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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】短靴下
(51)【国際特許分類】
   A41B 11/00 20060101AFI20240502BHJP
【FI】
A41B11/00 B
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2022071932
(22)【出願日】2022-04-25
(65)【公開番号】P2023161495
(43)【公開日】2023-11-07
【審査請求日】2023-09-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】399046924
【氏名又は名称】西垣靴下株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130144
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健壱
(72)【発明者】
【氏名】西垣 和俊
【審査官】原田 愛子
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-050424(JP,A)
【文献】韓国公開実用新案第20-2017-0003643(KR,U)
【文献】韓国公開特許第10-2022-0020043(KR,A)
【文献】特開2021-095665(JP,A)
【文献】特開2022-011851(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41B 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
略踝部上部までの丈を有する短靴下であって、
ゴム糸が編み込まれて編成され、装着者の足を挿入するための装着時に略踝部上部の足首に位置する履き口の全周に亘って設けられた口ゴム部と、
該口ゴム部より伸縮率が低く編成され、該口ゴム部の横断面の前後方向略中央断面より後方で、該口ゴム部の略上端から略下端までの高さで、該口ゴム部の周方向に沿って上辺が短く下辺が長い略台形形状で形成された口ゴム後部締付部と、
前記口ゴム部より伸縮率が低く編成され、該口ゴム部の横断面の前後方向略中央断面より後方で、装着時の踵骨の略後端と該口ゴム部の間を介して左右周方向に沿って前記口ゴム後部締付部より横長さが長く、上辺が該口ゴム後部締付部の下辺と略同一長さで、下辺が上辺より長い略台形形状で形成された口ゴム後方下部締付部と、を有し、
前記口ゴム後部締付部と前記口ゴム後方下部締付部は、該口ゴム後部締付部の上辺が短く下辺が長い略台形形状で形成され、該口ゴム後方下部締付部の上辺が該口ゴム後部締付部の下辺と略同一長さで、下辺が上辺より長い略台形形状で形成されているので、下方の伸縮力が小さくなることによりずり落ちにくくすることができるとともに、該口ゴム後部締付部および口ゴム後方下部締付部を上辺が下辺より短い台形形状で形成させているので、上辺と下辺が同じ長さの形状で形成させているのと比較して、上方の伸縮力が下方の伸縮率より大きくなることにより、装着する際に履き口を広げやすく履きやすいことを特徴とする短靴下。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、略踝部上部までの丈を有する短靴下に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、足首までの丈を有する短靴下が知られている。この種の短靴下101として、足首部103から口ゴム端102までの脚部104を締付組織とし、その編糸として引き揃えの表糸と弾性を有する添え糸と挿入する弾性糸との3本を使用し、そして、締付組織をリブ編、添え糸編、挿入編、タック編の組合せ組織とすることにより、ずり落ちが完全に防止されるというものがあった(図8参照)。