(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】癌のための併用療法
(51)【国際特許分類】
A61K 39/395 20060101AFI20240502BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240502BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240502BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20240502BHJP
A61K 47/04 20060101ALI20240502BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20240502BHJP
A61K 47/18 20170101ALI20240502BHJP
A61K 47/22 20060101ALI20240502BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20240502BHJP
C12N 15/13 20060101ALI20240502BHJP
C07K 16/28 20060101ALI20240502BHJP
【FI】
A61K39/395 N ZNA
A61P35/00
A61P43/00 121
A61K9/08
A61K47/04
A61K47/12
A61K47/18
A61K47/22
A61K47/26
C12N15/13
C07K16/28
(21)【出願番号】P 2022147624
(22)【出願日】2022-09-16
(62)【分割の表示】P 2020074575の分割
【原出願日】2017-09-07
【審査請求日】2022-10-14
(32)【優先日】2016-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508188662
【氏名又は名称】イムクローン・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Imclone LLC
(73)【特許権者】
【識別番号】522423765
【氏名又は名称】メルク・シャープ・アンド・ドーム・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】MERCK SHARP & DOHME LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100122301
【氏名又は名称】冨田 憲史
(74)【代理人】
【識別番号】100157956
【氏名又は名称】稲井 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100170520
【氏名又は名称】笹倉 真奈美
(72)【発明者】
【氏名】マチェイ・ヴォイチェフ・ギル
(72)【発明者】
【氏名】ラファエル・クーレク
【審査官】渡邉 潤也
(56)【参考文献】
【文献】特許第6695003(JP,B2)
【文献】OncoTargets and Therapy,2016年08月31日,9,pp.5427-5437
【文献】Expert Rev Anticancer Ther.,2015年12月10日,2016,16(1),pp.13-20
【文献】Ann Transl Med.,2016年06月,4(11),215,pp.1-9
【文献】OncoTargets and Therapy,2016年09月23日,9,pp.5855-5866
【文献】History of Changes for Study: NCT02451930,ClinicalTrials.gov archive[online](retrieved on 2019 Dec 5),2016年09月22日,version 21,retrieved from the Internet<URL:https://clinicaltrials.gov/ct2/history/NCT02451930?V_21=View>
【文献】"PORTRAZZA(necitumumab) injection, for intravenous use"の添付文書,Eli Lilly and Company,2015年11月
【文献】"KEYTRUDA(R)(pembrolizumab) for injection, for intravenous use"の添付文書,Merck Sharp & Dohme Corp.,2016年08月
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の非小細胞肺癌の治療において、抗体2と同時に、別々に、または順次組み合わせて使用するための、抗体1を含む組成物であって、抗体1は2本の重鎖および2本の軽鎖を含み、前記重鎖は配列番号1のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域(HCVR)を含み、前記軽鎖は配列番号2のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域(LCVR)を含み、抗体2は2本の重鎖および2本の軽鎖を含み、前記重鎖は配列番号5のアミノ酸配列を有するHCVRを含み、前記軽鎖は配列番号6のアミノ酸配列を有するLCVRを含み、抗体1は400mg~800mgの用量で投与され、抗体2は200mgの用量で投与され
、前記非小細胞肺癌の組織がPD-L1のタンパク質発現レベルを有し、前記PD-L1の発現が部分的または完全な膜染色を示す生存腫瘍細胞の1~49%である、非小細胞肺癌を治療するための組成物。
【請求項2】
抗体1が800mgの用量で投与される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
抗体1が各3週間サイクルの1日目および8日目に800mgの用量で投与される、請求項1~2のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項4】
抗体2が各3週間サイクルの1日目に200mgの用量で投与される、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記非小細胞肺癌が非扁平上皮性である、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記非小細胞肺癌が扁平上皮性である、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
患者の非小細胞肺癌の治療のために、抗体1と同時に、別々に、または順次組み合わせて使用するための、抗体2を含む組成物であって、抗体1は2本の重鎖および2本の軽鎖を含み、前記重鎖は配列番号1のアミノ酸配列を有するHCVRを含み、前記軽鎖は配列番号2のアミノ酸配列を有するLCVRを含み、抗体2は2本の重鎖および2本の軽鎖を含み、前記重鎖は配列番号5のアミノ酸配列を有するHCVRを含み、前記軽鎖は配列番号6のアミノ酸配列を有するLCVRを含み、抗体2は200mgの用量で投与され、抗体1は400mg~800mgの用量で投与され
、前記非小細胞肺癌の組織がPD-L1のタンパク質発現レベルを有し、前記PD-L1の発現が部分的または完全な膜染色を示す生存腫瘍細胞の1~49%である、非小細胞肺癌を治療するための組成物。
【請求項8】
抗体1が800mgの用量で投与される、請求項
7に記載の組成物。
【請求項9】
各3週間サイクルの1日目に抗体2が200mgの用量で投与され、各3週間サイクルの1日目および8日目に抗体1が800mgの用量で投与される、請求項
7~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記非小細胞肺癌が非扁平上皮性である、請求項
7~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記非小細胞肺癌が扁平上皮性である、請求項
7~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
患者の非小細胞肺癌の治療において、抗体2と同時に、別々に、または順次組み合わせて使用するための、抗体1を含む組成物であって、PD-L1のタンパク質発現レベルについて前記患者の腫瘍組織のサンプルをインビトロアッセイし、前記PD-L1の発現が部分的または完全な膜染色を示す生存腫瘍細胞の
1~49%である場合に使用される、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
患者の非小細胞肺癌の治療において、抗体1と同時に、別々に、または順次組み合わせて使用するための、抗体2を含む組成物であって、PD-L1のタンパク質発現レベルについて前記患者の腫瘍組織のサンプルをインビトロアッセイし、前記PD-L1の発現が部分的または完全な膜染色を示す生存腫瘍細胞の
1~49%である場合に使用される、請求項
7~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
