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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】接続リード及び電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/533 20210101AFI20240502BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20240502BHJP
【FI】
H01M50/533
H01M50/55 101
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022507079
(86)(22)【出願日】2020-03-11
(86)【国際出願番号】 JP2020010528
(87)【国際公開番号】W WO2021181563
(87)【国際公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 晋聡
(72)【発明者】
【氏名】篠田 達也
(72)【発明者】
【氏名】根岸 信保
【審査官】多田 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-236790(JP,A)
【文献】国際公開第2010/001975(WO,A1)
【文献】特開2016-058379(JP,A)
【文献】特開2018-139215(JP,A)
【文献】国際公開第2017/159760(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M50/50-50/598
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池において電極群の集電タブと電極端子との間を接続する接続リードであって、
天板部と、
前記天板部の厚さ方向の一方側へ前記天板部に対して屈曲する脚部と、
を具備し、
前記天板部は、幅方向の両端に前記天板部の厚みを形成する天板縁面を備え、
前記脚部は、前記天板部から離れて位置する延設部を備え、
前記延設部は、
外表面において前記天板部の前記幅方向及び前記天板部の前記厚さ方向の両方に交差する交差方向の一方側を向く第1の主面と、
前記外表面において前記第1の主面とは反対側を向く第2の主面と、
前記外表面において前記第1の主面と前記第2の主面との間を中継し、前記天板部の前記幅方向の一方側を向く側面であって、前記集電タブに接合される側面と、
を備え、
前記天板部の前記天板縁面から前記脚部の前記延設部の前記側面までに渡って、前記天板部と前記脚部とを接続する脚接続部以外では折り曲げられることなく、前記天板部の前記幅方向の外側を向く1つの連続面部分が、形成される、
接続リード。
【請求項2】
前記天板部に対する前記脚接続部において前記脚部は、前記天板部の前記幅方向について、第1の寸法となり、
前記延設部において前記脚部は、前記天板部の前記幅方向について、前記第1の寸法より小さい第2の寸法となる、
請求項1の接続リード。
【請求項3】
前記脚部は、前記天板部への前記脚接続部と前記延設部との間に設けられ、前記延設部に近い部位ほど、前記天板部の前記幅方向についての寸法が小さい幅変化部を備える、請求項2の接続リード。
【請求項4】
前記天板部は、前記厚さ方向について第3の寸法となり、
前記脚部の前記延設部では、前記第1の主面と前記第2の主面との間が、前記第3の寸法より大きい第4の寸法になる、
請求項2又は3の接続リード。
【請求項5】
前記脚部は、前記天板部への前記脚接続部と前記延設部との間に設けられ、前記延設部に近い部位ほど、前記交差方向についての寸法が大きい寸法変化部を備える、請求項4の接続リード。
【請求項6】
前記天板部は、第1の硬度となり、
前記延設部において前記脚部は、前記第1の硬度より硬い第2の硬度となる、
請求項2乃至5のいずれか1項の接続リード。
【請求項7】
前記脚部は、前記天板部からの突出端まで前記天板部に対する前記脚接続部から真直ぐに延設される、請求項1乃至6のいずれか1項の接続リード。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項の接続リードと、
底壁及び周壁を備え、前記接続リードが配置される内部空洞を前記底壁及び前記周壁によって規定する外装容器と、
正極及び負極を備え、前記脚部の前記延設部の前記側面で前記接続リードへ接合される集電タブを備える電極群と、
前記底壁とは反対側の端部で前記周壁に取付けられ、前記外装容器の前記内部空洞の開口を塞ぐ蓋部材と、
前記蓋部材の外表面に取付けられ、前記接続リードの前記天板部に接続される電極端子と、
を具備する電池。
【請求項9】
前記集電タブは、前記電極群から突出する正極集電タブと、前記正極集電タブが突出する側とは反対側へ前記電極群において突出する負極集電タブと、を備え、
前記電極端子は、正極端子及び負極端子を備え、
前記接続リードが前記正極集電タブと前記正極端子との間を接続するか、及び、前記接続リードが前記負極集電タブと前記負極端子との間を接続するかの少なくとも一方である、
請求項8の電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、接続リード及び電池に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話及びパーソナルコンピュータ等の電子機器の進歩にともなって、これらの電子機器に使用される二次電池等の電池は、小型化及び軽量化が求められている。小型化及び軽量化が実現され、かつ、エネルギー密度の高い二次電池として、リチウムイオン二次電池が挙げられる。一方、電気自動車、ハイブリッド自動車、電動バイク及びフォークリフト等の車両に搭載される大型かつ大容量の電源として、鉛蓄電池、ニッケル水素電池等の二次電池が用いられる。また、近年では、車両に搭載される大型かつ大容量の電源として、エネルギー密度の高いリチウムイオン二次電池が、採用に向けての開発されている。車両に搭載されるリチウムイオン二次電池の開発では、電池の高寿命化の実現及び安全性の向上等を実現するとともに、電池の大型化及び大容量化を実現することが求められている。
