(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】1型真性糖尿病を有する患者の治療のためのソタグリフロジンの使用
(51)【国際特許分類】
A61K 31/7034 20060101AFI20240502BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20240502BHJP
【FI】
A61K31/7034 ZMD
A61P3/10
(21)【出願番号】P 2021551515
(86)(22)【出願日】2020-02-28
(86)【国際出願番号】 US2020020295
(87)【国際公開番号】W WO2020180647
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2022-02-07
(32)【優先日】2019-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508192566
【氏名又は名称】レクシコン ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バンクス フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ソーニー サンゲータ
【審査官】金子 亜希
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-079243(JP,A)
【文献】Wien Klin Wochenschr,2019年01月,131(3-4),55-60
【文献】Diabetes Care,2018年09月01日,41:1970-1980
【文献】Diabetes Care,2015年07月01日,38:1181-1188
【文献】New England Jounal of Medicine,2017年12月14日,377:2337-2348
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/7034
A61P 3/10
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者において血糖コントロールを改善するための医薬組成物であって、ソタグリフロジン又はその薬学的に許容可能な塩を含み、前記患者が1型糖尿病を有し、
インスリンを接種しているが、最適なインスリン療法にもかかわらず、十分な血糖コントロールを達成できなかったものであり、ボディマス指数(BMI)が27kg/m
2以上であり、ソタグリフロジンが200mgの量で1日1回経口投与される、前記医薬組成物。
【請求項2】
インスリン療法の補助剤として投与される、請求項
1に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2019年3月1日付で出願された米国仮特許出願第62/812,338号に対する優先権を主張し、その出願全体が引用することにより本明細書の一部をなす。
【0002】
1.発明の分野
本発明は、ボディマス指数(BMI:Body Mass Index)27kg/m2以上の1型真性糖尿病患者における血糖コントロールを改善するためのソタグリフロジンの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
2.発明の背景
ソタグリフロジンは、(2S,3R,4R,5S,6R)-2-(4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル)-6-(メチルチオ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリオール:
【化1】
の一般名であり、これは例えば特許文献1に記載されている。ソタグリフロジンは、ナトリウムグルコース共輸送体1及び2(SGLT1及びSGLT2)の二重阻害剤である。SGLT1は、腸でのグルコース及びガラクトースの吸収のための一次輸送体(primary transporter)である。SGLT2は、腎濾液からグルコースを再吸収し、尿中のグルコース喪失を防ぐ輸送体である。その作用機序のため、ソタグリフロジンは、糖尿病、特に1型真性糖尿病の治療に有用であり得る。
【0004】
1型糖尿病(T1D)は、膵臓におけるβ細胞の自己免疫破壊を特徴とする慢性的な状態であり、最終的に絶対的なインスリン欠乏及び外因性インスリン置換に対する患者の生涯依存をもたらす。慢性的な血糖値の上昇は、通常、インスリンの自己管理を伴い、T1Dに関連する罹患率及び死亡率の増加の大部分を占める長期の微小血管及び大血管合併症につながる血管の損傷を引き起こす可能性がある。T1Dの発生率は世界的に大きく異なり、中国及びベネズエラにおける年間0.1/100000からフィンランドにおける年間36.5/100000に及ぶ(非特許文献1)。米国では毎年、平均15000人を超える20歳未満の若者がT1Dと診断されている(非特許文献2)。低血糖を伴わずに血糖コントロールを維持することは、短期的及び長期的の両方の健康を促進するためのT1Dにおける主要な治療目標である。今日まで、これは、1日を通して適切な外因性インスリン使用に関連する慎重なグルコースモニタリングとともに、厳格な食事規律を維持することでしか達成されていない。厳密な血糖コントロールを維持するための慢性的なインスリン使用は、ロジスティック及び医学的の両方で患者にとって重大な課題を提示し、様々な食事及び活動レベルに対応するために近似及び調整が絶えず行われる。かかる計算の課題及び固有の欠点は、急な低血糖の危険性を避けるために多くのT1D患者の血糖値がハイエンド又は推奨血糖目標を超えて維持される傾向があることと関係しており、最終的には、長期的な慢性高血糖の結果に苦しむことになる。