有効量の抗体2と組み合わせて使用するための、患者の非小細胞肺癌を治療するための有効量の抗体1を含む組成物であって、抗体1は2本の重鎖および2本の軽鎖を含み、前記重鎖は配列番号1のアミノ酸配列を有するHCVRを含み、前記軽鎖は配列番号2のアミノ酸配列を有するLCVRを含み、抗体1の用量は800mgであり、抗体2は2本の重鎖および2本の軽鎖を含み、前記重鎖は配列番号5のアミノ酸配列を有するHCVRを含み、前記軽鎖は配列番号6のアミノ酸配列を有するLCVRを含み、抗体2の用量は200mgであり、但し、前記患者から採取した腫瘍組織サンプル中のPD-L1のタンパク質発現レベルを測定し、前記PD-L1発現が部分的または完全な膜染色を示す生存腫瘍細胞の
1~49%である場合に使用される、組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬の分野に関する。本発明は、ヒト上皮増殖因子受容体(EGFR)に対する抗体とヒトプログラム細胞死1(PD-1)受容体に対する抗体との組み合わせ、例えばネシツムマブとペムブロリズマブとの組み合わせ、および癌、特に肺癌、より具体的には非小細胞肺癌(NSCLC)、具体的には扁平上皮性癌および非扁平上皮性癌を治療するためのその組み合わせの使用方法に関する。
【0002】
EGFRの過剰発現は、膀胱癌、脳腫瘍、頭頸部癌、膵臓癌、肺癌、乳癌、卵巣癌、結腸癌、前立腺癌、および腎臓癌を含む、多数のヒト悪性疾患において報告されてきた。これらの病態の多くにおいて、EGFRの過剰発現は患者の予後不良と相関または関連している。EGFRシグナル伝達経路の阻害は癌の治療に使用されてきた。
【0003】
ネシツムマブ(IMC-11F8)は、ヒトEGFRの細胞外ドメインIIIに結合し、EGFRとそのリガンドの間の相互作用を遮断する組換えヒトモノクローナル抗体である。その配列を含むネシツムマブならびに、固形腫瘍および非固形腫瘍などの腫瘍性疾患の治療を含むこの抗体を作製および使用する方法は、WO2005/090407に開示されている。
【0004】
ネシツムマブは、ゲムシタビンおよびシスプラチンとの組み合わせで転移性扁平上皮NSCLCを治療用に承認されているPORTRAZZA(登録商標)中の医薬品有効成分である。非扁平上皮性の組織像のNSCLC患者を登録した、ネシツムマブを併用または併用しないペメトレキセドとシスプラチンのINSPIRE試験は、全生存期間の主要評価項目を満たすことができなかった。Portrazza(登録商標)(ネシツムマブ)の米国および欧州のラベルを参照されたい(それぞれ「使用制限」および「警告および注意事項」のセクション)。
【0005】
免疫系は、まとめて免疫チェックポイントと呼ばれる、自己抗原に対する耐性を維持する多くの阻害経路によって調節されている。癌耐性のメカニズムの1つは、腫瘍細胞が免疫チェックポイント経路を利用する能力である。PD-1のリガンドであるPD-L1の適応的アップレギュレーションは、免疫媒介組織損傷からの正常細胞保護の自然な生理学的過程を反映している。NSCLCを含む固形腫瘍で最も一般的なこのプロセスは、免疫系による死滅を回避するために癌細胞によって使用される。
【0006】
T細胞上に発現されたPD-1受容体へのPD-1リガンド、PD-L1およびPD-L2の結合は、T細胞増殖およびサイトカイン産生を阻害する。PD-1リガンドのアップレギュレーションはいくつかの腫瘍で起こり、この経路を介するシグナル伝達は腫瘍の活発なT細胞免疫監視の抑制に寄与する。
【0007】
ペムブロリズマブは、ヒトPD-1受容体に結合してそのPD-L1およびPD-L2との相互作用を遮断し、それによって抗腫瘍免疫応答を含むPD-1経路媒介性の免疫応答の阻害を放出するモノクローナル抗体である。PD-1経路を介する免疫応答の活性を増大させることを含む、ペムブロリズマブ、その配列、ならびにこの抗体を作製および使用する方法は、WO2008/156712に開示されている。
【0008】
ペムブロリズマブは、黒色腫、PD-L1陽性患者集団のNSCLC、および頭頸部の扁平上皮癌の治療用にFDAによって承認されているキイトルーダ(登録商標)の医薬品有効成分である。NSCLCに関してより具体的には、キイトルーダ(登録商標)(ペムブロリズマブ)は、「FDA承認試験により決定されるように、腫瘍がPD-L1を発現し、プラチナ含有化学療法以降に疾患進行を有する転移性NSCLC患者」に対して米国で承認されている。(「使用適応」)。キイトルーダ(登録商標)のFDA承認PD-L1検査である、IHC PD-L1 IHC 22C3 pharmDxに承認された指標は、「TPS50%以上の生存腫瘍細胞がいかなる強度でも膜染色を示せば、検体はPD-L1陽性とみなされるべきである」ことを定めている。
【0009】
肺癌は、世界中の男性と女性の両方で癌による死亡の最も一般的な原因の1つとしてランクしている。肺癌の2つの主な種類は、小細胞肺癌とNSCLCである。NSCLCは肺癌症例の約85%以上を占める。治療は、外科手術、化学療法、放射線療法、生物学的療法、標的療法、および免疫療法、ならびにこれらの治療の選択された組み合わせを含み得る。免疫療法は最近、NSCLCを含むいくつかの固形腫瘍における主要な治療法として浮上してきたが、これらの薬剤に対する特定の組み合わせの有効性、投与、配列決定、バイオマーカー/バイオマーカーレベル、突然変異、および様々な病状における有効性は依然として不明である。
【0010】
PD-1阻害剤とEGFR阻害剤の組み合わせが論じられてきた。WO2015/176033は、NSCLCの治療のための、ニボルマブと、エルロチニブを含むEGFR標的化チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)とを論じている。Rizvi N.,J Clin Oncol32:5s,2014(suppl;abstr8022)は、「上皮増殖因子受容体変異(EGFR MT)進行性NSCLCを有する患者(pts)にニボルマブ(抗PD-1、BMS-936558、ONO-4538)+エルロチニブを用いた安全性と反応」を研究したNCT01454102の結果を論じている。NCT01454102は、EGFRに変異を有する患者において、EGFR TKIであるエルロチニブを用いて実施された。Bastos,B.et al.International Journal of Radiation Oncology,Biology,Physics,2016;94(4),929は、再発性頭頸部癌を治療するために提案された第1相臨床試験のためのニボルマブ+セツキシマブの使用を論じている。
【0011】
残念なことに、NSCLCの治療法は依然としてとらえどころのないままであり、治療選択肢さえ患者の予後不良により制限されたままである。NSCLCの治療は、引き続き満たされていない臨床的ニーズとして残っている。NSCLCを治療するのに有効であると判明し得る多くの異なる治療法が必要とされている。
【0012】
扁平上皮NSCLCおよび非扁平上皮NSCLCを治療するための、ネシツムマブとペムブロリズマブとの組み合わせの新規使用方法を本明細書に提示する。扁平上皮NSCLCおよび非扁平上皮NSCLCを治療するための抗体1と抗体2の組み合わせの新規使用方法を本明細書に提示する。したがって、いくつかの態様では、本発明は、非小細胞肺癌の治療において、抗体2と同時に、別々に、または順次組み合わせて使用するための抗体1を提供し、抗体1は2本の重鎖および2本の軽鎖を含み、重鎖が配列番号1のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域(HCVR)を含み、軽鎖が配列番号2のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域(LCVR)を含み、抗体2は2本の重鎖および2本の軽鎖を含み、重鎖が配列番号5のアミノ酸配列を有するHCVRを含み、軽鎖が配列番号6のアミノ酸配列を有するLCVRを含み、抗体1は400mg~800mgの用量で投与され、抗体2は200mgの用量で投与される。
【0013】
より具体的には、抗体1は、配列番号3のアミノ酸配列を有する重鎖と、配列番号4のアミノ酸配列を有する軽鎖とを含む、2本の重鎖および2本の軽鎖を含み、抗体2は、配列番号7のアミノ酸配列を有する重鎖と、配列番号8のアミノ酸配列を有する軽鎖を含む、2本の重鎖および2本の軽鎖を含む。
【0014】
より具体的には、抗体1は400mgの用量で投与される。より具体的には、抗体1は600mgの用量で投与される。より具体的には、抗体1は800mgの用量で投与される。
【0015】
好ましい態様において、抗体1は静脈内注入により投与される。好ましい態様において、抗体2は静脈内注入によって投与される。
【0016】
より具体的には、非小細胞肺癌は非扁平上皮性である。より具体的には、非小細胞肺癌は扁平上皮性である。
【0017】
より具体的には、抗体1を各3週間サイクルの1日目および8日目に400mgの用量で投与し、抗体2を各3週間サイクルの1日目に200mgの用量で投与する。より具体的には、抗体1を各3週間サイクルの1日目および8日目に600mgの用量で投与し、抗体2を各3週間サイクルの1日目に200mgの用量で投与する。より具体的には、抗体1は各3週間サイクルの1日目および8日目に800mgの用量で投与され、抗体2を各3週間サイクルの1日目に200mgの用量で投与される。
【0018】
好ましい態様において、抗体1は静脈内注入により投与される。好ましい態様において、抗体2は静脈内注入によって投与される。
【0019】
より具体的には、非小細胞肺癌は非扁平上皮性である。より具体的には、非小細胞肺癌は扁平上皮性である。
【0020】
より具体的には、本発明は、患者由来の腫瘍組織がPD-L1のタンパク質発現レベルを有し、PD-L1の発現が部分的または完全な膜染色を示す生存腫瘍細胞の50%未満である、使用のための抗体1および抗体2を提供する。
