(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】血栓吸引システムおよびその方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/221 20060101AFI20240502BHJP
A61M 25/01 20060101ALI20240502BHJP
【FI】
A61B17/221
A61M25/01 500
(21)【出願番号】P 2023521890
(86)(22)【出願日】2021-10-13
(86)【国際出願番号】 IB2021059377
(87)【国際公開番号】W WO2022079617
(87)【国際公開日】2022-04-21
【審査請求日】2023-04-11
(32)【優先日】2020-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390030731
【氏名又は名称】朝日インテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】弁理士法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウィルソン ブルース
(72)【発明者】
【氏名】ルーク マイケル
【審査官】段 吉享
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-517338(JP,A)
【文献】特表2020-507408(JP,A)
【文献】米国特許第05011488(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/221
A61M 25/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
血餅の除去に使用するシステムであって、
前記システムは、
レシーバ支持部材であって、遠位端、第1のセグメントの外側断面寸法を含む第1のセグメント、第2のセグメントの外側断面寸法を含む第2のセグメント、近位端、ならびに、内腔であって、前記遠位端から近位側に、少なくとも前記レシーバ支持部材の前記第1のセグメントおよび前記第2のセグメントを通って延在する内腔を有する、レシーバ支持部材と;
フレームおよびポリマーを有する自己拡張型レシーバであって、前記レシーバの少なくとも一部は、前記第1のセグメントの少なくとも一部の周囲に位置している、自己拡張型レシーバと;
前記レシーバに接続している第1のチューブであって、前記第1のチューブの少なくとも一部は、前記第2のセグメントの少なくとも一部の周囲に位置している、第1のチューブと;
前記第1のチューブの近位端に接続され、前記レシーバ支持部材に対して前記レシーバおよび前記第1のチューブの位置を決める位置決め部材と;
前記レシーバの少なくとも一部の周囲に位置している第2のチューブであって、前記第2のチューブは、
前記レシーバから取り外せるように、互いに離間可能な二つの部材で構成された第2のチューブと
を備え
、
前記レシーバ支持部材の外周面には、当該レシーバ支持部材の長手方向に沿うチャネルが設けられ、
前記位置決め部材の一部は、前記チャネルの少なくとも一部に位置している、システム。
【請求項2】
前記第1のセグメントの外側断面寸法と前記第2のセグメントの外側断面寸法は、同じである、請求項
1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第2のセグメントの外側断面寸法は、前記第1のセグメントの外側断面寸法より大きい、請求項
1に記載のシステム。
【請求項4】
前記レシーバ支持部材は、外側断面寸法が前記第1のセグメントの外側断面寸法よりも大きい非侵襲性の先端チップも有する、請求項1~
3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記非侵襲性の先端チップは、前記レシーバの遠位端が位置している領域を有する、請求項
4に記載のシステム。
【請求項6】
前記レシーバ支持部材は、前記第1のセグメントおよび第2のセグメントの近位側に位置する第3のセグメントも有し、前記第3のセグメントは、前記チャネルを含み、前記第2のセグメントの外側断面寸法よりも大きい外側断面寸法を有する、請求項1~
5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記第3のセグメントは、前記第1のチューブの近位端から5センチメートル以内の所に離れている肩部も有する、請求項
6に記載のシステム。
【請求項8】
前記システムは、前記第1のチューブと前記位置決め部材の両方に接続している
と共に、前記肩部に係合する肩部支持体をさらに含む、請求項
7に記載のシステム。
【請求項9】
前記レシーバ支持部材は、ハブも有し、前記第2のチューブの近位端は、前記レシーバ支持部材の前記近位端
より遠位側にある、請求項1~
8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記レシーバ支持部材は、前記ハブの近位側に
、ポートが連結されたコネクタも有する、請求項1~
9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記レシーバ支持部材の近位部は、前記レシーバ支持部材の遠位部のデュロメータより大きいデュロメータを有する、請求項1~
10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記フレームは、編組を含む、請求項1~
11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記フレームの少なくとも一部は、前記ポリマーの少なくとも一部に囲まれている、請求項1~
12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記レシーバは、前記レシーバの遠位端から1センチメートル以内の部位に位置する放射線不透過性マーカも有する、請求項1~
13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記レシーバは、外側に親水性のコーティングも有する、請求項1~
14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1のチューブは、フレーム、ポリマー、および内ライナーを有する、請求項1~
15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1のチューブの前記フレームおよび前記レシーバの前記フレームは、互いに直接接触している、請求項
16に記載のシステム。
【請求項18】
前記位置決め部材は、リングを
介して前記第1のチューブに接続している、請求項
1~
17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記リングの少なくとも一部は、前記第1のチューブの前記ポリマーの少なくとも一部に囲まれている、請求項
18に記載のシステム。
【請求項20】
前記位置決め部材は、金属を含むプッシュロッドを含む、請求項
1~
19のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
前記位置決め部材は、
非金属製ロープを含んでいる請求項
1~
19のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
前記第2のチューブは、前記第1のチューブの少なくとも一部の周囲にも位置する、請求項1~
21のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項23】
前記第2のチューブは、離間可能なバルブシール部を含むバルブシールも有する、請求項1~
22のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項24】
前記第2のチューブは、近位端、遠位端を有し、前記近位端から前記遠位端までの長さが20cm以下である、請求項1~
23のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項25】
前記第2のチューブは、近位端、遠位端を有し、前記近位端から前記遠位端までの長さが少なくとも110cmである、請求項1~
23のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項26】
前記レシーバ支持部材、前記自己拡張型レシーバ、前記第1のチューブ、および前記第2のチューブは、密閉容器内に位置する、請求項1~
25のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項27】
前記レシーバ支持部材、前記自己拡張型レシーバ、前記第1のチューブ、前記位置決め部材、および前記第2のチューブは、密閉容器内に位置する、請求項
1~
25のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年10月13日に出願された「THROMBUS ASPIRATION SYSTEMS AND RELATED METHODS」と題する米国仮出願第63/091,257号に対する優先権を主張するものであり、同文献の内容を参照してその全容を本願に援用する。
【0002】
本発明は全体的に、血栓を除去するためのシステムに関し、さらに詳細には、吸引を介して血栓を除去するのに適したシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
血栓(血餅ともいう)は、血管を通る血流を遮断し、それによって組織から血液および酸素を奪い、損傷を引き起こすおそれがある。血栓は脳卒中の主な原因であり、長期にわたる障害および死亡のリスクを軽減するために迅速な治療が必要である。
【0004】
