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特許7482196電気活性のある先端をガイドワイヤに含む導入装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】電気活性のある先端をガイドワイヤに含む導入装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/01 20060101AFI20240502BHJP
   A61M 25/09 20060101ALI20240502BHJP
【FI】
A61M25/01
A61M25/09 500
【請求項の数】 6
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022185527
(22)【出願日】2022-11-21
(62)【分割の表示】P 2020512455の分割
【原出願日】2019-04-25
(65)【公開番号】P2023025078
(43)【公開日】2023-02-21
【審査請求日】2022-12-19
(31)【優先権主張番号】62/664,753
(32)【優先日】2018-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519136777
【氏名又は名称】エックスキャス, インコーポレイテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】508152917
【氏名又は名称】ザ ボード オブ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティー オブ テキサス システム
【氏名又は名称原語表記】THE BOARD OF REGENTS OF THE UNIVERSITY OF TEXAS SYSTEM
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】キム, ダニエル エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】シン, ドンスク
(72)【発明者】
【氏名】パルムレ, ヴィリャル
(72)【発明者】
【氏名】シム, ヨンヒ
(72)【発明者】
【氏名】パテル, バビック
【審査官】川島 徹
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-212119(JP,A)
【文献】特開2006-334198(JP,A)
【文献】特表2016-518943(JP,A)
【文献】特開2015-080500(JP,A)
【文献】国際公開第2017/136729(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/01
A61M 25/09
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイドワイヤを電力供給源に接続する方法であって、
前記ガイドワイヤは、
制御可能に曲げることができる遠位部分であって、電気活性ポリマーコアと、第1の表面部分を含む第1の電極と、第2の表面部分を含む第2の電極とを含み、前記電気活性ポリマーコアに電気的バイアスを印加することにより制御可能に曲げることができる、遠位部分と、
位電気接続部分であって、該近位電気接続部分の軸方向に互いに離間した少なくとも第1の周囲導体と第2の周囲導体とを含み、前記第1の周囲導体および前記第2の周囲導体の各々は、前記近位電気接続部分の前記軸方向に延在する周囲導電面を有する、近位電気接続部分
近位端部で前記近位電気接続部分の前記第1の周囲導体に接続され、遠位端部で前記遠位部分の前記第1の表面部分に接続された第1の中間導体と、
近位端部で前記近位電気接続部分の前記第2の周囲導体に接続され、遠位端部で前記遠位部分の前記第2の表面部分に接続された第2の中間導体と
を含み、
前記方法は
第1の凸状部分を含む第1の接続端子と、第2の凸状部分を含む第2の接続端子とを備える電力供給コネクタを提供することであって、前記電力供給コネクタは、該電力供給コネクタの内部に延在する片持ち梁状部分をさらに備え、前記第1の凸状部分と前記第2の凸状部分とは、互いに電気的に絶縁されて、前記片持ち梁状部分上に、前記第1の周囲導体と前記第2の周囲導体とが前記近位電気接続部分の軸方向に互いに離間されているのと同じ距離だけ互いに離間されて設けられている、電力供給コネクタを提供することと、
前記近位電気接続部分を前記電力供給コネクタ内に挿入することにより、前記第1の接続端子を前記近位電気接続部分の前記第1の周囲導体に接続し、前記第2の接続端子を前記近位電気接続部分の前記第2の周囲導体に接続することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の中間導体が、中空のチューブ状の導体であり、前記第2の中間導体が、前記中空のチューブ状の導体の中を通るコア状の導体である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記中空のチューブ状の導体が、該中空のチューブ状の導体の外側表面パターン付きレーザカットを含む、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記コア状の導体が、該コア状の導体の遠位端部の少なくとも一部分を囲むコイルチューブをさらに備える、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記コア状の導体が、該コア状の導体の遠位端部に先細り部分をさらに備える、請求項2または4に記載の方法。
【請求項6】
前記電力供給コネクタが、該電力供給コネクタの遠位側に先細り入口ボアをさらに含み、前記近位電気接続部分は、前記先細り入口ボアを通じて前記電力供給コネクタに受けられ、前記先細り入口ボアの直径は、前記電力供給コネクタの前記遠位側から前記片持ち梁状部分に向かって小さくされている、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によりその全体が本願に組み込まれる2018年4月30日出願の米国特許仮出願第62/664,753号、名称「INTRODUCTION DEVICE INCLUDING AN ELECTROACTIVE TIP ON A GUIDEWIRE」の利益を主張する。
【0002】
本開示は、管腔内ガイドワイヤおよびカテーテルの分野に関し、より詳細には、電気活性ポリマーの先端端部を用いるガイドワイヤおよびカテーテルの分野に関する。
【背景技術】
【0003】
ガイドワイヤは、ガイドワイヤに沿ってそれを覆うように供給される補助シースを、身体内、たとえば人体などの哺乳類の身体内の所望の位置に案内するために使用される。1つの用途では、ガイドワイヤは、患者の皮膚および管腔壁を切開することにより身体の管腔内すなわち血管内に導入され、そこから、ガイドワイヤの導入された端部すなわち遠位端部が、管腔の所望の位置、またはガイドワイヤが導入されたその管腔に合流するもしくはそこから分岐する管腔の所望の位置に案内される。
【0004】
ガイドワイヤ導入システムに伴う1つの問題は、蛇行した管腔形状をたどるようにガイドワイヤの遠位端部を沿わせる能力、ならびにガイドワイヤの遠位端部が配置されている管腔に対する交差管腔または分岐管腔の中に、遠位端部を案内する能力に限界があることである。ガイドワイヤの遠端部を分岐管腔内に案内するために、ガイドワイヤの遠位端部は、それが分岐位置に到達した管腔との整合状態から、ガイドワイヤを身体内部にさらに動かすことによりガイドワイヤが分岐管腔に入りそれをたどることになる整合状態へ、ガイドワイヤの遠位端部を制御可能なやり方で移動させなくてはならない。いくつかの事例では、ガイドワイヤの遠位端部の目的送達先がその中の位置である分岐管腔は、遠位端部が存在する管腔と大きい角度で、たとえば45度より大きい、場合によっては90度より大きい角度で交差する。
【0005】
ガイドワイヤの遠位端部の向きを制御する1つの方法は、電気活性ポリマーの少なくとも2つの異なる位置に位置付けられた少なくとも2つの導電体が接触している電気活性ポリマーを組み込むことを含む。導電体のうちの少なくとも1つに選択的にバイアスをかけることにより、ガイドワイヤの電気活性ポリマー部分の向きが、ガイドワイヤの残りの部分に対して制御可能に変更できるようになる。バイアスが除去されると、中に電気活性ポリマーを有するガイドワイヤの区分は、その自由な状態に戻る。ガイドワイヤの電気活性ポリマー区分を、ガイドワイヤの遠位端部に、またはその遠位端部として位置付けることにより、ガイドワイヤの遠位先端の位置を、ガイドワイヤのユーザが制御可能に配置することができる。
