(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】ウィンドウ又はウィンドウパターンと、任意的にバックライトを伴い、金属、セラミック製又はセラミックコーティングされたトランザクションカード
(51)【国際特許分類】
G06K 19/077 20060101AFI20240502BHJP
G06K 19/07 20060101ALI20240502BHJP
B42D 25/20 20140101ALI20240502BHJP
【FI】
G06K19/077 108
G06K19/07 090
G06K19/077 144
G06K19/077 200
B42D25/20
(21)【出願番号】P 2022544777
(86)(22)【出願日】2021-01-18
(86)【国際出願番号】 US2021013796
(87)【国際公開番号】W WO2021150452
(87)【国際公開日】2021-07-29
【審査請求日】2022-11-17
(32)【優先日】2020-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516351810
【氏名又は名称】コンポセキュア,リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100126848
【氏名又は名称】本田 昭雄
(72)【発明者】
【氏名】アダム ロウ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン エサウ
【審査官】田中 啓介
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0073578(US,A1)
【文献】特開2009-125995(JP,A)
【文献】特開2001-216486(JP,A)
【文献】特開平02-089698(JP,A)
【文献】特開平11-144014(JP,A)
【文献】特開2002-203215(JP,A)
【文献】特開2009-098871(JP,A)
【文献】特開2011-134290(JP,A)
【文献】特表2017-508333(JP,A)
【文献】特開平10-162111(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D15/02、25/00-25/485
G06K7/00-7/14
G06K17/00-19/18
H01Q15/00-19/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランザクションカードにおいて:
外観、厚み、金属層表側面、金属層裏側面及び少なくとも前記
金属層表側面を通って延在する1つ以上のウィンドウ又はポケットを有する金属層と;
前記1つ以上のウィンドウ又はポケット内にそれぞれ配置されたトランスポンダモジュール及びインサートであって、前記インサートが前記ウィンドウを通して目に見えるインサート表側面を有し、前記インサート表側面が前記金属層とは異なる外観を有する、トランスポンダモジュール及びインサートと;
非機能的特徴部の下に配置された前記インサートの表側に面する表面の外観とは対照的に前記
トランザクションカードの表側表面から目に見える1つ以上の非機能的特徴部であって、前記インサートが:
(a)非透明
若しくは非半透明であるか
、又は;
(b)透明
若しくは半透明でかつ前記
トランザクションカードの裏側表面を通って前記非機能的特徴部に対してバックライトを伝送するように構成されている;
非機能的特徴部と;
を含むトランザクションカードにおいて、
前記インサートが不在であるカードと比べて前記トランスポンダモジュールのRF性能を改善する位置で前記インサートが前記金属層内に位置設定されており、
前記インサートが点灯可能なLEDディスプレイを含み、前記点灯可能なLEDディスプレイがOLEDモジュールを含む、トランザクションカード。
【請求項2】
前記非機能的特徴部が、印刷特徴部を含む、請求項
1に記載のトランザクションカード。
【請求項3】
前記インサートが非透明
又は非半透明であるものの、照明可能な表側に面する表面を有する、請求項
1に記載のトランザクションカード。
【請求項4】
前記点灯可能なLEDディスプレイ
へ、RF波から取り入れたエネルギ
が電力供給される、請求項
1に記載のトランザクションカード。
【請求項5】
前記金属層が少なくとも2つの開口部を有し、前記トランスポンダモジュールが前記少なくとも2つの開口部のうちの一方の中に配置され、前記インサートが前記少なくとも2つの開口部のうちの他方の中に配置されている、請求項
1に記載のトランザクションカード。
【請求項6】
前記トランスポンダモジュールが、RFID技術を用いて前記トランスポンダモジュールをカードリーダーに対し誘導結合するように構成されたトランザクション回路を含む、請求項
5に記載のトランザクションカード。
【請求項7】
前記点灯可能なLEDディスプレイが、カードの操作性のインジケータとして点灯するように構成されている、請求項
1に記載のトランザクションカード。
【請求項8】
前記点灯可能なLEDディスプレイが、前記トランザクション回路によって行なわれる支払取引のステータスとは無関係に点灯するように構成されている、請求項
6に記載のトランザクションカード。
【請求項9】
前記インサートが半透明又は透明であり、前記ウィンドウが前記金属層の表側表面から前記金属層の裏側表面まで延在し、非コリメート光が前記インサートを通過して前記
トランザクションカードの表側表面から目に見える前記1つ以上の非機能的特徴部とのコントラストを提供するようになっている、請求項
1に記載のトランザクションカード。
【請求項10】
前記非機能的特徴部が、印刷特徴部、彫刻特徴部、エッチング特徴部又は、カット特徴部のうちの少なくとも1つを含む、請求項
1に記載のトランザクションカード。
【請求項11】
前記ウィンドウ又はポケットが、第1の部域の内部に配置された前記1つ以上の非機能的特徴部を画定する前記金属層の前記
金属層表側面内の複数の開口部、前記第1の部域と整列させられた前記金属層の前記裏側面内の少なくとも1つの開口部、及び、前記インサートを含み、前記インサートの前記表側に面した表面が、前記金属層の
前記金属層表側面内の前記複数の開口部を介して目に見えるような形で、前記インサートは、前記インサートの前記表側に面した表面が前記金属層の前記
金属層表側面に対して陥凹した状態で位置付けされた前記金属層の前記裏側面内の少なくとも1つの開口部に配置されている、請求項
1に記載のトランザクションカード。
【請求項12】
前記金属層の前記裏側面に積層されたバッキング層をさらに含む、請求項
1に記載のトランザクションカード。
【請求項13】
前記インサート又は前記インサートを格納する前記開口部の一部分が、印刷された又は装飾的コンテンツによって、部分的に覆い隠されている、請求項
5に記載のトランザクションカード。
【請求項14】
前記
トランザクションカードの周縁部から前記トランスポンダモジュールを格納する前記開口部まで延在する第1の不連続部、及び前記
トランザクションカードの前記周縁部から前記
OLEDモジュールを格納する前記開口部まで延在する第2の不連続部をさらに含む、請求項
5に記載のトランザクションカード。
【請求項15】
前記点灯可能なLEDディスプレイが、光を発出するように構成された1つ以上のLED、及び前記インサートの前記表側に面した表面の照明される部域全体に前記1つ以上のLEDにより発出された前記光を分配するための光ガイドを含んでいる、請求項
1に記載のトランザクションカード。
【請求項16】
前記点灯可能なLEDディスプレイが、
前記取り入れたエネルギの量に依存する可変的照明特性を有する、請求項
4に記載のトランザクションカード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、全ての目的のために内容全体が参照により本明細書に組込まれている、「ウィンドウ又はウィンドウパターンと、バックライトを任意的に伴い、金属、セラミック製又はセラミックコーティングされたトランザクションカード」なる名称の、2020年1月24日出願の米国特許出願第16/751,285号に対する優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
トランザクションカードは、1つのオファリング(offering)を他と差別化するために任意の数の特徴部を有し得る。消費者は、プラスチックに比べたその耐久性及び全体的高級感のため、金属製カードに対する需要を明示してきた。セラミックカードは、独特のかつ望ましい全体的高級感と共に類似の耐久性を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第5,412,199号明細書
【文献】米国特許第5,434,405号明細書
【文献】米国特許第5,608,203号明細書
【文献】米国特許第6,902,116号明細書
【文献】米国特許第7,997,503号明細書
【文献】米国特許出願公開第2006/0086802号明細書
【文献】米国特許第9,665,818号明細書
【文献】国際公開第2013/131153号
【文献】米国特許第10,406,734号明細書
【文献】米国特許第9,390,366号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0224881号明細書
【0004】
特許文献1~3は、トランザクションレシート上の小さな印字を読むことができるなどの拡大レンズとしてカードを使用できるようにする、フレネルレンズなどの拡大レンズを形成する透明部域を伴う基材がプラスチックのクレジットカードを開示している。特許文献4は、ウィンドウが、LED光を集束させるためのコリメーティング特性を有する透明なウィンドウを有するトランザクションカードを開示している。
【0005】
特許文献5は、細長いセグメントのセットと組合わされた動的な視覚的コードのディスプレイ全体にわたって重畳された場合にこの視覚的コードを、ウィンドウを介して見ているビューワに公開する、固定された細長いセグメントセットがその上に印刷されている透明なウィンドウを備えたプラスチック基体を有するカードを開示している。したがって、このようなカードは、ウィンドウ上に印刷された情報を有し、ウィンドウ上の印刷された情報は本来、視覚的コードと組合された細長いセグメントとパターンが整列していなければならないという点で、機能的である。
【0006】
主として金属製、セラミック製又はセラミックコーティングされた本体、例えば金属であるカードを提供することで、プラスチックカードでは得られない一定の外観及び感触(例えば重さ)を伴うカードが可能となり、このようなカード内に透明なウィンドウを具備することで、他のカードのオファリングとの望ましい差別化が提供される。金属及び/又はセラミックカードは、概して、より生産コストが高く、したがって、一定のレベルより高い純資産を有し、カード発行者にとって価値の高い限定された顧客グループの会員であり、かつ/又は相当な年会費を好んで支払うカード保有者をターゲットにした高級カードとして提示され得る。このような高級カードの保持者は、拡大鏡の必要性を認めたがらない場合があり、したがって拡大又はコリメーション(collimation)を伴う透明なウィンドウを望まない可能性がある。このようなカードの保持者は、透明なウィンドウの中央の大部分に、カードによって表示が隠される印刷が全く無いこと、又は美観的に不快なものとなりがちな特許文献5に記載のパターンなどの細長いセグメントの機能的パターンよりもむしろ、ウィンドウを装飾的な非機能的パターンで飾ることの方を好む可能性がある。透明なウィンドウを金属及び/又はセラミックフレーム内に埋込むことは、上述の参考文献中に記載のカードタイプとは異なる製造上の及び構造的な課題及び好機を提示する可能性がある。
【0007】
カードのユーザ及び製作者は、カードの少なくとも1つの表面から目で見てかつ/又は触って知覚可能なデザインを組込むことを望むことが多い。例えば、特許文献6は、プラスチックカード内に宝石用原石が埋め込まれている宝石用原石付きカードを開示している。カード発行者及びカード保有者は、カード内に多数の個別の宝石用原石を埋込まなければならない労働集約的なステップ及び費用無く、宝石用原石のパターンに類似する外観を提供するデザインを創出することに関心をもつ可能性がある。
【発明の概要】
