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特許7482154木材繊維を処理するための装置および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】木材繊維を処理するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   D21D 1/30 20060101AFI20240502BHJP
   D21D 1/00 20060101ALI20240502BHJP
   D21B 1/14 20060101ALI20240502BHJP
   B02C 7/02 20060101ALI20240502BHJP
【FI】
D21D1/30
D21D1/00
D21B1/14
B02C7/02
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021571705
(86)(22)【出願日】2019-10-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-13
(86)【国際出願番号】 US2019056504
(87)【国際公開番号】W WO2020263296
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】16/456,154
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504293447
【氏名又は名称】インターナショナル・ペーパー・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】アンダーソン,ドワイト・エドワード
【審査官】河内 浩志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第96/000615(WO,A1)
【文献】特表2003-534911(JP,A)
【文献】特表平10-502017(JP,A)
【文献】特表2017-507253(JP,A)
【文献】登録実用新案第3188402(JP,U)
【文献】実公昭29-004201(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D21D 1/00-99/00
D21B 1/00- 1/38
B02C 1/00- 7/18
15/00-17/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルプリファイナーのためのリファイニング部材であって、前記リファイニング部材は、
リファイニング表面を含むリファイニング本体部を含み、
前記リファイニング表面は、
第1のリファイナー溝部によって分離され、前記リファイニング表面上の第1の半径方向内向きの位置から第1の半径方向外向きの位置まで延在している、木材繊維をリファイニングするための第1のリファイナーバーと、
第2のリファイナー溝部によって分離され、前記リファイニング表面上の第2の半径方向内向きの位置から第2の半径方向外向きの位置まで延在している第2のリファイナーバーであって、前記第2の半径方向外向きの位置は前記第1の半径方向外向きの位置よりも、前記リファイニング本体部の最も外側のパーツの近くにある、繊維束を分解するための第2のリファイナーバーと
を含み、
前記第1のリファイナーバーは、隣接する第1のリファイナー溝部のフロアから上向きに延在する第1の高さを有し、前記第1の高さは、前記第1のリファイナーバーの長手方向の長さに沿って実質的に一定しており、また前記第1の高さは4.0mm~10.0mmであり、
前記第2のリファイナーバーは、隣接する第2のリファイナー溝部のフロアから上向きに延在する第2の高さを有し、前記第2の高さは前記第2のリファイナーバーの最小高さであり、前記第2の半径方向内向きの位置から間隔を離して配置されており、前記第2の高さは前記第1の高さよりも少なくとも0.35mm小さく、
前記第2のリファイナーバーは、前記第2のリファイナーバーが前記第1の半径方向外向きの位置から前記第2の半径方向外向きの位置まで延在するように前記第1のリファイナーバーと一体になっている、
リファイニング部材。
【請求項2】
前記第2のリファイナーバーの前記最小高さは、前記第2の半径方向外向きの位置に隣接している、請求項1に記載のリファイニング部材。
【請求項3】
前記第2の高さは前記第1の高さよりも0.35mm~7.0mm小さい、請求項に記載のリファイニング部材。
【請求項4】
前記第2の高さは前記第1の高さよりも0.7mm~7.0mm小さい、請求項に記載のリファイニング部材。
【請求項5】
前記第2のリファイナーバーのそれぞれは、前記第1の半径方向外向きの位置と前記第2の半径方向外向きの位置との間に延在するそれぞれの第2のリファイナーバーの少なくとも一部分に沿って実質的に連続的に下向きに傾斜している、請求項に記載のリファイニング部材。
【請求項6】
前記第1のリファイナー溝部の少なくとも一部分は、ダムを装備している、請求項1に記載のリファイニング部材。
【請求項7】
前記第1のリファイナーバーの前記第1の高さは、第1の最大高さを含み、前記第2のリファイナーバーは、前記隣接する第2のリファイナー溝部の前記フロアから上向きに延在する第2の最大高さを含み、前記第1のリファイナーバーのそれぞれの半径方向外側部分が、前記第1の最大高さから前記第2の最大高さへのステップダウンを含み、前記第2の最大高さは前記第1の最大高さよりも少なくとも1.5mm小さい、請求項1に記載のリファイニング部材。
【請求項8】
第3のリファイナー溝部によって分離された、木材繊維をリファイニングするための第3のリファイナーバーであって、それぞれが前記リファイニング表面上の第3の半径方向外向きの位置まで延在している、第3のリファイナーバーと、
第4のリファイナー溝部によって分離された、繊維束を分解するための第4のリファイナーバーであって、それぞれが、前記第3の半径方向外向きの位置よりも、前記リファイニング本体部の前記最も外側のパーツの近くにある前記リファイニング表面上の第4の半径方向外向きの位置まで延在している、第4のリファイナーバーとをさらに含み、
前記第3のリファイナーバーは、隣接する第3のリファイナー溝部のフロアから上向きに延在する第3の高さを有し、前記第4のリファイナーバーは隣接する第4のリファイナー溝部のフロアから上向きに延在する第4の高さを有し、前記第4の高さは前記第4のリファイナーバーの最小高さであり、前記第4の半径方向外向きの位置に隣接しており、前記第4の高さは前記第3の高さよりも少なくとも0.35mm小さい、
請求項1に記載のリファイニング部材。
【請求項9】
前記第3のリファイナーバーは、前記第3のリファイナーバーが前記第2の半径方向外向きの位置から前記第3の半径方向外向きの位置まで延在するように前記第2のリファイナーバーと一体になっており、前記第4のリファイナーバーは、前記第4のリファイナーバーが前記第3の半径方向外向きの位置から前記第4の半径方向外向きの位置まで延在するように前記第3のリファイナーバーと一体になっている、請求項に記載のリファイニング部材。
【請求項10】
前記第3のリファイナーバーの前記第3の高さは第3の最大高さを含み、前記第4のリファイナーバーは、前記隣接する第4のリファイナー溝部の前記フロアから上向きに延在する第4の最大高さを含み、前記第3のリファイナーバーのそれぞれの半径方向外側部分が前記第3の最大高さから前記第4の最大高さへのステップダウンを含み、前記第4の最大高さは前記第3の最大高さよりも少なくとも1.5mm小さい、請求項に記載のリファイニング部材。
【請求項11】
パルプリファイナーであって、前記パルプリファイナーは、
フレームと、
少なくとも第1の対のリファイニング部材とを含み、前記第1の対のリファイニング部材は、
前記フレームに関連付けられ、第1のリファイニング表面を含む第1のリファイニング本体部を含む第1のリファイニング部材であって、前記第1のリファイニング表面は、
第1のリファイナー溝部によって分離され、前記リファイニング表面上の第1の半径方向内向きの位置から前記リファイニング表面上の第1の半径方向外向きの位置まで延在している、木材繊維をリファイニングするための第1のリファイナーバーと、
第2のリファイナー溝部によって分離され、前記リファイニング表面上の第2の半径方向内向きの位置から前記リファイニング表面上の第2の半径方向外向きの位置まで延在している、繊維束を分解するための第2のリファイナーバーとを含み、前記第2の半径方向外向きの位置は前記第1の半径方向外向きの位置よりも、前記リファイニング本体部の最も外側のパーツの近くにあり、
前記第1のリファイナーバーは隣接する第1の溝部のフロアから上向きに延在する第1の高さを有し、前記第1の高さは、前記第1のリファイナーバーの長手方向の長さに沿って実質的に一定しており、また前記第1の高さは4.0mm~10.0mmであり、前記第2のリファイナーバーは前記隣接する第2の溝部フロアから上向きに延在する第2の高さを有し、前記第2の高さは前記第2のリファイナーバーの最小高さであり、前記第2の半径方向内向きの位置から間隔を離して配置されており、前記第2の高さは前記第1の高さよりも少なくとも0.35mm小さい、
第1のリファイニング部材と、
前記フレームに関連付けられ、第2の部材リファイナー溝部によって分離された第2の部材リファイナーバーを含む第2のリファイニング表面を含む第2のリファイニング本体部を含む第2のリファイニング部材であって、前記第1のリファイニング部材が前記第2のリファイニング部材から間隔を置いて配置され、それらの間にリファイニングスペースを画定しており、前記第2の部材リファイナーバーの少なくとも一部分が、前記第2の部材リファイナーバーの前記一部分と前記第2のリファイナーバーとの間にギャップを画定するように前記第2のリファイナーバーの真向かいになるように位置決めされている、
第2のリファイニング部材とを含み、
前記パルプリファイナーはさらに、
前記フレームに関連付けられ、ローターの回転が前記第1または前記第2のリファイニング部材のうちの一方のリファイニング部材の、他方のリファイニング部材に対する移動を実現するように、前記第1のリファイニング部材または前記第2のリファイニング部材のうちの前記一方のリファイニング部材に連結されているローターを含み、
木材繊維を含む木材パルプのスラリーが前記フレームに供給されるときに、前記木材パルプスラリーが前記リファイニングスペースを通過する、パルプリファイナー。
【請求項12】
前記第2のリファイナーバーの前記最小高さは前記第2の半径方向外向きの位置に隣接している、請求項11に記載のパルプリファイナー。
【請求項13】
前記第1の高さは前記第1のリファイナーバーの長手方向の長さに沿って実質的に一定している、請求項11に記載のパルプリファイナー。
【請求項14】
前記第2の高さは前記第1の高さよりも少なくとも0.7mm小さい、請求項11に記載のパルプリファイナー。
【請求項15】
前記第1のリファイナーバーの前記第1の高さは第1の最大高さを含み、前記第2のリファイナーバーは、前記隣接する第2のリファイナー溝部の前記フロアから上向きに延在する第2の最大高さを含み、前記第1のリファイナーバーのそれぞれの、半径方向外側部分が前記第1の最大高さから前記第2の最大高さへのステップダウンを含み、前記第2の最大高さは前記第1の最大高さよりも少なくとも1.5mm小さい、請求項11に記載のパルプリファイナー。
【請求項16】
前記第2の部材リファイナーバーは、
前記第2のリファイニング表面上の第1の半径方向内向きの位置から第1の半径方向外向きの位置まで延在している第1のリファイナーバー要素と、
前記第1の半径方向外向きの位置よりも、前記第2のリファイニング本体部の最も外側のパーツの近くにあり、前記第2のリファイニング表面上の第2の半径方向外向きの位置まで延在している第2のリファイナーバー要素とを含み、
前記第1のリファイナーバー要素は、隣接する溝部のフロアから上向きに延在する第1のバー高さを有し、前記第2のリファイナーバー要素は、前記隣接する溝部フロアから上向きに延在する第2のバー高さを有し、前記第2のバー高さは前記第2のリファイナーバー要素の最小高さであり、前記第2の半径方向外向きの位置に隣接しており、前記第2のバー高さは前記第1のバー高さよりも少なくとも0.35mm小さい、請求項11に記載のパルプリファイナー。
【請求項17】
木材繊維を処理するための方法であって、前記方法は、
少なくとも第1の対のリファイニング部材を含むリファイナーを設けるステップであって、
前記第1の対のリファイニング部材は、
第1のリファイニング表面を含む第1のリファイニング本体部を含む第1のリファイニング部材であって、前記第1のリファイニング表面が、第1のリファイナー溝部によって分離され、隣接する第1のリファイナー溝部のフロアから上向きに延在する第1の高さを有する第1のリファイナーバーと、第2のリファイナー溝部によって分離され、隣接する第2のリファイナー溝部のフロアから上向きに延在する第2の高さを有する第2のリファイナーバーとを含前記第1の高さは、前記第1のリファイナーバーの長手方向の長さに沿って実質的に一定しており、また前記第1の高さは4.0mm~10.0mmである、第1のリファイニング部材と、
第2のリファイニング表面を含む第2のリファイニング本体部を含む第2のリファイニング部材であって、前記第2のリファイニング表面が、第2の部材リファイナー溝部によって分離された第2の部材リファイナーバーを含み、前記第1のリファイニング部材は前記第2のリファイニング部材から間隔を置いて配置され、それらの間にリファイニングスペースを画定しており、前記第2の部材リファイナーバーの少なくとも一部分が、前記第2の部材リファイナーバーの前記一部分と前記第2のリファイナーバーとの間にギャップを画定するように前記第2のリファイナーバーの真向かいになるように位置決めされている、第2のリファイニング部材とを含む、
リファイナーを設けるステップと、
前記第1および第2のリファイニング部材が互いに対して移動するように前記第1のリファイニング部材または前記第2のリファイニング部材のうちの少なくとも1つのリファイニング部材を回転させるステップと、
スラリーが前記リファイニングスペースを通過するように前記リファイナーに木材繊維を含む木材パルプのスラリーを供給するステップと、
前記スラリーが供給されるときに前記第1のリファイニング部材または前記第2のリファイニング部材のうちの少なくとも1つに軸線方向の圧力を印加するステップであって、前記ギャップは前記第2のリファイナーバーの少なくとも1つのセクションに沿って前記第1のリファイニング表面上の第1の半径方向内向きの位置から第1の半径方向外向きの位置に向けて延在する方向に増大する、軸線方向の圧力を印加するステップとを含み、
前記ギャップを通過する木材繊維束の少なくとも一部分が分離される
木材繊維を処理するための方法。
【請求項18】
前記第2の高さは前記第2のリファイナーバーの最小高さであり、前記第1の半径方向外向きの位置に隣接しており、前記第2の高さは前記第1の高さよりも少なくとも0.35mm小さい、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2018年1月2日に出願された米国特許出願第15/860,006号(代理人整理番号TEC-120257-US)に関連する2018年1月2日に出願された米国特許出願第15/860,055号(代理人整理番号TEC-119945-US)の一部継続出願である。また、本出願は、米国特許出願第15/860,006号の二重の優先権を主張する。
【0002】
本開示は、概して、リファイナーの中で木材繊維を処理することに関し、より具体的には、木材繊維をリファイニングするための、および、繊維束を分解するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ディスクタイプリファイナーが、従来から、紙製品作製プロセスのステップにおいて、木材繊維を処理するために使用されてきた。そのようなリファイナーは、第1および第2のリファイニング部材を含み、第1および第2のリファイニング部材は、それらの間にリファイニングスペースを有している。第1および第2のリファイニング部材のそれぞれは、リファイナー溝部によって分離されている複数のリファイナーバーを含み、リファイナーバーは、木材繊維をカットするためのカッティング表面を画定している。動作の間に、第1および第2のリファイニング部材のうちの少なくとも一方が、他方に対して回転させられ、リファイナーバーのカッティング表面の回転が、リファイナーの中で処理されている木材繊維をカットする。木材繊維がリファイナーの中で処理されると、処理された木材繊維は、後続の紙製品作製プロセスの中でさらに処理され、紙製品を生産することが可能である。いくつかの場合において、木材繊維は、たとえば、別個のティックラーリファイナーまたはデフレーカーなどの中で、追加的な処理を受けることが可能である。当技術分野で知られているように、円錐形状のリファイナーは、リファイニング部材がディスクではなく円錐表面上に位置決めされている点を除き、同様に動作する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様によれば、パルプリファイナーのためのリファイニング部材が提供される。リファイニング部材は、第1のリファイナー溝部によって分離され、リファイニング表面上の第1の半径方向内向きの位置から第1の半径方向外向きの位置まで延在している、第1のリファイナーバーと、第2のリファイナー溝部によって分離され、リファイニング表面上の第2の半径方向内向きの位置から第2の半径方向外向きの位置まで延在している、第2のリファイナーバーとを含む、リファイニング表面を含むリファイニング本体部を含み、第2の半径方向外向きの位置は、第1の半径方向外向きの位置よりも、リファイニング本体部の最も外側のパーツの近くにある。第1のリファイナーバーは、隣接する第1のリファイナー溝部のフロアから上向きに延在する第1の高さを有しており、第2のリファイナーバーは、隣接する第2のリファイナー溝部のフロアから上向きに延在する第2の高さを有している。第2の高さは、第2のリファイナーバーの最小高さであり、第2の半径方向内向きの位置から間隔を離して配置されており、第2の高さは第1の高さよりも少なくとも約0.35mm小さい。第1のリファイナーバーは、木材繊維をリファイニングするように適合されており、第2のリファイナーバーは繊維束を分解するように適合されている。
【0005】
第2のリファイナーバーの最小高さは、第2の半径方向外向きの位置に隣接していることが可能である。
第1の高さは、第1のリファイナーバーの長手方向の長さに沿って実質的に一定していることが可能である。
【0006】
第1の高さは、約4.0mm~約10.0mmとすることができる。第2の高さは、第1の高さよりも約0.35mm~約7.0mm小さいか、または第1の高さよりも約0.7mm~約7.0mm小さいことが可能である。
【0007】
第2のリファイナーバーは、第2のリファイナーバーが第1の半径方向外向きの位置から第2の半径方向外向きの位置まで延在するように、第1のリファイナーバーと一体になっていることが可能である。第2のリファイナーバーのそれぞれは、第1の半径方向外向きの位置と第2の半径方向外向きの位置との間に延在しているそれぞれの第2のリファイナーバーの少なくとも一部分に沿って実質的に連続的に下向きに傾斜していることが可能である。
【0008】
第1のリファイナー溝部の少なくとも一部分は、ダムを装備し得る。
第1のリファイナーバーの第1の高さは第1の最大高さを含むことが可能であり、第2のリファイナーバーは、隣接する第2のリファイナー溝部のフロアから上向きに延在する第2の最大高さを含むことが可能であり、第1のリファイナーバーのそれぞれの半径方向外側部分は、第1の最大高さから第2の最大高さへのステップダウンを含むことが可能であり、第2の最大高さは第1の最大高さよりも少なくとも約1.5mm小さいことが可能である。
【0009】
リファイニング部材は、第3のリファイナー溝部によって分離された第3のリファイナーバーと、第4のリファイナー溝部によって分離された第4のリファイナーバーとをさらに含み得る。第3のリファイナーバーのそれぞれは、リファイニング表面上の第3の半径方向外向きの位置まで延在していることが可能であり、第4のリファイナーバーのそれぞれは、第3の半径方向外向きの位置よりも、リファイニング本体部の最も外側のパーツの近くにあり、リファイニング表面上の第4の半径方向外向きの位置まで延在していることが可能である。第3のリファイナーバーは、隣接する第3のリファイナー溝部のフロアから上向きに延在する第3の高さを有することが可能であり、第4のリファイナーバーは、隣接する第4のリファイナー溝部のフロアから上向きに延在する第4の高さを有することが可能である。第4の高さは、第4のリファイナーバーの最小高さであることが可能であり、第4の半径方向外向きの位置に隣接していることが可能である。第4の高さは、第3の高さよりも少なくとも約0.35mm小さいことが可能である。第3のリファイナーバーは、木材繊維をリファイニングするように適合され得、第4のリファイナーバーは、繊維束を分解するように適合され得る。
【0010】
第3のリファイナーバーは、第2のリファイナーバーと一体になっていることが可能であり、第3のリファイナーバーが第2の半径方向外向きの位置から第3の半径方向外向きの位置へ延在するようになっており、第4のリファイナーバーは、第3のリファイナーバーと一体になっていることが可能であり、第4のリファイナーバーが第3の半径方向外向きの位置から第4の半径方向外向きの位置へ延在するようになっている。
【0011】
第3のリファイナーバーの第3の高さは、第3の最大高さを含むことが可能であり、第4のリファイナーバーは、隣接する第4のリファイナー溝部のフロアから上向きに延在する第4の最大高さを含むことが可能であり、第3のリファイナーバーのそれぞれの半径方向外側部分は、第3の最大高さから第4の最大高さへのステップダウンを含むことが可能であり、第4の最大高さは第3の最大高さよりも少なくとも約1.5mm小さいことが可能である。
【0012】
本開示の第2の態様によれば、パルプリファイナーが提供される。パルプリファイナーは、フレームと、少なくとも第1の対のリファイニング部材と、ローターとを含む。リファイニング部材は、フレームと関連付けられており、第1のリファイニング本体部を含む、第1のリファイニング部材と、フレームと関連付けられており、第2のリファイニング本体部を含む、第2のリファイニング部材とを含む。第1のリファイニング本体部は、第1のリファイニング表面を含み、第1のリファイニング表面は、第1のリファイナー溝部によって分離され、リファイニング表面上の第1の半径方向内向きの位置からリファイニング表面上の第1の半径方向外向きの位置まで延在している、第1のリファイナーバーと、第2のリファイナー溝部によって分離され、リファイニング表面上の第2の半径方向内向きの位置からリファイニング表面上の第2の半径方向外向きの位置まで延在している、第2のリファイナーバーとを含み、第2の半径方向外向きの位置は第1の半径方向外向きの位置よりも、リファイニング本体部の最も外側のパーツの近くにある。第1のリファイナーバーは、隣接する第1の溝部のフロアから上向きに延在する第1の高さを有し、第2のリファイナーバーは、隣接する第2の溝部フロアから上向きに延在する第2の高さを有する。第2の高さは、第2のリファイナーバーの最小高さであり、第2の半径方向内向きの位置から間隔を離して配置されている。第2の高さは、第1の高さよりも少なくとも約0.35mm小さい。第2のリファイニング部材は、第2の部材リファイナー溝部によって分離された第2の部材リファイナーバーを含む第2のリファイニング表面を含む。第1のリファイニング部材は、第2のリファイニング部材から間隔を置いて配置され、それらの間にリファイニングスペースを画定しており、第2の部材リファイナーバーの少なくとも一部分が、第2の部材リファイナーバーのその一部分と第2のリファイナーバーとの間にギャップを画定するように第2のリファイナーバーの真向かいになるように位置決めされている。ローターは、第1のリファイニング部材または第2のリファイニング部材のうちの一方に連結されており、ローターの回転が、第1のリファイニング部材または第2のリファイニング部材のうちの他方に対する一方の移動を実現するようになっている。木材繊維を含む木材パルプのスラリーがフレームに供給されるときには、木材パルプスラリーが、リファイニングスペースを通過し、木材パルプスラリーの中のかなりの数の木材繊維がリファイニングされる(refined)ようになっており、木材パルプスラリーの中の複数の木材繊維束が分離されるようになっている。
【0013】
第2のリファイナーバーの最小高さは、第2の半径方向外向きの位置に隣接していることが可能である。
第1の高さは、第1のリファイナーバーの長手方向の長さに沿って実質的に一定していることが可能である。
【0014】
