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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】光ファイバコネクタ
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/42 20060101AFI20240502BHJP
【FI】
G02B6/42
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022537621
(86)(22)【出願日】2020-12-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-22
(86)【国際出願番号】 EP2020084979
(87)【国際公開番号】W WO2021122127
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-08-12
(31)【優先権主張番号】19383168.2
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】512061928
【氏名又は名称】ナレッジ・ディベロップメント・フォー・プラスティック・オプティカル・ファイバーズ・ソシエダッド・リミタダ
【氏名又は名称原語表記】KNOWLEDGE DEVELOPMENT FOR PLASTIC OPTICAL FIBERS,SOCIEDAD LIMITADA
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オルティズ・ロホ,ダビド
(72)【発明者】
【氏名】ピンソン・カスティーリョ,プリーニオ・ジーザス
(72)【発明者】
【氏名】ペレズ・アランダ,ルーベン
(72)【発明者】
【氏名】パルド・ビダル,カルロス
(72)【発明者】
【氏名】ディットマン,マルクス
【審査官】堀部 修平
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-324303(JP,A)
【文献】特開2010-002579(JP,A)
【文献】国際公開第2010/113910(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第01602955(EP,A2)
【文献】米国特許第06229712(US,B1)
【文献】欧州特許出願公開第02428828(EP,A1)
【文献】特開2008-040318(JP,A)
【文献】特開2007-127796(JP,A)
【文献】特開2015-222803(JP,A)
【文献】米国特許第06945712(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/26-6/27, 6/30-6/34, 6/42-6/43
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバコネクタに使用するための光ファイバ送受信機を収容するためのケーシング(100)であって、上面(101)と、底面(105)と、横面(102a、102b、102c、102d)とを備え、前記上面(101)およびすべての横面(102a、102b、102c、102d)は、少なくとも部分的に導電性であり、前記ケーシング(100)の前記底面(105)は、1つ以上のはんだパッド(207、208、209、210)を含み、前記1つ以上のはんだパッド(207、208、209)は前記ケーシングの前記底面(105、211)の中央に配置され、前記上面(101)は少なくとも1つの光透過開口部(103、104)を含み、前記少なくとも1つの光透過開口部(103、104)は光信号を送信および/または受信するための少なくとも1つの光路の少なくとも一部を収容するよう構成される、ケーシング(100)。
【請求項2】
前記底面(105、211)の中央に配置された前記はんだパッド(207、208、209)の少なくとも1つ、いくつかもしくはすべては、接地電位、例えばプリント回路基板(106)の接地電位に接続されるよう構成される、請求項1に記載のケーシング(100)。
【請求項3】
前記ケーシング(100)の前記底面(105、211)の周囲に実質的に沿うかもしくはその近くに配置された1つ以上のはんだパッド(210)を含む、請求項1または請求項2に記載のケーシング(100)。
【請求項4】
前記底面(105、211)の周囲に実質的に沿うかもしくはその近くに配置された前記はんだパッド(210)の少なくとも1つ、いくつかもしくはすべては、前記ケーシング(100)内に収容された光ファイバ送受信機の構成要素と、前記ケーシングを取り付けることができるプリント回路基板(106)の集積回路構成要素との間の電気的接続を提供するよう構成される、請求項3に記載のケーシング(100)。
【請求項5】
前記ケーシングの前記底面(105、211)の中央に配置された前記1つ以上のはんだパッド(207、208、209)は、前記ケーシング(100)の底面積の少なくとも50%を覆う、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のケーシング(100)。
【請求項6】
ケーシング材料は、金属および/もしくは導電性ポリマー材料を含む、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のケーシング(100)。
【請求項7】