【0008】
本発明の一態様は、対向仕上り表面と周縁部を有するトランザクションカードにおいて、対向表面及び少なくとも2つの開口部を有する金属層であって、各開口部が対向仕上り表面の一方又は両方を通って延在している、金属層と、金属層内の少なくとも2つの開口部のうちの一方の中に配置されたトランスポンダモジュールと、金属層内の少なくとも2つの開口部のうちの他方の開口部の中に配置され、トランザクションカードの仕上り表面から目に見える平面照明部域を有するLEDモジュールとを含むトランザクションカードを含む。トランスポンダモジュールは、エネルギを有する無線周波数(RF)波を発出するように構成されているカードリーダーと無線通信するように構成されたトランザクション回路内の構成要素を含む。トランザクション回路は、カードリーダーからの入力RF信号を受信し、出力RF信号で応答しかつ、RF波からエネルギを取り入れること(harvesting energy)によってトランザクション回路に電力供給するように構成されている。LEDモジュールは、光を発出するように構成された1つ以上のLEDと、照明部域にわたって1つ以上のLEDにより発出される光を分配するための光ガイドとを含む。いくつかの実施形態において、LEDモジュールは、1つ以上のLEDに電力供給するためにRF波からエネルギを取り入れるように構成された照明回路内の構成要素を含む。照明回路は、トランザクション回路によって行なわれる支払取引のステータスとは無関係に点灯するように構成され得る。他の実施形態において、照明回路及びトランザクション回路は、統合回路内の構成要素を構成することができ、この統合回路内では、照明回路はトランザクション回路によって行なわれる支払取引のステータスを標示する形で点灯するように構成されている。
【0009】
金属層は、カードの周縁部から金属層内の少なくとも2つの開口部のうちの少なくとも1つまで延在する少なくとも1つの不連続部を有することができる。少なくとも1つの不連続部が、少なくとも2つの開口部に連結されこれらの開口部の間に延在し得る。金属層は、カードの周縁部からトランスポンダモジュールを格納する開口部まで延在する第1の不連続部及びカードの周縁部からLEDモジュールを格納する開口部まで延在する第2の不連続部を有することができる。カードは、金属層の対向表面の各々の上に配置された少なくとも1つの非金属層をさらに含むことができる。印刷パターンが、LEDモジュールの照明部域を覆い得る。LEDモジュールは、LEDモジュールを有さないカードと比べてトランスポンダモジュールのRF性能を改善する位置で金属層内に位置設定され得る。
【0010】
照明回路は、取り入れたエネルギの特性に依存する可変的照明特性を有するように構成され得る。例えば、照明回路は、可変的強度を有する少なくとも1つのLEDを含むことができ、LEDは、第1の相対的に低い範囲内の取り入れられたエネルギに応答して第1の相対的に低い強度で点灯するように、そして第2の相対的に高い範囲内の取り入れられたエネルギに応答して第2の相対的に高い強度で点灯するように構成されている。少なくとも2つのLEDを伴う照明回路が第1の相対的に低い範囲内の取り入れられたエネルギに応答して少なくとも2つのLEDのうちの一方を点灯させるように、そして第2の相対的に高い範囲内の取り入れられたエネルギに応答して少なくとも2つのLEDのうちの他方を点灯させるように構成されている。第1の範囲及び第2の範囲は重複していてよく、そのため照明回路は、取り入れられたエネルギが重複する範囲内にあるとき少なくとも2つのLEDの両方を点灯させるように構成されている。少なくとも2つのLEDは各々、同じ光波長を発出するように構成されていてよく、あるいは、少なくとも2つのLEDのうちの少なくとも一方が、少なくとも2つのLEDのうちの他方とは異なる光波長を発出するように構成されていてよい。例えば、少なくとも2つのLEDのうちの一方は、緑色可視スペクトル内の光波長を生成するように構成されてよく、少なくとも2つのLEDの他方は、赤色可視スペクトル内の光波長を生成するように構成されてよい。このような実施形態において、照明回路は、第1の相対的に低い範囲内の取り入れられたエネルギに応答して赤色LEDを点灯させ、第2の相対的に高い範囲内の取り入れられたエネルギに応答して緑色LEDを点灯させ、かつ第1の相対的に低い範囲と第2の相対的に高い範囲の間の第3の中間範囲内の取り入れられたエネルギに応答して、赤色LEDと緑色LEDの両方を点灯させるように構成され得る。赤色LED及び緑色LEDの一方又は両方は、可変的強度で点灯するように構成され得る。
【0011】
さらに別の実施形態は、外観、厚み、金属層表側面、金属層裏側面及び少なくとも表側面を通って延在する1つ以上のウィンドウ又はポケットを伴う金属層を有するトランザクションカードを含み得る。トランスポンダモジュール及びインサートが、1つ以上のウィンドウ又はポケット内にそれぞれ配置され得る。ウィンドウを通して目に見えるインサートの表側面が、金属層とは異なる外観を有する。1つ以上の非機能的特徴部が、この非機能的特徴部の下に配置されたインサートの表側に面する表面(front-facing surface)の外観とは対照的にカードの表側表面から目に見える。インサートは、(a)非透明かつ非半透明であるか又は;(b)透明又は半透明でかつカードの裏側表面を通って非機能的特徴部に対してバックライトを伝送するように構成されている。インサートは、インサートが不在であるカードと比べてトランスポンダモジュールのRF性能を改善する位置で金属層内に位置設定されている。いくつかの実施形態において、非機能的特徴部は、印刷特徴部を含む。いくつかの実施形態において、インサートは非透明かつ非半透明であるものの、照明可能な表側に面する表面を有する。インサートは点灯可能なLEDディスプレイ、例えば、RF波から取り入れたエネルギによって電力供給される点灯可能なLEDディスプレイを含むことができる。金属層が少なくとも2つの開口部を有する実施形態においては、トランスポンダモジュールが少なくとも2つの開口部のうちの一方の中に配置され得、インサートは少なくとも2つの開口部のうちの他方の中に配置され得る。
【0012】
トランスポンダモジュールは、RFID技術を用いてトランスポンダモジュールをカードリーダーに対して誘導結合するように構成されたトランザクション回路を含ことができる。点灯可能なLEDディスプレイは、カードの操作性のインジケータとして点灯するように、又は、トランザクション回路によって行なわれる支払取引のステータスとは無関係に点灯するように構成されていてよい。インサートが半透明又は透明であり、ウィンドウが金属層の表側表面から金属層の裏側表面まで延在している一実施形態においては、非コリメート光がインサートを通過してカードの表側表面から目に見える1つ以上の非機能的特徴部とのコントラストを提供することができる。非機能的特徴部は、印刷特徴部、彫刻特徴部、エッチング特徴部又は、カット特徴部のうちの少なくとも1つを含むことができる。ウィンドウ又はポケットは、第1の部域の内部に配置された1つ以上の非機能的特徴部を画定する金属層の表側面内の複数の開口部を含み得る。本体の裏側面内の少なくとも1つの開口部が、第1の部域と整列させられていてよく、インサートは、インサートの表側に面した表面が金属層の表側面内の複数の開口部を介して目に見えるような形で金属層表側面に対してインサートの表側に面した表面が陥凹した状態で位置付けされた本体の裏側面内の少なくとも1つの開口部の中に配置されていてよい。バッキング層が、本体の裏側面に積層され得る。インサート又はインサートを格納する開口部の一部分は、印刷された又は装飾的コンテンツによって、部分的に覆い隠されていてよい。第1の不連続部が、カードの周縁部からトランスポンダモジュールを格納する開口部まで延在していてよく、第2の不連続部が、カードの周縁部からLEDモジュールを格納する開口部まで延在している。
【0013】
点灯可能なLEDディスプレイは、光を発出するように構成された1つ以上のLED、及び1つ以上のLEDにより発出された光をインサートの表側に面した表面の照明された部域全体に分配するための光ガイド又はOLEDモジュールを含むことができる。点灯可能なLEDディスプレイは、本明細書中でさらに詳述されるように、取り入れられたエネルギの量に依存する可変的照明特性を有してもよく、可変的強度を有しかつ/又は同じ又は異なる波長を発出するように構成されかつ/又は異なる組合せで点灯するように構成された1つ以上のLEDを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1A】
図1Aは、透明なウィンドウを有する、本発明の一態様に係る例示的トランザクションカードの表側面を描いている。
【
図2】
図2は、
図1Aのカードを複数カットすることのできる例示的シートを描いている。
【
図3】
図3は、上に配置された電子部品を有するウィンドウを伴う例示的カードを描いている。
【
図4】
図4は、埋込まれた電子部品を有する多層ウィンドウを伴う例示的カードを描いている。
【
図5】
図5は、埋込まれた電子部品を有するウィンドウを伴う例示的カードを描いている。
【
図6】
図6は、埋込まれた電子部品及び埋込まれたアンテナを有するウィンドウを伴う例示的カードを描いている。
【
図7】
図7は、複数のウィンドウ開口部を有する例示的カードの実施形態の表側面の斜視図を描いている。
【
図8】
図8は、
図7の例示的カードの裏側面及びインサートの斜視図を描いている。
【
図9】
図9は、
図8の例示的カードの本体表側面及びインサート表側面及び外側周縁部のクローズアップ斜視図を描いている。
【
図10A】
図10Aは、1つのパターンにカットされた複数のウィンドウ開口部を有する例示的カードの平面図を描いている。
【
図10B】
図10Bは、集合的に英数字を形成するパターンにカットされた複数の狭いスリットウィンドウ開口部を有する例示的カードの平面図を描いている。
【
図10C】
図10Cは、英数字パターンに各々カットされた複数の狭いスリットウィンドウ開口部を有する例示的カードの平面図を描いている。
【
図11】
図11は、表側面上に複数のウィンドウ開口部を有する例示的カードの断面図を描いている。
【
図13】
図13は、複数のウィンドウ開口部が、突出するインサート材料で充填、又は部分的に充填されている、例示的カードのウィンドウ領域の断面図を描いている。
【
図14】
図14は、複数のウィンドウ開口部に、インサート材料とは異なる半透明又は透明な材料が充填又は部分的に充填されている例示的カードのウィンドウ領域の断面図を描いている。
【
図15】
図15は、複数のウィンドウ開口部に、表側面上に配置された層又はコーティングから突出する半透明又は透明な材料が充填又は部分的に充填されている、例示的カードの実施形態のウィンドウ領域の断面図を描いている。
【
図16】
図16は、複数のウィンドウ開口部に、表側面の下に配置された層又はコーティングから突出する半透明又は透明な材料が充填又は部分的に充填されている、例示的カードの実施形態のウィンドウ領域の断面図を描いている。
【
図17】
図17は、複数のウィンドウ開口部に、表側面及び裏側面の上に配置された複数の層又はコーティングからの半透明又は透明な材料が充填又は部分的に充填されている、例示的カードの実施形態のウィンドウ領域の断面図を描いている。
【
図18】
図18は、光ガイドが複数のウィンドウ開口部を通して光を伝送する、例示的カードの実施形態のウィンドウ領域の断面図を描いている。
【
図19A】
図19Aは、LEDモジュールによりバックライトされる印刷されたデザインを含む例示的トランザクションカードの平面図を描いている。
【
図19C】
図19Cは、サイドファイアLEDを伴う光ガイドを含む例示的LEDモジュールを描いている。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ここで図面を参照すると、
図1A~1Cは、相対的に厚い本体102、ウィンドウインサート112、及びバッキング層120で構成された例示的トランザクションカード100を描いている。本体102は、厚み(T)、表側面104、裏側面106及び表側面から裏側面まで延在するホール108を有する。
