより、一つ又は複数の装飾層の配置及び/又は位置に対して配置される。センサフィルムは、特に装飾層に存在する見当マークと位置合わせされ、したがって、好ましくは、デザインに依存して配置される。特に、好ましくは、別々に印刷されかつ/又は裏面に印刷されかつ/又は基材の第2の表面の側面から印刷され、並びに/あるいは、例えば、閉じられた幾何学的なピクトグラム、特に円及び/又は多角形などの、装飾層に既に存在する装飾層のピクトグラムとセンサフィルムとの位置合わせがさらに可能である。
【0068】
基材は、好ましくは、顔料を含む層、カラー層、金属層、金属化層、特に部分的に金属化された層、透明層、半透明層、不透明層から選択された一つ又は複数の層を含む基材として設けられてもよい。
【0069】
さらに、一つ又は複数のセンサフィルムは、好ましくは、少なくとも1つのセンサ領域において、一つ又は複数のセンサエレメント、特に静電容量センサエレメント及び/又は抵抗性センサエレメントを有していてもよく、一つ又は複数のセンサフィルムは、好ましくは、一つ又は複数のセンサエレメントの接触のための少なくとも1つの接続領域及び/又は接触領域を有していてもよい。
【0070】
また、センサフィルムは、好ましくは、特にベースフィルムに適用されかつ/又は導入される金属材料からなる一つ又は複数の導電層及びベースフィルムを有するセンサフィルムとして設けられてもよい。
【0071】
センサ領域における一つ又は複数の導電層は、好ましくは、一つ又は複数のセンサエレメントの形成、特に一つ又は複数の静電容量センサエレメント及び/又は一つ又は複数の抵抗性センサエレメントの形成のための一つ又は複数のセンサ電極を形成し、かつ/又は、一つ又は複数の導電層は、好ましくは、接続領域及び/又は接触領域における、接触、特に一つ又は複数のセンサ電極の電気的接触のための一つ又は複数の接触電極を有していてもよい。
【0072】
特に、一つ又は複数のセンサ電極、特に、一つ又は複数のセンサ電極のうち一つ又は複数のアクティブセンサ領域は、60%を超える、特に80%を超える透過率で人間の目に対する透明性を有し、かつ/あるいは、3μm~60μm、特に4μm~60μm、特に好ましくは4μm~50μmのストリップ導体幅を有する薄いストリップ導体のネットワークによって構成される。
【0073】
好ましくは、10μm~300μm、特に50μm~200μm、好ましくは60μm~150μmの層厚を有するセンサフィルムがセンサフィルムとして設けられる。
【0074】
一連の層が、好ましくは、少なくともセンサ領域において、最大200pF、好ましくは最大150pF、さらに好ましくは最大100pFの静電容量(キャパシタンス)を有する場合に有益であることが分かった。これにより、特に、センサ領域において、好ましくは人間の指先及び/又は人間の親指の先によるタッチ機能が可能となる。
【0075】
特に、テール(tail)供給ラインを有していないセンサセル、好ましくはテール供給ラインを有していない小さなセンサセル、さらに好ましくは直接接触可能なセンサセルは、最大7pF、特に最大5pF、特に好ましくは最大3pFの静電容量を有していてもよく、かつ/あるいは、テールを有するセンサ、特にテールを有する大きなセンサは12pF~70pFの静電容量を有していてもよい。装飾層が僅かに導電性である場合、好ましくは、静電容量はさらに高くなる。
【0076】
単層又は多層の基材は、任意選択的に一方の側又は両方の側に印刷されてもよい。適用されたセンサフィルム又はセンサフィルムのタッチ機能又はセンサ機能を促進するため、多層体は、特に、最大200pFの静電容量を有することが有利である。測定装置、特に測定ヘッドの自己静電容量は、好ましくは測定値に考慮される。測定装置は、例えば、測定ヘッドに接続された構造体の自己静電容量を測定する、いわゆる「自己静電容量」測定ヘッドとし得る。
【0077】
特に、多層体の層を介して十分なセンサ感度及び/又はセンサ機能を実現するために、測定器の周囲の補正値が、好ましくは150pFの最大容量を有する場合にさらに有利である。
【0078】
測定法において、「オーム的に(ohmically)」接続されたフィルム試験片の静電容量試験又は測定が好ましくは実行される。フィルム試験片、例えばタッチセンサは、特に、好ましくは薄いストリップ導体によりタッチ表面領域又はセンサ電極に接続される接触のための接続領域及び/又は接触領域を有する。タッチ表面領域又はセンサ電極は、コプラナコンデンサ(coplanar capacitor)の前半部及び後半部を構成する。
【0079】
さらに、測定ヘッドは、好ましくは、オーム的な接触のための接触ピンと、接続された静電容量に応じて特定の周波数を有する発振回路チップと、好ましくは出力周波数を決定し、特に接続された演算装置に周波数を送信する評価電子機器と、を有する。決定された周波数は、好ましくは、測定ヘッドに付加的に接続された静電容量の測定値である。付加的に接続された容量は、特に、接続されたコプラナコンデンサの静電容量又はタッチセンサの静電容量である。
【0080】