【0005】
T1Dに対するインスリン療法の幅広い利用可能性にもかかわらず、患者集団の大部分で十分な血糖コントロールが一貫して達成されないままである。実際、T1Dの成人患者の大部分は現在利用可能な治療法では不十分であり、疾患管理が最適であっても、ほとんどがインスリン療法単独でのHbA1c目標を一貫して達成できていない。例えば、全登録者が26127人のT1Dレジストリ(T1D Registry. https://t1dexchange.org/pages/clinic-registry/.2015年3月16日にアクセス)、(約30%が15歳未満、約70%が30歳未満)によれば、23%がヘモグロビンA1C(A1C)9.0%未満を達成できない不十分な血糖コントロールを有する一方で、同じ標準治療(SOC)及び医療提供者により登録者の約17%がA1C 7.0%未満を達成することができている。或る範囲の病態生理学的要因及び社会経済的要因が、観察される血糖コントロールの広い格差の一因である可能性が高く、T1D集団内の或る特定のグループでは、現在利用可能な治療法で血糖コントロールを維持することは特に困難であることがわかっている。
【0006】
特に制御不良の病歴を有する群について治療転帰の改善に関連する課題を考慮すると、インスリンレジメンに加えた場合に血糖コントロールを一貫して改善することができる安全で簡単な薬理学的治療を特定する必要がある。重要なことは、インスリン注射の負担を軽減し、厳格なグルコースモニタリングの必要性を減らすことによって、T1D患者の生活の質を向上させるという目標にも注意を払う必要がある。したがって、T1D患者、特にインスリン療法にもかかわらず血糖コントロールが不十分な患者にとって、依然として補助治療のニーズは満たされていない。
【0007】
第II相試験の間、ソタグリフロジンは、特にA1Cの減少を達成することにより、1型糖尿病患者における血糖コントロールを有意に改善することができることを実証した(非特許文献3)。
【0008】
T1DM患者は慣例上、正常なボディマス指数(BMI)を持つと考えられてきたが、現在の調査から、一般集団と比較して、T1DM患者では肥満有病率の増加傾向がより速い速度で増えていることが分かっている。現在、T1DM患者の最大50%が過体重又は肥満のいずれかである(非特許文献4、非特許文献5)。様々な理由にてこの発生率の増加を説明することができるが、データから、血糖コントロールの引き締めを目的としたインスリン療法の強化が体重増加としばしば関連していることが分かっている。したがって、T1DM患者の満たされていないニーズは過体重及び肥満の患者において更に大きく、理想的な治療は、体重減少を誘発しながらヘモグロビンA1c(A1C)を改善しなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【非特許文献】
【0010】
【文献】Karvonen M, Viik-Kajander M, Moltchanova E, Libman, I, LaPorte R, et al. Incidence of childhood type 1 diabetes worldwide. Diabetes Mondiale (DiaMond) Project Group. doi:10.2337/diacare .23.10.1516 Diabetes Care October 2000 vol. 23 no. 10 1516-1526
【文献】Centers for Disease Control, 2011, National diabetes fact sheet: national estimates and general information on diabetes and prediabetes in the United States, 2011. Atlanta, GA: U.S. Department of Health and Human Services, Centers for Disease Control and Prevention, 2011
【文献】Lapuerta et al., Diabetes & Vascular Disease Research 2015, Vol. 12(2) 101-110
