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特許7482248電池セルおよびこれを適用した電気化学装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】電池セルおよびこれを適用した電気化学装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/04 20060101AFI20240502BHJP
   H01M 50/586 20210101ALI20240502BHJP
   H01M 50/595 20210101ALI20240502BHJP
   H01G 11/26 20130101ALI20240502BHJP
   H01M 50/571 20210101ALN20240502BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M50/586
H01M50/595
H01G11/26
H01M50/571
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022557201
(86)(22)【出願日】2020-03-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-02
(86)【国際出願番号】 CN2020082256
(87)【国際公開番号】W WO2021195909
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】513054978
【氏名又は名称】寧徳新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Ningde Amperex Technology Limited
【住所又は居所原語表記】No.1 Xingang Road, Zhangwan Town, Jiaocheng District, Ningde City, Fujian Province, 352100, People’s Republic of China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】徐 炎
(72)【発明者】
【氏名】李 瑞
(72)【発明者】
【氏名】連 旭宸
(72)【発明者】
【氏名】江 行国
【審査官】佐溝 茂良
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-209415(JP,A)
【文献】特開2020-030899(JP,A)
【文献】特表2018-526798(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/00-10/39
H01M 50/50-50/598
H01G 11/00-11/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に順に積層して設けられた第1電極シート、分離膜、第2電極シートを備える電池セルであって、
前記電池セルは、前記第1方向に沿って設けられ、お互いに隣接する第1側面および第2側面をさらに備え、
前記第1側面および前記第2側面の間は、前記第1接続領域により接続されており、
前記電池セルは、粘着フィルムをさらに備え、
前記第1電極シートおよび前記第2電極シートは、それぞれ、前記第1側面に対応する第1辺と、前記第2側面に対応する第2辺と、前記第1接続領域に対応する第1連結部とを有し、
各前記第1連結部は、前記第1接続領域が対応する面取り領域または角丸領域を形成するように面取りまたは角丸を含み、
前記粘着フィルムは、前記面取り領域または前記角丸領域に設けられて、前記第1電極シート、前記分離膜および前記第2電極シートを接着することを特徴とする電池セル。
【請求項2】
各前記第1連結部は、前記面取りと、前記面取りに接続された第1角丸と、を含み、
前記面取りの前記第1角丸から離れる一端は、前記第1辺と接続され、
前記第1角丸の前記面取りから離れる一端は、前記第2辺と接続されていることを特徴とする請求項に記載の電池セル。
【請求項3】
前記第1連結部は、前記面取りが前記第1角丸から離れる一端と、前記第1辺と、を接続する第2角丸をさらに含むことを特徴とする請求項に記載の電池セル。
【請求項4】
前記第1角丸の寸法と前記第2角丸の寸法は同じであっても異なっていてもよいことを特徴とする請求項に記載の電池セル。
【請求項5】
前記電池セルは、前記第1方向に沿って設けられ、お互いに隣接する第3側面と第4側面をさらに備え、
前記第3側面と前記第4側面の間は、第2接続領域により接続され、
前記第1電極シートおよび前記第2電極シートは、それぞれ、前記第3側面に対応する第3辺と、前記第4側面に対応する第4辺と、前記第2接続領域に対応する第2連結部とを有し、
各前記第2連結部は、面取りまたは角丸を含み、