コプラナコンデンサの静電容量は、好ましくは、存在するコプラナプレートの種類、例えばその表面積、形状、間隔に依存し、特に、コプラナプレートの上方及び下方における誘電性又は導電性の層及び/又は環境に依存する。例えば、人の指などの導電性の物体がコプラナコンデンサ又はタッチセンサに近づくと、これにより、好ましくは、導電性の物体とコプラナコンデンサ又はタッチセンサの間の距離に応じて、測定可能な静電容量が変化する。これにより、特に、コプラナコンデンサ又はタッチセンサの機能、特に精度が確認される。好ましくは、「タッチしていない」静電容量は、特定の最小値に達していれば、機能基準としては十分であることが好ましい。
【0081】
印刷された層の誘電特性又は導電特性を測定するため、特にデザイン的に同様の種類のセンサを使用することが好ましい。まず、既知の材料、例えば、非導電性材料として厚さ1mmのPMMAプレート、例えば、完全導電性材料として既知のシート抵抗を有する金属化フィルム又はカーボン層などについて比較測定を行う。高抵抗導電性印刷層の測定値は、好ましくは、前記2つの材料の測定値の間にあり、これにより、特に前記材料の導電性、したがって前記材料の接触干渉能力を推測することができる。
【0082】
センサ領域は、一つ又は複数のセンサ電極が存在しない、センサ領域を少なくとも部分的に取り囲んだ少なくとも1つのエッジ領域、特にリング状のエッジ領域、特に円形リング状のエッジ領域を含んでいてもよい。外側又は内側からセンサ領域の周囲を囲み、かつ/あるいは、センサ領域の周囲に追従し、かつ/あるいは、センサ領域の周囲と完全に又は部分的に重なる。
【0083】
センサ領域又はアクティブなタッチ領域は、好ましくは、表面レリーフ内だけに位置し、特に表面レリーフ自体には位置していない。
【0084】
さらに、エッジ領域は、好ましくは、0.25mm~5mm、好ましくは0.5mm~5mmの幅、特に半径方向の幅を有し、かつ/又は、リング状のエッジ領域、特に円形リング状のエッジ領域は、好ましくは、0.25mm~5mm、好ましくは0.5mm~2mmのリング幅を有していてもよい。好ましくは、エッジ領域は、センサ領域に配置された一つ又は複数のセンサエレメントの接触のためのものを有していない。
【0085】
また、基材の第1の面に形成された表面レリーフは、好ましくは、触覚的及び/又は光学的に検出可能であり、かつ/又は、基材の第1の面に形成された表面レリーフは、好ましくは、触覚的に検出可能であるが光学的に検出可能でなくてもよいし、好ましくは、光学的に検出可能であるが触覚的に検出可能でなくてもよい。
【0086】
特に、基材の第1の面に形成された表面レリーフは、表面レリーフの局所的最小値又は表面レリーフの全体的な最小値と、表面レリーフの局所的最大値又は表面レリーフの全体的な最大値との間に5000μm未満、特に2000μm未満、好ましくは1000μm未満の最大高さ差及び/又は平均高さ差を有することが試験により分かった。
【0087】
基材の第1の面に形成された表面レリーフは、好ましくは、表面レリーフの局所的最小値又は表面レリーフの全体的な最小値と、表面レリーフの局所的最大値又は表面レリーフ全体的な最大値との間に、50μm以上、特に25μmを超える、好ましくは10μmを超える最大高さ差及び/又は平均高さ差を有する。
【0088】
基材の第1の面に形成された表面レリーフは、好ましくは、点字として、特に点字の一つ又は複数の文字、一つ又は複数の数字、一つ又は複数の単語、及び/又は一つ又は複数の文章として形成されてもよい。
【0089】
多層体の好ましい実施例を以下に記載する。
【0090】
センサ領域における一つ又は複数のセンサフィルムは、好ましくは、特に所定の領域又は全面に亘って、ベースフィルム、プラスチックラベル、機能エレメント、特に導光部、装飾層、導電層、特に金属層、接着層、接着促進層から選択された一つ又は複数の層及び/又は一つ又は複数のフィルムを有する。一つ又は複数の導電層は、一つ又は複数のセンサ電極及び/又は一つ又は複数の接触電極をそれぞれ有する。
【0091】
センサ領域における一つ又は複数のセンサフィルムは一つ又は複数のセンサ電極及び/又は一つ又は複数の接触電極を有していてもよい。特に少なくとも1つのセンサフィルムの第1の面に広がる平面に投影されたセンサ電極及び/又は接触電極は、互いに隣接して配置され、かつ/又は、互いに重ならず、かつ/又は、特に多層体の平面により画定される表面法線に平行に観察した場合に、一つ又は複数のセンサ電極の一つ又は複数のセンサ電極は一つ又は複数の接触電極のうち一つ又は複数の接触電極と重なる。
【0092】
さらに、特に少なくとも1つのセンサフィルムの第1の面が広がる平面に投影された表面レリーフは、特にセンサ領域において、一つ又は複数の直線、曲線、円弧形及び/又は円形の突部(隆起部)及び/又はリセスから少なくとも部分的に構成されてもよい。
【0093】
また、少なくとも1つのセンサフィルムの第1の面が広がる平面に投影された表面レリーフは、特にセンサ領域において、一つ又は複数の線形、らせん形及び/又は楕円形の突部及び/又はリセスを有して少なくとも部分的に形成されてもよい。
【0094】