少なくとも1つの光学結合素子(301、302)を含み、前記少なくとも1つの光学結合素子(301、302)は、レンズまたは光ファイバ接続ブロックを含む、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のケーシング(100)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの光透過開口部(103、104)は第1の光透過開口部(103)と第2の光透過開口部(104)とを備え、前記第1の光透過開口部は、第1の光学結合素子(301)、例えば第1のレンズまたは第1の光ファイバ接続ブロックを受け入れるよう構成され、前記第2の光透過開口部(104)は、第2の光学結合素子(302)、例えば第2のレンズまたは第2の光ファイバ接続ブロックを受け入れるよう構成され、前記第1の光学結合素子(301)は、前記ケーシング(100)によって収容された光ファイバ送受信機から光信号を送信するための光路に光信号を結合するよう構成され、前記第2の光学結合素子(302)は、前記ケーシング(100)によって収容された光ファイバ送受信機によって光信号を受信するための光路に光信号を結合するよう構成される、請求項7に記載のケーシング(100)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの光学結合素子(301、302)は、少なくとも1つの反射面、例えば反射コーティングを含み、前記少なくとも1つの光学結合素子の前記少なくとも1つの反射面は、発光および/もしくは受光される光を平行光にするよう構成され、ならびに/または前記少なくとも1つの光学結合素子(301、302)は、発光および/もしくは受光される光の全内部反射を与えるよう構成される、請求項7または8に記載のケーシング(100)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの光学結合素子(301、302)は、レンズを含み、前記レンズの形状は、球状、非球状、双円錐状、または自由形状のタイプのうちの1つである、請求項7~9のいずれか1項に記載のケーシング(100)。
【請求項11】
前記光ファイバ送受信機に面する、および/またはファイバに面する、前記少なくとも1つの光学結合素子の表面(301、302)は、球状、非球状、双円錐状、または自由形状のタイプのうちの1つに従う形状を有する、請求項7~10のいずれか1項に記載のケーシング(100)。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のケーシング(100)と、前記ケーシング(100)内に収容される光ファイバ送受信機とを備える、光通信システム。
【請求項13】
前記光ファイバ送受信機の前記ケーシング(300)の前記上面(305)の少なくとも1つの光透過開口部(303、304)に取り付けられる少なくとも1つの光学結合素子(301、302)を含む、請求項12に記載の光通信システム。
【請求項14】
前記少なくとも1つの光学結合素子(301、302)は、レンズ、例えば、光信号を所定の向きに偏向させるための反射面を含むレンズを含む、請求項13に記載の光通信システム。
【請求項15】
アセンブリであって、請求項12から請求項14のいずれか1項に記載の光ファイバ送受信機を含む光ファイバコネクタ(309)を備え、前記光ファイバ送受信機は、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のケーシング(311)内に収容され、前記アセンブリはさらに、前記光ファイバコネクタのハウジング(312)と、前記光ファイバコネクタを表面実装することができるプリント回路基板(308)とを備える、アセンブリ。
【請求項16】
表面実装光ファイバコネクタ(309)を組立てる方法であって、
請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のケーシング(311、100)内に収容された光ファイバ送受信機を表面実装するステップを含み、前記光ファイバ送受信機の前記表面実装は、前記ケーシングの前記底面の前記1つ以上のはんだパッド(207、208、209、210)が、プリント回路基板(106、308)との電気的接続を確立するように、前記ケーシング(311、100、300)を、前記プリント回路基板に、はんだ付けによって、例えばリフローはんだ付けによって、表面実装することを含み、前記方法はさらに、
前記ケーシング(311、100、300)を前記プリント回路基板(106、308)に取り付けた後、
前記光ファイバコネクタの任意のさらなる残りの構成要素、例えば前記光ファイバコネクタのハウジング(312)を、前記光ファイバ送受信機の前記ケーシング(311、100、300)および/または前記プリント回路基板(106、308)に取り付けるステップを含む、方法。
【請求項17】
前記光ファイバコネクタ(309)の任意のさらなる残りの構成要素を取り付けるステップは、前記光ファイバコネクタのハウジング(312)を前記ケーシング(300)に取り付けるステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ハウジング(312)は、レンズおよび/または光ファイバ接続ブロックを含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
現状技術
本発明は、請求項1のプリアンブルによる光ファイバコネクタに使用するための光ファイバ送受信機を収容するためのケーシングまたはパッケージング、請求項10のプリアンブルによる光ファイバ送受信機、請求項13のプリアンブルによる光ファイバコネクタおよび光ファイバ送受信機を含むアセンブリ、ならびに請求項14のプリアンブルによる表面実装光ファイバコネクタを組立てるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光通信システムは、現在、家庭用ネットワークおよび産業用途において広く使用されており、例えば、自動車産業において高速マルチメディアネットワークのために使用されるMOST(Media Oriented Systems Transport)技術は、プラスチック光ファイバ(POF)技術に基づいている。
【0003】
例えば、US2013/0330082 A1に記載の光通信システムでは、光送信機である発光装置は、光信号を、光受信機である、光信号を受信するための光検出器を含む受光装置に光信号を導くプラスチックファイバなどの光ファイバリンクに供給される光信号を出力する。
【0004】
そのような光通信システムは、とりわけ、従来の非光通信システムと比較して、銅を上回るいくつかの利点、例えば、より低い減衰、電磁干渉照射に対する耐性、およびより高いデータレート伝送を有する。このため、近年では、車内データ通信にも光通信システムがますます利用されている。
【0005】
光ファイバ送受信機(FOT)およびFOTを備える光ファイバコネクタ(FOC)は、例えば、単方向または双方向通信リンクとして機能することができる光通信システムの重要な構成要素の1つである。
【0006】
