(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】エアロゾル生成装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/465 20200101AFI20240502BHJP
A24F 40/50 20200101ALI20240502BHJP
A24F 40/46 20200101ALI20240502BHJP
【FI】
A24F40/465
A24F40/50
A24F40/46
(21)【出願番号】P 2022554680
(86)(22)【出願日】2021-04-27
(86)【国際出願番号】 KR2021005302
(87)【国際公開番号】W WO2021246644
(87)【国際公開日】2021-12-09
【審査請求日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】10-2020-0067172
(32)【優先日】2020-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100172683
【氏名又は名称】綾 聡平
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヨンファン
(72)【発明者】
【氏名】ユン,スンウク
(72)【発明者】
【氏名】イ,スンウォン
(72)【発明者】
【氏名】ハン,デナム
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/105896(WO,A1)
【文献】特表2017-510270(JP,A)
【文献】特表2019-526237(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/465
A24F 40/50
A24F 40/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シガレットを加熱してエアロゾルを生成するヒータと、
インダクタンスチャネルと、
キャパシタンスチャネルと、
前記インダクタンスチャネル及び前記キャパシタンスチャネルから受信した情報でもって制御信号を生成する制御部と、を含み、
前記シガレットを収容するように構成されたシガレット挿入空間が
エアロゾル生成装置内に提供され、
前記制御部は、
前記シガレット挿入空間に隣接する物体により、前記インダクタンスチャネルに流れる電流の周波数の変化量が、第1基準値を超えることを基に、
次に、前記キャパシタンスチャネルにおけるキャパシタンスの変化量を測定し、
前記測定されたキャパシタンスの変化量が、第2基準値を超えることを基に、前記ヒータに対する電力供給が開始されるように制御する、エアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記インダクタンスチャネル及び前記キャパシタンスチャネル
によって構成される第1チャネルを備える、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記シガレット挿入空間は、
前記シガレットの一部が挿入され、前記ヒータによって加熱されるように円筒形状を有し、
前記インダクタンスチャネル及び前記キャパシタンスチャネルは、
前記シガレット挿入空間の外周境界を取り囲む形態に配された、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記インダクタンスチャネル及び前記キャパシタンスチャネルは、
前記シガレット挿入空間の周囲方向に少なくとも1以上配される、請求項3に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記インダクタンスチャネル及び前記キャパシタンスチャネルによって構成される、第1チャネル及び第2チャネルを備える、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記ヒータは、
前記シガレット挿入空間の高さに沿って配された第1ヒータ及び第2ヒータを含み、
前記第1ヒータ及び前記第2ヒータは、
互いに異なる温度で加熱される、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
前記インダクタンスチャネル及び前記キャパシタンスチャネルは、
前記第1ヒータ及び前記第2ヒータにそれぞれ対応するように配される、請求項6に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項8】
前記インダクタンスチャネルは、
インダクティブデジタルコンバータ(LDC)センサであり、
前記LDCセンサは、
インタラプトを生成し、
前記制御部は、
前記インタラプトを基に、前記周波数の変化量が、第1基準値を超えると判断する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項9】
前記キャパシタンスチャネルは、
前記シガレット挿入空間の両端に配された電極間に、前記シガレット挿入空間に挿入される物体によって異なるキャパシタンスを示す信号を出力し、
前記制御部は、
前記キャパシタンスと、既設定基準値との差が前記第2基準値を超えることに基づき、
前記ヒータに対する電力供給を開始する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項10】
シガレットを加熱してエアロゾルを生成するヒータと、
インダクタンスチャネルと、
キャパシタンスチャネルと、
前記インダクタンスチャネル及び前記キャパシタンスチャネルから受信した情報でもって制御信号を生成する制御部と、を含み、
前記シガレットを収容するように構成されたシガレット挿入空間が
エアロゾル生成装置内に提供され、
前記制御部は、
前記シガレット挿入空間に隣接する物体により、前記インダクタンスチャネルに流れる電流の周波数の変化量が、第1基準値を超える場合
において、測定されたキャパシタンスの変化量が、第2基準値を超えることに基づき、前記ヒータに対する電力供給が開始されるように制御する、エアロゾル生成装置。
【請求項11】
前記シガレット挿入空間は、
前記シガレットの一部が挿入され、前記ヒータによって加熱されるように円筒形状を有し、
前記インダクタンスチャネル及び前記キャパシタンスチャネルは、
前記シガレット挿入空間の外周境界を取り囲む形態に配された、請求項10に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項12】
前記インダクタンスチャネル及び前記キャパシタンスチャネルは、
前記シガレット挿入空間の周囲方向に少なくとも1以上配される、請求項10に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項13】
前記ヒータは、
前記電流の変化によって加熱されるサセプタである、請求項10に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項14】
前記ヒータは、
前記シガレット挿入空間の高さに沿って配された第1ヒータ及び第2ヒータを含み、
前記第1ヒータ及び前記第2ヒータは、
互いに異なる温度で加熱され、
前記インダクタンスチャネル及び前記キャパシタンスチャネルは、
前記第1ヒータ及び前記第2ヒータにそれぞれ対応するように配される、請求項10に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項15】
前記インダクタンスチャネルは、
インダクティブデジタルコンバータ(LDC)センサであり、
前記LDCセンサは、
インタラプトを生成し、
前記制御部は、
前記インタラプトでもって、前記周波数の変化量が、第1基準値を超えると判断する、
請求項10に記載のエアロゾル生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成装置に係り、さらに具体的には、エアロゾル生成装置に含まれたヒータがシガレットに直接接触せずにシガレットを加熱し、エアロゾルを生成させることができるエアロゾル生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットの短所を克服する代替方法に係わる需要が増大している。例えば、シガレットを燃焼させてエアロゾルを生成させる方法ではなく、シガレット内のエアロゾル生成物質が加熱されることによってエアロゾルが生成される方法に係わる需要が増大している。それにより、加熱式シガレットまたは加熱式エアロゾル生成装置に係わる研究が活発に進められている。
【0003】
エアロゾル生成装置が広く普及されることにより、該エアロゾル生成装置を使用するユーザは、エアロゾルの品質による喫煙満足感だけではなく、さまざまな使用便宜性を考慮する実情である。例えば、ユーザは、エアロゾル生成装置に具備されているディスプレイ装置を介して使用履歴のような意味ある統計値を視覚的に確認することを好み、該エアロゾル生成装置を長期間使用することになれば、周期的に装置に対する掃除が必須であるので、掃除を手軽に行うことができる機能が付加された装置を好む。
【0004】