血栓摘出術は、脳卒中を治療するための一般的な処置である。血栓摘出術では、患者の鼠径部の脈管構造にガイドカテーテルを挿入し、そこを通して血栓の方へ前進させる。次に、ステントリトリーバをガイドカテーテルに通し、血栓をからめて捕捉できる。血栓を捕捉すれば、ステントリトリーバおよびカテーテルを取り外して脳への血流を回復させることがきる。あるいは、小口径の吸引カテーテルをガイドカテーテルに通すことができ、カテーテルの遠位端が血栓にあるときに、カテーテルの近位端で真空を適用して吸引カテーテルの口に血栓を引き付けて除去できる。過去10年間で、血栓摘出術は脳卒中治療の成功率を改善し、処置の約85%で再疎通を達成している。
【0005】
しかしながら、本発明者は、あらゆる血栓摘出術で再疎通の成功を妨げてきた多くの課題を認識している。例えば、血栓に対する血流は、除去を妨げるように作用する。内頸動脈(ICA)でバルーンガイドカテーテルを用いてこれに対処しようとした人もいるが、これは血栓へのICA血流を遮断し、他の血管が神経血管系に血液を供給し続け、それによって血栓除去を妨げ続ける可能性がある。
【0006】
また、血栓は、(1)主に血小板を含む白色血栓、および(2)主に赤血球を含む赤色血栓を含んでいる。これらの異なる血栓組成は、異なる機械特性をもたらし、白色血栓はヤング率および引張強度が高い傾向があり、赤色血栓はヤング率および引張強度が低い傾向がある。したがって、ステントリトリーバは、赤色血栓との機械的係合を容易に達成して除去できるが、赤色血栓よりも硬い白色血栓を捕捉できないことがある。
【0007】
吸引カテーテルは、ステントリトリーバがそのような血栓に機械的に係合できなくても、真空が適用されるとその口で血栓の保持を維持できる。しかし、吸引カテーテルも課題に直面している。 吸引カテーテルは、脳卒中の場合、血栓が位置している脈管構造(一般的にはICAもしくは中大脳動脈(MCA)(例えばそのM1セグメント))にアクセスできる必要があるため、通常、吸引カテーテルは比較的細く、直径が血管の直径の50%未満である。このような細い吸引カテーテルは、血管全体に広がっている脳卒中を誘発する血栓を吸い込めないことがある。その結果、血栓除去は、真空源が内腔を通って血栓を引き付けるのではなく、大半の血栓が内腔の外側にある状態で吸引カテーテルを引っ込めることで達成されることが多い。曝露された血栓は、カテーテルの抜去中に剥離するリスクがあり、再疎通の失敗につながる可能性がある。
【0008】
標的の脈管構造に到達できる設計になっている直径の大きい吸引カテーテルを用いることで、そのサイズにもかかわらず吸引の成功率を向上させた人もいる。例えば、吸引カテーテルは、一般には内径が0.066インチだが、Micro Vention,Inc.は、内径が0.070インチだがMCAに到達できるSOFIA(登録商標)Plusカテーテルを開発し、Perfuze Ltd.は、内径が0.088インチのMillipede CISカテーテルを開発している。これらの吸引カテーテルは、内腔の断面積が大きいため、吸引中により大きな吸引力を生み出すことができるが、依然として血栓を吸い込めないことがあり、血栓の直径はおよそ2倍の大きさ(例えば約0.157インチ)であることが多い。
【0009】
吸引の別の手法は、小径のシース内に配置した自己拡張型ステントを血栓まで前進させ、ステントの遠位部が動脈壁まで径方向に拡張するようにシースからステントを遠位方向に展開させることを含むものである。このようにして、ステントは、拡張した口を通して血栓を吸い込むことができる。このようなデバイスの一例が、Anaconda Biomed S.L.ANCD Advanced Thrombectomy Systemである。このようなデバイスは、血栓が容易に通過し得る拡張した口を有することができるが、そのステントは、近位部で、ステントが取り付けられているシースの直径よりも直径が小さいほどに細くなっている。これらのデバイスでは通常、ICAもしくはMCAに到達するために複数の伸縮式カテーテルを使用しているため、大径のカテーテルは剛性のために近位側に配置され、小径のカテーテルは遠位側の柔軟性のために大径のカテーテルから延在して、デバイスが脈管構造を通過できるようになっており、狭窄部は比較的細くできる。例えば、ANCD Advanced Thrombectomy Systemのステントは、内径0.043インチまで細くなっている。この狭窄部は、吸引中にシースを通して血栓を吸い込むのを妨げるおそれがある。
【0010】
したがって、再疎通成功の可能性を高めるために、血栓をより良く吸い込める血栓摘出システムが当技術分野で必要とされている。
【発明の概要】
【0011】
本システムは、自己拡張型レシーバ、レシーバに接続している第1のチューブ、レシーバ支持部材、およびレシーバが拡張状態から圧縮されるようにレシーバの少なくとも一部の周囲に位置する第2のチューブを用いて、当技術分野における必要性に対処する。レシーバ支持部材は、レシーバ支持部材に遠位側に押す力を印加したときに第1のチューブと係合させることにより、第1のチューブおよびレシーバをガイドカテーテル内で血栓の方へ前進させるために使用できる。また、レシーバ支持部材は、第1のセグメントおよび第2のセグメントを有することができ、レシーバの少なくとも一部は、第1のセグメントの周囲に位置し、第1のチューブの少なくとも一部は、第2のセグメントの周囲に位置する。第1のセグメントおよび第2のセグメントがレシーバ内および第1のチューブ内に位置している状態では、第1のチューブおよび圧縮されたレシーバは、比較的大きい断面寸法を有することができ、システムは、ICAもしくはMCA中の血栓に到達するように遠位部が十分な柔軟性を有することができる。レシーバ支持部材は、第1のセグメントおよび第2のセグメントの近位側に配置され、第1のセグメントおよび第2のセグメントよりも大きな断面寸法を有し、第1のチューブと係合して第1のチューブおよびレシーバを前進させるように構成された肩部を画定する第3セグメントを有することもできる。厚い第3のセグメントは、システムの近位部の剛性を高めて、第1のチューブおよびレシーバを血栓へ送給しやすくできる。
【0012】
自己拡張型レシーバは、遠位部を径方向に拡張して血管壁と係合するように展開できるため、大きな口が生じて吸引中に血栓を容易に吸い込める。レシーバ支持部材により、第1のチューブ(およびそれに伴いレシーバの首部)の内側断面寸法を比較的大きくできるため(例えば少なくとも0.075インチ)、吸引中に血栓を第1のチューブの中にさらに簡単に吸い込むことができ、それによって再疎通の成功率がさらに高まる。
【0013】
血餅除去のための本システムのいくつかは、レシーバ支持部材、自己拡張型レシーバ、レシーバに接続している第1のチューブ、およびレシーバの少なくとも一部の周囲に位置する第2のチューブを有する。本方法のいくつかは、ガイドワイヤを患者の脈管構造に通して前進させることと、カテーテルをガイドワイヤに被せて前進させることと、システムをガイドワイヤに被せてカテーテルの中で前進させることとを含む。このような方法のいくつかでは、システムは、レシーバ支持部材、自己拡張型レシーバ、レシーバに接続している第1のチューブ、およびレシーバの少なくとも一部の周囲に位置する第2のチューブを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、レシーバを支持する実施形態は、第1のセグメントの外側断面寸法を有する第1のセグメントと、第2のセグメントの外側断面寸法を有する第2のセグメントとを有する。第1のセグメントの外側断面寸法および第2のセグメントの外側断面寸法は、いくつかの実施形態では同じである。他の実施形態では、第2のセグメントの外側断面寸法は、第1のセグメントの外側断面寸法よりも大きい。レシーバの少なくとも一部は、いくつかの実施形態では、第1のセグメントの少なくとも一部の周囲もしくはレシーバ支持部材の第1の部分の周囲に位置決めされる。第1のチューブの少なくとも一部は、いくつかの実施形態では第2のセグメントの少なくとも一部の周囲もしくはレシーバ支持部材の第2の部分の周囲に位置決めされる。
【0015】
いくつかの実施形態では、レシーバ支持部材は、遠位端と、近位端と、遠位端から近位側に延在してレシーバ支持部材の少なくとも第1のセグメントおよび第2のセグメントを通る内腔とを有する。レシーバ支持部材は、いくつかの実施形態では、外側断面寸法が第1のセグメントの外側断面寸法よりも大きい非侵襲性の先端チップを有する。このような実施形態のいくつかでは、非侵襲性の先端チップは、レシーバの遠位端が位置している領域を有する。
【0016】
いくつかの実施形態では、システムは、第1のチューブに接続している位置決め部材を含む。位置決め部材は、いくつかの実施形態では、金属を含むプッシュロッドを含む。いくつかの実施形態では、位置決め部材は、金属以外を含み、剛性ではない。レシーバ支持部材は、いくつかの実施形態では、チャネルを有し、任意選択で、位置決め部材の一部がチャネルの少なくとも一部に位置決めされる。いくつかの実施形態では、レシーバ支持部材は、第1のセグメントおよび第2のセグメントの近側に位置する第3のセグメントもしくは第3の部分を有し、第3のセグメントもしくは第3の部分は、任意でチャネルを有する。第3のセグメントは、いくつかの実施形態では、第2のセグメントの外側断面寸法よりも大きい外側断面寸法を有する。第3のセグメントは、いくつかの実施形態では、第1のチューブの近位端から5センチメートル以内の所に離れている肩部を有する。いくつかの実施形態では、システムは、第1のチューブと位置決め部材の両方に接続している肩部支持体を含む。いくつかの実施形態では、レシーバ支持部材の近位部は、レシーバ支持部材の遠位部のデュロメータよりも大きいデュロメータを有する。
【0017】
レシーバ支持部材は、いくつかの実施形態では、ハブも有する。いくつかの実施形態では、第2のチューブの近位端は、レシーバ支持部材の近位端の遠位側にある。レシーバ支持部材は、いくつかの実施形態では、ハブの近位側にコネクタも有する。
【0018】
いくつかの実施形態では、自己拡張型レシーバは、フレームおよびポリマーを含む。フレームの少なくとも一部は、いくつかの実施形態では、ポリマーの少なくとも一部に囲まれている。レシーバは、いくつかの実施形態では、外側に親水性のコーティングを有する。フレームは、いくつかの実施形態では、編組を含む。いくつかの実施形態では、レシーバは、レシーバの遠位端から1センチメートル以下の所に位置する放射線不透過性マーカも有する。