第2の高さは、第1の高さよりも少なくとも約0.7mm小さいことが可能である。
第1のリファイナーバーの第1の高さは、第1の最大高さを含むことが可能であり、第2のリファイナーバーは、隣接する第2のリファイナー溝部のフロアから上向きに延在する第2の最大高さを含むことが可能であり、第1のリファイナーバーのそれぞれの半径方向外側部分は、第1の最大高さから第2の最大高さへのステップダウンを含むことが可能であり、第2の最大高さは第1の最大高さよりも少なくとも約1.5mm小さいことが可能である。
【0015】
第2の部材リファイナーバーは、第2のリファイニング表面上の第1の半径方向内向きの位置から第1の半径方向外向きの位置まで延在している第1のリファイナーバー要素と、第1の半径方向外向きの位置よりも、第2のリファイニング本体部の最も外側のパーツの近くにあり、第2のリファイニング表面上の第2の半径方向外向きの位置まで延在している第2のリファイナーバー要素とを含むことが可能である。第1のリファイナーバー要素は、隣接する溝部のフロアから上向きに延在する第1のバー高さを有することができ、第2のリファイナーバー要素は、隣接する溝部フロアから上向きに延在する第2のバー高さを有することが可能である。第2のバー高さは、第2のリファイナーバー要素の最小高さであることが可能であり、第2の半径方向外向きの位置に隣接していることが可能である。第2のバー高さは、第1のバー高さよりも少なくとも約0.35mm小さいことが可能である。
【0016】
本開示の第3の態様によれば、木材繊維を処理するための方法が提供される。方法は、少なくとも第1の対のリファイニング部材を含むリファイナーを設けるステップを含む。リファイニング部材は、第1のリファイニング本体部を含む第1のリファイニング部材と、第2のリファイニング本体部を含む第2のリファイニング部材とを含む。第1のリファイニング本体部は、第1のリファイニング表面を含み、第1のリファイニング表面は、第1のリファイナー溝部によって分離されており、隣接する第1のリファイナー溝部のフロアから上向きに延在する第1の高さを有している、第1のリファイナーバーと、第2のリファイナー溝部によって分離されており、隣接する第2のリファイナー溝部のフロアから上向きに延在する第2の高さを有している、第2のリファイナーバーとを含む。第2のリファイニング本体部は、第2のリファイニング表面を含み、第2のリファイニング表面は、第2の部材リファイナー溝部によって分離されている第2の部材リファイナーバーを含む。第1のリファイニング部材は、第2のリファイニング部材から間隔を置いて配置され、それらの間にリファイニングスペースを画定しており、第2の部材リファイナーバーの少なくとも一部分は、第2の部材リファイナーバーのその一部分と第2のリファイナーバーとの間にギャップを画定するように第2のリファイナーバーの真向かいになるように位置決めされている。方法は、第1および第2のリファイニング部材が互いに対して移動するように、第1のリファイニング部材または第2のリファイニング部材のうちの少なくとも1つを回転させるステップと、木材繊維を含む木材パルプのスラリーを、スラリーがリファイニングスペースを通過するようにリファイナーに供給するステップと、スラリーが供給されるときに、第1のリファイニング部材または第2のリファイニング部材のうちの少なくとも1つに軸線方向の圧力を印加するステップとをさらに含む。第2の部材リファイナーバーの一部分と第2のリファイナーバーとの間のギャップは、第2のリファイナーバーの少なくとも1つのセクションに沿って、第1のリファイニング表面上の第1の半径方向内向きの位置から第1の半径方向の外向きの位置に向けて延在する方向に増大する。ギャップを通過する木材繊維束の少なくとも一部分が分離される。
【0017】
第2の高さは、第2のリファイナーバーの最小高さであることが可能であり、第1の半径方向外向きの位置に隣接していることが可能である。第2の高さは、第1の高さよりも少なくとも約0.35mm小さいことが可能である。
【0018】
本明細書は、とりわけ本発明を指摘してはっきりと主張する特許請求の範囲によって締めくくっているが、本発明は、添付の図面とともに以下の説明からより良好に理解されることとなり、図面において、同様の参照番号は、同様の構成要素を識別しているということが考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】ディスクリファイナーの概略部分断面図である。
図2】第1のリファイニング本体部の平面図である。
図3】第2のリファイニング本体部の平面図である。
図4A図2の第1のリファイニング本体部のリファイニング表面のセクションの平面図である。
図4B図2の第1のリファイニング本体部のリファイニング表面のセクションの平面図である。
図5図5Aは、図3の第2のリファイニング本体部のリファイニング表面のセクションの平面図である。 図5Bは、図3の第2のリファイニング本体部のリファイニング表面のセクションの平面図である。
図6図6Aは、図4Aおよび図5Aの中のライン6A-6Aに沿って見られたリファイニング本体部の部分断面図である。 図6Bは、図4Bおよび図5Bの中のライン6B-6Bに沿って見られたリファイニング本体部の部分断面図である。
図7図4A図4B図5A、および図5Bの中のライン7-7に沿って見られた部分断面図である。
図8】第2のリファイニング本体部の上の対応するリファイナーバーの上方に間隔を離して配置されて位置決めされている、第1のリファイニング本体部の上のリファイナーバーの部分断面図である。
図9】第2のリファイニング本体部の上の対応するリファイナーバーの上方に間隔を離して配置されて位置決めされている、第1のリファイニング本体部の上のリファイナーバーの部分断面図である。
図10】複数の半径方向に延在するパイ形状のセグメントを含む第1のリファイニング本体部の一部分の平面図である。
図11】複数の半径方向に延在するパイ形状のセグメントを含む第2のリファイニング本体部の一部分の平面図である。
図12図12Aは、1つのリファイニング本体部が別のリファイニング本体部の上方に間隔を離して配置されて位置決めされている、図10および図11のパイ形状のセグメントからのリファイナーバーの部分断面図である。 図12Bは、1つのリファイニング本体部が別のリファイニング本体部の上方に間隔を離して配置されて位置決めされている、図10および図11のパイ形状のセグメントからのリファイナーバーの部分断面図である。
図13】歯を含む第1のリファイニング本体部の平面図である。
図14】歯を含む第2のリファイニング本体部の平面図である。
図15図13の第1のリファイニング本体部のリファイニング表面のセクションの平面図である。
図16図14の第2のリファイニング本体部のリファイニング表面のセクションの平面図である。
図17】リファイナーバーおよび歯を含む第2のリファイニング本体部の上方に間隔を離して配置されて位置決めされている第1のリファイニング本体部の上のリファイナーバーおよび歯の部分断面図である。
図18】木材繊維を処理するための例示的な方法を図示するフローチャートである。
図19A図6Aと同様のリファイニング本体部の部分断面図である。
図19B図6Bと同様のリファイニング本体部の部分断面図である。
図20】木材繊維を処理するための別の例示的な方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
好適な実施形態の以下の詳細な説明において、この一部を形成する添付の図面が参照され、図面において、本発明が実践され得る特定の好適な実施形態が、限定としてではなく、図示として示されている。他の実施形態も利用され得、また、変更が、本発明の精神および範囲から逸脱することなくなされ得るということが理解されるべきである。
【0021】
図1は、本開示によるディスクリファイナー10の概略部分断面図を図示している。ディスクリファイナー10は、第1のハウジングセクション12および第2のハウジングセクション14を備えたハウジングを含み、第1のハウジングセクション12および第2のハウジングセクション14は、ボルト締めされ得るか、または、その他の方法で一緒に固定して取り付けられ得る。ハウジングセクション12、14は、入口部16、出口部18、およびリファイナー内側キャビティー64を画定しており、リファイナー内側キャビティー64は、1つまたは複数の対のリファイニング部材を含有している。図1に示されている実施形態は、2対のリファイニング部材、たとえば、第2のリファイニング部材30と対にされる第1のリファイニング部材20、および、第4のリファイニング部材50と対にされる第3のリファイニング部材40を含む、ダブルディスクリファイナー10である。第1のリファイニング部材20は、第1のリファイニング表面24を備えた第1のリファイニング本体部22を含み、第2のリファイニング部材30は、第2のリファイニング表面34を備えた第2のリファイニング本体部32を含む。第3のリファイニング部材40は、第3のリファイニング本体部42および第3のリファイニング表面44を含み、第4のリファイニング部材50は、第4のリファイニング本体部52および第4のリファイニング表面54を含む。リファイニング部材20、30、40、50のそれぞれは、メインサポートフレームと関連付けられており、メインサポートフレームは、本明細書で説明されているように、第1のハウジングセクション12に固定された固定サポートフレーム66と、可動サポートフレーム68とを含む。
【0022】
第1の、第2の、第3の、および第4のリファイニング本体部22、32、42、52は、実質的に同一の外径を有する概してディスク形状になっていることが可能である(図2および図3を参照)。第1および第2のリファイニング部材20、30は、第1のリファイニング表面24が第2のリファイニング表面34に面するように配置されており、第3および第4のリファイニング部材40、50は、第3のリファイニング表面44が第4のリファイニング表面54に面するように配置されている。第1のリファイニング部材20は、第2のリファイニング部材30から間隔を離して配置され、それぞれのリファイニング表面24、34の間に第1のリファイニングスペース60を画定している。第3のリファイニング部材40は、第4のリファイニング部材50から間隔を離して配置され、それぞれのリファイニング表面44、54の間に第2のリファイニングスペース62を画定している。ディスクリファイナー10は、米国特許出願公開第2006/0037728A1号に図示されているものと同様の構造を有することが可能であり、その開示は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0023】
図1に示されている実施形態では、第1および第4のリファイニング部材20、50は、静止しており、第2および第3のリファイニング部材30、40は、第1および第4のリファイニング部材20、50に対して回転する。第1のリファイニング部材20は、ボルトまたは他の適切な締結具(図示せず)によって、サポートフレーム66に固定され得る。第2および第3のリファイニング部材30、40は、サポート70に取り付けられ得、サポート70は、回転可能なシャフト72に連結されており、回転可能なシャフト72から半径方向外向きに延在している。サポート70は、シャフト72に連結されており、シャフト72とともに回転するようになっており、また、シャフト72に沿って軸線方向に移動可能である。シャフト72は、第1のモーター74によって駆動され、サポート70ならびに第2および第3のリファイニング部材30、40が、ディスクリファイナー10の動作の間にシャフト72とともに回転するようになっている。シャフト72は、中心軸線72Aを有しており、中心軸線72Aは、第2および第3のリファイニング部材30、40の回転の軸線と概して同軸になっている。シャフト72は、固定サポートフレーム66に回転可能に装着され得、第1および第2のリファイニング部材30、40がメインサポートフレームと関連付けられるようになっている。サポート70は、本明細書で説明されているように、第1および第4のリファイニング部材20、50に対して、シャフト72に沿って、たとえば、実質的に中心軸線72Aに沿って、軸線方向に移動可能であり得る。第4のリファイニング部材50は、ボルトまたは他の適切な締結具(図示せず)によって、可動サポートフレーム68に固定され得る。したがって、サポート70およびシャフト72は、メインサポートフレームに関連付けられたローターを画定することが可能であり、第2および第3のリファイニング部材が、回転ローター部材を画定することができるようになっており、第1および第4のリファイニング部材20、50が、非回転ステーター部材を画定することができるようになっている。ローターの回転は、第1および第4のリファイニング部材20、50それぞれに対する第2および第3のリファイニング部材30、40の移動を実現する。
【0024】
可動サポートフレーム68は、第2のハウジングセクション14の中に装着され得、第2のモーター76に連結されており、第2のモーター76は、可逆電気モーターを含むことが可能であり、可逆電気モーターは、適切な位置に固定されている。第2のモーター76は、矢印Aによって示されている実質的に水平方向の(すなわち、軸線方向の)方向に、可動サポートフレーム68を移動させる。リファイナー10は、たとえば、第2のモーター76および可動サポートフレーム68に連結されているジャックスクリュー(図示せず)を含むことが可能であり、その第2のモーター76は、ジャックスクリューを回転させ、可動サポートフレーム68を移動させることが可能であり、たとえば、第4のリファイニング部材50が、可動サポートフレーム68に取り付けられている。この移動は、ギャップのサイズ、すなわち、第1および第2のリファイニング部材20、30と第3および第4のリファイニング部材40、50との間に画定された第1および第2のリファイニングスペース60、62のサイズを調節する(図8および図9も参照)。他の実施形態(図示せず)では、ギャップのサイズの制御は、1つまたは複数の磁気軸受によって実現され得る。シャフト72の軸線方向の位置を制御する磁気軸受は、シャフト72に固定されている回転ローター部材の位置を制御するために使用され得る。磁気軸受は、非回転ステーター部材のうちの1つまたは複数が取り付けられているメインサポートフレーム(すなわち、可動サポートフレーム68)の1つまたは複数の追加的な可動セクションの軸線方向の位置を制御するために使用され得る。
【0025】
本明細書でさらに議論されることとなるように、木材繊維を含む木材パルプのスラリーが、リファイニングスペース60、62を通過する。ジャックスクリューは、第1の方向に回転するときに、第3のリファイニング部材40に向けて内向きに可動サポートフレーム68および第4のリファイニング部材50の移動を引き起こす。次いで、第4のリファイニング部材50は、第2のリファイニングスペース62を通過するパルプスラリーに軸線方向の力を印加し、それは、第3のリファイニング部材40に軸線方向の力を印加し、第3のリファイニング部材40、サポート70、および第2のリファイニング部材30が第1のリファイニング部材20に向けて内向きに移動することを引き起こす。ジャックスクリューは、第1の方向とは反対側の第2の方向に回転するときに、第3のリファイニング部材40から外向きに離れる可動サポートフレーム68および第4のリファイニング部材50の移動を引き起こす。これは、第2のリファイニングスペース62を通過するパルプスラリーに第4のリファイニング部材50によって印加される軸線方向の力を低減させ、それは、パルプスラリーによって第3のリファイニング部材40に印加される軸線方向の力を低減させる。第1のリファイニングスペース60を通過するパルプスラリーによって印加される軸線方向の力は、次いで、第2のリファイニング部材30、サポート70、および第3のリファイニング部材40が第4のリファイニング部材50に向けて移動することを引き起こすのに十分である。第1および第2のリファイニングスペース60、62を通過する木材スラリーによって第2および第3のリファイニング部材30および40に対抗して印加される軸線方向の力がおおよそ等しくなるまで、これは起こる。
【0026】
いくつかの実施形態では(図示せず)、ディスクリファイナー10は、さらなるモーターおよび第2の回転可能なシャフトをさらに含むことが可能であり、第1および/または第4のリファイニング部材20、50は、第2の回転可能なシャフトに連結され得、第1および/または第4のリファイニング部材20、50が、それぞれ第2および/または第3のリファイニング部材30、40に対して反回転可能となることができるようになっている。他の実施形態では(図示せず)、ディスクリファイナー10は、1対だけのリファイニング部材を含むことが可能であり、一方のリファイニング部材は、非回転ステーター部材であり、他方のリファイニング部材は、回転ローター部材である。さらなる実施形態では(図示せず)、ディスクリファイナーは、3対以上のリファイニング部材を含むことが可能である。一層さらなる実施形態では(図示せず)、ディスクリファイナー10は、1つまたは複数の対のリファイニング部材を伴う円錐形状のリファイナーを含むことが可能である。
【0027】
図2および図3は、それぞれ、本開示の1つの実施形態によるパルプリファイナーの中で使用するための、第1のリファイニング本体部22および第2のリファイニング本体部32のリファイニング表面24、34の平面図である。本明細書では詳細に議論されていないが、それぞれ第3および第4のリファイニング本体部42、52のリファイニング表面44、54の構造は(図1を参照)、それぞれ第1および第2のリファイニング本体部22、32のリファイニング表面24、34と実質的に同様であることが可能である。
【0028】
図1および図2を参照すると、第1のリファイニング本体部22は、複数のセクション、たとえば、セクション22A~22Cを含むことが可能であり、それらは、ボルト締めされているかまたはその他の方法で一緒に取り付けられており、半径方向外側縁部27を含むディスク形状のリファイニング本体部22を形成している。リファイニング表面24は、複数の細長いリファイナーバー26を含み、複数の細長いリファイナーバー26は、リファイナー溝部28によって互いに分離されている。図2に示されていないが、第1のリファイニング本体部22の他のセクション(ラベルを付されていない)は、同様に、リファイナーバー26およびリファイナー溝部28を含むこととなるということが理解される。リファイナーバー26は、半径方向内側の場所23から第1のリファイニング本体部22の半径方向外側縁部27に向けて半径方向外向きに延在している。リファイナーバー26は、図2に示されているようにさまざまな角度で斜めになっていることが可能であり、それぞれのセクション22A~22Cは、異なる方向に斜めになっているリファイナーバー26の1つまたは複数のセグメント(別個にラベルを付されてはいない)を含むことが可能である。図2の中のそれぞれのセクション22A~22Cの中のリファイナーバー26およびリファイナー溝部28は、そうでなければ、構造が同様になっていることも可能である。
【0029】
図3に示されているように、第2のリファイニング本体部32は、同様に、複数のセクション、たとえば、セクション32A~32Cを含むことが可能であり、それらは、ボルト締めされているかまたはその他の方法で一緒に取り付けられており、半径方向外側縁部37を含むディスク形状のリファイニング本体部32を形成している。リファイニング表面34は、複数の細長いリファイナーバー36を含み、複数の細長いリファイナーバー36は、リファイナー溝部38によって互いに分離されている。図3に示されていないが、第2のリファイニング本体部32の他のセクション(ラベルを付されていない)は、同様に、リファイナーバー36およびリファイナー溝部38を含むこととなるということが理解される。リファイナーバー36は、半径方向内側の場所33から第2のリファイニング本体部32の半径方向外側縁部37に向けて半径方向外向きに延在している。リファイナーバー36は、図3に示されているようにさまざまな角度で斜めになっていることが可能であり、それぞれのセクション32A~32Cは、異なる方向に斜めになっているリファイナーバー36の2つ以上のセグメント(別個にラベルを付されてはいない)を含むことが可能である。図3の中のそれぞれのセクション32A~32Cの中のリファイナーバー36およびリファイナー溝部38は、そうでなければ、構造が同様になっていることも可能である。
【0030】
リファイナー10を通る木材繊維を含む木材パルプのスラリーの経路が、図1の中の矢印Bを介して図示されている。図1図3を参照すると、パルプスラリーは、入口部16を通ってディスクリファイナー10に進入し、第1のリファイニング部材20の中の中央アパーチャー21を介してリファイナー内側キャビティー64の中へ通る。リファイナー内側キャビティー64は、固定サポートフレーム66および可動サポートフレーム68によって部分的に画定され得る。リファイニング表面24、34は、リファイニング本体部22、32の中心の近く(たとえば、中央アパーチャー21の近く)に位置付けされているものなどのような、リファイナーバーの1つまたは複数の追加的な列(ラベルを付されていない)を含むことが可能である。これらの追加的なリファイナーバーは、他のリファイナーバー26よりも幅広くなっており、より遠くに間隔を離して配置されており、大きい繊維束がリファイニングスペース60に進入する前にそれらを分解することが可能である。木材繊維は、リファイニング部材20、30、40、50同士の間を半径方向外向きに進行する。第1のリファイニング部材20と第2のリファイニング部材30との間に画定された第1のリファイニングスペース60、および、第3のリファイニング部材40と第4のリファイニング部材50との間に画定された第2のリファイニングスペース62は、別個の経路を画定しており、それに沿って、木材繊維が入口部16から出口部18へ進行することが可能である。木材繊維は、一度に、第1および第2のリファイニングスペース60、62のうちの1つだけを通過するということが考えられる。リファイナー溝部28、38は、第1のリファイニング部材20と第2のリファイニング部材30との間に画定されたリファイニングスペース60の一部であると考慮され得る。リファイニングスペース60を通る木材繊維のフローの大部分が、リファイナー溝部28、38を通過するということが考えられる。同様に、第3および第4のリファイニング部材40、50のリファイナー溝部(図示せず)は、第3のリファイニング部材40と第4のリファイニング部材50との間に画定されたリファイニングスペース62の一部であると考慮され得る。リファイニングスペース62を通る木材繊維のフローの大部分が、第3および第4のリファイニング部材40、50のリファイナー溝部(ラベルを付されていない)を通過するということが考えられる。処理の後、木材繊維は、少なくとも部分的に遠心力の作用の下で、出口部18を介してリファイナー10を退出する。
【0031】
図4Aおよび図4Bは、第1のリファイニング本体部22のリファイニング表面24の1つの部分の詳細図であり、図5Aおよび図5Bは、第2のリファイニング本体部32のリファイニング表面34の対応する部分の詳細図である。図6Aおよび図6Bは、それぞれ、ライン6A-6Aおよび6B-6Bに沿って見られたリファイニング本体部22、32の部分断面図であり、図4A図4B図5A、および図5Bに示されているように、リファイナーバー26、36の2つの実施形態を図示している。図7は、図4A図4B図5A、および図5Bの中のライン7-7に沿って見られた部分断面図である。
【0032】
図4A図5A図6A、および図7に示されている実施形態では、それぞれのリファイナーバー26、36は、第1のリファイナーバー26A、36Aおよび第2のリファイナーバー26B、36Bを含むことが可能である。第1のリファイナーバー26A、36Aは、第1のリファイナー溝部28A、38Aによって互いに分離され得、第2のリファイナーバー26B、36Bは、第2のリファイナー溝部28B、38Bによって互いに分離され得る。第1および第2のリファイナー溝部28A、38A、28B、38Bは、約2.0mm~約6.0mmの幅Wを有することが可能である。この範囲は、たとえば2.0mm、2.5mm、3.0mm、3.5mm、4.0mm、4.5mm、5.0mm、5.5mm、および6.0mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。図6Aおよび図7に示されているように、第1のリファイナーバー26A、36Aは、隣接する第1のリファイナー溝部28A、38AのフロアFから上向きに延在する第1の最大高さHを含み、第2のリファイナーバー26B、36Bは、隣接する第2のリファイナー溝部28B、38BのフロアFから上向きに延在する第2の最大高さHを含み、第2の最大高さHは、第1の最大高さHよりも小さい。HとHとの間の最小の高さの差が、図6Aの中のDとして示されている。いくつかの例では、第1のリファイナーバー26A、36Aの半径方向外側部分ROは、第1の最大高さHから第2の最大高さHへのステップダウンを含むことが可能である。