図1A及び1Cに描かれているように、ホール108は、円形周縁部を有するが、ホールの周縁部は任意の幾何形状(卵形、三角形、正方形、矩形、又は3辺以上を有する任意の規則的又は不規則的多角形形状)をとることができ、あるいはホールが;上述の幾何学的カテゴリのいずれにも適合しない曲線及び/又は直線区分の組合せを含む周縁部を有し得る、ということを理解すべきである。同様に、透明又は半透明なウィンドウは、その全体的面積が本体102の面積よりも小さい限り、その全体的面積により特徴付けされる任意のサイズであり得、好ましくはカードの面積内に完全に包含されている(すなわちウィンドウの周縁部が完全に本体の周縁部の半径方向の内側に位置設定されている)ということも理解すべきである。
【0016】
表側面114、裏側面116、本体102と同じ厚み(T)、及びホール108の周縁部と整合する周縁部を有する非拡大ウィンドウインサート112が、ホール内に配置される。ウィンドウは、非拡大型及び非コリメート型の両方であり得る。「整合する」周縁部とは、ウィンドウインサートが、ホールの周縁部と同一の周縁部を有するものの、圧力嵌めする必要なく、ホールの内側縁部とインサートの外縁部との間の境界領域に間隙を全く残さず、又は最小限で人間の眼にはほぼ知覚不能である間隙しか残さずに、ホールの中に挿入されるのに充分なほどに直径(又はその等価物)がより小さいものであることを意味する。同様に、「同じ」厚みとは、ウィンドウインサート及び金属本体が許容可能な公差内の所望される精度レベルで同じ厚みを有することを意味しており、ここでこのような許容可能な公差は人間の感触で知覚可能なものである厚みの差又は本体上の印刷層の厚みを考慮した厚みの差を含み得るということが認識される。
【0017】
いくつかの実施形態において、ウィンドウインサートには、その表側面上にも裏側面上にも(又はその中に埋込まれた状態でも)機能的な印刷コンテンツが不在である。「機能的な印刷コンテンツ」が不在とは、インサートがいくつかの実施形態において、その上に印刷されているいかなるコンテンツも有していない(図示せず)こと、又は、他の実施形態においては、その上に印刷されたあらゆるコンテンツ(例えば
図1に描かれている船のグラフィック118)が、事実上純粋に装飾的なものであって、例えば対応するグラフィック上にウィンドウを置くことによって実装される認証又は確認スキームと関連した用途向けではない、ということを意味している。印刷の代りに又は印刷に加えて、ウィンドウ内に配置されるグラフィック又は他のコンテンツは同様に、ウィンドウに彫刻、エッチング又は別の形でカットされてもよい。ウィンドウ内の彫刻、エッチング又は別の形でカットされたコンテンツは、同様に例えばカメオ様(cameo-like)の外観を提供するために、3Dレリーフに似た美的コンテンツを含め、非機能的なものであってもよい。他の実施形態においては、本明細書中でさらに説明されるように、ウィンドウは、その上又は内部に組付けられた電子部品(例えばLED)を含むことができ、その場合、好ましくは、ウィンドウの上又は中に、「目に見えない」又は最小限にしか見えない(注意深く精査しなければ周囲照明内では人間の裸眼では見えない)トレースが、ウィンドウの上又は内部に印刷されるか又は別の形で配置され得る。このようなトレースは、LEDを、本体内の電気トレースに接続し、本体内のこれらのトレースは、本体内の隠し電源に接続可能であり、あるいは電気信号の発信源及び/又は受信側に接続可能である。いくつかの実施形態において、LEDは、バックライトLEDを含むことができる。ウィンドウは、光源、例えば光ガイドの入力表面に位置設定されたLEDから光ガイドの出力表面へ光を伝送する光ガイドを含むことができる。全ての電気信号は、幾分かの固有の出力を有するものと理解されているものの、本明細書中で使用される「出力」なる用語は、電気的特徴部に電力供給するための出力を意味し、一方本明細書中で使用される「電気信号」なる用語は、出力を提供するためではなくむしろ情報を伝達するためのものである信号を意味する。したがって、電気的特徴部へそしてそこから任意の接続された構成要素へと進む電気インパルスは、出力、電気信号、又はそれらの組合せを含み得る。
【0018】
「非拡大型」とは、ウィンドウインサートが拡大レンズとしての機能をもたない(すなわち、ウィンドウインサートを通して見た所与の距離にある物体が、ウィンドウを通して見たのでない場合と同じサイズに見える)ことを意味する。非コリメート型とは、ウィンドウが、焦点に向かってウィンドウを通過するいかなる波長の放射線(可視光に限定されない)も集束しないことを意味する。ウィンドウは、光分散型であってもよい。ウィンドウインサートは非金属であり、好ましくは、研磨されたポリカーボネートを含むが、ガラス又は当該技術分野において公知の任意の透明プラスチック又は樹脂を含み得る。いくつかの実施形態において、ウィンドウインサートは、例えば金属、セラミック、木材、水晶、本物の又は合成の宝石用原石、真珠層、皮革など、内側に嵌込まれた1つ以上の異なる材料を伴う主として透明又は半透明の領域を有することができる。本明細書中では、「透明な」ものとして言及されているものの、ウィンドウは、ウィンドウを通して見た物体が完全に明瞭には見えない程度に充分な光の散乱及び拡散をひき起こしてもよい。ウィンドウは単独では、ウィンドウとバッキング層(及びウィンドウの上のあらゆる層)の組合せよりも透明である。ウィンドウインサートの材料は、半透明(ウィンドウを通して見た物体がはっきりと見えない)と透明(ウィンドウを通して見た物体がはっきりと見える)との間の範囲のどこかに入るように選択可能である。少なくともウィンドウは、一般的な人間の眼に見える光のスペクトル(すなわち約390~700nmの波長;及び約430~770THzの範囲内の周波数)に対して半透明である。好ましい実施形態において、ウィンドウは着色されていない。したがって例えば、カード保有者の財布の中で積み重ねられた場合、ウィンドウは、ユーザがその直下にあるカードを幾分か明瞭に見ることを可能にし得る。
【0019】
いくつかの実施形態において、ウィンドウが導電性を有するか又は導電性特徴部を有することが望ましい場合がある。例えば、いくつかの実施形態において、ウィンドウは、インジウムスズ酸化物コーティング又は導電性インクなどの導電性コーティングでコーティングされたガラス又は、プラスチック樹脂などの別の非導電性材料を含むことができる。他の実施形態においては、ウィンドウは、全体的又は部分的に、導電性プラスチック(すなわちポリカーボネート又は導電性プラスチック樹脂から形成された別のプラスチック材料)を含むことができる。
【0020】
図3~6中で描かれている通り、いくつかの実施形態において、カード300、400、500、600は、ホールの周縁部でウィンドウと本体350、450、550の間の境界領域において電子部品を電気接続部340、440、540に接続できる、ITO又は他の印刷された導電性インク又は接着剤を含む「目に見えない」トレース330、430、530、630を伴うウィンドウ320、420、520、620内に組込まれた、集積回路、LEDインレー、スイッチ又は当該技術分野において公知の任意の電子特徴部などの電子部品310、410、510、610を有することができる。いくつかの実施形態において、このとき、電気接続部340、440、550は、RF出力を取り入れるためにバッテリ又はアンテナなどの電源360、460、560に接続可能である。したがって、例えばLEDディスプレイは、例えば動的コードを示すため又は光を発出してカードの操作性のインジケータを提供するため(例えば、情報がカードから能動的に読み取られている場合に照明される)に、ウィンドウにボンディングされるかウィンドウ内に埋込まれ、ITO又は他の印刷されたトレースを伴うウィンドウの縁部の接続点において接続され得る。電子部品は、全体的に又は導電性を必要とする部分においてのみ導電性接着剤を用いて、及び/又は全体的に又は非導電性となるように意図されている部分においてのみ非導電性接着剤を用いて、ウィンドウに対してボンディングされ得る。透明な、半透明な、又は最低限目に見える薄い導電性材料を用いた印刷された導電性トレースの使用は、直ちに目に見える見苦しいワイヤ又は銅トレース無しでウィンドウ内への電子部品の組込みを可能にする。
【0021】
図3~5に描かれているように、本体内に埋込まれた電源から特徴部に対して電力が供給されるウィンドウ内の電気的に電力供給される特徴部を伴う実施形態においては、電源は、特徴部に誘導結合又は物理的トレースによって接続可能であり、本体内の物理的トレースは、ウィンドウと本体の間のあらゆる間隙を橋渡しする導電性インタフェースを横断してウィンドウ内の物理的トレースに接続する。導電性インタフェース335、435、535は、例えば、はんだ、ワイヤボンディング、導電性インク又は導電性接着剤(例えば導電性接着パッチ又はACFテープ)を含み得る。導電性インタフェース335、435、535及び金属本体350、450、550内に埋込まれたあらゆるトレース340、440、540は、当該技術分野において公知のあらゆる絶縁材及び絶縁材の配置方法によって、金属本体から絶縁されている。例えば、当該技術分野において公知のように、トレース340、440、540は、本体内の溝内に配置された可撓性の非導電性基板上に配置された銅トレースを含み得る。導電性インタフェースは、単に接続用トレース(例えば330及び340)の接続用端点を含んでいてよく、あるいは、ウィンドウがホール内に挿入されている場合に整列を容易にするために接続用トレースよりも幾分か大きくてもよい。ウィンドウの挿入後にウィンドウ内のトレース330、430、530とカード内のトレース340、440、540の間の間隙を橋渡しするために適用されるはんだバンプの形で導電性インタフェース335、435、535を適用することが、極めて有効であり得る。電気的接続部の整列を容易にするため、ホール及び対応するインサートは、丸くなくてよく、あるいは、ホール内のくぼみと噛合するウィンドウ内の突出部(又はその逆)等を用いて固定され得、こうして、インサートは、唯一の又は限定的な数の容易に差別化される配向でホールにフィットすることになる。
【0022】
図6で描かれている実施形態において、ウィンドウ620内に配置された電子的特徴部610は、カードリーダーから誘導的にRFを取り入れることによって全面的に電力供給されてよく、カード内にはアンテナ630も同様に配置され、本体650内に埋込まれた電源に接続する必要なく電子的特徴部に接続されている。したがって、例えば、ここでは電子的特徴部610は、カードが読取られているときに活動化される照明特徴部であり、アンテナ630は、ライトに電力供給するのに充分な電気を取り入れ、カード内に埋込まれた他のいかなる特徴部に対する接続も必要としない。他の構造においては、電子的特徴部610及び/又はアンテナ630を、埋込むのではなくカードの表面上に配置することができる。他の実施形態においては、電子的特徴部610及び/又はアンテナ630を、電源などの本体内に埋込まれた特徴部に対して、又は例えば電子的特徴部がデュアルインタフェースチップである場合には、接触型リーダによる読取りのため接点(例えば
図1に描かれている接点160)に対して、誘導結合する(又は
図3~5に示されているものと同種の接続によって物理的に接続する)ことができる。
【0023】
ウィンドウパターンの実施形態
本発明の別の態様において、トランザクションカードは、
図7~17に描かれているように、カードの表側面内に複数の開口部を含み得る。具体的には、
図10Aに示されているように、カード本体1000内の複数のウィンドウ開口部1010は、球の形状の幾何学的グラフィックパターンを形成する。
図10Bに示されているように、カード1020内の複数のウィンドウ開口部1022、1024、1032は、集合的に、カードの特定のブランドに結び付けられた様式化されたQの形をした英数字を形成する。
図10Cに示されているように、複数のウィンドウ開口部1052の各々は、ウィンドウ開口部がカードの特定のブランドに結び付けられたワードを綴るような形で共に配設された英数字を含む。開口部は、異なる楕円の一群として
図7~9に包括的に描かれており、
図11~15の断面では、これらの開口部は識別可能な幾何形状を有していない。開口部のパターン及び形状、サイズ及び数は、いかなる形であれ制限されない。開口部は、認識可能なパターン又は抽象的パターンを形成し得る。開口部は好ましくは、本来単に美的なものであり、好適なパターン又はデザインを創出すること以外のいかなる機能にも役立つものではなく、このパターン又はデザインは、ユーザが選択でき、再現を困難にするように選択され得る。したがって、パターン又はデザインは、まさにその存在そのものによって再現が困難な信頼性の印を提供するという点において受動的にカードのセキュリティを増強し得る一方で、好ましいパターン又はデザインは、本明細書において、いかなる能動的又は相互作用的機能性をもたないことから、「非機能的」なものとして言及されている。