【0021】
より具体的には、本発明は、患者の非小細胞肺癌の治療において、抗体2と同時に、別々に、または順次組み合わせて使用するための抗体1を提供し、PD-L1のタンパク質発現レベルについて患者の腫瘍組織のサンプルをインビトロアッセイすることと、PD-L1の発現が部分的または完全な膜染色を示す生存腫瘍細胞の50%未満である場合に、治療有効量の抗体1および抗体2を投与することとを含む。
【0022】
より具体的には、本発明は、患者の非小細胞肺癌の治療において、抗体2と同時に、別々に、または順次組み合わせて使用するための抗体1を提供し、PD-L1のタンパク質発現レベルについて患者の腫瘍組織のサンプルをインビトロでアッセイすることと、PD-L1のレベルの決定することと、PD-L1のレベルが部分的または完全な膜染色を示す生存腫瘍細胞の50%未満の場合に、治療有効量の抗体1および抗体2の投与することとを含む。
【0023】
本発明はまた、非小細胞肺癌の治療のために、抗体1と同時に、別々に、または順次組み合わせて使用するための抗体2を提供し、抗体1は2本の重鎖および2本の軽鎖を含み、重鎖が配列番号1のアミノ酸配列を有するHCVRを含み、軽鎖が配列番号2のアミノ酸配列を有するLCVRを含み、抗体2は2本の重鎖および2本の軽鎖を含み、重鎖が配列番号5のアミノ酸配列を有するHCVRを含み、軽鎖が配列番号6のアミノ酸配列を有するLCVRを含み、抗体2は200mgの用量で投与され、抗体1は400mg~800mgの用量で投与される。
【0024】
より具体的には、抗体1は、配列番号3のアミノ酸配列を有する重鎖と、配列番号4のアミノ酸配列を有する軽鎖とを含む、2本の重鎖および2本の軽鎖を含み、抗体2は、配列番号7のアミノ酸配列を有する重鎖と、配列番号8のアミノ酸配列を有する軽鎖を含む、2本の重鎖および2本の軽鎖を含む。
【0025】
より具体的には、抗体1は400mgの用量で投与される。より具体的には、抗体1は600mgの用量で投与される。より具体的には、抗体1は800mgの用量で投与される。
【0026】
より具体的には、抗体2は各3週間サイクルの1日目に200mgの用量で投与され、抗体1は各3週間サイクルの1日目および8日目に400mgの用量で投与される。より具体的には、抗体2は各3週間サイクルの1日目に200mgの用量で投与され、抗体1は各3週間サイクルの1日目および8日目に600mgの用量で投与される。より具体的には、抗体2は各3週間サイクルの1日目に200mgの用量で投与され、抗体1は各3週間サイクルの1日目および8日目に800mgの用量で投与される。
【0027】
好ましい態様において、抗体1は静脈内注入により投与される。好ましい態様において、抗体2は静脈内注入によって投与される。
【0028】
より具体的には、非小細胞肺癌は非扁平上皮性である。より具体的には、非小細胞肺癌は扁平上皮性である。
【0029】
より具体的には、本発明は、PD-L1の発現が部分的または完全な膜染色を示す生存腫瘍細胞の50%未満である場合に、患者由来の腫瘍組織がPD-L1のタンパク質発現レベルを有する、使用のための抗体2を提供する。
【0030】
より具体的には、本発明は、患者の非小細胞肺癌の治療において、抗体1と同時に、別々に、または順次組み合わせて使用するための抗体2を提供し、PD-L1のタンパク質発現レベルについて患者の腫瘍組織のサンプルをインビトロアッセイすることと、PD-L1の発現が部分的または完全な膜染色を示す生存腫瘍細胞の50%未満である場合に、治療有効量の抗体2および抗体1を投与することとを含む。
【0031】
より具体的には、本発明は、患者の非小細胞肺癌の治療において、抗体1と同時に、別々に、または順次組み合わせて使用するための抗体2を提供し、PD-L1のタンパク質発現レベルについて患者の腫瘍組織のサンプルをインビトロでアッセイすることと、PD-L1のレベルの決定することと、PD-L1のレベルが部分的または完全な膜染色を示す生存腫瘍細胞の50%未満の場合に、治療有効量の抗体2および抗体1を投与することとを含む。
【0032】
本発明はまた、非小細胞肺癌の治療用の医薬の製造における抗体1の使用を提供し、抗体1は抗体2と同時に、別々に、または順次組み合わせて400mg~800mgの用量で投与され、抗体2は200mgの用量で投与され、抗体1は2本の重鎖および2本の軽鎖を含み、重鎖が配列番号1のアミノ酸配列を有するHCVRを含み、軽鎖が配列番号2のアミノ酸配列を有するLCVRを含み、抗体2は2本の重鎖および2本の軽鎖を含み、重鎖が配列番号5のアミノ酸配列を有するHCVRを含み、軽鎖が配列番号6のアミノ酸配列を有するLCVRを含む。
【0033】
より具体的には、抗体1は、配列番号3のアミノ酸配列を有する重鎖と、配列番号4のアミノ酸配列を有する軽鎖とを含む、2本の重鎖および2本の軽鎖を含み、抗体2は、配列番号7のアミノ酸配列を有する重鎖と、配列番号8のアミノ酸配列を有する軽鎖を含む、2本の重鎖および2本の軽鎖を含む。
【0034】
より具体的には、抗体1は400mgの用量で投与される。より具体的には、抗体1は600mgの用量で投与される。より具体的には、抗体1は800mgの用量で投与される。
【0035】
より具体的には、抗体1を各3週間サイクルの1日目および8日目に400mgの用量で投与し、抗体2を各3週間サイクルの1日目に200mgの用量で投与する。より具体的には、抗体1を各3週間サイクルの1日目および8日目に600mgの用量で投与し、抗体2を各3週間サイクルの1日目に200mgの用量で投与する。より具体的には、抗体1は各3週間サイクルの1日目および8日目に800mgの用量で投与され、抗体2を各3週間サイクルの1日目に200mgの用量で投与される。
【0036】
好ましい態様において、抗体1は静脈内注入により投与される。好ましい態様において、抗体2は静脈内注入によって投与される。
【0037】
より具体的には、非小細胞肺癌は非扁平上皮性である。より具体的には、非小細胞肺癌は扁平上皮性である。
【0038】
本発明はまた、非小細胞肺癌の治療用の医薬の製造における抗体2の使用を提供し、抗体2は抗体1と同時に、別々に、または順次組み合わせて200mgの用量で投与され、抗体1は400mg~800mgの用量で投与され、抗体1は2本の重鎖および2本の軽鎖を含み、重鎖が配列番号1のアミノ酸配列を有するHCVRを含み、軽鎖が配列番号2のアミノ酸配列を有するLCVRを含み、抗体2は2本の重鎖および2本の軽鎖を含み、重鎖が配列番号5のアミノ酸配列を有するHCVRを含み、軽鎖が配列番号6のアミノ酸配列を有するLCVRを含む。
【0039】
より具体的には、抗体1は、配列番号3のアミノ酸配列を有する重鎖と、配列番号4のアミノ酸配列を有する軽鎖とを含む、2本の重鎖および2本の軽鎖を含み、抗体2は、配列番号7のアミノ酸配列を有する重鎖と、配列番号8のアミノ酸配列を有する軽鎖を含む、2本の重鎖および2本の軽鎖を含む。
【0040】
より具体的には、抗体1は400mgの用量で投与される。より具体的には、抗体1は600mgの用量で投与される。より具体的には、抗体1は800mgの用量で投与される。
【0041】
より具体的には、抗体1を各3週間サイクルの1日目および8日目に400mgの用量で投与し、抗体2を各3週間サイクルの1日目に200mgの用量で投与する。より具体的には、抗体1を各3週間サイクルの1日目および8日目に600mgの用量で投与し、抗体2を各3週間サイクルの1日目に200mgの用量で投与する。より具体的には、抗体1は各3週間サイクルの1日目および8日目に800mgの用量で投与され、抗体2を各3週間サイクルの1日目に200mgの用量で投与される。
【0042】
好ましい態様において、抗体1は静脈内注入により投与される。好ましい態様において、抗体2は静脈内注入によって投与される。
【0043】
より具体的には、非小細胞肺癌は非扁平上皮性である。より具体的には、非小細胞肺癌は扁平上皮性である。
【0044】
本発明は、非小細胞肺癌の治療に使用のための抗体1および抗体2を含むキットを提供し、抗体1は2本の重鎖および2本の軽鎖を含み、重鎖が配列番号1のアミノ酸配列を有するHCVRを含み、軽鎖が配列番号2のアミノ酸配列を有するLCVRを含み、抗体2は2本の重鎖および2本の軽鎖を含み、重鎖が配列番号5のアミノ酸配列を有するHCVRを含み、軽鎖が配列番号6のアミノ酸配列を有するLCVRを含み、抗体1は400mg~800mgの用量で投与され、抗体2は200mgの用量で投与される。
【0045】
より具体的には、抗体1は、配列番号3のアミノ酸配列を有する重鎖と、配列番号4のアミノ酸配列を有する軽鎖とを含む、2本の重鎖および2本の軽鎖を含み、抗体2は、配列番号7のアミノ酸配列を有する重鎖と、配列番号8のアミノ酸配列を有する軽鎖を含む、2本の重鎖および2本の軽鎖を含む。
【0046】
より具体的には、抗体1の量は400mgである。より具体的には、抗体1の量は600mgである。より具体的には、抗体1の量は800mgである。
【0047】
好ましい態様において、抗体1は静脈内注入により投与される。好ましい態様において、抗体2は静脈内注入によって投与される。
【0048】
より具体的には、非小細胞肺癌は非扁平上皮性である。より具体的には、非小細胞肺癌は扁平上皮性である。
【0049】