【0003】
リチウムイオン二次電池等の電池として、外装容器の内部空洞に、正極及び負極を備える電極群が収納されるものがある。この電池では、外装容器は、底壁及び周壁を備え、外装容器の内部空洞は、高さ方向について底壁とは反対側へ開口する。そして、外装容器の周壁に蓋部材が取付けられ、内部空洞の開口は、蓋部材によって塞がれる。また、電池では、蓋部材の外表面に電極端子が取付けられ、内部空洞では、電極群から外周側に集電タブが突出する。そして、集電タブは、接続リード(リード)を介して、電極端子に電気的に接続される。
【0004】
前述のような電池では、電池が搭載される機器が振動した場合等に、接続リードに外部から衝撃等が作用する。このため、接続リードは、衝撃等に対する耐衝撃性が高く確保されることが、求められている。また、接続リードは、電極群と電極端子との間の電流経路を形成する。このため、接続リードの電気抵抗が低く確保されることが、求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】日本国特開2011-71109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、耐衝撃性が高く確保されるとともに、電気抵抗が低く確保される接続リード、及び、その接続リードを備える電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、電池において電極群の集電タブと電極端子との間を接続する接続リードが提供される。接続リードは、天板部及び脚部を備え、脚部は、天板部の厚さ方向の一方側へ天板部に対して屈曲する。天板部は、幅方向の両端に天板部の厚みを形成する天板縁面を備える。脚部は、天板部から離れて位置する延設部を備える。延設部は、外表面において天板部の幅方向及び天板部の厚さ方向の両方に交差する交差方向の一方側を向く第1の主面と、外表面において第1の主面とは反対側を向く第2の主面と、外表面において第1の主面と第2の主面との間を中継し、天板部の幅方向の一方側を向く側面と、を備える。側面は、集電タブに接合される。天板部の天板縁面から脚部の延設部の側面までに渡って、天板部と脚部とを接続する脚接続部以外では折り曲げられることなく、天板部の幅方向の外側を向く1つの連続面部分が、形成される。
【0008】
実施形態によれば、電池は、前述の接続リード、外装容器、電極群、蓋部材及び電極端子を備える。外装容器は、底壁及び周壁を備え、接続リードが配置される内部空洞を底壁及び周壁によって規定する。電極群は、正極及び負極を備え、脚部の延設部の側面で接続リードへ接合される集電タブを備える。蓋部材は、底壁とは反対側の端部で周壁に取付けられ、外装容器の内部空洞の開口を塞ぐ。電極端子は、蓋部材の外表面に取付けられ、接続リードの天板部に接続される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1の実施形態に係る電池を概略的に示す斜視図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る電池を部材ごとに分解して状態で概略的に示す斜視図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る接続リードの構成を示す斜視図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る接続リードの集電タブとの接合部分、及び、その近傍を概略的に示す断面図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る接続リードの製造方法の一例を説明する概略図である。
図6図6は、ある変形例に係る接続リードの構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について図面を参照して、説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
図1及び図2は、第1の実施形態に係る電池1を示す。図1及び図2に示すように、電池1は、電極群2、外装容器3及び蓋部材5を備える。外装容器3及び蓋部材5のそれぞれは、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、銅又はステンレス等の金属から形成される。ここで、電池1では、縦方向(矢印X1及び矢印X2で示す方向)、縦方向に対して交差する(垂直又は略垂直な)横方向(矢印Y1及び矢印Y2で示す方向)、及び、縦方向及び横方向の両方に対して交差する(垂直又は略垂直な)高さ方向(矢印Z1及び矢印Z2で示す方向)が、規定される。電池1及び外装容器3のそれぞれでは、縦方向についての寸法が、横方向についての寸法、及び、高さ方向についての寸法のそれぞれに比べて、小さい。
【0012】
外装容器3は、底壁6及び周壁7を備える。電極群2が収納される内部空洞8は、底壁6及び周壁7によって規定される。外装容器3では、内部空洞8は、高さ方向について、底壁6が位置する側とは反対側へ向かって開口する。周壁7は、二対の側壁11,12を備える。一対の側壁11は、横方向について内部空洞8を挟んで対向する。一対の側壁12は、縦方向について内部空洞8を挟んで対向する。側壁11のそれぞれは、側壁12の間に、縦方向に沿って連続して延設される。側壁12のそれぞれは、側壁11の間に、横方向に沿って連続して延設される。蓋部材5は、底壁6とは反対側の端部で、周壁7に取付けられる。このため、蓋部材5は、外装容器3の内部空洞8の開口を塞ぐ。蓋部材5及び底壁6は、高さ方向について内部空洞8を挟んで対向する。
【0013】
電極群2は、正極13及び負極14を備える。電極群2では、正極13と負極14との間にセパレータ(図示しない)が介在する。セパレータは、電気的絶縁性を有する材料から形成され、正極13を負極14に対して電気的に絶縁する。
【0014】