前記粘着フィルムは、前記第2接続領域に対応する前記第2連結部に形成された面取り領域または角丸領域に設けられて、前記第1電極シート、前記分離膜および前記第2電極シートを接着することを特徴とする請求項に記載の電池セル。
【請求項6】
前記第1接続領域の接線方向と直交する第2方向において、前記粘着フィルムの最も厚い箇所の厚さは、20~100ミクロンメートルであることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の電池セル。
【請求項7】
前記粘着フィルムは、前記第1接続領域から前記第1側面又は前記第2側面まで延在して、前記第1接続領域から前記第1側面又は前記第2側面まで延在する幅が5mm以下であることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の電池セル。
【請求項8】
前記電池セルは、前記第1方向に垂直で、かつ、互いに背向する第1面と第2面をさらに有し、
前記粘着フィルムは、前記第1接続領域から、第1面又は第2面まで延在し、前記第1接続領域から前記第1面又は前記第2面まで延在する幅が2mm以下であることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の電池セル。
【請求項9】
前記粘着フィルムは、常温~75℃の温度で粘着性を有していることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の電池セル。
【請求項10】
ケースを有する電気化学装置あって、前記ケース内に請求項1~のいずれか1項に記載の電池セルを有する電気化学装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池分野に関し、特に、電池セルおよびこれを適用した電気化学装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電池は、その高エネルギー密度、高動作電圧、長サイクル寿命、環境安全等の利点から、従来から様々な電子製品に多く適用されてきた。したがって、電池の安全性の要求がますます高まっている。一方、隣接する両辺間の接続箇所は尖っているため、外力が作用した際に電池セルを封止する封止フィルム(アルミプラスチックフィルム)が破壊されやすく、電池の腐食が発生し、電池の安全性に影響する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記事情に鑑み、安全性の向上に有利な電池セルの提供が求められている。
【0004】
また、上記電池セルを適用した電気化学装置の提供も必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願による電池セルは、第1方向に順に積層して設けられた第1電極シート、分離膜、第2電極シートを備え、前記電池セルは、前記第1方向に沿って設けられ、お互いに隣接する第1側面および第2側面をさらに備え、前記第1側面および前記第2側面の間は、前記第1接続領域により接続されており、前記電池セルは、粘着フィルムをさらに備え、前記粘着フィルムは、前記第1接続領域に設けられ、前記第1方向に積層して設けられた前記第1電極シート、前記分離膜および前記第2電極シートを接着する。
【0006】
本出願の一態様として、前記粘着フィルムは粘着剤層または粘着テープである。
【0007】
本出願の一態様として、前記第1電極シートおよび前記第2電極シートは、それぞれ、前記第1側面に対応する第1辺と、前記第2側面に対応する第2辺と、前記第1接続領域に対応する第1連結部とを有し、各第1連結部は、前記第1接続領域が対応する面取り領域または角丸領域を形成するように面取りまたは角丸を含み、前記粘着フィルムは、前記面取り領域または角丸領域に設けられて、前記第1電極シート、前記分離膜および前記第2電極シートを接着する。
【0008】
本出願の一態様として、各第1連結部は、面取りと、前記面取りに接続された第1角丸と、を含み、前記面取りの前記第1角丸から離れる一端は、前記第1辺と接続され、前記第1角丸の前記面取りから離れる一端は、第2辺と接続されている。
【0009】
本出願の一態様として、前記第1連結部は、前記面取りが前記第1角丸から離れる一端と、前記第1辺と、を接続する第2角丸をさらに含む。
【0010】
本出願の一態様として、前記第1角丸の寸法と前記第2角丸の寸法は同じであっても異なっていてもよい。
【0011】
本出願の一態様として、前記電池セルは、第1方向に沿って設けられ、お互いに隣接する第3側面と第4側面をさらに備え、前記第3側面と前記第4側面の間は、第2接続領域により接続され、前記第1電極シートおよび前記第2電極シートは、それぞれ、前記第3側面に対応する第3辺と、前記第4側面に対応する第4辺と、前記第2接続領域に対応する第2連結部とを有し、各第2連結部は、面取りまたは角丸を含み、前記粘着フィルムは、前記第2接続領域に対応する第2連結部に形成された面取り領域または角丸領域に設けられて、前記第1電極シート、前記分離膜および前記第2電極シートを接着する。
