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特許7482335検索支援システム、検索支援方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-01
(45)【発行日】2024-05-13
(54)【発明の名称】検索支援システム、検索支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/338 20190101AFI20240502BHJP
   G06Q 10/1053 20230101ALI20240502BHJP
【FI】
G06F16/338
G06Q10/1053
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2024001371
(22)【出願日】2024-01-09
【審査請求日】2024-01-10
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512313953
【氏名又は名称】株式会社ビズリーチ
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】菅谷 信介
(72)【発明者】
【氏名】加藤 遼
【審査官】早川 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-063468(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110674320(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F16/00-16/958
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検索支援システムであって、
受付部と、設定部と、検索部とを備え、
前記受付部は、少なくとも1つの検索ワードの入力を受け付け、
前記設定部は、参照情報に基づいて、前記検索ワードに対し、前記検索ワードと複数の検索フィールドそれぞれとの関連度を含む関連情報を設定し、ここで、前記参照情報は、前記検索ワードと前記関連情報との関係を含み、前記検索フィールドは、求職者又は求人者の登録情報における検索対象範囲であり、
前記検索部は、複数の前記検索フィールドごとに前記検索ワードを含む前記登録情報を検索するとともに、前記関連情報に含まれる前記検索フィールドごとの前記関連度が大きいほど、検索された前記登録情報の表示優先度を高くする、検索支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の検索支援システムにおいて、
前記関連度は、前記検索ワードと前記検索フィールドとの関連の高さを数値で表したものであり、
前記検索部は、検索された前記登録情報に対して、前記検索ワードが含まれる前記検索フィールドに対する当該検索ワードの前記関連度大きいほど高くなるスコアを付与するとともに、前記スコアの高い前記登録情報を優先して表示する、検索支援システム。
【請求項3】
請求項2に記載の検索支援システムにおいて、
前記検索部は、前記検索ワードが含まれる前記検索フィールドの数が多いほど、検索された前記登録情報に対して付与する前記スコアを高くする、検索支援システム。
【請求項4】
請求項2に記載の検索支援システムにおいて、
前記設定部は、前記参照情報に含まれない前記検索ワードに対し、複数の前記検索フィールドそれぞれについての前記関連度が全て同値とされた前記関連情報を設定する、検索支援システム。
【請求項5】
検索支援システムであって、
受付部と、設定部と、検索部と、参照情報登録部とを備え、
前記受付部は、少なくとも1つの検索ワードの入力を受け付け、
前記設定部は、参照情報に基づいて、前記検索ワードに対し、前記検索ワードと複数の検索フィールドそれぞれとの関連度を含む関連情報を設定し、ここで、前記参照情報は、前記検索ワードと前記関連情報との関係を含み、前記検索フィールドは、求職者又は求人者の登録情報における検索対象範囲であり、
前記検索部は、複数の前記検索フィールドごとに前記検索ワードを含む前記登録情報を検索するとともに、前記関連情報に含まれる前記検索フィールドごとの前記関連度に基づいて、検索された前記登録情報の表示優先度を決定し、
前記参照情報登録部は、前記参照情報に含まれない前記検索ワードに対し、当該検索ワードを学習モデルである関連情報生成モデルに入力し、前記関連情報生成モデルに前記関連情報を出力させることで前記関連情報を生成するとともに、当該検索ワード及び当該関連情報を互いに対応付けて前記参照情報に登録する、検索支援システム。
【請求項6】
請求項に記載の検索支援システムにおいて、
前記参照情報登録部は、前記検索ワードに基づいて前記関連情報を生成する指示を前記関連情報生成モデルに入力する、検索支援システム。
【請求項7】
検索支援システムであって、
受付部と、設定部と、検索部とを備え、
前記受付部は、少なくとも1つの検索ワードの入力を受け付け、
前記設定部は、参照情報に基づいて、前記検索ワードに対し、前記検索ワードと複数の検索フィールドそれぞれとの関連度を含む関連情報を設定し、ここで、前記参照情報は、前記検索ワードと前記関連情報との関係を含み、前記検索フィールドは、求職者又は求人者の登録情報における検索対象範囲であり、
前記検索部は、複数の前記検索フィールドごとに前記検索ワードを含む前記登録情報を検索するとともに、前記関連情報に含まれる前記検索フィールドごとの前記関連度に基づいて、検索された前記登録情報の表示優先度を決定し、
前記参照情報において、前記検索ワードと、当該検索ワードを学習モデルである関連情報生成モデルに入力し前記関連情報生成モデルに出力させた前記関連情報とが互いに対応付けて登録されている、検索支援システム。
【請求項8】
検索支援システムであって、
受付部と、設定部と、検索部と、記憶部と、抽出部とを備え、
前記受付部は、少なくとも1つの検索ワードの入力を受け付け、
前記設定部は、参照情報に基づいて、前記検索ワードに対し、前記検索ワードと複数の検索フィールドそれぞれとの関連度を含む関連情報を設定し、ここで、前記参照情報は、前記検索ワードと前記関連情報との関係を含み、前記検索フィールドは、求職者又は求人者の登録情報における検索対象範囲であり、
前記検索部は、複数の前記検索フィールドごとに前記検索ワードを含む前記登録情報を検索するとともに、前記関連情報に含まれる前記検索フィールドごとの前記関連度に基づいて、検索された前記登録情報の表示優先度を決定し、
前記記憶部は、前記検索ワードによる前記登録情報の検索結果、及び前記検索結果に含まれる前記求職者又は前記求人者におけるイベント発生結果の少なくとも一方を記憶し、
前記抽出部は、前記参照情報に含まれる前記検索ワードの中から、関連付けられた前記検索結果及び前記イベント発生結果の少なくとも一方が予め定めた基準を満たさない再評価対象ワードを抽出する、検索支援システム。