また、エアロゾル生成装置の使用便宜性を増大させるための一環として、スマートオン(smart-on)機能が付加されたエアロゾル生成装置も市場に出回っており、該スマートオン機能が付加されたエアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物質が装置に装着され次第、装置を使用するための準備過程が自動的に進められるので、ユーザが装置に電源を入れ、装置を介してエアロゾルを吸入するまで必要となる時間を画期的に低減させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の実施形態が解決すべき技術的課題は、スマートオン機能が付加されたエアロゾル生成装置がスマートオン機能を具現するために、インダクタンスチャネルを含むとき、装置に接近する磁性体に影響を受け、該磁性体がエアロゾル生成物質ではないにもかかわらず、スマートオン機能が活性化されることを防止するためのエアロゾル生成装置を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記技術的課題を解決するための本開示の一実施形態による装置は、シガレットを加熱してエアロゾルを生成するヒータと、前記シガレットが挿入されるシガレット挿入空間と、インダクタンスチャネルと、キャパシタンスチャネルと、前記インダクタンスチャネル及び前記キャパシタンスチャネルから受信した情報でもって制御信号を生成する制御部と、を含み、前記制御部は、前記シガレット挿入空間に隣接する物体により、前記インダクタンスチャネルに流れる電流の周波数の変化量が、第1基準範囲を超えれば、前記キャパシタンスチャネルにおけるキャパシタンスの変化量を測定し、前記測定されたキャパシタンスの変化量が、第2基準範囲を超えれば、前記ヒータに対する電力供給が開始されるように制御する。
【0007】
前記技術的課題を解決するための本開示の他の一実施形態による装置は、シガレットを加熱してエアロゾルを生成するヒータと、前記シガレットが挿入されるシガレット挿入空間と、インダクタンスチャネルと、キャパシタンスチャネルと、前記インダクタンスチャネル及び前記キャパシタンスチャネルから受信した情報でもって制御信号を生成する制御部と、を含み、前記制御部は、前記シガレット挿入空間に隣接する物体により、前記インダクタンスチャネルに流れる電流の周波数の変化量が、第1基準範囲を超え、前記キャパシタンスチャネルで測定されたキャパシタンスの変化量が、第2基準範囲を超えれば、前記ヒータに対する電力供給が開始されるように制御する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の実施形態よれば、スマートオン機能が付加された外部加熱式エアロゾル生成装置に、エアロゾル生成物質を全く含まない磁性体が隣接しても、スマートオン機能が活性化されず、バッテリの浪費を最小化させ、ユーザが認知することができない状況におけるヒータ過熱を予防することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例示について説明する第1図である。
【
図2】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例示について説明する第2図である。
【
図3】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された他の例を図示した図である。
【
図6】
図3の装置で使用される二重シガレットの一例を図示した図である。
【
図7】本開示の実施形態によるエアロゾル生成装置の一例の斜視図である。
【
図9】
図7のシガレット挿入空間及び受動素子チャネルの一例を具体的に示した図である。
【
図10】
図9で説明したシガレット挿入空間の断面図である。
【
図11】受動素子チャネルの配置の一例を図式的に示した図である。
【
図12】
図11で説明したシガレット挿入空間の断面図である。
【
図13】インダクタンスチャネルで感知する周波数変化をグラフで示した一例である。
【
図14】インダクタンスチャネルで感知する周波数変化をグラフで示した他の一例である。
【
図15】キャパシタンスチャネルで感知するキャパシタンス変化をグラフで示した一例である。
【
図16】本開示の実施形態によるエアロゾル生成装置が動作する過程を順次に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施形態によるエアロゾル生成装置が提供される。
【0011】
該エアロゾル生成装置は、シガレットを加熱してエアロゾルを生成するヒータと、インダクタンスチャネル(inductance channel)と、キャパシタンスチャネル(capacitance channel)と、前記インダクタンスチャネル及び前記キャパシタンスチャネルから受信した情報でもって制御信号を生成する制御部と、を含み、前記シガレットを収容するように構成されたシガレット挿入空間が前記エアロゾル生成装置内に提供され、前記制御部は、前記シガレット挿入空間に隣接する物体により、前記インダクタンスチャネルに流れる電流の周波数の変化量が、第1基準値を超えることを基に、前記キャパシタンスチャネルにおけるキャパシタンスの変化量を測定し、前記測定されたキャパシタンスの変化量が、第2基準値を超えることを基に、前記ヒータに対する電力供給が開始されるように制御する。
【0012】
一実施形態により、前記インダクタンスチャネル及び前記キャパシタンスチャネルのうち少なくとも一つは、前記シガレット挿入空間に隣接して配される。
【0013】
一実施形態により、前記シガレット挿入空間は、前記シガレットの一部が挿入され、前記ヒータによって加熱されるように円筒形状を有し、前記インダクタンスチャネル及び前記キャパシタンスチャネルは、前記シガレット挿入空間の外周境界を取り囲む形態に配される。
【0014】
一実施形態により、前記インダクタンスチャネル及び前記キャパシタンスチャネルは、前記シガレット挿入空間の周囲方向に少なくとも1以上配される。
【0015】
一実施形態により、前記ヒータは、前記電流の変化によって加熱されるサセプタ(susceptor)である。
【0016】
一実施形態により、前記ヒータは、前記シガレット挿入空間の高さに沿って配された第1ヒータ及び第2ヒータを含み、前記第1ヒータ及び前記第2ヒータは、互いに異なる温度で加熱される。
【0017】
一実施形態により、前記インダクタンスチャネル及び前記キャパシタンスチャネルは、前記第1ヒータ及び前記第2ヒータにそれぞれ対応するように配される。
【0018】
一実施形態により、前記インダクタンスチャネルは、インダクティブデジタルコンバータ(LDC)センサであり、前記LDCセンサは、インタラプト(interrupt)を生成し、前記制御部は、前記インタラプトを基に、前記周波数の変化量が、第1基準値を超えると判断する。
【0019】
一実施形態により、前記キャパシタンスチャネルは、前記シガレット挿入空間の両端に配された電極間に、前記シガレット挿入空間に挿入される物体によって異なるキャパシタンスを示す信号を出力し、前記制御部は、前記キャパシタンスと、既設定基準値との差が前記第2基準値を超えることに基づき、前記ヒータに対する電力供給を開始する。
【0020】
1以上の一実施形態により、エアロゾル生成装置が提供される。該エアロゾル生成装置は、シガレットを加熱してエアロゾルを生成するヒータと、インダクタンスチャネルと、キャパシタンスチャネルと、前記インダクタンスチャネル及び前記キャパシタンスチャネルから受信した情報でもって制御信号を生成する制御部と、を含み、前記シガレットを収容するように構成されたシガレット挿入空間が前記エアロゾル生成装置内に提供され、前記制御部は、前記シガレット挿入空間に隣接する物体により、前記インダクタンスチャネルに流れる電流の周波数の変化量が、第1基準値を超える場合、前記測定されたキャパシタンスの変化量が、第2基準値を超えることに基づき、前記ヒータに対する電力供給が開始されるように制御する。
【0021】
一実施形態により、前記シガレット挿入空間は、前記シガレットの一部が挿入され、前記ヒータによって加熱されるように円筒形状を有し、前記インダクタンスチャネル及び前記キャパシタンスチャネルは、前記シガレット挿入空間の外周境界を取り囲む形態に配される。
【0022】
一実施形態により、前記インダクタンスチャネル及び前記キャパシタンスチャネルは、前記シガレット挿入空間の周囲方向に少なくとも1以上配される。
【0023】
一実施形態により、前記ヒータは、前記電流の変化によって加熱されるサセプタである。
【0024】
一実施形態により、前記ヒータは、前記シガレット挿入空間の高さに沿って配された第1ヒータ及び第2ヒータを含み、前記第1ヒータ及び前記第2ヒータは、互いに異なる温度で加熱され、前記インダクタンスチャネル及び前記キャパシタンスチャネルは、前記第1ヒータ及び前記第2ヒータにそれぞれ対応するように配される。
【0025】
一実施形態により、前記インダクタンスチャネルは、インダクティブデジタルコンバータ(LDC)センサであり、前記LDCセンサは、インタラプトを生成し、前記制御部は、前記インタラプトでもって、前記周波数の変化量が、第1基準値を超えると判断する。
【0026】
本実施形態で使用される用語は、本開示の実施形態における機能を考慮しながら、可能な限り、現在汎用される一般的な用語を選択したが、それは、当分野の当業者の意図、判例、または新たな技術の出現などによっても異なりる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。従って、本開示の実施形態で使用される用語は、単なる用語の名称ではなく、その用語が有する意味と、本開示の実施形態の全般にわたる内容とを基に定義されなければならない。