【0012】
本出願の一態様として、前記第1接続領域の接線方向と直交する第2方向において、前記粘着フィルムの最も厚い箇所の厚さは、20~100ミクロンである。
【0013】
本出願の一態様として、前記粘着フィルムは、前記第1接続領域から前記第1側面又は前記第2側面まで延在して、前記第1接続領域から前記第1側面又は前記第2側面まで延在する幅が5mm以下である。
【0014】
本出願の一態様として、前記電池セルは、前記第1方向に垂直で、かつ、互いに背向する第1面と第2面をさらに有し、前記粘着フィルムは、前記第1接続領域から、第1面又は第2面まで延在し、前記第1接続領域から前記第1面又は前記第2面まで延在する幅が2mm以下である。
【0015】
本出願の一態様として、前記粘着フィルムは、常温~75℃の温度で粘着性を有している。
【0016】
本出願の電気化学装置は、ケース、前記ケース内に設置された上記電池セルを備える。
【発明の効果】
【0017】
本出願の電池セルおよびこれを適用した電気化学装置は、電池セルの2つの隣接する側面の連結部に粘着フィルムを設けて前記第1電極シート、前記分離膜及び前記第2電極シートを接着することにより、電池セルを封止する封止フィルムに対する電池セルの衝撃を効果的に低減することができ、さらに封止フィルムの破損リスクを低減することができるとともに、電池セルの構造の安定性を向上させることができ、さらに、後続の使用中に封止膜が折れることを回避することができ、電池セルの短絡のリスクを低減し、ひいては電池セルの安全性を高める。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本願の一実施例に係る電池セルの構造模式図である。
図2】本願の一実施例に係る電池セルの構造模式図である。
図3】本願の一実施例に係る電池セルの部分模式図である。
図4】本願の一実施例に係る電池セルの部分拡大模式図である。
図5】本願の一実施例に係る電池セルの部分拡大模式図である。
図6】本願の一実施例に係る電池セルの構造模式図である。
図7】本願の一実施例に係る電池セルの構造模式図である。
図8】本願の一実施例に係る電池セルの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態をさらに説明する。
【0020】
本出願の実施例における技術的解決手段は、本出願の実施例における図面を参照して以下に明確かつ完全に説明される。なお、記載された各実施例は、本出願の実施形態の一部に過ぎず、すべての実施例ではないことは明らかである。創造的な努力なしに本出願の実施形態に基づいて当業者によって得られる他のすべての実施形態は、本出願の範囲内である。
【0021】
本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、特に定義されない限り、本出願が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本願の明細書で使用される用語は、具体的な実施形態を説明するためのものだけであり、本願を限定するものではない。
【0022】
以下、上記の図面を参考して本出願のいくつかの実施形態について詳細に説明する。下記の実施形態および実施形態の特徴は、お互いに矛盾しない場合、組み合わせることができることに留意されたい。
【0023】
図1図3を参照して、本願の一実施例によれば、電池セル100は、第1方向に順に積層して設けられる第1電極シート10、分離膜30、第2電極シート50を備える。電池セル100は、第1方向に沿って設けられ、お互いに隣接する第1側面101および第2側面102をさらに備え、第1側面101および第2側面102の間は、第1接続領域101aにより接続されている。電池セル100は、粘着フィルム60をさらに備え、粘着フィルム60は、第1接続領域101aに設けられ、第1方向に積層して設けられた第1電極シート10、分離膜30および第2電極シート50を接着することで、外力が作用した際に電池セルを封止する封止フィルムに対する電池セル100の衝撃を低減して、封止フィルムの破損リスクを低減すると共に、電池セルの構造の安定性を向上でき、後の使用中の分離膜が折れてしまうことを回避して電池セルの短絡リスクを低減する。また、封止フィルムが電池セルを包装する際に、前記接続領域が余剰空間を形成し易いことに対応して、粘着フィルム60は、接続領域に設けるため、前記余剰空間を有効に活用でき、ひいては、後に前記接続領域において電池セルの封止構造が潰れやすくなることを改善すると共に、電池セルが広く貼り付けられて電解液の浸潤に影響を与えるリスクも低減する。
【0024】
前記粘着フィルム60は粘着剤層であっても粘着テープであってもよい。前記粘着テープは、基材層と、基材層の上に設けられた粘着層とを備え、例えば、片面テープやグリーンテープ等であってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0025】
