(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】1’-シアノ置換カルバヌクレオシド類似体の吸入製剤
(51)【国際特許分類】
A61K 31/675 20060101AFI20240502BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20240502BHJP
A61K 9/10 20060101ALI20240502BHJP
A61K 9/19 20060101ALI20240502BHJP
A61K 9/72 20060101ALI20240502BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20240502BHJP
A61K 47/40 20060101ALI20240502BHJP
A61P 31/12 20060101ALI20240502BHJP
A61P 31/14 20060101ALI20240502BHJP
A61P 31/16 20060101ALI20240502BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240502BHJP
【FI】
A61K31/675
A61K9/08
A61K9/10
A61K9/19
A61K9/72
A61K47/02
A61K47/40
A61P31/12
A61P31/14
A61P31/16
A61P43/00 121
(21)【出願番号】P 2022560398
(86)(22)【出願日】2021-04-05
(86)【国際出願番号】 US2021025719
(87)【国際公開番号】W WO2021207049
(87)【国際公開日】2021-10-14
【審査請求日】2022-10-03
(32)【優先日】2020-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500029420
【氏名又は名称】ギリアード サイエンシーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】エリス, スコット アール.
(72)【発明者】
【氏名】ラウティオラ, デイヴィン エス.
(72)【発明者】
【氏名】シーゲル, ダスティン エス.
(72)【発明者】
【氏名】トーテヴァ, マリア エム.
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンダースティーン, アデル エー.
【審査官】新留 素子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/184668(WO,A1)
【文献】特表2013-535453(JP,A)
【文献】特表2017-534614(JP,A)
【文献】"Summary on compassionate use; Remdesivir Gilead",European Medicines Agency,2020年04月03日,EMA/178637/2020
【文献】Cell Research,2020年02月04日,Vol.30,pp.269-271
【文献】Sci. Transl. Med.,2017年,Vol.9,eaal3653
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウイルス感染症の治療を、それを必要とするヒトにおいて行うための医薬製剤であって、
i.式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物:
【化18】
又はその薬学的に許容される塩、
ii.水、及び
iii.シクロデキストリン
を含み、
ここで、前記医薬製剤が吸入によ
って投与
される、医薬製剤。
【請求項2】
i.式Iaの化合物:
【化19】
又はその薬学的に許容される塩、
ii.水、及び
iii.シクロデキストリン
を含む、請求項
1に記載の医薬製剤。
【請求項3】
前記医薬製剤が、前記ヒトに少なくとも1つの追加の治療薬と組み合わせて投与されることを特徴とする、請求項
1又は
2に記載の医薬製剤。
【請求項4】
前記ウイルス感染症が、コロナウイルス感染症である、請求項
1~
3のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項5】
前記ウイルス感染症が、SARS-CoV-2感染症(COVID-19)である、請求項
1~
4のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項6】
前記ウイルス感染症が、SARSウイルス感染症である、請求項
1~
4のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項7】
前記ウイルス感染症が、MERSウイルス感染症である、請求項
1~
4のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項8】
前記ウイルス感染症が、pneumoviridaeウイルス感染症である、請求項
1~
3のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項9】
前記pneumoviridaeウイルス感染症が、呼吸器合胞体ウイルス感染症である、請求項
8に記載の医薬製剤。
【請求項10】
前記ウイルス感染症が、picornaviridaeウイルス感染症である、請求項
1~
3のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項11】
前記ウイルス感染症が、flaviviridaeウイルス感染症である、請求項
1~
3のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項12】
前記ウイルス感染症が、filoviridaeウイルス感染症である、請求項
1~
3のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項13】
前記ウイルス感染症が、オルソミクソウイルス感染症である、請求項
1~
3のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項14】
前記ウイルス感染症が、インフルエンザウイルス感染症であるである、請求項
13に記載の医薬製剤。
【請求項15】
前記ウイルス感染症が、paramyxoviridaeウイルス感染症である、請求項
1~
3のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年4月6日に出願された米国仮特許出願第63/005,724号、2020年5月8日に出願された米国仮特許出願第63/022,290号、2020年6月2日に出願された米国仮特許出願第63/033,679号、及び2021年3月12日に出願された米国仮特許出願第63/160,622号の優先権の利益を主張するものである。これらの出願の全内容は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
例えば、Arenaviridae、Coronaviridae、Filoviridae、Flaviviridae、Orthomyxoviridae、Pneumoviridae、又はParamyxoviridaeウイルス感染症などのウイルス感染症の治療に好適である吸入可能な医薬製剤が提供される。特に、本明細書に記載の式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩、及び水性ビヒクルを含む吸入製剤が本明細書で提供される。
【背景技術】
【0003】
いくつかのArenaviridae、Coronaviridae、Filoviridae、Flaviviridae、Orthomyxovirus、Pneumoviridae、及びParamyxoviridaeウイルス感染症を予防又は治療することは、これらのファミリー由来のウイルスによって引き起こされる感染症を予防又は管理するためのワクチン又は曝露後の治療モダリティの欠如による課題を提示する。いくつかの場合では、患者は、電解質及び体液平衡、酸素、血圧維持、又は二次感染の治療などの支持療法を受けるだけである。
本明細書で式Iaの化合物と称する化合物(S)-2-エチルブチル2-(((S)-(((2R,3S,4R,5R)-5-(4-アミノピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7)-イル)-5-シアノ-3,4-ジヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエートは、Arenaviridae、Coronaviridae、Filoviridae、Paramyxoviridae、及びFlaviviridaeウイルスを含むいくつかのウイルス科に対して抗ウイルス特性を示すことが既知である(例えば、Warren,T.et al.,Nature(2016)531:381-385、Lo MK,et al.Sci.Reports 2017;7:43395、Sheahan TP,et al.Sci.Transl.Med.2017;9:eaal3653、Agostini ML,et al.MBio 2018;9(2):e00221-18;Cell Research(2020)30:269-271、及び国際公開第2017/184668号を参照されたい)。式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩を含む吸入可能な医薬組成物を開発する必要がある。そのような医薬製剤は、特に呼吸器感染症の治療に有用であり得る。
罹患した呼吸器に治療薬を直接送達することは、いくつかの利点を有する。呼吸器への送達を標的化することにより、薬物は、薬物分子が希釈、代謝、分配、及び排泄に供される全身循環に最初に入ることなく、標的組織に到達する。全身濃度を、有害な副作用を引き起こす可能性が高い濃度未満に維持しながら、高い局所濃度の薬物を肺に到達させることができる。吸入療法はまた、血流に送達され、最終的には所望の作用部位に送達される薬物に使用され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【非特許文献】
【0005】
【文献】Warren,T.et al.,Nature(2016)531:381-385
【文献】Lo MK,et al.Sci.Reports 2017;7:43395
【文献】Sheahan TP,et al.Sci.Transl.Med.2017;9:eaal3653
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
i.式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物:
【化1】
又はその薬学的に許容される塩、及び
ii.水性ビヒクル
を含み、吸入による投与に好適である、医薬製剤が本明細書で提供される。
【0007】
いくつかの実施形態では、本開示は、
i.式Iの化合物:
【化2】
又はその薬学的に許容される塩、及び
ii.水性ビヒクル
を含み、吸入による投与に好適である、医薬製剤が本明細書で提供される。
【0008】
いくつかの実施形態では、本開示は、
i.式Iaの化合物:
【化3】
又はその薬学的に許容される塩、及び
ii.水性ビヒクル
を含み、吸入による投与に好適である、医薬製剤が本明細書で提供される。
【0009】
いくつかの実施形態では、本開示は、
i.式Ibの化合物:
【化4】
又はその薬学的に許容される塩、及び
ii. 水性ビヒクル、
を含み、吸入による投与に好適である、医薬製剤が本明細書で提供される。
【0010】
ウイルス感染症の治療又は予防を、それを必要とするヒトにおいて行う方法であって、本開示の医薬製剤をヒトに投与することを含み、投与が吸入によるものである、方法が本明細書で提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の例示的な医薬製剤の懸濁安定性を示す。
【0012】
【
図2】本開示の例示的な医薬製剤の懸濁液安定性に対する粒径の影響を示す。
【0013】
【
図3】15mg/mLの式Iaの化合物、PBS、及び0.1%HPMCを含む、粉砕前の例示的な医薬製剤の顕微鏡画像を示す。
【0014】
【
図4】15mg/mLの式Iaの化合物、PBS、及び0.1%HPMCを含む、粉砕後の例示的な医薬製剤の顕微鏡画像を示す。
【0015】
【
図5】15mg/mLの式Iaの化合物、150mMのNaCl、0.1%HPMC、及び0.5%のポロキサマー237を含む、粉砕後の例示的な医薬製剤の顕微鏡画像を示す。
【0016】
【
図6】15mg/mLの式Iaの化合物、150mMのNaCl、及び0.5%のポロキサマー237を含む、粉砕後の例示的な医薬製剤の顕微鏡画像を示す。
【0017】
【
図7】2つの例示的な製剤についてのカニクイザルモデルにおける式Iaの10mg/Kg静脈内投与後の血漿濃度-時間プロファイルを示す。
【0018】
【
図8】アフリカミドリザルに式Iaの0.168mg/kgの吸入沈着量を投薬した後の血漿中の式Ia及びその代謝物の濃度-時間プロファイル(平均±標準偏差、n=4)。
【0019】
【
図9】アフリカミドリザルに式Iaの0.536mg/kgの吸入沈着量を投薬後の血漿中の式Ia及びその代謝物の濃度-時間プロファイルを示す(平均±標準偏差、n=4)。
【0020】
【
図10】アフリカミドリザルに式Iaの0.168又は0.536mg/kgの吸入沈着量を投薬した後のPBMCにおける化合物Eの濃度-時間プロファイルを示す(平均±標準偏差、n=4)。
【0021】
【
図11】アフリカミドリザルに式Iaの0.168又は0.536mg/kgの吸入沈着量を投薬した後24時間での鼻及び鼻咽頭粘膜におけるATPに対する化合物EのLC-MS/MSピーク面積比を示す(平均±標準偏差、n=4)。
【0022】
【
図12】アフリカミドリザルに式Iaの0.168mg/kgの吸入沈着量を投薬した後24時間での呼吸組織における化合物C、D、及びEの濃度を示す(平均±標準偏差、n=4)。
【0023】
【
図13】アフリカミドリザルに式Iaの0.536mg/kgの吸入沈着量を投薬した後24時間での呼吸組織中の化合物C、D、及びEの濃度を示す(平均±標準偏差、n=4)。
【0024】
【
図14】アフリカミドリザルに式Iaの0.168又は0.536mg/kgの吸入沈着量を投薬した後24時間での肝臓及び腎臓における全リン酸化代謝産物の濃度を示す(平均±標準偏差、n=4)。
【0025】
【
図15】吸入投与後のアフリカミドリザルにおける2つの例示的なシクロデキストリン製剤(低シクロデキストリン製剤:75mg/mLシクロデキストリン及び高シクロデキストリン製剤:150mg/mL)の血漿PKプロファイルを示す。見られるように、2つの製剤の全身曝露は同等である。
【0026】
【
図16】吸入投与後のアフリカミドリザルにおける2つの例示的なシクロデキストリン製剤(低シクロデキストリン製剤:75mg/mLシクロデキストリン及び高シクロデキストリン製剤:150mg/mL)のPBMC三リン酸塩レベルを示す。見られるように、2つの製剤の血漿PKプロファイルは同等である。
【0027】
【
図17】吸入投与後のアフリカミドリザルにおける2つの例示的なシクロデキストリン製剤(低シクロデキストリン製剤:75mg/mLシクロデキストリン及び高シクロデキストリン製剤:150mg/mL)の化合物C、D、及びEの呼吸組織レベルを示す。見られるように、組織レベルは、2つの製剤間で同様であった。
【0028】
【
図18】アフリカミドリザルに2つの例示的なシクロデキストリン製剤(低シクロデキストリン製剤:75mg/mLシクロデキストリン及び高シクロデキストリン製剤:150mg/mL)を吸入投与した後24時間での肝臓及び腎臓における総ヌクレオチドレベルを示す。見られるように、ヌクレオチドレベルは、2つの製剤で同等であった。吸入経路はまた、IV投薬と比較して、より低い肝臓及び腎臓の濃度をもたらした。
【0029】
【
図19】吸入投与後のアフリカミドリザルにおける2つの例示的なシクロデキストリン製剤(低シクロデキストリン製剤:75mg/mLシクロデキストリン及び高シクロデキストリン製剤:150mg/mL)の粘膜化合物E/ATP比を示す。化合物Eは低シクロデキストリン群の粘膜試料で検出されたが、TP/ATP比は、おそらく試料中の血中汚染に起因して低かった。
【0030】
【
図20】吸入投与後のアフリカミドリザルにおける2つの例示的な製剤(シクロデキストリン溶液製剤及び0.1%HPMC懸濁製剤)の血漿PKプロファイルを示す。見られるように、懸濁液及び懸濁製剤は同様のAUCを示したが、懸濁製剤は、溶液製剤と比較して式Ia及び化合物Bの化合物への長期曝露を示した。
【0031】
【
図21】吸入投与後のアフリカミドリザルにおける2つの例示的なシクロデキストリン製剤(75mg/mLシクロデキストリン溶液製剤及び0.1%HPMC懸濁液製剤)のPBMC三リン酸塩レベルを示す。見られるように、2つの製剤は、同様のPBMC三リン酸塩レベルを示した。
【0032】
【
図22】吸入投与後のアフリカミドリザルにおける2つの例示的なシクロデキストリン製剤(75mg/mLシクロデキストリン溶液製剤及び0.1%HPMC懸濁液製剤)についての化合物C、D、及びEの呼吸組織代謝物レベルを示す。組織試料を投与後24時間で収集した。見られるように、肺でのレベルは同様であったが、他の組織でのレベルは懸濁液製剤で幾分低かった。
【0033】
【
図23】アフリカミドリザルに2つの例示的製剤(75mg/mLシクロデキストリン溶液製剤及び0.1%HPMC懸濁製剤)を吸入投与した後24時間での肝臓及び腎臓における総ヌクレオチドレベルを示す。見られるように、ヌクレオチドレベルは2つの製剤で同等であった。吸入経路はまた、IV投薬と比較して、低い肝臓及び腎臓の濃度をもたらした。
【0034】
【
図24】吸入投与後のアフリカミドリザルにおける2つの例示的な製剤(75mg/mLシクロデキストリン溶液製剤及び0.1%HPMC懸濁液製剤)の粘膜化合物E/ATP比を示す。三リン酸塩(化合物E)は両方の群で検出されたが、TP/ATP比は懸濁液製剤では低い。粘膜試料に示された血液汚染は、生体分析に影響を及ぼす。
【発明を実施するための形態】
【0035】
I. 概論
本発明は、式I、式Ia、又は式Ibの化合物、及び水性ビヒクルを含み、吸入による投与のためのものである、医薬製剤を含む。
II. 定義
【0036】
「式Iの化合物」は、以下の化合物を指す。
【化5】
【0037】
式Iの化合物は、国際公開第2012/012776号に開示されている。式Iの化合物のIUPAC名は、2-エチルブチル((((2R,3S,4R,5R)-5-(4-アミノピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル)-5-シアノ-3,4-ジヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)-L-アラニナートである。
【0038】
「式Iaの化合物」は、以下の化合物を指す。
【化6】
【0039】
式Iaの化合物は、国際公開第2016/069826に開示されている。式Iaの化合物のIUPAC名は、(S)-2-エチルブチル2-(((S)-(((2R,3S,4R,5R)-5-(4-アミノピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル)-5-シアノ-3,4-ジヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエートであり、CAS登録番号は、1809249-37-3である。式Iaの化合物は、レムデシビル及びGS-5734とも称される。
【0040】
「式Ibの化合物」は、以下の化合物を指す。
【化7】
【0041】
式Ibの化合物は、国際公開第2016/069826号に開示されている。式Ibの化合物のIUPAC名は、(S)-2-エチルブチル2-(((R)-(((2R,3S,4R,5R)-5-(4-アミノピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル)-5-シアノ-3,4-ジヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエートである。
【0042】
式I、式Ia、及び式Ibによって例示される本開示の化合物は、キラル中心、例えば、キラル炭素又はリン原子を有する。したがって、本開示の化合物は、エナンチオマー、ジアステレオマー、及びアトロプ異性体を含む、全ての立体異性体のラセミ混合物を含む。加えて、本発明の化合物は、任意の又は全ての非対称のキラル原子に濃縮又は分解された光学異性体を含む。換言すると、描写から明らかなキラル中心は、キラル異性体又はラセミ混合物として提供される。ラセミ体とジアステレオマー混合物の両方、並びにそれらのエナンチオマー又はジアステレオマーパートナーを実質的に含まない個々の単離された光学異性体は、全て本発明の範囲内である。ラセミ混合物は、例えば、光学活性補助剤、例えば、酸又は塩基で形成されたジアステレオマー塩の分離、続いて光学活性物質への逆の変換などの適切な技術により、それらの個々の実質的に光学的に純粋な異性体に分離される。ほとんどの場合、所望の光学異性体は、所望の出発材料の適切な立体異性体から始まる立体特異的反応によって合成される。
【0043】
本明細書で使用される立体化学的定義及び規則は、概して、S.P.Parker,Ed.,McGraw-Hill Dictionary of Chemical Terms(1984)McGraw-Hill Book Company,New York、及びEliel,E.and Wilen,S.,Stereochemistry of Organic Compounds(1994)John Wiley & Sons,Inc.,New Yorkに従う。多くの有機化合物は、光学的に活性な形態で存在する、すなわち、それらは平面偏光の平面を回転させる能力を有する。光学活性化合物を説明する際に、接頭辞D及びL又はR及びSは、そのキラル中心についての分子の絶対配置を示すために使用される。接頭辞d及びl、D、及びL、又は(+)及び(-)は、化合物による平面偏光光の回転の表示を示すために用いられ、S、(-)、又は1は、化合物が左旋性である一方で、R、(+)、又はdの接頭辞を有する化合物が右旋性であることを意味する。所与の化学構造について、これらの立体異性体は、互いに鏡像であることを除いて同一である。特定の立体異性体は、エナンチオマーと称され得、そのような異性体の混合物は、多くの場合、エナンチオマー混合物と呼ばれる。エナンチオマーの50:50混合物は、化学反応又はプロセスにおいて立体選択又は立体特異性がない場合に生じ得るラセミ混合物又はラセミ体と呼ばれる。「ラセミ混合物」及び「ラセミ体」という用語は、光学活性を欠く2つのエナンチオマー種の等モル混合物を指す。
【0044】
本発明の化合物はまた、特定の場合では、互変異性異性体として存在し得る。1つの非局在化共振構造のみが描写され得るが、そのような形態は全て本発明の範囲内で企図される。例えば、エン-アミン互変異性体は、プリン、ピリミジン、イミダゾール、グアニジン、アミジン、及びテトラゾール系について存在し得、それらの可能な互変異性体の全ては、本発明の範囲内である。
【0045】
式I、式Ia、又は式Ibの化合物を含む、本明細書で与えられる任意の式又は構造はまた、化合物の非標識形態及び同位体標識形態を表すことも意図している。同位体標識化合物は、1つ以上の原子が、選択された原子質量又は質量数を有する原子によって交換されていることを除き、本明細書で与えられる式によって示される構造を有する。本開示の化合物へと組み込むことができる同位体の例としては、2H(重水素、D)、3H(トリチウム)、11C、13C、14C、15N、18F、31P、32P、35S、36Cl及び125Iなど、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素及び塩素の同位体があるが、これらに限定されない。本開示の様々な同位体標識化合物は、例えば、3H、13C及び14Cなどの放射性同位体が組み込まれたものである。このような同位体標識化合物は、代謝研究、反応速度論研究、ポジトロン断層撮影法(positron emission tomography、PET)又は薬物若しくは基質の組織分布アッセイを含む単光子放射型コンピュータ断層撮影法(single-photon emission computed tomography、SPECT)などの検出技術又は撮像技術において、あるいは患者の放射性処置において有用であり得る。
【0046】
本開示はまた、炭素原子に結合した1~n個の水素が重水素によって交換され、nが分子中の水素の数である、式I、式Ia、及び式Ibの化合物を含む。このような化合物は、代謝に対する抵抗性の増加を示し、したがって、哺乳動物、特にヒトに投与された場合に、式I、式Ia、及び式Ibの任意の化合物の半減期を延長するのに有用である。例えば、Foster,「Deuterium Isotope Effects in Studies of Drug Metabolism」,Trends Pharmacolを参照されたい。Sci.5(12):524-527(1984)を参照されたい。本開示を考慮して、このような化合物は、当技術分野で既知の手段によって、例えば、1つ以上の水素が重水素によって交換された出発物質を使用することによって合成される。
【0047】
本開示の重水素標識又は重水素置換治療用化合物は、分布、代謝、及び排泄(distribution,metabolism and excretion、ADME)に関する改善されたDMPK(drug metabolism and pharmacokinetics)(薬物代謝及び薬物動態)特性を有し得る。重水素などのより重い同位体による置換は、より大きな代謝安定性、例えば、インビボでの半減期の増加、投薬必要量の低減及び/又は治療指数の改善に起因するある特定の治療上の利点をもたらし得る。18F標識化合物は、PET又はSPECTの試験において有用であり得る。本開示の同位体標識化合物及びそのプロドラッグは、概して、容易に入手可能な同位体標識試薬を非同位体標識試薬と置換することによって、スキーム又は以下に説明される例及び調製において開示される手順を実施することによって調製することができる。この文脈における重水素は、式I、式Ia、及び式Ibの化合物における置換基とみなされることが理解される。
【0048】
このようなより重い同位体、具体的には重水素の濃度は、同位体濃縮係数によって定義され得る。本開示の化合物において、特定の同位体として特に指定されない任意の原子は、その原子の任意の安定的な同位体を表すことを意味する。別段に記載がない限り、位置が「H」又は「水素」として具体的に指定されているとき、その位置は、水素の自然存在比の同位体組成でその水素を有すると理解される。これ故に、本開示の化合物では、重水素(D)として具体的に指定されるいかなる原子も、重水素を表すことを意味する。
【0049】
「治療」又は「治療すること」は、臨床結果を含む有益な結果又は所望の結果を得るためのアプローチである。有益な結果又は所望の臨床結果は、以下のうちの1つ以上を含むことができる。すなわち、a)疾患若しくは状態を阻害すること(例えば、疾患若しくは状態から結果として生じる1つ以上の症状を減少させること、及び/又は疾患若しくは状態の程度を減退させること)、b)疾患若しくは容態と関係する1つ以上の臨床症状の発症を遅滞若しくは阻止すること(例えば、疾患若しくは容態を安定化すること、疾患若しくは容態の悪化若しくは進行を予防する若しくは遅滞させること、及び/又は疾患若しくは容態の拡散(例えば、転移)を予防する若しくは遅滞させること)、並びに/あるいは、c)疾患を緩和すること、すなわち、臨床症状の退行を引き起こすこと(例えば、疾患若しくは容態を改善すること、疾患若しくは容態の部分寛解若しくは完全寛解を提供すること、別の薬剤の効果を増強すること、疾患の進行を遅滞させること、生活の質を高めること、及び/又は生存を延長させることである。
【0050】
本明細書で使用される「ポリエチレングリコール」又は「PEG」という用語は、(α-ヒドロ-ω-ヒドロキシポリ-(オキシ-1,2-エタンジイル)としても既知である、一般化学式H(OCH2CH2)nOHのポリマーを指し、式中、「n」は4以上である。置換された又は非置換の任意のPEGは、この用語に包含される。PEGは、多くの販売会社(例えば、Carbowax(商標)(Dow Chemical,Midland,Mich.)及びPoly-G(登録商標)(Arch Chemicals,Norwalk,Conn.))から市販されている。
【0051】
「予防」又は「予防すること」は、疾患又は状態の臨床症状を発症させない、疾患又は状態のあらゆる治療を意味する。いくつかの実施形態では、化合物は、リスクを有するか又は疾患若しくは状態の家族歴を有する対象(ヒトを含む)に投与され得る。
【0052】
「DI水」(脱イオン(deionized)水、DIW、脱イオン(de-ionized)水、脱塩水、又はDM水)は、ナトリウム、カルシウム、鉄、及び銅を含むカチオン、並びに塩化物及び硫酸塩などのアニオンなどの、本質的に全てのミネラルイオンを除去した水である。
【0053】
本明細書で使用される「体積平均直径」又はVMDは、所与の試料の平均体積と同じ平均体積を有する仮想粒子の直径を指す。
【0054】
「高張生理食塩水」という用語は、0.9%(w/v)を超えるNaClを含有する水溶液を意味する。例えば、3%高張生理食塩水は、3%(w/v)NaClを含有するであろう。
III. 医薬製剤
【0055】
本明細書に記載の全ての医薬製剤は、式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩、及び水性ビヒクルを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される医薬製剤は、式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩及び水性ビヒクルを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される医薬製剤は、式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩及び水性ビヒクルを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される医薬製剤は、式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩、及び水性ビヒクルを含む。水性ビヒクルは、水、及び任意選択で、共溶媒、界面活性剤、懸濁剤、等張化剤、緩衝剤、シクロデキストリン、及び抗菌剤又は防腐剤から選択される1つ以上の成分を含む。本明細書に開示される医薬製剤は、吸入による対象(例えば、ヒト)への投与のためのものであり、例えば、医薬製剤は、噴霧又はエアロゾル形態での吸入による投与のためのものである。
1. 式I、式Ia、又は式Ibの化合物
【0056】
式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、医薬製剤中の所望の濃度を達成するために任意の好適な量で使用することができる。例えば、式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、医薬製剤1mL当たり0.1mg~1000mg、又は医薬製剤1mL当たり0.1mg~800mg、0.1mg~600mg、0.1mg~400mg、0.1mg~200mg、0.1mg~100mg、0.1mg~50mg、0.1mg~30mg、0.5mg~1000mg、0.5mg~800mg、0.5mg~600mg、0.5mg~500mg、0.5mg~400mg、0.5mg~200mg、0.5mg~100mg、0.5mg~50mg、0.5mg~30mg、1mg~800mg、1mg~600mg、1mg~400mg、1mg~200mg、1mg~100mg、1mg~50mg、1mg~30mg、10mg~1000mg、10mg~800mg、10mg~600mg、10mg~500mg、10mg~400mg、10mg~200mg、10mg~100mg、10mg~50mg、10mg~30mg、50mg~1000mg、50mg~800mg、50mg~600mg、50mg~400mg、50mg~200mg、50mg~100mg、100mg~1000mg、100mg~800mg、100mg~600mg、100mg~400mg、100mg~200mg、200mg~1000mg、200mg~800mg、200mg~600mg、200mg~400mg、300mg~1000mg、300mg~800mg、300mg~600mg、300mg~400mg、400mg~1000mg、400mg~800mg、400mg~600mg、400mg~500mg、500mg~1000mg、500mg~800mg、500mg~600mg、600mg~1000mg、600mg~900mg、600mg~800mg、600mg~700mg、700mg~1000mg、700mg~900mg、700mg~800mg、800mg~1000mg、800mg~900mg、900mg~100mgの量で存在し得る。いくつかの実施形態では、式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、医薬製剤1mL当たり約10~約500mg、例えば、医薬製剤1mL当たり約10~約400mg又は約10~約200mgの量で存在する。いくつかの実施形態では、式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、医薬製剤1mL当たり約10~約40mgの量で存在する。
【0057】
いくつかの実施形態では、式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、医薬製剤1mL当たり約10mg~約50mg、約10mg~約40mg、約10mg~約30mg、約10mg~約20mg、約5mg~約50mg、約5mg~約40mg、約5mg~約30mg、約5mg~約20mg、又は約5mg~約10mgの量で存在する。いくつかの実施形態では、式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、医薬製剤1mL当たり約1mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90、又は約100mgの量で存在する。いくつかの実施形態では、医薬製剤は、医薬製剤1mL当たり約15mgの式I、式Ia、又は式Ibの化合物を含む。
【0058】
式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、任意の好適な形態で使用することができる。例えば、式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、非晶質であることも結晶性であることもできる。いくつかの実施形態では、式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、非晶質である。いくつかの実施形態では、式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、結晶性である。
【0059】
本発明の方法及び組成物において有用な式Iaの化合物の結晶形態は、米国特許出願公開第2018/0346504号に記載されている。例えば、式Iaの化合物は、米国特許出願公開第2018/0346504号に記載される結晶形態I、形態II、形態III、形態IV、又はそれらの組み合わせであり得る。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物は、結晶性である。
【0060】
いくつかの実施形態では、式Iaの化合物は、結晶形態IIである。いくつかの実施形態では、式Iaの結晶性化合物は、22.3°、16.2°、22.5°、13.8°、12.7°、16.9°、10.6°、14.5°、24.3、24.0°、17.6°、23.4°、8.1°、11.0°、26.8°、28.9°、19.6°、27.8°、26.4°、28.7°、29.8°、33.0°、18.8°、18.3°、32.1°、25.3°、32.6°、8.6°、34.2°、35.9°、27.2°、28.1°、38.9°、34.6°、17.1°、35.2°、21.4°、30.6°、25.6°、18.5°、31.7°、36.5°、及び37.1°±0.2°2-θからなる群から選択される少なくとも3つのピークを有する粉末X線回折(X-ray powder diffraction、XRPD)パターンを特徴とする。
【0061】
いくつかの実施形態では、式Iaの化合物の結晶形態IIは、22.3°、16.9°、及び16.2°での2θ反射率(+/-0.2 2θ°)を含むXRPDパターンを有する。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物の結晶形態IIは、22.3°、16.9°、及び16.2°での2θ反射率(+/-0.2 2θ°)、並びに13.8°及び12.7°での2θ反射率(+/-0.2 2θ°)のうちの1つ以上を含むXRPDパターンを有する。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物の結晶形態IIは、22.3°、16.9°、及び16.2°での2θ反射率(+/-0.2 2θ°)、並びに13.8°及び12.7°での2θ反射率(+/-0.2 2θ°)のうちの1つを含むXRPDパターンを有する。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物の結晶形態IIは、22.3°、16.9°、及び16.2°での2θ反射率(+/-0.2 2θ°)、及び13.8°及び12.7°での2θ反射率(+/-0.2 2θ°)のうちの2つを含むXRPDパターンを有する。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物の結晶形態IIは、22.3°、16.9°、16.2°、13.8°、及び12.7°での2θ反射率(+/-0.2 2θ°)を含むXRPDパターンを有する。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物の結晶形態IIは、22.3°、16.9°、16.2°、13.8°、及び12.7°からなる群から選択される任意の3つの2θ反射率(+/-0.2 2θ°)を含むXRPDパターンを有する。
【0062】
いくつかの実施形態では、式Iaの化合物の結晶形態IIは、22.5°、10.6°、及び14.5°での2θ反射率(+/-0.2 2θ°)を更に含むXRPDパターンを有する。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物の結晶形態IIは、22.3°、16.9°、16.2°、13.8°及び12.7°での2θ反射率(+/-0.2 2θ°)、並びに22.5°、10.6°、及び14.5°での2θ反射率(+/-0.2 2θ°)のうちの1つ以上を含むXRPDパターンを有する。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物の結晶形態IIは、22.3°、16.9°、16.2°、13.8°及び12.7°での2θ反射率(+/-0.2 2θ°)、並びに22.5°、10.6°及び14.5°での2θ反射率(+/-0.2 2θ°)のうちの1つ以上を含むXRPDパターンを有する。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物の結晶形態IIは、22.3°、16.9°、16.2°、13.8°及び12.7°での2θ反射率(+/-0.2 2θ°)、並びに22.5°、10.6°及び14.5°での2θ反射率(+/-0.2 2θ°)のうちの2つ以上を含むXRPDパターンを有する。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物の結晶形態IIは、22.3°、16.9°、16.2°、13.8°、12.7°、22.5°、10.6°及び14.5°での2θ反射率(+/-0.2 2θ°)を含むXRPDパターンを有する。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物の結晶形態IIは、22.3°、16.9°、16.2°、13.8°、12.7°、22.5°、10.6°及び14.5°からなる群から選択される任意の3つの2θ反射率(+/-0.2 2θ°)を含むXRPDパターンを有する。
【0063】
いくつかの実施形態では、式Iaの化合物は、結晶形態II及び結晶形態IVの混合物である。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物は、米国特許出願公開第2018/0346504号に記載される混合物I、混合物II、又は混合物IIIである。
【0064】
いくつかの実施形態では、式Iaの化合物は、15.9°、22.6°、及び14.1°での2θ°反射率(+/-0.2 2θ°)を含むXRPDパターンを有する混合物Iである。いくつかの実施形態では、混合物Iは、15.9°、22.6°、及び14.1°での2θ°反射率(+/-0.2 2θ°)、並びに12.5°での2θ反射率(+/-0.2 2θ°)を含むXRPDパターンを有する。いくつかの実施形態では、混合物Iは、15.9°、22.6°、14.1°、及び12.5°での2θ°反射率(+/-0.2 2θ°)を含むXRPDパターンを有する。いくつかの実施形態では、混合物Iは、15.9°、22.6°、14.1°、及び12.5°からなる群から選択される任意の3つの2θ反射率(+/-0.2 2θ°)を含むXRPDパターンを有する。
【0065】
いくつかの実施形態では、式Iaの化合物は、16.1°、22.4°、及び12.7°での2θ°反射率(+/-0.2 2θ°)を含むXRPDパターンを有する混合物IIである。いくつかの実施形態では、混合物IIは、16.1°、22.4°、及び12.7°での2θ°反射率(+/-0.2 2θ°)、並びに24.2°、16.8°、及び8.1°での2θ°反射率(+/-0.2 2θ°)のうちの1つ以上を含むXRPDパターンを有する。いくつかの実施形態では、混合物IIは、16.1°、22.4°、及び12.7°での2θ°反射率(+/-0.2 2θ°)、並びに24.2°、16.8°、及び8.1°での2θ°反射率(+/-0.2 2θ°)のうちの1つを含むXRPDパターンを有する。いくつかの実施形態では、混合物IIは、16.1°、22.4°、及び12.7°での2θ°反射率(+/-0.2 2θ°)、並びに24.2°、16.8°、及び8.1°での2θ°反射率(+/-0.2 2θ°)のうちの2つを含むXRPDパターンを有する。いくつかの実施形態では、混合物IIは、16.1°、22.4°、及び12.7°での2θ°反射率(+/-0.2 2θ°)、並びに24.2°、16.8°、及び8.1°での2θ°反射率(+/-0.2 2θ°)のうちの3つを含むXRPDパターンを有する。いくつかの実施形態では、混合物IIは、16.1°、22.4°、12.7°、24.2°、16.8°、及び8.1°での2θ°反射率(+/-0.2 2θ°)を含むXRPDパターンを有する。いくつかの実施形態では、混合物IIは、16.1°、22.4°、12.7°、24.2°、16.8°、8.1°、13.9°、17.5°、11.1°、10.7°、14.7°、及び19.8°からなる群から選択される任意の3つの2θ°反射率(+/-0.2 2θ°)を含むXRPDパターンを有する。