【0027】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むものでもあるということを意味する。また、明細書に記載された「…部」、「…モジュール」というような用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それらは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、あるいはハードウェアとソフトウェアとの結合によっても具現される。
【0028】
構成要素またはレイヤが、他の構成要素またはレイヤの「上」、「上部」に「連結されている」または「結合されている」と言及されるとき、該構成要素または該レイヤは、他の構成要素またはレイヤの直接上または直接上部にあったり、あるいはそのように連結されたり結合されたりするか、あるいはその間に構成要素またはレイヤが存在しうる。対照的に、構成要素が、他の構成要素またはレイヤの「直接上」、「直接上部」、あるいは「直接連結されている」または「直接結合されている」と言及されるとき、その間に構成要素またはレイヤが存在しない。同一参照番号は、全体にわたり、同一構成要素を称する。
【0029】
以下においては、添付図面を参照し、本開示の実施形態につき、本開示の実施形態が属する技術分野において当業者であるならば、が容易に実施することができるように詳細に説明する。しかし、本開示の実施形態は、さまざまに異なる形態にも具現され、ここで説明する実施形態に限定されるものではない。
【0030】
以下においては、図面を参照し、本開示の実施形態について詳細に説明する。
【0031】
図1及び
図2はエアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を図示した図面である。
【0032】
図1及び
図2を参照すれば、エアロゾル生成装置10は、バッテリ120、制御部110、ヒータ130及び蒸気化器180を含む。また、エアロゾル生成装置10の内部空間には、シガレット200が挿入されうる。
【0033】
図1及び
図2に図示されたエアロゾル生成装置10には、本実施形態と係わる構成要素が図示されている。従って、
図1及び
図2に図示された構成要素以外に、他の汎用的な構成要素が、エアロゾル生成装置10にさらに含まれるものでもあるということは、本実施形態と係わる技術分野において当業者であるならば、理解することができるであろう。
【0034】
また、
図1及び
図2には、エアロゾル生成装置10にヒータ130が含まれているように図示されているが、必要により、ヒータ130は、省略されうる。
【0035】
図1には、バッテリ120、制御部110、蒸気化器180及びヒータ130が一列に配されているように図示されている。また、
図2には、蒸気化器180及びヒータ130が並列に配されているように図示されている。しかし、エアロゾル生成装置10の内部構造は、
図1または
図2に図示されたところに限定されるものではない。言い換えれば、エアロゾル生成装置10の設計により、バッテリ120、制御部110、蒸気化器180及びヒータ130の配置は、変更されうる。
【0036】
シガレット200がエアロゾル生成装置10に挿入されれば、エアロゾル生成装置10は、蒸気化器180を作動させ、蒸気化器180からエアロゾルを発生させることができる。蒸気化器180によって生成されたエアロゾルは、シガレット200を通過してユーザに伝達される。蒸気化器180に係わる説明は、下記においてさらに詳細に行う。
【0037】
バッテリ120は、エアロゾル生成装置10が動作するのに利用される電力を供給する。例えば、バッテリ120は、ヒータ130または蒸気化器180が加熱されうるように電力を供給することができ、制御部110が動作するのに必要な電力を供給することができる。また、バッテリ120は、エアロゾル生成装置10に設けられたディスプレイ、センサ、モータなどが動作するのに必要な電力を供給することができる。
【0038】
制御部110は、エアロゾル生成装置10の動作を全般的に制御する。具体的には、制御部110は、バッテリ120、ヒータ130及び蒸気化器180だけではなく、エアロゾル生成装置10に含まれた他構成の動作を制御する。また、制御部110は、エアロゾル生成装置10の構成それぞれの状態を確認し、エアロゾル生成装置10が動作可能な状態であるか否かということを判断することもできる。
【0039】
制御部110は、少なくとも1つのプロセッサを含む。該プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイによっても具現されて、汎用的なマイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサで実行されうるプログラムが保存されたメモリとの組み合わせによっても具現される。一実施形態により、該プログラムは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されるとき、プロセッサをして、本開示に説明された機能を遂行させるコンピュータコードを保存することができる。また、他の形態のハードウェアによっても具現されるということは、本実施形態が属する技術分野で当業者であるならば、理解することができるであろう。
【0040】
ヒータ130は、バッテリ120から供給された電力によっても加熱される。例えば、シガレットがエアロゾル生成装置10に挿入されれば、ヒータ130は、シガレットの外部に位置しうる。従って、加熱されたヒータ130は、シガレット内のエアロゾル生成物質の温度を上昇させることができる。
【0041】
ヒータ130は、電気抵抗性ヒータでもある。例えば、ヒータ130には、電気伝導性トラック(track)が含まれ、該電気伝導性トラックに電流が流れることにより、ヒータ130が加熱されうる。しかし、ヒータ130は、前述の例に限定されるものではなく、希望温度まで加熱されうるものであるならば、制限なしに該当しうる。ここで、該希望温度は、エアロゾル生成装置10に既設定のものでもあり、ユーザによって所望する温度にも設定される。
【0042】
一方、他の例として、ヒータ130は、誘導加熱式ヒータでもある。具体的には、ヒータ130には、シガレットを誘導加熱方式で加熱するための電気伝導性コイルを含むものでもあり、該シガレットは、誘導加熱式ヒータによって加熱されうるサセプタを含むものでもある。
【0043】
図1及び
図2には、ヒータ130がシガレット200の外部に配されるように図示されているが、それに限定されるものではない。例えば、ヒータ130は、管型加熱要素、板型加熱要素、針型加熱要素または棒型加熱要素を含むものでもあり、該加熱要素の形態により、シガレット200の内部または外部を加熱することができる。
【0044】
また、エアロゾル生成装置10には、ヒータ130が複数個配されうる。このとき、複数個のヒータ130は、シガレット200の内部に挿入されるようにも配され、シガレット200の外部にも配される。また、複数個のヒータ130のうち一部は、シガレット200の内部に挿入されるように配され、残りは、シガレット200の外部に配されうる。また、ヒータ130の形状は、
図1及び
図2に図示された形状に限定されるものではなく、多様な形状にも作製される。
【0045】
蒸気化器180は、液状組成物を加熱してエアロゾルを生成することができ、生成されたエアロゾルは、シガレット200を通過し、ユーザに伝達されうる。言い換えれば、蒸気化器180によって生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成装置10の気流通路に沿って移動することができ、該気流通路は、蒸気化器180によって生成されたエアロゾルが、シガレットを通過してユーザに伝達されるようにも構成される。
【0046】
例えば、蒸気化器180は、液体保存部、液体伝達手段及び加熱要素を含むものでもあるが、それらに限定されるものではない。例えば、当該の液体保存部、液体伝達手段及び加熱要素は、独立したモジュールとして、エアロゾル生成装置10にも含まれる。
【0047】
該液体保存部は、液状組成物を保存することができる。例えば、該液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。該液体保存部は、蒸気化器180に/から付着/脱着するようにも作製され、蒸気化器180と一体としても作製される。
【0048】
例えば、該液状組成物は、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤またはビタミン混合物を含むものでもある。該香料は、メンソール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種の果物香成分などを含むものでもあるが、それらに制限されるものではない。該香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供することができる成分を含むものでもある。該ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち少なくとも一つが混合されたものでもあるが、それらに制限されるものではない。また、該液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含むものでもある。
【0049】
該液体伝達手段は、液体保存部の液状組成物を加熱要素に伝達することができる。例えば、該液体伝達手段は、綿繊維、セラミックス繊維、ガラス繊維、多孔性セラミックスのような芯(wick)にもなるが、それらに限定されるものではない。
【0050】