【請求項9】
請求項8に記載の検索支援システムにおいて、
再評価部をさらに備え、
前記再評価部は、前記再評価対象ワードを学習モデルである再評価モデルに入力し、前記再評価モデルに前記再評価対象ワードに関連付けられた新たな前記関連情報を出力させるとともに、当該再評価対象ワード及び当該関連情報を互いに対応付けて前記参照情報に登録する、検索支援システム。
【請求項10】
請求項9に記載の検索支援システムにおいて、
前記再評価部は、前記再評価対象ワードに基づいて前記関連情報を生成する指示を前記再評価モデルに入力する、検索支援システム。
【請求項11】
請求項1に記載の検索支援システムにおいて、
前記受付部は、複数の前記検索ワードの入力を受け付け、
前記設定部は、前記参照情報に基づいて、複数の前記検索ワードそれぞれに対し、前記関連情報を設定し、
前記検索部は、複数の前記検索ワードそれぞれにおいて複数の前記検索フィールドごとに前記検索ワードを含む前記登録情報を検索するとともに、複数の前記検索ワードそれぞれの前記関連情報に含まれる前記検索フィールドごとの前記関連度に基づいて、検索された前記登録情報の表示優先度を決定する、検索支援システム。
【請求項12】
検索支援方法であって、
請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の検索支援システムの各部の処理を実行するステップを備える、検索支援方法。
【請求項13】
プログラムであって、
コンピュータに、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の検索支援システムの各部の処理を実行させるための、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検索支援システム、検索支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されるように、検索ワードと検索条件とを入力することで、求職者を検索する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第7281024号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
求職者検索や求人検索において、求職者や求人票の情報の検索範囲を特定する検索フィールドを検索ワードごとに設定する(例えば、検索フィールドごとに設けられた入力欄に検索ワードを入力する)ことで、検索精度を高めることができる。しかし、この手順では、検索ワードの入力が煩雑となる。
【0005】
本発明では上記事情に鑑み、効率よく求職者又は求人の情報を検索できる検索支援システム等を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、検索支援システムが提供される。この検索支援システムは、プロセッサを備える。プロセッサは、次の各ステップを実行するように構成される。受付ステップでは、少なくとも1つの検索ワードの入力を受け付ける。設定ステップでは、参照情報に基づいて、検索ワードに対し、検索ワードと複数の検索フィールドそれぞれとの関連度を含む関連情報を設定する。参照情報は、検索ワードと関連情報との関係を含み、検索フィールドは、求職者又は求人者の登録情報における検索対象範囲である。検索ステップでは、複数の検索フィールドごとに検索ワードを含む登録情報を検索するとともに、関連情報に含まれる検索フィールドごとの関連度に基づいて、検索された登録情報の表示優先度を決定する。
【0007】
このような態様によれば、入力された検索ワードに対し検索フィールドとの関連度が設定され、この関連度に基づいて検索結果における登録情報の表示順が調整される。そのため、求人者又は求職者が効率よく登録情報を検索できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】検索支援システム1を表す構成図である。
図2】サーバ装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】求人者端末20及び求職者端末30のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】サーバ装置10(制御部11)、求人者端末20(制御部21)及び求職者端末30(制御部31)によって実現される機能を示すブロック図である。
図5】求人者が求職者の検索を行う場合の検索ワード入力画面IDの一例を示す図である。
図6】関連度が記述された関連情報テーブルTBの一例を示す図である。
図7】検索支援システム1によって実行される情報処理(求人者による求職者登録情報の検索処理)の流れを示すアクティビティ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ハードウェア構成
本節では、ハードウェア構成について説明する。
【0014】
<検索支援システム1>
図1は、検索支援システム1を表す構成図である。検索支援システム1は、通信回線2と、サーバ装置10と、複数の求人者端末20と、複数の求職者端末30とを備える。サーバ装置10と、求人者端末20と、求職者端末30とは、通信回線2を通じて通信可能に構成されている。サーバ装置10、求人者端末20及び求職者端末30の接続は有線でも無線でもよい。
【0015】
検索支援システム1は、複数の求人者(第1求人者U1及び第2求人者U2)と、複数の求職者(第1求職者U3及び第3求職者U4)が利用する求人・求職システムの一部を構成する。検索支援システム1は、求職者又は求人票の検索を主に行う。一実施形態において、検索支援システム1とは、1つ又はそれ以上の装置又は構成要素からなるものである。以下、これらの構成要素について説明する。
【0016】
<サーバ装置10>
図2は、サーバ装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ装置10は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、通信バス14とを備える。制御部11、記憶部12、及び通信部13は、サーバ装置10の内部において通信バス14を介して電気的に接続されている。
【0017】
<制御部11>
制御部11は、サーバ装置10に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部11は、例えば中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部11は、記憶部12に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、サーバ装置10に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部12に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部11によって具体的に実現されることで、制御部11に含まれる各機能部として実行されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、制御部11は単一であることに限定されず、機能毎に複数の制御部11を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0018】