【0033】
いくつかの例では、第2の最大高さHは、第1の最大高さHよりも少なくとも0.35mm(±0.05mm)小さいことが可能である。他の例では、第2の最大高さHは、第1の最大高さHよりも少なくとも0.7mm(±0.05mm)小さいことが可能である。さらなる例では、第1のリファイナーバー26A、36Aの第1の最大高さHは、隣接する第1のリファイナー溝部28A、38AのフロアFから測定されるときに、4.0mm~10.0mm(±0.5mm)であることが可能である。この範囲は、たとえば4.0mm、4.5mm、5.0mm、5.5mm、6.0mm、6.5mm、7.0mm、7.5mm、8.0mm、8.5mm、9.0mm、9.5mm、および10.0mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。特定の例では、第2のリファイナーバー26B、36Bの第2の最大高さHは、隣接する第2のリファイナー溝部28B、38BのフロアFから測定されるときに、第1の最大高さHよりも0.35mm~1.5mm(±0.05mm)小さいことが可能である。この範囲は、たとえば0.35mm、0.4mm、0.45mm、0.5mm、0.55mm、0.6mm、0.65mm、0.7mm、0.75mm、0.8mm、0.85mm、0.9mm、0.95mm、1.0mm、1.05mm、1.1mm、1.15mm、1.2mm、1.25mm、1.3mm、1.35mm、1.4mm、1.45mm、および1.5mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。別の特定の例では、第2のリファイナーバー26B、36Bの第2の最大高さHは、隣接する第2のリファイナー溝部28B、38BのフロアFから測定されるときに、第1の最大高さHよりも0.7mm~1.5mm(±0.05mm)小さいことが可能である。この範囲は、たとえば0.7mm、0.75mm、0.8mm、0.85mm、0.9mm、0.95mm、1.0mm、1.05mm、1.1mm、1.15mm、1.2mm、1.25mm、1.3mm、1.35mm、1.4mm、1.45mm、および1.5mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。第1のリファイナーバー26A、36Aの半径方向外側部分ROが第1の最大高さHから第2の最大高さHへのステップダウンを含む一層さらなる例では、第2の最大高さHは第1の最大高さHよりも少なくとも1.5mm(±0.05mm)小さいことが可能である。いくつかの場合において、第2の最大高さHは、第1の最大高さHよりも少なくとも2.0mm(±0.05mm)小さいことが可能であり、他の場合において、第2の最大高さHは第1の最大高さHよりも少なくとも3.0mm(±0.05mm)小さいことが可能である。
【0034】
第1のリファイナーバー26A、36Aのそれぞれは、リファイニング表面24、34の上の半径方向内向きの位置Pからリファイニング表面24、34の上の第1の半径方向外向きの位置Pへ延在している。第2のリファイナーバー26B、36Bのそれぞれは、リファイニング表面24、34の上の第2の半径方向外向きの位置Pへ延在している。第2の半径方向外向きの位置Pは、第1の半径方向外向きの位置Pよりもリファイニング本体部22、32の最も外側のパーツ(たとえば、半径方向外側縁部27、37)の近くにあることが可能である。いくつかの例では、半径方向内向きの位置Pは、半径方向内側の場所23、33におけるまたはその近くの位置を含むことが可能である。第2のリファイナーバー26B、36Bは、約0.6cm~約10cmの、好ましくは、約2cm~約10cmの長手方向の長さLを含むことが可能である。第1のリファイナーバー26A、36Aと第2のリファイナーバー26B、36Bは、それぞれのリファイナーバー26A、36A、26B、36Bの側縁部同士の間に延在する約2.0mm~約8.0mmの幅W26を含むことが可能である。この範囲は、たとえば2.0mm、2.5mm、3.0mm、3.5mm、4.0mm、4.5mm、5.0mm、5.5mm、6.0mm、6.5mm、7.0mm、7.5mm、および8.0mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、第2のリファイナーバー26B、36Bは、図4A図5A、および図6Aに示されているように、第1のリファイナーバー26A、36Aと一体になっていることが可能であり、第2のリファイナーバー26B、36Bが第1の半径方向外向きの位置Pから第2の半径方向外向きの位置Pへ延在するようになっている。特定の実施形態では、第2のリファイナーバー26B、36Bは、第1の半径方向外向きの位置Pから第2の半径方向外向きの位置Pへ連続的に下向きに傾斜していることが可能である。図6Aに示されているように、第2のリファイナーバー26B、36Bの高さは、第2の最大高さHから第2の最小高さH2’へ実質的に長手方向の長さL全体に沿って連続的に減少していることが可能である。別の特定の実施形態では、第2のリファイナーバー26B、36Bは、図6Aの中の点線によって示されているように、第1の半径方向外向きの位置Pから第2の半径方向外向きの位置Pへ実質的に水平方向に延在していることが可能であり、第2のリファイナーバー26B、36Bが、第2のリファイナーバー26B、36Bの実質的に長手方向の長さL全体に沿って第2の最大高さHになるようになっている。他の実施形態では(図示せず)、第1のリファイナーバー26A、36Aは、所定のスペースだけ第2のリファイナーバー26B、36Bから半径方向に分離され得る。
【0036】
図4A図5A、および図7を参照すると、リファイニング表面24、34は、第1のリファイナー溝部28A、38Aの少なくとも一部分の中に提供されているダム29、39を含むことが可能である。ダム29、39は、隣接する第1のリファイナーバー26A、36Aの高さと実質的に同じであるかまたはそれよりも小さい高さを含むことが可能である。ダム29、39は、第1および第2のリファイナーバー26A、36A、26B、36Bによって係合されるように、第1のリファイナー溝部28A、38Aから木材繊維を転向させる役割を果たしている。
【0037】
図1図4A図5A、および図6Aを参照すると、木材繊維を含む木材パルプのスラリーがリファイナー10のフレーム66(たとえば、入口部16)に供給されるときには、第1のリファイナーバー26A、36Aは、パルプスラリーの中の木材繊維をリファイニングするように適合されており、一方、第2のリファイナーバー26B、36Bは、繊維束を分解または分離するように適合されている。リファイニングは、繊維の小さい塊を分裂させて低減させ、繊維結合を実現するために外部または内部のフィブリル化を誘発させ、および/または、長い木材繊維の長さが低減されるように、木材パルプスラリーの中のかなりの数の長い木材繊維を切断するために使用され得る。しかし、リファイニングプロセスは、また、とりわけ、軟木材などのような長い繊維のリファイニングの間に、木材繊維のいくらかが小さい高密度の繊維束(「フレーク」)へと再形成することを引き起こす。繊維束は、完成した紙製品の引張強度、形成など、下流コンポーネントを詰まらせる一連のパルプの種子形成に悪影響を与える可能性があり、および/または、紙製品生産の間の繊維からの流体/水のドレン排出を抑制する可能性がある。したがって、フレークは、デフレーキングと呼ばれるプロセスの中で、リファイニングの後に分裂されるべきである。本明細書で使用されているように、「デフレーキング」という用語は、リファイニングの間に形成された繊維束を分裂させるプロセスを表すために使用されている。リファイニングが従来のパルプリファイナーを伴うときには、デフレーキングが、典型的に、1つまたは複数の後続のリファイナーの中で起こり、それは、多くの場合、低いパワーで動作し、および「ティックラー」リファイナーまたはデフレーカーと称される。別個のリファイナーまたはデフレーカーの使用は、システムのコストおよび複雑さを増加させる。加えて、ティックラーリファイナーおよび関連のラインおよびタンクならびに下流のマシンチェストは、以前のランからの残留量の繊維を蓄積することが可能であり、繊維束の継続的な形成を可能にする。ティックラーリファイナーの中の処理は、非類似のパルプスラリーが一緒にリファイニングされるときに、繊維の特性を劣化させる可能性がある。本開示によるリファイニング部材20、30、40、50は、リファイニングおよびデフレーキングが単一のリファイナー10の中で実施され得るように、異なる高さのリファイナーバー26A、26B、36A、36Bを組み込むことによって、これらの問題を解決するということが考えられる。
【0038】
第2の最大高さHよりも大きい第1のリファイナーバー26A、36Aの第1の最大高さHは、繊維がリファイニングスペース60の一部分を通過するときに、木材繊維が高い強度の剪断力および圧縮力を受けるということを意味しており、このリファイニングスペース60の一部分は、第1のリファイナー溝部28A、38Aによって少なくとも部分的に画定されており、対向する第1および第2のリファイニング表面24、34の上の第1のリファイナーバー26A、36Aのカッティング側縁部126A、136Aによって係合されている(図8および図9も参照)。したがって、第1のリファイナー溝部28A、38Aによって少なくとも部分的に画定されており、リファイニング表面24、34の上の半径方向内向きの位置Pからリファイニング表面24、34の上の第1の半径方向外向きの位置Pへ延在している、リファイニングスペース60の一部分は、リファイニングゾーンを少なくとも部分的に画定することが可能である。いくつかの例では、それぞれのリファイニング本体部22、32の半径方向内側の場所23、33は、リファイニングゾーンの始まりを画定することが可能である。リファイニングされた繊維が、第2のリファイナー溝部28B、38Bによって少なくとも部分的に画定されているリファイニングスペース60の部分の中へ通るときに(たとえば、図6Aの中のおおよそ第1の半径方向外向きの位置Pからおおよそ第2の半径方向外向きの位置Pへ)、第2のリファイナーバー26B、36Bは、第2の最大高さHを含み、繊維に印加される力の強度は、低減される高さに応答して減少する(図8および図9も参照)。したがって、第2のリファイナー溝部28B、38Bによって少なくとも部分的に画定され、リファイニング表面24、34の上の第1の半径方向外向きの位置Pから第2の半径方向外向きの位置Pへ延在している、リファイニングスペース60の部分は、デフレーキングゾーンを少なくとも部分的に画定することが可能である。デフレーキングゾーンの中の繊維に印加される力の減少は、繊維をさらにリファイニングすることなく、または、繊維を最小にしかリファイニングせずに、リファイニングの間に形成された繊維束を分解すると考えられる。図6Aに示されている実施形態では、第2のリファイナーバー26B、36Bは、第1および第2のリファイニング本体部22、32の半径方向外側部分(別個にラベルを付されていない)の周りにデフレーキングゾーンを画定する環状のリングを形成している。第2のリファイナーバー26B、36Bの第2の最小高さH 2’ 、繊維のリファイニングを停止するために、および、デフレーキングを始めるために、第1のリファイナーバー26A、36Aの第1の最大高さHよりも少なくとも0.35mm(±0.05mm)小さくあるべきであるということが考えられる。リファイニングゾーンは、それぞれのリファイニング表面24、34の上のリファイニングゾーンおよびデフレーキングゾーンの両方によって画定される全面積の60%以上を含むことが可能である。
【0039】
図4B図5B、および図6Bに示されている実施形態では、それぞれのリファイナーバー26’、36’は、第1のリファイナーバー26A’、36A’、第2のリファイナーバー26B’、36B’、第3のリファイナーバー26C、36C、および、第4のリファイナーバー26D、36Dを含むことが可能である。第1のリファイナーバー26A’、36A’および第2のリファイナーバー26B’、36’は、図4A図5A図6A、および図7に示されているような、および、本明細書で説明されているような、第1のリファイナーバー26A、36Aおよび第2のリファイナーバー26B、36Bと実質的に同様であることが可能であるが、第1および第2のリファイナーバー26A’、36A’、26B’、36B’は、より短い距離を半径方向外向きに延在していることが可能である。第1のリファイナーバー26A’、36A’は、第1のリファイナー溝部28A’、38A’によって互いに分離され得、第2のリファイナーバー26B’、36B’は、第2のリファイナー溝部28B’、38B’によって互いに分離され得る。第1および第2のリファイナー溝部28A’、38A’、28B’、38B’は、約2.0mm~約6.0mmの幅Wを有することが可能である。この範囲は、たとえば2.0mm、2.5mm、3.0mm、3.5mm、4.0mm、4.5mm、5.0mm、5.5mm、および6.0mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。第3のリファイナーバー26C、36Cは、第3のリファイナー溝部28C、38Cによって互いに分離され得、第4のリファイナーバー26D、36Dは、第4のリファイナー溝部28D、38Dから互いに分離され得る。図6Bに示されているように、第3のリファイナーバー26C、36Cは、隣接する第3のリファイナー溝部28C、38CのフロアFから上向きに延在する第3の最大高さHを含み、第4のリファイナーバー26D、36Dは、隣接する第4のリファイナー溝部28D、38DのフロアFから上向きに延在する第4の最大高さHを含み、第4の最大高さHは、第3の最大高さHよりも低い。第3の最大高さHは、第1の最大高さH1’に実質的に等しいことが可能であり、第4の最大高さHは、第2の最大高さHに実質的に等しいことが可能である。HとHとの間の最小の高さの差が、図6Bの中のDとして示されている。いくつかの例では、第3のリファイナーバー26C、36Cの半径方向外側部分ROは、第3の最大高さHから第4の最大高さHへのステップダウンを含むことが可能である。第3および第4のリファイナー溝部28C、38C、28D、38Dは、約2.0mm~約6.0mmの幅Wを有することが可能である。この範囲は、たとえば2.0mm、2.5mm、3.0mm、3.5mm、4.0mm、4.5mm、5.0mm、5.5mm、および6.0mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。
【0040】
いくつかの例では、第4の最大高さHは、第3の最大高さHよりも少なくとも0.35mm(±0.05mm)小さいことが可能である。他の例では、第4の最大高さHは、第3の最大高さHよりも少なくとも0.7mm(±0.05mm)小さいことが可能である。さらなる例では、第3のリファイナーバー26C、36Cの第3の最大高さHは、隣接する第3のリファイナー溝部28C、38CのフロアFから測定されるときに、4.0mm~10.0mm(±0.5mm)であることが可能である。この範囲は、たとえば4.0mm、4.5mm、5.0mm、5.5mm、6.0mm、6.5mm、7.0mm、7.5mm、8.0mm、8.5mm、9.0mm、9.5mm、および10.0mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。特定の例では、第4のリファイナーバー26D、36Dの第4の最大高さHは、隣接する第4のリファイナー溝部28D、38DのフロアFから測定されるときに、第3の最大高さHよりも0.35mm~1.5mm(±0.05mm)小さいことが可能である。この範囲は、たとえば0.35mm、0.4mm、0.45mm、0.5mm、0.55mm、0.6mm、0.65mm、0.7mm、0.75mm、0.8mm、0.85mm、0.9mm、0.95mm、1.0mm、1.05mm、1.1mm、1.15mm、1.2mm、1.25mm、1.3mm、1.35mm、1.4mm、1.45mm、および1.5mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。別の特定の例では、第4のリファイナーバー26D、36Dの第4の最大高さHは、隣接する第4のリファイナー溝部28D、38DのフロアFから測定されるときに、第3の最大高さHよりも0.7mm~1.5mm(±0.05mm)小さいことが可能である。この範囲は、たとえば0.7mm、0.75mm、0.8mm、0.85mm、0.9mm、0.95mm、1.0mm、1.05mm、1.1mm、1.15mm、1.2mm、1.25mm、1.3mm、1.35mm、1.4mm、1.45mm、および1.5mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。第3のリファイナーバー26C、36Cの半径方向外側部分ROが第3の最大高さHから第4の最大高さHへのステップダウンを含む一層さらなる例では、第4の最大高さHは第3の最大高さHよりも少なくとも1.5mm(±0.05mm)小さいことが可能である。いくつかの場合において、第4の最大高さHは第3の最大高さHよりも少なくとも2.0mm(±0.05mm)小さいことが可能であり、他の場合において、第4の最大高さHは第3の最大高さHよりも少なくとも3.0mm(±0.05mm)小さいことが可能である。
【0041】
第1のリファイナーバー26A’、36A’のそれぞれは、リファイニング表面24、34上の半径方向内向きの位置P1’からリファイニング表面24、34上の第1の半径方向外向きの位置P2’まで延在している。第2のリファイナーバー26B’、36B’のそれぞれは、リファイニング表面24、34上の第2の半径方向外向きの位置P3’まで延在している。第3のリファイナーバー26C、36Cのそれぞれは、リファイニング表面24、34上の第3の半径方向外向きの位置Pまで延在している。第4のリファイナーバー26D、36Dのそれぞれは、リファイニング表面24、34上の第4の半径方向外向きの位置Pまで延在している。第4の半径方向外向きの位置Pは、第1、第2、および第3の半径方向外向きの位置P2’、P3’およびPよりも、リファイニング本体部22、32の最も外側のパーツ、たとえば半径方向外側縁部27、37の近くにあることが可能である。第4のリファイナーバー26D、36Dは、約0.6cm~約10cm、好ましくは約2cm~約10cmの、長手方向の長さLを含むことが可能である。第3のリファイナーバー26C、36Cと第4のリファイナーバー26D、36Dとは、それぞれのリファイナーバー26C、36C、26D、36Dの側縁部同士の間に延在する約2.0mm~約8.0mmの幅(別個にラベルを付されていない)を含むことが可能である。この範囲は、たとえば2.0mm、2.5mm、3.0mm、3.5mm、4.0mm、4.5mm、5.0mm、5.5mm、6.0mm、6.5mm、7.0mm、7.5mm、および8.0mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。
【0042】
いくつかの実施形態では、第2のリファイナーバー26B’、36B’は、図4B図5B、および図6Bに示されているように、第1のリファイナーバー26A’、36A’と一体になっていることが可能であり、第2のリファイナーバー26B’、36B’が第1の半径方向外向きの位置P2’から第2の半径方向外向きの位置P3’へ延在するようになっている。いくつかの実施形態では、図4B図5B、および図6Bに示されているように、第3のリファイナーバー26C、36Cは、第2のリファイナーバー26B’、36B’と一体になっていることが可能であり、第3のリファイナーバー26C、36Cが第2の半径方向外向きの位置P3’から第3の半径方向外向きの位置P4’へ延在するようになっており、第4のリファイナーバー26D、36Dは、第3のリファイナーバー26C、36Cと一体になっていることが可能であり、第4のリファイナーバー26D、36Dが第3の半径方向外向きの位置Pから第4の半径方向外向きの位置Pへ延在するようになっている。特定の実施形態では、第2のリファイナーバー26B’、36B’は、第1の半径方向外向きの位置P2’から第2の半径方向外向きの位置P3’へ連続的に下向きに傾斜していることが可能である。図6Bに示されているように、第2のリファイナーバー26B’36B’は、約0.6cm~約10cmの、好ましくは、約2cm~約10cmの長手方向の長さLを含むことが可能である。第2のリファイナーバー26B’、36B’の高さは、第2の最大高さHから第2の最小高さH2’へ実質的に長手方向の長さL全体に沿って連続的に減少していることが可能である。別の特定の実施形態では、第2のリファイナーバー26B’、36B’は、図6Bの中の点線によって示されているように、第1の半径方向外向きの位置P2’から第2の半径方向外向きの位置P3’へ実質的に水平方向に延在していることが可能であり、第2のリファイナーバー26B’、36B’が、第2のリファイナーバー26B’、36B’の実質的に長手方向の長さL全体に沿って第2の最大高さHになるようになっている。特定の実施形態では、第4のリファイナーバー26D、36Dは、第3の半径方向外向きの位置Pから第4の半径方向外向きの位置Pへ連続的に下向きに傾斜していることが可能である。図6Bに示されているように、第4のリファイナーバー26D、36Dの高さは、第4の最大高さHから第4の最小高さH4’へ実質的に長手方向の長さL全体に沿って連続的に減少していることが可能である。別の特定の実施形態では、第4のリファイナーバー26D、36Dは、図6Bの中の点線によって示されているように、第3の半径方向外向きの位置Pから第4の半径方向外向きの位置Pへ実質的に水平方向に延在していることが可能であり、第4のリファイナーバー26D、36Dが、第4のリファイナーバー26D、36Dの実質的に長手方向の長さL全体に沿って第4の最大高さHになるようになっている。他の実施形態では(図示せず)、第3のリファイナーバー26C、36Cは、一定のスペースだけ第4のリファイナーバー26D、36Dから半径方向に分離され得る。
【0043】
図4B図5B、および図7を参照すると、リファイニング表面24、34は、本明細書で説明されているように、第1のおよび/または第3のリファイナー溝部28A’、38A’、28C、38Cの少なくとも一部分の中に設けられているダム29、39を含むことが可能である。
【0044】
図4A図5A、および図6Aの中の第1および第2のリファイナーバー26A、36A、26B、36Bに関して説明されているように、図4B図5B、および図6Bの中の第1のリファイナーバー26A’、36A’は、木材繊維をリファイニングするように適合されており、図4B図5B、および図6Bの中の第2のリファイナーバー26B’、36B’は、繊維束を分解するように適合されている。第3のリファイナーバー26C、36Cは、(第1のリファイナーバー26A’、36A’と同様に)木材繊維をリファイニングするように適合されており、一方、第4のリファイナーバー26D、36Dは、本明細書で説明されているように、(第2のリファイナーバー26B’、36B’と同様に)繊維束を分解するように適合されている。
【0045】
図1図4B図5B、および図6Bを参照すると、第1のリファイナー溝部28A’、38A’および第3のリファイナー溝部28C、38Cによって少なくとも部分的に画定されており、リファイニング表面24、34の上の半径方向内向きの位置P1’から第1の半径方向外向きの位置P2’へ、および、第2の半径方向外向きの位置P3’から第3の半径方向外向きの位置Pへ延在している、リファイニングスペース60の部分は、本明細書で説明されているように、それぞれ、第1および第2のリファイニングゾーンを少なくとも部分的に画定することが可能である。第2のリファイナー溝部28B’、38B’および第4のリファイナー溝部28D、38Dによって少なくとも部分的に画定されており、リファイニング表面24、34の上の第1の半径方向外向きの位置P2’から第2の半径方向外向きの位置P3’へ、および、第3の半径方向外向きの位置Pから第4の半径方向外向きの位置Pへ延在している、リファイニングスペース60の部分は、本明細書で説明されているように、それぞれ、第1および第2のデフレーキングゾーンを少なくとも部分的に画定することが可能である。第2のリファイナーバー26B’、36B’の第2の最大高さHは、繊維のリファイニングを停止するために、および、デフレーキングを始めるために、第1のリファイナーバー26A’、36A’の第1の最大高さHよりも少なくとも0.35mm(±0.05mm)小さくあるべきであるということが考えられる。同様に、第4のリファイナーバー26D、36Dの第4の最大高さHは、繊維のリファイニングを停止するために、および、デフレーキングを始めるために、第3のリファイナーバー26C、36Cの第3の最大高さHよりも少なくとも0.35mm(±0.05mm)小さくあるべきであるということが考えられる。第1および第2のリファイニングゾーンは、それぞれのリファイニング表面24、34の上の第1および第2のリファイニングゾーンならびにデフレーキングゾーンの両方によって画定される全面積の60%以上を含むことが可能である。