ここで、図8は従来の短靴下を裏返した状態を示す平面図である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3046511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の靴下101では、足首部103から口ゴム端102までの脚部104の上部全体を締付組織としているため、ずり落ちは完全に防止されることができるが、弾性糸(ゴム糸など)を使用している足首部103から口ゴム端102までの締付組織部分が足首やふくらはぎに食い込むことにより、足首やふくらはぎにゴムの締め付け跡が付くとともに、痛みや痒み等不快感を与えるという問題があった。また、靴下を履く際には、履き口を広げる必要があるが、足首部103から口ゴム端102までを締付組織としているため、弾性糸(ゴム糸など)により締め付けられている口ゴム端102を拡開するためには強い力で強力に広げなくてはならず、履き難いという問題もあった。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、ずり落ちにくくすることができるとともに、十分な履きやすさを有する短靴下を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決し上記目的を達成するために、本発明のうち第1の態様に係るものは、略踝部上部までの丈を有する短靴下であって、ゴム糸が編み込まれて編成され、装着者の足を挿入するための装着時に略踝部上部の足首に位置する履き口の全周に亘って設けられた口ゴム部と、口ゴム部より伸縮率が低く編成され、口ゴム部の横断面の前後方向略中央断面より後方で、口ゴム部の略上端から略下端までの高さで、口ゴム部の周方向に沿って上辺が短く下辺が長い略台形形状で形成された口ゴム後部締付部と、口ゴム部より伸縮率が低く編成され、口ゴム部の横断面の前後方向略中央断面より後方で、装着時の踵骨の略後端と口ゴム部の間を介して左右周方向に沿って口ゴム後部締付部より横長さが長く、上辺が口ゴム後部締付部の下辺と略同一長さで、下辺が上辺より長い略台形形状で形成された口ゴム後方下部締付部と、を有し、口ゴム後部締付部と口ゴム後方下部締付部は、口ゴム後部締付部の上辺が短く下辺が長い略台形形状で形成され、口ゴム後方下部締付部の上辺が口ゴム後部締付部の下辺と略同一長さで、下辺が上辺より長い略台形形状で形成されているので、下方の伸縮力が小さくなることによりずり落ちにくくすることができるとともに、口ゴム後部締付部および口ゴム後方下部締付部を上辺が下辺より短い台形形状で形成させているので、上辺と下辺が同じ長さの形状で形成させているのと比較して、上方の伸縮力が下方の伸縮率より大きくなることにより、装着する際に履き口を広げやすく履きやすいことを特徴とするものである
【0007】
本発明によれば、口ゴム部より伸縮率が低く編成され、口ゴム部の横断面の前後方向略中央断面より後方で、装着時の踵骨の略後端と口ゴム部の間を介して左右周方向に沿って口ゴム後部締付部より横長さが長く形成された口ゴム後方下部締付部をさらに有しているので、踵骨の略後端と口ゴム部の間を介して左右周方向に沿って形成された口ゴム後方下部締付部により締め付けられることによりさらにずり落ちにくくすることができるとともに、口ゴム後方下部締付部が口ゴム部の横断面の前後方向略中央断面より後方のみに形成されているので、短靴下を履く際に履き口を十分に広げることができ、十分な履きやすさを有することができる。さらに、口ゴム後部締付部の上辺が短く下辺が長い略台形形状で形成され、口ゴム後方下部締付部の上辺が口ゴム後部締付部の下辺と略同一長さで、下辺が上辺より長い略台形形状で形成されているので、下辺の長さが大きい略台形形状の口ゴム後部締付部および口ゴム後方下部締付部の伸縮力によりさらにずり落ちにくくすることができるとともに、上辺の長さが小さい略台形形状の口ゴム後部締付部および口ゴム後方下部締付部により十分な履きやすさを有することができる
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ずり落ちにくくすることができるとともに、十分な履きやすさを有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態における短靴下の上面図である。
図2】同短靴下の下面図である。
図3】同短靴下の外側面図である。
図4】同短靴下の内側面図である。
図5】同短靴下が使用者により装着され内部骨が表示された外側面図である。
図6】同短靴下が使用者により装着され内部骨が表示された外側後方斜視図である。
図7】同短靴下が使用者により装着され内部骨が表示された内側後方斜視図である。