<記憶部12>
記憶部12は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部11によって実行されるサーバ装置10に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。記憶部12は、制御部11によって実行されるサーバ装置10に係る種々のプログラム、変数等を記憶している。また、記憶部12は、サーバ装置10に接続された外部記憶装置であってもよい。
【0019】
<通信部13>
通信部13は、USB、IEEE1394、Thunderbolt(登録商標)、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、3G/LTE/5G等のモバイル通信、BLUETOOTH(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。すなわち、サーバ装置10は、通信部13及びネットワークを介して、外部から種々の情報を通信してもよい。
【0020】
サーバ装置10は、オンプレミス形態であってもよく、クラウド形態であってもよい。クラウド形態のサーバ装置10としては、例えば、SaaS(Software as a Service)、クラウドコンピューティングという形態で、上述の機能や処理を提供してもよい。また、サーバ装置10は、複数のコンピュータを含んで構成されるマルチコンピュータであってもよく、ソフトウェアによって仮想的に構築された仮想マシンであってもよい。
【0021】
<求人者端末20>
図3は、求人者端末20及び求職者端末30のハードウェア構成を示すブロック図である。図3Aに示されるように、求人者端末20は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、入力部24と、出力部25と、通信バス26とを備える。制御部21、記憶部22、通信部23、入力部24、及び出力部25は、求人者端末20の内部において通信バス26を介して電気的に接続されている。制御部21、記憶部22及び通信部23の説明は、サーバ装置10における各部の説明と同様のため省略する。なお、求人者端末20は、求人者の代わりに求職者とのやり取りを行う人材仲介業者が操作する端末であってもよい。
【0022】
<入力部24>
入力部24は、ユーザによってなされた操作入力を受け付ける。操作入力は、命令信号として通信バス26を介して制御部21に転送される。制御部21は、必要に応じて、転送された命令信号に基づいて所定の制御や演算を実行しうる。入力部24は、求人者端末20の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部24は、出力部25と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。入力部24がタッチパネルとして実施される場合、ユーザは、入力部24に対してタップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。入力部24としては、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、トラックパッド、QWERTYキーボード等が採用可能である。
【0023】
<出力部25>
出力部25は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。出力部25は、求人者端末20の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。具体的には、出力部25は、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、又はプラズマディスプレイ等の表示デバイスとして実施されうる。これらの表示デバイスは、求人者端末20の種類に応じて使い分けて実施されることが好ましい。
【0024】
<求職者端末30>
図3Bに示されるように、求職者端末30は、制御部31と、記憶部32と、通信部33と、入力部34と、出力部35と、通信バス36とを備える。制御部31、記憶部32、通信部33、入力部34、及び出力部35は、求職者端末30の内部において通信バス36を介して電気的に接続されている。制御部31、記憶部32、通信部33、入力部34及び出力部35の説明は、求人者端末20における各部の説明と同様のため省略する。
【0025】
2.機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。記憶部12に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部11によって具体的に実現されることで、制御部11(検索支援システム1が備えるプロセッサ)に含まれる各機能部として実行されうる。
【0026】
図4は、サーバ装置10(制御部11)、求人者端末20(制御部21)及び求職者端末30(制御部31)によって実現される機能を示すブロック図である。
【0027】
図4Aに示されるように、サーバ装置10(制御部11)は、基本表示制御部111と、受付部112と、設定部113と、検索部114と、参照情報登録部115と、抽出部116と、再評価部117と、人工知能部120とを備える。図4Bに示されるように、求人者端末20(制御部21)は、表示部211と、操作受付部212とを備える。図4Cに示されるように、求職者端末30(制御部31)は、表示部311と、操作受付部312とを備える。
【0028】
<基本表示制御部111>
基本表示制御部111は、種々の情報を求人者端末20及び求職者端末30に表示させるように構成される。例えば、基本表示制御部111は、求職者が作成した履歴書及び職務経歴書、求人者が作成した求人票及びスカウト文書等を、求人者端末20の表示部211又は求職者端末30の表示部311に表示させる。
【0029】
求人者には、営利法人(例えば企業等)、非営利法人(例えば、協同組合、財団法人等)、公的法人(例えば地方公共団体等)等の組織が含まれる。また、求人者には、組織の代理人として、求職者と組織とを仲介する人材仲介業者も含まれる。人材仲介業者は、ヘッドハンター、エージェント等とも呼ばれる。
【0030】
<受付部112>
受付部112は、求職者又は求人情報を検索するための、少なくとも1つの検索ワードの入力を、求人者端末20又は求職者端末30から受け付けるように構成される。図5は、求人者が求職者の検索を行う場合の検索ワード入力画面IDの一例を示す図である。検索ワード入力画面IDは、検索ワード入力欄WFと、実行ボタンB1とを含む。