【0046】
図8および図9は、本開示による第1および第2のリファイニング部材20、30/130の第1および第2のリファイニング本体部22、32/132の部分断面図である。第1のリファイニング部材20は、第2のリファイニング部材30から間隔を離して配置され、第2のリファイニング部材30に隣接しておよび第2のリファイニング部材30の真向かいに位置決めされている(図1を参照)。図8に示されている実施形態では、本発明によるリファイニング本体部、たとえば、第1のリファイニング本体部22は、従来のリファイニング本体部132と対にされている。第1のリファイニング本体部22は、第1のリファイナーバー26A、第1のリファイナー溝部28A、第2のリファイナーバー26B、および第2のリファイナー溝部28Bを含み、それらは、図4A図4B図6A図6B、および図7に関して本明細書で説明されているように、第1および第2のリファイナーバー26A、26Bならびに第1および第2のリファイナー溝部28A、28Bに対応することが可能である。第1および第2のリファイナーバー26A、26Bならびに第1および第2のリファイナー溝部28A、28Bに関して図8の中で説明されている特徴は、本明細書で説明されているように(図4B図5B、および図6Bを参照)、それぞれ、第3および第4のリファイナーバー26C、26Dならびに第3および第4のリファイナー溝部28C、28Dに等しく当てはまるということが理解される。従来のリファイニング本体部132は、従来のリファイナーバー136およびリファイナー溝部138を含み、従来のリファイナーバー136は、リファイナーバー136の実質的に長手方向の長さ全体に沿って均一な高さになっている。他の実施形態では(図示せず)、非回転ステーター部材、たとえば、第1のリファイニング部材20は、従来のリファイナーバーを含むことが可能であり、従来のリファイナーバーは、実質的にそれらの長さ全体に沿って均一な高さになっており、回転ローター部材、たとえば、第2のリファイニング部材30は、本開示によるリファイナーバー26A、26Bおよびリファイナー溝部28A、28B(図1を参照)を含むことが可能である。
【0047】
第1のギャップGは、図8において、第1のリファイナーバー26Aの外側表面S26Aと従来のリファイナーバー136の外側表面S136との間に画定されている。第2のリファイナーバー26Bが連続的に下向きに傾斜している例では、第2のギャップGが、第2のリファイナーバー26Bの外側表面S26Bと従来のリファイナーバー136の外側表面との間に画定され得、Gは、Gよりも大きい。第2のリファイナーバー26Bが実質的に水平方向に延在している例では(図8において点線によって示されている)、第3のギャップGが、第2のリファイナーバー26Bの外側表面S26B’と従来のリファイナーバー136の外側表面S136との間に画定され得、Gは、Gよりも大きい。図8に示されているように、第2のリファイナーバーのうちの1つ(たとえば、第2のリファイナーバー26B)が傾斜している実施形態では、第2のリファイナーバー26Bの外側表面S26Bと従来のリファイナーバー136の外側表面S136との間の距離は、第3のギャップGに対応する最小距離から第2のギャップGに対応する最大距離へ、第2のリファイナーバー26Bの長手方向の長さ(ラベルを付されていない;図6Aおよび図6Bを参照)の少なくとも一部分に沿って連続的に増加することが可能である。
【0048】
図9に示されている実施形態では、本発明による1つのリファイニング本体部、たとえば、第1のリファイニング本体部22は、本発明による別のリファイニング本体部、たとえば、第2のリファイニング本体部32と対にされている。第1のリファイニング本体部22は、第1のリファイナーバー26A、第1のリファイナー溝部28A、第2のリファイナーバー26B、および第2のリファイナー溝部28Bを含み、それらは、図4A図4B図6A図6B、および図7に関して本明細書で説明されているように、第1および第2のリファイナーバー26A、26Bならびに第1および第2のリファイナー溝部28A、28Bに対応することが可能である。第2のリファイニング本体部32は、第1のリファイナーバー36A、第1のリファイナー溝部38A、第2のリファイナーバー36B、および第2のリファイナー溝部38Bを含み、それらは、図5A図5B図6A図6B、および図7に関して本明細書で説明されているように、第1および第2のリファイナーバー36A、36Bならびに第1および第2のリファイナー溝部38A、38Bに対応することが可能である。第1および第2のリファイナーバー26A、26B、36A、36Bならびに第1および第2のリファイナー溝部28A、28B、38A、38Bに関して図9の中で説明されている特徴は、本明細書で説明されているように(図4B図5B、および図6Bを参照)、それぞれ、第3および第4のリファイナーバー26C、26Dならびに第3および第4のリファイナー溝部28C、28Dに等しく当てはまるということが理解される。
【0049】
第1のギャップGは、第1のリファイニング本体部22の第1のリファイナーバー26Aの外側表面S26Aと第2のリファイニング本体部32の第1のリファイナーバー36Aの外側表面S36Aとの間に画定されている。第1のリファイニング本体部22の第2のリファイナーバー26Bおよび第2のリファイニング本体部32の第2のリファイナーバー36Bが両方とも連続的に下向きに傾斜している例では、ギャップGは、第2のリファイナーバー26Bの外側表面S26Bと第2のリファイニング本体部32の第2のリファイナーバー36Bの外側表面S36Bとの間に画定され得、Gは、Gよりも大きい。第2のリファイナーバーのうちの一方(たとえば、第1のリファイニング本体部22の第2のリファイナーバー26B)が連続的に下向きに傾斜しており、第2のリファイナーバーのうちの他方(たとえば、第2のリファイニング本体部32の第2のリファイナーバー36B)が実質的に水平方向に延在している(点線によって図9の中に示されている)例では、ギャップGは、第2のリファイナーバー26Bの外側表面S26Bと第2のリファイナーバー36Bの外側表面S36B’との間に画定され得、Gは、Gよりも大きい。第1のリファイニング本体部22の第2のリファイナーバー26Bおよび第2のリファイニング本体部32の第2のリファイナーバー36Bが両方とも実質的に水平方向に延在している(点線によって図9に示されている)例では、ギャップGは、第2のリファイナーバー26Bの外側表面S26B’と第2のリファイナーバー36Bの外側表面S36B’との間に画定され得、Gは、Gよりも大きい。いくつかの特定の例では、Gは、Gよりも大きくなっており、Gは、Gよりも大きい。
【0050】
図9に示されているように、第2のリファイナーバー26B、36Bのうちの一方または両方が傾斜している実施形態では、第2のリファイナーバー26B、36Bの外側表面S26B、S26B’、S36B、S36B’同士の間の距離は、それぞれの第2のリファイナーバー26B、36Bのうちの一方または両方の長手方向の長さ(ラベルを付されていない;図6Aおよび図6Bを参照)の少なくとも一部分に沿って連続的に増加することが可能である。たとえば、1つのリファイニング本体部、たとえば、第1のリファイニング本体部22が、傾斜した第2のリファイナーバー26Bを含むときには、第2のリファイナーバー26B、36Bの外側表面S26B、S36B’同士の間の距離は、ギャップGに対応する最小距離から第3のギャップGに対応する最大距離へ増加することが可能である。両方のリファイニング本体部22、32が、傾斜した第2のリファイナーバー26B、36Bを含むときには、第2のリファイナーバー26B、36Bの外側表面S26B、S36B同士の間の距離は、ギャップGに対応する最小距離から第2のギャップGに対応する最大距離へ増加することが可能である。
【0051】
図8および図9に示されているすべての実施形態では、回転可能なリファイニング部材(たとえば、第1のリファイニング部材20;図1を参照)が、静止しているリファイニング部材(たとえば、第2のリファイニング部材30/130;図1を参照)に対して回転するときに、木材繊維を含むパルプスラリーが、リファイナー10のフレーム66(たとえば、入口部16)(図1を参照)に供給され、第1のリファイニング本体部22と第2のリファイニング本体部32/132との間に画定されているリファイニングスペース60に進入する。図8を参照すると、第1のリファイニング本体部22の第1のリファイナー溝部28Aおよび第2のリファイニング本体部132のリファイナー溝部138によって少なくとも部分的に画定されているリファイニングスペース60の部分に木材繊維が進入するときに、第1および第2のリファイニング本体部22、132は、第1のリファイニング本体部22の第1のリファイナーバー26Aと第2のリファイニング本体部132の従来のリファイナーバー136との間に第1のギャップGを画定するように間隔を離して配置されており、本明細書で説明されているように、リファイナーバー26Aおよび136が互いに相互作用し、木材繊維をリファイニングするようになっている。第1のギャップGは、リファイニングが起こるようにするために、0.9mm(±0.05mm)よりも小さくあるべきであり、好ましくは、0.2mmから0.9mm(±0.05mm)であるべきであるということが考えられる。この範囲は、たとえば0.2mm、0.25mm、0.3mm、0.35mm、0.4mm、0.45mm、0.5mm、0.55mm、0.6mm、0.65mm、0.7mm、0.75mm、0.8mm、0.85mm、および0.9mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。いくつかの例では、第1のギャップG は0.1mm~0.5mm(±0.05mm)であることが可能である。この範囲は、たとえば0.1mm、0.15mm、0.2mm、0.25mm、0.3mm、0.35mm、0.4mm、0.45mm、および0.5mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。
【0052】
引き続き図8を参照すると、第1のリファイニング本体部22の第2のリファイナー溝部28Bおよび第2のリファイニング本体部132のリファイナー溝部138によって少なくとも部分的に画定されているリファイニングスペース60の部分の中へ木材繊維が通るときに、第1のリファイニング本体部22の第2のリファイナーバー26Bと第2のリファイニング本体部132のリファイナーバー136との間の距離が増加させられ、リファイニングが停止しデフレーキングが始まるということが考えられるようになっている。第2のリファイナーバー26Bが連続的に下向きに傾斜している実施形態では、距離は、第1のギャップGから第2のギャップGへ増加する。第2のリファイナーバー26Bが実質的に水平方向に延在している実施形態では、距離は、第1のギャップGから第3のギャップGへ増加する。デフレーキングが起こるようにするために、第1のリファイニング本体部22の第2のリファイナーバー26Bと第2のリファイニング本体部132のリファイナーバー136との間の距離、すなわちGまたはG、0.9mm~1.5mm(±0.05mm)であるべきであるということが考えられる。この範囲は、たとえば0.9mm、0.95mm、1.0mm、1.05mm、1.1mm、1.15mm、1.2mm、1.25mm、1.3mm、1.35mm、1.4mm、1.45mm、および1.5mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。
【0053】
図9を参照すると、それぞれ第1および第2のリファイニング本体部22、32の第1のリファイナー溝部28A、38Aによって少なくとも部分的に画定されているリファイニングスペース60の部分に木材繊維が進入するとき、第1および第2のリファイニング本体部22、32は、第1のリファイナーバー26A、36A同士の間に第1のギャップGを画定するように間隔を離して配置されており、リファイナーバー26A、36Aが、本明細書で説明されているように、互いに相互作用し、木材繊維をリファイニングするようになっている。それぞれ第1および第2のリファイニング本体部22、32の第2のリファイナー溝部28B、38Bによって少なくとも部分的に画定されているリファイニングスペース60の部分の中へ木材繊維が通るときに、第1のリファイニング本体部22の第2のリファイナーバー26Bと第2のリファイニング本体部32の第2のリファイナーバー36Bとの間の距離は、ギャップG、G、またはGのうちの1つまで増加し、リファイニングが停止しデフレーキングが始まるようになっている。第1のギャップGは、リファイニングが起こるようにするために.9mm(±0.05mm)よりも小さくあるべきであり、好ましくは.2mm~0.9mm(±0.05mm)であるべきである。この範囲は、たとえば0.2mm、0.25mm、0.3mm、0.35mm、0.4mm、0.45mm、0.5mm、0.55mm、0.6mm、0.65mm、0.7mm、0.75mm、0.8mm、0.85mm、および0.9mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。いくつかの例では、第1のギャップG、0.1mm~0.5mm(±0.05mm)であることが可能である。この範囲は、たとえば0.1mm、0.15mm、0.2mm、0.25mm、0.3mm、0.35mm、0.4mm、0.45mm、および0.5mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。また、デフレーキングが起こるようにするために、ギャップG、G、G、0.9mm~1.5mm(±0.05mm)であるべきであるということが考えられる。この範囲は、たとえば、約0.9mm~約1.5mmの範囲の場合には、0.9mm、0.95mm、1.0mm、1.05mm、1.1mm、1.15mm、1.2mm、1.25mm、1.3mm、1.35mm、1.4mm、1.45mm、および1.5mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。
【0054】
図1図6A図6B図8、および図9を参照すると、リファイニング本体部22、32/132の間に画定されているギャップGおよびG、G、G、G、G、Gは、たとえば、ジャックスクリュー(図示せず)を介して可動サポートフレーム68に連結されている第2のモーター76を介して、第1または第2のリファイニング部材20、30のうちの少なくとも1つに軸線方向の圧力を印加することによって調節され得る。シングルディスクリファイナーに関して、第2のリファイニング部材30は、可動サポートフレーム68に直接的に連結され得、可動サポートフレーム68が第2のモーター76およびジャックスクリューを介して移動されるときに、第2のリファイニング部材30が可動サポートフレーム68とともに移動するようになっている。ダブルディスクリファイナー10に関して、第2のリファイニング部材30が上記に説明されているように移動され、すなわち、ジャックスクリューが第1の方向に回転するときに、それは、第3のリファイニング部材40に向けて内向きへの可動サポートフレーム68および第4のリファイニング部材50の移動を引き起こす。次いで、第4のリファイニング部材50は、第2のリファイニングスペース62を通過する木材スラリーに軸線方向の力を印加し、それは、第3のリファイニング部材40に軸線方向の力を印加し、第3のリファイニング部材40、サポート70、および第2のリファイニング部材30が第1のリファイニング部材20に向けて内向きに移動することを引き起こす。
【0055】
リファイナーバー26A、36A、136の間に画定されているギャップGは、第2のモーター76(手動で制御されるか、または、第2のモーター76に連結されているコントローラー/プロセッサーを介して制御される)およびジャックスクリューを介して、第1のリファイニング部材20に対する第2のリファイニング部材30の位置決めを調節することによって、実質的に一定のギャップ値に維持され得、リファイニングスペース60を通って流れる一定の量のパルプを処理するために、事前決定された回転速度で稼働する第1のモーター74(手動で制御されるか、または、第1のモーター74に連結されているコントローラー/プロセッサーを介して制御される)によって入力/発生させられることを必要とされるパワーの量が、所定の入力パワーレベルに維持されるようになっており、そのパワーレベルは、オペレーターまたは第1のモーター74を制御するコントローラー/プロセッサーによって監視される。たとえば、パルプが、0.572m(151ガロン)毎分の流量で50.8cm(20インチ)直径Andritz(登録商標)Twinflo IIIB低コンシステンシーリファイナーのリファイニングスペース60を通って移動しており、第1のモーター74が800RPMの一定の回転速度で稼働している場合には、第1のモーター74によって入力されるパワーが114キロワットに等しくなるまで、第1のリファイニング部材20に対して第2のリファイニング部材30を移動させるように、第2のモーター76が制御される。第1のモーター74によって入力されるパワーが114キロワットに等しくなるときには、第1のリファイニング部材20と第2のリファイニング部材30との間のギャップサイズは、0.57mmの値であるということが推定される。
【0056】
引き続き図1図6A図6B図8、および図9を参照すると、デフレーキングを実現するために必要とされるギャップG、G、G、G、G、Gは、リファイニング本体部22、32/132が曝される負荷または流量(すなわち、リファイニングスペース60を通って流れるパルプスラリーのリットル毎分)に応じて変化することが可能であるということが考えられる。たとえば、リファイニング本体部22、32/132が軽く負荷をかけられているときには、第2のリファイナー溝部28B/28B’、38B/38B’によって少なくとも部分的に画定されているリファイニングスペース60の部分の中へ繊維の通過のときに、たとえば、図6Aおよび図6Bに示されているように、第1の半径方向外向きの位置P/P’および/または第3の半径方向外向きの位置Pを通過する木材繊維の移動のときに、ほとんど即座に、木材繊維のリファイニングが停止することが可能であり、デフレーキングが始まることが可能である。リファイニング本体部22、32/132が重く負荷をかけられているときには、木材繊維のいくらかのリファイニングが、第2のリファイナー溝部28B/28B’、38B/38B’によって少なくとも部分的に画定されているリファイニングスペース60の少なくとも一部分に沿って継続することが可能である。
【0057】
リファイニング本体部22、32/132が重く負荷をかけられている状況では、第1のリファイニング本体部22の第2のリファイナーバー26B/26B’および第2のリファイニング本体部32の第2のリファイナーバー36B/36B’のうちの一方または両方が連続的に下向きに傾斜している実施形態は、リファイナーバー26B/26B’とリファイナーバー136/36B/36B’との間の十分な距離が、第2のリファイナー溝部28B/28B’、38B/38Bによって少なくとも部分的に画定されているリファイニングスペース60の少なくとも一部分に沿って実現されることを保証するのにとりわけ有利である可能性があり、リファイニングが停止することおよびデフレーキングが起こることを可能にする。加えて、リファイニング本体部22、32のリファイニング表面24、34は、時間の経過とともに摩耗および劣化する可能性がある。とりわけ、高い強度の、高エネルギーリファイニングの大部分を実施する第1および第3のリファイナーバー26A/26A’、26C、36A/36A’、36Cは、デフレーキングを実施する第2および第4のリファイナーバー26B/26B’、26D、36B/36B’、36Dよりも速く摩耗する可能性がある(デフレーキングは、一般的に、リファイニングよりも低い強度および低いエネルギーである)。リファイニング本体部22、32/132の位置は、本明細書で説明されているように調節され、第1および第3のリファイナーバー26A/26A’、26C、36A/36A’、36Cの間の第1のギャップGを、それらの外側表面S26A、S36Aが擦り減り始めるときに、実質的に一定の値に維持することが可能である。しかし、第2および第4のリファイナーバー26B/26B’、26D、36B/36B’、36Dの間のギャップG、G、G、G、G、Gは、調節可能でない可能性がある。したがって、第2のリファイナーバー26B/26B’、36B/36B’のうちの一方または両方、および/または、第4のリファイナーバー36B/36B’、36Dのうちの一方または両方が傾斜している実施形態は、リファイニングゾーンとデフレーキングゾーンとの間の移行が、第1および第3のリファイナーバー26A/26A’、26C、36A/36A’、36Cが擦り減るときに、第2および第4のリファイナーバー26B/26B’、26D、36B/36B’、36Dの長手方向の長さ(ラベルを付されていない;図6Aおよび図6Bを参照)に沿って半径方向外向きにシフトすることを可能にすると考えられる。
【0058】
図10および図11は、本開示の別の実施形態による、それぞれ、第1のリファイニング本体部22’および第2のリファイニング本体部32のリファイニング表面の一部分の平面図である。図1図10、および図11を参照すると、第1および第2のリファイニング本体部22’、32’は、それぞれ、本明細書で説明されているように、図1に示されているディスクリファイナー10などのようなパルプリファイナーの中で使用するためのリファイニング部材(たとえば、第1および第2のリファイニング部材20、30)の一部であることが可能である。第1および第2のリファイニング本体部22’、32’をそれぞれ含むリファイニング部材20、30のそれぞれは、メインサポートフレームと関連付けられ得、メインサポートフレームは、第1のハウジングセクション12に固定された固定サポートフレーム66と、可動サポートフレーム68とを含む。1つのリファイニング部材(たとえば、第1のリファイニング本体部22’を含む第1のリファイニング部材20)は、リファイナー10のサポートフレーム66に固定され、非回転ステーター部材を画定することが可能である。別のリファイニング部材(たとえば、第2のリファイニング本体部32’を含む第2のリファイニング部材30)は、サポート70に固定され得、サポート70は、シャフト72とともに回転し、メインサポートフレームに関連付けられているローターを画定し、ローターの回転が、第1のリファイニング部材20に対する第2のリファイニング部材30の移動を実現するようになっている。また、第1および第2のリファイニング本体部22’、32’と同様の第3および第4のリファイニング本体部を有する第3および第4のリファイニング部材(図示せず)も提供され得る。
【0059】
図10に示されているように、第1のリファイニング本体部22’は、複数のセクション22A’~22C’を含み、それらは、ボルト締めされているかまたはその他の方法で一緒に取り付けられ得、半径方向外側縁部27を含むディスク形状のリファイニング本体部22’を形成している。それぞれのセクション22A’~22C’は、複数の細長いリファイナーバー26’を含み、複数の細長いリファイナーバー26’は、リファイナー溝部28’によって互いに分離されている。図10に示されていないが、第1のリファイニング本体部22’の他のセクション(ラベルを付されていない)は、同様に、リファイナーバー26’およびリファイナー溝部28’を含むこととなるということが理解される。リファイナーバー26’は、半径方向内側の場所23’から第1のリファイニング本体部22’の半径方向外側縁部27’に向けて半径方向外向きに延在している。第1のリファイニング本体部22’のそれぞれのセクション22A’~22C’は、少なくとも1つの第1のパイ形状のセグメント22B-1および少なくとも1つの第2のパイ形状のセグメント22B-2を含む、1つまたは複数の半径方向に延在するパイ形状のセグメントを含むことが可能である。
【0060】
図11に示されているように、第2のリファイニング本体部32’は、対応する複数のセクション32A’~32C’を含み、複数のセクション32A’~32C’は、ボルト締めされているかまたはその他の方法で一緒に取り付けられ得、半径方向外側縁部37’を含むディスク形状のリファイニング本体部32’を形成している。それぞれのセクション32A’~32C’は、複数の細長いリファイナーバー36’を含み、複数の細長いリファイナーバー36’は、リファイナー溝部38’によって互いに分離されている。図11に示されていないが、第2のリファイニング本体部32’の他のセクション(ラベルを付されていない)は、同様に、リファイナーバー36’およびリファイナー溝部38’を含むこととなるということが理解される。リファイナーバー36’は、半径方向内側の場所33’から第2のリファイニング本体部32’の半径方向外側縁部37’に向けて半径方向外向きに延在している。第2のリファイニング本体部32’のそれぞれのセクション32A’~32C’は、少なくとも1つの第1のパイ形状のセグメント32B-1および少なくとも1つの第2のパイ形状のセグメント32B-2を含む、1つまたは複数の半径方向に延在するパイ形状のセグメントを含むことが可能である。本明細書では詳細に議論されていないが、図1の第3および第4のリファイニング本体部42、52は、本明細書で説明されているように、それぞれ、第1および第2のリファイニング本体部22’、32’と実質的に同様の構造を含むことが可能である。