【0006】
これらのガイドワイヤシステムは、その構造が原因で、信頼性および機能性にいくつかの限界があるという問題を抱えている。電気活性ポリマー区分の遠位端部の運動範囲は、物理的範囲が元々限定されており、これにより、ガイドワイヤが現在案内されている管腔と大きい結合角度で交差する管腔内にガイドワイヤの遠位端部を配置する能力が限定される。さらに、電気活性ポリマー区分を作動させるために使用される導体は、電気活性ポリマーにわたりバイアスを確立するために電気バイアス電圧または電気グラウンドの少なくとも1つに接続されなくてはならないので、ガイドワイヤの電気活性ポリマー部分は、電圧源およびグラウンドに配線接続され、その結果、ユーザによるガイドワイヤの回転作動が制限される。
【0007】
さらに、ガイドワイヤの形状は非常に小さく、直径が約1~4mmのロッドまたはチューブを備えている。電気活性ポリマー区分にわたりバイアスを提供する導体は、ガイドワイヤに沿ってまたはその中に延在しなくてはならず、電気活性ポリマーの表面と導体との接続部、または電気活性ポリマーの表面に接触した電極と導体との接続部は小さくてもろく、ガイドワイヤの遠位端部をユーザが遠隔で操作できなくなる開回路状態が頻繁に発生することにつながる。
【発明の概要】
【0008】
本明細書では、電気活性ポリマー区分を組み込んだガイドワイヤシステムであって、ガイドワイヤの本体に対するガイドワイヤの遠位先端の配置範囲が、参照により本明細書に組み込まれるWO2017136729A1および米国仮特許出願第62/539,346号に開示されている角度などの90度よりも大きい角度にわたって作動可能な、ガイドワイヤシステムが提供される。さらに、ガイドワイヤシステムは、ガイドワイヤの近位端部の位置またはそれに隣接した位置など、ガイドワイヤが導入されることになる身体の外部の位置から、電圧源、電気グラウンド、またはそれら両方と、電気活性ポリマーの壁または側面との間で導電経路を維持しながら無限回転できるように構成される。さらに、導電体と電気活性ポリマーとの間の改善された接続の典型例が提供される。
【0009】
一態様では、カテーテルは、中空シースと、中空シースを通って延在可能なガイドワイヤとを備え、ガイドワイヤは、制御可能に曲げることができる先端部分と、先端部分に接続された中空のチューブ状中間部分と、中空のチューブ状部分に接続された電気接続部分と、中空のチューブ状部分を通って延在し、第1の端部で第1の周囲導体に、第2の端部で先端端部の表面に接続された少なくとも1つの第1のワイヤと、電力供給コネクタであって、電気接続部分が電力供給コネクタに受けられ、電力供給コネクタの第1の端子が第1の周囲導体に接触する、電力供給コネクタとを備える。
【0010】
別の態様では、カテーテルは、制御可能に曲げることができる部分と、遠位部分に接続された中空のチューブ状中間部分と、中空のチューブ状部分に接続された近位電気接続部分と、中空のチューブ状部分を通って延在し、近位端部で近位電気接続部分に、遠位端部で遠位部分の先端端部の表面に接続された少なくとも1つのコアと、電力供給コネクタであって、電気接続部分が電力供給コネクタに受けられ、電力供給コネクタの第1の端子が近位電気接続部分に接触する電力供給コネクタとを備える。
【0011】
上に述べた本開示の特徴を詳細に理解できるように、上に簡単にまとめた本開示のさらに具体的な説明を、実施形態を参照しながら提供することができ、それら実施形態のいくつかを添付図面に示す。しかし、添付図面は例示的な実施形態のみを示し、したがってその範囲を限定するとはみなされず、他の同等に有効な実施形態を認めてもよいことに注意すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】外側シース、内側ガイドワイヤ、および電気接続部を含むカテーテルの概略平面図である。
図2図1のカテーテルの概略断面図である。
図3図1および図2のカテーテルの制御可能に曲げることができる先端の等角図である。
図4図1および図2のガイドワイヤの側面図である。
図5】導電ワイヤと制御可能に曲げることができる先端端部との相互接続部を示す、図4のガイドワイヤの部分図である。
図6】制御可能に曲げることができる先端端部に接続する前の図6のワイヤの端部図である。
図7】制御可能に曲げることができる先端端部とガイドワイヤの中間部分との接続部の拡大等角図である。
図8】ガイドワイヤの電気接続部分の拡大等角図である。
図9図4のガイドワイヤの制御可能に曲げることができる部分に給電するための電力供給コネクタの想像等角図である。
図10図9の電力供給コネクタの断面図である。
図11】ガイドワイヤの制御可能に曲げることができる先端端部に電力供給部を接続する代替的な構成を一部断面で示す拡大側面図である。
図12】ガイドワイヤの代替的な電気接続部分の拡大側面図である。
図13】端子を取り除いた状態のガイドワイヤの代替的な電気接続部分の拡大等角図である。
図14】ガイドワイヤの代替的な電気接続部分の拡大等角図である。
図15】ガイドワイヤをガイドシース内に接続する際のステップを示す等角図である。
図16】ガイドワイヤをガイドシース内に接続する際のステップを示す等角図である。
図17】電力供給コネクタを含む使用できる状態のガイドワイヤおよびカテーテルの等角図である。
図18】外側シース、内側ガイドワイヤ、および電気接続部を含むカテーテルのさらなる態様の概略平面図である。
図19図18のカテーテルのコアまたは先細りコアの平面図である。
図20】中に配設される先細りコアおよび他の構成要素を示す、図18のカテーテルの外側シースの断面図である。
図21】先細りコアから図18のカテーテルの電気活性ポリマー部分まで延在する導電リードの等角図である。
図22図18のカテーテルの外側シースの平面図である。
図23】その中の特定の隣接するスロット間の相対角度を示す、図22の外側シースの概略図である。
図24A図20のリードと電気活性ポリマー部分との接続部を示す図18のカテーテルの端部拡大図である。
図24B図20のリードと電気活性ポリマー部分との接続部を示す図18のカテーテルの端部拡大図である。
図25図18のカテーテルの外側シースおよび内側ガイドワイヤの近位端部、ならびに電気接続構成要素の平面図である。
図26図18のカテーテルの制御ボックスの端子配置を示す平面図である。
図27図18のカテーテルの先細りコアの平面図である。
図28図27のガイドワイヤに接着されたコイルの一方の端部を示す等角図である。
図29図27のガイドワイヤに接着されたコイルの第2の端部を示す等角図である。
図30】外側シースの内部に接着されたコイルを示す、外側シースおよび内側ガイドワイヤの遠位端部、ならびに電気接続構成要素の図である。
図31】外側シースのスロット内に電気活性ポリマー部分が接着された状態の、外側シースの遠位端部およびそこから延在するリードの図である。
図32図31の外側シースのスロット内に電気活性ポリマー部分が接着された状態の、電気活性ポリマー部分の第1の側と外側シースとの間に絶縁材料がある、外側シースの遠位端部およびそこから延在するリードの図である。
図33図31の外側シースのスロット内に電気活性ポリマー部分が接着された状態で、リードが電気活性ポリマー部分の第1の側に電気的に接続されており、外側シースが電気活性ポリマー部分の第2の側に電気的に接続されている、外側シースの遠位端部およびそこから延在するリードの図である。
図34】リードが電気活性ポリマー部分の第1の側に電気的に接続されており、外側シースが電気活性ポリマー部分の第2の側に電気的に接続されており、これらの部分がカプセル材料で覆われた、外側シースの遠位端部の図である。
図35】ガイドワイヤのさらなる態様を一部断面で示す平面図である。
図36図35のガイドワイヤをアセンブリする際のステップを示す概略図である。
図37図35のガイドワイヤをアセンブリする際のさらなるステップを示す概略図である。
図38図35のガイドワイヤをアセンブリする際のさらなるステップを示す概略図である。
図39図35のガイドワイヤの部分的にアセンブリされた平面図である。
図40】電気接続部分をガイドワイヤに構成する前のガイドワイヤの一部分の接続部分を示す平面図である。
図41図35のガイドワイヤの電気活性ポリマー部分の第1の側に接触している第1の導体に電気接続するために、電気接続部分の第1の部分をガイドワイヤにアセンブリした後のガイドワイヤの一部分の接続部分を示す平面図である。
図42図35のガイドワイヤの電気活性ポリマー部分の第2の側に接触している第2の導体に電気接続するために、電気接続部分の第2の部分をガイドワイヤにアセンブリした後のガイドワイヤの一部分の接続部分を示す平面図である。