しかしながら、光ファイバ送受信機および光ファイバコネクタは、典型的には、とりわけ、種々の電子構成要素および電子回路、フォトニクス構成要素、相互接続要素、光学要素、ならびに電磁遮蔽構成要素を含む、異なる性質の複数の要素から構成されるため、かなり複雑な構成要素である。
【0007】
光ファイバ送受信機の複雑さおよび多様性に起因して、現在のFOTのアセンブリ、テストおよびサプライチェーンは、複雑で、長く、コストおよび製造資源集約的である。
【0008】
現在の光ファイバ送受信機設計は、サプライチェーンに沿ってテストすることに対して最適化されておらず、複雑なアセンブリ方法を必要とする。
【0009】
さらに、現在のFOTアセンブリ方法およびFOT設計ソリューションは、とりわけ、FOTの光学構成要素のための材料選択における自由度を制限するか、またはFOTの電子構成要素において使用される考えられ得る技術を制限する。
【0010】
例えば、光路での使用に適した多くの材料は、現在の製造およびアセンブリ手順で適用されるFOTのリフローはんだ付けをサポートしない。したがって、FOTを含む光ファイバコネクタは、現在、多くの場合、特殊な(非リフロー)はんだプロセスを必要とするか、またはFOTおよびコネクタが、高いリフローはんだ付け温度に耐えることができる材料で作製されることを必要とし得る。
【0011】
したがって、FOTおよびFOCのための現在の製造およびアセンブリ手順のこれらの制約は、さらなる必要とされる努力および費用につながり得、さらに、光通信システムのための増大する性能要件ならびに最新の品質および安全基準を満たすことをより困難にし得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
課題
したがって、本発明の目的は、光通信システムを改善するための手段を提供することである。特に、本発明の目的は、光通信システムアセンブリの一部として、光ファイバコネクタ、特に表面実装光ファイバコネクタに使用するための光ファイバ送受信機を収容するための改良されたケーシングを提供することである。
【0013】
本発明のさらなる目的は、光通信システムのアセンブリのための改善された手段を提供することであり、特に、光ファイバ送受信機を備える表面実装光ファイバコネクタを組立てるための改善された手段を提供することである。
【0014】
例えば、この目的は、光通信システムのコストおよび製造効率、ならびに性能および信頼性を改善すること、特に、光ファイバコネクタで使用するためのケーシング内に収容された光ファイバ送受信機のコストおよび製造効率ならびに性能および信頼性を改善することを含んでもよい。
【課題を解決するための手段】
【0015】
解決方法
本発明によれば、この目的は、請求項1の光ファイバコネクタに使用するための光ファイバ送受信機を収納するためのケーシングまたはパッケージング、請求項10の光ファイバ送受信機、請求項13の光ファイバコネクタと光ファイバ送受信機とを備えるアセンブリ、および請求項14の表面実装光ファイバコネクタを組立てるための方法によって達成される。
【0016】
有利な実施形態およびさらなる発展形態は、従属請求項の主題である。
例えば、特に光通信システムの一部として光ファイバコネクタで使用するための光ファイバ送受信機を収容するケーシングは、以下の要素、特徴または構成要素のうちの1つ、いくつかまたはすべてを含んでもよい:
・上面と、底面と、1つ以上の横面とを含み、
・上面および少なくとも1つ以上の横面は、少なくとも部分的に導電性であり得、それによって、光ファイバ送受信機のための電磁遮蔽を提供し、
・ケーシングの底面は、光ファイバ送受信機のために電気的接続性を提供することができ、および/または光ファイバ送受信機から熱を伝達するためのヒートシンクとして作用することができる、1つ以上のはんだパッドを含んでもよい。
【0017】
光ファイバ送受信機のために本明細書に例示的に記載されるケーシングまたはパッケージングは、表面実装光ファイバ送受信機、例えば、光ファイバコネクタで使用するためにプリント回路基板の表面上に実装することができる、いわゆるスカイルッカー(skylooker)光ファイバ送受信機を収容するのに特に適してもよく、上述のように、複数の面または側または表面を含んでもよく、前記面または側または表面は、少なくとも1つの上表面または上面または上側、少なくとも1つの底表面または底面または底側、および1つ以上の横表面または側面または横側を含んでもよい。
【0018】
1つ以上のはんだパッドは、各々、例えば、ピンによって提供される点状接触と比較して、非点状2次元拡張接触表面を提供することができる。別の言い方をすれば、1つ以上のはんだパッドは、各々、光ファイバ送受信機用のケーシングまたはパッケージングとプリント回路基板などの外部構成要素との接触、特に電気的接触および/または熱的結合を確立するための平坦な平面接触表面を含むことができる。
【0019】
本明細書で例示的に説明される光ファイバ送受信機用のケーシングまたはパッケージングは、特にはんだパッドの複数および設計に起因して、ケーシング内部の光ファイバ送受信機の集積回路(IC)からプリント回路基板(PCB)の金属接地層への改善された熱結合を、最後に、とりわけ、本明細書で説明される例示的なはんだパッドが従来の薄いリードフレームピンよりも大きい断面表面を有すること、および光ファイバ送受信機のためのケーシングまたはパッケージングの底部側からプリント回路基板の表面までの距離をより短くできることにも起因して、提供する。さらに、本明細書で例示的に説明される光ファイバ送受信機用のケーシングまたはパッケージングは、光ファイバ送受信機の集積回路の、プリント回路基板の構成要素への、最適な電気的接続性も提供する。
【0020】
同時に、本明細書で例示的に説明される光ファイバ送受信機用のケーシングまたはパッケージングは、光ファイバ送受信機の構成要素の最適な電磁遮蔽を提供する。
【0021】
例えば、光ファイバ送受信機用のケーシングまたはパッケージングのケーシングまたはパッケージング材料、特に上面および少なくとも1つ以上の横面の材料、例えばすべての横面の材料は、金属もしくは金属材料および/または導電性ポリマー材料を含んでもよい。
【0022】
言い換えれば、電磁遮蔽は光ファイバ送受信機のケーシングに統合され、光ファイバ送受信機のための電磁遮蔽を提供するために追加の余分な構成要素または製造工程は必要とされない。