正極13は、正極集電箔等の正極集電体13Aと、正極集電体13Aの表面に担持される正極活物質含有層(図示しない)と、を備える。正極集電体13Aは、これらに限定されるものではないが、例えば、アルミニウム箔又はアルミニウム合金箔等であり、厚さが10μm~20μm程度である。正極活物質含有層は、正極活物質を備え、結着剤及び導電剤を任意に含んでもよい。正極活物質としては、これらに限定されるものではないが、リチウムイオンを吸蔵放出できる酸化物、硫化物及びポリマー等が挙げられる。正極集電体13Aは、正極活物質含有層が未担持の部分として、正極集電タブ13Bを備える。
【0015】
負極14は、負極集電箔等の負極集電体14Aと、負極集電体14Aの表面に担持される負極活物質含有層(図示しない)と、を備える。負極集電体14Aは、これらに限定されるものではないが、例えば、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔又は銅箔等であり、厚さが10μm~20μm程度である。負極活物質含有層は、負極活物質を備え、結着剤及び導電剤を任意に含んでもよい。負極活物質としては、特に限定されるものではないが、リチウムイオンを吸蔵放出できる金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物及び炭素材料等が挙げられる。負極集電体14Aは、負極活物質含有層が未担持の部分として、負極集電タブ14Bを備える。
【0016】
図2等の一例の電極群2では、正極活物質含有層と負極活物質含有層との間でセパレータが挟まれた状態で、正極13、負極14及びセパレータが捲回軸を中心として捲回される。また、別のある一例では、電極群2は、複数の正極13及び複数の負極14が交互に積層されるスタック構造を有し、正極13と負極14との間にはセパレータが設けられる。電極群2では、正極集電タブ13Bは、負極14及びセパレータに対して突出する。そして、負極集電タブ14Bは、正極13及びセパレータに対して、正極集電タブ13Bの突出方向とは反対側へ突出する。
【0017】
電極群2では、集電タブ13B,14Bの突出方向(矢印Y3及び矢印Y4で示す方向)に対して交差する(垂直又は略垂直な)幅方向(矢印Z3及び矢印Z4で示す方向)、及び、集電タブ13B,14Bの突出方向及び幅方向の両方に対して交差する厚さ方向(矢印X3及び矢印X4で示す方向)が、規定される。そして、電極群2では、厚さ方向についての寸法が、集電タブ13B,14Bの突出方向についての寸法及び幅方向についての寸法のそれぞれに比べて、小さい。このため、電極群2は、扁平形状に形成される。また、正極集電タブ13B及び負極集電タブ14Bのそれぞれは、複数の帯状部が束ねられる結束部15を備える。
【0018】
本実施形態では、電極群2は、幅方向が電池1の高さ方向と一致又は略一致し、かつ、厚さ方向が電池1の縦方向と一致又は略一致する状態で、内部空洞8に配置される。そして、外装容器3の内部空洞8では、正極集電タブ13Bは、横方向の一方側へ負極14及びセパレータに対して突出する。また、負極集電タブ14Bは、正極13及びセパレータに対して、横方向について正極集電タブ13Bが突出する側とは反対側に、突出する。
【0019】
また、内部空洞8では、電極群2に、電解液(図示しない)が保持(含浸)される。電解液は、電解質を有機溶媒に溶解させた非水電解液であってもよく、水溶液等の水系電解液であってもよい。電解液の代わりに、ゲル状電解質が用いられてもよく、固体電解質が用いられてもよい。固体電解質が電解質として用いられる場合、電極群において、固体電解質が、セパレータの代わりに、正極13と負極14との間に介在する。この場合、固体電解質により、正極13が負極14に対して電気的に絶縁される。
【0020】
電池1では、蓋部材5の外表面(上面)に、一対の電極端子16が取付けられる。電極端子16は、金属等の導電材料から形成される。電極端子16の一方が電池1の正極端子であり、電極端子16の他方が電池1の負極端子である。また、蓋部材5には、一対の貫通孔17が設けられ、貫通孔17は、電池1の高さ方向について蓋部材5を貫通する。電極端子16のそれぞれと蓋部材5との間には、絶縁部材18が設けられる。また、貫通孔17のそれぞれには、絶縁ガスケット19が配置される。電極端子16のそれぞれは、絶縁部材18及び絶縁ガスケット19によって、蓋部材5及び外装容器3に対して電気的に絶縁される。
【0021】
外装容器3の内部空洞8には、一対の接続リード20が配置される。電極群2の正極集電タブ13Bは、接続リード(リード)20の対応する一方である正極側接続リード(正極リード)を介して、電極端子16の対応する一方である正極端子に、電気的に接続される。また、電極群2の負極集電タブ14Bは、接続リード20の対応する一方である負極側接続リード(負極リード)を介して、電極端子16の対応する一方である負極端子に、電気的に接続される。接続リード20のそれぞれは、金属等の導電材料から形成される。接続リード20を形成する導電材料としては、アルミニウム、ステンレス、銅及び鉄等が挙げられる。
【0022】
本実施形態では、集電タブ13B,14Bのそれぞれは、バックアップリード22を間に介して、接続リード20の対応する一方に接合される。集電タブ13B,14Bのそれぞれでは、結束部15がバックアップリード22に挟まれる。そして、集電タブ13B,14Bのそれぞれは、バックアップリード22で挟まれた結束部15で、接続リード20の対応する一方に接合される。
【0023】
また、外装容器3の内部空洞8では、一対の絶縁ガード21、及び、電極押さえ23が配置される。絶縁ガード21のそれぞれは、電気的絶縁性を有する材料から形成される。接続リード20の一方である正極側接続リード、及び、正極集電タブ13Bのそれぞれは、絶縁ガード21の対応する一方によって、外装容器3への接触が防止され、外装容器3に対して電気的に絶縁される。また、接続リード20の一方である負極側接続リード、及び、負極集電タブ14Bのそれぞれは、絶縁ガード21の対応する一方によって、外装容器3への接触が防止され、外装容器3に対して電気的に絶縁される。絶縁ガード21のそれぞれは、絶縁テープ25によって、電極群2に固定される。絶縁テープ25は、電気的絶縁性を有する材料から形成される。
【0024】
また、電極押さえ23は、電池1の高さ方向について電極群2と蓋部材5との間に、配置される。電極押さえ(内部絶縁部材)23は、電気的絶縁性を有する材料から形成される。正極集電タブ13B、負極集電タブ14B及び一対の接続リード20は、電極押さえ23によって、蓋部材5への接触が防止され、蓋部材5に対して電気的に絶縁される。