【0031】
求人者は、求人者端末20において、検索ワード入力欄WFに任意の求職者検索ワードを入力する。少なくとも1つの求職者検索ワードが入力された状態で、実行ボタンB1が入力される(押下される)と、入力された求職者検索ワードが受付部112によって受け付けられる。また、図5に示されるように、複数の検索ワードが検索ワード入力欄WFに入力された場合、受付部112は、複数の検索ワードの入力を受け付ける。
【0032】
求職者が求人情報(例えば求人票)を検索する場合も同様に、求職者端末30において、少なくとも1つの求人検索ワードを入力することで、入力された求人検索ワードが受付部112によって受け付けられる。
【0033】
<設定部113>
設定部113は、参照情報に基づいて、受付部112が受け付けた検索ワードに対し、検索ワードと複数の検索フィールドそれぞれとの関連度を含む関連情報を設定するように構成される。参照情報は、検索ワードと関連情報との関係を含む情報である。検索フィールドは、求職者又は求人者の登録情報における検索対象範囲である。
【0034】
検索対象となる求職者の登録情報(以下、「求職者登録情報」)は、例えば、サーバ装置10の記憶部12に記憶された求職者データベースに登録されている。求職者登録情報には、求職者の履歴書、職務経歴書、その他のプロフィール情報等が含まれる。「履歴書」は、主に求職者のプロフィール、現況、学歴、職歴、希望の労働条件等が記載された文書であり、「職務経歴書」は、レジュメとも呼ばれ、求職者が求人者に対して、自身のこれまでの職務に関する経歴、経験、スキル、資格等を伝える文書である。また、求職者情報には、求職者が希望する業種及び職種等の条件が含まれてもよい。
【0035】
検索対象となる求人者の登録情報(以下、「求人者登録情報」)は、例えば、サーバ装置10の記憶部12に記憶された求人者データベースに登録されている。求人者登録情報には、求人票、組織情報等が含まれる。「求人票」には、人材を採用したい職種、業種、ポジション、仕事内容、労働条件(年収、勤務地等)、応募資格、求人者のアピールポイント等の情報が含まれる。
【0036】
検索フィールドは、検索条件の1つであり、検索対象範囲(検索カテゴリ)を指定するための項目である。各検索フィールドの検索対象範囲は、検索を実行する前に予め設定されている。求職者登録情報又は求人者登録情報に対する検索フィールドとしては、例えば、「住所」、「業種」、「役職」、「部署」、「職務内容」、「学歴」、「語学力」、「スキル」、「資格」、「表彰」、「企業名」等が挙げられる。例えば、「住所」に対する検索フィールド(検索対象範囲)が対象の検索では、求職者登録情報及び求人者登録情報に含まれる情報のうち、「住所」にカテゴライズされた(「住所」という検索フィールドに対応するラベルが付与された)情報のみが検索対象とされ、他の情報は検索対象とされない。求職者登録情報及び求人者登録情報に含まれる情報(項目)は、予め検索フィールドに紐付けられる。また、求職者登録情報及び求人者登録情報に含まれる情報は、複数の検索フィールドに紐付けられてもよい。例えば、求職者登録情報における「語学力に関する情報」は、「職務内容」、「語学力」、「スキル」、「資格」、「表彰」等の複数の検索フィールドに紐付けられる。
【0037】
関連度は、検索ワードと検索フィールドとの関連の高さを数値で表したものである。関連度は、検索ワードごとに、複数の検索フィールドそれぞれに対して設定される。例えば、0から1の間の数値で設定される。関連度が最大値(例えば「1.0」)の検索ワードと検索フィールドとの組み合わせは、両者の関連性が最も高いことを意味する。関連度が最小値(例えば「0」)の検索ワードと検索フィールドとの組み合わせは、両者の関連性が小さいか、関連性がないことを意味する。例えば、「営業」という検索ワードは、「職種」という検索フィールドとの関連性が高いため、「営業」と「職種」とにおける関連度は「1.0」とされる。また、「営業」という検索ワードは、「企業名」という検索フィールドとの関連性が小さいため、「営業」と「企業名」とにおける関連度は「0」とされる。さらに、「営業」という検索ワードは、「職務内容」という検索フィールドとの関連性が一定程度あるため、「営業」と「職務内容」とにおける関連度は「0.5」とされる。
【0038】
検索ワードごとの、複数の検索フィールドとの関連度は、参照情報として、例えば、サーバ装置10の記憶部12等に記憶されている。参照情報は、個々の検索ワードと、複数の検索フィールドとの関連度との関係が定義された情報であればよく、典型的には、検索ワードごとに、複数の検索フィールドそれぞれとの関連度が記述されたテーブル(データベース)を用いることができる。
【0039】
図6は、関連度が記述された関連情報テーブルTBの一例を示す図である。図6に示されるように、関連情報テーブルTBでは、個々の検索ワードに対し、求職者登録情報又は求人者登録情報において設定されている複数の検索フィールドに対する関連度が記述される。設定部113は、受付部112が受け付けた検索ワードを、関連情報テーブルTBから検索し、関連情報テーブルTBに定義された関連情報(検索フィールドごとの関連度)を当該検索ワードに設定する。なお、参照情報(関連情報テーブルTB)は、求職者登録情報の検索用と求人者登録情報の検索用とで、別々に用意されてもよいし、両者で共有されてもよい。
【0040】
設定部113は、参照情報に含まれる検索ワード(以下、「登録済ワード」)を参照(検索)する際に、受付部112が受け付けた検索ワードと完全一致する登録済ワードに加えて、検索ワードに近似する登録済ワード(例えば、同義語、類義語、表記揺れワード等に相当する登録済ワード)を検出し、検出された登録済ワードの関連情報を検索ワードの関連情報として設定してもよい。例えば、設定部113は、「English」という検索ワードに対して、同義語である「英語」という登録済ワードの関連情報を設定してもよい。
【0041】
設定部113は、例えば、人工知能部120の関連情報設定モデルによって、検索ワードに関連情報を設定してもよい。関連情報設定モデルは、例えば、大規模言語モデルを含む生成AIである。設定部113は、検索ワードを入力とし、参照情報(検索ワードごとの関連情報が定義された情報)に基づいて検索ワードに対する関連情報を設定する指示を含むプロンプトを関連情報設定モデルに入力し、関連情報を関連情報設定モデルに出力させる。また、設定部113は、関連情報設定モデルに入力するプロンプトに、関連情報の出力指示と検索ワードとに加え、入力及び出力のサンプルとして、参照情報(1以上の検索ワードと、それに対応する1以上の関連情報との組み合わせ)を直接挿入してもよい。
【0042】