さらに、一つ又は複数の突部の一つ又は複数の突部及び/又は一つ又は複数のリセスの一つ又は複数のリセスが、特にセンサ領域において、一定又は可変の側壁角度及び/又は一定又は可変の幅及び/又は一定又は可変の高さ又は深さ及び/又は一定又は可変の曲率を有するように表面レリーフが、特にセンサ領域に形成されてもよい。
【0095】
特に少なくとも1つのセンサフィルムの第1の面に広がる平面に投影された一つ又は複数の突部のうち一つ又は複数の突部及び/又は一つ又は複数のリセスのうち一つ又は複数のリセスの形状は、好ましくは、センサ領域において、線、直線、モチーフ、画像(イメージ)、三角波、波、四辺形、多角形、曲線、円、楕円形、台形、平行四辺形、ひし形、十字形、鎌状、枝構造、星状、楕円状、フラクタルパターン、ランダムパターン、疑似ランダムパターンから選択されるか又はこれらの組み合わせである。一つ又は複数の突部及び/又は一つ又は複数のリセスは特に互いに重なりかつ/互いを補完する。
【0096】
特に基材の第2の面に広がる平面に対して垂直をなす一つ又は複数の突部の高さ及び/又は一つ又は複数のリセスの深さが、変化しないかあるいは少なくとも所定の領域において変化するように、一つ又は複数の突部のうち一つ又は複数の突部及び/又は一つ又は複数のリセスのうち一つ又は複数のリセスが、突部及び/又はリセスの少なくとも1つのセンサフィルムの第1の面に亘る平面において進行過程において形成される。前記変化は、波状、対称、非対称、周期的、非周期的、離散的、連続的、階段状から選択される。
【0097】
以下、添付の図面を参照して、いくつかの実施例に基づいて本発明を説明する。実施例は以下の図面に図示されている。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【発明を実施するための形態】
【0099】
図1は、基材2及びセンサフィルム3を有する一連の層4の断面を示している。センサフィルム3は基材2に配置されている。センサフィルム3の第1の面3aは基材2の第2の面に位置している。
【0100】
さらに、第1の融解温度を有する基材2が基材2として設けられ、第2の融解温度を有するセンサフィルム3がセンサフィルム3として設けられる。特に、第1の融解温度は、第2の融解温度より低く、好ましくは、第2の融解温度より1~3倍低く、さらに好ましくは1.3~2.5倍低い。
【0101】
特に、第1の軟化温度を有する基材2が基材2として設けられ、第2の軟化温度を有するセンサフィルム3がセンサフィルム3として設けられる。特に、第1の軟化温度は、第2の軟化温度より低く、好ましくは第2の軟化温度よりも1~3倍低く、さらに好ましくは1.3~2.8倍低い。
【0102】
図2は、基材2及びセンサフィルム3を有する多層体1の断面を示している。基材2の第1の面2aは、表面レリーフ5を形成する。表面レリーフ5はセンサフィルム3の形状部6により画定される。
【0103】
多層体1は、好ましくは、以下のステップを含む方法により製造される。当該方法は、第1の面2a及び第2の面2bを有する単層又は多層の基材2を提供するステップと、少なくとも1つのセンサ領域30をそれぞれ含み、第1の面3aと、第1の面3aの反対側に位置する第2の面3bと、を有する一つ又は複数のセンサフィルム3を提供するステップと、各々のセンサフィルムの第1の面3aが少なくとも所定の領域において基材2の第2の面2bに位置するように一つ又は複数のセンサフィルム3を基材2の第2の面2bに適用するステップと、熱成形の間、基材2の第1の面2aにおいて、形状部6、特に一つ又は複数のセンサフィルム3のうち一つ又は複数のセンサフィルムのレリーフ及び/又は輪郭(外形状)により画定される表面レリーフ5が形成されるように、基材2及び基材2の第2の面2bに適用された一つ又は複数のセンサフィルム3を含む一連の層4を熱成形するステップと、を含む。
【0104】
特に、
図1は、センサフィルム3を基材2の第2の面2bに適用した結果得られた一連の層4を示している。センサフィルム3の第1の面3aは、基材2の第2の面2bに配置されている。
【0105】
好ましくは熱成形の前に、125μm~3500μm、特に400μm~1500μm、好ましくは600μm~1100μmの層厚、特に平均層厚を有する基材2が、好ましくは、基材2として設けられる。
【0106】
さらに好ましくは、熱成形の後に、125μm~3500μm、特に400μm~1500μm、好ましくは600μm~1100μmの層厚、特に平均層厚を有する基材2が、基材2として設けられる。
【0107】
特に、10μm~300μm、特に50μm~200μm、好ましくは60μm~150μmの層厚を有するセンサフィルム3は、好ましくは、センサフィルム3として設けられる。
【0108】
センサフィルム3は、特にラミネート加工により、基材2の第2の面2bに適用される。ラミネート温度は、80°C~300°C、特に100°C~300°C、好ましくは120°C~240°Cである。特に、ラミネート速度は、0.125m/分~10m/分、好ましくは0.25m/分~7.5m/分、特に好ましくは0.125m/分~5m/分である。