本発明は、非小細胞肺癌の治療に使用するための、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤と共に抗体1を含む薬学的組成物を含む第1の容器、および1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤と共に抗体2を含む薬学的組成物を含む第2の容器を含むキットを提供し、抗体1は2本の重鎖および2本の軽鎖を含み、重鎖が配列番号1のアミノ酸配列を有するHCVRを含み、軽鎖が配列番号2のアミノ酸配列を有するLCVRを含み、抗体2は2本の重鎖および2本の軽鎖を含み、重鎖が配列番号5のアミノ酸配列を有するHCVRを含み、軽鎖が配列番号6のアミノ酸配列を有するLCVRを含み、抗体1は400mg~800mgの用量で投与され、抗体2は200mgの用量で投与される。
【0050】
より具体的には、抗体1は、配列番号3のアミノ酸配列を有する重鎖と、配列番号4のアミノ酸配列を有する軽鎖とを含む、2本の重鎖および2本の軽鎖を含み、抗体2は、配列番号7のアミノ酸配列を有する重鎖と、配列番号8のアミノ酸配列を有する軽鎖を含む、2本の重鎖および2本の軽鎖を含む。
【0051】
より具体的には、抗体1の量は400mgである。より具体的には、抗体1の量は600mgである。より具体的には、抗体1の量は800mgである。
【0052】
より具体的には、非小細胞肺癌は非扁平上皮性である。より具体的には、非小細胞肺癌は扁平上皮性である。
【0053】
本発明はまた、抗体1を含む薬学的組成物を含む第1の容器であって、抗体1は2本の重鎖および2本の軽鎖を含み、重鎖は配列番号1のアミノ酸配列を有するHCVRを含み、軽鎖は配列番号2のアミノ酸配列を有するLCVRを含み、抗体1は、10mMのクエン酸塩、40mMの塩化ナトリウム、133mMのグリシン、50mMのマンニトール、0.01%のポリソルベート-80、pH6.0で16mg/mLの最終濃度に製剤化される、第1の容器と、抗体2を含む薬学的組成物を含む第2の容器であって、抗体2は2本の重鎖および2本の軽鎖を含み、重鎖は配列番号5アミノ酸配列を有するHCVRを含み、軽鎖は配列番号6のアミノ酸配列を有するLCVRを含み、抗体2は、9.99mMのL-ヒスチジン、0.15mMのポリソルベート80、および204.68mMのスクロースで25mg/mLの最終濃度に製剤化される、第2の容器と、を含むキットを提供する。
【0054】
より具体的には、抗体1の量は400mg~800mgであり、抗体2の量は200mgである。より具体的には、抗体1の量は400mgである。より具体的には、抗体1の量は600mgである。より具体的には、抗体1の量は800mgである。
【0055】
好ましい態様において、抗体1は静脈内注入により投与される。好ましい態様において、抗体2は静脈内注入によって投与される。
【0056】
より具体的には、非小細胞肺癌は非扁平上皮性である。より具体的には、非小細胞肺癌は扁平上皮性である。
【0057】
したがって、いくつかの態様では、本発明は、患者の非小細胞肺癌を治療する方法を提供し、この方法は、そのような治療を必要とする患者に、有効量の抗体2と組み合わせて有効量の抗体1を投与することを含み、抗体1は2本の重鎖および2本の軽鎖を含み、重鎖が配列番号1のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域(HCVR)を含み、軽鎖が配列番号2のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域(LCVR)を含み、抗体2は2本の重鎖および2本の軽鎖を含み、重鎖は配列番号5のアミノ酸配列を有するHCVRを含み、軽鎖は配列番号6のアミノ酸配列を有するLCVRを含み、抗体1は400mg~800mgの用量で投与され、抗体2は200mgの用量で投与される。
【0058】
より具体的には、抗体1は、配列番号3のアミノ酸配列を有する重鎖と、配列番号4のアミノ酸配列を有する軽鎖とを含む、2本の重鎖および2本の軽鎖を含み、抗体2は、配列番号7のアミノ酸配列を有する重鎖と、配列番号8のアミノ酸配列を有する軽鎖を含む、2本の重鎖および2本の軽鎖を含む。
【0059】
より具体的には、抗体1の量は400mgである。より具体的には、抗体1の量は600mgである。より具体的には、抗体1の量は800mgである。より具体的には、抗体2の量は200mgである。
【0060】
より具体的には、抗体1は、各3週間サイクルの1日目および8日目に400mgの用量で投与される。より具体的には、抗体1は、各3週間サイクルの1日目および8日目に600mgの用量で投与される。より具体的には、抗体1は、各3週間サイクルの1日目および8日目に800mgの用量で投与される。さらにより具体的には、抗体2は各3週間サイクルの1日目に200mgの用量で投与される。
【0061】
好ましい態様において、抗体1は静脈内注入により投与される。好ましい態様において、抗体2は静脈内注入によって投与される。
【0062】
より具体的には、非小細胞肺癌は非扁平上皮性である。より具体的には、非小細胞肺癌は扁平上皮性である。
【0063】
好ましくは、抗体1と抗体2の組み合わせは同時に、別々に、または順次投与される。
【0064】
本発明はまた、患者の非小細胞肺癌の治療方法を提供し、この方法は、そのような治療を必要とする患者に有効量の抗体1を有効量の抗体2と組み合わせて投与することを含み、抗体1は2本の重鎖および2本の軽鎖を含み、重鎖が配列番号3のアミノ酸配列を含み、軽鎖が配列番号4のアミノ酸配列を含み、抗体2は2本の重鎖および2本の軽鎖を含み、重鎖が配列番号7のアミノ酸配列を含み、軽鎖が配列番号8のアミノ酸配列を含み、抗体1は400mg~800mgの用量で投与され、抗体2は200mgの用量で投与される。
【0065】
より具体的には、抗体1の量は400mgである。より具体的には、抗体1の量は600mgである。より具体的には、抗体1の量は800mgである。
【0066】
より具体的には、抗体1は、各3週間サイクルの1日目および8日目に400mgの用量で投与される。より具体的には、抗体1は、各3週間サイクルの1日目および8日目に600mgの用量で投与される。より具体的には、抗体1は、各3週間サイクルの1日目および8日目に800mgの用量で投与される。さらにより具体的には、抗体2は各3週間サイクルの1日目に200mgの用量で投与される。
【0067】
好ましい態様において、抗体1は静脈内注入により投与される。好ましい態様において、抗体2は静脈内注入によって投与される。
【0068】
より具体的には、非小細胞肺癌は非扁平上皮性である。より具体的には、非小細胞肺癌は扁平上皮性である。
【0069】
好ましくは、抗体1と抗体2の組み合わせは同時に、別々に、または順次投与される。
【0070】
より具体的には、患者由来の腫瘍組織がPD-L1のタンパク質発現レベルを有し、PD-L1の発現が部分的または完全な膜染色を示す生存腫瘍細胞の50%未満である。
【0071】
より具体的には、患者の非小細胞肺癌を治療する方法であって、(1)患者から採取した腫瘍組織サンプル中のPD-L1のタンパク質発現レベルを測定する工程と、(2)PD-L1発現が部分的または完全な膜染色を示す生存腫瘍細胞の50%未満である場合、そのような治療を必要としている患者に有効量の抗体2と組み合わせて有効量の抗体1を投与する工程とを含む。
【0072】
本発明はまた、患者の非小細胞肺癌を治療する方法を提供し、この方法は、2本の重鎖および2本の軽鎖を含む800mgの用量の抗体1であって、重鎖は配列番号1のアミノ酸配列を有するHCVRを含み、軽鎖は配列番号2のアミノ酸配列を有するLCVRを含む、抗体1と、2本の重鎖および2本の軽鎖を含む200mgの用量の抗体2であって、重鎖は配列番号5のアミノ酸配列を有するHCVRを含み、軽鎖は配列番号6のアミノ酸配列を有するLCVRを含む、抗体2とを、患者に投与することを含み、但し、患者の腫瘍組織のサンプルは、部分的または完全な膜染色を示す生存腫瘍細胞の50%未満であるPD-L1のタンパク質発現レベルを含む。
【0073】
本発明はまた、患者の非小細胞肺癌の治療において、ペムブロリズマブと同時に、別々に、または順次組み合わせて使用するためのネシツムマブを提供し、ネシツムマブは各3週間サイクルの1日目および8日目に800mgの用量で投与され、ペムブロリズマブは各3週間サイクルの1日目に200mgの用量で投与される。
【0074】
本発明はまた、患者の非小細胞肺癌の治療のために、ネシツムマブと同時に、別々に、または順次組み合わせて使用するためのペムブロリズマブを提供し、ペムブロリズマブは各3週間サイクルの1日目に200mgの用量で投与され、ネシツムマブは各3週間サイクルの1日目および8日目に800mgの用量で投与される。
【0075】
本発明はまた、非小細胞肺癌の治療用の医薬の製造におけるネシツムマブの使用を提供し、ネシツムマブは、ペムブロリズマブと同時に、別々に、または順次組み合わせて800mgの用量で投与され、ペムブロリズマブは200mgの用量で投与される。
【0076】
本発明はまた、非小細胞肺癌の治療用の医薬の製造におけるペムブロリズマブの使用を提供し、ペムブロリズマブは、ネシツムマブと同時に、別々に、または順次組み合わせて200mgの用量で投与され、800mgの用量で投与される。
【0077】
本発明はまた、非小細胞肺癌の治療に使用するための、ネシツムマブおよびペムブロリズマブを含むキットを提供し、ネシツムマブの量は800mgであり、ペムブロリズマブの量は200mgである。
【0078】