【0066】
いくつかの実施形態では、式Iaの化合物は、16.7°、12.6°、及び17.2°での2θ°反射率(+/-0.2 2θ°)を含むXRPDパターンを有する混合物IIIである。いくつかの実施形態では、混合物IIIは、16.7°、12.6°、及び17.2°での2θ°反射率(+/-0.2 2θ°)、並びに19.6°及び14.1°での2θ°反射率(+/-0.2 2θ°)のうちの1つ以上を含むXRPDパターンを有する。いくつかの実施形態では、混合物IIIは、16.7°、12.6°、及び17.2°での2θ°反射率(/-0.2度2θ)、並びに19.6°及び14.1°での2θ°反射率(/-0.2度2θ)のうちの1つを含むXRPDパターンを有する。いくつかの実施形態では、混合物IIIは、16.7°、12.6°、及び17.2°での2θ°反射率(+/-0.2 2θ°)、並びに19.6°及び14.1°での2θ°反射率(+/-0.2 2θ°)のうちの2つを含むXRPDパターンを有する。いくつかの実施形態では、混合物IIIは、16.7°、12.6°、17.2°、19.6°、及び14.1°での2θ°反射率(+/-0.2 2θ°)を含むXRPDパターンを有する。いくつかの実施形態では、混合物IIIは、16.7°、12.6°、17.2°、19.6°、及び14.1°からなる群から選択される任意の3つの2θ°反射率(+/-0.2 2θ°)を含むXRPDパターンを有する。
【0067】
式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、任意の好適な純度を有し得る。例えば、式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、若しくは少なくとも約99.1%、約99.2%、約99.3%、約99.4%、約99.5%、約99.6%、約99.7%、約99.8%、又は少なくとも約99.9%の純度を有し得る。いくつかの実施形態では、式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、少なくとも約99.1%の純度を有する。いくつかの実施形態では、式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、少なくとも約99.3%の純度を有する。いくつかの実施形態では、式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、少なくとも約99.5%の純度を有する。いくつかの実施形態では、式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、少なくとも約99.7%の純度を有する。
【0068】
式I、式Ia、又は式Ibの化合物に存在する不純物は、未反応の出発物質、望ましくない副産物、及び他の材料を含み得る。代表的な不純物には、以下の不純物Aが挙げられる。
【化8】
【0069】
不純物Aは、約0.5%未満、若しくは約0.45%、約0.40%、約0.35%、約0.30%、約0.25%、約0.20%、約0.15%、約0.10%、約0.09%、約0.08%、約0.07%、約0.06%、約0.05%、約0.04%、約0.03%、約0.02%未満、又は約0.01%未満の量で存在し得る。不純物Aの量は、HPLCによって測定されるAN%(面積正規化%(% area normalization))で測定することも、重量(w/w)に基づくこともできる。いくつかの実施形態では、式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、約0.10%未満の不純物Aを含む。いくつかの実施形態では、式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、約0.05%未満の不純物Aを含む。
【0070】
いくつかの実施形態では、式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、少なくとも約99.1%の純度を有することができ、約0.10%未満の不純物Aを含み得る。いくつかの実施形態では、式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、少なくとも約99.1%の純度を有し、約0.05%未満の不純物Aを含み得る。いくつかの実施形態では、式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、少なくとも約99.1%の純度を有し、約0.04%未満の不純物Aを含み得る。いくつかの実施形態では、式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、少なくとも約99.5%の純度を有し、約0.04%未満の不純物Aを含み得る。いくつかの実施形態では、式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、少なくとも約99.5%の純度を有し、約0.04%未満の不純物Aを含み得る。
【0071】
いくつかの実施形態では、式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、微粉化形態である。いくつかの実施形態では、微粉化形態は、50μm未満のd90を有する。例えば、微粉化形態は、45μm、40μm、35μm、30μm、25μm、20μm、15μm、10μm、9μm、8μm、7μm、6μm、5μm、4μm、3μm、2μm、又は1μm未満のd90を有する。いくつかの実施形態では、微粉化形態は、約0.1μm~50μm、例えば、約0.1μm~45μm、0.1μm~40μm、0.1μm~35μm、0.1μm~30μm、0.1μm~25μm、0.1μm~20μm、0.1μm~15μm、0.1μm~10μm、0.1μm~9μm、0.1μm~8μm、0.1μm~7μm、0.1μm~6μm、0.1μm~5μm、0.1μm~4μm、0.1μm~3μm、0.1μm~2μm、約0.5μm~50μm、約0.5μm~45μm、0.5μm~40μm、0.5μm~35μm、0.5μm~30μm、0.5μm~25μm、0.5μm~20μm、0.5μm~15μm、0.5μm~10μm、0.5μm~9μm、0.5μm~8μm、0.5μm~7μm、0.5μm~6μm、0.5μm~5μm、0.5μm~4μm、0.5μm~3μm、0.5μm~2μm、約1μm~50μm、約1μm~45μm、1μm~40μm、1μm~35μm、1μm~30μm、1μm~25μm、1μm~20μm、1μm~15μm、1μm~10μm、1μm~9μm、1μm~8μm,1μm~7μm、1μm~6μm、1μm~5μm、1μm~4μm、1μm~3μm、又は1μm~2μmのd90を有する。いくつかの実施形態では、微粉化形態は、約10μm以下、例えば、約5μm以下のd90を有する。いくつかの実施形態では、微粉化形態は、約1μm~10μm、例えば、約0.1μm~5μmのd90を有する。いくつかの実施形態では、微粉化形態は、約0.1μm~5μmのd90を有する。いくつかの実施形態では、微粉化形態は、約4μm~5μmのd90を有する。
【0072】
いくつかの実施形態では、微粉化形態は、30μm未満のd50を有する。例えば、微粉化形態は、25μm、20μm、15μm、10μm、9μm、8μm、7μm、6μm、5μm、4μm、3μm、2μm、又は1μm未満のd50を有する。いくつかの実施形態では、微粉化形態は、約0.1μm~30μm、例えば、約0.1μm~25μm、0.1μm~20μm、0.1μm~15μm、0.1μm~10μm、0.1μm~9μm、0.1μm~8μm、0.1μm~7μm、0.1μm~6μm、0.1μm~5μm、0.1μm~4μm、0.1μm~3μm、0.1μm~2μm、0.1μm~1μm、0.5μm~30μm、約0.5μm~25μm、0.5μm~20μm、0.5μm~15μm、0.5μm~10μm、0.5μm~9μm、0.5μm~8μm、0.5μm~7μm、0.5μm-6μm、0.5μm~5μm、0.5μm~4μm、0.5μm~3μm、0.5μm~2μm、0.5μm~1μm、1μm~30μm、1μm~25μm、1μm~20μm、1μm~15μm、1μm~10μm、1μm~9μm、1μm~8μm、1μm~7μm、1μm~6μm、1μm~5μm、1μm~4μm、1μm~3μm、又は1μm~2μmのd50を有する。いくつかの実施形態では、微粉化形態は、約1μm~10μmのd50を有する。いくつかの実施形態では、微粉化形態は、約1μm~5μmのd50を有する。いくつかの実施形態では、微粉化形態は、約4μm、3μm、2μm、又は1μmのd50を有する。いくつかの実施形態では、微粉化形態は、約3μm~4μmのd50を有する。
【0073】
いくつかの実施形態では、微粉化形態は、20μm未満のd50を有する。例えば、微粉化形態は、15μm、10μm、9μm、8μm、7μm、6μm、5μm、4μm、3μm、2μm、1μm、0.5μm、0.4μm、0.3μm、0.2μm、又は0.1μm未満のd10を有する。いくつかの実施形態では、微粉化形態は、約0.1μm~20μm、例えば、約1μm~20μm、1μm~15μm、1μm~10μm、1μm~9μm、1μm~8μm、1μm~7μm、1μm~6μm、1μm~5μm、1μm~4μm、1μm~3μm、1μm~2μm、0.1μm~15μm、0.1μm~10μm、0.1μm~9μm、0.1μm~8μm、0.1μm~7μm、0.1μm~6μm、0.1μm~5μm、0.1μm~4μm、0.1μm~3μm、0.1μm~2μm、又は0.1μm~1μmのd10を有する。いくつかの実施形態では、微粉化形態は、約0.1μm~10μmのd10を有する。いくつかの実施形態では、微粉化形態は、約0.1μm~5μmのd10を有する。いくつかの実施形態では、微粉化形態は、約0.5μm~5μmのd10を有する。いくつかの実施形態では、微粉化形態は、約4μm、3μm、2μm、1μm、0.9μm、0.8μm、0.7μm、0.6μm、0.5μm、0.4μm、0.3μm、0.2μm、又は0.1μmのd10を有する。いくつかの実施形態では、微粉化形態は、約1μm~3μmのd10を有する。
【0074】
いくつかの実施形態では、式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、微粉化されていない(非微粉化又は未微粉化とも称される)。
2. 溶媒及び共溶媒
【0075】
本明細書に記載の医薬製剤は、水性ビヒクル中の式I、式Ia、又は式Ibの化合物を含む。水性ビヒクル中の水は、DI水、蒸留水、又は滅菌水などの任意の好適な水であり得る。いくつかの実施形態では、水はDI水である。
【0076】
いくつかの実施形態では、水性ビヒクルは、共溶媒を更に含む。例示的な共溶媒としては、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール、又はPEG(ポリエチレングリコール、例えば、PEG100)、N-メチル-2-ピロリドン、及びジメチルスルホキシドが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、共溶媒は、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール、PEG(例えば、PEG100)、又はそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、共溶媒は、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、又はそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、共溶媒は、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール、又はそれらの組み合わせである。
【0077】
式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、任意の形態で医薬製剤中に存在し得る。例えば、式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、水性ビヒクル中の溶液、懸濁液、又は乳液として存在し得る。いくつかの実施形態では、式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、水性ビヒクル中の溶液として存在する。いくつかの実施形態では、式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、水性ビヒクル中の懸濁液として存在する。いくつかの実施形態では、式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、水性ビヒクル中の乳液として存在する。
3. 界面活性剤
【0078】
本明細書に記載の医薬製剤は、界面活性剤を更に含む。記載される医薬製剤を形成するために使用することができる界面活性剤としては、親水性界面活性剤、親油性界面活性剤、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。すなわち、親水性界面活性剤又は2つ以上の親水性界面活性剤の混合物を用いることも、親油性界面活性剤又は2つ以上の親油性界面活性剤の混合物を用いることも、少なくとも1つの親水性界面活性剤と少なくとも1つの親油性界面活性剤との混合物を使用することもできる。
【0079】
本明細書に開示される医薬製剤で使用することができるいくつかの有用な界面活性剤としては、商品名Mednique6322及びEmersol6321(Cognis Corp.,Cincinnati,Ohio)で入手可能なオレイン酸、塩化セチルピリジニウム(Arrow Chemical,Inc.Westwood,N.J.)、商品名Epikuron200(Lucas Meyer Decatur,Ill.)で入手可能な大豆レシチン、商品名Tween(登録商標)20(ICI Specialty Chemicals,Wilmington,Del.)で入手可能なポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート商品名Tween(登録商標)60(ICI)で入手可能なポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、商品名Tween(登録商標)80(ICI)で入手可能なポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレート、商品名Brij76(ICI)で入手可能なポリオキシエチレン(10)ステアリルエーテル、商品名Brij92(ICI)で入手可能なポリオキシエチレン(2)オレイルエーテル、商品名Tetronic150R1(BASF)で入手可能なポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン-エチレンジアミンブロックコポリマー、商品名PluronicL-92、PluronicL-121、及びPluronicF68(BASF)で入手可能なポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレンブロックコポリマー、商品名Alkusaurf CO-40(Rhone-Poulenc Mississauga Ontario,Canada)で入手可能なヒマシ油エトキシレート、並びにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0080】
非イオン性両親媒性化合物の相対的な親水性及び疎水性を特徴付けるために使用される経験的パラメータは、親水性-親油性バランス(「hydrophilic-lipophilic balance、HLB」値)である。HLB値が低い界面活性剤は、より親油性又は疎水性であり、油中でより高い溶解度を有し、HLB値が高い界面活性剤は、より親水性であり、水溶液中でより高い溶解度を有する。親水性界面活性剤は、一般に、約10を超えるHLB値を有する化合物、及びHLB尺度が一般に適用可能ではないアニオン性、カチオン性、又は双性イオン性化合物であると考えられる。同様に、親油性(すなわち、疎水性)界面活性剤は、約10以下のHLB値を有する化合物である。しかしながら、界面活性剤のHLB値は、工業用、医用、及び化粧品用乳液の製剤化を可能にするために一般に使用されるおおよその指針にすぎない。
【0081】
親水性界面活性剤は、イオン性又は非イオン性のいずれかであり得る。好適なイオン性界面活性剤としては、アルキルアンモニウム塩、フシジン酸塩、アミノ酸、オリゴペプチド、及びポリペプチドの脂肪酸誘導体、アミノ酸、オリゴペプチド、及びポリペプチドのグリセリド誘導体、レシチン及び水添レシチン、リゾレシチン及び水添リゾレシチン、リン脂質及びその誘導体、リゾホスホリン脂質及びその誘導体、カルニチン脂肪酸エステル塩、アルキルサルフェートの塩、脂肪酸塩、ドクサートナトリウム、アシルラクチレート、モノ及びジグリセリドのモノ及びジアセチル化酒石酸エステル、スクシニル化モノ及びジグリセリド、モノ及びジグリセリドのクエン酸エステル、並びにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0082】
前述の群内で、いくつかのイオン性界面活性剤としては、例えば、レシチン、リゾレシチン、リン脂質、リゾホスホリン脂質、及びそれらの誘導体、カルニチン脂肪酸エステル塩、アルキルサルフェートの塩、脂肪酸塩、ドクサートナトリウム、アシルラクチレート、モノ及びジグリセリドのモノ及びジアセチル化酒石酸エステル、スクシニル化モノ及びジグリセリド、モノ及びジグリセリドのクエン酸エステル、並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0083】
イオン性界面活性剤は、レシチン、リゾレシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、ホスファチジルセリン、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジン酸、リゾホスファチジルセリン、PEG-ホスファチジルエタノールアミン、PVP-ホスファチジルエタノールアミン、脂肪酸の乳酸エステル、ステアロイル-2-ラクチレート、ステアロイルラクチレート、スクシニル化モノグリセリド、モノ/ジグリセリドのモノ/ジアセチル化酒石酸エステル、モノ/ジグリセリドのクエン酸エステル、コリルサルコシン、カプロエート、カプリレ-ト、カプレ-ト、ラウレ-ト、ミリステート、パルミテート、オレエート、リシノレート、リノレート、リノレネート、ステアレート、ラウリルサルフェート、テトラセシルサルフェート、ドクサート、ラウロイルカルニチン、パルミトイルカルニチン、ミリストイルカルニチンのイオン化形態、並びにそれらの塩及び混合物であり得る。
【0084】
親水性非イオン性界面活性剤としては、アルキルグルコシド、アルキルマルトシド、アルキルチオグルコシド、ラウリルマクロゴルグリセリド、ポリエチレングリコールアルキルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコールアルキルフェノールなどのポリオキシアルキレンアルキルフェノール、ポリエチレングリコール脂肪酸モノエステル及びポリエチレングリコール脂肪酸ジエステルなどのポリオキシアルキレンアルキルフェノール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル、ポリグリセロール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルなどのポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオールとグリセリド、植物油、水添植物油、脂肪酸、及びステロールからなる群の少なくとも1つのメンバーとの親水性エステル交換生成物、ポリオキシエチレンステロール、誘導体、及びそれらの類似体、ポリオキシエチル化ビタミン及びその誘導体、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー及びそれらの混合物、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル、並びにポリオールとトリグリセリド、植物油、及び水添植物油からなる群の少なくとも1つのメンバーとの親水性エステル交換生成物を挙げることができるが、これらに限定されない。ポリオールは、グリセロール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、プロピレングリコール、ペンタエリスリトール、又はサッカライドであり得る。
【0085】
他の親水性非イオン性界面活性剤としては、PEG-10ラウレート、PEG-12ラウレート、PEG-20ラウレート、PEG-32ラウレート、PEG-32ジラウレート、PEG-12オレエート、PEG-15オレエート、PEG-20オレエート、PEG-20ジオレエート、PEG-32オレエート、PEG-200オレエート、PEG-400オレエート、PEG-15ステアレート、PEG-32ジステアレート、PEG-40ステアレート、PEG-100ステアレート、PEG-20ジラウレート、PEG-25グリセリルトリオレエート、PEG-32ジオレエート、PEG-20グリセリルラウレート、PEG-30グリセリルラウレート、PEG-20グリセリルステアレート、PEG-20グリセリルオレエート、PEG-30グリセリルオレエート、PEG-30グリセリルラウレート、PEG-40グリセリルラウレート、PEG-40パーム核油、PEG-50水添ヒマシ油、PEG-40ヒマシ油、PEG-35ヒマシ油、PEG-60ヒマシ油、PEG-40水添ヒマシ油、PEG-60水添ヒマシ油、PEG-60コーン油、PEG-6カプレート/カプリレートグリセリド、PEG-8カプレート/カプリレートグリセリド、ポリグリセリル-10ラウレート、PEG-30コレステロール、PEG-25フィトステロール、PEG-30大豆ステロール、PEG-20トリオレエート、PEG-40ソルビタンオレエート、PEG-80ソルビタンラウレート、ポリソルベート20、ポリソルベート80、POE-9ラウリルエーテル、POE-23ラウリルエーテル、POE-10オレイルエーテル、POE-20オレイルエーテル、POE-20ステアリルエーテル、トコフェリルPEG-100スクシネート、PEG-24コレステロール、ポリグリセリル-10オレエート、Tween(登録商標)40、Tween(登録商標)60、スクロースモノステアレート、スクロースモノラウレート、スクロースモノパルミテート、PEG 10-100ノニルフェノールシリーズ、PEG 15-100オクチルフェノールシリーズ、及びポロキサマーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0086】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される医薬製剤は、非イオン性界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、ポリソルベート又はポロキサマーである。例えば、界面活性剤は、ポリソルベート20(Tween(登録商標)20)、ポリソルベート40(Tween(登録商標)40)、ポリソルベート60(Tween(登録商標)60)、ポリソルベート65(Tween(登録商標)65)、ポリソルベート80(Tween(登録商標)80)、ポリソルベート85(Tween(登録商標)85)、ポロキサマー124、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー338、又はポロキサマー407である。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、ポリソルベートであり、例えば、界面活性剤は、ポリソルベート20(Tween(登録商標)20)、ポリソルベート40(Tween(登録商標)40)、ポリソルベート60(Tween(登録商標)60)、ポリソルベート65(Tween(登録商標)65)、ポリソルベート80(Tween(登録商標)80)、又はポリソルベート85(Tween(登録商標)85)である。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、ポリソルベート80(Tween(登録商標)80)である。
【0087】
いくつかの実施形態では、界面活性剤は、ポロキサマーである。例えば、界面活性剤は、ポロキサマー124、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー338、又はポロキサマー407である。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、ポロキサマー237である。
【0088】
好適な親油性界面活性剤としては、例としてのみ、脂肪アルコール、グリセロール脂肪酸エステル、アセチル化グリセロール脂肪酸エステル、低級アルコール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル、ステロール及びステロール誘導体、ポリオキシエチル化ステロール及びステロール誘導体、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、糖エステル、糖エーテル、モノ及びジグリセリドの乳酸誘導体、ポリオールとグリセリド、植物油、水添植物油、脂肪酸、及びステロールからなる群の少なくとも1つのメンバーとの疎水性エステル交換生成物、油溶性ビタミン/ビタミン誘導体、並びにそれらの混合物が挙げられる。この群内では、いくつかの親油性界面活性剤は、グリセロール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、及びそれらの混合物を含むか、又は植物油、水添植物油、及びトリグリセリドからなる基の少なくとも1つのメンバーを有するポリオールの疎水性エステル交換生成物である。
【0089】
任意の所望の量の界面活性剤を本明細書に記載の医薬製剤に使用することができる。典型的には、界面活性剤は、医薬製剤の体積に対して約0.01重量体積%~約2.0重量体積%の量で存在する。例えば、界面活性剤は、医薬製剤の体積に対して約0.01重量体積%~約1.5重量体積%又は約0.01重量体積%~約1.0重量体積%の量で存在する。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、医薬製剤の体積に対して約0.5%の量で存在する。
【0090】
いくつかの例では、界面活性剤は、医薬製剤の体積に対して約0.01重量体積%~約1.0重量体積%の量で存在する。いくつかの例では、界面活性剤は、医薬製剤の体積に対して約0.01%~約0.05%の量で存在する。例えば、界面活性剤は、医薬製剤の体積に対して約0.02重量体積%の量で存在する。
【0091】
いくつかの実施形態では、界面活性剤はポロキサマーであり、医薬製剤の体積に対して約0.01重量体積%~約2.0重量体積%の量で存在する。例えば、界面活性剤はポロキサマーであり、医薬製剤の体積に対して約0.01重量体積%~約1.5重量体積%又は約0.01重量体積%~約1.0重量体積%の量で存在する。いくつかの実施形態では、界面活性剤はポロキサマーであり、医薬製剤の体積に対して約0.5重量体積%の量で存在する。
【0092】
いくつかの実施形態では、界面活性剤は、ポロキサマー124、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー338、又はポロキサマー407であり、医薬製剤の体積に対して約0.01重量体積%~約2.0重量体積%の量で存在する。例えば、界面活性剤は、ポロキサマー124、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー338、又はポロキサマー407であり、医薬製剤の体積に対して約0.01重量体積%~約1.5重量体積%又は約0.01重量体積%~約1.0重量体積%の量で存在する。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、ポロキサマー124、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー338、又はポロキサマー407であり、医薬製剤の体積に対して約0.5重量体積%の量で存在する。
【0093】
いくつかの実施形態では、界面活性剤は、ポロキサマー237であり、医薬製剤の体積に対して約0.01重量体積%~約2.0重量体積%の量で存在する。例えば、界面活性剤は、ポロキサマー237であり、医薬製剤の体積に対して約0.01%~約1.5重量体積%又は約0.01重量体積%~約1.0重量体積%の量で存在する。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、ポロキサマー237であり、医薬製剤の体積に対して約0.5重量体積%の量で存在する。
【0094】
いくつかの例では、界面活性剤は、ポリソルベートであり、医薬製剤の体積に対して約0.01重量体積%~約1.0重量体積%の量で存在する。例えば、界面活性剤は、ポリソルベートであり、医薬製剤の体積に対して約0.01%~約0.05%の量で存在する。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、ポリソルベートであり、医薬製剤の体積に対して約0.02重量体積%の量で存在する。
【0095】
いくつかの例では、界面活性剤は、ポリソルベート20(Tween(登録商標)20)、ポリソルベート40(Tween(登録商標)40)、ポリソルベート60(Tween(登録商標)60)、ポリソルベート65(Tween(登録商標)65)、ポリソルベート80(Tween(登録商標)80)、又はポリソルベート85(Tween(登録商標)85)であり、医薬製剤の体積に対して約0.01重量体積%~約1.0重量体積%の量で存在する。例えば、界面活性剤は、ポリソルベート20(Tween(登録商標)20)、ポリソルベート40(Tween(登録商標)40)、ポリソルベート60(Tween(登録商標)60)、ポリソルベート65(Tween(登録商標)65)、ポリソルベート80(Tween(登録商標)80)、又はポリソルベート85(Tween(登録商標)85)であり、医薬製剤の体積に対して約0.01%~約0.05%の量で存在する。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、ポリソルベート20(Tween(登録商標)20)、ポリソルベート40(Tween(登録商標)40)、ポリソルベート60(Tween(登録商標)60)、ポリソルベート65(Tween(登録商標)65)、ポリソルベート80(Tween(登録商標)80)、又はポリソルベート85(Tween(登録商標)85)であり、医薬製剤の体積に対して約0.02重量体積%の量で存在する。
【0096】
いくつかの例では、界面活性剤は、ポリソルベート80(Tween(登録商標)80)であり、医薬製剤の体積に対して約0.01重量体積%~約1.0重量体積%の量で存在する。例えば、界面活性剤は、ポリソルベート80(Tween(登録商標)80)であり、医薬製剤の体積に対して約0.01%~約0.05%の量で存在する。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、ポリソルベート80(Tween(登録商標)80)であり、医薬製剤の体積に対して約0.02重量体積%の量で存在する。
【0097】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬製剤は、医薬製剤及び水性ビヒクル1mL当たり約10~約40mg(例えば、約15mg)の量の式I、式Ia、又は式Ib(例えば、式Ia)の化合物を含み、水性ビヒクルは、医薬製剤の体積に対して約0.01重量体積%~約1.0重量体積%(例えば、約0.01重量体積%~約0.05重量体積%、例えば、約0.02重量体積%)の量のポリソルベート80(Tween(登録商標)80)を含む。
【0098】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬製剤は、医薬製剤及び水性ビヒクル1mL当たり約10~約40mg(例えば、約15mg)の量の式I、式Ia、又は式Ib(例えば、式Ia)の化合物を含み、水性ビヒクルは、医薬製剤の体積に対して約0.01重量体積%~約1.5重量体積%(例えば、約0.01重量体積%~約1.0重量体積%、例えば、約0.5重量体積%)の量のポロキサマー237を含む。
4. 懸濁剤
【0099】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬製剤は、懸濁剤を更に含む。いくつかの例では、懸濁剤は、例えば、セルロース系ポリマーなどのポリマーである。
【0100】
いくつかの実施形態では、懸濁剤は、ヒドロキシプロピルセルロース(hydroxypropyl cellulose、HPC)、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(hydroxypropyl methyl cellulose、HPMC)、メチルセルロースポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(sodium carboxymethyl cellulose、Na-CMC)、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、及びセルロースからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、懸濁剤は、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポビドン(例えば、ポビドンK12、ポビドンK17、ポビドンK25、ポビドンK30、又はポビドンK90)から選択される。いくつかの実施形態では、懸濁剤は、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、懸濁剤は、カルボキシメチルセルロースである。いくつかの実施形態では、懸濁剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0101】
任意の量の懸濁剤を使用してもよい。いくつかの実施形態では、懸濁剤の量は、医薬製剤の体積に対して約0.01重量体積%~約5.0重量体積%である。例えば、懸濁剤の量は、医薬製剤の体積に対して約0.01重量体積%~4.5重量体積%、0.01重量体積%~4.0重量体積%、0.01重量体積%~3.5重量体積%、0.01重量体積%~3.0重量体積%、0.01重量体積%~2.5重量体積%、0.01重量体積%~2.0重量体積%、0.01重量体積%~1.5重量体積%、0.01重量体積%~1.0重量体積%、0.01重量体積%~0.5重量体積%、0.05重量体積%~5.0重量体積%、0.05重量体積%~4.5重量体積%、0.5重量体積%~4.0重量体積%、0.05重量体積%~3.5重量体積%、0.05重量体積%~3.0重量体積%、0.05重量体積%~2.05重量体積%、0.05重量体積%~2.0重量体積%、0.05重量体積%~1.5重量体積%、0.05重量体積%~1.0重量体積%、0.05重量体積%~0.5重量体積%である。いくつかの実施形態では、懸濁剤の量は、医薬製剤の体積に対して約0.01重量体積%~約1.0重量体積%、例えば、医薬製剤の体積に対して約0.05重量体積%~約1.5重量体積%である。いくつかの実施形態では、懸濁剤の量は、医薬製剤の体積に対して約0.1重量体積%である。
【0102】
いくつかの実施形態では、懸濁剤は、ヒドロキシプロピルセルロースであり、医薬製剤の体積に対して約0.01重量体積%~約1.0重量体積%、例えば、医薬製剤の体積に対して約0.05重量体積%~約1.5重量体積%の量で存在する。いくつかの実施形態では、懸濁剤は、ヒドロキシプロピルセルロースであり、医薬製剤の体積に対して約0.1重量体積%の量で存在する。
【0103】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬製剤は、医薬製剤及び水性ビヒクル1mL当たり約10~約40mg(例えば、約15mg)の量の式I、式Ia、又は式Ib(例えば、式Ia)の化合物を含み、水性ビヒクルは、(i)医薬製剤の体積に対して約0.01重量体積%~約1.5%(例えば、又は約0.01重量体積%~約1.0重量体積%、例えば、約0.5重量体積%)の量のポロキサマー237、及び(ii)医薬製剤の体積に対して、約0.01重量体積%~約1.0%(例えば、約0.05重量体積%~約1.5重量体積%、例えば、約0.1重量体積%)の量のヒドロキシプロピルセルロースを含む。
【0104】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬製剤は、医薬製剤及び水性ビヒクル1mL当たり約10~約40mg(例えば、約15mg)の量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物(例えば、式Ia)の化合物を含み、水性ビヒクルは、(i)医薬製剤の体積に対して約0.01重量体積%~約1.0重量体積%(例えば、約0.01重量体積%~約0.05重量体積%、例えば、約0.02重量体積%)の量のポリソルベート80(Tween(登録商標)80)、及び(ii)医薬製剤の体積に対して約0.01重量体積%~約1.0重量体積%(例えば、約0.05重量体積%~約1.5重量体積%、例えば、約0.1重量体積%)の量のヒドロキシプロピルセルロースで含む。
5. 等張化剤
【0105】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬製剤は、等張化剤を更に含む。いくつかの実施形態では、等張化剤は、患者に対する全快適性を高め得る。いくつかの実施形態では、張度調整剤は、医薬組成物の浸透圧を約150~約1200mOsm/Kgに調整するために使用される。いくつかの実施形態では、等張化剤は、医薬組成物の浸透圧を約200mOsm/Kg~約800mOsm/Kg、例えば、約200mOsm/Kg~約600mOsm/Kg、約250mOsm/Kg~約500mOsm/Kg、約250mOsm/Kg~約350mOsm/Kg、約275mOsm/Kg~約325mOsm/Kgに調整するために使用される。いくつかの実施形態では、等張化剤は、医薬組成物の浸透圧を約300mOsm/Kgに調整するために使用される。
【0106】
本明細書に開示される医薬製剤で使用することができる張度調整剤としては、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、デキストロース、ラクトース、リン酸ナトリウム、ソルビトール、マンニトール、及びスクロース、又はそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、張度調整剤は、塩化ナトリウム又は硫酸ナトリウムである。いくつかの実施形態では、張度調整剤は、塩化ナトリウムであってよい。いくつかの実施形態では、張度調整剤は、硫酸ナトリウムである。
【0107】
いくつかの実施形態では、塩化ナトリウム又は硫酸ナトリウムは、医薬組成物の浸透圧を約150~約1200mOsm/Kg、例えば、約200mOsm/Kg~約800mOsm/Kgに調整するために使用される。いくつかの実施形態では、塩化ナトリウム又は硫酸ナトリウムは、医薬組成物の浸透圧を約300mOsm/Kgに調整するために使用される。
【0108】
いくつかの実施形態では、塩化ナトリウムは、医薬組成物の浸透圧を約150~約1200mOsm/Kg、例えば、約200mOsm/Kg~約800mOsm/Kgに調整するために使用される。いくつかの実施形態では、塩化ナトリウムは、医薬組成物の浸透圧を約300mOsm/Kgに調整するために使用される。
【0109】
いくつかの実施形態では、硫酸ナトリウムは、医薬組成物の浸透圧を約150~約1200mOsm/Kg、例えば、約200mOsm/Kg~約800mOsm/Kgに調整するために使用される。いくつかの実施形態では、硫酸ナトリウムは、医薬組成物の浸透圧を約300mOsm/Kgに調整するために使用される。
【0110】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬製剤は、医薬製剤及び水性ビヒクル1mL当たり約10~約40mg(例えば、約15mg)の量の式I、式Ia、又は式Ib(例えば、式Ia)の化合物を含み、水性ビヒクルは、(i)医薬製剤の体積に対して約0.01重量体積%~約1.5重量体積%(例えば、又は約0.01重量体積%~約1.0重量体積%、例えば、0.5重量体積%)の量のポロキサマー237、ii)医薬製剤の体積に対して約0.01重量体積%~約1.0重量体積%(例えば、約0.05重量体積%~約1.5重量体積%、例えば、約0.1重量体積%)の量のヒドロキシプロピルセルロース、及び(iii)医薬組成物が約150mOsm/Kg~約1200mOsm/Kg(例えば、約200mOsm/Kg~約800mOsm/Kg、例えば、300mOsm/Kg)のオスモル濃度を有する量の塩化ナトリウムを含む。
【0111】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬製剤は、医薬製剤及び水性ビヒクル1mL当たり約10~約40mg(例えば、約15mg)の量の式I、式Ia、又は式Ib(例えば、式Ia)の化合物を含み、水性ビヒクルは、(i)医薬製剤の体積に対して約0.01重量体積%~約1.0重量体積%(例えば、約0.01重量体積%~約0.05重量体積%、例えば、約0.02重量体積%)のポリソルベート80(Tween(登録商標)80)、ii)医薬製剤の体積に対して約0.01重量体積%~約1.0重量体積%(例えば、約0.05重量体積%~約1.5重量体積%、例えば、約0.1重量体積%)の量のヒドロキシプロピルセルロース、及び(iii)医薬組成物が約150mOsm/Kg~約1200mOsm/Kg(例えば、約200mOsm/Kg~約800mOsm/Kg、例えば、300mOsm/Kg)のオスモル濃度を有する量の塩化ナトリウムを含む。
6. 緩衝剤
【0112】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬製剤はまた、pH調整剤(又は緩衝剤)を含み得る。緩衝剤は、医薬組成物のpHを、以下の理由のうちの1つ以上により所望の範囲に調整又は維持するために使用される:(1)より良好な製品安定性のための環境を提供するため、(2)投与における患者のより良好な快適さを提供するため(極端なpHは、投与部位に刺激及び/又は不快感を生じ得る)、及び(3)より良好な抗菌防腐剤活性のpH範囲を提供するため。
【0113】
本開示の医薬製剤は、医薬組成物のpHが、約3~約8、例えば、3~約7、3~約6.5、3~約6.0、3~約5.5、3~約5、4~約5であるように、1つ以上の薬学的に許容される緩衝剤とともに製剤化され得る。使用され得る緩衝剤の例としては、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、リン酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、コハク酸、アンモニア溶液、炭酸アンモニウム、ホウ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、トリエタノールアミン、トロラミン、及び水酸化ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0114】