図43】電気接続部分の接続検出器がガイドワイヤにアセンブリされた後の図35のガイドワイヤの接続部分を示す平面図である。
図44】ガイドワイヤの外側シースに接続された電気活性ポリマー部分を示す、図35の部分的にアセンブリされたガイドワイヤの遠位端部部分の部分等角図である。
図45】シースの内側壁と電気活性ポリマー部分との間の空間が充填された状態を示し、その充填により外側シースの隣接端部がさらに覆われる図35の部分的にアセンブリされたガイドワイヤの遠位端部部分を示すさらなる部分等角図である。
図46】電気コネクタおよび電気活性ポリマー部分の隣接側を覆う導電性接着剤を示す、図35の部分的にアセンブリされたガイドワイヤの遠位端部部分のさらなる部分等角図である。
図47図35のガイドワイヤの遠位端部部分のさらなる部分等角図である。
図48】反対側の面にある放射線不透過性マーカを示す、電気活性ポリマー部分の一部分を示す概略側面図である。
図49】先端端部にある放射線不透過性マーカを示す、図48の電気活性ポリマー部分の一部分を示す概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
理解を促すために同一の参照符号が使用されており、可能な場合には、複数の図面に共通した同一の要素を指す。一実施形態の要素および特徴は、さらに言及することなく、他の実施形態に有益に組み込まれてもよいことが企図される。
【0014】
最初に図1および図2を参照すると、図1にはガイドワイヤシステム10が示してあり、全体を図2に示すガイドワイヤ12と、ガイドワイヤ12の長さの大部分を囲むシース20と、ガイドワイヤ12の近位端部を覆うように配設された電力供給コネクタ21とを含んでいる。ガイドワイヤ12は、その中間部分を形成する中空のチューブ状シャフト14と、その近位端部を形成する電気接続部分16(図2および図16)と、ガイドワイヤ12の遠位端部を形成する制御可能に曲げることができる部分18から構成される。ここでガイドワイヤ12は、概ね直線の経路に延在した状態で示されており、自由状態の、すなわちその全体にわたって電気的バイアスが印加されていない状態の曲げることができる部分18は、そこに湾曲部または曲げ22を有した状態で示される。曲げ22は、点24を中心とした半径を有する連続した湾曲部として図2に示されており、丸いまたは湾曲したマンドレルの上に制御可能に曲げることができる部分を押し付けて、その湾曲表面に、制御可能に曲げることができる部分を沿わせることによって形成されてもよい。あるいは、制御可能に曲げることができる部分18の予め曲げられた部分を形成する曲げ22は、制御可能に曲げることができる部分18の概ね直線状の区分が、曲げの片側または両側から延在するように、制御可能に曲げることができる部分18の短い長さだけに沿って、言い換えれば、その部分の長さの一部分だけにわたって形成されてもよい。制御可能に曲げることができる部分18の長さに沿って2つ以上の曲げ角度を含む複合曲げなどの他の曲げも、企図される。
【0015】
図3に示すように、一態様では、制御可能に曲げることができる部分18は、電気活性ポリマー部分34の反対側に直接形成されたまたは接着された電極36、38の間に挟まれた電気活性ポリマー部分34から構成される。
【0016】
制御可能に曲げることができる部分18の自由なまたは通電していない状態でそこに曲げもしくは湾曲部を付与することなどにより、制御可能に曲げることができる部分18を、その自由状態の直線経路からの逸脱を含むように形成することによって、制御可能に曲げることができる部分18の先端30の端部に対する接線32の向きを、図1に示す中空のチューブ状シャフト14との接続位置における制御可能に曲げることができる部分18に対する接線33から、約0~約90度の角度θで配設することができる。本明細書では、制御可能に曲げることができる部分18の先端30の端部に対する接線32を、制御可能に曲げることができる部分18と中空のチューブ状シャフト14との、またはそれらの間にある追加の中間部材との接続位置に対する接線から、90度より大きい角度で配設できることが企図される。たとえば、制御可能に曲げることができる部分の先端30の端部が、その自由状態で、中空のチューブ状シャフト14の端部の向きから45度で配向され、制御可能に曲げることができる部分18の先端30の端部を、その電気的に作動可能なポリマーを電気的に作動させることによって+/-45度の角度にわたって曲げることができる場合には、したがって先端30の端部を、オペレータの制御下で、制御可能に曲げることができる部分18と中空のチューブ状シャフト14との接続位置に対して0~90度に配向することができ、すなわち角度θの範囲は、約0度~90度である。その同じ予め曲げる条件で、制御可能に曲げることができる部分18を+/-60度で制御可能に作動させることができる場合には、角度θは、-15度~+105度で制御可能に確立することができる。制御可能に曲げることができる部分の予め曲げられる曲げ角度および曲げ性を選択することにより、ガイドワイヤシステム10のオペレータまたはユーザは、中空のチューブ状シャフト14に対する先端30の端部の所望の向きを制御可能に選択して、分岐管腔内を含む蛇行した管腔組織においてその配置を確立するようにガイドワイヤ12の先端30の端部を位置付け可能にすることができる。
【0017】
本明細書では一態様において、制御可能に曲げることができる部分18は、ストリップの反対側で対向する導電体を有するストリップ形状の電気活性ポリマーベースを有するように構成される。たとえば図3に示すように、電気活性ポリマー部分34のストリップ40は、対向する主面44、46と、対向する副面48を含み、それぞれの副面48は、2つの主面44、46の間に広がっている。主面44、46は、矩形のプロファイルを有するものとして示されるが、三角形、切頭三角形の多角形、もしくは他の多角形、または辺の湾曲した形状など、平面図における他のプロファイルが企図される。それぞれの主面46、48には、電気活性ポリマー部分34に押し付けることによってそこに押し付けられ接着されたカーボン層42と、カーボン層42の上にくる金属電極50とが設けられる。一方の主面44または46の上の一方のカーボン層42を、他方の主面44または46のカーボン層より分厚くなるように形成することにより、カーボン層42の固有の応力差によって、制御可能に曲げることができる部分18が、図1および図2に示すその長さに沿った連続した湾曲部を固有に形成する。カーボン層42の相対厚さは、制御可能に曲げることができる部分18の遠位端部54に対する接線32と、制御可能に曲げることができる部分18の近位端部56に対する接線33との合計角度差(角度θ)を規定する。制御可能に曲げることができる部分18の近位端部56から遠位端部54または先端端部30までその長さにわたって、異なる厚さのそれぞれのカーボン層42の厚さを一定に維持することにより、制御可能に曲げることができる部分18の近位端部56から遠位端部54までその長さにわたって2つのカーボン層42の内部応力の差が一定になった結果として、連続した湾曲部が点24を中心として固有に形成されることになる。それぞれの金属電極50は、各主面44、46の長さおよび幅にわたって電気を分配するための導電性の高い経路を形成し、それによりそれぞれの電極50にわたる均一な電圧電位を維持するように、カーボン層42の上に設けられる。たとえば、電極50は、金、銀、パラジウム、または白金のスパッタリングまたは気相堆積した層から形成されてもよく、各電極は同じまたはほぼ同じ厚さを有する。カーボン層42は、カーバイドから誘導したカーボン、カーボンナノチューブ、グラフェン、カーバイドから誘導したカーボンとポリマー電解質メンバとの複合材、およびカーボンナノチューブとポリマー電解質メンバとの複合材など、カーボンベースの材料を含んでもよい。
【0018】
あるいは、電極50自体が、スパッタリング、気相堆積、または他の堆積もしくは接着の方法により、制御可能に曲げることができる部分18に形成される形状記憶材料、たとえばNiTi合金またはNiTiベースの合金から形成されてもよい。この態様では、たとえば、ニッケルとチタンのターゲットを処理チャンバ内で共スパッタリングすることによって形成されるNiTi合金の薄層が、制御可能に曲げることができる部分18の主面44、46に堆積される。その後、1つまたは複数の所望の曲げ、たとえば連続した湾曲またはとがったキンク型の曲げが、制御可能に曲げることができる部分に付与される。次いで、制御可能に曲げることができる部分18は、合金の内部相を変化させるのに十分な温度まで冷却されて、内部相の構造をオーステナイトからマルテンサイトに変化させ、制御可能に曲げることができる部分18は、図3に示すように直線またはほぼ直線の構成に戻り、それにより送達シースまたは他のシースに挿入されることが可能になり、制御可能に曲げることができる部分18がまだシース20内にある間に、内部相がオーステナイト相に再び変化する温度まで再び加熱されることが可能になる。形状記憶材料は、予め曲げられた制御可能に曲げることができる部分18にも堆積させることができる。