【0061】
図10および図11の第1および第2のリファイニング本体部22’、32’のうちの少なくとも1つは、それぞれ、隣接する半径方向に延在するパイ形状のセグメント(たとえば、22B-2および32B-2)の中のリファイナーバー26’、36’とは異なる1つまたは複数の特質を含むリファイナーバー26’、36’の少なくとも1つの半径方向に延在するパイ形状のセグメント(たとえば、22B-1および32B-1)を備えた1つまたは複数のセクション22A’~22C’、32A’~32C’を含む。図12Aおよび図12Bは、部分断面図であり、そこでは、図10および図11の第1および第2のリファイニング本体部22’、32’は、互いに間隔を離して配置され、互いに隣接しておよび互いの真向かいに位置決めされている(図1を参照)。図12Aでは、第1のリファイナーバー26-1は、第1のリファイニング本体部22’の少なくとも1つの第1のパイ形状のセグメント22B-1のリファイニング表面24-1(本明細書で第1のリファイニング表面とも称される)の上に位置付けされ得、第1のリファイナーバー26-1は、第3のリファイナーバー36-1から間隔を離して配置され、第3のリファイナーバー36-1に隣接しておよび第3のリファイナーバー36-1の真向かいに位置決めされており、第3のリファイナーバー36-1は、第2のリファイニング本体部32’の少なくとも1つの第3のパイ形状のセグメント32B-1のリファイニング表面34-1(本明細書で第3のリファイニング表面とも称される)の上に位置付けされ得る。図12Bでは、第2のリファイナーバー26-2は、第1のリファイニング本体部22’の少なくとも1つの第2のパイ形状のセグメント22B-2のリファイニング表面24-2(本明細書で第2のリファイニング表面とも称される)の上に位置付けされ得、第2のリファイナーバー26-2は、第4のリファイナーバー36-2から間隔を離して配置され、第4のリファイナーバー36-2に隣接しておよび第4のリファイナーバー36-2の真向かいに位置決めされており、第4のリファイナーバー36-2は、第2のリファイニング本体部32’の少なくとも1つの第4のパイ形状のセグメント32B-2のリファイニング表面34-2(本明細書で第4のリファイニング表面とも称される)の上に位置付けされ得る。
【0062】
図10図11、および図12Aを参照すると、第1のリファイナーバー26-1は、第1のリファイナー溝部28-1によって互いに分離されており、それぞれの隣接する第1のリファイナー溝部28-1のフロアF1’から上向きに延在する第1の最大高さH10を含むことが可能である。第3のリファイナーバー36-1は、第3のリファイナー溝部38-1によって互いに分離されており、それぞれの隣接する第3のリファイナー溝部38-1のフロアF3’から上向きに延在する第3の最大高さH30を含むことが可能である。図12Aに示されているように、第1および第3のリファイナーバー26-1、36-1は、互いに実質的に同様であることが可能であり、第1および第3の最大高さH10、H30は、実質的に等しいことが可能である。
【0063】
図10図11、および図12Bを参照すると、第2のリファイナーバー26-2は、第2のリファイナー溝部28-2によって互いに分離されており、隣接する第2のリファイナー溝部28-2のフロアF2’から上向きに延在する第2の最大高さH20を含むことが可能である。第4のリファイナーバー36-2は、第4のリファイナー溝部38-2によって互いに分離されており、隣接する第4のリファイナー溝部38-2のフロアF4’から上向きに延在する第4の最大高さH40を含むことが可能である。図12Bに示されているように、第2および第4のリファイナーバー26-2、36-2は、互いに実質的に同様になっていることが可能であり、第2および第4の最大高さH20、H40は、実質的に等しいことが可能である。それぞれのパイ形状のセグメント22B-1、22B-2、32B-1、32B-2の中のリファイナーバー26-1、26-2、36-1、36-2のすべては、互いに対して同じ高さを含むことが可能である。
【0064】
第2のリファイナーバー26-2の第2の最大高さH20は、第1のリファイナーバー26-1の第1の最大高さH10よりも小さいことが可能である。いくつかの例では、第2の最大高さH20は、隣接する第2のリファイナー溝部28-2のフロアF2’から測定されるときに、第1の最大高さH10よりも少なくとも0.35mm(±0.05mm)小さいことが可能である。他の例では、第2の最大高さH20は、隣接する第2のリファイナー溝部28-2のフロアF2’から測定されるときに、第1の最大高さH10よりも少なくとも0.7mm(±0.05mm)小さいことが可能である。さらなる例では、第1のリファイナーバー26-1の第1の最大高さH10は、それぞれの隣接する第1のリファイナー溝部28-1のフロアF1’から測定されるときに、4.0mm~10.0mm(±0.5mm)であることが可能である。この範囲は、たとえば4.0mm、4.5mm、5.0mm、5.5mm、6.0mm、6.5mm、7.0mm、7.5mm、8.0mm、8.5mm、9.0mm、9.5mm、および10.0mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。特定の例では、第2のリファイナーバー26-2の第2の最大高さH20は、それぞれの隣接する第2のリファイナー溝部28-2のフロアF2’から測定されるときに、第1の最大高さH10よりも0.35mm~1.5mm(±0.05mm)小さいことが可能である。この範囲は、たとえば0.35mm、0.4mm、0.45mm、0.5mm、0.55mm、0.6mm、0.65mm、0.7mm、0.75mm、0.8mm、0.85mm、0.9mm、0.95mm、1.0mm、1.05mm、1.1mm、1.15mm、1.2mm、1.25mm、1.3mm、1.35mm、1.4mm、1.45mm、および1.5mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。別の特定の例では、第2のリファイナーバー26-2の第2の最大高さH20は、それぞれの隣接する第2のリファイナー溝部28-2のフロアF2’から測定されるときに、第1の最大高さH10よりも0.7mm~1.5mm(±0.05mm)小さいことが可能である。この範囲は、たとえば0.7mm、0.75mm、0.8mm、0.85mm、0.9mm、0.95mm、1.0mm、1.05mm、1.1mm、1.15mm、1.2mm、1.25mm、1.3mm、1.35mm、1.4mm、1.45mm、および1.5mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。さらなる例では、第1のリファイナーバー26-1と第2のリファイナーバー26-2は、それぞれのリファイナーバー26-1、26-2の側縁部同士の間に延在する約2.0mm~約8.0mmの幅(図示せず;図7を参照)を含むことが可能である。この範囲は、たとえば、2.0mm、2.5mm、3.0mm、3.5mm、4.0mm、4.5mm、5.0mm、5.5mm、6.0mm、6.5mm、7.0mm、7.5mm、および8.0mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。第4のリファイナーバー36-2の第4の最大高さH40(それは、第2の最大高さH20に対応することが可能である)は、第3のリファイナーバー36-1の第3の最大高さH30(それは、第1の最大高さH10に対応することが可能である)よりも小さいことが可能である。
【0065】
図1図10図11図12A、および図12Bを参照すると、第2のリファイニング部材30が第1のリファイニング部材20に対して回転するときに、第2のリファイニング本体部32’の少なくとも1つの第3のパイ形状のセグメント32B-1のリファイニング表面34-1は、第1のリファイニング本体部22’の少なくとも1つの第1のパイ形状のセグメント22B-1のリファイニング表面24-1を通り過ぎることとなり、第2のリファイニング本体部32’の少なくとも1つの第4のパイ形状のセグメント32B-2のリファイニング表面34-2は、第1のリファイニング本体部22’の少なくとも1つの第2のパイ形状のセグメント22B-2のリファイニング表面24-2を通り過ぎることとなる。木材パルプのスラリーが、リファイナー10のフレーム66(たとえば、入口部16)に供給され、リファイニングスペース60を通過し、第2のリファイニング本体部32’の少なくとも1つの第3のパイ形状のセグメント32B-1のリファイニング表面34-1が、第1のリファイニング本体部22’の少なくとも1つの第1のパイ形状のセグメント22B-1のリファイニング表面24-1を通り過ぎるときには、第3の最大高さH30を有する第3のリファイナーバー36-1が、第1の最大高さH10を有する第1のリファイナーバー26-1の反対側に位置決めされることとなり、第1および第3のリファイナーバー26-1および36-1がかなりの数の木材繊維をリファイニングするようになっている。第2のリファイニング本体部32’の少なくとも1つの第4のパイ形状のセグメント32B-2のリファイニング表面34-2が、第1のリファイニング本体部22’の少なくとも1つの第2のパイ形状のセグメント22B-2のリファイニング表面24-2を通り過ぎるときには、第4の最大高さH40を有する第4のリファイナーバー36-2が、第2の最大高さH20を有する第2のリファイナーバー26-2から反対側に位置決めされることとなり、第2および第4のリファイナーバー26-2および36-2が、本明細書で説明されているように、木材パルプスラリーの中の複数の木材繊維束を分解または分離するようになっている。第2のリファイニング本体部32’の少なくとも1つの第3のパイ形状のセグメント32B-1のリファイニング表面34-1が、第1のリファイニング本体部22’の少なくとも1つの第2のパイ形状のセグメント22B-2のリファイニング表面24-2を通り過ぎるとき、および、第2のリファイニング本体部32’の少なくとも1つの第4のパイ形状のセグメント32B-2のリファイニング表面34-2が、第1のリファイニング本体部22’の少なくとも1つの第1のパイ形状のセグメント22B-1のリファイニング表面24-1を通り過ぎるときには、低強度のリファイニングが起こる可能性がある。
【0066】
図10および図11に示されているように、それぞれのリファイニング本体部22’、32’のセクション22A’~22C’、32A’~32C’のうちの1つまたは複数は、いくつかの例では、3つの半径方向に延在するパイ形状のセグメント22B-1、22B-1、22B-3および32B-1、32B-2、32B-3をそれぞれ含むことが可能である。いくつかの特定の例では、2つのセグメント(たとえば、22B-1、22B-3および32B-1、32B-3)は、第1または第2の最大高さH10、H20のうちの一方を有するリファイナーバーを含むことが可能であり、1つのセグメント(たとえば、22B-2および32B-2)は、第1または第2の最大高さH10、H20のうちの他方を有するリファイナーバーを含むことが可能であり、第2の最大高さH20は、第1の最大高さH10よりも小さい。たとえば、セグメント22B-1、22B-3は、第1のリファイナーバー26-1を含むことが可能であり、セグメント32B-1、32B-3は、第3のリファイナーバー36-1を含むことが可能であり、セグメント22B-2は、第2のリファイナーバー26-2を含むことが可能であり、セグメント32B-2は、第4のリファイナーバー36-2を含むことが可能である。他の例では(図示せず)、セクション22A’~22C’、32A’~32Cのうちの1つまたは複数は、リファイナーバーの2つのセグメントだけをそれぞれ含むことが可能であり、または、リファイナーバーの4つ以上のセグメントをそれぞれ含むことが可能である。さらなる例では(図示せず)、セクション22A’~22C’、32A’~32C’のうちの1つまたは複数は、別個のセグメントを含まなくてもよく、セクション全体が、1つの高さのリファイナーバーを含むようになっている。本開示によるリファイニング本体部(たとえば、リファイニング本体部22’、32’のうちの1つ)は、従来のリファイナーバー(たとえば、すべてが同じ高さのものになっているリファイナーバー)を含むリファイニング本体部と対にされ得るということが理解される。
【0067】
リファイニングが起こるようにするために、対向する第1と第3のリファイナーバー26-1、36-1の間のギャップは、0.9mm(±0.05mm)よりも小さくあるべきであり、好ましくは0.2mm~0.9mm(±0.05mm)であるべきであることと、デフレーキングが起こるようにするために、対向する第2と第4のリファイナーバー26-2、36-2の間のギャップは0.9mm~1.5mm(±0.05mm)であるべきであるということが考えられる。これらの範囲のそれぞれは、たとえば、約0.2mm~約0.9mmの範囲の場合には、0.2mm、0.25mm、0.3mm、0.35mm、0.4mm、0.45mm、0.5mm、0.55mm、0.6mm、0.65mm、0.7mm、0.75mm、0.8mm、0.85mm、および0.9mm、約0.9mm~約1.5mmの範囲の場合には、0.9mm、0.95mm、1.0mm、1.05mm、1.1mm、1.15mm、1.2mm、1.25mm、1.3mm、1.35mm、1.4mm、1.45mm、および1.5mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。いくつかの例では、対向する第1と第3のリファイナーバー26-1、36-1の間のギャップは、0.1mm~0.5mm(±0.05mm)であることが可能である。この範囲は、たとえば0.1mm、0.15mm、0.2mm、0.25mm、0.3mm、0.35mm、0.4mm、0.45mm、および0.5mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。
【0068】
図19Aおよび図19Bは、それぞれの第1のリファイニング表面1024、1024’を有する第1のリファイニング本体部1022、1022’と、それぞれの第2のリファイニング表面1034、1034’を有する第2のリファイニング本体部1032、1032’の、図6Aおよび図6Bと同様の部分断面図である。本明細書で詳細に説明されているように、第1および第2のリファイニング本体部1022/1022’、1032/1032’は、図1に示されているディスクリファイナー10などのパルプリファイナーの中で使用するための、リファイニング部材、たとえば図1におけるそれぞれリファイニング部材20、30の一部であることが可能である。第1および第2のリファイニング本体部1022/1022’、1032/1032’を含むリファイニング部材20、30のそれぞれが、第1のハウジングセクション12に固定された固定サポートフレーム66と、可動サポートフレーム68とを含む、メインサポートフレームに関連付けられることが可能である。1つのリファイニング部材、たとえば第1のリファイニング本体部1022/1022A’を含む第1のリファイニング部材20は、リファイナー10のサポートフレーム66に固定され、非回転ステーター部材を画定することが可能である。別のリファイニング部材、たとえば第2のリファイニング本体部1032/1032’を含む第2のリファイニング部材30がサポート70に固定可能であり、サポート70は、シャフト72とともに回転し、メインサポートフレームに関連付けられたローターを画定し、ローターの回転が、第1のリファイニング部材20に対する第2のリファイニング部材30の移動を実現するようになっている。第1および第2のリファイニング本体部1022/1022’、1032/1032’は、それぞれ、複数のセクション(図示せず;図2および図3の22A~22Cおよび32A~32Cを参照)を含み、それらは、ボルト締めされているかその他の方法で一緒に取り付けられ得、それぞれの半径方向内側縁部1023、1023’および1033、1033’と半径方向外側縁部1027、1027’および1037、1037’を含むディスク形状のリファイニング本体部を形成している。
【0069】
図19Aを参照すると、リファイニング表面1024、1034はそれぞれ、複数の細長いリファイナーバー1026、1036を含み、複数の細長いリファイナーバー1026、1036は、第1のリファイナーバー1026A、1036Aと第2のリファイナーバー1026B、1036Bとを含み、第1のリファイナーバー1026A、1036Aと第2のリファイナーバー1026B、1036Bはそれぞれの第1のリファイナー溝部1028A、1038Aおよび第2のリファイナー溝部1028B、1038Bによって互いに分離され得る(第1および第2のリファイナーバー1026A/1036Aおよび1026B/1036Bは、本明細書では第1および第2のリファイナーバー要素とも呼ぶことがある)。いくつかの例では、第1および第2のリファイナー溝部1028A、1028Bおよび1038A、1038Bは、約2.0mm~約6.0mmの幅(図示せず;図4Aおよび図5AのWを参照)を有することができ、第1および第2のリファイナーバー1026A、1026Bおよび1036A、1036Bは約2.0mm~約8.0mmの幅(図示せず;図7のW26を参照)を有することができる。これらの範囲のそれぞれは、たとえば、約2.0mm~約6.0mmの範囲の場合には、2.0mm、2.5mm、3.0mm、3.5mm、4.0mm、4.5mm、5.0mm、5.5mm、および6.0mm、約2.0mm~約8.0mmの範囲の場合には、2.0mm、2.5mm、3.0mm、3.5mm、4.0mm、4.5mm、5.0mm、5.5mm、6.0mm、6.5mm、7.0mm、7.5mm、および8.0mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。リファイナーバー1026、1036は、それぞれのリファイニング表面1024、1034上でさまざまな角度で斜めになっていることが可能であり、リファイニング本体部1022、1032のそれぞれのセクションは、異なる方向に斜めになっているリファイナーバー1026、1036の1つまたは複数のセグメント(ラベルを付されていない)を含むことが可能である(図示せず;図2および図3を参照)。
【0070】
第1および第2のリファイナーバー1026、1036はそれぞれ、半径方向内側の場所、すなわち半径方向内側縁部1023、1033からそれぞれのリファイニング本体部1022、1032の半径方向外側縁部1027、1037に向けて半径方向外向きに延在している。具体的には、第1のリファイナーバー1026A、1036Aのそれぞれが、リファイニング表面1024、1034上の第1の半径方向内向きの位置P1000からリファイニング表面1024、1034上の第1の半径方向外向きの位置P2000まで延在している。第2のリファイナーバー1026B、1036Bのそれぞれが、本明細書で説明されているように、リファイニング表面1024、1034上の第2の半径方向内向きの位置からリファイニング表面1024、1034上の第2の半径方向外向きの位置P3000まで延在し、第2の半径方向外向きの位置P3000は、木材繊維の全体的進行方向で第1の半径方向外向きの位置P2000よりも、リファイニング本体部1022、1032の最も外側のパーツ、たとえば半径方向外側縁部1027、1037の近くにあることが可能である。いくつかの例では、第1の半径方向内向きの位置P1000は、半径方向内側縁部1023、1033またはその付近の位置を含み得る。いくつかの実施形態では、第2のリファイナーバー1026B、1036Bは、第2のリファイナーバー1026B、1036Bの第2の半径方向内向きの位置が、第1のリファイナーバー1026A、1036Aの第1の半径方向外向きの位置P2000と実質的に同じとなり、第2のリファイナーバー1026B、1036Bが第1の半径方向外向きの位置P2000から第2の半径方向外向きの位置P3000まで延在するように、第1のリファイナーバー1026A、1036Aと一体になっていることが可能である。他の実施形態(図示せず)では、第1のリファイナーバー1026A、1036Aは一定のスペースだけ第2のリファイナーバー1026B、1036Bから半径方向に分離されていることが可能である。第2のリファイナーバー1026B、1036Bは、約0.6cm~約10cm、好ましくは約2cm~約10cmの長手方向の長さL1000を含み得る。上記に説明されているように、リファイニング表面1024、1034は、第1のリファイナー溝部1028A、1038Aの少なくとも一部分の中に設けられたダム(図示せず;図4A図5Aおよび図7の29および39を参照)を含むことができ、ダムは隣接する第1のリファイナーバー1026A、1036Aの高さと実質的に同じかまたはそれよりも小さい高さを含み得る。
【0071】
引き続き図19Aを参照すると、第1のリファイナーバー1026A、1036Aは、隣接する第1のリファイナー溝部1028A、1038AのフロアF1000から上向きに延在する第1の高さH1000を含む。いくつかの例では、第1の高さH1000は、第1のリファイナーバー1026A、1036Aの最大高さであることが可能である。第1のリファイナーバー1026A、1036Aは、たとえば、図19Aの例に示されているように、たとえば第1の半径方向内向きの位置P1000と第1の半径方向外向きの位置P2000との間で、第1の高さH1000が第1のリファイナーバー1026A、1036Aの長手方向の長さ(ラベルを付されていない)に沿って実質的に一定し得るように、実質的に水平方向に延在していることが可能である。いくつかの例では、第1のリファイナーバー1026A、1036Aの第1の高さH1000は、隣接する第1のリファイナー溝部1028A、1038AのフロアF1000から測定されるときに、4.0mm~10.0mm(±0.5mm)であることが可能である。この範囲は、たとえば、4.0mm、4.5mm、5.0mm、5.5mm、6.0mm、6.5mm、7.0mm、7.5mm、8.0mm、8.5mm、9.0mm、9.5mm、および10.0mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。
【0072】
第2のリファイナーバー1026B、1036Bは、隣接する第2のリファイナー溝部1028B、1038BのフロアF2000から上向きに延在する第2の高さH2000を含み、第2の高さH2000は第2のリファイナーバー1026B、1036Bの最小高さであり、第2のリファイナーバー1026B、1036Bの第2の半径方向内向きの位置、たとえばP2000から間隔を離して配置されている(第1および第2の高さH1000、H2000を本明細書では第1および第2のバー高さとも呼ぶことがある)。いくつかの実施形態では、隣接する第2のリファイナー溝部1028B、1038BのフロアF2000から上向きに延在する第2のリファイナーバー1026B、1036Bの第2の高さH2000は、図19Aにおいて実線で示すようにゼロよりも大きいことが可能である。たとえば、第2の高さH2000 は2.0mm~4.0mm(±0.2mm)であることが可能である。この範囲は、たとえば2.0mm、2.2mm、2.4mm、2.6mm、2.8mm、3.0mm、3.2mm、3.4mm、3.6mm、3.8mm、および4.0mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。他の実施形態では、第2の高さH2000は、ゼロよりもわずかに大きく、たとえば、その最小高さにある第2のリファイナーバー1026B、1036Bは、図19Aにおいて破線で示すように、隣接する第2のリファイナー溝部1028B、1038BのフロアF2000よりもわずかに上方のレベルまたはフロアF2000と面一であることができる。
【0073】