図8】従来の短靴下を裏返した状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の短靴下の一実施形態について図面を参照にしながら説明する。ここで、図1は本発明の一実施形態における短靴下の上面図であり、図2は同短靴下の下面図であり、図3は同短靴下の外側面図であり、図4は同短靴下の内側面図である。
【0017】
図1図4に示すように、短靴下1は、踝部6上部までの丈を有する靴下(図5図7参照)であって、口ゴム部2と、口ゴム後部締付部3と、口ゴム後方下部締付部4を有している。ここで、「踝部6上部までの丈を有する靴下」とは、丈の長さが踝部6上部を超えない靴下であり、踝部6上部以下の丈を有する靴下と同意である。一般的な短靴下は、丈が踝部6上部までしかないので、装着者が歩行や激しいスポーツなどを行なうことにより、短靴下の踵部7付近は足先方向に引っ張られてずれてしまいやすくなるが、短靴下1は、後述するとおり、口ゴム後部締付部3が短靴下1の口ゴム部2後方で短靴下1の踵部7付近が足先方向に引っ張られてずり落ちてしまうことを阻止するように作用するので、口ゴム後部締付部3の伸縮力により短靴下1がずり落ちにくくすることができる。これについては、具体的に後述する。なお、本実施形態では、踝部6上部までの丈を有する短靴下1(図5~図7参照)を用いたが、これに限らず、略踝部6上部までの丈を有する短靴下(図5~図7参照)や、略足首までの丈を有する短靴下を用いてもよい。ここで、「略踝部6上部までの丈を有する短靴下」とは、丈の長さが踝部6上部を少し超える靴下を含む短靴下のことである。また、本実施形態の短靴下1は、親指を収納する親指袋8aと他の4本指を収納する4本指袋8bからなる指袋8を有する足袋型の短靴下を用いたが、これに限らず、5本指をそれぞれ別々に収納する指袋を有する短靴下であってもよい。
【0018】
口ゴム部2は、ゴム糸が織り込まれて編成され、装着者の足を挿入するための履き口5の全周に亘って設けられている。ここで、「履き口5の全周に亘って設けられている」とは、履き口5の全周に設けられているものに限らず、履き口5の全周の範囲に設けられていれば、履き口5の一部に設けられていない部分があってもよい。この口ゴム部2は、丸編機を用いて、ゴム編みを行ないつつ、ゴム糸を複数コース挿入する流し込みによって形成される。そして、口ゴム部2の丈及びゴム糸のコース数は適宜に設定することができ、例えば4~10mm程度の丈にゴム糸を3~10コース程度挿入することもできる。この口ゴム部2は、編地が折り返されて二重になった袋編で形成されている。なお、本実施形態では、口ゴム部2を、丸編機を用いて、ゴム編みを行ないつつ、ゴム糸を複数コース挿入する流し込みによって形成させたが、これに限らず、口ゴム部2をゴム糸を横糸として挿入したリブ編み、平編みまたはメリヤス編みにより形成させてもよい。また、本実施形態では、口ゴム部2を二重になった袋編のものとしたが、これに限らず、編地が一重になったものとしてもよい。
【0019】
口ゴム後部締付部3は、口ゴム部2より伸縮率が低く編成され、その口ゴム部2の横断面の前後方向中央断面より後方で、口ゴム部2の周方向に沿って形成されている。ここで、「口ゴム部2の横断面の前後方向中央断面」とは、「口ゴム部2(中空形状)の横断面の前後方向中央部分の縦方向断面である。これは、短靴下1(口ゴム部2)の左右を中央方向に山型に折り曲げた口ゴム部2の横断面の前後方向中央部分の縦方向断面であると同じである。ここで、「口ゴム部2の横断面の前後方向中央部分の縦方向断面」の「縦方向断面」は、短靴下1が装着され履き口5が地面と略平行になった状態での「縦方向断面」である。このように、口ゴム後部締付部3は、口ゴム部2の横断面の前後方向中央部分の縦方向断面の後方に形成されている。すなわち、口ゴム後部締付部3は、口ゴム部2の後方側に設けられている。また、口ゴム後部締付部3は、口ゴム部2に重ね合わされながら編成されている。具体的には、口ゴム後部締付部3は、カットボス編み(テーピング編み)により編成されることにより、口ゴム部2より伸縮率が低く編成され、また、上辺が下辺より短い略台形形状で形成されている。このように、口ゴム後部締付部3が口ゴム部2の横断面の前後方向中央断面より後方の範囲内で、口ゴム部2の伸縮率より低く編成されていることによりずり落ちにくくすることができるとともに、口ゴム後部締付部3が口ゴム部2の横断面の前後方向中央断面より後方、すなわち、略外側踝部6a後端部および略内側踝部6b後端部より後方付近に形成されているので、短靴下1を履く際に履き口5を十分に広げることができ十分な履きやすさを有することができる。