【0019】
第1のチューブは、いくつかの実施形態では、フレーム、ポリマー、および内ライナーを有する。いくつかの実施形態では、第1のチューブのフレームおよびレシーバのフレームは、互いに直接接触している。いくつかの実施形態では、位置決め部材は、リングを通して第1のチューブに接続され、任意で、リングの少なくとも一部は、第1のチューブのポリマーの少なくとも一部に囲まれている。
【0020】
第2のチューブは、いくつかの実施形態では、離間可能部を有する。いくつかの実施形態では、第2のチューブは、第1のチューブの少なくとも一部の周囲にも位置する。第2のチューブは、いくつかの実施形態では、離間可能なバルブシール部を含むバルブシールも有する。いくつかの実施形態では、第2のチューブは、近位端、遠位端を有し、近位端から遠位端までは特定の長さを有する。この長さは、いくつかの実施形態では、少なくとも110cmである。他の実施形態では、この長さは、20cm以下である。
【0021】
いくつかの実施形態では、レシーバ支持部材、自己拡張型レシーバ、第1のチューブ、第2のチューブ、および/もしくは位置決め部材は、密閉容器内に位置する。
【0022】
いくつかの方法は、第2のチューブがガイドワイヤに被さって前進していない間に、レシーバ支持部材、自己拡張型レシーバ、第1のチューブ、および位置決め部材をカテーテル内で前進させることを含む。他の方法は、第2のチューブの遠位端がカテーテルの遠位端の遠位側にくるまで、レシーバ支持部材、自己拡張型レシーバ、第1のチューブ、位置決め部材、および第2のチューブをカテーテルの少なくとも一部を通して前進させることを含む。
【0023】
いくつかの方法は、第2のチューブをカテーテルから後退させること、および/もしくは第2のチューブの離間可能部を離間させること、およびガイドワイヤの周囲に位置している状態で第2のチューブを取り外すことをさらに含む。このような方法のいくつかでは、本方法は、離間後にレシーバ支持部材および/もしくは位置決め部材に力を印加して、レシーバ支持部材、自己拡張型レシーバ、第1のチューブ、および位置決め部材をカテーテル内で前進させることをさらに含む。いくつかの方法は、離間後にレシーバ支持部材に力を印加して、レシーバ支持部材、自己拡張型レシーバ、第1のチューブ、および位置決め部材をカテーテル内で前進させることを含む。
【0024】
いくつかの方法は、自己拡張型レシーバの遠位部が拡張して患者の血管と接触するように、自己拡張型レシーバを展開させることを含む。このような方法のいくつかでは、展開は、位置決め部材とレシーバ支持部材の少なくとも一方に力を印加している間に第2のチューブを後退させることを含む。いくつかの方法では、位置決め部材は剛性であり、展開は、位置決め部材およびレシーバ支持部材に力を印加している間に第2のチューブを後退させることを含む。 他の方法では、位置決め部材は剛性ではなく、展開は、レシーバ支持部材に力を印加している間に第2のチューブを後退させることを含む。
【0025】
いくつかの方法は、レシーバ支持部材の遠位端が第1のチューブの近位端の近位側にくるようにレシーバ支持部材を引き寄せることを含む。いくつかの方法は、カテーテルに真空を適用して自己拡張型レシーバの遠位部の中に血餅を引き込むのを補助することを含む。いくつかの方法は、第1のチューブおよび自己拡張型レシーバがカテーテルに対して近側に動くように位置決め部材を引っ張ることを含む。
【0026】
「連結した(coupled)」という用語は、接続している状態であると定義するが、必ずしも直接である必要はなく、機械的である必要はなく、「連結した」2つの部材は、互いに一体であってよい。「a」および「an」という用語は、本開示が明示的に別段の要求をしない限り、1つ以上であると定義する。「実質的に」という用語は、指定したものの大部分であると定義するが、必ずしも全体である必要はなく、指定したものを含み、例えば、当業者が理解するように、実質的に90度とは、90度を含み、実質的に平行とは、平行であることを含む。開示したいずれの実施形態でも、「実質的に」および「およそ」という用語は、指定したものの「~以内[パーセンテージ]」に置き換えてよく、そのパーセンテージは、0.1パーセント、1パーセント、5パーセント、および10パーセントを含む。
【0027】
「備える(comprise)」およびそのあらゆる形態である「comprises」および「comprising」など、「有する(have)」およびそのあらゆる形態である「has」および「having、」など、そして「include」およびそのあらゆる形態である「含む(includes)」および「including」などの用語は、制限のない連結動詞である。その結果、1つ以上の要素を「備える(comprises)」、「有する(has)」、もしくは「含む(includes)」製品もしくはシステムは、それらの1つ以上の要素を有しているが、それらの要素のみを有していると限定されるわけではない。同じように、1つ以上の工程を「備える(comprises)」、「有する(has)」、もしくは「含む(includes)」方法は、それらの1つ以上の工程を有しているが、それらの1つ以上の工程のみを有していると限定されるわけではない。
【0028】
本明細書に英国単位で記載した各寸法は、最も近いミリメートルに丸めることによって、対応するメートル単位に変換されてよい。
【0029】
いずれの製品、システム、および方法のいずれの実施形態も、記載した工程、要素、および/もしくは特徴(を備える/含む/有するのではなく)からなる、もしくは本質的にこれらからなるとすることができる。そのため、いずれの請求項においても、「~からなる」もしくは「本質的に~からなる」という用語を、上記に引用した制限のない連結動詞の代わりに使用して、特定の請求項の範囲を、その制限のない連結動詞を使用した場合のそれ以外の範囲から変更することができる。
【0030】
さらに、特定の方法で構成されたデバイスもしくはシステムは、少なくともその方法で構成されているが、具体的に記載した方法以外の方法で構成することもできる。
【0031】
1つの実施形態の1つもしくは複数の特徴は、本開示もしくは実施形態の性質によって明示的に禁止されていない限り、記載もしくは図示されていなくても、他の実施形態に適用されてよい。
【0032】
上記の実施形態に関連するいくつかの詳細およびその他を以下に説明する。
【0033】
以下の図面は、例として例示するものであって、限定するものではない。簡潔かつ明確にするため、特定の構造のすべての特徴が、その構造が現れているすべての図に常に表記されているわけではない。同一の符号が必ずしも同一の構造を指しているわけではない。むしろ、同じ符号は、類似の特徴もしくは類似の機能性を有する特徴を指すために使用されていることがあり、同一ではない符号が使用されていることもある。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1Aは、レシーバ、レシーバに接続している第1のチューブ、第1のチューブに接続している位置決め部材、レシーバ支持部材、および第2のチューブを含む、血栓を除去する本システムのうちの1つの側面図である。
【0035】
図1Bは、
図1Aのシステムが挿入構成にあり、レシーバ支持部材、第1のチューブ、および自己拡張型レシーバの各々の少なくとも一部が第2のチューブ内に位置していて、レシーバが第2のチューブに圧縮されている様子の図である。
【0036】
【0037】
【0038】
図1E~
図1Gは、
図1Aのシステムを
図1Cの線1E-1E、1F-1F、および1G-1Gそれぞれに沿って切った断面図である。
【0039】
図2Aは、
図1Aのシステムがガイドカテーテルを通って延在している様子の側面図である。
【0040】
図2Bは、ガイドカテーテルを通って延在している
図1Aのシステムを線2B-2Bに沿って切った断面図である。
【0041】
図3は、本システムの第2の実施形態の拡大部分断面図であり、レシーバ支持部材の第1のセグメントが第2のセグメントよりも細く、レシーバ支持部材のチップが、レシーバの遠位端を受け入れるように構成された領域を含んでいる図である。
【0042】
図4Aは、本システムの第3の実施形態の断面図であり、レシーバ支持部材の内腔が、レシーバ支持部材の遠位端から、レシーバ支持部材の近位端の遠位側にあるレシーバ支持部材の第3のセグメントの一部まで延在し、第3のセグメントがスリットを有し、内腔を通って延在するガイドワイヤがスリットを通ってレシーバ支持部材から出ることができる図である。
【0043】
図4Bは、本システムの第4の実施形態の断面図であり、レシーバ支持部材の内腔が、遠位端からレシーバ支持部材の第1のセグメント、第2のセグメント、および第3のセグメントを通って延在し、レシーバ支持部材が、第3のセグメントよりも外側断面寸法が小さい第4のセグメントを有し、それによって内腔を通って延在するガイドワイヤが、第4のセグメントを通過することなくレシーバ支持部材を出ることができる図である。
【0044】
図4Cは、本システムの第5の実施形態の断面図であり、プッシャーがレシーバ支持部材の近位端から近位側に延在している図である。
【0045】
図5は、本システムの第6の実施形態の拡大部分断面図であり、本システムが、第1のチューブおよび位置決め部材に接続している肩部支持体を有し、第3のセグメントに画定されたレシーバ支持部材の肩部と係合するように構成される図である。
【0046】
図6は、第2のチューブの離間可能部が離間し、レシーバが拡張したときの
図1Aのシステムの断面図である。
【0047】
図7は、本システムのいくつかで使用するのに適しているレシーバおよび第1のチューブの側面図であり、レシーバおよび第1のチューブの各々がポリマーおよびフレームを含んでいる図である。
【0048】
図8Aは、ガイドカテーテルの近位コネクタに連結している第1のポートと、
図1Aのシステムが通るように配置され、第2のチューブの周囲にシールを形成する第2のポートと、吸引のためにシリンジに接続している第3のポートとを有するマルチポートアダプタの側面図である。
【0049】
図8Bは、
図8Aのマルチポートアダプタの側面図であり、