【0025】
また、図1及び図2の一例では、蓋部材5に、ガス開放弁26及び注液口27が、形成される。そして、蓋部材5の外表面に、注液口27を塞ぐ封止板28が、溶接される。なお、ガス開放弁26及び注液口27等は、電池1に設けられなくてもよい。
【0026】
図3は、接続リード20の構成を示し、図4は、接続リード20の集電タブ(13B又は14B)との接合部分、及び、その近傍を示す。図3及び図4に示すように、接続リード20のそれぞれは、天板部31及び脚部32を備える。天板部31は、延設端E1,E2を有し、天板部31は、延設端(第1の延設端)E1から延設端(第2の延設端)E2まで延設方向(矢印Y5及び矢印Y6で示す方向)に沿って延設される。また、天板部31では、延設方向(長手方向)に対して交差する(垂直又は略垂直な)幅方向(矢印X5及び矢印X6で示す方向)、及び、延設方向(長手方向)及び幅方向の両方に対して交差する厚さ方向(矢印Z5及び矢印Z6で示す方向)が、規定される。なお、接続リード20では、天板部31の延設方向が、天板部31の幅方向及び厚さ方向の両方に交差する交差方向として、規定される。また、天板部31には、厚さ方向について天板部31を貫通する貫通孔33が、形成される。
【0027】
本実施形態の接続リード20のそれぞれには、脚部32は、1つのみ形成される。脚部32は、天板部31の延設端E2に接続される脚接続部35を備える。脚部32は、脚接続部35(延設端E2)を折曲げ位置として、天板部31に対して屈曲する。脚部32は、天板部31の厚さ方向の一方側へ、天板部31に対して屈曲する。このため、脚部32は、天板部31の厚さ方向の一方側へ、天板部31に対して突出する。天板部31に対する脚部32の折曲げ位置での折曲げ線は、天板部31の幅方向に沿う。本実施形態では、脚接続部35(折曲げ位置)での脚部32の天板部31に対する屈曲角度は、90度又は略90度となる。
【0028】
脚部32は、天板部31からの突出端まで天板部31に対する折曲げ位置(脚接続部35)から、真直ぐ又は略真直ぐに延設される。すなわち、脚部32は、脚接続部35以外では折曲げられることなく、突出端まで延設される。そして、脚部32は、天板部31の厚さ方向に沿って、突出端まで延設される。また、脚部32の幅方向(板幅方向)は、天板部31の幅方向(板幅方向)と一致又は略一致する。そして、脚部32の厚さ方向(板厚方向)は、天板部31の幅方向及び天板部31の厚さ方向の両方に対して交差する(垂直又は略垂直になる)。したがって、脚部32の厚さ方向は、天板部31の延設方向(長手方向)と一致又は略一致し、接続リード20の交差方向と一致又は略一致する。
【0029】
脚部32は、脚接続部35に対して天板部31とは反対側に離れて位置する延設部36を備える。延設部36は、天板部31に対する脚部32の折曲げ位置から離れて設けられ、脚接続部35に比べて、天板部31から遠位の位置に設けられる。また、本実施形態では、延設部36は、脚部32の天板部31からの突出端を形成する。
【0030】
脚部32では、脚接続部35(折曲げ位置)と延設部36との間の中継部分に、断面形状変化部37が形成される。本実施形態では、断面形状変化部37は、延設部36に対して天板部31が位置する側に隣接する。ここで、脚接続部35から突出端までの脚部32の延設方向を規定する。脚部32の延設方向は、脚部32の幅方向及び脚部32の厚さ方向の両方に対して交差する(垂直又は略垂直になる)。断面形状変化部37では、延設方向に垂直又は略垂直な脚部32の断面形状が、脚部32の延設方向に沿って変化する。そして、断面形状変化部37では、脚部32の幅方向についての脚部32の寸法(幅)、及び、脚部32の厚さ方向についての脚部32の寸法(厚さ)が、脚部32の延設方向に沿って変化する。
【0031】
また、延設部36の外表面は、一対の主面41,42、及び、一対の側面43,44を備える。主面(第1の主面)41は、接続リード20の交差方向の一方側、すなわち、脚部32の厚さ方向の一方側を向く。主面(第2の主面)42は、接続リード20の交差方向について、主面41とは反対側を向く。そして、主面42は、接続リード20の交差方向について、主面41から離れて配置される。主面41,42の間の距離が、脚部32の厚さ方向(接続リード20の交差方向)についての延設部36の寸法となる。
【0032】
側面43,44のそれぞれは、主面41から主面42まで、脚部32の厚さ方向に沿って連続して延設される。このため、側面43,44のそれぞれは、主面41,42の間を中継する。側面(第1の側面)43は、主面41の両縁の一方に接続され、主面42の両縁の一方に接続される。また、側面(第2の側面)44は、主面41において側面43が接続される側とは反対側の縁に接続され、主面42において側面43が接続される側とは反対側の縁に接続される。側面43は、脚部32の幅方向の一方側、すなわち、天板部31の幅方向の一方側を向く。側面44は、脚部32の幅方向について、側面43とは反対側を向く。そして、側面44は、脚部32の幅方向について、側面43から離れて配置される。側面43,44の間の距離が、脚部32の幅方向(天板部31の幅方向)についての延設部36の寸法となる。
【0033】
断面形状変化部37の外表面は、一対の中継主面45,46、及び、一対の中継側面47,48を備える。中継主面(第1の中継主面)45は、主面41に対して、天板部31(脚接続部35)が位置する側に隣接する。中継主面45は、接続リード20の交差方向について、主面41が向く側を向く。中継主面(第2の中継主面)46は、主面42に対して、天板部31が位置する側に隣接する。中継主面46は、接続リード20の交差方向について、中継主面45とは反対側を向く。そして、中継主面46は、接続リード20の交差方向について、中継主面45から離れて配置される。断面形状変化部37では、中継主面45,46の間の寸法が、脚部32の厚さ方向(接続リード20の交差方向)についての寸法として、規定される。
【0034】