ここで、「カットボス編み」とは、地糸の上に別の糸を重ねて編成する場合に、地糸からなる編地の部分的な領域に別の糸を編みこんで編成することであり、本実施形態では、地糸の上にナイロン糸を重ねて編成する場合に、地糸からなる編地の部分的な領域にナイロン糸を編みこんで編成されている。このように、「カットボス編み」を用いることにより、カットボス編みで編まれた部分の伸縮率を低くし締め付け力を向上させることができる。また、口ゴム後部締付部3は、口ゴム部2の上端から下端までの高さで形成されているので、短靴下1をずれ落ちにくくするための十分な高さを有することにより、さらにずり落ちにくくすることができる。なお、本実施形態では、口ゴム後部締付部3を口ゴム部2の上端から下端までの高さで形成させたが、これに限らず、口ゴム部2の略上端から略下端までの高さで形成させてもよく、さらに、口ゴム部2の上端から下端の高さ方向の一部(略中央部など)に形成させてもよい。また、本実施形態では、口ゴム後部締付部3を口ゴム部2の横断面の前後方向中央断面より後方に形成させたが、これに限らず、口ゴム部2の横断面の前後方向略中央断面より後方に形成させてもよく、また、略外側踝部6a(前端部、前後方向中間部、後端部など)および略内側踝部6b(前端部、前後方向中間部、後端部など)より後方に形成させてもよい。また、本実施形態では、口ゴム後部締付部3をカットボス編みにより編成されたが、これに限らず、タック編みにより編成してもよい。このように、口ゴム後部締付部3をタック編みにより編成させることによっても、口ゴム部2を大きな締付力で締め付けることができる。ここで、「タック編み」とは、生地を編成する際に、ある編み目を作らないで、次のコースを編むときに一緒に編み目を作るもので、編針から編み目を脱出させないようにすることにより、編針のフック又は針幹の前の編み目とともに保持し、例えば次の給糸により編み目を形成する時に同時に複数の編み目をくぐって編み糸を引き出して新しい編み目を作る編み方である。
【0020】
口ゴム後方下部締付部4は、口ゴム部2より伸縮率が低く編成され、その口ゴム部2の横断面の前後方向中央断面より後方で、装着時の踵骨9(図5参照)の後端と口ゴム部2の間を介して左右周方向に沿って口ゴム後部締付部3より横長さが長く形成されている。このように、口ゴム後方下部締付部4は、口ゴム部2より下部に設けられ、口ゴム部2の横断面の前後方向中央部分の縦方向断面の後方に形成されている。すなわち、口ゴム後方下部締付部4は、口ゴム部2の後方側の口ゴム部2より下部に形成されている。具体的には、口ゴム後方下部締付部4は、カットボス編み(テーピング編み)により編成されることにより口ゴム部2より伸縮率が低く編成され、また、上辺が口ゴム後部締付部3の下辺と同一長さで、下辺が上辺より長い略台形形状で形成されている。このように、口ゴム後方下部締付部4が口ゴム部2の横断面の前後方向中央断面より後方の範囲内で、口ゴム部2の伸縮率より低く編成されていることにより、口ゴム後部締付部3を補強して、さらにずり落ちにくくすることができるとともに、口ゴム後方下部締付部4が口ゴム部2の横断面の前後方向中央断面より後方に形成されているので、短靴下1を履く際に履き口5を十分に広げることができ十分な履きやすさを有することができる。なお、本実施形態では、口ゴム後方下部締付部4を口ゴム部2の横断面の前後方向中央断面より後方に形成させたが、これに限らず、口ゴム部2の横断面の前後方向略中央断面より後方に形成させてもよい。また、本実施形態では、口ゴム後方下部締付部4を装着時の踵骨9の後端と口ゴム部2の間を介して左右周方向に沿って形成させたが、これに限らず、装着時の踵骨9の略後端と口ゴム部2の間を介して左右周方向に沿って形成させてもよい。また、口ゴム後方下部締付部4の上辺を口ゴム後部締付部3の下辺と同一長さで形成させたが、これに限らず、口ゴム後方下部締付部4の上辺を口ゴム後部締付部3の下辺と略同一長さで形成させてもよく、他の長さにより形成させてもよい。また、本実施形態では、口ゴム後方下部締付部4をカットボス編みにより編成されたが、これに限らず、タック編みにより編成してもよい。このように、口ゴム後方下部締付部4をタック編みにより編成させることによっても、口ゴム部2を大きな締付力で締め付けることができる。