第2のリファイナーバー1026B、1036Bの第2の高さH2000は、第1のリファイナーバー1026A、1036Aの第1の高さH1000よりも少なくとも0.35mm(±0.05mm)小さいことが可能である。いくつかの例では、第2の高さH2000は、第1の高さH1000よりも少なくとも0.7mm(±0.05mm)小さいことが可能である。いくつかの特定の例では、第2のリファイナーバー1026B、1036Bの第2の高さH2000は、隣接する第2のリファイナー溝部1028B、1038BのフロアF2000から測定されるときに、第1の高さH1000よりも0.35mm~7.0mm(±0.05mm)小さいことが可能である。この範囲は、たとえば0.35mm、0.5mm、1.0mm、1.5mm、2.0mm、2.5mm、3.0mm、3.5mm、4.0mm、4.5mm、5.0mm、5.5mm、6.0mm、6.5mm、および7.0mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。他の特定の例では、第2の高さH2000は、第1の高さH1000よりも0.7mm~7.0mm(±0.05mm)小さいことが可能である。この範囲は、たとえば0.7mm、1.0mm、1.5mm、2.0mm、2.5mm、3.0mm、3.5mm、4.0mm、4.5mm、5.0mm、5.5mm、6.0mm、6.5mm、および7.0mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。さらなる特定の例では、第2の高さH2000は、第1の高さH1000よりも0.7mm~5.0mm(±0.05mm)小さいか、または第1の高さH1000よりも2.0mm~3.0mm(±0.05mm)小さいことが可能である。これらの範囲のそれぞれは、たとえば、約0.7mmから約5.0mmの範囲の場合には、0.7mm、1.0mm、1.5mm、2.0mm、2.5mm、3.0mm、3.5mm、4.0mm、4.5mm、および4.5mm、約2.0mm~約3.0mmの範囲の場合には、2.0mm、2.1mm、2.2mm、2.3mm、2.4mm、2.5mm、2.6mm、2.7mm、2.8mm、2.9mm、および3.0mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。第2の高さH2000がゼロよりもわずかに大きい実施形態では、第1の高さH1000と第2の高さH2000との差は、実質的に第1のリファイナーバー1026A、1036Aの高さの全体であることが可能である。たとえば、第1のリファイナーバー1026A、1036Aの第1の高さH1000が約10.0mmである場合、第2のリファイナーバー1026B、1036Bの第2の高さH2000は第1の高さH1000よりも約10.0mm小さいことが可能である。
【0074】
図19Aに示されているように、いくつかの例では、第2のリファイナーバー1026B、1036Bは、第1の半径方向外向きの位置P2000から第2の半径方向外向きの位置P3000の間に延在しているそれぞれの第2のリファイナーバー1026B、1036Bの少なくとも一部分に沿って実質的に連続的に下向きに傾斜していることが可能である。いくつかの特定の例では、第2のリファイナーバー1026B、1036Bの高さは、第2のリファイナーバー1026B、1036Bの実質的に長手方向の長さL1000全体に沿って連続的に減少していることが可能である。たとえば、第2のリファイナーバー1026B、1036Bは、第1の半径方向外向きの位置P2000に隣接する位置に存在して第1のリファイナーバー1026A、1036Aの第1の高さH1000と実質的に同じである、最大高さ(別個にラベルを付されていない)を有することが可能であり、その場合、第2のリファイナーバー1026B、1036Bが第1の半径方向外向きの位置P2000から第2の半径方向外向きの位置P3000まで実質的に連続的に下向きに傾斜する。第2のリファイナーバー1026B、1036Bの第2の(最小)高さH2000は、第2の半径方向外向きの位置P3000に隣接する位置に存在することが可能である。
【0075】
いくつかの例では、第1および第2のリファイニング本体部1022、1032を含む第1および第2のリファイニング部材20、30は、第1のリファイニング表面1024が第2のリファイニング表面1034に面するように(図示せず;たとえば図1図8および図9を参照)配置されることが可能であり、その場合、本明細書で詳細に説明されているように、それぞれのリファイニング表面1024、1034の間にリファイニングスペース(図1の60を参照)を画定するように第1のリファイニング部材20が第2のリファイニング部材30から間隔を離して配置される。第1のリファイニング本体部1022のリファイナーバー1026の少なくとも一部分が、リファイナーバー1026、1036の対向する部分の間にギャップ(図8および図9を参照)を画定するように第2のリファイニング本体部1032のリファイナーバー1036の少なくとも一部分の真向かいになるように、すなわちそれに面するように位置決めされることが可能である。具体的には、第1のリファイニング本体部1022の第1のリファイナーバー1026Aの少なくとも一部分が、第2のリファイニング本体部1032の第1のリファイナーバー1036Aの少なくとも一部分の真向かいになるように、すなわちそれに面するように位置決めされることが可能であり、第1のリファイニング本体部1022の第2のリファイナーバー1026Bの少なくとも一部分が第2のリファイニング本体部1032の第2のリファイナーバー1036Bの少なくとも一部分の真向かいになるように、すなわちそれに面するように位置決めされることが可能である。
【0076】
図1に示されて、上記に説明されているように、木材繊維を含む木材パルプのスラリーがリファイナー10のフレーム66に供給されるときに、軸線方向の力または圧力がリファイニング部材20、30の一方または両方に印加されることが可能であり、これによって第1のリファイニング部材20と第2のリファイニング部材30との間に画定されるギャップのサイズが調節される。第1のリファイナーバー1026A、1036Aは、パルプスラリー中の木材繊維をリファイニングするように適合されることが可能であり、一方、第2のリファイナーバー1026B、1036Bは繊維束を分解または分離するように適合されることが可能である。第1のリファイナーバー1026A、1036Aの第1の高さH1000が第2のリファイナーバー1026B、1036Bの第2の高さH2000よりも大きいため、木材繊維は、繊維が第1のリファイナー溝部1028A、1038Aによって少なくとも部分的に画定されるリファイニングスペース(たとえば上記に説明されているようなリファイニングゾーン)の一部分を通過するときに高い強度の剪断力および圧縮力を受ける。第1のリファイナーバー1026A、1036Aは、木材パルプ中のかなりの数の木材繊維をリファイニングするように、相互に、または従来のリファイナーバーと相互作用する。繊維が第2のリファイナー溝部1028B、1038Bによって少なくとも部分的に画定されるリファイニングスペース(たとえば上記に説明されているようなデフレーキングゾーン)の一部分を通過するとき、低減される高さに応答して繊維に印加される力の強度が減少するが、これは、繊維をそれ以上リファイニングせずに、または最小限にしかリファイニングせずに、リファイニング中に形成された複数の木材繊維束を分解または分離すると考えられる。
【0077】
この例では、第2のリファイナーバー1026B、1036Bの対向する部分間のギャップは、0.9mm~20.0mm(±0.05mm)とすることができる。この範囲は、たとえば0.9mm、1.0mm、1.5mm、2.0mm、2.5mm、3.0mm、3.5mm、4.0mm、4.5mm、5.0mm、5.5mm、6.0mm、6.5mm、7.0mm、7.5mm、8.0mm、8.5mm、9.0mm、9.5mm、10.0mm、10.5mm、11.0mm、11.5mm、12.0mm、12.5mm、13.0mm、13.5mm、14.0mm、14.5mm、15.0mm、15.5mm、16.0mm、16.5mm、17.0mm、17.5mm、18.0mm、18.5mm、19.0mm、19.5mm、および20.0mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。第2のリファイナーバー1026Bおよび/または1036Bが第2のリファイナーバー1026B、1036Bの少なくとも一部分に沿って実質的に連続的に下向きに傾斜する実施形態では、ギャップは第2のリファイナーバー1026B、1036Bの少なくとも1つのセクションに沿って半径方向外向き方向に、すなわち第2のリファイナーバー1026B、1036Bの第2の半径方向内向きの位置(たとえばP2000)から第2の半径方向外向きの位置P3000まで延在する方向に増大することが可能である。いくつかの例では、ギャップは、実質的に第2のリファイナーバー1026B、1036Bの長手方向の長さL1000の全体に沿って増大することが可能である。繊維のリファイニングを停止し、デフレーキングを始めるためには、第2のリファイナーバー1026B、1036Bの第2の(最小)高さH2000は、第1のリファイナーバー1026A、1036Aの第1の高さH1000よりも少なくとも0.35mm(±0.05mm)小さくあるべきであるということが考えられる。
【0078】
他の例では、図19Aに示されているリファイニング本体部1022、1032のうちの一方が、実質的に長手方向の長さの全体に沿って均一な高さを有する従来のリファイナーバーを含む従来のリファイニング本体部(図示せず;図8の132を参照)と対にされることが可能である。たとえば、第1のリファイニング部材20は第1のリファイニング本体部1022を含んでもよく、第2のリファイニング部材30は従来のリファイニング本体部を含んでもよい。リファイニング部材20、30は、第1および第2のリファイナーバー1026A、1026Bの少なくとも一部分が、対向する部分間にギャップ(図8および図9を参照)を画定するように従来のリファイナーバーの少なくとも一部分の真向かいになるように、すなわちそれに面するように位置決めされた状態で、互いに面するように配置されることが可能である。本明細書で説明されているように、木材パルプのスラリーが供給されることが可能であり、ギャップのサイズを調節するようにリファイニング部材20、30の一方または両方に軸線方向の力または圧力が印加されることが可能であり、第1のリファイナーバー1026Aがパルプスラリー中の木材繊維をリファイニングするように適合され、第2のリファイナーバー1026Bが繊維束を分解または分離するように適合されている。この例では、第2のリファイナーバー1026Bと従来のリファイナーバーの対向する部分間のギャップは、0.9mm~10.0mm(±0.05mm)であることが可能である。この範囲は、たとえば0.9mm、1.0mm、1.5mm、2.0mm、2.5mm、3.0mm、3.5mm、4.0mm、4.5mm、5.0mm、5.5mm、6.0mm、6.5mm、7.0mm、7.5mm、8.0mm、8.5mm、9.0mm、9.5mm、および10.0mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。第2のリファイナーバー1026Bが傾斜している実施形態では、本明細書で説明されているように、ギャップは第2のリファイナーバー1026Bの少なくとも1つのセクションに沿って半径方向外向き方向に増大することが可能であり、第2のリファイナーバー1026Bの実質的に長手方向の長さL1000の全体に沿って増大することが可能である。この例では、繊維のリファイニングを停止し、デフレーキングを始めるためには、第2のリファイナーバー1026Bの第2の(最小)高さH2000は第1のリファイナーバー1026A/1036Aの第1の高さH1000よりも少なくとも0.7mm小さく(±0.05mm)あるべきであるということが考えられる。
【0079】
両方の例において、リファイニングが行われるためには、リファイナーバーの対向する部分間(たとえば、第1のリファイナーバー1026A、1036Aの対向する部分間、または第1のリファイナーバー1026A/1036Aと従来のリファイナーバーの対向する部分間)のギャップは0.9mm(±0.05mm)よりも小さくあるべきであるということが考えられる。いくつかの場合において、リファイニングゾーンにおけるギャップは0.7mm(±0.05mm)よりも小さくあることが可能である。いくつかの特定の場合において、ギャップは0.1mm~0.5mm(±0.05mm)であることが可能である。この範囲は、たとえば0.1mm、0.15mm、0.2mm、0.25mm、0.3mm、0.35mm、0.4mm、0.45mm、および0.5mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。また、デフレーキングが行われるためには、(たとえば、第2のリファイナーバー1026B、1036Bの対向する部分間、または第2のリファイナーバー1026B/1036Bと従来のリファイナーバーの対向する部分間の)ギャップは0.9mm~2.0mm(±0.05mm)であるべきであるということが考えられる。この範囲は、たとえば0.9mm、1.0mm、1.1mm、1.2mm、1.3mm、1.4mm、1.5mm、1.6mm、1.7mm、1.8mm、1.9mm、および2.0mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。上記に説明されているように、第2のリファイナーバー1026B/1036Bの少なくとも一部分に沿ったギャップは、約2.0mmよりもはるかに大きいことが可能であり、たとえばいくつかの場合において、最大約20.0mmとすることができる。このより大きなギャップは、リファイナーバー1026A、1036A、1026B、1036Bの高さH1000、H2000を減少させることになる避けられない摩耗を考慮に入れるために使用されることが可能である。リファイニング本体部の位置は、リファイニング表面が摩滅し始めるにつれてギャップを望まれる値に維持するために、本明細書で説明されているように調節可能である。具体的には、第2のリファイナーバー1026B、1036Bがそれぞれの第2のリファイナーバー1026B、1036Bの少なくとも一部に沿って実質的に連続的に下向きに傾斜する実施形態は、デフレーキングのための約0.9mm~約2.0mmのギャップがリファイニング部材の寿命にわたって維持され得るように、リファイニングゾーンとデフレーキングゾーンとの間の移行が第2のリファイナーバー1026B、1036Bの長手方向の長さL1000に沿って半径方向外向きにシフトすることを可能にすると考えられる。
【0080】
図19Bを参照すると、リファイニング本体部1022’、1032’が、それぞれのリファイニング表面1024’、1034’を含み、リファイニング表面1024’、1034’は、第1のリファイナーバー1026A’、1036A’、第2のリファイナーバー1026B’、1036B’、第3のリファイナーバー1026C、1036C、および第4のリファイナーバー1026D、1036Dを含む複数の細長いリファイナーバー1026’、1036’をそれぞれが含むことが可能である。第1および第2のリファイナーバー1026A’、1036A’、1026B’、1036B’は、図19Aに図示され、本明細書で説明されている第1および第2のリファイナーバー1026A、1036A、1026B、1036Bと実質的に同様であり得る。第1のリファイナーバー1026A’、1036A’は、第1のリファイナー溝部1028A’、1038A’によって互いに分離されることが可能であり、第2のリファイナーバー1026B’、1036B’は第2のリファイナー溝部1028B’、1038B’によって互いに分離されることが可能である。第3のリファイナーバー1026C、1036Cは、第3のリファイナー溝部1028C、1038Cによって互いに分離されることが可能であり、第4のリファイナーバー1026D、1036Dは第4のリファイナー溝部1028D、1038Dによって互いに分離されることが可能である。
【0081】
第1のリファイナーバー1026A’、1036A’のそれぞれは、リファイニング表面1024’、1034’上の第1の半径方向内向きの位置P1000’から第1の半径方向外向きの位置P2000’まで延在していることが可能である。第2のリファイナーバー1026B’、1036B’のそれぞれは、本明細書で説明されているように、リファイニング表面1024’、1034’上の第2の半径方向内向きの位置からリファイニング表面1024’、1034’上の第2の半径方向外向きの位置P3000’まで延在していることが可能である。第3のリファイナーバー1026C、1036Cのそれぞれは、本明細書で説明されているように、リファイニング表面1024’、1034’上の第3の半径方向内向きの位置からリファイニング表面1024’、1034’上の第3の半径方向外向きの位置P4000まで延在していることが可能である。第4のリファイナーバー1026D、1036Dのそれぞれは、本明細書で説明されているように、リファイニング表面1024’、1034’上の第4の半径方向内向きの位置からリファイニング表面1024’、1034’上の第4の半径方向外向きの位置P5000まで延在していることが可能である。第4の半径方向外向きの位置P5000は、第1、第2および第3の半径方向外向きの位置P2000’、P3000’およびP4000よりも、リファイニング本体部1022’、1032’の最も外側のパーツ、たとえば半径方向外側縁部1027’、1037’の近くにあることが可能である。第2および第4のリファイナーバー1026B’/1036B’および1026D/1036Dは、約0.6cm~約10cm、好ましくは約2cmから約10cmのそれぞれの長手方向の長さL1000’、L2000を含むことが可能である。いくつかの例では、第1および/または第2のリファイナーバー1026A’、1036A’、1026B’、1036B’は、第1および第2のリファイナーバー1026A、1036A、1026B、1036Bと比較して、より短い距離だけ半径方向外向きに延在していることが可能である。上記に説明されているように、リファイニング表面1024’、1034’は、第1および第3のリファイナー溝部1028A’/1038A’および1028C/1038Cの少なくとも一部分の中に設けられたダム(図示せず;図4Bおよび図5Bの29および39を参照)を含むことが可能であり、ダムは隣接する第1および/または第3のリファイナーバー1026A’/1036A’および1026C/1036Cの高さと実質的に同じかまたはそれよりも小さい高さを含むことが可能である。
【0082】
いくつかの実施形態では、図19Bに示されているように、第2のリファイナーバー1026B’、1036B’は第1のリファイナーバー1026A’、1036A’と一体になっていることが可能であり、第3のリファイナーバー1026C、1036Cは第2のリファイナーバー1026B’、1036B’と一体になっていることが可能であり、および/または第4のリファイナーバー1026D、1036Dは第3のリファイナーバー1026C、1036Cと一体になっていることが可能である。たとえば、第1と第2のリファイナーバー1026A’/1036A’および1026B’/1036B’が互いに一体になっている場合、第2のリファイナーバー1026B’、1036B’の第2の半径方向内向きの位置は、第1のリファイナーバー1026A’、1036A’の第1の半径方向外向きの位置P2000’と実質的に同じであることが可能であり、第2のリファイナーバー1026B’、1036B’は第1の半径方向外向きの位置P2000’から第2の半径方向外向きの位置P3000’まで延在していることが可能である。第2と第3のリファイナーバー1026B’/1036B’および1026C/1036Cが互いに一体になっている場合、第3のリファイナーバー1026C、1036Cの第3の半径方向内向きの位置は、第2のリファイナーバー1026B’、1036B’の第2の半径方向外向きの位置P3000’と実質的に同じであることが可能であり、第3のリファイナーバー1026C、1036Cは第2の半径方向外向きの位置P3000’から第3の半径方向外向きの位置P4000まで延在していることが可能である。第3と第4のリファイナーバー1026C/1036Cおよび1026D/1036Dが互いに一体になっている場合、第4のリファイナーバー1026D、1036Dの第4の半径方向内向きの位置は、第3のリファイナーバー1026C、1036Cの第3の半径方向外向きの位置P4000と実質的に同じであることが可能であり、第4のリファイナーバー1026D、1036Dは第3の半径方向外向きの位置P4000から第4の半径方向外向きの位置P5000まで延在していることが可能である。他の実施形態(図示せず)では、第1のリファイナーバー1026A’、1036A’は、第2のリファイナーバー1026B’、1036B’から一定のスペースだけ半径方向に分離されていることが可能であり、第2のリファイナーバー1026B’、1036B’は第3のリファイナーバー1026C、1036Cから一定のスペースだけ半径方向に分離されていることが可能であり、および/または、第3のリファイナーバー1026C、1036Cは第4のリファイナーバー1026D、1036Dから一定のスペースだけ半径方向に分離されていることが可能である。
【0083】
引き続き図19Bを参照すると、第1および第3のリファイナーバー1026A’/1036A’および1026C/1036Cは、それぞれの隣接する第1および第3のリファイナー溝部1028A’/1038A’および1028C/1038CのフロアF1000’、F3000から上向きに延在するそれぞれの第1の高さH1000’および第3の高さH3000を含む。第1および第3の高さH1000’、H3000は、それぞれ第1および第3のリファイナーバー1026A’/1036A’および1026C/1036Cの最大高さであることが可能である。いくつかの例では、第1および第3のリファイナーバー1026A’/1036A’および1026C/1036Cは、第1および第3の高さH1000’、H3000が第1および第3のリファイナーバー1026A’/1036A’および1026C/1036Cの長手方向の長さ(ラベルが付されていない)に沿って実質的に一定し得るように、たとえば第1のリファイナーバー1026A’、1036A’の第1の半径方向内向きの位置P1000’と第1の半径方向外向きの位置P2000’との間、および第3のリファイナーバー1026C、1036Cの第3の半径方向内向きの位置、たとえばP3000’と第3の半径方向外向きの位置P4000との間に、実質的に水平方向に延在していることが可能である。いくつかの例では、第1および第3のリファイナーバー1026A’/1036A’の第1および第3の高さH1000’、H3000は、それぞれの隣接する第1および第3のリファイナー溝部1028A’/1038A’および1028C/1038CのフロアF1000’、F3000から測定されるときに、4.0mm~10.0mm(±0.5mm)であることが可能である。この範囲は、たとえば4.0mm、4.5mm、5.0mm、5.5mm、6.0mm、6.5mm、7.0mm、7.5mm、8.0mm、8.5mm、9.0mm、9.5mm、および10.0mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。
【0084】
第2および第4のリファイナーバー1026B’/1036B’および1026D/1036Dは、それぞれの隣接する第2および第4のリファイナー溝部1028B’/1038B’および1028D/1038DのフロアF2000’、F4000から上向きに延在するそれぞれの第2の高さH2000’および第4の高さH4000を含むことが可能である。第2の高さH2000’は第2のリファイナーバー1026B’、1036B’の最小高さであり、第2のリファイナーバー1026B’、1036B’の第2の半径方向内向きの位置、たとえばP2000’から間隔を離して配置されている。第4の高さH4000は、第4のリファイナーバー1026D、1036Dの最小高さであり、第4のリファイナーバー1026D、1036Dの第4の半径方向内向きの位置、たとえばP4000から間隔を離して配置されている。いくつかの実施形態では、隣接する第2のリファイナー溝部1028B’、1038B’のフロアF2000’から上向きに延在する第2のリファイナーバー1026B’、1036B’の第2の高さH2000’、および/または、隣接する第4のリファイナー溝部1028D、1038DのフロアF4000から上向きに延在する第4のリファイナーバー1026D、1036Dの第4の高さH4000は、図19Bにおいて実線で示すようにゼロよりも大きいことが可能である。たとえば、第2の高さH2000’および/または第4の高さH4000、2.0mm~4.0mm(±0.2mm)とすることができる。この範囲は、たとえば2.0mm、2.2mm、2.4mm、2.6mm、2.8mm、3.0mm、3.2mm、3.4mm、3.6mm、3.8mm、および4.0mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。他の実施形態では、第2の高さH2000’および/または第4の高さH4000は、ゼロよりもわずかに大きいことが可能であり、たとえば、最小高さにある第2のリファイナーバー1026B’、1036B’および/または第4のリファイナーバー1026D、1036Dは、図19Bにおいて破線で示されているように、それぞれの隣接する第2または第4のリファイナー溝部1028B’/1038B’、1028D/1038DのフロアF2000’、F4000よりもわずかに上方にあるか、または面一であることが可能である。