いくつかの実施形態では、緩衝剤は、クエン酸緩衝液であり、これは、味マスキング剤又は香味剤としても作用し得る。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約3~約6.5のpHを有し、緩衝剤は、クエン酸緩衝液である。任意の薬学的に許容されるクエン酸緩衝液は、本明細書に開示される医薬製剤に使用され得る。いくつかの実施形態では、クエン酸緩衝液は、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸、又はそれらの組み合わせを含む。いくつかの例では、クエン酸緩衝液は、クエン酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、クエン酸緩衝液は、クエン酸ナトリウム及びクエン酸の混合物から生成される。いくつかの例では、クエン酸緩衝液は、クエン酸カリウムを含む。いくつかの実施形態では、クエン酸緩衝液は、クエン酸カリウム及びクエン酸の混合物から生成される。
【0115】
いくつかの実施形態では、緩衝剤は、リン酸緩衝液である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約6~約8のpHを有し、緩衝剤は、リン酸緩衝液である。任意の薬学的に許容されるリン酸緩衝液は、本明細書に開示される医薬製剤に使用され得る。いくつかの実施形態では、リン酸緩衝液は、一塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸カリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、二塩基性リン酸リン酸カリウム、リン酸、又はそれらの組み合わせを含む。
7. シクロデキストリン
【0116】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬製剤は、シクロデキストリンを更に含む。シクロデキストリンは、典型的には6、7、又は8個の糖単位を有する環状化合物の化学的ファミリーである。いくつかの実施形態では、シクロデキストリンは、6個の糖単位(アルファ-シクロデキストリン(α-シクロデキストリン))を含む。いくつかの実施形態では、シクロデキストリンは、7個の糖単位(ベータ-シクロデキストリン(β-シクロデキストリン))を含む。いくつかの実施形態では、シクロデキストリンは、8個の糖単位(ガンマ-シクロデキストリン(γ-シクロデキストリン))を含む。
【化9】
【0117】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬製剤は、シクロデキストリン誘導体を含む。シクロデキストリン誘導体は、1つ以上の-OH基が-OR基に修飾されているシクロデキストリンである。シクロデキストリン誘導体の非限定的な例としては、-OH基が-ORに修飾され、各Rが、独立して、アルキル、ヒドロキシアルキル、グルコシル、若しくはマルトシル基、又は-(CH2)4SO3
-Na+である、シクロデキストリンが挙げられる。
【0118】
本明細書に記載の医薬製剤で使用され得る市販のシクロデキストリン誘導体の非限定的な例としては、CAPTISOL(登録商標)、CAVITRON(登録商標)、DEXOLVE-7(登録商標)、及びKLEPTOSE(登録商標)が挙げられるが、これらに限定されない。CAPTISOL(登録商標)(本明細書ではCaptisolと称される)は、Lig及びCorporationの登録商標である。Captisolは、Lig及びPharmaceuticalsによって販売又はライセンスされたスルホブチルアルキルエーテル-ベータ-シクロデキストリン(スルホン酸ナトリウム塩)を指す。CAVITRON(登録商標)(本明細書ではCavitronと称される)は、Wacker Chemie AGの登録商標である。Cavitronは、溶解度を著しく高め、薬物可溶化により好適にするプロセスである、ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン(hydroxypropyl-beta-cyclodextrins、HPBCD)を作製するために天然のシクロデキストリン上のヒドロキシル基の置換によって得られた賦形剤である。DEXOLVE-7(登録商標)(本明細書ではDexolve-7と称される)は、CycloLabs Limitedの登録商標である。Dexolve-7は、溶解度を改善するために医薬製剤に使用される賦形剤であるスルホブチルアルキルエーテル-ベータ-シクロデキストリンナトリウム塩である。KLEPTOSE(登録商標)(本明細書ではKleptoseと称される)は、Roquette Pharmaceuticals,Geneva,Illinois,USAの登録商標である。Kleptoseは、ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンの商標である。
【0119】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬製剤で使用されるシクロデキストリンは、スルホブチルアルキルエーテル-ベータ-シクロデキストリン、ベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウム、及びヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンからなる群から選択されるベータ-シクロデキストリン誘導体である。いくつかの実施形態では、シクロデキストリンは、スルホブチルアルキルエーテル-ベータ-シクロデキストリンである。いくつかの実施形態では、シクロデキストリンは、ベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウムである。いくつかの実施形態では、シクロデキストリンは、ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンである。いくつかの実施形態では、シクロデキストリンは、以下の式を有し、
【化10】
式中、Rは、-H又はCH
2CH
2CH
2CH
2SO
3
-Na
+である。
【0120】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬製剤は、式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩、水、シクロデキストリン、及び任意選択でpH調整剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬製剤は、式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩、水、シクロデキストリン、及び任意選択でpH調整剤を含む。
【0121】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩、水、ベータ-シクロデキストリン、及び任意選択でpH調整剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩、水、ベータ-シクロデキストリン、及び任意選択でpH調整剤を含む。
【0122】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩、水、ベータ-シクロデキストリン、及び任意選択でpH調整剤を含み、ベータ-シクロデキストリンは、スルホブチルアルキルエーテル-ベータ-シクロデキストリン、ベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウム、又はヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩、水、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤を含み、ベータ-シクロデキストリンは、スルホブチルアルキルエーテル-ベータ-シクロデキストリン、ベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウム、又はヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンである。
【0123】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩、水、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤を含み、ベータ-シクロデキストリンは、ベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウムである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩、水、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤を含み、ベータ-シクロデキストリンは、ベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウムである。
【0124】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩、水、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤を含み、pH調整剤は、NaOH及びHClである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩、水、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤を含み、pH調整剤は、NaOH及びHClである。
【0125】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩、水、ベータ-シクロデキストリン、及び少なくとも1つのpH調整剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬製剤は、式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩、水、ベータ-シクロデキストリン、及び少なくとも2つのpH調整剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬製剤は、式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩、水、ベータ-シクロデキストリン、並びにpH調整剤HCl及びNaOHを含む。
【0126】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩、水、ベータ-シクロデキストリン、及び少なくとも1つのpH調整剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬製剤は、式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩、水、ベータ-シクロデキストリン、及び少なくとも2つのpH調整剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬製剤は、式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩、水、ベータ-シクロデキストリン、並びにpH調整剤HCl及びNaOHを含む。
【0127】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、90mg~175mgの式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩、水、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、90mg~110mgの式I、式Ia、若しくは式Ib、又はその薬学的に許容される塩、水、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、145mg~165mgの式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩、水、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤を含む。いくつかの実施形態では、100mgの式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩、水、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤を含む組成物。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、150mgの式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩、水、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤を含む。
【0128】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、90mg~175mgの式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩、水、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、90mg~110mgの式Ia、又はその薬学的に許容される塩、水、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、145mg~165mgの式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩、水、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤を含む。いくつかの実施形態では、100mgの式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩、水、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤を含む組成物。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、150mgの式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩、水、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤を含む。
【0129】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、90mg~175mgの式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩、水、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤を含み、pH調整剤は、NaOH及びHClである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、90mg~110mgの式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩、水、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤を含み、pH調整剤は、NaOH及びHClである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、145mg~165mgの式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩、水、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤を含み、pH調整剤は、NaOH及びHClである。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、100mgの式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩、水、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤を含み、pH調整剤は、NaOH及びHClである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、150mgの式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩、水、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤を含み、pH調整剤は、NaOH及びHClである。
【0130】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、90mg~175mgの式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩、水、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤を含み、pH調整剤は、NaOH及びHClである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、90mg~110mgの式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩、水、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤を含み、pH調整剤は、NaOH及びHClである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、145mg~165mgの式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩、水、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤を含み、pH調整剤は、NaOH及びHClである。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、100mgの式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩、水、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤を含み、pH調整剤は、NaOH及びHClである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、150mgの式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩、水、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤を含み、pH調整剤は、NaOH及びHClである。
【0131】
本明細書に記載の医薬製剤のいくつかの実施形態では、シクロデキストリンは、医薬組成物の体積に対して約5%~30%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、シクロデキストリンは、医薬組成物の体積に対して約10%~25%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、シクロデキストリンは、医薬組成物の体積に対して約14%~21%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、シクロデキストリンは、医薬組成物の体積に対して約15%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、シクロデキストリンは、医薬組成物の体積に対して約20%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、シクロデキストリンは、医薬組成物の体積に対して15%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、シクロデキストリンは、医薬組成物の体積に対して20%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、シクロデキストリンは、医薬組成物の体積に対して約5%~15%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、シクロデキストリンは、医薬組成物の体積に対して8%~12%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、シクロデキストリンは、医薬組成物の体積に対して10%w/vの量で存在する。
【0132】
本明細書に記載の医薬製剤のいくつかの実施形態では、ベータ-シクロデキストリンは、医薬組成物の体積に対して約5%~30%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、ベータ-シクロデキストリンは、医薬組成物の体積に対して約10%~25%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、ベータ-シクロデキストリンは、医薬組成物の体積に対して約14%~21%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、ベータ-シクロデキストリンは、医薬組成物の体積に対して約15%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、ベータ-シクロデキストリンは、医薬組成物の体積に対して約20%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、ベータ-シクロデキストリンは、医薬組成物の体積に対して15%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、ベータ-シクロデキストリンは、医薬組成物の体積に対して20%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、ベータ-シクロデキストリンは、医薬組成物の体積に対して約5%~15%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、ベータ-シクロデキストリンは、医薬組成物の体積に対して8%~12%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、ベータ-シクロデキストリンは、医薬組成物の体積に対して10%w/vの量で存在する。
【0133】
本明細書で提供される医薬製剤のいくつかの実施形態では、式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、約1.0~10.0mg/mLの量で存在する。いくつかの実施形態では、式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、約4.0~8.0mg/mLの量で存在する。いくつかの実施形態では、式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、約5.0~7.0mg/mLの量で存在する。いくつかの実施形態では、式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、約5.0mg/mLの量で存在する。いくつかの実施形態では、式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、約6.7mg/mLの量で存在する。いくつかの実施形態では、式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、5.0mg/mLの量で存在する。いくつかの実施形態では、式I、式Ib、又は式Ibの化合物は、6.7mg/mLの量で存在する。
【0134】
本明細書で提供される医薬製剤のいくつかの実施形態では、式Iaの化合物は、約1.0~10.0mg/mLの量で存在する。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物は、約4.0~8.0mg/mLの量で存在する。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物は、約5.0~7.0mg/mLの量で存在する。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物は、約5.0mg/mLの量で存在する。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物は、約6.7mg/mLの量で存在する。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物は、5.0mg/mLの量で存在する。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物は、6.7mg/mLの量で存在する。
【0135】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、式I、式Ia、若しくは式Ib、又はその薬学的に許容される塩、水、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤を含み、式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩は、約4.0~8.0mg/mLの量で存在し、ベータ-シクロデキストリンは、約5%~30%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、式I、式Ia、若しくは式Ib、又はその薬学的に許容される塩、水、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤を含み、式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩は、約4.0~8.0mg/mLの量で存在し、ベータ-シクロデキストリンは、約10%~25%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩、水、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤を含み、式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩は、約4.0~8.0mg/mLの量で存在し、ベータ-シクロデキストリンは、約14%~21%w/vの量で存在する。
【0136】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩、水、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤を含み、式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩は、約4.0~8.0mg/mLの量で存在し、ベータ-シクロデキストリンは、約5%~15%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩は、約4.0~8.0mg/mLの量で存在し、ベータ-シクロデキストリンは、約8%~12%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩は、約5.0~7.0mg/mLの量で存在し、ベータ-シクロデキストリンは、約5%~15%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩は、約5.0~7.0mg/mLの量で存在し、ベータ-シクロデキストリンは、約8%~12%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩は、約6.0~7.0mg/mLの量で存在し、ベータ-シクロデキストリンは、約10%w/vの量で存在する。
【0137】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩、水、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤を含み、式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩は、約4.0~8.0mg/mLの量で存在し、ベータ-シクロデキストリンは、約5%~15%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩は、約4.0~8.0mg/mLの量で存在し、ベータ-シクロデキストリンは、約8%~12%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩は、約5.0~7.0mg/mLの量で存在し、ベータ-シクロデキストリンは、約5%~15%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩は、約5.0~7.0mg/mLの量で存在し、ベータ-シクロデキストリンは、約8%~12%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩は、約6.0~7.0mg/mLの量で存在し、ベータ-シクロデキストリンは、約10%w/vの量で存在する。
【0138】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩、水、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤を含み、式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩は、約4.0~8.0mg/mLの量で存在し、ベータ-シクロデキストリンは、約5%~30%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩、水、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤を含み、式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩は、約4.0~8.0mg/mLの量で存在し、ベータ-シクロデキストリンは、約10重量体積%~25%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩、水、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤を含み、式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩は、約4.0~8.0mg/mLの量で存在し、ベータ-シクロデキストリンは、約14%~21%w/vの量で存在する。
【0139】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物は、式I、式Ia、若しくは式Ib、又はその薬学的に許容される塩、水、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤の化合物を含み、式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、約5.0~7.0mg/mLの量で存在し、ベータ-シクロデキストリンは、医薬組成物の体積に対して約5%~30%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、式I、式Ia、若しくは式Ib、又はその薬学的に許容される塩、水、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤の化合物を含み、式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、約5.0~7.0mg/mLの量で存在し、ベータ-シクロデキストリンは、医薬組成物の体積に対して約10%~25%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、式I、式Ia、若しくは式Ib、又はその薬学的に許容される塩、水、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤の化合物を含み、式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、約5.0~7.0mg/mLの量で存在し、ベータ-シクロデキストリンは、医薬組成物の体積に対して約14%~21%w/vの量で存在する。
【0140】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物は、式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩、水、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤を含み、式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩は、約5.0~7.0mg/mLの量で存在し、ベータ-シクロデキストリンは、医薬組成物の体積に対して約5%~30%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩、水、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤を含み、式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩は、約5.0~7.0mg/mLの量で存在し、ベータ-シクロデキストリンは、医薬組成物の体積に対して約10%~25%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩、水、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤を含み、式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩は、約5.0~7.0mg/mLの量で存在し、ベータ-シクロデキストリンは、医薬組成物の体積に対して約14%~21%w/vの量で存在する。
【0141】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、式I、式Ia、若しくは式Ib、又はその薬学的に許容される塩、水、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤を含み、式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩は、約5.0mg/mLの量で存在し、ベータ-シクロデキストリンは、医薬組成物の体積に対して約15%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、式I、式Ia、若しくは式Ib、又はその薬学的に許容される塩、水、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤を含み、式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩は、約6.7mg/mLの量で存在し、ベータ-シクロデキストリンは、医薬組成物の体積に対して約20%w/vの量で存在する。
【0142】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩、水、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤を含み、式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩は、約5.0mg/mLの量で存在し、ベータ-シクロデキストリンは、医薬組成物の体積に対して約15%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩、水、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤を含み、式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩は、約6.7mg/mLの量で存在し、ベータ-シクロデキストリンは、医薬組成物の体積に対して約20%w/vの量で存在する。
【0143】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される吸入のための医薬製剤は、固体又は粉末製剤の再構成によって得られる。いくつかの例では、本明細書に開示される吸入のための医薬製剤は、凍結乾燥製剤の再構成により、例えば、国際公開第2019/014247号に開示されている凍結乾燥製剤の再構によって得られる。
凍結乾燥製剤
【0144】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される吸入のための医薬製剤は、式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩、及びシクロデキストリンを含む凍結乾燥又は脱水組成物の再構成によって得られる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される吸入のための医薬製剤は、式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩、及びシクロデキストリンを含む凍結乾燥組成物の再構成によって得られる。凍結乾燥組成物は、粉末などの任意の好適な固体形態であり得る。
【0145】
式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、1%~10%w/w、例えば1~5%、又は2~4%、又は3~4%、又は3~3.5%w/wの量で凍結乾燥組成物中に存在し得る。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、1%~10%w/wの量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物を含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、1%~5%w/wの量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物を含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、2%~4%w/wの量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物を含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、3%~3.5%w/wの量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物を含む。
【0146】
いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、1%~10%w/w、例えば1~5%、2~4%、3~4%、又は3~3.5%w/wの量の式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩で含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、1%~10%w/wの量の式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、1%~5%w/wの量の式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、2%~4%w/wの量の式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、3%~3.5%w/wの量の式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩を含む。
【0147】
いくつかの実施形態では、凍結乾燥製剤は、医薬製剤の重量に対して約1%~10%w/w、例えば約1~5%w/w、約2~4%w/w、約3~4%、w/w、又は約3~3.5%w/wの量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物を含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、医薬製剤の重量に対して、約1%~10%w/wの量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物を含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約1%~5%w/wの量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物を含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約2%~4%w/wの量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物を含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約3%~3.5%w/wの量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物を含む。
【0148】
いくつかの実施形態では、凍結乾燥製剤は、医薬製剤の重量に対して約1%~10%w/w、例えば約1~5%w/w、約2~4%w/w、約3~4%、w/w、又は約3~3.5%w/wの量の式Iaの化合物を含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、医薬製剤の重量に対して、約1%~10%w/wの量の式Iaの化合物を含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約1%~5%w/wの量の式Iaの化合物を含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約2%~4%w/wの量の式Iaの化合物を含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約3%~3.5%w/wの量の式Iaの化合物を含む。
【0149】
いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約1%w/w、1.5%w/w、2%w/w、2.1%w/w、2.2%w/w、2.3%w/w、2.4%w/w、2.5%w/w、2.6%w/w、2.7%w/w、2.8%w/w、3.9%w/w、3%w/w、3.1%w/w、3.2%w/w、3.3%w/w、3.4%w/w、3.5%w/w、3.6%w/w、3.7%w/w、3.8%w/w、3.9%w/w、4%w/w、4.5%w/w、5%w/w、6%w/w、7%w/w、8%w/w、9%w/w、又は約10%w/wの量の式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩で含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約3.2%w/wの量の式I、式Ia、又は式Ibを含む。