【文献】Ryden A, Sorstadius E, Bergenheim K et al. The Humanistic Burden of Type 1 Diabetes Mellitus in Europe: Examining Health Outcomes and the Role of Complications. PLoS One. 2016;11:e0164977
【文献】Mottalib A, Kasetty M, Mar JY, Elseaidy T, Ashrafzadeh S, Hamdy O. Weight management in patients with type 1 diabetes and Obesity. Curr Diab Rep. 2017;17:92.
【発明の概要】
【0011】
3.発明の概要
本発明は、一部には、ボディマス指数(BMI)27kg/m2以上の1型真性糖尿病の患者における、特に、最適なインスリン療法にもかかわらず十分な血糖コントロールを達成できなかった患者における血糖コントロールを改善するためのソタグリフロジンの使用に関する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
4.発明の詳細な説明
本発明は、ソタグリフロジンがボディマス指数(BMI)27kg/m
2以上の1型真性糖尿病の成人において血糖コントロールを改善するという発見に基づくものである。化学名(2S,3R,4R,5S,6R)-2-(4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル)-6-(メチルチオ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリオールであるソタグリフロジンは、以下に示す構造を有する。
【化2】
【0013】
したがって、本発明の一実施形態は、ボディマス指数(BMI)27kg/m2以上の1型真性糖尿病患者において、特に、最適なインスリン療法にもかかわらず十分な血糖コントロールを達成できなかった患者において、血糖コントロールを改善する方法である。
【0014】
一実施形態は、治療有効量のソタグリフロジン又はその薬学的に許容可能な塩を、それを必要とする患者に投与することを含み、この患者が1型糖尿病であり、ボディマス指数(BMI)が27kg/m2以上である、血糖コントロールを改善する方法を包含する。
【0015】
一実施形態は、治療有効量のソタグリフロジン又はその薬学的に許容可能な塩を、それを必要とする患者に投与することを含み、この患者のボディマス指数(BMI)が27kg/m2以上である、1型糖尿病を治療する方法を包含する。
【0016】
一実施形態は、治療有効量のソタグリフロジン又はその薬学的に許容可能な塩を、それを必要とする患者に投与することを含み、この患者のBMIが27kg/m2以上である、A1Cを改善する方法を包含する。
【0017】
本発明の特定の実施形態は、ボディマス指数(BMI)27kg/m2以上の1型真性糖尿病の成人において、特に、最適なインスリン療法にもかかわらず、十分な血糖コントロールを達成できなかった患者において、血糖コントロールを改善するためのインスリン療法の補助剤としてのソタグリフロジンの使用に関連する。
【0018】
本発明の一実施形態は、ボディマス指数(BMI)27kg/m2以上の1型真性糖尿病の成人において、特に、最適なインスリン療法にもかかわらず、十分な血糖コントロールを達成できなかった患者において、血糖コントロールを改善するためのインスリン療法の補助剤としてのソタグリフロジンの使用である。
【0019】
本発明の別の実施形態は、200mg又は400mgの用量で、ボディマス指数(BMI)27kg/m2以上の1型真性糖尿病の成人における血糖コントロールを改善するためのソタグリフロジンの使用である。
【0020】
本発明の幾つかの実施形態において、ソタグリフロジン治療の開始に際して、最初の食事時間のボーラスインスリン用量を20%減少させる。
【0021】
本発明の別の実施形態は、有効量のソタグリフロジンを、それを必要とする患者に投与することを含み、この患者が1型糖尿病であり、ボディマス指数(BMI)が27kg/m2以上である、1型糖尿病を治療する方法である。
【0022】
本発明の別の実施形態は、有効量のソタグリフロジンを、それを必要とする患者に投与することを含み、この患者が1型糖尿病であり、ボディマス指数(BMI)が27kg/m2以上である、血糖コントロールを改善する方法である。
【0023】
下記に記載する別の主題は、有効量のソタグリフロジンを、それを必要とする患者に投与することを含み、この患者が1型糖尿病であり、ボディマス指数(BMI)が27kg/m2以上である、A1Cを改善する方法である。
【0024】
幾つかの実施形態において、ソタグリフロジンはインスリン療法の補助剤として投与される。幾つかの実施形態において、最適なインスリン療法にもかかわらず、十分な血糖コントロールを達成できなかった患者において、ソタグリフロジン投与が開始される。幾つかの実施形態において、ソタグリフロジンを1日1回、特に200mg又は400mgの投与量で投与する。幾つかの実施形態において、ソタグリフロジンを、その日の最初の食事の前に投与する。