該加熱要素は、液体伝達手段によって伝達される液状組成物を加熱するための要素である。例えば、該加熱要素は、金属熱線、金属熱板、セラミックスヒータなどにもなるが、それらに限定されるものではない。また、該加熱要素は、ニクロム線のような伝導性フィラメントによっても構成され、該液体伝達手段に巻かれる構造にも配される。該加熱要素は、電流供給によって加熱され、該加熱要素と接触された液体組成物に熱を伝達し、該液体組成物を加熱することができる。その結果、エアロゾルが生成されうる。
【0051】
例えば、蒸気化器180は、カトマイザ(cartomizer)または霧化器(atomizer)とも称されるが、それらに限定されるものではない。
【0052】
なお、エアロゾル生成装置10は、バッテリ120、制御部110及びヒータ130以外に、汎用的な構成をさらに含むものでもある。例えば、エアロゾル生成装置10は、視覚情報の出力が可能なディスプレイ、及び/または触覚情報出力のためのモータを含むものでもある。また、エアロゾル生成装置10は、少なくとも1つのセンサ(パフ感知センサ、温度感知センサ、シガレット挿入感知センサなど)を含むものでもある。また、エアロゾル生成装置10は、シガレット200が挿入された状態でも、外部空気が流入されるか、あるいは内部気体が流出されうる構造にも作製される。
【0053】
図1及び
図2には、図示されていないが、エアロゾル生成装置10は、別途のクレードルと共にシステムを構成することもできる。例えば、該クレードルは、エアロゾル生成装置10のバッテリ120充電に利用されうる。または、該クレードルとエアロゾル生成装置10とが結合された状態において、ヒータ130が加熱されうる。
【0054】
シガレット200は、一般的な燃焼型シガレットとと類似してもいる。例えば、シガレット200は、エアロゾル生成物質を含む第1部分と、フィルタなどを含む第2部分とに区分されうる。または、シガレット200の第2部分にも、エアロゾル生成物質が含まれうる。例えば、顆粒またはカプセルの形態に作られたエアロゾル生成物質が、第2部分にも挿入される。
【0055】
エアロゾル生成装置10の内部には、第1部分全体が挿入され、第2部分は、外部に露出されうる。または、エアロゾル生成装置10の内部に、第1部分の一部だけ挿入され、また、第1部分及び第2部分の一部が挿入されうる。ユーザは、第2部分を口にした状態で、エアロゾルを吸入することができる。このとき、該エアロゾルは、外部空気が第1部分を通過することによって生成され、生成されたエアロゾルは、第2部分を通過し、ユーザの口に伝達される。
【0056】
一例として、外部空気は、エアロゾル生成装置10に形成された少なくとも1つの空気通路を介しても流入される。例えば、エアロゾル生成装置10に形成された空気通路の開閉、及び/または空気通路の大きさは、ユーザによっても調節される。それにより、霧化量、喫煙感などが、ユーザによって調節されうる。他の例として、外部空気は、シガレット200の表面に形成された少なくとも1つの孔(hole)を介し、シガレット200内部にも流入される。
【0057】
図3は、エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された他の例を図示した図面である。
【0058】
図3を、
図1及び
図2を介して説明したエアロゾル生成装置と比較すれば、蒸気化器180が省略されていることが分かる。
図3に図示されたエアロゾル生成装置に挿入される二重シガレット300に蒸気化器180の機能を遂行する要素が含まれているので、
図3によるエアロゾル生成装置には、
図1及び
図2に図示されたエアロゾル生成装置と異なり、蒸気化器180が含まれないのである。
【0059】
図3によるエアロゾル生成装置10は、二重シガレット300が挿入されれば、二重シガレット300を外部加熱することにより、二重シガレット300から、ユーザが吸入可能なエアロゾルが生成されるようにする。
図3によるエアロゾル生成装置10は、二重シガレット300を構成する第1媒質部、第2媒質部を互いに異なる温度で加熱するために、ヒータ130を2個部に分け、互いに異なる温度で加熱することができ、それに係わる図式的な説明は、
図11で説明する。また、二重シガレット300については、
図6を介して具体的に説明する。
【0060】
以下、
図4を参照し、シガレット200の一例について説明する。
【0061】
【0062】
図4を参照すれば、シガレット200は、タバコロッド210及びフィルタロッド220を含む。
図1及び
図2を参照して説明した第1部分は、タバコロッド210を含み、第2部分は、フィルタロッド220を含む。
【0063】
図4には、フィルタロッド220が単一セグメントとして図示されているが、それに限定されるものではない。言い換えれば、フィルタロッド220は、複数のセグメントによっても構成される。例えば、フィルタロッド220は、エアロゾルを冷却する第1セグメント、及び該エアロゾル内に含まれた所定成分をフィルタリングする第2セグメントを含むものでもある。また、必要により、フィルタロッド220には、他の機能を遂行する少なくとも1つのセグメントをさらに含むものでもある。
【0064】
シガレット200は、少なくとも1枚のラッパ240によっても包装される。ラッパ240には、外部空気が流入されるか、あるいは内部気体が流出される少なくとも1つの孔(hole)が形成されうる。一例として、シガレット200は、1枚のラッパ240によっても包装される。他の例として、シガレット200は、2以上のラッパ240によって重畳的に包装されうる。例えば、第1ラッパにより、タバコロッド210が包装され、第2ラッパにより、フィルタロッド220が包装されうる。そして、個別ラッパによって包装されたタバコロッド210及びフィルタロッド220が結合され、第3ラッパにより、シガレット200全体がさらに包装されうる。もしタバコロッド210またはフィルタロッド220のそれぞれが複数のセグメントで構成されているならば、それぞれのセグメントが個別ラッパによって包装されうる。そして、該個別ラッパによって包装されたセグメントが結合されたシガレット200全体が他のラッパによってさらに包装されうる。
【0065】
タバコロッド210は、エアロゾル生成物質を含む。例えば、該エアロゾル生成物質は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち少なくとも一つを含むものでもあるが、それらに限定されるものではない。また、タバコロッド210は、風味剤、湿潤剤及び/または有機酸(organic acid)のような他の添加物質を含むものでもある。また、タバコロッド210には、メンソールまたは保湿剤のような加香液が、タバコロッド210に噴射されることによっても添加される。
【0066】
タバコロッド210は、多様にも作製される。例えば、タバコロッド210は、シート(sheet)によっても作製され、ストランド(strand)によっても作製される。また、タバコロッド210は、タバコシートが細かく切られた刻みタバコによっても作製される。また、タバコロッド210は、熱伝導物質によっても取り囲まれる。例えば、該熱伝導物質は、アルミニウムホイルのような金属ホイルでもあるが、それに限定されるものではない。一例として、タバコロッド210を取り囲む熱伝導物質は、タバコロッド210に伝達される熱を等しく分散させ、タバコロッドに加えられる熱伝導率を向上させることができ、それにより、タバコ味を向上させることができる。また、タバコロッド210を取り囲む熱伝導物質は、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタとしての機能を行うことができる。このとき、図面に図示されていないが、タバコロッド210は、外部を取り囲む熱伝導物質以外にも、追加のサセプタをさらに含むものでもある。
【0067】
フィルタロッド220は、酢酸セルロースフィルタでもある。一方、フィルタロッド220の形状には、制限がない。例えば、フィルタロッド220は、円柱型ロッドでもあり、内部に中空を含むチューブ型ロッドでもある。また、フィルタロッド220は、リセス型ロッドでもある。もしフィルタロッド220が複数のセグメントによって構成されている場合、複数のセグメントのうち少なくとも一つは、異なる形状にも作製される。
【0068】
フィルタロッド220は、香味が発生されるようにも作製される。一例として、フィルタロッド220に加香液が噴射され、また加香液が塗布された別途の繊維が、フィルタロッド220内部に挿入されうる。
【0069】
また、フィルタロッド220には、少なくとも1つのカプセル230が含まれるものでもある。ここで、カプセル230は、香味を発生させる機能を遂行することもでき、エアロゾルを発生させる機能を遂行することもできる。例えば、カプセル230は、香料を含む液体を被膜で覆い包んだ構造でもある。カプセル230は、球形または円筒状の形状を有することができるが、それらに制限されるものではない。
【0070】
もしフィルタロッド220にエアロゾルを冷却するセグメントが含まれる場合、該冷却セグメントは、高分子物質または生分解性高分子物質によっても製造される。例えば、該冷却セグメントは、純粋なポリ乳酸によってのみ作製されるが、それに限定されるものではない。または、該冷却セグメントは、複数の孔があいた酢酸セルロースフィルタによっても作製される。しかし、該冷却セグメントは、前述の例に限定されるものではなく、エアロゾルが冷却される機能を遂行することができるものであるならば、制限なしに該当しうる。
【0071】
なお、