【0024】
図7~9に描かれているように、カード本体700は、カード本体の表側面を貫通する複数のウィンドウ開口部702、704及び706を有する。ここでそして後出のクレーム中で「表側」面として言及されているものの、この実施形態及び他の実施形態に関連して本明細書中で使用される「表側」なる用語は、カードの「表側」及び「裏側」を差別化するものとして一般的に理解され得る磁気テープ、接点及び他のインディシアを有する機能カードの「表側」又は「裏側」の側面として従来呼ばれている側であり得る、ウィンドウ開口部が上に配置されているカードの側を意味する。各開口部は、カードの表側から目に見える異なる周縁部を有するが、全てのウィンドウは、
図8で描かれているポケット804により画定される部域内に位置設定され、このポケットは、カードの裏側面内で単一の開口部を画定している。インサート800は、ポケット804内に配置されるように構成されている。
図8、9及び12で描かれているように、カード本体700は、単一の開口部804を取り囲む裏側面内に陥凹棚802を有し、インサート800は、陥凹棚と噛合するように構成された幾何形状を有する最外側領域902及び単一の開口部の内部にフィットするように構成された最内側領域904を含む段付き周縁部を含む。
【0025】
図11に描かれている別の実施形態において、本体は、本体の表側面1150を画定する第1の層1100及び本体の裏側面1152を画定する第2の部分1102を含めた、少なくとも2つの層を含み得る。複数の開口部1110a、1110b、1110cが、層1100の全厚みを貫通し、一方単一の開口部1120が、層1102の全厚みを貫通している。インサート1104は、層1100及び1102が共に組合わされた時点でポケットを画定する開口部1120の内部にフィットするように構成されている。層1102中の陥凹棚及びインサート1104上の対応する外周領域と共に示されてはいないものの、この特徴部も同様に、この実施形態中に存在することができる。
図11中では同じ厚みを有するものとして描かれているものの、2つの層1100及び1102は、異なる厚みを有する可能性があり、いずれか一方が他方よりも厚いものであり得る。層は、共に接着ボンディングされてよい。積層ステップ中に複数の開口部1110a~1110cを充填する、層1100と1102の間の透明又は半透明のボンディング層を含めた追加層も同様に存在し得る。バッキング層1106は、インサート1104を所定の場所に保つため層1102の裏側面に積層されるか又は別の形でボンディングされ得る。
【0026】
図11に示されているように、インサートは、部材1104単独で構成され得る。いくつかの実施形態において、部材1104及びバッキング層1106(及び任意の中間層又は上層)は、透明又は半透明であり得、こうして、開口部1110a~1110cを通して光を見ることができるようになっている。しかしながら、好ましい実施形態においては、インサート1104は、美的インパクトのために選択される非透明部材を含む。例えば、インサート1104は、プラスチック、金属(例えば本体内のいずれの目に見える金属とも異なる視覚的特性を有するもの)、セラミック(例えば本体を構成するいずれのセラミック又はセラミックコーティングとも異なる視覚的特性を有するもの)、木材、水晶、真珠層、石(人工又は天然の宝石用原石を含む)、天然又は合成の骨又は象牙、及び天然又は合成の皮革を含み得る。以上のもののいずれも、上に印刷(例えば、異なる開口部を通して異なる色への可視性を与えるグラフィックを有する印刷されたプラスチックインサート)を有することができる。典型的には、非透明部材は不透明であるが、他の実施形態では、それは幾分かの半透明性を有し得る。部材1106は、一方又は両方の側に印刷を有することが可能であり、いくつかの実施形態において、カードの対向表面から目に見える印刷とは異なるカードの一方の表面から目に見える印刷を含む。
【0027】
典型的には、部材1104は受動的かつ静的であるが、光輝性(例えば、暗闇の中で光を放つか又は一定の波長の光によって照明されたときに蛍光を発する)部材のように動的であってもよい。部材1104は、同様に、光源、例えばLED、例えばより具体的には光源に接続された他の要素について本明細書中で説明されているのと同じ方法で光源(図示せず)に接続されたバックライトLEDであってもよい。さらに別の実施形態においては、部材1104は、光ガイドの入力表面においてLED又はバックライトLED(図示せず)などの光源から入力された光を受取り、出力表面に光を伝送する光ガイドであり得る。光は、例えば支払いモジュールの読取りなどを標示するために点灯するパターンを作成するためにウィンドウと協働し得るが、任意の特定の目的に限定されない。
【0028】
さらに別の実施形態においては、部材1104は、OLED(有機発光ダイオード)を含み得る。トランザクションカード内でのOLEDコンポーネント(OLED component)の使用は、概して、例えば「有機発光ダイオード(「OLED」)汎用プラスチック」という名称の特許文献7に、及び「可撓性OLEDカード」という名称の特許文献8に記載されており、これらは両方共、参照により本明細書に組込まれている。参照指示された開示は、可撓性プラスチックカードに関連したOLED技術の使用について記述しているものの、OLEDディスプレイを提供するための一般的技術は、相対的に非可撓性のカード構造又は可撓性カード構造へのOLEDディスプレイの組込みのために利用可能であるということを理解すべきである。しかしながら、OLEDディスプレイの可撓性は、高められた可撓性(例えばトランザクションカードについてはISO/IEC7810ID-1規格を超える、また、薄い可撓性カードについてはISO/IEC15457規格に適合するか又はこれを超える可撓性)を有する全体的カード構造に関連して、極めて有用であり得る。OLEDディスプレイを用いる可撓性カード構造はさらに、可撓性回路基板を含み得る。したがって、ディスプレイに関連して本明細書中で使用される「LED」なる用語は、OLED又は非有機LEDを意味するものとして解釈されるべきである。
【0029】
他の実施形態において、部材1104は、参照により本明細書に組込まれている「動的形状記憶合金触覚特徴部を伴うカード」という名称の米国仮特許出願第62/545,630号中に記載されているもののような動態的又は動的部材であり得る。部材1104は、その色、テクスチャ、反射率、不透明度及びそれらの組合せを含めた任意の数の観点から見て、本体と異なっていてよい。部材1104は、米国特許出願第16/124,711号中に記載されているような、ディスプレイ及びこのディスプレイ上に動的セキュリティコードを生成するように構成されたプロセッサを含み得る。本明細書中に記載の電子コンポーネントのいずれか又は全てを、共に「トランザクションカード用のオーバーモールド電子コンポーネント及びその製造方法」という名称の、2019年1月25日出願の米国特許出願第16/320,597号からの優先権を主張する2018年10月18日出願の特許文献9、又は米国特許出願第16/124,711号出願中に記載の方法を含めた、当該技術分野において公知の任意の方法でカード内に埋込むことが可能である。
【0030】
図12に描かれているように、インサートは、カードが組立てられた時点で、部材の表側に面した表面全体が本体の表側面に対して陥凹した状態で配置されている、すなわち複数のウィンドウ702~706がカードの表側面内で触覚により知覚可能である、単一の部材800のみで構成され得る。したがって、例えば、インサート800が真珠層を含む場合、カードの積層が構成要素間のこの物理的関係を変更することはない。透明でないことが好ましいものの、部材800は、いくつかの実施形態において透明であってよい。
【0031】
しかしながら、他の実施形態においては、
図13に描かれているように、インサート1302は、積層温度で流動性がありかつ積層ステップ中に本体1300内の複数の開口部内に部分的に又は完全に流入し得る材料を含むことができ、こうして、非透明部材の表側に面した表面の複数の部分1304、1306、1308が複数の開口部内に突出し本体の表側面と面一に配置されるようになっている。
【0032】
図14中に描かれているさらに他の実施形態においては、非透明部材1402の表側に面した表面全体が、本体の表側面に対して陥凹して配置された状態にとどまっていてよく、複数の透明又は半透明部材1404、1406、1408を、開口部内に配置することができる。透明又は半透明部材は、開口部内への自動化された送出を介して被着させられる光学的に透明なエポキシを含み得る。
【0033】
図15に描かれているさらに他の実施形態においては、透明又は半透明層1510は、本体1500の表側面全体にわたって及び複数の開口部全体にわたって配置され得、こうして、層からの突出部1504、1506及び1508は、層1502が本体の表側面に対して全体的に陥凹した状態にとどまりながら、積層ステップ中に開口部内に完全に又は部分的に流入するようになっている。
【0034】
図16に描かれているように、多層本体構造では、本体の第1の層1500と第2の層1502との間に中間の透明又は半透明ボンディング層1610を配置することができ、こうして層1620が本体の表側面に対して全体的に陥凹した状態にとどまっている状態で、突出部1604、1606、及び1608が積層ステップ中に開口部内に完全に又は部分的に流入するようになっている。
【0035】
図17中で描かれているように、それぞれ本体1700の表側面及び裏側面全体にわたって配置される透明又は半透明層1702又は1704が、積層ステップ中に、開口部1710、1712内に完全に又は部分的に流入する。この構造及び製造方法は、開口部1710及び1712が
図10B及び10Cに描かれているウィンドウ特徴部1022、1024、1032、1052などのスリットである実施形態において極めて好適である。上部層及び下部層と共に示されているものの、いくつかの実施形態は、一方又は他方のみを有していてよい。単一で個別の上部層及び単一で個別の下部層と共に示されているものの、いくつかの実施形態は、本体の上方及び/又は下方に多重層を有していてよく、これらの実施形態のうちのいくつかにおいては、2つ以上の層が、開口部の充填に寄与し得る。例えば、両面に接着剤を伴う担体を含み得る接着剤層が、本体と上部層及び/又は下部層の各々との間に間置されてよく、前記接着剤、担体及び上部層又は下部層は全て、積層ステップ中に開口部内に流入し得る。他の実施形態においては、担体の下側上の(又は上部及び/又は下部層の下側に直接配置された)接着剤が、開口部内に流入する唯一の材料であり得る。
【0036】
図17中では、共平面である面と共に示されているものの、材料流は、カードの一方の面又は両方の面上で流動する材料の凸状、凹状、共平面又は不規則形状の表面を導き得るということを理解すべきである。凸状、凹状、共平面又は不規則形状の表面の形成は、材料がウィンドウ/溝/ポケット内に流入するあらゆる実施形態において発生し得、特定の形状を有するように全体形状を意図的に制御することが可能である。同様にして、インサートが予備成形され、ウィンドウ/溝/ポケット内に組立てられる実施形態においては、インサートは同様に、以上の形状のいずれかに適合し得る。
【0037】
図13~17は全て、モノリシックな本体を描いているものの、これらの実施形態における本体は、
図11で描かれているような多層本体を含んでいてよいということを理解すべきである。
【0038】
例えば
図12を参照すると、ウィンドウパターンを伴うカードを製造するための方法及びプロセスは、金属、セラミック製又はセラミックコーティングされた本体700を設けるステップと、周縁部を有し裏側面から表側面に隣接する場所まで延在するポケット804を作成するステップと;次いで、表側面からポケット内に延在する複数の開口部702、704、706を作成するステップを含むことができ、複数の開口部は1つのパターンを形成する。インサート804がポケット内に位置付けされ、その後、本体の裏側面に隣接する非金属バッキング層1206及びインサートの裏側面が、本体及びインサートに積層される。
【0039】