【0023】
ピンの代わりにはんだパッドを使用することにより、光ファイバ送受信機用のケーシングもしくはパッケージングの構成、および/またはケーシングもしくはパッケージングと光ファイバ送受信機とを備えるファイバコネクタの構成がさらに大幅に簡略化される。本明細書で例示的に説明される光ファイバ送受信機用の、ピンのないケーシングまたはパッケージングは、光ファイバ送受信機のケーシングまたはパッケージングに機械的応力を及ぼす場合があり、通常であれば一般的な光ファイバ送受信機を損傷するであろう、組立中に光ファイバ送受信機またはファイバコネクタを損傷するリスクを最小限に抑える、より堅牢な設計を提供し、より効率的でより迅速な組立を含む、より多様な組立技術を使用する機会を提供する。
【0024】
本明細書で例示的に説明される光ファイバ送受信機用のケーシングまたはパッケージングは、特に、ケーシングの底面の実質的に中央もしくはその付近に配置することができる1つ以上のはんだパッドを備えてもよく、および/またはケーシングの底面の周囲に実質的に沿うかもしくはその近くに配置することができる1つ以上のはんだパッドを備えることができる。
【0025】
ケーシングの底面の実質的に中央またはその付近に配置することができる1つ以上のはんだパッドは、特にヒートシンクとして作用して、ケーシング内部の光ファイバ送受信機の考えられ得る集積回路とプリント回路基板の考えられ得る金属接地層との間に改善された熱結合を提供することができ、ケーシングの底面の周囲に実質的に沿うかまたはその近くに配置することができる例示的な1つ以上のはんだパッドは、プリント回路基板の構成要素に対する光ファイバ送受信機の集積回路の電気的接続を提供/確立してもよい。
【0026】
考えられ得る例示的なはんだパッドのうちの1つ、いくつか、もしくはすべては、実質的に底面の中央もしくはその付近に配置されてもよく、接地電位、例えば、プリント回路基板の接地電位に接続されるよう構成され得、および/または底面の周囲に実質的に沿うかもしくはその近くに配置され得る例示的なはんだパッドの少なくとも1つ、いくつかもしくはすべては、ケーシング内に収容された光ファイバ送受信機の構成要素と、ケーシングを取り付けることができるプリント回路基板の集積回路構成要素との間の電気的接続を提供するよう構成することができる。
【0027】
このようにして、とりわけ、光通信システムの、改善された性能および相互接続をもたらす、光ファイバ送受信機の低熱抵抗、効果的かつ効率的な電気的接続性および電磁遮蔽の最適化されたバランスを達成することができる。
【0028】
加えて、本明細書に記載の光ファイバ送受信機用のケーシングまたはパッケージングは、例えば、ケーシングをプリント回路上に単一のステップで取り付け/はんだ付けすることができるので、表面実装光ファイバコネクタの組立てを簡略化した。
【0029】
ケーシングの底面の周囲または縁部に実質的に沿うかまたはその近くに配置される考えられ得るはんだパッドの配置は、規則的、例えば底面の所与の側または縁部上の隣接するパッドの距離に対して規則的なピッチとすることができるが、これらの例示的な周辺はんだパッドの他の規則的でない配置も可能である。
【0030】
さらに、以下でさらに詳述されるように、本明細書で例示的に説明される光ファイバ送受信機のためのケーシングまたはパッケージングは、表面実装光ファイバ送受信機を組立てる製造プロセス、および/または本明細書で例示的に説明されるケーシングもしくはパッケージングに収容される表面実装光ファイバ送受信機を備える表面実装光ファイバコネクタを組立てる製造プロセスを、それぞれ、最適化することを可能にする。
【0031】
ケーシングの底面の実質的に中央またはその付近に配置することができる前記例示的な1つ以上のはんだパッドは、ケーシングの底面積の大部分、例えば少なくとも50%を覆ってもよく、それによって特に、ケーシング内部の光ファイバ送受信機の集積回路とプリント回路基板の金属接地層との間の熱結合をさらに改善する。
【0032】
光ファイバ送受信機用のケーシングまたはパッケージングの上面は、光信号を送信および/または受信するための少なくとも1つの光路の少なくとも一部を収容するよう構成された少なくとも1つの光透過開口部を備えることができる。
【0033】
例示的な少なくとも1つの光透過開口部は、光信号を少なくとも1つの光路に結合するための少なくとも1つの光学結合素子、例えばレンズまたは光ファイバ接続ブロックを受け入れるよう構成することができる。
【0034】
これは、とりわけ、例えば、光ファイバ送受信機のケーシングまたはパッケージングがプリント回路基板に取り付けられおよび/またははんだ付けされた後に、光学結合素子を光ファイバ送受信機のケーシングまたはパッケージングに別途取り付けることができるので、光ファイバコネクタで使用するための光ファイバ送受信機の組立てを容易にし、単純化し、最適化することができる。
【0035】
このようにして、例えば、とりわけ、かなり敏感な光学結合素子が、はんだ付けプロセス中および/または光ファイバ送受信機のケーシングもしくはパッケージングをプリント回路基板の表面に取り付けるプロセス中に損傷、劣化または汚染されるのを回避することができる。
【0036】
例えば、光学結合素子が、例えば200°Cを超える高温のリフローはんだ付け熱、ならびに光学結合素子上に堆積し光学結合素子を損傷および劣化させる恐れのあるはんだ煙または蒸気にさらされることを回避することができる。
【0037】
さらに、光学結合素子が、光ファイバ送受信機のケーシングもしくはパッケージングをプリント回路基板の表面に取り付ける間に望ましくない機械的応力を受けることを回避できる。
【0038】
ケーシングもしくはパッケージングがプリント回路基板の表面にはんだ付けおよび/または実装された後に、光学結合素子が光ファイバ送受信機のケーシングまたはパッケージングに挿入/実装されることを可能にすることによって、光学結合素子は、特に、プリント基板の表面に対する光ファイバ送受信機のケーシングまたはパッケージングの取り付けに関して、光ファイバコネクタで使用するための光ファイバ送受信機の組立てに使用される方法、手段および材料に制限を与えず、それによって、光ファイバ送受信機および/または光ファイバコネクタの組立て手順をそれぞれ容易にした。
【0039】