本開示は、次の態様を包含する。
[項1]
治療有効量のソタグリフロジン又はその薬学的に許容可能な塩を、それを必要とする患者に投与することを含み、前記患者が1型糖尿病を有し、ボディマス指数(BMI)が27kg/m
2
以上である、血糖コントロールを改善する方法。
[項2]
治療有効量のソタグリフロジン又はその薬学的に許容可能な塩を、それを必要とする患者に投与することを含み、前記患者のボディマス指数(BMI)が27kg/m
2
以上である、1型糖尿病を治療する方法。
[項3]
治療有効量のソタグリフロジン又はその薬学的に許容可能な塩を、それを必要とする患者に投与することを含み、前記患者のBMIが27kg/m
2
以上である、A1Cを改善する方法。
[項4]
前記患者がインスリンを接種している、項1~3のいずれか一項に記載の方法。
[項5]
前記患者が最適なインスリン療法にもかかわらず、十分な血糖コントロールを達成できなかった、項1~3のいずれか一項に記載の方法。
[項6]
前記ソタグリフロジンを経口投与する、項1~3のいずれか一項に記載の方法。
[項7]
前記ソタグリフロジンを200mg又は400mgの量で投与する、項6に記載の方法。
[項8]
前記ソタグリフロジンを1日1回投与する、項6に記載の方法。
[項9]
前記ソタグリフロジンをその日の最初の食事前に投与する、項6に記載の方法。
[項10]
ソタグリフロジンをインスリン療法の補助剤として投与する、項1~3のいずれか一項に記載の方法。
[項11]
最適なインスリン療法にもかかわらず、十分な血糖コントロールを達成できなかった患者において、ソタグリフロジン投与が開始される、項1~3のいずれか一項に記載の方法。
[項12]
前記ソタグリフロジン治療の開始に際して、最初の食事時間のボーラスインスリン用量を20%減少させる、項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【実施例】
【0025】
4.1.実施例1:in Tandem 1及びin Tandem 2試験
インスリン療法による血糖コントロールが不十分な1型真性糖尿病の成人患者における補助療法としてのソタグリフロジンのプラセボに対する有効性を、3つの治療群(ソタグリフロジン200mgの1日用量で治療した群、ソタグリフロジン400mgの1日用量で治療した群、及びプラセボで治療した群)の患者においてランダム分布を有するin Tandem 1及びin Tandem 2の多施設二重盲検臨床試験で評価した。
【0026】
in Tandem 1は北米で実施され、in Tandem 2は欧州及びイスラエルで実施された。選択された患者は、インスリン療法(複数回の毎日の注射[MDI]又は連続皮下インスリン注入[CSII]によって投与される)による血糖コントロールが不十分であるT1Dと診断された成人患者であった。患者は、試験中にインスリン(複数の場合もある)又はインスリンアナログ(複数の場合もある)による治療を継続した。患者のリクルートメントを、以下の組み入れ基準を考慮して行った:インフォームドコンセントの少なくとも1年前にT1Dの診断を受けた18歳以上の成人患者;患者は、CSI又はMDIを介して送達されるインスリン(複数の場合もある)又はインスリンアナログ(複数の場合もある)で治療されている(ここで、スクリーニング訪問の3ヶ月前にインスリン送達の方法がCSIIからMDIに、又はその逆に変更されていない);スクリーニング訪問時に、A1Cは7.0%~11.0%(端値を含む)でなければならない;プロトコルごとに必要に応じて血糖自己測定(SMBG:self-monitored blood glucose)を実施し、試験日誌を完成させる意思がなければならない又はそれをすることができなければならない;妊娠する可能性がある女性は、試験期間中、及び試験薬の最終投薬後30日間、妊娠を避けるために適切な避妊法を使用しなければならない。妊娠する可能性がある女性としては、初潮を経験し、避妊手術(子宮摘出術、両側性卵管結紮術、又は両側性卵巣摘出術)に成功していない女性、又は閉経後でないあらゆる女性が挙げられる。閉経後とは、別の原因がなく、12ヶ月以上月経がないと定義される。閉経歴が疑わしい女性(例えば、不規則な月経期及び年齢が40歳超)の場合、記録された血清卵胞刺激ホルモン(FSH)レベルが30mIU/mL以上でなければならない。妊娠する可能性がある女性は、試験薬の開始前に血清又は尿の妊娠検査が陰性でなくてはならない。尿妊娠検査が陽性の場合、患者が妊娠していないことを確認するために、妊娠検査に対して陰性の血清サンプルを試験の開始前に入手しなければならない。
【0027】