設定部113は、参照情報に含まれない検索ワードに対し、複数の検索フィールドそれぞれについての関連度が全て同値とされた関連情報を設定する。すなわち、受付部112が受け付けた検索ワードに一致する又は近似する登録済ワードが参照情報に登録されていない(例えば関連情報テーブルTBから検出されない)場合、当該検索ワードの全ての関連度を予め定めた初期値とする。これにより、関連情報が定義されていない検索ワードに対して、エラーを発生させずに通常の検索結果を表示させることができる。参照情報に登録されていない検索ワードに対する関連度の初期値としては、例えば「1.0」とすることができる。この場合、設定部113は、全ての検索フィールドに対する関連度が「1.0」とされたものを当該検索ワードの関連情報として設定する。
【0043】
複数の検索ワードを受付部112が受け付けた場合、設定部113は、参照情報に基づいて、複数の検索ワードそれぞれに対し、関連情報を設定する。例えば、検索ワードとして、「ABC株式会社」と「営業」とが入力された場合、設定部113は、これらの検索ワードそれぞれに、対応する関連情報(検索フィールドに対する関連度)を設定する。
【0044】
<検索部114>
検索部114は、受付部112が受け付けた検索ワードに基づいて、求職者登録情報又は求人者登録情報の検索を行うように構成される。具体的には、検索部114は、複数の検索フィールドごとに検索ワードを含む求職者登録情報又は求人者登録情報を検索するとともに、関連情報に含まれる検索フィールドごとの関連度に基づいて、検索された求職者登録情報又は求人者登録情報の表示優先度を決定する。すなわち、検索部114は、ある検索ワードによる、関連度の高い検索フィールドでの検索でヒットした求職者登録情報又は求人者登録情報を、同じ検索ワードによる、関連度の低い検索フィールドでの検索でヒットした求職者登録情報又は求人者登録情報よりも優先表示させる。ここで、「優先表示」には、検索結果の一覧における、上位(リストの上方)への表示、他の結果に対する強調表示、他の結果の省略表示等が含まれる。
【0045】
具体的には、検索部114は、検索された求職者登録情報又は求人者登録情報に対して、検索ワードが含まれる検索フィールドに対する当該検索ワードの関連度の大きさに応じたスコアを付与するとともに、スコアの高い求職者登録情報又は求人者登録情報を優先して表示する。これにより、関連性の高い検索フィールドでヒットした求職者登録情報又は求人者登録情報が優先表示されやすくなるため、求職者登録情報又は求人者登録情報の検索品質及び検索速度が向上する。
【0046】
「スコア」としては、例えば、関連度そのものや、関連度に比例した数値等が付与される。例えば、図6に示される「営業」という検索ワードで求職者の検索をした結果、「職種」の検索フィールドにおける検索と、「役職」の検索フィールドにおける検索とで、それぞれ求職者登録情報が検出された場合、「職種」で検出された求職者登録情報には、「1.0」のスコアが付与され、「役職」で検出された求職者登録情報には、「0.5」のスコアが付与される。その結果、「役職」で検出された求職者登録情報が、「職種」で検出された求職者登録情報に対して優先表示される。
【0047】
また、検索部114は、検索ワードが含まれる検索フィールドの数が多いほど、検索された登録情報に対して付与するスコアを高くしてもよい。「検索ワードが含まれる検索フィールドの数」とは、検索ワードを用いた検索において、該当する求職者登録情報又は求人者登録情報が検出された検索フィールドの数を意味する。これにより、ヒットする検索フィールドが多い求職者登録情報又は求人者登録情報を優先表示させることができる。
【0048】
例えば、検索部114は、ヒットした検索フィールドごとの関連度の総和である第1スコアと、ヒットした検索フィールドの数に応じて付与される第2スコアとを用いて、求職者登録情報又は求人者登録情報の表示の優先度を決定してもよい。例えば、ある検索ワードについて、関連度が「0.5」の検索フィールドと、関連度が「1.0」の検索フィールドとの2つの検索フィールドでヒットした求職者登録情報又は求人者登録情報には、「1.5」の第1スコアと、「2」の第2スコアとが付与される。検索部114は、例えば、まず第2スコアの高い順に求職者登録情報又は求人者登録情報の優先度を決定し、第2スコアが同じ場合に、第1スコアを比較して優先度を決定してもよい。
【0049】
検索部114は、関連度が一定値以下(例えば「0」)の検索フィールドのみで検索ワードがヒットした求職者登録情報又は求人者登録情報は、検索結果として表示しないようにしてもよい。また、検索部114は、関連度が一定値以下の検索フィールドでは検索ワードによる検索を実行しないようにしてもよい。
【0050】
複数の検索ワードを受付部112が受け付けた場合、検索部114は、複数の検索ワードそれぞれにおいて複数の検索フィールドごとに検索ワードを含む求職者登録情報又は求人者登録情報を検索するとともに、複数の検索ワードそれぞれの関連情報に含まれる検索フィールドごとの関連度に基づいて、検索された求職者登録情報又は求人者登録情報の表示優先度を決定する。これにより、複数の検索ワードで検索を行った場合にも検索結果における登録情報の表示順が調整されるため、求人者又は求職者が効率よく登録情報を検索できる。
【0051】
複数の検索ワードで検索が行われる場合、検索された求職者登録情報又は求人者登録情報の第1スコアは、例えば、各検索ワードにおける第1スコアの総和とされる。具体的には、例えば2つの検索ワードで検索した場合に、1つ目の検索ワードでの第1スコアが「1.5」、2つ目の検索ワードでの第1スコアが「0.5」である求職者登録情報又は求人者登録情報の第1スコアは、「2.0」とされる。第2スコアについても同様に、例えば、各検索ワードにおける第2スコアの総和とされる。
【0052】
<参照情報登録部115>
参照情報登録部115は、参照情報に含まれない検索ワードに対し関連情報を生成するとともに、当該検索ワード及び当該関連情報を互いに対応付けて参照情報に登録するように構成される。これにより、新たに使用された検索ワードに対しても、関連情報を付与した検索を実行可能とすることができる。
【0053】
参照情報登録部115は、受付部112が受け付けた検索ワードに一致する又は近似する登録済ワードが参照情報に登録されていない(例えば関連情報テーブルTBで検出されない)場合に、当該検索ワードに対する関連情報の追加を実行する。関連情報が追加された検索ワードは、参照情報における登録済ワードとなる。
【0054】
例えば、参照情報登録部115は、受付部112が参照情報に含まれない検索ワード(以下、「未登録ワード」)を受け付けた場合(換言すれば、設定部113が検索ワードの関連度を予め定めた初期値に設定した場合)に、未登録ワードを未登録リストに追加する。参照情報登録部115は、定期的に(例えば、日次的に)未登録リストに含まれる未登録ワードに対し、関連情報を付与して登録済ワードとして参照情報に登録する。参照情報に登録された未登録ワードは、未登録リストから削除される。
【0055】
また、参照情報登録部115は、未登録リストに未登録ワードを追加することなく、未登録ワードが取得された時点で、参照情報への登録をリアルタイムに実行してもよい。この場合、設定部113は、受付部112による受付時(つまりユーザによる入力時)には未登録ワードであった検索ワードに対し、参照情報登録部115によって登録された関連情報を設定する。これにより、設定部113によって、未登録ワードの関連度が予め定めた初期値に設定されることがなくなる。