それにより、光学結合素子を、光ファイバコネクタの一部に事前に組付け、および/または光ファイバ接続ブロックに事前に取り付け、光ファイバコネクタの一部と共に光ファイバ送受信機のケーシングまたはパッケージングに取り付けて、光ファイバコネクタの組立をさらに容易にし、光ファイバコネクタの簡単な2ステップ組立てを可能にすることも可能であり、ここで、第1のステップは、光ファイバ送受信機がプリント回路基板の表面上にくるように、光ファイバ送受信機のケーシングまたはパッケージングを配置およびはんだ付けすることを含んでもよく、後続の第2のステップにおいては、光学結合素子が、光ファイバコネクタまたは光ファイバコネクタ部品とともに、光ファイバ送受信機のケーシングまたはパッケージングに/上に取り付けられる。
【0040】
特に、本明細書で例示的に説明される光ファイバ送受信機用のケーシングまたはパッケージングは、2つの光透過開口部、例えば、第1の光透過開口部および第2の光透過開口部を備えてもよく、第1の光透過開口部は、第1の光学結合素子、例えば、第1のレンズまたは第1の光ファイバ接続ブロックを受け入れるよう構成することができ、第2の光透過開口部は、第2の光学結合素子、例えば、第2のレンズまたは第2の光ファイバ接続ブロックを受け入れるよう構成することができる。
【0041】
この例示的な構成では、例示的な第1の光学結合素子は、ケーシングによって収容された光ファイバ送受信機から光信号を送信するための光路に光信号を結合するよう構成することができ、例示的な第2の光学結合素子は、ケーシングによって収容された光ファイバ送受信機によって光信号を受信するための光路に光信号を結合するよう構成することができる。
【0042】
言い換えれば、本明細書で例示的に説明される光ファイバ送受信機用のケーシングまたはパッケージングは、光信号通信のための少なくとも2つの別個のチャネル、すなわち、光信号を受信するための1つのチャネルおよび光信号を送信するための1つのチャネルを提供することができる。
【0043】
本明細書で例示的に説明される、光ファイバ送受信機を収容するための例示的なケーシングまたはパッケージングの前記例示的な光透過開口部に取付/挿入され得る少なくとも1つの光学結合素子は、少なくとも1つの反射面、たとえば反射コーティングおよび/またはミラーを備えてもよく、少なくとも1つの光学結合素子の考えられ得る例示的な少なくとも1つの反射面は、発光および/もしくは受光される光を平行光にするよう構成することができ、ならびに/または少なくとも1つの光学結合素子は、発光および/もしくは受光される光の全内部反射を与えるよう構成することができ、すなわち、発光光信号および/または受光光信号の全内部反射を与えるよう構成することができる。
【0044】
例示的な少なくとも1つの光学結合素子は、レンズを含んでもよく、レンズの例示的な形状は、球状、非球状、双円錐状、または自由形状のタイプのうちの1つとすることができる。
【0045】
例えば、特に、光ファイバ送受信機および/またはファイバに面する、少なくとも1つの光学結合素子、例えば、ある/前記例示的なレンズの表面の形状は、球状、非球状、双円錐状、または自由形状のタイプのうちの1つに従う形状を有することができる。
【0046】
光学結合素子の例示的な表面、特に、光学結合素子および/または(光学結合素子の一部である)レンズの表面は、光学系の必要なモードパワー分布を形成しながら最小の光出力損失を維持するよう、上記の特定の形状(例えば、球形、非球形、双円錐形または自由形状)を有してもよい。
【0047】
加えて、光学結合素子の表面形状および/または例示的なレンズの表面形状および/または光ファイバ接続ブロックの表面形状の機能は、(光ファイバ送受信機における)半導体光源からのモードパワー分布が、データリンク/光信号経路の要件を満たさない場合に、光データリンク/光信号経路のファイバに供給されるべき光のモードパワー分布を制御(成形)することであり得る。
【0048】
上述のように、光ファイバ送受信機、例えば、光通信システムで使用される光ファイバコネクタで使用するための光ファイバ送受信機は、上記および本明細書で説明される特徴の1つ、いくつかまたはすべてを含む、本明細書で説明されるケーシングまたはパッケージングに収容することができる。
【0049】
例えば、ある例示的な光ファイバ送受信機は、本明細書で説明する光ファイバ送受信機の例示的なケーシングまたはパッケージングの上面の少なくとも1つの例示的な光透過開口部に取り付けられる少なくとも1つの例示的な光学結合素子を備えてもよい。
【0050】
さらに、例示的な光ファイバ送受信機は、例示的な少なくとも1つの光学結合素子に結合される例示的な導波路延在部をさらに備えてもよい。
【0051】
言い換えれば、上記および本明細書で説明する例示的な光ファイバ送受信機は、光ファイバ送受信機を光信号通信のために1つ以上のさらなる光電子構成要素に接続するための手段を備えてもよい。
【0052】
上述のように、例示的な少なくとも1つの光学結合素子は、光信号を所定の向き、例えば、必要なファイバの向きに偏向させるための反射面、例えば、反射面を含んでもよいレンズを含んでもよい。
【0053】
例えば、少なくとも1つの光学結合素子の例示的な反射面、例えば、光学結合素子のレンズの反射面は、光路または光学的経路を、プリント回路基板の表面に対して垂直または実質的に垂直からプリント回路基板の表面に対して平行または実質的に平行にまで適合させるよう構成することができ、すなわち、少なくとも1つの光学結合素子は、約90°の偏向角を実現してもよい。しかしながら、例えば0°~100°の範囲といった、他の偏向角も実現されてもよい。
【0054】
前述のように、光学結合素子の反射面、例えば光学結合素子のレンズの反射面は、光源、例えば光ファイバ送受信機の発光ダイオードからの発散光またはファイバから光ファイバ送受信機に到達する光を、シンク、例えば、他の光電子構成要素または光ファイバ送受信機の光検出器につながるファイバに、再び平行光にするために、屈折率境界において、例えばレンズ材料から空気に、内部反射を与えるよう構成および成形されてもよく、例えば湾曲されてもよい。
【0055】
言い換えれば、光学結合素子、例えばレンズ/光学結合素子のレンズは、光学媒体への光注入のモードパワー分布を制御することができる。さらに、光学結合素子、例えば、光学結合素子のレンズは、本明細書で説明するケーシングまたはパッケージングによって収容される光ファイバ送受信機の受光光路および送光光路に対して独立して最適化されるように設計することができる。