図11に描かれているようないくつかの実施形態において、本体を提供するステップは、本体の表側面を画定する第1の層1100及び本体の裏側面を画定する第2の層1102を提供するステップを含み得る。このような実施形態において、ポケットを作成するステップは、第2の層1102内に1つの貫通ホール1120を作成するステップを含み、複数の開口部を作成するステップは、第1の層1100内に複数の貫通ホール1110a~cを作成するステップを含む。これらのプロセス中で言及されている開口部、ポケット及び貫通ホールは、当該技術分野において公知のあらゆる方法によって、レーザカット、フライス加工、エッチング又は機械加工され得る。セラミックコーティングされた実施形態については、金属又は他の材料の本体又は本体層にまずセラミックをコーティングし、その後さまざまな開口部をカットし、層を組み立てるか、又は、まず金属又は他の本体内で開口部をカットし、かつ/又は層を組み立て、その後、セラミックコーティングを外側表面に塗布してから、残りの構成要素を組立てることができる。
【0040】
図12に描かれているように、該プロセスは、ポケット804を取り囲む本体の裏側面内に陥凹棚802を作成するステップ、及び陥凹棚802と噛合するように構成された幾何形状を有する最外側領域902及びポケット804内部にフィットするように構成された最内側周縁部904を含む段付き周縁部を伴うインサート800を形成するステップを含むことができる。
【0041】
ポケット内にインサートを位置付けするステップは、例えば接着剤を用いて又は非接着性の機械的ボンディングを介して、例えば超音波溶接、ろう付け又ははんだ付けを使用して、本体内の陥凹棚に対してインサートの最外側領域をボンディングするステップを含むことができる。接着剤、はんだ又はろう付け用合金などのボンディング材料と併せて陥凹棚のデザインを使用することによって、本体の表側面内の開口部内に接着剤又は他のボンディング材料が流入するのを最小限に抑えるような形での棚上へのボンディングが可能になる。しかしながら、他の実施形態においては、硬化乾燥透明エポキシなどのボンディング材料が開口部に流入し開口部を満たして、
図14中に描かれているような透明なウィンドウを作成することが望ましい場合があり、この場合、いかなる棚も所望されない可能性がある。透明なエポキシを複数の開口部に充填する他の方法には、インサートがすでに所定の場所に置かれた後、開口部内にエポキシを自動的に送出するステップが含まれ得る。開口部に透明又は半透明な材料を充填するさらに他の方法は、本体の表側面全体にわたり(例えば固体層の積層を介して、又はスプレーコーティング又は液体層の適用によって)透明又は半透明コーティングを配置するステップ、及び、例えば積層ステップ中に、複数の開口部内に流入する透明なコーティングの一部分を複数の開口部に少なくとも部分的に充填するステップを含み得る。
【0042】
以上で指摘した通り、積層中に流動可能である材料をインサートが含んでいる実施形態において、プロセスは、インサートからの突出部を積層ステップ中に複数の開口部内に完全に又は部分的に流入させるのに充分な熱及び圧力で積層ステップを行なうステップを含むことができる。
図10B、10C及び17中で描かれているもののようなスリットを伴う実施形態において、開口部は、エッチング、フライス加工されるか、又はレーザによって作成され得る(ただし、いかなる特定の形成方法にも限定されない)。
【0043】
図10Bに描かれているように、製造を容易にするため、スリット1032を作成するステップには、部分1030及び1032によって画定され支払いモジュールポケット1034からカードの縁部まで延在する連続するスリットを作成するステップが含まれ得る。例えば部分1030といったスリットの部分が美観的理由で透明又は半透明であることが望まれない場合、このような部分に、透明又は半透明でない非導電性充填材などの異なるタイプの充填材を充填することができる。このような充填ステップは、透明又は半透明なウィンドウ部分を充填する積層ステップの前に行なわれると考えられる。部分1030及び1032によって画定される連続スリットは、カードに調和する非導電性の充填材が部分1030に充填され、非導電性の透明充填材が部分1032に充填されており、全体が参照により本明細書に組込まれている米国特許出願第15/928,813号で開示されているように、金属フレーム1020が増幅用アンテナ又は結合用フレームとして機能するようにするべく、操作可能である。
図10Cに示されているように、他の実施形態では、カード1050内のモジュールポケット1054から出発するスリット1056は、透明又は半透明なウィンドウ1052によって画定されるデザインの製造に統合されない別個の要素であってもよい。
【0044】
図10Bで描かれているような延長された開口部を作成するステップ及び1つの部分に透明又は半透明な充填材を充填し別の部分に非透明/非半透明の部分を充填するステップは、スリットが全体として支払いモジュールポケットをカードの縁部に連結する実施形態に限定されない、ということを理解すべきである。例えば、製造を容易にするために、連続スリットを作成しその後、純粋に美観的理由で異なる充填材をスリットの複数の部分に充填することが望ましい場合があり、異なる充填材は、任意のタイプのものであり得る。例えば、充填材は、透明、半透明、不透明、導電性、非導電性又はそれらの何れかの組合せであってよく、同じ連続開口部(又は異なる個別の開口部)の異なる区分は、異なる充填材を有し、各々の充填材は、異なる色、異なるテクスチャなどの異なる美的外観を有する。所望される場合、充填材は、金などの貴金属を含むことができる。他の事例では、ウィンドウ又はその部分は、本明細書中に記載されているようにLEDを使用するなどして照明されてよい。「充填材」(及びインサート材料)は、本明細書中で開示されている実施形態のいずれかの中の開口部の全て又はいくつかを、完全に又は部分的に充填することができる。
【0045】
図18に描かれている一実施形態においては、光ガイド1810及び光源1815、例えばバックライトLEDなどを含む光ガイド層1825が、金属層1820及び1830の間に挟置されていてよい。LED1815は、光ガイドに対する入力端に隣接して位置付けされ、ウィンドウ1802、1804及び1806は、光ガイドの出力表面に隣接して位置付けされる。LED1815からの光は、光ガイドへ差し込み、ウィンドウ1802、1804、1806を通って外に伝送される。
図18中の1つの実施形態において描かれているものの、金属層内の開口部の下に配置された光ガイドを伴う実施形態を、本明細書中に記載の他のいずれの構成でも提供することができるということを理解すべきである。ウィンドウ1802、1804、1806は、充填材又は透明又は半透明な充填材を全く有していない可能性があり、本明細書中に記載の方法のいずれかを介して形成され得、又は本明細書中に記載の構造のいずれかに適合し得る。
【0046】
いくつかの実施形態又はデザインにおいて、スリット1022及び1024により形成される円形形状等の連続スリットを作成するのではなくむしろ、カードの全体的な構造安定性のために、金属製の1つ以上のブリッジ1026、1028を伴う分離したスリットを作成する方がより望ましい可能性がある。
図10Bに描かれているように、ブリッジ1026及び1028が無いと、中央の円形部分が金属本体の残りの部分から完全に分離されることになると思われる。しかしながら、隣接するスリットの間に金属製の分離を設けることは、分離を防止すると思われる実施形態のみに限定されない。
【0047】
本明細書中で使用される「スリット」なる用語は、金属縁部間に形成される間隙を意味し、ここで、縁部間の距離は、積層ステップ前にスリット内に別個の充填材料を入れることが望ましくないか又は実現困難な程度に十分小さく、積層中に気泡が形成するリスクは最小限になっている。積層条件は、目立つくぼみを残すことなく上にある層及び下にある層によってスリットが充填されるか、又は部分的に充填されて触覚的に判別可能なくぼみを提供するように、所望の通りに制御可能である。
【0048】
他のカード特徴部
カード本体が金属製又はセラミックコーティングされた金属製であり、トランザクションカードがカードリーダーとの「非接触」インタフェースのために構成された支払いモジュールを含む(例えばここでは、少なくとも1つの動作モードで、カード内に埋込まれたトランザクション回路は、RFID技術を用いてカードリーダーに対し誘導結合する)実施形態においては、モジュールに隣接してウィンドウを位置付けすることで、カードのRF性能を増強させ、こうして非接触モードでカードを読むことのできる距離を延長することができる。具体的には、モジュールに隣接して、具体的にはモジュールアンテナの近くに金属が不在であると、カードとカードリーダーとを結合するために必要とされるカードとカードリーダー間の読取り距離が、透明なウィンドウ無しのカードに比べて著しく改善される(延長される)可能性がある。最適な距離は、異なるウィンドウサイズ及び場所を有する他の点では同一の複数のカードを作成し、異なるデザインの読取り距離差をテストすることによって決定可能である。概して、出願人は、金属製カードの縁部とモジュールの間の1~5cmの範囲内の距離に応じて、12~50%の範囲内の読取り距離百分率の改善を発見した。したがって、ウィンドウを収容するための金属本体中のホールに起因してこの1~4cmの距離内に有意な金属部域が存在しないことが、測定可能なレベルの改善を提供すると期待されている。デュアルインタフェースデバイスは、「非接触」及び「接触」モードの両方で動作することから、「非接触」機能性を有するデバイスに対する言及は、非接触機能性のみを有するモジュールならびにデュアルインタフェース機能性を有するモジュールの両方を包含する、ということを理解すべきである。
【0049】
いくつかの実施形態において、支払いモジュールは、透明なウィンドウの内部に位置設定され得、その場合、結合用アンテナは、透明なウィンドウの内部で可視性が最小限であるトレースを用いてモジュールを取り囲んで位置付けされてよい。他の実施形態においては、金属製カード本体全体を結合用アンテナとして使用することができ、あるいは当該技術分野において公知であるように、本体内に結合用アンテナを埋込むこともできる。アンテナトレースを含めた可視性が最小限であるトレース及びモジュールは、ウィンドウ上の印刷されたデザインに似たグラフィックコンテンツで覆い隠されるか又はこのコンテンツに統合され得る。しかしながら、ウィンドウ内部へのカードリーダーモジュールの位置付けは、金属又はセラミックコーティングされた金属の実施形態に限定されず、オールセラミック又はセラミックコーティングされた非金属の本体を特色とする実施形態においても存在し得る。
【0050】
図3に示されているように、電子部品310及び任意の接続用トレース330をウィンドウの表面上、好ましくはウィンドウの裏側表面上に配置することができ、電子部品は、さらにバッキング層により被覆又は保護され得る。
図4及び5に示されているように、代替的実施形態においては、電子部品410、510を、ウィンドウ420、520内に埋込むことができる。
図5に描かれている一実施形態においては、埋込み型電子部品は、ウィンドウ520を構成する透明又は半透明なポリマの内部に電子部品510を射出成形することによって埋込まれ得る。このような実施形態においては、電子部品に接続された1つ以上の導電性部材532を、ウィンドウの厚みに沿った方向(ウィンドウの表側面及び裏側面に直交する)に配向されたウィンドウ内に配置して、ウィンドウの内部部分から、ウィンドウの表面522(又はウィンドウの表面により近い層)まで、電力及び/又は信号を伝送することができ、前記導電性部材532がウィンドウ上に印刷された導電性トレース530に接続している。金属製カード本体内への挿入のために電子部品を埋込むための例示的プロセスは、参照により本明細書に組込まれている「埋込み型電子コンポーネントを伴うトランザクションカード及びその製造方法」という名称の米国仮特許出願第62/555,367号の中に記載されている。
【0051】
図4に描かれている別の実施形態において、電子部品は任意には透明又は半透明なポリマの第1の層422上に配置され得、その上に第2の層424が配置されて、電子部品(そして任意には電子部品に接続するための1本以上の導電線430)を包み込む。多層ウィンドウは、2層だけに限定されず、所望される美的又は機能的品質を提供し得る任意の数の層を含むことができる。多層実施形態においては、別の層(例えば424)が配置される前に、第1の層422上に導電線430を印刷することができる。