中継側面(第1の中継側面)47は、側面43に対して、天板部31(脚接続部35)が位置する側に隣接する。中継側面47は、脚部32の幅方向について、側面43が向く側を向く。中継側面(第2の中継側面)48は、側面44に対して、天板部31が位置する側に隣接する。中継側面48は、脚部32の幅方向について、中継側面47とは反対側を向く。そして、中継側面48は、脚部32の幅方向について、中継側面47から離れて配置される。断面形状変化部37では、中継側面47,48の間の寸法が、脚部32の幅方向(天板部31の幅方向)についての寸法として、規定される。
【0035】
ここで、天板部31では、延設端E1から延設端E2まで、幅方向についての寸法(幅)は、寸法(第1の寸法)W1で均一又は略均一になる。そして、脚部32では、脚接続部35と断面形状変化部37との間において、幅方向(天板部31の幅方向)についての寸法(幅)は、寸法W1で均一又は略均一になる。したがって、脚接続部35と断面形状変化部37との間での幅方向についての脚部32の寸法は、幅方向についての天板部31の寸法と、一致又は略一致する。そして、天板部31に対する脚部32の折り曲げ位置では、脚部32は、天板部31の幅方向(脚部32の幅方向)について、寸法(第1の寸法)W1と同一又は略同一の大きさになる。
【0036】
また、延設部36では、幅方向(天板部31の幅方向)についての脚部32の寸法(幅)は、寸法(第1の寸法)W1より小さい寸法(第2の寸法)W2で均一又は略均一になる。したがって、延設部36では、側面43,44の間の距離が、寸法W2と同一又は略同一の大きさになる。断面形状変化部37では、延設部36に近い部位ほど、幅方向(天板部31の幅方向)についての脚部32の寸法が小さい。すなわち、幅変化部となる断面形状変化部37では、延設部36に近づくほど、寸法W1から寸法W2へ、幅方向についての脚部32の寸法が減少する。したがって、断面形状変化部37では、中継側面47,48の間の寸法(距離)は、延設部36に近づくほど、減少する。
【0037】
天板部31では、延設端E1から延設端E2まで、厚さ方向についての寸法(厚さ)は、寸法(第3の寸法)T1で均一又は略均一になる。そして、脚部32では、脚接続部35と断面形状変化部37との間において、厚さ方向(接続リード20の交差方向)についての寸法(厚さ)は、寸法T1で均一又は略均一になる。したがって、脚接続部35と断面形状変化部37との間での接続リード20の交差方向についての脚部32の寸法は、厚さ方向についての天板部31の寸法と、一致又は略一致する。そして、天板部31に対する脚部32の折り曲げ位置では、脚部32は、脚部32の厚さ方向について、寸法(第3の寸法)T1と同一又は略同一の大きさになる。
【0038】
また、延設部36では、厚さ方向(接続リード20の交差方向)についての脚部32の寸法(厚さ)は、寸法(第3の寸法)T1より大きい寸法(第4の寸法)T2で均一又は略均一になる。したがって、延設部36では、主面41,42の間の距離が、寸法T2と同一又は略同一の大きさになる。断面形状変化部37では、延設部36に近い部位ほど、厚さ方向(接続リード20の交差方向)についての脚部32の寸法が大きい。すなわち、寸法変化部(厚さ変化部)となる断面形状変化部37では、延設部36に近づくほど、寸法T1から寸法T2へ、厚さ方向についての脚部32の寸法が増加する。したがって、断面形状変化部37では、中継主面45,46の間の寸法(距離)は、延設部36に近づくほど、増加する。
【0039】
なお、ある一例では、寸法W1は、4.0mm~10.0mmとなる。そして、寸法W2は、寸法W1に対して、-1.0mm~-7.0mmになる。また、ある一例では、寸法T1は、0.5mm~5.0mmとなる。そして、寸法T2は、寸法T1に対して、+1.0mm~+5.0mmになる。
【0040】
本実施形態では、主面41,42及び側面43,44のそれぞれは、天板部31の厚さ方向に対して、平行又は略平行に延設される。そして、中継主面45は、天板部31の厚さ方向に対して傾斜する状態、すなわち、主面41に対して傾斜する状態で、延設される。中継主面45は、延設部36(主面41)に近い部位ほど、中継主面46から離れる状態に、主面41に対して傾斜する。また、中継主面46は、天板部31の厚さ方向に対して傾斜する状態、すなわち、主面42に対して傾斜する状態で、延設される。中継主面46は、延設部36(主面42)に近い部位ほど、中継主面45から離れる状態に、主面42に対して傾斜する。前述のように中継主面45,46が形成されるため、断面形状変化部37では、延設部36に近い部位ほど、厚さ方向(接続リード20の交差方向)についての脚部32の寸法が大きい。
【0041】
また、中継側面47は、天板部31の厚さ方向に対して傾斜する状態、すなわち、側面43に対して傾斜する状態で、延設される。中継側面47は、延設部36(側面43)に近い部位ほど、中継側面48に近づく状態に、側面43に対して傾斜する。また、中継側面48は、天板部31の厚さ方向に対して平行又は略平行に形成される。そして、中継側面48と側面44との間には、段差等が形成されず、中継側面48及び側面44は同一又は略同一の平面上に配置される。前述のように中継側面47,48が形成されるため、断面形状変化部37では、延設部36に近い部位ほど、幅方向(天板部31の幅方向)についての脚部32の寸法が小さい。
【0042】
また、本実施形態の天板部31では、延設端E1から延設端E2まで、硬度が硬度(第1の硬度)C1で均一又は略均一になる。そして、脚部32では、脚接続部35と断面形状変化部37との間において、硬度が硬度C1で均一又は略均一になる。したがって、脚接続部35と断面形状変化部37との間での脚部32の硬度は、天板部31の硬度と、一致又は略一致する。また、延設部36では、脚部32硬度は、硬度(第1の硬度)C1より硬い硬度(第2の硬度)C2で均一又は略均一になる。断面形状変化部37では、延設部36に近い部位ほど、脚部32の硬度が硬い。すなわち、硬度変化部となる断面形状変化部37では、延設部36に近づくほど、硬度C1から硬度C2へ、脚部32の硬度が増加する。
【0043】
図6は、接続リード20の製造方法の一例を説明する図である。図6の一例では、1つの板部材60から接続リード20が、形成される。板部材60では、全体に渡って、幅方向(板幅方向)についての寸法(幅)が、前述の寸法W1で均一又は略均一になる。そして、板部材60では、全体に渡って、厚さ方向(板厚保方向)についての寸法(厚さ)が、前述の寸法T1で均一又は略均一になる。そして、板部材60では、全体に渡って、硬度が、前述の硬度C1で均一又は略均一になる。