好ましくは、前記第1接続領域101aの接線方向と直交する第2方向において、前記粘着フィルム60の最も厚い箇所の厚さは、20~100ミクロンメートルである。
【0026】
第1電極シート10は、第1辺11、第2辺12、および第1連結部11aとを有しており、第1辺11は第2辺12に隣接して設けられ、第1連結部11aは、第1辺11と第2辺12とを接続する。
【0027】
第2電極シート50は、第1辺51、第2辺52、および第1連結部51aとを有しており、第1辺51は第2辺52に隣接して設けられ、第1連結部51aは、第1辺51と第2辺52とを接続する。
【0028】
前記第1電極シート10と前記分離膜30と前記第2電極シート50とが前記第1方向に積層されたとき、前記第1辺11および51と、前記第1辺11と51の間に介在する分離膜30とが共通して前記第1側面101を形成し、前記第2の辺12および52と、前記第1辺11と51の間に介在する分離膜30とが共通して前記第2側面102を形成し、前記第1連結部11aおよび51aと、前記第1連結部11aと51aの間に介在する分離膜30とが共通して前記第1接続領域101aを形成する。前記粘着フィルム60は、前記第1連結部11a、51aおよび前記第1連結部11aと51aの間に介在する分離膜30を接着する。
【0029】
第1連結部11a、51aは、直角、面取り、角丸であってもよい。好ましくは、第1連結部11a、51aが面取りや角丸を含むことで、封止フィルムにより電池セルが封止された後に封止フィルムの破損リスクをより低減しつつ、面取りや角丸に対応して粘着フィルム60を設けることが電池セルのエネルギー密度を高める上で有利である。本実施形態において、第1連結部11a、51aは、角丸である。
【0030】
いくつかの実施例において、図4を参照して、第1連結部11aは、面取り111と、面取り111に連なる第1角丸113と、を含み、第1連結部51aは、面取り511と、面取り511に連なる第1角丸513と、を含んでもよい。そこで、前記面取り111が前記第1角丸113から離れる一端は前記第1辺11に接続され、前記第1角丸113が前記面取り111から離れる一端は前記第2辺12に接続され、前記面取り511が前記第1角丸513から離れる一端は前記第1辺51に接続され、前記第1角丸513が前記面取り511から離れる一端は前記第2辺52に接続される。
【0031】
幾つかの実施例では、図5を参照して、第1連結部11aおよび51aは、それぞれさらに第2角丸115および515を有してもよい。そこで、前記第2角丸115は、前記面取り111が前記第1角丸113から離れる一端と前記第1辺11とを接続し、前記第2角丸515は、前記面取り511が前記第1角丸513から離れる一端と前記第1辺51とを接続している。
【0032】
前記第2角丸115の寸法と前記第1角丸113の寸法は同じであっても異なっていてもよく、前記第2角丸515の寸法と前記第1角丸513の寸法は同じであっても異なっていてもよい。
【0033】
いくつかの実施例において、図6を参照すれば、前記粘着フィルム60は、前記第1接続領域101aから前記第1側面101又は/及び前記第2側面102まで延在してもよく、粘着フィルム60の接着の堅牢性を高め、ひいては、電池の安全性を高める上で有利となる。好ましくは、前記粘着フィルム60は、前記第1接続領域101aから前記第1側面101又は第2側面102まで延在する幅が5mm以下である。
【0034】
好ましくは、上記粘着フィルム60は、常温~75℃の温度で粘着性を有している。
【0035】
電池セル100は、第1方向に沿って設けられ、お互いに隣接する第3側面103と第4側面104をさらに備え、第3側面103と第4側面104の間は、第2接続領域103aにより接続されている。前記粘着フィルム60は、前記第2接続領域103aに設けられ、前記第1方向に積層して設けられた第1電極シート10、分離膜30および第2電極シート50を接着することによって、電池セルを封止する封止フィルムに対する電池セルの衝撃を低減して、電池セルの構造の安定性を向上でき、電池セルの短絡リスクを低減すると共に、電池セルの安全性を向上できる。
【0036】
第1電極シート10は、第3辺13、第4辺14、および第2連結部13aをさらに備え、第3辺13は、第4辺14に隣接して設けられ、第2連結部13aは、第3辺13と第4辺14とを連結する。
【0037】
第2電極シート50は、第3辺53、第4辺54、および第2連結部53aをさらに備え、第3辺53は、第4辺54に隣接して設けられ、第2連結部53aは、第3辺53と第4辺54とを連結する。
【0038】