図1Aのシステムではなく
図4Cのシステムが第2のポートを通して配置されている図である。
【0050】
図8Cは、
図8Aのマルチポートアダプタの側面図であり、シリンジではなく真空ポンプが第3のポートに接続されている図である。
【0051】
図9は、
図1Aのシステムが密閉容器内に配置されているキットの側面図である。
【0052】
図10Aは、中大脳動脈のM1セグメントに血栓があり、血栓までガイドワイヤが延在し、ガイドカテーテルが内頸動脈の底部まで延在している患者の脈管構造を描いた図である。
【0053】
図10Bは、
図1Aのシステムの第2のチューブがガイドカテーテル内に配置され、ガイドカテーテルを越えて血栓まで延在している
図10Aの脈管構造を描いた図である。
【0054】
図11Aは、
図10Aの脈管構造に配置された
図1Aのシステムの部分断面図であり、システムが、第2のチューブの遠位端およびレシーバが血栓の近くに位置するような挿入構成にある図である。
【0055】
図11Bは、
図10Aの脈管構造に配置された
図1Aのシステムの部分断面図であり、レシーバの遠位部が血管壁まで拡張するようにレシーバが展開している図である。
【0056】
図11Cは、
図10Aの脈管構造に配置された
図1Aのシステムの部分断面図であり、レシーバ支持部材がガイドカテーテルから引き抜かれ、レシーバの遠位端が血栓と接触している図である。
【0057】
図12Aは、
図10Aの脈管構造内で血栓まで延在しているガイドワイヤと、ガイドワイヤの一部の周囲に位置しているガイドカテーテルとの部分断面図である。
【0058】
【0059】
図12Cは、
図1Aのシステムが
図12Aのガイドカテーテルの近位部内に位置している
図1Aのシステムの部分断面図であり、レシーバがガイドカテーテルの内壁まで拡張するように第2のチューブがガイドカテーテルから引き抜かれている図である。
【0060】
図12Dは、第2のチューブが抜去された後に
図12Aのガイドカテーテルの遠位部まで前進している
図1Aのシステムの部分断面図である。
【0061】
図12Eは、レシーバがガイドカテーテルから展開している
図1Aのシステムの部分断面図である。
【0062】
図13Aは、
図10Aの脈管構造内に配置された
図1Aのシステムの部分断面図であり、血栓がレシーバ内を移動して移行区画までいくようにレシーバを展開させる間にガイドカテーテルに真空を適用している図である。
【0063】
図13Bは、
図10Aの脈管構造内に配置された
図1Aのシステムの部分断面図であり、ガイドカテーテルに真空を適用しているときに血栓を第1のチューブの中に引き込んでいる図である。
【0064】
図13Cは、
図10Aの脈管構造内に配置された
図1Aのシステムの部分断面図であり、ガイドカテーテルに真空を適用しているときに血栓をガイドカテーテルの内腔の中に引き込んでいる図である。
【0065】
図13Dは、
図10Aの脈管構造内に配置された
図1Aのシステムの部分断面図であり、第1のチューブおよびレシーバをガイドカテーテルの中に引き込んでいる図である。
【発明を実施するための形態】
【0066】
図1A~1Gを参照すると、血栓を除去する本システムの第1の実施形態10が示されており、本システムは、自己拡張型レシーバ14、レシーバに接続している第1のチューブ18、レシーバ支持部材22、および第2のチューブ26を含んでいる。第2のチューブ26は、近位端102aと遠位端102bとの間に延在する内腔を画定するカテーテルもしくはシースを有することができ、それによって
図1B~1Dに示したように、レシーバ14、第1のチューブ18、およびレシーバ支持部材22はそれぞれ、第2のチューブの内腔内に少なくとも部分的に配置可能である。レシーバ14、第1のチューブ18、およびレシーバ支持部材22が第2のチューブ26に少なくとも部分的に配置された状態で、
図2Aおよび2Bに示したようにレシーバを拡張状態(
図1A)から圧縮でき、システム10を、患者の脈管構造内に配置できるガイドカテーテル190(例えば8Fカテーテル)の中に挿入できる。このようにして、以下にさらに詳細に説明するように、レシーバ14および第1のチューブ18を、脈管構造を通してガイドカテーテル190に沿って、例えばICAもしくはMCA内(例えばM1セグメント内)にある血栓まで前進させることができる。
【0067】
レシーバ支持部材22は、レシーバ14および第1のチューブ18が患者の脈管構造を通って前進しやすいようにしつつ、レシーバおよび第1のチューブの内側断面寸法を比較的大きくして、そこを通る血栓の吸引を容易にすることができる。特に
図1C~1Gを参照すると、レシーバ支持部材22は、第1のセグメント30a、第2のセグメント30b、および/もしくは第3のセグメント30cを有することができる。レシーバ14の少なくとも一部および第1のチューブ18の少なくとも一部は、第1のセグメント30aおよび第2のセグメント30bの少なくとも一部の周囲にそれぞれ位置できる(
図1Eおよび
図1F)。第3のセグメント30cは、第1のセグメント30aおよび第2のセグメント30bの近位側に位置でき、外側断面寸法(例えば直径)106が第1のセグメントおよび第2のセグメントの外側断面寸法(例えば直径)46および50よりも大きいとすることができる(
図1G)。例えば、第3のセグメント30cの外側断面寸法106は、第1のセグメント30aおよび第2のセグメント30bの外側断面寸法46および50の110%、125%、150%、175%、200%、もしくは300%のいずれか1つ以上、もしくはいずれか2つの間とすることができる。このようにして、第3のセグメント30cは、第1のチューブの近位端90aから5cm、4cm、3cm、2cm、1cm、もしくは0.50cm以内に位置している(例えば接触している)肩部110を有することができ、レシーバ支持部材を遠位側に付勢する力が印加されると、近位端と係合できる。このように係合することにより、レシーバ14および第1のチューブ18を患者の脈管構造を通して(例えばガイドカテーテル190内でガイドカテーテルを越えて)前進させることができる。
【0068】
第1のセグメント30aおよび第2のセグメント30bをレシーバ14および第1のチューブ18の(周囲ではなく)内部に位置決めすることにより、レシーバおよび第1のチューブを比較的大きい断面寸法にしつつ、システム10の遠位部に十分な柔軟性をもたらし、システムを患者の経脈管構造に通過させることができる。例えば、レシーバ14(圧縮時)および第1のチューブ18の外側断面寸法42bおよび38bは、それぞれが0.060インチ、0.065インチ、0.070インチ、0.075インチ、0.080インチ、0.085インチ、もしくは0.090インチの1つ以上、もしくはいずれか2つの間とすることができ(例えば少なくとも0.080インチ)、レシーバ(圧縮時)および第1のチューブの内側断面寸法42aおよび38aは、0.055インチ、0.060インチ、0.065インチ、0.070インチ、0.075インチ、0.080インチ、もしくは0.085インチのいずれか1つ以上、もしくはいずれか2つの間とすることができる(例えば少なくとも0.075インチ)。厚い第3のセグメント30cは、レシーバ支持部材22の近位部32aの剛性を高めることができ、それによって、患者の脈管構造を通してレシーバ14および第1のチューブ18を押すレシーバ支持部材の性能を促進する。
【0069】
第1のセグメント30aと第2のセグメント30bの外側断面寸法46と50は同じにできるが、
図3に示したように、いくつかの実施形態では、第2のセグメントの外側断面寸法は、第1のセグメントの外側断面寸法よりも大きくでき、例えば第1のセグメントの外側断面寸法よりも少なくとも10%、15%、20%、25%、もしくは30%大きくできる。また、レシーバ支持部材22の近位部32aおよび遠位部32bは、近位部のデュロメータが遠位部のデュロメータより大きいように、異なる材料(例えば異なるポリマー)を含むことができるが、必ずしもそうである必要はない。レシーバ支持部材22の厚みもしくは材料組成をこのように様々であることで、各場合でレシーバ支持部材の長さにわたる前述の柔軟性の変化をさらに容易にすることができる。
【0070】
レシーバ支持部材22は、近位端98aと遠位端98bとの間に延在する(例えばレシーバ支持部材の中心を通る)内腔54も有することができる。内腔54は、ガイドワイヤ(例えば234、以下にさらに詳述)を中に通して受容できるようなサイズにできる。例えば、内腔54の断面寸法58(例えば直径)は、0.008インチ、0.010インチ、0.012インチ、0.014インチ、0.016インチ、0.018インチ、もしくは0.020インチのいずれか1つ以上、もしくはいずれか2つの間とすることができる(例えば0.010インチ~0.020インチ)。このようにして、システム10は、患者の神経脈管構造内の血栓まで延びるガイドワイヤに被せて通すことができ、ガイドワイヤは、システム内で支持するために内腔54内に配置され、レシーバ支持部材22がレシーバ14および第1のチューブ18を血栓に向かって前進させるのを補助できる。
【0071】
いくつかの実施形態では、レシーバ支持部材22は、システム10の単一ユーザの操作を容易にするために短いガイドワイヤ(例えば交換長ガイドワイヤではなく標準のガイドワイヤ)を使用できる迅速交換モードの操作が可能になるように構成できる。例えば、
図4Aおよび
図4Bを参照すると、レシーバ支持部材22の内腔54は、遠位端98bから少なくとも第1のセグメント30aおよび第2のセグメント30bを通って近位側に延在できるが、近位端98aまで延在する必要はない(例えば内腔は、レシーバ支持部材の近位端の遠位側にある第3のセグメント30cの一部で終わることができる)。このようなレシーバ支持部材22は、レシーバ支持部材が血栓に向かって前進する際にガイドワイヤに被さって通れるように、内腔54内のガイドワイヤをレシーバ支持部材から出せる通路を有することができる。説明すると、
図4Aに示したように、レシーバ支持部材22は、(例えば第3のセグメント30cにある)制限のないスリット56を有することができ、遠位端98bを通って内腔54内に延在するガイドワイヤは、このスリットを通って、レシーバ支持部材の近位端98aを通ることなくレシーバ支持部材22から出るように通ることができる。あるいは、