【0150】
いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約1%w/w、1.5%w/w、2%w/w、2.1%w/w、2.2%w/w、2.3%w/w、2.4%w/w、2.5%w/w、2.6%w/w、2.7%w/w、2.8%w/w、3.9%w/w、3%w/w、3.1%w/w、3.2%w/w、3.3%w/w、3.4%w/w、3.5%w/w、3.6%w/w、3.7%w/w、3.8%w/w、3.9%w/w、4%w/w、4.5%w/w、5%w/w、6%w/w、7%w/w、8%w/w、9%w/w、又は約10%w/wの量の式Iaの化合物を含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約3.2%w/wの量の式Iaを含む。
【0151】
いくつかの実施形態では、シクロデキストリンは、凍結乾燥組成物中に約90%~99%w/w、例えば約95~99%w/w、約96~98%w/w、又は約96.5~97%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約90%~99%w/wの量のシクロデキストリンを含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約95~99%w/wの量のシクロデキストリンを含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約96~98%w/wの量のシクロデキストリンを含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約96.5~97%w/wの量のシクロデキストリンを含む。
【0152】
いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約90%w/w、約91%w/w、約92%w/w、約93%w/w、約94%w/w、約95%w/w、約95.1%w/w、約95.2%w/w、約95.3%w/w、約95.4%w/w、約95.5%w/w、約95.6%w/w、約95.7%w/w、約95.8%w/w、約95.9%w/w、約96%w/w、約96.1%w/w、約96.2%w/w、約96.3%w/w、約96.4%w/w、約96.5%w/w、約96.6%w/w、約96.7%w/w、約96.8%w/w、約96.9%w/w、約97%w/w、約97.1%w/w、約97.2%w/w、約97.3%w/w、約97.4%w/w、約97.5%w/w、約97.6%w/w、約97.7%w/w、約97.8%w/w、約97.9%w/w、約98%w/w、又は約99%w/wの量のシクロデキストリンを含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約96.8%w/wの量のシクロデキストリンを含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約96.8%w/wの量のベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウムを含む。
【0153】
いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約3.2%w/wの量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物、及び約96.8%w/wの量のシクロデキストリンを含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約3.2%w/wの量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物、及び約96.8%w/wの量のベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウムを含む。
【0154】
いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約3.2%w/wの量の式Iaの化合物、及び約96.8%w/wの量のシクロデキストリンを含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約3.2%w/wの量の式Iaの化合物、及び約96.8%w/wの量のベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウムを含む。
【0155】
いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、1%~10%w/w、例えば、1~5%、又は2~4%、又は3~4%、又は3~3.5%の量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物、及び90%~99%w/w、例えば95~99%、又は96~98%、又は96.5~97%w/wの量のシクロデキストリンを含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、1%~10%w/wの量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物、及び90%~99%w/wの量のシクロデキストリンを含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、1%~5%w/wの量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物、及び95~99%w/wの量のシクロデキストリンを含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約2%~4%w/wの量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物、及び96~98%w/wの量のシクロデキストリンを含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、3%~3.5%w/wの量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物、及び96.5~97%w/wの量のシクロデキストリンを含む。
【0156】
いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、1%~10%w/w、例えば、1~5%、又は2~4%、又は3~4%、又は3~3.5%の量の式Iaの化合物、及び90%~99%w/w、例えば95~99%、又は96~98%、又は96.5~97%w/wの量のシクロデキストリンを含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、1%~10%w/wの量の式Iaの化合物、及び90%~99%w/wの量のシクロデキストリンを含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、1%~5%w/wの量の式Iaの化合物、及び95~99%w/wの量のシクロデキストリンを含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約2%~4%w/wの量の式Iaの化合物、及び96~98%w/wの量のシクロデキストリンを含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、3%~3.5%w/wの量の式Iaの化合物、及び96.5~97%w/wの量のシクロデキストリンを含む。
【0157】
いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約3.2%w/wの量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物、及び約96.8%w/wの量のシクロデキストリンを含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、3.2%w/wの式I、式Ia、又は式Ibの化合物、及び96.8%w/wの量のシクロデキストリンを含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約3.2%w/wの量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物、及び約96.8%w/wの量のシクロデキストリンから本質的になる。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、3.2%w/wの式I、式Ia、又は式Ibの化合物、及び96.8%w/wの量のシクロデキストリンから本質的になる。
【0158】
いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約3.2%w/wの量の式Iaの化合物、及び約96.8%w/wの量のシクロデキストリンを含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、3.2%w/wの量の式Iaの化合物、及び96.8%w/wの量のシクロデキストリンを含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約3.2%w/wの量の式Iaの化合物、及び約96.8%w/wの量のシクロデキストリンから本質的になる。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、3.2%w/wの式Iaの化合物、及び96.8%w/wの量のシクロデキストリンから本質的になる。
【0159】
いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約3.2%w/wの量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物、及び約96.8%w/wの量のベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、3.2%w/wの量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物、及び96.8%w/wの量のベタデクス-スルホブチルエーテルナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約3.2%w/wの量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物及び約96.8%w/wの量のベタデクス-スルホブチルエーテルナトリウムから本質的になる。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、3.2%w/wの量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物及び96.8%w/wの量のベタデクス-スルホブチルエーテルナトリウムから本質的になる。
【0160】
いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約3.2%w/wの量の式Iaの化合物及び約96.8%w/wの量のベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、3.2%w/wの量の式Iaの化合物及び96.8%w/wの量のベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約3.2%w/wの量の式Iaの化合物及び約96.8%w/wの量のベタデクス-スルホブチルエーテルナトリウムから本質的になる。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、3.2%w/wの量の式Iaの化合物及び96.8%w/wの量のベタデクス-スルホブチルエーテルナトリウムから本質的になる。
【0161】
凍結乾燥組成物のシクロデキストリンは、上記の任意の好適なシクロデキストリンを含み得る。例えば、シクロデキストリンは、スルホブチルアルキルエーテル-ベータ-シクロデキストリン、ベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウム、又はヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンなどのベータ-シクロデキストリンであり得る。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、ベータ-シクロデキストリンを含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、スルホブチルアルキルエーテル-ベータ-シクロデキストリン、ベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウム、又はヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンを含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、ベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウムを含む。
【0162】
いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤を含み、式I、式Ia、又は式Ibの化合物の量は、3%±1%w/wであり、ベータ-シクロデキストリンの量は、97%±1%w/wである。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤を含み、式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、約3%±0.5%w/wの量で存在し、ベータ-シクロデキストリンは、約97%±0.5%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤を含み、式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、約3.2%w/wの量で存在し、ベータ-シクロデキストリンは、約96.8%w/wの量で存在する。
【0163】
いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤を含み、式Iaの化合物の量は、約3%±1%w/wの量で存在し、ベータ-シクロデキストリンの量は、97%±1%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤を含み、式Iaの化合物は、約3%±0.5%w/wの量で存在し、ベータ-シクロデキストリンは、約97%±0.5%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩、及びベータ-シクロデキストリン、並びに任意選択でpH調整剤を含み、式Iaの化合物は、約3.2%w/wの量で存在し、ベータ-シクロデキストリンは、約96.8%w/wの量で存在する。
【0164】
いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、5%~10%w/wの量の式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩は、5%~7%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩は、6%~7%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩は、6.0%~6.5%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩は、約6.3%w/wの量で存在する。
【0165】
いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、5%~10%w/wの量の式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、5%~7%w/wの量の式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、6%~7%w/wの量の式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、6.0%~6.5%w/wの量の式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約6.3%w/wの量の式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩を含む。
【0166】
いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、5%~10%w/wの量の式Iaの化合物を含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、5%~7%w/wの量の式Iaの化合物を含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、6%~7%w/wの量の式Iaの化合物を含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、6.0%~6.5%w/wの量の式Iの化合物を含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約6.3%w/wの量の式Iの化合物を含む。
【0167】
いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約90~95%w/wの量のシクロデキストリンを含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約93~95%w/wの量のシクロデキストリンを含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約93~94%w/wの量のシクロデキストリンを含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約93.7%w/wの量のシクロデキストリンを含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約93.7%w/wの量のベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウムを含む。
【0168】
いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約5~7%w/wの量の式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩、及び約93~95%w/wの量のシクロデキストリンを含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約5~7%w/wの量の式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩、及び約93~95%w/wの量のベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウムを含む。
【0169】
いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約5~7%w/wの量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物、及び約93~95%w/wの量のシクロデキストリンを含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約5~7%w/wの量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物、及び約93~95%w/wの量のベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウムを含む。
【0170】
いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約5~7%w/wの量の式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩、及び約93~95%w/wの量のシクロデキストリンを含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約5~7%w/wの量の式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩、及び約93~95%w/wの量のベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウムを含む。
【0171】
いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約5~7%w/wの量の式Iaの化合物、及び約93~95%w/wの量のシクロデキストリンを含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約5~7%w/wの量の式Iaの化合物、及び約93~95%w/wの量のベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウムを含む。
【0172】
いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約6.3%w/wの量の式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩、及び約93.7%w/wの量のシクロデキストリンを含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約6.3%w/wの量の式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩、及び約93.7%w/wの量のベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウムを含む。
【0173】
いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約6.3%w/wの量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物、及び約93.7%w/wの量のシクロデキストリンを含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約6.3%w/wの量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物、及び約93.7%w/wの量のベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウムを含む。
【0174】
いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約6.3%w/wの量の式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩、及び約93.7%w/wの量のシクロデキストリンを含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約6.3%w/wの量の式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩、及び約93.7%w/wの量のベタデクス-スルホブチルエーテルナトリウムを含む。
【0175】
いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約6.3%w/wの量の式Iaの化合物、及び約93.7%w/wの量のシクロデキストリンを含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、約6.3%w/wの量の式Iaの化合物、及び約93.7%w/wの量のベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウムを含む。
【0176】
凍結乾燥組成物は、式I、式Ia、又は式Ibの化合物の様々な形態を含み得る。例えば、式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、非晶質若しくは結晶性、又はそれらの混合物であり得る。いくつかの実施形態では、凍結乾燥組成物は、式I、式Ia、又は式Ibの非晶質化合物を含む。
吸入のための再構成された凍結乾燥製剤
【0177】
いくつかの実施形態では、本開示は、上記の凍結乾燥製剤の再構成によって得られる医薬組成物を提供する。
【0178】
いくつかの実施形態では、本開示は、吸入による投与のための医薬組成物であって、上記の凍結乾燥製剤の再構成によって得られる、医薬組成物を提供する。
【0179】
吸入による投与のための再構成組成物は、上記の凍結乾燥組成物、及び水を含む。いくつかの実施形態では、本発明は、(i)医薬組成物の体積に対して0.1%~10%の量の式I、式Ia、又は式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩、(ii)医薬組成物の体積に対して10%~50%w/vの量のシクロデキストリン、及び(iii)水を含む、吸入による投与のための医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、(i)医薬組成物の体積に対して0.1%~10%w/vの量の式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩、(ii)医薬組成物の体積に対して10%~50%w/vの量のシクロデキストリン、及び(iii)水を含む、吸入による投与のための医薬組成物を提供する。
【0180】
吸入のための再構成された凍結乾燥組成物のシクロデキストリンは、上記の任意の好適なシクロデキストリンを含み得る。例えば、シクロデキストリンは、スルホブチルアルキルエーテル-ベータ-シクロデキストリン、ベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウム、又はヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンなどのベータ-シクロデキストリンであり得る。いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物としては、ベータ-シクロデキストリンが挙げられる。いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物としては、スルホブチルアルキルエーテル-ベータ-シクロデキストリン、ベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウム、又はヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンが挙げられる。いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物としては、ベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウムが挙げられる。
【0181】
吸入のための再構成された凍結乾燥組成物中の水は、任意の好適な種類の水であり得る。いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物中の水は、DI水、蒸留水、又は滅菌水である。
【0182】
吸入のための再構成された凍結乾燥組成物は、任意の好適な量、例えば0.1%~10%の式I、式Ia、又は式Ibの化合物を含む。いくつかの実施形態では、式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、約0.1%~5%w/v、約0.1~4w/v、約0.1~3w/v、約0.1~2w/v、約0.1~1w/v、約0.2~0.8w/v、約0.3~0.7w/v、又は約0.4%~0.6%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物中の式I、式Ia、又は式Ibの化合物の量は、約0.1%w/v、約0.2w/v、約0.3w/v、約0.4w/v、約0.5w/v、約0.6w/v、約0.7w/v、約0.8w/v、約0.9w/v、又は約1w/vである。いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物中の式I、式Ia、又は式Ibの化合物の量は、約0.1%~10%w/vである。いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物中の式I、式Ia、又は式Ibの化合物の量は、約0.1%~1%w/vである。いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物中の式I、式Ia、又はIbの化合物の量は、約0.5%w/vである。
【0183】
吸入のための再構成された凍結乾燥組成物は、任意の好適な量、例えば0.1%~10%w/vの式Iaの化合物を含む。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物は、約0.1%~5%w/v、約0.1~4w/v、約0.1~3w/v、約0.1~2w/v、約0.1~1w/v、約0.2~0.8w/v、約0.3~0.7w/v、又は約0.4%~0.6%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物中の式Iaの化合物の量は、約0.1%w/v、約0.2w/v、約0.3w/v、約0.4w/v、約0.5w/v、約0.6w/v、約0.7w/v、約0.8w/v、約0.9w/v、又は約1%w/vである。いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物中の式Iaの化合物の量は、約0.1%~10%w/vである。いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物中の式Iaの化合物の量は、約0.1%~1%w/vである。いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物中の式Iaの化合物の量は、約0.5%w/vである。
【0184】
吸入のための再構成された凍結乾燥組成物は、任意の好適な量、例えば約0.1~100mg/mLの式I、式Ia、又は式Ibの化合物を含む。いくつかの実施形態では、式I、式Ia、又は式Ibの化合物は、0.1~100mg/mL、例えば0.1~50mg/mL、0.5~10mg/mL、1~10mg/mL、2~8mg/mL、3~7mg/mL、4~6mg/mL、又は4.5~5.5mg/mLの量で、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物中に存在し得る。いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物中の式I、式Ia、又は式Ibの化合物の量は、約0.1mg/mL、約0.5mg/mL、約1mg/mL、約2mg/mL、約2.5mg/mL、約3mg/mL、約3.5mg/mL、約4mg/mL、約4.5mg/mL、約4.6mg/mL、約4.7mg/mL、約4.8mg/mL、約4.9mg/mL、約5mg/mL、約5.1mg/mL、約5.2mg/mL、約5.3mg/mL、約5.4mg/mL、約5.5mg/mL、約6mg/mL、約6.5mg/mL、約7mg/mL、約7.5mg/mL、約8mg/mL、約8.5mg/mL、約9mg/mL、約9.5mg/mL、約10mg/mL、約15mg/mL、約20mg/mL、又は約25mg/mLである。いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物中の式I、式Ia、又は式Ibの化合物の量は、約1~10mg/mLである。いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物中の式I、式Ia、又は式Ibの化合物の量は、約4~6mg/mLである。いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物中の式I、式Ia、又は式Ibの化合物の量は、約5mg/mLである。
【0185】
吸入のための再構成された凍結乾燥組成物は、任意の好適な量、例えば約0.1~100mg/mLの式Iaの化合物を含む。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物は、0.1~100mg/mL、例えば0.1~50mg/mL、0.5~10mg/mL、1~10mg/mL、2~8mg/mL、3~7mg/mL、4~6mg/mL、又は4.5~5.5mg/mLの量で、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物中に存在し得る。いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物中の式Iaの化合物の量は、約0.1mg/mL、約0.5mg/mL、約1mg/mL、約2mg/mL、約2.5mg/mL、約3mg/mL、約3.5mg/mL、約4mg/mL、約4.5mg/mL、約4.6mg/mL、約4.7mg/mL、約4.8mg/mL、約4.9mg/mL、約5mg/mL、約5.1mg/mL、約5.2mg/mL、約5.3mg/mL、約5.4mg/mL、約5.5mg/mL、約6mg/mL、約6.5mg/mL、約7mg/mL、約7.5mg/mL、約8mg/mL、約8.5mg/mL、約9mg/mL、約9.5mg/mL、約10mg/mL、約15mg/mL、約20mg/mL、又は約25mg/mLである。いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物中の式Iaの化合物の量は、約1~10mg/mLである。いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物中の式Iaの化合物の量は、約4~6mg/mLである。いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物中の式Iaの化合物の量は、約5mg/mLである。
【0186】
吸入のための再構成された凍結乾燥組成物はまた、医薬製剤の体積に対して任意の好適な量、例えば約5%~50%のシクロデキストリンを含む。いくつかの実施形態では、シクロデキストリンは、約5~25%又は約10%~20%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、シクロデキストリンは、約5%w/v、約6%w/v、約7%w/v、約8%w/v、約9%w/v、約10%w/v、約11%w/v、約12%w/v、約13%w/v、約14%w/v、約15%w/v、約16%w/v、約17%w/v、約18%w/v、約19%w/v、約20%w/v、約25%w/v、約30%w/v、約35%w/v、約40%w/v、約45%w/v、又は約50%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、シクロデキストリンは、約5%~50%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、シクロデキストリンは、約10%~20%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、シクロデキストリンは、約15%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、ベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウムは、約15%w/vの量で存在する。
【0187】
いくつかの実施形態では、再構成された凍結乾燥組成物は、約5%~10%w/vのシクロデキストリン量を含む。いくつかの実施形態では、シクロデキストリンは、約6%~8%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、シクロデキストリンは、約7%~8%w/vの量で存在する。いくつかの実施形態では、ベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウムは、約7.5%w/vの量で存在する。
【0188】
いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物は、上記の量の任意の好適な組み合わせの式I、式Ia、又は式Ibの化合物、シクロデキストリン、及び水を含む。例えば、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物は、(i)医薬製剤の体積に対して約0.1%~5%w/v、約0.1~4w/v、約0.1~3w/v、約0.1~2w/v、約0.1~1w/v、約0.2~0.8w/v、約0.3~0.7w/v、又は約0.4%~0.6%w/vの量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物、(ii)医薬製剤の体積に対して約5%~50%w/v、約5~25w/v、約10%~20%w/vの量のシクロデキストリン、及び(iii)水を含む。いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物は、(i)医薬製剤の体積に対して約0.1%w/v、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、又は約1%w/vの量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物、(ii)医薬製剤の体積に対して約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約25、約30、約35、約40、約45、又は約50%w/vの量のシクロデキストリン、及び(iii)水を含む。いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物は、(i)0.1%~10%w/vの量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物、(ii)5%~50%w/vの量のシクロデキストリン、及び(iii)水を含む。いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物は、(i)0.1%~1%w/vの量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物、(ii)10%~20%w/vの量のシクロデキストリン、及び(iii)水を含む。いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物は、(i)約0.5%w/vの量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物、(ii)約15%w/vの量のシクロデキストリン、及び(iii)水を含む。いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物は、(i)約0.5%w/vの量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物、(ii)約15%w/vの量のベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウム、及び(iii)水を含む。
【0189】
いくつかの実施形態では、再構成された凍結乾燥組成物は、(i)0.1%~1%w/vの量の式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩、(ii)5%~10%w/vの量のシクロデキストリン、及び(iii)水を含む。いくつかの実施形態では、再構成された凍結乾燥組成物は、(i)約0.5%w/vの量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩、(ii)約6%~8%w/vの量のシクロデキストリン、及び(iii)水を含む。いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物は、(i)約0.5%w/vの量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物、又はその薬学的に許容される塩、(ii)約7%~8%w/vの量のベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウム、及び(iii)水を含む。いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物は、(i)約0.5%w/vの量の式I、式Ia、若しくは式Ib、又はその薬学的に許容される塩の化合物、(ii)約7.5%w/vの量のベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウム、及び(iii)水を含む。
【0190】
いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物は、(i)約0.5%w/vの量の式Iaの化合物又はその薬学的に許容される塩、(ii)約7.5%w/vの量のベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウム、及び(iii)水を含む。いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物は、(i)約0.5%w/vの量の式Iaの化合物、(ii)約7.5%w/vの量のベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウム、及び(iii)水を含む。
【0191】
いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物は、上記の量の任意の好適な組み合わせの式Ia、シクロデキストリン、及び水の化合物を含む。例えば、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物は、(i)約0.1%~5%w/v、約0.1~4w/v、約0.1~3w/v、約0.1~2w/v、約0.1~1w/v、約0.2~0.8w/v、約0.3~0.7w/v、又は約0.4%~0.6%w/vの量の式Ia、又は式Ibの化合物、(ii)約5%~50%w/v、又は約5~25%w/v、又は約10%~20%w/vのシクロデキストリン、及び(iii)水を含む。いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物は、(i)約0.1%w/v、又は約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、又は約1%w/vの量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物、(ii)約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約25、約30、約35、約40、約45、又は約50%w/vの量のシクロデキストリン、及び(iii)水を含む。いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物は、(i)0.1%~10%w/vの量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物、(ii)5%~50%w/vの量のシクロデキストリン、及び(iii)水を含む。いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物は、(i)0.1%~1%w/vの量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物、(ii)10%~20%w/vの量のシクロデキストリン、及び(iii)水を含む。いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物は、(i)約0.5%w/vの量の式Iの化合物、(ii)約15%w/vの量のシクロデキストリン、及び(iii)水を含む。いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物は、(i)約0.5%w/vの量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物、(ii)約15%w/vの量のベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウム、及び(iii)水を含む。