図4には、図示されていないが、一実施形態によるシガレット200は、前端フィルタをさらに含むものでもある。該前端フィルタは、タバコロッド210において、フィルタロッド220に反対となる一側に位置する。該前端フィルタは、タバコロッド210が外部に離脱されることを防止することができ、喫煙中、タバコロッド210から、液状化されたエアロゾルがエアロゾル発生装置100(
図1及び
図2)に流れて行くことを防止することができる。
【0072】
図5は、シガレットの他の一例を図示した図面である。
【0073】
図5を参照すれば、シガレット200は、十字チューブ205、タバコロッド210及びチューブ220a、フィルタ220bが最終ラッパ240に覆い包まれる形態を有することが分かる。
図5において、該ラッパは、十字チューブ205、タバコロッド210、チューブ220a、フィルタ220bをそれぞれ覆い包む個別ラッパと、該個別ラッパで覆い包まれた十字チューブ205、タバコロッド210、チューブ220a、フィルタ220bを一つに覆い包む最終ラッパを含む。
【0074】
図1及び
図2を参照して説明した第1部分は、十字チューブ205及びタバコロッド210を含み、第2部分は、フィルタロッド220を含む。説明の便宜のために、以下においては、
図1及び
図2を参照して説明し、
図4で説明したところと重複された説明は、省略する。
【0075】
十字チューブ205は、タバコロッド210に連結される十字形態のチューブを意味する。
【0076】
十字チューブ205は、シガレット200がエアロゾル生成装置に挿入されれば、タバコロッド210と共に、シガレット感知センサによってセンシングされる部分であり、タバコロッド210と同一の銅合紙ラッパで覆い包まれ、該シガレット感知センサが挿入されたシガレット200が、エアロゾル生成装置が支援する種類のシガレット(自社で作製されたシガレット)であるか否かということを把握するのにも活用される。該銅合紙ラッパについては、
図7ないし
図9を介して後述する。
【0077】
タバコロッド210は、エアロゾル生成装置10のヒータ130によって加熱され、エアロゾルを生成させるエアロゾル生成基質を含む。
【0078】
チューブ220aは、タバコロッド210のエアロゾル生成基質が、ヒータ130から十分な量のエネルギーを受けて加熱されるときに生成されるエアロゾルを、フィルタ220bに伝達させる機能を遂行する。チューブ220aは、酢酸セルローストウに、可塑剤であるトリアセチン(TA)を一定以上加え、円形に成形する方式によって製造されるチューブであり、十字チューブ205と比較すれば、形態が異なるだけではなく、タバコロッド210とフィルタ220bとを連結する点において、配置上の違いがある。
【0079】
フィルタ220bは、タバコロッド210で生成されたエアロゾルが、チューブ220aを介して伝達されれば、エアロゾルを通過させることにより、ユーザが、フィルタ220bによって濾過されたエアロゾルを吸入することができるようにする機能を遂行する。フィルタ220bは、酢酸セルローストウを基にして作製された酢酸セルロースフィルタでもある。
【0080】
ラッパ240は、十字チューブ205、タバコロッド210、チューブ220a及びフィルタ220bをそれぞれ覆い包む紙であり、十字チューブラッパ240b、タバコロッドラッパ240c、チューブラッパ240d、フィルタラッパ240e及び最終ラッパ240aをいずれも含むものでもある。
【0081】
図5において、十字チューブラッパ240bは、アルミニウム材質のラッパ、チューブ部220aは、MFWラッパまたは24Kラッパ、フィルタ220bは、耐油ハードラッパ、またはポリ乳酸(PLA)材質の合紙によっても覆い包まれる。タバコロッドラッパ240c及び最終ラッパ240aについては、以下でさらに詳細に後述する。
【0082】
タバコロッドラッパ240cは、タバコロッド210を覆い包むラッパであり、ヒータ130によって伝達される熱エネルギーの効率性を極大化させるために、熱伝導性向上物質がコーティングされもする。例えば、タバコロッドラッパ240cは、銀薄紙(Ag)、アルミニウム薄紙(Al)、銅薄紙(Cu)、カーボン紙(carbon paper)、充填剤(filler)、セラミックス(AlN、Al2O3)、シリコンカーバイド(silicon carbide)、クエン酸ナトリウム(Na citrate)、クエン酸カリウム(K citrate)、アラミド繊維(aramid fiber)、ナノセルロース(nano cellulose)、ミネラル紙(mineral paper)、グラシン紙(glassine paper)、SWNT(single-walled carbon nanotube)のうち少なくとも一つが、一般ラッパまたは異形原紙にコーティングされる方式によっても作製される。該一般ラッパは、周知のシガレットに適用されているラッパを意味し、抄紙試験を経て、紙製造作業性及び熱伝導性が、いずれも一定値以上を超える検証された材質によって作製された多孔性ラッパを意味する。
【0083】
また、本開示の実施形態において、最終ラッパ240は、タバコロッドラッパ240cにコーティングされる多様な物質のにおいて、充填剤、セラミックス、シリコンカーバイド、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、アラミド繊維、ナノセルロース、SWNTのうち少なくとも一つがMFW原紙にコーティングされる方式によっても作製される。
【0084】
図1及び
図2で説明したエアロゾル生成装置10に含まれるヒータ130は、制御部110によって制御される対象であり、タバコロッド210に含まれているエアロゾル生成基質を加熱させ、エアロゾルが生成されるようにし、このとき、タバコロッド210に伝達される熱エネルギーは、放射熱75%、対流熱15%、伝導熱10%の比率で構成される。一実施形態により、タバコロッド210に伝達される熱エネルギーを構成する放射熱、対流熱、伝導熱の比率は、異なりうる。
【0085】
本開示の実施形態は、ヒータ130が、エアロゾル生成基質に直接接触し、熱エネルギーを伝達することができない特性上、迅速なエアロゾルの生成が困難であることを克服するために、前述のように、タバコロッドラッパ240c及び最終ラッパ240に熱伝導性向上物質をコーティングし、タバコロッド210のエアロゾル生成基質に、熱エネルギーが効率的に伝達されるように促進することにより、ヒータ130が十分に加熱される前の初期パフ時にも、ユーザに十分な量のエアロゾルを提供することができる。
【0086】
一実施形態により、タバコロッドラッパ240cまたは最終ラッパ240のうちいずれか一つについてのみ熱伝導性向上物質がコーティングされもし、前述の例だけではなく、既設定値の熱伝導率を有する有機金属、無機金属、繊維、高分子素材が、タバコロッドラッパ240cまたは最終ラッパ240にコーティングされる方式により、本開示の実施形態が具現されうる。
【0087】
図6は、
図3の装置で使用される二重シガレットの一例を図示した図面である。
【0088】
図6において、二重シガレットという名称は、
図4及び
図5で説明したシガレットと区別するための目的だけではなく、本開示の実施形態に係わる説明を簡潔にさせるために命名されたものであり、一実施形態により、一般的なシガレットと同一に呼称されうる。
【0089】
図6を参照すれば、二重シガレット300は、エアロゾル基材部310、媒質部320、冷却部330及びフィルタ部340が1以上のラッパによって覆い包まれる形態を有することが分かる。
図6において、最終ラッパ350は、エアロゾル基材部310、媒質部320及びフィルタ部340をそれぞれ覆い包む個別ラッパと、個別ラッパで覆い包まれたエアロゾル基材部310、媒質部320及びフィルタ部340を一つに覆い包む外被を意味する。該個別ラッパは、エアロゾル基材ラッパ310a、媒質ラッパ320a及びフィルタラッパ340aを含むものでもある。
【0090】
エアロゾル基材部310は、パルプ基盤の紙に保湿剤を含有させ、すでに設定された形態に成形した部分である。エアロゾル基材部310に入る保湿剤(基材)には、プロピレングリコール及びグリセリンがある。エアロゾル基材部310の保湿剤は、原紙重さ対比で、一定重量比を有するプロピレングリコール及びグリセリンが含まれる。エアロゾル基材部310は、二重シガレット300が、
図3のエアロゾル生成装置10に挿入されたとき、ヒータ130により、一定以上の温度に加熱されれば、保湿剤蒸気を生成する。
【0091】
媒質部320は、シート、ストランド、タバコシートが細かく切られた刻みタバコのうち1以上を含み、ユーザに喫煙経験を提供するために、ニコチンを発生させる部分である。媒質部320は、二重シガレット300が、
図3のエアロゾル生成装置10に挿入されても、ヒータ130から直接加熱されず、加熱されるエアロゾル基材部310及び媒質部320を覆い包んでいる媒質部ラッパ(または、最終ラッパ)から、伝導、対流及び輻射の方式によっても間接加熱される。本開示の実施形態においては、媒質部320に含まれる媒質が逹しなければならない温度が、エアロゾル基材部310に含まれた保湿剤が逹しなければならない温度よりさらに低いという特性を考慮し、外部加熱式ヒータ130でもって、エアロゾル基材部310を加熱した後、迂回的に媒質部320の温度を上昇させる。媒質部320に含まれた媒質の温度が一定以上の温度に上昇されれば、媒質部320からニコチン蒸気が生成される。
【0092】
一実施形態により、二重シガレット300が、
図3のエアロゾル生成装置10に挿入されたとき、媒質部320の一部が、ヒータ130と対向する方向になり、ヒータ130からも加熱される。
【0093】