【0085】
第2のリファイナーバー1026B’、1036B’の第2の高さH2000’および/または第4のリファイナーバー1026D、1036Dの第4の高さH4000は、それぞれ、第1のリファイナーバー1026A’、1036A’の第1の高さH1000’および/または第3のリファイナーバー1026C、1036Cの第3の高さH3000よりも少なくとも0.35mm(±0.05mm)小さいことが可能である。いくつかの例では、第2の高さH2000’および第4の高さH4000は、それぞれ、第1の高さH1000’および第3の高さH3000よりも少なくとも0.70mm(±0.05mm)小さいことが可能である。いくつかの特定の例では、第2のリファイナーバー1026B’、1036B’の第2の高さH2000’は、隣接する第2のリファイナー溝部1028B’、1038B’のフロアF2000’から測定されるときに、および/または、第4のリファイナーバー1026D、1036Dの第4の高さH4000は、隣接する第4のリファイナー溝部1028D、1038DのフロアF4000から測定されるときに、それぞれ第1の高さH1000’および第3の高さH3000よりも0.35mm~7.0mm(±0.05mm)小さいことが可能である。この範囲は、たとえば、0.35mm、0.5mm、1.0mm、1.5mm、2.0mm、2.5mm、3.0mm、3.5mm、4.0mm、4.5mm、5.0mm、5.5mm、6.0mm、6.5mm、および7.0mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。他の特定の例では、第2の高さH2000’および第4の高さH4000は、それぞれ第1の高さH1000’および第3の高さH3000よりも0.7mm~7.0mm(±0.05mm)小さいことが可能である。この範囲は、たとえば0.7mm、1.0mm、1.5mm、2.0mm、2.5mm、3.0mm、3.5mm、4.0mm、4.5mm、5.0mm、5.5mm、6.0mm、6.5mm、および7.0mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。さらなる特定の例では、第2の高さ2000’および第4の高さH4000は、それぞれ第1の高さH1000’および第3の高さH3000よりも0.7mm~5.0mm(±0.05mm)、またはそれぞれ第1の高さH1000’および第3の高さH3000よりも2.0mm~3.0mm(±0.05mm)小さいことが可能である。これらの範囲のそれぞれは、たとえば、約0.7mm~約5.0mmの範囲の場合には、0.7mm、1.0mm、1.5mm、2.0mm、2.5mm、3.0mm、3.5mm、4.0mm、4.5mm、および4.5mm、約2.0mm~約3.0mmの範囲の場合には、2.0mm、2.1mm、2.2mm、2.3mm、2.4mm、2.5mm、2.6mm、2.7mm、2.8mm、2.9mm、および3.0mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。第2および/または第4の高さH2000’、H4000がゼロよりもわずかに大きい実施形態では、第1と第2の高さH1000’、H2000’との間、および/または第3と第4の高さH3000、H4000との間の差は、実質的に第1および/または第3のリファイナーバー1026A’/1036A’および1026C/1036Cの高さの全体であることが可能である。たとえば、第1および第3の高さH1000’、H3000が約10.0mmである場合、第2および第4の高さH2000’、H4000は第1および第3の高さH1000’、H3000よりも約10.0mm小さいことが可能である。
【0086】
図19Bに示されているように、いくつかの例では、第2のリファイナーバー1026B’、1036B’および/または第4のリファイナーバー1026D、1036Dは、それぞれのリファイナーバー1026B’、1036B’、1026D、1036Dの少なくとも一部分に沿って実質的に連続的に下向きに傾斜していることが可能である。たとえば、第2のリファイナーバー1026B’、1036B’は、第1の半径方向外向きの位置P2000’から第2の半径方向外向きの位置P3000の間に延在している少なくとも一部分に沿って実質的に連続的に下向きに傾斜していることが可能であり、および/または、第4のリファイナーバー1026D、1036Dは、第3の半径方向外向きの位置P4000から第4の半径方向外向きの位置P5000の間に延在している少なくとも一部分に沿って実質的に連続的に下向きに傾斜していることが可能である。いくつかの特定の例では、第2のリファイナーバー1026B’、1036B’および/または、第4のリファイナーバー1026D、1036Dの高さは、実質的にそれぞれの長手方向の長さL1000’、L2000全体に沿って連続的に減少することが可能である。たとえば、第2のリファイナーバー1026B’、1036B’は、第1の半径方向外向きの位置P2000’に隣接し、第1のリファイナーバー1026A’、1036A’の第1の高さH1000’と実質的に同じである位置に存在する最大高さ(別個にラベルを付されていない)を有することが可能であり、第2のリファイナーバー1026B’、1036B’が第1の半径方向外向きの位置P2000’から第2の半径方向外向きの位置P3000’まで実質的に連続的に下向きに傾斜する。第4のリファイナーバー1026D、1036Dは、同様に、第3の半径方向外向きの位置P4000に隣接し、第3のリファイナーバー1026C、1036Cの第3の高さH3000と実質的に同じである位置に存在する最大高さ(別個にラベルを付されていない)を有することが可能であり、第4のリファイナーバー1026D、1036Dは第3の半径方向外向きの位置P4000から第4の半径方向外向きの位置P5000まで実質的に連続的に下向きに傾斜する。第2のリファイナーバー1026B’、1036B’の第2の(最小)高さH2000’は、第2の半径方向外向きの位置P3000’に隣接する位置に存在することが可能であり、第4のリファイナーバー1026D、1036Dの第4の(最小)高さH4000は第4の半径方向外向きの位置P5000に隣接する位置に存在することが可能である。
【0087】
いくつかの例では、第1および第2のリファイニング本体部1022’、1032’を含む第1および第2のリファイニング部材20、30は、第1および第2のリファイニング表面1024’、1034’が互いに面し(図示せず;たとえば図1図8および図9を参照)、本明細書で詳細に説明されているように、リファイニングスペース(図1の60を参照)を画定するように、配置されることが可能である。第1のリファイニング本体部1022’のリファイナーバー1026’の少なくとも一部分は、リファイナーバー1026’、1036’の対向する部分間にギャップ(図8および図9を参照)を画定するように第2のリファイニング本体部1032’のリファイナーバー1036’の少なくとも一部分の真向かいにあるように、すなわちそれに面するように位置決めされている。具体的には、第1のリファイニング本体部1022’の第1のリファイナーバー1026A’の少なくとも一部分が、第2のリファイニング本体部1032’の第1のリファイナーバー1036A’の少なくとも一部分の真向かいになるように、すなわちそれに面するように位置決めされることが可能であり、第2のリファイナーバー1026B’の少なくとも一部分が第2のリファイナーバー1036B’の少なくとも一部分の真向かいになるように、すなわちそれに面するように位置決めされることが可能であり、第3のリファイナーバー1026Cの少なくとも一部が第3のリファイナーバー1036Cの少なくとも一部分の真向かいになるように、すなわちそれに面するように位置決めされることが可能であり、第4のリファイナーバー1026Dの少なくとも一部分が第4のリファイナーバー1036Dの少なくとも一部分の真向かいになるように、すなわちそれに面するように位置決めされることが可能である。
【0088】
図1に示されて、上記に説明されているように、木材繊維を含む木材パルプのスラリーがリファイナー10のフレーム66に供給されるときに、軸線方向の力または圧力がリファイニング部材20、30の一方または両方に印加されることが可能であり、これによって第1のリファイニング部材20と第2のリファイニング部材30との間に画定されるギャップのサイズが調節される。第1および第3のリファイナーバー1026A’/1036A’および1026C/1036Cは、パルプスラリー中の木材繊維をリファイニングするように適合されることが可能であり、一方、第2および第4のリファイナーバー1026B’/1036B’および1026D/1036Dは繊維束を分解または分離するように適合されることが可能である。第1および第3のリファイナーバー1026A’/1036A’および1026C/1036Cの第1および第3の高さH1000’およびH3000が第2および第4のリファイナーバー1026B’/1036B’および1026D/1036Dのそれぞれの第2および第4の高さH2000’およびH4000よりも大きいため、木材繊維は、繊維が第1および第3のリファイナー溝部1028A’/1038A’および1028C/1038Cによって少なくとも部分的に画定されるリファイニングスペース(たとえば上記に説明されているような第1および第2のリファイニングゾーン)の一部分を通過するときに高い強度の剪断力および圧縮力を受ける。第1および第3のリファイナーバー1026A’/1036A’および1026C/1036Cは、木材パルプ中のかなりの数の木材繊維をリファイニングするように、互いに相互作用する。繊維が第2および第4のリファイナー溝部1028B’/1038B’および1028D/1038Dによって少なくとも部分的に画定されるリファイニングスペース(たとえば上記に説明されているような第1および第2のデフレーキングゾーン)の一部分を通過するとき、低減される高さに応答して繊維に印加される力の強度が減少するが、これは、繊維をそれ以上リファイニングせずに、または最小限にしかリファイニングせずに、リファイニング中に形成された複数の木材繊維束を分解または分離すると考えられる。
【0089】
この例では、第2のリファイナーバー1026B’、1036B’の対向する部分の間および第4のリファイナーバー1026D、1036Dの対向する部分の間のギャップは、0.9mm~20.0mm(±0.05mm)であることが可能である。この範囲は、たとえば0.9mm、1.0mm、1.5mm、2.0mm、2.5mm、3.0mm、3.5mm、4.0mm、4.5mm、5.0mm、5.5mm、6.0mm、6.5mm、7.0mm、7.5mm、8.0mm、8.5mm、9.0mm、9.5mm、10.0mm、10.5mm、11.0mm、11.5mm、12.0mm、12.5mm、13.0mm、13.5mm、14.0mm、14.5mm、15.0mm、15.5mm、16.0mm、16.5mm、17.0mm、17.5mm、18.0mm、18.5mm、19.0mm、19.5mm、および20.0mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。第2および第4のリファイナーバー1026B’/1036B’および1026D/1036Dのうちの1つまたは複数が少なくとも一部分に沿って実質的に連続的に下向きに傾斜している例では、ギャップは、第2のリファイナーバー1026B’、1036B’の少なくとも1つのセクションに沿って半径方向外向き方向に、すなわち第2のリファイナーバー1026B’、1036B’の第2の半径方向内向きの位置(たとえばP2000’)から第2の半径方向外向きの位置P3000’に延在する方向に増大することが可能であり、および/または、ギャップは、第4のリファイナーバー1026D、1036Dの少なくとも1つのセクションに沿って半径方向外向き方向に、すなわち第4のリファイナーバー1026D、1036Dの第4の半径方向内向きの位置(たとえばP4000)から第4の半径方向外向きの位置P5000に延在する方向に増大することが可能である。いくつかの例では、ギャップは、それぞれ第2および/または第4のリファイナーバー1026B’/1036B’および1026D/1036Dの実質的に長手方向の長さL1000’および/またはL2000の全体に沿って増大することが可能である。繊維のリファイニングを停止し、デフレーキングを始めるためには、第2のリファイナーバー1026B’、1036B’の第2の(最小)高さH2000’および第4のリファイナーバー1026D、1036Dの第4の(最小)高さH4000は、それぞれ第1のリファイナーバー1026A’、1036A’の第1の高さH1000’および第3のリファイナーバー1026C、1036Cの第3の高さH3000よりも少なくとも0.35mm(±0.05mm)小さくあるべきであるということが考えられる。
【0090】
他の例では、図19Bに示されているリファイニング本体部1022’、1032’の一方が、実質的に長手方向の長さの全体に沿って均一な高さを有するリファイナーバーを含む従来のリファイニング本体部(図示せず;図8の132を参照)と対にされることが可能である。たとえば、第1のリファイニング部材20は第1のリファイニング本体部1022’を含んでもよく、第2のリファイニング部材30は従来のリファイニング本体部を含んでもよい。リファイニング部材20、30は、第1、第2、第3および第4のリファイナーバー1026A’、1026B’、1026C、1026Dの少なくとも一部分が、対向する部分間にギャップ(図8および図9を参照)を画定するように従来のリファイナーバーの少なくとも一部分の真向かいになるように、すなわちそれに面するように位置決めされた状態で、互いに面するように配置されることが可能である。本明細書で説明されているように、木材パルプのスラリーが供給され、ギャップのサイズを調節するようにリファイニング部材20、30の一方または両方に軸線方向の力または圧力が印加されることが可能であり、第1および第3のリファイナーバー1026A’、1026Cはパルプスラリー中の木材繊維をリファイニングするように適合され、第2および第4のリファイナーバー1026B’、1026Dは繊維束を分解または分離するように適合される。この例では、従来のリファイナーバーと第2および第4のリファイナーバー1026B’、1026Dの対向する部分間のギャップは、0.9mm~10.0mm(±0.05mm)であることが可能である。この範囲は、たとえば0.9mm、1.0mm、1.5mm、2.0mm、2.5mm、3.0mm、3.5mm、4.0mm、4.5mm、5.0mm、5.5mm、6.0mm、6.5mm、7.0mm、7.5mm、8.0mm、8.5mm、9.0mm、9.5mm、および10.0mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。第2および/または第4のリファイナーバー1026B’、1026Dが傾斜している実施形態では、ギャップは、本明細書で説明されているように、リファイナーバー1026B’、1026Dの少なくとも1つのセクションに沿って半径方向外向き方向に増大することが可能であり、第2および/または第4のリファイナーバー1026B’、1026Dの実質的に長手方向の長さL1000’、L2000の全体に沿って増大することが可能である。この例では、繊維のリファイニングを停止し、デフレーキングを始めるためには、第2のリファイナーバー1026B’/1036B’の第2の(最小)高さH2000’および第4のリファイナーバー1026D/1036Dの第4の(最小)高さH4000は、それぞれ、第1のリファイナーバー1026A’/1036A’の第1の高さH1000’および第3のリファイナーバー1026C、1036Cの第3の高さH3000よりも少なくとも0.7mm(±0.05mm)小さくあるべきであるということが考えられる。
【0091】
両方の例において、リファイニングが行われるためには、リファイナーバーの対向する部分間(たとえば、第1と第3のリファイナーバー1026A’、1036A’および1026C、1036Cの対向する部分間、または従来のリファイナーバーと第1および第3のリファイナーバー1026A’/1036A’および1026C/1036Cの対向する部分間)のギャップは0.9mm(±0.05mm)よりも小さくあるべきであるということが考えられる。いくつかの場合において、リファイニングゾーンにおけるギャップは0.7mm(±0.05mm)よりも小さくあることが可能である。いくつかの特定の場合において、ギャップは0.1mm~0.5mm(±0.05mm)であることが可能である。この範囲は、たとえば0.1mm、0.15mm、0.2mm、0.25mm、0.3mm、0.35mm、0.4mm、0.45mm、および0.5mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。また、デフレーキングが行われるためには、(たとえば、第2と第4のリファイナーバー1026B’、1036B’および1026D、1036Dの対向する部分間、または従来のリファイナーバーと第2および第4のリファイナーバー1026B’/1036B’および1026D/1036Dの対向する部分間の)ギャップは0.9mm~2.0mm(±0.05mm)であるべきであるということが考えられる。この範囲は、たとえば0.9mm、1.0mm、1.1mm、1.2mm、1.3mm、1.4mm、1.5mm、1.6mm、1.7mm、1.8mm、1.9mm、および2.0mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。本明細書で上記に説明されているように、それぞれのリファイナーバー1026A’、1036A’、1026B’、1036B’、1026C、1036C、1026D、1036Dの高さH1000’、H2000’、H3000、H4000を減少させる摩耗を考慮に入れて、約2.0mmよりも大きいギャップを使用することが可能である。リファイニング本体部の位置は、リファイニング表面が摩滅し始めるにつれてギャップを望まれる値に維持するために、本明細書に記載のように調節可能である。具体的には、第2および/または第4のリファイナーバー1026B’/1036B’および1026D/1036Dがリファイナーバー1026B’/1036B’および1026D/1036Dの少なくとも一部に沿って実質的に連続的に下向きに傾斜する実施形態は、デフレーキングのための約0.9mm~約2.0mmのギャップがリファイニング部材の寿命にわたって維持されることが可能なように、リファイニングゾーンとデフレーキングゾーンとの間の移行が、第2および/または第4のリファイナーバー1026B’/1036B’および1026D/1036Dの長手方向の長さL1000’、L2000に沿って半径方向外向きにシフトすることを可能にすると考えられる。
【0092】
図13および図14は、本開示の別の実施形態による、それぞれ、第1のリファイニング本体部222の第1のリファイニング表面224および第2のリファイニング本体部232の第2のリファイニング表面234の一部分の平面図である。図1図13、および図14を参照すると、第1および第2のリファイニング本体部222、232は、本明細書で説明されているように、図1に示されているディスクリファイナー10などのようなパルプリファイナーの中で使用するためのリファイニング部材(たとえば、それぞれ、リファイニング部材20、30)の一部であることが可能である。第1および第2のリファイニング本体部222、232をそれぞれ含むリファイニング部材20、30のそれぞれは、メインサポートフレームと関連付けられ得、メインサポートフレームは、第1のハウジングセクション12に固定された固定サポートフレーム66と、可動サポートフレーム68とを含む。1つのリファイニング部材(たとえば、第1のリファイニング本体部222を含む第1のリファイニング部材20)は、リファイナー10のサポートフレーム66に固定され、非回転ステーター部材を画定することが可能である。別のリファイニング部材(たとえば、第2のリファイニング本体部232を含む第2のリファイニング部材30)は、サポート70に固定され得、サポート70は、シャフト72とともに回転し、メインサポートフレームに関連付けられているローターを画定し、ローターの回転が、第1のリファイニング部材20に対する第2のリファイニング部材30の移動を実現するようになっている。
【0093】
図13に示されているように、第1のリファイニング本体部222は、複数のセクション(別個にラベルを付されていない;図2および図3を参照)を含み、それらは、ボルト締めされているかまたはその他の方法で一緒に取り付けられ得、半径方向外側縁部227を含むディスク形状のリファイニング本体部222を形成している。第1のリファイニング表面224は、複数の細長い第1のリファイナーバー226を含み、複数の細長い第1のリファイナーバー226は、第1のリファイナー溝部228によって互いに分離されている。第1のリファイナーバー226は、半径方向内側の場所223から第1のリファイニング本体部222の半径方向外側縁部227に向けて半径方向外向きに延在している。第1のリファイナーバー226は、図13に示されているように、さまざまな角度で斜めになっていることが可能であり、リファイニング本体部222のそれぞれのセクションは、異なる方向に斜めになっているリファイナーバー226の1つまたは複数のセグメント(ラベルを付されていない)を含むことが可能である。第1のリファイニング本体部222は、第1のリファイナーバー226と第1のリファイニング本体部222の半径方向外側縁部227との間に位置付けされている歯400の1つまたは複数の環状の列またはリングをさらに含む。図13に示されていないが、第1のリファイニング本体部222の他のセクション(ラベルを付されていない)は、同様に、リファイナーバー226、リファイナー溝部228、および歯400を含むこととなるということが理解される。
【0094】
図14に示されているように、第2のリファイニング本体部232は、複数のセクション(別個にラベルを付されていない;図2および図3を参照)を含み、それらは、ボルト締めされているかまたはその他の方法で一緒に取り付けられ得、半径方向外側縁部237を含むディスク形状のリファイニング本体部232を形成している。第2のリファイニング表面234は、複数の細長い第2のリファイナーバー236を含み、複数の細長い第2のリファイナーバー236は、第2のリファイナー溝部238によって互いに分離されている。第2のリファイナーバー236は、半径方向内側の場所233から第2のリファイニング本体部232の半径方向外側縁部237に向けて半径方向外向きに延在している。第2のリファイナーバー236は、図14に示されているように、さまざまな角度で斜めになっていることが可能であり、リファイニング本体部232のそれぞれのセクションは、異なる方向に斜めになっているリファイナーバー236の1つまたは複数のセグメント(ラベルを付されていない)を含むことが可能である。第2のリファイニング本体部232は、第2のリファイナーバー236と第2のリファイニング本体部232の半径方向外側縁部237との間に位置付けされている歯400の1つまたは複数の環状の列またはリングをさらに含む。図14に示されていないが、第2のリファイニング本体部232の他のセクション(ラベルを付されていない)は、同様に、リファイナーバー236、リファイナー溝部238、および歯400を含むこととなるということが理解される。加えて、本明細書では詳細に議論されていないが、図1のそれぞれ第3および第4のリファイニング本体部42、52のリファイニング表面44、54の構造は、本明細書で説明されているように、それぞれ第1および第2のリファイニング本体部222、232のリファイニング表面224、234と実質的に同様の構造を含むことが可能である。
【0095】