本発明はまた、非小細胞肺癌の治療に使用するための、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤と共にネシツムマブを含む薬学的組成物を含む第1の容器、および1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤と共にペムブロリズマブを含む薬学的組成物を含む第2の容器を含むキットを提供し、ネシツムマブの量は800mgであり、ペムブロリズマブの量は200mgである。
【0079】
本発明はまた、10mMのクエン酸塩、40mMの塩化ナトリウム、133mMのグリシン、50mMのマンニトール、0.01%のポリソルベート-80、pH6.0で16mg/mLの最終濃度に製剤化されるネシツムマブを含む薬学的組成物を含む第1の容器と、9.99mMのL-ヒスチジン、0.15mMのポリソルベート80、および204.68mMのスクロースで25mg/mLの最終濃度に製剤化されるペムブロリズマブを含む薬学的組成物を含む第2の容器と、を含むキットを提供する。より具体的には、ネシツムマブの量は800mgであり、ペムブロリズマブは200mgである。
【0080】
本発明はまた、患者の非小細胞肺癌を治療する方法を提供し、この方法は、有効量のペムブロリズマブと組み合わせて有効量のネシツムマブをそのような治療を必要とする患者に投与することを含み、ネシツムマブは800mgの用量で投与され、ペムブロリズマブは200mgの用量で投与される。
【0081】
本発明はまた、患者の非小細胞肺癌を治療する方法を提供し、この方法は、有効量のペムブロリズマブと組み合わせて有効量のネシツムマブをそのような治療を必要とする患者に投与することを含み、ネシツムマブは各3週間サイクルの1日目および8日目に800mgの用量で投与され、ペムブロリズマブは各3週間サイクルの1日目に200mgの用量で投与される。
【0082】
本発明はまた、患者の非小細胞肺癌の治療において、ペムブロリズマブと同時に、別々に、または順次組み合わせて使用するためのネシツムマブを提供し、PD-L1のタンパク質発現レベルについて患者の腫瘍組織のサンプルをインビトロアッセイすることと、治療有効量のネシツムマブおよびペムブロリズマブを投与することとを含み、PD-L1の発現が部分的または完全な膜染色を示す生存腫瘍細胞の50%未満である場合に、800mgの用量のネシツムマブおよび200mgの用量のペムブロリズマブを投与することを含む。
【0083】
本発明はまた、患者の非小細胞肺癌の治療において、ネシツムマブと同時に、別々に、または順次組み合わせて使用するためのペムブロリズマブを提供し、PD-L1のタンパク質発現レベルについて患者の腫瘍組織のサンプルをインビトロアッセイすることと、治療有効量のペムブロリズマブおよびネシツムマブを投与することを含み、PD-L1の発現が部分的または完全な膜染色を示す生存腫瘍細胞の50%未満である場合に、800mgの用量のネシツムマブおよび200mgの用量のペムブロリズマブを投与することを含む。
【0084】
本発明はまた、患者の非小細胞肺癌を治療する方法を提供し、この方法は、(1)患者から採取した腫瘍組織サンプル中のPD-L1のタンパク質発現レベルを測定する工程と、(2)PD-L1発現が部分的または完全な膜染色を示す生存腫瘍細胞の50%である場合に、そのような治療を必要としている患者に、800mgの用量のネシツムマブおよび200mgの用量のペムブロリズマブを投与することを含む、有効量のペムブロリズマブと組み合わせて有効量のネシツムマブを投与する工程とを含む。
【0085】
本発明はまた、患者の非小細胞肺癌を治療する方法を提供し、この方法は、800mgの用量のネシツムマブおよび200mgの用量のペムブロリズマブを患者に投与することを含み、但し、患者の腫瘍組織のサンプルは、部分的または完全な膜染色を示す生存腫瘍細胞の50%未満であるPD-L1のタンパク質発現レベルを含む。
【0086】
抗体または全長抗体は、ジスルフィド結合によって相互に接続される2つの重鎖と2つの軽鎖とを含む、免疫グロブリン分子である。各鎖のアミノ末端部分は、その中に含まれる相補性決定領域(CDR)を介した抗原認識を主に担う約100~110アミノ酸の可変領域を含む。各鎖のカルボキシ末端部分は、エフェクター機能を主に担う定常領域を画定する。
【0087】
本明細書で使用される場合、用語「抗体1」とは、以下のアミノ酸配列を含む任意の抗体を指す。
重鎖可変領域
【化1】
(配列番号1)
軽鎖可変領域
【化2】
(配列番号2)
【0088】
以下の重鎖および軽鎖配列を有する抗体は、本明細書中で使用される抗体1の定義を満たすであろう。
重鎖
【化3】
(配列番号3)
軽鎖
【化4】
(配列番号4)
【0089】
本発明の一態様では、「ネシツムマブ」とは、WHO Drug Information Vol.23、No.3、2009、pp.253-254にある国際一般名(INN)で定義されるネシツムマブである任意の抗体を指す。上記のように、ネシツムマブはPortrazza(登録商標)の医薬品有効成分である。それはまたIMC-11F8およびCAS登録番号906805-06-9として識別されてきた。ネシツムマブは抗体1の一例である。
【0090】
本明細書で使用される場合、用語「抗体2」とは、以下のアミノ酸配列を含む任意の抗体をいう。
重鎖可変領域
【化5】
(配列番号5)
軽鎖可変領域
【化6】
(配列番号6)
【0091】
以下の重鎖および軽鎖配列を有する抗体は、本明細書中で使用される抗体2の定義を満たすであろう。
重鎖
【化7】
(配列番号7)
軽鎖
【化8】
(配列番号8)
【0092】
本発明の一態様では、「ペムブロリズマブ」は、WHO Drug Information Vol.28、No.3、2014、p.407にある国際一般名(INN)で定義されるペムブロリズマブである任意の抗体を指す。上記のように、ペムブロリズマブはキイトルーダ(登録商標)の医薬品有効成分である。それはまたMK-3475、SCH-900475、ランブロリズマブ、ランブロリズマブ、およびCAS登録番号1374853-91-4としても識別されてきた。ペムブロリズマブは抗体2の一例である。
【0093】
本明細書で使用される場合、「治療する」、「治療するため」、または「治療」という用語は、既存の症状、障害、病態、疾患または癌の進行または重症度を抑制、減速、停止、軽減、または逆転させることを指す。
【0094】
本明細書で使用される場合、「患者」という用語は、哺乳類動物、好ましくはヒトを指す。
【0095】
本明細書で使用される場合、用語「癌」および「癌性」は、典型的には未制御の細胞増殖によって特徴付けられる患者の生理学的状態を指し、または記載する。この定義には、良性および悪性の癌が含まれる。癌の例には、とりわけNSCLCが含まれる。
【0096】
本明細書で使用される場合、用語「キット」は、少なくとも2つの別個の容器を含むパッケージであって、第1の容器が抗体1を含む薬学的組成物を含み、第2の容器が抗体2を含む薬学的組成物を含む、パッケージを指す。「キット」はまた、これらの第1および第2の容器の内容物のすべてまたは一部を癌患者に投与するための指示書を含むことができる。
【0097】
本発明の併用治療の潜在的な利点は、許容される忍容性、毒性および/または有害事象を含む許容される安全性プロファイルを用いて患者に著しいおよび/または長期の抗癌効果をもたらす可能性であり、その結果、全体的な併用治療法から患者は恩恵を受けるようになる。本発明の組み合わせ治療の有効性は、癌治療の評価において一般的に使用される様々なエンドポイントによって測定することができ、腫瘍の退縮、腫瘍の重量またはサイズの収縮、進行までの時間、全生存期間、無増悪生存期間、全奏効率、応答の持続時間、および生活の質を含むが、これらに限定されない。本発明で使用される治療剤は、原発腫瘍の収縮を伴わずに転移拡散の阻害を引き起こし得るか、または単に腫瘍抑制効果を発揮し得る。本発明は、抗腫瘍剤の独自の組み合わせの使用に関するものであるため、例えば、細胞周期依存的バイオマーカーの測定/可視化および放射線学的画像による応答の測定を含む、本発明の任意の特定の併用治療の有効性を決定することに関する様々なアプローチを任意に用いることができる。
【0098】
本明細書で使用される場合、完全寛解(CR)という用語は、すべての標的病変の消失として定義される。いかなる病的リンパ節(標的であるか非標的であるかを問わず)も、短軸は10mm未満まで減少しなければならない。腫瘍マーカーの結果は正常化されなければならない。
【0099】
本明細書で使用される場合、用語「部分奏効」(PR)は、ベースライン径和を基準として、標的病変の径和における少なくとも30%減少として定義される。
【0100】
本明細書で使用される場合、用語「病勢進行」(PD)は、試験で最小の径和(ベースライン径和が最小値である場合はベースライン径和を含む)を基準として、標的病変の径和における少なくとも20%の増加として定義される。20%の相対的増加に加えて、径和は、少なくとも5mmの絶対的増加も示さなければならない。また、1つ以上の新たな病変の出現は、進行と考えられる。進行のあいまいな所見(例えば、非常に小さく不確実な新しい病変、すなわち嚢胞性変化または既存病変の壊死)については、次に予定された評価まで治療を続けることができる。次に予定された評価で進行が確認された場合、進行の日付は進行が疑われたより早い日付であるべきである。
【0101】
本明細書で使用される場合、用語「病勢安定」(SD)は、試験で最小の径和を基準として、PRと認めるには縮小が不十分であり、PDと認めるには増加が不十分であることを指す。
【0102】
本明細書で使用される場合、「評価不能」(NE)という用語は、標的病変の不完全な放射線学的評価が行われる場合、または反応の信頼できる評価を行う能力に影響を及ぼすベースラインからの測定方法に変化がある場合を指す。