【0052】
相対的に厚いベースに比べ相対的に薄いものである非金属バッキング層120(例えば透明なPVC、ただし、いずれかの特定の構成材料に限定されない)は、好ましくは本体の裏側面及びウィンドウの裏側面に積層される。いずれかの特定の厚み範囲に限定されないものの、トランザクションカードは、概してサイズがおおよそ0.81mm(0.032インチ)の厚みで標準化されており、本体は典型的に0.20~0.71mm(0.008~0.028インチ)の範囲内、好ましくは0.25~0.51mm(0.010~0.020インチ)の範囲内、より好ましくは0.30~0.46mm(0.012~0.018インチ)の範囲内であり、バッキング層は任意には、全厚みと本体の間の差から任意の接着剤層又は他のコーティングの厚みを差し引いたものを補うための厚みを有する。
【0053】
1つ以上の特徴部を本体上に印刷することができ、これには印刷可能なステンレス鋼(例えば鋼の表面上の印刷用インクの受入れを改善する少なくとも表側面104上のコーティング(図示せず)を有するステンレス鋼)などの印刷可能な金属が含まれ得る。コーティングは、例えばUV硬化スクリーン及びインクジェットインク又は溶剤又は酸化印刷(oxidation printing)を受入れ可能なポリエステル系コーティングを含み得る。他の実施形態においては、染料又は昇華型印刷を使用することができる。セラミック本体又はセラミックコーティングされた本体を伴う実施形態において、セラミックは、印刷層を受入れるために、同様にコーティングされ、粗面化(例えば化学的、機械的に、又はレーザを用いる等)され得る。印刷される実施形態は、いずれかの特定の印刷技術又は技法に限定されない。
【0054】
図1Aに描かれているように、カードの表側面は、装飾的パターンを有することができる。装飾的パターンは、印刷パターンであり得(又は、以下でさらに説明するように、彫刻又はエッチングされたパターンであってもよい)、あるいは、表側面はソリッドカラー(例えば
図1Aに示されているように黒色)で印刷され得るか、又はソリッドカラー、印刷されたグラフィック又はパターン、印刷された情報及び彫刻又はエッチングされたパターン、グラフィック又は情報の何れかの組合せを含んでいてよい。印刷された情報には、カード発行者の名称(例えば、Citi、Bank of Americaなど、
図1A中に「BANK」というテキストで表現されている)、カードのタイプ及び/又は名称(例えばVISA(登録商標)SAPPHIRE、AMERICAN EXPRESS(登録商標)など、
図1A中に「CARDNAME」というテキストで表現されている)、カード保有者の氏名、カードの固有のシリアルナンバー、有効期限などが含まれ得る。一部の印刷された情報(グラフィック、カードの名称など)は、いつでもパーソナライズできるカード「ブランク」を作成するため、第1の印刷ステップにおいて印刷され得、他の印刷された情報(カード保有者、シリアルナンバー、有効期限)は、第2のパーソナライズ印刷ステップで印刷され得る。第1及び第2の印刷ステップは、典型的には、互いに地理的かつ時間的に離れて、かつ異なるプリンタによって行なわれる。印刷は、ウィンドウインサート上の印刷にまで及び、ウィンドウの周縁部とホールの周縁部の間の境界領域にわたる印刷を含む。印刷は、UV硬化インクを用いて行なわれ得るが、本発明は、いずれかの特定のタイプのインクに限定されない。
【0055】
本体の表側面は、さらに、例えばエッチング、機械加工、レーザ加工などによる、内部に配置された装飾的溝を有することができる。したがって、一実施形態において、
図1Aに示されたパターンは、1つのパターン(
図1Aには魚のウロコのパターンとして描かれているものの、いずれか特定のタイプのパターンに限定されず、かつ、反復的又は規則的パターン、単一のパターン又はいずれかの特定の量の被覆率を有するパターンに限定されない-すなわちパターンはカードの面全体にわたって広がっていてもよいし、あるいはカードの1つ以上の明確に別個の部域に限定されていてもよい)で配置された溝を伴う、黒色ソリッド印刷ベースで構成され得る。溝には、カードの面と異なる色のインクが充填されてもよく、あるいは溝は、金属又はセラミックの色、又は印刷層の下のセラミックの下にある本体の色を露出させてもよい。溝は、印刷された層のみを貫通していてよく、あるいは本体を貫通していてもよい。溝は、ウィンドウ内にカットされ、本体の縁部とウィンドウの間の境界領域を横断して延在してよい。同様にして、カード上の印刷された層は、この境界領域を横断して延在し得る。
【0056】
したがって、
図1A中に描かれているように、ウィンドウインサート112及びホール108のそれぞれの周縁部の間の境界領域132は、半径方向に、印刷特徴部内、例えば船のグラフィック118を取り囲む印刷されたソリッドブラック円130などの内部に、位置設定され、こうして、境界領域全体にわたって延在する印刷は視覚的に境界領域を目立たなくさせる一助となっている。別の実施形態では、境界領域は、円130から半径方向にわずかに外向きに位置設定され得、こうして溝によって付与されたデザインが同様に境界領域を横断して延在し、境界領域をさらに目立たなくさせるようになっている。ウィンドウが実質的に印刷を有していないことが望まれる実施形態においては、印刷されたコンテンツは、境界領域に重複する(すなわち、境界領域のいずれかの側でウィンドウとカード本体の両方の上に配置されている)装飾的な周縁部の輪郭線のみを含むことができ、こうして、境界領域の半径方向内向き又は印刷された周縁部の輪郭線の半径方向内向きに位置設定されたウィンドウの大部分に印刷が不在となるようになっている。
【0057】
いくつかの実施形態において、表側面はさらに、任意の硬質の被覆層140を含むことができ、一方、他の実施形態は、印刷/彫刻された層全体にわたる、又はカードの表側面上のコーティングされていない金属又はセラミック表面全体にわたる被覆を全く有していなくてもよい。トランザクションカードはさらに、磁気ストライプ150、署名欄152、ホログラム154、機械可読コード156(バーコードとして描かれているものの、非限定的にQRコード(登録商標)を含めたあらゆるタイプの機械可読コードを含むことができる)、又はそれらの組合せを、好ましくは本体102の裏側面106全体にわたるバッキング層120上に配置された状態で含むことができる。大部分の実施形態は同様に、接触型カードリーダー及び/又は非接触カードリーダーでの使用を可能にするため、カードリーダーにより読取られるように構成された接点160に接続された埋込み型集積回路(図示せず)、埋込み型RFIDアンテナ(図示せず)又はそれらの組合せ(デュアルインタフェース(DI)カード用)を含んでいる。ホール108は本来、純粋に美観上のものであり得るが、デュアルインタフェースカードのRF性能を増強する場所に、効果的にホールをカード上に位置付けすることが可能である。
【0058】
本明細書中に記載のトランザクションカードを製造するための例示的プロセスは、第1に厚み(T)を有する本体102を準備するステップ、周縁部を有し本体の表側面104から裏側面106まで延在するホール108を本体内に作成するステップを含むことができる。非金属バッキング層120は、好ましくは本体に面するバッキング層の側に配置された接着剤により所定の場所に貼付されて、本体の裏側面に隣接して位置付けされ、非拡大型透明インサート112は、バッキング層120の接着剤と接触した状態でホール108の中に挿入され、その後、組立品は共に積層される。インサートは、例えばインサート材料のシートから所望の周縁部を有する複数のインサートをカット又はパンチングすること、あるいは、インサートの周縁部を有するロッドを押出し加工し、厚み(T)を有するチップをロッドからカットすることなど、当該技術分野において公知の任意の方法によって作成可能である。
【0059】
ホール108は、例えばコンピュータ制御の(例えばコンピュータによる数値制御:CNCの)機械を用いて、金属本体内でカッティング(例えば機械的又はレーザカッティング)、パンチング又はエッチングすることなどの、当該技術分野において公知の任意の方法によって、作成可能である。本体が、印刷可能なステンレス鋼(又はコーティングの無欠性が重要である他の任意のコーティングされた金属)を含む実施形態においては、あらゆる酸エッチングステップ中に(例えばエッチングステップがホールの作成のために使用される場合など)コーティングされた状態にとどまることが望まれるコーティングされた表面又はその一部分全体にわたって、レジストを適用することができる。例えば、レジストは、ホール108及び他のあらゆるポケット又は表面パターンを形成すべき場所を除いて、金属の表面全体に適用される。エッチングの後、残ったレジストは除去され、本体はいつでもさらに加工できる状態になる。
【0060】
本体が固体セラミックを含む例示的セラミック本体の実施形態において、ホールは、好ましくはセラミックの未焼成の状態において形成され、その後セラミックは焼成される。焼成前のホール直径のサイズは、セラミック材料の特性及び、もしあれば、焼成プロセス中のホール直径の予期される変化を所与として、所望の焼成後のホール直径を製造するように選択される。代替的プロセスは、ホール無しのセラミックブランクを製造することそして次に、焼成後ホールを機械的にフライス加工、レーザ加工又は凍結/破砕することが含まれるが、このような方法は概して、効率が比較的低く、したがって好まれない。本体がセラミックコーティングを有する金属コアを備える例示的実施形態においては、金属本体は、以上で説明された通りに作成され得、その後、金属全体にわたり所望のセラミックコーティングが適用される。例えば、結合剤と組合わされたセラミックのスプレーコーティングを適用することができ、あるいは、セラミックを例えば射出成形によって金属の周りに配置し、次に焼成することもできる。好ましい実施形態においては、噴霧されるセラミックコーティングは、金属コアの表側面にのみ適用され得る。非金属コアを有するセラミックコーティングされた本体は、同様の形で加工することが可能である。
【0061】
積層された組立品は次に、本体の表側面上に所望されるものを印刷するべく印刷ステップに付される。例示的プロセスにおいて、印刷ステップは、UV硬化インクを用いてインクジェットプリンタで印刷物を印刷し、その後、インクを硬化させるのに好適な紫外線放射に印刷を曝露するステップを含む。本体の表側面には、印刷の前又は後に溝がエッチング又は彫刻されてよい。異なる色のインク又は金属等を溝に充填するプロセスにおいては、溝の作成後、例えば溝によって作成されたくぼみの中に充填材(インク、金属、樹脂など)だけが被着するように面上で充填材料を払拭する払拭ステップによって、溝充填ステップを行なうことができる。
【0062】
以上では好ましいステップの順序で説明されているものの、前述のステップはいずれかの特定のシーケンスでの実施に限定されない。例えば、いくつかのプロセスにおいては、ホールのカッティング、所定の場所でのバッキング層の貼付及びウィンドウの挿入のステップは、カードの表側面上の印刷、溝の作成などに関するステップの後で行なわれてよい。他のプロセスにおいては、印刷の前に溝を作成することが可能である。
【0063】
図2に描かれているように、完成した各々のトランザクションカード100は、(カードの長さ及び幅から丸味のあるあらゆる縁部の面積を差し引いたものに対応する)第1の有界面積を画定する。金属製カードの実施形態においては、カードは、第1の面積の倍数よりも幾分か大きい(例えば
図2に描かれているように8倍よりもわずかに大きい)第2の面積を有するシート200から製造され得る。このような製造プロセスにおいて、該プロセスはさらに、金属シートをこの倍数に対応する複数のトランザクションカードへとカットするステップを含む。
図2に示されているように、第2の面積と第1の面積の比は、一般的に整数(例えば
図2に描かれているように8と9の間の何らかの値)ではなく、一方シートからカットされるカード数に対応する倍数は、端数を切り捨てて第2の面積に対応する最も近い整数を表わし得る。ホールをカットするため及びシートから個別のカードをカットするためのカッティングステップは、レーザで行なうことができる。あらゆる溝を、機械加工、エッチング又はレーザで形成することができる。
図2にはほぼ完成したカードとして描かれているものの、いくつかの実施形態において、セラミックコーティングの塗布に先立ち、より大きなシートから金属又は他の材料製コアを同様にカットすることができるということを理解すべきである。