【0056】
光学結合素子、例えば、光学結合素子のレンズは、光ファイバ送受信機の集積回路と嵌合するフェルールのための整列のための手段をさらに含んでもよく、ならびに/または光ファイバ送受信機のケーシング内/上および/もしくはファイバコネクタのハウジング内の適所に光学結合素子を維持するために、手段、例えば、クランプを含んでもよい。
【0057】
前述のように、光学結合素子、例えば、光学結合素子のレンズは、さらに、例示的導波路延在部を含んで、付加的な機械的要件、例えば、光ファイバ送受信機に接続する、すなわち、光学結合素子によって結合される光ファイバの面/表面と、本明細書で例示的に説明される光ファイバ送受信機のケーシングまたはパッケージングの蓋、すなわち上面の光透過開口部との間の所定の最小限の間隙を確保すること等を満たすことを促進してもよい。
【0058】
本発明による例示的なアセンブリは、例えば、
・光ファイバ送受信機を備える光ファイバコネクタを備え、光ファイバ送受信機は、上記および本明細書に記載されるケーシングまたはパッケージング内に収容することができ、アセンブリはさらに、
・光ファイバコネクタのハウジングと、
・光ファイバコネクタが表面実装され得るプリント回路基板とを備える。
【0059】
そこでは、光ファイバコネクタの例示的なハウジングは、1つ以上の予め組付けられた光学結合素子、たとえばレンズおよび/または光ファイバ接続ブロックを含んでもよい。
【0060】
表面実装光ファイバコネクタを組立てる例示的な方法は、以下のステップのうちの1つ、いくつか、またはすべてを含んでもよい:
・上述および本明細書に記載の光ファイバ送受信機のためのケーシングまたはパッケージング内に収容された光ファイバ送受信機を表面実装するステップを含んでもよく、光ファイバ送受信機の表面実装は、ケーシングの底面の1つ以上のはんだパッドが、プリント回路基板との電気的接続を確立するように、ケーシングまたはパッケージングを、プリント回路基板に、はんだ付けによって、例えばリフローはんだ付けによって、表面実装することを含んでもよく、本方法はさらに、
・光ファイバ送受信機のケーシングまたはパッケージングをプリント回路基板に取り付けた後、光ファイバコネクタの任意のさらなる残りの構成要素、例えば光ファイバコネクタのハウジングを、光ファイバ送受信機のケーシングまたはパッケージングおよび/またはプリント回路基板に取り付けるステップを含んでもよい。
【0061】
ここで、光ファイバコネクタの任意のさらなる残りの構成要素を取り付ける例示的なステップは、とりわけ、光ファイバコネクタのハウジングを光ファイバ送受信機のケーシングまたはパッケージングに取り付けることを含んでもよく、光ファイバコネクタのハウジングは、1つ以上の予め組付けられた光学結合素子、たとえばレンズおよび/または光ファイバ接続ブロックを含んでもよく、前記1つ以上の予め組付けられた光学結合素子は、光ファイバ送受信機のケーシングまたはパッケージングにおいて、上記および本明細書に記載されるように、例示的な1つ以上の光透過開口部によって受け入れられる。
【0062】
しかしながら、光ファイバコネクタのハウジングの一部である予め組付けられた光学結合素子を使用する代わりに、光ファイバ送受信機のケーシングまたはパッケージングをプリント回路基板に取り付けた後に、1つ以上の光学結合素子、例えばレンズおよび/または光ファイバ接続ブロックを、例えば、上記および本明細書に記載されるように、光ファイバ送受信機のケーシングまたはパッケージングの上面における例示的な1つ以上の光透過開口部を介して、光ファイバ送受信機に別途取り付けてもよいことも可能である。
【0063】
いずれにせよ、本明細書に記載の例示的な結合要素、例えばレンズおよび/または光ファイバ接続ブロックは、光ファイバ送受信機のケーシングまたはパッケージにおける対応する光透過開口部と嵌合することができる。この嵌合を容易にするために、例示的な結合要素は、光ファイバ送受信機のケーシングまたはパッケージングの上面の光透過開口部に面する、結合要素の底面に、整列のための機械的手段、例えばピンまたは弾性要素を含んでもよい。
【0064】
例示的な光学結合素子、例えばレンズおよび/または光ファイバ接続ブロックを損傷または劣化させるリスクをさらに最小限に抑えるために、光ファイバ送受信機のケーシングまたはパッケージングをはんだ付けによってプリント回路基板に取り付けた後に、光ファイバコネクタの任意のさらなる残りの構成要素を取り付けるステップは、所定の冷却時間の間待つステップを含んでもよく、これにより、はんだ付けプロセスによって加熱された構成要素の充分な冷却が可能にして、ケーシングまたはパッケージングに取り付けられる光ファイバコネクタの光学結合素子または他の構成要素への損傷を回避する。
【0065】
例示的な所定の冷却時間は、数秒から数分またはそれ以上の範囲であってもよい。前記例示的な所定の冷却時間は、例えば、ケーシングまたはパッケージングのはんだパッドが適切な品質でプリント回路基板にはんだ付けされているかどうかをチェックするために、プリント回路基板に対する光ファイバ送受信機のケーシングまたはパッケージングの取付の品質チェック、例えば、目視検査またはX線検査および/または電気的チェックに用いることができる。
【0066】
以下の図は、例示的なものを示す。
【図面の簡単な説明】
【0067】
図1a】光ファイバ送受信機を収容するための例示的なケーシングまたはパッケージングの図である。
図1b】プリント回路基板上に表面実装される、光ファイバ送受信機を収容するための例示的なケーシングまたはパッケージングの図である。
図2a】光ファイバ送受信機を収容するためのケーシングまたはパッケージングの例示的な底面の例示的な概略図である。
図2b】光ファイバ送受信機を収容するためのケーシングまたはパッケージングの例示的な上面の例示的な概略図である。
図2c】光ファイバ送受信機を収容するためのケーシングまたはパッケージングの例示的な横面の例示的な概略図である。
図3a】光ファイバ送受信機を収容するための例示的なケーシングまたはパッケージングを例示的な光学結合素子とともに示す図である。
図3b】例示的なケーシングまたはパッケージングに収容された例示的な光ファイバ送受信機を含む例示的な光ファイバコネクタを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