【0103】
本明細書で使用される場合、無増悪生存期間(PFS)という用語は、任意の試験薬の初回投与の日から、X線撮影により記録されたPDの日または何らかの原因による死亡日のいずれか早い日までの時間として定義される。
【0104】
本明細書で使用される場合、全生存期間(OS)という用語は、任意の試験薬の試験初回投与の日から何らかの原因による死亡日までの時間として定義される。
【0105】
本明細書で使用される場合、客観的奏効率という用語は、PRまたはCRの最良の全奏効を達成する患者の割合として定義される。
【0106】
本明細書で使用される場合、疾患制御率(DCR)という用語は、SD、PR、またはCRの最良の全奏効を達成する患者の割合として定義される。
【0107】
本明細書で使用される場合、用語「全奏効率」は、各患者の最良の客観的奏効に基づいて、固形腫瘍の応答評価基準(RECIST)v1.1基準によって評価可能なすべての患者について決定される。全奏効率(%)は、CRまたはPRの最良の客観的奏効を有する患者の数を、ベースラインで測定可能な疾患を有する患者の数で割ったものとして計算される。所与の患者に対する最良の客観的奏効は、進行までに得られたデータ、または進行がない場合の最後の評価可能な評価から決定された客観的全奏効に基づく。客観的奏効が決定できない患者または最良の客観的奏効が決定できない患者は、非応答者とみなされるNEを表す。全奏効率は、95%Clopper Pearsonの信頼区間と共に要約される。
【0108】
本明細書で使用される場合、用語「有効量」は、ネシツムマブを含むがこれに限定されない抗体1の量または用量、および/またはペムブロリズマブを含むがこれに限定されない抗体2の量または用量を指し、患者への単回投与または複数回投与の際に、診断または治療下の患者において有効な応答を提供する。本発明の併用療法が、体内に有効量のネシツムマブを含むがこれに限定されない抗体1、および有効量のペムブロリズマブを含むがこれに限定されない抗体2を提供する任意の方法で、ネシツムマブを含むがこれに限定されない抗体1を、ペムブロリズマブを含むがこれに限定されない抗体2と共に投与することによって実施されることも理解される。
【0109】
有効量は、当業者により、既知技法の使用により、および同様の状況下で得られた結果を観察することによって容易に決定され得る。患者のための有効量を決定する際には、患者の種、そのサイズ、年齢、および全体的な健康状態、関与する特定の疾患または障害、疾患または障害の程度または関与または重症度、個々の患者の応答、投与される特定の化合物、投与の様式、投与される製剤の生物学的利用率特性、選択された投与レジメン、付随する薬物の使用、ならびにその他の関連する状況を含むが、これらに限定されない、多数の要因が担当診断医によって考慮される。
【0110】
本明細書で使用される場合、患者の「有効な応答」または薬剤の組み合わせ治療に対する患者の「応答性」および同様の用語は、ペムブロリズマブを含むがこれに限定されない抗体2とネシツムマブを含むがこれに限定されない抗体1の同時投与の際に、患者に与えられた臨床的または治療的有益性を指す。そのような有益性には、生存期間の延長(OSおよびPFSを含む)、客観的奏効(CRまたはPRを含む)をもたらす、または癌の兆候もしくは症状を改善するなどのうちのいずれかの1つ以上が挙げられる。
【0111】
ネシツムマブを含むがこれに限定されない抗体1は、本発明の組み合わせにおける用量範囲にわたって一般に有効である。例えば、21日サイクル当たりの投薬量は、通常、そのサイクルの2日目に投薬される約400~800mgの範囲内にあり、好ましくは各21日サイクルの1日目および8日目に約400~800mg、より好ましくは各21日サイクルの1日目および8日目に約600~800mg、および最も好ましくは各21日サイクルの1日目および8日目に約800mgである。ペムブロリズマブを含むがこれに限定されない抗体2は、本発明の組み合わせにおける用量範囲にわたって一般に有効である。例えば、21日サイクル当たりの投与量は、通常、30分間の静脈内注入として約1mg/kg~約3mg/kg、より好ましくは30分間の静脈内注入として約2mg/kgの範囲内にある。あるいは、21日サイクル当たりの投与量は、通常、30分間の静脈内注入として約100mg~約300mg、より好ましくは30分間の静脈内注入として約200mgの範囲内にある。
【0112】
一般に、投薬レジメンは、患者の安全性のために、または最適な所望の反応(例えば、治療反応)を提供するように調整され得る。局所的もしくは全身性またはそれらの組み合わせで、静脈内(i.v.)または非静脈内投与するための、投与スケジュールは、典型的には、単一ボーラス投与もしくは連続注入から、1日当たり複数回の投与(例えば、4~6時間おき)までの範囲であるか、または治療する医師および患者の状態によって示されるとおりである。本明細書で使用される場合、静脈内注入および静脈内注射は互換的に使用され得る。
【0113】
本明細書で使用される場合、「組み合わせて」という語句は、抗体1と抗体2の同時投与を指す。本明細書で使用される場合、「組み合わせて」という語句はまた、抗体1を抗体2と共に任意の順序で連続して投与することも指す。本明細書で使用される場合、「組み合わせて」という語句はまた、それらの任意の組み合わせでの抗体1と抗体2との投与をいう。抗体2は抗体1の投与前に投与することができる。抗体2は抗体1の投与と同時に投与することができる。抗体2は抗体1の投与に続いて投与することができる。抗体2は、抗体1の投与前、投与と同時に、または投与後に、またはそれらのいくつかの組み合わせで投与することができる。
【0114】
抗体1を反復間隔で(例えば、標準的な治療過程の間)投与する場合、抗体1の各投与の前に抗体2を投与することができる。抗体1を反復間隔で(例えば、標準的な治療過程の間)投与する場合、抗体1の各投与と同時に抗体2を投与することができる。抗体1が反復間隔で(例えば、標準的な治療過程の間)投与される場合、抗体1の各投与の後に抗体2を投与することができる。抗体1を反復間隔で(例えば、標準的な治療過程の間)投与する場合、抗体1またはそのいくつかの組み合わせの各投与の前に、同時に、またはその後に、抗体2を投与することができる。抗体1を反復間隔で(例えば、標準的な治療過程の間)投与する場合、抗体1による治療に関して異なる間隔で、抗体2を投与できる。抗体1を反復間隔で(例えば、標準的な治療過程の間)投与する場合、抗体1による治療過程の前、治療過程の間の任意の時点で、または治療過程の後に、抗体2を単回または一連の用量で投与することができる。抗体1を反復間隔で(例えば、標準的な治療過程の間)投与する場合、抗体1による治療過程の前、治療過程の間の任意の時点で、または治療過程の後に、抗体2を単回投与することができる。抗体1を反復間隔で(例えば、標準的な治療過程の間)投与する場合、抗体1による治療過程の前に、抗体2を単回投与することができる。抗体1を反復間隔で(例えば、標準的な治療過程の間)投与する場合、抗体1による治療過程の間の任意の時点で、抗体2を単回投与することができる。抗体1を反復間隔で(例えば、標準的な治療過程の間)投与する場合、抗体1による治療過程の後に、抗体2を単回投与することができる。抗体1を反復間隔で(例えば、標準的な治療過程の間)投与する場合、抗体1による治療過程の前に、抗体2を一連の用量で投与することができる。抗体1を反復間隔で(例えば、標準的な治療過程の間)投与する場合、抗体1による治療過程の後に、抗体2を一連の用量で投与することができる。抗体1を反復間隔で(例えば、標準的な治療過程の間)投与する場合、抗体1による治療過程の後に、抗体2を一連の用量で投与することができる。
【0115】
本発明は、癌がPD-1発現を有する場合に治療に反応する癌患者のためのバイオマーカーとしてPD-1リガンド、より詳細にはPD-L1を使用することを企図する。本発明はさらに、患者の腫瘍組織中のPD-L1レベルを測定することによって、抗体2と組み合わせて抗体1を用いた患者の治療の成功を予測する方法を企図する。
【0116】
本発明の一態様は、患者の非小細胞肺癌を治療する方法であって、(1)患者から採取した腫瘍組織サンプル中のPD-L1のレベルを測定することと、(2)PD-L1レベルが部分的または完全な膜染色を示す生存腫瘍細胞の50%未満である場合に、そのような治療を必要とする患者に、有効量の抗体2と組み合わせて有効量の抗体1を投与することと、を含む。
【0117】
本発明はまた、(1)被験体の腫瘍組織サンプル中のPD-L1のタンパク質発現レベルをエクスビボまたはインビトロで決定することを含み、(2)PD-L1レベルが部分的または完全な膜染色を示す生存腫瘍細胞の50%未満である場合に被検体が組み合わせの候補であることを示す、癌を有する被験体が抗体2と組み合わせた抗体1の候補であるかどうかを決定するための方法を企図する。
【0118】
本発明はまた、a)非小細胞肺癌を有し、PD-L1のタンパク質発現レベルが部分的または完全な膜染色を示す生存腫瘍細胞の50%未満である患者を選択することと、b)2本の重鎖および2本の軽鎖を含む800mgの用量の抗体1であって、重鎖が配列番号1のアミノ酸配列を有するHCVRを含み、軽鎖が配列番号2のアミノ酸配列を有するLCVRを含む、抗体1を各3週間サイクルの1日目および8日目に、ならびに2本の重鎖および2本の軽鎖を含む200mgの用量の抗体2であって、重鎖が配列番号5のアミノ酸配列を有するHCVRを含み、軽鎖が配列番号6のアミノ酸配列を有するLCVRを含む、抗体2を各3週間サイクルの1日目に、患者に投与することを含む、非小細胞肺癌を治療するための治療計画を企図する。