【0056】
未登録ワードに対する関連情報は、例えば、人工知能部120の関連情報生成モデルによって生成される。参照情報登録部115は、検索ワード(未登録ワード)を学習モデルである関連情報生成モデルに入力し、関連情報生成モデルに検索ワードに対応する関連情報を出力させる。これにより、未登録ワードに対し、学習データに裏付けられた客観的な関連情報を付与することができる。
【0057】
関連情報生成モデルは、検索ワードを入力とし、検索ワードに対応する関連情報を出力とするように学習された学習モデルである。つまり、関連情報生成モデルは、検索ワードと、それに対応する関連情報のデータとを教師データとして学習した学習モデルである。また、関連情報生成モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、参照情報登録部115は、検索ワードを入力とし、当該検索ワードに基づいて関連情報を生成する指示を含むプロンプトを関連情報生成モデルに入力し、関連情報を関連情報生成モデルに出力させる。また、参照情報登録部115は、関連情報の生成・出力指示と検索ワードとに加え、入力及び出力のサンプルとして、例えば、1以上の検索ワードのサンプルと、それに対応する1以上の関連情報のサンプルとを挿入したプロンプトを関連情報生成モデルに入力してもよい。
【0058】
<抽出部116>
抽出部116は、参照情報の中から、関連情報の調整が必要な登録済ワードを抽出するように構成される。具体的には、記憶部12は、検索ワードによる求職者登録情報又は求人者登録情報の検索結果、及び検索結果に含まれる求職者又は求人者におけるイベント発生結果の少なくとも一方を記憶する。抽出部116は、参照情報に含まれる検索ワード(登録済ワード)の中から、関連付けられた検索結果及びイベント発生結果の少なくとも一方が予め定めた基準を満たさない再評価対象ワードを抽出する。これにより、検索結果及び検索された求職者又は求人者に対するイベントの結果に基づいて、検索効率を高めるために関連情報の調整が必要な登録済ワードを把握することができる。
【0059】
「検索結果が予め定めた基準を満たさない再評価対象ワード」とは、例えば、ヒットした求職者登録情報又は求人者登録情報の数が、予め定めた閾値未満となった検索ワードである。「イベント発生結果が予め定めた基準を満たさない再評価対象ワード」とは、例えば、検索された求職者又は求人者に関連するイベントの発生数が、予め定めた閾値未満となった検索ワードである。「求職者に関連するイベント」には、例えば、求職者登録情報の閲覧、求職者に対するスカウトメールの送信、スカウトメールへの返信等が含まれる。「求人者に関連するイベント」には、例えば、求人者登録情報の閲覧、求人票に対する応募等が含まれる。サーバ装置10の記憶部12には、検索ワードと、検索結果(検索された求職者登録情報又は求人者登録情報)と、求職者又は求人者に関連するイベントの発生状況とが互いに紐付けられた検索ログが記憶される。
【0060】
抽出部116は、定期的に(例えば、日次的に)に、参照情報に含まれる全ての登録済ワードの中から、再評価対象ワードを抽出し、再評価リストに追加する。再評価リストに含まれる再評価対象ワードは、システム管理者又は後述の再評価部117によって、定期的に再評価が行われる。再評価が完了した再評価対象ワードは、再評価リストから削除される。システム管理者が再評価を行う場合は、参照情報に含まれる再評価対象ワードの関連情報を管理端末等から入力することで書き換える。
【0061】
<再評価部117>
再評価部117は、抽出部116が抽出した再評価対象ワードを再評価するように構成される。具体的には、再評価部117は、再評価対象ワードを学習モデルである再評価モデルに入力し、再評価モデルに再評価対象ワードに関連付けられた新たな関連情報を出力させるとともに、当該再評価対象ワード及び当該関連情報を互いに対応付けて参照情報に登録する。すなわち、再評価部117は、参照情報に登録されている関連情報を、新たな関連情報に上書きして書き換える。これにより、再評価が必要な登録済ワードの関連情報をアップデートすることができる。そのため、求人者又は求職者による登録情報の検索の効率性が向上する。
【0062】
再評価モデルは、再評価対象ワードを入力とし、再評価対象ワードに対応する新たな関連情報を出力とするように学習された学習モデルである。つまり、再評価モデルは、再評価対象ワードと、それに対応する関連情報のデータとを教師データとして学習した学習モデルである。また、再評価モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、再評価部117は、再評価対象ワードを入力とし、当該再評価対象ワードに基づいて関連情報を生成する指示を含むプロンプトを再評価モデルに入力し、関連情報を再評価モデルに出力させる。また、再評価部117は、関連情報の生成・出力指示と再評価対象ワードとに加え、入力及び出力のサンプルとして、例えば、1以上の再評価対象ワードのサンプルと、それに対応する1以上の関連情報のサンプルとを挿入したプロンプトを再評価モデルに入力してもよい。サンプルとして挿入する再評価後の新たな関連情報は、再評価モデルによって生成されたものでもよく、検索支援システム1の管理者等のユーザにより再評価され、入力されたものでもよい。また、再評価モデルに入力するプロンプトには、再評価対象ワードに関連付けられた検索結果又はイベント発生結果が挿入されてもよい。
【0063】
再評価モデルで生成及び出力される関連情報は、例えば関連情報設定モデル等によって生成され、参照情報として記憶されていた関連情報とは異なる。再評価部117は、再評価モデルに入力するプロンプトに、現在の参照情報に含まれる関連情報とは異なる関連情報(関連度)を出力する指示を挿入するとよい。
【0064】
また、再評価モデルの学習データとして、管理者等のユーザ、又は学習モデルが再評価した関連情報を、再評価前の関連情報と組み合わせたものを用いてもよい。
【0065】
再評価モデルは、追加の学習(ファインチューニング)によりアップデートされた関連情報生成モデルであってもよい。すなわち、再評価部117は、再評価対象ワードを最新の関連情報生成モデルに入力することで、再評価対象ワードの関連情報をアップデートさせてもよい。
【0066】
<人工知能部120>
人工知能部120は、各機能部から入力を受け付け、指示された出力を返すように構成されている。なお、サーバ装置10が各機能部において使用する人工知能は、共通のものであってもよいし、機能部ごとに個別に用意されたものであってもよい。
【0067】