図4Bに示したように、レシーバ支持部材22は、(例えば第1のセグメント、第2のセグメント、および/もしくは第3のセグメント30a~30cの近位側にある)第4のセグメント30dを有することができ、その外側断面寸法は、内腔54を通って近位側に延在するガイドワイヤが第4のセグメントに入らずに内腔を出られるように、レシーバ支持部材22の(例えば第3のセグメントの外側断面寸法106の)最大外側断面寸法よりも小さい(例えば50%以下)。
【0072】
図4Cを参照すると、迅速交換レシーバ支持部材22は、代わりに、近位端98aと遠位端98bとの間に延在する内腔54を有することができるが、さらに短いガイドワイヤを使用できるように比較的短くすることができる。例えば、レシーバ支持部材22の長さ78は、レシーバが第2のチューブ26で圧縮されたときの第1のチューブ18とレシーバ14とを合わせた長さと少なくとも同じ長さとすることができるが、合わせたこの長さの200%、190%、180%、170%、160%、150%、140%、130%、もしくは120%のいずれか1つ以下、もしくはいずれか2つの間とすることができる。レシーバ支持部材を患者の脈管構造の奥深くに押し込ませるために、プッシャー60(例えばハイポチューブもしくはロッド)が、その短い長さにもかかわらずレシーバ支持部材22の近位端98aから近位側に延在できる。プッシャー60は、プッシャーおよびレシーバ支持部材が前進しやすいように、近位端にハンドル64を有することができる。任意選択として、ガイドワイヤが内腔54から通れる第1のセグメント30a、第2のセグメント30b、および/もしくは第3のセグメント30cに沿って引き裂き線が延在できる。
【0073】
レシーバ支持部材22の遠位端98bは、非侵襲性の先端チップ118で画定できる。チップ118は、第1のセグメント30aおよび第2のセグメント30bの外側断面寸法46および50よりも大きい最大外側断面寸法(直径)122を有することができるが、必ずしもそうである必要はない。例えば、チップ118の最大外側断面寸法122は、第1のセグメント30aおよび第2のセグメント30bの外側断面寸法46および50それぞれの110%、125%、150%、175%、200%、もしくは300%のいずれか1つ以上、もしくはいずれか2つの間とすることができる。そのため、チップ118は、レシーバおよび第1のチューブ18が患者の脈管構造を通って前進する際に、レシーバ14の遠位端86bの保護となることができる。チップ118は、外側断面寸法がチップの長さに沿って遠位側に細くなるように先細りにすることもでき、これによりレシーバ14および第1のチューブ18を前進しやすくでき、患者の脈管構造を損傷するリスクを軽減できる。
図3に示したように、チップ118は、レシーバ14の遠位端86bを受け入れられる領域150を有することができ、それによって挿入中にレシーバによって生じる抵抗を軽減してレシーバおよび第1のチューブ18を前進しやすくする。このような実施形態では、レシーバ支持部材22を後退させることにより、レシーバの遠位端が領域150から滑り出るまで、遠位端86bの近位側にあるレシーバ14の一部を径方向外向きに拡張させることができ、この点でレシーバを展開させることができ、これについて以下にさらに詳細に説明する。
【0074】
患者の鼠径部にある挿入部からICAもしくはMCA(例えばそのM1セグメント)に到達できるようにするために、レシーバ支持部材22の長さ78を、90cm、100cm、110cm、120cm、130cm、140cm、もしくは150cmのいずれか1つ以上、もしくはいずれか2つの間とすることができる(例えば少なくとも110cm)。ただし、
図4Cを参照して前述したように、プッシャー60が近位側に延在しているレシーバ支持部材22は、さらに短い長さ78とすることができ、例えば60cm、55cm、50cm、45cm、40cm、35cm、もしくは30cmのいずれか1つ以下、もしくはいずれか2つの間の長さとすることができる(例えば40cm以下)。このような実施形態では、レシーバ支持部材22とプッシャー60とを合わせた長さは、ICAもしくはMCAへのアクセスが可能なように、90cm、100cm、110cm、120cm、130cm、140cm、もしくは150cmのいずれか1つ以上、もしくはいずれか2つの間とすることができる(例えば少なくとも110cm)。
【0075】
レシーバ14および第1のチューブ18はそれぞれ、ICAもしくはMCA中の血栓まで前進したときにレシーバおよび第1のチューブが患者の体外に延在しないように、レシーバ支持部材22よりも短くすることができる。代わりに、
図2Aおよび
図2Bに示したように、レシーバ14および第1のチューブ18は、第1のチューブの近位端90aをそれよりも断面寸法の大きいガイドカテーテル190の遠位部の中に配置できるようにサイズ決定できる(例えばレシーバがICAもしくはMCA中の血栓にあり、ガイドカテーテルの遠位端がICAの下に位置しているとき)。例えば、レシーバ14の長さ66(例えばレシーバが拡張状態にあるとき)は、20cm、18cm、16cm、14cm、12cm、10cm、8cm、6cm、4cm、もしくは2cmのいずれか1つ以下、もしくはいずれか2つの間の長さとすることができ(例えば2~10cm)、第1のチューブ18の長さ70は、40cm、38cm、36cm、34cm、32cm、30cm、28cm、26cm、24cm、22cm、20cm、18cm、16cm、14cm、12cm、10cm、8cm、6cm、もしくは4cmのいずれか1つ以下、もしくはいずれか2つの間の長さとすることができる(例えば5~30cm)。このように、大きなガイドカテーテル190は、吸引のために真空を適用できる通路となることができ、レシーバ14および第1のチューブ18は、カテーテルから遠位側に延在して、カテーテルがそのサイズが原因で容易に到達できない可能性のある(例えばICAもしくはMCA中の)神経脈管構造の一部に位置している血栓に到達できる。
【0076】
レシーバ14および第1のチューブ18が患者の体内に配置されている間の両者の操作を容易にするために(例えば両者の前進もしくは後退を補助するために)、システム10は、第1のチューブの近位側に接続して配置されているプッシュロッドもしくはロープ(例えば縫合糸)などの位置決め部材62を含むことができる。 例えば、位置決め部材62の長さ74は、80cm、90cm、100cm、110cm、120cm、130cm、もしくは140cmのいずれか1つ以上、もしくはいずれか2つの間の長さとすることができ(例えば少なくとも90cm)、任意で、レシーバ14、第1のチューブ18、および位置決め部材の長さ66、70、および74が、レシーバ支持部材22の長さ78よりも大きくなり、かつ/もしくは90cm、100cm、110cm、120cm、130cm、140cm、もしくは150cmのいずれか1つ以上、もしくはいずれか2つの間の長さとなるようにする(例えば少なくとも110cm)。よって位置決め部材62の近位端94aは、レシーバおよび第1のチューブがICAもしくはMCA中にある間に患者の体外に配置できる。また、位置決め部材62は、レシーバ14および第1のチューブ18が延在する根元のガイドカテーテル190の内腔のごくわずかな一部しか占有しないように比較的細くでき、吸引中に血栓がガイドカテーテルを容易に通過できるようにする。例えば、位置決め部材62は、断面寸法(例えば直径)66が0.020インチ、0.018インチ、0.016インチ、0.014インチ、0.012インチ、0.010インチ、もしくは0.008インチのいずれか1つ以下、もしくはいずれか2つの間とすることができる。
【0077】
位置決め部材62は、レシーバ14および第1のチューブ18を押すことおよび/もしくは引くことを補助するのに適している任意の材料を含むことができる。例えば、位置決め部材62は、ステンレス鋼、ニチノールなどの金属を含有するロッドとすることができる。このような金属製の位置決め部材62は、その近位端94aに印加された少なくともいくらかの力が位置決め部材を通して第1のチューブ18に容易に伝達されるように剛性とすることができる。このように、位置決め部材62は、レシーバ支持部材22が患者の脈管構造を通ってレシーバ14および第1のチューブ18を前進する際に補助することができ、吸引後にレシーバおよび第1のチューブを引っ張って抜去することができる。あるいは、位置決め部材62は、ポリマー(例えばアラミド)を含むロープなどの非金属製ロープを含むことができる。このような非金属製位置決め部材62は、非剛性とすることができ、それによりシステム10の柔軟性を促進できる。非剛性の位置決め部材は、システムの挿入中にレシーバ支持部材22を補助するために、押す力を第1のチューブ18に容易に伝達しないことがあるが(例えば押す力が非剛性のロープの変形を引き起こす可能性があるため)、患者の脈管構造からレシーバ14および第1のチューブを引っ張って抜去することができる。
【0078】
位置決め部材62を収容するために、レシーバ支持部材22の第3のセグメント30cは、チャネル114を有することができる(
図1G)。位置決め部材62は、レシーバ支持部材22が脈管構造を通ってレシーバ14および第1のチューブを前進するときに位置決め部材の近位端94aが患者の体外に留まれるように、第1のチューブ18からチャネル114の少なくとも一部を通って延在できる。チャネル114は、位置決め部材62がチャネルを出入りするのにチャネルの近位端94aもしくは遠位端94bを通る必要がないように、制限のない断面を有することができる。
【0079】
図5を参照すると、いくつかの実施形態では、システム10は、第1のチューブ18の近位端90a、および任意で位置決め部材62に接続された、材料片もしくは金属またはポリマーを含有するシースなどの肩部支持体146も含むことができる。肩部支持体146は、第1のチューブ18の壁の厚みよりも大きい厚み(例えば径方向に測定)を有することができ、第1のチューブよりも高いデュロメータを有することができる。レシーバ支持部材22が前進すると、その肩部110は、レシーバ支持部材に印加された力が肩部支持体を介して第1のチューブ18およびレシーバ14に伝達されるように、肩部支持体146と係合できる。このように、肩部支持体146は、レシーバ支持部材22がレシーバ14および第1のチューブを血栓に向かって前進させるときの第1のチューブ18の内壁への損傷リスクを軽減できる。