以下を含む基準を用いて患者を試験から除外した:1)治療法及び/又は薬剤:スクリーニング時にインスリン(複数の場合もある)又はインスリンアナログ(複数の場合もある)以外の抗糖尿病剤の使用(T1Dの治療に使用されるインスリン又はインスリンアナログ以外の任意の薬剤を、スクリーニング訪問前少なくとも8週間にわたりウォッシュアウトしなければならない);ソタグリフロジンへの事前の曝露;スクリーニング前8週間以内のナトリウム-グルコースコトランスポーター(SGLT)阻害剤の使用;スクリーニング訪問前6ヶ月以内に4週間を超えて連続して服用される任意の用量の全身性副腎皮質ステロイドと定義される慢性全身性副腎皮質ステロイドの使用。2)糖尿病関連の状態:2型真性糖尿病(T2DM)、又は治験責任医師により判断される重度に制御されていないT1D;スクリーニング訪問前1ヶ月以内の重篤な低血糖事象の病歴;スクリーニング訪問前1ヶ月以内のDKAの病歴、又はスクリーニング訪問前6ヶ月以内の2回を超えるエピソード;スクリーニング訪問前6ヶ月以内の非ケトン性高浸透圧状態の病歴。3)臨床検査の結果:4変数のMDRD(Modification of Diet in Renal Disease)の方程式によって決定される、スクリーニング時の推定糸球体濾過量(eGFR)45mL/分/1.73m2未満;空腹時トリグリセリド(TG)600mg/dL超(6.77mmol/L超)。注:この基準に基づくスクリーニングに失敗した患者は、空腹状態を検証しなければならず、TG低下薬剤を調整して、スクリーニング期間中に再評価される場合がある;スクリーニング時の異常な肝機能は以下のいずれかとして定義される:アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)の正常値上限(ULN)の基準範囲の2倍超、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)のULNの2倍超、血清総ビリルビン(TB)のULNの1.5倍超;ベータ-ヒドロキシ酪酸(BHB)0.6mmol/L超のスクリーニング。4)生殖状態:妊娠中若しくは授乳中の女性、又は試験の過程でそれが予定されている女性。5)胃腸(GI)/肝臓:既知の病歴によって、抗A型肝炎ウイルス(免疫グロブリンM)、B型肝炎表面抗原、又は抗C型肝炎ウイルスを含む現在の感染性肝疾患(A型肝炎、B型肝炎又はC型肝炎)の血清学的証拠;患者が試験薬物を服用できないような嚥下困難;スクリーニング12ヶ月以内の膵炎の病歴、又は再発性膵炎の以前の病歴。6)腎臓:スクリーニング訪問前30日以内の慢性透析の開始、若しくはスクリーニング訪問後180日以内に透析を始める予定;免疫抑制療法による治療を必要とする腎疾患;又は透析若しくは腎移植の前歴;遺伝性グルコース-ガラクトース吸収不全又は原発性腎糖尿の病歴。7)心血管:スクリーニング訪問前3ヶ月以内のニューヨーク心臓協会(New York Heart Association)クラスIII又はクラスIVの心不全;無作為化前30日以内の高血圧切迫症又は高血圧緊急症;不安定/症候性又は生命を脅かす不整脈又は心ブロックを有する患者;患者はスクリーニング訪問前3ヶ月以内に以下のいずれかを経験している:不安定狭心症による入院;心筋梗塞(MI);冠動脈バイパス移植(CABG)若しくは経皮経管冠動脈形成術;又は一過性虚血発作(TIA)若しくは重大な脳血管疾患。8)血液学:ヘモグロビン症(鎌状赤血球貧血、重症型サラセミア、鉄芽球性貧血)又はA1Cの決定を妨げる可能性のある他の障害の病歴;スクリーニング前8週間以内の400mL超の血液又は血液製剤(複数の場合もある)の輸血又は喪失。9)免疫系:臓器移植を受けた患者を含むがこれらに限定されない、既知の重度の免疫不全状態。10)スクリーニング訪問前5年以内の悪性腫瘍又は悪性腫瘍に対する積極的治療。11)現在の摂食障害、又はスクリーニング前12週間以内の10%超の体重の増減。12)反応が治験責任医師によって試験と無関係であるとみなされない限り、ソタグリフロジン又はソタグリフロジンの任意の不活性成分又はプラセボに対する既知のアレルギー、過敏症若しくは不耐性。13)計画されたスクリーニング訪問の30日又は5半減期(いずれか長い方)以内の任意の他の治験薬の投与又は介入臨床調査試験への参加。14)スクリーニング訪問前12ヶ月以内のアルコール又は違法薬物乱用の前歴(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders、第5版の基準を使用)。15)患者が試験コーディネーター、治験責任医師若しくは治験責任医師の医療機関の従業員、又は前述のいずれかの近親者である。16)治験責任医師の意見において、患者が試験を完了できなくなる可能性がある任意の状態。17)治験責任医師又は試験依頼者の意見において、試験の実施又は結果の解釈のあらゆる側面を妨げる可能性がある臨床的に重要な既往歴、身体検査、又は臨床検査所見の存在。
【0028】
試験を以下のように実施した:
スクリーニング期間(最大2週間);
インスリン最適化の開始(第6週から開始);
単盲検プラセボランイン期間(第2週から開始):患者は、単盲検プラセボランイン期間中に単盲検プラセボの錠剤を経口で服用する;
24週間の二重盲検コア治療期間:単盲検プラセボランイン期間の完了に続いて、適格な患者は24週間の二重盲検コア治療期間に入る。患者は、ソタグリフロジン200mg、400mg、又はプラセボの3つの治療群間に1:1:1で並行して無作為に割り当てられる;