冷却部330は、所定重量の可塑剤を含むチューブフィルタによって作製され、エアロゾル基材部310及び媒質部320から生成された保湿剤蒸気及びニコチン蒸気が混合されてエアロゾル化(aerosolization)され、冷却部330を通過されながら冷却され、エアロゾル基材部310、媒質部320及びフィルタ部340とは異なるように、個別ラッパで覆い包まれない。
【0094】
フィルタ部340は、酢酸セルロースフィルタでもあるが、フィルタ部340の形状には、制限がない。フィルタ部340は、円柱型ロッドでもあり、内部に中空を含むチューブ型でもある。もしフィルタ部340が複数のセグメントで構成された場合、複数のセグメントのうち少なくとも一つは、異なる形状にも作製される。フィルタ部340は、香味が発生されるようにも作製される。一例として、フィルタ部340に加香液が噴射され、また加香液が塗布された別途の繊維がフィルタ部340の内部にも挿入される。
【0095】
また、フィルタ部340には、少なくとも1つのカプセルが含まれるものでもある。ここで、該カプセルは、香味を発生させる機能を遂行することもできる。例えば、該カプセルは、香料を含む液体を被膜で覆い包んだ構造でもあり、球形または円筒状の形状を有することができるが、それらに制限されるものではない。
【0096】
1または複数のラッパは、個々のラッパを覆い包む最終ラッパ350と組み合わさり、エアロゾル基材部310、媒質部320及びフィルタ部340を覆い包むエアロゾル基材ラッパ310a、媒質ラッパ320a及びフィルタラッパ340aを言うものである。
【0097】
図7は、本開示の実施形態によるエアロゾル生成装置の一例の斜視図である。
【0098】
図7を参照すれば、本開示の実施形態によるエアロゾル生成装置10は、制御部110、バッテリ120、ヒータ130及びシガレット200を含むということが分かる。
図7は、説明の便宜のために、エアロゾル生成装置10の一部構成のみを強調させて示しているので、他の構成が追加されても、前述の構成を含むものであるならば、本開示の実施形態の範疇を外れるものではないということは、当該分野の当業者であるならば、に自明であろう。
【0099】
また、エアロゾル生成装置10の内部構造は、
図7に図示されたことに限定されるものではなく、実施形態や設計により、制御部110、バッテリ120、ヒータ130及びシガレット200の配置は、異なりうる。
図7の各構成に係わる説明は、
図1ないし
図3ですでに説明してあるので、省略する。
【0100】
【0101】
図8を参照すれば、本開示の実施形態によるエアロゾル生成装置10は、PCB(Printed Circuit Board)11、制御部110、バッテリ120、ヒータ130及びディスプレイ150及びシガレット挿入空間160を含むということが分かる。以下においては、
図1で説明した構成に係わる説明と重複する説明は、省略する。
【0102】
PCB 11は、制御部110と通信しながら、エアロゾル生成装置10の情報を収集する各種構成要素を電子的に統合する機能を遂行し、PCB 11の表面には、制御部110及びディスプレイ150が固定されて装着され、PCB 11に連結された素子に電力を供給するためのバッテリ120が連結される。
【0103】
ディスプレイ150は、エアロゾル生成装置10で生成される情報のうち、ユーザに必要な情報が視覚的な情報として出力されるように制御する装置であり、制御部110から受信された情報を基にし、エアロゾル生成装置10の前面に具備されているLCDパネル(または、LEDパネル)に出力される情報を制御する。
【0104】
シガレット挿入空間160は、シガレット200が挿入されるようにするために、エアロゾル生成装置10の内部に向けて一定深さに凹状に彫り込まれた空間を意味する。シガレット挿入空間160は、スティック形態のシガレット200が安定して装着されるように、シガレット200のように、筒状(cylindrical shape)であり、シガレット挿入空間160の高さ(深さ)は、シガレット200において、エアロゾル生成物質が含まれた領域の長さによっても異なりる。
【0105】
例えば、シガレット挿入空間160に、
図6で説明した二重シガレット300が挿入されるならば、シガレット挿入空間160の高さは、エアロゾル基材部310及び媒質部320の長さを合算した値と同じでもある。シガレット挿入空間160にシガレット200が挿入されれば、シガレット挿入空間160に隣接しているヒータ130が加熱されることにより、エアロゾルが生成されうる。制御部110は、エアロゾル生成装置10と互換されるシガレット200が挿入されたことを感知し、ヒータ130に対する電力供給が開始されるように、スマートオン機能を具現することができ、本開示の実施形態による装置は、スマートオン機能を安定して具現するために、インダクタンスチャネル及びキャパシタンスチャネルを追加して具備しうる。以下においては、インダクタンスチャネル及びキャパシタンスチャネルを統合し、受動素子チャネル(passive component channel)と総称する。
【0106】
図9は、
図7のシガレット挿入空間及び受動素子チャネルの一例を具体的に示した図面である。
【0107】
説明の便宜のために、
図9において、ヒータ130、シガレット挿入空間160、第1チャネル910、第2チャネル930を除いた残り構成要素は、省略され、第1チャネル910及び第2チャネル930は、受動素子チャネルである。
【0108】
ヒータ130は、シガレット挿入空間160と第1チャネル910との間、またはシガレット挿入空間160と第2チャネル930との間に位置し、シガレット挿入空間160に挿入されたシガレット200を加熱する。具体的には、スマートオン機能が付加されたエアロゾル生成装置10においては、シガレット挿入空間160にシガレット200が挿入されれば、第1チャネル910及び第2チャネル930のような受動素子チャネルが、シガレット200が挿入されたことを感知し、制御部110に伝達し、ヒータ130に電力が供給される順序を介し、エアロゾルが生成される。
【0109】
シガレット挿入空間160は、シガレット200が挿入されうるようにする筒状(円筒状)の空間である。シガレット挿入空間160は、エアロゾル生成装置10の表面に凹状に彫り込まれた空間であり、実在する物質によってなる部材ではないが、説明の便宜のために、シガレット挿入空間160を、任意の筒状部材(cylindrical member)と仮定すれば、
図9において、ヒータ130がシガレット挿入空間160の外周面(outer circumferential surface)を取り囲む形態に配されていることが分かる。ヒータ130は、シガレット挿入空間160に挿入されたシガレット200の媒質部を均一に加熱するために、
図9のように、内部に中空を含むチューブ形態(tube type)にもなり、一実施形態により、シガレット挿入空間160の外周面の一部分だけ取り囲む形態にも具現される。
【0110】
第1チャネル910は、受動素子チャネルであり、シガレット挿入空間160に挿入されるシガレット200のエッジ部分と最も近くに配される。例えば、
図6に図示された二重シガレット300が、シガレット挿入空間160に挿入されれば、エアロゾル基材部310が、第1チャネル910と最も近くに位置することになる。
図8のように、エアロゾル生成装置10が立てられていれば、第1チャネル910は、第2チャネル930より下段(下流)に位置することになり、インダクタンスチャネル及びキャパシタンスチャネルのうち少なくとも1以上としても構成される。第1チャネル910は、シガレット挿入空間160に接近する物体があれば、それによって変化する物理的特性として感知し、制御部110に伝達する機能を遂行する。
図9に図示されているように、第1チャネル910は、ヒータ130を取り囲み、内部に中空を含むチューブ型であり、第1チャネル910のさらなる特性については、
図10で説明する。
【0111】
第2チャネル930も、受動素子チャネルであり、第1チャネル910よりさらに上端(上流)に位置する。例えば、
図6に図示された二重シガレット300がシガレット挿入空間160に挿入されれば、媒質部320が、第2チャネル930に最も近い距離に位置することになる。第2チャネル930は、インダクタンスチャネル及びキャパシタンスチャネルのうち少なくとも1以上によっても構成され、第1チャネル910のように、シガレット挿入空間160に接近する物体があれば、それによって変化する物理的特性として感知し、制御部110に伝達する。
図9に図示されているように、第2チャネル930は、ヒータ130を取り囲み、内部に中空を含むチューブ型であり、第2チャネル930の構造的な特性については、
図10で後述する。
【0112】
本開示の実施形態によるエアロゾル生成装置10は、スマートオン機能を具現するための構成であり、インダクタンスチャネル及びキャパシタンスチャネルをそれぞれ含む。
【0113】
まず、インダクタンスチャネルは、すでに設定された巻線数、巻線方向、材質によって構成されたコイルを含む受動素子チャネルである。該インダクタンスチャネルは、エアロゾル生成装置10において、エアロゾルを生成していないときにも、スマートオン機能を具現するために、すでに設定された周波数を有する交流電流が流れている。外部加熱式エアロゾル生成装置10に使用されるシガレット200には、エアロゾル生成物質に係わる熱伝導率を高めるために、金属箔(metal foil)が含まれ、該インダクタンスチャネルに流れる電流の周波数は、シガレット200の金属箔によっても変わる。シガレット挿入空間160に隣接する物体が磁性体であるので、該インダクタンスチャネルに流れる電流の周波数に変化が生じ、その変化の程度が第1基準範囲を超えれば、制御部110は、該インダクタンスチャネルの周波数変化量を感知し、続けて、キャパシタンスチャネルのキャパシタンスの変化量が測定されるように制御する。