【0064】
集積回路及び接続された接点及び/又はアンテナは、例えば参照により本明細書に組込まれている特許文献10に記載されているような、当該技術分野において公知のあらゆる方法によって、金属製カード内に埋込まれ得る。カードの表側面に任意の硬質の被覆層が適用される実施形態において、硬質の被覆は、例えば、金属製カードに硬質の被覆層を適用するその教示のために参照により同様に本明細書に組込まれている特許文献11に記載されているような個別の層として、又はコーティングとして、適用可能である。本明細書では一定の層のみを参考にして説明されているものの、いくつかの実施形態は、非限定的に、積層品、接着剤層、印刷されたコンテンツ又はコーティング(非限定的にセラミックコーティングを含む)を含めた追加の層を、記述された層の間、上又は下に含むことができるということを理解すべきである。
【0065】
ここで
図19A~19Cを参照すると、別のトランザクションカード実施形態1900が例示されている。トランザクションカードは、表側表面と裏側表面及び少なくとも2つの開口部1920及び1930を有する金属層1910を含んでおり、各開口部は金属層の表側表面及び裏側表面のうちの一方又は両方を通って延在している。
図19Bに描かれている実施形態においては、開口部1920及び1930は、両方共、金属層の頂部表面と底部表面の両方を通って延在しており、開口部1920は、底部表面におけるよりも頂部表面において相対的に大きい周縁部を有する。トランスポンダモジュール1925(好ましくは非接触又はデュアルインタフェース)が開口部1920の中に配置され、開口部1920の相対的に広い部分と相対的に狭い部分の間で段1921上に載っていてよい。トランスポンダモジュール1925は、当該技術分野において公知であるように、非金属材料のプラグ上又はその中に配置されてもよい。
【0066】
LEDモジュール1935が開口部1930内に配置される。LEDモジュール1935は、トランザクションカードの仕上り表面(例えば表側表面)から目に見える平面的照明部域1937を有する。
図19C中で描かれているように、一実施形態においてLEDモジュール1935は、光を発出するように構成されたLED1932、及び1つ以上のLEDによって発出された光を照明部域1937全体に分配するための光ガイド1933を含む。LEDモジュール1934のいくつかの部分は、こうして照明されていない可能性がある。照明されていない部分はこうして、上部層又はこの層の上の印刷の不透明部域の背後に隠蔽されていてよく、上部層又はその上の印刷の特徴部は、LEDモジュールの照明された部分1937と開口部1930の周縁部の間の境界領域を横断して印刷するように最適化してもよい。
図19Bに描かれているように、LEDモジュールは、LEDモジュールの底部表面が金属層の底部表面と面一になり、LEDモジュールの頂部表面が金属層の頂部表面と面一になるように、金属層を頂部表面から底部表面まで完全に貫通するウィンドウ1930内にしっかりと固定されている。他の実施形態においては、LEDモジュールは、金属層を頂部表面から底部表面まで完全に貫通していない非貫通ポケット内にしっかり固定されてよい。典型的には、LEDモジュール、詳細には照明部域1950は、非透明又は非半透明であり、したがって、LEDモジュールの後ろに配置されているものはいずれも(例えばバッキング層1940又は非貫通ポケットの底部)、カードの表側から目に見えない。
【0067】
任意の数のLED1932を提供することができる。いくつかの実施形態において、LED用の照明回路は少なくとも2つのLEDを含むことができ、より多くの又は異なるLEDが電界強度のインジケータとして点灯する(例えば、より大きい電界強度がより大きな取り入れられたエネルギ、ひいては、電力に依存したさまざまな形で照明し得る照明回路に利用可能なより大きな電力につながる)。いくつかの実施形態において、全てのLED(例えば1932a、1932b)は、同じ色であり得、回路は、最小の電界強度で第1のLEDのみを点灯させ、相対的に大きい電界強度で第1及び第2の両方のLEDを点灯させるように構成されている。このようなLEDを2つ以上伴う回路(図示せず)においては、第1、第2そして第3のLEDの全てが、相対的に最大の電界強度で点灯することができる。したがって、第1のLEDが点灯するエネルギ範囲は、第2のLEDのエネルギ範囲全体と重複する。3つのLEDを伴う構成においては、第1のLEDが点灯するエネルギ範囲は、第2及び第3のLEDの各々がそれぞれに点灯するエネルギ範囲全体と重複し、第2のLEDが点灯するエネルギ範囲は第3のLEDが点灯するエネルギ範囲全体と重複する。
【0068】
他の実施形態においては、多色のLEDを提供することができ、回路は、相対的に弱い電界強度に対応する第1のLED1932a(例えば赤色)及び相対的に強い電界強度に対応する第2のLED1932b(例えば緑色)を点灯させるように構成されている。2つの異なるLEDが点灯する範囲は、重複する範囲を有し得る。例えば、2つのLEDのセットを、第1の出力範囲(例えば1~66%)内で赤色LED1932aを、そして第2の出力範囲(例えば33%~100%)内で緑色LED1932bを点灯させるように構成することができ、重複する範囲(例えば33~66%)内で黄色の光を生成するためには両方のLEDが点灯する。
【0069】
同じ波長を有する多数のLED又は単一のLEDが、電界強度インジケータとして輝度の変動を提供できるような形で、照明の強度は同様に電界強度に基づいて変動させることができる。例えば、LED1932a及び1932bの両方が同じ波長を発出する実施形態において、LED1932aの照明強度は、1%の電界強度における相対的に弱い強度から50~100%の電界強度における相対的に強い強度までの範囲内にあり得、LED1932bの照明強度は、51%における相対的に弱い強度から、100%の電界強度における相対的に強い強度までの範囲内にあり得る。同様にして、異なる波長を有する多数のLEDを、1つ以上のLEDのさまざまな組合せで点灯させて、電界強度に基づき色のスペクトルを作成することができる。例えば、相対的に最も弱い電界強度から相対的に最も強い電界強度まで、LEDは、1つのスペクトル(例えば、赤色=赤色LEDのみ、任意には相対的に薄暗い強度から相対的に明るい強度までの範囲全体;オレンジ=緑色LED強度よりもさらに赤色のLED強度;黄色=赤色及び緑色の相対的に等しいLED強度;黄緑色=赤色LED強度よりもさらに緑色のLED強度;緑色=緑LEDのみ、任意には相対的に薄暗い強度から相対的に明るい強度までの範囲全体)内で点灯することができる。LEDの数及び/又は色は、いずれかの特定の構成に限定されない。電子工学分野の当業者は、回路に供給される電力に応答して異なるLEDを点灯させるのに必要とされる基本回路に精通しており、したがって本明細書では具体的構成について詳述しない。範囲及びこれらの範囲全体にわたる変動は、単に例示的なものであり、いかなる形であれ本発明を限定するように意図されていない。
【0070】
当業者であれば理解できるように、使用中、非接触又はデュアルインタフェーストランスポンダモジュールは、エネルギを有する無線周波(RF)を発出するように構成されたカードリーダー(図示せず)と通信するように構成されたトランザクション回路内の一構成要素である。当該技術分野において周知のように、トランザクション回路は、カードリーダー1980内の送信機の送信アンテナ1982によって発出される入力RF信号1984を(アンテナ1986に接続された受信機を用いて)受信し、かつ送信アンテナ1988を用いて送信機によって発出されカードリーダーの受信アンテナ1983を用いて受信機により受信される出力RF信号1985で応答するように構成されたトランスポンダモジュール1925を含む。受信機/受信アンテナ1982及び送信機/送信アンテナ1983は、2方向通信用に構成された単一の送受信機/送受信機アンテナを含み得る。トランスポンダは典型的には、カードリーダー1980によって発出されるRF波1984からエネルギを取り入れることによって電力供給される。トランスポンダは典型的には、LEDモジュール用の電源に関連して以下で説明するものに類似した独自の発電回路を有する。他の実施形態において、電力はデバイス内に組付けられた電源(例えばバッテリ)を用いて、アクティブ駆動型RF送受信機によって提供され得、かつ/又は、LEDがデバイス内に組付けられた電源を有しても(又はトランスポンダと共有する)よい。
【0071】
LEDモジュール1935は、同じくRF波1984から取り入れられたエネルギによって電力供給された照明回路内の1つ以上の構成要素を含む。照明回路は、エネルギハーベスティング回路(AC又はDC電力を生成するように構成されている)を含む電源1990、LED1932、及び1つ以上の表面実装(SMT)構成要素1938を含む。例えばSMT構成要素のうちの1つ以上のものの中の照明回路は、照明回路の動作電圧をRF波の電圧より高く昇圧させるために、電荷ポンプ(電圧ポンプ又は電圧発生器とも呼ばれる)を含むことができ、この回路は概して当業者にとって公知である。電圧を昇圧又は減圧するための任意のタイプの回路を提供することができる。いくつかの実施形態において、照明回路とトランザクション回路は互いに絶縁されており、こうして照明回路はトランザクション回路により行なわれるトランザクションのステータスとは無関係に点灯するように構成されることになる。本明細書中で使用される「トランザクション回路」なる用語は、トランザクションを処理するためのあらゆる回路を意味する。支払いデバイス(クレジットカード、デビットカード)において、トランザクション回路は、支払人の勘定(account)が最終的に記入されかつ被支払人の勘定が最終的に記入されるような形で、カードとカードリーダーの間で支払い情報を交換するように構成された一般的な支払い回路を含むことができる。しかしながら、好適なトランザクションは、支払取引に限定されず、最終的な結果として記録情報をもたらす、カードとカードリーダーの間のあらゆる情報交換を含み得る。例えば、カジノ用のポイントカードは、ユーザが賭けた、勝った又は負けた金額を追跡することができ、この記録は、賭け、賞金又は損金に結び付けられる支払いを、このポイントカードが実際に行うことのない、「トランザクション」である。したがって、「トランザクション回路」なる用語は、本明細書中で使用されるかぎりにおいて、非限定的に支払い回路を含めた、あらゆるタイプのトランザクションに関係するあらゆる情報交換を意味するものと理解すべきである。他の実施形態では、照明回路及びトランザクション回路は、統合回路内の構成要素を構成し、この回路の中で照明回路は、トランザクション回路により行なわれるトランザクションのステータスを標示する形で点灯するように構成されている。さらに他の実施形態においては、トランザクション回路及び照明回路は両方共、トランザクション回路及び照明回路が他の形で互いに接続されることなく、単一のエネルギハーベスティングソースからの電力を共有することができる(すなわち、照明はトランザクションのステータスに依存しない)。
【0072】
例示的な単純なエネルギハーベスティング回路1900が、
図19Aの拡大領域内で概略的に描かれており、当該技術分野において周知の通り、一般的に、整流器/電圧増倍器1994に取付けられた、ソース(source)からのRF波(この場合、カードリーダー1980からの波1984)を受信するための受信アンテナ1991、アンテナ1991とアース1993の間に配置された1つ以上の抵抗器1992に並列のコンデンサ1995(又はバッテリ)を含み、電極1996及び1997の間で直流(DC)電圧を生成する。このDC電圧は、接続された回路に電力を供給する。回路1900内には、アンテナと整流器の間のインピーダンス整合回路網(IMN)(図示せず)及び/又は電力ハーベスティングの利用分野において使用するための当該技術分野において公知の他のあらゆる論理又は他の回路構成要素も含まれ得る。
【0073】
図19A及び19B中に描かれているように、金属層1910は、カードの周縁部から開口部1920まで延在する第1の不連続部1902及びカードの周縁部から開口部1930まで延在する第2の不連続部1904を有する。カード1900はさらに、金属層1910の裏側表面上に配置された裏側非金属層1940及び金属層の表側表面上に配置された表側非金属層1950を含む。表側非金属層1950の上又は中に印刷された又は他の形で配置されたワード、ロゴ、又はグラフィックなどのパターン1960が、LEDモジュールにより背後から照明されるべく位置付けされたLEDモジュールの照明された部域1937を覆っている。例えば層1950上に配置された印刷用インク製の隆起したポジ型パターン1960として