図15および図16は、それぞれ、図13および図14の第1および第2のリファイニング表面224、234の1つの部分の詳細図である。図17は、第1のリファイナーバー226および歯400B、ならびに、第2のリファイナーバー236および歯400A、400Cの部分断面図であり、第1のリファイナーバー226および歯400Bは、図13および図15の第1のリファイニング本体部222の上に位置付けされ得、第2のリファイナーバー236および歯400A、400Cは、図14および図16の第2のリファイニング本体部232の上に位置付けされ得、第1のリファイニング本体部222は、第2のリファイニング本体部232から間隔を離して配置され、第2のリファイニング本体部232に隣接しておよび第2のリファイニング本体部232の真向かいに位置決めされており、それらの間にリファイニングスペース260を画定している。図15図17を参照すると、第1のリファイニング表面224は、第1のリファイナーバー226を含み、第1のリファイナーバー226は、第1のリファイナー溝部228によって互いに分離されており、第2のリファイニング表面234は、第2のリファイナーバー236を含み、第2のリファイナーバー236は、第2のリファイナー溝部238によって互いに分離されている。第1および第2のリファイニング表面224、234のうちの一方または両方は、ダム229、239を含むことが可能であり、ダム229、239は、本明細書で説明されているように、第1および第2のリファイナー溝部228、238の少なくとも一部分の中に設けられている。第1および第2のリファイナーバー226、236のそれぞれは、それぞれの第1および第2のリファイニング表面224、234の上で半径方向内向きの位置P100から第1の半径方向外向きの位置P200へ延在している。いくつかの例では、半径方向内向きの位置P100は、それぞれの半径方向内側の場所223、233におけるまたはその近くの位置を含むことが可能である(図13および図14を参照)。第1および第2のリファイナーバー226、236は、それぞれのリファイナーバー226、236の側縁部同士の間に延在する約2.0mm~約8.0mmの幅W226、W236をそれぞれ含むことが可能である。この範囲は、たとえば2.0mm、2.5mm、3.0mm、3.5mm、4.0mm、4.5mm、5.0mm、5.5mm、6.0mm、6.5mm、7.0mm、7.5mm、および8.0mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。
【0096】
第1のリファイニング表面224は、第1の歯400Bを含み、第1の歯400Bは、第1のリファイナーバー226の半径方向外側縁部RO226と第1のリファイニング本体部222の半径方向外側縁部227との間に位置付けされている。第1の歯400Bは、第1のリファイニング表面224の上の第3の半径方向外向きの位置(たとえば、P400)へ延在しており、第3の半径方向外向きの位置P400は、第1のリファイニングバー226の第1の半径方向外向きの位置P200よりも、第1のリファイニング本体部222の最も外側のパーツ(たとえば、半径方向外側縁部227)の近くにある。第2のリファイニング表面234は、第2の歯400A、400Cを含み、第2の歯400A、400Cは、第2のリファイナーバー236の半径方向外側縁部RO236と第2のリファイニング本体部232の半径方向外側縁部237との間に位置付けされている。第2の歯400A、400Cは、第2のリファイニング表面234の上の第2または第4の半径方向外向きの位置(たとえば、P300またはP500)へ延在しており、第2および第4の半径方向外向きの位置P300、P500は、第2のリファイニングバー236の第1の半径方向外向きの位置P200よりも、第2のリファイニング本体部232の最も外側のパーツ(たとえば、半径方向外側縁部237)よりも近くにある。
【0097】
引き続き図15図17を参照すると、歯400A~400Cは、同心円状のリングで配置され得、それぞれのリファイニング表面224、234から互いに向けて実質的に垂直方向に突出することが可能である。第1の歯400Bを含むリングは、第1の実質的に平面的なエリア282によって、第1のリファイナーバー226の半径方向外側縁部RO226から間隔を離して配置されており、また、第2の実質的に平面的なエリア284によって、リファイニング本体部222の半径方向外側縁部227から間隔を離して配置されている。第2の歯400Aを含むリングは、第1の実質的に平面的なエリア286によって、第2のリファイナーバー236の半径方向外側縁部RO236から間隔を離して配置されており、第2の実質的に平面的なエリア288によって、第2の歯400Cを含むリングから間隔を離して配置されている。図15図17に示されている実施形態では、第1のリファイニング本体部222の第1のリファイニング表面224は、第1の歯400Bの1つの同心円状の列/リングを含み、第2のリファイニング本体部232の第2のリファイニング表面234は、第2の歯400A、400Cの2つの同心円状の列/リングを含み、第1および第2の歯400A~400Cは、それぞれのリファイニング表面224、234の上に配置されており、第1の歯400Bが第2の歯400A、400Cと噛み合うようになっている。他の実施形態では(図示せず)、第1のリファイニング表面224は、歯の2つ以上の同心円状のリングを含むことが可能であり、第2のリファイニング表面234は、歯の1つの同心円状の列、または、歯の3つ以上の同心円状のリングを含むことが可能である。すべての実施形態では、リファイニング本体部のうちの一方は、他方のリファイニング本体部よりも1つ少ない歯のリングを含むこととなり、歯は、それぞれのリファイニング本体部の上に配置されており、一方のリファイニング本体部からの歯が、当技術分野で知られているように、他方のリファイニング本体部の歯と噛み合うようになっている。
【0098】
歯400A~400Cは、当技術分野で公知の任意の適切な形状および/または寸法を含むことが可能であるということが理解される。図17の中の歯400Aに関して図示されているように、いくつかの例では、第1および第2の歯400A~400Cのそれぞれは、実質的にピラミッド形のまたは台形の形状を含むことが可能であり、底面402、半径方向内向きに面する表面404、半径方向外向きに面する表面406、歯400Aの中心軸線(ラベルを付されていない)に向けて内向きにわずかに角度を付けられた側部(別個にラベルを付されていない)、および、概して平面的な外側表面408を備えている。それぞれの歯400A~400Cの半径方向内向きにおよび外向きに面する表面404、406は、底面402からそのそれぞれの外側表面408に向けて傾斜していることが可能である。それぞれの歯400A~400Cの外側表面408は、歯400A~400Cの反対側にあるそれぞれの実質的に平面的なエリア282、284、288の平面に対して実質的に平行であることが可能である。他の例では(図示せず)、第1および第2の歯400A~400Cのそれぞれは、一定の形状を含むことが可能であり、一定の形状は、実質的に三角形の形状、長方形の形状、または、任意の他の適切な幾何学的な形状である。図15図17に示されているように、歯400A~400Cの底面402は、円周方向の寸法よりも大きい半径方向の寸法を含むことが可能であるが、他の実施形態では(図示せず)、底面402は、円周方向の寸法よりも小さい半径方向の寸法を含むことが可能である。いくつかの場合において、歯400A~400Cの底面402の少なくとも一部分は、少なくとも0.6cmの長手方向の長さ(ラベルを付されていない)を(すなわち、半径方向に)含むことが可能であり、いくつかの特定の場合において、長手方向の長さは、0.6cm~約2cmを有することが可能である。他の場合において、歯400A~400Cの底面402の少なくとも一部分は、幅(ラベルを付されていない)を円周方向に含むことが可能であり、幅は、(たとえば、1つのリファイナーバー226、236のW226、W236、および、1つの隣接する溝部228、238の幅Wを)組み合わせられた幅に実質的に等しい。幅Wは、約2.0mm~約6.0mmにあることが可能である。この範囲は、たとえば2.0mm、2.5mm、3.0mm、3.5mm、4.0mm、4.5mm、5.0mm、5.5mm、および6.0mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。たとえば、歯400A~400Cの底面402は、円周方向に少なくとも10.0mm(±0.5mm)を有することが可能である。他の場合において、歯400A~400Cの底面402は、円周方向に10.0mm~20.0mm(±0.5mm)を有することが可能である。加えて、歯400A~400Cのうちの1つまたは複数の半径方向内向きにおよび外向きに面する表面404、406または側部のうちの1つまたは複数は、1つまたは複数の半径方向に延在する突起を含むことが可能であり、1つまたは複数の半径方向に延在する突起は、歯400A~400Cと木材繊維との相互作用に影響を与え、木材繊維束を分離することが可能である。歯400A~400Cは、米国特許第8,342,437B2号に図示されているものと同様の構造を有することが可能であり、その開示は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0099】
図17に示されているように、第1のリファイナーバー226は、隣接する第1のリファイナー溝部228のフロアF100から上向きに延在する第1の高さH100を含み、第2のリファイナーバー236は、隣接する第2のリファイナー溝部238のフロアF200から上向きに延在する第2の高さH200を含む。いくつかの例では、第1および第2のリファイナーバー226、236の第1と第2の高さH100、H200は、互いに実質的に等しいことが可能であり、4.0mm~10.0mm(±0.5mm)を含むことが可能である。この範囲は、たとえば4.0mm、4.5mm、5.0mm、5.5mm、6.0mm、6.5mm、7.0mm、7.5mm、8.0mm、8.5mm、9.0mm、9.5mm、および10.0mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。第1および第2のリファイニング本体部222、232は、第1のギャップG100によって間隔を離して配置されており、第1のギャップG100は、第1のリファイナーバー226の外側表面S226と第2のリファイナーバー226の外側表面S236との間に画定されている。第2のギャップG200は、歯400A~400Cの概して平面的な外側表面408と歯400A~400Cの反対側にある実質的に平面的なエリア282、284、288のそれぞれ1つとの間に画定されており、G200は、G100よりも大きいことが可能である。いくつかの例では、隣接するそれぞれの第1または第2のリファイナー溝部228、238から上向きに延在する歯400A~400Cの高さ(ラベルは付されていない)は、約8.0mm~約10.0mmであることが可能である。この範囲は、たとえば8.0mm、8.5mm、9.0mm、9.5mm、および10.0mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。図17に示されているように、歯400A~400Cは噛み合わせられており、それぞれの歯400A~400Cの半径方向内向きにまたは外向きに面する表面404、406のうちの一方または両方の一部分が、軸線方向に、たとえば、図1の中の矢印の方向に、隣接する歯400A~400Cの半径方向内向きにまたは外向きに面する表面404、406の一部分と重複するようになっている。歯400A~400Cの重複している部分は、第3のギャップG300によって間隔を離して配置され得、第3のギャップG300は、歯400A~400Cのそれぞれの半径方向内向きにまたは外向きに面する表面404、406の間に画定されている。いくつかの例では、G300は、G200に実質的に等しいことが可能である。他の例では、G300は、G200よりも小さいかまたはG200よりも大きいことが可能である。
【0100】
図1および図17を参照すると、木材パルプのスラリーがリファイナー10のフレーム(たとえば、入口部16)に供給されるときには、木材繊維が、たとえば、おおよそ第1の半径方向内向きの位置P100からおおよそ第1の半径方向外向きの位置P200へ第1および第2のリファイナー溝部228、238によって少なくとも部分的に画定されているリファイニングスペース260の部分の中へ通る。第1および第2のリファイナーバー226、226は、本明細書で説明されているように、互いに相互作用し、木材パルプの中のかなりの数の木材繊維をリファイニングする。第1のギャップG100は、リファイニングが起こるようにするために、0.9mm(±0.05mm)よりも小さくあるべきであり、好ましくは、0.2mm~0.9mm(±0.05mm)にあるべきであるということが考えられる。この範囲は、たとえば、0.2mm、0.25mm、0.3mm、0.35mm、0.4mm、0.45mm、0.5mm、0.55mm、0.6mm、0.65mm、0.7mm、0.75mm、0.8mm、0.85mm、および0.9mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。いくつかの例では、第1のギャップG100、0.1mm~0.5mm(±0.05mm)であることが可能である。この範囲は、たとえば0.1mm、0.15mm、0.2mm、0.25mm、0.3mm、0.35mm、0.4mm、0.45mm、および0.5mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。次いで、リファイニングされた木材繊維は、たとえば、おおよそ第1の半径方向外向きの位置P200からおおよそ第4の半径方向外向きの位置P500へそれぞれの第1および第2の実質的に平面的なエリア282、284、286、288によって少なくとも部分的に画定されているリファイニングスペース260の部分の中へ通る。デフレーキングが起こるようにするために、第2および第3のギャップG200およびG300、0.9mm~1.5mm(±0.05mm)であるべきであるということが考えられる。この範囲は、たとえば0.9mm、0.95mm、1.0mm、1.05mm、1.1mm、1.15mm、1.2mm、1.25mm、1.3mm、1.35mm、1.4mm、1.45mm、および1.5mmを含む、その間のすべての値と部分範囲とを含む。歯400A~400Cは、本明細書で説明されているように、木材パルプスラリーの中の複数の木材繊維束を分解または分離するように適合されている。G200は、G100よりも大きくなっており、おおよそ第1の半径方向外向きに第1の位置P200において、リファイニングが停止し、デフレーキングが始まるようになると考えられる。
【0101】
図1および図15図17を参照すると、リファイニング本体部222、232のリファイニング表面224、234、とりわけ、第1および第2のリファイナーバー226、236の外側表面S226、S226、および、歯400A~400Cの外側表面408は、時間の経過とともに摩耗および劣化する可能性がある。この摩耗を補償するために、それぞれ第1および第2のリファイニング本体部222、232を含む第1および第2のリファイニング部材20、30の間の間隔が、本明細書で説明されているように再調節され得、第1のギャップG100が実質的に一定のままであるようになっている。リファイナーバー226、236がより激しいリファイニングの機能を果たし、典型的に歯400A~400Cよりも速く摩耗するときに、第1および第2のリファイニング本体部222、232のこの調節は、第2のギャップG200が減少することを引き起こすことが可能である。摩耗のこの差は、歯400A~400Cの選択に織り込まれ得(たとえば、歯400A~400Cのために使用される金属のタイプ、第2のギャップG200の初期サイズ、歯400A~400Cの形状など)、それぞれの第1および第2の実質的に平面的なエリア282、284、286、288によって少なくとも部分的に画定されているリファイニングスペース260の部分に木材繊維が進入するときに、リファイニングが停止してデフレーキングが始まることを保証するために、十分な第2のギャップG200が維持され得るようになっている。リファイニング本体部222、232が新しいときには、第3のギャップG300は、第2のギャップG200に実質的に等しいかまたは第2のギャップG200よりも大きいことが可能である。リファイニング表面224、234が摩耗し、リファイニング部材20、30が互いにより近くに移動されるとき、第3のギャップG300が第2のギャップG200よりも小さくなるまで、第3のギャップG300は減少することが可能である。
【0102】
本明細書で説明されているすべての実施形態において、図1のリファイナー10は、コントローラー(図示せず)に連結され得、コントローラーは、たとえば、繊維束の数、サイズなど(「Wide Shives」とも称される)、フィブリル化、カナダ標準濾水度、繊維長さ、繊維幅、キンク、カール、粗さ、ファインの数(number of fines)など、リファイナー10の下流の1つまたは複数の場所において測定される1つまたは複数の繊維特性に関して、繊維分析器(たとえば、Valmet(登録商標)MAPパルプ分析器(Valmet Corp.))からのデータを受け取る。このデータに基づいて、コントローラーは、フィードバックループの一部としてリファイナー10の動作を制御することが可能である。たとえば、コントローラーは、所定のターゲット範囲の中に1つまたは複数の繊維特性を維持するために、1つまたは複数の対のリファイニング部材20、30、40、50の間の間隔を調節することが可能である。いくつかの例では、コントローラーは、また、このデータに基づいて、リファイナー10の1つまたは複数の回転ローター部材(たとえば、第2および第3のリファイニング部材30、40)の回転速度を増加または減少させることが可能であるということが考えられる。他の例では、コントローラーは、たとえば、リファイニングギャップG、G100およびデフレーキングギャップG、G、G、G、G、G200、G300のサイズを変化させることなどによって、リファイナー10の動作を制御し、特定のサイズ(たとえば、約150~2,000ミクロンの幅、および、0.3mm~40.0mmの長さ)の繊維束の所定の数(たとえば、1,000ppm)よりも小さいリファイニングされた軟木材パルプを発生させることが可能である。
【0103】
他の例では、本開示によるリファイニング部材20、30、40、50は、直列に配置されている複数のリファイナーのうちの1つまたは複数の中に据え付けられ得、それぞれのリファイナーは、図1のリファイナー10と実質的に同様であることが可能である。コントローラーは、所定のターゲット範囲の中に1つまたは複数の繊維特性を維持するために、複数のリファイナーのうちの1つまたは複数の動作を制御することが可能である。いくつかの特定の例では、本開示によるリファイニング部材20、30、40、50は、一連の最後のリファイナーの中にだけ据え付けられ得、他の例では、本開示によるリファイニング部材20、30、40、50は、リファイナーのうちの2つ以上の中に据え付けられ得る。
【0104】
図18は、木材繊維を処理するための例示的な方法を図示するフローチャートである。図1の中のリファイナー10のコンポーネントが参照されるが、方法は、この構造にのみ限定されるわけではないということが理解される。方法は、ステップ500において、少なくとも第1の対のリファイニング部材20および30、40および50を含むリファイナー10を設けることによって開始することが可能である。少なくとも1つの対のリファイニング部材は、第1のリファイニング表面24を含む第1のリファイニング本体部22を含む第1のリファイニング部材20と、第2のリファイニング表面34を含む第2のリファイニング本体部32を含む第2のリファイニング部材30とを含むことが可能である。第1のリファイニング表面24は、第1のリファイナー溝部28Aによって分離されている第1のリファイナーバー26Aと、第2のリファイナー溝部28Bによって分離されている第2のリファイナーバー26Bとを含むことが可能であり、第1のリファイナーバー26Aは、隣接する第1のリファイナー溝部28AのフロアFから上向きに延在する第1の最大高さHを有しており、第2のリファイナーバー26Bは、隣接する第2のリファイナー溝部28BのフロアFから上向きに延在する第2の最大高さHを有している。第2のリファイニング表面34は、第2の部材リファイナー溝部38によって分離されている第2の部材リファイナーバー36を含むことが可能である。第1のリファイニング部材20は、第2のリファイニング部材30から間隔を置いて配置され、それらの間にリファイニングスペース60を画定することが可能である。第2の部材リファイナーバー36の少なくとも一部分は、第1のリファイニング部材20の第2のリファイナーバー26Bの真向かいになるように位置決めされ得、第2の部材リファイナーバー36の一部分と第2のリファイナーバー26Bとの間のギャップG、G、G、G、Gが画定されるようになっている。
【0105】
方法は、ステップ510において、第1および第2のリファイニング部材20、30が互いに対して移動するように、第1のリファイニング部材20または第2のリファイニング部材30のうちの少なくとも1つを回転させ、また、ステップ520において、スラリーがリファイニングスペース60を通過するように、木材繊維を含む木材パルプのスラリーをリファイナー10に供給することを継続することが可能である。ステップ530で、本明細書で詳細に説明されているように、第2の部材リファイナーバー36の一部分と第2のリファイナーバー26Bとの間のギャップG、G、G、G、Gが約0.9mm~約1.5mmであるようにスラリーが供給されるときに軸線方向の圧力が第1のリファイニング部材20または第2のリファイニング部材30の少なくとも1つに供給されることが可能であり、その際、ギャップG、G、G、G、Gを通過する木材繊維束の少なくとも一部分が分離され、その後に、方法が終了することが可能である。
【0106】
図20は、木材繊維を処理するための別の例示的な方法を示すフローチャートである。図1のリファイナー10のコンポーネントを参照するが、この方法はこの構造にのみ限定されるわけではないことが理解されるべきである。たとえば、リファイナーは円錐形状のリファイナーを含み得る。この方法はステップ600で、少なくとも第1の対のリファイニング部材20および30、40および50を含むリファイナー10を設けることから開始することが可能である。少なくとも1対のリファイニング部材は、第1のリファイニング表面を含む第1のリファイニング本体部を含む第1のリファイニング部材20を含むことが可能である。第1のリファイニング表面は、第1のリファイナー溝部によって分離された第1のリファイナーバー、たとえば図6A図6B図19Aおよび図19Bのリファイナーバー26A、26A’、1026A、1026A’と、第2のリファイナー溝部によって分離された第2のリファイナーバー、たとえば図6A図6B図19Aおよび図19Bのリファイナーバー26B、26B’、1026B、1026B’を含むことが可能であり、第1のリファイナーバーは、隣接する第1のリファイナー溝部のフロアから上向きに延在する第1の高さを有し、第2のリファイナーバーは、隣接する第2のリファイナー溝部のフロアから上向きに延在する第2の高さを有する。その少なくとも1対のリファイニング部材は、第2のリファイニング表面を含む第2のリファイニング本体部を含む第2のリファイニング部材30をさらに含むことが可能である。第2のリファイニング表面は、第2の部材リファイナー溝部によって分離された第2の部材リファイナーバー、たとえば図6A図6B図19Aおよび図19Bのリファイナーバー36、36’、1036、1036’を含むことが可能である。第1のリファイニング部材20は、第2のリファイニング部材30から間隔を置いて配置され、それらの間にリファイニングスペース60を画定することが可能である。第2の部材リファイナーバーの少なくとも一部分が、第2の部材リファイナーバーのその一部分と第2のリファイナーバーとの間にギャップを画定するように第1のリファイニング部材の第2のリファイナーバーの真向かいになるように位置決めされることが可能である。
【0107】
この方法は、ステップ610で、第1および第2のリファイニング部材20、30が互いに対して移動するように、第1のリファイニング部材20または第2のリファイニング部材30のうちの少なくとも1つを回転させることを継続することが可能であり、また、ステップ620において、スラリーがリファイニングスペース60を通過するように、木材繊維を含む木材パルプのスラリーをリファイナー10に供給する。ステップ630で、スラリーが供給されるときに第1のリファイニング部材20または第2のリファイニング部材30のうちの少なくとも1つに軸線方向の圧力が供給されることが可能であり、その際、ギャップを通過する木材繊維束の少なくとも一部分が分離され、その後に、方法が終了することが可能である。第2の部材リファイナーバーの一部分と第2のリファイナーバーとの間に画定されるギャップは、第2のリファイナーバーの少なくとも1つのセクションに沿って第1のリファイニング表面上の第1の半径方向内向きの位置から第1の半径方向外向きの位置に向けて延在する方向に増大することが可能である。
【0108】
本発明の特定の実施形態が図示されて説明されてきたが、さまざまな変更および修正が、本発明の精神および範囲から逸脱することなくなされ得るということが理解されるべきである。したがって、添付の特許請求の範囲の中において、本発明の範囲内にあるすべてのそのような変形例および修正例をカバーすることが意図されている。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19A
図19B
図20