【0109】
さらに好ましくは、
図2は、
図1に示した基材2及び基材2の第2の面2bに適用されたセンサフィルム3を含む一連の層4の熱成形後の多層体1を示している。熱成形の間、基材2の第1の面2aにおいて、センサフィルム3の形状部6により画定される表面レリーフ5が形成される。
【0110】
一連の層4の熱成形の間に、基材2の加熱及び深絞りにより表面レリーフ5が形成されると有利であることが分かった。基材は、好ましくは、80°C~300°C、特に90°C~250°C、好ましくは100°C~300°Cの表面温度まで加熱される。特に基材のコア温度は、120°C~160°C、好ましくは100°C~180°C、特に好ましくは80°C~200°Cであり、かつ/又は、1bar(バール)~6bar、特に2bar~5bar、好ましくは2bar~3.5barの圧力、特に正圧が適用される。この圧力は、特に一方の側から基材に加えられる。真空、したがって負圧(好ましくは0.1bar~0.9bar、特に0.2bar~0.8bar)は、基材の他方の側から支持的に加えられることが好ましい。例えば、正圧は基材の前側(前面)から作用し、負圧は基材の裏側(裏面)から加えられてもよいし、両者の関係が逆であってもよい。つまり、これは、好ましくは、基材の前側から負圧が加えられ、基材の裏側から正圧が加えられることを意味する。
【0111】
また、好ましくは、一連の層4の熱成形の間、表面レリーフ5は一連の層4のラミネート加工により形成されてもよい。ラミネート温度は、好ましくは、80°C~300°C、特に100°C~260°C、好ましくは120°C~240°Cである。特に、ラミネート速度は、0.125m/分~10m/分、好ましくは0.25m/分~10m/分、特に好ましくは0.5m/分~10m/分及び/又は好ましくは0.25m/分~7.5m/分である。
【0112】
また、多層体1は、単層又は多層の基材2と、一つ又は複数のセンサフィルム3と、を有する。基材2は、第1の面2a及び第2の面2bを有する。一つ又は複数のセンサフィルム3は、少なくとも1つのセンサ領域をそれぞれ含み、第1の面3aと、第1の面3aの反対側に位置する第2の面3bと、を有する。一つ又は複数のセンサフィルム3は、基材2の第2の面2bに配設される。センサフィルム3の第1の面3aは、基材2の第2の面2bに配置されている。基材2の第1の面2aにおいて、形状部6、特に一つ又は複数のセンサフィルム3のうち一つ又は複数のセンサフィルムのレリーフ及び/又は輪郭により画定される表面レリーフ5が形成される。
【0113】
基材2は、好ましくは、基材2として設けられ、かつ/又は、センサフィルム3は、好ましくは、一つ又は複数の装飾層を含むセンサフィルム3として形成される。特に、装飾層は、一つ又は複数の領域、好ましくはセンサ領域に一つ又は複数のピクトグラムを有する。一つ又は複数のピクトグラムのうち一つ又は複数のピクトグラムは、ピクトグラム全体を形成するように、互いに重なるか又は互いを補う(補完する)。
【0114】
図3は、センサフィルム3及び基材2を有する一連の層4の断面を示している。基材2は装飾層41を有する。本実施例において、装飾層41は、好ましくは、センサフィルム3に面する基材2の面に、基材2の第2の面2bの側から適用される。センサフィルム3の第1の面3aは基材2の第2の面2bに対して特に所定の領域に位置している。
【0115】
特に、装飾層41は、0.01mm~10mm、特に0.1mm~2.5mm、好ましくは0.25mm~1.25mm及び/又は0.1mm~10mm、特に0.25mm~2.5mm、好ましくは0.25mm~1.25mmの層厚を有する。
【0116】
センサフィルム3は、特にスタンピング法、ロールオン法及び/又はバックインジェクション成形法により、装飾層41を有する基材2の第2の面に適用されてもよい。
【0117】
また、基材2は、好ましくは、顔料を含む層、カラー層、金属層、金属化層、特に部分的に金属化された層、透明層、半透明層、不透明層から選択された一つ又は複数の層を含む基材2として設けられてもよい。
【0118】
図4は、基材2を有する多層体1の断面を示している。基材2は、センサフィルム3と、センサフィルム3に面する基材2の面に適用された装飾層41と、を含む。基材2の第1の面2aは表面レリーフ5を形成する。表面レリーフ5は、センサフィルム3の形状部6により画定される。
【0119】
少なくとも1つのセンサフィルム3の形状部6は、好ましくは、センサフィルム3の提供中に修正又は変更される。
【0120】
さらに好ましくは、
図3は、センサフィルム3を基材2の第2の面2bに適用することにより得られた一連の層4を示している。センサフィルム3の第1の面3aは、少なくとも所定の領域において、基材2の第2の面2bに配置されている。
【0121】
特に好ましくは、
図4は、
図3に示された基材2の第2の面2bに適用されたセンサフィルム3及び基材2を含む、一連の層4の熱成形後の多層体1を示している。熱成形の間、基材2の第1の面2aにおいて、センサフィルム3の形状部6により画定される表面レリーフ5が形成される。