28週間の二重盲検長期延長期間:28週間の二重盲検LTE期間の目的は、経時的にソタグリフロジン治療のリスク/ベネフィットに関するデータを提供し、経時的にソタグリフロジンで治療された患者における効能の持続性を評定することである。
【0029】
ソタグリフロジン及びプラセボを、錠剤を用いて経口投与した:
1日1回、その日の最初の食事の前に200mg錠2錠としてソタグリフロジン400mg
1日1回、その日の最初の食事の前の200mg錠1錠としてソタグリフロジン200mgとプラセボ錠1錠
1日1回、その日の最初の食事の前のプラセボ錠2錠としてのプラセボ(外観はソタグリフロジン錠と同一)
【0030】
これらの試験の主要エンドポイントは、プラセボと比較した、ソタグリフロジン(400mg又は200mg)治療群のいずれかの用量の糖化ヘモグロビンA1Cにおけるベースラインから第24週までの変化であった。他のエンドポイントは、以下に関するソタグリフロジン対プラセボのベースラインからの変化を含んだ:
A1Cが7.0%未満でエピソードがない患者の割合
重症低血糖であって、糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)のエピソードがない
体重
ボーラスインスリン用量
空腹時血漿グルコース(FPG)
糖尿病治療満足度アンケート状況
(DTSQ)スコア
及び2項目糖尿病苦痛スクリーニングスケール(DDS2)アンケートスコア
【0031】
有効性分析は、mITT(修正治療企図(modified Intent-to-Treat))集団に基づいた。主要な有効性分析は、コア治療期間(ベースラインから第24週までの訪問評価を含む)中に収集されたデータに基づいて実施された。表1は、ソタグリフロジンが、コア治療期間及び長期延長期間後にプールされたin Tandem 1/in Tandem 2試験結果におけるプラセボと比較した場合、両方の用量について統計的に有意な低いA1Cレベルをもたらすことによって、その主要エンドポイントを達成したことを示す。表2は、プールされたin Tandem 1/in Tandem 2試験(LS=最小平均二乗、SE=標準誤差)におけるベースラインBMI 27kg/m2未満及び27kg/m2以上で分類されたサブグループの分析からのデータを示す。
【0032】
【0033】
【0034】
ベースラインでは、A1Cにおける治療群間で差は認められなかったが、BMIが27kg/m2以上の過体重及び肥満患者では、より高いBMIに加えて、より高いベースライン収縮期血圧(SBP)を有する傾向があった。全体的に、第24週でのソタグリフロジン対プラセボの有効性は、特にA1C、体重、目標血糖範囲時間(time in range)、糖尿病治療満足度アンケート(DTSQ)及び2項目糖尿病苦痛スクリーニングスケール((DDS2)の測定について、BMI 27kg/m2以上の過体重及び肥満のサブグループでより顕著であった。同じ統計モデルを使用すると、サブグループ相互作用による治療の検定は、ベースラインスコアからのA1C、体重、及びDTSQの変化についてp値<0.05と関連した。これは、これらの変数の場合、BMI 27kg/m2以上の患者では、より低いBMIサブグループと比較して、ソタグリフロジンの有効性が体系的に良好であったことを意味する。A1C、体重、及び目標血糖範囲時間について、400mg群では差が大きい傾向があった。空腹時血漿グルコースの減少は、400mgの用量の場合のみ過体重及び肥満患者においてより大きかった。これらの患者では、SBP及び食後2時間のグルコースの低下はより低くなる傾向があった。
【0035】
第52週での知見に同様の傾向が認められ、そのデータを表3に提示する。表4はリスク分析からのデータを示し、この分析から化合物が安全で有効であることが明らかである。
【0036】
【0037】
【0038】
ベースラインBMI 27kg/m2以上の過体重及び肥満の患者では、両方のソタグリフロジンの用量で重症低血糖の数値的により低いリスクが認められたが、ベースラインBMI 27kg/m2未満の患者では400mgの場合のみであった。さらに、ベースラインBMI 27kg/m2以上の患者では、プラセボに対するリスク差がより大きかった。記録された55mg/dL以下の低血糖の事象率は、両方のBMIサブグループでいずれのソタグリフロジン用量の場合も数値的により低かった。ソタグリフロジン200mg及び400mgの治療群では、ベースラインBMI 27kg/m2以上の患者において、プラセボに対する事象率の差はより大きく、名目上有意であった。
【0039】
両方のBMIサブグループでソタグリフロジン対プラセボに対するDKAのリスクが増加したが、ソタグリフロジン200mg群及び400mg群の両方でベースラインBMI 27kg/m2以上の患者では、比較リスク(例えば、曝露量で調整した発現率(exposure-adjusted incidence rate)及びプラセボに対するリスク差)の様々な測定値がより低くなる傾向にあった。
【0040】