【0019】
ここで形状記憶合金材料は、電極材料としても作用する。シースの遠位端部が身体管腔または他の身体領域に挿入されるとき、制御可能に曲げることができる部分がシースの遠位端部から外向きに押し出されると、電気活性ポリマーにわたりバイアスまたは電位が印加されていない場合には、制御可能に曲げることができる部分は、それが冷却され曲げ戻されて平坦なまたは直線のプロファイルに戻る前のその曲がった形状に戻ることになる。したがって、電気活性ポリマーにわたりバイアスまたは電位を印加することにより、制御可能な曲げることができる部分18のプロファイルを変えることができる。
【0020】
ここで図4および図5を参照すると、キャパシタまたはバッテリなどの電源の+および-の端子を、対向する電極50に接続するための接続の典型例が示してある。図1に示すように、ここでガイドワイヤシステム10は、ガイドワイヤ12と、ガイドワイヤ12の長さの大部分を囲むシース20と、ガイドワイヤシステムの近位端部に位置付けられた電力供給コネクタ21とを含んでいる。ガイドワイヤ12は、図4に示すように、全体的に第1のチューブ状部分60、制御可能に曲げることができる部分18、および第1のチューブ状部分60の遠位端部64と制御可能に曲げることができる部分18の近位端部66との間に配設されそれらを相互接続する可撓性部材62を含むように構成される。ここで可撓性部材62は、チューブ状の第1の部分60と制御可能に曲げることができる部分18との間のその長さに沿っておおよそ等しいピッチで離間した巻き68を有するコイルばねとして構成される。可撓性部材62は、ガイドワイヤアセンブリ10が管腔の内側に案内されるときに、身体管腔の蛇行した組織をたどることができる可撓性の支持を提供する。さらに、対向する電極50を電源に接続するために、第1のワイヤ70(図5)が、一方の電極50と、概ねチューブ状の部分60の外側表面に位置する第1の端子72とに接続され、それらの間に延在しており、第2のワイヤ71(図5)が、他方の電極50と、概ねチューブ状の部分60の外側表面で第1の端子72よりも概ねチューブ状の部分60の近位端部84の近くに位置する第2の端子73とに接続され、それらの間に延在している。
【0021】
図5および図6を参照すると、ワイヤ70、71のそれぞれは、外側絶縁コーティング86と、端子を形成する概ね平坦な台形部分90で終端する内部導電コア88とを含む。それぞれのワイヤ70、71の一方は、制御可能に曲げることができる部分上の電極50の一方に導電性接着剤92(金ペーストなど)によって接続され、それによりワイヤ70、71と端子90の間で電気流接続が提供される。図7および図8に示すように、端子90が、制御可能に曲げることができる部分18の電気活性ポリマーの両側の電極50に取り付けられると、電気活性ポリマーはさらに、ポリジメチルシロキサン(PDMS)およびパリレンでコーティングされ、ワイヤ70、71の反対側の端部は、可撓性部材62に通され、導電性接着剤を使用してワイヤ70、72の導電コア88のそれぞれをそれぞれの端子80、82に取り付けることなどにより、電力供給コネクタ21に受けられる端子80、82のうちの1つに接続される。これは、端子80、82を貫通する穴をあけ、端子80、82のチューブ状の包みの中から導電コア88を内側にいれ穴を通すことによって、または他の機構によって、実現することができる。端子80、82は、チューブ状部分60の周囲を囲み、チューブ状部分60の長さ方向Lにおいて互いに離間している。図4に示すように、制御可能に曲げることができる部分18の近位端部は、接着剤94(たとえば、ポリイミドまたはUV硬化剤)を用いて可撓性部材62の遠位端部に接着され、この接着剤94は、導電性接着剤92も覆う。
【0022】
ここで図9および図10を参照すると、電力供給コネクタ21と、ガイドワイヤ12の制御可能に曲げることができる部分18との接続の典型例が示してある。ここで電力供給コネクタ21は、外側の概ね正確な環状のハウジング100と、その中に受けられるインサート96とを含み、このインサート96は、その長さに沿ってスロット開口部108を有する導管104につながる先細りの入口ボア102と、スロット開口部108の上にそこから離間して延在している片持ち梁状部分98から構成される。先細り入口ボア102の最大外径は、ハウジング100の内径よりわずかに大きく、片持ち梁状部分98の側壁110は、ハウジング100の内径の湾曲を模倣するように湾曲しており、こうして、インサート96をハウジング100に押し込み、インサート96をハウジング100内で中央に置くことができるようになる。スロット開口部108に面する片持ち梁状部分98の側面には、互いに離間して電気的に絶縁された第1の端子112と第2の端子114が設けられる。導管104は、その中にガイドワイヤ12の近位端部を入れることができ、ハウジング100とガイドワイヤ12が互いに回転できるような大きさにされている。ここで電力供給部は、ケーブル106を介して、DC電源に、たとえばAC電源に接続された可変出力のユーザ制御可能なAC-DCコンバータの出力に接続される。ケーブル106はその中に延在する2本のワイヤ116、118を含み、ワイヤ116、118のそれぞれ1本が、接続端子112、114のうちの1つに接続されて、制御可能に曲げることができる部分18の電極50に選択的にバイアスをかけることができるようになる。
【0023】
ガイドワイヤ12の近位端部は、先細り入口ボア102を介してハウジング100に挿入され、ここでガイドワイヤ12は、導管104の基部120に対してグラウンド接続される。第1および第2の端子112、114は、銅などの導電性材料のストリップとして構成され、それぞれが、スロット開口部108の上にくる凸状部分を含む。第1および第2の接続端子112、114は、その凸状部分の中心が、第1および第2の端子80、82の中心間の距離と同じ距離だけ互いに離間するように、距離124だけ互いに離間される。これにより、電源と、制御可能に曲げることができる部分18の電気活性ポリマー部分34の電極50との間の電気回路を断線することなく、ガイドワイヤ12の近位端部をわずかにハウジング100の外側および内側に動かすことができるようになる。同様に、ガイドワイヤ12の周りに周方向に端子が延在するので、ガイドワイヤ12の回転配向は、ハウジング100を介した電気回路に影響を及ぼさない。ガイドワイヤ12は、導管104に圧着することなどによりハウジング100に固定されてもよく、または導管104の基部120とガイドワイヤ12との間に接着剤が塗布されてもよい。あるいは、ガイドワイヤ12はハウジング100に固定される必要はなく、ガイドワイヤ12は、接続端子112、114と端子80、82との接触を妨げることなく、その中で回転してもよい。
【0024】
ここで図11および図12を参照すると、制御可能に曲げることができる部分18の電極50との電気接続の典型例の代替構成が示してある。ここでワイヤ71は、ガイドワイヤ12の中間部分14にある第2の端子82から延在し、そこを通り、ガイドワイヤ12の中間部分14、16(図2を参照)を通って延在し、図7および図8に示すのと同じやり方で、制御可能に曲げることができる部分18上の電極50のうちの一方に接続される。対照的に、ワイヤ70は、図7および図8のその長さに比べて短縮されており、電気接続部分16の遠位端部にある第1の端子80と、制御可能に曲げることができる部分18の他方の電極50との間にのみ接続される。ここで中間部分14、16は両方とも、導電性材料、たとえば他の生体適合性のある導電部分のステンレス鋼から構成される。中間部分14の一部分126が、第2の端子としての役割を果たす。ワイヤ70の端部128は、中間部分14、16の内側部分にバイアスをかけてそれらの間でスライド式電気接触を可能にするように、犬脚状に曲げられてもよい。
【0025】