図19B中に示されているものの、パターンは、他の点では不透明な非金属層1950内のホールによって形成されたネガ型パターンの、非金属層1950自体の不透明部分を含み得る。パターンはマルチカラーであってよい。金属層1910は、カードリーダーから受信される信号を増幅するために、両アンテナ1986、1991の一方に接続されたブースタアンテナとして作用してよく、あるいは支払い及び/又は照明回路の一方又は両方から絶縁されていてもよい。
【0074】
トランスポンダモジュール1925の直近に開口部1930及びLEDモジュールが位置設定されることによって、ウィンドウが不在であるカードに比べたカードのRF性能の改善が提供され得る。同様にして、第1及び第2の不連続部1902、1904も同様に、不連続部が不在であるカードに比べてRF性能を改善する。
【0075】
本発明は、本明細書において、特定の実施形態を参照して例示され説明されているものの、本発明は、示された詳細に限定されるよう意図されたものではない。むしろ、本発明から逸脱することなく、クレームの等価物範囲及び限界内で、詳細にさまざまな修正を加えることが可能である。
なお、本発明の実施形態の態様として、以下に示すものがある。
[態様1]
対向仕上り表面と周縁部を有するトランザクションカードにおいて:
対向表面及び少なくとも2つの開口部を有する金属層であって、各開口部が前記対向仕上り表面の一方又は両方を通って延在している、金属層と;
前記金属層内の前記少なくとも2つの開口部のうちの一方の中に配置されたトランスポンダモジュールであって、エネルギを有する無線周波数(RF)波を発出するように構成されているカードリーダーと無線通信するように構成されたトランザクション回路内の構成要素を含み、前記トランザクション回路が、前記カードリーダーからの入力RF信号を受信し、出力RF信号で応答しかつ、前記RF波からエネルギを取り入れることによって前記トランザクション回路に電力供給するように構成されている、トランスポンダモジュールと;
前記金属層内の前記少なくとも2つの開口部のうちの他方の開口部の中に配置され、前記トランザクションカードの仕上り表面から目に見える平面照明部域を有するLEDモジュールであって、光を発出するように構成された1つ以上のLEDを含み、前記1つ以上のLEDに電力供給するために前記RF波からエネルギを取り入れるように構成された照明回路内の構成要素を含む、LEDモジュールと、
を含むトランザクションカード。
[態様2]
前記照明回路が、前記トランザクション回路によって行なわれる支払取引のステータスとは無関係に点灯するように構成されている、態様1に記載のトランザクションカード。
[態様3]
前記照明回路及び前記トランザクション回路が、統合回路内の構成要素を構成し、この統合回路内では、前記照明回路が前記トランザクション回路によって行なわれる支払取引のステータスを標示する形で点灯するように構成されている、態様1に記載のトランザクションカード。
[態様4]
前記金属層が、前記カードの前記周縁部から前記金属層内の前記少なくとも2つの開口部のうちの前記少なくとも1つまで延在する少なくとも1つの不連続部を有する、態様1に記載のトランザクションカード。
[態様5]
前記少なくとも2つの開口部に連結されこれらの開口部の間に延在する少なくとも1つの不連続部をさらに含む、態様4に記載のトランザクションカード。
[態様6]
前記金属層が、前記カードの前記周縁部から前記トランスポンダモジュールを格納する前記開口部まで延在する第1の不連続部及び前記カードの前記周縁部から前記LEDモジュールを格納する前記開口部まで延在する第2の不連続部を有する、態様4に記載のトランザクションカード。
[態様7]
前記金属層の対向表面の各々の上に配置された少なくとも1つの非金属層をさらに含む、態様1に記載のトランザクションカード。
[態様8]
前記LEDモジュールの前記照明部域上の印刷パターンをさらに含む、態様1に記載のトランザクションカード。
[態様9]
前記照明回路が、前記取り入れたエネルギの特性に依存する可変的照明特性を有するように構成されている、態様1に記載のトランザクションカード。
[態様10]
前記照明回路が、可変的強度を有する少なくとも1つのLEDを含み、前記LEDが、第1の相対的に低い範囲内の取り入れたエネルギに応答して第1の相対的に低い強度で点灯するように、そして第2の相対的に高い範囲内の取り入れたエネルギに応答して第2の相対的に高い強度で点灯するように構成されている、態様9に記載のトランザクションカード。
[態様11]
前記照明回路が少なくとも2つのLEDを有し、第1の相対的に低い範囲内の取り入れたエネルギに応答して前記少なくとも2つのLEDのうちの一方を点灯させるように、そして第2の相対的に高い範囲内の取り入れたエネルギに応答して前記少なくとも2つのLEDのうちの他方を点灯させるように構成されている、
態様9に記載のトランザクションカード。
[態様12]
前記第1の範囲及び前記第2の範囲が重複しており、そのため前記照明回路は、前記取り入れたエネルギが重複する範囲内にあるとき前記少なくとも2つのLEDの両方を点灯させるように構成されている、態様11に記載のトランザクションカード。
[態様13]
前記少なくとも2つのLEDが各々、同じ光波長を発出するように構成されている、態様9に記載のトランザクションカード。
[態様14]
前記少なくとも2つのLEDのうちの少なくとも一方が、前記少なくとも2つのLEDのうちの他方とは異なる光波長を発出するように構成されている、態様11に記載のトランザクションカード。
[態様15]
前記少なくとも2つのLEDのうちの一方が、緑色可視スペクトル内の光波長を生成するように構成され、前記少なくとも2つのLEDの他方が、赤色可視スペクトル内の光波長を生成するように構成されている、態様14に記載のトランザクションカード。
[態様16]
前記照明回路が、第1の相対的に低い範囲内の取り入れたエネルギに応答して赤色LEDを点灯させ、第2の相対的に高い範囲内の取り入れたエネルギに応答して緑色LEDを点灯させ、かつ前記第1の相対的に低い範囲と前記第2の相対的に高い範囲の間の第3の中間範囲内の取り入れたエネルギに応答して、前記赤色LEDと前記緑色LEDの両方を点灯させるように構成されている、態様15に記載のトランザクションカード。
[態様17]
前記赤色LED及び前記緑色LEDの一方又は両方が、可変的強度で点灯するように構成されている、態様16に記載のトランザクションカード。
[態様18]
前記LEDモジュールが、前記LEDモジュールを有さないカードに比べて前記トランスポンダモジュールのRF性能を改善する位置で前記金属層内に位置設定されている、態様1に記載のトランザクションカード。
[態様19]
前記LEDモジュールがさらに、前記1つ以上のLEDによって発出された光を前記照明部域の全体に分配するための光ガイドを含む、態様1に記載のトランザクションカード。
[態様20]
前記LEDモジュールがOLEDモジュールである、態様1に記載のトランザクションカード。
[態様21]
前記照明回路が、電圧上昇又は電圧降下用構成要素を含む、態様1に記載のトランザクションカード。
[態様22]
前記照明回路が電荷ポンプを含む、態様21に記載のトランザクションカード。
[態様23]
トランザクションカードにおいて:
外観、厚み、金属層表側面、金属層裏側面及び少なくとも前記表側面を通って延在する1つ以上のウィンドウ又はポケットを有する金属層と;
前記1つ以上のウィンドウ又はポケット内にそれぞれ配置されたトランスポンダモジュール及びインサートであって、前記インサートが前記ウィンドウを通して目に見えるインサート表側面を有し、前記インサート表側面が前記金属層とは異なる外観を有する、トランスポンダモジュール及びインサートと;
非機能的特徴部の下に配置された前記インサートの表側に面する表面の外観とは対照的に前記カードの表側表面から目に見える1つ以上の非機能的特徴部であって、前記インサートが:
(a)非透明かつ非半透明であるか又は;
(b)透明又は半透明でかつ前記カードの裏側表面を通って前記非機能的特徴部に対してバックライトを伝送するように構成されている;
非機能的特徴部と;
を含むトランザクションカードにおいて、前記インサートが不在であるカードと比べて前記トランスポンダモジュールのRF性能を改善する位置で前記インサートが前記金属層内に位置設定されている、トランザクションカード。
[態様24]
前記非機能的特徴部が、印刷特徴部を含む、態様23に記載のトランザクションカード。
[態様25]
前記インサートが非透明かつ非半透明であるものの、照明可能な表側に面する表面を有する、態様23に記載のトランザクションカード。
[態様26]
前記インサートが点灯可能なLEDディスプレイを含む、態様23に記載のトランザクションカード。
[態様27]
前記点灯可能なLEDディスプレイがRF波から取り入れたエネルギによって電力供給される、態様26に記載のトランザクションカード。
[態様28]
前記金属層が少なくとも2つの開口部を有し、トランスポンダモジュールが前記少なくとも2つの開口部のうちの一方の中に配置され、前記インサートが前記少なくとも2つの開口部のうちの他方の中に配置されている、態様26に記載のトランザクションカード。
[態様29]
前記トランスポンダモジュールが、RFID技術を用いて前記トランスポンダモジュールをカードリーダーに対し誘導結合するように構成されたトランザクション回路を含む、態様28に記載のトランザクションカード。
[態様30]
前記点灯可能なLEDディスプレイが、カードの操作性のインジケータとして点灯するように構成されている、態様26に記載のトランザクションカード。
[態様31]
前記点灯可能なLEDディスプレイが、前記トランザクション回路によって行なわれる支払取引のステータスとは無関係に点灯するように構成されている、態様26に記載のトランザクションカード。
[態様32]
前記インサートが半透明又は透明であり、前記ウィンドウが前記金属層の表側表面から前記金属層の裏側表面まで延在し、非コリメート光が前記インサートを通過して前記カードの表側表面から目に見える前記1つ以上の非機能的特徴部とのコントラストを提供するようになっている、態様23に記載のトランザクションカード。
[態様33]
前記非機能的特徴部が、印刷特徴部、彫刻特徴部、エッチング特徴部又は、カット特徴部のうちの少なくとも1つを含む、態様23に記載のトランザクションカード。
[態様34]
前記ウィンドウ又はポケットが、第1の部域の内部に配置された前記1つ以上の非機能的特徴部を画定する前記金属層の前記表側面内の複数の開口部、前記第1の部域と整列させられた前記本体の前記裏側面内の少なくとも1つの開口部、及び、前記インサートを含み、前記インサートの前記表側に面した表面が、前記金属層の表側面内の前記複数の開口部を介して目に見えるような形で、前記インサートは、前記インサートの前記表側に面した表面が前記金属層の前記表側面に対して陥凹した状態で位置付けされた、態様23に記載のトランザクションカード。
[態様35]
前記本体の前記裏側面に積層されたバッキング層をさらに含む、態様23に記載のトランザクションカード。
[態様36]
前記インサート又は前記インサートを格納する前記開口部の一部分が、印刷された又は装飾的コンテンツによって、部分的に覆い隠されている、態様23に記載のトランザクションカード。
[態様37]
前記カードの周縁部から前記トランスポンダモジュールを格納する前記開口部まで延在する第1の不連続部、及び前記カードの前記周縁部から前記LEDモジュールを格納する前記開口部まで延在する第2の不連続部をさらに含む、態様23に記載のトランザクションカード。
[態様38]
前記点灯可能なLEDディスプレイが、光を発出するように構成された1つ以上のLED、及び前記インサートの前記表側に面した表面の照明される部域全体に前記1つ以上のLEDにより発出された前記光を分配するための光ガイドを含んでいる、態様26に記載のトランザクションカード。
[態様39]
前記点灯可能なLEDディスプレイが、取り入れたエネルギの量に依存する可変的照明特性を有する、態様27に記載のトランザクションカード。