図1aは、上述の例示的な特徴を有する光ファイバ送受信機(図示せず)を収容するための考えられ得るケーシング100またはパッケージングを例示的に示す。例示的に示されるケーシングまたはパッケージング100は、箱形または立方体形であり、上面101と、4つの横面102a、102b、102c、102dと、底面105とを備える。
【0069】
しかし、上面および下面ならびに横側および横面の形状が異なるケーシング100の他の形状、例えば、円筒形状または概ね凸状のポリトープ形状も考えられることに留意されたい。
【0070】
さらに、ケーシング100の上面101に、光信号を送信および/または受信するための少なくとも1つの光路の少なくとも一部を受け入れて収容するのに適した2つの例示的な光透過開口部103および104が示されており、これらの例示的な光透過開口部は、少なくとも1つの光学結合素子(図示せず)、例えば、光信号を少なくとも1つの光路に結合するためのレンズまたは光ファイバ接続ブロックを受け入れるよう構成される。
【0071】
例えば、光透過開口部103は、ケーシング100によって収容された光ファイバ送受信機から他の光電子構成要素(図示せず)に光信号を送信するための光路に光信号を結合するよう構成される光学結合素子を収容するための送信チャネルとして働いてもよく、光透過開口部104は、例えば、他の光電子構成要素(図示せず)から、ケーシング100に収容された光ファイバ送受信機によって光信号を受信するための光路に入る光信号を結合するよう構成される光学結合素子を収容するための受信チャネルとして働いてもよい。
【0072】
図1bは、プリント回路基板106の表面上に表面実装された、図1aの光ファイバ送受信機を収容するためのケーシングまたはパッケージング100を例示的に示す。
【0073】
完全を期すため、より良好な視認性のために、図1aの尺度と図1bの尺度は同じではないことに留意されたい。
【0074】
さらに、プリント回路基板106において、光ファイバ送受信機を収容するケーシングまたはパッケージング100上に取り付けられるファイバコネクタ(図示せず)のハウジングを取り付け、固定し、保持するために使用することができる例示的な穴または開口部107a、107b、107c、107dが示されている。
【0075】
図2a、図2bおよび図2cは、図1aおよび図1bに示されるケーシング100と類似または同一である、光ファイバ送受信機(図示せず)を収容するための例示的なケーシングまたはパッケージングの、底面図200、すなわち例示的な底面211、例示的な側面図201、すなわち例示的な横面205、および例示的な上面図202、すなわち例示的な上面206を例示的に示す。
【0076】
例示的な底面図200は、複数のはんだパッド207、208、209、210を例示的に示し、はんだパッド207、208、209は、例示的に、ケーシングの底面211の実質的に中央およびその付近に配置され、複数のはんだパッド210は、ケーシングの底面211の周囲または縁部212に実質的に沿うかまたはその近くに配置される。
【0077】
はんだパッド207、208、209、210の形状は、実質的に長方形または正方形であるが、他の形状、例えば円形も可能である。
【0078】
はんだパッドの数、例えば、底面211の周囲に沿った4つの辺の各々に9つのはんだパッド210、ならびに底面211の中央およびその付近に配置された3つのはんだパッド207、209、210は、単なる例示である。
【0079】
図示の例では、最も中央のはんだパッド207は、中央に配置されたはんだパッド207、208、209の中で最大であるが、これは単なる任意選択であり、例えば、中央に配置されたはんだパッド207、208、209が同じサイズおよび形状であるか、またはすべてが異なるサイズおよび形状であることも考えられる。
【0080】
矢印および図によって印された寸法ならびに距離も、単なる例示である。図示され注釈が付された寸法は、例えばmm単位であると解釈することができるが、他の寸法も考えられる。
【0081】
ケーシングの底面211の周囲または縁部212に実質的に沿うかまたはその近くに配置されるはんだパッド210の配置は、規則的、例えば、所与の辺上の隣接するパッドの距離に対して規則的なピッチ213、例えば0.65mmとすることができるが、他の規則的でないはんだパッド210の配置も可能である。
【0082】
底面211の中央および/またはその付近の例示的なはんだパッド207、208、209のうちの1つ、いくつか、またはすべては、それによって、接地電位、たとえば、プリント回路基板(図示せず)の接地電位に接続されるよう構成され得る。
【0083】
前記例示的なはんだパッド207、208、209はさらに、熱放散のためのプリント回路基板接地面への熱結合、ならびに高性能光通信用途における最適な電力および信号完全性のための低インダクタンス電気的接続を提供することができる。
【0084】
底面211の周囲に実質的に沿うかまたはその近くに配置されたはんだパッド210の少なくとも1つ、いくつかまたはすべては、ケーシング内に収容された光ファイバ送受信機(図示せず)の構成要素と、ケーシングを取り付けることができるプリント回路基板(図示せず)の集積回路構成要素との間の電気的接続を提供するよう構成することができる。
【0085】
図2bは、図1aおよび図1bに示すケーシング100と類似または同一の、光ファイバ送受信機を収容するケーシングまたはパッケージングの上面206の例示的な上面図202を示し、2つの例示的な光透過開口部203、204が前記上面206に示されている。
【0086】
上述したように、光透過開口部203、204は、光信号を送信および/または受信するための少なくとも1つの光路の少なくとも一部を受け入れて収容するのに適した/構成とすることができ、例示的な光透過開口部は、光信号を、少なくとも1つの光路、例えば光ファイバ送受信機から光信号を送信するための光路および/またはケーシングに収容された光ファイバ送受信機によって光信号を受信するための光路に結合するための少なくとも1つの光学結合素子(図示せず)、例えばレンズまたは光ファイバ接続ブロックを受け入れるよう構成される。
【0087】
図2cは、例示的な側面図201、すなわち、図1aおよび図1bに示すケーシングまたはパッケージング100と類似または同一の、光ファイバ送受信機を収容するためのケーシングまたはパッケージングの例示的な横面205を示す。