【0192】
いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物は、医薬製剤の体積に対して0.1%~10%w/vの量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物、医薬製剤の体積に対して10%~20%w/vの量のシクロデキストリン、及び水を含む。いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物は、医薬製剤の体積に対して約0.5%w/vの量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物、医薬製剤の体積に対して約15%w/vの量のシクロデキストリン、及び水を含む。いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物は、医薬製剤の体積に対して約0.5%w/vの量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物、医薬製剤の体積に対して約15%w/vの量のシクロデキストリン、及び水から本質的になる。
【0193】
いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物は、医薬製剤及び水の体積に対して、医薬製剤の体積に対して0.1%~10%w/vの量の式Iaの化合物、医薬製剤の体積に対して10%~20%w/vの量のシクロデキストリン、及び水を含む。いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物は、医薬製剤の体積に対して約0.5%w/vの量の式Iaの化合物、医薬製剤の体積に対して約15%w/vの量のシクロデキストリン、及び水を含む。いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物は、医薬製剤の体積に対して約0.5%w/vの量の式Iaの化合物、医薬製剤の体積に対して約15%w/vの量のシクロデキストリン、及び水から本質的になる。
【0194】
いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物は、医薬製剤の体積に対して0.1%~10%w/vの量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物、医薬製剤の体積に対して10%~20%w/vの量のベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウム、及び水を含む。いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物は、医薬製剤の体積に対して約0.5%w/vの量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物、医薬製剤の体積に対して約15%w/vの量のベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウム、及び水を含む。いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物は、医薬製剤の体積に対して約0.5%w/vの量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物、医薬製剤の体積に対して約15%w/vの量のベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウム、及び水から本質的になる。
【0195】
いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物は、医薬製剤の体積に対して0.1%~10%w/vの量の式Iaの化合物、医薬製剤の体積に対して10%~20%w/vの量のベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウム、及び水を含む。いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物は、医薬製剤の体積に対して約0.5%w/vの量の式Iaの化合物、医薬製剤の体積に対して約15%w/vの量のベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウム、及び水を含む。いくつかの実施形態では、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物は、医薬製剤の体積に対して約0.5%w/vの量の式Iaの化合物、医薬製剤の体積に対して約15%w/vの量のベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウム、及び水から本質的になる。
【0196】
吸入のための再構成された凍結乾燥組成物は、密封バイアル又はネブライザーなどの任意の好適な容器中に含むことができる。いくつかの実施形態では、本発明は、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物を含む密封バイアルを提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、吸入のための再構成された凍結乾燥組成物を含むネブライザーを提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、医薬製剤の体積に対して約0.5%w/vの量の式I、式Ia、又は式Ibの化合物、医薬製剤の体積に対して約15%w/vの量のシクロデキストリン、及び水から本質的になる注射用組成物を含むネブライザーを提供する。
8. 抗菌剤又は防腐剤
【0197】
本明細書に開示される医薬製剤は、医薬製剤の安定性を改善するのに役立ち得る抗菌剤又は防腐剤を更に含み得る。抗菌剤又は防腐剤の例としては、アミノ安息香酸エステル(例えば、パラベン)、四級アンモニウム化合物(例えば、塩化ベンザルコニウム(benzalkonium chloride、BKC)、塩化ベンゼトニウム、セトリミド)、アリール酸(例えば、安息香酸)、アリールアルコール(例えば、ベンジルアルコール)、ビグアニド(例えば、クロルヘキシジン)、クロロクレゾール、クロロキシレノール、ホルムアルデヒド供与体(例えば、イミド尿素、ブロノポール)、アルキル酸(例えば、プロピオン酸及びソルビン酸)、フェノール化合物(例えば、m-クレゾール)、フェニル水銀塩(例えば、酢酸塩、ホウ酸塩、及び硝酸塩)、及びフェノキシエタノール、チオメルサールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0198】
いくつかの実施形態では、抗菌剤又は防腐剤は、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロロブタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、チモール、アスコルビン酸、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、重硫酸ナトリウムEDTA、又はそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、抗菌剤又は防腐剤は、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロロブタノール、塩化ベンザルコニウム、硫酸ナトリウム、又はそれらの組み合わせである。
9. 味マスキング剤/香味剤
【0199】
本明細書に開示される医薬製剤は、味マスキング剤又は香味剤を更に含み得る。幅広い薬学的に適合する香味剤を利用し得る。そのような香味剤としては、合成風味油及び香味芳香族化合物、及び/又は油、オレオ樹脂、及び植物、葉、花、果物などから誘導される抽出物から選択される天然及び人工香料、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。使用され得る香味剤の例としては、クエン酸、クエン酸ナトリウム、アスコルビン酸、メントール、又はサッカリンナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない。
IV. キット
【0200】
本開示はまた、本明細書に開示される医薬製剤を含むキットの使用を提供する。いくつかの実施形態では、キットは、医薬製剤を使用するためのラベル及び/又は説明書を更に含む。
【0201】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるキットは、本明細書に開示される医薬製剤及び注射器を含む。いくつかの実施形態では、キットは、医薬製剤を使用するためのラベル及び/又は説明書を更に含む。
【0202】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるキットは、(i)本明細書に開示される凍結乾燥医薬製剤、(ii)凍結乾燥医薬製剤の再構成のための水(例えば、注射用水)、及び(iii)注射器を含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるキットは、(i)本明細書に開示される凍結乾燥医薬製剤を含む第1のバイアル、(ii)凍結乾燥医薬製剤の再構成のための水(例えば、注射用水)を含む第2のバイアル、及び(iii)注射器を含む。いくつかの実施形態では、キットは、第1及び第2のバイアルのためのバイアルアダプターを更に含む。いくつかの実施形態では、キットは、医薬製剤を使用するためのラベル及び/又は説明書を更に含む。
【0203】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるキットは、(i)35~45mgの式Iaの化合物を含む凍結乾燥医薬製剤を含む第1のバイアル、(ii)凍結乾燥医薬製剤の再構成のための5mL~15mLの水(例えば、注射用水)を含む第2のバイアル、及び(iii)注射器を含む。いくつかの実施形態では、キットは、第1及び第2のバイアルのためのバイアルアダプターを更に含む。いくつかの実施形態では、キットは、医薬製剤を使用するためのラベル及び/又は説明書を更に含む。
【0204】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるキットは、(i)40mgの式Iaの化合物を含む凍結乾燥医薬製剤を含む第1のバイアル、(ii)凍結乾燥医薬製剤の再構成のための10mLの水(例えば、注射用水)を含む第2のバイアル、及び(iii)注射器を含む。いくつかの実施形態では、キットは、第1及び第2のバイアルのためのバイアルアダプターを更に含む。いくつかの実施形態では、キットは、医薬製剤を使用するためのラベル及び/又は説明書を更に含む。
【0205】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるキットは、(i)本明細書に開示される凍結乾燥医薬製剤、及び(ii)凍結乾燥医薬製剤の再構成のための水(例えば、注射用水)を含む注射器を含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるキットは、(i)本明細書に開示される凍結乾燥医薬製剤を含むバイアル、及び(ii)凍結乾燥医薬製剤の再構成のための水(例えば、注射用水)を含む注射器を含む。いくつかの実施形態では、キットは、バイアルアダプターを更に含む。いくつかの実施形態では、キットは、医薬製剤を使用するためのラベル及び/又は説明書を更に含む。
【0206】
いくつかの実施形態では、キットは複数のセットを含み、各セットは、(i)本明細書に開示される凍結乾燥医薬製剤、及び(ii)凍結乾燥医薬製剤の再構成のための水(例えば、注射用水)を含む注射器を含む。いくつかの実施形態では、キット中のセットの数は、治療日数(すなわち、1つのセットが各治療日に使用される)に等しい。いくつかの実施形態では、キットは、医薬製剤を使用するためのラベル及び/又は説明書を更に含む。
【0207】
いくつかの実施形態では、キットは、複数のセットを含み、各セットは、(i)本明細書に開示される凍結乾燥医薬製剤を含むバイアル、及び(ii)凍結乾燥医薬製剤の再構成のための水(例えば、注射用水)を含む注射器を含む。いくつかの実施形態では、各セットは、バイアルアダプターを更に含む。いくつかの実施形態では、キット中のセットの数は、治療日数(すなわち、1つのセットが各治療日に使用される)に等しい。いくつかの実施形態では、キットは、医薬製剤を使用するためのラベル及び/又は説明書を更に含む。
【0208】
いくつかの実施形態では、キットは、5つのセットを含み、各セットは、(i)本明細書に開示される凍結乾燥医薬製剤を含むバイアル、及び(ii)凍結乾燥医薬製剤の再構成のための水(例えば、注射用水)を含む注射器を含む。いくつかの実施形態では、各セットは、バイアルアダプターを更に含む。いくつかの実施形態では、5つのセットは、5治療日用(各日に1回)である。いくつかの実施形態では、キットは、医薬製剤を使用するためのラベル及び/又は説明書を更に含む。
【0209】
いくつかの実施形態では、キットは、5つのセットを含み、各セットは、(i)30mg~40mgの式Iaの化合物を含む凍結乾燥医薬製剤を含むバイアル、及び(ii)凍結乾燥医薬製剤の再構成のための5mL~10mLの注射用水を含む注射器を含む。いくつかの実施形態では、各セットは、バイアルアダプターを更に含む。いくつかの実施形態では、5つのセットは、5治療日用(各日に1回)である。いくつかの実施形態では、キットは、医薬製剤を使用するためのラベル及び/又は説明書を更に含む。
【0210】
いくつかの実施形態では、キットは、5つのセットを含み、各セットは、(i)38mgの式Iaの化合物を含む凍結乾燥医薬製剤を含むバイアル、及び(ii)凍結乾燥医薬製剤の再構成のための7.8mLの注射用水を含む注射器を含む。いくつかの実施形態では、各セットは、バイアルアダプターを更に含む。いくつかの実施形態では、5つのセットは、5治療日用(各日に1回)である。いくつかの実施形態では、キットは、医薬製剤を使用するためのラベル及び/又は説明書を更に含む。
【0211】
いくつかの実施形態では、キットは、ネブライザーを更に含む。任意の好適なネブライザーが使用され得る。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、ガラスネブライザーである。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、ハンドバルブネブライザーである。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、ジェットネブライザー又は振動メッシュネブライザーである。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、ジェットネブライザー(例えば、VixOne(商標)、AeroEclipse(登録商標)、Pari LC(登録商標)Plus)である。いくつかの実施例では、ネブライザーは、振動メッシュネブライザー(例えば、eFlow(登録商標)急速)である。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、超音波ネブライザーである。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、適応エアロゾル送達ネブライザーである。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、定量吸入器(例えば、定量液体吸入器)である。
V. 使用方法
【0212】
本開示はまた、対象(例えば、患者、ヒト)におけるウイルス感染症を治療又は予防する方法であって、対象に本明細書に記載の医薬製剤を投与することを含み、投与が吸入によるものである、方法を提供する。
【0213】
いくつかの実施形態では、本開示は、対象(例えば、患者、ヒト)におけるウイルス感染症を治療する方法であって、方法それを必要とする対象に本明細書に記載の医薬製剤を投与することを含み、投与が吸入によるものである、方法を提供する。
【0214】
いくつかの実施形態では、本開示は、対象(例えば、ヒト)におけるウイルス感染症を治療又は予防する方法であって、吸入によって本明細書に開示される医薬製剤と、少なくとも1つの追加の活性治療剤とを対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0215】
いくつかの実施形態では、本開示は、対象(例えば、ヒト)におけるウイルス感染症を治療する方法であって、吸入によって本明細書に開示される医薬製剤と、少なくとも1つの追加の活性治療剤とを対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0216】
一実施形態では、本開示は、細胞中のウイルスポリメラーゼを阻害する方法であって、ウイルスに感染した細胞を本明細書に開示される医薬製剤と接触させ、それにより、ウイルスポリメラーゼが阻害される、方法を提供する。
【0217】
一実施形態では、本開示は、細胞中のウイルスポリメラーゼを阻害する方法であって、ウイルスに感染した細胞を本明細書に開示される医薬製剤及び少なくとも1つの追加の活性治療剤と接触させ、それにより、ウイルスポリメラーゼが阻害される、方法を提供する。
【0218】
ウイルス感染の治療又は予防を、それを必要とする対象において行うことに使用するための、本明細書に開示される医薬製剤の使用も提供される。例えば、本明細書では、ウイルス感染症の治療を、それを必要とする対象において行うことに使用するための、本明細書に開示される医薬製剤の使用が提供される。
【0219】
いくつかの実施形態では、ウイルス感染症、paramyxoviridae感染症である。したがって、いくつかの実施形態では、本開示は、paramyxoviridae感染症の治療を、それを必要とするヒトにおいて行うための方法であって、本明細書に開示される医薬製剤をヒトに投与することを含み、投与が吸入によるものである、方法が提供される。paramyxoviridaeウイルスとしては、ニパウイルス、ヘンドラウイルス、麻疹、ムンプス、パラインフルエンザウイルスが挙げられるが、これらに限定されない。
【0220】
いくつかの実施形態では、ウイルス感染症は、pneumoviridaeウイルス感染症である。したがって、いくつかの実施形態では、本開示は、pneumoviridaeウイルス感染症の治療を、それを必要とするヒトにおいて行う方法であって、本明細書に提供される医薬製剤をヒトに投与することを含み、投与が吸入によるものである、方法が提供される。pneumoviridaeウイルスとしては、呼吸器合胞体ウイルス及びヒトメタニューモウイルスが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、pneumoviridaeウイルス感染症は、呼吸器合胞体ウイルス感染症である。いくつかの実施形態では、pneumoviridaeウイルス感染症は、ヒトメタニューモウイルス感染症である。
【0221】
いくつかの実施形態では、本開示は、pneumoviridaeウイルス感染症の治療を、それを必要とするヒトにおいて行うことに使用するための、本明細書に開示される医薬製剤を提供する。いくつかの実施形態では、pneumoviridaeウイルス感染症は、呼吸器合胞体ウイルス感染症である。いくつかの実施形態では、pneumoviridaeウイルス感染症は、ヒトメタニューモウイルス感染症である。
【0222】
いくつかの実施形態では、本開示は、RSV感染症の治療を、それを必要とするヒトにおいて行うための方法であって、方法が本明細書に提供される医薬製剤をヒトに投与することを含み、投与が吸入によるものである、方法が提供される。いくつかの実施形態では、ヒトは、慢性呼吸器合胞体ウイルス感染症に罹患している。いくつかの実施形態では、ヒトは、RSVに急性感染している。
【0223】
いくつかの実施形態では、RSV複製を阻害する方法であって、それを必要とするヒトに、本明細書に開示される医薬製剤を投与することを含み、投与が吸入によるものである、方法が提供される。
【0224】
いくつかの実施形態では、本開示は、RSV感染に関連するウイルス負荷を低減するための方法であって、RSVに感染したヒトに、本明細書に開示される医薬製剤を投与することを含み、投与が吸入によるものである、方法が提供される。
【0225】
いくつかの実施形態では、ウイルス感染症は、picornaviridaeウイルス感染症である。いくつかの実施形態では、本開示は、picornaviridaeウイルス感染症の治療を、それを必要とするヒトにおいて行う方法であって、本開示の医薬製剤をヒトに投与することを含み、投与が吸入によるものである、方法が提供される。picornaviridaeウイルスは、ヘルパンギーナ、無菌性髄膜炎、風邪様症候群(ヒトライノウイルス感染症)、非麻痺性ポリオ様症候群、流行性胸膜痛(一般的には流行中に発生する急性、発熱性、感染性疾患)、手足口病、小児及び成人膵炎、並びに重篤な心筋炎を含む、混成群の感染症を引き起こすエンテロウイルスである。いくつかの実施形態では、Picornaviridaeウイルス感染症は、ヒトライノウイルス感染症である。
【0226】
いくつかの実施形態では、本開示は、picornaviridaeウイルス感染症の治療を、それを必要とするヒトにおいて行うことに使用するための、本開示の化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では、picornaviridaeウイルス感染症は、ヒトライノウイルス感染症である。
【0227】
いくつかの実施形態では、ウイルス感染症はflaviviridaeウイルス感染症である。したがって、いくつかの実施形態では、本開示は、flaviviridaeウイルス感染症の治療を、それを必要とするヒトにおいて行う方法であって、本明細書に記載の医薬組成物をヒトに投与することを含み、投与が吸入によるものである、方法を提供する。代表的なflaviviridaeウイルスとしては、デング熱、黄熱病、西ナイル、ジカ、日本脳炎ウイルス、及びC型肝炎(Hepatitis C、HCV)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、flaviviridaeウイルス感染症は、デングウイルス感染症である。いくつかの実施形態では、flaviviridaeウイルス感染症は、黄熱ウイルス感染症である。いくつかの実施形態では、flaviviridaeウイルス感染症は、西ナイルウイルス感染症である。いくつかの実施形態では、flaviviridaeウイルス感染症は、ジカウイルス感染症である。いくつかの実施形態では、flaviviridaeウイルス感染症は、日本脳炎ウイルス感染症である。いくつかの実施形態では、flaviviridaeウイルス感染症は、C型肝炎ウイルス感染症である。
【0228】
いくつかの実施形態では、本開示は、flaviviridaeウイルス感染症の治療を、それを必要とするヒトにおいて行うことに使用するための、本開示の化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では、flaviviridaeウイルス感染症は、デングウイルス感染症である。いくつかの実施形態では、flaviviridaeウイルス感染症は、黄熱ウイルス感染症である。いくつかの実施形態では、flaviviridaeウイルス感染症は、西ナイルウイルス感染症である。いくつかの実施形態では、flaviviridaeウイルス感染症は、ジカウイルス感染症である。いくつかの実施形態では、flaviviridaeウイルス感染症は、C型肝炎ウイルス感染症である。
【0229】
いくつかの実施形態では、ウイルス感染症は、flaviviridaeウイルス感染症である。したがって、いくつかの実施形態では、filoviridaeウイルス感染症の治療を、それを必要とするヒトにおいて行う方法であって、本明細書に開示される医薬製剤をヒトに投与することを含み、投与が吸入によるものである、方法が本明細書で提供される。代表的なfiloviridaeウイルスとしては、エボラ(ザイール、ブンディブギョ、スーダン、タイフォレスト(Tai forest)、又はレストン変異株)及びマーブルグが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、filoviridaeウイルス感染症は、エボラウイルス感染症である。いくつかの実施形態では、filoviridaeウイルス感染症は、エボラウイルス感染症である。
【0230】
いくつかの実施形態では、本開示は、filoviridaeウイルス感染症の治療を、それを必要とするヒトにおいて行うことに使用するための、本開示の化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では、filoviridaeウイルス感染症は、エボラウイルス感染症である。いくつかの実施形態では、filoviridaeウイルス感染症は、マーブルグ感染症である。
【0231】
いくつかの実施形態では、ウイルス感染症は、コロナウイルス感染症である。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書では、コロナウイルス感染症の治療を、それを必要とするヒトにおいて行う方法であって、本明細書で提供される医薬製剤をヒトに投与することを含み、投与が吸入によるものである、方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、コロナウイルス感染症は、重症急性呼吸器症候群(Severe Acute Respiratory Syndrome、SARS)感染症、中東呼吸器症候群(Middle Eastern Respiratory Syndrome、MERS)感染症、SARS-CoV-2感染症、他のヒトコロナウイルス(229E、NL63、OC43、HKU1、又はWIV1)感染症、人獣共通(zoonotic)コロナウイルス(PEDV又はHKU CoV分離株、例えば、HKU3、HKU5、又はHKU9)感染症である。いくつかの実施形態では、コロナウイルスは、重症急性呼吸器症候群(SARS)感染症である。いくつかの実施形態では、ウイルス感染症は、中東呼吸器症候群(MERS)感染症である。いくつかの実施形態では、ウイルス感染症は、SARS-CoV-2感染症である。本明細書で提供される医薬製剤は、全てのSARS-CoV-2感染症(COV ID-19)の治療、例えば、軽度、中程度、又は重度のSARS-CoV-2感染症の治療に有用である。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される吸入のための医薬製剤は、重度のSARS-CoV-2感染症の治療に使用される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される吸入のための医薬製剤は、中程度のSARS-CoV-2感染症の治療に使用される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される吸入のための医薬製剤は、軽度のSARS-CoV-2感染症の治療に使用される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される吸入のための医薬製剤は、ウイルスが主に対象の上気道で複製される際の初期段階のSARS-CoV-2感染症の治療に使用される。
【0232】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される吸入のための医薬製剤は、人獣共通コロナウイルス感染症の治療に使用される。いくつかの実施形態では、ウイルス感染症は、SARS-CoVポリメラーゼ、MERS-CoVポリメラーゼ、及びSARS-CoV-2からなる群から選択されるウイルスポリメラーゼに対して少なくとも70%の配列相同性を有するウイルスによって引き起こされる。いくつかの実施形態では、ウイルス感染症は、SARS-CoVポリメラーゼ、MERS-CoVポリメラーゼ、及びSARS-CoV-2からなる群から選択されるウイルスポリメラーゼに対して少なくとも80%の配列相同性を有するウイルスによって引き起こされる。いくつかの実施形態では、ウイルス感染症は、SARS-CoVポリメラーゼ、MERS-CoVポリメラーゼ、及びSARS-CoV-2からなる群から選択されるウイルスポリメラーゼに対して少なくとも90%の配列相同性を有するウイルスによって引き起こされる。いくつかの実施形態では、ウイルス感染症は、SARS-CoVポリメラーゼ、MERS-CoVポリメラーゼ、及びSARS-CoV-2からなる群から選択されるウイルスポリメラーゼに対して少なくとも95%の配列相同性を有するウイルスによって引き起こされる。
【0233】
いくつかの実施形態では、ウイルス感染症は、SARS-CoV-2変異株、例えば、B.1.1.7変異株(英国変異株)、B.1.351変異株(南アフリカ変異株)、P.1変異株(ブラジル変異株)、E484K変異を有するB.1.1.7、B.1.1.207変異株、B.1.1.317変異株、B.1.1.318変異株、B.1.429変異株、B.1.525変異株、又はP.3変異株によって引き起こされる。いくつかの実施形態では、ウイルス感染症は、SARS-CoV-2のB.1.1.7変異株によって引き起こされる。いくつかの実施形態では、ウイルス感染症は、SARS-CoV-2のB.1.351変異株によって引き起こされる。いくつかの実施形態では、ウイルス感染症は、SARS-CoV-2のP.1変異株によって引き起こされる。
【0234】
いくつかの実施形態では、本開示は、コロナウイルス感染症の治療を、それを必要とするヒトにおいて行うことに使用するための医薬製剤を提供する。いくつかの実施形態では、コロナウイルス感染症は、重症急性呼吸器症候群(SARS)感染症、中東呼吸器症候群(MERS)感染症、SARS-CoV-2感染症、他のヒトコロナウイルス(229E、NL63、OC43、HKU1、又はWIV1)感染症、人獣共通コロナウイルス(PEDV又はHKUCoV分離株、例えば、HKU3、HKU5、又はHKU9)感染症である。いくつかの実施形態では、ウイルス感染症は、重症急性呼吸器症候群(SARS)感染症である。いくつかの実施形態では、ウイルス感染症は、中東呼吸器症候群(MERS)感染症である。いくつかの実施形態では、ウイルス感染症は、SARS-CoV-2感染症である。
【0235】
いくつかの実施形態では、ウイルス感染症は、arenaviridaeウイルス感染症である。したがって、いくつかの実施形態では、本開示は、arenaviridaeウイルス感染症の治療を、それを必要とするヒトにおいて行う方法であって、本明細書に開示される医薬製剤をヒトに投与することを含み、投与が吸入によるものである、方法を提供する。いくつかの実施形態では、arenaviridaeウイルス感染症は、ラッサ感染症又はジュニン(Junin)感染症である。
【0236】
いくつかの実施形態では、本開示は、arenaviridaeウイルス感染症の治療を、それを必要とするヒトにおいて行うことに使用するための、本開示の化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では、arenaviridaeウイルス感染症は、ラッサ感染又はジュニン感染症である。
【0237】
いくつかの実施形態では、ウイルス感染症は、オルトミクソウイルス感染症、例えばインフルエンザウイルス感染症である。いくつかの実施形態では、ウイルス感染症は、インフルエンザウイルスA、インフルエンザウイルスB、又はインフルエンザウイルスC感染症である。
【0238】
いくつかの実施形態では、ヒトは、静脈内投与によって式I、式Ia、又は式Ibの化合物の少なくとも1つの追加用量を受ける。いくつかの実施形態では、ヒトは、静脈内投与によって式Iaの化合物の少なくとも1つの追加用量を受ける。
【0239】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるウイルス感染症を治療又は予防する方法は、式I、式Ia、又は式Ibの化合物の少なくとも1つの用量を静脈内投与によってヒトに投与することを更に含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるウイルス感染症を治療又は予防する方法は、式Iaの化合物の少なくとも1つの用量を静脈内投与によってヒトに投与することを更に含む。少なくとも1つの追加の用量は、本明細書に開示される医薬製剤の吸入投与前、吸入投与中、又は吸入投与後に提供され得る。
【0240】
本明細書で提供される吸入のための医薬製剤はまた、腎機能が損なわれたヒトにおけるウイルス感染症の治療及び又は予防に有用である。いくつかの例では、本明細書で提供される医薬製剤は、90未満の推定糸球体濾過量(glomerular filtration rate、eGFR)eFGR、例えば60~89、45~59、30~44、15~29、又は15未満のeFGRを有するヒトにおけるウイルス感染症の治療及び/又は予防に使用される。いくつかの例では、本明細書で提供される医薬製剤は、30未満のeFGR、例えば、15~29のeFGRを有するヒトにおけるウイルス感染症の治療及び/又は予防に使用される。いくつかの例では、本明細書で提供される医薬製剤は、15未満のeFGRを有するヒトにおけるウイルス感染症の治療及び/又は予防に使用される。
【0241】
本明細書でより十分に記載されるように、本明細書に記載の医薬製剤は、ウイルス感染症に感染した個人(例えば、ヒト)に、1つ以上の追加の治療薬とともに投与することができる。追加の治療剤は、本開示の医薬製剤と同時に又は本開示の医薬製剤の投与前若しくは投与後に、感染した個体に投与することができる。
VI. 併用療法
【0242】
本明細書に記載の化合物はまた、1つ以上の追加の治療薬と組み合わせて使用することができる。したがって、本明細書では、ウイルス感染症の治療を、それを必要とする対象において行う方法であって、本明細書に開示される医薬製剤及び治療有効量の1つ以上の追加の治療薬を対象に投与することを含む、方法である。
【0243】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、抗ウイルス剤を含む。任意の好適な抗ウイルス剤を本明細書に記載の方法で使用することができる。いくつかの実施形態では、抗ウイルス剤は、5置換2’-デオキシウリジン類似体、ヌクレオシド類似体、ピロリン酸類似体、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、インテグラーゼ阻害剤、侵入阻害剤、非環式グアノシン類似体、非環式ヌクレオシドホスホネート類似体、HCV NS5A/NS5B阻害剤、インフルエンザウイルス阻害剤、インターフェロン、免疫刺激剤、オリゴヌクレオチド、有糸分裂阻害剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0244】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、5置換2’-デオキシウリジン類似体である。例えば、いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、イドクスウリジン、トリフルリジン、ブリブジン[BVDU]、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0245】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ヌクレオシド類似体である。例えば、いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ビダラビン、エンテカビル(entecavir、ETV)、テルビブジン、ラミブジン、アデホビルジピボキシル、テノホビルジソプロキシルフマレート(tenofovir disoproxil fumarate、TDF)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ファビピラビル、リバビリン、ガリデシビル、β-D-N4-ヒドロキシシチジン、又はそれらの組み合わせである。
【0246】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ピロリン酸類似体である。例えば、いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ホスカルネット又はホスホノ酢酸である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ホスカルネットである。
【0247】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤である。いくつかの実施形態では、抗ウイルス剤は、ジドブジン、ジダノシン、ザルシタビン、スタブジン、ラミブジン、アバカビル、エムトリシタビン、及びそれらの組み合わせである。
【0248】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤である。いくつかの実施形態では、抗ウイルス剤は、ネビラピン、デルラビジン、エファビレンツ、エトラビリン、リルピビリン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0249】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、プロテアーゼ阻害剤である。いくつかの実施形態では、プロテアーゼ阻害剤は、HIVプロテアーゼ阻害剤である。例えば、いくつかの実施形態では、抗ウイルス剤は、サキナビル、リトナビル、インジナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、ロピナビル、アタザナビル、ホサンプレナビル、ダルナビル、チプラナビル、コビシスタット、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され。いくつかの実施形態では、抗ウイルス剤は、サキナビル、リトナビル、インジナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、ロピナビル、アタザナビル、ホサンプレナビル、ダルナビル、チプラナビル、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、プロテアーゼ阻害剤は、HCV NS3/4Aプロテアーゼ阻害剤である。例えば、いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ボキシラプレビル、アスナプレビル、ボセプレビル、パリタプレビル、シメプレビル、テラプレビル、バニプレビル、グラゾプレビル、リバビリン、ダノプレビル、ファルダプレビル、ベドロプレビル、ソバプレビル、デルデプレビル、ナラプレビル、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ボキシラプレビル、アスナプレビル、ボセプレビル、パリタプレビル、シメプレビル、テラプレビル、バニプレビル、グラゾプレビル、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0250】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、インテグラーゼ阻害剤である。例えば、いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ラルテグラビル、ドルテグラビル、エルビテグラビル、アバカビル、ラミブジン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ビクテグラビル、ラルテグラビル、ドルテグラビル、カボテグラビル、エルビテグラビル、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ビクテグラビル、ドルテグラビル、及びカボテグラビル並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ビクテグラビルである。