【0114】
該キャパシタンスチャネルは、シガレット挿入空間160一部の両端にある電極と連結され、その電極からキャパシタンスを測定し、測定された値を制御部110に伝達する受動素子チャネルである。制御部110がインダクタンスチャネルの周波数変化量が、第1基準範囲を超えると判断すれば、該キャパシタンスチャネルは、シガレット挿入空間160の一部の両端に配された電極を介してキャパシタンスを測定し、制御部110に伝達する。制御部110は、平常時のキャパシタンスと伝達されたキャパシタンスとの差を算出し、その差が第2基準範囲を超えると判断される場合、ヒータ130に対して電力が供給されるように、バッテリ120に制御信号を送信することになる。制御部110は、第1基準範囲及び第2基準範囲をあらかじめ保存しているか、あるいは保存装置(memory)から伝達され、ヒータ130に対する電力供給を開始するか否かということを判断することができる。
【数1】
【0115】
数式1は、該キャパシタンスチャネルで測定されるキャパシタンスに係わる数式である。数式1で、Cは、該キャパシタンスチャネルによって測定されるキャパシタンス(算出されたキャパシタンス値)を、ε0は、真空における誘電率(permittivity)である8.85*10-12を、εrは、誘電体の比誘電率(relative permittivity)を、Aは、電極の面積であり、dは、電極間距離をそれぞれ意味する。
【0116】
特に、εrは、該キャパシタンスチャネルと連結された両電極間に位置する物体によって異なる値であり、シガレット挿入空間160にシガレット200が挿入されれば、シガレット挿入空間160に、一般的な磁性体が挿入されるときに比べ、シガレット200にエアロゾル生成物質で含まれる保湿剤や水分のために、該キャパシタンスチャネルに測定されたキャパシタンス変化量が相対的に大きい。
【0117】
エアロゾル生成装置10に該インダクタンスチャネルのみを含め、スマートオン機能を具現すれば、制御部110が、エアロゾル生成装置10のシガレット挿入空間160にシガレット200に挿入された場合を感知し、ヒータ130に電力を供給するが、該インダクタンスチャネルの周波数変化を誘発する磁性体がシガレット挿入空間160に偶然に挿入されるか、あるいはシガレット挿入空間160に挿入されておらずとも、該インダクタンスチャネルの流れる電流の周波数の変化を誘発するほどに隣接することになるとき、スマートオン機能が誤動作する問題点がある。
【0118】
本開示の実施形態によるエアロゾル生成装置10は、該インダクタンスチャネルと該キャパシタンスチャネルとを同時に具備することにより、既存のスマートオン機能の誤動作問題を解消する。具体的には、本開示の実施形態によるエアロゾル生成装置10は、該インダクタンスチャネルによって周波数変化が感知されても、該キャパシタンスチャネルからのキャパシタンス変化量が充足されなければ、エアロゾル生成装置10に適するシガレット200が挿入されていないと見なし、スマートオン機能を活性化しないのである。
【0119】
すなわち、本開示の実施形態によるエアロゾル生成装置10は、防御的なキャパシタンスチャネルを追加して具備することにより、シガレット挿入空間160にシガレット200が挿入されていない状態においては、スマートオン機能が活性化されないので、ユーザが認知することができない状態において、ヒータ130が過熱されて事故が発生されることを根本的に防ぐことができる。
【0120】
一実施形態により、該キャパシタンスチャネルは、該インダクタンスチャネルにより、周波数変化量が、第1基準範囲を超えると判断されていない状態において、キャパシタンスをまず測定し、制御部110に伝達することもできる。また、他の一実施形態として、制御部110は、キャパシタンスの変化量が、第2基準範囲を超えると確認した後、該インダクタンスチャネルの周波数変化量を確認することもできる。
【0121】
図9において、第1チャネル910と第2チャネル930は、受動素子チャネルであり、該インダクタンスチャネル、該キャパシタンスチャネルのうち少なくとも一つにもなる。本開示の実施形態において、該インダクタンスチャネル及び該キャパシタンスチャネルは、シガレット挿入空間160に隣接した形態に少なくとも1以上必要であり、
図9のように、第1チャネル910及び第2チャネル930がある場合、表1のようにも配される。
【表1】
【0122】
表1は、第1チャネル910及び第2チャネル930に配されうる受動素子チャネルの場合の数を示した表である。表1を参照すれば、
図9のように、第1チャネル910及び第2チャネル930に区分されている場合、総7種のうち、1つの場合により、該インダクタンスチャネル及び該キャパシタンスチャネルを配することができるということが分かる。同一チャネルに、該インダクタンスチャネル及び該キャパシタンスチャネルを配する実施形態については、
図11及び
図12で後述する。
【0123】
図10は、
図9で説明したシガレット挿入空間の断面図である。
【0124】
具体的には、
図10は、
図9で説明したヒータ130、シガレット挿入空間160、受動素子チャネルの境界を図式的に説明するための図面であり、シガレット200からエアロゾルが生じてユーザに吸入されるとき、ヒータ130と受動素子チャネルとが結合された構造をエアロゾルが移動する方向の垂直方向に切った断面図を示す。
【0125】
図10の中央に位置する円であり、最も短い直径を有している第1円1010は、シガレット挿入空間160を上から観察したときに示される様子である。
【0126】
第1円1010を取り囲んでいる形態の第1環1030は、
図7ないし
図9で説明したヒータ130の断面を上から観察したときに示される様子である。
【0127】
第1環1030を取り囲んでいる形態の第2環1050は、第1環1030と第3環1070との間の間隔または素材を示す。第2環1050は、ヒータ130が加熱されたとき、加熱されたヒータ130の熱により、受動素子チャネルが損傷を被らないようにするために設けられた空間または素材を示す。第2環1050は、断熱材のように、熱伝導性が非常に低い物質によっても構成される。
【0128】
第3環1070は、第2環1050を取り囲んでいる形態であり、
図9における受動素子チャネルの断面を示す。具体的には、
図9において、第2チャネル930が第1チャネル910の上端に位置しているので、
図10において、第3環1070は、断面高さに沿い、第1チャネル910または第2チャネル930のうち一つにもなる。
【0129】
図11は、受動素子チャネルの配置の一例を図式的に示した図面である。
【0130】
図11は、
図9で説明したヒータ130、シガレット挿入空間160、第1チャネル910及び第2チャネル930の結合体の断面図を示したものであり、具体的には、表1の一例番号7を図式的に示している。説明の便宜のために、シガレット200は、
図6で説明した二重シガレット300のように、2個の媒質部を含み、
図10で説明したヒータ130と受動素子チャネルとの間隔(または、素材)は、省略されていると仮定する。
【0131】
図11は、
図9のように、受動素子チャネルが2層で構成されており、シガレット挿入空間160にシガレット200が挿入されており、ヒータ130は、第1ヒータ131及び第2ヒータ133に分割されている。
【0132】
第1チャネル910は、該インダクタンスチャネルと該キャパシタンスチャネルとによって構成されており、第1ヒータ131と隣接している。第1ヒータ131は、第1チャネル910を構成するインダクタンスチャネルのコイルによって加熱され、シガレット200の第1媒質部291の温度を上昇させることができるサセプタでもある。第1チャネル910を構成するインダクタンスチャネル及びキャパシタンスチャネルの構成比率は、実施形態によっても異なる。
【0133】
第2チャネル930も、該インダクタンスチャネルと該キャパシタンスチャネルとによって構成されており、第2ヒータ133と隣接している。第2ヒータ133は、第2チャネル930を構成するインダクタンスチャネルのコイルによって加熱され、シガレット200の第2媒質部293の温度を上昇させることができるサセプタでもある。第2チャネル930を構成するインダクタンスチャネル及びキャパシタンスチャネルの構成比率は、実施形態によっても異なる。
【0134】
シガレット200のフィルタ部295は、ユーザがエアロゾルを吸入するために、直接接触する部分であり、
図11においては、簡略に表示されているが、冷却領域とフィルタ領域とにも区分される。
【0135】
図11をまとめれば、シガレットが2個の互いに異なる媒質を含み、2つの媒質を互いに異なる温度で加熱するための2個のヒータが存在し、2層の受動素子チャネルが各ヒータを取り囲む形態に配されたものである。第1媒質部291及び第2媒質部293に含まれる媒質が異なるので、制御部110には、各層で測定されるキャパシタンスと比較するための第2基準範囲が細部的に区分されて設定されうる。
【0136】
図12は、
図11で説明したシガレット挿入空間の断面図である。
【0137】
具体的には、
図12は、
図11で説明したヒータ130、シガレット挿入空間160、受動素子チャネルの境界を図式的に説明するための図面であり、シガレット200からエアロゾルが生じてユーザに吸入されるとき、エアロゾルが移動する方向の垂直方向に切った断面図を示す。
【0138】