人工知能部120は、GPT(Generative Pretrained Transformer、GPT-1、GPT-2、GPT-3を含む)、BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)、BART(Bidirectional and Auto-regressive Transformer)等を含むトランスフォーマ(Transformer)や再帰型ニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network(RNN))等の言語モデル等を備えるAI(Artificial Intelligence)であって、生成AIを含んでもよい。
【0068】
言語モデルは、機械学習アルゴリズムによる学習モデルの一例である。機械学習の具体的なアルゴリズムとしては、最近傍法、ナイーブベイズ法、決定木、サポートベクターマシン、ニューラルネットワークを利用した深層学習(ディープラーニング)等が挙げられる。人工知能部120は、上記のアルゴリズムを適宜適用することができる。
【0069】
人工知能部120は、教師あり学習、教師なし学習、又は自己教師あり学習等の学習方法によって構築された学習済みモデルを有してもよい。教師あり学習では、教師データ(学習データ)を用いて機械学習を行う。教師データは、学習用の入力データ及び出力データ(正解データ)のペアで構成される。また、言語モデルは、特定のタスクのために訓練されたものだけでなく、幅広いタスクに対して汎用的に用いることができる汎用モデルであってもよい。
【0070】
人工知能部120は、人工知能として、膨大なデータを学習した大規模言語モデル(Large Language Models(LLM))のような汎用的な自然言語処理の学習モデルであってもよい。このような汎用的な学習モデルは、One-shot LearningやFew-shot Learning等により、ファインチューニングなしで様々なタスクに対応可能な言語モデルを含む。また、汎用的な学習モデルは、Zero-shot Learningによっても、様々なタスクに対応可能に構成されてもよい。制御部11の各機能部において用いられる人工知能は、それぞれ別個の学習モデルであってもよいし、共通した汎用的な学習モデルであってもよい。
【0071】
人工知能部120に含まれる学習モデル(関連情報生成モデル等の、各機能部において使用される学習モデル)は、追加の学習を行うことが可能である。例えば、人工知能部120は、新たな検索ワードの入力、検索フィールドの設定、検索結果の取得等が発生する都度、これらを新たな教師データとして、追加の学習を行ってファインチューニングされてもよい。これにより、学習モデルから出力される関連情報に含まれる関連度の精度が向上する。
【0072】
<表示部>
求人者端末20の表示部211及び求職者端末30の表示部311は、それぞれ、サーバ装置10から送信されてきた画面データが示す画面を表示する。
【0073】
<操作受付部>
求人者端末20の操作受付部212は、求人者端末20を利用するユーザ(求人者)による操作を受け付ける。求職者端末30の操作受付部312は、求職者端末30を利用するユーザ(求職者)による操作を受け付ける。
【0074】
3.情報処理方法
本節では、サーバ装置10の情報処理方法について説明する。この情報処理方法は、サーバ装置10の各部が、各ステップとしてコンピュータにより実行される。
【0075】
この情報処理方法は、少なくとも1つの検索ワードの入力を受け付ける受付ステップと、参照情報に基づいて、検索ワードに対し、検索ワードと複数の検索フィールドそれぞれとの関連度を含む関連情報を設定する設定ステップと、複数の検索フィールドごとに検索ワードを含む登録情報を検索するとともに、関連情報に含まれる検索フィールドごとの関連度に基づいて、検索された登録情報の表示優先度を決定する検索ステップとを備える。参照情報は、検索ワードと関連情報との関係を含み、検索フィールドは、求職者又は求人者の登録情報における検索対象範囲である。
【0076】
図7は、検索支援システム1によって実行される情報処理(求人者による求職者登録情報の検索処理)の流れを示すアクティビティ図である。以下では、このアクティビティ図の各アクティビティに沿って、情報処理を説明する。なお、以下では、求人者端末20を用いた求職者登録情報の検索処理を説明するが、求職者端末30を用いた求人者登録情報の検索処理の流れも同様である。
【0077】
求人者による求職者登録情報の検索処理は、求人者による、検索ワードの入力から開始される。求人者は、求人者端末20において、少なくとも1つの検索ワードを入力する(アクティビティA101)。サーバ装置10は、求人者端末20から検索ワードの入力を受け付ける(アクティビティA102)。サーバ装置10は、参照情報をもとに、受け付けた検索ワードに関連情報を設定する(アクティビティA103)。続いて、サーバ装置10は、検索ワードを用いて、検索フィールドごとに求職者登録情報を検索する(アクティビティA104)。これにより、検索フィールドごとの検索結果(ヒットした求職者登録情報)が得られる。
【0078】
検索結果の取得後、サーバ装置10は、関連情報に含まれる検索フィールドごとの関連度に基づいて、検索された求職者登録情報の表示優先度を決定する(アクティビティA105)。サーバ装置10は、決定された表示優先度の情報とともに、検索結果(ヒットした求職者登録情報)を求人者端末20に出力する(アクティビティA106)。これにより、求人者端末20において、検索結果に含まれる求職者登録情報が表示優先度順に表示される(アクティビティA107)。
【0079】
4.作用
本実施形態の作用をまとめると、次の通りとなる。すなわち、入力された検索ワードに対し検索フィールドとの関連度が設定され、この関連度に基づいて検索結果における登録情報の表示順が調整される。そのため、求人者又は求職者は、検索フィールドごとに検索ワードを入力したり、検索条件を設定したりする必要がなくなり、効率よく登録情報を検索できる。
【0080】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0081】
5.その他
上記実施形態では、サーバ装置10が種々の記憶・制御を行ったが、サーバ装置10に代えて、複数の外部装置が用いられてもよい。すなわち、種々の情報やプログラムは、ブロックチェーン技術等を用いて複数の外部装置に分散して記憶されてもよい。特に、人工知能部120は、サーバ装置10の外部構成であってもよい。その場合、外部構成である人工知能部120は、サーバ装置10の各機能部から入力を受け付け、指示された出力をサーバ装置10に返すように構成される。
【0082】
本実施形態の態様は、検索支援システム1に限定されず、情報処理方法であっても、プログラムであってもよい。採用支援方法は、検索支援システム1が実行する各ステップを備える。プログラムは、コンピュータに、検索支援システム1の各ステップを実行させる。
【0083】
検索支援システム1の制御部11は、必ずしも抽出部116及び再評価部117を備えなくてもよい。つまり、制御部11は、必ずしも検索ワードの関連情報を更新する機能を有しなくてもよい。また、制御部11は、必ずしも参照情報登録部115を備えなくてもよい。例えば、未登録ワードの関連情報は、システム管理者の入力操作によって作成及び登録されてもよい。