【0251】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、侵入阻害剤である。例えば、いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ドコサノール、エンフビルチド、マラビロク、イバリズマブ、フォステムサビル、レロンリマブ、イバリズマブ、フォステムサビル、レロンリマブ、パリビズマブ、呼吸器合胞体ウイルス免疫グロブリン、静脈内[RSV-IGIV]、水痘帯状疱疹免疫グロブリン[VariZIG]、水痘帯状疱疹免疫グロブリン[VZIG]、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0252】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、非環式グアノシン類似体である。例えば、いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、アシクロビル、ガンシクロビル、バラシクロビル(バラシクロビルとしても知られる)、バルガンシクロビル、ペンシクロビル、ファムシクロビル、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0253】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、非環式ヌクレオシドホスホネート類似体である。例えば、いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、シドフォビル、アデホビル、アデホビルジピボキシル、テノホビル、TDF、エムトリシタビン、エファビレンツ、リルピビリン、エルビテグラビル、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、シドフォビル、アデホビル、アデホビルジピボキシル、テノホビル、TDF、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、シドフォビル、アデホビルジピボキシル、TDF、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0254】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、HCV NS5A/NS5B阻害剤である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、NS3/4Aプロテアーゼ阻害剤である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、NS5Aタンパク質阻害剤である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ヌクレオシド/ヌクレオチド型のNS5Bポリメラーゼ阻害剤である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、非ヌクレオシド型のNS5Bポリメラーゼ阻害剤である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ダクラタスビル、レジパスビル、ベルパタスビル、オムビタスビル、エルバスビル、ソホスブビル、ダサブビル、リバビリン、アスナプレビル、シメプレビル、パリタプレビル、リトナビル、エルバスビル、グラゾプレビル、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ダクラタスビル、レジパスビル、ベルパタスビル、オムビタスビル、エルバスビル、ソホスブビル、ダサブビル及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0255】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、インフルエンザウイルス阻害剤である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、マトリックス2阻害剤である。例えば、いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、アマンタジン、リマンタジン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ノイラミニダーゼ阻害剤である。例えば、いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ザナミビル、オセルタミビル、ペルアミビル、ランナミビルオクタノエート、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ポリメラーゼ阻害剤である。例えば、いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、リバビリン、ファビピラビル、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、アマンタジン、リマンタジン、アルビドール(ウミフェノビル)、バロキサビルマルボキシル、オセルタミビル、ペラミビル、インガビリン、ラニナミビルオクタノエート、ザナミビル、ファビピラビル、リバビリン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、アマンタジン、リマンタジン、ザナミビル、オセルタミビル、ペラミビル、ラニナミビルオクタノエート、リバビリン、ファビピラビル、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0256】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、インターフェロンである。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、インターフェロンアルファコン1、インターフェロンアルファ1b、インターフェロンアルファ2a、インターフェロンアルファ2b、ペグ化インターフェロンアルファコン1、ペグ化インターフェロンアルファ1b、ペグ化インターフェロンアルファ2a(PegIFNα-2a)、及びPegIFNα-2bからなる群から選択される。実施形態では、追加の治療薬は、インターフェロンアルファコン1、インターフェロンアルファ1b、インターフェロンアルファ2a、インターフェロンアルファ2b、及びペグ化インターフェロンアルファ2a(PegIFNα-2a)、及びPegIFNα-2bからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、インターフェロンアルファコン1、ペグ化インターフェロンアルファ2a(PegIFNα-2a)、PegIFNα-2b、及びリバビリンからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ペグ化インターフェロンアルファ-2a、ペグ化インターフェロンアルファ-2b、又はそれらの組み合わせである。
【0257】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、免疫刺激剤である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、オリゴヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、有糸分裂阻害剤である。例えば、いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ホミビルセン、ポドフィロックス、イミキモド、シネカテキン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0258】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ベシフォビル、ニトアゾキサニド、REGN 2222、トラビリン、ソホスブビル、ベルパタスビル、ダクラタスビル、アスナプレビル、ベクラブビル、FV100、及びレテルモビル、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0259】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、RSVの治療のための薬剤である。例えば、いくつかの実施形態では、抗ウイルス剤は、リバビリン、ALS-8112又はプレサトビルである。例えば、いくつかの実施形態では、抗ウイルス剤は、ALS-8112又はプレサトビルである。
【0260】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ピコルナウイルスの治療のための薬剤である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ヒダントイン、塩酸グアニジン、l-ブチオニンスルホキシミン、Py-11、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ピコルナウイルスポリメラーゼ阻害剤である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ルピントリビルである。
【0261】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、マラリアの治療のための薬剤である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、クロロキンである。
【0262】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ヒドロキシクロロキン、クロロキン、アルテメテル、ルメファントリン、アトバコン、プログアニル、タフェノキン、ピロナリジン、アルテスネート、アルテニモール、ピペラキン、アルテスネート、アモジアキン、ピロナリジン、アルテスネート、ハロファントリン、硫酸キニン、メフロキン、ソリスロマイシン、ピリメタミン、MMV-390048、フェロキン、アルテフェノメルメシラート、ガナプラシド、DSM-265、シパルガミン、アルテミソン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0263】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、コロナウイルスの治療のための薬剤である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、IFX-1、FM-201、CYNK-001、DPP4-Fc、ランピルナーゼ、ナファモスタット、LB-2、AM-1、抗ビロポリン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0264】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、エボラウイルスの治療のための薬剤である。例えば、いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、リバビリン、パリビズマブ、モタビズマブ、RSV-IGIV(RespiGam(登録商標))、MEDI-557、A-60444、MDT-637、BMS-433771、アミオダロン、ドロネダロン、ベラパミル、エボラ回復期血漿(Ebola Convalescent Plasma、ECP)、TKM-100201、BCX4430((2S,3S,4R,5R)-2-(4-アミノ-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-イル)-5-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-3,4-ジオール)、ファビピラビル(T-705又はアビガンとしても知られる)、T-705一リン酸、T-705二リン酸、T-705三リン酸塩、FGI-106(1-N,7-N-ビス[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3,9-ジメチルキノリノ[8,7-h]キノロン-1,7-ジアミン)、JK-05、TKM-エボラ、ZMapp、rNAPc2、VRC-EBOADC076-00-VP、OS-2966、MVA-BNフィロ、ブリンシドフォビル、Vaxartアデノウイルスベクター5ベースエボラワクチン、Ad26-ZEBOV、FiloVaxワクチン、GOVX-E301、GOVX-E302、エボラウイルス侵入阻害剤(NPC1阻害剤)、rVSV-EBOV、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ZMapp、mAB114、REGEN-EB3、及びそれらの組み合わせである。
【0265】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、HCVの治療のための薬剤である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、HCVポリメラーゼ阻害剤である。例えば、いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ソホスブビル、GS-6620、PSI-938、リバビリン、テゴブビル、ラダルブビル、MK-0608、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、HCVプロテアーゼ阻害剤である。例えば、いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、GS-9256、ベドロプレビル、ボキシラプレビル、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0266】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、NS5A阻害剤である。例えば、いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、レジパスビル、ベルパタスビル、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0267】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、抗HBV剤である。例えば、いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、テノホビルジソプロキシルフマレート、及びエムトリシタビン、又はそれらの組み合わせである。追加の抗HBV剤の例としては、α-ヒドロキシトロポロン、アムドキソビル、アントロキノノール、β-ヒドロキシシトシンヌクレオシド、ARB-199、CCC-0975、ccc-R08、エルブシタビン、エゼチミブ、シクロスポリンA、ゲンチオピクリン(ゲンチオピクロシド)、HH-003、ヘパラチド、JNJ-56136379、ニタゾキサニド、ビリナパント、NJK14047、NOV-205(モリキサン、BAM-205)、オリゴチド、ミボチレート、フェロン、GST-HG-131、レバミソール、カ・シュ・ニン(Ka Shu Ning)、アロフェロン、WS-007、Y-101(Ti Fen Tai)、rSIFN-co、PEG-IIFNm、KW-3、BP-Inter-014、オレアノール酸、HepB-nRNA、cTP-5(rTP-5)、HSK-II-2、HEISCO-106-1、HEISCO-106、Hepbarna、IBPB-006IA、Hepuyinfen、DasKloster 0014-01、ISA-204、Jiangantai(Ganxikang)、MIV-210、OB-AI-004、PF-06、ピクロシド、DasKloster-0039、ヘプランタイ、IMB-2613、TCM-800B、還元型グルタチオン、RO-6864018、RG-7834、QL-007ソホスブビル、レジパスビル、UB-551、及びZH-2N、及び米国特許出願公開第2015/0210682号(Roche)、同第2016/0122344号(Roche)、国際公開第2015/173164号、同第2016/023877号、米国特許出願公開第2015/252057(A)号(Roche)、国際公開第16/128335(A1)号(Roche)、同第16/120186(A1)号(Roche)、米国特許出願公開第2016/237090(A)号(Roche)、国際公開第16/107833(A1)号(Roche)、同第16/107832(A1)号(Roche)、米国特許出願公開第2016/176899(A)号(Roche)、国際公開第16/102438(A1)号(Roche)、同第16/012470(A1)号(Roche)、米国特許出願公開第2016/220586(A)号(Roche)、及び同第2015/031687(A)号(Roche)に開示されている化合物が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、HBVポリメラーゼ阻害剤である。HBV DNAポリメラーゼ阻害剤の例としては、アデホビル(HEPSERA(登録商標))、エムトリシタビン(EMTRIVA(登録商標))、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩(VIREAD(登録商標))、テノホビルアラフェナミド、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、テノホビルアラフェナミドフマル酸塩、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、テノホビルジピボキシル、テノホビルジピボキシルフマル酸塩、テノホビルオクタデシルオキシエチルエステル、CMX-157、テノフォビルエクサリデックス、ビシホビル、エンテカビル(BARACLUDE(登録商標))、エンテカビルマレイン酸塩、テルビブジン(TYZEKA(登録商標))、フィロシロビル、プラデホビル、クレブジン、リバビリン、ラミブジン(EPIVIR-HBV(登録商標))、ホスファジド、ファムシクロビル、フソリン、メタカビル、SNC-019754、FMCA、AGX-1009、AR-II-04-26、HIP-1302、テノホビルジソプロキシルアスパラギン酸塩、テノホビルジソプロキシルアスパラギンオロト酸塩、及びHS-10234が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、HBVカプシド阻害剤である。
【0268】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、HIVの治療のための薬剤である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、HIVプロテアーゼ阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、進入阻害剤、HIVヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、HIV非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、非環式ヌクレオシドホスホネート類似体、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0269】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、HIVプロテアーゼ阻害剤、HIV逆転写酵素の非ヌクレオシド又は非ヌクレオチド阻害剤、HIV逆転写酵素のヌクレオシド又はヌクレオチド阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、HIV非触媒部位(若しくはアロステリック)インテグラーゼ阻害剤、HIV侵入阻害剤、HIV成熟阻害剤、免疫モジュレータ、免疫療法剤、抗体-薬物コンジュゲート、遺伝子調整剤、遺伝子編集剤(CRISPR/Cas9、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、ホーミングヌクレアーゼ、合成ヌクレアーゼ、TALEN)、及び細胞療法(例えば、キメラ抗原受容体T細胞、CAR-T、及び操作されたT細胞受容体、TCR-T、自家T細胞療法)からなる群から選択される。
【0270】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、HIVの複合薬、HIVを治療するための他の薬物、HIVプロテアーゼ阻害剤、HIV逆転写酵素阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、HIV非触媒部位(又はアロステリック)インテグラーゼ阻害剤、HIV侵入(融合)阻害剤、HIV成熟阻害剤、潜伏感染再活性剤、カプシド阻害剤、免疫に基づく療法、PI3K阻害剤、HIV抗体、及び二重特異性抗体、及び「抗体様」治療タンパク質、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0271】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、HIV併用薬である。HIV併用薬の例としては、ATRIPLA(登録商標)(エファビレンツ、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、及びエムトリシタビン);BIKTARVY(登録商標)ビクテグラビル、エムトリシタビン、及びテノホビルアラフェナミド);COMPLERA(登録商標)(EVIPLERA(登録商標);リルピビリン、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、及びエムトリシタビン);STRIBILD(登録商標)(エルビテグラビル、コビシスタット、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、及びエムトリシタビン);TRUVADA(登録商標)(テノホビルジソプロキシルフマル酸塩及びエムトリシタビン;TDF+FTC);DESCOVY(登録商標)(テノホビルアラフェナミド及びエムトリシタビン);ODEFSEY(登録商標)(テノホビルアラフェナミド、エムトリシタビン、及びリルピビリン);GENVOYA(登録商標)(テノホビルアラフェナミド、エムトリシタビン、コビシスタット、及びエルビテグラビル);SYMTUZA(登録商標)(ダルナビル、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、エムトリシタビン、及びコビシスタット);SYMFI(商標)(エファビレンツ、ラミブジン、及びテノホビルジソプロキシルフマル酸塩;CIMDU(商標)(ドラビリン、ラミブジン、及びテノホビルジソプロキシルフマル酸塩);テノホビル及びラミブジン;テノホビルアラフェナミド及びエムトリシタビン;テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩及びエムトリシタビン;テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、エムトリシタビン、及びリルピビリン;テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、エムトリシタビン、コビシスタット、及びエルビテグラビル;COMBIVIR(登録商標)(ジドブジン及びラミブジン;AZT+3TC);EPZICOM(登録商標)(LIVEXA(登録商標);アバカビル硫酸塩及びラミブジン;ABC+3TC);KALETRA(登録商標)(ALUVIA(登録商標);ロピナビル及びリトナビル);TRIUMEQ(登録商標)(ドルテグラビル、アバカビル、及びラミブジン);TRIZIVIR(登録商標)(アバカビル硫酸塩、ジドブジン、及びラミブジン;ABC+AZT+3TC);アタザナビル及びコビシスタット;アタザナビル硫酸塩及びコビシスタット;アタザナビル硫酸塩及びリトナビル;ダルナビル及びコビシスタット;ドルテグラビル及びリルピビリン;ドルテグラビル及びリルピビリン塩酸塩;ドルテグラビル、アバカビル硫酸塩、及びラミブジン;ラミブジン、ネビラピン、及びジドブジン;ラルテグラビル及びラミブジン;ドラビリン、ラミブジン、及びテノホビルジソプロキシルフマル酸塩;ドラビリン、ラミブジン、及びテノホビルジソプロキシル;ダピビリン+レボノルゲストレル、ドルテグラビル+ラミブジン、ドルテグラビル+エムトリシタビン+テノホビルアラフェナミド、エルスルファビリン+エムトリシタビン+テノホビルジソプロキシル、ラミブジン+アバカビル+ジドブジン、ラミブジン+アバカビル、ラミブジン+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、ラミブジン+ジドブジン+ネビラピン、ロピナビル+リトナビル、ロピナビル+リトナビル+アバカビル+ラミブジン、ロピナビル+リトナビル+ジドブジン+ラミブジン、テノホビル+ラミブジン、及びテノホビルジソプロキシルフマル酸塩+エムトリシタビン+リルピビリン塩酸塩、ロピナビル、リトナビル、ジドブジン、及びラミブジンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0272】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、HIVプロテアーゼ阻害剤である。例えば、いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、サキナビル、リトナビル、インジナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、ロピナビル、アタザナビル、ホサンプレナビル、ダルナビル、チプラナビル、コビシスタット、ASC-09、AEBL-2、MK-8718、GS-9500、GS-1156、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。例えば、いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、サキナビル、リトナビル、インジナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、ロピナビル、アタザナビル、ホサンプレナビル、ダルナビル、チプラナビル、コビシスタットからなる群から選択される。いくつかの例では、追加の治療薬は、アンプレナビル、アタザナビル、ブレカナビル、ダルナビル、ホスアンプレナビル、ホスアンプレナビルカルシウム、インジナビル、インジナビル硫酸塩、ロピナビル、ネルフィナビル、ネルフィナビルメシル酸塩、リトナビル、サキナビル、サキナビルメシル酸塩、チプラナビル、DG-17、TMB-657(PPL-100)、T-169、BL-008、MK-8122、TMB-607、TMC-310911、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0273】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、HIVインテグラーゼ阻害剤である。例えば、いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ラルテグラビル、エルビテグラビル、ドルテグラビル、アバカビル、ラミブジン、ビクテグラビル、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ビクテグラビルである。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ビクテグラビル、エルビテグラビル、クルクミン、クルクミン誘導体、チコリン酸、チコリン酸の誘導体、3,5-ジカフェオイルキナ酸、3,5-ジカフェオイルキナ酸の誘導体、アウリントリカルボン酸、アウリントリカルボン酸の誘導体、カフェイン酸フェネチルエステル、カフェイン酸フェネチルエステルの誘導体、チルホスチン、チルホスチンの誘導体、ケルセチン、ケルセチンの誘導体、ラルテグラビル、ドルテグラビル、JTK-351、ビクテグラビル、AVX-15567、BMS-986197、カボテグラビル(長時間作用性注射)、ジケトキノリン4-1誘導体、インテグラーゼ-LEDGF阻害剤、ledgin、M-522、M-532、NSC-310217、NSC-371056、NSC-48240、NSC-642710、NSC-699171、NSC-699172、NSC-699173、NSC-699174、スチルベンジスルホン酸、T-169、VM-3500、カボテグラビル、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0274】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、HIV侵入阻害剤である。例えば、いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、エンフビルチド、マラビロク、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。HIV侵入阻害剤の更なる例としては、セニクリビロク、CCR5阻害剤、gp41阻害剤、CD4接着阻害剤、DS-003(BMS-599793)、gp120阻害剤、及びCXCR4阻害剤が挙げられるが、これらに限定されない。CCR5阻害剤の例としては、アプラビロック、ビクリビロク、マラビロク、セニクリビロック、レロンリマブ(PRO-140)、アダプタービル(RAP-101)、ニフェビロク(TD-0232)、抗GP120/CD4又はCCR5二重特異性抗体、B-07、MB-66、ポリペプチドC25P、TD-0680、及びvMIP(Haimipu)が挙げられる。CXCR4阻害剤の例としては、プレリキサフォル、ALT-1188、N15ペプチド、及びvMIP(Haimipu)が挙げられる。
【0275】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、HIVヌクレオシド逆転写酵素阻害剤である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、HIV非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、非環式ヌクレオシドホスホネート類似体である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、HIVカプシド阻害剤である。
【0276】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、HIVの逆転写酵素のヌクレオシド又はヌクレオチド阻害剤である。例えば、追加の治療薬は、アデホビル、アデホビルジピボキシル、アズブジン、エムトリシタビン、テノホビル、テノホビルアラフェナミド、テノホビルアラフェナミドフマル酸塩、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、テノホビルジソプロキシル、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルジソプロキシルヘミフマル酸塩、VIDEX(登録商標)及びVIDEX EC(登録商標)(ジダノシン、ddl)、アバカビル、アバカビル硫酸塩、アロブジン、アプリシタビン、センサブジン、ジダノシン、エルブシタビン、フェスチナビル、フォサルブジンチドキシル、CMX-157、ダピビリン、ドラビリン、エトジドブジンラビリン、エトラビリン、OCR-5753、テノホビルジソプロキシルオロト酸塩、フォジブジンチドキシル、イスラトラビル、ラミブジン、ホスファジド、スタブジン、ザルシタビン、ロバホビルエタラフェナミド(GS-9131)、GS-9148、MK-8504、MK-8591、MK-858、VM-2500、KP-1461、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0277】
いくつかの例では、追加の治療薬は、HIVの逆転写酵素の非ヌクレオシド又は非ヌクレオチド阻害剤である。例えば、追加の薬剤は、ダピビリン、デラビルジン、メシル酸デラビルジン、ドラビリン、エファビレンツ、エトラビリン、レンチナン、MK-8583、ネビラピン、リルピビリン、TMC-278LA、ACC-007、AIC-292、KM-023、PC-1005、エルスルファビリンリルプ(VM-1500)、それらの組み合わせからなる群から選択される。
【0278】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ATRIPLA(登録商標)(エファビレンツ、フマル酸テノホビルジソプロキシル、及びエムトリシタビン);COMPLERA(登録商標)(EVIPLERA(登録商標);リルピビリン、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、及びエムトリシタビン);STRIBILD(登録商標)(エルビテグラビル、コビシスタット、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、及びエムトリシタビン);TRUVADA(登録商標)(テノホビルジソプロキシルフマル酸塩及びエムトリシタビン;TDF+FTC);DESCOVY(登録商標)(テノホビルアラフェナミド及びエムトリシタビン);ODEFSEY(登録商標)(テノホビルアラフェナミド、エムトリシタビン、及びリルピビリン);GENVOYA(登録商標)(テノホビルアラフェナミド、エムトリシタビン、コビシスタット、及びエルビテグラビル);アデホビル;アデホビルジピボキシル;コビシスタット;エムトリシタビン;テノホビル;テノホビルジソプロキシル;テノホビルジソプロキシルフマル酸塩;テノホビルアラフェナミド;テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩;TRIUMEQ(登録商標)(ドルテグラビル、アバカビル、及びラミブジン);ドルテグラビル、アバカビル硫酸塩、及びラミブジン;ラルテグラビル;ラルテグラビル及びラミブジン;マラビロク;エンフビルチド;ALUVIA(登録商標)(KALETRA(登録商標);ロピナビル及びリトナビル);COMBIVIR(登録商標)(ジドブジン及びラミブジン;AZT+3TC);EPZICOM(登録商標)(LIVEXA(登録商標);アバカビル硫酸塩及びラミブジン;ABC+3TC);TRIZIVIR(登録商標)(アバカビル硫酸塩、ジドブジン、及びラミブジン;ABC+AZT+3TC);リルピビリン;リルピビリン塩酸塩;アタザナビル硫酸塩及びコビシスタット;アタザナビル及びコビシスタット;ダルナビル及びコビシスタット;アタザナビル;アタザナビル硫酸塩;ドルテグラビル;エルビテグラビル;リトナビル;アタザナビル硫酸塩及びリトナビル;ダルナビル;ラミブジン;プロラスチン;ホサンプレナビル;ホサンプレナビルカルシウムエファビレンツ;エトラビリン;ネルフィナビル;ネルフィナビルメシル酸塩;インターフェロン;ジダノシン;スタブジン;インジナビル;インジナビル硫酸塩;テノホビル及びラミブジン;ジドブジン;ネビラピン;サキナビル;サキナビルメシル酸塩;アルデスロイキン;ザルシタビン;チプラナビル;アンプレナビル;デラビルジン;デラビルジンメシル酸塩;Radha-108(レセプトール);ラミブジン及びテノホビルジソプロキシルフマル酸塩;エファビレンツ、ラミブジン、及びテノホビルジソプロキシルフマル酸塩;ホスファジド;ラミブジン、ネビラピン、及びジドブジン;アバカビル、及びアバカビル硫酸塩から選択される。
【0279】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、コリスチン、バルビシン、イカチバント、ベポタスチン、エピルビシン、エポプロセトノール、バプレオチド、アプレピタント、カスポファンギン、ペルフェナジン、アタザナビル、エファビレンツ、リトナビル、アシクロビル、ガンシクロビル、ペンシクロビル、プルリフロキサシン、ビクテグラビル、ネルフィナビル、テゴブビ、ネルフィナビル、プラジカンテル、ピタバスタチン、ペランパネル、エスゾピクロン、及びゾピクロンからなる群から選択される。
【0280】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK、AGMX1、AT、ATK、BPK、IGHD3、IMD1、PSCTK1、XLA、NCBI遺伝子ID:695)の阻害剤である。例えば、いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、(S)-6-アミノ-9-(1-(ブタ-2-イノイル)ピロリジン-3-イル)-7-(4-フェノキシフェニル)-7H-プリン-8(9H)-オン、アカラブルチニブ(ACP-196)、BGB-3111、CB988、HM71224、イブルチニブ(Imbruvica)、M-2951(エボブルチニブ)、M7583、チラブルチニブ(ONO-4059)、PRN-1008、スペブルチニブ(CC-292)、TAK-020、ベカブルチニブ、ARQ-531、SHR-1459、DTRMWXHS-12、TAS-5315、AZD6738、カルケンス、ダンバトリセン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、チラブルチニブ、イブルチニブ、アカルブルチニブ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、チラブルチニブ、イブルチニブ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、チルホスチンA9(A9)である。
【0281】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、KRAS阻害剤である。例えば、いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、AMG-510、COTI-219、MRTX-1257、ARS-3248、ARS-853、WDB-178、BI-3406、BI-1701963、ARS-1620(G12C)、SML-8-73-1(G12C)、化合物3144(G12D)、Kobe0065/2602(Ras GTP)、RT11、KRpep-2(Ac-RRCPLYISYDPVCRR-NH2)、KRpep-2d(Ac-RRRRCPLYISYDPVCRRRR-NH2)を含む、
MRTX-849(G12C)及びK-Ras(G12D)選択的阻害ペプチド、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0282】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、プロテアソーム阻害剤である。例えば、いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、イキサゾミブ、カルフィルゾミブ、マリゾミブ、ボルテゾミブ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、カルフィルゾミブである。
【0283】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ワクチンである。例えば、いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、DNAワクチン、RNAワクチン、弱毒化生ワクチン、治療用ワクチン、予防ワクチン、タンパク質ベースのワクチン、又はそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、mRNA-1273である。いくつかの実施形態では追加の治療薬は、INO-4800又はINO-4700である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、弱毒化生RSVワクチンMEDI-559、RSVに対するヒトモノクローナル抗体REGN2222、パリビズマブ、呼吸器合胞体ウイルス免疫グロブリン、静脈内[RSV-IGIV]、及びそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、HBVワクチン、例えば、ペディアリクス、エンゲリックスーB、及びリコンビバックスHBである。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、VZVワクチン、例えば、ゾスタビックス及びバリバックスである。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、HPVワクチン、例えば、子宮頸部、ガーダシル9、及びガーダシルである。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、インフルエンザウイルスワクチンである。例えば、(i)インフルエンザAの一価ワクチン(例えば、インフルエンザA[H5N1]ウイルス一価ワクチン及びインフルエンザA[H1N1]2009ウイルス一価ワクチン)、(ii)インフルエンザA及びBウイルス用の三価ワクチン(例えば、アフルリア、アグリフル、フルアド、フルアリックス、フルブロック、フルセルバックス、フルラバル、フルビリン、及びフルゾン)、並びに(iii)インフルエンザA及びBウイルスの4価ワクチン(フルミスト、フルアリックス、フルゾン、及びフルラバル)である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ヒトアデノウイルスワクチン(例えば、アデノウイルス4型及び7型ワクチン、生、経口)である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ロタウイルスワクチン(例えば、ロタウイルス血清型G1、G3、G4、又はG9のためのロタリックス、及びロタウイルス血清型G1、G2、G3、又はG4のためのロタテック)である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、A型肝炎ウイルスワクチン(例えば、Havrix及びVaqta)である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ポリオウイルスワクチン(例えば、Kinrix、Quadracel、及びIpol)である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、黄熱病ウイルスワクチン(例えば、YF-Vax)である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、日本脳炎ウイルスワクチン(例えば、Ixiaro及びJE-Vax)である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、麻疹ワクチン(例えば、M-M-RII及びProQuad)である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、流行性耳下腺炎スワクチン(例えば、M-M-RII及びProQuad)である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ルベラワクチン(例えば、M-M-RII及びProQuad)である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、水痘ワクチン(例えば、ProQuad)である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、狂犬病ワクチン(例えば、Imovax及びRabAvert)である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、痘瘡ウイルス(天然痘)ワクチン(ACAM2000)である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、E型肝炎ウイルス(hepatitis E virus、HEV)ワクチン(例えば、HEV239)である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、2019-nCovワクチンである。
【0284】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、抗体、例えばモノクローナル抗体である。例えば、追加の治療薬は、Regeneron抗体、Wuxi抗体、Vir Biotechnology抗体、SARS-CoV-2スパイクタンパク質を標的とする抗体、SARS-CoV-2を中和することができる抗体(SARS-CoV-2中和抗体)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される2019-nCovに対する抗体である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、抗SARS CoV抗体CR-3022である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、aPD-1抗体である。
【0285】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、組換えサイトカイン遺伝子由来タンパク質注射である。