男性と女性の両方の患者について、性器真菌感染症におけるプラセボに対するリスク差は、より痩せた患者と比較してベースラインBMI 27kg/m2以上の患者において一貫した傾向を示さない。任意の用量においてベースラインBMI 27kg/m2以上の患者では、プラセボと比較して下痢のリスク上昇は認められず、これらの患者ではより痩せた患者に比べてリスクが低かった。
【0041】
4.2.実施例2:in Tandem 3試験
1型糖尿病におけるインスリン療法の補助剤としてのソタグリフロジンの正味の臨床上の利益を評価するために、追加の第3相、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群、多施設試験であるin Tandem 3を実施した。
【0042】
選択された患者は、インスリン療法(複数回の毎日の注射[MDI]又は連続皮下インスリン注入[CSII]によって投与される)による血糖コントロールが不十分であるT1Dと診断された成人患者であった。患者は、試験中にインスリン(複数の場合もある)又はインスリンアナログ(複数の場合もある)による治療を継続した。患者の募集を、以下の組み入れ基準を考慮して行った:インフォームドコンセントの少なくとも1年前にT1Dの診断を受けた18歳以上の成人患者;患者はインスリン(複数の場合もある)又はインスリンアナログ(複数の場合もある)で治療されている;非速効型インスリン用量は、スクリーニング訪問前の2週間で安定している(±20%);スクリーニング訪問時、A1Cは7.0%~11.0%(端値を含む)でなければならない、6)BMI 18.5kg/m2以上;プロトコルごとに必要に応じてSMBGを実施し、試験日誌を完成させる意思がなければならない又はそれをすることができなければならない;妊娠する可能性がある女性は、試験期間中、及び試験薬の最終投薬後30日間、妊娠を避けるために適切な避妊法を使用しなければならない。妊娠する可能性がある女性としては、初潮を経験し、避妊手術(子宮摘出術、両側性卵管結紮術、又は両側性卵巣摘出術)に成功していない女性、又は閉経後でないあらゆる女性が挙げられる。閉経後とは、別の原因がなく、12ヶ月以上月経がないと定義される。閉経歴が疑わしい女性(例えば、不規則な月経期及び年齢が40歳超)の場合、記録された血清卵胞刺激ホルモン(FSH)レベルが30mIU/mL以上でなければならない。妊娠する可能性がある女性は、試験薬の開始前に血清又は尿の妊娠検査が陰性でなくてはならない。尿妊娠検査が陽性の場合、患者が妊娠していないことを確認するために、妊娠検査に対して陰性の血清サンプルを試験の開始前に入手しなければならない。
【0043】
以下を含む基準を用いて患者を試験から除外した:1)治療法及び/又は薬剤:スクリーニング時にインスリン(複数の場合もある)又はインスリンアナログ(複数の場合もある)以外の抗糖尿病剤の使用(T1Dの治療に使用されるインスリン又はインスリンアナログ以外の任意の薬剤を、スクリーニング訪問前少なくとも8週間にわたりウォッシュアウトしなければならない);ソタグリフロジンへの事前の曝露;スクリーニング前8週間以内のナトリウム-グルコースコトランスポーター(SGLT)阻害剤の使用。注:SGLT阻害剤を服用している患者は、禁止された薬剤を中止している場合があり、スクリーニング前に少なくとも8週間禁止された薬剤を服用していなければ、試験への参入を検討することができる。スクリーニング訪問前6ヶ月以内に4週間を超えて連続して服用される任意の用量の全身性副腎皮質ステロイドと定義される慢性全身性副腎皮質ステロイドの使用。注:副腎皮質ステロイドを含む局所、吸入、眼又は鼻のスプレーは許容される。2)糖尿病関連の状態:2型真性糖尿病、又は治験責任医師により判断される重度に制御されていないT1D;スクリーニング訪問前1ヶ月以内の重篤な低血糖事象の病歴;スクリーニングの1ヶ月以内のDKA若しくは非ケトン性高浸透圧状態、又はスクリーニングの6ヶ月以内の2回以上のエピソードのDKA若しくは非ケトン性高浸透圧状態の病歴。3)臨床検査の結果:4変数のMDRD(Modification of Diet in Renal Disease)の方程式によって決定される、スクリーニング時の推定糸球体濾過量(eGFR)45mL/分/1.73m2未満;空腹時トリグリセリド600mg/dL超(6.77mmol/L超)。注:この基準に基づくスクリーニングに失敗した患者は、空腹状態を検証しなければならず、トリグリセリド低下薬剤を調整して、スクリーニング期間中に再評価される場合がある;スクリーニング時の異常な肝機能は以下のいずれかとして定義される:アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)の正常値上限(ULN)の基準範囲の2倍超、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)のULNの2倍超、血清総ビリルビン(TB)のULNの1.5倍超;ベータ-ヒドロキシ酪酸(BHB)0.6mmol/L超のスクリーニング。4)生殖状態:妊娠中若しくは授乳中の女性、又は試験の過程でそれが予定されている女性。