【0088】
図3aは、光ファイバ送受信機を収容するためのケーシング300またはパッケージングの一例を示し、前記ケーシング300は、図1aおよび図1bに示すケーシング100と類似または同一であり、例えば矩形レンズを含む2つの例示的な光学結合素子301、302が、例示的なケーシング300の上面305の光透過開口部303、304内に取り付けられる。光学結合素子301、302は、任意選択で、それらを光透過開口部内の適所に維持するための保持および固定手段を備えてもよい。
【0089】
さらに、例示的なプリント回路基板306が図示されており、その上に光ファイバ送受信機用の例示的なケーシングまたはパッケージング300が取り付けられ、プリント回路基板306は、光ファイバ送受信機のための例示的なケーシングまたはパッケージ300およびその光学結合素子301、302の上に装着されることになるファイバコネクタ(図示せず)の部品、特にファイバコネクタのハウジングの部品を取り付けるおよび/または保持するために使用され得る穴または開口部307a、307b、307cを備える。
【0090】
図3bは、組立てられたファイバコネクタ309を例示的に示し、光ファイバコネクタ309のハウジング312は、光ファイバ送受信機のためのケーシングまたはパッケージング311およびその光学結合素子(図示せず)上に取り付けられ、前記ケーシング311は、図3aおよび図1aまたは図1bに示すケーシング300または100と類似または同一であってもよい。
【0091】
図示の例では、光ファイバコネクタ309または光ファイバコネクタ309のハウジング312は、それぞれ、プリント回路基板308の穴または開口部内に取り付けられ/それによって受け入れられる例示的なピン310a、310bを介してプリント回路基板308上に取り付けられ、保持される。
【0092】
例示的な光ファイバコネクタ309は、例示的に、ケーシング311によって収容された光ファイバ送受信機(図示せず)の例示的な受信光通信経路および/または例示的な送信光通信経路への接続、例えば双方向接続を確立することができる接続/接続ポート313を備える。
【0093】
さらに、光ファイバコネクタは、さらなる接続/接続ポート、例えば2つの接続ポートを備えることができ、光ファイバコネクタは、本明細書に例示的に記載されるケーシングまたはパッケージングに各々が収容される複数の光ファイバ送受信機を収容することができ、例えば、第1の接続ポートは、第1の光ファイバ送受信機の第1のケーシングまたはパッケージングに接続されることができ、第2の接続ポートは、第2の光ファイバ送受信機の第2のケーシングまたはパッケージングに接続されることができることが考えられる。言い換えれば、ファイバコネクタハウジング内に収容することができる光ファイバ送受信機およびポートの数を容易にスケールアップすることができる。
【0094】
図3bは、光ファイバコネクタがプリント回路基板の縁部に取り付けられるエッジボードコネクタの例である。しかしながら、光ファイバコネクタはまた、ボードセンターコネクタとして実現されてもよく、光ファイバコネクタは、プリント回路基板の中央に、またはプリント回路基板の縁部からある距離に搭載される。図1a、図1b、図1c、図2a、図2b、図2c、図3aおよび図3bを含む3枚のシートが続く。参照番号は以下の構成要素を識別する。
【符号の説明】
【0095】
100 光ファイバ送受信機を収容するための例示的なケーシングまたはパッケージング
101 ケーシングの例示的な上面
102a、102b、102c、102d ケーシングの例示的な横面/横側
103 例示的な(第1の)光透過開口部
104 例示的な(第2の)光透過開口部
105 ケーシングの例示的な底面
106 例示的なプリント回路基板
107a、107b、107c、107d プリント回路基板における例示的な穴または開口部
200 光ファイバ送受信機を収容するための例示的なケーシングまたはパッケージングの例示的な底面図
201 光ファイバ送受信機を収容するための例示的なケーシングまたはパッケージングの例示的な側面図
202 光ファイバ送受信機を収容するための例示的なケーシングまたはパッケージングの例示的な上面図
203 例示的な(第1の)光透過開口部
204 例示的な(第2の)光透過開口部
205 光ファイバ送受信機を収容するための例示的なケーシングまたはパッケージングの例示的な横面/側面
206 光ファイバ送受信機を収容するための例示的なケーシングまたはパッケージングの例示的な上面
207 例示的なはんだパッド、例示的な(第1の)中央はんだパッド
208 例示的なはんだパッド、例示的な(第2の)中央はんだパッド
209 例示的なはんだパッド、例示的な(第3の)中央はんだパッド
210 ケーシングの底面の周囲に実質的に沿うかまたはその近くに配置される例示的なはんだパッド、例示的な周辺はんだパッド
211 ケーシングの例示的な底面
212 ケーシングの底面の例示的な縁部または周囲
213 ケーシングの底面の周囲に実質的に沿うかまたはその近くに配置された隣接するはんだパッドの例示的なピッチ、例示的な距離
300 光ファイバ送受信機を収容するための例示的なケーシングまたはパッケージング
301 例示的な(第1の)光学結合素子、例示的なレンズ、例示的な矩形レンズ、例示的な光ファイバ接続ブロック
302 例示的な(第2の)光学結合素子、例示的なレンズ、例示的な矩形レンズ、例示的な光ファイバ接続ブロック
303 例示的な(第1の)光透過開口部
304 例示的な(第2の)光透過開口部
305 光ファイバ送受信機を収容するための例示的なケーシングまたはパッケージングの例示的な上面
306 例示的なプリント回路基板
307a、307b、307c プリント回路基板の例示的な穴または開口部
308 例示的な(代替の)プリント回路基板
309 例示的な光ファイバコネクタ
310a、310b 光ファイバコネクタ/光ファイバコネクタのハウジングをプリント回路基板の穴または開口部を介してプリント回路基板に取り付けるための例示的なピン
311 光ファイバ送受信機を収容するための例示的なケーシングまたはパッケージング
312 光ファイバコネクタの例示的なハウジング
313 光ファイバコネクタの例示的な(第1の)接続/ポート
図1a
図1b
図2a
図2b
図2c
図3a
図3b