【0122】
本実施例において、熱成形の間に基材2の第1の面2aに形成された表面レリーフ5は、
図3に示した一連の層4における基材2の第1の面2aの元の平面に対して高さの差hを有する。
図4に示す高さの差は、特に、
図4に示す多層体1の平面により定まる表面法線に平行な方向に沿った、表面レリーフ5の絶対最大値と表面レリーフ5の絶対最小値との間の差である。表面レリーフ5の絶対最小値は、好ましくは、表面レリーフ5の外側における基材2の第2の面2bに広がる平面に対応する。
【0123】
特に、基材2の第1の面2aに形成された表面レリーフ5は、好ましくは、表面レリーフ5の局所的最小値又は表面レリーフ5の全体的な最小値と、表面レリーフ5の局所的最大値又は表面レリーフ5の全体的な最大値との間に、5000μm未満、特に2000μm未満、好ましくは1000μm未満の最大高さ差及び/又は平均高さ差を有することが試験により分かった。
【0124】
さらに、基材2の第1の面2aに形成された表面レリーフ5は、好ましくは、表面レリーフ5の局所的最小値又は表面レリーフ5の全体的な最小値と、表面レリーフ5の局所的最大値又は表面レリーフ5の全体的な最大値との間に、50μm以上、特に25μmを超える、好ましくは10μmを超える最大高さ差及び/又は平均高さ差を有していてもよい。
【0125】
図5及び表1は、変数x及びyに依存する一連の測定値を示している。一連の測定値は、4つの測定点(四角で示す)を含む。変数xは、基材2に適用されたセンサフィルム3の層厚に対応する。変数yは、熱成形の後の基材2の層厚に対応する。基材2は、熱成形の前に、特にy
0=750μmの層厚を有する。
【表1】
【0126】
図5及び表1は、特に、センサがラミネートされた基材の高さの変化、好ましくは、熱成形により、所定の層厚を有するセンサがラミネートされた基材の高さの変化は、特に適用されたセンサフィルムの層厚と関数関係を有することを示している。この関数関係は、特に、パラメータa=0.0035;b=0.4832、c=38.19及び好ましくは変数x=適用されたセンサラベルの層厚、y=熱成形後のセンサラベルを含まない残りの基材の面領域と比較したセンサラベルの位置における形状部の高さhを含む、y=a・x
2+b・x+cの2次多項式である。
【0127】
図6は、センサフィルム3及び基材2を含む多層体1の断面を示している。センサフィルム3は、所定の領域において基材2の第2の面2bに適用される。さらに、表面レリーフ5は、基材2の第1の面2aに形成される。多層体1及び特にセンサフィルム3は、特に、閉じられたエッジ領域又は隣接しない2つのエッジ領域30’により囲まれたセンサ領域30をさらに有する。エッジ領域30’は、好ましくは、環状に、特にセンサ領域30の周りで環状に配設される。センサ領域30は、特に円形の領域として形成される。
【0128】
特に、センサ領域30におけるセンサフィルム3は、一つ又は複数のセンサエレメント、特に静電容量センサエレメント及び/又は抵抗性センサエレメントを有する。さらに好ましくは、センサフィルム3は、一つ又は複数のセンサエレメントの接触、特に電気的接触のための接続領域及び/又は接触領域を有する。
【0129】
好ましくは、金属材料からなり、ベースフィルムに適用されかつ/又は導入される一つ又は複数の導電層及びベースフィルムを有するセンサフィルム3がセンサフィルム3として設けられる。
【0130】
センサ領域30における一つ又は複数の導電層は、一つ又は複数のセンサエレメントの形成のために、特に一つ又は複数の静電容量センサエレメント及び/又は一つ又は複数の抵抗性センサエレメントの形成のために、一つ又は複数のセンサ電極を形成してもよいし、かつ/並びに、一つ又は複数の導電層は、接続領域及び/又は接触領域における一つ又は複数のセンサ電極の接触のための一つ又は複数の接触電極を有していてもよい。
【0131】
さらに、センサ領域30は、一つ又は複数のセンサ電極が設けられていない、少なくとも部分的に取り囲んだエッジ領域、特にリング状のエッジ領域、特に円形リング状のエッジ領域を少なくとも1つ有していてもよい。エッジ領域は、好ましくは、外側又は内側からセンサ領域30の周囲を囲み、かつ/あるいは、センサ領域30の周囲に追従し、かつ/あるいは、完全に又は部分的にセンサ領域30の周囲と重なる。エッジ領域は、好ましくは、0.25mm~5mm、好ましくは0.5mm~5mmの幅、特に半径方向の幅を有し、かつ/又は、リング状のエッジ領域、特に円形リング状のエッジ領域は、好ましくは0.25mm~5mm、好ましくは0.5mm~2mmのリング幅を有する。
【0132】
図7は、以下の点を除いて
図6に示す多層体の断面を示している。本実施例に係る多層体1は、エッジ領域30’において、基材2の第2の面2bとセンサフィルム3の第1の面3aとの間に配置された機能エレメント33を有する。基材2の第1の面2aにおいて、形状部6を追従する表面レリーフ5が形成される。本明細書における形状部6は、特にセンサフィルム3及び機能エレメント33により設けられる。
【0133】