【0080】
前述したように、第2のチューブ26は、患者の脈管構造に(脈管構造内に配置されたガイドカテーテル190の中に)挿入しやすいように、レシーバ14、第1のチューブ18、およびレシーバ支持部材22を内包できる。そうするために、第2のチューブ26の内側断面寸法34a(例えば直径)は、第1のチューブ18および第3のセグメント30cのそれぞれの外側断面寸法42bおよび106と少なくとも同じ大きさとすることができ、例えば0.060インチ、0.065インチ、0.070インチ、0.075インチ、0.080インチ、0.085インチ、もしくは0.090インチのいずれか1つ以上、もしくはいずれか2つの間とすることができる(例えば少なくとも0.080インチ)。同時に、第2のチューブ26は、少なくともICAにアクセスしやすくするために十分な柔軟性を有するガイドカテーテル190内に適合するように十分細くすることができ、任意で、第2のチューブが患者の神経脈管構造のさらに細い血管(例えばICAもしくはMCA)にアクセスできるようにする。例えば、第2のチューブ26の外側断面寸法34bは、0.095インチ、0.090インチ、0.085インチ、0.080インチ、0.075インチ、0.070インチ、もしくは0.065インチのいずれか1つ以下、もしくはいずれか2つの間とすることができる(例えば0.085インチ以下)。このように、第2のチューブ26は、内側断面寸法が0.100インチ、0.095インチ、0.090インチ、0.085インチ、0.080インチ、0.075インチ、もしくは0.070インチのいずれか1つ以下、もしくはいずれか2つの間(例えば0.095インチ以下)であるガイドカテーテル190の中に適合できる(例えばガイドカテーテルは、内径がおよそ0.090インチの8Fカテーテルとすることができる)。
【0081】
さらに
図6を参照すると、レシーバ14を展開させて血栓を吸い込むために、第2のチューブ26は、レシーバおよび第1のチューブ18に対して摺動可能で、離間可能部(例えば半分)126aおよび126bを有することができ、その各々は、第2のチューブの近位端102aと遠位端102bとの間に延在できる。遠位側に向かう力を(例えばレシーバ支持部材22の近位端98aおよび/もしくは位置決め部材62の近位端94aに力を印加することによって)レシーバ14に印加でき、かつ/もしくはレシーバの遠位端86bが第2のチューブの遠位端102bの遠位側に配置されるように、第2のチューブ26を(例えば患者の体外に配置された近位端102aから)近位側に後退させることができる。第2のチューブ26を後退させている間かつ/もしくは後退させた後、システム10の他の構成要素の周囲に位置している状態から第2のチューブを取り外せるように、そのチューブの離間可能部126aおよび126bを離間させることができる。レシーバ14を展開させると、レシーバの遠位部144を径方向に拡張できる。
【0082】
レシーバ14は、ガイドカテーテル190と血栓との接近具合に応じて様々な方法で展開させることができる。もしガイドカテーテル190が血栓に近接している神経脈管構造の一部に到達できれば(例えばガイドカテーテルの遠位端192bが血栓から10cm、9cm、8cm、7cm、6cm、5cm、4cm、3cm、2cm、もしくは1cm以内にあるようにする)、レシーバ14がガイドカテーテルの内壁まで径方向に拡張するように、ガイドカテーテルの近位部内でレシーバの展開を行うことができる。次に、拡張したレシーバ14および第1のチューブ18は、少なくともレシーバの遠位部144がガイドカテーテルの遠位端の遠位側に位置するまで、ガイドカテーテル190を通って前進でき、レシーバを径方向にさらに拡張させる(例えば血管壁まで)。このような実施形態では、挿入点の近くで抜けてしまう可能性があるため、第2のチューブ26の長さ82は、比較的短くできる。例えば、第2のチューブの長さは、25cm、22cm、19cm、16cm、もしくは13cmのいずれか1つ以下、もしくはいずれか2つの間とすることができる(例えば20cm以下)。
【0083】
もしガイドカテーテル190が血栓に近接している神経脈管構造の一部に到達できなければ、レシーバの展開は、ガイドカテーテルの遠位端192bを越えて起こり得る。このような展開を達成するために、第2のチューブ26は、ガイドカテーテルを越えて位置している場合でもレシーバが圧縮状態を維持できるように、レシーバ14、第1のチューブ18、およびレシーバ支持部材22と一緒に血栓に向かって前進でき、それによって送出を容易にする。第2のチューブ26の遠位端102bが血栓の近く(例えば血栓の10cm、9cm、8cm、7cm、6cm、5cm、4cm、3cm、2cm、もしくは1cm以内)にあるときにレシーバ14が径方向に(例えば血管壁まで)拡張できるように、第2のチューブを後退させることができる。このような実施形態では、第2のチューブ26の長さ82は、近位端102aが患者の体外に配置されている間、血栓に近接した状態にできるように、比較的長くできる。例えば、第2のチューブの長さは、90cm、100cm、110cm、120cm、130cm、140cm、もしくは150cmのいずれか1つ以上、もしくはいずれか2つの間とすることができる(例えば少なくとも110cm)。
【0084】
第2のチューブ26の離間可能部126aと126bとを離間しやすくするために、第2のチューブは、離間可能なハブ部132aおよび132bを有するハブ130を近位端102aに有することができ、各ハブ部は、第2のチューブの離間可能部の対応するいずれか一方に取り付けられる。各ハブ部132aおよび132bは、ハブ130から外向きに延在する翼134を有することができる。翼の外側端部どうしの間の距離は、第2のチューブ26の外側断面寸法34bよりも少なくとも50%、75%、100%、150%、200%、300%、もしくは400%大きくできる。よって翼134は、容易に把持可能にでき、翼134を引き離して、ハブ部132aおよび132bを離間させ、それに伴い第2のチューブ26の離間可能部126aおよび126bを離間させる。ハブ130は、このハブを通る円筒構造(例えばレシーバ支持部材22)の周りにシールを形成するように構成されたシール138を有することができるが、必ずしもその必要はなく、これによりシステム10が血栓の方へ前進するとき、流体の流出を軽減できる。
【0085】
拡張状態にあるとき、レシーバ14の遠位部144は、第1のチューブ18の寸法よりも大きい内側横断寸法142aおよび外側横断寸法(例えば直径)142bを有することができ、レシーバは、遠位端から近位側に移動するにつれて細くなることができる(例えばレシーバの近位端86aでの内側横断寸法42aおよび外側横断寸法42bが第1のチューブと実質的に等しくなるようにする)。例えば、完全に拡張したとき、レシーバ14の遠位部144の内側横断寸法142aは、第1のチューブ18の内側横断寸法38aとレシーバの近位端86aの内側横断寸法42aの各々よりも少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、100%、もしくは200%大きくなることができ、例えば0.100インチ、0.125インチ、0.150インチ、0.175インチ、0.200インチ、0.225インチ、もしくは0.250インチのいずれか1つ以上、もしくはいずれか2つの間とすることができ(例えば少なくとも0.125インチ)、外側横断寸法142bは、0.110インチ、0.125インチ、0.150インチ、0.175インチ、0.200インチ、0.225インチ、0.275インチ、もしくは0.300インチのいずれか1つ以上、もしくはいずれか2つの間とすることができる(例えば少なくとも0.175インチ)。サイズに応じて、レシーバ14の遠位部144は、径方向に拡張して患者の神経脈管構造の血管壁と接触でき、それによって血栓への流れを止めて血栓を吸い込める大きな口となることで血栓を吸い込みやすくし、これについては以下にさらに詳細に説明する。
【0086】
レシーバ14は、前述の拡張をもたらし、レシーバがレシーバの近位側および遠位側にある患者の血管部分どうしの間の流れを防げるようにするのに適した構造を有することができる。例えば
図7を参照すると、レシーバ14は、その外面を画定するポリマー162(例えばポリマー膜)を含むことができる。ポリマー162は、レシーバの遠位部144が拡張して血管壁と接触したときに、レシーバ14が血栓への血流を妨げることができるとともに、吸引のために血栓と第1のチューブ18とガイドカテーテル190との間の流体連通を可能にするように、液体不透過性とすることができる。 適切なポリマーとして、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ウレタン、シリコーン、ポリオレフィンなどがある。例えばPTFEは、有利なことに、他の表面との摩擦が少ないことが見受けられるため、レシーバ14の挿入および展開が容易になる。レシーバ14をさらに送給しやすくするために、レシーバは、外側の親水性コーティングを有して、レシーバとレシーバが接触している他の面との抵抗を軽減できる。
【0087】
拡張性を高めるために、レシーバ14はフレーム154を有することができる。フレーム154は、レシーバが径方向に圧縮されたときにレシーバ14の径方向の拡張を促すように構成できる。図示したように、フレーム154は編組を含むが、他の実施形態では、フレームはストラットを含むことができる。フレーム154に適している材料として、フレームにかかった機械的負荷が解放されたときにフレームが元の形状に戻れるように、超弾性であるニチノール(すなわちニッケルとチタンの合金)、および/もしくはステンレス鋼を挙げることができる。フレーム154とポリマー162との間の結合は、フレームの少なくとも一部がポリマーの少なくとも一部に取り囲まれるように、様々な方法で達成できる。一例として、フレーム154は、ポリマー162に埋め込むことができる。あるいは、レシーバ14は、レシーバの内壁を画定する(例えばポリマー162と同じ材料を含んでいる)第2のポリマー膜を含むことができ、この膜は、フレーム154が2つの膜の間に配置されるようにポリマー162に接着される。