【0044】
板部材60は、部位61,62を備える。また、部位62は、領域63,64を備える。接続リード20を形成する際には、領域63,64をプレス加工する。この際、板部材60の幅方向の一方側から領域63,64がプレスされる。プレス加工によって、領域63では、幅方向(板幅方向)についての寸法(幅)が、寸法W1より小さい前述の寸法W2で均一又は略均一になる。そして、領域64では、領域63に近づくほど、寸法W1から寸法W2へ、幅方向についての板部材60の寸法が減少する。また、プレス加工によって、領域63では、厚さ方向(板厚方向)についての寸法(厚さ)が、寸法T1より大きい前述の寸法T2で均一又は略均一になる。そして、領域64では、領域63に近づくほど、寸法T1から寸法T2へ、厚さ方向についての板部材60の寸法が増加する。したがって、プレス加工によって、板部材60は、図5の実線で示す形状から、図5の破線で示す形状に変形される。
【0045】
また、領域63,64のプレス加工によって、領域63,64は、加工硬化する。そして、領域63では、硬度が、硬度C1より硬い前述の硬度C2で均一又は略均一になる。そして、領域64では、領域63に近づくほど、硬度C1から硬度C2へ、硬度が増加する。また、領域63,64のプレス加工によって、領域63等の内部に、せん断面及び破断面等が発生することもある。
【0046】
領域63,64のプレス加工を行うと、曲げ加工によって、折曲げ位置65で、部位62を部位61に対して屈曲させる。この際、折曲げ位置65での折曲げ線が、板部材60の幅方向に沿う状態に、部位62を部位61に対して屈曲させる。そして、部位61の厚さ方向の一方側へ、部位62を部位61に対して屈曲させる。これにより、部位61によって、天板部31が形成し、部位62が脚部32を形成する。また、部位62では、領域63が延設部36を形成し、領域64が断面形状変化部37を形成する。
【0047】
また、別のある一例では、天板部31及び脚部32を、互いに対して別の部材から形成する。そして、2つの部材を溶接等によって一体化することにより、接続リード20を形成する。
【0048】
図2及び図4等に示すように、電池1の内部空洞8では、一対の接続リード20のそれぞれの天板部31は、電池1の高さ方向について電極群2と電極押さえ25との間に配置され、電極群2と電極押さえ25との間で挟まれる。接続リード20のそれぞれでは、天板部31の延設方向(長手方向)が、電池1の横方向と一致又は略一致し、天板部31の幅方向(板幅方向)が、電池1の縦方向と一致又は略一致する。そして、接続リード20のそれぞれでは、天板部31の厚さ方向(板厚方向)が、電池1の高さ方向と一致又は略一致する。電池1では、一対の接続リード20のそれぞれの天板部31に、電極端子16の対応する一方、すなわち、正極端子及び負極端子の対応する一方が、接続される。接続リード20のそれぞれでは、天板部31の貫通孔33に、電極端子16の対応する一方が挿入される。そして、貫通孔33でのカシメ固定等によって、接続リード20のそれぞれに、電極端子16の対応する一方が接続される。
【0049】
また、電池1の内部空洞8では、一対の接続リード20のそれぞれの脚部32は、電池1の横方向について、側壁11の対応する一方と電極群2との間に配置される。接続リード20のそれぞれでは、脚部32の幅方向が、電池1の縦方向と一致又は略一致し、脚部32の厚さ方向(接続リード20の交差方向)が、電池1の横方向と一致又は略一致する。また、接続リード20のそれぞれでは、脚部32は、電池1の横方向について、貫通孔33、すなわち、電極端子16の対応する一方の接続位置に対して、外側に配置される。したがって、接続リード20のそれぞれの天板部31は、電極端子16の対応する一方から脚部32の接続位置(延設端E2)まで、電池1の横方向の外側へ向かって、延設される。
【0050】
また、接続リード20のそれぞれでは、脚部32は、電池1の高さ方向について底壁6が位置する側へ向かって、天板部31に対して屈曲する。また、脚部32の天板部31に対する折曲げ線は、電池1の縦方向に沿う。
【0051】
また、接続リード20のそれぞれでは、脚部32の延設部36に、集電タブ13B,14Bの対応する一方が接続される。すなわち、接続リード20のそれぞれでは、延設部36に、集電タブ13B,14Bとの対応する一方との接合部50が形成される。本実施形態では、接続リード20のそれぞれの延設部36において、側面43に、接合部50が形成される。接続リード20のそれぞれでは、延設部36の側面43は、電池1の縦方向の一方側から、集電タブ13B,14Bの対応する一方に対向する。また、本実施形態では、集電タブ13B,14Bのそれぞれは、バックアップリード22を介して、側面43に接続される。すなわち、集電タブ13B,14Bのそれぞれは、結束部15がバックアップリード22で挟まれた状態で、側面43に接合される。
【0052】
本実施形態の接続リード20では、天板部31に対する折曲げ位置での折曲げ線が天板部31の幅方向に沿う状態で、脚部32が天板部31に対して屈曲する。そして、脚部32の幅方向は、天板部31の幅方向と一致又は略一致する。このため、天板部31の延設方向(長手方向)に折曲げ線が沿う状態に脚部が天板部31に対して屈曲する構成等とは異なり、天板部31において脚部32の接続位置及びその近傍に、切欠き等を形成する必要はない。これにより、脚部32が接続される部分及びその近傍、すなわち、延設端E2及びその近傍において、天板部31の断面積が大きく確保される。前述のように天板部31の断面積が大きく確保されるため、接続リード20の電気抵抗が、低く確保される。これにより、集電タブ13B,14Bのそれぞれと電極端子16の対応する一方との間の電流経路において、電気抵抗が低く確保される。
【0053】