特に、センサフィルム3の形状部6、特に輪郭及び/又はレリーフは、少なくとも1つの表面レリーフの成形により変更又は修正されてもよい。少なくとも1つの表面レリーフは、特に熱複写(熱複製)、UV複写(UV複製)、レーザアブレーション、パンチング、切断、スタンピング、射出成形から選択された一つ又は複数の方法によりセンサフィルムの一つ又は複数の層に成形される。表面レリーフは、好ましくは、センサフィルム3の第1の面3a及び/又は第2の面3bに導入される。
【0134】
さらに、センサフィルム3の形状部、特にレリーフ及び/又は輪郭は、センサフィルム3のベースフィルムに、一つ又は複数のエレメントを適用すること、特に機能エレメント33を適用することにより修正又は変更されてもよい。前記エレメントは、特に一つ又は複数の以下のステップにより適用される。印刷ステップ、特にワニスに印刷するステップ、及び/又は3D印刷ステップ、単層又は多層のフィルムエレメント、特にプラスチックラベルにラミネート加工するステップ、織物(不織布)、特にガラス繊維織物を適用するステップ、繊維素材、特に有機繊維素材を適用するステップと、バックインジェクション成形ステップ、転写法、特にホットスタンピング法又はコールドスタンピング法により一つ又は複数のエレメントを適用するステップ。
【0135】
機能エレメント33は、特に、センサフィルム3のベースフィルムの第1の面に適用されてもよい。ベースフィルムの第1の面は、好ましくは、センサフィルム3の第1の面3aに面しており、かつ/又はセンサフィルムの第1の面3aを部分的に形成する。
【0136】
さらに、機能エレメント33はセンサフィルム3のベースフィルムの第1の面に適用された一つ又は複数の機能エレメント33に適用されてもよい。
【0137】
また、機能エレメント33は、センサフィルム3のセンサ領域30においてベースフィルムに適用され、かつ特に、少なくとも1つのセンサフィルム3の第1の面3aに亘る平面、特に平坦な又は湾曲した平面に投影されたセンサ領域30と完全に又は部分的に重なってもよい。
【0138】
図8は、本実施例に係る多層体1が曲率を有する点を除いて
図6に示す多層体の断面を示している。さらに、基材2の第1の面2aに形成された表面レリーフ5は、特に多層体1の曲率に追従する曲率を有する。
【0139】
多層体1の基礎となる一連の層4は、熱成形の前に、好ましくは、曲率半径が最小又は最大でありかつ/又は平均曲率半径が1.5mm以下、好ましくは1mm以下である曲率を有してもよい。
【0140】
さらに、多層体1の基礎となる一連の層4は、熱成形後に、一連の層4又は多層体1が曲率半径が最小又は最大でありかつ/又は平均曲率半径が1.5mm以上、好ましくは1mm以上である曲率を有するように、熱成形の間に修正又は変更されてもよい。
【0141】
一連の層4及び/又は多層体1は、好ましくは、異なる方向において異なる又は同一の曲率を有する。
【0142】
図9は、本実施例に係る多層体1が曲率を有する点を除いて
図7に示したエレメント33を含む多層体の断面を示している。さらに、基材2の第1の面2aに形成された表面レリーフ5は、センサフィルム3及び機能エレメント33により画定される形状部6並びに多層体1の曲率に追従する曲率を有する。
【0143】
図10は、以下の点を除いて
図9に示した湾曲した多層体の断面を示している。本実施例に係る多層体1は、センサフィルム3のエッジに機能エレメント33を有しておらず、センサフィルム3のエッジからの距離が異なる位置に機能エレメント33を有している。さらに、基材2の第1の面2aに形成された表面レリーフ5は、センサフィルム3及び機能エレメント33により画定される形状部6並びに多層体1の曲率に追従する曲率を有する。
【0144】
図11は、以下の点を除いて、
図10に示した湾曲した多層体の断面図を示している。本実施例に係る多層体1は、センサフィルム3のエッジに機能エレメント33を有し、センサフィルム3のエッジからの距離が異なる位置に機能エレメント33を有し、センサフィルム3の第1の面3aにおいて特に機能エレメント33の間に配置された導光部(light guide)34を有する。さらに、基材2の第1の面2aに形成された表面レリーフ5は、センサフィルム3、機能エレメント33及び導光部34により画定される形状部6並びに多層体1の曲率に追従する曲率を有する。
【0145】
一つ又は複数の機能エレメント33は、好ましくは、電気的及び/又は光学的機能を実行する1つのエレメントにより形成され、特に導光部から構成される。
【0146】
図12は、好ましくは接触領域37において終端をなす接続領域及びセンサ領域30を含み、かつ第1の面3a及び第2の面3bを有するセンサフィルム3の断面を示している。センサフィルム3は、平坦又は水平な形状部6をさらに有する。センサフィルム3は、好ましくは、ベースフィルムを有する。
【0147】
センサフィルム3は、特に、センサ領域30に配置された一つ又は複数のセンサエレメントの接触、特に電気的接触(電気接点)のために、接触領域37を有していてもよい。
【0148】