【0286】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ポリメラーゼ阻害剤である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、DNAポリメラーゼ阻害剤である。例えば、いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、シドフォビルである。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、RNAポリメラーゼ阻害剤である。例えば、いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、リバビリン、ファビピラビル、ラミブジン、ピモジビル、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0287】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ロピナビル、リトナビル、インターフェロン-アルファ-2b、リトナビル、アルビドール、ヒドロキシクロロキン、ダルナビル及びコビシスタット、アビドール塩酸塩、オセルタミビル、リトナビル、エムトリシタビン、テノホビルアラフェナミドフマレート、バロキサビルマルボキシル、ルキソリチニブ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0288】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、6’-フッ素化アリステマイシン類似体、アシクロビルフレキシマー類似体、ジスルフィラム、チオプリン類似体、ASC09F、GC376、GC813、フェニルイソセリン誘導体、ニューロイミダーゼ阻害剤類似体、ピリチオバック誘導体、バナニン及び5-ヒドロキシクロモン誘導体、SSYA10-001、グリフィスシン、HR2P-M1、HR2P-M2、P21S10、ジヒドロタンシノンE-64-C及びE-64-D、OC43-HR2P、MERS-5HB、229E-HR1P、229E-HR2P、レスベラトロール、1-チア-4-アザスピロ[4.5]デカン-3-オン誘導体、塩酸ゲムシタビン、ロペラミド、組換えインターフェロン、シクロスポリンA、アリスポリビル、メシル酸イマチニブ、ダサチニブ、セルメチニブ、トラメチニブ、ラパマイシン、サラカチニブ、クロルプロマジン、トリフルプロマジン、フルフェナジン、チエチルペラジン、プロメタジン、シクロフィリン阻害剤、K11777、カモスタット、k22、テイコプラニン誘導体、ベンゾ複素環式アミン誘導体N30、ミコフェノール酸、シルベストロール、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0289】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、抗体である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、コロナウイルスに結合する抗体、例えば、SARS又はMERSに結合する抗体である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、2019-nCoV試験のウイルス抗体である。
【0290】
本発明の組成物はまた、他の活性成分と組み合わせて使用される。2019-nCoVウイルス感染の治療のために、好ましくは、他の活性治療薬は、コロナウイルス感染、例えば2019-nCoVウイルス感染に対して活性である。本発明の化合物及び組成物はまた、非経口流体(デキストロース生理食塩水及び乳酸リンゲル液-を含む)及び栄養素、抗生物質(セフトリアキソン及びセフロキシなどのメトロニダゾール及びセファロスポリンの抗生物質を含む)及び/又は抗真菌予防薬、発熱及び鎮痛薬、制吐薬(メトクロプラミドなど)及び/又は下痢止め薬、ビタミン及びミネラルサプリメント(ビタミンK及び硫酸亜鉛を含む)、抗炎症剤(イブプロフェン又はステロイドなど)、メチルプレドニゾロンなどのコルチコステロイド、免疫調節薬(例えば、インターフェロン)、2019-nCoVを標的とする他の小分子又は生物学的抗ウイルス剤(非限定的に、ロピナビル/リトナビル、EIDD-1931、ファビピラビル、リバビリン、中和抗体など)、ワクチン、鎮痛薬、並びに抗マラリア剤(アルテメテル及びアルテメテル-ルメファントリン併用療法を含む)、腸チフス(シプロフロキサシンなどのキノロン系抗生物質、アジスロマイシンなどのマクロライド系抗生物質、セフトリアキソンなどのセファロスポリン系抗生物質、若しくはアンピシリンなどのアミノペニシリン)、又は細菌性赤痢などの患者集団の他の一般的な疾患のための薬物を含む、2019-nCoVウイルス感染症を有する患者に提供される一般的なケアを伴う使用を意図している。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ジヒドロアルテミシニン/ピペラキンである。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、EIDD-2801(MH-4482、モルヌピラビル)である。
【0291】
いくつかの例では、追加の治療薬は、免疫モジュレータである。免疫系治療剤の例には、tlr1、tlr2、tlr3、tlr4、tlr5、tlr6、tlr7、tlr8、tlr9、tlr10、tlr11、tlr12、及びtlr13などのtoll様受容体モジュレータ;プログラム細胞死タンパク質1(Pd-1)モジュレータ;プログラム死リガンド1(Pd-L1)モジュレータ;IL-15モジュレータ、DermaVir;インターロイキン-7;プラケニル(ヒドロキシクロロキン);プロロイキン(アルデスロイキン、IL-2);インターフェロンα;インターフェロンα-2b;インターフェロンα-n3;PEG化インターフェロンα;インターフェロンγ;ヒドロキシ尿素;ミコフェノール酸モフェチル(mycophenolate mofetil、MPA)及びそのエステル誘導体ミコフェノール酸モフェチル(mycophenolate mofetil、MMF);リバビリン;ポリマーポリエチレンイミン(polymer polyethyleneimine、PEI);gepon;IL-12;WF-10;VGV-1;MOR-22;BMS-936559;CYT-107、インターロイキン-15/Fc融合タンパク質、AM-0015、ALT-803、NIZ-985、NKTR-255、NKTR-262、NKTR-214、ノルムフェロン、ペグインターフェロンα-2a、ペグインターフェロンα-2b、組換えインターロイキン-15、Xmab-24306、RPI-MN、STINGモジュレータ、RIG-Iモジュレータ、NOD2モジュレータ、SB-9200、及びIR-103が挙げられる。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、フィンゴリモド、レフルノミド、又はそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、サリドマイドである。
【0292】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、IL-6阻害剤、例えば、トシリズマブ、サリルマブ、又はそれらの組み合わせである。
【0293】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、抗TNF阻害剤である。例えば、追加の治療薬は、アダリムマブ、エタネルセプト、ゴリムマブ、インフリキシマブ、又はそれらの組み合わせである。
【0294】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、JAK阻害剤であり、例えば、追加の治療薬は、バリシチニブ、フィルゴチニブ、オルミエント、又はそれらの組み合わせである。
【0295】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、炎症阻害剤、例えばピルフェニドンである。
【0296】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、二次細菌性肺炎のための抗生物質である。例えば、追加の治療薬は、マクロライド抗生物質(例えば、アジロマイシン、クラリスロマイシン、及びmycoplasma pneumoniae)、フルオロキノロン(例えば、シプロフロキサシン及びレボフロキサシン)、テトラサイクリン(例えば、ドキシサイクリン及びテトラサイクリン)、又はそれらの組み合わせである。
【0297】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は、肺炎標準治療と組み合わせて使用される(例えば、Pediatric Community Pneumonia Guidelines,CID 2011:53(1 October)を参照されたい)。肺炎の治療は、概して、感染を治癒し、合併症を防止することを伴う。特定の治療は、肺炎の種類及び重症度、年齢、及び個体の全体的な健康を含むいくつかの因子に依存する。この選択肢としては、(i)抗生物質、(ii)咳止め薬、及び(iii)解熱剤/鎮痛剤(例えば、アスピリン、イブプロフェン(Advil、Motrin IB、その他)、及びアセトアミノフェン(タイレノール、その他))が挙げられる。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ブロムヘキシン鎮咳薬である。
【0298】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は、治癒したCOVID-19患者由来の免疫グロブリンと組み合わせて使用される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は、血漿輸血と組み合わせて使用される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は、幹細胞と組み合わせて使用される。
【0299】
いくつかの例では、追加の治療薬は、TLRアゴニストである。TLRアゴニストの例としては、ベサトリモド(GS-9620)、GS-986、IR-103、レフィトリモド、チルソトリモド、リンタトリモド、DSP-0509、AL-034、G-100、コビトリモド、AST-008、モトリモド、GSK-1795091、GSK-2245035、VTX-1463、GS-9688、LHC-165、BDB-001、RG-7854、テルラトリモド、RO-7020531が挙げられるが、これらに限定されない。
【0300】
いくつかの例では、追加の治療薬は、ボルテゾミド、フルラゼパム、ポナチニブ、ソラフェニブ、パラメタゾン、クロコルトロン、フルクロキサシリン、セルチンドール、クリビジピン、アトルバスタチン、シノラゼパム、クロファジミン、ホスアプレピタント、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0301】
いくつかの例では、追加の治療薬は、カリマイシン、スラミン、トリアザビリン、ジピリダモール、ベバシズマブ、メプラズマブ、GD31(リゾビウム)、NLRPインフラマソーム阻害剤、又はα-ケトアミンである。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、組換えヒトアンジオテンシン変換酵素2(recombinant human angiotensin-converting enzyme 2、rhACE2)である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ウイルスマクロファージ炎症性タンパク質(viral macrophage inflammatory protein、vMIP)である。
【0302】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、抗ビロポリン治療薬である。例えば、追加の治療薬は、BIT-314又はBIT-225である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、コロナウイルスEタンパク質阻害剤である。例えば、追加の治療薬はBIT-009である。追加の治療薬の更なる例としては、国際公開第2004/112687号、同第2006/135978号、同第2018/145148号、及び同第2009/018609号に記載されているものが挙げられる。
【0303】
また、患者への同時又は逐次的投与のために、本発明の任意の化合物を1つ以上の追加の活性治療薬と単一剤形で組み合わせることも可能である。併用療法は、同時又は逐次的レジメンとして投与され得る。連続的に投与される場合、組み合わせは、2回以上の投与で投与されてもよい。
【0304】
本発明の化合物と1つ以上の他の活性治療薬との共投与は、概して、治療有効量の本明細書に開示される化合物と1つ以上の他の活性治療薬が両方とも患者の体内に存在するような、本発明の化合物と1つ以上の他の活性治療薬との同時投与又は逐次的投与を指す。
【0305】
共投与は、1つ以上の他の活性治療薬の投与前又は投与後の本発明の化合物の単位投与量の投与、例えば、1つ以上の他の活性治療薬の投与の数秒、数分、又は数時間以内の、本発明の化合物の投与を含む。例えば、単位用量の本発明の化合物を最初に投与し、続いて数秒又は数分以内に、単位用量の1つ以上の他の活性治療薬を投与することができる。代替的に、単位用量の1つ以上の他の治療薬を最初に投与し、続いて数秒又は数分以内に、単位用量の本発明の化合物を投与することができる。いくつかの場合では、本発明の化合物の単位用量を最初に投与し、続いて数時間(例えば、1~12時間)後に、1つ以上の他の活性治療薬の単位用量を投与することが望ましくあり得る。他の実施形態では、1つ以上の他の活性治療薬の単位用量を最初に投与し、続いて、数時間(例えば、1~12時間)後に、本発明の化合物の単位用量を投与することが望ましくあり得る。
【0306】
併用療法は、「相乗効果」及び「相乗的」、すなわち、一緒に使用される活性成分が、化合物を別々に使用することから生じる効果の合計よりも大きい場合に達成される効果を提供することができる。活性成分が、(1)共製剤化され、組み合わされた製剤で同時に投与又は送達されるか、(2)別個の製剤として交互又は並列に送達されるか、又は(3)いくつかの他のレジメンによる場合、相乗効果が達成され得る。交互療法で送達される場合、化合物が投与又は逐次的に送達される場合、相乗効果が達成され得る。概して、交互療法の間、各活性成分の有効投薬量は、逐次的に、すなわち連続的に投与されるが、併用療法では、2つ以上の活性成分の有効投薬量が一緒に投与される。相乗的な抗ウイルス効果は、組み合わせの個々の化合物の予測される純粋な相加効果よりも大きい抗ウイルス効果を示す。
1. Pneumoviridaeの治療のための併用療法
【0307】
本明細書で提供される医薬製剤はまた、他の活性治療薬と組み合わせて使用される。Pneumoviridaeウイルス感染症の治療の場合、好ましくは、他の活性治療剤は、Pneumoviridaeウイルス感染症、特に呼吸器合胞体ウイルス感染症及び/又はmetapneumovirus感染症に対して活性である。RSVに対するこれらの他の活性治療剤の非限定的な例は、リバビリン、パリビズマブ、モタビズマブ、RSV-IGIV(RespiGam(登録商標))、MEDI-557、A-60444(RSV604としても知られる)、MDT-637、BMS-433771、ALN-RSV0、ALX-0171、及びそれらの混合物である。呼吸器合胞体ウイルス感染症に対して活性な他の活性治療剤の他の非限定的な例としては、AK-0529などの呼吸器合胞体ウイルスタンパク質F阻害剤;RV-521、ALX-0171、JNJ-53718678、BTA-585、及びプレサトビル;ルミシタビン及びALS-8112などのRNAポリメラーゼ阻害剤;抗Gタンパク質mAbなどの抗RSV Gタンパク質抗体;ニタゾキサニドなどのウイルス複製阻害剤が挙げられる。
【0308】
いくつかの実施形態では、他の活性治療剤は、MVA-BN RSV、RSV-F、MEDI-8897、JNJ-64400141、DPX-RSV、SynGEM、GSK-3389245A、GSK-300389-1A、RSV-MEDI δM2-2ワクチン、VRC-RSVRGP084-00VP、Ad35-RSV-FA2、Ad26-RSV-FA2、及びRSV融合糖タンパク質サブユニットワクチンを含むがこれらに限定されない、RSVの治療又は予防のためのワクチンであり得る。
【0309】
metapneumovirus感染に対して活性な他の活性治療剤の非限定的な例としては、DAS-181などのシアリダーゼモジュレータ、ALS-8112などのRNAポリメラーゼ阻害剤、及びEV-046113などのMetapneumovirus感染症の治療のための抗体が挙げられる。
【0310】
いくつかの実施形態では、他の活性治療剤は、mRNA-1653及びrHMPV-Paワクチンを含むがこれらに限定されないmetapneumovirus感染症の治療又は予防のためのワクチンであり得る。
2. Picornaviridaeの治療のための併用療法
【0311】
本明細書で提供される医薬製剤はまた、他の活性治療薬と組み合わせて使用される。Picornaviridaeウイルス感染症の治療の場合、好ましくは、他の活性治療剤は、Picornaviridaeウイルス感染症、特にエンテロウイルス感染症に対して活性である。これらの他の活性治療剤の非限定的な例は、キャプシド結合阻害剤、例えば、プレコナリル、BTA-798(バペンダビル)、並びにWuら(米国特許第7,078,403号)及びWatson(米国特許第7,166,604号)によって開示される他の化合物;DAS-181などの融合シアリダーゼタンパク質;VVX-003及びAZN-001などのキャプシドタンパク質VP1阻害剤;CW-33などのウイルスプロテアーゼ阻害剤;GSK-480及びGSK-533などのホスファチジルイノシトール4キナーゼβ阻害剤;抗EV71抗体である。
【0312】
いくつかの実施形態では、他の活性治療剤は、EV71ワクチン、TAK-021、及びEV-D68アデノベクターベースのワクチンを含むがこれらに限定されない、Picornaviridaeウイルス感染症の治療又は予防のためのワクチンであり得る。
3. 呼吸器感染のための併用療法
【0313】
Pneumoviridae及びPicornaviridaeウイルスの感染症の多くは、呼吸器感染症である。したがって、感染症の呼吸器症状及び続発症を治療するために使用される追加の活性治療薬は、本明細書に提供される医薬製剤と組み合わせて使用され得る。追加の薬剤は、好ましくは、経口投与されるか、又は直接吸入によって投与される。例えば、ウイルス性呼吸器感染症の治療のために本明細書に提供される化合物と組み合わせる、他の好ましい追加の治療剤としては、気管支拡張薬及びコルチコステロイドが挙げられるが、これらに限定されない。
糖質コルチコイド
【0314】
1950年に喘息療法として最初に導入された糖質コルチコイド(Carryer,Journal of Allergy,21,282-287,1950)は、依然としてこの疾患に対して最も強力で一貫した効果的な療法であるが、それらの作用機序はまだ完全には理解されていない(Morris,J.Allergy Clin.Immunol.,75(1 Pt)1-13,1985)。残念ながら、経口糖質コルチコイド療法は、体幹肥満、高血圧、緑内障、グルコース不耐性、白内障形成の加速、骨ミネラル損失、及び心理的効果などの望ましくない副作用と関連しており、それらの全ては、長期治療剤としての使用を制限する(Goodman and Gilman,10th edition,2001)。全身的な副作用に対する解決策は、ステロイド薬を炎症の部位に直接送達することである。経口ステロイドの重度の悪影響を軽減するために、吸入コルチコステロイド(inhaled corticosteroid、ICS)が開発されている。本明細書に提供される化合物と組み合わせて使用され得るコルチコステロイドの非限定的な例は、デキサメタゾン、リン酸デキサメタゾンナトリウム、フルオロメトロン、酢酸フルオロメトロン、ロテプレドノール、エタボン酸ロテプレドノール、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、フルドロコルチゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、ベタメタゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン(beclomethasone diproprionate)、メチルプレドニゾロン、フルオシノロン、フルオシノロンアセトニド、フルニソリド、フルオコルチン-21-ブチレート、フルメタゾン、ピバル酸フルメタゾン、ブデソニド、プロピオン酸ハロベタゾール、フロ酸モメタゾン、フルチカゾン、AZD-7594、シクレソニド、又はその薬学的に許容される塩である。
抗炎症剤
【0315】
抗炎症カスケード機序を通じて作用する他の抗炎症剤もまた、ウイルス性呼吸器感染症の治療のために本明細書に提供される化合物と組み合わせる追加の治療剤として有用である。ホスホジエステラーゼ阻害剤(例えば、PDE-4、PDE-5、若しくはPDE-7特異的)、転写因子阻害剤(例えば、IKK阻害によりNFκBを遮断する)、又はキナーゼ阻害剤(例えば、P38 MAP、JNK、PI3K、EGFR若しくはSykを遮断する)のような「抗炎症シグナル伝達モジュレータ」(この文書ではAISTMと称される)を適用することは、これらの小分子が限定数の一般的な細胞内経路、すなわち抗炎症治療介入にとって重大なポイントであるシグナル伝達経路を標的とするため、炎症を止めるための論理的アプローチである(P.J.Barnes,2006によるレビューを参照されたい)。これらの非限定的な追加の治療剤としては、5-(2,4-ジフルオロ-フェノキシ)-1-イソブチル-1H-インダゾール-6-カルボン酸(2-ジメチルアミノ-エチル)-アミド(P38 Mapキナーゼ阻害剤ARRY-797)、3-シクロプロピルメトキシ-N-(3,5-ジクロロ-ピリジン-4-イル)-4-ジフルオロメトキシ-ベンズアミド(PDE-4阻害剤Roflumilast)、4-[2-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)-2-フェニル-エチル]-ピリジン(PDE-4阻害剤CDP-840)、N-(3,5-ジクロロ-4-ピリジニル)-4-(ジフルオロメトキシ)-8-[(メチルスルホニル)アミノ]-1-ジベンゾフランカルボキサミド(PDE-4阻害剤Oglemilast)、N-(3,5-ジクロロ-ピリジン-4-イル)-2-[1-(4-フルオロベンジル)-5-ヒドロキシ-1H-インドール-3-イル]-2-オキソ-アセトアミド(PDE-4阻害剤AWD 12-281)、8-メトキシ-2-トリフルオロメチル-キノリン-5-カルボン酸(3,5-ジクロロ-1-オキシ-ピリジン-4-イル)-アミド(PDE-4阻害剤Sch 351591)、4-[5-(4-フルオロフェニル)-2-(4-メタンスルフィニル-フェニル)-1H-イミダゾール-4-イル]-ピリジン(P38阻害剤SB-203850)、4-[4-(4-フルオロ-フェニル)-1-(3-フェニル-プロピル)-5-ピリジン-4-イル-1H-イミダゾール-2-イル]-ブタ-3-イン-1-オール(P38阻害剤RWJ-67657)、4-シアノ-4-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシ-フェニル)-シクロヘキサンカルボン酸2-ジエチルアミノ-エチルエステル(シロミラスト、PDE-4阻害剤の2-ジエチル-エチルエステルプロドラッグ)、(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-[7-メトキシ-6-(3-モルホリン-4-イル-プロポキシ)-キナゾリン-4-イル]-アミン(ゲフィニブ、EGFR阻害剤)、及び4-(4-メチル-ピペラジン-1-イルメチル)-N-[4-メチル-3-(4-ピリジン-3-イル-ピリミジン-2-イルアミノ)-フェニル]-ベンズアミド(イマチニブ、EGFR阻害剤)。
β2-アドレナリン受容体アゴニスト気管支拡張剤
【0316】
吸入型β2-アドレナリン受容体アゴニスト気管支拡張薬、例えば、ホルモテロール、アルブテロール、又はサルメテロールを、本明細書に提供される化合物とともに含む組み合わせもまた、好適であるが非限定的な、呼吸器ウイルス感染症の治療に有用な組み合わせである。
【0317】
ICSを有するホルモテロール又はサルメテロールなどの吸入β2-アドレナリン受容体アゴニスト気管支拡張剤の組み合わせもまた、気管支狭窄及び炎症(それぞれSymbicort(登録商標)及びAdvair(登録商標))の両方を治療するために使用される。これらのICS及びβ2-アドレナリン受容体アゴニストを本明細書に提供される化合物とともに含む組み合わせもまた、好適であるが、非限定的な、呼吸器ウイルス感染症の治療に有用な組み合わせである。
【0318】
β2アドレナリン受容体アゴニストの他の例は、ベドラドリン、ビランテロール、インダカテロール、オロダテロール、ツロブテロール、ホルモテロール、アベジテロール、サルブタモール、アルホルモテロール、レバルブテロール、フェノテロール、及びTD-5471である。
抗コリン薬
【0319】
肺気管支収縮の治療又は予防のために、抗コリン薬が有用である可能性があり、したがって、ウイルス性呼吸器感染症の治療のために本明細書に提供される化合物と組み合わせる追加の治療剤として有用である。これらの抗コリン薬としては、ムスカリン受容体(特にM3サブタイプの)が挙げられるが、これらに限定されず、これはCOPDにおけるコリン作動性トーンの制御に対するヒトにおける治療有効性を示している(Witek,1999)。1-{4-ヒドロキシ-1-[3,3,3-トリス-(4-フルオロ-フェニル)-プロピオニル]-ピロリジン-2-カルボニル}-ピロリジン-2-カルボン酸(1-メチル-ピペリジン-4-イルメチル)-アミド、3-[3-(2-ジエチルアミノ-アセトキシ)-2-フェニル-プロピオニルオキシ]-8-イソプロピル-8-メチル-8-アゾニア-ビシクロ[3.2.1]オクタン(イプラトロピウム-N,N-ジエチルグリシネート)、1-シクロヘキシル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-カルボン酸1-アザ-ビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イルエステル(ソリフェナシン)、2-ヒドロキシメチル-4-メタンスルフィニル-2-フェニル-酪酸1-アザ-ビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イルエステル(レバトロパート)、2-{1-[2-(2,3-ジヒドロ-ベンゾフラン-5-イル)-エチル]-ピロリジン-3-イル}-2,2-ジフェニル-アセトアミド(ダリフェナシン)、4-アゼパン-1-イル-2,2-ジフェニル-ブチルアミド(ブゼピド)、7-[3-(2-ジエチルアミノ-アセトキシ)-2-フェニル-プロピオニルオキシ]-9-エチル-9-メチル-3-オキサ-9-アゾニア-トリシクロ[3.3.1.02,4]ノナン(オキシトロピウム-N,N-ジエチルグリシネート)、7-[2-(2-ジエチルアミノ-アセトキシ)-2,2-ジ-チオフェン-2-イル-アセトキシ]-9,9-ジメチル-3-オキサ-9-アゾニア-トリシクロ[3.3.1.02,4]ノナン(チオトロピウム-N,N-ジエチルグリシネート)、ジメチルアミノ酢酸2-(3-ジイソプロピルアミノ-1-フェニル-プロピル)-4-メチル-フェニルエステル(トルテロジン-N,N-ジメチルグリシネート)、3-[4,4-ビス-(4-フルオロ-フェニル)-2-オキソ-イミダゾリジン-1-イル]-1-メチル-1-(2-オキソ-2-ピリジン-2-イル-エチル)-ピロリジニウム、1-[1-(3-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-4-イル]-4,4-ビス-(4-フルオロ-フェニル)-イミダゾリジン-2-オン、1-シクロオクチル-3-(3-メトキシ-1-アザ-ビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル)-1-フェニル-プロパ-2-イン-1-オール、3-[2-(2-ジエチルアミノ-アセトキシ)-2,2-ジ-チオフェン-2-イル-アセトキシ]-1-(3-フェノキシ-プロピル)-1-アゾニア-ビシクロ[2.2.2]オクタン(アクリジニウム-N,N-ジエチルグリシネート)、又は(2-ジエチルアミノ-アセトキシ)-ジ-チオフェン-2-イル-酢酸1-メチル-1-(2-フェノキシ-エチル)-ピペリジン-4-イルエステル、レベフェナシン、臭化グリコピロニウム、臭化ウメクリジニウム、臭化チオトロピウム、臭化アクリジニウム、臭化ベンシクロキジウム。
粘液溶解剤
【0320】
本明細書に提供される医薬製剤はまた、呼吸器感染症の感染及び症状の両方を治療するために、粘液溶解剤と組み合わされ得る。粘液溶解剤の非限定的な例は、アンブロキソールである。同様に、医薬製剤は、呼吸器感染症の感染及び症状の両方を治療するために去痰薬と組み合わされ得る。去痰薬の非限定的な例は、グアイフェネシンである。
【0321】
噴霧性高張生理食塩水は、肺疾患を有する患者における小気道の即時及び長期クリアランスを改善するために使用される(Kuzik,J.Pediatrics 2007,266)。したがって、本明細書に提供される化合物はまた、特に、ウイルス感染症が細気管支炎と併発している場合に、噴霧型の高張生理食塩水と組み合わされ得る。本明細書に提供される医薬製剤と高張生理食塩水との組み合わせはまた、上で考察された追加の薬剤のうちのいずれかを含み得る。一実施形態では、約3%の噴霧性高張生理食塩水が使用される。
4. Flaviviridaeウイルス感染症の治療のための併用療法
【0322】
本明細書に提供される化合物及び組成物はまた、他の活性治療剤と組み合わせて使用される。Flaviviridaeウイルス感染症の治療の場合、好ましくは、他の活性治療剤は、Flaviviridaeウイルス感染症に対して活性である。
【0323】
デング熱ウイルス感染症の治療のために、他の活性治療薬の非限定的な例は、GBV-006などの宿主細胞因子モジュレータ;フェンレチニド ABX-220、BRM-211;セルゴシビルなどのα-グルコシダーゼ1阻害剤;モジパファントなどの血小板活性化因子受容体(platelet activating factor receptor、PAFR)アンタゴニスト;FX-06などのカドヘリン-5/第Ia因子モジュレータ;JNJ-8359などのNS4B阻害剤;ABX-202などのウイルスRNAスプライシングモジュレータ;NS5ポリメラーゼ阻害剤;NS3プロテアーゼ阻害剤;及びTLRモジュレータである。
【0324】
いくつかの実施形態では、他の活性治療剤は、TetraVax-DV、Dengvaxia(登録商標)、DPIV-001、TAK-003、生弱毒化デングワクチン、四価デング熱ワクチン、四価DNAワクチン、rDEN2δ30-7169、及びDENV-1 PIVを含むがこれらに限定されない、デングの治療又は予防のためのワクチンであり得る。
5. Flaviviridaeウイルス感染症の治療のための併用療法
【0325】
本明細書で提供される医薬製剤はまた、他の活性治療薬と組み合わせて使用される。Filoviridaeウイルス感染症の治療の場合、好ましくは、他の活性治療剤は、Filoviridaeウイルス感染症、特にマールブルグウイルス、エボラウイルス、及びCuevaウイルス感染症に対して活性である。これらの他の活性治療剤の非限定的な例は、リバビリン、パリビズマブ、モタビズマブ、RSV-IGIV(RespiGam(登録商標))、MEDI-557、A-60444、MDT-637、BMS-433771、アミオダロン、ドロネダロン、ベラパミル、エボラ回復期血漿(Ebola Convalescent Plasma、ECP)、TKM-100201、BCX4430((2S,3S,4R,5R)-2-(4-アミノ-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-イル)-5-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-3,4-ジオール)、TKM-エボラ、T-705一リン酸塩、T-705二リン酸塩、T-705三リン酸塩、FGI-106(1-N,7-N-ビス[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3,9-ジメチルキノリノ[8,7-h]キノロン-1,7-ジアミン)、rNAPc2、OS-2966、ブリンシドフォビル、レムデシビル;ガリデシビル、ファビピラビル(T-705又はアビガンとしても知られる)、JK-05などのRNAポリメラーゼ阻害剤;GMV-006などの宿主細胞因子モジュレータ;FX-06などのカドヘリン-5/第Ia因子モジュレータ;並びにREGN-3470-3471-3479及びZMappなどのエボラの治療のための抗体である。
【0326】
エボラに対して活性な他の非限定的な活性治療剤としては、α-グルコシダーゼ1阻害剤、カテプシンB阻害剤、CD29アンタゴニスト、樹状ICAM-3結合ノンインテグリン1阻害剤、エストロゲン受容体アンタゴニスト、第VII因子アンタゴニストHLAクラスII抗原モジュレータ、宿主細胞因子モジュレータ、インターフェロンαリガンド、中性αグルコシダーゼAB阻害剤、ニーマン-Pick C1タンパク質阻害剤、核タンパク質阻害剤、ポリメラーゼ共因子VP35阻害剤、セリンプロテアーゼ阻害剤、組織因子阻害剤、TLR-3アゴニスト、ウイルスエンベロープ糖タンパク質阻害剤、及びエボラウイルス侵入阻害剤(NPC1阻害剤)が挙げられる。
【0327】
いくつかの実施形態では、他の活性治療剤は、エボラの治療又は予防のためのワクチンであり得、VRC-EBOADC076-00-VP、アデノウイルス系エボラワクチン、rVSV-EBOV、rVSVN4CT1-EBOVGP、MVA-BN Filo+Ad26-ZEBOVレジメン、INO-4212、VRC-EBODNA023-00-VP、VRC-EBOADC069-00-VP、GamEvac-combiワクチン、SRC VBベクター、HPIV3/EboGPワクチン、MVA-EBOZ、エボラ組換え糖タンパク質ワクチン、Vaxartアデノウイルスベクター5系エボラワクチン、FiloVaxワクチン、GOVX-E301、及びGOVX-E302が挙げられるが、これらに限定されない。
【0328】
本明細書で提供される医薬製剤また、特定のRNA配列と塩基対二重鎖を形成することによって翻訳プロセスに干渉するように設計された合成アンチセンスオリゴヌクレオチド類似体である、ホスホルアミデートモルホリノオリゴマー(phosphoramidate morpholino oligomer、PMO)と組み合わせて使用され得る。PMOの例としては、AVI-7287、AVI-7288、AVI-7537、AVI-7539、AVI-6002及びAVI-6003が挙げられるが、これらに限定されない。
【0329】
本明細書で提供される医薬製剤はまた、非経口流体(デキストロース生理食塩水及び乳酸リンゲル液を含む)及び栄養素、抗生物質(セフトリアキソン及びセフロキシムなどのメトロニダゾール及びセファロスポリン抗生物質を含む)及び/又は抗真菌予防、解熱薬及び鎮痛薬、制吐薬(メトクロプラミドなど)及び/又は下痢止め薬、ビタミン及びミネラルサプリメント(ビタミンK及び硫酸亜鉛を含む)、抗炎症剤(イブプロフェンなど)、鎮痛薬、並びに抗マラリア薬(アルテメテル及びアルテスナート-ルメファントリン併用療法を含む)、腸チフス(シプロフロキサシンなどのキノロン抗生物質、アジスロマイシンなどのマクロリド抗生物質、セフトリアキソンなどのセファロスポリン抗生物質、若しくはアンピシリンなどのアミノペニシリンを含む)、又は細菌性赤痢などの患者集団における他の一般的な疾患のための薬剤を含む、Filoviridaeウイルス感染症を有する患者に提供される一般的なケアとの併用が意図される。
VII. 医薬製剤を製造する方法
【0330】
本明細書に記載の医薬製剤を製造する方法も本明細書に提供される。本明細書に記載の医薬製剤を製造する方法は、概して、式I、式Ia、又は式Ibの化合物を水性ビヒクルと組み合わせることを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、水中、例えば、DI水、蒸留水、又は滅菌水中の適切な量の所望の賦形剤を混合することによって、水性製剤を調製することを更に含む。賦形剤は、本明細書に詳述されるように、共溶媒、界面活性剤、シクロデキストリン、懸濁剤、緩衝液/pH調整剤、張度調整剤、抗微生物/防腐剤、及び/又は味マスキング剤/香味剤から選択される1つ以上の薬剤を含む。賦形剤は、任意の好適な順序で混合することができる。いくつかの実施形態では、賦形剤は、同時に混合される。いくつかの実施形態では、賦形剤は、逐次的に混合される。
【0331】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬製剤を製造する方法は、式I、式Ia、又は式Ibの化合物を微粉化するための粉砕を更に含む。粉砕は、水性ビヒクル中に式I、式Ia、又は式Ibの化合物を添加する前(乾式粉砕)であることも後(湿式粉砕)であることもできる。
【0332】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬製剤を製造する方法は、(i)式I、式Ia、又は式Ibの化合物と水性ビヒクルとの混合によって粉砕前製剤を調製し、(ii)粉砕前製剤を粉砕して、式I、式Ia、又は式Ibの化合物の粒径を低減し、粉砕後懸濁液を形成することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、粉砕後懸濁液を希釈して、医薬製剤の標的濃度を達成することを更に含む。
【実施例】
【0333】
VIII. 実施例
実施例1:溶液製剤の調製のための一般的な手順
意図された製剤ビヒクルのバルク溶液は、ビヒクルを式I、式Ia、又は式Ibの化合物と組み合わせる前に調製される。ビヒクルは、適切な賦形剤(例えば、共溶媒、界面活性剤、シクロデキストリンなどの溶解度を向上するポリマー、緩衝剤/pH調整剤、張度調整剤、抗菌剤/防腐剤、及び/又は味マスキング剤/香味剤)をDI水に溶解させて溶液を形成することによって調製される。次いで、適切な形態の式I、式Ia、又は式Ibの化合物(例えば、共溶媒中の式I、式Ia、又は式Ibの化合物の遊離形態、塩、共結晶、又は溶液)をビヒクルに溶解して、最終製剤の標的濃度で溶液を形成する。
実施例2:懸濁製剤の調製のための一般的な手順
【0334】
意図された製剤ビヒクルのバルク溶液は、式I、式Ia、又は式Ibの化合物をビヒクルと組み合わせる前に調製される。概して、ビヒクルは、適切な賦形剤(例えば、共溶媒、界面活性剤、シクロデキストリン、懸濁剤、緩衝剤/pH調整剤、張度調整剤、抗菌剤/防腐剤、及び/又は味マスキング剤/香味剤)をDI水に溶解して、所望の濃度の賦形剤の溶液を形成することによって調製される。次いで、式I、式Ia、又は式Ibの濃縮化合物の粉砕前製剤中間体は、式I、式Ia、又は式Ib及びビヒクルの固体化合物を混合して粗スラリーを形成することによって製造される。スラリーを湿式粉砕して、式I、式Ia、又は式Ibの化合物の粒径を標的サイズに低減し、懸濁液を形成する。懸濁液中の式I、式Ia、又は式Ibの化合物の濃度を測定し、懸濁液をビヒクルで希釈して、最終製剤の標的濃度を達成する。
実施例3:本開示の例示的な水性ビヒクルの調製
【0335】
水中の0.1%のHPMC、0.5%のポロキサマー237、及び0.9%の塩化ナトリウム:撹拌棒及び330mLのDI水を1000mLの培地用ボトルに添加し、約90℃に加熱した。次いで、ボルテックスが形成されるまで水を撹拌し、1.00グラムのHPMCをボルテックスに添加した。混合物を15分間撹拌した。次いで、混合物を熱から除去し、670mLの冷DI水をボトルに添加した。次いで、8.75gの塩化ナトリウム及び5.00gのポロキサマー237を添加した。溶液を周囲温度に冷却しながら撹拌を続けた。
【0336】
PBS中の0.1%HPMC:撹拌棒及び330mLのDI水を1000mLの培地用ボトルに添加し、約90℃に加熱した。次いで、ボルテックスが形成されるまで水を撹拌し、1.00グラムのHPMCをゆっくりとボルテックスに添加した。混合物を15分撹拌した。次いで、混合物を熱から除去し、670mLの冷DI水をボトルに添加した。次いで、8.75gの塩化ナトリウム、0.850gのリン酸ナトリウム一塩基性一水和物、及び5.05gのリン酸ナトリウム二塩基性七水和物を添加し、溶液を周囲温度に冷却させたときに撹拌を続けた。
【0337】
水中の0.5%ポロキサマー237及び0.9%塩化ナトリウム。撹拌棒、5.00gのポロキサマー237、8.75gのNaCl、及び1000mLのDI水を、1000mLの培地用ボトルに添加した。溶液が形成されるまで混合物を撹拌した。
実施例4:本開示の例示的な医薬製剤の調製
【0338】
0.1%のHPMC、0.5%のポロキサマー237、及び0.9%の塩化ナトリウムを含む水中の15mg/mLの式Iaの化合物:賦形剤HPMC、ポロキサマー237、及び塩化ナトリウムを含む水性ビヒクルを実施例3で上述したように調製した。次いで、4.00mLのビヒクル、98.83mgの式Iaの化合物、及び12gの0.5mm酸化ジルコニウム粉砕ビーズを、サイズ7mLの軟部組織均質化バイアルに添加した。バイアルに蓋をして、短時間ボルテックスし、次いでBertin Instruments Precellys(登録商標)Evolutionブレンダーに入れた。ブレンダーを使用して、15×30秒サイクルで、サイクル間で120秒の休止時間として、混合物を湿式粉砕した。ブレンダー速度は7,200rpmであり、冷却セットは高に設定された。粉砕後、1.5インチの25G針を有する注射器を使用してバイアルから懸濁液を引き抜くことによって、粉砕懸濁液をビーズから分離した。濃縮懸濁液の回収体積は2.97mLであると記録し、濃度は25.8mg/mLとして測定された。懸濁液を2.14mLのビヒクルで希釈して、15mg/mLの標的濃度を得た。最終製剤は、285mOsm/kgの測定された浸透圧、6.89のpH、及び3.65μmの体積平均直径粒径を有した。
【0339】
0.1%w/vのHPMC、0.5%w/vのポロキサマー237、及び0.9%の塩化ナトリウムを含む水中の100mg/mLの式Iaの化合物:賦形剤HPMC、ポロキサマー237、及び塩化ナトリウムを含む懸濁ビヒクルを実施例3で上述したように調製した。次いで、粉砕前製剤中間体を、150mLのビヒクルを式Iaの25.0gの固体化合物と混合することによって作製した。粉砕前製剤中間体における式Iaの化合物の粒径を、Netzsch DeltaVita(登録商標)15-300ミルを使用して湿式粉砕によって低減した。このミルは、200mLのリザーバ、150gの0.5μmの酸化ジルコニウムビーズを含む50z連続粉砕チャンバ、300μmのスクリーン、及びUltracool(商標)UC4プロセス循環冷却器で構成された。冷却器を30°Fに設定し、ポンプを100rpmに設定し、撹拌機を3000rpmに設定した。ポンプを100mLのビヒクルでプライミングし、プライミングからの最初の80mLの流量を廃棄物に送った。次いで、150mLの粉砕前製剤中間体、続く25mLのビヒクルリンスの添加による供給を続けながら、ミルを再循環するように設定した。製剤をミルを通して1時間再循環させた後、流れを収集ボトルに向けた。100mLの濃縮懸濁液製剤を瓶に収集した後、ビヒクルチェーサーをミルに供給した。回収された体積が250mLに達したときに収集を停止した。最終製剤中の式Iaの化合物の粒径は、偏光顕微鏡法によって<5μmであり、測定濃度は99.9mg/mLであった。
実施例5:式Iaの化合物の医薬製剤の懸濁安定性