5)胃腸/肝臓:既知の病歴によって、抗A型肝炎ウイルス(免疫グロブリンM)、B型肝炎表面抗原、又は抗C型肝炎ウイルスを含む現在の感染性肝疾患(A型肝炎、B型肝炎又はC型肝炎)の血清学的証拠。注:単離された陽性B型肝炎表面抗体を有する患者を含む場合がある;患者が試験薬物を服用できないような嚥下困難;スクリーニング12ヶ月以内の膵炎の病歴、又は再発性膵炎の以前の病歴。6)腎臓:スクリーニング訪問前30日以内の慢性透析の開始、若しくはスクリーニング訪問後180日以内に透析を始める予定;免疫抑制療法による治療を必要とする腎疾患;又は透析若しくは腎移植の前歴;遺伝性グルコース-ガラクトース吸収不全又は原発性腎糖尿の病歴。7)心血管:スクリーニング訪問前3ヶ月以内のニューヨーク心臓協会クラスIII又はクラスIVの心不全;無作為化前30日以内の高血圧切迫症又は高血圧緊急症;不安定/症候性又は生命を脅かす不整脈又は心ブロックを有する患者;患者はスクリーニング訪問前3ヶ月以内に以下のいずれかを経験している:不安定狭心症による入院;心筋梗塞(MI);冠動脈バイパス移植(CABG)又は経皮経管冠動脈形成術;一過性虚血発作(TIA)又は重大な脳血管疾患。8)血液学:ヘモグロビン症(鎌状赤血球貧血、重症型サラセミア、鉄芽球性貧血)又はA1Cの決定を妨げる可能性のある他の障害の病歴;スクリーニング前8週間以内の400mL超の血液又は血液製剤(複数の場合もある)の輸血又は喪失。9)免疫系:臓器移植を受けた患者を含むがこれらに限定されない、既知の重度の免疫不全状態。10)スクリーニング訪問前5年以内の悪性腫瘍又は悪性腫瘍に対する積極的治療(すなわち、モノクローナル抗体を含む、放射線療法又は化学療法)。11)現在の摂食障害、又はスクリーニング前12週間以内の10%超の体重の増減。12)反応が治験責任医師によって試験と無関係であるとみなされない限り、ソタグリフロジン又はソタグリフロジンの任意の不活性成分又はプラセボに対する既知のアレルギー、過敏症若しくは不耐性。13)計画されたスクリーニング訪問の30日又は5半減期(いずれか長い方)以内の任意の他の治験薬の投与又は介入臨床調査試験への参加。14)スクリーニング訪問前12ヶ月以内のアルコール又は違法薬物乱用の前歴(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders、第5版の基準を使用)。15)患者が試験コーディネーター、治験責任医師若しくは治験責任医師の医療機関の従業員、又は前述のいずれかの近親者である。16)治験責任医師の意見において、患者が試験を完了できなくなる可能性がある任意の状態。17)治験責任医師又は試験依頼者の意見において、試験の実施又は結果の解釈のあらゆる側面を妨げる可能性がある臨床的に重要な既往歴、身体検査、又は臨床検査所見の存在。治験責任医師又は試験依頼者は、該当する場合、除外のための正当性を提供する。
【0044】
参加期間は、以下のおよそ32週:スクリーニング期間(最大2週間);2週間の単盲検プラセボランイン期間;24週間の二重盲検治療期間であった。この試験の主要目的は、第24週に糖化ヘモグロビンA1C(A1C)7.0%未満の患者の割合におけるプラセボに対するソタグリフロジン400mgの優位性、並びに無作為化後に重症低血糖のエピソードがないこと及び糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)のエピソードがないことを実証することであった。この試験の副次目的は、ソタグリフロジン対プラセボのベースラインからの変化を以下:A1C;体重;収縮期血圧(SBP);及びボーラスインスリン用量に対して評価することを含んだ。
【0045】
表5に示すように、ソタグリフロジンは主要エンドポイントに到達した。表6は、in Tandem 3試験におけるベースラインBMI 27kg/m2未満及び27kg/m2以上で分類されたサブグループでの分析のデータを提供し、これは、in Tandem 1/in Tandem 2試験と同じ傾向を示す。
【0046】
【0047】
【0048】
in Tandem 3試験では、BMI 27kg/m2未満の患者と比較して、BMI 27kg/m2以上の過体重及び肥満の患者間のベースラインA1Cに治療群差は認められなかったが、BMIカテゴリーが高い患者はベースラインSBPもより高い傾向があった。全体的に、過体重及び肥満のサブグループにおいて、プラセボと比較して、ソタグリフロジンの有効性は、A1C及び体重に対してより好ましい効果(ベースラインからのより大きな平均減少)を有する傾向があった。
【0049】
より高いBMIに加えて、過体重及び肥満の患者は、他の併存状態(例えば、高齢化、より長い疾患持続時間)を有する可能性がより高く、したがってインスリン単独では対処できず、ソタグリフロジンの恩恵を受ける可能性があるため、より高い医学的ニーズを呈する。これらのデータは、ベースラインBMI 27kg/m2未満の被験体よりも大きいA1Cの減少、より大きな体重減少、並びにSH(重症低血糖)及びDKAが少なくなるという好ましい傾向に基づいてベースラインBMI 27kg/m2以上の患者でより好ましいベネフィット-リスクプロファイルに関する驚くべき臨床的証拠を提供する。