図13は、本実施例に係るセンサフィルム3が、センサ領域30において、センサフィルム3の第1の面3aに配設されたプラスチックラベル32を有する点を除いて、
図12に示したセンサフィルムの断面を示している。
【0149】
図14は、以下の点を除いて、
図13に示したプラスチックラベル32を含むセンサフィルムの断面を示している。本実施例に係るセンサフィルム3は、センサフィルム3の反対側に面するプラスチックラベル32の面に適用された機能エレメント33をセンサ領域30に有する。
【0150】
特に、プラスチックラベル32は、エレメントとして適用され、かつ/又は、機能エレメント33は、エレメントとしてセンサフィルム3のベースフィルムの第1の面に適用される。ベースフィルムの第1の面は、センサフィルム3の第1の面3aに面しており、かつ/又はセンサフィルム3の第1の面3aを部分的に形成する。
【0151】
一つ又は複数のプラスチックラベル32及び/又は一つ又は複数の機能エレメント33は、好ましくは、センサフィルム3のベースフィルムの第1の面に適用されたプラスチックラベル32に適用され、かつ/又は、センサフィルムのベースフィルムの第1の面に適用された機能エレメント33に適用される。
【0152】
プラスチックラベル32及び/又は機能エレメント33は、特にセンサフィルム3のセンサ領域30においてベースフィルムに適用され、かつ特に少なくとも1つのセンサフィルム3の第1の面3aに広がる平面、特に平坦な又は湾曲した平面に投影されたセンサ領域30に完全に又は部分的に重なってもよい。
【0153】
さらに、センサフィルム3は、センサ領域30に配置された一つ又は複数のセンサエレメントの接触のための接触領域37を有していてもよいし、プラスチックラベル32及び/又は機能エレメント33は、センサフィルム3のセンサ領域30においてベースフィルムに適用されてもよいし、かつ好ましくは少なくとも1つのセンサフィルム3の第1の面3aに広がる平面、特に平坦な又は湾曲した平面に投影されたセンサ領域30に完全に又は部分的に重なるがセンサフィルム3の接触領域37と重ならなくてもよい。
【0154】
図15は、以下の点を除いて
図14に示したプラスチックラベル32及び機能エレメント33を含むセンサフィルムの断面を示している。本実施例に係るセンサフィルム3は、センサ領域30においてセンサフィルム3の反対側に面するプラスチックラベル32に適用された機能エレメント33と、導光部34と、を有する。
【0155】
図16は、2つの装飾層41を有する基材2の断面を示している。2つの装飾層41は、それぞれ、特に、基材2の第1の面2aの側から基材2に適用され、基材2の第2の面2bの側から基材2に適用される。
【0156】
図17は、一連の層4として、
図13に示したプラスチックラベル32を含むセンサフィルム3及び
図16に示した2つの装飾層41を含む基材2の断面を示している。センサフィルム3の反対側となるプラスチックラベル32の側は、所定の領域において基材2の第2の面2bに位置している。
【0157】
図18は、多層体1として、熱成形の後の、
図17に示した一連の層4の断面を示している。多層体1の基材2の第1の面2aには、特にセンサフィルム3の反対側に面するプラスチックラベル32の面の形状部6により画定される表面レリーフ5が成形されている。
【0158】
図19は、熱成形後における多層体1として、2つの装飾層41を含む基材2及び
図14に示したプラスチックラベル32及び機能エレメント33を含むセンサフィルム3の断面を示している。センサフィルム3の反対側に位置するプラスチックラベル32の側は、所定の領域において基材2の第2の面2bに位置している。さらに、多層体1における基材2の第1の面2aにおける表面レリーフ5は、特にセンサフィルム3、プラスチックラベル32及び機能エレメント33により画定される形状部6を追従する。
【0159】
図20は、
図19と類似した多層体の断面を示しているが以下の点において
図19の多層体と相違している。本実施例に係る多層体1又は2つの装飾層41を含む基材2は、2つの透明領域10を有する。本実施例では、好ましくは、機能エレメントは、導光部34として形成される。基材2の第1の面2aから観察すると、導光部34の放射光は、好ましくは、2つの装飾層41を含む基材2の透明領域10を通して観察者によって検出可能である。好ましくは、特に導光部34が多層体1における基材2の第1の面2aの側から検出可能であるように、透明領域10が表面レリーフ5に一体化される。
【0160】
基材2は一つ又は複数の透明領域又は透明領域10を有していてもよい。特に、一つ又は複数の透明領域又は透明領域10における基材2の第1の面2aと基材2の第2の面2bとの間の人間の目に見える波長域での基材2の透過率は、1%を超える、好ましくは2%を超える、さらに好ましくは4%を超え、かつ/又は99%未満、好ましくは95%未満、さらに好ましくは92%未満である。
【0161】
さらに、一つ又は複数のセンサ電極、特にセンサフィルム3に配置される一つ又は複数のセンサ電極の一つ又は複数のアクティブセンサ領域は、60%を超える、特に80%を超える透過率で人間の目に対する透過性を有していてもよいし、かつ/又は、3μm~60μm、特に4μm~60μm、特に好ましくは4μm~50μmのストリップ導体幅を有する薄いストリップ導体のネットワークから構成されてもよい。