ここで図13および図14を参照すると、ワイヤ70、72を端子80、82に取り付ける接続の典型例が示してあり、この接続の典型例は、それぞれについて同じであるが、ガイドワイヤ12の長さに沿って離間している。ここで、ガイドワイヤ12のチューブ状シャフト14の近位端部は、その中に部分的に延在する小径部分134と、大径部分132を含む電気絶縁アダプタ130を含み、ここで小径部分と大径部分134、132の間に形成される環状の縁140が、ガイドワイヤ12の端部から離間している。その上に絶縁体を含むワイヤ72は、小径部分134の外側壁との間に延在して、ガイドワイヤ12の環状の端部壁136と環状の縁140の間に形成された隙間138に入る。隙間138内に延在するワイヤ72の一部分の絶縁体の一部分は、その導電コアを露出するように剥がされまたは除去される。端子82は、円筒形の導体として構成され、隙間138に位置付けられる。環状の端部壁136は、その上に絶縁コーティングを含み、導電ガイドワイヤの環状の端部壁と、導電端子80の間に別個の絶縁ワッシャが配設される。図14に示すように、大径部分132は、端子を固着させるためにガイドワイヤ12の方向に押されまたは押し付けられて、その内側周囲に沿ってワイヤ72の導電コアに接触して、ワイヤ70と端子の接続を完成させる。この接続の典型例は、単一の端子という観点から説明されてきたが、その大径および小径の部分全体に延在する、ボアを有する中空のアダプタ130を提供し、そこを通って第2のワイヤ72を引きいれ、第2のアダプタの第2の小径部分を、その上に第2の端子を有する状態でボアの内側に挿入することにより、第2の端子82を、第2のワイヤ72の導電コアに電気的に接続することができる。
【0026】
ここで図15図17を参照すると、ガイドワイヤシステム10とガイドチューブ150のアセンブリが示してある。最初に、電力供給コネクタ21からガイドワイヤ12が取り外された状態で、その中間部分16の端部からガイドワイヤの上にガイドシースが導入され、ガイドワイヤ12の上にくるように152の方向に押し込まれる。ガイドチューブ150は、その近位端部にマニピュレータ156を含む。図16に示すように、ガイドチューブ150とガイドワイヤ12は、そのマニピュレータ156の端部において中間部分16がガイドチューブ150から外向きに延在するように統合される。次いで中間部分16が、電力供給コネクタ21のボアに挿入される。
【0027】
図18に示すように、導入装置のこの態様では、ガイドワイヤと電気活性ポリマーに基づく導入装置200のさらなる構成は、電力および制御ボックス220と、柔軟なチューブ状の保護カバー234をその上に有し、制御および電力モジュール220から延在し接続ボックス228で終端する電気リード部分222とを含む制御および電力モジュール218、ならびに、接続ボックス228内に受入れ可能な第2の端部264とそれに対して遠位の第1の端部262とを有するハイポチューブ260として形成される外側シースから形成される中空シース240を含むガイドワイヤ216を含み、ハイポチューブ260は、接続ボックス228から選択的に延在する(図20を参照)。図20および図21に示すように、ハイポチューブ260はその中に、先細りコア250から形成されたコアと、その第1の端部262から延在する電気活性ポリマー部分270とを含む。この導入装置200の構成では、コイル280は、ハイポチューブ260内の位置において先細りコア250の一部分の上に配置される。電気活性ポリマー部分270と制御および電力モジュール218の電源との接続は、導電性の先細りコア250およびハイポチューブ260を介して行われ、そのそれぞれは、電気リード部分222内の別個の導体に接続され、コイル280が柔軟な支持を提供し、それが適切な絶縁コーティングとともに、ハイポチューブ260およびガイドワイヤ250の著しい曲げが生じることが予想され得る電気活性ポリマー部分270のすぐ隣の領域において、ハイポチューブ260と先細りコア250を互いに電気的に絶縁する。たとえば、先細りコア250は、電気活性ポリマー部分270の第1の側272に電気的に接続され、電気活性ポリマー部分270の反対の第2の側274は、ハイポチューブ260に電気的に接続される。導入を容易にするために、ハイポチューブ260は、第1の端部262からその第2の端部264までその上に延在するポリマーシースを含んでもよい。
【0028】
図19を参照すると、先細りコア250が、その長さに沿ってその一部分が取り除かれた状態で示してある。先細りコア250は、その第1の端部254から延在する主部分252と、その第2の端部256から第1の端部254の方向に延在する先細り部分258とを含む。ここで、先細りコア250の長さのおおよそ15%は、接合部「J」において主部分252から連続して延在する先細り部分258から形成され、ここではその第2の端部256に生じる先細り部分258の最小外径dは、その長さに沿った主部分258の外径Dのおおよそ約30%である。たとえば、先細りコア250の全長「L」がたとえば200cm(すなわち2メートル)の場合、先細り部分258は、その第2の端部256の接続ボックス228から遠位から先細りコア250の接合部Jまで30cmの長さ「l」延在することになる。さらに、主部分252の直径Dがたとえば0.20mmの場合、先細り部分258は、接合部Jの主部分252からその遠位の第2の端部256まで、長さ「l」にわたって外径が(Dからdに)連続してすなわち直線的に低減するように先細りし、それによりガイドワイヤの遠位端部256における外径「d」は、おおよそ0.064mmになる。先細り部分258の先細りは本明細書において、先細り部分258の長さにわたって直径が線形に低減するものとして生じると説明されたが、主部分252から遠位端部256まで長さ「l」に沿って直径が非線形に低減するものも同様に企図される。その遠位端部256に隣接して先細りコア250の先細り部分258が先細りしていることにより、そこで先細りコア250の剛性が低減し、また、先細り部分258とハイポチューブ260の内径との間にクリアランス空間が生成されて、それらの間に導電コイル280を受けることができる。
【0029】
図20を参照すると、ハイポチューブ260が断面で示してあり、ハイポチューブ260の内側周囲内でそれに沿って延在する先細りコア250と、先細りコア250の遠位端部256に隣接したその先細り部分258の一部分の周りで、同じくハイポチューブ260の内側周囲内に延在するコイル280とが示してある。ハイポチューブ260および先細りコア250はそれぞれ別個の電流経路を提供して、電気活性ポリマー部分270の反対の第1の側と第2の側272、274にある金または銀の層などの薄い電極に、電圧信号または電流が選択的に印加または維持されるように支持する。ここで導電リード300(図21)は、先細り部分258の外側周囲表面から延在して、電気活性ポリマー部分270の第1の側272に接続される。図21に示すように、導電リード300は、第1の概ね平坦な第1の部分302と、そこから延在して、先細りコア250の先細り部分258の遠位の第2の端部256から離れる犬脚状部分304と、犬脚状部分304から延在するリード部分306と、第2の概ね平坦な部分310とを含む。平坦な第1の部分302は、ガイドワイヤ250の先細り部分258にスポット溶接されることなどによりそれに電気接触しており、第2の平坦な部分310は、電気活性ポリマー部材270の第1の側272に、それらを第1の導電層384で互いに接着することなどにより接続される。
【0030】
ここでハイポチューブ260は、図22に示すように薄壁状導電スリーブであり、たとえば、接続ボックス228に受入れ可能な第2のチューブ端部264と、電気活性ポリマー部分270(図20)の厚さ316よりわずかに大きいスロット高さまたは幅を有する受けスロット312を有するように構成された第1のチューブ端部262とを有する生体適合性のステンレス鋼チューブである。受けスロット312の幅314を、電気活性ポリマー部分270の厚さ316よりもわずかに大きく構成することにより、電気活性ポリマー部分270の第1の側272を、受けスロット312の内側壁から離間することができ、したがってそれから電気的に絶縁することができる。ハイポチューブ260はさらに、その対向する周囲側から内向きにカットされた複数のクロスカットスロット318(図22および図23を参照)を含み、いくつかのスロットの対の間に周方向に延在する対向するウェブ320の対を残す。クロスカットスロット318は、ハイポチューブ260の一部分のみに形成され、この部分はその第2の端部256に隣接し、受けスロット312の基部からわずかに離間しており、アセンブリ後にその中に配設される先細りコア250の先細り部分258の長さよりもわずかに長い距離だけハイポチューブ260の長さに沿っており、クロスカットスロット318は、ウェブ320の周方向スパンの大きさと、クロスカットスロット318同士間の間隔との両方が徐々に大きくなっている。ここでスロットは、ハイポチューブ260を含む材料の普通は連続しているチューブにレーザカット加工されるが、物理的な切込みもしくはフライス加工、またはパターンエッチングなどの他のやり方、あるいは他の機構で提供されてもよい。ハイポチューブ260が、図24に示すように曲がっていないまたはねじれていない状態であり、中心線322を有すると考えると、クロスカットスロット318の各対は、中心線322に垂直な(90度の)角度でハイポチューブ260の壁324を貫通して延在しており、ここで各クロスカットスロット318を形成するその周方向スパンの中心からのカットの深さが、ハイポチューブ260の外側壁324におけるクロスカットスロット318の周方向スパン、ならびに直接対向するクロスカットスロット318の各対の各端部間で周方向に延在するウェブ320を含む残りの周方向スパンを定義する。