【0119】
本発明は、患者の非小細胞肺癌を治療する方法を企図し、この方法は、2本の重鎖および2本の軽鎖を含む800mgの用量の抗体1であって、重鎖は配列番号1のアミノ酸配列を有するHCVRを含み、軽鎖は配列番号2のアミノ酸配列を有するLCVRを含む、抗体1と、2本の重鎖および2本の軽鎖を含む200mgの用量の抗体2であって、重鎖は配列番号5のアミノ酸配列を有するHCVRを含み、軽鎖は配列番号6のアミノ酸配列を有するLCVRを含む、抗体2とを、患者に投与することを含み、但し、患者の腫瘍組織のサンプルは、部分的または完全な膜染色を示す生存腫瘍細胞の50%未満のPD-L1のタンパク質発現レベルを含む。
【0120】
本発明はまた、2本の重鎖と2本の軽鎖を含む800mgの用量の抗体1であって、重鎖は配列番号1のアミノ酸配列を有するHCVRを含み、軽鎖は配列番号2のアミノ酸配列を有するLCVRを含む、抗体1と、2本の重鎖と2本の軽鎖を含む200mgの用量の抗体2であって、重鎖は配列番号5のアミノ酸配列を有するHCVRを含み、軽鎖は配列番号6のアミノ酸配列を有するLCVRを含む、抗体2とを用いた治療するための非小細胞肺癌を有する患者を選択するインビトロ方法を企図し、患者由来の腫瘍組織サンプル中のPD-L1のタンパク質発現レベルについて試験することを含み、PD-L1のタンパク質発現レベルが部分的または完全な膜染色を示す生存腫瘍細胞の50%未満である場合に、その患者は選択される。
【0121】
本発明はまた、2本の重鎖と2本の軽鎖を含む800mgの用量の抗体1であって、重鎖は配列番号1のアミノ酸配列を有するHCVRを含み、軽鎖は配列番号2のアミノ酸配列を有するLCVRを含む、抗体1と、2本の重鎖と2本の軽鎖を含む200mgの用量の抗体2であって、重鎖は配列番号5のアミノ酸配列を有するHCVRを含み、軽鎖は配列番号6のアミノ酸配列を有するLCVRを含む、抗体2とを用いて治療に適格な非小細胞肺癌を有する患者を同定する方法を企図し、患者由来の腫瘍組織サンプル中のPD-L1のタンパク質発現レベルについて試験することを含み、PD-L1のタンパク質発現レベルが部分的または完全な膜染色を示す生存腫瘍細胞の50%未満である場合に、その患者は抗体1と抗体2の該組み合わせによる治療に適格である。
【0122】
PD-L1発現レベルは、キイトルーダ(登録商標)(ペムブロリズマブ)に関してFDAによって承認されたコンパニオン診断薬、PD-L1 IHC 22C3 pharmDxなどの定性的免疫組織化学アッセイを含む様々な方法で測定することができる。IHC PD-L1 IHC 22C3 pharmDxは、キイトルーダ(登録商標)(ペムブロリズマブ)による治療のためのNSCLC患者の同定における補助として示されている。「PD-L1 IHC 22C3 pharmDxは、モノクローナルマウス抗PD-L1、クローン22C3を用いた定性的免疫組織化学アッセイであり、Autostainer Link48のEnVision FLEX可視化システムを用いた、ホルマリン固定、パラフィン包埋(FFPE)非小細胞肺癌(NSCLC)組織におけるPD-L1タンパク質の検出に使用することを目的とする。PD-L1タンパク質発現は、部分的または完全な膜染色を示す生存腫瘍細胞のパーセンテージである腫瘍比率スコア(TPS)を使用して決定される。」(IHC PD-L1 IHC 22C3 pharmDx,Approval Order Letter for PMA P150013,2 November 2015)
【0123】
以下の実施例および臨床試験結果は本発明をさらに説明する。
【0124】
以下の臨床研究は本発明をさらに説明するが、いかなる形であれ本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0125】
ネシツムマブまたは抗体1は、例えば、WO2005/090407の開示に従って作製することができる。ペムブロリズマブまたは抗体2は、例えば、WO2008/156712の開示に従って作製することができる。
【0126】
ステージIVのNSCLC患者に対するペムブロリズマブと組み合わせたネシツムマブの試験
臨床試験計画
扁平上皮NSCLCおよび非扁平上皮NSCLCを含むステージIVのNSCLC患者の約65人を対象としたネシツムマブとペムブロリズマブの併用の有効性、安全性、および忍容性を調査するためのオープンラベル、単群多施設共同第1b相試験(以下「試験」)。clinicaltrials.govで入手可能なNCT02451930を参照のこと。この試験は次のようないくつかのパートで構成される。
●パートA:ステージIVのNSCLC患者に、漸増用量のネシツムマブ(600mgおよび800mgIV)を3週ごとの(Q3W)1日目および8日目にペムブロリズマブ(200mgIV)と組み合わせて投与した。
●パートB:ステージIVのNSCLC患者にQ3Wの1日目にペムブロリズマブ(200mgIV)の定型レジメンと組み合わせてパートAで特定された、ネシツムマブの用量による拡大コホート。
【0127】
約54人の患者がパートBに登録され、扁平上皮性と非扁平上皮性の患者間でほぼ均等に分けられる。
【0128】
患者は、PD、中止を要する毒性、プロトコルの遵守違反、または同意の取り消しまで治療される。試験終了時に試験療法を受けている患者は、中止基準を満たすまで、継続的なアクセス期間中に試験療法を受け続けることができる。試験の完了は、最後の患者が登録されてから約6~12ヶ月後に予想される。
【0129】
主な適格基準には以下が含まれる。1回のプラチナベース化学療法後の進行、ECOGパフォーマンスステータスが0~1、抗PD-1、抗PD-L1、または抗PD-L2剤による前治療なし、および症候性脳転移なし。
【0130】
PD-L1およびEGFRのステータスは保管された組織サンプルで評価される。PD-L1発現レベルは、キイトルーダ(登録商標)(ペムブロリズマブ)についてFDAによって承認されたコンパニオン診断薬、PD-L1 IHC 22C3 pharmDxを使用して測定される。
【0131】
PD-L1タンパク質発現が、腫瘍比率スコア(TPS)を用いて決定されるように部分的または完全な膜染色を示す生存腫瘍細胞の1%未満である場合に、PD-L1陰性ステータスが患者に割り当てられる。PD-L1タンパク質発現が、腫瘍比率スコア(TPS)を用いて決定されるように部分的または完全な膜染色を示す生存腫瘍細胞の1~49%である場合に、PD-L1低陽性ステータスが患者に割り当てられる。PD-L1タンパク質発現が、腫瘍比率スコア(TPS)を用いて決定されるように部分的または完全な膜染色を示す生存腫瘍細胞の50%を超える場合、PD-L1高陽性ステータスが患者に割り当てられる。
【0132】
試験目的
本試験のパートAの主な目的は、サイクル1の間にDLTを有する患者数によって測定されるステージIVのNSCLC患者(すべての組織像)において、21日サイクルの1日目および8日目に600mgおよび800mgの用量で投与されたネシツムマブと組み合わせたときのペムブロリズマブ200mgQ3Wの安全性および忍容性を調べることであり、パートBでは、扁平上皮性の組織像および非扁平上皮性の組織像のステージIVのNSCLC患者において、RECIST1.1によるORRに関してペムブロリズマブと組み合わせたネシツムマブの有効性を評価することである。
【0133】
本試験の二次的目的は次のとおりである。パートA:(i)ペムブロリズマブと組み合わせたネシツムマブの重大な臨床的および実験的事象によって評価される安全性プロファイルを調べること。(ii)ORRを決定すること(RECIST1.1による)。(iii)ペムブロリズマブ存在下でのネシツムマブのPKを決定すること。(iv)ペムブロリズマブ存在下でのネシツムマブの免疫原性を決定すること。パートB:(v)(1)臨床的および実験的に重要な事象によって評価される安全性プロファイル、疾患制御率(DCR)、奏効期間(DOR)、およびRECIST1.1によるPFS、ならびにOSの調査、(2)ペムブロリズマブ存在下でのネシツムマブのPKの決定、(3)ペムブロリズマブ存在下でのネシツムマブの免疫原性の測定によって、推奨用量でネシツムマブとペムブロリズマブを併用することの実現可能性を実証すること。潜在的バイオマーカーと臨床転帰との相関もまた評価することができる。
【0134】
治験薬
ネシツムマブは、使い捨てバイアルに入った10mMのクエン酸、40mMの塩化ナトリウム、133mMのグリシン、50mMのマンニトール、0.01%ポリソルベート(TWEEN(登録商標))-80、pH6.0の製剤で、16mg/mL(800mg/50mL)の最終濃度で供給される無菌の保存料を含まないIV輸液である。
【0135】
ペムブロリズマブは、使い捨てバイアルに入った、滅菌状態の、防腐剤を含まない白からオフホワイトの凍結乾燥粉末である。各バイアルを再構成し、静脈内注入用に希釈する。各2mLの再構成溶液は、50mgのペムブロリズマブを含有し、L-ヒスチジン(3.1mg)、ポリソルベート80(0.4mg)、およびスクロース(140mg)で製剤化される。pHを5.5に調整するために塩酸/水酸化ナトリウムを含んでもよい。
【0136】
試験結果:
パートAは用量制限毒性なしで完了した(9人の患者、2人の扁平上皮性、7人の非扁平上皮性)。パートB(拡大試験)は、ネシツムマブ800mgを使用して2015年12月に開始した。