また、本実施形態の接続リード20では、前述のように、脚部32の天板部31に対する折曲げ線が天板部31の幅方向に沿う。そして、内部空洞8に配置される接続リード20のそれぞれでは、脚部32の天板部31に対する折曲げ線は、電池1の縦方向に沿う。このため、車両等の電池が搭載される機器の振動等によって電極群2が電池1の縦方向(電極群2の厚さ方向)に振動しても、脚部32の天板部31に対する折曲げ線は、電極群2の振動方向と、平行又は略平行になる。これにより、電極群2が振動しても、接続リード20のそれぞれは、破損し難い。したがって、接続リード20において、衝撃等に対する耐衝撃性が高く確保される。
【0054】
また、本実施形態では、脚部32において、天板部31に対する折曲げ位置から離れて、延設部36が設けられる。そして、接続リード20のそれぞれでは、延設部36の外表面において、天板部31の幅方向の一方側を向く側面43に、集電タブ13B,14Bの対応する一方が接続される。このため、前述のように脚部32を天板部31に対して屈曲させても、接続リード20のそれぞれの脚部32へ集電タブ13B,14Bの対応する一方を接合する作業の作業性が、確保される。
【0055】
また、接続リード20のそれぞれでは、側面43で集電タブ13B,14Bの対応する一方が接合されるため、電極群2が電池1の縦方向(電極群2の厚さ方向)に振動した場合等において、電極群2から接続リード20への力の作用方向は、電池1の縦方向と一致又は略一致する。このため、天板部31に対する脚部32の折曲げ線に沿う方向に、電極群2から接続リード20へ力が作用する。これにより、電極群2からの作用する力等に対する接続リード20の耐衝撃性が、さらに向上する。
また、本実施形態では、延設部36における幅方向についての脚部32の寸法W2は、天板部31への接続位置における幅方向についての脚部32の寸法W1に比べて、小さい。延設部36における幅方向についての脚部32の寸法W2が小さくなることにより、接続リード20のそれぞれの脚部32へ集電タブ13B,14Bの対応する一方をさらに接合し易くなる。
【0056】
また、本実施形態では、延設部36における厚さ方向についての脚部32の寸法T2は、天板部31への接続位置における厚さ方向についての脚部32の寸法T1に比べて、大きい。延設部36における厚さ方向についての脚部32の寸法T2が大きくなることにより、接続リード20のそれぞれにおいて集電タブ13B,14Bの対応する一方が接合される側面43の表面積が大きくなる。このため、接合部50において、接続リード20のそれぞれと集電タブ13B,14Bの対応する一方との接触面積が大きくなる。したがって、集電タブ13B,14Bのそれぞれと電極端子16の対応する一方との間の電流経路において、電気抵抗がさらに適切に低く確保される。
【0057】
また、本変形例では、断面形状変化部37において、延設部36に近づくにつれて、幅方向についての脚部32の寸法が、徐々に減少する。したがって、寸法W1から寸法W2へ、幅方向についての脚部32の寸法が、急激に減少しない。これにより、集電タブ13B,14Bのそれぞれと電極端子16の対応する一方との間の電流経路において、電気抵抗がさらに適切に低く確保される。
【0058】
(変形例)
なお、図6に示すある変形例では、接続リード20の全体に渡って、厚さ方向の寸法(厚さ)が、寸法T1で均一又は略均一になる。このため、延設部36での厚さ方向(接続リード20の交差方向)についての脚部32の寸法は、天板部31の厚さ方向についての寸法と、同一又は略同一になる。また、本変形例では、接続リード20の全体に渡って、硬度が、硬度C1で均一又は略均一になる。このため、延設部36での脚部32の硬度は、天板部31の硬度と同一又は略同一になる。
【0059】
本変形例では、接続リード20の脚部32において、脚接続部35と延設部36との間が、中継部52によって、中継される。また、本変形例では、延設部36の中継部52への接続位置、すなわち、延設部36と中継部52との境界位置に、段差面51が形成される。中継部52は、一対の中継側面53,54を備える。中継側面(第1の中継側面)53は、脚部32の幅方向について、側面43が向く側を向く。中継側面(第2の中継側面)54は、側面44に対して、天板部31が位置する側に隣接する。中継側面54は、脚部32の幅方向について、中継側面53とは反対側を向く。そして、中継側面54は、脚部32の幅方向について、中継側面53から離れて配置される。また、中継側面53,54のそれぞれは、天板部31の厚さ方向に対して、平行又は略平行に延設される。
【0060】
段差面51の一端は、中継部52の中継側面53に接続され、段差面51の他端は、延設部36の側面43に接続される。段差面51は、中継側面53から側面43まで、脚部32の幅方向(天板部31の幅方向)に沿って、延設される。段差面51によって、中継側面53と側面43との間に、段差が形成される。段差面51での段差によって、側面43は、脚部32の幅方向について、中継側面53に比べて、中継側面54及び側面44が位置する側に、配置される。また、中継側面54と側面44との間には、段差等が形成されず、中継側面54及び側面44は同一又は略同一の平面上に配置される。
【0061】
本変形例でも、幅方向についての天板部31の寸法(幅)は、寸法(第1の寸法)W1で均一又は略均一になる。そして、脚部32では、脚接続部35と段差面51との間において、幅方向(天板部31の幅方向)についての寸法(幅)は、寸法W1で均一又は略均一になる。したがって、天板部31に対する脚部32の折り曲げ位置では、脚部32は、天板部31の幅方向(脚部32の幅方向)について、寸法(第1の寸法)W1と同一又は略同一の大きさになる。そして、延設部36では、幅方向(天板部31の幅方向)についての脚部32の寸法(幅)は、寸法(第1の寸法)W1より小さい寸法(第2の寸法)W2で均一又は略均一になる。
【0062】
本変形例では、接続リード20の延設部36の形成において、プレス加工が行われない。このため、延設部36を形成する部分は、接続リード20の製造において、加工硬化しない。また、別の一例では、鍛造によって、延設部36を形成する部分の幅が他の部分の幅に比べて小さい板部材を、形成してもよい。
【0063】