【0031】
図22は、そのようなクロスカットスロット318のセットを示しており、ここでハイポチューブ260の中心線322の長さ方向におけるスロット周期は、電気活性ポリマー部分270が受けスロット312に受けられる第1の端部262からのハイポチューブ260に沿った距離との関係で変化する。ここで、それぞれが互いに異なる間隔、異なるスロット深さ、またはそれら両方の組合わせを有する4セットのスロット318a~dがハイポチューブ260にわたって延在しており、ここで最も深いクロスカットスロット318は、ハイポチューブ260の第1の端部262に隣接し受けスロット312から離間した第1の領域のスロット318aに存在し、同じくこれらのクロスカットスロット318は、ハイポチューブ260の中心線322の長さ方向において互いに最も近い間隔で離間している。第2のセットのスロット318のクロスカットスロット318は、ハイポチューブ260の第1の端部262と第2のセットのスロット318bとの間に、第1のセットのスロット318aがくるように、第1のセットのスロット318aに隣接して配設されている。第2のセットのスロット318bのクロスカットスロット318は、ハイポチューブ260の周りで周方向に互いに隣接したクロスカットスロット318が、ハイポチューブ260のその第1の端部262からの同じ中心線322の長さ位置においてハイポチューブの周方向に対向する側に形成されないように、ハイポチューブ260の中心線322の長さ方向においてずれている。むしろそれらは、第1のセットのスロット318aにおけるハイポチューブ260の中心線322の長さ方向に隣接したスロット318と同じ距離だけ、ハイポチューブ260の中心線322の方向で線形にずれている。第3のセットのスロット318cでは、クロスカットスロット318は再び周方向に互いに向かい合っており、第1または第2のセットのスロット318a、bの間隔よりも、ハイポチューブ260の中心線322の長さ方向において互いに広い間隔を有し、第2のセットのスロット318bは、第1のセットのスロット318aと第3のセットのスロット318cとの間に配設される。第4のセットのスロット318dは、第3のセットのスロット318cの位置よりも第1の端部262から遠く離れたハイポチューブにわたって配設され、これらのスロットはクロスカットスロット318の対向する対を含み、それぞれの対は、ハイポチューブ260の第2の端部256から離れる方向のハイポチューブ260の中心線322の長さ方向において、互いの間隔が徐々に広がっている。
【0032】
さらに、スロットのセットのいくつかでは、互いに対する角度分布は、ハイポチューブの長さ方向に沿って変化する。たとえば、図23は、ハイポチューブ260の長さ方向において互いにすぐ隣のクロスカットスロット318、318’の2つの対の側壁の角度を示す。ここでスロット318の基部壁(実線)は、基準方向D1に対して角度Aで延在し、第2のセットのスロット318’の基部壁(破線)は、基準方向Aに対して角度Bで延在し、ここで角度Bは角度Aより小さい。第1、第2、および第3のセットのスロット318a~cでは、それぞれの隣接するクロスカットスロット318は、基準方向に対して異なる角度でカットされ、ハイポチューブ260の長さ方向における1つのクロスカットスロット318と隣のクロスカットスロット318との角度差は、それぞれのスロットグループ318a~c内では同じである。これにより、クロスカットスロット318の向きは、ハイポチューブの長さ方向に歳差移動することになり、これによりウェブ320によって形成されるピボットの位置も同様に、ハイポチューブ260の周りで周方向にその長さ方向に歳差移動し、ハイポチューブ260の柔軟度を大きくすることができる。このハイポチューブでは、第1から第3のセットのスロットにおけるハイポチューブの長さ方向のクロスカットスロット318とクロスカットスロット318’の角度差は同じであり、約10~11.25度である。いずれの場合にも、クロスカットスロット318からクロスカットスロットまで、角度変化の方向は同じ方向である。第4のセットのスロット318dでは、それぞれの隣接するクロスカットスロット318の対は、隣接するクロスカットスロット318の対からおおよそ90度ずれている。さらに、第1のセットのスロット318aのクロスカットスロット318の間隔は、0.0013インチであり、第1のセットのスロット318aの第1のクロスカットスロット318は、スロット312の基部からチューブの長さに沿って0.200mm離間しており、スロット312は、ハイポチューブ260の第1の端部262から0.400mm内側に延在しており、スロット312は厚さがおおよそ0.120mmである。たとえば、ハイポチューブ260はステンレス鋼から構成され、約0.0140インチの外側周囲、および約0.0100インチの内径を有する。
【0033】
図20図22、および図24に示すように(図24では、図を見やすくするために第1のセットのスロット318aの一部分が取り除かれている)、ハイポチューブ260は、スロット312の基部と、それに最も近いクロスカットスロット318との間に延在する連続した外側表面部分326を含む。先細りコア250の第2の端部256は、ハイポチューブ260の内側にその長さ方向に配置され、導電リード300が、そこから電気活性ポリマー部分270の第1の側272まで延在している。スロット312は、対向する第1と第2の側壁328、330を含み、ハイポチューブ260は、導電性接着剤332または他の機構によって第1の側壁328に電気的に接続され、絶縁ペーストまたは接着剤334の層を使用して、第2の側壁330から電気的に絶縁されている。したがって図22に示すように、ハイポチューブは、ハイポチューブ260の第1の端部262において、受けスロット312の第1と第2の側壁328、330間で短絡を生じない。
【0034】
先細りコア250およびハイポチューブ260を、単一のDC電力供給部の異なる出力端子などの異なる電源に接続するために、先細りコア250の第1の端部254は、ハイポチューブ260の第2の端部264から外向きに延在している。そしてそれぞれは、接続ボックス228の開口部340に受入れ可能である。図25を参照すると、第1の誘電スリーブ342、中空の接続バンド344、第2の誘電スリーブ346、およびダミー電極348が、この順番で連続して、ハイポチューブ260の第2の端部246から延在する。先細りコア250の主部分252の一部分は、第1の誘電スリーブ342、中空の接続バンド344、第2の誘電スリーブ346、およびダミー電極348を通って延在する。先細りコア250は、中空の接続バンド344の内部に電気的に接続されることによって中空の接続バンド344に電気的に接続されるが、第1および第2の誘電スリーブ342、346、またはダミー電極348のいずれとも電気接続しない。接続ボックスは、第1の端子350、第2の端子352、第3の端子354、および第4の端子356を含み、これらのそれぞれは、接続ボックス228の開口部340に沿って互いに離間しており、これらのそれぞれは、接続ボックス228の開口部内に延在する部分を含んでいる。第1および第2の端子350、352の、開口部340の内側に延在する部分間の距離は、少なくとも第1の誘電スリーブ342の長さと同じくらい大きく、第2および第3の端子352、354の、開口部340の内側に延在する部分間の距離は、少なくとも第2の誘電スリーブ346の長さと同じくらい大きく、第3および第4の端子354、356の、開口部の内側に延在する部分間の距離は、差異348である。先細りコア250の第1の端部254は、ダミー電極348から外向きに延在し、ダミー電極348の端部と、開口部340の基部との間に間隔を確立する。
【0035】