【0088】
レシーバ14は、ポリマー162に埋め込める1つ以上の放射線不透過性マーカ174も含むことができる。放射線不透過性マーカ174は、X線の通過を抑制できるため、レシーバ14が患者の体内に配置されたときにX線透視法で見ることができる。例えば、各放射線不透過性マーカ174は、タンタルもしくはプラチナを含むことができる。したがって、放射線不透過性マーカ174は、治療者がレシーバを挿入して展開する過程で患者の脈管構造内でレシーバ14の位置を決定するのを補助できる。少なくとも1つの放射線不透過性マーカ174を、遠位端から1cm以内、0.9cm以内、0.8cm以内、0.7cm以内、0.6cm以内、0.5cm以内、0.4cm以内、0.3cm以内、0.2cm以内、もしくは0.1cm以内など、近位端86aよりもレシーバ14の遠位端86bに近い方に配置できる。このように遠位側に位置している放射線不透過性マーカ174は、治療者が血栓に対するレシーバ14の位置を決定するのを補助でき、それによってレシーバを血栓に隣接して配置して、吸引のための適切な係合を達成することができる。
【0089】
第1のチューブ18は、レシーバ支持部材22と係合でき、かつレシーバ支持部材が患者の脈管構造を通ってレシーバおよび第1のチューブを前進するときにレシーバ14に力を伝達できるような構造にできる。例えば、図示したように、第1のチューブ18は、ナイロン、ポリエーテルブロックアミド、ポリウレタンなどの(例えば第1のチューブの外面を画定する)ポリマー166も含むことができる。第1のチューブ18のポリマー166は、金属を含む編組、コイル、ストラットなどを含むことができるフレーム158で補強できる。第1のチューブ18のフレーム158は、レシーバ14のフレーム154と直接接触できる。例示すると、第1のチューブ18のフレーム158は、レシーバ14のフレーム154と一体化でき、それによってレシーバと第1のチューブとの接続の強度を高めることができる。あるいは、レシーバ14のフレーム154の一部を第1のチューブ18のポリマー166に埋め込むことができ、それによって同じくレシーバと第1のチューブとの接続を容易にすることができる。
【0090】
図示したように、位置決め部材62は、リング64を介して第1のチューブ18に接続でき、リングは、例えばステンレス鋼などの金属を含むことができる。リング64の少なくとも一部を第1のチューブ18のポリマー166の少なくとも一部で取り囲むことができ、リングは、第1のチューブの遠位端90bよりも近位端90aの方に近い位置にある。よってリング64は、第1のチューブ18と位置決め部材62との間を強力な接続にできる。
【0091】
図8A~8Cを参照すると、マルチポートアダプタ182により、システム10は、ガイドカテーテル190および吸引のための真空源198(例えばシリンジ(
図8A~8B)もしくは真空ポンプ(
図8C))とインターフェースで接続できる。マルチポートアダプタ182は、そのために少なくとも3つのポート186a~186cを有することができる。第1のポート186aは、マルチポートアダプタ182の内腔がガイドカテーテルの内腔と流体連通するように、ガイドカテーテル190の近位側コネクタ194に連結するように構成できる。第2のポート186bは、ガイドカテーテルの近位側取り付け部品194が第1のポート186aに連結されたときに、第2のチューブ26が(レシーバ14、第1のチューブ18、およびレシーバ支持部材22が中に配置されている状態で)マルチポートアダプタ182の内腔を通過でき、かつガイドカテーテル190の内腔を通過できるように構成できる。
図8Aに示したように、レシーバ支持部材22は、第2のチューブ26のハブ130および第2のポート186bに近接しているハブ178および近位側コネクタ180を含むことができ、両者は使用前に洗い流せるようにシリンジに接続できる。あるいは、
図8Bに示したように、レシーバ支持部材22が比較的短く、レシーバ支持部材から近位側に延在しているプッシャー60を有する実施形態では、プッシャーは、第2のポート186bおよび第2のチューブ26のハブ130から延在できる。このような実施形態では、レシーバ支持部材の遠位端98bを通して洗い流しを達成できる。システム10が第2のポート186bを通って位置している状態で、レシーバ14および第1のチューブ18は、前述のように患者の神経脈管構造内の血栓まで前進できる。また、第2のチューブ26は、レシーバ支持部材22を吸引前に抜去できるのと同じように、レシーバ14の展開中に第2のポート186bを通して抜去できる。
【0092】
吸引のために、マルチポートアダプタ108は、真空源198に連結可能な第3のポート186cを有することができる。第3のポート186cは、そのような真空源の接続を達成するためのルアーロックを有することができる。真空源198が第3のポート186cに連結されると、マルチポートアダプタ182の内腔と流体連通でき、それに伴いガイドカテーテル190の内腔と流体連通できる。よって真空源198は、第3のポート186cで圧力を下げることによってガイドカテーテル190に真空を適用でき、それによって血栓をレシーバ14の中に、第1のチューブ18およびガイドカテーテルを通して引き込む。真空の効率的な適用を促進し、マルチポートアダプタ182からの血液漏れを軽減するために、流体が流出できないように吸引中に第2のポート186bを閉じることができる。 例えば、第2のポート186bは、第2のチューブ26およびレシーバ支持部材22を抜去した後に第2のポートが位置決め部材62の周囲にシールを形成できるように、このポートを通って位置している円筒構造体をシールするように構成できる(例えばTuohy-Borstアダプタを備えることができる)。
【0093】
真空源198は、ガイドカテーテル190に真空を適用して、展開したレシーバ14の中に血栓を引き込み、第1のチューブ18およびガイドカテーテルを通して除去できる任意の適切なデバイスを備えることができる。例えば、
図8Aおよび
図8Bに示したように、真空源198は、シリンジを備えることができ、シリンジは、任意で、40mL、50mL、60mL、70mL、もしくは80mLのいずれか1つ以上、もしくはいずれか2つの間の流体を保持するように構成された胴部を有する。シリンジが吸引中にガイドカテーテル190の近位端とレシーバ14の遠位端86bとの間にもたらすことのできる比較的小さい負の圧力差は、少なくとも一因としてレシーバ14の口および首部の断面積が比較的大きいことにより、血栓を吸い込んで除去するのに十分となり得る。例えば、真空源198がレシーバ14の口とガイドカテーテル190の近位端との間に適用できる圧力差の大きさは、180、160、140、120、もしくは100mmHgのいずれか1つ以下、もしくはいずれか2つの間とすることができる。
【0094】
あるいは、
図8Cに示したように、真空源198は、真空ポンプを備えることができ、真空ポンプは、ポンピングユニット202(例えばモータを有する)と、ポンピングユニットと流体連通している容器206とを含むことができ、それによってポンピングユニットが容器に真空を引けるようにする。一方、容器206は、チューブ210を介してマルチポートアダプタ182の第3のポート186cに連結でき、ポンプユニット202が容器を介してガイドカテーテル190の近位端と流体連通し、それに伴いガイドカテーテル190の近位端で容器を介して真空を適用できるようにし、容器は、吸引中に患者の脈管構造から引き抜かれた流体を受け入れることができる。ポンピングユニット202は、ガイドカテーテル190の近位端での圧力を(例えばレギュレータ214で)制御して、血栓除去に十分な圧力差を生み出すように構成できる。
【0095】
図9を参照すると、本システムのいずれでもキットに含めることができる。このようなキットでは、自己拡張型レシーバ14、第1のチューブ18、およびレシーバ支持部材22を既に第2のチューブ26の中に少なくとも部分的に配置でき、レシーバおよび第1のチューブを患者の体内へ挿入できる状態にすることによって迅速な治療ができるようにする。図示したように、自己拡張型レシーバ14、第1のチューブ18、レシーバ支持部材22、および第2のチューブ26は、無菌状態を維持するように密閉容器216内に配置できる。
【0096】
図10Aおよび
図10Bを参照すると、血栓(例えば222)(例えば赤色血栓もしくは白色血栓)を除去する本方法のいくつかは、患者の脈管構造(例えば218)を通っておよびガイドワイヤ(例えば234)を前進させることと、ガイドワイヤ(
図10A)に被さっているガイドカテーテル(例えば190)を前進させることとを含む。 前述したように、ガイドワイヤおよびカテーテルは、鼠径部で患者の脈管構造に挿入させることができる。 ガイドワイヤは、患者の脈管構造を通ってカテーテルを前進させやすいように血栓まで延在できる。
【0097】
ガイドカテーテルが患者の脈管構造内に配置された状態で、いくつかの方法は、システム(例えば10)(例えば前述のシステムのいずれか)をガイドワイヤに被せた状態でカテーテルの中に前進させることを含む(
図10B)。前述したように、システムは、自己拡張型レシーバ(例えば14)、レシーバに接続している第1のチューブ(例えば18)、第1のチューブに接続している位置決め部材(例えば62)、レシーバ支持部材(例えば22)、および第2のチューブ(例えば26)を有することができる。レシーバおよび第1のチューブは、レシーバ支持部材第1のセグメントおよび第2のセグメント(例えば30aおよび30b)それぞれの周囲に位置決めでき、第2のチューブは、レシーバの少なくとも一部に位置決めできる。また、前述したように、位置決め部材は、レシーバ支持部材の第3のセグメント(例えば30c)にあるチャネル(例えば114)の少なくとも一部に配置できる。
【0098】
さらに
図11A~
図11Cおよび
図12A~
図12Eを参照すると、いくつかの方法は、第2のチューブがある状態(
図11A~11C)かない状態(