【0021】
次に、使用者が短靴下1を装着した場合に、短靴下1の「口ゴム部2に設けられた口ゴム後部締付部3」と「口ゴム部2下部に設けられた口ゴム後方下部締付部4」により、ずり落ちにくくなる作用の状況、および十分な履きやすさを有することについて、図5図7を参照にして説明する。ここで、図5は本発明の一実施形態における短靴下が使用者により装着され内部骨が表示された外側面図であり、図6は同短靴下が使用者により装着され内部骨が表示された外側後方斜視図であり、図7は同短靴下が使用者により装着され内部骨が表示された内側後方斜視図である。
【0022】
短靴下1は、上述したように、ゴム糸が織り込まれて編成され、履き口の全周に亘って設けられた口ゴム部2と、口ゴム部2の横断面の前後方向中央断面より後方に形成された口ゴム後部締付部3を有している。そして、口ゴム部2のゴム糸の伸縮力により、短靴下1を適度にずり落ちにくくすることができる。しかしながら、歩行時や激しいスポーツを行なうと、短靴下1の踵部7付近が足先方向に引っ張られてずり落ちてしまうことが多くあるが、口ゴム部2の横断面の前後方向中央断面より後方に形成された口ゴム後部締付部3は、短靴下1の口ゴム部2後方で短靴下1の踵部7付近が足先方向に引っ張られてずり落ちてしまうことを阻止するように作用するので、口ゴム部2より伸縮率が低く編成された口ゴム後部締付部3の伸縮力により短靴下1がずり落ちにくくすることができるとともに、口ゴム後部締付部3が口ゴム部2の横断面の前後方向中央断面より後方、すなわち、口ゴム部2の略外側踝部6a後端部および略内側踝部6b後端部より後方付近に設けられているので、履き口5の開口部も強い締付力で締め付けられず、短靴下1を履く際に履き口5を十分に広げることができ十分な履きやすさを有することができる。さらに、口ゴム後部締付部3は、口ゴム部2の上端から下端までの高さで形成されているので、口ゴム部2の伸縮率より低く編成された口ゴム後部締付部3が、靴下をずれ落ちにくくするための十分な高さを有することによりさらにずり落ちにくくすることができる。
【0023】
また、短靴下1には、上述したように、口ゴム部2の横断面の前後方向中央断面より後方で、その口ゴム部2の周方向に沿って形成された口ゴム後部締付部3が設けられているとともに、口ゴム部2の横断面の前後方向中央断面より後方で、装着時の踵骨9(図5参照)の後端と口ゴム部2の間から左右周方向に沿って口ゴム後部締付部3より横長さが長く形成された口ゴム後方下部締付部4を有している。そして、この口ゴム部2の横断面の前後方向中央断面より後方に形成された口ゴム後方下部締付部4は、口ゴム部2より伸縮率が低く編成された口ゴム後部締付部3とともに短靴下1の口ゴム部2後方で、短靴下1の踵部7付近が足先方向に引っ張られてずり落ちてしまうことを阻止するように作用するので、口ゴム後部締付部3とともに口ゴム後方下部締付部4の伸縮力により短靴下1がさらにずり落ちにくくすることができるとともに、口ゴム後方下部締付部4が口ゴム部2の横断面の前後方向中央断面より後方のみに設けられているので、履き口5の開口部も強い締付力で締め付けられず、短靴下1を履く際に履き口5を十分に広げることができ十分な履きやすさを有することができる。
【0024】
さらに、口ゴム後部締付部3が上辺が短く下辺が長い台形形状で形成され、口ゴム後方下部締付部4の上辺が口ゴム後部締付部3の下辺と同一長さで、下辺が上辺より長い台形形状で形成されている。そして、口ゴム後部締付部3および口ゴム後方下部締付部4の下辺が上辺より長い台形形状で形成しているので、下方の伸縮力が小さくなることによりさらにずり落ちにくくすることができる。また、口ゴム後部締付部3および口ゴム後方下部締付部4を上辺が下辺より短い台形形状で形成しているので、上方の伸縮力が下方の伸縮率より大きくなることにより十分な履きやすさを有することができる。
【0025】
以上の開示した実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0026】
1 短靴下
2 口ゴム部
3 口ゴム後部締付部
4 口ゴム後方下部締付部
5 履き口
6 踝部
6a 外側踝部
6b 内側踝部
7 踵部
8 指袋
8a 親指袋
8b 4本指袋
9 踵骨
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8