【0340】
式Iaの化合物の以下の製剤を上記の方法に従って調製した。
【表1】
【0341】
各製剤を目視検査による沈降について評価した。これらの実験の結果を
図1に示す。
図1に見られるように、放置の4時間後、バイアル3、4、及び5中の製剤は、評価された他の製剤と比較して沈降の減少を示した。
実施例6:粒径の影響
【0342】
式Iaの化合物の製剤を調製した後、目視検査及び顕微鏡分析によって評価した。
【表2】
【0343】
これらの実験の結果を
図2~6に示す。
図2に示されるように、粉砕前懸濁液からの試料(各画像中の第1及び第3のバイアル)は、粉砕後製剤(第2及び第3のバイアル、粒径<5μM)と比較して容易に沈降した。24時間放置した後、粉砕前試料では完全な沈降が観察されたが、粉砕後試料(右側の画像)では部分的な沈降のみが観察された。
【0344】
更に、
図3~
図6に見られるように、粉砕前製剤は、粉砕された製剤(
図3)が、粉砕後製剤と比較して増強された凝集を示したことを示した(
図4~
図6)。3つの粉砕後製剤のうち、150mMのNaCl及び0.5%のポロキサマー237を含む製剤(
図6)が、最大の凝集を示した。
実施例7.本開示の例示的な溶液製剤の安定性研究(予備凍結乾燥)
【0345】
式Iaの予備凍結乾燥溶液製剤(6.7mg/mL)を、SBECD(スルホブチルエーテルβ-シクロデキストリンナトリウム、ベタデックススルホブチルエーテルナトリウムとも呼ばれる)濃度の範囲で調製し、式Ia結晶の種の存在下及び非存在下で、周囲及び冷蔵条件で保持した。凍結融解サイクルのための試料も調製し、試験した。各条件について、物理的安定性を%LS(ラベル強度)として測定し、T=0でLS%と比較した。これらの実験の結果を以下の表1にまとめる。見られるように、20%及び10%のSBECD製剤は、室温及び2~8℃で48時間保持されたとき、播種の有無にかかわらず、物理的に安定である。20%及び10%のSBECD製剤も、凍結/解凍サイクル(3サイクルを実施)に対して物理的に安定である。7.5%のSBECD製剤は、室温及び2~8℃で24時間保持されたときに、播種の有無にかかわらず、物理的に安定である。7.5%のSBECD製剤もまた、凍結/解凍サイクル(3サイクルを実施)に対して安定である。いくつかの条件下での沈殿が、5%SBECDで観察された。
【表3】
*24時間の時点
**約10%の固体式Ia結晶を播種した
実施例8.最大pH3.8の応力条件下での(予備凍結乾燥された)例示的な溶液製剤の安定性研究
【0346】
pH値3.8及び4.0の式Ia(6.7mg/mL)及びSBECD(10%w/vSBECD)の予備凍結乾燥溶液を用意し、物理的安定性について分析した。各条件について、物理的安定性をLS%として測定し、T=0でLS%と比較した。これらの実験の結果を以下の表2~表4に示す。見られるように、pH=3.8で予備凍結乾燥された溶液は、室温及び2~8℃で保持されたときに、播種の有無にかかわらず、72時間物理的に安定であり、3回の凍結融解サイクルで安定である。
【表4】
【表5】
**約7.5%の式Ia結晶の懸濁液(200mg/mLで20uL)で播種した。
【表6】
**約7.5%の式Ia結晶の懸濁液(200mg/mLで20uL)で播種した。
実施例9.pH1.8、2.0、3.5、3.8、及び4.0での(予備凍結乾燥された)例示的な溶液製剤の化学的安定性研究
【0347】
様々なpH値を有する式Ia(6.67mg/mL)及び10%w/w SBECDの予備凍結乾燥製剤を用意し、化学的安定性について分析した。各条件について、試料を周囲条件及び冷蔵条件でステージ化した。試料をアッセイ/分解%、外観、再構成時間、pHについて分析し、T=0と比較した。これらの研究のデータを以下の表5及び6にまとめる。重要な不純物/代謝産物の構造を以下に示す。これらの実験の結果は、この製剤が化学的に安定であることを示している。
【化11】
【表7】
【表8】
実施例10.例示的な凍結乾燥製剤の安定性試験。
【0348】
以下の式Iaの凍結乾燥薬物製品を調製し、所定の時間間隔で温度及び湿度制御されたチャンバに入れ、試験のために取り出した。製品の純度をモニタリングする液体クロマトグラフィーなどの安定性を示す分析方法を使用して、薬物製品バイアルを試験した。これらの実験の結果を以下の表7~9に要約する。
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
実施例11.例示的な再構成された凍結乾燥製剤の安定性試験
【0349】
模擬再構成溶液を調製し、生理食塩水(0.9%NaCl)に希釈し、50mL及び500mLのIVバッグへの希釈を模倣した。標的pH及びpHスペックの上限を周囲条件及び冷蔵条件で経時的に分析した。以下の表4に示されるデータに見られるように、全てのpH溶液は、生理食塩水に希釈され、周囲条件及び冷蔵条件で保持されると、24時間まで物理的に安定である。
【表13】
実施例12.例示的な再構成された凍結乾燥製剤の安定性比較
【0350】
【0351】
凍結乾燥ケーキをSWFI(注射用滅菌水)で再構成し、続いて生理食塩水(0.9%NaCl)に希釈し、50mL及び500mLのIVバッグへの希釈を模倣した。10%SBECD製剤及び20%SBECD製剤の物理的安定性の直接の比較を行った。結果を表11及び12に要約する。見られるように、10%SBECDは、通常の生理食塩水に希釈すると、周囲及び冷蔵条件で48時間まで(種なし)で物理的に安定である。
【表15】
【表16】
*10%の結晶性式Ia(懸濁液)で播種した
注:19mLのSWFIの添加によって再構成されたリオケーキから試験溶液を調製し、次いで、25倍又は2.5倍に希釈して標的濃度を達成した。
実施例13.再構成溶液の使用時試験
【0352】
【0353】
凍結乾燥ケーキを再構成し、IVバッグに希釈し、2.0mg/mL及び0.3mg/mLの式Iaの最終濃度とした。IVバッグ及びIVチューブを時間の経過とともにサンプリングし、アッセイ/分解%について試験した。これらの研究のデータを以下の表13にまとめる。見られるように、試験した製剤は、室温で維持したとき、24時間まで安定であり、2~8℃で保持したときには48時間安定である。同様に、製剤は、チューブ内に保持されたときに6時間まで(30分の想定注入時間よりも12倍長い)安定である。
【表18】
結果は%w/wとして示される。
A=「化合物A」、C=「化合物C」、F=「化合物F」、G=「化合物G」
実施例14.例示的な製剤の薬物動態プロファイル
【0354】
カニクイザルにおけるPK研究(式Iaの10mg/Kg静脈内投薬)を、以下の例示的な凍結乾燥製剤を用いて実施した。各製剤を、19mLの滅菌注射用水を凍結乾燥ケーキに添加し、続いて撹拌して均一な再構成溶液を確保することによって調製した。次いで、再構成された溶液を、30分間かけてIVによる投与前に滅菌濾過した。各製剤を、5mg/mLの濃度及び2mL/kgの用量体積で、総用量10mg/kgとして、n=3の雄カニクイザルに投与した。各製剤について、血漿試料を以下の時間間隔で収集した:投薬前、0.25、0.48(注入終了前)、投薬後0.58、1、2、4、8、12、及び24時間(注入の開始に基づく)。各製剤について、PBMC分析のための試料を、投与後4時間及び24時間の間隔で採取した(注入の開始に基づく)。
【表19】
【0355】
これらの実験の結果を以下の表14にまとめ、
図7に示す。見られるように、2つの例示的な製剤は、同様の濃度-時間プロファイルを示す。
【表20】
実施例15.SARS-CoV-2抗ウイルススクリーニング。
【0356】
2%FBSを補充した50μlのフェノールレッドを含まないDMEM培地中の1.2×104個のA549-hACE2細胞を、白色不透明96ウェルプレート(Corning、カタログ番号3916)の各ウェルに播種した。翌日、化合物の2倍連続希釈物をDMSO中で調製した。化合物を2%FBS培養培地中で100倍に更に希釈した。細胞培養液を取り出し、50μLの希釈化合物溶液及び50μLのSARS-CoV2-Nanoウイルス(MOI0.025)とともにインキュベートした。感染後48時間で、50μLのナノルシフェラーゼ基質(Promega、カタログ番号N1150)を各ウェルに添加した。Synergy(商標)Neo2マルチモードマイクロプレートリーダー(BioTek)を使用して、ルシフェラーゼシグナルを測定した。相対ルシフェラーゼシグナルを、化合物処置群のルシフェラーゼシグナルをDMSO処置群のものに対して正規化することによって計算した(パーセンテージで表す)。化合物濃度のlog10値(X軸)に対する相対的なルシフェラーゼシグナル(Y軸)をソフトウェアGraphPad Prism8でプロットした。非線形回帰モデル(4つのパラメータ)を使用して、EC50(ルシフェラーゼシグナルの50%を低減するための化合物濃度)を計算した。
【0357】
このアッセイを使用して、式Iaの化合物のEC50は110nMとして計算された。
実施例16.吸入投与後のアフリカミドリザルのPBMC、鼻粘膜、呼吸器、肝臓、及び腎臓組織における式Iaの化合物及びその代謝物の測定。
【0358】
式Iaの化合物(RDV、レムデシビル、又はGS-5734)を用いた単回用量薬物動態研究を、雄及び雌のアフリカミドリザル(AGM)で実施した。レムデシビルIV製剤(pH3.6(3.0~4.0の範囲)の5mg/mLの式Iaの化合物及び150mg/mLのSBECDの溶液を得るために、19mLの注射用水で再構成された105mgの式Iaの化合物(3.23%w/w)及び3146mgのスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンナトリウム塩(SBECD、ベタデックススルホブチルエーテルナトリウム;96.77%w/w)を含む凍結乾燥粉末)を圧縮空気ネブライザーを使用してエアロゾル化した。エアロゾル化された式Iaの化合物を、30分(群1;n=4)及び90分(群2;n=4)にわたり、ヘッドドーム(head-dome)装置により、吸入によってアフリカミドリザルに投与した。これらの曝露時間により、平均提示量は、それぞれ0.672mg/kg及び2.14mg/kgとなった。平均沈着量を、それぞれ0.168mg/kg及び0.536mg/kgで計算した。この研究では、血漿、末梢血単核細胞(PBMC)、気管、気管支、肺葉、肝臓、腎臓、鼻粘膜、及び鼻咽頭粘膜試料を収集した。
【0359】
血漿:以下に示す式Iaの化合物及びその2つの代謝産物A(アデノシンヌクレオシド類似体)及びB(中間代謝産物)の濃度を、LC/MS/MSによって血漿中で決定した。式Iaの化合物の0.168mg/kg及び0.536mg/kgの沈着量をヘッドドーム吸入投与した後の雄及び雌のアフリカミドリザルにおける式Iaの化合物及びその代謝物の平均血漿濃度をそれぞれ表15及び表16に報告する。血漿薬物動態パラメータを表17に要約する。0.168mg/kg及び0.536mg/kgの用量レベルでの式Iaの化合物及びその代謝物の平均血漿濃度-時間プロフィールをそれぞれ
図8及び
図9にプロットする。
【化12】
【表21】
BLQ:定量下限未満。式Ia:0.001μM;B:0.019μM;A:0.001μM。
【表22】
BLQ:定量下限未満。式Ia:0.001μM;B:約0.019μM、A:0.001μM
【表23】
【0360】
0.168mg/kg又は0.536mg/kgの計算された沈着量の式Iaの化合物の吸入投与後、式Iaの化合物の血漿レベルは、吸入曝露中に増加し、その後、投薬中止時に全身循環から急速に消失し、排泄半減期は、それぞれ0.273又は0.342時間であった。それぞれ0.168mg/kg又は0.536mg/kgのいずれかで投与を行った後、代謝物Aはゆっくりと血漿中に現れ、24時間の時間経過にわたって持続し、平均最終排出半減期は7.58時間又は7.10時間であった。
【0361】
PBMC:以下に示す式Iaの化合物及び代謝産物A、B、C、D、及びEの濃度を、LC/MS/MSによってPBMC及び組織において決定した。0.168mg/kg及び0.536mg/kgでの式Iaの化合物のヘッドドーム吸入後のアフリカミドリザルにおけるB、A、C、D、及びEの平均PBMC濃度を、それぞれ表18及び表19に報告する。
【化13】
【表24】
【表25】
【0362】
式Iaの化合物の0.168mg/kg及び0.536mg/kg用量レベルにおける三リン酸塩Eの平均PBMC濃度-時間プロファイルを
図10にプロットする。
【0363】
鼻粘膜及び鼻咽頭粘膜:鼻粘膜及び鼻咽頭粘膜における三リン酸塩E及び内因性ATPのLC-MS/MSピーク面積を測定することにより、定性分析を行った。粘膜は不均一な細胞集団を含み、特性決定が困難であった。細胞数計算を実施しなかった。擦過物中の存在量が最小限しかなく、組織の重量を測定できなかった。
【0364】
鼻及び鼻咽頭粘膜について、0.168mg/kg及び0.536mg/kgのRDVの投薬後に、三リン酸塩E/ATPの平均ピーク面積比を決定し、RDVの上気道への分布及び活性化を評価した。データをそれぞれ表20及び表21並びに
図11に報告する。
【表26】
【表27】
【0365】
他の選択された組織:LC-MS/MS法を使用して、アフリカミドリザルの肺、気管、気管支、肝臓、及び腎臓における式Ia、A、B、C、D、及びEの化合物の濃度を決定した。安楽死させた後に肝臓及び腎臓を採取すると、リン酸化代謝産物の不安定性が増加している証拠が観察され、肝臓及び腎臓の試料を分離し、急速冷凍したときまでに、様々な量の脱リン酸化が発生したようであった。組織試料の完全性を評価するために、各組織の天然のヌクレオチドレベル(AMP、ADP、及びATP)も測定した。投薬後24時間での0.168mg/kg及び0.536mg/kgのRDV投薬レベルでの呼吸組織における式Ia、A、B、C、D、及びEの化合物の平均濃度を、それぞれ表22及び表23に報告する。投薬後24時間における0.168mg/kg及び0.536mg/kgのRDV投薬レベルでのC、D、及びEの平均濃度を、それぞれ
図12及び
図13にプロットする。
【表28】
【表29】
【0366】
肝臓及び腎臓組織について、0.168mg/kg及び0.536mg/kg用量のRDVレベルでのこれらの組織における式Ia、A、B、C、D、及びEの化合物を含む全代謝産物の平均濃度を表24及び表25に報告し、
図14に示す。
【表30】
【表31】
【0367】
気道の全ての部分及び他の組織に分布する式Iaの吸入化合物を投薬後24時間で収集した。効率的な三リン酸塩Eの形成が、0.168mg/kgの投薬後に0.069、0.266、0.762、0.562、及び0.518nmol/組織1gの濃度で、0.536mg/kgの投薬後には0.208、0.266、1.99、1.61、及び1.58nmol/組織1gで、それぞれ、上部気管、下部気管、上部気管支、下部気管支、及び肺下葉において観察された。化合物A、C、D、及びEはまた、それぞれ、0.168mg/kgの用量では0.446及び0.445nmol/組織1g、並びに0.536mg/kgの用量では0.695及び1.23nmol/組織1gの総ヌクレオシド(式Iaの化合物、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D、及び化合物E)濃度で、肝臓及び腎臓において観察された。式Iaの化合物の吸入後、三リン酸塩Eも鼻及び鼻咽頭粘膜の両方で測定し、上気道におけるRDVの分布及び薬理学的に活性な代謝産物への活性化が示された。
実施例17.式Iaの化合物の静脈内投与
【0368】
式Iaの化合物のIV投与後の薬物動態研究をアフリカミドリザル(AGM)で実施した。上記の実施例15で使用したのと同じ式Ia製剤(pH3.6(3.0~4.0の範囲)の5mg/mLの式Iaの化合物及び150mg/mLのSBECDの溶液を得るために、19mLの注射用水で再構成された105mgの式Iaの化合物(3.23%w/w)及び3146mgのスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンナトリウム塩(SBECD、ベタデックススルホブチルエーテルナトリウム、96.77%w/w)を含む凍結乾燥粉末)をこれらの試験で使用した。この研究の結果を以下の表26に示す。
【表32】
実施例18.PBMC(末梢血単核細胞)のインビトロ細胞内三リン酸塩形成アッセイ。
【0369】
インビトロ細胞内三リン酸塩形成を、以下のプロトコルを使用して式I、式Ia、又は式Ibの化合物について測定する。新たに単離されたPBMCは健康なドナーに由来し、実験の開始前に培養培地(L-グルタイミンを含むRPMI 1164)中の500万個の細胞/mLの濃度に懸濁した。10mLのPBMCアリコートを、キャップを緩めた50mLのコニカルチューブに移し、化合物を2μMの最終濃度まで添加した。次いで、1mLのアリコートを1試料当たり24ウェルプレートのウェルに移した。PBMC-化合物混合物を、穏やかに撹拌しながら37℃/5%CO2で2時間インキュベートした。インキュベーション後、PBMCを5000RPMで3分間回転させ、細胞ペレットを乱すことなく上清を吸引した。即時分析を受けている試料について、試料を予冷した1×トリス緩衝生理食塩水に再懸濁し、0.5mLのnyosil M25を含む1.5mLのコニカルチューブに移した。次いで、試料/油のアリコートを13,000RPMで1分間回転させた。遠心分離後、油層を乱すことなく、全ての培地をチューブから吸引した。油層の上に水を添加し、回転/吸引プロセスを繰り返し、続いて追加の水洗浄を行った。第2の洗浄工程の後、全ての油及び水を除去し、細胞ペレットをドライアイスで急速凍結し、更に処理するまで-80℃で保存した。即時分析を受けていない試料を無血清培養培地で2回洗浄し、1mLの培養培地に再懸濁し、それらが前述のプロトコルによって処理されるまで37c/5%CO2でインキュベートした。各PBMC試料を、500μLのドライアイス冷抽出緩衝液(70%メタノール、内部標準として0.5μMのクロロ-アデノシン三リン酸塩を含む)で処理した。上記の溶液を5分間ボルテックスし、次いで20,000×gで20分間遠心分離した。上清を清浄な1.5mLのエッペンドルフバイアルに移し、遠心分離蒸発器に装填した。乾燥させたら、試料を80μLの移動相Aで再構成し、20,000×gで20分間遠心分離し、上清を分析のためにHPLC注入バイアルに移した。10μLのアリコートをSciex 6500 LC/MS/MSシステムに注入した。PBMCの標準較正曲線を、1試料当たりの化合物のpmolに基づいて構築した。次いで、各試料の値を試料中の細胞の総数で除算して、百万個の細胞当たりのpmolを得た。次いで、1細胞当たり0.2pLの細胞内体積を使用して、マイクロモル濃度を導出した。
実施例19.動物薬物動態アッセイ
【0370】
式I、式Ia、又は式Ibの化合物についての動物PK研究を以下のプロトコルを使用して行う。体重3~6kgの動物を研究の生命部分に使用した。試験品を吸入により雄カニクイザルに投薬する。投与後0.25、0.5、1、1.5、2、4、8、及び24時間で血漿試料を収集し、投与後2時間及び24時間でPBMC試料を収集した。
【0371】
血液試料(およそ1mL)を、K2EDTAを含む予冷した収集チューブに収集し、4℃で遠心分離して血漿を分離した。PBMC収集のために、約8mLの血液試料を、単離のためにヘパリンナトリウムを含むCPTバキュテイナチューブに室温で収集した。各最終収集では、動物を麻酔し、動物が生存している間に肺を採取した。収集した肺を、取り出した直後に液体窒素中で瞬間凍結させた。
【0372】
薬物動態研究からの血漿試料を、内部標準として5-ヨードツベルシジンを含む75%の最終濃度にアセトニトリルを添加することによってタンパク質沈殿に供した。血漿試料中の分析物を、0.2%ギ酸を含む移動相及び250μL/分の流量で2%~100%アセトニトリルの直線勾配を使用して、7分間にわたって4μmの150×2mmのSynergi Max-RPカラム(Phenomenex、Torrance,CA)で分離した。8点標準曲線を、5.1~5000nMの濃度を網羅してブランク血漿包含中で調製すると、R2値0.99の過剰で直線性が示された。20%以内の正確性及び精度を確保するために、血漿中の120及び3,000nMの別個の調製された品質管理試料を各試料セットの開始及び終了時に分析した。
【0373】
各PBMC試料を、70%メタノール中の67mMのエチレンジアミン四酢酸(ethylenediaminetetraaceticacid、EDTA)を含む500μLの抽出緩衝液で、0.5μMのクロロ-アデノシン三リン酸塩を内部標準として用いて処理した。抽出緩衝液をドライアイス上で冷却した。上記の溶液を5分間ボルテックスし、次いで20,000×gで20分間遠心分離した。上清を清浄な1.5mLのエッペンドルフバイアルに移し、遠心分離蒸発器に装填した。乾燥させたら、試料を80μLの1mMのリン酸アンモニウム緩衝液(pH=7)で再構成し、20,000×gで20分間遠心分離し、上清を分析のためにHPLC注入バイアルに移した。10μLのアリコートを、API 5000 LC/MS/MSシステムに注入した。代謝産物の細胞内濃度を計算するために、各試料中の細胞の総数を、総DNAカウント法を使用して決定した(Benech,et al.Peripheral Blood Mononuclear Cell Counting Using a DNA-detection-based Method.2004 July 1;330(1):172-4)。PBMCの標準較正曲線を1試料当たりの化合物のpmolに基づいて構築した。次いで、各試料の値を試料中の細胞の総数で除算して、百万個の細胞当たりのpmolを得た。次いで、1細胞当たり0.2pLの細胞内体積を使用して、マイクロモル濃度を導出した。
【0374】
肺試料を、より小さい断片に切片化し、ドライアイス上に保持された予め秤量された15mLのコニカルチューブに分配することによって調製した。氷冷抽出緩衝液(0.5μMのクロロ-アデノシン三リン酸塩を内部標準として含む70%メタノール中の0.1%のKOH及び67mMのエチレンジアミン四酢酸、約2mL)を、約0.5gの各肺試料に添加した。混合物を、使い捨ての硬組織ホモジナイザープローブ(Omni International)を用いて、Omni-Tip TH(商標)を使用して迅速に均質化した。ホモジネートのアリコートを、0.2μmの96ウェルポリプロピレンフィルタープレート(Varian Captiva(商標))を使用することによって濾過した。濾液を蒸発乾固させ、LC-MS/MS分析の前に等量の1mMリン酸アンモニウム緩衝液(pH=7)で再構成した。
【0375】
ヌクレオシド三リン酸塩の定量化は、イオン対合ヌクレオチド検出LC-MS/MS法を使用した。分析物は、10mMのジメチルヘキシルアミン(DMH)を含む3mMのリン酸アンモニウム(pH5)を含むイオン対合緩衝液、及び10%~50%のアセトニトリルからの多段線状勾配を使用して、2.5μmの2.0×50mmのLuna C18カラム(Phenomenex、Torrance,CA)によって160μL/分の流量で11分間にわたって分離した。ブランクマトリックス中で調製した7点標準曲線は、24.0~17,500nMの濃度を網羅し、R2値0.99の過剰で直線性を示した。
実施例20:式Iaの化合物の代表的なシクロデキストリン溶液製剤及びHPMC懸濁製剤の比較研究の実施例。
【0376】
例示的な製剤を上記のように調製し、アフリカミドリザルにおけるPK研究を以下の研究設計を使用して行った。
【表33】
【0377】
これらの実験の結果を
図15~
図24及び以下の表27~表36に示す。
【表34】
【表35】
【表36】
MP=化合物C;DP=化合物D;TP=化合物E。
【表37】
【表38】
【表39】
【表40】
【表41】
MP=化合物C、DP=化合物D、TP=化合物E。
【表42】
【表43】
【0378】
見られるように、組織及びPBMCにおける同等の血漿PKプロファイル及び三リン酸塩レベルが、アフリカミドリザルにおいて製剤1と製剤3との間で見られた。
【0379】
更に、製剤Iaは懸濁製剤(製剤2)ではよりゆっくりと除去されたが、血漿曝露は溶液製剤(製剤1)と同様であった。概して、組織及びPBMCレベルは、製剤1と製剤2との間で同様であった。懸濁製剤2は、有意に短い曝露期間(10分対90分)で、溶液製剤1と同様のPKプロファイルを達成した。
実施例21.例示的な製剤のネブライザー性能データ。
【0380】
5mg/mLの式Ia、15%w/v SBECDを8mLの充填量で含む水溶液を、PARI Vios(PROエアロゾルデリバリーシステム(PARI Vios(登録商標)PROコンプレッサーと組み合わせたPARI LC(登録商標)Sprintジェットネブライザー;ここでは、LC(登録商標)Sprintと称される)によって噴霧終了まで噴霧した。収集されたエアロゾル又はネブライザーリザーバ内の残存薬物溶液のいずれにおいても、式Ia又はその同定された不純物のピーク面積%の有意な変化は観察されなかった。
【0381】
本明細書で引用される全ての刊行物、特許、及び特許文献は、参照により個別に組み込まれるかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
【0382】
本発明は、様々な特定の好ましい実施形態及び技法を参照して説明されている。しかしながら、本開示の趣旨及び範囲内に留まりながら、多くの変形及び修正を行うことができることを当業者は理解するであろう。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
i.式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物:
【化14】
又はその薬学的に許容される塩、及び
ii.水性ビヒクル
を含み、吸入による投与に好適である、医薬製剤。
(項目2)
i.式Iの化合物:
【化15】
又はその薬学的に許容される塩、及び
ii.水性ビヒクル
を含み、吸入による投与に好適である、医薬製剤。
(項目3)
i.式Iaの化合物:
【化16】
又はその薬学的に許容される塩、及び
ii.水性ビヒクル
を含み、吸入による投与に好適である、医薬製剤。
(項目4)
i.式Ibの化合物:
【化17】
又はその薬学的に許容される塩、及び
ii.水性ビヒクル
を含み、吸入による投与に好適である、医薬製剤。
(項目5)
前記医薬製剤が、前記水性ビヒクル中の前記式I、式Ia、又は式Ibの化合物の溶液を含む、項目1~4のいずれか一項に記載の医薬製剤。
(項目6)
前記医薬製剤が、前記水性ビヒクル中の前記式I、式Ia、又は式Ibの化合物の乳液を含む、項目1~4のいずれか一項に記載の医薬製剤。
(項目7)
前記医薬製剤が、前記水性ビヒクル中の前記式I、式Ia、又は式Ibの化合物の懸濁液を含む、項目1~4のいずれか一項に記載の医薬製剤。
(項目8)
前記医薬製剤が、共溶媒を更に含む、項目1~7のいずれか一項に記載の医薬製剤。
(項目9)
前記共溶媒が、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、又はそれらの組み合わせである、項目8に記載の医薬製剤。
(項目10)
前記共溶媒が、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、又はそれらの組み合わせである、項目8又は9に記載の医薬製剤。
(項目11)
前記式I、式Ia、又は式Ibの化合物が、前記医薬製剤1mL当たり約1mg~約500mgの量で存在する、項目1~10のいずれか一項に記載の医薬製剤。
(項目12)
前記式I、式Ia、又は式Ibの化合物が、前記医薬製剤1mL当たり約10mg~約400mgの量で存在する、項目1~11のいずれか一項に記載の医薬製剤。
(項目13)
前記式I、式Ia、又は式Ibの化合物が、前記医薬製剤1mL当たり約10mg~約200mgの量で存在する、項目1~12のいずれか一項に記載の医薬製剤。
(項目14)
前記式I、式Ia、又は式Ibの化合物が、前記医薬製剤1mL当たり約10mg~約40mgの量で存在する、項目1~13のいずれか一項に記載の医薬製剤。
(項目15)
前記式I、式Ia、又は式Ibの化合物が、前記医薬製剤1mL当たり約15mgの量で存在する、項目1~14のいずれか一項に記載の医薬製剤。
(項目16)
前記式I、式Ia、又は式Ibの化合物が、約0.5μm~約10μmの体積平均直径を有する、項目1~15のいずれか一項に記載の医薬製剤。
(項目17)
前記式I、式Ia、又は式Ibの化合物が、約3~約5μmの体積平均直径を有する、項目1~16のいずれか一項に記載の医薬製剤。
(項目18)
前記水性ビヒクルが、界面活性剤を含む、項目1~17のいずれか一項に記載の医薬製剤。
(項目19)
前記界面活性剤が、イオン性界面活性剤である、項目18に記載の医薬製剤。
(項目20)
前記界面活性剤が、アニオン性界面活性剤である、項目18又は19に記載の医薬製剤。
(項目21)
前記界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウムである、項目18~20のいずれか一項に記載の医薬製剤。
(項目22)
前記界面活性剤が、カチオン性界面活性剤である、項目18又は19に記載の医薬製剤。
(項目23)
前記界面活性剤が、塩化ベンザルコニウムである、項目18、19、又は22に記載の医薬製剤。
(項目24)
前記界面活性剤が、両親媒性界面活性剤である、項目18に記載の医薬製剤。
(項目25)
前記界面活性剤が、レシチンである、項目24に記載の医薬製剤。
(項目26)
前記界面活性剤が、非イオン性界面活性剤である、項目18に記載の医薬製剤。
(項目27)
前記界面活性剤が、ポリソルベート又はポロキサマーである、項目18又は26に記載の医薬製剤。
(項目28)
前記界面活性剤が、ポリソルベート20(Tween(登録商標)20)、ポリソルベート40(Tween(登録商標)40)、ポリソルベート60(Tween(登録商標)60)、ポリソルベート65(Tween(登録商標)65)、ポリソルベート80(Tween(登録商標)80)、及びポリソルベート85(Tween(登録商標)85)からなる群から選択される、項目18、26、及び27のいずれか一項に記載の医薬製剤。
(項目29)
前記界面活性剤が、ポリソルベート80である、項目18及び26~28のいずれか一項に記載の医薬製剤。
(項目30)
前記界面活性剤が、ポロキサマー124、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー338、又はポロキサマー407である、項目18、26、及び27のいずれか一項に記載の医薬製剤。
(項目31)
前記界面活性剤が、ポロキサマー237である、項目18、26、27、及び30のいずれか一項に記載の方法。
(項目32)
前記界面活性剤が、前記医薬製剤の体積に対して約の約0.01重量体積%~約2.0重量体積%の量で存在する、項目18~31のいずれか一項に記載の医薬製剤。
(項目33)
前記界面活性剤が、前記医薬製剤の体積に対して約の約0.01重量体積%~約1.0重量体積%の量で存在する、項目18~32のいずれか一項に記載の医薬製剤。
(項目34)
前記界面活性剤が、前記医薬製剤の体積に対して約0.02重量体積%の量で存在する、項目18~33のいずれか一項に記載の医薬製剤。
(項目35)
前記界面活性剤が、前記医薬製剤の体積に対して約0.5重量体積%の量で存在する、項目18~33のいずれか一項に記載の医薬製剤。
(項目36)
前記水性ビヒクルが、懸濁剤を更に含む、項目1~35のいずれか一項に記載の医薬製剤。
(項目37)
前記懸濁剤が、ポリマーである、項目36に記載の医薬製剤。
(項目38)
前記懸濁剤が、セルロース系ポリマーである、項目36又は37に記載の医薬製剤。
(項目39)
前記懸濁剤が、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロースポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(Na-CMC)、微結晶セルロース、及びセルロースからなる群から選択される、項目36~38のいずれか一項に記載の医薬製剤。
(項目40)
前記懸濁剤が、HPMCである、項目36~39のいずれか一項に記載の方法。
(項目41)
前記懸濁剤が、前記医薬製剤の体積に対して約0.01重量体積%~1.0重量体積%の量で存在する、項目36~40のいずれか一項に記載の医薬製剤。
(項目42)
前記懸濁剤が、前記医薬製剤の体積に対して約0.1重量体積%の量で存在する、項目36~41のいずれか一項に記載の医薬製剤。
(項目43)
前記水性ビヒクルが、等張化剤を更に含む、項目1~42のいずれか一項に記載の医薬製剤。
(項目44)
前記等張化剤が、前記医薬製剤の浸透圧が150mOsm/kg~約1200mOsm/kgとなる濃度で前記水性ビヒクル中に存在する、項目43に記載の医薬製剤。
(項目45)
前記等張化剤が、前記医薬製剤の浸透圧が約200mOsm/kg~約800mOsm/kgとなる濃度で前記水性ビヒクル中に存在する、項目43又は44に記載の医薬製剤。
(項目46)
前記等張化剤が、前記医薬製剤の浸透圧が約300mOsm/kgとなる濃度で前記水性ビヒクル中に存在する、項目43~45のいずれか一項に記載の医薬製剤。
(項目47)
前記等張化剤が、塩化ナトリウム又は硫酸ナトリウムである、項目43~46のいずれか一項に記載の医薬製剤。
(項目48)
前記等張化剤が、NaClである、項目43~46のいずれか一項に記載の医薬製剤。
(項目49)
前記水性ビヒクルが、緩衝剤を更に含む、項目1~48のいずれか一項に記載の医薬製剤。
(項目50)
i.式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物:
【化18】
又はその薬学的に許容される塩、
ii.水、及び
iii.シクロデキストリン
を含み、吸入による投与に好適である、医薬製剤。
(項目51)
前記
i.式Iaの化合物:
【化19】
又はその薬学的に許容される塩、
ii.水、及び
iii.シクロデキストリン、項目50に記載の医薬製剤。
(項目52)
前記医薬製剤が、噴霧形態での吸入による投与に好適である、項目1~49のいずれか一項に記載の医薬製剤。
(項目53)
項目1~52のいずれか一項に記載の医薬製剤を含む、キット。
(項目54)
前記キットが、前記医薬製剤を使用するための説明書を更に含む、項目53に記載のキット。
(項目55)
項目1~52のいずれか一項に記載の医薬製剤を含む、吸入デバイス。
(項目56)
ネブライザーである、項目55に記載の吸入デバイス。
(項目57)
ウイルス感染症の治療又は予防を、それを必要とするヒトにおいて行う方法であって、項目1~52のいずれか一項に記載の医薬製剤をヒトに投与することを含む、方法。
(項目58)
前記医薬製剤が、吸入により前記ヒトに投与される、項目57に記載の方法。
(項目59)
前記方法が、前記ヒトに少なくとも1つの追加の治療薬を投与することを含む、項目57又は58に記載の方法。
(項目60)
前記ウイルス感染症が、コロナウイルス感染症である、項目57~59のいずれか一項に記載の方法。
(項目61)
前記ウイルス感染症が、SARS-CoV-2感染症(COVID-19)である、項目57~60のいずれか一項に記載の方法。
(項目62)
前記ウイルス感染症が、SARSウイルス感染症である、項目57~61のいずれか一項に記載の方法。
(項目63)
前記ウイルス感染症が、MERSウイルス感染症である、項目57~61のいずれか一項に記載の方法。
(項目64)
前記ウイルス感染症が、pneumoviridaeウイルス感染症である、項目57~59のいずれか一項に記載の方法。
(項目65)
前記pneumoviridaeウイルス感染症が、呼吸器合胞体ウイルス感染症である、項目64に記載の方法。
(項目66)
前記pneumoviridaeウイルス感染症が、ヒトメタニューモウイルス感染症である、項目64に記載の方法。
(項目67)
前記ウイルス感染症が、picornaviridaeウイルス感染症である、項目57~59のいずれか一項に記載の方法。
(項目68)
前記picornaviridaeウイルス感染症が、ヒトライノウイルス感染症である、項目67に記載の方法。
(項目69)
前記ウイルス感染症が、flaviviridaeウイルス感染症である、項目57~59のいずれか一項に記載の方法。
(項目70)
前記flaviviridaeウイルス感染症が、デングウイルス感染症、黄熱病ウイルス感染症、西ナイルウイルス感染症、ダニ媒介性脳炎、クンジン日本脳炎、セントルイス脳炎、マーレーバレー脳炎、オムスク出血熱、ウシウイルス性下痢症、ジカウイルス感染症、又はHCV感染症である、項目69に記載の方法。
(項目71)
前記ウイルス感染症が、filoviridaeウイルス感染症である、項目57~59のいずれか一項に記載の方法。
(項目72)
前記filoviridaeウイルス感染症が、エボラウイルス感染症又はマールブルグウイルス感染症である、項目71に記載の方法。
(項目73)
前記ウイルス感染症が、オルソミクソウイルス感染症である、項目57~59のいずれか一項に記載の方法。
(項目74)
前記ウイルス感染症が、インフルエンザウイルス感染症であるである、項目73に記載の方法。
(項目75)
前記ウイルス感染症が、paramyxoviridaeウイルス感染症である、項目57~59のいずれか一項に記載の方法。
(項目76)
前記paramyxoviridaeウイルス感染症が、ヒトパラインフルエンザウイルス、ニパウイルス、ヘンドラウイルス、麻疹、又はムンプス感染症である、項目75に記載の方法。
(項目77)
ウイルス感染症の治療又は予防を、それを必要とするヒトにおいて行うための医薬の製造方法であって、項目1~52のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を使用することを特徴とする、製造方法。
(項目78)
ウイルス感染症の治療又は予防を、それを必要とするヒトにおいて行うための医薬の製造のための、項目1~52のいずれか一項に記載の医薬製剤の使用。
(項目79)
前記医薬が、少なくとも1つの追加の治療薬とともに使用される、項目78に記載の使用。
(項目80)
ウイルス感染症の治療又は予防を、それを必要とするヒトにおいて行うことに使用するための、項目1~52のいずれか一項に記載の医薬製剤。
(項目81)
前記医薬製剤が、少なくとも1つの追加の治療剤とともに使用するためのものである、項目80に記載の医薬製剤。
(項目82)
ウイルス感染症の治療又は予防を、それを必要とするヒトにおいて行う方法であって、再構成された凍結乾燥製剤を吸入によって前記ヒトに投与することを含み、前記凍結乾燥医薬製剤が、
i.式I、式Ia、若しくは式Ibの化合物:
【化20】
又はその薬学的に許容される塩、及び
ii.シクロデキストリンを含む、方法。
(項目83)
前記凍結乾燥医薬製剤が、
i.式Iaの化合物、及び
ii.シクロデキストリンを含む、項目82に記載の方法。
(項目84)
前記凍結乾燥製剤が、1%~10%w/wの量の前記式I、式Ia、又は式Ibの化合物、及び90%~99%w/wの量のシクロデキストリンを含む、項目82又は83に記載の方法。
(項目85)
前記凍結乾燥製剤が、5%~10%w/wの量の前記式I、式Ia、又は式Ibの化合物、及び90%~95%w/wの量のシクロデキストリンを含む、項目82~84のいずれか一項に記載の方法。
(項目86)
前記凍結乾燥製剤が、5%~7%w/wの量の前記式I、式Ia、又は式Ibの化合物、及び93%~95%w/wの量のシクロデキストリンを含む、項目82~85のいずれか一項に記載の方法。
(項目87)
前記凍結乾燥製剤が、6%~7%w/wの量の前記式I、式Ia、又は式Ibの化合物、及び93%~94%w/wの量のシクロデキストリンを含む、項目82~86のいずれか一項に記載の方法。
(項目88)
前記凍結乾燥製剤が、6.25%w/wの量の前記式I、式Ia、又は式Ibの化合物、及び93.75%w/wの量のシクロデキストリンを含む、項目82~87のいずれか一項に記載の方法。
(項目89)
前記凍結乾燥製剤が、1%~5%w/wの量の前記式I、式Ia、又は式Ibの化合物、及び95%~99%w/wの量のシクロデキストリンを含む、項目82~84のいずれか一項に記載の方法。
(項目90)
前記凍結乾燥製剤が、2%~4%w/wの量の前記式I、式Ia、又は式Ibの化合物、及び96%~98%w/wの量のシクロデキストリンを含む、項目82~84及び89のいずれか一項に記載の方法。
(項目91)
前記凍結乾燥製剤が、3%~3.6%w/wの量の前記式I、式Ia、又は式Ibの化合物、及び96.5%~97%w/wの量のシクロデキストリンを含む、項目82~84、89、及び90のいずれか一項に記載の方法。
(項目92)
前記シクロデキストリンが、ベータ-シクロデキストリンである、項目82~91のいずれか一項に記載の方法。
(項目93)
前記シクロデキストリンが、スルホブチルアルキルエーテル-ベータ-シクロデキストリン、ベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウム、及びヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンからなる群から選択されるベータ-シクロデキストリンである、項目82~92のいずれか一項に記載の方法。
(項目94)
前記シクロデキストリンが、ベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウムである、項目82~93のいずれか一項に記載の方法。
(項目95)
前記凍結乾燥製剤が、3.2%w/wの量の前記式I、式Ia、又は式Ibの化合物、及び96.8%w/wの量の前記シクロデキストリンベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウムを含む、項目82~94のいずれか一項に記載の方法。
(項目96)
前記ヒトが、静脈内注入によって少なくとも1つの用量のレムデシビルを受ける、項目57~95のいずれか一項に記載の方法。
(項目97)
前記ヒトが、前記医薬製剤の投与前に静脈内注入によって少なくとも1つの用量のレムデシビルを受ける、項目96に記載の方法。
(項目98)
(i)5%~10%w/wの量の前記式I、式Ia、又は式Ibの化合物、及び
(ii)90%~95%w/wの量のシクロデキストリンを含む、凍結乾燥製剤。
(項目99)
前記凍結乾燥製剤が、5%~7%w/wの量の前記式I、式Ia、又は式Ibの化合物、及び93%~95%w/wの量のシクロデキストリンを含む、項目98に記載の凍結乾燥製剤。
(項目100)
前記凍結乾燥製剤が、6%~7%w/wの量の前記式I、式Ia、又は式Ibの化合物、及び93%~94%w/wの量のシクロデキストリンを含む、項目98又は99に記載の凍結乾燥製剤。
(項目101)
前記凍結乾燥製剤が、6.25%w/wの量の前記式I、式Ia、又は式Ibの化合物、及び93.75%w/wの量のシクロデキストリンを含む、項目98~100のいずれか一項に記載の凍結乾燥製剤。
(項目102)
前記凍結乾燥製剤が、前記式Iaの化合物を含む、項目98~101のいずれか一項に記載の凍結乾燥製剤。
(項目103)
前記シクロデキストリンが、ベータ-シクロデキストリンである、項目98~102のいずれか一項に記載の凍結乾燥製剤。
(項目104)
前記シクロデキストリンが、スルホブチルアルキルエーテル-ベータ-シクロデキストリン、ベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウム、及びヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンからなる群から選択されるベータ-シクロデキストリンである、項目98~103のいずれか一項に記載の凍結乾燥製剤。
(項目105)
前記シクロデキストリンが、ベタデックス-スルホブチルエーテルナトリウムである、項目98~104のいずれか一項に記載の凍結乾燥製剤。