ダミー電極348、第2の誘電スリーブ346、接続バンド344、第1の誘電スリーブ342、およびハイポチューブ260の端部264に隣接したハイポチューブ260の一部分を、その中に先細りコア250が延在している状態で、開口部340に挿入し、先細りコア250の端部254が開口部240の基部に係合するまでそれらを押し込むことにより、第1の端子350は、ハイポチューブ260の外側と電気接触し、第2の端子353は、中空の接続バンド344、したがってその中の先細りコア250と電気接触し、第3および第4の端子354、356は両方とも、ダミー電極348と電気接触する。第3および第4の端子354、356のうちの一方に、電力供給部(図示せず)の一方の端子から電流を流し、第3および第4の端子354、356のうちの他方を、電力供給部の他方の端子に接続することにより、電流はダミー電極348を通って流れて、ダミー電極、したがってそれに接続されたハイポチューブ250およびガイドワイヤ260および中空の接続バンド344が、接続ボックス228内で適切に配置されており、それぞれ先細りコア250とハイポチューブ260を介して、電気活性ポリマー部分の第1と第2の側272、274に選択的に電圧を印加できることが示される。4本のワイヤ360~366は、制御および電力モジュール220から電気リード部分222を介して接続ボックス228内に延在する。第1のワイヤ360は第1の端子350に接続され、第2のワイヤ362は第2の端子352に接続される。たとえば、正の電圧を、第1のワイヤ360を通して供給し、負またはグラウンドの電圧を、第2のワイヤ362を通して供給して、電気活性ポリマー部分を第1の方向に曲げることができる。これらの電圧を逆にすることで、曲げの方向が逆になる。本明細書において先に説明したように、電気活性ポリマー部分270の第1および第2の側272、274に供給される、極性(+または-)と大きさの両方において相対的な電圧により、その曲げの方向および範囲が制御される。第3および第4のワイヤ364、366は、それぞれ第3および第4の端子354、356に接続され、それらの反対側の端部は、第1および第2のワイヤ360、362に接続されたものとは異なる電力供給部(図示せず)、たとえばバッテリの反対の極(+、-)に接続される。第3および第4の端子354、356が同時にダミー電極348に接触すると、これにより電気回路が完成して、接続ボックス228が適切にシステムに接続されていることを示し、このことは回路内のLEDまたは他の信号要素の点灯によって示すことができる。
【0036】
ここで図27図34を参照すると、導入装置200の製造順序の一部分が示してある。先細りコア250とハイポチューブ260との間で短絡を防止するために、先細りコアの外側表面は、絶縁コーティングで覆われる。たとえば、接着促進剤を使用して気相堆積により、パリレンが先細りコア250に堆積されて、その上に絶縁コーティング370(図27)が形成されてもよく、あるいは先細りコア250が電気絶縁エポキシに浸漬されて、そこに絶縁コーティングが形成されてもよく、または他の方法を使用して絶縁コーティングが形成されてもよい。次いで、図28および図29に示すように、コイル280が、先細りコア250の第2の端部256のすぐ隣の先細り部分258の一部分を覆うようにスライドされ、コイル260の内径と先細り部分258の外側周囲の間、およびコイル260上に配設された非導電性接着剤372、たとえば非導電性アクリル接着剤でそこに固着される。次いで図21に示すように、リード300の第1の概ね平坦な部分302と、先細りコア250の外側表面は、その第2の端部において、その絶縁コーティング370を局所的に除去し、それらを互いに溶接または他のやり方で接着することにより、接続される。
【0037】
次いで、リード300およびコイル280が取り付けられた先細りコア250の第1の端部254は、先細りコア250の第1の端部254が、ハイポチューブ260の第2の端部264から外向きに延在し、犬脚状部分306から延在するリード部分306およびリードの第2の概ね平坦な部分310が、ハイポチューブ260の第1の端部262から外向きに延在するまで、ハイポチューブ260の第1の端部262に送り込まれる。図30に示すように、非導電性接着剤を使用して、非導電性接着剤372と、ハイポチューブ260の第1の端部262に少なくとも隣接したハイポチューブ260の内側表面との間に非導電性の接着層376が形成される。これにより、先細りコア250の位置とハイポチューブ260の位置が互いに固着される。
【0038】
電気活性ポリマー部分270のハイポチューブ260への固定がここで実行される。図31に示すように、接着剤378のコーティングが受けスロット312の基部380に配設され、受けスロット312内の電気活性ポリマーの一部分と、受けスロット312の対向する第1および第2の側壁328、330との間に隙間が存在するように、電気活性ポリマー部分270の固定端部が受けスロット312に挿入され、接着剤378に接触する。スロット312の第2の側と、電気活性ポリマー部分270との間の隙間は、絶縁フィラー382で埋められ、ここでフィラー382は、ハイポチューブ260の第1の端部全体に延在し、フィラーは同様にリード300のリード部分306も覆うが、図32に示すように、第2の概ね平坦な部分310は露出したままにしておく。次いで露出した第2の平坦な部分310が、第1の導電層384によって覆われて、平坦な部分310と電気活性ポリマー部分270の第1の側272とを物理的かつ電気的に接続する。図33に示すように、第2の導電層386が、受けスロット312の第1の側壁328と電気活性ポリマー部分270の第2の側274との間に充填され、ハイポチューブ260から外向きに第2の側274に沿って延在して、ハイポチューブ260と電気活性ポリマー部分の第2の側274とを電気的に接続する。第1および第2の導電層384、386は、たとえば導電性ペースト、導電性エポキシ、または別の導電性接着剤材料から構成される。
【0039】
次に、ハイポチューブ260の第1の端部262のすぐ隣のハイポチューブ260と、第1および第2の導電層384、386と、そのすぐ隣の電気活性ポリマー部分270の部分とが、シリコーンなどのカプセル材料の薄層に覆われ、その後、パリレンなどの接着剤のコーティングで覆われ、その後シリコーンなどの第2のカプセル材料で覆われる(図34)。パリレンは、好ましくは導入装置の関連部分に気相コーティングされ、シリコーンは、浸漬コーティングによってそこにコーティングされてもよい。
【0040】
次いで、導入装置を使用するために、第1の誘電スリーブ342、中空の接続バンド344、第2の誘電スリーブ346、およびダミー電極346が、ハイポチューブ260の第2の端部264から延在する先細りコア250の一部分を覆うようにスライドされ、接着剤でそこに固着される。第1の誘電スリーブ342、第2の誘電スリーブ346、およびダミー電極346は、非導電性の接着剤を使用して先細りコア250に固着され、中空の接続バンド344と先細りコア250は、導電性接着剤または圧着接続で互いに固着されて、それらの間で確実に電気接続が行われる。制御ボックス220は、押しボタン、トグル、または他の触覚要素で構成され、これによりオペレータは、この触覚要素を動かすまたは押すことにより、所望の極性および大きさの電圧を、電気活性ポリマー部分の第1および第2の側272、274に選択的に印加して、本明細書の図2の曲げることができる部分18の電気活性ポリマー部分に関して示したその効果を実現させる。
【0041】
ここで図35図49を参照すると、ガイドワイヤ装置のさらなる構成が示してあり、このガイドワイヤ装置は、制御および電力モジュール218と、ハイポチューブ260内に延在する先細りコア250として構成されるコアと、電気活性ポリマー部分270と、本明細書の図18図24に関して図示および説明した装置の他の構成要素とを使用し、ここで電源と、電気活性ポリマー部分の反対の第1および第2の側272、274との電気接続は、絶縁体に囲まれた専用の導体を介して提供され、したがって、先細りコア250とハイポチューブ260は、互いに電気的に絶縁される必要はない。
【0042】
内部の細かい部分を明らかにするためにハイポチューブ260の第1の端部262に隣接するハイポチューブ260の一部分が断面で示された図35に示すように、導電性コアおよび周りの絶縁体を有する第1の導体400と、導電性コアおよび周りの絶縁体を有する第2の導体402は、ハイポチューブ206内に延在し、ここで第1の導体400の導電部分は、電気活性ポリマー部分270の第1の側272に電気的に接続され、第2の導体274の導電部分は、電気活性ポリマー部分270の第2の側274に接続される。ここで、導体の導電部分は、ステンレス鋼などのベースメタルから構成され、金の薄層で覆われるが、銀、銅、コバルト、またはレニウム、またはルテニウムなど、他の導電性材料のカバーが、導体として使用されてもよい。
【0043】
第1および第2の導体400、402は、電気活性ポリマー部分270のそれぞれ第1および第2の側272、274に導電性接着剤で電気的に接続される。各導体は、電気活性ポリマー部分とのその接続部から、ハイポチューブ260の中を通ってハイポチューブ260の第2の端部264から外向きに延在し、ここで導体は、電気接続部分404の導体に接続され、この電気接続部分は、本明細書において先に説明したように制御および電力モジュール218の接続ボックス228において受入れ可能である。