前記第1電極シート10と前記分離膜30と前記第2電極シート50とが前記第1方向に積層された際に、前記第3辺13及び53と、前記第3辺13と53の間に介在する分離膜30とが共通して前記第3側面103を形成し、前記第4辺14及び54と、前記第4辺14と54の間に介在する分離膜30とが共通して前記第4側面104を形成し、前記第2連結部13a及び53aと、前記第2連結部13aと53aの間に介在する分離膜30とが共通して前記第2接続領域103aを形成する。前記第2接続領域103aに設けられた粘着フィルム60は、前記第2連結部13a、53aと、前記第2連結部13aと53aの間に介在する分離膜30とを接着する。
【0039】
第2連結部13aや53aは、それぞれ直角、面取り、または角丸を備えてもよい。好ましくは、第2連結部13a、53aは、いずれも面取り又は角丸を備えている。本実施例においては、前記第2連結部13a、53aはいずれも、角丸である。
【0040】
いくつかの実施例において、前記第2連結部13a、53aは、第1連結部11a又は51aと同様に、面取りと角丸の組み合わせを含んでいてもよい。前記第2連結部13a、53aと前記第1連結部11a、51aの形状や寸法は同じであっても異なっていてもよい。
【0041】
いくつかの実施例において、粘着フィルム60は、第2接続領域103aから第3側面103又は/及び第4側面104上にまで延在してもよい。好ましくは、前記粘着フィルム60は、前記第2接続領域103aから前記第3側面103又は第4側面104まで延在する幅が5mm以下である。
【0042】
本出願は、主にL型の電池セルを例として、図2に示すように、第5側面105と、第6側面106と、第7側面107と、をさらに備え、前記第1側面101、前記第2側面102、前記第3側面103、前記第4側面104、前記第5側面105、前記第6側面106及び前記第7側面107がこの順に隣設されてL字型に囲まれ、前記第6側面106は、内凹みとなる円弧面がL字型電池セルの内側のコーナーとされる。前記第2側面102と前記第3側面103との間、前記第4側面104と前記第5側面105との間、前記第5側面105と前記第6側面106との間、前記第6側面106と前記第7側面107との間、及び前記第7側面107と前記第1側面101との間は、それぞれ接続領域(図示せず)を介して繋がっている。
【0043】
前記粘着フィルム60は、前記接続領域に設けられることにより、前記第1電極シート10と前記分離膜30と第2電極シート50とを接着するようにしてもよい。
【0044】
好ましくは、前記第1電極シート10のエッジおよび前記第2電極シート50のエッジは、接続領域毎に面取り、角丸あるいは両者の組み合わせを含み得る。
【0045】
電池セル100は、第1方向に垂直で、かつ、互いに背向する第1面100Aと第2面100Bをさらに有し、図7を参照すると、粘着フィルム60は、第1接続領域101a、第2接続領域103a又は/及びその他の接続領域から、第1面100A又は/及び第2面100Bに延在することができるので、粘着フィルム60の固着の堅牢性をさらに向上させ、電池の安全性をさらに向上させることができる。ここで、第1接続領域101a、第2接続領域103a又は他の接続領域から、第1面100A又は第2面100Bまで延在するフィルム60の幅は、2mm以下であることが好ましい。
【0046】
本出願は、主にL字型の電池セルを例示したが、本出願における電芯の設計案は、L電池セル型の電芯のみに限定されるものではなく、他の形状のもの、例えば矩形状のもの(図8に示すもの)、多角形状のもの等であってもよい。
【0047】
上述した電池セル100は、電気化学装置(図示せず)に適用されると、電気化学装置は、電池であってもよいが、電池に限定されない。
【0048】
本出願の電池セルおよびこれを適用した電気化学装置は、電池セルの2つの隣接する側面の連結部に粘着フィルムを設けて前記第1電極シート、前記分離膜及び前記第2電極シートを接着することにより、電池セルを封止する封止フィルムに対する電池セルの衝撃を効果的に低減することができ、さらに封止フィルムの破損リスクを低減することができるとともに、電池セルの構造の安定性を向上させることができ、さらに、後続の使用中に封止膜が折れることを回避することができ、電池セルの短絡のリスクを低減し、ひいては電池セルの安全性を高める。
【0049】
また、当業者にとって、本出願の技術構想に基づいてなされた他の様々な変更及び変形を加えることが可能であり、それらすべての変更及び変形は、本願の保護範囲に属するべきである。
【符号の説明】
【0050】
100 電池セル
10 第1電極シート
30 分離膜
50 第2電極シート
101 第1側面
102 第2側面
101a 第1接続領域
60 粘着フィルム
11、51 第1辺
12、52 第2辺
11a、51a 第1連結部
111、511 面取り
113、513 第1角丸
115、515 第2角丸
103 第3側面
104 第4側面
103a 第2接続領域
13、53 第3辺
14、54 第4辺
13a、53a 第2連結部
105 第5側面
106 第6側面
107 第7側面
100A 第1面
100B 第2面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8