【0137】
患者の臨床的特徴は進行した非小細胞肺癌患者の典型的なものであり、特に、予想よりわずかに多い患者がPD-L1発現を示さなかった(50%が発現なし)。注目すべきことに、7/34(21%)の患者は喫煙者ではなく、3/34(9%)の患者は第一選択療法としてEGFR TKIで治療され、EGFR変異の存在を示唆した。従来、これらの患者はPD-1特異的抗体に対してあまり応答しなかった。
【0138】
非扁平上皮NSCLCコホートの主要転帰分析でもある6ヶ月の中間有効性分析に基づいて、34人の患者(パートAの7人の非扁平上皮性患者およびパートBの27人の非扁平上皮性患者)の全病変(確認および未確認)のデータは、ネシツムマブとペムブロリズマブの併用を受けている患者に対する客観的奏効率29%および疾患制御率68%を示す。PFSの中央値は6.9ヶ月であり(95%信頼区間[CI]2.7-NR)、6ヶ月のPFS率は55%(95%CI36-71)である。最良な全奏効は、CRが0人、PRが10人(29%)、SDが12人(38%)、PDが7人(21%)で示され、4人はポストベースラインスキャンがないため評価されなかった(12%)。
【0139】
したがって、6ヶ月の中間結果は、ペムブロリズマブと組み合わせたネシツムマブが、Keynote001試験(KN001)で見られたペムブロリズマブの過去の単剤活性よりも改善されたORRおよびPFSを提供することを示す(Garon E et al,N Engl J Med 2015;372:2018-28)。KN001試験で見られたように、ペムブロリズマブ単独の中央値のPFSと6ヶ月のPFS率とを比較した場合に、ネシツムマブとペムブロリズマブの組み合わせは、過去のデータに基づくペムブロリズマブと比較して数値的な利益を示す。
【0140】
PD-L1ステータスに基づいて、全奏効率は、KN001の同じカテゴリーの、それぞれ9%、15%、41%と比較して、17人のPD-L1陰性患者で18.0%、5人のPD-L1低陽性患者で60%、5人のPD-L1高陽性患者で40%であった。喫煙したことがない患者および以前のEGFR TKIを受けた患者を除外した場合、ORRは38%であり、PD-L1非発現患者における25%の奏効率、PD-L1低発現患者における75%の奏効率、およびPD-L1高発現患者における50%の奏効率が含まれた。
【0141】
したがって、50%未満のPD-L1発現は、ペムブロリズマブと比較して、ネシツムマブとペムブロリズマブの組み合わせに対する有効性反応の改善を示す。
【0142】
この組み合わせの安全性プロファイルは、相加的毒性を伴うことなく、両方の薬物の個々のプロファイルに対応する。
【0143】
2016年2月11日データ中断
18人の患者(ネシツムマブ600mg n=3、800mg n=15)を対象とした。患者は女性44.4%、年齢中央値66.5歳[範囲48~76]、および腺癌組織像77.8%であった。すべての患者が1以上の治療下で発現した有害事象(AE)を経験し、1以上の試験治療に関連していた(表1)。4人の重篤なAEが3人(16.7%)の患者(すべて呼吸器および縦隔)に発生した。治療関連のものはなかった。中止や死亡は有害事象によるものではなかった。15%を超える頻度で発生しているAEを以下の表に列挙する。4人(22.2%)の患者が8つのグレード2を超えるAEを経験した:急性呼吸不全、低カリウム血症、低リン酸血症、注入に伴う反応、肺塞栓症、γ-グルタミルトランスフェラーゼ上昇(各1患者)、および呼吸困難(2患者)
【表1】
【0144】
ネシツムマブとペムブロリズマブの併用は耐容性があると思われる。安全性プロファイルは、相加的毒性を伴うことなく、両剤の個々のプロファイルに対応する。
【0145】
追加の臨床情報開示
ネシツムマブおよびペムブロリズマブに関するこの第1b相多施設共同単群試験では、ステージIVのNSCLC(NCT02451930)の前治療を受けた患者の安全性、有効性、および忍容性を調べた。PDL1は、IHC 22C3 pharmDxアッセイを用いて遡及的に評価された(1%未満、1~49%、50%以上の腫瘍細胞が染色された場合、それぞれ陰性、弱陽性、強陽性)。漸増用量のネシツムマブ600~800mgIV(3週ごとに[Q3W]1日目および8日目に)を、Q3Wの1日目に固定用量のペムブロリズマブ(200mgIV)と共に投与した(パートA)。パートAからの確立用量のネシツムマブを拡大コホートに使用した(パートB)。パートAの試験目的は、用量制限毒性(DLT)を決定し、RECIST1.1によって耐容性および全奏効率(ORR)を評価することだった。
【0146】
本試験のパートA(標準用量のペムブロリズマブと組み合わせたネシツムマブの用量漸増)は、用量制限毒性(DLT)なしで完了し、組み合わせは許容範囲内だった。相加的、新規、または予想外の有害事象(AE)は見られず、安全性の結果は各薬物のものに相当した。
【0147】
パートBの主な目的は、1回のプラチナベース化学療法レジメン後に進行したステージIVのNSCLC患者において、ペムブロリズマブと組み合わせた場合のネシツムマブのRECIST1.1によるORRを評価することである。
【0148】
パートBの第2の目的は、RECIST1.1による疾患制御率(DCR)、奏効期間(DoR)、無増悪生存期間(PFS)、安全性、およびOSを決定することであり、ペムブロリズマブの存在下でのネシツムマブの免疫原性および薬物動態(PK)を決定することである。
【0149】
扁平上皮性組織像(n=30)および非扁平上皮性組織像(n=34)の合計64人の患者が登録された(パートAおよびB)。64人の患者の結果が報告されている。患者の人口統計および特徴を表2に示す。PDL1ステータスおよび組織像による有効性の結果も表2に示す。PDL1は、IHC 22C3 pharmDxアッセイを用いて遡及的に評価された(1%未満、1~49%、50%以上の腫瘍細胞が染色された場合、それぞれ陰性、弱陽性、強陽性)。
【0150】
腫瘍反応を、RECIST1.1に従ってX線撮影により評価した。初回腫瘍イメージングは、初回投与の治療から21日以内に行われ、その後の画像評価はその後6週間ごとに行われた。
【0151】
帰無仮説は、ORRが20%、ORRに対する併用治療の代替奏効率が35%であるという仮定に基づいている。パートBの54人の評価可能な患者(27人の扁平上皮性患者および27人の非扁平上皮性患者)のサンプルサイズは、83%の統計的検出力、0.10のわずかな片側アルファレベルを提供する。
【0152】
全体的および組織像によるベースラインの特徴および有効性の結果を表2に示す。
【0153】
結果は、比較的高い割合のPDL1陰性腫瘍を有するNSCLC患者集団における組み合わせの中程度の活性を示唆している。
【0154】
組織像またはPDL1ステータスにかかわらず、すべての評価可能な患者において、ORR(確認)は23.4%(95%CI、13.8%~35.7%)、DCR(確認)は64.1%(95%CI、51.1%~75.7%)、mPFSは4.1ヶ月(95%CI、2.4~6.9)、およびOS比率は6ヶ月で74.7%(95%CI、61.5%~83.9%)である。
【0155】
ORRは扁平上皮性組織像と非扁平上皮性組織像の両方で類似していた(それぞれ20.0%対26.5%)。しかしながら、PFSは扁平上皮コホートよりも非扁平上皮コホートで優れていた(それぞれmPFS6.9カ月対2.8カ月)。
【0156】
有効性はそれぞれ強陽性、弱陽性、および陰性のPDL1ステータスに関連していると思われた。ORRが、40.0%、25.0%、および12.5%、ならびにmPFSが、7.6カ月、5.4カ月、および2.7カ月であった。
【表2-1】
【表2-2】
ECOG PS:Eastern Cooperative Oncology Groupのパフォーマンスステータス、PDL1:プログラム死リガンド1、ORR:全奏効率、mPFS:無増悪生存期間中央値、OS:全生存期間、CI:信頼区間、NR:達していない、m:ヶ月。
【0157】
この組み合わせの安全性プロファイルは、両方の治療成分の個々のプロファイルに対応し、相加効果は見られなかった。10%以上の患者での治療により発現した有害事象を表3に示す。安全性の概要を表4に示す。大多数の患者はいずれかのグレードの治療関連AE(TRAE)を経験したが、患者の10%未満が少なくとも1つのグレード3以上のTRAEを経験した。
【表3】
a女性患者のみで分母調整
【表4】
b2例のグレード5の気道感染症
【0158】
結果は、比較的高い割合のPDL1陰性患者を有する前治療を受けたNSCLC患者集団におけるネシツムマブとペムブロリズマブの組み合わせの活性を示唆する。安全性プロファイルは、相加的毒性を伴うことなく、両剤の個々のプロファイルに対応した。PD1とEGFRの組み合わせの遮断は、治療反応の持続期間を延長し、バイオマーカー選択集団における耐性発現を遅らせるための治療戦略であり得る。
配列
配列番号1、PRT1、人工配列
ネシツムマブの重鎖可変領域
【化9】
配列番号2、PRT1、人工配列
ネシツムマブの軽鎖可変領域
【化10】
配列番号3、PRT1、人工配列
ネシツムマブの重鎖
【化11】
配列番号4、PRT1、人工配列
ネシツムマブの軽鎖
【化12】
配列番号5、PRT1、人工配列
ペムブロリズマブの重鎖可変領域
【化13】
配列番号6、PRT1、人工配列
ペムブロリズマブの軽鎖可変領域
【化14】
配列番号7、PRT1、人工配列
ペムブロリズマブの重鎖
【化15】
配列番号8、PRT1、人工配列
ペムブロリズマブの軽鎖
【化16】
【配列表】