【0044】
導体400、402を、電気活性ポリマー部分270の第1および第2の側272、274に所望の電圧を印加するための通電経路として使用することにより、先細りコア250、ハイポチューブ260、電気活性ポリマー部分270、導体400、402、および接続部分から構成されるカテーテルまたはガイドワイヤのアセンブリを比較的簡単にすることができる。カテーテルまたはそのガイドワイヤをアセンブリするために、先細りコア240の主部分252と同じ直径を有するフィッシュ410(図36)を、ハイポチューブ260の第1の端部からその端部412が外向きに延在するように、ハイポチューブ260を通って延在させる。導体400、402が、先細りコアの第1の端部254に隣接する先細りコアの直径方向に対向する側に置かれ、その上に、熱収縮性のチューブ414の第1の開口端部416の内側に先細りコア250の第1の端部254が延在し、その第2の開口端部418の内側にフィッシュ410の端部412が延在するように、熱収縮性のチューブを延在させる。次いで図37に示すように、熱収縮性チューブ414が加熱されて、それが径方向に収縮し、導体400、402、フィッシュ410、および先細りコアの第1の端部254を、互いに物理的に固着させる。この動作の前に、熱収縮性チューブ414と先細りコアとの間に延在する導体400、402の導電部分は、それらが平坦になるように加工されて、導電リード300の平坦な部分302に類似した平坦な領域が形成されてもよく、またはそれぞれに端子(図示せず)が接続されてもよい。こうした動作は、導体がハイポチューブ260を通って引き込まれ、その第2の端部264から外向きに露出した際に実行されてもよい。
【0045】
次いで、熱収縮性チューブ410がハイポチューブ260の第2の端部264の外側に配置されるまで、フィッシュ410の端部412が、図38に示すようにハイポチューブの第1の端部262から第2の端部の方向に引き込まれる。次いで、アクリル接着剤などの接着剤が、ハイポチューブ260の両側の第1の端部と第2の端部262、264に注入されて、先細りコア250および導体400、402の外部、ならびにハイポチューブ260の第2の端部264からすぐ内側のその内部の周りに延在する第1の接着バンド420と、先細りコア250および導体400、402の外部、ならびにハイポチューブ260の第1の端部262からすぐ内側のその内部の周りに延在する第2の接着バンド422とが形成される。導体400、402は、第1の接着バンド420を通って受けスロット312の側壁に沿って延在する。
【0046】
次いで、ハイポチューブ260の第2の端部264から外向きに延在する先細りコア250の部分が、絶縁チューブで覆われ、この絶縁チューブがその固相線温度より高温に加熱され、リフローされ先細りコア250の外側表面に接着できるようになり、導体をその上に配設可能になる。次いで、導体400、402上の絶縁カバーをその端部406、408において除去することにより、電気接続部分404が形成される(図40)。次に、第1の薄壁状のチューブ状絶縁体424が、先細りコア250の露出部分を覆うようにスライドされ、金ペーストなどの導電性ペーストが、第1の薄壁状導体426の内部に配設され、第1の薄壁状導体426が、先細りコア250の露出部分を覆うようにスライドされて第1の薄壁状のチューブ状絶縁体424に当接するとき、第1の導体400の露出した導電部分が第1の薄壁状導体426にペーストを介して接続される。次いで、第2の薄壁状のチューブ状絶縁体428が、先細りコア250の露出部分を覆うようにスライドされて、第1の薄壁状導体426に当接し、金ペーストなどの導電性ペーストが、第2の薄壁状導体430の内部に配設され、第2の薄壁状導体430が、先細りコア250の露出部分を覆うようにスライドされて第2の薄壁状のチューブ状絶縁体428に当接するとき、第2の導体402の露出した導電部分が第2の薄壁状導体430にペーストを介して接続される。次いで、第3の薄壁状のチューブ状絶縁体432が、先細りコア250の露出部分を覆うようにスライドされ、ダミー電極348と同じ機能を果たす薄壁状検出コネクタ434が、先細りコア250の露出部分を覆うようにスライドされて第3の薄壁状のチューブ状絶縁体432に当接し、接着剤でそこに接着される。これにより、電気接続部分404のアセンブリが完了する。接続部分404は、本明細書において先に説明した接続ボックス228に受入れ可能でそれと連携して協働するように構成される。接続ボックス228の開口部に適切に挿入されると、第1の薄壁状導体426は第1の端子350に接触し、第2の薄壁状導体430は第2の端子352に接触し、薄壁状検出コネクタ434は第3の端子354および第4の端子356に接触し、これらのそれぞれは、接続ボックス228の開口部340に沿って互いに離間しており、これらのそれぞれは、接続ボックス228の開口部内に延在する部分を含んでいる。したがって、第1の端子350に印加された電圧は、電気活性ポリマー部分270の第1の側272に加えられ、第2の端子352に印加された電圧は、電気活性ポリマー部分270の第2の側に加えられ、接続検出回路は、薄壁状検出コネクタ434が第3の端子354および第4の端子356に接触したときに完成する。
【0047】
電気活性ポリマー部分270は、その一方の端部を受けスロット312に挿入して(ここで受けスロット314の第1および第2の側壁328、330、ならびに基部は、アクリル接着剤などの接着剤で覆われている)、硬化すると固着層440を形成する接着剤に接触することより受けスロット312内に固着される。電気活性ポリマー部分270の端部が受けスロット312に挿入されるとき、その平坦な端子端部436、438(図44)は、電気活性ポリマー部分270の反対の第1および第2の側272、274の上に位置付けられる。次に、電気活性ポリマー部分270の第1および第2の側727、274の一部分と、ハイポチューブ260の内側壁との間の空いた領域(図44)は、接着剤で埋められてプラグ446、448が形成される(図45)。プラグは、たとえば硬化したときにプラグ446、448を形成するアクリル接着剤から形成されてもよい。次に、平坦な端子部分436、438は、電気活性ポリマー部分のそれぞれ第1および第2の側272、274に導電性スラグ456、452で電気的に接続される。導電性スラグは、たとえば硬化導電エポキシ、たとえば金充填エポキシを含んでもよい(図46)。次いで、ハイポチューブ260の第1の端部262の露出した部分、およびスラグ456、452、ならびに電気活性ポリマー部分270の第1および第2の側272、274の隣接部分が、たとえばシリコーン接着剤から構成されたカプセル材料の層454、456でそれぞれ覆われる。次に、図48に示すように、放射線不透過性マーカプレート460、462が、電気活性ポリマー部分270の反対の第1および第2の側272、274に取り付けられる。たとえばマーカプレート460、462は、白金とイリジウムの合金から構成され、電気活性ポリマー部分270の先端端部464のわずかに内側に、反対の第1および第2の側272、274に配設される。それぞれのマーカプレート460、462は、電気活性ポリマー部分270の先端端部から1ミリメートル未満の位置に配設され、それぞれの長さは1mm未満である。たとえば、長さは0.5ミリメートルである。あるいは、電気活性ポリマー部分272の先端端部464は、マーカプレート462、464に加えて、またはその代わりに、放射線不透過性層466、たとえば白金とイリジウムの合金または金の層でコーティングされてもよい。その後、電気活性ポリマー部分272、カプセル材料454、456、およびハイポチューブ260の隣接部分が、シリコーンディスパージョンに浸漬されて、これによりコーティングされ、次いでハイポチューブ260、およびそこから延在する浸漬コーティングされた電気活性ポリマーおよびカプセル材料452、454が、たとえばパリレンのコーティングで気相コーティングされる。気相コーティングされた電気活性ポリマー部分272、カプセル材料454、456、およびハイポチューブ460の隣接部分が、シリコーンディスパージョンに浸漬されて、これによりコーティングされ、ハイポチューブ260、ならびに浸漬コーティングされた電気活性ポリマーおよびカプセル材料452、454が、たとえばパリレンの気相コーティングで再びコーティングされ、次いでパリレンコーティングが、親水性コーティングで覆われて、このシステムのカテーテルまたはガイドワイヤ部分の組立てが完了する。
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