図12A~12E)のいずれかで、レシーバ支持部材、自己拡張型レシーバ、第1のチューブ、および位置決め部材をカテーテル内で血栓に向かって前進させることを含む。そうするために、レシーバ支持部材(例えば近位端(例えば98a)で)に遠位側に押す力を印加でき、それによってレシーバ支持部材が第1のチューブ(例えば第1のチューブの近位端(例えば90a)と接触している肩部(例えば110))と係合してこれらの構成要素を遠位側に動かす。もし位置決め部材が剛性であれば(例えばプッシャーロッド)、(例えば近位端(例えば94a)で)その位置決め部材にも力を印加してシステムの前進を補助できる。図示したように、ガイドワイヤは、レシーバ支持部材、第1のチューブおよびレシーバがガイドワイヤの周囲に位置するように、レシーバ支持部材の内腔(例えば54)の中に位置決めでき、それによってガイドワイヤを血栓まで前進させやすくできる。これらの構成要素は、第1のチューブの少なくとも一部がガイドカテーテルの遠位部に位置し、レシーバの少なくとも遠位部(例えば144)(レシーバのうちの最大で全体を含めて)がガイドカテーテルの遠位端(例えば192b)の遠位側にくるまで前進でき、レシーバが血栓吸引のために展開できるようにする。展開したとき、レシーバの遠位部は、拡張して患者の血管に接触できる(
図11Bおよび
図12E)。
【0099】
上記で説明したように、特に
図11A~
図11Cを参照すると、第2のチューブは、ガイドカテーテルが容易に到達できない可能性がある脈管構造の一部に位置している血栓にアクセスしやすいように、レシーバ支持部材、自己拡張型レシーバ、第1のチューブ、および位置決め部材と一緒に前進できる。例えば、
図10Bに示したように、ガイドカテーテルは、ICA(例えば226)まで、例えばICAから5cm以内、4cm以内、3cm以内、2cm以内、もしくは1cm以内まで前進でき、第2のチューブは、血栓があるICAもしくはMCA(例えば230)(例えばそのM1セグメント)内などで、第2のチューブの遠位端(例えば102b)がガイドカテーテルの遠位端の遠位側にくるまで前進できる。レシーバは、両者が血栓の近くに一緒に前進するように、例えば第2のチューブの遠位端およびレシーバがそれぞれ血栓の5cm以内、4cm以内、3cm以内、2cm以内、もしくは1cm以内に位置するように(
図11A)、第2のチューブ(例えば第2のチューブの遠位部)内で拘束された向きで配置できる。このように、レシーバは、血栓まで容易に送給されて展開できるように、血栓へ向かうときに圧縮されたままにできる。
【0100】
第2のチューブの遠位端が前進してガイドカテーテルを越えたときにレシーバを展開させるため、位置決め部材(例えば位置決め部材が剛性である場合で、プッシャーロッドである場合など)および/もしくはレシーバ支持部材(例えば位置決め部材が剛性であるかどうかにかかわらず)に力を印加している間に、第2のチューブを(例えば第2のチューブの近位部を引っ張ることで)後退させることができる(
図11B)。そのため、第2のチューブは、レシーバが抜けるように、レシーバに対して近位側に動くことができる。レシーバは、レシーバの遠位端(例えば86b)が血栓に近いか血栓と接触するように(例えば位置決め部材および/もしくはレシーバ支持部材へ力を印加して遠位端の位置を調整することで)位置決めでき、それによって吸引しやすくできる。第2のチューブは、ガイドカテーテルから抜去されるまで近位側に移動でき、離間可能部(例えば126aと126b)も前述したように離間させることができ、それによって第2のチューブをガイドワイヤおよびレシーバ支持部材の周囲にある状態から取り外す。
【0101】
レシーバが展開した状態で、遠位端(例えば98b)が第1のチューブの近位端の近位側にくるように、レシーバ支持部材を引き寄せることができる(
図11C)。レシーバ支持部材は、レシーバ、第1のチューブおよびカテーテルで画定された通路を吸引に利用できるように、後退し続けてカテーテルから取り外すことができる。
【0102】
特に
図12A~
図12Eを参照すると、もしレシーバ支持部材、レシーバ、第1のチューブ、および位置決め部材が第2のチューブなしでカテーテル内を前進すれば、システムがガイドワイヤに被さってカテーテルの中を前進すると(
図12Aおよび
図12B)(例えばガイドカテーテルの近位部に位置しているとき)、第2のチューブを、カテーテルから引き出すことができ(
図12C)、離間可能部を離間させることができる。第2のチューブの後退は、前述の方法で(例えばレシーバ支持部材および/もしくは位置決め部材に力を印加しながら第2のチューブを引っ張って)行うことができる。図示したように、第2のチューブが後退するとレシーバはカテーテル内に留まるため、レシーバは、径方向に拡張してカテーテルの内壁と接触できる。ガイドカテーテルは、レシーバを前進させるためにレシーバの十分な圧縮を実現でき、第2のチューブによって余分な剛性が加わることなく、レシーバ支持部材、レシーバ、第1のチューブおよび位置決め部材をガイドカテーテル内で前進させることをさらに容易にすることができる。
【0103】
第2のチューブがカテーテルから引き出されて分離した状態で、レシーバ支持部材、レシーバ、第1のチューブおよび位置決め部材を前述の方法で(例えば遠位側に押す力を位置決め部材(剛性であれば)および/もしくはレシーバ支持部材に印加して)カテーテル内で前進させることができる(
図12D)。レシーバは、レシーバを前進させてガイドカテーテルの遠位端を少なくとも部分的に越えることで展開でき、それによってレシーバの遠位部がさらに拡張して患者の血管と接触する。この拡張は、レシーバがガイドカテーテルから出たときに起こることが可能であるため、この方法でも展開は、上記で説明したように、ガイドカテーテルの遠位端を血栓に近接して位置決めできる場合に適切となり得る。第2のチューブ内に送給する技術のように、レシーバ支持部材は、レシーバ支持部材の遠位端が第1のチューブの近位端の近位側にくるように引き寄せることができ、かつカテーテルから取り外して、レシーバ、第1のチューブおよびガイドカテーテルで画定された通路を吸引に利用できる。
【0104】
展開の方法に関係なく、拡張した遠位部が血管に十分な圧力をかけて血液の流入を妨げられるように、レシーバの圧縮されていない外側の最大横断寸法を血管の内側横断寸法(例えば直径)よりも大きくすることができる。例えば、レシーバの遠位部は、40kPa、50kPa、60kPa、70kPa、80kPa、90kPa、100kPa、もしくは110kPa(例えば50~100kPa)のいずれか1つ以上、もしくはいずれか2つの間である圧力を血管壁にかけることができる。
【0105】
図13A~
図13Dを参照すると、いくつかの方法は、(例えばシリンジもしくは真空ポンプを用いるなど、前述のいずれかの方法で)カテーテルに真空を適用することを含む。その結果、カテーテルの近位端(例えば192a)の圧力を下げることができ、レシーバの遠位端とカテーテルの近位端との間に負の圧力差が生じ、血栓をレシーバの中に吸引させるのを補助できる(
図13A)。レシーバの遠位部は血管壁まで拡張するため、このような吸い込みが容易に起こり得る。また、
図13Bおよび
図13Cを参照すると、真空の適用により、血栓をレシーバに通して第1のチューブおよびカテーテルの中に吸引させることができる。図示したように、レシーバの移行区画が細く、第1のチューブの内側断面寸法が大きいことにより(例えばこれは、前述したようにレシーバ支持部材により可能になる)、血栓の変形および圧縮が容易になって血栓が第1のチューブに入れるようになる。この吸い込みは、血栓が赤色血栓よりも圧縮に対する抵抗が強い白色血栓であっても起こり得る。真空は、吸い込んだ血栓を第1のチューブを通してガイドカテーテルの中に引き込み、ガイドカテーテルの近位端から引き出すことを継続できる。もし吸引に真空ポンプを使用すれば、ポンプの圧力に変化が生じたときに再疎通を確認できる。いくつかの方法では、レシーバおよび第1のチューブは、両者を取り外せるように位置決め部材を引っ張ることでガイドカテーテルに対して近位側に動かすことができる(
図13D)。
【0106】
いくつかの手順では、血栓は、レシーバの首部が比較的大きくても真空が適用されたときに第1のチューブの中に吸引されないことがある。これが起きた場合は、血栓を除去するために、血栓がレシーバ内にある状態でレシーバ、第1のチューブおよびカテーテルを患者から抜去できる。あるいは、レシーバおよび第1のチューブを、真空がガイドカテーテルに適用されている間に(例えば位置決め部材を用いて)ガイドカテーテルの中に引き込むことができ、これにより血栓を第1のチューブおよび/もしくはガイドカテーテルの中に吸い込んで除去することが可能になり得る。
【0107】
以上の明細および例は、例示的な実施形態の構造および使用を完全に説明するものである。 特定の実施形態をある程度の詳細度で、1つ以上の個々の実施形態に言及して上記に説明したが、当業者は、本発明の範囲を逸脱しないかぎり、本発明に多くの変化を加えてよい。このように、製品、システム、および方法の様々な例示的な実施形態は、開示した特定の形態に限定することを意図してはいない。むしろ、特許請求の範囲内に収まるあらゆる修正および代替が含まれ、提示したもの以外の実施形態は、図示した実施形態の特徴の一部もしくはすべてを含んでいてよい。例えば、要素を省略したり単一の構造体として合体させたりしてよく、かつ/もしくは接続部を置き換えてよい。さらに、必要に応じて、上記のいずれの例の態様も、記載した他の例のいずれかの態様と組み合わせて、同等もしくは異なる特性および/もしくは機能を有し、同じもしくは異なる問題に対処するさらに他の例を形成してよい。同じように、上記の利益および利点は、1つの実施形態に関連するものであってもよいし、いくつかの実施形態に関連するものであってもよいことが理解されるであろう。
【0108】
特許請求の範囲は、ミーンズ・プラス・ファンクションもしくはステップ・プラス・ファンクションの制限を含むことを意図してはおらず、そのように解釈すべきではない。ただし、このような制限が、これに対応する「~の手段」もしくは「~の工程」という語句を使用している特定の請求項に明示的に記載されている場合を除く。