【0084】
次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0085】
(1)検索支援システムであって、プロセッサを備え、前記プロセッサは、次の各ステップを実行するように構成され、受付ステップでは、少なくとも1つの検索ワードの入力を受け付け、設定ステップでは、参照情報に基づいて、前記検索ワードに対し、前記検索ワードと複数の検索フィールドそれぞれとの関連度を含む関連情報を設定し、ここで、前記参照情報は、前記検索ワードと前記関連情報との関係を含み、前記検索フィールドは、求職者又は求人者の登録情報における検索対象範囲であり、検索ステップでは、複数の前記検索フィールドごとに前記検索ワードを含む前記登録情報を検索するとともに、前記関連情報に含まれる前記検索フィールドごとの前記関連度に基づいて、検索された前記登録情報の表示優先度を決定する、検索支援システム。
【0086】
(2)上記(1)に記載の検索支援システムにおいて、前記関連度は、前記検索ワードと前記検索フィールドとの関連の高さを数値で表したものであり、前記検索ステップでは、検索された前記登録情報に対して、前記検索ワードが含まれる前記検索フィールドに対する当該検索ワードの前記関連度の大きさに応じたスコアを付与するとともに、前記スコアの高い前記登録情報を優先して表示する、検索支援システム。
【0087】
(3)上記(2)に記載の検索支援システムにおいて、前記検索ステップでは、前記検索ワードが含まれる前記検索フィールドの数が多いほど、検索された前記登録情報に対して付与する前記スコアを高くする、検索支援システム。
【0088】
(4)上記(2)又は(3)に記載の検索支援システムにおいて、前記設定ステップでは、前記参照情報に含まれない前記検索ワードに対し、複数の前記検索フィールドそれぞれについての前記関連度が全て同値とされた前記関連情報を設定する、検索支援システム。
【0089】
(5)上記(1)から(4)のいずれか1つに記載の検索支援システムにおいて、前記プロセッサは、さらに次のステップを実行するように構成され、参照情報登録ステップでは、前記参照情報に含まれない前記検索ワードに対し前記関連情報を生成するとともに、当該検索ワード及び当該関連情報を互いに対応付けて前記参照情報に登録する、検索支援システム。
【0090】
(6)上記(5)に記載の検索支援システムにおいて、前記参照情報登録ステップでは、前記検索ワードを学習モデルである関連情報生成モデルに入力し、前記関連情報生成モデルに前記関連情報を出力させる、検索支援システム。
【0091】
(7)上記(6)に記載の検索支援システムにおいて、前記参照情報登録ステップでは、前記検索ワードに基づいて前記関連情報を生成する指示を前記関連情報生成モデルに入力する、検索支援システム。
【0092】
(8)上記(1)から(7)のいずれか1つに記載の検索支援システムにおいて、前記プロセッサは、さらに次のステップを実行するように構成され、記憶ステップでは、前記検索ワードによる前記登録情報の検索結果、及び前記検索結果に含まれる前記求職者又は前記求人者におけるイベント発生結果の少なくとも一方を記憶し、抽出ステップでは、前記参照情報に含まれる前記検索ワードの中から、関連付けられた前記検索結果及び前記イベント発生結果の少なくとも一方が予め定めた基準を満たさない再評価対象ワードを抽出する、検索支援システム。
【0093】
(9)上記(8)に記載の検索支援システムにおいて、前記プロセッサは、さらに次のステップを実行するように構成され、再評価ステップでは、前記再評価対象ワードを学習モデルである再評価モデルに入力し、前記再評価モデルに前記再評価対象ワードに関連付けられた新たな前記関連情報を出力させるとともに、当該再評価対象ワード及び当該関連情報を互いに対応付けて前記参照情報に登録する、検索支援システム。
【0094】
(10)上記(9)に記載の検索支援システムにおいて、前記再評価ステップでは、前記再評価対象ワードに基づいて前記関連情報を生成する指示を前記再評価モデルに入力する、検索支援システム。
【0095】
(11)上記(1)から(10)のいずれか1つに記載の検索支援システムにおいて、前記受付ステップでは、複数の前記検索ワードの入力を受け付け、前記設定ステップでは、前記参照情報に基づいて、複数の前記検索ワードそれぞれに対し、前記関連情報を設定し、前記検索ステップでは、複数の前記検索ワードそれぞれにおいて複数の前記検索フィールドごとに前記検索ワードを含む前記登録情報を検索するとともに、複数の前記検索ワードそれぞれの前記関連情報に含まれる前記検索フィールドごとの前記関連度に基づいて、検索された前記登録情報の表示優先度を決定する、検索支援システム。
【0096】
(12)検索支援方法であって、上記(1)から(11)のいずれか1つに記載の検索支援システムが実行する各ステップを備える、検索支援方法。
【0097】
(13)プログラムであって、コンピュータに、上記(1)から(11)のいずれか1つに記載の検索支援システムの各ステップを実行させる、プログラム。
もちろん、この限りではない。
【0098】
最後に、本開示に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0099】
1 :検索支援システム
2 :通信回線
10 :サーバ装置
11 :制御部
12 :記憶部
13 :通信部
14 :通信バス
20 :求人者端末
21 :制御部
22 :記憶部
23 :通信部
24 :入力部
25 :出力部
26 :通信バス
30 :求職者端末
31 :制御部
32 :記憶部
33 :通信部
34 :入力部
35 :出力部
36 :通信バス
111 :基本表示制御部
112 :受付部
113 :設定部
114 :検索部
115 :参照情報登録部
116 :抽出部
117 :再評価部
120 :人工知能部
211 :表示部
212 :操作受付部
311 :表示部
312 :操作受付部
【要約】
【課題】効率よく求職者又は求人の情報を検索できる検索支援システム等を提供する。
【解決手段】本発明の一態様によれば、検索支援システムが提供される。この検索支援システムは、プロセッサを備える。プロセッサは、次の各ステップを実行するように構成される。受付ステップでは、少なくとも1つの検索ワードの入力を受け付ける。設定ステップでは、参照情報に基づいて、検索ワードに対し、検索ワードと複数の検索フィールドそれぞれとの関連度を含む関連情報を設定する。参照情報は、検索ワードと関連情報との関係を含み、検索フィールドは、求職者又は求人者の登録情報における検索対象範囲である。検索ステップでは、複数の検索フィールドごとに検索ワードを含む登録情報を検索するとともに、関連情報に含まれる検索フィールドごとの関連度に基づいて、検索された登録情報の表示優先度を決定する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7