【0162】
多層体の基礎となる一連の層4が、少なくともセンサ領域30において、最大200pF、好ましくは最大150pF、さらに好ましくは最大100pFの静電容量を有すると、多層体1のタッチ機能にとって有利であることが分かった。
【0163】
さらに有利には、基材2の第1の面2aに形成された表面レリーフ5は、好ましくは、触覚的及び/又は光学的に検出可能であり、かつ/又は、基材2の第1の面2aに形成された表面レリーフ5は、特に、触感的に検出可能であるが光学的に検出可能ではなく、あるいは、光学的に検出可能であるが触感的に検出可能ではなく、あるいは、触感的に検出可能でありかつ光学的に検出可能ではなく、あるいは、光学的に検出可能でありかつ触感的に検出可能ではない。
【0164】
基材2の第1の面に形成された表面レリーフ5は、好ましくは、点字として、特に、点字の一つ又は複数の文字、一つ又は複数の数字、一つ又は複数の単語、及び/又は一つ又は複数の文章として形成される。
【0165】
さらに、センサフィルム3は、センサ領域30において、特に所定の領域又は全面に亘って、ベースフィルム、プラスチックラベル32、機能エレメント33、特に導光部34、装飾層41、導電層、特に金属層、接着層、接着促進層から選択された一つ又は複数の層及び/又は一つ又は複数のフィルムを有していてもよい。一つ又は複数の導電層は、一つ又は複数のセンサ電極及び/又は一つ又は複数の接触電極を有する。
【0166】
また、センサ領域30におけるセンサフィルム3は、一つ又は複数のセンサ電極及び/又は一つ又は複数の接触電極を有していてもよい。特に少なくとも1つのセンサフィルム3の第1の面3aに広がる平面、特に平坦な又は湾曲した平面に投影されたセンサ電極及び/又は接触電極は、特に多層体の平面によって定義される表面法線に平行に観測した場合に互いに重ならずかつ/又は互いに隣接して配置され、一つ又は複数のセンサ電極の一つ又は複数のセンサ電極は、一つ又は複数の接触電極の一つ又は複数の接触電極と重なる。
【0167】
さらに、特にセンサフィルム3の第1の面3aに広がる平面、特に平坦な又は湾曲した平面に投影された表面レリーフ5は、特にセンサ領域30において、少なくとも部分的に一つ又は複数の直線、曲線、円弧形及び/又は円形の突部及び/又はリセスからなってもよい。
【0168】
さらに、特にセンサフィルム3の第1の面3aに広がる平面、特に平坦な又は湾曲した平面に投影された表面レリーフ5は、特にセンサ領域30において、少なくとも部分的に一つ又は複数の線形、らせん形及び/又は楕円形の突部及び/又はリセスを有して形成されてもよい。
【0169】
特にセンサ領域30において、表面レリーフ5は、好ましくは、特にセンサ領域30における、一つ又は複数の突部のうち一つ又は複数の突部及び/又は一つ又は複数のリセスのうち一つ又は複数のリセスが、好ましくは一定又は可変の側壁角度及び/あるいは一定又は可変の幅及び/あるいは一定又は可変の高さ又は深さ及び/あるいは一定又は可変の曲率を有するように形成される。
【0170】
特に、センサフィルム3の第1の面3aに広がる平面、特に平坦な又は湾曲した平面に投影された一つ又は複数の突部のうち一つ又は複数の突部及び/又は一つ又は複数のリセスのうち一つ又は複数のリセスの形状は、好ましくはセンサ領域30において、線、直線、モチーフ、画像(イメージ)、三角波、波、四辺形、多角形、曲線、円、楕円形、台形、平行四辺形、ひし形、十字形、鎌状、枝構造、星状、楕円状、ランダムパターン、疑似ランダムパターンから選択されるか又はこれらの込み合わせからなる。一つ又は複数の突部及び/又は一つ又は複数のリセスは、特に、重なりかつ/又は互いを補完する。
【0171】
特に基材2の第2の面2bに亘る平面に直交する一つ又は複数の突部の高さ及び/又は一つ又は複数のリセスの深さが変化(変動)しないか、あるいは少なくとも所定のセクションにおいて変化(変動)するように、一つ又は複数の突部のうち一つ又は複数の突部及び/又は一つ又は複数のリセスのうち一つ又は複数のリセスは、突部及び/又はリセスの特にセンサフィルム3の第1の面3aに広がる平面、特に平坦な又は湾曲した平面における進行過程において形成されてもよい。前記の変化は、波状、対称、非対称、周期的、非周期的、離散的、連続的、階段状から選択される。
【符号の説明】
【0172】
1 多層体
10 透明領域
2 基材
2a 第1の面
2b 第2の面
3 センサフィルム
3a 第1の面
3b 第2の面
30 センサ領域
30’ エッジ領域
31 ベースフィルム
31a 第1の面
31b 第2の面
32 プラスチックラベル
33 機能エレメント
34 導光部
35 センサエレメント
36 センサ電極
36’ 接触電極
37 接触領域
4 一連の層
41 装飾層
42 導電層
50a 突部
50b リセス
5 表面レリーフ
6 形状部
7 表面レリーフ
h 高さの差
x 変数
y 変数