図12の中央に位置する円であり、最も短い直径を有している第1円1210は、
図11のシガレット挿入空間160を上から観察したときに示される様子である。
【0139】
第1円1210を取り囲んでいる形態の第1環1230は、ヒータ130を上から観察したときに示される様子である。
図12のような断面図において、ヒータ130は、シガレット挿入空間160の外周面を取り囲むように、中空の一定厚を有する環形態であり、断面高さに沿い、第1環1230は、第1ヒータ131または第2ヒータ133のうちいずれか一つにもなる。
【0140】
第1環1230を取り囲んでいる形態の第2環1250は、第1環1230と、例えば、インダクタンス(L)チャネル1271及び1275と、キャパシタンス(C)チャネル1273及び1277と、を含む第3環との間の間隔または素材を示す。第2環1250は、ヒータ130が加熱されたとき、加熱されたヒータ130の熱により、受動素子チャネルが損傷を被らないようにするために設けられた空間または素材を上から観察したときに示される様子である。第2環1250は、断熱材のように、熱伝導性が極めて低い物質によっても構成される。
【0141】
チャネル境界点1270は、後述するインダクタンスチャネル1271,1275とキャパシタンスチャネル1273,1277との境界地点を示す。インダクタンスチャネル1271及び1275とキャパシタンスチャネル1273及び1277は、
図12に図示されたように、4個のチャネル境界地点1270を含むようにも構成される。しかしながら、該インダクタンスチャネル及び該キャパシタンスチャネルの数が増減すれば、共に増減しうる。例えば、
図12と異なり、該インダクタンスチャネル及び該キャパシタンスチャネルが1個ずつあるならば、チャネル境界点1270は、2個が存在しうる。チャネル境界点1270は、
図12に図示されているように、互いに異なる受動素子チャネルを区分するための間隔によっても具現され、一実施形態により、特定の素材の隔壁によっても具現される。
【0142】
図12において、インダクタンスチャネル1271,1275には、スマートオン機能を具現するために、交流電流が流れており、キャパシタンスチャネル1273,1277は、インダクタンスチャネル1271,1275の間ごとに配される。シガレット挿入空間である第1環1210内部に物体が挿入されれば、キャパシタンスチャネル1273,1277で感知されるキャパシタンスが異なり、インダクタンスチャネル1271,1275の電流の周波数変化量と、キャパシタンスチャネル1273,1277のキャパシタンス変化量は、制御部によって収集されてスマートオン機能を実行するのに活用される。
図12に図示されているように、インダクタンスチャネル1271,1275及びキャパシタンスチャネル1273,1277は、チャネル境界点1270を中心に連続しないよういにも配される。
【0143】
図12は、本開示の実施形態において、受動素子チャネルが複数形態具現されうるだけではなく、各層に含まれる受動素子チャネルの種類も多様でもあるということについて説明するための図面であり、エアロゾル生成装置10に具現される受動素子チャネルの数と種類は、
図9ないし
図12で説明した内容だけに限定されるものではないということは、当該分野の当業者に自明であろう。
【0144】
図13は、インダクタンスチャネルで感知する周波数変化をグラフで示した一例である。
【0145】
図13を参照すれば、該インダクタンスチャネルで流れる交流電流は、第1周期1310、第2周期1330及び第3周期1350の間、一定周波数を有しうる。6.2秒で周波数の変化が生じ、また12.4秒から正常周波数に戻るということ確認することができる。本開示の実施形態によるエアロゾル生成装置10の制御部110は、インダクタンスチャネルに流れる交流電流の変化をモニタリングしながら、第1基準範囲を超える周波数変化量が感知されるか否かということ判断する。
図13は、周波数変化について重点的に説明するための図面であり、
図13においては、電流サイズの変化がないと仮定した。
【0146】
本開示の実施形態においては、インダクタンスチャネルにおける周波数変化量だけでもって、ヒータ130に対する電力供給を開始するか否かということを決定せず、
図13のグラフにおいて、6.2秒で第1基準範囲を超える周波数変化が制御部110によって感知されたとしても、それだけで直ちに制御部110により、ヒータ130に対する電力供給が開始されない。
【0147】
図14は、第1周期1410、第2周期1430及び第3周期1450につき、インダクタンスチャネルで感知する周波数変化をグラフで示した他の一例である。
【0148】
図13のインダクタンスチャネルが、正弦波形態の電流において、最大値、最小値に振動することを測定し、制御部110に伝達するならば、
図14のインダクタンスチャネルは、LDC(インダクティブデジタルコンバータ)センサを具備し、交流電流の周波数(角周波数)の変化を即座に判断し、制御部110に伝達する点で区別されうる。
図14の縦軸は、電流値ではなく周波数値(単位は、Hzまたはrad/s)であるので、
図13と比較したとき、
図14は、サイン関数ではなく、階段関数形態のグラフであるということが分かる。一実施形態により、該LDCセンサは、インタラプトでもって、周波数の変化量が、第1基準範囲を超えるか否かということを判断し、判断した結果を制御部110に即座に達することもできる。
【0149】
図15は、キャパシタンスチャネルで感知するキャパシタンス変化をグラフで示した一例である。
【0150】
図15において、6.2秒に始まる第2周期1430区間において、該キャパシタンスチャネルは、キャパシタンス変化を感知し、キャパシタンス変化量△Cを算出したが、制御部110は、測定されたキャパシタンス変化量が、第2基準範囲に及ぶものではないと判断し、ヒータ130に対する電力供給を開始しない。
【0151】
一方、12.4秒に始まる第3周期1450区間においては、該キャパシタンスチャネルは、さらに1回キャパシタンス変化を感知し、制御部110は、測定されたキャパシタンスの変化量△Cが、第2基準範囲を超えると判断し、ヒータ130に対する電力供給を開始することになる。該第2基準範囲は、第1基準範囲と同様に、制御部110にあらかじめ保存されうるということはすでに説明されてあり、包括的な意味を示すために範囲と記載されているが、一実施形態により、定数値でもある。
【0152】
図16は、本開示の実施形態によるエアロゾル生成装置が動作する過程を順次に示すフローチャートである。
【0153】
図16による方法は、
図1ないし
図15で説明した外部加熱式エアロゾル生成装置10によっても具現されるので、すでに説明した内容と重複する説明は、省略する。
【0154】
制御部110は、インダクタンスチャネルに流れる電流の周波数の変化量を感知し(S1610)、周波数の変化量が、第1基準範囲を超えるか否かということを判断する(S1620)。
【0155】
制御部110は、段階S1620において、周波数の変化量が、第1基準範囲を超えるならば、該キャパシタンスチャネルがキャパシタンス変化量を測定するように制御する(S1630)。
【0156】
制御部110は、キャパシタンスチャネルから受信した値を基に、キャパシタンス変化量が、第2基準範囲を超えるか否かということを判断し(S1640)、キャパシタンス変化量が、第2基準範囲を超えるならば、ヒータ130に対する電力供給を開始する(S1650)。
【0157】
本開示の実施形態で説明する特定実行は一実施形態であり、いかなる方法によっても、本開示の実施形態の範囲を限定するものではない。明細書の簡潔さのために、従来の電子的な構成、制御システム、ソフトウェア、前記システムの他の機能的な側面の記載は、省略されてもいる。また、図面に図示された構成要素間の線の連結または連結部材は、機能的な連結、及び/または物理的または回路的な連結を例示的に示したものであり、実際の装置においては、一体可能であったり追加されたりする多様な機能的な連結、物理的な連結または回路連結としても示される。また、「必須な」、「重要に」というような具体的な言及がなければ、本開示の実施形態の適用のために、必ずしも必要な構成要素ではものでもある。
【0158】
本開示の実施形態の明細書(特に、特許請求の範囲)において、「前記」の用語、及びそれと類似した指示用語の使用は、単数及び複数のいずれもに該当するものでもある。また、本開示の実施形態において、範囲(range)を記載した場合、前記範囲に属する個別的な値を適用した発明を含むものであり(それに反する記載がなければ)、発明の詳細な説明に、前記範囲を構成する各個別的な値を記載した通りである。最後に、本開示の実施形態による方法を構成する段階に付き、明白に順序を記載するか、あるいはそれと反対にする記載がなければ、前記段階は、適切な順序ででもって実行される。必ずしも前記段階の記載順序により、本開示の実施形態が限定されるものではない。本開示の実施形態において、全ての例または例示的な用語(例:など)の使用は、単に本開示の実施形態について詳細に説明するためのものであり、特許請求の範囲によって限定されない以上、前述の例、または例示的な用語により、本開示の実施形態の範囲が限定されるものではない。また、当業者であるならば、多様な修正、組み合わせ及び変更が、付加された特許請求の範囲内、またはその均等物の範疇内において、設計条件及びファクタによって構成されうるということを理解することができるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0159】
本開示の一実施形態は、次世代電子タバコ装置を作製するところにも利用される。