また、前述の実施形態等では、脚部32の外表面において、集電タブ(13B又は14B)との接合部50が形成される側とは反対側の側面(第1の実施形態では44,48)は、脚接続部35から突出端まで、天板部31の厚さ方向に対して平行又は略平行に形成されるが、これに限るものではない。ある変形例では、脚接続部35と延設部36との間の中継部分において、集電タブ(13B又は14B)との接合部50が形成される側とは反対側の側面に、傾斜面が形成されてもよい。この場合、傾斜面は、延設部36に近い部位ほど、接合部50が形成される側の側面に近づく状態に、天板部31の厚さ方向に対して傾斜する。
【0064】
また、別のある変形例では、脚接続部35と延設部36との間の中継部分において、集電タブ(13B又は14B)との接合部50が形成される側とは反対側の側面に、段差面51と同様の段差面が形成されてもよい。この場合、段差面での段差によって、延設部36に対して近位側の部分が、延設部36に対して遠位側の部分に比べて、接合部50が形成される側の側面に近づく。
【0065】
前述したいずれの変形例においても、第1の実施形態等と同様に、接続リード20は、天板部31と、天板部31の厚さ方向の一方側へ天板部31に対して屈曲する脚部32と、を備える。そして、脚部32の幅方向は、天板部31の幅方向と一致又は略一致する。このため、天板部31において脚部32の接続位置及びその近傍に、切欠き等を形成する必要はない。これにより、脚部32が接続される部分及びその近傍、すなわち、延設端E2及びその近傍において、天板部31の断面積が大きく確保される。したがって、いずれの変形例でも、接続リード20の電気抵抗が、低く確保され、集電タブ13B,14Bのそれぞれと電極端子16の対応する一方との間の電流経路において、電気抵抗が低く確保される。
【0066】
また、前述したいずれの変形例においても、脚部32の天板部31に対する折曲げ線が天板部31の幅方向に沿う。そして、内部空洞8に配置される接続リード20のそれぞれでは、脚部32の天板部31に対する折曲げ線は、電池1の縦方向に沿う。このため、いずれの変形例でも、電極群2が電池1の縦方向(電極群2の厚さ方向)に振動しても、脚部32の天板部31に対する折曲げ線は、電極群2の振動方向と、平行又は略平行になる。これにより、電極群2が振動しても、接続リード20のそれぞれは、破損し難い。したがって、いずれの変形例でも、第1の実施形態等と同様に、接続リード20において、衝撃等に対する耐衝撃性が高く確保される。
【0067】
なお、正極集電タブ13Bと正極端子との間の正極側接続リード、及び、負極集電タブ14Bと負極端子との間の負極側接続リードの両方を、前述した実施形態及び変形例等のいずれかの接続リード20と同様の構成にする必要はない。すなわち、正極側接続リード及び負極側接続リードの少なくとも一方が、前述した実施形態及び変形例等のいずれかの接続リード20と同様の構成であればよい。
【0068】
これらの少なくとも一つの実施形態又は実施例によれば、接続リードでは、天板部に対する折曲げ位置での折曲げ線が、天板部の幅方向に沿う。脚部は、天板部に対する折曲げ位置から離れて位置する延設部を備え、延設部は、天板部の幅方向の一方側を向く側面を備える。延設部の側面は、集電タブに接合される。これにより、耐衝撃性が高く確保されるとともに、電気抵抗が低く確保される接続リードを提供することができる。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下、付記を記載する。
[1] 電池において電極群の集電タブと電極端子との間を接続する接続リードであって、
天板部と、
前記天板部の厚さ方向の一方側へ前記天板部に対して屈曲するとともに、前記天板部に対する折曲げ位置での折曲げ線が前記天板部の幅方向に沿う脚部と、
を具備し、
前記脚部は、前記天板部に対する前記折曲げ位置から離れて位置する延設部を備え、
前記延設部は、
外表面において前記天板部の前記幅方向及び前記天板部の前記厚さ方向の両方に交差する交差方向の一方側を向く第1の主面と、
前記外表面において前記第1の主面とは反対側を向く第2の主面と、
前記外表面において前記第1の主面と前記第2の主面との間を中継し、前記天板部の前記幅方向の一方側を向く側面であって、前記集電タブに接合される側面と、
を備える、接続リード。
[2]前記天板部に対する前記折曲げ位置において前記脚部は、前記天板部の前記幅方向について、第1の寸法となり、
前記延設部において前記脚部は、前記天板部の前記幅方向について、前記第1の寸法より小さい第2の寸法となる、
[1]の接続リード。
[3]前記脚部は、前記折曲げ位置と前記延設部との間に設けられ、前記延設部に近い部位ほど、前記天板部の前記幅方向についての寸法が小さい幅変化部を備える、[2]の接続リード。
[4]前記天板部は、前記厚さ方向について第3の寸法となり、
前記脚部の前記延設部では、前記第1の主面と前記第2の主面との間が、前記第3の寸法より大きい第4の寸法になる、
[2]又は[3]の接続リード。
[5]前記脚部は、前記折曲げ位置と前記延設部との間に設けられ、前記延設部に近い部位ほど、前記交差方向についての寸法が大きい寸法変化部を備える、[4]の接続リード。
[6]前記天板部は、第1の硬度となり、
前記延設部において前記脚部は、前記第1の硬度より硬い第2の硬度となる、
[2]乃至[5]のいずれか1つの接続リード。
[7]前記脚部は、前記天板部からの突出端まで前記天板部に対する前記折曲げ位置から真直ぐに延設される、[1]乃至[6]のいずれか1つの接続リード。
[8][1]乃至[7]のいずれか1つの接続リードと、
底壁及び周壁を備え、前記接続リードが配置される内部空洞を前記底壁及び前記周壁によって規定する外装容器と、
正極及び負極を備え、前記脚部の前記延設部の前記側面で前記接続リードへ接合される集電タブを備える電極群と、
前記底壁とは反対側の端部で前記周壁に取付けられ、前記外装容器の前記内部空洞の開口を塞ぐ蓋部材と、
前記蓋部材の外表面に取付けられ、前記接続リードの前記天板部に接続される電極端子と、
を具備する電池。
[9]前記集電タブは、前記電極群から突出する正極集電タブと、前記正極集電タブが突出する側とは反対側へ前記電極群において突出する負極集電タブと、を備え、
前記電極端子は、正極端子及び負極端子を備え、
前記接続リードが前記正極集電タブと前記正極端子との間を接続するか、及び、前記接続リードが前記負極集電タブと前記負極端子との間を接続するかの少なくとも一方である、
[8]の電池。
図1
図2
図3
図4
図5
図6